JP2002258013A - 光拡散性シート - Google Patents

光拡散性シート

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JP2002258013A
JP2002258013A JP2001053939A JP2001053939A JP2002258013A JP 2002258013 A JP2002258013 A JP 2002258013A JP 2001053939 A JP2001053939 A JP 2001053939A JP 2001053939 A JP2001053939 A JP 2001053939A JP 2002258013 A JP2002258013 A JP 2002258013A
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light
light diffusing
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cyclic olefin
diffusing sheet
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JP2001053939A
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Mitsunori Maruyama
光則 丸山
Teruo Onuma
輝雄 大沼
Takaaki Kato
孝昭 加藤
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Kimoto Co Ltd
Original Assignee
Kimoto Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 応力が加えられてもフィルムごとガラスのよ
うに割れることがなく、断裁加工等においても支障をき
たさない、耐熱性に優れ、且つ光透過性及び光拡散性に
優れる光拡散性シートを提供する。 【解決手段】 環状オレフィン系フィルム2の少なくと
も一方の表面に光拡散剤41と電離放射線硬化型樹脂か
ら形成されてなる光拡散層4を有する光拡散性シート1
であって、光拡散層4と環状オレフィン系フィルム2と
の間にゴム状弾性を有するエラストマー層3を設けてな
るものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光透過性が高くし
かも十分な光拡散性を有する光拡散性シートに関し、特
に液晶表示装置用のバックライトユニットに用いられる
光拡散性シートに関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは、このような光透過性が高
くしかも十分な光拡散性を有する光拡散性シートとし
て、透明支持体の少なくとも一方の表面に光拡散剤と電
離放射線硬化型樹脂から形成されてなる光拡散層を有す
る光拡散性シートを提案している(特開平9-265004号公
報)。
【0003】また近年、液晶表示装置用バックライトユ
ニットの薄型化、軽量化に伴い、ユニット端部に配置す
る光源ランプと光拡散性シートとの間隔が狭くなり、光
拡散性シートがランプから発せられる熱の影響によって
その平面性が損なわれ、輝度ムラを発生するという問題
を抱えている。
【0004】一方、耐熱性に優れる高分子フィルムとし
て環状オレフィン系フィルムが存在する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、特開平9-265004号公報に記載されたような光拡散性
シートの透明支持体として、この環状オレフィン系フィ
ルムを使用しようと考えた。
【0006】しかし、このような環状オレフィン系フィ
ルムに、特開平9-265004号公報に記載の光拡散剤と電離
放射線硬化型樹脂から形成されてなる光拡散層を設けた
場合、得られた光拡散性シートは、折り曲げる又は断裁
するなどの際に加えられる応力によってガラスのように
勢い良くフィルムごと割れてしまうという現象が発生
し、断裁加工等において支障をきたすという問題点が発
生してしまった。
【0007】そこで、本発明は、このような応力が加え
られてもフィルムごとガラスのように割れることがな
く、断裁加工等においても支障をきたさない、耐熱性に
優れ、且つ光透過性及び光拡散性に優れる光拡散性シー
トを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、上記目的を達成
するため、本発明者らは、これら光拡散剤と電離放射線
硬化型樹脂から形成されてなる光拡散層を設けた環状オ
