JP2002258446A - 発光装置内蔵レンズ付きフィルムユニット - Google Patents

発光装置内蔵レンズ付きフィルムユニット

Info

Publication number
JP2002258446A
JP2002258446A JP2001052034A JP2001052034A JP2002258446A JP 2002258446 A JP2002258446 A JP 2002258446A JP 2001052034 A JP2001052034 A JP 2001052034A JP 2001052034 A JP2001052034 A JP 2001052034A JP 2002258446 A JP2002258446 A JP 2002258446A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aperture
lens
emitting device
light emitting
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001052034A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Kobayashi
宏至 木林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2001052034A priority Critical patent/JP2002258446A/ja
Publication of JP2002258446A publication Critical patent/JP2002258446A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Exposure Control For Cameras (AREA)
  • Stroboscope Apparatuses (AREA)
  • Diaphragms For Cameras (AREA)
  • Blocking Light For Cameras (AREA)
  • Structure And Mechanism Of Cameras (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に広い室内等における補助光による撮影に
おいて、より背景が暗く写ることがないようにした発光
装置内蔵レンズ付きフィルムユニット。 【解決手段】 撮影レンズの焦点距離をf(mm)、撮
影画面の短辺の長さをL(mm)、内蔵した発光装置を
用いたときの絞りをF、前記発光装置を用いたときのシ
ャッタ速度をT(ms)、前記発光装置を用いたときの
基準露光量(EV)をAとしたとき、下記の条件式を満
足すること。 1.08≦f/L≦1.20 5≦F≦8 1/150≦T≦1/60 6.2≦A≦7.9

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光装置を内蔵し
たレンズ付きフィルムユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、レンズ付きフィルムユニット
においては簡便であることと安価であることを旨として
いるので、露光調節の機構を有しておらず、絞りは撮影
レンズの開放口径のみで、シャッタ速度は1/125程
度の一速であるものが一般的で、撮影レンズも1枚若し
くは2枚構成のプラスチックレンズからなり、開放口径
のF値は10程度と暗い。従って、ISO100のフィ
ルムを用いると、日中晴天のときの撮影に限られてしま
うため、少しでも低輝度で撮影可能なようにISO40
0のフィルムが装填されている。
【0003】例えば、シャッタ速度を1/125とし、
絞りをF11とすると、ISO400のフィルムを用い
たときの露光量はEV値で12となって、フィルムや印
画紙のラチチュードに頼ることによって、晴天の日中か
ら薄暗い朝夕まで撮影可能となる。
【0004】しかし、これでも室内や夜間での撮影は不
可能であるので、ストロボを内蔵して低輝度の撮影を可
能としたレンズ付きフィルムユニットが多数市販されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ストロボ撮影において
は、適正露出の撮影距離は1点であるので、人物等の主
要被写体をその距離に設定すると、その被写体より近距
離の被写体は露出過多になり、遠距離にある背景の被写
体は露出不足になる。レンズ付きフィルムユニットに装
填されているフィルムはネガフィルムであるので、露出
過多の方向にラチチュードが広く、近距離の被写体に対
してはあまり問題にならない。一方、背景の被写体につ
いては家庭等の狭い室内における撮影においてはあまり
遠距離でない上に、ストロボ光が種々の物体にバウンス
して背景に照射され、計算上よりも露出不足にはならな
い。また、家庭等の室内ではストロボ光以外の照明もあ
るので、これによっても背景の露出不足は低減されてい
る。
【0006】しかし、ストロボ撮影は家庭等の室内のみ
とは限らず、ホテルのロビー等の広い室内や照明が少な
い屋外でも行われる。この場合、適正な撮影距離に人物
等の主要被写体を配置すれば主要被写体は適正露出とな
るが、背景の距離が数十メートルもあるとすると背景に
はストロボ光が全く届かない。
【0007】例えば、従来のレンズ付きフィルムユニッ
トで、ISO800のフィルムを内蔵したものがある。
このレンズ付きフィルムユニットは、開放F値が10.
