JP2000352800A - ストロボ内蔵レンズ付きフィルムユニットおよびカメラ - Google Patents

ストロボ内蔵レンズ付きフィルムユニットおよびカメラ

Info

Publication number
JP2000352800A
JP2000352800A JP11162767A JP16276799A JP2000352800A JP 2000352800 A JP2000352800 A JP 2000352800A JP 11162767 A JP11162767 A JP 11162767A JP 16276799 A JP16276799 A JP 16276799A JP 2000352800 A JP2000352800 A JP 2000352800A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
strobe
lens
film
light
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11162767A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuichi Shin
勇一 新
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP11162767A priority Critical patent/JP2000352800A/ja
Publication of JP2000352800A publication Critical patent/JP2000352800A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Stroboscope Apparatuses (AREA)
  • Blocking Light For Cameras (AREA)
  • Structure And Mechanism Of Cameras (AREA)
  • Exposure Control For Cameras (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に広い室内や照明の少ない屋外におけるス
トロボ撮影において、従来のストロボ内蔵レンズ付きフ
ィルムユニットよりも背景が暗く写ることがないように
したストロボ内蔵レンズ付きフィルムユニット。 【解決手段】 予めフィルムを内蔵し、ストロボ発光ユ
ニットを備えたストロボ内蔵レンズ付きフィルムユニッ
トにおいて、前記ストロボ発光ユニットのガイドナンバ
ーを9以下に設定したこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ストロボを内蔵し
たレンズ付きフィルムユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、レンズ付きフィルムユニット
や安価なカメラにおいては簡便であることと安価である
ことを旨としているので、露光調節の機構を有しておら
ず、絞りは撮影レンズの開放口径のみであり、シャッタ
速度は1/125程度の一速である。撮影レンズは1枚
若しくは2枚構成のプラスチックレンズからなり、開放
口径のF値は10程度と暗い。従って、ISO100の
フィルムを用いると、日中晴天のときの撮影に限られて
しまうため、少しでも低輝度で撮影可能なようにレンズ
付きフィルムではユニットではISO400のフィルム
が装填されているか、カメラにおいてはISO400の
フィルムを装填することを推奨している。
【0003】例えば、シャッタ速度を1/125とし、
絞りをレンズの透過率を加味したTナンバーで11とす
ると、ISO100における露光量はEV14となる。
従って、ISO400のフィルムを用いるとEV値は1
2となって、フィルムや印画紙のラチチュードに頼るこ
とによって、晴天の日中から薄暗い朝夕まで撮影可能と
なる。
【0004】しかし、これでも室内や夜間での撮影は不
可能であるので、ストロボを内蔵して低輝度の撮影を可
能としたレンズ付きフィルムユニットやカメラがある。
しかし、レンズ付きフィルムユニットにおいて、大容量
のストロボを内蔵するのは小型化を阻害したり原価高に
なって実現は困難であるので、ISO100におけるガ
イドナンバーは10程度が普通である。このため、IS
O400のフィルムを用い、Tナンバーを11としたと
き、適正露出の撮影距離は1.8mと比較的近距離であ
り、仮にEV1.5までの露光量不足をフィルム等のラ
チチュードで補うことができるとしても、3.0m程度
迄が限界である。
【0005】このストロボ使用時の撮影距離を伸ばすた
めに、ISO800のフィルムを装填したストロボ内蔵
レンズ付きフィルムユニットが市販されている。この結
果、上記と同一条件ならば、適正露出の撮影距離は2.
5mとなり、EV1.5の露光量不足まで許容すると撮
影距離は4.3mと延長する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ストロボ撮影において
は、適正露出の撮影距離は1点であるので、人物等の主
要被写体をその距離に設定すると、その被写体より近距
離の被写体は露出過多になり、遠距離にある背景の被写
体は露出不足になる。レンズ付きフィルムユニットに装
填されているフィルムはネガフィルムであるので、露出
過多の方向にラチチュードが広く、近距離の被写体に対
してはあまり問題にならない。一方、背景の被写体につ
いては家庭等の狭い室内における撮影においてはあまり
遠距離でない上に、ストロボ光が種々の物体にバウンス
して背景に照射され、計算上の露出よりも露出不足には
ならない。また、家庭等の室内ではストロボ光以外の照
明もあるので、これによっても背景の露出不足は低減さ
れている。
【0007】しかしながら、ストロボ撮影は家庭等の室
内のみとは限らず、ホテルのロビー等の広い室内や照明
が少ない屋外でも行われる。この場合、適正な撮影距離
に人物等の主要被写体を配置すれば主要被写体は適正露
出となるが、背景の距離が数十メートルもあるとすると
背景にはストロボ光が全く届かない。
【0008】従来のレンズ付きフィルムユニットにはI
SO800のフィルムを内蔵したものがあるが、開放F
値が10.3、シャッタ速度が1/110、ストロボの
ガイドナンバーがISO100にて11.6である。従
って、外光による撮影はEV10.5にて適正露出とな
り、ストロボ光による撮影は3.2mの距離にて適正露
出となる。
【0009】このレンズ付きフィルムユニットを用いて
ホテルのロビー等の広い室内や照明が少ない屋外で3.