レフィン系フィルムからなる光拡散性シートが何故ガラ
スのように勢い良く割れてしまうのかを鋭意追求した
が、そのメカニズムを明らかにすることはできなかっ
た。しかし、この環状オレフィン系フィルムと光拡散層
との間に特定の中間層を設けることにより、光拡散性シ
ートに応力を加えてもガラスのように勢い良く割れると
いう現象を改善できることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0009】すなわち、本発明の光拡散性シートは、環
状オレフィン系フィルムの少なくとも一方の表面に光拡
散剤と電離放射線硬化型樹脂から形成されてなる光拡散
層を有する光拡散性シートであって、前記光拡散層と前
記環状オレフィン系フィルムとの間にエラストマー層を
設けてなることを特徴とするものである。
【0010】また、本発明の光拡散性シートは、エラス
トマー層が熱可塑性エラストマーから形成されてなるこ
とを特徴とするものである。
【0011】また、本発明の光拡散性シートは、熱可塑
性エラストマーが反応性官能基が導入されたポリスチレ
ン系熱可塑性エラストマーであることを特徴とするもの
である。
【0012】また、本発明の光拡散性シートは、反応性
官能基がエポキシ基であることを特徴とするものであ
る。
【0013】また、本発明の光拡散性シートは、エラス
トマー層の膜厚が0.5μm以上であることを特徴とす
るものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光拡散性シート1
の実施の形態について図1を用いて説明する。
【0015】本発明の光拡散性シート1は、環状オレフ
ィン系フィルム2の少なくとも一方の表面に光拡散層4
を有し、該光拡散層4と環状オレフィン系フィルム2と
の間にエラストマー層3を設けてなる構造のものであ
る。
【0016】本発明における環状オレフィン系フィルム
2は、環状オレフィン系ポリマーを使用して、押し出し
成形、インフレーション成形等によりシート等に成形さ
れたものが用いられる。フィルムは、未延伸でも一軸も
しくは二軸延伸してもよく、また、積層されるエラスト
マー層3などの接着性を向上させるために、フィルム表
面に易接着層を設けたり、コロナ放電処理、プラズマ処
理、遠赤外線処理などをすることもできる。
【0017】環状オレフィン系ポリマーとしては、環状
オレフィンから導かれる構成単位単独から導かれるポリ
マー、または、直鎖状、分岐状のα―オレフィンから導
かれる構成単位、芳香族ビニル化合物から導かれる構成
単位、およびアルキル(メタ)アクリレートから導かれ
る構成単位の少なくとも1種の構成単位と環状オレフィ
ンから導かれる構成単位とのコポリマーが挙げられる。
各構成単位の結合はブロックであってもランダムであっ
てもよい。
【0018】環状オレフィンとしては、ビシクロ−2−
ヘプテン誘導体(ビシクロヘプト−2−エン誘導体)、
トリシクロ−3−デセン誘導体、トリシクロ−3−ウン
デセン誘導体、テトラシクロ−3−ドデセン誘導体、ペ
ンタシクロ−4−ペンタデセン誘導体、ペンタシクロペ
ンタデカジエン誘導体、ペンタシクロ−3−ペンタデセ
ン誘導体、ペンタシクロ−3−ヘキサデセン誘導体、ペ
ンタシクロ−4−ヘキサデセン誘導体、ヘキサシクロ−
4−ヘプタデセン誘導体、ヘプタシクロ−5−エイコセ
ン誘導体、ヘプタシクロ−4−エイコセン誘導体、ヘプ
タシクロ−5−ヘンエイコセン誘導体、オクタシクロ−
5−ドコセン誘導体、ノナシクロ−5−ペンタコセン誘
導体、ノナシクロ−6−ヘキサコセン誘導体、シクロペ
ンタジエン−アセナフチレン付加物、1,4−メタノ−
1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン誘導体、
1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘ
キサヒドロアントラセン誘導体等のノルボルネン環を有
するものが挙げられる。
【0019】また、上記環状オレフィン系ポリマーとし
ては、ガラス転移点(Tg)が50〜220℃、好まし
くは80〜170℃、吸水率が0.3%以下、好ましく
は0.1%以下であり、光線透過率が88〜95%と透
明性の高いものが好適である。
【0020】環状オレフィン系フィルム2の厚みとして
は、特に限定されるものではないが、下限としては50
μm以上、好ましくは75μm以上で、上限としては5
00μm以下、好ましくは250μm以下のものが採用
される。
【0021】本発明の光拡散層4は、光拡散剤41と電
離放射線硬化型樹脂から形成されてなるものである。こ
のような電離放射線硬化型樹脂は、光重合性プレポリマ
ー若しくは光重合性モノマーなどの1種又は2種以上を
混合した電離放射線硬化型塗料を電離放射線(紫外線若
