JP3799104B2 - カメラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、補助光を用いて焦点検出を行うカメラの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、パターン投光をするAF(オートフォーカス)補助光を用いて焦点検出する場合とパターン投光をしないAF補助光を用いて焦点検出する場合の、AF補助光発光判定基準は同一基準であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、パターン投光のAF補助光による焦点検出は、まったくコントラストの無い状態でも焦点検出が可能であるが、パターン投光でないAF補助光による焦点検出は、まったくコントラストの無い状態では、該補助光を用いても焦点検出が不可能であり、補助光を用いるだけエネルギーの無駄であった。
【0004】
また、同時に不必要に補助光を使用することは、例えばランプ,ストロボ,LED等の補助光源の耐久性の面において好ましいものではない。
【0005】
(発明の目的)本発明の目的は、パターン投光をしない補助光の不必要な発光を禁止し、電源の節電と補助光部の無用な劣化を防ぐことのできるカメラを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、パターン投光をする第1の補助光部を具備する外付け装置が装着可能になっているカメラにおいて、パターン投光をしない内蔵された第2の補助光部と、被写体輝度が所定輝度よりも低い場合又は被写体輝度が該所定輝度よりも高い場合でも所定コントラストよりも低い場合には前記第1の補助光部を発光させる一方、被写体輝度が所定輝度よりも高い場合には前記所定コントラストよりも低い場合であっても前記第2の補助光部を発光させないように発光判定基準を異ならせる発光判定基準変更手段とを設けたカメラとするものである。
また、本発明は、パターン投光をしない第2の補助光部を具備する外付け装置が装着可能になっているカメラにおいて、パターン投光をする内蔵された第1の補助光部と、被写体輝度が所定輝度よりも低い場合又は被写体輝度が該所定輝度よりも高い場合でも所定コントラストよりも低い場合には前記第1の補助光部を発光させる一方、被写体輝度が所定輝度よりも高い場合には前記所定コントラストよりも低い場合であっても前記第2の補助光部を発光させないように発光判定基準を異ならせる発光判定基準変更手段とを設けたカメラとするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0008】
始めに、図5及び図6により、パターン投光をしないAF補助光部を内蔵するカメラと、該カメラに装着可能な、パターン投光をするAF補助光部を有する外付けストロボ装置を用いて、AF補助光を使用しての撮影をする際のカメラシステムの構成について説明する。
【0009】
図5は外付けの補助光点灯状態を、図6は内蔵補助光点灯状態を、それぞれ示す概略図(側面図)であり、これらの図において、500はカメラ(本体)であり、パターン投光をしないAF補助光部501を内蔵している。502は交換式のレンズである。503は外付けストロボ装置であり、該外付けストロボ装置503は、ストロボ発光部504とパターン投光(図5参照)をする補助光部505をもつ。
【0010】
図2は、上記図5及び図6に示したカメラ500側の電気的構成を示すブロック図である。
【0011】
同図において、1はカメラの各部の動きを制御するためのマイクロコンピュータである。2は後述の撮影レンズ13の焦点調節用モータと不図示の絞り羽根制御用モータを駆動制御するレンズ制御回路である。このレンズ制御回路2は、前記マイクロコンピュータ1からLCOM信号を受けている間、データバスDBUSを介してシリアル通信を行う。そして、シリアル通信によりモータ駆動情報を受け取ると、その情報によりモータを駆動制御する。また、同時に撮影レンズの各種の情報(焦点距離等)をシリアル通信によりマイクロコンピュータ1に送る。
【0012】
