JP2002257203A - 自動変速機 - Google Patents

自動変速機

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JP2002257203A JP2001054395A JP2001054395A JP2002257203A JP 2002257203 A JP2002257203 A JP 2002257203A JP 2001054395 A JP2001054395 A JP 2001054395A JP 2001054395 A JP2001054395 A JP 2001054395A JP 2002257203 A JP2002257203 A JP 2002257203A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適切に離間した前進6段のギヤ比を得ること
ができる自動変速機を提供する。 【解決手段】 入力軸の回転を減速した減速回転を生成
する歯車減速装置を設け、変速用複式遊星歯車装置の第
1要素である第2遊星歯車機構の基本要素に減速回転を
伝達し、第1、第2遊星歯車機構の各1個の基本要素を
連結して構成した第2要素に入力軸の回転を第1制御ク
ラッチにより選択的に伝達し、第3要素を出力軸に連結
し、第2要素と第2遊星歯車機構の基本要素とを第2制
御クラッチにより選択的に連結し、第2要素の回転を第
1制御ブレーキにより選択的に規制し、第4要素である
第1遊星歯車機構の基本要素の回転を第2制御ブレーキ
により選択的に規制し、第1要素の回転を第1回転規制
手段により選択的に規制し、第1要素の回転が規制され
たとき、歯車減速装置から第1要素に動力が伝達されな
いようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力軸に連結され
た変速用複式遊星歯車装置の各要素に連結された制御ク
ラッチ及び制御ブレーキを係脱して前記入力軸の回転を
複数段に変速して出力軸に伝達する自動変速機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】入力軸に連結されたリングギヤ、制御ブ
レーキにより選択的に回転を規制されるサンギヤ、リン
グギヤとサンギヤに噛合するピニオンを支承するキャリ
ヤを有する減速用遊星歯車装置を設け、第1遊星歯車機
構のリングギヤと第2遊星歯車機構のキャリヤとを連結
し、第1、第2遊星歯車機構のサンギヤを第3制御クラ
ッチにより係脱可能に連結し、第2遊星歯車機構のキャ
リヤとサンギヤとを第2制御クラッチにより係脱可能に
連結した変速用複式遊星歯車装置を設け、第1遊星歯車
機構のリングギヤに入力軸を第1制御クラッチにより係
脱可能に連結し、第2遊星歯車機構のリングギヤに減速
用遊星歯車装置のキャリヤを連結し、第1遊星歯車機構
のキャリヤを出力軸に連結し、第2遊星歯車機構のキャ
リヤの回転を第1制御ブレーキにより選択的に規制し、
第1遊星歯車機構のサンギヤの回転を第2ブレーキによ
り選択的に規制して前進5段、後退1段のギヤ比を成立
する自動変速機が特開平10−30688号公報に開示
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の自動変速機
は、前進5段、後退1段の間でギヤ比を切り換えること
が可能である。しかし、近年は燃費及び動力伝達性能向
上を図るため、或いは運転者の嗜好にマッチしたギヤ比
を得るために、適切に離間した前進6段のギヤ比を成立
することができる自動変速機が求められている。
【0004】本発明は係る要望に応えるためになされた
もので、適切に離間した前進6段のギヤ比を得ることが
できる自動変速機を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、入力軸に
連結され該入力軸の回転より回転数が小さい減速回転を
減速回転出力部材に生成する歯車減速装置を設け、3個
の基本要素で夫々構成される第1、第2遊星歯車機構の
各1個の基本要素を連結して構成された第1連結要素
と、各1個の他の基本要素を第3制御クラッチで係脱可
能に連結して構成された第2連結要素と、残り2個の基
本要素を速度線図においてギヤ比に対応した間隔で順次
並べて並び順に第1、第2、第3及び第4要素とした変
速用複式遊星歯車装置を設け、前記第1要素である前記
第2遊星歯車機構の基本要素を前記歯車減速装置の減速
回転出力部材に連結し、前記第2要素である前記第1連
結要素を第1制御クラッチにより入力軸に係脱可能に連
結し、前記第3要素を出力軸に連結し、前記第2遊星歯
車機構の3個の基本要素内2つの基本要素を第2制御ク
ラッチにより係脱可能に連結し、前記第2要素の回転を
第1制御ブレーキにより選択的に規制し、前記第4要素
を構成する前記第1遊星歯車機構の基本要素の回転を第
2制御ブレーキにより選択的に規制し、前記第1要素の
回転を第1回転規制手段により選択的に規制し、前記第
1要素の回転が規制されたとき前記歯車減速装置から前
記第1要素に動力伝達が行われない開放状態を生成する
開放状態生成手段を設けたことである。
【0006】請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請
求項1に記載の自動変速機において、入力軸に連結され
たリングギヤ、第2回転規制手段により回転を選択的に
規制されるサンギヤ、前記リングギヤとサンギヤとに噛
合するピニオンを支承するキャリヤからなる減速用遊星
歯車装置で前記歯車減速装置を構成し、前記キャリヤを
前記減速回転出力部材として前記変速用複式遊星歯車装
置の第1要素に連結し、前記第2回転規制手段を前記サ
ンギヤに連結された第4制御ブレーキと前記サンギヤに
ワンウエイクラッチを介して連結された第5制御ブレー
キとの並列経路又は前記サンギヤに連結された第4制御
ブレーキで構成し、前記第2回転規制手段により前記開
放状態生成手段を構成したことである。
【0007】請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請
求項1に記載の自動変速機において、前記歯車減速装置
の前記減速回転出力部材を前記変速用複式遊星歯車装置
の第1要素に第4制御クラッチにより係脱可能に連結
し、該第4制御クラッチで前記開放状態生成手段を構成
したことである。
【0008】請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請
求項1に記載の自動変速機において、入力軸に連結され
たリングギヤ、ミッションケースに直接又は制御ブレー
キとワンウエイクラッチとの並列経路を介して連結され
て回転を規制されるサンギヤ、前記リングギヤとサンギ
ヤとに噛合するピニオンを支承するキャリヤからなる減
速用遊星歯車装置で前記歯車減速装置を構成し、前記減
速回転出力部材である前記キャリヤを前記変速用複式遊
星歯車装置の第1要素に第4制御クラッチにより係脱可
能に連結し、前記第4制御クラッチで前記開放状態生成
手段を構成したことである。
【0009】請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請
求項1に記載の自動変速機において、入力軸に第4制御
クラッチにより係脱可能に連結されたリングギヤ、ミッ
ションケースに直接又は制御ブレーキとワンウエイクラ
ッチとの並列経路を介して連結されて回転を規制される
サンギヤ、前記リングギヤとサンギヤとに噛合するピニ
オンを支承するキャリヤからなる減速用遊星歯車装置で
前記歯車減速装置を構成し、前記減速回転出力部材であ
る前記キャリヤを前記変速用複式遊星歯車装置の第1要
素に連結し、前記第4制御クラッチで前記開放状態生成
手段を構成したことである。
【0010】請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請
求項1に記載の自動変速機において、入力軸に連結され
たリングギヤ、サンギヤ、前記リングギヤとサンギヤと
に噛合するピニオンを支承するキャリヤからなる減速用
遊星歯車装置で前記歯車減速装置を構成し、前記減速回
転出力部材である前記キャリヤを前記変速用複式遊星歯
車装置の第1要素に第4制御クラッチにより係脱可能に
連結し、前記サンギヤの回転を選択的に規制する制御ブ
レーキを前記第1要素に第5制御クラッチにより係脱可
能に連結して前記第1回転規制手段を構成し、前記第4
制御クラッチで前記開放状態生成手段を構成したことで
ある。
【0011】請求項7に係る発明の構成上の特徴は、請
求項1に記載の自動変速機において、入力軸に第4クラ
ッチにより係脱可能に連結されたリングギヤ、サンギ
ヤ、前記リングギヤとサンギヤとに噛合するピニオンを
支承するキャリヤからなる減速用遊星歯車装置で前記歯
車減速装置を構成し、前記減速回転出力部材である前記
キャリヤを前記変速用複式遊星歯車装置の第1要素に連
結し、前記サンギヤの回転を選択的に規制する制御ブレ
ーキを前記第1要素に第5制御クラッチにより係脱可能
に連結して前記第1回転規制手段を構成し、前記第4制
御クラッチで前記開放状態生成手段を構成したことであ
る。
【0012】請求項8に係る発明の構成上の特徴は、請
求項1乃至請求項7のいずれかに記載の自動変速機にお
いて、前記変速用複式変速装置の第1、第2遊星歯車機
構をシングルピニオン型とし、前記第2遊星歯車機構の
リングギヤを前記第1要素とし、第1遊星歯車機構のリ
ングギヤと第2遊星歯車機構のキャリヤとを連結して前
記第2要素とし、前記第1遊星歯車機構のキャリヤを前
記第3要素とし、第1、第2遊星歯車機構のサンギヤを
前記第3制御クラッチで係脱可能に連結して前記第4要
素としたことである。
【0013】請求項9に係る発明の構成上の特徴は、請
求項1乃至請求項7のいずれかに記載の自動変速機にお
いて、前記変速用複式変速装置の第1、第2遊星歯車機
構をシングルピニオン型とし、前記第2遊星歯車機構の
サンギヤを前記第1要素とし、第1遊星歯車機構のリン
グギヤと第2遊星歯車機構のキャリヤとを連結して前記
第2要素とし、前記第1遊星歯車機構のキャリヤと第2
遊星歯車機構のリングギヤとを前記第3制御クラッチで
係脱可能に連結して前記第3要素とし、前記第1遊星歯
車機構のサンギヤを前記第4要素としたことである。
【0014】
【発明の作用・効果】上記のように構成した請求項1に
係る発明においては、入力軸に連結され該入力軸の回転
より回転数が小さい減速回転を生成する歯車減速装置を
設け、変速用複式遊星歯車装置の第1要素である第2遊
星歯車機構の基本要素に歯車減速装置の減速回転を伝達
し、第2要素である第1、第2遊星歯車機構の各1個の
基本要素を連結して構成された第1連結要素に入力軸の
回転を第1制御クラッチにより選択的に伝達し、第3要
素を出力軸に連結し、第2遊星歯車機構の3個の基本要
素の内2つの基本要素を第2制御クラッチにより選択的
に連結し、第2要素の回転を第1制御ブレーキにより選
択的に規制し、第4要素である第1遊星歯車機構の基本
要素の回転を第2制御ブレーキにより選択的に規制し、
第1要素の回転を第1回転規制手段により選択的に規制
し、第1要素の回転が規制されたとき、歯車減速装置か
ら第1要素に動力が伝達されないようにしたので、従来
の自動変速機に最小限の変更を加えるだけで、入力軸の
回転を適切に離間した前進6段のギヤ比で変速して出力
軸に伝達することができる自動変速機を提供することが
できる。さらに、高速段側のギヤ比を更に密にすること
ができるので、車速の高速度域でエンジン性能を最適に
引き出すことができ、且つギヤチェンジ時のギヤ比の変
化延いては出力トルクの変化が小さくなり、良好なフィ
ーリングを得ることができる。
【0015】上記のように構成した請求項2に係る発明
においては、変速用複式遊星歯車装置の第1要素の回転
が規制されないとき、入力軸に連結された減速用遊星歯
車装置のサンギヤの回転を規制してキャリヤから第1要
素に減速回転を伝達し、第1要素の回転が規制されたと
き、サンギヤの回転を許容してキャリヤから第1要素に
動力伝達が行われないようにしたので、請求項1に記載
した発明の効果に加え、従来の自動変速機に変速用複式
遊星歯車装置の第1要素の回転を選択的に規制する第1
回転規制手段を追加するだけで、前進6段、後退1段の
ギヤ比で変速して出力軸に伝達することができるコンパ
クトな自動変速機を得ることができる。
【0016】上記のように構成した請求項3に係る発明
においては、歯車減速装置の減速回転出力部材を変速用
複式遊星歯車装置の第1要素に第4制御クラッチにより
係脱可能に連結し、変速用複式遊星歯車装置の第1要素
の回転が規制されないとき、第4制御クラッチを接続し
て減速回転出力部材の減速回転を第1要素に伝達し、第
1要素の回転が第1回転規制手段により規制されたと
き、第4制御クラッチを切って減速回転出力部材から第
1要素に動力伝達が行われないようにしたので、請求項
1に記載した発明の効果に加え、従来の自動変速機に第
1回転規制手段と第4制御クラッチを追加するだけで、
入力軸の回転を適切に離間した前進6段、後退1段のギ
ヤ比で変速して出力軸に伝達することができるコンパク
トな自動変速機を得ることができる。
【0017】上記のように構成した請求項4に係る発明
においては、減速用遊星歯車装置のキャリヤを変速用複
式遊星歯車装置の第1要素に第4制御クラッチにより係
脱可能に連結し、変速用複式遊星歯車装置の第1要素の
回転が規制されないとき、第4制御クラッチを接続して
キャリヤの減速回転を第1要素に伝達し、第1要素の回
転が第1回転規制手段により規制されたとき、第4制御
クラッチを切ってキャリヤから第1要素に動力伝達が行
われないようにしたので、請求項1に記載した発明の効
果に加え、従来の自動変速機に第1回転規制手段と第4
制御クラッチを追加するだけで、入力軸の回転を適切に
離間した前進6段、後退1段のギヤ比で変速して出力軸
に伝達することができる構造が簡単でコンパクトな自動
変速機を得ることができる。
【0018】上記のように構成した請求項5に係る発明
においては、減速用遊星歯車装置のキャリヤを変速用複
式遊星歯車装置の第1要素に連結し、変速用複式遊星歯
車装置の第1要素の回転が規制されないとき、第4制御
クラッチを接続して入力軸を減速用遊星歯車装置のリン
グギヤに連結してキャリヤを減速回転させ、このキャリ
ヤの減速回転を第1要素に伝達し、第1要素の回転が第
1回転規制手段により規制されたとき、第4制御クラッ
チを切ってキャリヤから第1要素に動力伝達が行われな
いようにしたので、請求項1に記載の発明の効果に加
え、従来の自動変速機に第1回転規制手段と第4制御ク
ラッチを追加するだけで、入力軸の回転を適切に離間し
た前進6段、後退1段のギヤ比で変速して出力軸に伝達
することができるコンパクトな自動変速機を得ることが
できる。
【0019】上記のように構成した請求項6に係る発明
においては、変速用複式遊星歯車装置の第1要素を、減
速用遊星歯車装置のサンギヤの回転を選択的に規制する
制御ブレーキに第5制御クラッチを介して連結するとと
もに、キャリヤに第4制御クラッチを介して連結し、変
速用複式遊星歯車装置の第1要素の回転が規制されない
とき、第4制御クラッチを接続してキャリヤの減速回転
を第1要素に伝達し、第5制御クラッチが接続されて第
1要素の回転が規制されたとき、第4制御クラッチを切
ってキャリヤから第1要素に動力伝達が行われないよう
にしたので、従来の自動変速機に第4、第5制御クラッ
チを追加するだけで、入力軸の回転を適切に離間した前
進6段、後退1段のギヤ比で変速して出力軸に伝達する
ことができるコンパクトな自動変速機を得ることができ
る。
【0020】上記のように構成した請求項7に係る発明
においては、変速用複式遊星歯車装置の第1要素を減速
用遊星歯車装置のキャリヤに連結するとともに、サンギ
ヤの回転を選択的に規制する制御ブレーキに第5制御ク
ラッチを介して連結し、減速用遊星歯車装置のリングギ
ヤを第4制御クラッチを介して入力軸に連結し、変速用
複式遊星歯車装置の第1要素の回転が規制されないと
き、第4制御クラッチを接続して入力軸を減速用遊星歯
車装置のリングギヤに連結してキャリヤを減速回転さ
せ、このキャリヤの減速回転を第1要素に伝達し、第5
制御クラッチを接続して第1要素の回転が規制されたと
き、第4制御クラッチを切ってキャリヤから第1要素に
動力伝達が行われないようにしたので、請求項1に記載
の発明の効果に加え、従来の自動変速機に第4、第5制
御クラッチを追加するだけで、入力軸の回転を適切に離
間した前進6段、後退1段のギヤ比で変速して出力軸に
伝達することができるコンパクトな自動変速機を得るこ
とができる。
【0021】上記のように構成した請求項8に係る発明
においては、第2遊星歯車機構のリングギヤを第1要素
とし、第1遊星歯車機構のリングギヤと第2遊星歯車機
構のキャリヤとを連結して第2要素とし、第1遊星歯車
機構のキャリヤを第3要素とし、第1、第2遊星歯車機
構のサンギヤを第3制御クラッチで係脱可能に連結して
第4要素として変速用遊星歯車装置を構成したので、従
来の自動変速機に最小限の変更を加えるだけで、入力軸
の回転を適切に離間した前進6段のギヤ比で変速して出
力軸に伝達することができる構造簡単でコンパクトな自
動変速機を得ることができる。
【0022】上記のように構成した請求項9に係る発明
においては、第2遊星歯車機構のサンギヤを第1要素と
し、第1遊星歯車機構のリングギヤと第2遊星歯車機構
のキャリヤとを連結して第2要素とし、第1遊星歯車機
構のキャリヤを出力軸に連結するとともに、第2遊星歯
車機構のリングギヤに第3制御クラッチで係脱可能に連
結して第3要素とし、前記第1遊星歯車機構のサンギヤ
を前記第4要素として変速用複式遊星歯車装置を構成し
たので、従来の自動変速機の変速用複式遊星歯車装置を
他の構成にし、最小限の変更を加えるだけで、入力軸の
回転を適切に離間した前進6段のギヤ比で変速して出力
軸に伝達することができる構造簡単でコンパクトな自動
変速機を得ることができる。
【0023】
【実施の形態】以下、図面に基づいて本発明に係る自動
変速機の第1の実施形態について説明する。図1におい
て、10は本発明に係る自動変速機で、例えば自動車の
エンジンにより回転駆動される流体トルクコンバータ1
1の出力回転を変速して駆動輪に伝達するために使用さ
れる。自動変速機10は、車体に取り付けられたトラン
スミッションケース12内に共通軸線13上に順次支承
された入力軸15、減速用遊星歯車装置16、変速用複
式遊星歯車装置17及び出力軸18で構成されている。
減速用遊星歯車装置16は、共通軸線13上に回転可能
に支承されたサンギヤS1、サンギヤS1と噛合するピ
ニオン21、このピニオン21を回転可能に支承し共通
軸線13上に回転可能に支承されたキャリヤC1、ピニ
オン21と噛合し共通軸線13上に回転可能に支承され
たリングギヤR1から構成されている。入力軸15はリ
ングギヤR1に連結されている。サンギヤS1は、ミッ
ションケース12に設けられた第4制御ブレーキB−1
に連結され、第4制御ブレーキB−1の作動により回転
規制されてキャリヤC1を入力軸15の回転より小さい
減速回転で回転させ、回転規制を解除されてキャリヤC
1に動力を伝達しないようにしている。
【0024】変速用複式遊星歯車装置17は、共通軸線
13上に回転可能に支承されたサンギヤ、リングギヤ、
サンギヤとリングギヤとに噛合するピニオンを支承する
キャリヤの3個の基本要素で構成されるシングルピニオ
ン型の第1遊星歯車機構22のリングギヤR2とシング
ルピニオン型の第2遊星歯車機構23のキャリヤC3と
を連結して第1連結要素R2,C3を構成し、第1、第
2遊星歯車機構22,23のサンギヤS2,S3を第3
制御クラッチC−3により係脱可能に連結して第2連結
要素S2,S3を構成し、第2遊星歯車機構23のキャ
リヤC3とサンギヤS3とを第2制御クラッチC−2に
より係脱可能に連結して構成されている。サンギヤS
2,S3の間にはワンウエイクラッチF−2が介在さ
れ、サンギヤS3がサンギヤS2に対して逆転すること
を規制している。
【0025】第1連結要素R2,C3は、入力軸15に
第1制御クラッチC−1により係脱可能に連結されると
ともに、ミッションケース12に設けられた第1制御ブ
レーキB−3に連結されている。第1遊星歯車機構22
のキャリヤC2は出力軸18に連結され、サンギヤS2
は第2制御ブレーキB−4に連結されている。第2遊星
歯車機構23のリングギヤR3は減速用遊星歯車装置1
6のキャリヤC1に連結されるとともに、第3制御ブレ
ーキB−2に連結されている。
【0026】減速用遊星歯車装置16及び第4制御ブレ
ーキB−1は、入力軸15に連結され入力軸15の回転
より回転数が小さい減速回転を減速回転出力部材として
のキャリヤC1に生成する歯車減速装置19を構成す
る。第3制御ブレーキB−2は、第1要素である第2遊
星歯車機構23のリングギヤR3の回転を選択的に規制
する第1回転規制手段25を構成する。第2回転規制手
段20を構成する第4制御ブレーキB−1は、減速用遊
星歯車装置16のサンギヤS1に連結されて歯車減速装
置19を構成するとともに、第1要素であるリングギヤ
R3の回転が第3制御ブレーキB−2により規制された
とき、サンギヤS1の回転規制を解除して減速用遊星歯
車装置16からリングギヤR3に動力伝達が行われない
開放状態を生成する開放状態生成手段26を構成する。
【0027】なお、流体トルクコンバータ11のポンプ
インペラ30は図略のエンジンによって回転駆動されて
オイルを送り出し、ステータ31がオイルの反力を受け
止めてトルクをタービン32に発生するようになってい
る。入力軸15はタービン32に連結されている。33
はポンプインペラ30とタービン32とを直結するロッ
クアップクラッチである。
【0028】以上のように構成された自動変速機10
は、第1、第2、第3制御クラッチC−1,C−2,C
−3を選択的に係脱し、第1、第2、第3、第4制御ブ
レーキB−3,B−4,B−2,B−1を選択的に作動
して減速用、変速用遊星歯車装置16,17の要素の回
転を規制することにより、前進6段、後退1段のギヤ比
を成立することができる。図2において、各速度段に対
応する各制御クラッチ、制御ブレーキの欄に黒丸が付さ
れている場合、制御クラッチであれば接続状態、制御ブ
レーキであれば回転規制状態にあることを示す。また、
図2には、減速用遊星歯車装置16のギヤ比λ1が0.
