JP2002260626A - 非水電解質二次電池 - Google Patents
非水電解質二次電池Info
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Abstract
水電解質二次電池を提供する。 【解決手段】 正極2と負極3がセパレータ4とともに
捲回された極板群が、ビフェニルなどの芳香族添加剤が
添加された非水電解質とともにケース5内に密封されて
なり、極板間のセパレータ4は、セパレータをMDに2
5kg/cm2の引っ張り荷重を与えた状態で大気中1
20℃の温度で15分間前処理した後の全細孔容積を
0.3から1.5cm3/gとする。
Description
境下での安全性の高い非水電解質二次電池であって、詳
しくは過充電時の安全性を向上させる添加剤及びセパレ
ータを用いた非水電解液二次電池に関する。
環境下で安全性を保つ方法としては、大きく分けて組み
込まれている安全装置を用いる方法と発電要素自体に耐
過充電特性を付与する方法がある。さらに後者の発電要
素自体に耐過充電特性を持たせる具体的な例として、セ
パレータの特性を改良する方法、電解液に耐過充電添加
剤を添加する方法等が提案されている。
る構成として、非水電解質二次電池のセパレータに特有
の機能であるセパレータのシャットダウン機能を利用し
た構成が広く用いられている。通常時、セパレータは正
極、負極間の短絡防止の役割を担っているが、多孔質ポ
リオレフィン等を用いたセパレータは、外部短絡による
過剰電流等により電池温度が著しく上昇した場合に多孔
質セパレータが軟化することによって、実質的に無孔質
となり電流を流させなくする、いわゆるシャットダウン
機能を有している。
上昇した場合には、セパレータが溶融して大きく穴が開
き、正極、負極間の短絡が生じる虞がある(以下、この
現象をメルトダウンと称す)。このメルトダウンが生じ
る温度が高いほど、電池の安全性は高いと言える。しか
し、シャットダウン機能を強化するために、熱溶融性を
高めるとメルトダウン温度が低くなり、安全性は逆に下
がるという相反する特性を有しており、これらを両立す
るセパレータが要望されている。
成では、過充電時の安全性を向上させる様々な方法が提
案されている。例えば、過充電時に添加剤が重合するこ
とにより電池の内部抵抗を高め、電池を過充電から保護
する方法、過充電時にガスを発生し、所定内圧で作動す
る内部電気切断装置を確実に作動させる方法、あるいは
過充電酷使時に導電性ポリマーを生成し、電池内部に短
絡を発生、放電する方法がある。
池には高容量化が強く要望されている。高容量化は、電
極の活物質の改良により高性能化している面もあるが、
起電反応に寄与しない部材の容積を減少させ、限られた
電池容器内に充填される実質的な活物質の量を多くする
ことで、高容量化がなされている。このため、正負極の
集電体やセパレータの厚みは薄くなる傾向にある。セパ
レータが薄くなると、短絡などに対する安全性は悪くな
る方向であるが、実質的な活物質の量が多くなるため、
安全性に対する要求は逆に大きくなる。
した電池が過充電状態に陥り、発熱により高温状態にな
った場合には、過充電状態を電気的に回避させる方法を
採用するよりも、過充電状態を解消する方法を採用する
のが効果的である。具体的には、前述した方法の中で、
セパレータのシャットダウンや添加剤の過充電時に添加
剤が重合することにより電池の内部抵抗を高くし、電池
を過充電から保護する方法、及び過充電時にガスを発生
し、所定内圧で作動する内部電気切断装置を確実に作動
させる方法は、電池に印可される電流を制限、或いは遮
断することで過充電状態が継続するのを回避している。
これに対して、電池内部に短絡を発生させ自動放電する
方法は電池内部で強制的に放電を行っており、電池内部
の発電要素を過充電状態から脱却させる点から過充電状