3、シャッタ速度が1/110、ストロボのガイドナン
バーがISO100にて11.6である。従って、外光
による撮影はEV10.5にて適正露出となり、ストロ
ボ光による撮影は3.2mの距離にて適正露出となる。
【0008】このレンズ付きフィルムユニットを用いて
ホテルのロビー等の広い室内や照明が少ない屋外で3.
2mの距離に主要被写体を置いてストロボ撮影をする
と、主要被写体は適正露出となる。また、ストロボ光が
届かない遠方の背景は外光のみによって露光されるが、
フィルムのラチチュードは露出不足側にEV値で1.5
位であるので、遠方の背景がEV9位の明るさであれ
ば、出来上がった写真の上でも背景を視認できる。しか
し、例えば遠方の背景の明るさがEV8.5以下でスト
ロボ撮影し、ストロボ撮影した主要被写体が適正露出に
なるようにプリントすると、写真の上では背景は暗くつ
ぶれてしまう。即ち、人の目ではそれなりに視認できた
遠方の背景が、出来上がった写真の上では全く視認でき
ないようになってしまう。
【0009】このような問題をできる限り低減したレン
ズ付きフィルムユニットとして、本出願人は「撮りっ切
りコニカMiNi Goody」(商品名)や、「撮り
っ切りコニカMiNi Goody SUPER」(商
品名)を販売している。このレンズ付きフィルムユニッ
トは、ISO800のフィルムを内蔵し、通常撮影(日
中撮影)での撮影レンズの絞り値がF12.3、シャッ
タ速度が1/80であり、ストロボ撮影の際、ストロボ
を使用可能とするためのストロボスイッチレバーの操作
に連動して撮影レンズの絞り値をF6.7に変更するよ
うに構成されている。従って、フィルムのラチチュード
が露出不足側にEV値で1.5あることを考慮すれば、
ストロボ撮影時においてストロボ光が届かない遠方の背
景の明るさがEV値で7.3くらいあれば、写真上で背
景を再現できる。通常、ホテルのロビー等は明るさがE
V値で7.3よりも明るく、このレンズ付きフィルムユ
ニットを用いることで、良好な写真を得られる機会を大
幅に広げることができた。
【0010】しかし、このようなレンズ付きフィルムユ
ニットを用いても良好な写真を得られない場所もあり、
より暗い背景を撮影できるレンズ付きフィルムユニット
が望まれている。
【0011】本発明はかかる問題に鑑みてなされたもの
であり、特に広い室内や照明の少ない屋外における補助
光による撮影において、従来のレンズ付きフィルムユニ
ットよりも背景が暗く写ることがないようにした発光装
置内蔵レンズ付きフィルムユニットを提案することを発
明の課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は下記の手段に
より達成される。
【0013】撮影レンズの焦点距離をf(mm)、撮影
画面の短辺の長さをL(mm)、内蔵した発光装置を用
いたときの絞りをF、前記発光装置を用いたときのシャ
ッタ速度をT(ms)、前記発光装置を用いたときの基
準露光量(EV)をAとしたとき、下記の条件式を満足
することを特徴とする発光装置内蔵レンズ付きフィルム
ユニット。
【0014】1.08≦f/L≦1.20 5≦F≦8 1/150≦T≦1/60 6.2≦A≦7.9
【0015】
【発明の実施の形態】本発明における発光装置内蔵レン
ズ付きフィルムユニットの実施の形態を図1乃至図7に
より詳細に説明する。
【0016】先ず、発光装置内蔵レンズ付きフィルムユ
ニットの外観形状について、図1に示す斜視図により説
明する。
【0017】前面には撮影レンズ1、ファインダ窓2、
発光装置であるストロボ装置のストロボ発光部3、スト
ロボスイッチレバー4が配置され、上面にはレリーズ釦
5、指数器窓6、充電表示窓7が配置され、背面には巻
上げノブ8が配置されている。ここで、ストロボ撮影を
行うときは、ストロボスイッチレバー4を図の右方向に
摺動させると、内部のメインスイッチがオンとなり、ス
トロボの充電が開始すると共に、後述するように絞りが
切り換わる。内部のメインコンデンサが所定の電圧に充
電されると、充電表示窓7の点灯により充電状態を視認
することができる。撮影にはレリーズ釦5を押せばよ
い。なお、ストロボスイッチレバー4を図の如く右方向
に摺動させると、先端部4aが右方に突出し、ストロボ
