JP4803888B2 - ハードコートフィルム及び透明導電性フィルム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶パネル、ELパネル、メンブレンスイッチ、タッチパネルスイッチ等に広く利用可能な透湿防止性に優れるハードコートフィルム及び透明導電性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、高分子フィルム等の基材表面に透湿防止性を持たせるための二酸化珪素薄膜や透明導電性を持たせるための酸化インジウム錫(ITO)薄膜等が設けられたハードコートフィルムが液晶パネル、ELパネル、メンブレンスイッチ、タッチパネルスイッチ等に広く利用されている(特開平9-39151号公報)。
【0003】
一方、このような二酸化珪素薄膜等を設けた透湿防止フィルムよりも透湿防止性に優れる高分子フィルムとして、環状オレフィン系フィルムが存在する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者らは、この環状オレフィン系フィルムの表面に電離放射線硬化型樹脂から形成されてなるハードコート層を直接ないしは透明導電性薄膜等を介して設けることで、ハードコートフィルムや透明導電性フィルムを作製しようと考えた。
【0005】
しかし、このような環状オレフィン系フィルムに電離放射線硬化型樹脂から形成されてなるハードコート層を直接ないし透明導電性薄膜等を介して設けた場合、得られたハードコートフィルムや透明導電性フィルムは、折り曲げる又は断裁するなどの際に加えられる応力によってガラスのように勢い良くフィルムごと割れてしまうという現象が発生し、断裁加工等において支障をきたすという問題点が発生してしまった。
【0006】
そこで、本発明は、このような応力が加えられてもフィルムごとガラスのように割れることがなく、断裁加工等においても支障をきたさない、極めて透湿防止性に優れるハードコートフィルム及び透明導電性フィルムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記目的を達成するため、本発明者らは、これら電離放射線硬化型樹脂から形成されてなるハードコート層を設けた環状オレフィン系フィルムからなるハードコートフィルム等が何故ガラスのように勢い良く割れてしまうのかを鋭意追求したが、そのメカニズムを明らかにすることはできなかった。しかし、この環状オレフィン系フィルムとハードコート層との間に特定の中間層を設けることにより、ハードコートフィルム等に応力を加えてもガラスのように勢い良く割れるという現象を改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明のハードコートフィルムは、厚み10〜250μmの環状オレフィン系フィルムの少なくとも一方の表面に電離放射線硬化型樹脂から形成されてなるハードコート層を有してなり、前記ハードコート層と前記環状オレフィン系フィルムとの間に、熱可塑性エラストマーから形成されてなるエラストマー層を設けてなることを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明のハードコートフィルムは、熱可塑性エラストマーが反応性官能基が導入されたポリスチレン系熱可塑性エラストマーであることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明のハードコートフィルムは、反応性官能基がエポキシ基であることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明のハードコートフィルムは、エラストマー層の膜厚が0.5μm以上であって、10.0μm以下であることを特徴とするものである。
【0013】
さらに、本発明の透明導電性フィルムは、前記ハードコートフィルムの、ハードコート層上若しくは前記ハードコート層と前記環状オレフィン系フィルムとの間に、透明導電性薄膜を有することを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のハードコートフィルムの実施の形態について説明する。
【0015】
本発明のハードコートフィルムは、環状オレフィン系フィルムの少なくとも一方の表面にハードコート層を有し、該ハードコート層と環状オレフィン系フィルムとの間にエラストマー層を設けてなる構造のものである。このように本発明のハードコートフィルムは、支持体となるフィルムとして環状オレフィン系フィルムを用いているために極めて透湿防止性に優れるものである。
【0016】