3はカメラのバッテリー残量や撮影枚数を撮影者に知らせる為の液晶表示器11,12を駆動する液晶表示回路である。この液晶表示回路3は、マイクロコンピュータ1からDPCOM信号を受けている間、データバスDBUSを介しシリアル通信を行う。そして、シリアル通信により表示データを受け取ると、そのデータに従って液晶表示器11,12を駆動する。
【0013】
4は、撮影者が各撮影条件を設定する為のスイッチや、カメラの状態を示すスイッチの状態を読み取り、マイクロコンピュータ1に送るスイッチセンス回路であり、SWCOM信号を受けている間、データバスDBUSを介しシリアル通信によりマイクロコンピュータ1にスイッチデータを送る。
【0014】
5はストロボの発光とTTL調光による発光停止機能を制御するストロボ発光調光制御回路である。このストロボ発光調光制御回路5は、SRCOM信号を受けている間、データバスDBUSを介しマイクロコンピュータ1とシリアル通信を行い、ストロボ制御に関するデータを受け取り各種の制御を行う。また、この回路は、外付けストロボ装置503がカメラ500に装着された場合のインターフェースの働きも行う。よって、外付けストロボ装置503が装着された場合は、該外付けストロボ装置503と通信を行い、その情報(補助光が有るか無いか等)をマイクロコンピュータ1に送る。逆に、マイクロコンピュータ1からの制御信号を外付けストロボ装置503に伝える役割も持つ。
【0015】
6は焦点検出回路であり、既存の位相差検出方式によりAFを行うためのラインセンサと、その蓄積読み出しの為の回路ユニットになったもので、マイクロコンピュータ1により制御を行う。マイクロコンピュータ1は、センサ出力のA/D値を基に既存のアルゴリズムで焦点検出を行い、レンズ駆動量を演算した後に合焦するようにレンズ制御回路2に演算で求めたレンズ駆動量を通信し、レンズを駆動して合焦させる。また、外付けのAF補助光が必要な場合は、焦点検出回路6で蓄積開始をする直前に、ストロボ発光調光制御回路5を通して、外付けストロボ装置503と通信をして外付けの補助光を点灯させ、蓄積後に通信して外付け補助光を消灯させ、読み出し演算し、一方、内蔵補助光が必要な場合は、焦点検出回路6で蓄積開始をする直前に、内蔵補助光駆動回路14より内蔵補助光を点灯させ、蓄積後に内蔵補助光を消灯させ、読み出し演算を行う。
【0016】
7は測光回路であり、被写体の測光を行い、マイクロコンピュータ1の制御により測光出力を該マイクロコンピュータ1に送る。マイクロコンピュータ1は送られた測光出力をA/D変換し、露出条件(TV値,AV値)の演算に用いる。8はシャッタ制御回路であり、マイクロコンピュータ1の制御信号に従って、不図示のシャッタ先幕及び後幕の走行制御を行う。9はモータ制御回路であり、マイクロコンピュータ1からの制御信号に従って、フィルムの給送(巻上げ,巻戻し)を行う。また、該モータ制御回路9は、ミラーアップ/チャージ(ミラーダウン)用モータの制御も行う。
【0017】
SW1はカメラの撮影準備動作を開始させる為のスイッチであり、該スイッチSW1がONされたことをマイクロコンピュータ1が認識すると、測光動作,測距動作及び各種の表示をスタートさせる。SW2はカメラのレリーズ釦と連動したスイッチであり、該スイッチSW2がONされたことをマイクロコンピュータ1が認識すると、露光動作をスタートさせる。X接点はシャッタの先幕の走行完のタイミングでONし、ストロボ発光のタイミングをストロボ発光調光制御回路5に知らせる役目をする。SW3はカメラのモード(TV優先,AV優先,マニアル,プログラム等)を切り換える為のモード変更スイッチである。
【0018】
10はTV値,AV値,モード等を変更する為の電子ダイアルであり、例えばモード変更スイッチSW3を押しながら電子ダイアル10を回転させると、TV優先→AV優先→マニアル→プログラム→TV優先→AV優先→マニアル→プログラム‥‥と変更され、撮影者の意図するAEモードに設定することができる。また、電子ダイアル10を逆回転させた時は、プログラム→マニアル→AV優先→TV優先→プログラム→‥‥とAEモードは変更される。
【0019】
また、モード変更スイッチSW3と電子ダイアル10によりTV優先がモードとして設定されている場合には、電子ダイアル10を回転させることにより撮影者の希望とするTV値を設定することができる。また、モード変更スイッチSW3と電子ダイアル10によりAV優先がモードとして設定されている場合には、電子ダイアル10を回転させることにより撮影者の希望とするAV値を設定することができる。