態を停止させる前述の方法に比べて好ましい。特に、角
型電池などで所定内圧で作動する内部電気切断装置が設
けられていない構成に過充電時にガス発生を生ずる添加
剤を添加した場合には、電池容器の内圧上昇を招いてし
まい、安全性の面で好ましくない。
充電保護において添加剤として芳香族添加剤を使用した
場合、同一の添加剤であっても添加剤の添加量、電解質
塩、非水溶媒及び他の構成要素との関係、さらにはこれ
らの劣化状態等といった種々の要因による影響を受け、
過充電保護の作用は異なってしまう。例えば、過充電時
に添加剤が重合することにより電池の内部抵抗を高く
し、電池を過充電から保護する方法(特許第30617
56号公報)、過充電時にガスを発生し、所定内圧で作
動する内部電気切断装置を作動させる方法(特許第30
61759号公報)、あるいは過充電酷使時に導電性ポ
リマーを生成し、強制的に放電させる方法(特開平10
−321258号公報)が提案されている。したがっ
て、芳香族添加剤を添加することにより、過充電時に導
電性ポリマーが生じ、内部短絡で安全性を確保する作用
に優先して、ガス発生もしくは電池の内部抵抗を高める
作用が生じる虞があり、導電性ポリマーによる強制的な
放電による過充電保護が確実に生ずるという信頼性の面
で問題を有している。
のであり、好適な添加剤とセパレータを組み合わせて使
用することにより、高温環境下での安全性に優れた高容
量非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
に本発明の非水電解質二次電池は、非水電解質に芳香族
添加剤を含有してなり、更に過充電時にセパレータに曝
されると想定される高温及び応力を付加した直後におい
て、全細孔容積が0.3から1.5cm3/gであるこ
と、及び空孔率が20から70%であることを特徴とす
る。
て測定されるものである。この測定はセパレータと水銀
とを試料セルに入れ、水銀に圧力をかけないときの水銀
体積と、圧力をかけてセパレータの細孔に水銀を圧入し
た時の水銀体積の差が全細孔容積ということになる。
ロシメータ装置を用いて測定されるものである。この測
定は、セパレータと水銀とを試料セルに入れ、水銀に圧
力をかけないときの水銀体積と試料セル容積から試料体
積を計算し、上述した全細孔容積を算出された試料体積
で割った値が空孔率となる。
もしくは空隙率に関して特定範囲の特性パラメータを有
するセパレータとを用いることにより、電池が過充電状
態に陥った際に導電性ポリマーがセパレータを貫通さ
せ、内部短絡を生じさせることで、過充電状態を解消す
る。これにより高容量で信頼性に優れた非水電解質二次
電池を提供することが可能になる。
説明する。
池は、正極と負極と非水溶媒に電解質塩を溶解した非水
電解質とセパレータを備えた非水電解質二次電池であっ
て、非水電解質は芳香族添加剤を混合してなり、前記セ
パレータとして機械延伸された長手方向(以下、この方
向をMDとする)に25kg/cm2の引っ張り荷重を
与えた状態において大気中110℃の温度で15分間保
持した直後における全細孔容積が0.3から1.5cm
3/gの範囲にあることを特徴とする。
イオン透過度を持ち、適度な機械的強度がある電子絶縁
性の微多孔性薄膜が用いられる。材質としては、耐有機
用材性と疎水性の観点とシャットダウン機能を持つ点か
ら、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂の単独また
はこれらを積層したものや混合・複合したものなどの多
孔質ポリオレフィンを用いることが好ましい。
芳香族化合物からなる添加剤であり、好ましいものとし
てビフェニル、フラン、チオフェンおよびこれらの誘導
体がある。具体的には、ビフェニル、ピロール、N−メ
チルピロール、チオフェン、フラン、インドール、3−