しくは電子線)の照射により硬化することにより形成さ
れるものである。
【0022】このように光拡散剤41と電離放射線硬化
型樹脂から形成されてなる光拡散層4は、特開平9-2650
04号公報にも記載したように、図1に示すように光拡散
剤粒子の周囲に「うねり」(波状の凹凸)を生じ、光拡
散剤41による光拡散効果に加え、このうねりが更に光
拡散層4表面の光拡散性を増加させ、極めて高い光透過
性を保持しつつ優れた光拡散性を発現させられるように
もなるものである。
【0023】ここで電離放射線硬化型塗料に含まれる光
重合性プレポリマーは、骨格中に導入された官能基が電
離放射線照射されることによりラジカル重合及び/また
はカチオン重合するものであり、特にラジカル重合によ
り硬化するものは硬化速度が速く、樹脂設計の自由度も
大きいため好ましい。
【0024】ラジカル重合性プレポリマーとしては、例
えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ
(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレー
ト、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール
(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート
などの各種(メタ)アクリレート類などを用いることが
できる。
【0025】光重合性モノマーとしては、例えば、2−
エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルア
クリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ブ
トキシプロピルアクリレート等の単官能アクリルモノマ
ー、1,6−ヘキサンジオールアクリレート、ネオペン
チルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコール
ジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレー
ト、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコ
ールアクリレート等の2官能アクリルモノマー、ジペン
タエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチルプロ
パントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアク
リレート等の多官能アクリルモノマー等の1種又は2種
以上が挙げられる。
【0026】この他、電離放射線硬化型塗料には、上記
光重合性プレポリマー、光重合性モノマーの他、必要に
応じて光重合開始剤、紫外線増感剤、顔料、充填剤、レ
ベリング剤等の添加剤を含有させることができる。
【0027】特に硬化の際に紫外線を用いる場合には、
光重合開始剤を添加することが好ましく、そのような光
重合開始剤としては、開裂することによりラジカル重合
させるもの、水素を引抜くことによりラジカル重合させ
るもの、或いはイオンを発生させることによりカチオン
重合させるものが挙げられ、用いるプレポリマー及びモ
ノマーに応じて適宜選択する。ラジカル型光重合開始剤
としてはベンゾインエーテル系、ケタール系、アセトフ
ェノン系、チオキサントン系等が挙げられる。またカチ
オン型光重合開始剤としては、ジアゾニウム塩、ジアリ
ールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、ト
リアリールビリリウム塩、ベンジルピリジニウムチオシ
アネート、ジアルキルフェナシルスルホニウム塩、ジア
ルキルヒドロキシフェニルホスホニウム塩等が挙げられ
る。これらラジカル型光重合開始剤及びカチオン型光重
合開始剤は、1種または2種以上を混合して用いること
も可能である。
【0028】更に光拡散層4を形成するバインダー樹脂
としては、電離放射線硬化型樹脂の他、アクリルポリオ
ールとイソシアネートプレポリマーとからなる熱硬化型
ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂等の熱硬化型樹脂や、ポリカーボネー
ト、熱可塑性アクリル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合
樹脂等の熱可塑性樹脂を含ませることができる。但し、
これら熱硬化型樹脂或いは熱可塑性樹脂の含有量は、電
離放射線硬化型樹脂の「うねり」の生成を阻害しないた
めには、光拡散層4を形成する樹脂全体に対し75重量