【0020】
11は外部液晶表示器であり、液晶表示回路3によって駆動される。12はファインダ内液晶表示器であり、同じく液晶表示回路3によって駆動される。13は交換可能な撮影レンズであり、前述した様にレンズ制御回路2を通して制御される。503は、カメラ500とは別の電源を持つ、図5及び図6に示したパターン投光をする補助光部505を内蔵した外付けストロボ装置であり、前述した様にストロボ発光調光制御回路5を通して制御される。14は内蔵補助光駆動回路であり、カメラ500に内蔵されたAF補助光部501を駆動する回路である。
【0021】
次に、図3のフローチャートを用いて簡単にカメラの一連の動作について説明する。
【0022】
カメラの何れかのスイッチが押された等の要因により該カメラに電源が入ると、ステップ301より動作を開始する。
[ステップ301] スイッチSW1がONしているか否かの判定を行い、ONしている場合は、測光(AE)/測距(AF)のためにステップ304以降へ移行し、OFFの場合は、電源をOFFするかどうかの判定のためにステップ302へ移行する。
【0023】
ここで、スイッチSW1がOFFであるので、電源をOFFするかどうかの判定のためにステップ302へ移行するものとする。
[ステップ302] 電源をOFFするかどうかの判定を行い、OFFしない場合はステップ301のスイッチSW1のチェックに戻る。つまり、何らかの要因でカメラの電源が立ち上がった場合には一定時間、電源を起こしておくことにより、各種スイッチの状態のチェックや表示の切り替えを行う。また、電源をOFFする場合は以下のステップ303へ移行する。
[ステップ303] カメラのファインダ内や外部の不必要な部分の表示を液晶表示回路3により消灯し、電源をOFFする。
【0024】
上記ステップ301にてスイッチSW1がONしている事を判定した場合には、前述した様にステップ304へ移行する。
[ステップ304] 測光回路7により被写体の測光情報を求め、得られる測光情報をマイクロコンピュータ1は入力すると共にA/D変換し、露出条件(AV値,TV値)の演算/設定を行う。
[ステップ305] 焦点検出回路6を用いてラインセンサの蓄積を開始すると共にその読み出しを行い、そのセンサ出力のA/D値を基に既存のアルゴリズムにて焦点検出演算を行い、レンズ駆動量を算出した後に、合焦するようにレンズ制御回路2に前記レンズ駆動量を通信し、レンズを駆動し合焦させる。
【0025】
また、詳細は図4にて行うが、ここで外付けAF補助光が必要な場合は、前記焦点検出回路6を介してラインセンサの蓄積を開始する直前に、ストロボ発光調光制御回路5を通して外付けストロボ装置503と通信をして外付け補助光(補助光部505)を点灯させ、蓄積後に通信して外付け補助光を消灯させ、読み出し演算を行うことになる。一方、内蔵補助光が必要な場合は、前記焦点検出回路6を介してラインセンサの蓄積を開始する直前に、内蔵補助光駆動回路14により内蔵補助光(補助光部501)を点灯させ、蓄積後に内蔵補助光を消灯させ、読み出し演算を行うことになる。
[ステップ306] 上記ステップ304で演算/設定されたAV値,TV値を液晶表示回路3によりファインダ内液晶表示器12と外部液晶表示器11に表示する。また、上記ステップ305での焦点調節結果が合焦ならば、合焦表示も行う。
[ステップ307] ここでは、カメラの状態がレリーズを許可して良い状態か否かの判定を判定する。例えば、AFモードが「ワンショットモード」である場合は、上記ステップ305での焦点調節結果が合焦ならばレリーズは許可され、スイッチSW2のチェックを行う為にステップ308へ移行し、合焦でない場合は、スイッチSW1のチェックの為にステップ301に戻り、ここでスイッチSW1がONの場合は再びAE,AF,表示を繰り返す。
[ステップ308] スイッチSW2がONされているか否かの判定、つまりステップ309以降のレリーズ動作に進むか否かの判定を行う。この結果、スイッチSW2がOFFの場合は、該スイッチSW1のチェックの為にステップ301に戻る。ここで、スイッチSW1がONの場合は再びAE,AF,表示を繰り返す。
【0026】