2mの距離に主要被写体を置いてストロボ撮影をする
と、主要被写体は適正露出となる。また、ストロボ光が
届かない遠方の背景は外光のみによって露光されるが、
フィルムのラチチュードは露出不足側にEV値で1.5
位であるので、遠方の背景がEV9位の明るさであれ
ば、出来上がった写真の上でも背景を視認できる。しか
し、例えば遠方の背景の明るさがEV8.5以下でスト
ロボ撮影し、ストロボ撮影した主要被写体が適正露出に
なるようにプリントすると、写真の上では背景は暗くつ
ぶれてしまう。即ち、人の目ではそれなりに視認できた
遠方の背景が、出来上がった写真の上では全く視認でき
ないようになってしまう。
【0010】本発明はかかる問題に鑑みてなされたもの
であり、特に広い室内や照明の少ない屋外におけるスト
ロボ撮影において、従来のストロボ内蔵レンズ付きフィ
ルムユニットよりも背景が暗く写ることがないようにし
たストロボ内蔵レンズ付きフィルムユニットを提案する
ことを課題とするものである。
【0011】また、安価なカメラにおいても広い室内や
照明の少ない屋外におけるストロボ撮影において、従来
のカメラよりも背景が暗く写ることがないようにするこ
とを課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題は、下記の何れ
かの手段により解決される。 予め未露光フィルムを内蔵しており、撮影する毎にフ
ィルムを巻き上げてフィルム収納容器に収納していくレ
ンズ付きフィルムユニットにおいて、ストロボ発光ユニ
ットと、該ストロボ発光ユニットの発光と非発光とを切
り替えるストロボスイッチと、該ストロボスイッチの操
作に連動して、ストロボ非発光時には撮影光路内に入
り、ストロボ発光時には撮影光路外へ退避する光透過型
光量減少手段とを有することを特徴とするレンズ付きフ
ィルムユニット。 ストロボ発光ユニットを有すると共に、予め未露光フ
ィルムを内蔵しており、撮影する毎にフィルムを巻き上
げてフィルム収納容器に収納していくレンズ付きフィル
ムユニットにおいて、該ストロボ発光ユニットの発光と
非発光とを切り替えるストロボスイッチと、該ストロボ
スイッチの操作に連動して、ストロボ非発光時には撮影
光路内に入り、ストロボ発光時には撮影光路外へ退避す
る光透過型光量減少手段とを有し、ストロボ発光時にお
けるシャッタ速度をSSとし、前記ストロボ発光ユニッ
トのISO100におけるガイドナンバーをGnoとし
たとき、下記の条件式を満足することを特徴とするレン
ズ付きフィルムユニット。(Gno)2/SS < 8
000予めフィルムを内蔵し、ストロボ発光ユニット
を備えたレンズ付きフィルムユニットにおいて、非スト
ロボ撮影時には撮影レンズへの透過光量をストロボ撮影
時よりも減少させる光透過型光量減少手段を有し、スト
ロボ撮影時に、プリント画像の形成を可能とする潜像
を、内蔵するフィルム上に形成できる最低の撮影輝度を
EV値でAとしたとき、Aが8.5以下であり、2〜3
mの間の所定距離にある基準被写体を前記ストロボ発光
ユニットで照射することによりフィルムに形成される潜
像が、EV値でA+4.5以下の撮影輝度により得られ
る潜像に相当するように構成されたことを特徴とするレ
ンズ付きフィルムユニット。 ストロボ発光ユニットを備えたカメラにおいて、該ス
トロボ発光ユニットの発光と非発光とを切り替えるスト
ロボスイッチと、該ストロボスイッチの操作に連動し
て、ストロボ非発光時には撮影光路内に入り、ストロボ
発光時には撮影光路外へ退避する光透過型光量減少手段
とを有することを特徴とするカメラ。 ストロボ発光ユニットを有するカメラにおいて、該ス
トロボ発光ユニットの発光と非発光とを切り替えるスト
ロボスイッチと、該ストロボスイッチの操作に連動し
て、ストロボ非発光時には撮影光路内に入り、ストロボ
発光時には撮影光路外へ退避する光透過型光量減少手段
とを有し、ストロボ発光時におけるシャッタ速度をSS
とし、前記ストロボ発光ユニットのISO100におけ
るガイドナンバーをGnoとしたとき、下記の条件式を
満足することを特徴とするカメラ。 (Gno)2/SS < 8000 ストロボ発光ユニットを備えたカメラにおいて、非ス
トロボ撮影時には撮影レンズへの透過光量をストロボ撮
影時よりも減少させる光透過型光量減少手段を有し、ス
トロボ撮影時に、プリント画像の形成を可能とする潜像
を、内蔵するフィルム上に形成できる最低の撮影輝度を
EV値でAとしたとき、Aが8.5以下であり、2〜3
mの間の所定距離にある基準被写体を前記ストロボ発光
ユニットで照射することによりフィルムに形成される潜
像が、EV値でA+4.5以下の撮影輝度により得られ
る潜像に相当するように構成されたことを特徴とするカ
メラ。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明におけるストロボ内蔵レン
ズ付きフィルムユニットの第1の実施の形態を図1乃至
図2により詳細に説明する。
【0014】図1はストロボ内蔵レンズ付きフィルムユ
ニットの外観斜視図である。前面には撮影レンズ1、フ
ァインダ窓2、ストロボ発光パネル3、ストロボスイッ
チレバー4が配置され、上面にはレリーズ釦5、指数器
窓6、充電表示窓7が配置され、背面には巻上げノブ8
が配置されている。ここで、ストロボ撮影を行うとき
は、ストロボスイッチレバー4を図の右方向に摺動させ
ると、内部のメインスイッチがオンとなり、ストロボの
充電が開始する。内部のメインコンデンサが所定の電圧
に充電されると、充電表示窓7の点灯により充電状態を
視認することができる。撮影にはレリーズ釦5を押せば
よい。なお、ストロボスイッチレバー4を図の如く右方
向に摺動させると、先端部4aが右方に突出し、メイン
スイッチをオンにしたことを容易に判断できる。また、
あらかじめISO感度800のフィルムが内蔵されてい
るが、ISO400のフィルムであっても本願発明の効
果を得ることが出来る。
【0015】次に、日中にてストロボを用いない通常撮
影状態と、ストロボ撮影状態とにおいて、絞り及びシャ
ッタ速度を切り替える構成を図2乃至図4を参照して説
明する。
【0016】図2は絞り切り替えを行う構成の斜視図で
ある。11はフィルタ板であり、略中央には二つの貫通
孔からなる開放開口11aとフィルタ付き開口11bが
設けられ、図1においては開放開口11aが撮影レンズ
1の後方に位置して、例えばTナンバーにて7.3にな
る絞りを形成している。フィルタ付き開口11bには光
透過型透過光量減少手段であるNDフィルタが設けられ
ている。ここで、NDフィルタとは、いわゆる中性灰色
のフィルターであり、入射する光の波長の選択吸収をせ
ず、どの波長光に対しても一様に吸収して透過光量を減
少させる機能を有するものである。たとえば一眼レフカ
メラ用に種々の製品が用意されているが、基本的に同様
の機能を有するものである。
【0017】さらに、ストロボ非発光時に透過光量を減
少させる際にのみNDフィルタを撮影光路内に挿入する
形式だけでなく、ストロボ発光時にも内蔵するフィルム
などの条件に合わせてNDフィルタを介するようにさせ
ても良い。すなわちフィルター板に濃度の異なる2種類
のNDフィルタを取り付けておき、ストロボ発光時には
濃度の薄い方(透過光量が多くなる)、ストロボ非発光
時には濃度の濃い方(透過光量が少なくなる)が選択さ
れるようにしてもよい。
【0018】フィルタ板11の右腕11cには図1に示
したストロボスイッチレバー4が固着されると共に、フ
ィルタ板11の横方向に穿設された二つの長孔11d
に、ユニット本体等の固定物から立設したガイドピン1