撮影状態にしたことを容易に判断できる。
【0018】なお、本レンズ付きフィルムユニットには
後述するように高感度のフィルムが予め装填されてい
る。
【0019】次に、絞り切り換え機構について、図2の
斜視図に基づいて説明する。同図において、撮影レンズ
1の後方には絞り板21が配置されている。絞り板21
の右端部21aには図1に示したストロボスイッチレバ
ー4が固着されており、ストロボスイッチレバー4を左
右に摺動操作することにより、絞り板21も左右に摺動
する。右端部21aの下方にはストロボのメインスイッ
チ22が配置され、絞り板21の下部にはカム21bが
設けられている。更に、絞り板21には小口径の絞り孔
21cが穿設されている。
【0020】従って、図2の如く絞り板21を左方に摺
動して、撮影レンズ1の後方に小口径の絞り孔21cを
挿入したときは、カム21bはメインスイッチ22より
退避しているので、メインスイッチ22の可動接片22
aと固定接片22bは接触せず、メインスイッチ22は
オフの状態となっている。即ち、この状態はストロボが
不発光でストロボ撮影を行わない高輝度の撮影状態であ
る。
【0021】一方、絞り板21を右方に摺動して、撮影
レンズ1の後方より絞り孔21cを退避させたときは、
絞りは固定絞り板23に穿設された大口径の固定絞り孔
23aとなり、カム21bはメインスイッチ22の可動
接片22aを押圧し、可動接片22aが固定接片22b
に圧着するので、メインスイッチ22はオンの状態とな
る。即ち、これはストロボを発光するストロボ撮影の状
態である。
【0022】なお、シャッタ装置のセクタ(図示せず)
は固定絞り孔23aのフィルム面側に設けられている。
【0023】本実施の形態における撮影レンズ1の焦点
距離はf=28mm、開放F値(前述の固定絞り孔23
aにより決定される絞り値)はF6である。また、シャ
ッタ速度は1/100(0.01ms)で、内蔵するス
トロボのガイドナンバーはISO100換算で3であ
る。更に、内蔵するフィルムは画面の短辺の長さLが2
4mmである135フィルムで、ISO感度は1600
である。
【0024】これにより、高輝度でストロボ撮影を行わ
ないときは前述の如く小絞りに切り換えるとし、その絞
り値をF16とすると、その露光量はEV値で10.6
4となる。また、低輝度でストロボ撮影を行うときはF
6の開放絞りに切り換えるとすると、その露光量はEV
値で7.81となる。
【0025】従って、高輝度では通常の範囲の輝度をフ
ィルムのラチチュードで充分にカバーすることができ
る。また、低輝度でストロボ撮影をしたとき、被写体は
ストロボ光が照射されて適正露出となり、フィルムのア
ンダー側のラチチュードを考慮するとEV値で6.3ま
での撮影が可能で、撮影場所として従来よりも暗いホテ
ルのロビー等の広い室内や照明が少ない屋外であっても
背景の被写体が暗くならず、鮮明に写すことができる。
【0026】このようにより暗い背景を鮮明に写すため
には、撮影レンズの焦点距離をf(mm)、撮影画面の
短辺の長さをL(mm)、内蔵した発光装置を用いたと
きの絞りをF、前記発光装置を用いたときのシャッタ速
度をT(ms)、としたとき 1.08≦f/L≦1.20 ・・・(1) 5≦F≦8 ・・・(2) 1/150≦T≦1/60 ・・・(3) の各条件式を満足し、かつ前記発光装置を用いたときの
基準露光量(EV値)をAとしたとき、 6.2≦A≦7.9 ・・・(4) の条件式を満足するように構成する。
【0027】なお、EV値は下記の式で求めることがで
きる。 EV=〔Log102+Log10(1/T)−Log10
(S/100)〕/Log102 但し、Sは内蔵するフィルムのISO感度である。
【0028】暗い背景を鮮明に写すためには絞り値Fが
小さい撮影レンズを用いて、シャッタ速度を遅くすれば
よいが、レンズ付きフィルムユニットのように手軽に撮
影を行え、且つ安価で小型なカメラにおいては、焦点調
節機構を用いなくても近距離から遠距離までピントのあ
った写真が得られ、しかも撮影時のカメラぶれなどが起
こりにくいようにしなければならない。
【0029】上記の条件式は、このような要求を達成
し、しかも暗い背景を鮮明に写すための条件である。
【0030】条件式(1)および条件式(2)は安価で