また、上記ステップ308にてスイッチSW2がONであった事を判定した場合は、レリーズ動作を行う為にステップ309に移行する。
[ステップ309] モータ制御回路9によりミラーをアップすると共に、上記ステップ304で決められたAV量をレンズ制御回路2によりレンズ13に通信し、設定露光量が得られる様に絞り込み動作を行う。
[ステップ310] シャッタ制御回路8により上記ステップ304で決められたTV量が得られる様に、不図示のシャッタ先幕及び後幕の走行制御を行う。
[ステップ311] ここではモータ制御回路9により、ミラーをダウンすると同時にシャッタのチャージを行い、又ステップ309にて絞り込まれていた絞りを開放に戻す。
[ステップ312] モータ制御回路9によりフィルムの巻上げを行う。
【0027】
以上により、カメラの一連の動作が終了する。
【0028】
次に、上記ステップ305でのAF動作の詳細について、図4のフローチャートを用いて説明する。
[ステップ401] 前回行った焦点検出結果により、今回の焦点検出では補助光が必要であると判定されたか否かを確認する(詳細は、図1を用いて後述する)。ここで、今回の焦点検出に補助光が必要であると判定した場合は、蓄積開始前に補助光を点灯するためにステップ402へ移行する。
[ステップ402] 外付けAF補助光が必要な場合は、ストロボ発光調光制御回路5を通して、外付けストロボ装置503と通信をして外付け補助光を点灯させ、一方、内蔵補助光が必要な場合は、内蔵補助光駆動回路14により内蔵補助光を点灯させる。その後、ステップ403へ進む。
【0029】
また、上記ステップ401にて補助光が必要ないと判定した場合は、補助光点灯を行うステップ402を飛ばし、ステップ403へ直ちに移行する。
[ステップ403] 焦点検出回路6を用いてラインセンサの蓄積を開始すると共にその読み出しを行い、そのセンサ出力のA/D変換を行う。
[ステップ404] 上記ステップ402で外付け補助光を点灯した場合は、ストロボ発光調光制御回路5を通して、外付けストロボ装置503と通信をして外付け補助光を消灯させ、又上記ステップ402で内蔵補助光を点灯させた場合は、内蔵補助光駆動回路14により内蔵補助光を消灯させる。
[ステップ405] 上記ステップ403のA/D値を基に、既存のアルゴリズムで焦点検出情報を演算し、その値とレンズ制御回路2を通して得られた現在装着されているレンズ13のレンズの特性値により、レンズ駆動量を算出する。
[ステップ406] 上記ステップ405で求められたレンズ駆動量が演算出来た場合は、レンズ制御回2を通してレンズ13に通信し、距離環を駆動する。また、大ボケ状態であり、上記ステップ405によりレンズ駆動量が演算出来なかった場合は、レンズを駆動せずにこの動作を終了する。つまり、図3のステップ306へリターンする。
【0030】
最後に、この実施の第1の形態における特徴部分である、補助光判定を行う上記ステップ401及びステップ402での動作の詳細について、図1のフローチャートを用いて説明する。尚ここでは、図5及び図6により説明した様に、カメラ500側の補助光はパターン投光をしないものであり、該カメラに装着される外付けストロボ装置503側の補助光はパターン投光をするものである。又以下のフローチャートでは、パターン投光をするものを「パターン有り」と記し、パターン投光をしないものを「パターン無し」と記してある。
[ステップ101] ストロボ発光調光制御回路5を用いて補助光部505を持つ外付けストロボ装置503が装着されているか否かの判定を行い、装着されてない場合は、内蔵補助光を使うかどうかの判定のためにステップ102へ移行する。
[ステップ102] 内蔵補助光を使ったAFを行うかどうかの判定を行う為に、前回の焦点検出時が低輝度であったかどうかの判定を前回の焦点検出時のAFセンサの蓄積時間を基に行う。この結果、低輝度であったと判定した場合は、パターン投光でないAF補助光による焦点検出を行う為にステップ103へ移行する。
[ステップ103] 内蔵補助光駆動回路14により内蔵補助光を点灯させ、その後は焦点検出動作のために図4のステップ403へリターンする。
【0031】
また、上記ステップ102にて低輝度でないと判定した場合は、補助光による焦点検出は不要であるのでここでの動作を終了し、焦点検出動作のために図4のステップ403へリターンする。