本発明における環状オレフィン系フィルムは、環状オレフィン系ポリマーを使用して、押し出し成形、インフレーション成形等によりシート等に成形されたものが用いられる。フィルムは、未延伸でも一軸もしくは二軸延伸してもよく、また、積層されるエラストマー層や透明導電性薄膜などの接着性を向上させるために、フィルム表面に易接着層を設けたり、コロナ放電処理、プラズマ処理、遠赤外線処理などをすることもできる。
【0017】
環状オレフィン系ポリマーとしては、環状オレフィンから導かれる構成単位単独から導かれるポリマー、または、直鎖状、分岐状のα―オレフィンから導かれる構成単位、芳香族ビニル化合物から導かれる構成単位、およびアルキル(メタ)アクリレートから導かれる構成単位の少なくとも1種の構成単位と環状オレフィンから導かれる構成単位とのコポリマーが挙げられる。各構成単位の結合はブロックであってもランダムであってもよい。
【0018】
環状オレフィンとしては、ビシクロ−2−ヘプテン誘導体(ビシクロヘプト−2−エン誘導体)、トリシクロ−3−デセン誘導体、トリシクロ−3−ウンデセン誘導体、テトラシクロ−3−ドデセン誘導体、ペンタシクロ−4−ペンタデセン誘導体、ペンタシクロペンタデカジエン誘導体、ペンタシクロ−3−ペンタデセン誘導体、ペンタシクロ−3−ヘキサデセン誘導体、ペンタシクロ−4−ヘキサデセン誘導体、ヘキサシクロ−4−ヘプタデセン誘導体、ヘプタシクロ−5−エイコセン誘導体、ヘプタシクロ−4−エイコセン誘導体、ヘプタシクロ−5−ヘンエイコセン誘導体、オクタシクロ−5−ドコセン誘導体、ノナシクロ−5−ペンタコセン誘導体、ノナシクロ−6−ヘキサコセン誘導体、シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン誘導体、1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン誘導体等のノルボルネン環を有するものが挙げられる。
【0019】
また、上記環状オレフィン系ポリマーとしては、ガラス転移点(Tg)が50〜220℃、好ましくは80〜170℃、吸水率が0.3%以下、好ましくは0.1%以下であり、光線透過率が88〜95%と透明性の高いものが好適である。
【0020】
環状オレフィン系フィルムの厚みとしては、特に限定されるものではいが、下限としては10μm以上、好ましくは50μm以上で、上限としては500μm以下、好ましくは250μm以下のものが採用される。
【0021】
本発明のハードコート層は、電離放射線硬化型樹脂から形成されてなるものである。このような電離放射線硬化型樹脂は、光重合性プレポリマー若しくは光重合性モノマーなどの1種又は2種以上を混合した電離放射線硬化型塗料を電離放射線(紫外線若しくは電子線)の照射により硬化することにより形成されるものである。
【0022】
ここで電離放射線硬化型塗料に含まれる光重合性プレポリマーは、骨格中に導入された官能基が電離放射線照射されることによりラジカル重合及び/またはカチオン重合するものであり、特にラジカル重合により硬化するものは硬化速度が速く、樹脂設計の自由度も大きいため好ましい。
【0023】
ラジカル重合性プレポリマーとしては、例えば、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレートなどの各種(メタ)アクリレート類などを用いることができる。
【0024】
光重合性モノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ブトキシプロピルアクリレート等の単官能アクリルモノマー、1,6−ヘキサンジオールアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールアクリレート等の2官能アクリルモノマー、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチルプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等の多官能アクリルモノマー等の1種又は2種以上が挙げられる。
【0025】
この他、電離放射線硬化型塗料には、上記光重合性プレポリマー、光重合性モノマーの他、必要に応じて光重合開始剤、紫外線増感剤、顔料、充填剤、レベリング剤等の添加剤を含有させることができる。
【0026】