619、変速用複式遊星歯車装置17の第1遊星歯車機
構22のギヤ比λ2が0.488、第2遊星歯車機構2
3のギヤ比λ3が0.634である場合における各変速
段におけるギヤ比(入力軸15の回転数/出力軸18の
回転数)及び変速段が1段アップしたときのギヤ比の増
加割合(当速度段のギヤ比/前速度段のギヤ比)が示さ
れている。
【0029】シングルピニオン型の遊星歯車機構におい
ては、サンギヤの回転数Ns、キャリヤの回転数Nc、
リングギヤの回転数Nrと遊星歯車機構のギヤ比λとの
関係は、Nr=(1+λ)Nc−λNs で示され、各
変速段におけるギヤ比は、この式に基づいて算出され
る。 サンギヤS1,S2、S3,の歯数をZs1,Z
s2,Zs3、リングギヤR1,R2、R3の歯数をZ
r1,Zr2,Zr3とすると、減速用遊星歯車装置1
6及び変速用複式遊星歯車装置17の第1、第2遊星歯
車機構22,23のギヤ比はλ1=Zs1/Zr1,λ
2=Zs2/Zr2,λ3=Zs3/Zr3である。
【0030】第1、第2、第3制御クラッチC−1,C
−2,C−3を選択的に接続するとともに、第1、第
2、第3、第4制御ブレーキB−3,B−4,B−2,
B−1を選択的に作動したとき、減速用遊星歯車装置1
6及び変速用複式遊星歯車装置17の各要素の速度比
は、図3に示す速度線図のようになる。速度線図は、遊
星歯車装置のサンギヤ、キャリヤ、リングギヤからなる
各要素を横軸方向にギヤ比に対応させた間隔で配置し、
縦軸方向に各要素に対応してその速度比をとったもので
ある。図3には、減速用遊星歯車装置16及び変速用複
式遊星歯車装置17の速度線図が左右に並べて記載され
ている。減速用遊星歯車装置16では、S1、C1、R
1がそれぞれ付された各1本の縦線上に、サンギヤS
1、キャリヤC1、リングギヤR1の速度比を表す。シ
ングルピニオン型の減速用遊星歯車装置16について
は、キャリヤC1の縦線とサンギヤS1の縦線との間隔
aを1とみなし、リングギヤR1の縦線をキャリヤC1
の縦線からサンギヤS1の縦線の反対側に間隔a×λ1
だけ離して配置する。
【0031】変速用複式遊星歯車装置17を構成する第
1、第2遊星歯車機構22,23では、第1遊星歯車機
構22のリングギヤR2と第2遊星歯車機構23のキャ
リヤC3とが連結され、第1、第2遊星歯車機構22,
23のサンギヤS2,S3が第3制御クラッチC−3で
連結されるので、R2,C3及びS2,S3がそれぞれ
付された各1本の縦線上に第1連結要素R2,C3、第
2連結要素S2,S3の速度比を表し、R3、C2が付
された各1本の縦線上に第2遊星歯車機構23のリング
ギヤR3、第1遊星歯車機構22のキャリヤC2の速度
比を表す。シングルピニオン型の第1遊星歯車機構22
については、リングギヤR2の縦線とサンギヤS2の縦
線との間隔bを1+λ2とみなし、キャリヤC2の縦線
をサンギヤS2の縦線からリングギヤR2の縦線と同じ
側に間隔b/(1+λ2)だけ離して配置する。シング
ルピニオン型の第2遊星歯車機構23については、キャ
リヤC3の縦線とサンギヤS3の縦線との間隔bを1と
みなし、リングギヤR3の縦線をキャリヤC3の縦線か
らサンギヤS3の縦線の反対側に間隔b×λ3だけ離し
て配置する。速度線図には、第1制御クラッチC−1、
第1、第2、第3、第4制御ブレーキB−3,B−4,
B−2,B−1が選択的に作動された点にC−1、B−
1〜B−4が記入されている。
【0032】このように作成された変速用複式遊星歯車
装置17の速度線図において、4本の各縦線に対応する
要素を縦線の並び順に第1、第2、第3、第4要素とす
る。第1実施形態の場合、第1要素である第2遊星歯車
機構23のリングギヤR3は、減速用遊星歯車装置16
のキャリヤC1に連結されるとともに第3制御ブレーキ
B−2に連結され、第2要素である第1連結要素R2,
C3は、第1制御クラッチC−1により入力軸15に係
脱可能に連結されるとともに、第1制御ブレーキB−3
に連結され、第3要素である第1遊星歯車機構22のキ
ャリヤC2は出力軸18に連結され、第4要素である第
2連結要素S2,S3を構成する第1遊星歯車機構のサ
ンギヤS2は第2制御ブレーキB−4に連結されてい
る。
【0033】以下、各変速段の作動について説明する。
前進第1変速段の場合、第4制御ブレーキB−1が作動
されるので、サンギヤS1が回転を規制されて減速用遊
星歯車装置16は、入力軸15の回転より回転数の小さ
い減速回転をキャリヤC1に生成する。この減速回転は
第1要素であるリングギヤR3に伝達され、第2制御ブ
レーキB−4及びワンウェイクラッチF−2により回転
を規制されたサンギヤS2,S3に反力を支持されて第
1連結要素R2,C3を介して第3要素であるキャリヤ
C2に伝達され、出力軸18を第1変速段のギヤ比3.
936で正転駆動する。
【0034】前進第2変速段の場合、第4制御ブレーキ
B−1が作動されるので、サンギヤS1が回転を規制さ
れて減速用遊星歯車装置16は、入力軸15の回転より
回転数の小さい減速回転をキャリヤC1に生成する。こ
の減速回転は第1要素であるリングギヤR3に伝達さ
れ、第2制御クラッチC−2の接続により第2遊星歯車
機構23は一体回転されるので、第1連結要素R2,C
3も減速回転で回転され、第2制御ブレーキB−4によ
り回転規制された第2連結要素のサンギヤS2に反力を
支持されてキャリヤC2と出力軸18を第2変速段のギ
ヤ比2.409で正転駆動する。このとき、第3制御ク
ラッチC−3は切断されて第2連結要素S2,S3は分
離され、ワンウエイクラッチF−2はサンギヤS3の正
転を許容するので、サンギヤS3はリングギヤR3と一
体的に減速回転することができる。
【0035】前進第3変速段の場合、第1制御クラッチ
C−1が接続されるので、入力軸15と第1連結要素R
2,C3が接続され、第1遊星歯車機構22のリングギ
ヤR2が入力軸15と同一回転数で回転される。第2連
結要素S2,S3のサンギヤS2が回転規制されるの
で、入力軸15に入力された回転は、第1遊星歯車機構
22により減速され、キャリヤC2と出力軸18を第3
変速段のギヤ比1.488で正転駆動する。このとき、
第3制御クラッチC−3は切断されて第2連結要素S
2,S3は分離され、ワンウエイクラッチF−2はサン
ギヤS3の正転を許容し、第4制御ブレーキB−1は不
作動でリングギヤR3が接続されたキャリヤC1は回転
を拘束されないので、第2制御クラッチC−2の接続に
より一体化された第2遊星歯車機構23も入力軸15と
同一回転数で回転することができる。
【0036】前進第3変速段は、第2、第3制御クラッ
チC−2,C−3を接続し、第4制御ブレーキB-1を
作動して生成することもできる。第4制御ブレーキB−
1が作動されるので、サンギヤS1が回転を規制されて
減速用遊星歯車装置16は、入力軸15の回転より回転
数の小さい減速回転をキャリヤC1に生成し、リングギ
ヤR3に伝達する。第2、第3制御クラッチC−2,C
−3が接続されるので、第1及び第2連結要素R2,C
3及びS2,S3が連結されて変速用複式遊星歯車装置
17が一体化され、キャリヤC2と出力軸18が第3変
速段のギヤ比1.619で正転駆動される。
【0037】前進第4変速段の場合、第1制御クラッチ
C−1が接続されて第1連結要素R2,C3が入力軸1
5と同一回転数で回転される。第2、第3制御クラッチ
C−2,C−3が接続されるので、第1及び第2連結要
素R2,C3及びS2,S3が連結されて変速用複式遊
星歯車装置17が一体化され、キャリヤC2と出力軸1
8を第4変速段のギヤ比1.000で正転駆動する。
【0038】前進第5変速段の場合、第4制御ブレーキ
B−1が作動されるので、サンギヤS1が回転を規制さ
れて減速用遊星歯車装置16は、入力軸15の回転より
回転数の小さい減速回転をキャリヤC1に生成し、第1
要素であるリングギヤR3に伝達する。第1制御クラッ
チC−1が接続されて第1連結要素R2,C3が入力軸
15と同一回転数で回転される。第3制御クラッチC−
3が接続されてサンギヤS2,S3は連結されるので、
第3要素のキャリヤC2は、入力軸15の回転と第2連
結要素S2,S3の増速回転とに基づいて第5変速段の
ギヤ比0.835で正転駆動される。
【0039】前進第6変速段の場合、第1制御クラッチ
C−1が接続されて第1連結要素R2,C3が入力軸1
5と同一回転数で回転され、第3制御クラッチC−3が
接続されてサンギヤS2,S3が連結される。第3制御
ブレーキB−2が作動されて第1要素のリングギヤR3
の回転が規制されるので、第1連結要素R2,C3に伝
達された入力軸15の回転は、リングギヤR3により反
力を支持され、第2連結要素S2,S3を介してキャリ
ヤC2に増速して伝達され、出力軸18を第6変速段の
ギヤ比0.659で正転駆動する。この場合、第1要素
であるリングギヤR3の回転は第1回転規制手段25と
しての第3制御ブレーキB−2により規制されている。
このとき、開放状態生成手段26としての第4制御ブレ
ーキB−1は不作動で、サンギヤS1の回転を規制しな
いので、歯車減速装置19を構成する減速用遊星歯車装
置16から第1要素であるリングギヤR3に動力伝達が
行われない開放状態になる。
【0040】後退変速段の場合、第4制御ブレーキB−
1が作動されるので、サンギヤS1が回転を規制されて
減速用遊星歯車装置16は、入力軸15の回転より回転
数の小さい減速回転をキャリヤC1に生成する。この減
速回転は第1要素であるリングギヤR3に伝達され、第
1制御ブレーキB−3により回転を規制された第1連結
要素R2,C3に反力を支持されてサンギヤS3を逆転
し、ワンウエイクラッチF−2によりサンギヤS2を逆
転してキャリヤC2と出力軸18を後退変速段のギヤ比
3.130で逆転駆動する。
【0041】入力軸15に連結された減速用遊星歯車装
置16のリングギヤR1の回転数を1とした場合の各変
速段におけるサンギヤS1〜S3、キャリヤC1〜C
3、及びリングギヤR1〜R3の回転比を示す図3の速
度線図から明らかなように、各変速段における第3要素
であるキャリヤC2の回転比すなわちギヤ比は、適当な
間隔をもって配列し、本発明に係る自動変速機によれば
適切に離間した前進6段、後退1段のギヤ比を得ること
ができる。さらに、変速段が1段アップしたときのギヤ
比の増加割合は、図2に示すように、第1、第2変速段
の間は1.634、第2、第3変速段の間は1.61
9、第3、第4変速段の間は1.488、第4、第5変
速段の間は1.198、第5、第6変速段の間は1.2
67となり、高速段ほど概ね増加割合が小さくなり、車
速の高速度域でエンジン性能を最適に引き出すことがで
き、且つギヤチェンジ時のギヤ比の変化割合延いては出
力トルクの変化割合が小さくなり、良好なフィーリング
を得ることができる。また、最低速度段のギヤ比を最高
速度段のギヤ比で割ったスプレッドは、3.936/
0.659=5.973と十分大きいので、低速度段に
おいて加速性能を高くし、高速度段において燃費をよく
することができる。
【0042】第1実施形態においては、サンギヤS1に
連結された第4ブレーキB−1により第2回転規制手段
20を構成し、この第2回転規制手段20が、減速用遊
星歯車装置16のサンギヤS1に連結されて歯車減速装
置19を構成するとともに、第1要素であるリングギヤ
R3の回転が第3制御ブレーキB−2により規制された
とき、サンギヤS1の拘束を解除して減速用遊星歯車装
置16からリングギヤR3に動力伝達が行われない開放
状態を生成する開放状態生成手段26を構成するように
しているが、第2実施形態では、図4に示すように、サ
ンギヤS1に連結された第4制御ブレーキB−1とサン
ギヤS1にワンウエイクラッチF−1を介して連結され
た第5制御ブレーキB−5との並列経路で第2回転規制
手段20を構成し、この第2回転規制手段20が、減速
用遊星歯車装置16とともに歯車減速装置19を構成
し、且つ、第1要素の回転が規制されたとき、歯車減速
装置19から第1要素に動力伝達が行われない開放状態
を生成する開放状態生成手段26を構成している。第2
実施形態における各速度段における各制御クラッチ、制
御ブレーキの作動状態を図5に示す。サンギヤS1にワ
ンウエイクラッチF−1を介して第5制御ブレーキB−
5を連結したことにより、第2、第3変速段の間、第
4、第5変速段の間及び第5、第6変速段の間でギヤチ
ェンジする場合、第4制御ブレーキB−1を作動状態、
不作動状態の間で切り替える必要がなく、第1制御クラ
ッチC−1、第2制御クラッチC−2又は第3制御ブレ
ーキB−2の1個のみの状態を切り替えればよく、制御
クラッチ、制御ブレーキの状態切替えのタイミングにズ
レが生じるようなことがないので、変速段の切替えを円
滑に行うことができる。なお、速度線図は、第1実施形
態の場合と実質的に同じである。
【0043】第1実施形態においては、サンギヤS1に
連結された第4ブレーキB−1により第2回転規制手段
20を構成し、この第2回転規制手段20が、減速用遊
星歯車装置16のサンギヤS1に連結されて歯車減速装
置19を構成するとともに、第1要素の回転が規制され
たとき、歯車減速装置19から第1要素に動力伝達が行
われない開放状態を生成する開放状態生成手段26を構
成するようにしているが、第3実施形態においては、図
6に示すように、減速用遊星歯車装置16のサンギヤS
1とミッションケース12との間に第2回転規制手段2
0を構成する第4制御ブレーキB−1とワンウエイクラ
ッチF−1との並列経路を連結して歯車減速装置19を
構成し、減速用遊星歯車装置16のキャリヤC1と第1
要素であるリングギヤR3との間に連結された第4制御
クラッチC−4により、第1要素の回転が規制されたと
き、歯車減速装置19から第1要素に動力伝達が行われ
ない開放状態を生成する開放状態生成手段26を構成し
ている。
【0044】各速度段における各制御クラッチ、制御ブ
レーキの作動状態を図7に示す。各変速段におけるギヤ
比、及び増加割合は第1実施形態の場合と同一である。
速度線図は、図8に示すように、第1実施形態の場合と
実質的に同じである。以下、各変速段の作動について説
明する。前進第1変速段の場合、ワンウエイクラッチF
−1によりサンギヤS1が回転を規制されて減速用遊星
歯車装置16は、入力軸15の回転より回転数の小さい
減速回転をキャリヤC1に生成する。この減速回転は、
第4制御クラッチC−4を介して第1要素であるリング
ギヤR3に伝達され、第2制御ブレーキB−4及びワン
ウェイクラッチF−2により回転を規制されたサンギヤ
S2,S3に反力を支持されて第1連結要素R2,C3
を介して第3要素であるキャリヤC2に伝達され、出力
軸18を第1変速段のギヤ比3.936で正転駆動す
る。
【0045】前進第2変速段の場合、ワンウエイクラッ
チF−1によりサンギヤS1が回転を規制されて減速用
遊星歯車装置16は、減速回転をキャリヤC1に生成す
る。この減速回転はリングギヤR3に第4制御クラッチ
C−4を介して伝達され、第2制御クラッチC−2の接
続により第2遊星歯車機構23は一体回転されるので、
第1連結要素R2,C3も減速回転で回転され、第2制
御ブレーキB−4により回転規制された第2連結要素の
サンギヤS2に反力を支持されてキャリヤC2と出力軸
18を第2変速段のギヤ比2.409で正転駆動する。
このとき、第3制御クラッチC−3は切断されて第2連
結要素S2,S3は分離され、ワンウエイクラッチF−
2はサンギヤS3の正転を許容するので、サンギヤS3
はリングギヤR3と一体的に減速回転することができ
る。
【0046】前進第3変速段の場合、第1制御クラッチ
C−1が接続されるので、入力軸15と第1連結要素R
2,C3が接続され、第1遊星歯車機構22のリングギ
ヤR2が入力軸15と同一回転数で回転される。第2連
結要素S2,S3のサンギヤS2が第2制御ブレーキB
−4により回転規制されるので、入力軸15に入力され
た回転は、第1遊星歯車機構22により減速され、キャ
リヤC2と出力軸18を第3変速段のギヤ比1.488
で正転駆動する。このとき、第3制御クラッチC−3は
切断されて第2連結要素S2,S3は分離され、ワンウ
エイクラッチF−2はサンギヤS3の正転を許容し、第
4制御ブレーキB−1は不作動でリングギヤR3が接続
されたキャリヤC1は回転を拘束されないので、第2制
御クラッチC−2の接続により一体化された第2遊星歯
車機構23も入力軸15と同一回転数で回転することが
できる。前進第2段と第3段との間のギヤチェンジにお
いて、サンギヤS1を回転状態と回転規制状態との間で
切り替える必要があるが、サンギヤS1をワンウエイク
ラッチF−1を介してミッションケース12に連結した
ので、第1制御クラッチC−1を断続するだけで前進第
2段と第3段との間のギヤチェンジを円滑に行うことが
できる。
【0047】上述の制御クラッチ、制御ブレーキの作動
状態において、第4制御クラッチC−4を切って、第4
ブレーキB−1を作動しても前進第3変速段として形成
される動力経路は同じである。この場合、第4制御クラ
ッチC−4が切られてリングギヤR3とキャリヤC1と
の連結が遮断され、第2制御クラッチC−2の接続によ
り一体化された第2遊星歯車機構23が入力軸15と同
一回転数で回転することができる。
【0048】前進第3変速段は、第2、第3、第4制御
クラッチC−2,C−3,C−4を接続し、第4制御ブ
レーキB-1を作動して生成することもできる。第4制
御ブレーキB−1が作動されサンギヤS1が回転を規制
されて減速用遊星歯車装置16は、キャリヤC1に減速
回転を生成し、この減速回転は第4制御クラッチC−4
を介して第1要素のリングギヤR3に伝達される。第
2、第3制御クラッチC−2,C−3が接続されるの
で、第1及び第2連結要素R2,C3及びS2,S3が
連結されて変速用複式遊星歯車装置17が一体化され、
キャリヤC2と出力軸18が第3変速段のギヤ比1.6
19で正転駆動される。
【0049】前進第4変速段の場合、第1制御クラッチ
C−1が接続されて第1連結要素R2,C3が入力軸1
5と同一回転数で回転される。第2、第3制御クラッチ
C−2,C−3が接続されるので、第1及び第2連結要
素R2,C3及びS2,S3が連結されて変速用複式遊
星歯車装置17が一体化され、キャリヤC2と出力軸1
8を第4変速段のギヤ比1.000で正転駆動する。こ