クロロチオフェン、3−ブロモチオフェン、3−フルオ
ロチオフェン、1,2ジメトキシべンゼンや1−メチル
−3−ピリジニウムテトラフルオロボーレートなどがあ
る。これらの中でも、電池の最大動作充電電圧以上で、
電池が危険になる過充電電圧未満の電圧で重合する化合
物が適当であり、この重合電位と電池作動下での安定性
の点から、ビフェニル、フラン、インドールおよび3−
クロロチオフェンが、特に好ましい。
される正極は、従来公知の構成であるが、コバルト酸リ
チウム、ニッケル酸リチウム、マンガンスピネルなどの
リチウム含有複合酸化物を活物質とし、導電剤と結着剤
を混合した合剤が集電体に塗工することで作成される。
主な活物質には天然黒鉛や人造黒鉛などの炭素が使われ
るが、その他に、アルミニウムやアルミニウムを主体と
する種々の合金や、酸化スズなどを初めとする種々の金
属酸化物、金属窒化物など従来公知のものがあり、正極
と同様に、導電剤と結着剤を混合した合剤が集電体に塗
工することで作成される。
は、非水溶媒としてエチレンカーボネート(EC)やプ
ロピレンカーボネート(PC)等の環状カーボネート類
やジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネ
ート(DEC)およびエチルメチルカーボネート(EM
C)などの鎖状カーボネート類の2種以上を混合したも
のが好ましい。また、電解質塩は、LiPF6やLiB
F4など従来公知のリチウム塩が使用可能である。
おいて芳香族添加剤及びセパレータによって内部短絡を
生じせしめるものであり、この内部短絡のメカニズムは
以下の通りである。
になると、芳香族添加剤が正極の表面で重合・成長し、
抵抗値の高いポリマー層を形成する。さらに電圧が上昇
すると前記ポリマー層は導電性高分子となる。過充電状
態が継続すると、この導電性高分子はセパレータ細孔内
部で生長し、ついには、貫通して負極に達し、内部短絡
が起こる。この結果、本発明に係るセパレータ及び芳香
族添加剤を用いた電池では、過充電過程の比較的早い段
階から導電性高分子が形成され、正極と負極の充電深度
が必要以上に過度な状態に到達しないことから、過充電
時の危険性を抑制できる。
添加剤が添加されていないか、添加量が0.1重量%未
満の場合は、導電性高分子が十分成長しないうちに過充
電状態が深刻な状態にまで進行してしまう。また、芳香
族添加剤添加量が多い場合、例えば10重量%より大き
い場合は、過充電状態の抑制効果は、発揮できるが、通
常の電池特性、特に高温保存時の特性が劣化するため不
適合である。
レータの全細孔容積に関しても好適な値が存在すること
を見出した。従来、全細孔容積に関しては常温域におけ
るセパレータ特性について検討がなされてきた。しか
し、電池が過充電状態に陥った場合には電池自身の発熱
により各構成要素は高温環境下に曝されるために常温域
とは違った特性がセパレータに要求される。このような
背景のもと、本発明者らは、高温環境下に想定される熱
的及び物理的な付加した状態での評価が必要であるとの
知見を得、予め定められた条件に保持した直後において
前述した特性を有するセパレータが本発明の電池に好適
であるとの結論に至った。
件について説明する。電池の過充電状態における昇温機
構は複雑であり、極板群内のセパレータにかかる応力の
状態を正確にシミュレーションするのは困難である。特
に、セパレータは同じ高温環境温度でもその時のセパレ
ータにかかる応力により熱収縮の状況が変化する点も考
慮することが肝要である。そこで、本発明者らは、再現
性の高い処理条件としてセパレータの状態として、セパ
レータをMDに25kg/cm2の引っ張り荷重を与え
た状態が好ましいことを見出した。通常、渦巻き状に捲
回された極板群を作製する場合に、セパレータはある程
度の張力を加えられて巻き取られている。つまり、MD