特に硬化の際に紫外線を用いる場合には、光重合開始剤を添加することが好ましく、そのような光重合開始剤としては、開裂することによりラジカル重合させるもの、水素を引抜くことによりラジカル重合させるもの、或いはイオンを発生させることによりカチオン重合させるものが挙げられ、用いるプレポリマー及びモノマーに応じて適宜選択する。ラジカル型光重合開始剤としてはベンゾインエーテル系、ケタール系、アセトフェノン系、チオキサントン系等が挙げられる。またカチオン型光重合開始剤としては、ジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリアリールビリリウム塩、ベンジルピリジニウムチオシアネート、ジアルキルフェナシルスルホニウム塩、ジアルキルヒドロキシフェニルホスホニウム塩等が挙げられる。これらラジカル型光重合開始剤及びカチオン型光重合開始剤は、1種または2種以上を混合して用いることも可能である。
【0027】
更にハードコート層を形成する樹脂としては、ハードコート層の性能を損なわない範囲で、電離放射線硬化型樹脂の他、アクリルポリオールとイソシアネートプレポリマーとからなる熱硬化型ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化型樹脂や、ポリカーボネート、熱可塑性アクリル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂等の熱可塑性樹脂を含ませることができる。
【0028】
このようなハードコート層の厚みは、本発明の目的を害さない範囲であれば特に限定されるものではないが、下限としては1μm以上、好ましくは2μm以上で、上限としては20μm以下、好ましくは10μm以下で適宜調整可能である。
【0029】
本発明のエラストマー層は、ゴム状弾性を有するものであり、環状オレフィン系フィルムとハードコート層との間に設けることによって、ハードコートフィルムがガラスのように勢い良く割れてしまう現象を改善する機能を有するものである。
【0030】
このようなゴム状弾性を有するエラストマー層を構成する材料としては、天然ゴムの他、天然ゴムを加硫した加硫型合成ゴムや、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、フッ素ゴム系等の熱可塑性エラストマーを採用することができる。
【0031】
ここでポリスチレン系熱可塑性エラストマーとしては、ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン(SBS)ブロック構造、ポリスチレン−イソプレン−ポリスチレン(SIS)ブロック構造、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレン(SEBS)ブロック構造、ポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)−ポリスチレン(SEPS)ブロック構造のものなどが挙げられ、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン系ゴムとポリオレフィン樹脂との単純なブレンドによるブレンド型、オレフィン系ゴムとポリオレフィン樹脂とを部分架橋させた部分架橋ブレンド型、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)/ポリプロピレンブレンドによる完全架橋ブレンド型のものなどが挙げられ、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマーとしては、ポリ塩化ビニルとニトリルゴム(NBR)とのブレンド型、ポリ塩化ビニル若しくはニトリルゴムを部分架橋してブレンドしたものなどが挙げられ、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーとしては、ポリエステル−ポリウレタンブロック構造、ポリエーテル−ポリウレタンブロック構造のものなどが挙げられ、ポリアミド系熱可塑性エラストマーとしては、ポリエステル−ポリアミドブロック構造、ポリエーテル−ポリアミドブロック構造のものなどが挙げられ、フッ素ゴム系熱可塑性エラストマーとしては、フッ素樹脂−フッ素ゴムのブロック型若しくはグラフト型のものが挙げられる。この中でも、特に環状オレフィン系フィルムとの接着性を向上させる上では、ポリスチレン系、ポリオレフィン系の熱可塑性エラストマーを選択することが好ましく、更に環状オレフィン系フィルム及び電離放射線硬化型樹脂から形成されるハードコート層の両者との接着性を向上させる上では、反応性官能基が導入されたポリスチレン系熱可塑性エラストマーが好適に使用され、特に反応性官能基としてエポキシ基が導入されたエポキシ化ポリスチレン系熱可塑性エラストマーが好適に使用される。このような反応性官能基が導入されたポリスチレン系熱可塑性エラストマーは、極性物質との親和性や反応性が向上し、他の樹脂とブレンドした場合にも極めて相溶性が良くなるものである。