の場合、第4制御クラッチC−4を接続してキャリヤC
1をリングギヤR3に接続し、減速用遊星歯車装置16
を入力軸15と同一回転数で回転する。又は、第4制御
ブレーキB−1を作動し、第4制御クラッチC−4を切
ってキャリヤC1をリングギヤR3との連結を遮断した
状態で減速回転させておいてもよい。
【0050】前進第5変速段の場合、第4制御ブレーキ
B−1が作動されるので、サンギヤS1が回転を規制さ
れて減速用遊星歯車装置16はキャリヤC1を減速回転
する。この減速回転は第4制御クラッチC−4を介して
第1要素であるリングギヤR3に伝達される。第1制御
クラッチC−1が接続されて第1連結要素R2,C3が
入力軸15と同一回転数で回転される。第3制御クラッ
チC−3が接続されてサンギヤS2,S3は連結される
ので、第3要素のキャリヤC2は、入力軸15の回転と
第2連結要素S2,S3の増速回転とに基づいて第5変
速段のギヤ比0.835で正転駆動される。
【0051】前進第6変速段の場合、第1制御クラッチ
C−1が接続されて第1連結要素R2,C3が入力軸1
5と同一回転数で回転され、第3制御クラッチC−3が
接続されてサンギヤS2,S3が連結される。第3制御
ブレーキB−2が作動されて第1要素であるリングギヤ
R3の回転が規制されるので、第1連結要素R2,C3
に伝達された入力軸15の回転は、リングギヤR3によ
り反力を支持され、第2連結要素S2,S3を介してキ
ャリヤC2に増速して伝達され、出力軸18を第6変速
段のギヤ比0.659で正転駆動する。このとき、第1
要素であるリングギヤR3の回転は第1回転規制手段2
5としての第3制御ブレーキB−2により規制されてい
る。そして、開放状態生成手段26としての第4制御ク
ラッチC−4は切られているので、キャリヤC1からリ
ングギヤR3に回転は伝達されず、歯車減速装置19を
構成する減速用遊星歯車装置16から第1要素であるリ
ングギヤR3に動力伝達が行われない開放状態となる。
【0052】後退変速段の場合、ワンウエイクラッチF
−1によりサンギヤS1が回転を規制されて減速用遊星
歯車装置16はキャリヤC1を減速回転する。この減速
回転は第4制御クラッチC−4を介してリングギヤR3
に伝達され、第1制御ブレーキB−3により回転を規制
された第1連結要素R2,C3に反力を支持されてサン
ギヤS3を逆転し、ワンウエイクラッチF−2を介して
サンギヤS2を逆転してキャリヤC2と出力軸18を後
退変速段のギヤ比3.130で逆転駆動する。
【0053】第3実施形態では、減速用遊星歯車装置1
6のサンギヤS1とミッションケース12との間に第2
回転規制手段20を構成する第4制御ブレーキB−1と
ワンウエイクラッチF−1との並列経路を連結して歯車
減速装置19を構成しているが、第4実施形態において
は、減速用遊星歯車装置16のサンギヤS1をミッショ
ンケース12に直接連結して歯車減速装置19を構成し
ている。第4実施形態の各速度段における各制御クラッ
チ、制御ブレーキの作動状態を図10に示す。これは第
3実施形態の各制御クラッチ、制御ブレーキの作動状態
を示す図7において、前進第3、第4変速段の中の第4
制御ブレーキB−1とワンウエイクラッチF−1のいず
れもが作動していないもの、換言すればサンギヤS1が
回転規制されていないものを取り除いたものと同じであ
るので、詳細な説明を省略する。従って、速度線図も図
8に示す第3実施形態からS1が回転規制されていない
ものを取り除いたのものと同じである。
【0054】第4実施形態では、歯車減速装置19を減
速用遊星歯車装置16で構成しているが、第5実施形態
においては、減速用歯車列で歯車減速装置19を構成し
ている。第4実施形態は、歯車減速装置19以外につい
ては、第4実施形態と同じであるので、図11に同一符
号を付けて説明を省略し、第4実施形態と異なる減速用
歯車列35及び減速用歯車列35と変速用複式遊星歯車
装置17との接続関係について説明する。自動変速機1
0のトランスミッションケース12に回転可能に軸承さ
れた入力軸36に流体トルクコンバータ11のタービン
32が連結され、この入力軸36に大径、及び小径歯車
37,38が固定されている。大径歯車37と噛合する
同径の第1歯車39が変速用複式遊星歯車装置17の軸
線13上に回転可能に支承され、小径歯車38と噛合す
る第2歯車40が軸線13上に回転可能に支承されてい
る。これにより第1歯車39は入力軸36の回転と同一
回転数の入力回転で回転し、第2歯車40は入力回転よ
り回転数が小さい減速回転で回転する。第1歯車39は
第1制御クラッチC−1を介して第1連結要素R2,C
3に連結され、第2歯車40は第4制御クラッチC−4
を介して第1要素であるリングギヤR3に連結されてい
る。第5実施形態における各制御クラッチ、制御ブレー
キの作動状態及び速度線図は、第4実施形態と同じであ
るので、説明を省略する。
【0055】第3実施形態では、減速用遊星歯車装置1
6のキャリヤC1と第1要素であるリングギヤR3との
間に連結された第4制御クラッチC−4により、第1要
素の回転が規制されたとき、歯車減速装置19から第1
要素に動力伝達が行われない開放状態を生成する開放状
態生成手段26を構成しているが、第6実施形態におい
ては、減速用遊星歯車装置16のリングギヤR1と入力
軸15との間に連結された第4制御クラッチC−4によ
り、第1要素の回転が規制されたとき、歯車減速装置1
9から第1要素に動力伝達が行われない開放状態を生成
する開放状態生成手段26を構成している。この開放状
態生成手段26以外の構成は、第3実施形態と同一であ
るので、図12に同一部品に同一参照番号を付して詳細
な説明を省略する。第6実施形態における各制御クラッ
チ、制御ブレーキの作動状態及び速度線図は、第3実施
形態と同じである。
【0056】開放状態生成手段26が作動する前進第6
変速段において、第1制御クラッチC−1が接続されて
第1連結要素R2,C3が入力軸15と同一回転数で回
転され、第3制御クラッチC−3が接続されてサンギヤ
S2,S3が連結される。第3制御ブレーキB−2が作
動されて第1要素であるリングギヤR3の回転が規制さ
れるので、第1連結要素R2,C3に伝達された入力軸
15の回転は、リングギヤR3により反力を支持され、
第2連結要素S2,S3を介してキャリヤC2に減速し
て伝達され、出力軸18を第6変速段のギヤ比0.65
9で正転駆動する。このとき、第1要素であるリングギ
ヤR3の回転は第1回転規制手段25としての第3制御
ブレーキB−2により規制されている。そして、開放状
態生成手段26としての第4制御クラッチC−4が切ら
れ、リングギヤR1に入力軸15から回転が伝達され
ず、歯車減速装置19を構成する減速用遊星歯車装置1
6から第1要素であるリングギヤR3に動力伝達が行わ
れない開放状態になる。
【0057】第6実施形態では、減速用遊星歯車装置1
6のサンギヤS1とミッションケース12との間に第2
回転規制手段20を構成する第4制御ブレーキB−1と
ワンウエイクラッチF−1との並列経路を連結して歯車
減速装置19を構成しているが、第7実施形態において
は、減速用遊星歯車装置16のサンギヤS1をミッショ
ンケース12に直接連結して歯車減速装置19を構成し
ている。第7実施形態の各速度段における各制御クラッ
チ、制御ブレーキの作動状態は図10に示す第4実施形
態の場合と同じである。
【0058】次に、第3実施形態の変速用複式遊星歯車
装置17を他の構成にした第8実施形態について説明す
る。図14において、変速用複式遊星歯車装置41は、
共通軸線13上に回転可能に支承されたサンギヤ、リン
グギヤ、サンギヤとリングギヤとに噛合するピニオンを
支承するキャリヤの3個の基本要素で構成されるシング
ルピニオン型の第1遊星歯車機構42のリングギヤR2
とシングルピニオン型の第2遊星歯車機構43のキャリ
ヤC3とを連結して第1連結要素R2,C3を構成し、
第1、第2遊星歯車機構42,43のキャリヤC2とリ
ングギヤR3を第3制御クラッチC−3により係脱可能
に連結して第2連結要素C2,R3を構成し、第2遊星
歯車機構43のサンギヤS3と第1連結要素R2,C3
とを第2制御クラッチC−2により係脱可能に連結して
構成されている。キャリヤC2とリングギヤR3との間
にはワンウエイクラッチF−2が介在され、リングギヤ
R3がキャリヤC2に対して逆転することを規制してい
る。
【0059】第1連結要素R2,C3は、入力軸15に
第1制御クラッチC−1により係脱可能に連結されると
ともに、ミッションケース12に設けられた第1制御ブ
レーキB−3に連結されている。第1遊星歯車機構42
のキャリヤC2は出力軸18に連結され、サンギヤS2
は第2制御ブレーキB−4に連結されている。第2遊星
歯車機構43のサンギヤS3は減速用遊星歯車装置16
のキャリヤC1に第4制御クラッチC−4を介して連結
されるとともに、第3制御ブレーキB−2に連結されて
いる。
【0060】減速用遊星歯車装置16及び第4制御ブレ
ーキB−1は、入力軸15に連結され入力軸15の回転
より回転数が小さい減速回転を減速回転出力部材として
のキャリヤC1に生成する歯車減速装置19を構成す
る。第3制御ブレーキB−2は、第1要素である第2遊
星歯車機構43のサンギヤS3の回転を選択的に規制す
る第1回転規制手段25を構成する。減速用遊星歯車装
置16のサンギヤS1とミッションケース12との間に
第2回転規制手段20を構成する第4制御ブレーキB−
1とワンウエイクラッチF−1との並列経路を連結して
歯車減速装置19を構成し、減速用遊星歯車装置16の
キャリヤC1と第1要素であるサンギヤS3との間に連
結された第4制御クラッチC−4により、第1要素の回
転が規制されたとき、歯車減速装置19から第1要素に
動力伝達が行われない開放状態を生成する開放状態生成
手段26を構成することは、第3実施形態の場合と同一
である。
【0061】各速度段における各制御クラッチ、制御ブ
レーキの作動状態を図15に示す。図16に示す変速用
複式遊星歯車装置41の速度線図において、第1要素で
ある第2遊星歯車機構43のサンギヤS3は、減速用遊
星歯車装置16のキャリヤC1に第4制御クラッチC−
4を介して連結されるとともに第3制御ブレーキB−2
に連結され、第2要素である第1連結要素R2,C3
は、第1制御クラッチC−1により入力軸15に係脱可
能に連結されるとともに、第1制御ブレーキB−3に連
結され、第3要素である第1遊星歯車機構42のキャリ
ヤC2は出力軸18に連結され、第4要素である第1遊
星歯車機構42のサンギヤS2は第2ブレーキB−4に
連結されている。
【0062】以下、各変速段の作動について説明する。
前進第1変速段の場合、ワンウエイクラッチF−1によ
りサンギヤS1が回転を規制されて減速用遊星歯車装置
16は、入力軸15の回転より回転数の小さい減速回転
をキャリヤC1に生成する。この減速回転は、第4制御
クラッチC−4を介して第1要素であるサンギヤS3に
伝達され、第2制御ブレーキB−4により回転を規制さ
れたサンギヤS2に反力を支持されて第1連結要素R
2,C3を介してワンウェイクラッチF−2により連結
された第2連結要素C2,R3に伝達されて出力軸18
を第1変速段のギヤ比で正転駆動する。
【0063】前進第2変速段の場合、ワンウエイクラッ
チF−1によりサンギヤS1が回転を規制されて減速用
遊星歯車装置16は、減速回転をキャリヤC1に生成す
る。この減速回転は第4制御クラッチC−4を介してサ
ンギヤS3に伝達され、第2制御クラッチC−2の接続
により第2遊星歯車機構43は一体回転されるので、第
1連結要素R2,C3も減速回転で回転され、第2制御
ブレーキB−4により回転規制された第4要素であるサ
ンギヤS2に反力を支持されてキャリヤC2と出力軸1
8を第2変速段で正転駆動する。このとき、第3制御ク
ラッチC−3は切断されて第2連結要素C2,R3は分
離され、ワンウエイクラッチF−2はリングギヤR3に
対するキャリヤC2の逆転を許容するので、キャリヤC
2は減速回転することができる。
【0064】前進第3変速段の場合、第1制御クラッチ
C−1が接続されるので、入力軸15と第1連結要素R
2,C3が接続され、第1遊星歯車機構42のリングギ
ヤR2が入力軸15と同一回転数で回転される。サンギ
ヤS2が第2制御ブレーキB−4により回転規制される
ので、入力軸15に入力された回転は、第1遊星歯車機
構42により減速され、キャリヤC2と出力軸18を第
3変速段で正転駆動する。このとき、第3制御クラッチ
C−3は切断されて第2連結要素C2,R3は分離さ
れ、ワンウエイクラッチF−2はリングギヤR3に対す
るキャリヤC2の逆転を許容するので、キャリヤC2は
減速回転することができる。
【0065】前進第3変速段は、第1、第4制御クラッ
チC−1,C−4を接続し、第2制御ブレーキB−4を
作動して生成することもできる。入力軸15の回転は、
第1制御クラッチC−1を介して第1連結要素R2,C
3に伝達される。サンギヤS2が第2制御ブレーキB−
4により回転規制されるので、第1連結要素R2,C3
に伝達された入力軸15の回転は、第1遊星歯車機構4
2により減速され、キャリヤC2と出力軸18を第3変
速段で正転駆動する。このとき、ワンウエイクラッチF
−1によりサンギヤS1が回転を規制されて減速用遊星
歯車装置16は、減速回転をキャリヤC1に生成し、第
4制御クラッチC−4を介してサンギヤS3に伝達する
が、第3制御クラッチC−3は切断され、ワンウエイク
ラッチF−2はキャリヤC2に対するリングギヤR3の
正転を許容するので、リングギヤR3はキャリヤC2に
回転を伝達しない。
【0066】第1、第2制御クラッチC−1,C−2を
接続し、第2制御ブレーキB−4を作動しても前進第3
変速段を得ることができる。入力軸15の回転は、第1
制御クラッチC−1を介して第1連結要素R2,C3に
伝達される。サンギヤS2が第2制御ブレーキB−4に
より回転規制されるので、第1連結要素R2,C3に伝
達された入力軸15の回転は、第1遊星歯車機構42に
より減速され、キャリヤC2と出力軸18を第3変速段
で正転駆動する。このとき、ワンウエイクラッチF−1
によりサンギヤS1が回転を規制されて減速用遊星歯車
装置16は、減速回転をキャリヤC1に生成するが、第
4制御クラッチC−4が切られているのでサンギヤS3
に伝達されない。
【0067】前進第3変速段は、第2、第3、第4制御
クラッチC−2,C−3,C−4を接続して生成するこ
ともできる。ワンウエイクラッチF−1の作動によりサ
ンギヤS1が回転を規制されて減速用遊星歯車装置16
は、キャリヤC1を減速回転で回転し、この減速回転は
第4制御クラッチC−4を介して第1要素のサンギヤS
3に伝達される。第2、第3制御クラッチC−2,C−
3が接続されるので、第1及び第2連結要素R2,C3
及びC2,R3が連結されて変速用複式遊星歯車装置4
1が一体化され、キャリヤC2と出力軸18が、上述の
第3変速段と異なる第3変速段で正転駆動される。
【0068】前進第4変速段の場合、第1制御クラッチ
C−1が接続されて第1連結要素R2,C3が入力軸1
5と同一回転数で回転される。第2、第3制御クラッチ
C−2,C−3が接続されるので、第1及び第2連結要
素R2,C3及びC2,R3が連結されて変速用複式遊
星歯車装置41が一体化され、キャリヤC2と出力軸1
8を第4変速段のギヤ比1.000で正転駆動する。こ
の場合、第4制御クラッチC−4を接続してキャリヤC
1をサンギヤS3に接続し、減速用遊星歯車装置16を
入力軸15と同一回転数で回転する。又は、第4制御ク
ラッチC−4を切って、キャリヤC1をリングギヤR3
との連結を遮断した状態で減速回転させておいてもよ
い。
【0069】前進第5変速段の場合、第4制御ブレーキ
B−1が作動されるので、サンギヤS1が回転を規制さ
れて減速用遊星歯車装置16はキャリヤC1を減速回転
する。この減速回転は第4制御クラッチC−4を介して
第1要素であるサンギヤS3に伝達される。第1制御ク
ラッチC−1が接続されて第1連結要素R2,C3が入
力軸15と同一回転数で回転される。第3制御クラッチ
C−3が接続されてキャリヤC2とリングギヤR3とが
連結されるので、キャリヤC2は入力軸15の回転とサ
ンギヤS3の減速回転とに基づいて第5変速段で正転駆
動される。
【0070】前進第6変速段の場合、第1制御クラッチ
C−1が接続されて第1連結要素R2,C3が入力軸1
5と同一回転数で回転され、第3制御クラッチC−3が
接続されてキャリヤC2とリングギヤR3とが連結され
る。第3制御ブレーキB−2が作動されて第1要素であ
るサンギヤS3の回転が規制されるので、第1連結要素
R2,C3に伝達された入力軸15の回転は、サンギヤ
S3により反力を支持され、第2連結要素C2,R3に
増速して伝達され、出力軸18を第6変速段で正転駆動
する。このとき、第1要素であるサンギヤS3の回転は
第1回転規制手段25としての第3制御ブレーキB−2
により規制されている。そして、開放状態生成手段26
としての第4制御クラッチC−4は切られ、歯車減速装
置19を構成する減速用遊星歯車装置16から第1要素
であるリングギヤR3に動力伝達が行われない開放状態
になる。
【0071】後退変速段の場合、ワンウエイクラッチF
−1によりサンギヤS1が回転を規制されて減速用遊星
歯車装置16はキャリヤC1を減速回転する。この減速
回転は第4制御クラッチC−4を介してサンギヤS3に
伝達され、第1制御ブレーキB−3により回転を規制さ
れた第1連結要素R2,C3に反力を支持されてリング
ギヤR3を逆転し、ワンウエイクラッチF−2を介して
キャリヤC2を逆転して出力軸18を後退変速段で逆転
駆動する。
【0072】第3実施形態では、第1要素であるリング
ギヤR3に連結された第3制御ブレーキB−2により第
1回転制御手段25を構成しているが、第9実施形態に
おいては、減速用遊星歯車装置16のサンギヤS1とミ
ッションケース12との間に第2回転規制手段20を構
成する第4制御ブレーキB−1とワンウエイクラッチF
−1との並列経路を連結して歯車減速装置19を構成
し、第1要素であるリングギヤR3を第4制御ブレーキ
B−1に第5制御クラッチC−5を介して連結し、第4
制御ブレーキB−1と第5制御クラッチC−5とで第1
回転規制手段25を構成している。そして、減速用遊星