【0032】
また、上記ステップ101にて外付けストロボ装置503が装着されていた場合は、ステップ105へ移行する。
[ステップ105] ここでは外付けストロボ装置503に具備されたパターン投光をする補助光を用いての焦点検出を行うかどうかの判定を行う為に、前回の焦点検出時が低輝度であったかどうかの判定を前回の焦点検出時のAFセンサの蓄積時間を基に行う。ここで、低輝度であったと判定した場合は、パターン投光をする補助光による焦点検出を行う為にステップ106へ移行する。
[ステップ106] ストロボ発光調光制御回路5を通して、外付けストロボ装置503と通信をして外付け補助光を点灯させ、焦点検出動作のためにステップ403へリターンする。
【0033】
また、上記ステップ105にて前回の焦点検出時が低輝度でないと判定した場合は、別の補助光発光判定を行う為にステップ107へ移行する。
[ステップ107] ここでは外付けのパターン投光の補助光を使ったAFを行うかどうかの第2の判定を行う為に、前回の焦点検出情報が低コントラストであったかどうかの判定を行う。ここで、低コントラストと判定した場合は、パターン投光をするAF補助光による焦点検出を行うためにステップ108へ移行する。
[ステップ108] ストロボ発光調光制御回路5を通して外付けストロボ装置503と通信をして外付け補助光を点灯させ、その後は焦点検出動作のために図4のステップ403へリターンする。
【0034】
また、上記ステップ107にて低コントラストでないと判定した場合は、補助光による焦点検出は行う必要がないので、直ちにここでの動作を終了し、焦点検出動作のために図4のステップ403へリターンする。
【0035】
以上の様に、パターン投光をしない補助光をAF補助光として使用する場合には、その発光判定の基準は、前回の焦点検出時が低輝度であったか否かのみであったが、パターン投光をする補助光をAF補助光として使用可能な場合は、更に前回の焦点検出情報が低コントラストであったか否かによりその判定を行うようにしている為、低コントラスト時には意味を為さない、パターン投光をしない補助光が用いられるといったことがなくなる。つまり、不必要な補助光を焚くことによる、電池の消耗を早めることが無くなると共に、LED等の補助光部の寿命を延ばすことが可能となる。
【0036】
(実施の第2の形態)
図7は本発明の実施の第2の形態に係るカメラの主要部分の動作を示すフローチャートである。尚、該カメラ等の構成やその他の動作は上記実施の第1の形態と同様であるの、ここでは省略する。
【0037】
この実施の第2の形態では、AF補助光を内蔵しないカメラと、該カメラ装着される、パターン投光をするAF補助光部、あるいは、パターン投光をしないAF補助光部を有する外付けストロボ装置とにより成るカメラシステムにおける補助光発光判定基準について説明する。
[ステップ701] ストロボ発光調光制御回路5を用いて外付けストロボ装置503が装着されているか否かの判定を行い、装着されていない場合は、補助光による焦点検出は行わず、直ちにここでの動作を終了し、焦点検出動作のために実施の第1の形態と同様、図4のステップ403へリターンする。
【0038】
また、上記ステップ701にて外付けストロボ装置503が装着されている事を判定した場合はステップ703へ移行する。
[ステップ703] ストロボ発光調光制御回路5を用いて外付けストロボ装置503に具備された補助光部はパターン投光をするものであるか否かを判定し、パターン投光をしないAF補助光部を有するものであった場合は、ステップ704へ移行する。
[ステップ704] 非パターン投光の補助光を使ったAFを行うかどうかの判定を行う為に、前回の焦点検出時が低輝度であったかどうかの判定を前回の焦点検出時のAFセンサの蓄積時間を基に行う。ここで、低輝度であったと判定した場合は、パターン投光でないAF補助光による焦点検出を行う為にステップ705へ移行する。
[ステップ705] ストロボ発光調光制御回路5を通して外付けストロボ装置503と通信をして外付け補助光を点灯させ、その後は焦点検出動作のために図4のステップ403へリターンする。
【0039】