に引っ張り荷重がかけられた状態で、捲回された極板群
内に配置されている。
る電池の到達温度及び過充電状態に陥ってから導電性高
分子によって過充電状態が解消するまでに要する時間を
考慮する必要があり、本実施の形態では大気中110℃
の温度で15分間保持するのが好適であるとの知見を得
た。ここで、15分という時間は、セパレータがその温
度でのTD収縮の変化が無くなる、つまり飽和に達する
のに十分な時間という意味であり、これ以上の時間でも
かまわないし、TD収縮が飽和に達していればこれ以下
の時間でも良いが、再現性の高い保持時間としては15
分が好適である。
セパレータをMDに25kg/cm 2の引っ張り荷重を
与えた状態において大気中110℃の温度で15分間保
持した直後(以下、この処理を熱処理とする)にJIS
に準拠した測定装置を用いてセパレータの全細孔容積を
測定する事が好ましく、本願の第1の発明に係るセパレ
ータでは、本発明者らは0.3から1.5cm3/gに
あるのが好ましいことを見出した。
する。セパレータの細孔が多い場合、つまり全細孔容積
が大きい場合は、導電性高分子が多量に貫通して負極に
達するため、短絡電流が多くなり、危険な状況になる。
逆にセパレータの細孔が少ない場合は、つまり全細孔容
積が小さい場合は、導電性高分子が貫通して負極に達し
ないうちに、過充電状態がさらに進行してしまう。この
場合、芳香族添加剤の重合量と電解液不足による内部抵
抗の増大による過充電抑止効果が、十分に機能した場合
や、添加剤のガス発生により内部電気切断装置が確実に
作動した場合には、問題は無いが、セパレータが薄くて
シャットダウン機能が十分に働かない場合や内部電気切
断装置が無い場合は、過充電状態が危険な状況にまで進
行してしまう。したがって、好適な全細孔容積が存在す
る。
下のもので、常温での全細孔容積とは関係が無い。本発
明者らは鋭意検討の結果、下記の特性をもつセパレータ
が、本発明の電池に好適であるという結論を得た。すな
わち、本発明に係るセパレータは、セパレータをMD方
向に25kg/cm2の引っ張り荷重を与えた状態で大
気中110℃の温度で15分間前処理した後、測定した
全細孔容積が0.3から1.5cm3/gであるもので
ある。特に、芳香族添加剤が、ビフェニル、フラン、イ
ンドールおよび3−クロロチオフェンからなる群から選
択されるもので有る場合は、前記全細孔容積が0.5か
ら1.0cm3/gであることが、非常に優れた効果を
示す。
値は、公知のセパレータにおける常温域において通常使
用される状態での値に比べて小さな値である。通常の使
用状態では全細孔容積が小さくなると、高率放電特性な
どに悪影響を与える。このため常温域では全細孔容積が
小さく、高温になると、全細孔容積が大きくなる多孔質
ポリオレフィンが好ましい。
二次電池は、正極と負極と非水溶媒に電解質塩を溶解し
た非水電解質とセパレータを備えた非水電解質二次電池
であって、非水電解質は芳香族添加剤を混合してなり、
前記セパレータとして機械延伸された長手方向(以下、
この方向をMDとする)に25kg/cm2の引っ張り
荷重を与えた状態において大気中110℃の温度で15
分間保持した直後におけるセパレータの空孔率が20か
ら70%の範囲にあることを特徴とする。
性パラメータが異なっているが、除芳香族添加剤を含
め、前記第1の発明に係る電池と同等であり、過充電時
の高温環境下における芳香族添加剤とセパレータによる
内部短絡のメカニズムもほとんど同様である。
1の発明に係る電池と同様に大きなイオン透過度を持
ち、適度な機械的強度がある電子絶縁性の微多孔性薄膜
が用いられる。材質としては、耐有機用材性と疎水性の
観点とシャットダウン機能を持つ点から、ポリプロピレ
ン樹脂、ポリエチレン樹脂の単独またはこれらを積層し
たものや混合・複合したものなどの多孔質ポリオレフィ