歯車装置16のキャリヤC1とリングギヤR3との間に
連結された第4制御クラッチC−4により、第1要素の
回転が規制されたとき、歯車減速装置19から第1要素
に動力伝達が行われない開放状態を生成する開放状態生
成手段26を構成している。
【0073】各速度段における各制御クラッチ、制御ブ
レーキの作動状態を図18に示し、速度線図を図19に
示す。各変速段におけるギヤ比、及び増加割合は第3実
施形態の場合と実質的に同じである。以下、各変速段の
作動について説明する。前進第1変速段の場合、ワンウ
エイクラッチF−1によりサンギヤS1が回転を規制さ
れて減速用遊星歯車装置16は、入力軸15の回転より
回転数の小さい減速回転をキャリヤC1に生成する。こ
の減速回転は、第4制御クラッチC−4を介して第1要
素であるリングギヤR3に伝達され、第2制御ブレーキ
B−4及びワンウェイクラッチF−2により回転を規制
されたサンギヤS2,S3に反力を支持されて第1連結
要素R2,C3を介して第3要素であるキャリヤC2に
伝達され、出力軸18を第1変速段のギヤ比3.936
で正転駆動する。
【0074】前進第2変速段の場合、ワンウエイクラッ
チF−1によりサンギヤS1が回転を規制されて減速用
遊星歯車装置16は、減速回転をキャリヤC1に生成す
る。この減速回転はリングギヤR3に第4制御クラッチ
C−4を介して伝達され、第2制御クラッチC−2の接
続により第2遊星歯車機構23は一体回転されるので、
第1連結要素R2,C3も減速回転で回転され、第2制
御ブレーキB−4により回転規制された第2連結要素の
サンギヤS2に反力を支持されてキャリヤC2と出力軸
18を第2変速段のギヤ比2.409で正転駆動する。
このとき、第3制御クラッチC−3は切断されて第2連
結要素S2,S3は分離され、ワンウエイクラッチF−
2はサンギヤS3の正転を許容するので、サンギヤS3
はリングギヤR3と一体的に減速回転することができ
る。
【0075】第4、第5制御クラッチC−4,C−5を
接続し、第2制御ブレーキB−4を作動しても前進第2
変速段を得ることができる。第4、第5制御クラッチC
−4,C−5が接続されると、リングギヤR1に入力軸
15が連結された減速用遊星歯車装置16は一体回転さ
れ、キャリヤC1に第4制御クラッチC−4を介して連
結された第2遊星歯車機構23のリングギヤR3が入力
軸15と同一回転数で回転される。サンギヤS2,S2
が第2制御ブレーキB−4及びワンウエイクラッチF−
2により回転規制されるので、リングギヤR3に入力さ
れた回転は、サンギヤS2,S3に反力を支持されて第
1連結要素R2,C3を介してキャリヤC2と出力軸1
8とを前進第2変速段で正転駆動する。
【0076】前進第3変速段の場合、第1制御クラッチ
C−1が接続されるので、入力軸15と第1連結要素R
2,C3が接続され、第1遊星歯車機構22のリングギ
ヤR2が入力軸15と同一回転数で回転される。第2連
結要素S2,S3のサンギヤS2が第2制御ブレーキB
−4により回転規制されるので、入力軸15に入力され
た回転は、第1遊星歯車機構22により減速され、キャ
リヤC2と出力軸18を第3変速段のギヤ比1.488
で正転駆動する。このとき、第4及び第5制御クラッチ
C−4,C−5が接続され、減速用遊星歯車装置16は
一体化されて入力軸15と同一回転数で回転される。
【0077】上述の制御クラッチ、制御ブレーキの作動
状態において、第4制御クラッチC−4を切って、第3
制御クラッチC−3を接続しても前進第3変速段として
形成される動力経路は同じである。この場合、第4制御
クラッチC−4が切られてリングギヤR3とキャリヤC
1が解離されるので、リングギヤR3は回転することが
できる。
【0078】第1、第2、第4制御クラッチC−1,C
−2,C−4を接続し、第2制御ブレーキB-4を作動
しても前進第3変速段として形成される動力経路は同じ
である。この場合、ワンウエイックラッチF−2はサン
ギヤS3の正転を許容するので、第2制御クラッチC−
2の接続により一体化された第2遊星歯車機構23は、
入力軸15と同一回転数で回転される。
【0079】第1、第3、第4制御クラッチC−1,C
−3,C−4を接続し、第2制御ブレーキB−4を作動
しても前進第3変速段として形成される動力経路は同じ
である。この場合、第5制御クラッチC−5が切られて
リングギヤR3とサンギヤ1とが解離されるので、リン
グギヤR3は回転することができる。
【0080】前進第3変速段は、第2、第3、第4制御
クラッチC−2,C−3,C−4を接続し、第4制御ブ
レーキB-1を作動して生成することもできる。第4制
御ブレーキB−1が作動されてサンギヤS1が回転を規
制され、リングギヤR1に入力された入力軸15の回転
は減速されてキャリヤC1は減速回転で回転される。こ
の減速回転は第4制御クラッチC−4を介して第1要素
のリングギヤR3に伝達される。第2、第3制御クラッ
チC−2,C−3が接続されるので、第1及び第2連結
要素R2,C3及びS2,S3が連結されて変速用複式
遊星歯車装置17が一体化され、キャリヤC2と出力軸
18が第3変速段のギヤ比1.619で正転駆動され
る。
【0081】前進第4変速段の場合、第1制御クラッチ
C−1が接続されて、第1連結要素R2,C3が入力軸
15と同一回転数で回転される。リングギヤR1に入力
された入力軸15の回転は、第4、第5クラッチC−
4,C−5の接続により一体化された減速用遊星歯車装
置16を介してリングギヤR3に伝達される。第3制御
クラッチC−3が接続されるので、変速用複式遊星歯車
装置17は一体回転され、キャリヤC2、出力軸18は
第4変速段のギヤ比1.000で正転駆動される。
【0082】第5制御クラッチC−5に換えて第2制御
クラッチC−2を接続しても前進第4変速段を得ること
ができる。第1制御クラッチC−1が接続されて第1連
結要素R2,C3が入力軸15と同一回転数で回転され
る。第2、第3制御クラッチC−2,C−3が接続され
るので、第1及び第2連結要素R2,C3及びS2,S
3が連結されて変速用複式遊星歯車装置17が一体化さ
れ、キャリヤC2と出力軸18がギヤ比1.000で正
転駆動される。この場合、第4制御クラッチC−4を接
続してキャリヤC1をリングギヤR3に接続し、減速用
遊星歯車装置16を入力軸15と同一回転数で回転す
る。又は、第4制御ブレーキB−1を作動し、第4制御
クラッチC−4を切った状態でキャリヤC1を減速回転
させてもよい。
【0083】前進第5変速段の場合、第4制御ブレーキ
B−1が作動されるので、サンギヤS1が回転を規制さ
れて減速用遊星歯車装置16はキャリヤC1を減速回転
する。この減速回転は第4制御クラッチC−4を介して
第1要素であるリングギヤR3に伝達される。第1制御
クラッチC−1が接続されて第1連結要素R2,C3が
入力軸15と同一回転数で回転される。第3制御クラッ
チC−3が接続されてサンギヤS2,S3は連結される
ので、第3要素のキャリヤC2は、入力軸15の回転と
第2連結要素S2,S3の増速回転とに基づいて第5変
速段のギヤ比0.835で正転駆動される。
【0084】前進第6変速段の場合、第1制御クラッチ
C−1が接続されて第1連結要素R2,C3が入力軸1
5と同一回転数で回転され、第3制御クラッチC−3が
接続されてサンギヤS2,S3が連結される。第1要素
であるリングギヤR3が第5制御クラッチC−5を介し
て第4制御ブレーキB−1の作動により回転を規制され
るので、第1連結要素R2,C3に伝達された入力軸1
5の回転は、リングギヤR3により反力を支持され、第
2連結要素S2,S3を介してキャリヤC2に増速して
伝達され、出力軸18を第6変速段のギヤ比0.659
で正転駆動する。このとき、第1要素であるリングギヤ
R3の回転は第1回転規制手段25としての第4制御ブ
レーキB−1及び第5制御クラッチC−5により規制さ
れている。そして、開放状態生成手段26としての第4
制御クラッチC−4は切られているので、キャリヤC1
はリングギヤR3と切離され、歯車減速装置19を構成
する減速用遊星歯車装置16から第1要素であるリング
ギヤR3に動力伝達が行われない開放状態になる。
【0085】後退第1変速段の場合、ワンウエイクラッ
チF−1によりサンギヤS1が回転を規制されて減速用
遊星歯車装置16はキャリヤC1を減速回転する。この
減速回転は第4制御クラッチC−4を介してリングギヤ
R3に伝達され、第1制御ブレーキB−3により回転を
規制された第1連結要素R2,C3に反力を支持されて
サンギヤS3を逆転し、ワンウエイクラッチF−2を介
してサンギヤS2を逆転してキャリヤC2と出力軸18
を後退第1変速段のギヤ比3.130で逆転駆動する。
【0086】後退第2変速段の場合、第4、第5制御ク
ラッチC−4,C−5が接続されて減速用遊星歯車装置
16は一体化され、リングギヤR1に入力された入力軸
15の回転は、キャリヤC1に第4制御クラッチC−4
により連結されたリングギヤR3に伝達され、第1制御
ブレーキB−3により回転を規制された第1連結要素R
2,C3に反力を支持されてサンギヤS3を逆転し、ワ
ンウエイクラッチF−2を介してサンギヤS2を逆転し
てキャリヤC2と出力軸18を後退第2変速段のギヤ比
1.933で逆転駆動する。
【0087】第9実施形態では、減速用遊星歯車装置1
6のキャリヤC1と第1要素であるリングギヤR3との
間に連結された第4制御クラッチC−4により、第1要
素の回転が規制されたとき、歯車減速装置19から第1
要素に動力伝達が行われない開放状態を生成する開放状
態生成手段26を構成しているが、第10実施形態にお
いては、減速用遊星歯車装置16のリングギヤR1と入
力軸15との間に連結された第4制御クラッチC−4に
より、第1要素の回転が規制されたとき、歯車減速装置
19から第1要素に動力伝達が行われない開放状態を生
成する開放状態生成手段26を構成している。この開放
状態生成手段26以外の構成は、第9実施形態と同一で
あるので、図20に同一部品に同一参照番号を付して詳
細な説明を省略する。第10実施形態における各制御ク
ラッチ、制御ブレーキの作動状態及び速度線図は、第9
実施形態と同じである。
【0088】開放状態生成手段26が作動する前進第6
変速段において、第1制御クラッチC−1が接続されて
第1連結要素R2,C3が入力軸15と同一回転数で回
転され、第3制御クラッチC−3が接続されてサンギヤ
S2,S3が連結される。第1要素であるリングギヤR
3が第5制御クラッチC−5を介して第4制御ブレーキ
B−1の作動により回転を規制されるので、第1連結要
素R2,C3に伝達された入力軸15の回転は、リング
ギヤR3により反力を支持され、第2連結要素S2,S
3を介してキャリヤC2に増速して伝達され、出力軸1
8を第6変速段のギヤ比0.659で正転駆動する。こ
のとき、第1要素であるリングギヤR3の回転は第1回
転規制手段25としての第4制御ブレーキB−1及び第
5制御クラッチC−5により規制されている。そして、
開放状態生成手段26としての第4制御クラッチC−4
は切られているので、キャリヤC1はリングギヤR3と
切離され、歯車減速装置19を構成する減速用遊星歯車
装置16から第1要素であるリングギヤR3に動力伝達
が行われない開放状態になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る自動変速装置の第1実施形態を
示すスケルトン図である。
【図2】 第1実施形態の各速度段における制御ブレー
キ及び制御クラッチの作動状態を示す図である。
【図3】 第1実施形態の各速度段における遊星歯車装
置の各要素の回転比を示す速度線図である。
【図4】 第2実施形態を示すスケルトン図である。
【図5】 第2実施形態の各速度段における制御ブレー
キ及び制御クラッチの作動状態を示す図である。
【図6】 第3実施形態を示すスケルトン図である。
【図7】 第3実施形態の各速度段における制御ブレー
キ及び制御クラッチの作動状態を示す図である。
【図8】 第3実施形態の各速度段における遊星歯車装
置の各要素の回転比を示す速度線図である。
【図9】 第4実施形態を示すスケルトン図である。
【図10】 第4実施形態の各速度段における制御ブレ
ーキ及び制御クラッチの作動状態を示す図である。
【図11】 第5実施形態を示すスケルトン図である。
【図12】 第6実施形態を示すスケルトン図である。
【図13】 第7実施形態を示すスケルトン図である。
【図14】 第8実施形態を示すスケルトン図である。
【図15】 第8実施形態の各速度段における制御ブレ
ーキ及び制御クラッチの作動状態を示す図である。
【図16】 第8実施形態の各速度段における遊星歯車
装置の各要素の回転比を示す速度線図である。
【図17】 第9実施形態を示すスケルトン図である。
【図18】 第9実施形態の各速度段における制御ブレ
ーキ及び制御クラッチの作動状態を示す図である。
【図19】 第9実施形態の各速度段における遊星歯車
装置の各要素の回転比を示す速度線図である。
【図20】 第10実施形態を示すスケルトン図であ
る。
【符号の説明】
10・・・自動変速機、11・・・流体トルクコンバー
タ、12・・・トランスミッションケース、13・・・
共通軸線、15,36・・・入力軸、16・・・減速用
遊星歯車装置、17,41・・・変速用複式遊星歯車装
置、18・・・出力軸、19・・・歯車減速装置、20
・・・第2回転規制手段、22,42・・・第1遊星歯
車機構、23,43・・・第2遊星歯車機構、25・・
・第1回転規制手段、26・・・開放状態生成手段、3
5・・・減速用歯車列、S1,S2,S3・・・サンギ
ヤ、C1,C2,C3・・・キャリヤ、R1,R2,R
3・・・リングギヤ、R2,C3・・・第1連結要素、
S2,S3(C2,R3)・・・第2連結要素、C−
1,C−2,C−3,C−4,C−5・・・第1、第
2、第3、第4、第5制御クラッチ、B−1,B−2,
B−3,B−4,B−5・・・第1、第2、第3、第
4、第5制御ブレーキ、F−1,F−2・・・ワンウエ
イクラッチ。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年3月2日(2001.3.2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 自動変速機
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力軸に連結され
た変速用複式遊星歯車装置の各要素に連結された制御ク
ラッチ及び制御ブレーキを係脱して前記入力軸の回転を
複数段に変速して出力軸に伝達する自動変速機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】入力軸に連結されたリングギヤ、制御ブ
レーキにより選択的に回転を規制されるサンギヤ、リン
グギヤとサンギヤに噛合するピニオンを支承するキャリ
ヤを有する減速用遊星歯車装置を設け、第1遊星歯車機
構のリングギヤと第2遊星歯車機構のキャリヤとを連結
し、第1、第2遊星歯車機構のサンギヤを第3制御クラ
ッチにより係脱可能に連結し、第2遊星歯車機構のキャ
リヤとサンギヤとを第2制御クラッチにより係脱可能に
連結した変速用複式遊星歯車装置を設け、第1遊星歯車
機構のリングギヤに入力軸を第1制御クラッチにより係
脱可能に連結し、第2遊星歯車機構のリングギヤに減速
用遊星歯車装置のキャリヤを連結し、第1遊星歯車機構
のキャリヤを出力軸に連結し、第2遊星歯車機構のキャ
リヤの回転を第1制御ブレーキにより選択的に規制し、
第1遊星歯車機構のサンギヤの回転を第2ブレーキによ
り選択的に規制して前進5段、後退1段のギヤ比を成立
する自動変速機が特開平10−30688号公報に開示
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の自動変速機
は、前進5段、後退1段の間でギヤ比を切り換えること
が可能である。しかし、近年は燃費及び動力伝達性能向
上を図るため、或いは運転者の嗜好にマッチしたギヤ比
を得るために、適切に離間した前進6段のギヤ比を成立
することができる自動変速機が求められている。
【0004】本発明は係る要望に応えるためになされた
もので、適切に離間した前進6段のギヤ比を得ることが
できる自動変速機を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、入力軸に
連結され該入力軸の回転より回転数が小さい減速回転を
減速回転出力部材に生成する歯車減速装置を設け、3個
の基本要素で夫々構成される第1、第2遊星歯車機構の
各1個の基本要素を連結して構成された第1連結要素
と、各1個の他の基本要素を第3制御クラッチで係脱可
能に連結して構成された第2連結要素と、残り2個の基
本要素を速度線図においてギヤ比に対応した間隔で順次
並べて並び順に第1、第2、第3及び第4要素とした変
速用複式遊星歯車装置を設け、前記第1要素である前記
第2遊星歯車機構の基本要素を前記歯車減速装置の減速
回転出力部材に連結し、前記第2要素である前記第1連
結要素を第1制御クラッチにより入力軸に係脱可能に連
結し、前記第3要素を出力軸に連結し、前記第2遊星歯
車機構の3個の基本要素内2つの基本要素を第2制御ク
ラッチにより係脱可能に連結し、前記第2要素の回転を
第1制御ブレーキにより選択的に規制し、前記第4要素
を構成する前記第1遊星歯車機構の基本要素の回転を第
2制御ブレーキにより選択的に規制し、前記第1要素の
回転を第1回転規制手段により選択的に規制し、前記第
1要素の回転が規制されたとき前記歯車減速装置から前
記第1要素に動力伝達が行われない開放状態を生成する
開放状態生成手段を設けたことである。
【0006】請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請
求項1に記載の自動変速機において、入力軸に連結され
たリングギヤ、第2回転規制手段により回転を選択的に
規制されるサンギヤ、前記リングギヤとサンギヤとに噛
合するピニオンを支承するキャリヤからなる減速用遊星
歯車装置で前記歯車減速装置を構成し、前記キャリヤを
前記減速回転出力部材として前記変速用複式遊星歯車装
置の第1要素に連結し、前記第2回転規制手段を前記サ
ンギヤに連結された第4制御ブレーキと前記サンギヤに