しかも近距離から遠距離までピントのあった写真が得ら
れる撮影レンズの条件である。
【0031】条件式(1)の下限を越えると、撮影レン
ズの外形が大きくなると共に、条件式(2)を満足する
開放絞り値を達成するためには撮影レンズを構成するレ
ンズ枚数として3枚以上のレンズが必要となり、組立時
のレンズの光軸合わせが難しくなるため撮影レンズが高
価となってしまう。また、条件式(1)の上限を超える
と、条件式(2)を満足する状態での被写界深度が狭く
なり、近距離から遠距離までピントの合った写真を得る
のが困難となる。
【0032】条件式(2)の下限を超えると、撮影レン
ズを構成するレンズ枚数として3枚以上のレンズが必要
となり、組立時のレンズの光軸合わせが難しくなるため
撮影レンズが高価となってしまう。また、条件式(2)
の上限を超えると、条件式(4)を満足するためには感
度ISO1600のフィルムを用いてもシャッタ速度を
1/60よりも遅くする必要があり、カメラぶれの危険
が大きくなってしまう。
【0033】条件式(3)はシャッタ速度に関する条件
であり、下限を超えると、一般的に粒状性があまり良く
ないISO2000以上の高感度フィルムを使用する必
要が生じ、好ましくない。また、条件式(3)の上限を
超えると、カメラぶれの危険が大きくなってしまう。
【0034】条件式(4)は撮影レンズの絞り値F(F
値)、シャッタ速度T(秒)、フィルムISO感度Sに
より決定されるもので、この条件を満足するようにする
ことで、従来のレンズ付きフィルムユニットよりもより
暗い背景を撮影することができるようになる。
【0035】また、ストロボ撮影を行わないときの絞り
値とシャッタ速度とフィルム感度とにより決定されるE
V値をBとすると、Bはそれぞれ下記の条件を満足する
ことが望ましい。
【0036】9≦B≦12 ・・・(5) B≦A+4 ・・・(6) 上記通常撮影状態のEV値Bの条件式(5)において、
EV値Bが下限を越えると、晴天での屋外撮影では露光
過多になり過ぎてしまう。また上限を超えると、薄曇り
状態での撮影ができなくなってしまい、使いにくいレン
ズ付きフィルムユニットとなってしまう。
【0037】また、条件式(6)の条件を外れると、発
光装置を使用する場合のEV値と通常撮影状態のEV値
との差が大きくなり過ぎて、使い難いレンズ付きフィル
ムユニットとなってしまう。
【0038】なお、内蔵するフィルムとしては、粒状性
などを考慮して、ISO800〜ISO1600の感度
のフィルムを使用することが望ましい。
【0039】また、ストロボ装置としては、フル発光時
のISO100に対するガイドナンバーGが2から5の
範囲のものを用いるのが望ましい。
【0040】以上の条件を満足するように、撮影レンズ
の焦点距離、ストロボ撮影時における絞り値、シャッタ
速度、及びフィルム感度を設定することで、暗い背景を
鮮明に写すことが可能となる。そして、高輝度時の通常
撮影状態では、上述の条件を満足するように絞りを小絞
りとしたり、或いは絞りを小絞りとすると同時にシャッ
タ速度を高速のシャッタ速度に切り換えることで、より
シャープな写真を得ることが可能となる。
【0041】なお、撮影レンズとしてより作り易いもの
とし、通常撮影状態とストロボ撮影(発光装置を使用し
た撮影)とのEV値の差をより小さくするため、望まし
くは上記の各条件式は 1.12≦f/L≦1.20 6≦F≦7 1/100≦T≦1/60 7.0≦A≦7.9 を満足するようする。
【0042】さて、図2にて説明した実施形態において
は、高輝度時と低輝度時とのそれぞれに応じて適切に通
常撮影とストロボ撮影状態を切り換えることで良好な写
真を得ることができるが、仮にストロボ撮影状態で高輝
度の被写体の撮影を行ってしまった場合には露出過多と
なってしまう。
【0043】図3(A)に斜視図で示す絞り切り換え機
構は、このようにストロボ撮影状態で高輝度の被写体の
撮影を行っても露出過多の撮影とならない絞り切り換え
機構の例である。
【0044】図3(A)において、絞り板31は絞り板
21と同様に右端部31aには図1に示したストロボス
イッチレバー4が固着されており、ストロボスイッチレ
バー4を左右に摺動操作することにより、絞り板31も
左右に摺動する。右端部31aの下方にはストロボのメ