また、上記ステップ704にて前回の焦点検出時が低輝度でなかった場合は、補助光による焦点検出は不要であるので、直ちにここでの動作を終了し、焦点検出動作のために実施の第1の形態と同様、図4のステップ403へリターンする。
【0040】
また、上記ステップ703にて外付けストロボ装置503に具備された補助光部はパターン投光をするものである事を判定した場合は、ステップ706へ移行する。
[ステップ706] ここでは外付けストロボ装置503に具備されたパターン投光をする補助光を用いての焦点検出を行うかどうかの判定を行う為に、前回の焦点検出時が低輝度であったかどうかの判定を前回の焦点検出時のAFセンサの蓄積時間を基に行う。ここで、低輝度であったと判定した場合は、パターン投光をする補助光による焦点検出を行う為にステップ707へ移行する。
[ステップ707] ストロボ発光調光制御回路5を通して、外付けストロボ装置503と通信をして外付け補助光を点灯させ、焦点検出動作のためにステップ403へリターンする。
【0041】
また、上記ステップ706にて前回の焦点検出時が低輝度でないと判定した場合は、別の補助光発光判定を行う為にステップ708へ移行する。
[ステップ708] ここでは外付けのパターン投光の補助光を使ったAFを行うかどうかの第2の判定を行う為に、前回の焦点検出情報が低コントラストであったかどうかの判定を行う。ここで、低コントラストと判定した場合は、パターン投光をするAF補助光による焦点検出を行うためにステップ709へ移行する。
[ステップ709] ストロボ発光調光制御回路5を通して外付けストロボ装置503と通信をして外付け補助光を点灯させ、その後は焦点検出動作のために図4のステップ403へリターンする。
【0042】
また、上記ステップ708にて低コントラストでないと判定した場合は、補助光による焦点検出は行う必要がないので、直ちにここでの動作を終了し、焦点検出動作のために図4のステップ403へリターンする。
【0043】
以上の様に、この実施の第2の形態においても、パターン投光をしない補助光をAF補助光として使用する場合には、その発光判定の基準は、前回の焦点検出時が低輝度であったか否かのみであったが、パターン投光をする補助光をAF補助光として使用可能な場合は、更に前回の焦点検出情報が低コントラストであったか否かによりその判定を行うようにしている為、低コントラスト時には意味を為さない、パターン投光をしない補助光が用いられるといったことがなくなる。つまり、不必要な補助光を焚くことによる、電池の消耗を早めることが無くなると共に、LED等の補助光部の寿命を延ばすことが可能となる。
【0044】
(実施の第3の形態)
図8は本発明の実施の第3の形態に係るカメラの主要部分の動作を示すフローチャートである。尚、該カメラ等の構成やその他の動作は上記実施の第1の形態と同様であるの、ここでは省略する。
【0045】
この実施の第3の形態では、パターン投光をするAF補助光をカメラに内蔵し、該カメラに装着される、パターン投光をするAF補助光部、あるいは、パターン投光をしないAF補助光部を有する外付けストロボ装置とにより成るカメラシステムにおける補助光発光判定基準について説明する。
[ステップ801] ストロボ発光調光制御回路5を用いて外付けストロボ装置503が装着されているか否かの判定を行い、装着されてない場合はステップ802へ移行する。
[ステップ802] パターン投光をする内蔵補助光を使ったAFを行うかどうかの判定を行う為に、前回の焦点検出時が低輝度であったかどうかの判定を前回の焦点検出時のAFセンサの蓄積時間を基に行う。ここで、低輝度であったと判定した場合は、パターン投光の内蔵補助光による焦点検出を行う為にステップ803へ移行する。
[ステップ803] 内蔵補助光駆動回路14により内蔵補助光を点灯させ、その後は焦点検出動作のために図4のステップ403へリターンする。
【0046】
また、上記ステップ802にて前回の焦点検出時が低輝度でなかった事を判定した場合は、別の補助光発光判定を行う為にステップ804へ移行する。
[ステップ804] ここでは内蔵のパターン投光をする補助光を使ったAFを行うかどうかの第2の判定を行う為に、前回の焦点検出情報が低コントラストであったかどうかの判定を行う。ここで、低コントラストと判定した場合は、内蔵のパターン投光のAF補助光による焦点検出を行うためにステップ805へ移行する。