ワンウエイクラッチを介して連結された第5制御ブレー
キとの並列経路又は前記サンギヤに連結された第4制御
ブレーキで構成し、前記第2回転規制手段により前記開
放状態生成手段を構成したことである。
【0007】請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請
求項1に記載の自動変速機において、前記歯車減速装置
の前記減速回転出力部材を前記変速用複式遊星歯車装置
の第1要素に第4制御クラッチにより係脱可能に連結
し、該第4制御クラッチで前記開放状態生成手段を構成
したことである。
【0008】請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請
求項1に記載の自動変速機において、入力軸に連結され
たリングギヤ、ミッションケースに直接又は制御ブレー
キとワンウエイクラッチとの並列経路を介して連結され
て回転を規制されるサンギヤ、前記リングギヤとサンギ
ヤとに噛合するピニオンを支承するキャリヤからなる減
速用遊星歯車装置で前記歯車減速装置を構成し、前記減
速回転出力部材である前記キャリヤを前記変速用複式遊
星歯車装置の第1要素に第4制御クラッチにより係脱可
能に連結し、前記第4制御クラッチで前記開放状態生成
手段を構成したことである。
【0009】請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請
求項1に記載の自動変速機において、入力軸に固定され
た大径及び小径歯車と、前記変速用複式遊星歯車装置と
同心に回転可能に支承され前記大径及び小径歯車と噛合
する第1及び第2歯車とからなる減速用歯車列で前記歯
車減速装置を構成し、前記減速回転出力部材である前記
第2歯車を前記変速用複式遊星歯車装置の第1要素に第
4制御クラッチにより係脱可能に連結し、前記第4制御
クラッチで前記開放状態生成手段を構成したことであ
る。
【0010】請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請
求項1に記載の自動変速機において、入力軸に第4制御
クラッチにより係脱可能に連結されたリングギヤ、ミッ
ションケースに直接又は制御ブレーキとワンウエイクラ
ッチとの並列経路を介して連結されて回転を規制される
サンギヤ、前記リングギヤとサンギヤとに噛合するピニ
オンを支承するキャリヤからなる減速用遊星歯車装置で
前記歯車減速装置を構成し、前記減速回転出力部材であ
る前記キャリヤを前記変速用複式遊星歯車装置の第1要
素に連結し、前記第4制御クラッチで前記開放状態生成
手段を構成したことである。
【0011】請求項7に係る発明の構成上の特徴は、請
求項1に記載の自動変速機において、入力軸に連結され
たリングギヤ、サンギヤ、前記リングギヤとサンギヤと
に噛合するピニオンを支承するキャリヤからなる減速用
遊星歯車装置で前記歯車減速装置を構成し、前記減速回
転出力部材である前記キャリヤを前記変速用複式遊星歯
車装置の第1要素に第4制御クラッチにより係脱可能に
連結し、前記サンギヤの回転を選択的に規制する制御ブ
レーキを前記第1要素に第5制御クラッチにより係脱可
能に連結して前記第1回転規制手段を構成し、前記第4
制御クラッチで前記開放状態生成手段を構成したことで
ある。
【0012】請求項8に係る発明の構成上の特徴は、請
求項1に記載の自動変速機において、入力軸に第4クラ
ッチにより係脱可能に連結されたリングギヤ、サンギ
ヤ、前記リングギヤとサンギヤとに噛合するピニオンを
支承するキャリヤからなる減速用遊星歯車装置で前記歯
車減速装置を構成し、前記減速回転出力部材である前記
キャリヤを前記変速用複式遊星歯車装置の第1要素に連
結し、前記サンギヤの回転を選択的に規制する制御ブレ
ーキを前記第1要素に第5制御クラッチにより係脱可能
に連結して前記第1回転規制手段を構成し、前記第4制
御クラッチで前記開放状態生成手段を構成したことであ
る。
【0013】請求項9に係る発明の構成上の特徴は、請
求項1乃至請求項8のいずれかに記載の自動変速機にお
いて、前記変速用複式変速装置の第1、第2遊星歯車機
構をシングルピニオン型とし、前記第2遊星歯車機構の
リングギヤを前記第1要素とし、第1遊星歯車機構のリ
ングギヤと第2遊星歯車機構のキャリヤとを連結して前
記第2要素とし、前記第1遊星歯車機構のキャリヤを前
記第3要素とし、第1、第2遊星歯車機構のサンギヤを
前記第3制御クラッチで係脱可能に連結して前記第4要
素としたことである。
【0014】請求項10に係る発明の構成上の特徴は、
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の自動変速機に
おいて、前記変速用複式変速装置の第1、第2遊星歯車
機構をシングルピニオン型とし、前記第2遊星歯車機構
のサンギヤを前記第1要素とし、第1遊星歯車機構のリ
ングギヤと第2遊星歯車機構のキャリヤとを連結して前
記第2要素とし、前記第1遊星歯車機構のキャリヤと第
2遊星歯車機構のリングギヤとを前記第3制御クラッチ
で係脱可能に連結して前記第3要素とし、前記第1遊星
歯車機構のサンギヤを前記第4要素としたことである。
【0015】
【発明の作用・効果】上記のように構成した請求項1に
係る発明においては、入力軸に連結され該入力軸の回転
より回転数が小さい減速回転を生成する歯車減速装置を
設け、変速用複式遊星歯車装置の第1要素である第2遊
星歯車機構の基本要素に歯車減速装置の減速回転を伝達
し、第2要素である第1、第2遊星歯車機構の各1個の
基本要素を連結して構成された第1連結要素に入力軸の
回転を第1制御クラッチにより選択的に伝達し、第3要
素を出力軸に連結し、第2遊星歯車機構の3個の基本要
素の内2つの基本要素を第2制御クラッチにより選択的
に連結し、第2要素の回転を第1制御ブレーキにより選
択的に規制し、第4要素である第1遊星歯車機構の基本
要素の回転を第2制御ブレーキにより選択的に規制し、
第1要素の回転を第1回転規制手段により選択的に規制
し、第1要素の回転が規制されたとき、歯車減速装置か
ら第1要素に動力が伝達されないようにしたので、従来
の自動変速機に最小限の変更を加えるだけで、入力軸の
回転を適切に離間した前進6段のギヤ比で変速して出力
軸に伝達することができる自動変速機を提供することが
できる。さらに、高速段側のギヤ比を更に密にすること
ができるので、車速の高速度域でエンジン性能を最適に
引き出すことができ、且つギヤチェンジ時のギヤ比の変
化延いては出力トルクの変化が小さくなり、良好なフィ
ーリングを得ることができる。
【0016】上記のように構成した請求項2に係る発明
においては、変速用複式遊星歯車装置の第1要素の回転
が規制されないとき、入力軸に連結された減速用遊星歯
車装置のサンギヤの回転を規制してキャリヤから第1要
素に減速回転を伝達し、第1要素の回転が規制されたと
き、サンギヤの回転を許容してキャリヤから第1要素に
動力伝達が行われないようにしたので、請求項1に記載
した発明の効果に加え、従来の自動変速機に変速用複式
遊星歯車装置の第1要素の回転を選択的に規制する第1
回転規制手段を追加するだけで、前進6段、後退1段の
ギヤ比で変速して出力軸に伝達することができるコンパ
クトな自動変速機を得ることができる。
【0017】上記のように構成した請求項3に係る発明
においては、歯車減速装置の減速回転出力部材を変速用
複式遊星歯車装置の第1要素に第4制御クラッチにより
係脱可能に連結し、変速用複式遊星歯車装置の第1要素
の回転が規制されないとき、第4制御クラッチを接続し
て減速回転出力部材の減速回転を第1要素に伝達し、第
1要素の回転が第1回転規制手段により規制されたと
き、第4制御クラッチを切って減速回転出力部材から第
1要素に動力伝達が行われないようにしたので、請求項
1に記載した発明の効果に加え、従来の自動変速機に第
1回転規制手段と第4制御クラッチを追加するだけで、
入力軸の回転を適切に離間した前進6段、後退1段のギ
ヤ比で変速して出力軸に伝達することができるコンパク
トな自動変速機を得ることができる。
【0018】上記のように構成した請求項4に係る発明
においては、減速用遊星歯車装置のキャリヤを変速用複
式遊星歯車装置の第1要素に第4制御クラッチにより係
脱可能に連結し、変速用複式遊星歯車装置の第1要素の
回転が規制されないとき、第4制御クラッチを接続して
キャリヤの減速回転を第1要素に伝達し、第1要素の回
転が第1回転規制手段により規制されたとき、第4制御
クラッチを切ってキャリヤから第1要素に動力伝達が行
われないようにしたので、請求項1に記載した発明の効
果に加え、従来の自動変速機に第1回転規制手段と第4
制御クラッチを追加するだけで、入力軸の回転を適切に
離間した前進6段、後退1段のギヤ比で変速して出力軸
に伝達することができる構造が簡単でコンパクトな自動
変速機を得ることができる。
【0019】上記のように構成した請求項5に係る発明
においては、入力軸に固定された大径及び小径歯車と、
該大径及び小径歯車と噛合する第1及び第2歯車とから
なる減速用歯車列の第2歯車を変速用複式遊星歯車装置
の第1要素に第4制御クラッチにより係脱可能に連結
し、変速用複式遊星歯車装置の第1要素の回転が規制さ
れないとき、第4制御クラッチを接続して第2歯車の減
速回転を第1要素に伝達し、第1要素の回転が第1回転
規制手段により規制されたとき、第4制御クラッチを切
って第2歯車から第1要素に動力伝達が行われないよう
にしたので、請求項1に記載した発明の効果に加え、従
来の自動変速機の減速用遊星歯車装置を簡単な減速用歯
車列に変換し、第1回転規制手段と第4制御クラッチを
追加するだけで、入力軸の回転を適切に離間した前進6
段、後退1段のギヤ比で変速して出力軸に伝達すること
ができる構造が簡単でコンパクトな自動変速機を得るこ
とができる。
【0020】上記のように構成した請求項6に係る発明
においては、減速用遊星歯車装置のキャリヤを変速用複
式遊星歯車装置の第1要素に連結し、変速用複式遊星歯
車装置の第1要素の回転が規制されないとき、第4制御
クラッチを接続して入力軸を減速用遊星歯車装置のリン
グギヤに連結してキャリヤを減速回転させ、このキャリ
ヤの減速回転を第1要素に伝達し、第1要素の回転が第
1回転規制手段により規制されたとき、第4制御クラッ
チを切ってキャリヤから第1要素に動力伝達が行われな
いようにしたので、請求項1に記載の発明の効果に加
え、従来の自動変速機に第1回転規制手段と第4制御ク
ラッチを追加するだけで、入力軸の回転を適切に離間し
た前進6段、後退1段のギヤ比で変速して出力軸に伝達
することができるコンパクトな自動変速機を得ることが
できる。
【0021】上記のように構成した請求項7に係る発明
においては、変速用複式遊星歯車装置の第1要素を、減
速用遊星歯車装置のサンギヤの回転を選択的に規制する
制御ブレーキに第5制御クラッチを介して連結するとと
もに、キャリヤに第4制御クラッチを介して連結し、変
速用複式遊星歯車装置の第1要素の回転が規制されない
とき、第4制御クラッチを接続してキャリヤの減速回転
を第1要素に伝達し、第5制御クラッチが接続されて第
1要素の回転が規制されたとき、第4制御クラッチを切
ってキャリヤから第1要素に動力伝達が行われないよう
にしたので、従来の自動変速機に第4、第5制御クラッ
チを追加するだけで、入力軸の回転を適切に離間した前
進6段、後退1段のギヤ比で変速して出力軸に伝達する
ことができるコンパクトな自動変速機を得ることができ
る。
【0022】上記のように構成した請求項8に係る発明
においては、変速用複式遊星歯車装置の第1要素を減速
用遊星歯車装置のキャリヤに連結するとともに、サンギ
ヤの回転を選択的に規制する制御ブレーキに第5制御ク
ラッチを介して連結し、減速用遊星歯車装置のリングギ
ヤを第4制御クラッチを介して入力軸に連結し、変速用
複式遊星歯車装置の第1要素の回転が規制されないと
き、第4制御クラッチを接続して入力軸を減速用遊星歯
車装置のリングギヤに連結してキャリヤを減速回転さ
せ、このキャリヤの減速回転を第1要素に伝達し、第5
制御クラッチを接続して第1要素の回転が規制されたと
き、第4制御クラッチを切ってキャリヤから第1要素に
動力伝達が行われないようにしたので、請求項1に記載
の発明の効果に加え、従来の自動変速機に第4、第5制
御クラッチを追加するだけで、入力軸の回転を適切に離
間した前進6段、後退1段のギヤ比で変速して出力軸に
伝達することができるコンパクトな自動変速機を得るこ
とができる。
【0023】上記のように構成した請求項9に係る発明
においては、第2遊星歯車機構のリングギヤを第1要素
とし、第1遊星歯車機構のリングギヤと第2遊星歯車機
構のキャリヤとを連結して第2要素とし、第1遊星歯車
機構のキャリヤを第3要素とし、第1、第2遊星歯車機
構のサンギヤを第3制御クラッチで係脱可能に連結して
第4要素として変速用遊星歯車装置を構成したので、従
来の自動変速機に最小限の変更を加えるだけで、入力軸
の回転を適切に離間した前進6段のギヤ比で変速して出
力軸に伝達することができる構造簡単でコンパクトな自
動変速機を得ることができる。
【0024】上記のように構成した請求項10に係る発
明においては、第2遊星歯車機構のサンギヤを第1要素
とし、第1遊星歯車機構のリングギヤと第2遊星歯車機
構のキャリヤとを連結して第2要素とし、第1遊星歯車
機構のキャリヤを出力軸に連結するとともに、第2遊星
歯車機構のリングギヤに第3制御クラッチで係脱可能に
連結して第3要素とし、前記第1遊星歯車機構のサンギ
ヤを前記第4要素として変速用複式遊星歯車装置を構成
したので、従来の自動変速機の変速用複式遊星歯車装置
を他の構成にし、最小限の変更を加えるだけで、入力軸
の回転を適切に離間した前進6段のギヤ比で変速して出
力軸に伝達することができる構造簡単でコンパクトな自
動変速機を得ることができる。
【0025】
【実施の形態】以下、図面に基づいて本発明に係る自動
変速機の第1の実施形態について説明する。図1におい
て、10は本発明に係る自動変速機で、例えば自動車の
エンジンにより回転駆動される流体トルクコンバータ1
1の出力回転を変速して駆動輪に伝達するために使用さ
れる。自動変速機10は、車体に取り付けられたトラン
スミッションケース12内に共通軸線13上に順次支承
された入力軸15、減速用遊星歯車装置16、変速用複
式遊星歯車装置17及び出力軸18で構成されている。
減速用遊星歯車装置16は、共通軸線13上に回転可能
に支承されたサンギヤS1、サンギヤS1と噛合するピ
ニオン21、このピニオン21を回転可能に支承し共通
軸線13上に回転可能に支承されたキャリヤC1、ピニ
オン21と噛合し共通軸線13上に回転可能に支承され
たリングギヤR1から構成されている。入力軸15はリ
ングギヤR1に連結されている。サンギヤS1は、ミッ
ションケース12に設けられた第4制御ブレーキB−1
に連結され、第4制御ブレーキB−1の作動により回転
規制されてキャリヤC1を入力軸15の回転より小さい
減速回転で回転させ、回転規制を解除されてキャリヤC
1に動力を伝達しないようにしている。
【0026】変速用複式遊星歯車装置17は、共通軸線
13上に回転可能に支承されたサンギヤ、リングギヤ、
サンギヤとリングギヤとに噛合するピニオンを支承する
キャリヤの3個の基本要素で構成されるシングルピニオ
ン型の第1遊星歯車機構22のリングギヤR2とシング
ルピニオン型の第2遊星歯車機構23のキャリヤC3と
を連結して第1連結要素R2,C3を構成し、第1、第
2遊星歯車機構22,23のサンギヤS2,S3を第3
制御クラッチC−3により係脱可能に連結して第2連結
要素S2,S3を構成し、第2遊星歯車機構23のキャ
リヤC3とサンギヤS3とを第2制御クラッチC−2に
より係脱可能に連結して構成されている。サンギヤS
2,S3の間にはワンウエイクラッチF−2が介在さ
れ、サンギヤS3がサンギヤS2に対して逆転すること
を規制している。
【0027】第1連結要素R2,C3は、入力軸15に
第1制御クラッチC−1により係脱可能に連結されると
ともに、ミッションケース12に設けられた第1制御ブ
レーキB−3に連結されている。第1遊星歯車機構22
のキャリヤC2は出力軸18に連結され、サンギヤS2
は第2制御ブレーキB−4に連結されている。第2遊星
歯車機構23のリングギヤR3は減速用遊星歯車装置1
6のキャリヤC1に連結されるとともに、第3制御ブレ
ーキB−2に連結されている。
【0028】減速用遊星歯車装置16及び第4制御ブレ
ーキB−1は、入力軸15に連結され入力軸15の回転
より回転数が小さい減速回転を減速回転出力部材として
のキャリヤC1に生成する歯車減速装置19を構成す
る。第3制御ブレーキB−2は、第1要素である第2遊
星歯車機構23のリングギヤR3の回転を選択的に規制
する第1回転規制手段25を構成する。第2回転規制手
段20を構成する第4制御ブレーキB−1は、減速用遊
星歯車装置16のサンギヤS1に連結されて歯車減速装
置19を構成するとともに、第1要素であるリングギヤ
R3の回転が第3制御ブレーキB−2により規制された
とき、サンギヤS1の回転規制を解除して減速用遊星歯
車装置16からリングギヤR3に動力伝達が行われない
開放状態を生成する開放状態生成手段26を構成する。
【0029】なお、流体トルクコンバータ11のポンプ
インペラ30は図略のエンジンによって回転駆動されて
オイルを送り出し、ステータ31がオイルの反力を受け
止めてトルクをタービン32に発生するようになってい
る。入力軸15はタービン32に連結されている。33
はポンプインペラ30とタービン32とを直結するロッ
クアップクラッチである。
【0030】以上のように構成された自動変速機10
は、第1、第2、第3制御クラッチC−1,C−2,C
−3を選択的に係脱し、第1、第2、第3、第4制御ブ
レーキB−3,B−4,B−2,B−1を選択的に作動
して減速用、変速用遊星歯車装置16,17の要素の回
転を規制することにより、前進6段、後退1段のギヤ比
を成立することができる。図2において、各速度段に対
応する各制御クラッチ、制御ブレーキの欄に黒丸が付さ
れている場合、制御クラッチであれば接続状態、制御ブ
レーキであれば回転規制状態にあることを示す。また、
図2には、減速用遊星歯車装置16のギヤ比λ1が0.