2が嵌合している。従って、ストロボスイッチレバー4
の摺動操作によりフィルタ板11は左右方向に摺動す
る。また、フィルタ板11の下部には逆V字形の切り欠
き11e,11fが設けられ、これらに板バネ13の逆
V字形の先端部が圧接しているのでクリックストップと
なり、フィルタ板11は2カ所の位置で位置決めされ
る。
【0019】15はストロボユニットであり、151は
ストロボ回路を実装したプリント基板、152はストロ
ボ光を発光し図1のストロボ発光パネル3からストロボ
光を照射するストロボ発光部である。フィルタ板11の
腕部11cの裏面には、先端が二股に分岐してストロボ
のメインスイッチとして作動する接片16が設けられ、
接片16の先端部がプリント基板151の表面に圧接し
ている。ここで、図2においては、接片16の先端部は
プリント基板151においてメインスイッチを形成する
導電性パターン151a,151bの双方に当接してい
るので、導電性パターン151a,151bは導通し、
メインスイッチはオンとなっている。従って、ストロボ
の充電が行われてストロボ撮影が可能となると共に、絞
りは開放絞りの開放開口11aであるので、充分なスト
ロボ撮影距離が得られる。
【0020】次に、ストロボスイッチレバー4を摺動操
作してフィルタ板11を左方向に摺動する。すると、板
バネ13の逆V字形の先端部が切り欠き11fに圧接し
た状態で停止すると共に、撮影レンズ1の後方にフィル
タ付き開口11b(例えば、Tナンバーで13.4、F
ナンバーに換算すると12.3)が位置する。また、接
片16の先端部はプリント基板151における導電性パ
ターン151a,151bより離れるので、導電性パタ
ーン151a,151bは非導通となり、メインスイッ
チはオフとなる。従って、日中等の高輝度撮影に好適な
撮影状態となる。
【0021】なお、上述のフィルタ板11の形態に関し
ては、撮影レンズLの光路内に固定絞りを設け、開放開
口11aを固定絞りより大きな径に形成するか、開放開
口11aの部分を切り欠いてもよい。
【0022】次に、ストロボスイッチレバー4の摺動に
よりシャッタ速度を切り換える構成を図3及び図4を参
照して説明する。図3はシャッタチャージが完了した状
態の正面図、図4はセクタが開口部を開口させた正面図
である。
【0023】図3において、セクタ21は支軸22を中
心に回動し、引っ張りバネ23により時計方向に付勢さ
れている。従って、静止時にはセクタ21の端末部21
aがストッパー24に当接していると共に、セクタ21
はフィルムへの被写体光を通過させる開口部26を閉鎖
している。なお、セクタ21は図2に示したフィルタ板
11の後方に配置されている。
【0024】シャッタチャージのときは、フィルム巻上
げに連動してチャージレバー25が図3の左方向から右
方向に移動し、セクタ21の先端部21bを乗り越え
る。このとき支軸22と嵌合しているセクタ21の孔2
1cは長孔に形成されているので、チャージレバー25
により先端部21bが押され、セクタ21は僅かに下方
に移動するが、開口部26を開放させることは全くな
い。
【0025】図3の如くシャッタチャージされた後、ユ
ーザーが図1に示したレリーズ釦5を押すと、チャージ
レバー25は図示していないチャージバネにより急速に
左方に移動して、セクタ21の先端部21bの右側部を
叩くので、図4の如くセクタ21は反時計方向に回動し
て開口部26を開放させる。セクタ21は引っ張りバネ
23の付勢力に抗して慣性力により所定の角度の回動を
した後、フィルタ板11に立設したストッパー27に当
接して停止し、次に引っ張りバネ23の付勢力により時
計方向に回動して開口部26を閉鎖する。
【0026】ここで、フィルタ板11が左方に摺動して
ストロボのメインスイッチがオフのときは、ストッパー
27は図4の実線で示す位置27aにあってセクタ21
と当接し、シャッタ速度は高速(例えば、1/125)
であるが、フィルタ板11が図2の状態の如く右方に摺
動して、ストロボのメインスイッチがオンのときは、ス
トッパー27は図4の二点鎖線で示す位置27bに移動
し、セクタ21と当接しないので、シャッタ速度は低速
(例えば、1/80)になる。
【0027】以上により、ストロボ撮影を行わない通常
撮影状態のときは、絞りが小絞り(13.4)になっ
て、シャッタ速度は高速(1/125)になり、ストロ
ボ撮影を行うときは、絞りは大絞り(7.3)になっ
て、シャッタ速度は低速(1/80)になる。
【0028】ここで、第1の実施の形態のレンズ付きフ
ィルムユニットにおいては、予め製造工程にて装填する
フィルムはISO800のネガフィルムである。撮影レ
ンズ1は2枚玉のプラスチックレンズにしては大口径で
あるTナンバーにて7.3の開放口径を実現しており、
ストロボのガイドナンバーはISO100にて7であ
る。
【0029】また、ISO100のフィルムを用いたと
きのEV値は下記の式で表せる。
【0030】EV=log(F2/T)/log2 但し、F:撮影時における撮影レンズのTナンバー、
T:シャッタ速度である。
【0031】更に、予め装填したフィルムのISO感度
(S)を考慮し、ISO100のフィルムを用いたとき
のEV値に換算したEV値は下記の式となる。
【0032】EV=〔log102+log10(1/
T)−log10(S/100)〕/log102 従って、本明細書においては、ISO100のフィルム
を使用したときのEV値に換算したEV値を基準露光量
のEV値とする。
【0033】第1の実施の形態において、ストロボを用
いない日中での外光による撮影においては、絞りは1
3.4、シャッタ速度は1/125であるので、ISO
100のフィルムを用いたときのEV値はEV14.5
となるが、フィルムの感度はISO800であるので、
実質的に基準露光量のEV値はEV11.5となる。
【0034】これをFナンバー換算で考えた場合、スト
ロボを用いない日中での外光による撮影においては、絞
りはFナンバーにて12.3、シャッタ速度は1/80
であるので、ISO100のフィルムを用いたときのE
V値はEV13.6となるが、フィルムの感度はISO
800であるので、実質的に基準露光量のEV値はEV
10.6となる。
【0035】また、ストロボ撮影において、絞りはTナ
ンバーで7.3であり、ISO100において7である
ガイドナンバーをISO800に換算すると19.8と
なる。従って、適正露出となる撮影距離は、19.8/
7.3=2.7mとなる。即ち、一般的に標準反射板と
呼ばれ平均的な人物の肌の反射率を基に設定した18パ
ーセントの反射率を有する18パーセント反射板を2.
7mに置くと、この反射板が適正露出状態で露光され
る。
【0036】これをFナンバー換算で考えた場合、スト
ロボ撮影において、絞りはFナンバーで6.7であり、
ISO100において7であるガイドナンバーをISO
800に換算すると19.8となる。従って、適正露出
となる撮影距離は、19.8/6.7=3.0mとな
る。即ち、一般的に標準反射板と呼ばれ平均的な人物の
肌の反射率を基に設定した18パーセントの反射率を有
する18パーセント反射板を3.0mに置くと、この反
射板が適正露出状態で露光される。
【0037】なお、EV1.5まで露光不足になること
を許容するならば、最大撮影距離は4.6m(あるいは
5.1m)となる。従って、従来よりガイドナンバーの
小さい小型なストロボ、即ち光量の小さいストロボを用
いているにも拘わらず、充分な撮影距離が得られる。
【0038】一方、ストロボ撮影において、ストロボ光
が届かない背景についての露光量は、Tナンバーで7.