[ステップ805] 内蔵補助光駆動回路15より内蔵補助光を点灯させ、その後は焦点検出動作のために図4のステップ403へリターンする。
【0047】
また、上記ステップ804にて前回の焦点検出情報が低コントラストでないと判定した場合は、直ちにここでの動作を終了し、焦点検出動作のために図4のステップ403へリターンする。
【0048】
また、上記ステップ801にて外付けストロボ装置503が装着されている事を判定した場合は、ステップ807へ移行する。
[ステップ807] ストロボ発光調光制御回路5を用いて外付けストロボ装置503に具備された補助光部がパターン投光をするものであるか否かの判定を行い、パターン投光をしないものであった場合は、ステップ808へ移行する。
[ステップ808] パターン投光をしない補助光を使ったAFを行うかどうかの判定を行う為に、前回の焦点検出時が低輝度であったかどうかの判定を前回の焦点検出時のAFセンサの蓄積時間を基に行う。ここで、低輝度であったと判定した場合は、パターン投光でないAF補助光による焦点検出を行う為にステップ809へ移行する。
[ステップ809] ストロボ発光調光制御回路5を通して外付けストロボ装置503と通信をして外付け補助光を点灯させ、その後は焦点検出動作のために図4のステップ403へリターンする。
【0049】
また、上記ステップ807にて外付けストロボ装置503に具備された補助光部がパターン投光をするものであった事を判定した場合は、ステップ810へ移行する。
[ステップ810] パターン投光による補助光を使ったAFを行うかどうかの判定を行う為に、前回の焦点検出時が低輝度であったかどうかの判定を前回の焦点検出時のAFセンサの蓄積時間を基に行う。ここで、低輝度であったと判定した場合は、パターン投光をするAF補助光による焦点検出を行う為にステップ811へ移行する。
[ステップ811] ストロボ発光調光制御回路5を通して外付けストロボ装置503と通信をして外付け補助光を点灯させ、その後は焦点検出動作のために図4のステップ403へリターンする。
【0050】
また、上記ステップ810にて前回の焦点検出時が低輝度でなかった事を判定した場合は、別の補助光発光判定を行う為にステップ812へ移行する。
[ステップ812] ここでは外付けのパターン投光による補助光を使ったAFを行うかどうかの第2の判定を行う為に、前回の焦点検出情報が低コントラストであったかどうかの判定を行う。ここで、低コントラストと判定した場合は、パターン投光をするAF補助光による焦点検出を行うためにステップ813へ移行する。
[ステップ813] ストロボ発光調光制御回路5を通して外付けストロボ装置503と通信をして外付け補助光を点灯させ、その後は焦点検出動作のために図4のステップ403へリターンする。
【0051】
また、上記ステップ812にて低コントラストでないと判定した場合は、補助光による焦点検出は行う必要がないので、直ちにここでの動作を終了し、焦点検出動作のために図4のステップ403へリターンする。
【0052】
以上の様に、この実施の第3の形態においても、パターン投光をしない補助光をAF補助光として使用する場合には、その発光判定の基準は、前回の焦点検出時が低輝度であったか否かのみであったが、パターン投光をする補助光をAF補助光として使用可能な場合は、更に前回の焦点検出情報が低コントラストであったか否かによりその判定を行うようにしている為、低コントラスト時には意味を為さない、パターン投光をしない補助光が用いられるといったことがなくなる。つまり、パワーのある外付けの補助光を積極的に使いつつ、不必要な補助光を焚くことによる、電池の消耗を早めること無く、より効率的に補助光を用いた焦点検出が可能になる。さらには、LED等の補助光部の寿命を延ばすことが可能となる。
【0053】
以上の実施の各形態によれば、パターンが有るAF補助光とパターンのないAF補助光でのAF補助光発光判定基準を変えることにより最適なAF補助光によるオートフォーカスが可能となり、不必要にAF補助光を焚くことが無くなる。よって、従来に対して電源の節電が可能となると共に補助光ランプの不必要な劣化(耐久を伸ばす)を防ぐことが可能となる。
【0054】