619、変速用複式遊星歯車装置17の第1遊星歯車機
構22のギヤ比λ2が0.488、第2遊星歯車機構2
3のギヤ比λ3が0.634である場合における各変速
段におけるギヤ比(入力軸15の回転数/出力軸18の
回転数)及び変速段が1段アップしたときのギヤ比の増
加割合(当速度段のギヤ比/前速度段のギヤ比)が示さ
れている。
【0031】シングルピニオン型の遊星歯車機構におい
ては、サンギヤの回転数Ns、キャリヤの回転数Nc、
リングギヤの回転数Nrと遊星歯車機構のギヤ比λとの
関係は、Nr=(1+λ)Nc−λNs で示され、各
変速段におけるギヤ比は、この式に基づいて算出され
る。 サンギヤS1,S2、S3,の歯数をZs1,Z
s2,Zs3、リングギヤR1,R2、R3の歯数をZ
r1,Zr2,Zr3とすると、減速用遊星歯車装置1
6及び変速用複式遊星歯車装置17の第1、第2遊星歯
車機構22,23のギヤ比はλ1=Zs1/Zr1,λ
2=Zs2/Zr2,λ3=Zs3/Zr3である。
【0032】第1、第2、第3制御クラッチC−1,C
−2,C−3を選択的に接続するとともに、第1、第
2、第3、第4制御ブレーキB−3,B−4,B−2,
B−1を選択的に作動したとき、減速用遊星歯車装置1
6及び変速用複式遊星歯車装置17の各要素の速度比
は、図3に示す速度線図のようになる。速度線図は、遊
星歯車装置のサンギヤ、キャリヤ、リングギヤからなる
各要素を横軸方向にギヤ比に対応させた間隔で配置し、
縦軸方向に各要素に対応してその速度比をとったもので
ある。図3には、減速用遊星歯車装置16及び変速用複
式遊星歯車装置17の速度線図が左右に並べて記載され
ている。減速用遊星歯車装置16では、S1、C1、R
1がそれぞれ付された各1本の縦線上に、サンギヤS
1、キャリヤC1、リングギヤR1の速度比を表す。シ
ングルピニオン型の減速用遊星歯車装置16について
は、キャリヤC1の縦線とサンギヤS1の縦線との間隔
aを1とみなし、リングギヤR1の縦線をキャリヤC1
の縦線からサンギヤS1の縦線の反対側に間隔a×λ1
だけ離して配置する。
【0033】変速用複式遊星歯車装置17を構成する第
1、第2遊星歯車機構22,23では、第1遊星歯車機
構22のリングギヤR2と第2遊星歯車機構23のキャ
リヤC3とが連結され、第1、第2遊星歯車機構22,
23のサンギヤS2,S3が第3制御クラッチC−3で
連結されるので、R2,C3及びS2,S3がそれぞれ
付された各1本の縦線上に第1連結要素R2,C3、第
2連結要素S2,S3の速度比を表し、R3、C2が付
された各1本の縦線上に第2遊星歯車機構23のリング
ギヤR3、第1遊星歯車機構22のキャリヤC2の速度
比を表す。シングルピニオン型の第1遊星歯車機構22
については、リングギヤR2の縦線とサンギヤS2の縦
線との間隔bを1+λ2とみなし、キャリヤC2の縦線
をサンギヤS2の縦線からリングギヤR2の縦線と同じ
側に間隔b/(1+λ2)だけ離して配置する。シング
ルピニオン型の第2遊星歯車機構23については、キャ
リヤC3の縦線とサンギヤS3の縦線との間隔bを1と
みなし、リングギヤR3の縦線をキャリヤC3の縦線か
らサンギヤS3の縦線の反対側に間隔b×λ3だけ離し
て配置する。速度線図には、第1制御クラッチC−1、
第1、第2、第3、第4制御ブレーキB−3,B−4,
B−2,B−1が選択的に作動された点にC−1、B−
1〜B−4が記入されている。
【0034】このように作成された変速用複式遊星歯車
装置17の速度線図において、4本の各縦線に対応する
要素を縦線の並び順に第1、第2、第3、第4要素とす
る。第1実施形態の場合、第1要素である第2遊星歯車
機構23のリングギヤR3は、減速用遊星歯車装置16
のキャリヤC1に連結されるとともに第3制御ブレーキ
B−2に連結され、第2要素である第1連結要素R2,
C3は、第1制御クラッチC−1により入力軸15に係
脱可能に連結されるとともに、第1制御ブレーキB−3
に連結され、第3要素である第1遊星歯車機構22のキ
ャリヤC2は出力軸18に連結され、第4要素である第
2連結要素S2,S3を構成する第1遊星歯車機構のサ
ンギヤS2は第2制御ブレーキB−4に連結されてい
る。
【0035】以下、各変速段の作動について説明する。
前進第1変速段の場合、第4制御ブレーキB−1が作動
されるので、サンギヤS1が回転を規制されて減速用遊
星歯車装置16は、入力軸15の回転より回転数の小さ
い減速回転をキャリヤC1に生成する。この減速回転は
第1要素であるリングギヤR3に伝達され、第2制御ブ
レーキB−4及びワンウェイクラッチF−2により回転
を規制されたサンギヤS2,S3に反力を支持されて第
1連結要素R2,C3を介して第3要素であるキャリヤ
C2に伝達され、出力軸18を第1変速段のギヤ比3.
936で正転駆動する。
【0036】前進第2変速段の場合、第4制御ブレーキ
B−1が作動されるので、サンギヤS1が回転を規制さ
れて減速用遊星歯車装置16は、入力軸15の回転より
回転数の小さい減速回転をキャリヤC1に生成する。こ
の減速回転は第1要素であるリングギヤR3に伝達さ
れ、第2制御クラッチC−2の接続により第2遊星歯車
機構23は一体回転されるので、第1連結要素R2,C
3も減速回転で回転され、第2制御ブレーキB−4によ
り回転規制された第2連結要素のサンギヤS2に反力を
支持されてキャリヤC2と出力軸18を第2変速段のギ
ヤ比2.409で正転駆動する。このとき、第3制御ク
ラッチC−3は切断されて第2連結要素S2,S3は分
離され、ワンウエイクラッチF−2はサンギヤS3の正
転を許容するので、サンギヤS3はリングギヤR3と一
体的に減速回転することができる。
【0037】前進第3変速段の場合、第1制御クラッチ
C−1が接続されるので、入力軸15と第1連結要素R
2,C3が接続され、第1遊星歯車機構22のリングギ
ヤR2が入力軸15と同一回転数で回転される。第2連
結要素S2,S3のサンギヤS2が回転規制されるの
で、入力軸15に入力された回転は、第1遊星歯車機構
22により減速され、キャリヤC2と出力軸18を第3
変速段のギヤ比1.488で正転駆動する。このとき、
第3制御クラッチC−3は切断されて第2連結要素S
2,S3は分離され、ワンウエイクラッチF−2はサン
ギヤS3の正転を許容し、第4制御ブレーキB−1は不
作動でリングギヤR3が接続されたキャリヤC1は回転
を拘束されないので、第2制御クラッチC−2の接続に
より一体化された第2遊星歯車機構23も入力軸15と
同一回転数で回転することができる。
【0038】前進第3変速段は、第2、第3制御クラッ
チC−2,C−3を接続し、第4制御ブレーキB-1を
作動して生成することもできる。第4制御ブレーキB−
1が作動されるので、サンギヤS1が回転を規制されて
減速用遊星歯車装置16は、入力軸15の回転より回転
数の小さい減速回転をキャリヤC1に生成し、リングギ
ヤR3に伝達する。第2、第3制御クラッチC−2,C
−3が接続されるので、第1及び第2連結要素R2,C
3及びS2,S3が連結されて変速用複式遊星歯車装置
17が一体化され、キャリヤC2と出力軸18が第3変
速段のギヤ比1.619で正転駆動される。
【0039】前進第4変速段の場合、第1制御クラッチ
C−1が接続されて第1連結要素R2,C3が入力軸1
5と同一回転数で回転される。第2、第3制御クラッチ
C−2,C−3が接続されるので、第1及び第2連結要
素R2,C3及びS2,S3が連結されて変速用複式遊
星歯車装置17が一体化され、キャリヤC2と出力軸1
8を第4変速段のギヤ比1.000で正転駆動する。
【0040】前進第5変速段の場合、第4制御ブレーキ
B−1が作動されるので、サンギヤS1が回転を規制さ
れて減速用遊星歯車装置16は、入力軸15の回転より
回転数の小さい減速回転をキャリヤC1に生成し、第1
要素であるリングギヤR3に伝達する。第1制御クラッ
チC−1が接続されて第1連結要素R2,C3が入力軸
15と同一回転数で回転される。第3制御クラッチC−
3が接続されてサンギヤS2,S3は連結されるので、
第3要素のキャリヤC2は、入力軸15の回転と第2連
結要素S2,S3の増速回転とに基づいて第5変速段の
ギヤ比0.835で正転駆動される。
【0041】前進第6変速段の場合、第1制御クラッチ
C−1が接続されて第1連結要素R2,C3が入力軸1
5と同一回転数で回転され、第3制御クラッチC−3が
接続されてサンギヤS2,S3が連結される。第3制御
ブレーキB−2が作動されて第1要素のリングギヤR3
の回転が規制されるので、第1連結要素R2,C3に伝
達された入力軸15の回転は、リングギヤR3により反
力を支持され、第2連結要素S2,S3を介してキャリ
ヤC2に増速して伝達され、出力軸18を第6変速段の
ギヤ比0.659で正転駆動する。この場合、第1要素
であるリングギヤR3の回転は第1回転規制手段25と
しての第3制御ブレーキB−2により規制されている。
このとき、開放状態生成手段26としての第4制御ブレ
ーキB−1は不作動で、サンギヤS1の回転を規制しな
いので、歯車減速装置19を構成する減速用遊星歯車装
置16から第1要素であるリングギヤR3に動力伝達が
行われない開放状態になる。
【0042】後退変速段の場合、第4制御ブレーキB−
1が作動されるので、サンギヤS1が回転を規制されて
減速用遊星歯車装置16は、入力軸15の回転より回転
数の小さい減速回転をキャリヤC1に生成する。この減
速回転は第1要素であるリングギヤR3に伝達され、第
1制御ブレーキB−3により回転を規制された第1連結
要素R2,C3に反力を支持されてサンギヤS3を逆転
し、ワンウエイクラッチF−2によりサンギヤS2を逆
転してキャリヤC2と出力軸18を後退変速段のギヤ比
3.130で逆転駆動する。
【0043】入力軸15に連結された減速用遊星歯車装
置16のリングギヤR1の回転数を1とした場合の各変
速段におけるサンギヤS1〜S3、キャリヤC1〜C
3、及びリングギヤR1〜R3の回転比を示す図3の速
度線図から明らかなように、各変速段における第3要素
であるキャリヤC2の回転比すなわちギヤ比は、適当な
間隔をもって配列し、本発明に係る自動変速機によれば
適切に離間した前進6段、後退1段のギヤ比を得ること
ができる。さらに、変速段が1段アップしたときのギヤ
比の増加割合は、図2に示すように、第1、第2変速段
の間は1.634、第2、第3変速段の間は1.61
9、第3、第4変速段の間は1.488、第4、第5変
速段の間は1.198、第5、第6変速段の間は1.2
67となり、高速段ほど概ね増加割合が小さくなり、車
速の高速度域でエンジン性能を最適に引き出すことがで
き、且つギヤチェンジ時のギヤ比の変化割合延いては出
力トルクの変化割合が小さくなり、良好なフィーリング
を得ることができる。また、最低速度段のギヤ比を最高
速度段のギヤ比で割ったスプレッドは、3.936/
0.659=5.973と十分大きいので、低速度段に
おいて加速性能を高くし、高速度段において燃費をよく
することができる。
【0044】第1実施形態においては、サンギヤS1に
連結された第4ブレーキB−1により第2回転規制手段
20を構成し、この第2回転規制手段20が、減速用遊
星歯車装置16のサンギヤS1に連結されて歯車減速装
置19を構成するとともに、第1要素であるリングギヤ
R3の回転が第3制御ブレーキB−2により規制された
とき、サンギヤS1の拘束を解除して減速用遊星歯車装
置16からリングギヤR3に動力伝達が行われない開放
状態を生成する開放状態生成手段26を構成するように
しているが、第2実施形態では、図4に示すように、サ
ンギヤS1に連結された第4制御ブレーキB−1とサン
ギヤS1にワンウエイクラッチF−1を介して連結され
た第5制御ブレーキB−5との並列経路で第2回転規制
手段20を構成し、この第2回転規制手段20が、減速
用遊星歯車装置16とともに歯車減速装置19を構成
し、且つ、第1要素の回転が規制されたとき、歯車減速
装置19から第1要素に動力伝達が行われない開放状態
を生成する開放状態生成手段26を構成している。第2
実施形態における各速度段における各制御クラッチ、制
御ブレーキの作動状態を図5に示す。サンギヤS1にワ
ンウエイクラッチF−1を介して第5制御ブレーキB−
5を連結したことにより、第2、第3変速段の間、第
4、第5変速段の間及び第5、第6変速段の間でギヤチ
ェンジする場合、第4制御ブレーキB−1を作動状態、
不作動状態の間で切り替える必要がなく、第1制御クラ
ッチC−1、第2制御クラッチC−2又は第3制御ブレ
ーキB−2の1個のみの状態を切り替えればよく、制御
クラッチ、制御ブレーキの状態切替えのタイミングにズ
レが生じるようなことがないので、変速段の切替えを円
滑に行うことができる。なお、速度線図は、第1実施形
態の場合と実質的に同じである。
【0045】第1実施形態においては、サンギヤS1に
連結された第4ブレーキB−1により第2回転規制手段
20を構成し、この第2回転規制手段20が、減速用遊
星歯車装置16のサンギヤS1に連結されて歯車減速装
置19を構成するとともに、第1要素の回転が規制され
たとき、歯車減速装置19から第1要素に動力伝達が行
われない開放状態を生成する開放状態生成手段26を構
成するようにしているが、第3実施形態においては、図
6に示すように、減速用遊星歯車装置16のサンギヤS
1とミッションケース12との間に第2回転規制手段2
0を構成する第4制御ブレーキB−1とワンウエイクラ
ッチF−1との並列経路を連結して歯車減速装置19を
構成し、減速用遊星歯車装置16のキャリヤC1と第1
要素であるリングギヤR3との間に連結された第4制御
クラッチC−4により、第1要素の回転が規制されたと
き、歯車減速装置19から第1要素に動力伝達が行われ
ない開放状態を生成する開放状態生成手段26を構成し
ている。
【0046】各速度段における各制御クラッチ、制御ブ
レーキの作動状態を図7に示す。各変速段におけるギヤ
比、及び増加割合は第1実施形態の場合と同一である。
速度線図は、図8に示すように、第1実施形態の場合と
実質的に同じである。以下、各変速段の作動について説
明する。前進第1変速段の場合、ワンウエイクラッチF
−1によりサンギヤS1が回転を規制されて減速用遊星
歯車装置16は、入力軸15の回転より回転数の小さい
減速回転をキャリヤC1に生成する。この減速回転は、
第4制御クラッチC−4を介して第1要素であるリング
ギヤR3に伝達され、第2制御ブレーキB−4及びワン
ウェイクラッチF−2により回転を規制されたサンギヤ
S2,S3に反力を支持されて第1連結要素R2,C3
を介して第3要素であるキャリヤC2に伝達され、出力
軸18を第1変速段のギヤ比3.936で正転駆動す
る。
【0047】前進第2変速段の場合、ワンウエイクラッ
チF−1によりサンギヤS1が回転を規制されて減速用
遊星歯車装置16は、減速回転をキャリヤC1に生成す
る。この減速回転はリングギヤR3に第4制御クラッチ
C−4を介して伝達され、第2制御クラッチC−2の接
続により第2遊星歯車機構23は一体回転されるので、
第1連結要素R2,C3も減速回転で回転され、第2制
御ブレーキB−4により回転規制された第2連結要素の
サンギヤS2に反力を支持されてキャリヤC2と出力軸
18を第2変速段のギヤ比2.409で正転駆動する。
このとき、第3制御クラッチC−3は切断されて第2連
結要素S2,S3は分離され、ワンウエイクラッチF−
2はサンギヤS3の正転を許容するので、サンギヤS3
はリングギヤR3と一体的に減速回転することができ
る。
【0048】前進第3変速段の場合、第1制御クラッチ
C−1が接続されるので、入力軸15と第1連結要素R
2,C3が接続され、第1遊星歯車機構22のリングギ
ヤR2が入力軸15と同一回転数で回転される。第2連
結要素S2,S3のサンギヤS2が第2制御ブレーキB
−4により回転規制されるので、入力軸15に入力され
た回転は、第1遊星歯車機構22により減速され、キャ
リヤC2と出力軸18を第3変速段のギヤ比1.488
で正転駆動する。このとき、第3制御クラッチC−3は
切断されて第2連結要素S2,S3は分離され、ワンウ
エイクラッチF−2はサンギヤS3の正転を許容し、第
4制御ブレーキB−1は不作動でリングギヤR3が接続
されたキャリヤC1は回転を拘束されないので、第2制
御クラッチC−2の接続により一体化された第2遊星歯
車機構23も入力軸15と同一回転数で回転することが
できる。前進第2段と第3段との間のギヤチェンジにお
いて、サンギヤS1を回転状態と回転規制状態との間で
切り替える必要があるが、サンギヤS1をワンウエイク
ラッチF−1を介してミッションケース12に連結した
ので、第1制御クラッチC−1を断続するだけで前進第
2段と第3段との間のギヤチェンジを円滑に行うことが
できる。
【0049】上述の制御クラッチ、制御ブレーキの作動
状態において、第4制御クラッチC−4を切って、第4
ブレーキB−1を作動しても前進第3変速段として形成
される動力経路は同じである。この場合、第4制御クラ
ッチC−4が切られてリングギヤR3とキャリヤC1と
の連結が遮断され、第2制御クラッチC−2の接続によ
り一体化された第2遊星歯車機構23が入力軸15と同
一回転数で回転することができる。
【0050】前進第3変速段は、第2、第3、第4制御
クラッチC−2,C−3,C−4を接続し、第4制御ブ
レーキB-1を作動して生成することもできる。第4制
御ブレーキB−1が作動されサンギヤS1が回転を規制
されて減速用遊星歯車装置16は、キャリヤC1に減速
回転を生成し、この減速回転は第4制御クラッチC−4
を介して第1要素のリングギヤR3に伝達される。第
2、第3制御クラッチC−2,C−3が接続されるの
で、第1及び第2連結要素R2,C3及びS2,S3が
連結されて変速用複式遊星歯車装置17が一体化され、
キャリヤC2と出力軸18が第3変速段のギヤ比1.6
19で正転駆動される。
【0051】前進第4変速段の場合、第1制御クラッチ
C−1が接続されて第1連結要素R2,C3が入力軸1
5と同一回転数で回転される。第2、第3制御クラッチ
C−2,C−3が接続されるので、第1及び第2連結要
素R2,C3及びS2,S3が連結されて変速用複式遊
星歯車装置17が一体化され、キャリヤC2と出力軸1
8を第4変速段のギヤ比1.000で正転駆動する。こ
の場合、第4制御クラッチC−4を接続してキャリヤC
1をリングギヤR3に接続し、減速用遊星歯車装置16
を入力軸15と同一回転数で回転する。又は、第4制御
ブレーキB−1を作動し、第4制御クラッチC−4を切
ってキャリヤC1をリングギヤR3との連結を遮断した
状態で減速回転させておいてもよい。
【0052】前進第5変速段の場合、第4制御ブレーキ
B−1が作動されるので、サンギヤS1が回転を規制さ
れて減速用遊星歯車装置16はキャリヤC1を減速回転
する。この減速回転は第4制御クラッチC−4を介して
第1要素であるリングギヤR3に伝達される。第1制御
クラッチC−1が接続されて第1連結要素R2,C3が
入力軸15と同一回転数で回転される。第3制御クラッ
チC−3が接続されてサンギヤS2,S3は連結される
ので、第3要素のキャリヤC2は、入力軸15の回転と
第2連結要素S2,S3の増速回転とに基づいて第5変
速段のギヤ比0.835で正転駆動される。
【0053】前進第6変速段の場合、第1制御クラッチ
C−1が接続されて第1連結要素R2,C3が入力軸1
5と同一回転数で回転され、第3制御クラッチC−3が
接続されてサンギヤS2,S3が連結される。第3制御
ブレーキB−2が作動されて第1要素であるリングギヤ
R3の回転が規制されるので、第1連結要素R2,C3