3の絞りと1/80のシャッタ速度のみにより決定され
るので、ISO100のフィルムを用いたときのEV値
は上記式よりEV12.1となるが、フィルムはISO
800であるので、実質的に基準露光量のEV値はEV
9.1となる。
【0039】これをFナンバー換算で考えた場合、スト
ロボ光が届かない背景についての露光量は、Fナンバー
で6.7の絞りと1/80のシャッタ速度のみにより決
定されるので、ISO100のフィルムを用いたときの
EV値は上記式よりEV11.8となるが、フィルムは
ISO800であるので、実質的に基準露光量のEV値
はEV8.8となる。
【0040】従って、ストロボ撮影における最大撮影距
離よりも遠方の背景についてはEV9.1(あるいはE
V8.8)の基準露光量で露光され、フィルムのラチチ
ュードは露出不足側にEV値で1.5位あるので、従来
より暗いEV7.6(あるいはEV7.3)迄では出来
上がった写真の上で背景が暗くつぶれることがない。
【0041】また、レンズ付きフィルムユニットにおい
ては通常撮影最至近距離が1mに設定されているが、1
mの18パーセント反射板の被写体についてストロボ撮
影を行った場合におけるストロボ光による被写体露光量
はEV12(あるいはEV11.5)相当で、背景との
輝度差が通常の印画紙が有するラチチュードEV4.5
以内であり、EV7.6(あるいはEV7.3)の背景
と1mの被写体の両方をプリント上で再現することがで
きる。
【0042】また、朝夕の薄暗い景色のみを撮る場合に
は、ストロボが発光しても全く関係ないが、ストロボ撮
影状態にして絞りを開放にすると、EV9.1で撮影さ
れるので、充分に適正露出の写真を得ることが出来る。
【0043】これらの条件を種々検討した結果、ストロ
ボ撮影時におけるシャッタ速度をSSとし、ストロボ発
光ユニットのISO100におけるガイドナンバーをG
Noとしたとき、下記の条件式を満足させることによ
り、広い室内や照明の少ない屋外のストロボ撮影におい
て、従来のストロボ内蔵レンズ付きフィルムユニットよ
りも背景が暗く写ることがなくなることを見いだした。
【0044】GNo2/SS<8000 この式の上限を越えると、2〜3mにある被写体を適正
に露光させるストロボ光による露光量と、外光による背
景の露光量の差が大きくなり過ぎ、ストロボ撮影におい
て背景が暗くなってしまう。
【0045】なお、望ましくはGNo2/SS<650
0とし、更に望ましくはGNo2/SS<5000とす
る。
【0046】更に前述の如く本実施の形態においては、
SS=1/80,GNo=7とすると、GNo2/SS
=3920となる。
【0047】すなわちストロボ撮影状態でEV値で9以
下であるEV7.5の輝度の背景と、ストロボ撮影にお
ける主要被写体とがフィルム上に潜像として形成された
際、前記主要被写体と背景との輝度差が、該フィルムの
情報に基づき最終の可視画像を形成する像担持体のラチ
チュードの範囲内となるので、出来上がった写真の上で
背景が暗くつぶれることがない。
【0048】このように、撮影距離で2〜3mの間の所
定距離、例えば2.7mにある標準反射板と、EV値で
9以下の輝度でフィルム上に潜像として形成される背景
との輝度差が内蔵するフィルム上において印画紙のラチ
チュードに相当するEV値で4.5以下相当となるよう
なガイドナンバーのストロボを使用することにより主要
被写体と背景とを出来上がった写真の上で良好に再現す
ることができる。
【0049】別の観点からすると、ストロボ撮影状態と
通常撮影状態の切り換えを行えるようにストロボ内蔵レ
ンズ付きフィルムユニットを構成する場合には、ストロ
ボ撮影状態での絞り値とシャッタ速度と装填したフィル
ムの感度とにより決定されるISO100のフィルム感
度に換算した基準露光量のEV値をAとしたとき、A
は、 A≦10 を満足するように構成する。
【0050】なお、前述したように基準露光量のEV値
は下記の式で求めることができる。
【0051】EV=〔log102+log10(1/
T)−log10(S/100)〕/log102 ここで、Fは撮影レンズのTナンバー、Tはシャッタ速
度(秒)、SはフィルムのISO感度である。
【0052】なお、撮影レンズのTナンバーF、シャッ
タ速度T(秒)、フィルムのISO感度Sはそれぞれ、
F≧5.6,T=1/80〜1/30,S≧640の範
囲の中から設定するのが望ましい。
【0053】また、ストロボ撮影時における撮影レンズ
のTナンバーは、ストロボのコンデンサ容量をなるべく
小さくできるように9以下に設定するのが望ましい。
【0054】更に、装填されるフィルムのISO感度と
ストロボ撮影状態の絞り値に応じて2〜3mの範囲内に
ある所定距離の被写体が適正露光となるような光量のス
トロボを選択する。
【0055】このように2〜3mにある所定距離の18
パーセント反射板よりなる被写体が適正露光となる光量
のストロボとすることで、至近距離の撮影距離である
1.1mの距離の被写体の光量がEV値でA+3以下と
なり、1.1mの距離の被写体とEV値でA−1.5の
低輝度の被写体とを、印画紙のラチチュードであるEV
値で4.5の輝度範囲内とすることができ、1.1m以
上のストロボ撮影可能距離範囲にある被写体と低輝度の
背景の被写体とをプリント上で同時に再現することが可
能となる。
【0056】なお、ストロボは具体的には、コンデンサ
の容量をなるべく小さくできるようにISO100のフ
ィルムに換算したガイドナンバーで2〜9のガイドナン
バーのストロボを選択するのが望ましい。
【0057】上記ストロボ撮影状態のEV値がAの条件
において、EV値Aが10を越えると、ストロボ撮影状
態における夜間の照明下での撮影において、2〜3mの
主要被写体とEV8.5以下の明るさの広い室内の背景
が良好な露出状態となっているプリントを得ることが難
しくなる。なお、EV値Aの上限は9とすることが望ま
しい。
【0058】また、EV値Aの下限は6とするのが望ま
しい。基準露光量を低輝度に設定するためには、より大
口径の撮影レンズを用いる必要があるが、原価的に制限
のあるレンズ付きフィルムユニットにおいては困難であ
るので、高感度のフィルムを用いてシャッタ速度を低速
にすることが考えられる。しかし、シャッタ速度を低速
にすると手ブレが発生し、一般的に手ブレを抑えられる
シャッタ速度の限界は1/50である。一方、現在市販
されている最高感度のカラーネガフィルムはISO32
00である。従って、このフィルムを装填し、例えば、
シャッタ速度を1/50に、絞りをTナンバーにて5.