インスイッチ22が配置され、絞り板31の摺動によっ
てメインスイッチ22がオン・オフする。なお、絞り板
31は黒色にて光が透過しない材質で形成されている。
また、シャッタ装置のセクタ(図示せず)は絞り板31
よりフィルム面側に設けられている。
【0045】絞り板31には通常撮影用の小口径の絞り
孔31c(F16に相当)と大口径の絞り孔31d(F
6に相当)が形成され、これら絞り孔には透明板34と
透明板35が挿着されている。この透明板34と透明板
35は、同じ屈折率で同じ厚みのアクリル等のプラスチ
ックやガラスで構成された平行平面板である。そして、
透明板35の表面には図3(B)に図示するようにフォ
トクロミックが塗布されてフォトクロミック層35aが
形成されている。フォトクロミックは可視光のほぼ全波
長域にわたって光透過率が変わる物質で、高輝度の光が
当たると光透過率が低下して光が通り難くなるが、低輝
度の光では光透過率が低下せずに光を通し易いという性
質を持つものである。
【0046】ここで、ストロボ撮影を行わない高輝度の
撮影のときには、図3(A)の如く絞り板31を左方の
位置として、撮影レンズ1の後方に透明板34が挿着さ
れた小口径の絞り孔31cを配置し、メインスイッチ2
2をオフの状態にする。従って、ストロボの発光を行わ
ない高輝度に対応した小絞りの状態での撮影が可能とな
る。
【0047】一方、ストロボ撮影を行う低輝度のとき
は、絞り板31を右方に摺動して、撮影レンズ1の後方
に透明板35が挿着された絞り孔31dを配置し、メイ
ンスイッチ22をオンの状態にする。低輝度では透明板
35に塗布されたフォトクロミックは光を通し易いの
で、低輝度に対応した大絞りの状態になると共に、シャ
ッタレリーズに基づいてストロボ発光を行う撮影状態と
なる。
【0048】なお、このような状態で高輝度下で撮影が
行われた場合には、通常は露出過多となってしまう。し
かし、この例においては、フォトクロミックの光透過率
が低下して、フィルムに届く光の強度が小絞りを挿入し
たときと同様の光量とすることができるので、高輝度で
露出過多になることがない。
【0049】以上の説明においては、透明板35の表面
全体にフォトクロミック層を設けたものについて説明し
たが、図4に示すように中央部の絞り値でF16に相当
する範囲にはフォトクロミック層を設けずに周辺部にの
みフォトクロミック層45aを設けた透明板45を用い
るようにしてもよい。この場合、高輝度時(具体的には
EV値で10.5以上の輝度)に光透過率が所定の透過
率以下(望ましくは10%以下)となるようなフォトク
ロミック層を設けることにより、高輝度時にはF16の
絞りを挿入したのと同様の状態となり、露出過多となる
ことがなくなると共に、被写界深度も大きくすることが
できる。
【0050】また、図2の絞り切り換え機構に代えて、
ストロボ撮影状態のときに周囲の明るさに応じて自動的
に絞りを切り換える絞り切り換え機構を設けてもよい。
【0051】図5は、ストロボ撮影状態のときに周囲の
明るさに応じて自動的に絞りを切り換える絞り切り換え
機構の斜視図、図6は絞り切り換え機構による絞り切り
換え状態を示す正面図、図7は絞り切り換え機構の駆動
を行う駆動装置であるソレノイドの駆動回路を設けたス
トロボ回路の回路図である。
【0052】図5において、絞り羽根51,52は軸5
3を中心に回転可能に設けられ、長孔51a,52aに
はソレノイド54の駆動軸54aの駆動ピン54bが挿
入されている。そして、このソレノイド54の駆動軸5
4aを進退させることで駆動ピン54bが長孔51a,
52aの中を移動し、図6(A)に示す小絞り56を形
成する状態と、図6(B)に示す固定絞り孔57を露出
する大絞り状態とを切り換えるように構成されている。
【0053】ソレノイド54の駆動軸54aは、バネな
どの付勢部材により一方向(図5の矢印方向)に付勢さ
れており、ストロボを使用しない通常状態において、ス
トロボスイッチレバー4に設けられた突起(図示せず)
により付勢部材の付勢力に抗して図5の矢印方向と反対
方向の移動範囲端部位置に矯正されている。従って、絞
り羽根51,52は、ストロボを使用しない通常撮影状
態においては、図6(A)に示す小絞り56を形成する
位置となる。ストロボスイッチレバー4を操作してスト