%を超えない範囲とすることが好ましい。従って電離放
射線硬化型樹脂は、光拡散層4を形成するバインダー樹
脂の25重量%以上含まれることが好ましく、更に好適
には50重量%以上、より好適には75重量%以上とす
る。
【0029】電離放射線硬化型樹脂に含有される光拡散
剤41としては、酸化チタン、硫酸バリウム、タルク、
クレー、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、シリカ等
の無機系顔料およびポリメチルメタクリレート(PMM
A)ビーズ、シリコーンビーズ、スチレンビーズ等の合
成樹脂ビーズを単独で或いは2種類以上を混合して用い
ることができる。
【0030】これら光拡散剤41の粒径は、光拡散層4
の厚さとの関係で適宜選択されるが、通常平均粒径1μ
m〜30μm程度のものが用いられ、特に粒径の分布範
囲が狭い方が好ましい。光拡散剤41は、その一部が光
拡散層4表面から突出することにより光拡散性を高める
効果を与える上では、平均粒径が、少なくとも光拡散剤
41の一部が光拡散層4の表面から突出するような大き
さとすることが好ましい。これにより少ない光拡散剤4
1の含有量で光拡散性を上げることができ、これにより
光拡散層4の透明性を高めることができる効果をも得ら
れることになる。また粒径分布が広く、光拡散層4のバ
インダー中に埋れてしまう光拡散剤41の割合が多くな
る場合には、含有量を多くしなければ所期の効果を得に
くくなるので、粒径の揃ったものの方が好ましい。
【0031】本発明の光拡散性シート1では、上述のよ
うに光拡散剤41それ自体によるマット効果に加え、こ
れら粒子による樹脂の「うねり」により光拡散効果を付
与させ得るものでれば、光拡散剤41の添加量は、通常
の光拡散層4に加えられる顔料の添加量(通常樹脂10
0重量部に対し150重量部)に比べ大幅に少なくする
ことができる。具体的には100重量%以下、好適には
50重量%以下、更に好適には20重量%以下とするこ
とができる。そして、このような効果を得る上では、少
なくとも0.1重量%以上、好適には0.5重量%以
上、更に好適には1.0重量%以上添加することが好ま
しい。すなわち、このような範囲とすることにより、高
い透明性と充分な光拡散効果を得ることができるように
なる。
【0032】以上のように構成される本発明の光拡散層
4は、上述した光重合性プレポリマー、光重合性モノマ
ー、必要な添加剤及び溶剤を混合してなる電離放射線硬
化型塗料中に光拡散剤41を分散させたものを環状オレ
フィン系フィルム2上に設けられたエラストマー層3上
に塗布した後、電子線或いは紫外線を照射することによ
り形成することができる。
【0033】光拡散層4の厚さは、光拡散剤41との関
係でバインダー部分の厚さが光拡散剤41の粒径よりも
薄いことが好ましく、1〜30μm程度とする。
【0034】本発明の光拡散性シート1は、光拡散層4
を環状オレフィン系フィルム2の片面に設けてもよく、
また両面に設けてもよい。また用途に応じて光拡散層4
が設けられた面及び/又はその反対側の面に、帯電防止
剤を塗布してもよい。
【0035】本発明のエラストマー層3は、ゴム状弾性
を有するものであり、環状オレフィン系フィルム2と光
拡散層4との間に設けることによって、光拡散性シート
1がガラスのように勢い良く割れてしまう現象を改善す
る機能を有するものである。
【0036】このようなゴム状弾性を有するエラストマ
ー層3を構成する材料としては、天然ゴムの他、天然ゴ
ムを加硫した加硫型合成ゴムや、ポリスチレン系、ポリ
オレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポ
リエステル系、ポリアミド系、フッ素ゴム系等の熱可塑
性エラストマーを採用することができる。
【0037】ここでポリスチレン系熱可塑性エラストマ
ーとしては、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチ
レン(SBS)ブロック構造、ポリスチレン−イソプレ
ン−ポリスチレン(SIS)ブロック構造、ポリスチレ
ン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレン(SE
BS)ブロック構造、ポリスチレン−ポリ(エチレン−
プロピレン)−ポリスチレン(SEPS)ブロック構造
のものなどが挙げられ、ポリオレフィン系熱可塑性エラ
ストマーとしては、オレフィン系ゴムとポリオレフィン
樹脂との単純なブレンドによるブレンド型、オレフィン
系ゴムとポリオレフィン樹脂とを部分架橋させた部分架
橋ブレンド型、エチレンプロピレンジエンゴム(EPD
M)/ポリプロピレンブレンドによる完全架橋ブレンド