に伝達された入力軸15の回転は、リングギヤR3によ
り反力を支持され、第2連結要素S2,S3を介してキ
ャリヤC2に増速して伝達され、出力軸18を第6変速
段のギヤ比0.659で正転駆動する。このとき、第1
要素であるリングギヤR3の回転は第1回転規制手段2
5としての第3制御ブレーキB−2により規制されてい
る。そして、開放状態生成手段26としての第4制御ク
ラッチC−4は切られているので、キャリヤC1からリ
ングギヤR3に回転は伝達されず、歯車減速装置19を
構成する減速用遊星歯車装置16から第1要素であるリ
ングギヤR3に動力伝達が行われない開放状態となる。
【0054】後退変速段の場合、ワンウエイクラッチF
−1によりサンギヤS1が回転を規制されて減速用遊星
歯車装置16はキャリヤC1を減速回転する。この減速
回転は第4制御クラッチC−4を介してリングギヤR3
に伝達され、第1制御ブレーキB−3により回転を規制
された第1連結要素R2,C3に反力を支持されてサン
ギヤS3を逆転し、ワンウエイクラッチF−2を介して
サンギヤS2を逆転してキャリヤC2と出力軸18を後
退変速段のギヤ比3.130で逆転駆動する。
【0055】第3実施形態では、減速用遊星歯車装置1
6のサンギヤS1とミッションケース12との間に第2
回転規制手段20を構成する第4制御ブレーキB−1と
ワンウエイクラッチF−1との並列経路を連結して歯車
減速装置19を構成しているが、第4実施形態において
は、減速用遊星歯車装置16のサンギヤS1をミッショ
ンケース12に直接連結して歯車減速装置19を構成し
ている。第4実施形態の各速度段における各制御クラッ
チ、制御ブレーキの作動状態を図10に示す。これは第
3実施形態の各制御クラッチ、制御ブレーキの作動状態
を示す図7において、前進第3、第4変速段の中の第4
制御ブレーキB−1とワンウエイクラッチF−1のいず
れもが作動していないもの、換言すればサンギヤS1が
回転規制されていないものを取り除いたものと同じであ
るので、詳細な説明を省略する。従って、速度線図も図
8に示す第3実施形態からS1が回転規制されていない
ものを取り除いたのものと同じである。
【0056】第4実施形態では、歯車減速装置19を減
速用遊星歯車装置16で構成しているが、第5実施形態
においては、減速用歯車列で歯車減速装置19を構成し
ている。第4実施形態は、歯車減速装置19以外につい
ては、第4実施形態と同じであるので、図11に同一符
号を付けて説明を省略し、第4実施形態と異なる減速用
歯車列35及び減速用歯車列35と変速用複式遊星歯車
装置17との接続関係について説明する。自動変速機1
0のトランスミッションケース12に回転可能に軸承さ
れた入力軸36に流体トルクコンバータ11のタービン
32が連結され、この入力軸36に大径、及び小径歯車
37,38が固定されている。大径歯車37と噛合する
同径の第1歯車39が変速用複式遊星歯車装置17の軸
線13上に回転可能に支承され、小径歯車38と噛合す
る第2歯車40が軸線13上に回転可能に支承されてい
る。これにより第1歯車39は入力軸36の回転と同一
回転数の入力回転で回転し、第2歯車40は入力回転よ
り回転数が小さい減速回転で回転する。第1歯車39は
第1制御クラッチC−1を介して第1連結要素R2,C
3に連結され、第2歯車40は第4制御クラッチC−4
を介して第1要素であるリングギヤR3に連結されてい
る。第5実施形態における各制御クラッチ、制御ブレー
キの作動状態及び速度線図は、第4実施形態と同じであ
るので、説明を省略する。
【0057】第3実施形態では、減速用遊星歯車装置1
6のキャリヤC1と第1要素であるリングギヤR3との
間に連結された第4制御クラッチC−4により、第1要
素の回転が規制されたとき、歯車減速装置19から第1
要素に動力伝達が行われない開放状態を生成する開放状
態生成手段26を構成しているが、第6実施形態におい
ては、減速用遊星歯車装置16のリングギヤR1と入力
軸15との間に連結された第4制御クラッチC−4によ
り、第1要素の回転が規制されたとき、歯車減速装置1
9から第1要素に動力伝達が行われない開放状態を生成
する開放状態生成手段26を構成している。この開放状
態生成手段26以外の構成は、第3実施形態と同一であ
るので、図12に同一部品に同一参照番号を付して詳細
な説明を省略する。第6実施形態における各制御クラッ
チ、制御ブレーキの作動状態及び速度線図は、第3実施
形態と同じである。
【0058】開放状態生成手段26が作動する前進第6
変速段において、第1制御クラッチC−1が接続されて
第1連結要素R2,C3が入力軸15と同一回転数で回
転され、第3制御クラッチC−3が接続されてサンギヤ
S2,S3が連結される。第3制御ブレーキB−2が作
動されて第1要素であるリングギヤR3の回転が規制さ
れるので、第1連結要素R2,C3に伝達された入力軸
15の回転は、リングギヤR3により反力を支持され、
第2連結要素S2,S3を介してキャリヤC2に減速し
て伝達され、出力軸18を第6変速段のギヤ比0.65
9で正転駆動する。このとき、第1要素であるリングギ
ヤR3の回転は第1回転規制手段25としての第3制御
ブレーキB−2により規制されている。そして、開放状
態生成手段26としての第4制御クラッチC−4が切ら
れ、リングギヤR1に入力軸15から回転が伝達され
ず、歯車減速装置19を構成する減速用遊星歯車装置1
6から第1要素であるリングギヤR3に動力伝達が行わ
れない開放状態になる。
【0059】第6実施形態では、減速用遊星歯車装置1
6のサンギヤS1とミッションケース12との間に第2
回転規制手段20を構成する第4制御ブレーキB−1と
ワンウエイクラッチF−1との並列経路を連結して歯車
減速装置19を構成しているが、第7実施形態において
は、減速用遊星歯車装置16のサンギヤS1をミッショ
ンケース12に直接連結して歯車減速装置19を構成し
ている。第7実施形態の各速度段における各制御クラッ
チ、制御ブレーキの作動状態は図10に示す第4実施形
態の場合と同じである。
【0060】次に、第3実施形態の変速用複式遊星歯車
装置17を他の構成にした第8実施形態について説明す
る。図14において、変速用複式遊星歯車装置41は、
共通軸線13上に回転可能に支承されたサンギヤ、リン
グギヤ、サンギヤとリングギヤとに噛合するピニオンを
支承するキャリヤの3個の基本要素で構成されるシング
ルピニオン型の第1遊星歯車機構42のリングギヤR2
とシングルピニオン型の第2遊星歯車機構43のキャリ
ヤC3とを連結して第1連結要素R2,C3を構成し、
第1、第2遊星歯車機構42,43のキャリヤC2とリ
ングギヤR3を第3制御クラッチC−3により係脱可能
に連結して第2連結要素C2,R3を構成し、第2遊星
歯車機構43のサンギヤS3と第1連結要素R2,C3
とを第2制御クラッチC−2により係脱可能に連結して
構成されている。キャリヤC2とリングギヤR3との間
にはワンウエイクラッチF−2が介在され、リングギヤ
R3がキャリヤC2に対して逆転することを規制してい
る。
【0061】第1連結要素R2,C3は、入力軸15に
第1制御クラッチC−1により係脱可能に連結されると
ともに、ミッションケース12に設けられた第1制御ブ
レーキB−3に連結されている。第1遊星歯車機構42
のキャリヤC2は出力軸18に連結され、サンギヤS2
は第2制御ブレーキB−4に連結されている。第2遊星
歯車機構43のサンギヤS3は減速用遊星歯車装置16
のキャリヤC1に第4制御クラッチC−4を介して連結
されるとともに、第3制御ブレーキB−2に連結されて
いる。
【0062】減速用遊星歯車装置16及び第4制御ブレ
ーキB−1は、入力軸15に連結され入力軸15の回転
より回転数が小さい減速回転を減速回転出力部材として
のキャリヤC1に生成する歯車減速装置19を構成す
る。第3制御ブレーキB−2は、第1要素である第2遊
星歯車機構43のサンギヤS3の回転を選択的に規制す
る第1回転規制手段25を構成する。減速用遊星歯車装
置16のサンギヤS1とミッションケース12との間に
第2回転規制手段20を構成する第4制御ブレーキB−
1とワンウエイクラッチF−1との並列経路を連結して
歯車減速装置19を構成し、減速用遊星歯車装置16の
キャリヤC1と第1要素であるサンギヤS3との間に連
結された第4制御クラッチC−4により、第1要素の回
転が規制されたとき、歯車減速装置19から第1要素に
動力伝達が行われない開放状態を生成する開放状態生成
手段26を構成することは、第3実施形態の場合と同一
である。
【0063】各速度段における各制御クラッチ、制御ブ
レーキの作動状態を図15に示す。図16に示す変速用
複式遊星歯車装置41の速度線図において、第1要素で
ある第2遊星歯車機構43のサンギヤS3は、減速用遊
星歯車装置16のキャリヤC1に第4制御クラッチC−
4を介して連結されるとともに第3制御ブレーキB−2
に連結され、第2要素である第1連結要素R2,C3
は、第1制御クラッチC−1により入力軸15に係脱可
能に連結されるとともに、第1制御ブレーキB−3に連
結され、第3要素である第1遊星歯車機構42のキャリ
ヤC2は出力軸18に連結され、第4要素である第1遊
星歯車機構42のサンギヤS2は第2ブレーキB−4に
連結されている。
【0064】以下、各変速段の作動について説明する。
前進第1変速段の場合、ワンウエイクラッチF−1によ
りサンギヤS1が回転を規制されて減速用遊星歯車装置
16は、入力軸15の回転より回転数の小さい減速回転
をキャリヤC1に生成する。この減速回転は、第4制御
クラッチC−4を介して第1要素であるサンギヤS3に
伝達され、第2制御ブレーキB−4により回転を規制さ
れたサンギヤS2に反力を支持されて第1連結要素R
2,C3を介してワンウェイクラッチF−2により連結
された第2連結要素C2,R3に伝達されて出力軸18
を第1変速段のギヤ比で正転駆動する。
【0065】前進第2変速段の場合、ワンウエイクラッ
チF−1によりサンギヤS1が回転を規制されて減速用
遊星歯車装置16は、減速回転をキャリヤC1に生成す
る。この減速回転は第4制御クラッチC−4を介してサ
ンギヤS3に伝達され、第2制御クラッチC−2の接続
により第2遊星歯車機構43は一体回転されるので、第
1連結要素R2,C3も減速回転で回転され、第2制御
ブレーキB−4により回転規制された第4要素であるサ
ンギヤS2に反力を支持されてキャリヤC2と出力軸1
8を第2変速段で正転駆動する。このとき、第3制御ク
ラッチC−3は切断されて第2連結要素C2,R3は分
離され、ワンウエイクラッチF−2はリングギヤR3に
対するキャリヤC2の逆転を許容するので、キャリヤC
2は減速回転することができる。
【0066】前進第3変速段の場合、第1制御クラッチ
C−1が接続されるので、入力軸15と第1連結要素R
2,C3が接続され、第1遊星歯車機構42のリングギ
ヤR2が入力軸15と同一回転数で回転される。サンギ
ヤS2が第2制御ブレーキB−4により回転規制される
ので、入力軸15に入力された回転は、第1遊星歯車機
構42により減速され、キャリヤC2と出力軸18を第
3変速段で正転駆動する。このとき、第3制御クラッチ
C−3は切断されて第2連結要素C2,R3は分離さ
れ、ワンウエイクラッチF−2はリングギヤR3に対す
るキャリヤC2の逆転を許容するので、キャリヤC2は
減速回転することができる。
【0067】前進第3変速段は、第1、第4制御クラッ
チC−1,C−4を接続し、第2制御ブレーキB−4を
作動して生成することもできる。入力軸15の回転は、
第1制御クラッチC−1を介して第1連結要素R2,C
3に伝達される。サンギヤS2が第2制御ブレーキB−
4により回転規制されるので、第1連結要素R2,C3
に伝達された入力軸15の回転は、第1遊星歯車機構4
2により減速され、キャリヤC2と出力軸18を第3変
速段で正転駆動する。このとき、ワンウエイクラッチF
−1によりサンギヤS1が回転を規制されて減速用遊星
歯車装置16は、減速回転をキャリヤC1に生成し、第
4制御クラッチC−4を介してサンギヤS3に伝達する
が、第3制御クラッチC−3は切断され、ワンウエイク
ラッチF−2はキャリヤC2に対するリングギヤR3の
正転を許容するので、リングギヤR3はキャリヤC2に
回転を伝達しない。
【0068】第1、第2制御クラッチC−1,C−2を
接続し、第2制御ブレーキB−4を作動しても前進第3
変速段を得ることができる。入力軸15の回転は、第1
制御クラッチC−1を介して第1連結要素R2,C3に
伝達される。サンギヤS2が第2制御ブレーキB−4に
より回転規制されるので、第1連結要素R2,C3に伝
達された入力軸15の回転は、第1遊星歯車機構42に
より減速され、キャリヤC2と出力軸18を第3変速段
で正転駆動する。このとき、ワンウエイクラッチF−1
によりサンギヤS1が回転を規制されて減速用遊星歯車
装置16は、減速回転をキャリヤC1に生成するが、第
4制御クラッチC−4が切られているのでサンギヤS3
に伝達されない。
【0069】前進第3変速段は、第2、第3、第4制御
クラッチC−2,C−3,C−4を接続して生成するこ
ともできる。ワンウエイクラッチF−1の作動によりサ
ンギヤS1が回転を規制されて減速用遊星歯車装置16
は、キャリヤC1を減速回転で回転し、この減速回転は
第4制御クラッチC−4を介して第1要素のサンギヤS
3に伝達される。第2、第3制御クラッチC−2,C−
3が接続されるので、第1及び第2連結要素R2,C3
及びC2,R3が連結されて変速用複式遊星歯車装置4
1が一体化され、キャリヤC2と出力軸18が、上述の
第3変速段と異なる第3変速段で正転駆動される。
【0070】前進第4変速段の場合、第1制御クラッチ
C−1が接続されて第1連結要素R2,C3が入力軸1
5と同一回転数で回転される。第2、第3制御クラッチ
C−2,C−3が接続されるので、第1及び第2連結要
素R2,C3及びC2,R3が連結されて変速用複式遊
星歯車装置41が一体化され、キャリヤC2と出力軸1
8を第4変速段のギヤ比1.000で正転駆動する。こ
の場合、第4制御クラッチC−4を接続してキャリヤC
1をサンギヤS3に接続し、減速用遊星歯車装置16を
入力軸15と同一回転数で回転する。又は、第4制御ク
ラッチC−4を切って、キャリヤC1をリングギヤR3
との連結を遮断した状態で減速回転させておいてもよ
い。
【0071】前進第5変速段の場合、第4制御ブレーキ
B−1が作動されるので、サンギヤS1が回転を規制さ
れて減速用遊星歯車装置16はキャリヤC1を減速回転
する。この減速回転は第4制御クラッチC−4を介して
第1要素であるサンギヤS3に伝達される。第1制御ク
ラッチC−1が接続されて第1連結要素R2,C3が入
力軸15と同一回転数で回転される。第3制御クラッチ
C−3が接続されてキャリヤC2とリングギヤR3とが
連結されるので、キャリヤC2は入力軸15の回転とサ
ンギヤS3の減速回転とに基づいて第5変速段で正転駆
動される。
【0072】前進第6変速段の場合、第1制御クラッチ
C−1が接続されて第1連結要素R2,C3が入力軸1
5と同一回転数で回転され、第3制御クラッチC−3が
接続されてキャリヤC2とリングギヤR3とが連結され
る。第3制御ブレーキB−2が作動されて第1要素であ
るサンギヤS3の回転が規制されるので、第1連結要素
R2,C3に伝達された入力軸15の回転は、サンギヤ
S3により反力を支持され、第2連結要素C2,R3に
増速して伝達され、出力軸18を第6変速段で正転駆動
する。このとき、第1要素であるサンギヤS3の回転は
第1回転規制手段25としての第3制御ブレーキB−2
により規制されている。そして、開放状態生成手段26
としての第4制御クラッチC−4は切られ、歯車減速装
置19を構成する減速用遊星歯車装置16から第1要素
であるリングギヤR3に動力伝達が行われない開放状態
になる。
【0073】後退変速段の場合、ワンウエイクラッチF
−1によりサンギヤS1が回転を規制されて減速用遊星
歯車装置16はキャリヤC1を減速回転する。この減速
回転は第4制御クラッチC−4を介してサンギヤS3に
伝達され、第1制御ブレーキB−3により回転を規制さ
れた第1連結要素R2,C3に反力を支持されてリング
ギヤR3を逆転し、ワンウエイクラッチF−2を介して
キャリヤC2を逆転して出力軸18を後退変速段で逆転
駆動する。
【0074】第3実施形態では、第1要素であるリング
ギヤR3に連結された第3制御ブレーキB−2により第
1回転制御手段25を構成しているが、第9実施形態に
おいては、減速用遊星歯車装置16のサンギヤS1とミ
ッションケース12との間に第2回転規制手段20を構
成する第4制御ブレーキB−1とワンウエイクラッチF
−1との並列経路を連結して歯車減速装置19を構成
し、第1要素であるリングギヤR3を第4制御ブレーキ
B−1に第5制御クラッチC−5を介して連結し、第4
制御ブレーキB−1と第5制御クラッチC−5とで第1
回転規制手段25を構成している。そして、減速用遊星
歯車装置16のキャリヤC1とリングギヤR3との間に
連結された第4制御クラッチC−4により、第1要素の
回転が規制されたとき、歯車減速装置19から第1要素
に動力伝達が行われない開放状態を生成する開放状態生
成手段26を構成している。
【0075】各速度段における各制御クラッチ、制御ブ
レーキの作動状態を図18に示し、速度線図を図19に
示す。各変速段におけるギヤ比、及び増加割合は第3実
施形態の場合と実質的に同じである。以下、各変速段の
作動について説明する。前進第1変速段の場合、ワンウ
エイクラッチF−1によりサンギヤS1が回転を規制さ
れて減速用遊星歯車装置16は、入力軸15の回転より
回転数の小さい減速回転をキャリヤC1に生成する。こ
の減速回転は、第4制御クラッチC−4を介して第1要
素であるリングギヤR3に伝達され、第2制御ブレーキ
B−4及びワンウェイクラッチF−2により回転を規制
されたサンギヤS2,S3に反力を支持されて第1連結
要素R2,C3を介して第3要素であるキャリヤC2に
伝達され、出力軸18を第1変速段のギヤ比3.936
で正転駆動する。
【0076】前進第2変速段の場合、ワンウエイクラッ
チF−1によりサンギヤS1が回転を規制されて減速用
遊星歯車装置16は、減速回転をキャリヤC1に生成す
る。この減速回転はリングギヤR3に第4制御クラッチ
C−4を介して伝達され、第2制御クラッチC−2の接
続により第2遊星歯車機構23は一体回転されるので、
第1連結要素R2,C3も減速回転で回転され、第2制
御ブレーキB−4により回転規制された第2連結要素の
サンギヤS2に反力を支持されてキャリヤC2と出力軸
18を第2変速段のギヤ比2.409で正転駆動する。
このとき、第3制御クラッチC−3は切断されて第2連
結要素S2,S3は分離され、ワンウエイクラッチF−
2はサンギヤS3の正転を許容するので、サンギヤS3
はリングギヤR3と一体的に減速回転することができ
る。
【0077】第4、第5制御クラッチC−4,C−5を
接続し、第2制御ブレーキB−4を作動しても前進第2
変速段を得ることができる。第4、第5制御クラッチC
−4,C−5が接続されると、リングギヤR1に入力軸
15が連結された減速用遊星歯車装置16は一体回転さ
れ、キャリヤC1に第4制御クラッチC−4を介して連
結された第2遊星歯車機構23のリングギヤR3が入力
軸15と同一回転数で回転される。サンギヤS2,S2
が第2制御ブレーキB−4及びワンウエイクラッチF−
2により回転規制されるので、リングギヤR3に入力さ
れた回転は、サンギヤS2,S3に反力を支持されて第
1連結要素R2,C3を介してキャリヤC2と出力軸1
8とを前進第2変速段で正転駆動する。