ロボ使用位置に移動すると、ストロボスイッチレバー4
によるソレノイド54の駆動軸54aに対する矯正状態
が解除されると共に、後述するソレノイドの駆動回路が
作動される。
【0054】被写体輝度が低輝度の場合にはソレノイド
駆動回路によるソレノイド54への通電が行われずにソ
レノイド54がオフ状態で、駆動軸54aは付勢部材に
より図5の矢印方向の移動範囲端部位置に移動されて、
絞り羽根51,52は図6(B)の大絞り状態となる。
また、被写体輝度が明るい場合にはソレノイド54への
通電が行われてソレノイド54がオン状態となり、駆動
軸54aが付勢部材により付勢に抗して図5の矢印方向
と反対方向の移動範囲端部位置に動かされて、絞り羽根
51,52は図6(A)の小絞り状態となる。このよう
に、ストロボ撮影状態においては、ソレノイドの駆動回
路によりソレノイド54に通電する(オンする)ことで
図6(A)の小絞り状態に、通電を止める(オフする)
ことで図6(B)の大絞り状態に自動的に切り換えられ
る。
【0055】次にソレノイドの駆動回路について図7を
用いて説明する。図7の回路図において、61は昇圧回
路、62は放電回路であって、昇圧回路61と放電回路
62により周知のストロボ回路を形成している。63は
ソレノイド駆動回路である。
【0056】ソレノイド駆動回路63は、抵抗631
と、抵抗631に直列に接続され定電圧を発生するツェ
ナーダイオード632と、被写体光を受光するフォトト
ランジスタ633と、フォトトランジスタ633と直列
に接続された抵抗634と、トランジスタ635とで構
成され、フォトトランジスタ633と抵抗634はツェ
ナーダイオード632に対して並列に接続されている。
【0057】また、ソレノイド54の一方の端子はスト
ロボ回路61のメインスイッチ611のオンに連動して
オンされるソレノイド回路用スイッチ636を介してス
トロボ用電池Bの正極と接続され、ソレノイド54の他
方の端子はトランジスタ635と接続されている。
【0058】そしてこのソレノイド駆動回路63は、昇
圧回路の61の発振トランス612の2次側に設けられ
たタップに接続したダイオード613とコンデンサ61
4とに構成される電源と、ストロボ用電池Bの正極と接
続されている。
【0059】従って、ストロボ回路61を作動するため
にメインスイッチ611をオンするとそれに連動してソ
レノイド回路用スイッチ636もオンとなって、ソレノ
イド駆動回路63が作動可能となる。低輝度の場合はフ
ォトトランジスタ633に入射する光の強度が小さいの
で、フォトトランジスタ633と抵抗634との接続点
に発生する電圧が低くトランジスタ635はオンしない
ので、ソレノイド54は作動せず絞りは図6(B)に示
した状態のままであるが、高輝度となってフォトトラン
ジスタ633に入射する光の強度が大きくなると、フォ
トトランジスタ633に入射する被写体光の強度に応じ
てフォトトランジスタ633と抵抗634との接続点に
発生する電圧が高くなり、所定の電圧以上となることで
トランジスタ635がオンされてソレノイド54が作動
される。これにより絞りは小絞り状態となるように切り
換えられ、図6(A)に示す状態となる。
【0060】このように、この例においてもストロボ撮
影状態で高輝度の被写体を撮影する場合に自動的に絞り
が小絞り状態に切り替わるので高輝度で露出過多になる
ことがない。
【0061】なお、以上のにおいては発光装置として発
光量が一定のストロボを例として説明したが、被写体か
ら反射したストロボ光を受光してストロボ発光時間を制
御する調光ストロボとしてもよい。
【0062】また発光装置も、ストロボに限定されるも
のではない。例えば、ストロボの放電管に代えて高輝度
の白色発光ダイオードを用いて一定時間発光させるよう
にしてもよい。これにより、ストロボに必要な昇圧回路
や充電回路が不要になるので、小型で低原価の発光装置
となる。また、白色発光ダイオードに代えて、高輝度の
赤色、緑色、青色をそれぞれ発光する3個の発光ダイオ
ードを配設し、これらを同時に発光させるようにしても
よい。
【0063】その他に、ストロボの放電管に代えてクリ
プトンランプのような白熱タングステン球を用いて一定
時間発光させるようにしても、同様にストロボに必要な
昇圧回路や充電回路が不要になるので、小型で低原価の