【0032】
そして、このようなエラストマー層のゴム状弾性に基づく性質として、以上のような材料により製膜されたフィルムの引張破壊伸び(JIS-K7127)が100%以上、好ましくは200%以上となるものであることが望ましい。
【0033】
さらにエラストマー層を形成するこれら天然ゴム、加硫型合成ゴム、熱可塑性エラストマーからなる樹脂には、その性能を損なわない範囲で、上記したような熱硬化型樹脂、熱可塑性樹脂を混合して、エラストマー層を形成することもできる。
【0034】
さらにこのようなエラストマー層の厚みとしては、下限としては0.5μm以上、好ましくは1μm以上が望ましく、上限としては10μm以下、好ましくは5μm以下のものが望ましい。0.5μm以上とすることにより環状オレフィン系フィルムとハードコート層との間に設けることによりハードコートフィルムの割れを防止することができるようになり、10μm以下とすることによりハードコート層の硬度を損なわないものとなる。
【0035】
また、以上のようなエラストマー層を環状オレフィン系フィルムとハードコート層との間に設ける方法としては、特に限定されず、熱可塑性エラストマー等を環状オレフィン系フィルムを押し出し成形あるいはインフレーション成形する際に共押出しして形成する方法や、熱可塑性エラストマー等を適宜溶剤などで希釈して塗工液として調整して環状オレフィン系フィルム上に従来公知のコーティング方法によって塗布することにより形成する方法が採用できる。特に上記のような10μm以下の薄膜を形成する上では、塗工液を塗布して製膜する方法が好ましく採用される。
【0036】
また、本発明の透明導電性フィルムは、上記ハードコートフィルムの、ハードコート層上若しくはハードコート層と環状オレフィン系フィルムとの間に、透明導電性薄膜を有する構造のものであり、この透明導電性薄膜は環状オレフィン系フィルムとエラストマー層との間若しくはエラストマー層とハードコート層の間の何れの位置にあっても構わない。また必要であれば、透明導電性薄膜を環状オレフィン系フィルムのハードコート層が設けられている面の反対面にも設けることができる。
【0037】
このような透明導電性薄膜は、酸化インジウム、酸化錫、酸化インジウム錫、金、銀、パラジウム等に代表される透明導電性物質を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、溶液塗布法等により形成したものが用いられ、特に透明性、導電性に優れつつ比較的低コストに得られる酸化インジウム、酸化錫又は酸化インジウム錫のいずれかが主成分であるものが好適に使用される。
【0038】
このような透明導電性薄膜の厚みとしては、透明性を損なわず且つ十分な導電性を得られる観点から、下限としては10nm以上、好ましくは20nm以上で、上限としては500nm以下、好ましくは300nm以下の範囲で適宜調整される。
【0039】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。尚、「%」「部」とあるのは特に断りのない限り重量基準である。
【0040】
[実施例1]
環状オレフィン系フィルム(ゼオノア1600R、188μm:日本ゼオン社)の片面にコロナ放電処理を行い、その処理面上に以下の組成のエラストマー層用塗工液を塗布し、乾燥することにより、厚み約2μmのエラストマー層を形成した。次いで、当該エラストマー層上に以下の組成のハードコート層用塗工液を塗布、乾燥し、高圧水銀灯により紫外線照射を行って硬化させて、厚み約6μmのハードコート層を形成して、本発明のハードコートフィルムを作製した。
【0041】
<エラストマー層用塗工液>
・エポキシ化ポリスチレン系熱可塑性エラストマー(エ
ポフレンドA1020:ダイセル化学工業社) 5部
・メチルエチルケトン 50部
・トルエン 45部
【0042】
<ハードコート層用塗工液>
・紫外線硬化型塗料(ユニディック17-806<固形分80
%>:大日本インキ化学工業社) 10部
・光重合開始剤(イルガキュア651:チバ・スペシャリ
ティ・ケミカルズ社) 0.4部
・プロピレングリコールモノメチルエーテル 15部
【0043】
[実施例2]
実施例1でエラストマー層を形成した環状オレフィン系フィルムの当該エラストマー層上に、スパッタリング法を用いて厚み30nmの酸化インジウム錫(ITO)の透明導電性薄膜を形成し、当該透明導電性薄膜上に、実施例1のハードコート層用塗工液を用いて厚み約3μmのハードコート層を形成して、透明導電性フィルムを作製した。