型のものなどが挙げられ、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エ
ラストマーとしては、ポリ塩化ビニルとニトリルゴム
(NBR)とのブレンド型、ポリ塩化ビニル若しくはニ
トリルゴムを部分架橋してブレンドしたものなどが挙げ
られ、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーとしては、
ポリエステル−ポリウレタンブロック構造、ポリエーテ
ル−ポリウレタンブロック構造のものなどが挙げられ、
ポリアミド系熱可塑性エラストマーとしては、ポリエス
テル−ポリアミドブロック構造、ポリエーテル−ポリア
ミドブロック構造のものなどが挙げられ、フッ素ゴム系
熱可塑性エラストマーとしては、フッ素樹脂−フッ素ゴ
ムのブロック型若しくはグラフト型のものが挙げられ
る。この中でも、特に環状オレフィン系フィルム2との
接着性を向上させる上では、ポリスチレン系、ポリオレ
フィン系の熱可塑性エラストマーを選択することが好ま
しく、更に環状オレフィン系フィルム2及び光拡散層4
の両者との接着性を向上させる上では、反応性官能基が
導入されたポリスチレン系熱可塑性エラストマーが好適
に使用され、特に反応性官能基としてエポキシ基が導入
されたエポキシ化ポリスチレン系熱可塑性エラストマー
が好適に使用される。このような反応性官能基が導入さ
れたポリスチレン系熱可塑性エラストマーは、極性物質
との親和性や反応性が向上し、他の樹脂とブレンドした
場合にも極めて相溶性が良くなるものである。
【0038】そして、このようなエラストマー層3のゴ
ム状弾性に基づく性質として、以上のような材料により
製膜されたフィルムの引張破壊伸び(JIS-K7127)が1
00%以上、好ましくは200%以上となるものである
ことが望ましい。
【0039】さらにエラストマー層3を形成するこれら
天然ゴム、加硫型合成ゴム、熱可塑性エラストマーから
なる樹脂には、その性能を損なわない範囲で、上記した
ような熱硬化型樹脂、熱可塑性樹脂を混合して、エラス
トマー層3を形成することもできる。
【0040】さらにこのようなエラストマー層3の厚み
としては、下限としては0.5μm以上、好ましくは1
μm以上が望ましく、上限としては50μm以下、好ま
しくは20μm以下のものが望ましい。0.5μm以上
とすることにより環状オレフィン系フィルム2と光拡散
層4との間に設けることにより光拡散性シート1の割れ
を防止することができるようになり、50μm以下とす
ることにより光拡散性シート1の耐熱性を損なうことが
ない。
【0041】また、以上のようなエラストマー層3を環
状オレフィン系フィルム2と光拡散層4との間に設ける
方法としては、特に限定されず、熱可塑性エラストマー
等を環状オレフィン系フィルム2を押し出し成形あるい
はインフレーション成形する際に共押出しして形成する
方法や、熱可塑性エラストマー等を適宜溶剤などで希釈
して塗工液として調整して環状オレフィン系フィルム2
上に従来公知のコーティング方法によって塗布すること
により形成する方法が採用できる。特に薄膜を形成する
上では、塗工液を塗布して製膜する方法が好ましく採用
される。
【0042】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。尚、
「%」「部」とあるのは特に断りのない限り重量基準で
ある。
【0043】[実施例]環状オレフィン系フィルム2
(ゼオノア1600R、188μm:日本ゼオン社)の片面
にコロナ放電処理を行い、その処理面上に以下の組成の
エラストマー層用塗工液を塗布し、乾燥することによ
り、厚み約2μmのエラストマー層3を形成した。
【0044】次いで、当該エラストマー層3上に以下の
組成の光拡散層用塗工液を塗布、乾燥し、高圧水銀灯に
より紫外線照射を行って硬化させて、厚み約5μmの光
拡散層4を形成して、本発明の光拡散性シート1を作製
した。
【0045】<エラストマー層用塗工液> ・エポキシ化ポリスチレン系熱可塑性エラストマー(エ ポフレンドA1020:ダイセル化学工業社) 5部 ・メチルエチルケトン 50部 ・トルエン 45部
【0046】<光拡散層用塗工液> ・PMMAビーズ光拡散剤(MX-500KS<平均粒子径5μ m>:綜研化学社) 2.4部 ・紫外線硬化型塗料(ユニディック17-813<固形分80 %>:大日本インキ化学工業社) 100部 ・光重合開始剤(イルガキュア651:チバ・スペシャリ ティ・ケミカルズ社) 0.4部 ・プロピレングリコールモノメチルエーテル 200部
【0047】[比較例1]エラストマー層を形成せず
に、環状オレフィン系フィルムのコロナ放電処理面に直
接光拡散層を形成した以外は実施例1と同様にして、光
拡散性シートを作製した。