発光装置となる。
【0064】このように、高輝度の発光ダイオードや白
熱タングステン球を使用する場合には、ストロボ光のよ
うに強い発光を得ることが困難なため、シャッタが開放
している間中、発光するように構成することが望まし
い。
【0065】具体的には、発光装置を発光させる前述し
たストロボスイッチレバー4のようなスイッチ部材をオ
ン位置に移動すると発光装置が発光するようにするの
が、回路やシャッタ装置を最も簡略化できて好ましい。
【0066】更に、ストロボスイッチレバー4の切り換
え操作に応じて、シャッタ速度が可変することがより望
ましい。即ち、高輝度においてはシャッタ速度を1/1
50以上の高速にすることにより、海岸やスキー場等の
高輝度の被写体にもより充分に対応し易くなり、低輝度
においてはシャッタ速度を1/100以下の低速にする
ことにより、背景の被写体をより鮮明に写すことができ
る。
【0067】また、シャッタ速度を1/80以下の低速
に設定できると、前述したような発光装置として発光ダ
イオードや白熱タングステン球の使用が容易になって、
小型化と原価低減が達成できる。
【0068】なお、以上のレンズ付きフィルムユニット
には135フィルムを装填したものを例として示したし
たが、IX240フィルムであってもよい。この場合
は、撮影画面の短辺の長さLが15.6mmである。
【0069】
【発明の効果】請求項1〜4に記載の発光装置内蔵レン
ズ付きフィルムユニットによれば、特に広い室内や照明
の少ない屋外におけるストロボ撮影において、従来のレ
ンズ付きフィルムユニットよりも背景が暗く写ることが
ないようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発光装置内蔵のレンズ付きフィルムユニットに
おける外観斜視図である。
【図2】絞り切り換え機構の斜視図である。
【図3】他の形態の絞り切り換え機構の斜視図と透明板
の図である。
【図4】他の透明板の図である。
【図5】絞り切り換え機構の斜視図である。
【図6】絞り切り換え機構による絞り切り換え状態を示
す正面図である。
【図7】ソレノイドの駆動回路を設けたストロボ回路の
回路図である。
【符号の説明】
1 撮影レンズ 4 ストロボスイッチレバー 21,31 絞り板 21c 絞り孔 22 メインスイッチ 23a 固定絞り孔 34,35,45 透明板 35a,45a フォトクロミック層 51,52 絞り羽根 54 ソレノイド 633 フォトトランジスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03B 9/02 G03B 9/02 E B A 9/06 9/06 9/07 9/07 A 11/00 11/00 15/03 15/03 H J 15/05 15/05 17/04 17/04 17/12 17/12 Z Fターム(参考) 2H002 AB05 CC21 CC28 CD00 CD01 CD11 CD12 FB22 FB24 FB28 FB38 GA26 GA27 JA05 2H053 AA01 AB04 AD00 AD01 AD21 CA41 2H080 AA03 AA19 AA20 AA30 AA31 AA32 2H083 AA05 AA12 AA17 AA19 AA20 AA25 AA32 AA36 AA51 2H101 AA01 AA03 BB01 EE02 EE12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影レンズの焦点距離をf(mm)、撮
    影画面の短辺の長さをL(mm)、内蔵した発光装置を
    用いたときの絞りをF、前記発光装置を用いたときのシ
    ャッタ速度をT(ms)、前記発光装置を用いたときの
    基準露光量(EV)をAとしたとき、下記の条件式を満
    足することを特徴とする発光装置内蔵レンズ付きフィル
    ムユニット。 1.08≦f/L≦1.20 5≦F≦8 1/150≦T≦1/60 6.2≦A≦7.9
  2. 【請求項2】 前記発光装置を用いたとき、光軸上にフ
    ォトクロミック部材が配置されることを特徴とする請求
    項1に記載の発光装置内蔵レンズ付きフィルムユニッ
    ト。