6とすればEV6となるので、基準露光量としてはこの
EV値が限界となる。
【0059】これらの条件を整理すると、EV値Aは望
ましくは、 6≦A≦10 より望ましくは、6≦A≦9である。
【0060】また、通常撮影状態での絞り値とシャッタ
速度と装填したフィルムの感度とにより決定されるIS
O100のフィルム感度に換算したEV値をBとしたと
き、Bは、 A+1≦B≦A+4 を満足するように構成することが望ましい。
【0061】上記通常撮影状態のEV値Bの条件におい
て、EV値Bが下限を越えると、ストロボ撮影状態にお
けるEV値AがEV値8より小さく設定されている場合
に、EV値BがEV値9より小さくなって、晴天での屋
外撮影では露光オーバーとなり過ぎてしまう。
【0062】従って、通常撮影状態における基準露光量
のEV値Bの下限は、上記EV値Aとの関係を満たし、
且つ10以上に設定することが望ましく、更に、10.
5以上に設定することがより望ましい。
【0063】また、EV値Bが上限を越えると、ストロ
ボ撮影状態におけるEV値Aが上限付近に設定されてい
る場合に、EV値Bが14よりも大きくなって曇天時の
屋外撮影において露光アンダーとなってしまう。従っ
て、上記EV値Bの上限は、上記EV値Aとの関係を満
たし、且つ13以下に設定するのが望ましい。
【0064】なお、ストロボ撮影状態におけるEV値A
と通常撮影状態におけるEV値Bの最も望ましい範囲
は、 7≦A≦9 且つ、 A+1≦B≦A+3 である。
【0065】次に、使用する撮影レンズの望ましい条件
について説明する。なお、以下の説明においては、撮影
レンズの絞り値をFナンバーで説明するが、Fナンバー
とTナンバーの関係は撮影レンズを2枚のプラスチック
レンズで構成した場合に下記の如くなる。
【0066】Tナンバー≒1.085×Fナンバー 使用する撮影レンズは2つのレンズ成分と絞りよりな
り、且つ、撮影レンズの開放FナンバーをF0としたと
き、以下の条件式を満足する構成にするのが望ましい。
【0067】 5.6<F0<8 (1) 更に望ましくは、(1)の条件を満たし、撮影レンズの
半画角をωとし、焦点距離をfとしたとき、以下の条件
式を満足する構成にする。
【0068】 5<f/(F0・tanω)<7 (2) 更に望ましくは、(1)の条件を満たし、撮影レンズの
Fナンバーが、Fのマージナル光線の球面収差をSA
(F)とし、撮影画面の長辺方向の長さの半分をyL
したとき、以下の条件式を満足する構成にする。
【0069】 −0.072yL<SA(F0/0.7)<−0.024yL (3) 更に望ましくは、(1)の条件を満たし、ストロボ撮影
時における撮影レンズのFナンバーをF0とし、通常撮
影状態におけるFナンバーをFOffとしたとき、以下の
条件式を満足するように構成する。
【0070】 0.4<F0/FOff<0.7 (4) 更に望ましくは、(1),(4)の条件を満たし、撮影
レンズのFナンバーがFのマージナル光線の球面収差を
SA(F)とし、撮影画面の長辺方向の長さの半分をy
Lとしたとき、以下の条件式を満足する構成にする。
【0071】 −0.008FOff・yL<SA(F0)<−0.003FOff・yL (5) 且つ −0.072yL<SA(F0/0.7)<−0.024yL (6) 以上の構成において、各条件式について説明する。先
ず、条件式(1)の上限を超えると、低輝度被写体に対
する露光が十分に得られない。即ち、木陰や夕暮時、あ
るいは屋内においてストロボ撮影したとき、遠距離の被
写体である背景にストロボ光の照射が少なくなるので、
露光が不十分となり良好な再質の写真を得ることができ
ない。これに対し、条件式(1)の下限を下まわると、
2枚のレンズでは球面収差を始めとする諸収差を十分に
補正できず、また焦点深度が浅くなりすぎ、像面湾曲や
製造時のバックフォーカスの誤差、レンズ組み込み時の
取付誤差の影響が大きすぎてピントの悪い写真となるこ
とが多くなってしまう。
【0072】また、レンズ3枚を用いて撮影レンズを構
成する場合、各レンズに反射防止コートを施さないと透
過光がレンズへの入射光の内の約79%となり、また屈
折面での2回以上反射して画面に到達するフレア光の割
合が上記透過光の2.2%に達し好ましくなく、これを
防ぐために少なくとも1つのレンズに反射防止コートを
する必要があり、コストアップは避けられない。一方、
レンズ2枚の場合は、反射防止コートを施さなくても、
透過光は約85%であり、フレア光は透過光に対し、
0.86%程度と少なく十分である。従ってレンズを2
枚で構成することは、コスト、レンズ性能を総合して、
レンズ付きフィルムユニットの撮影レンズとしては最適
である。
【0073】条件式(2)は、条件式(1)の開放Fナ
ンバーを有する撮影レンズで固定焦点式カメラとして十
分な被写界深度を得るための条件である。条件式(2)
の上限を越えると、被写界深度が浅くなりすぎ、これに
対し、下限を下まわると、レンズが広角になりすぎ、コ
サイン4乗則の影響で周辺光量が不足したり、パースペ
クティブの効果が大きくなりすぎ、違和感のある写真と
なりがちで好ましくない。
【0074】また、撮影レンズは球面収差が補正不足で
条件式(3)を満足するようにすると良い。条件式
(3)の上限を越えると、球面収差が補正されすぎ、中
心のフォーカス位置が理想像面位置に近づき、軸外光束
のフォーカス位置との差、すなわち像面湾曲による影響
が大きくなり好ましくない。条件式(3)の下限を下ま
わると、球面収差が大きすぎ好ましくない。
【0075】また、条件式(4)を満足するようにレン
ズのFナンバーを変化させると、被写体輝度の大きい晴
天の屋外でも露光オーバーとならず、被写体輝度が不足
する屋内などではFナンバーが小さくなり、ストロボの
ガイドナンバーが比較的小さくてもストロボ光が届き、
背景などより遠距離の被写体の露光も十分得ることがで
きるようになる。条件式(4)の上限を越えるとF0
FOffの差が小さすぎ十分な効果を得ることができな
い、逆に下限を下まわるとTナンバーの差がありすぎ輝
度が中間の被写体の露光がどちらを選択しても不適切と
なりやすく好ましくない。
【0076】また、(4)の条件を満たして、上記の撮
影レンズを条件式(3)を満足するようにすると、前述
したように開放時の諸収差を良好に補正することができ
る。
【0077】更に、(1),(4)の条件を満たして、
条件式(5)を満足するようにすると、ストロボの使用
時、不使用時ともに適切な被写界深度を得ることができ
る。条件式(5)の上限を越えると、開放FナンバーF
0における球面収差量が少なく、FOffに絞ったとき最良
ピント位置の変位量が少なく、開放時にストロボ光によ
る補助光が十分に届く範囲に被写界深度が入るようにす
ると、FOffに絞ったとき遠距離被写体の解像度が十分
に向上しないため好ましくない、逆に条件式(5)の下
限を下まわるとFOffに絞ったとき最良ピント位置の変
位が大きすぎ、FOffに絞ったときの近距離被写体の解
像度が十分で得られなくなる。
【0078】次に、第2の実施の形態について説明す
る。