【0044】
[比較例1]
エラストマー層を形成せずに、環状オレフィン系フィルムのコロナ放電処理面に直接ハードコート層を形成した以外は実施例1と同様にして、ハードコートフィルムを作製した。
【0045】
[比較例2]実施例2でエラストマー層を形成しなかった環状オレフィン系フィルムのコロナ放電処理面に直接、実施例2と同様に透明導電性薄膜を形成し、当該透明導電性薄膜上に、実施例1のハードコート層用塗工液を用いて厚み約3μmのハードコート層を形成して、透明導電性フィルムを作製した。
【0046】
以上のようにして得られた実施例1のハードコートフィルム及び実施例2の透明導電性フィルム、比較例1のハードコートフィルム及び比較例2の透明導電性フィルム、並びに[比較例3]として環状オレフィン系フィルム(ゼオノア1600R、188μm:日本ゼオン社)について、以下のような耐折試験、断裁試験、鉛筆硬度試験の評価を行った。評価結果を表1に示す。
【0047】
[耐折試験]
JIS-P8115の耐折試験に準じて行った。まず、幅15mm、長さ110mmの試験片を用意した(比較例のハードコートフィルム及び透明導電性フィルムについては、断裁した端部にクラックが極力発生しないように慎重に試験片を作製し、クラックが発生したものは試験片としなかった)。そして、その試験片をMIT形試験器に9.8Nの張力荷重をかけてセットし、折り曲げ角度135±5度で毎分約175回の速度で折り曲げ試験を行い試験片が切れるまでの往復折り曲げの回数を記録して、10回の試験結果の平均値を求めた。
【0048】
[断裁試験]
得られたハードコートフィルム、透明導電性フィルム及び環状オレフィン系フィルムを、ディスクカッターDC-230(CADL社)を用いてB5版サイズに断裁した際に、断裁した端部にクラックが発生しない場合に「○」とし、クラックが発生する場合に「×」として評価した。
【0049】
[鉛筆硬度試験]
JIS-K5400の鉛筆引っかき値の試験機法に基づいて評価を行った。フィルム表面のすり傷で評価して、濃度記号が互いに隣り合う二つの鉛筆について、すり傷が2回以上と2回未満とになる一組を求め、2回未満となる鉛筆の濃度記号をフィルム表面の鉛筆硬度とした。
【0050】
【表1】
Figure 0004803888
【0051】
表1の結果からも明らかなように、実施例1のハードコートフィルム及び実施例2の透明導電性フィルムは共に、優れた表面硬度を有し、断裁試験においてもクラックなどが発生せず、耐折試験に至っては支持体である環状オレフィン系フィルム自体(比較例3)よりも割れ難いものとなっていた。
【0052】
一方、比較例1のハードコートフィルム及び比較例2の透明導電性フィルムは共に、耐折試験において全て1回の折り曲げによって破断してしまいまた、断裁試験においては、断裁した端部にクラックが発生してしまった。
【0053】
また、実施例1のハードコートフィルム及び実施例2の透明導電性フィルムは、支持体として環状オレフィン系フィルムを用いていることで極めて透湿防止性に優れているため、液晶パネル、ELパネル等のハードコートフィルム及び透明導電性フィルムとして利用した際に、極めて有効なものであった。
【0054】
【発明の効果】
本発明のハードコートフィルム及び透明導電性フィルムによれば、断裁加工等においても支障をきたさない、極めて透湿防止性に優れるハードコートフィルム及び透明導電性フィルムを提供することができるようになる。

Claims (5)

  1. 厚み10〜250μmの環状オレフィン系フィルムの少なくとも一方の表面に電離放射線硬化型樹脂から形成されてなるハードコート層を有してなり、前記ハードコート層と前記環状オレフィン系フィルムとの間に、熱可塑性エラストマーから形成されてなるエラストマー層を設けてなることを特徴とするハードコートフィルム。
  2. 前記熱可塑性エラストマーが、反応性官能基が導入されたポリスチレン系熱可塑性エラストマーであることを特徴とする請求項記載のハードコートフィルム。
  3. 前記反応性官能基が、エポキシ基であることを特徴とする請求項記載のハードコートフィルム。
  4. 前記エラストマー層の膜厚が、0.5μm以上であって、10.0μm以下であることを特徴とする請求項1記載のハードコートフィルム。
  5. 請求項1からいずれか一項記載の前記ハードコートフィルムの、ハードコート層上若しくは前記ハードコート層と前記環状オレフィン系フィルムとの間に、透明導電性薄膜を有することを特徴とする透明導電性フィルム。
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