  3. 【請求項3】 前記発光装置を用いたとき、自動絞り切
    り換え機構が作動可能となることを特徴とする請求項1
    に記載の発光装置内蔵レンズ付きフィルムユニット。
  4. 【請求項4】 前記発光装置を用いないときは、絞りを
    小絞りに切り換え、その基準露光量(EV)をBとした
    とき、下記の条件式を満足することを特徴とする請求項
    1〜3の何れか1項に記載の発光装置内蔵レンズ付きフ
    ィルムユニット。 9≦B≦12 B≦A+4
JP2001052034A 2001-02-27 2001-02-27 発光装置内蔵レンズ付きフィルムユニット Pending JP2002258446A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001052034A JP2002258446A (ja) 2001-02-27 2001-02-27 発光装置内蔵レンズ付きフィルムユニット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001052034A JP2002258446A (ja) 2001-02-27 2001-02-27 発光装置内蔵レンズ付きフィルムユニット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002258446A true JP2002258446A (ja) 2002-09-11

Family

ID=18912725

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001052034A Pending JP2002258446A (ja) 2001-02-27 2001-02-27 発光装置内蔵レンズ付きフィルムユニット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002258446A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003021858A (ja) 撮像装置
US6233403B1 (en) Lens-fitted film unit with a built-in electronic flash unit and image forming method based on a photographic film exposed by the lens-fitted film unit with a built-in electronic flash unit
JP2001013640A (ja) レンズ付きフィルムユニット
JP2002258446A (ja) 発光装置内蔵レンズ付きフィルムユニット
JP2002333657A (ja) レンズ付きフイルムユニット
JP3937628B2 (ja) レンズ付きフィルムユニット
JP2000162738A (ja) レンズ付きフイルムユニット
JP2006162717A (ja) 照明装置装備カメラ
JP2000227626A (ja) レンズ付きフィルムユニット
JP2005250433A (ja) カメラ
JP3799104B2 (ja) カメラ
JP2604913B2 (ja) ストロボ内蔵カメラ
JP2003195385A (ja) レンズ付きフイルムユニット
JP2000231131A (ja) レンズ付きフィルムユニット
JPH06222259A (ja) 自動焦点カメラ
JP2004240025A (ja) カメラ
JP2000284347A (ja) ストロボ装置
JP2000352800A (ja) ストロボ内蔵レンズ付きフィルムユニットおよびカメラ
JP2000241939A (ja) レンズ付きフィルムユニット
JPH11202388A (ja) ストロボ内蔵レンズ付きフィルムユニット
JP2000267161A (ja) ストロボ装置及びレンズ付きフイルムユニット
JP2004061538A (ja) レンズ付きフイルムユニット
JPH08179405A (ja) カメラ
JP2000171850A (ja) レンズ付きフィルムユニット
JP2003131298A (ja) ストロボ装置及びレンズ付きフイルムユニット