ンを用いることが好ましい。この時、セパレータの空孔
率が20%未満であると、導電性高分子がセパレータの
中を成長していくのが困難になり、導電性高分子が貫通
して負極に達しないうちに、過充電状態がさらに進行し
てしまい、危険な状況となる。一方、空孔率が70%よ
り大きくなると、導電性高分子が一つの細孔内で多量に
貫通するため、局所的に短絡電流が多くなり、危険な状
況になる。したがって、前述の前処理後の、空孔率が2
0から70%であることが好ましい。
ラン、インドールおよび3−クロロチオフェンからなる
群から選択されるものである場合は、前記空孔率が35
から50%であることが、特に好ましい。
は、19μm以上では、電池の高容量化や高率放電など
の電池特性という点で不利になる上、内部短絡が確実に
起こりにくくなるため18μm以下が好ましい。また、
厚みが7μm以下になると、過充電時の高温環境下で内
部短絡が確実に発生しても、電池が危険な状況になる。
したがって、セパレータの厚さが8から18μmである
ことが好ましい。
いて説明する。
て以下に示す各種の特性を有するセパレータを作製し
た。
レータとしてポリエチレン(PE)膜であるものを以下
に述べる方法に従って作製した。
40重量部と流動パラフィン60重部とを二軸押出機内
で溶融混練した。コートハンガーダイから冷却ロール上
に押出キャストすることにより高分子ゲルシートを作製
した。厚みはこの時点で、1.8mmであった。この高
分子ゲルシートを同時二軸延伸機を用いて122℃で7
×7倍に抽出前延伸をした。その後、塩化メチレン中に
浸漬して流動パラフィンを抽出除去した。さらに、テン
ターを用いて、125℃でTD方向に2倍に延伸した
後、TD方向の延伸を17%緩和させつつ熱処理した。
以上述べた工程で、厚さ16%のPE膜を作製し、セパ
レータAとした。以下、このセパレータAの各種特性を
測定した。
容積を測定した。23℃に調温された実験室内で水銀ポ
ロシメータ装置を用いて全細孔容積を測定した。測定値
は、1.6cm3/gであった。
孔容積を測定した。セパレータAを、MD方向に120
mm、TD方向に50mmの長方形に切り取り、大気中
110℃の温度にセットされた恒温層内に、MD方向に
200gの錘で、25kg/cm2の引っ張り荷重を与
えた状態でセットし、15分間保持して前処理した。
(以下、MD前処理という。) MD前処理した後は、
23℃に調温された実験室内で水銀ポロシメータ装置を
用いて全細孔容積を測定した。測定値は、0.6cm3
/gであった。
率を測定した。23℃に調温された実験室内で水銀ポロ
シメータ装置を用いて空孔率を測定した。測定値は75
%であった。
孔容積を測定した。セパレータAを、MD方向に120
mm、TD方向に50mmの長方形に切り取り、MD前
処理した。MD前処理した後は、23℃に調温された実
験室内で水銀ポロシメータ装置を用いて空孔率を測定し
た。測定値は38%であった。
細孔容積を持つセパレータBを製造した。
40重量部と流動パラフィン60重部とを二軸押出機内
で溶融混練した。コートハンガーダイから冷却ロール上
に押出キャストすることにより高分子ゲルシートを作製
した。厚みはこの時点で、1.8mmであった。この高
分子ゲルシートを同時二軸延伸機を用いて130℃で7
×4倍に抽出前延伸をした。その後、塩化メチレン中に
浸漬して流動パラフィンを抽出除去した。さらに、テン
ターを用いて、130℃でTD方向に3倍に延伸した
後、TD方向の延伸を17%緩和させつつ熱処理した。
以上述べた工程で、厚さ16%のPE膜を作製し、セパ
レータBとした。得られたセパレータBの常温での全細
孔容積を測定した。
メータ装置を用いて全細孔容積を測定した。測定値は
1.6cm3/gであった。
孔容積を測定した。セパレータBを、セパレータAと同
様に、MD方向に120mm、TD方向に50mmの長