【0048】以上のようにして得られた実施例の光拡散
性シート1、比較例1の光拡散性シート、及び[比較例
2]として環状オレフィン系フィルム(ゼオノア1600
R、188μm:日本ゼオン社)について、以下のよう
な耐折試験、断裁試験、像鮮明度、全光線透過率の評価
を行った。評価結果を表1に示す。
【0049】[耐折試験]JIS-P8115の耐折試験に準じ
て行った。まず、幅15mm、長さ110mmの試験片を用
意した(比較例の光拡散性シートについては、断裁した
端部にクラックが極力発生しないように慎重に試験片を
作製し、クラックが発生したものは試験片としなかっ
た)。そして、その試験片をMIT形試験器に9.8N
の張力荷重をかけてセットし、折り曲げ角度135±5
度で毎分約175回の速度で折り曲げ試験を行い試験片
が切れるまでの往復折り曲げの回数を記録して、10回
の試験結果の平均値を求めた。
【0050】[断裁試験]得られた光拡散性シート及び
環状オレフィン系フィルムを、ディスクカッターDC-230
(CADL社)を用いてB5版サイズに断裁した際に、
断裁した端部にクラックが発生しない場合に「○」と
し、クラックが発生する場合に「×」として評価した。
【0051】[像鮮明度]写像測定器(ICM-1DP:スガ
試験機社)を用いて、JIS-K7105の光学くし2.0mm
の透過の像鮮明度を測定した。
【0052】[全光線透過率]濁度計(NDH2000:日本
電色工業社)を用いて、JIS-K7361-1の「プラスチック
透明材料の全光線透過率の試験方法」によって全光線透
過率を測定した。
【0053】
【表1】
【0054】表1の結果からも明らかなように、実施例
の光拡散性シート1は、全光線透過率が高くて光透過性
に優れ且つ透過の像鮮明度が低くて光拡散性に優れると
共に、断裁試験においてもクラックなどが発生せず、耐
折試験に至っては支持体である環状オレフィン系フィル
ム自体(比較例2)よりも割れ難いものであった。
【0055】一方、比較例1の光拡散性シートは、光透
過性及び光拡散性を備えてはいたが、耐折試験において
全て1回の折り曲げによって破断してしまうものであっ
た。また、断裁試験においても、断裁した端部にクラッ
クが発生してしまうものであった。
【0056】また、本実施例の光拡散性シート1は、支
持体として環状オレフィン系フィルム2を用いているこ
とで耐熱性に優れているため、薄型・軽量化タイプの液
晶表示装置用バックライトユニットに使用した際にで
も、ランプから発せられる熱の影響によって平面性が損
なわれる結果生じるような輝度ムラの発生を有効に防止
することができるものであった。
【0057】
【発明の効果】本発明の光拡散性シートによれば、断裁
加工等においても支障をきたさない、耐熱性に優れ、且
つ光透過性及び光拡散性に優れる光拡散性シートを提供
することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光拡散性シートの一実施例を示す断面
図。
【符号の説明】
1・・・・光拡散性シート 2・・・・環状オレフィン系フィルム 3・・・・エラストマー層 4・・・・光拡散層 41・・・光拡散剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 孝昭 埼玉県与野市鈴谷4丁目6番35号 株式会 社きもと技術開発センター内 Fターム(参考) 2H042 BA02 BA15 BA20 2H091 FA32X FA32Z FB02 FB12 LA18 LA30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】環状オレフィン系フィルムの少なくとも一
    方の表面に光拡散剤と電離放射線硬化型樹脂から形成さ
    れてなる光拡散層を有する光拡散性シートであって、前
    記光拡散層と前記環状オレフィン系フィルムとの間にエ
    ラストマー層を設けてなることを特徴とする光拡散性シ
    ート。
  2. 【請求項2】前記エラストマー層が、熱可塑性エラスト
    マーから形成されてなることを特徴とする請求項1記載
    の光拡散性シート。
  3. 【請求項3】前記熱可塑性エラストマーが、反応性官能
    基が導入されたポリスチレン系熱可塑性エラストマーで
    あることを特徴とする請求項2記載の光拡散性シート。
  4. 【請求項4】前記反応性官能基が、エポキシ基であるこ
    とを特徴とする請求項3記載の光拡散性シート。
  5. 【請求項5】前記エラストマー層の膜厚が0.5μm以
    上であることを特徴とする請求項1記載の光拡散性シー
    ト。
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