【0079】上述したとおり、レンズ付きフィルムユニ
ットに内蔵されているフィルムのネガフィルムの感度に
比べ、印画紙(ペーパー)側のラチチュードは狭いた
め、ネガ上の高輝度被写体像に合わせると低輝度の被写
体像が焼き付けられず、逆にネガ上の低輝度被写体像に
合わせると高輝度の被写体像が白く焼き付けられてしま
うという問題が生じてしまう。
【0080】ここでネガ側の画像がペーパー側のラチチ
ュードに収まるように撮影条件を設定できれば、常にバ
ランス良く低輝度・高輝度の被写体がネガ上に形成で
き、ペーパーに対しても像を焼き付けることが可能にな
る。
【0081】このような撮影を行うためには、ストロボ
非使用撮影・ストロボ使用撮影それぞれにおいて、撮影
レンズの絞り値、シャッタ速度、装填したフィルム感
度、ストロボのガイドナンバー等を好適に組み合わせて
定める必要がある。
【0082】具体的には、撮影レンズの絞り値F、シャ
ッタ速度T(秒)、フィルムのISO感度Sはそれぞ
れ、F8からF10,1/30≧T≧1/130,S≧
400の範囲の中から設定することが好ましい。
【0083】撮影レンズの絞り値は、フィルムの感度が
ISO400以上であっても、ストロボ非使用撮影時を
考慮すると大きい方が好ましい。そこで絞り値を固定と
した場合、F8からF10の範囲、好ましくはF9.5
程度に設定する。そして、撮影レンズの絞り値が固定で
ある場合、ストロボ非使用撮影からストロボ撮影状態に
切り換える際、シャッタ速度を高速化することによって
露光オーバーを防ぐ。
【0084】ストロボ非使用撮影では、十分な露光量を
得るため、シャッタ速度を低速にしておくことが必要で
あるが、その際は手ブレの影響があるため、フイルム感
度がISO400以上の場合、シャッタ速度が1/40
から1/50、好ましくは1/30程度に設定する。
【0085】ストロボ使用撮影では、ストロボ光によっ
て十分な光量が得られるため、ストロボ非使用撮影に比
べてシャッタ速度が短い方がよく、シャッタ速度を1/
100から1/120、好ましくは1/110程度に設
定する。
【0086】シャッタ速度の切り換え機構については、
上述の実施例の通り、図3及び図4に示された機構と同
一のものを採用することができる。
【0087】フィルムの感度については、上述の絞り値
・シャッタ速度の場合、ストロボ非使用撮影ではISO
400程度であっても十分であるが、より好ましくはI
SO640,ISO800のものを内蔵する。
【0088】ストロボについては、装填されるフィルム
のISO感度とストロボ撮影状態の絞り値に応じて2か
ら3mの範囲内にある所定距離の被写体が適正露光とな
るような光量のストロボを選択することが好ましい。具
体的には、メインコンデンサの容量をなるべく小さくで
きる様に、ISO100のフィルムに換算したガイドナ
ンバーで11から12の範囲のストロボを選択すること
が好ましい。
【0089】
【実施例】以下に撮影レンズの実施例について説明す
る。各実施例における記号は以下の通りである。
【0090】F0:撮影レンズの開放Fナンバーであ
り、ストロボ使用時のFナンバー FOff:通常撮影状態でのFナンバー f:撮影レンズの焦点距離 ω:半画角 r:屈折面の曲率半径 d:屈折面の間隔 Nd:d線での屈折率 νd:アッベ数 yL:撮影画面の長辺方向の長さの半分 U:物像間距離 また、本願発明で用いた非球面の形状は座標を光軸方向
にx軸をとり、光軸と垂直方向の高さをhとすると、数
1の式で表される。
【0091】
【数1】
【0092】数1において、Kは非球面の円錐定数、A
2iは非球面係数(i=2,3,4,5,6)を示す。
【0093】なお、図中ΔSはサジタル、ΔMはメリジ
オナルを表す。(実施例1) 図5にレンズ光軸断面図
を、図6にレンズ収差図を示す。また、レンズデータを
表1に示す。
【0094】
【表1】
【0095】但し、 f/(F0・tanω)=
6.0 SA(F0/0.7)/yL=−0.044 F0/FOff=0.42〜0.67 SA(F0)/(FOff・yL)=−0.0042〜−
0.0067 図7と図8は、FOffを13、撮影レンズの最終面と撮
像画面との距離を25.8mmとし、撮像面を曲率半径
が110mmのシリンドリカル面とし、更に絞りをF0
としたときの画面の長辺方向についての各被写体距離で
のMTFの図を示す。また、同様にして、図9と図10
は、FOffに絞ったときの画面の長辺方向についての各
被写体距離でのMTFの図を示す。
【0096】図7乃至図10のMTFの図に示す如く、
開放ではストロボの到達距離に相当する1mから4mの
被写体についてピントが良好になっており、フラッシュ
を使用しないときは絞りF13となり、1mから無限遠
方までピント良好となる。またMTFの値自体も十分で
あり、良好な画質の写真を得ることが出来る。 (実施例2)図11にレンズ光軸断面図を、図12にレ
ンズ収差図を示す。また、レンズデータを表2に示す。
【0097】
【表2】
【0098】但し、 f/(F0・tanω)=6.16 SA(F0/0.7)/yL=−0.044 F0/FOff=0.42〜0.67 SA(F0)/(FOff・yL)=−0.0040〜−
0.0064 (実施例3)図13にレンズ光軸断面図を、図14にレ
ンズ収差図を示す。また、レンズデータを表3に示す。
【0099】
【表3】
【0100】但し、 f/(F0・tanω)=
6.12 SA(F0/0.7)/yL=−0.04
4 F0/FOff=0.42〜0.67 SA(F0)/(FOff・yL)=−0.0040〜−
0.0064 また本発明の思想をレンズ付きフィルムユニットに適用
した例について説明してきたが、この技術はカメラ、特
に安価なカメラにも同様に適用できる。例えば図15に
示すようなカメラであっても、上述のレンズ付きフィル
ムユニットと同様の機構を内蔵させることにより、バラ
ンスのとれた撮影が可能になる。なお、前面には撮影レ
ンズ31、ファインダ窓32、ストロボ発光部33、ス
トロボスイッチレバー34が配置され、上面にはレリー
ズ釦35、指数器窓36、充電表示窓37、及び巻戻し
ハンドル38が配置され、背面には巻上げノブ39が配
置されている。また、このカメラでは手動式のフィルム
巻き上げであるが、電動式のフィルム給送であっても勿
論構わない。
【0101】一般にレンズシャッタカメラでは電子的制
御により測光・測距を行い、演算結果に基づいて最適な
絞り値やピントを定めるが、製品コストが上昇するとい
う問題がある。これに対し本願発明のように、ストロボ
非発光時に透過光量を減少させたり、あるいはシャッタ
スピードを高速にするといった機構は安価でかつ故障の
少ないものであり、容易にカメラに適用できる技術であ
る。
【0102】
【発明の効果】本願発明ののストロボ内蔵レンズ付きフ
ィルムユニット及びカメラによれば、特に広い室内や照
明の少ない屋外におけるストロボ撮影において、背景が
暗く写ってつぶれた写真ができることが従来のストロボ
内蔵レンズ付きフィルムユニットよりも少なくなる。
【0103】また、感度ISO400程度のフィルムを