(変形例)
本発明は、一眼レフカメラに適用した例を述べているが、ビデオカメラや電子スチルカメラ等のカメラにも適用可能である。更には、双眼鏡等の焦点検出機能を具備した光学装置にも適用可能である。
【0055】
更に、本発明は、以上の実施の各形態、又はそれらの技術を適当に組み合わせた構成にしてもよい。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、パターン投光をしない補助光の不必要な発光を禁止し、電源の節電と補助光部の無用な劣化を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態に係るカメラの主要部分の動作を示すフローチャートである。
【図2】本発明の実施の各形態に係るカメラの回路構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の第1の形態に係るカメラの、外付けAF補助光を必要に応じて使用した一連の動作を示すフローチャートである。
【図4】図3のステップ307の詳細な動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の第1の形態に係るカメラ及び該カメラに装着可能な外付けストロボ装置の組み合わせにて、外付けストロボ装置側のAF補助光を使用しての撮影をする際の様子を示す側面図である。
【図6】本発明の実施の第1の形態に係るカメラ及び該カメラに装着可能な外付けストロボ装置の組み合わせにて、カメラに内蔵のAF補助光を使用しての撮影をする際の様子を示す側面図である。
【図7】本発明の実施の第2の形態に係るカメラの主要部分の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の第3の形態に係るカメラの主要部分の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 マイクロコンピュータ
5 ストロボ発光調光制御回路
6 焦点検出回路
13 レンズ
14 内蔵補助光駆動回路
500 カメラ
501 内蔵の補助光部
503 外付けストロボ装置
505 外付けの補助光部
Claims (4)
- パターン投光をする第1の補助光部を具備する外付け装置が装着可能になっているカメラにおいて、パターン投光をしない内蔵された第2の補助光部と、被写体輝度が所定輝度よりも低い場合又は被写体輝度が該所定輝度よりも高い場合でも所定コントラストよりも低い場合には前記第1の補助光部を発光させる一方、被写体輝度が所定輝度よりも高い場合には前記所定コントラストよりも低い場合であっても前記第2の補助光部を発光させないように発光判定基準を異ならせる発光判定基準変更手段とを設けたことを特徴とするカメラ。
- パターン投光をしない第2の補助光部を具備する外付け装置が装着可能になっているカメラにおいて、パターン投光をする内蔵された第1の補助光部と、被写体輝度が所定輝度よりも低い場合又は被写体輝度が該所定輝度よりも高い場合でも所定コントラストよりも低い場合には前記第1の補助光部を発光させる一方、被写体輝度が所定輝度よりも高い場合には前記所定コントラストよりも低い場合であっても前記第2の補助光部を発光させないように発光判定基準を異ならせる発光判定基準変更手段とを設けたことを特徴とするカメラ。
- 前記第2の補助光部を具備する外付け装置に代わって前記第1の補助光部を具備する外付け装置が装着された場合、パターン投光をする補助光を用いて焦点検出を行う際に、装着された前記外付け装置に具備された第1の補助光部を優先して使用することを特徴とする請求項2に記載のカメラ。
- 前記発光判定基準変更手段は、前記第1の補助光部を用いて焦点検出を行う場合は、前回の焦点検出時に得られた輝度情報とコントラスト情報を判定条件として補助光を発光させるか否かの判定を行い、前記第2の補助光部を用いて焦点検出を行う場合は、前回の焦点検出時に得られた輝度情報を判定条件として補助光を発光させるか否かの判定を行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のカメラ。
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