方形に切り取り、MD前処理した。MD前処理した後
は、23℃に調温された実験室内で水銀ポロシメータ装
置を用いて全細孔容積を測定した。測定値は1.0cm
3/gであった。
Aと同様に、常温での空孔率を測定した。23℃に調温
された実験室内で水銀ポロシメータ装置を用いて空孔率
を測定した。測定値は75%であった。
率を測定した。セパレータBを、MD方向に120m
m、TD方向に50mmの長方形に切り取り、MD前処
理した。MD前処理した後は、23℃に調温された実験
室内で水銀ポロシメータ装置を用いて空孔率を測定し
た。測定値は50%であった。
同様の方法で、ポリエチレンの分子量や延伸条件を変え
ることにより、常温での全細孔容積、空孔率は、全て同
じであり、(表1)に示すような熱処理後の全細孔容
積、空孔率および厚さからなるセパレータAからPの1
6種のセパレータを作製した。
の過充電時の温度変化を評価するために円筒形電池を作
製し、評価を行った。
図(一部断面図)を示す。図1において、非水電解質二
次電池1は、正極2と負極3とセパレータ4が、捲回さ
れて、ケース5内に非水溶媒に電解質塩を溶解した電解
液(図示せず)、とともに内蔵されており、封口板6で
密閉されている。
安全弁やPTC素子などの安全素子が組み込まれている
が、実施例の電池においては安全性試験のために、封口
板6には一切の安全機構は組み込まれていない。
量%に対し、導電剤の炭素粉末10重量%と結着剤のポ
リ弗化ビニリデン樹脂(PVdF樹脂)5重量%を混合
し、これらを脱水NMPに分散させてスラリーを作製
し、アルミ箔からなる正極集電体状に塗布し、乾燥後、
圧延して作製した。
を用い、これの95重量%に対して、結着剤のPVdF
樹脂を5重量%を混合し、これらを脱水NMPに分散さ
せてスラリーを作製し、銅箔からなる正極集電体状に塗
布し、乾燥後、圧延して作製した。
セパレータAからMの13種のセパレータを使用した。
(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)の体積
比1:1の混合溶媒にLiPF6を1モル/リットル溶
解したものを使用した。電解液量は、約3.8mlであ
る。
池は直径18mm、高さ65mmである。本サイズで、
通常市販されているものの設計容量は1800mAhで
あり、セパレータ4の厚みも、25から27μmのもの
が一般的である。本実施例の電池は、それよりも高容量
の2000mAhを設計容量とした。このため、セパレ
ータ4の厚みは、25μmより大きくなると、捲回した
極板群が、ケースに確実に挿入できなかった。
ェニルを5重量%添加した電解液3.8mlとともに電
池に組み立てた。この電池を実施例1の電池とする。さ
らに、(表1)に示すセパレータAからMの13種のセ
パレータと、芳香族添加剤および添加量を(表2)およ
び(表3)に示す組み合わせにて作製し、実施例2から
実施例36の電池を得た。
セパレータAを用い、芳香族添加剤を一切添加していな
い電解液とともに電池に組み立てた。この電池を比較例
1とする。さらに(表1)に示すセパレータAからMの
13種のセパレータと、芳香族添加剤および添加量を
(表2)および(表3)に示す組み合わせにて作製し、
比較例2から比較例9の電池を得た。
比較例1〜比較例9に係る電池、計45個を以下のよう
に評価した。
そこで、1000mAの定電流で、4.2Vになるまで
充電した後、1000mAの定電流で3.0Vになるま
で放電する充放電サイクルを10サイクル繰り返した。
この10サイクル目の放電容量を各電池の初期容量とし
た。51個の全ての電池で、初期容量が設計容量を満足
していた。また、充放電は20℃の恒温槽の中で行っ
た。その後、各電池を4.2Vまで1000mAの定電
流で充電し、さらに、2000mAの定電流で3時間の