内蔵し、そのために比較的強力なストロボを内蔵したレ
ンズ付きフィルムユニットであっても、シャッタ速度を
切り換え可能とすることにより、ストロボ使用状態で背
景がつぶれた写真を撮ることが少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ストロボ内蔵レンズ付きフィルムユニットの外
観斜視図である。
【図2】絞り板を切り替える構成の斜視図である。
【図3】シャッタチャージが完了した状態の正面図であ
る。
【図4】セクタが開口部を開口させた正面図である。
【図5】実施例1のレンズ光軸断面図である。
【図6】実施例1のレンズ収差図である。
【図7】実施例1のFOにおけるMTFの図である。
【図8】実施例1のFOにおけるMTFの図である。
【図9】実施例1のFOffにおけるMTFの図である。
【図10】実施例1のFOffにおけるMTFの図であ
る。
【図11】実施例2のレンズ光軸断面図である。
【図12】 実施例2のレンズ収差図である。
【図13】 実施例3のレンズ光軸断面図である。
【図14】 実施例3のレンズ収差図である。
【図15】 カメラの外観斜視図である。
【符号の説明】
1 撮影レンズ 3 ストロボ発光パネル 4 ストロボスイッチレバー 11 フィルタ板 11a 開放開口 11b フィルタ付き開口 15 ストロボユニット 151 プリント基板 21 セクタ 27 ストッパー
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03B 7/18 G03B 7/18 11/00 11/00 15/05 15/05 17/04 17/04

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め未露光フィルムを内蔵しており、撮
    影する毎にフィルムを巻き上げてフィルム収納容器に収
    納していくレンズ付きフィルムユニットにおいてストロ
    ボ発光ユニットと、該ストロボ発光ユニットの発光と非
    発光とを切り替えるストロボスイッチと、該ストロボス
    イッチの操作に連動して、ストロボ非発光時には撮影光
    路内に入り、ストロボ発光時には撮影光路外へ退避する
    光透過型光量減少手段とを有することを特徴とするレン
    ズ付きフィルムユニット。
  2. 【請求項2】 ストロボ発光ユニットを有すると共に、
    予め未露光フィルムを内蔵しており、撮影する毎にフィ
    ルムを巻き上げてフィルム収納容器に収納していくレン
    ズ付きフィルムユニットにおいて、該ストロボ発光ユニ
    ットの発光と非発光とを切り替えるストロボスイッチ
    と、該ストロボスイッチの操作に連動して、ストロボ非
    発光時には撮影光路内に入り、ストロボ発光時には撮影
    光路外へ退避する光透過型光量減少手段とを有し、スト
    ロボ発光時におけるシャッタ速度をSSとし、前記スト
    ロボ発光ユニットのISO100におけるガイドナンバ
    ーをGnoとしたとき、下記の条件式を満足することを
    特徴とするレンズ付きフィルムユニット。 (Gno)2/SS < 8000
  3. 【請求項3】 予めフィルムを内蔵し、ストロボ発光ユ
    ニットを備えたレンズ付きフィルムユニットにおいて、
    非ストロボ撮影時には撮影レンズへの透過光量をストロ
    ボ撮影時よりも減少させる光透過型光量減少手段を有
    し、ストロボ撮影時に、プリント画像の形成を可能とす
    る潜像を、内蔵するフィルム上に形成できる最低の撮影
    輝度をEV値でAとしたとき、Aが8.5以下であり、 2〜3mの間の所定距離にある基準被写体を前記ストロ
    ボ発光ユニットで照射することによりフィルムに形成さ
    れる潜像が、EV値でA+4.5以下の撮影輝度により
    得られる潜像に相当するように構成されたことを特徴と
    するレンズ付きフィルムユニット。
  4. 【請求項4】 前記光透過型光量減少手段はNDフィル
    ターであることを特徴とする請求項1ないし3記載のレ
    ンズ付きフィルムユニット。
  5. 【請求項5】前記ストロボユニットのメインコンデンサ
    の容量を15μF以上80μF以下としたことを特徴と
    する請求項1ないし3記載のレンズ付きフィルムユニッ
    ト。
  6. 【請求項6】 前記ストロボ発光時の撮影レンズの絞り
    値をF5.6以上F16以下としたことを特徴とする請
    求項1ないし3記載のレンズ付きフィルムユニット。
  7. 【請求項7】 前記ストロボユニットのガイドナンバー
    が9以下であることを特徴とする請求項1ないし3記載
    のレンズ付きフィルムユニット。
  8. 【請求項8】 前記ストロボ発光時の撮影レンズのTナ
    ンバーが8以下であることを特徴とする請求項1ないし
    3記載のレンズ付きフィルムユニット。
  9. 【請求項9】 前記ストロボ非発光時の撮影レンズのT
    ナンバーが10以上であることを特徴とする請求項1な
    いし3記載のレンズ付きフィルムユニット。
  10. 【請求項10】 前記レンズ付きフィルムユニットは、
    ストロボ発光時と非発光時とでシャッタ速度が切り替わ
    るものであって、ストロボ発光時はストロボ非発光時よ
    りもシャッタ速度が遅くなるように設定されていること
    を特徴とする請求項1ないし3記載のレンズ付きフィル
    ムユニット。
  11. 【請求項11】 ストロボ発光時のシャッタ速度は1/
    100秒以下であることを特徴とする請求項1ないし3
    記載のレンズ付きフィルムユニット。
  12. 【請求項12】 ストロボ非発光時のシャッタ速度は1
    /150秒以上であることを特徴とする請求項1ないし
    3記載のレンズ付きフィルムユニット。
  13. 【請求項13】 ストロボ発光ユニットを備えたカメラ
    において、該ストロボ発光ユニットの発光と非発光とを
    切り替えるストロボスイッチと、該ストロボスイッチの
    操作に連動して、ストロボ非発光時には撮影光路内に入
    り、ストロボ発光時には撮影光路外へ退避する光透過型
    光量減少手段とを有することを特徴とするカメラ。
  14. 【請求項14】 ストロボ発光ユニットを有するカメラ
    において、該ストロボ発光ユニットの発光と非発光とを
    切り替えるストロボスイッチと、該ストロボスイッチの
    操作に連動して、ストロボ非発光時には撮影光路内に入
    り、ストロボ発光時には撮影光路外へ退避する光透過型
    光量減少手段とを有し、ストロボ発光時におけるシャッ
    タ速度をSSとし、前記ストロボ発光ユニットのISO
    100におけるガイドナンバーをGnoとしたとき、下
    記の条件式を満足することを特徴とするカメラ。 (Gno)2/SS < 8000
  15. 【請求項15】 ストロボ発光ユニットを備えたカメラ
    において、非ストロボ撮影時には撮影レンズへの透過光