【0078】前進第3変速段の場合、第1制御クラッチ
C−1が接続されるので、入力軸15と第1連結要素R
2,C3が接続され、第1遊星歯車機構22のリングギ
ヤR2が入力軸15と同一回転数で回転される。第2連
結要素S2,S3のサンギヤS2が第2制御ブレーキB
−4により回転規制されるので、入力軸15に入力され
た回転は、第1遊星歯車機構22により減速され、キャ
リヤC2と出力軸18を第3変速段のギヤ比1.488
で正転駆動する。このとき、第4及び第5制御クラッチ
C−4,C−5が接続され、減速用遊星歯車装置16は
一体化されて入力軸15と同一回転数で回転される。
【0079】上述の制御クラッチ、制御ブレーキの作動
状態において、第4制御クラッチC−4を切って、第3
制御クラッチC−3を接続しても前進第3変速段として
形成される動力経路は同じである。この場合、第4制御
クラッチC−4が切られてリングギヤR3とキャリヤC
1が解離されるので、リングギヤR3は回転することが
できる。
【0080】第1、第2、第4制御クラッチC−1,C
−2,C−4を接続し、第2制御ブレーキB-4を作動
しても前進第3変速段として形成される動力経路は同じ
である。この場合、ワンウエイックラッチF−2はサン
ギヤS3の正転を許容するので、第2制御クラッチC−
2の接続により一体化された第2遊星歯車機構23は、
入力軸15と同一回転数で回転される。
【0081】第1、第3、第4制御クラッチC−1,C
−3,C−4を接続し、第2制御ブレーキB−4を作動
しても前進第3変速段として形成される動力経路は同じ
である。この場合、第5制御クラッチC−5が切られて
リングギヤR3とサンギヤ1とが解離されるので、リン
グギヤR3は回転することができる。
【0082】前進第3変速段は、第2、第3、第4制御
クラッチC−2,C−3,C−4を接続し、第4制御ブ
レーキB-1を作動して生成することもできる。第4制
御ブレーキB−1が作動されてサンギヤS1が回転を規
制され、リングギヤR1に入力された入力軸15の回転
は減速されてキャリヤC1は減速回転で回転される。こ
の減速回転は第4制御クラッチC−4を介して第1要素
のリングギヤR3に伝達される。第2、第3制御クラッ
チC−2,C−3が接続されるので、第1及び第2連結
要素R2,C3及びS2,S3が連結されて変速用複式
遊星歯車装置17が一体化され、キャリヤC2と出力軸
18が第3変速段のギヤ比1.619で正転駆動され
る。
【0083】前進第4変速段の場合、第1制御クラッチ
C−1が接続されて、第1連結要素R2,C3が入力軸
15と同一回転数で回転される。リングギヤR1に入力
された入力軸15の回転は、第4、第5クラッチC−
4,C−5の接続により一体化された減速用遊星歯車装
置16を介してリングギヤR3に伝達される。第3制御
クラッチC−3が接続されるので、変速用複式遊星歯車
装置17は一体回転され、キャリヤC2、出力軸18は
第4変速段のギヤ比1.000で正転駆動される。
【0084】第5制御クラッチC−5に換えて第2制御
クラッチC−2を接続しても前進第4変速段を得ること
ができる。第1制御クラッチC−1が接続されて第1連
結要素R2,C3が入力軸15と同一回転数で回転され
る。第2、第3制御クラッチC−2,C−3が接続され
るので、第1及び第2連結要素R2,C3及びS2,S
3が連結されて変速用複式遊星歯車装置17が一体化さ
れ、キャリヤC2と出力軸18がギヤ比1.000で正
転駆動される。この場合、第4制御クラッチC−4を接
続してキャリヤC1をリングギヤR3に接続し、減速用
遊星歯車装置16を入力軸15と同一回転数で回転す
る。又は、第4制御ブレーキB−1を作動し、第4制御
クラッチC−4を切った状態でキャリヤC1を減速回転
させてもよい。
【0085】前進第5変速段の場合、第4制御ブレーキ
B−1が作動されるので、サンギヤS1が回転を規制さ
れて減速用遊星歯車装置16はキャリヤC1を減速回転
する。この減速回転は第4制御クラッチC−4を介して
第1要素であるリングギヤR3に伝達される。第1制御
クラッチC−1が接続されて第1連結要素R2,C3が
入力軸15と同一回転数で回転される。第3制御クラッ
チC−3が接続されてサンギヤS2,S3は連結される
ので、第3要素のキャリヤC2は、入力軸15の回転と
第2連結要素S2,S3の増速回転とに基づいて第5変
速段のギヤ比0.835で正転駆動される。
【0086】前進第6変速段の場合、第1制御クラッチ
C−1が接続されて第1連結要素R2,C3が入力軸1
5と同一回転数で回転され、第3制御クラッチC−3が
接続されてサンギヤS2,S3が連結される。第1要素
であるリングギヤR3が第5制御クラッチC−5を介し
て第4制御ブレーキB−1の作動により回転を規制され
るので、第1連結要素R2,C3に伝達された入力軸1
5の回転は、リングギヤR3により反力を支持され、第
2連結要素S2,S3を介してキャリヤC2に増速して
伝達され、出力軸18を第6変速段のギヤ比0.659
で正転駆動する。このとき、第1要素であるリングギヤ
R3の回転は第1回転規制手段25としての第4制御ブ
レーキB−1及び第5制御クラッチC−5により規制さ
れている。そして、開放状態生成手段26としての第4
制御クラッチC−4は切られているので、キャリヤC1
はリングギヤR3と切離され、歯車減速装置19を構成
する減速用遊星歯車装置16から第1要素であるリング
ギヤR3に動力伝達が行われない開放状態になる。
【0087】後退第1変速段の場合、ワンウエイクラッ
チF−1によりサンギヤS1が回転を規制されて減速用
遊星歯車装置16はキャリヤC1を減速回転する。この
減速回転は第4制御クラッチC−4を介してリングギヤ
R3に伝達され、第1制御ブレーキB−3により回転を
規制された第1連結要素R2,C3に反力を支持されて
サンギヤS3を逆転し、ワンウエイクラッチF−2を介
してサンギヤS2を逆転してキャリヤC2と出力軸18
を後退第1変速段のギヤ比3.130で逆転駆動する。
【0088】後退第2変速段の場合、第4、第5制御ク
ラッチC−4,C−5が接続されて減速用遊星歯車装置
16は一体化され、リングギヤR1に入力された入力軸
15の回転は、キャリヤC1に第4制御クラッチC−4
により連結されたリングギヤR3に伝達され、第1制御
ブレーキB−3により回転を規制された第1連結要素R
2,C3に反力を支持されてサンギヤS3を逆転し、ワ
ンウエイクラッチF−2を介してサンギヤS2を逆転し
てキャリヤC2と出力軸18を後退第2変速段のギヤ比
1.933で逆転駆動する。
【0089】第9実施形態では、減速用遊星歯車装置1
6のキャリヤC1と第1要素であるリングギヤR3との
間に連結された第4制御クラッチC−4により、第1要
素の回転が規制されたとき、歯車減速装置19から第1
要素に動力伝達が行われない開放状態を生成する開放状
態生成手段26を構成しているが、第10実施形態にお
いては、減速用遊星歯車装置16のリングギヤR1と入
力軸15との間に連結された第4制御クラッチC−4に
より、第1要素の回転が規制されたとき、歯車減速装置
19から第1要素に動力伝達が行われない開放状態を生
成する開放状態生成手段26を構成している。この開放
状態生成手段26以外の構成は、第9実施形態と同一で
あるので、図20に同一部品に同一参照番号を付して詳
細な説明を省略する。第10実施形態における各制御ク
ラッチ、制御ブレーキの作動状態及び速度線図は、第9
実施形態と同じである。
【0090】開放状態生成手段26が作動する前進第6
変速段において、第1制御クラッチC−1が接続されて
第1連結要素R2,C3が入力軸15と同一回転数で回
転され、第3制御クラッチC−3が接続されてサンギヤ
S2,S3が連結される。第1要素であるリングギヤR
3が第5制御クラッチC−5を介して第4制御ブレーキ
B−1の作動により回転を規制されるので、第1連結要
素R2,C3に伝達された入力軸15の回転は、リング
ギヤR3により反力を支持され、第2連結要素S2,S
3を介してキャリヤC2に増速して伝達され、出力軸1
8を第6変速段のギヤ比0.659で正転駆動する。こ
のとき、第1要素であるリングギヤR3の回転は第1回
転規制手段25としての第4制御ブレーキB−1及び第
5制御クラッチC−5により規制されている。そして、
開放状態生成手段26としての第4制御クラッチC−4
は切られているので、キャリヤC1はリングギヤR3と
切離され、歯車減速装置19を構成する減速用遊星歯車
装置16から第1要素であるリングギヤR3に動力伝達
が行われない開放状態になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る自動変速装置の第1実施形態を
示すスケルトン図である。
【図2】 第1実施形態の各速度段における制御ブレー
キ及び制御クラッチの作動状態を示す図である。
【図3】 第1実施形態の各速度段における遊星歯車装
置の各要素の回転比を示す速度線図である。
【図4】 第2実施形態を示すスケルトン図である。
【図5】 第2実施形態の各速度段における制御ブレー
キ及び制御クラッチの作動状態を示す図である。
【図6】 第3実施形態を示すスケルトン図である。
【図7】 第3実施形態の各速度段における制御ブレー
キ及び制御クラッチの作動状態を示す図である。
【図8】 第3実施形態の各速度段における遊星歯車装
置の各要素の回転比を示す速度線図である。
【図9】 第4実施形態を示すスケルトン図である。
【図10】 第4実施形態の各速度段における制御ブレ
ーキ及び制御クラッチの作動状態を示す図である。
【図11】 第5実施形態を示すスケルトン図である。
【図12】 第6実施形態を示すスケルトン図である。
【図13】 第7実施形態を示すスケルトン図である。
【図14】 第8実施形態を示すスケルトン図である。
【図15】 第8実施形態の各速度段における制御ブレ
ーキ及び制御クラッチの作動状態を示す図である。
【図16】 第8実施形態の各速度段における遊星歯車
装置の各要素の回転比を示す速度線図である。
【図17】 第9実施形態を示すスケルトン図である。
【図18】 第9実施形態の各速度段における制御ブレ
ーキ及び制御クラッチの作動状態を示す図である。
【図19】 第9実施形態の各速度段における遊星歯車
装置の各要素の回転比を示す速度線図である。
【図20】 第10実施形態を示すスケルトン図であ
る。
【符号の説明】 10・・・自動変速機、11・・・流体トルクコンバー
タ、12・・・トランスミッションケース、13・・・
共通軸線、15,36・・・入力軸、16・・・減速用
遊星歯車装置、17,41・・・変速用複式遊星歯車装
置、18・・・出力軸、19・・・歯車減速装置、20
・・・第2回転規制手段、22,42・・・第1遊星歯
車機構、23,43・・・第2遊星歯車機構、25・・
・第1回転規制手段、26・・・開放状態生成手段、3
5・・・減速用歯車列、S1,S2,S3・・・サンギ
ヤ、C1,C2,C3・・・キャリヤ、R1,R2,R
3・・・リングギヤ、R2,C3・・・第1連結要素、
S2,S3(C2,R3)・・・第2連結要素、C−
1,C−2,C−3,C−4,C−5・・・第1、第
2、第3、第4、第5制御クラッチ、B−1,B−2,
B−3,B−4,B−5・・・第1、第2、第3、第
4、第5制御ブレーキ、F−1,F−2・・・ワンウエ
イクラッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 糟谷 悟 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 後藤 健次 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 青木 敏彦 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 Fターム(参考) 3J028 EA27 EB08 EB13 EB31 EB33 EB37 EB56 EB62 FB03 FC13 FC25 GA02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力軸に連結され該入力軸の回転より回
    転数が小さい減速回転を減速回転出力部材に生成する歯
    車減速装置を設け、3個の基本要素で夫々構成される第
    1、第2遊星歯車機構の各1個の基本要素を連結して構
    成された第1連結要素と、各1個の他の基本要素を第3
    制御クラッチで係脱可能に連結して構成された第2連結
    要素と、残り2個の基本要素を速度線図においてギヤ比
    に対応した間隔で順次並べて並び順に第1、第2、第3
    及び第4要素とした変速用複式遊星歯車装置を設け、前
    記第1要素である前記第2遊星歯車機構の基本要素を前
    記歯車減速装置の減速回転出力部材に連結し、前記第2
    要素である前記第1連結要素を第1制御クラッチにより
    入力軸に係脱可能に連結し、前記第3要素を出力軸に連
    結し、前記第2遊星歯車機構の3個の基本要素の内2つ
    の基本要素を第2制御クラッチにより係脱可能に連結
    し、前記第2要素の回転を第1制御ブレーキにより選択
    的に規制し、前記第4要素を構成する前記第1遊星歯車
    機構の基本要素の回転を第2制御ブレーキにより選択的
    に規制し、前記第1要素の回転を第1回転規制手段によ
    り選択的に規制し、前記第1要素の回転が規制されたと
    き前記歯車減速装置から前記第1要素に動力伝達が行わ
    れない開放状態を生成する開放状態生成手段を設けたこ
    とを特徴とする自動変速機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の自動変速機において、
    入力軸に連結されたリングギヤ、第2回転規制手段によ
    り回転を選択的に規制されるサンギヤ、前記リングギヤ
    とサンギヤとに噛合するピニオンを支承するキャリヤか
    らなる減速用遊星歯車装置で前記歯車減速装置を構成
    し、前記キャリヤを前記減速回転出力部材として前記変
    速用複式遊星歯車装置の第1要素に連結し、前記第2回
    転規制手段を前記サンギヤに連結された第4制御ブレー
    キと前記サンギヤにワンウエイクラッチを介して連結さ
    れた第5制御ブレーキとの並列経路又は前記サンギヤに
    連結された第4制御ブレーキで構成し、前記第2回転規
    制手段により前記開放状態生成手段を構成したことを特
    徴とする自動変速機。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の自動変速機において、
    前記歯車減速装置の前記減速回転出力部材を前記変速用
    複式遊星歯車装置の第1要素に第4制御クラッチにより
    係脱可能に連結し、該第4制御クラッチで前記開放状態
    生成手段を構成したことを特徴とする自動変速機。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の自動変速機において、
    入力軸に連結されたリングギヤ、ミッションケースに直
    接又は制御ブレーキとワンウエイクラッチとの並列経路
    を介して連結されて回転を規制されるサンギヤ、前記リ
    ングギヤとサンギヤとに噛合するピニオンを支承するキ
    ャリヤからなる減速用遊星歯車装置で前記歯車減速装置
    を構成し、前記減速回転出力部材である前記キャリヤを
    前記変速用複式遊星歯車装置の第1要素に第4制御クラ
    ッチにより係脱可能に連結し、前記第4制御クラッチで
    前記開放状態生成手段を構成したことを特徴とする自動
    変速機。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の自動変速機において、
    入力軸に第4制御クラッチにより係脱可能に連結された
    リングギヤ、ミッションケースに直接又は制御ブレーキ
    とワンウエイクラッチとの並列経路を介して連結されて
    回転を規制されるサンギヤ、前記リングギヤとサンギヤ
    とに噛合するピニオンを支承するキャリヤからなる減速
    用遊星歯車装置で前記歯車減速装置を構成し、前記減速
    回転出力部材である前記キャリヤを前記変速用複式遊星
    歯車装置の第1要素に連結し、前記第4制御クラッチで
    前記開放状態生成手段を構成したことを特徴とする自動
    変速機。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の自動変速機において、
    入力軸に連結されたリングギヤ、サンギヤ、前記リング
    ギヤとサンギヤとに噛合するピニオンを支承するキャリ
    ヤからなる減速用遊星歯車装置で前記歯車減速装置を構
    成し、前記減速回転出力部材である前記キャリヤを前記
    変速用複式遊星歯車装置の第1要素に第4制御クラッチ
    により係脱可能に連結し、前記サンギヤの回転を選択的
    に規制する制御ブレーキを前記第1要素に第5制御クラ
    ッチにより係脱可能に連結して前記第1回転規制手段を
    構成し、前記第4制御クラッチで前記開放状態生成手段
    を構成したことを特徴とする自動変速機。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の自動変速機において、
    入力軸に第4クラッチにより係脱可能に連結されたリン
    グギヤ、サンギヤ、前記リングギヤとサンギヤとに噛合
    するピニオンを支承するキャリヤからなる減速用遊星歯
    車装置で前記歯車減速装置を構成し、前記減速回転出力
    部材である前記キャリヤを前記変速用複式遊星歯車装置
    の第1要素に連結し、前記サンギヤの回転を選択的に規
    制する制御ブレーキを前記第1要素に第5制御クラッチ
    により係脱可能に連結して前記第1回転規制手段を構成
    し、前記第4制御クラッチで前記開放状態生成手段を構
    成したことを特徴とする自動変速機。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載
    の自動変速機において、前記変速用複式変速装置の第
    1、第2遊星歯車機構をシングルピニオン型とし、前記
    第2遊星歯車機構のリングギヤを前記第1要素とし、第
    1遊星歯車機構のリングギヤと第2遊星歯車機構のキャ
    リヤとを連結して前記第2要素とし、前記第1遊星歯車
    機構のキャリヤを前記第3要素とし、第1、第2遊星歯
    車機構のサンギヤを前記第3制御クラッチで係脱可能に
    連結して前記第4要素としたことを特徴とする自動変速
    機。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載
    の自動変速機において、前記変速用複式変速装置の第
    1、第2遊星歯車機構をシングルピニオン型とし、前記
    第2遊星歯車機構のサンギヤを前記第1要素とし、第1
    遊星歯車機構のリングギヤと第2遊星歯車機構のキャリ
    ヤとを連結して前記第2要素とし、前記第1遊星歯車機
    構のキャリヤと第2遊星歯車機構のリングギヤとを前記
    第3制御クラッチで係脱可能に連結して前記第3要素と
    し、前記第1遊星歯車機構のサンギヤを前記第4要素と
    したことを特徴とする自動変速機。
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