過充電試験を行い、この過程での電池の表面温度の測定
を行い、電池の最高到達温度を評価した。これらの結果
も、(表2)および(表3)に示す。
はセパレータが薄くなっているのもかかわらず、異常昇
温が抑えられた。すべての実施例の電池で、電圧がかか
った状態で電流が流れており、セパレータ内で微小な内
部短絡が起こっていた。それに対し、比較例の電池は、
全て異常昇温が起こった。
孔容積や空孔率は同じであるのに、実施例と比較例の電
池のように異常昇温の起こる電池と起こらない電池があ
ったのは、前述のとおり、高温時の全細孔容積や空孔率
が違うためである。
ン、インドール、3−クロロ−チオフェン)で、添加量
が2.5重量%のものと5重量%のもので、効果に違い
が無かった。
(実施例8、9、17、18、23、24、29、3
0、35、36)は、すべて、セパレータJか、セパレ
ータKのものであった。セパレータJは、高温時の全細
孔容積が大きくて、高温時の空孔率も大きい上に厚みが
小さいため、内部短絡が多く発生し、その短絡電流によ
る温度上昇が大きかったと思われる。また逆に、セパレ
ータKは、高温時の全細孔容積が小さくて、高温時の空
孔率も小さい上に厚みが厚いため、内部短絡の発生が少
なく、過充電状態が進んだため温度上昇が大きかったと
思われる。
と思われる、セパレータGや、セパレータMを使用した
比較例の電池(比較例3、5、7、9)は、内部短絡が
あまりにも多く発生し、その短絡電流による温度上昇が
大きいため、異常昇温が起こったと考えられる。また逆
に、セパレータKより内部短絡が起こりにくいと思われ
る、セパレータFや、セパレータLを使用した比較例の
電池(比較例3、5、7、9)は、内部短絡の発生があ
まりにも少なく、過充電状態が危険な状態まで進んだた
め異常昇温が起こったと考えられる。
セパレータを用いたにもかかわらず非水電解質二次電池
の高温状況下での安全性を高めることができる。
(一部断面図)
Claims (5)
- 【請求項1】 正極、負極、非水溶媒に電解質塩を溶解
した非水電解質、セパレータを備えた非水電解質二次電
池であって、前記非水電解質は、ビフェニル、フラン、
チオフェン及びこれらの誘導体から選択される少なくと
も1種の芳香族添加剤を混合してなり、前記セパレータ
は多孔質ポリオレフィンからなり、さらにその機械延伸
された長手方向に25kg/cm2の引っ張り荷重を与
えた状態にて大気中110℃の温度で15分間保持した
後において、全細孔容積が0.3から1.5cm3/g
であることを特徴とする非水電解質二次電池。 - 【請求項2】 前記芳香族添加剤は、ビフェニル、フラ
ン、インドールおよび3−クロロチオフェンから選択さ
れるものであり、前記全細孔容積が0.5から1.0c
m3/gである請求項1記載の非水電解質二次電池。 - 【請求項3】 正極、負極、非水溶媒に電解質塩を溶解
した非水電解質、セパレータを備えた非水電解質二次電
池であって、前記非水電解質は、ビフェニル、フラン、
チオフェン及びこれらの誘導体から選択される少なくと
も1種の芳香族添加剤を混合してなり、前記セパレータ
は多孔質ポリオレフィンからなり、さらにその機械延伸
された長手方向に25kg/cm2の引っ張り荷重を与
えた状態にて大気中110℃の温度で15分間保持した
後において、前記セパレータの空孔率が20から70%
であることを特徴とする非水電解質二次電池。 - 【請求項4】 前記芳香族添加剤は、ビフェニル、フラ
ン、インドールおよび3−クロロチオフェンから選択さ
れるものであり、前記空孔率が35から50%である請
求項3記載の非水電解質二次電池。 - 【請求項5】 前記セパレータの厚さが8から18μm
である請求項1から4のいずれかに記載の非水電解質二
次電池。
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