    量をストロボ撮影時よりも減少させる光透過型光量減少
    手段を有し、 ストロボ撮影時に、プリント画像の形成を可能とする潜
    像を、内蔵するフィルム上に形成できる最低の撮影輝度
    をEV値でAとしたとき、Aが8.5以下であり、 2〜3mの間の所定距離にある基準被写体を前記ストロ
    ボ発光ユニットで照射することによりフィルムに形成さ
    れる潜像が、EV値でA+4.5以下の撮影輝度により
    得られる潜像に相当するように構成されたことを特徴と
    するカメラ。
  16. 【請求項16】 前記光透過型光量減少手段はNDフィ
    ルターであることを特徴とする請求項13ないし15記
    載のカメラ。
  17. 【請求項17】 前記ストロボユニットのメインコンデ
    ンサの容量を15μF以上80μF以下としたことを特
    徴とする請求項13ないし15記載のカメラ。
  18. 【請求項18】 前記ストロボ発光時の撮影レンズの絞
    り値をF5.6以上F16以下としたことを特徴とする
    請求項13ないし15記載のカメラ。
  19. 【請求項19】 前記ストロボユニットのガイドナンバ
    ーが9以下であることを特徴とする請求項13ないし1
    5記載のカメラ。
  20. 【請求項20】 前記ストロボ発光時の撮影レンズのT
    ナンバーが8以下であることを特徴とする請求項13な
    いし15記載のカメラ。
  21. 【請求項21】 前記ストロボ非発光時の撮影レンズの
    Tナンバーが10以上であることを特徴とする請求項1
    3ないし15記載のカメラ。
  22. 【請求項22】 前記レンズ付きフィルムユニットは、
    ストロボ発光時と非発光時とでシャッタ速度が切り替わ
    るものであって、ストロボ発光時はストロボ非発光時よ
    りもシャッタ速度が遅くなるように設定されていること
    を特徴とする請求項13ないし15記載のカメラ。
  23. 【請求項23】 ストロボ発光時のシャッタ速度は1/
    100秒以下であることを特徴とする請求項13ないし
    15記載のカメラ。
  24. 【請求項24】 ストロボ非発光時のシャッタ速度は1
    /150秒以上であることを特徴とする請求項13ない
    し15記載のカメラ。
JP11162767A 1999-06-09 1999-06-09 ストロボ内蔵レンズ付きフィルムユニットおよびカメラ Pending JP2000352800A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11162767A JP2000352800A (ja) 1999-06-09 1999-06-09 ストロボ内蔵レンズ付きフィルムユニットおよびカメラ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11162767A JP2000352800A (ja) 1999-06-09 1999-06-09 ストロボ内蔵レンズ付きフィルムユニットおよびカメラ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000352800A true JP2000352800A (ja) 2000-12-19

Family

ID=15760845

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11162767A Pending JP2000352800A (ja) 1999-06-09 1999-06-09 ストロボ内蔵レンズ付きフィルムユニットおよびカメラ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000352800A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7248793B2 (en) 2004-03-11 2007-07-24 Fujifilm Corporation Lens-fitted photo film unit

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7248793B2 (en) 2004-03-11 2007-07-24 Fujifilm Corporation Lens-fitted photo film unit

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7343090B2 (en) Lens-fitted photo film unit
US6233403B1 (en) Lens-fitted film unit with a built-in electronic flash unit and image forming method based on a photographic film exposed by the lens-fitted film unit with a built-in electronic flash unit
JP2000227626A (ja) レンズ付きフィルムユニット
JP2000352800A (ja) ストロボ内蔵レンズ付きフィルムユニットおよびカメラ
JP3937628B2 (ja) レンズ付きフィルムユニット
JP2001013640A (ja) レンズ付きフィルムユニット
JP3802404B2 (ja) シャッタ装置及びこれを用いたカメラ
JP2000227627A (ja) レンズ付きフィルムユニット
JP2000258822A (ja) ストロボ内蔵レンズ付きフィルムユニット
JP2000221569A (ja) ストロボ内蔵レンズ付きフィルムユニット
US6597866B2 (en) Camera for taking a picture in a good focus condition
JP2000231131A (ja) レンズ付きフィルムユニット
JP2000162738A (ja) レンズ付きフイルムユニット
JPH11202388A (ja) ストロボ内蔵レンズ付きフィルムユニット
JP2000352801A (ja) ストロボ内蔵レンズ付きフィルムユニット及びカメラ
JP3850008B2 (ja) レンズ付きフイルムユニット
JPH0394241A (ja) フィルム一体型カメラ
US20060216006A1 (en) Lens-fitted photo film unit
JP4038084B2 (ja) レンズ付きフイルムユニット
JP2000275786A (ja) レンズ付きフイルムユニット
JP2002258446A (ja) 発光装置内蔵レンズ付きフィルムユニット
JPH11218881A (ja) ストロボ内蔵レンズ付きフィルムユニット
JP2000267161A (ja) ストロボ装置及びレンズ付きフイルムユニット
JPH09203918A (ja) レンズ付きフィルムユニット
JPH11352642A (ja) レンズ付きフィルムユニット