JP4635417B2 - 車両用遊星歯車式多段変速機 - Google Patents

車両用遊星歯車式多段変速機 Download PDF

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Description

本発明は、自動車などの車両において、原動機と駆動輪との間に設けられる車両用遊星歯車式多段変速機に関するものである。
車両においては、予め定められた複数の変速比或いは変速段を選択するために複数の遊星歯車装置とそれらを構成する要素を結合するための係合要素たとえばクラッチおよびブレーキとを用いた遊星歯車式多段変速機が多用されている。たとえば、特許文献1に記載の自動変速機では、4組の遊星歯車装置を用いることで前進12段の多段変速を達成している。
特開2002−206601号公報 特開平8−105496号公報 特開2000−199549号公報 特開2000−266138号公報 特開2001−82555号公報 特開2002−227940号公報 特開2002−295609号公報 特許第2956173号公報
ところで、このような遊星歯車式多段変速機では、簡単に構成され且つ小型であって、変速段のより多段化および変速比幅を大きくとり得るものであるだけでなく、切り換えられる変速比ステップが等比またはそれに近い形で変化させられることが望まれる。上記特許文献1に記載の自動変速機は変速比ステップが使い勝手がよい設定での多段化になっていないという問題があった。たとえば、特許文献1の図5に示されているように第6変速段と第7変速段との変速比ステップは1.050と小さく、変速比ステップの並びも大小様々である。また、これら課題に対して、遊星歯車の数を増やすことが考えられるが、その分全長が長くなって車両搭載性が低下したり、遊星歯車装置を構成する要素を結合するための係合要素も増加する可能性があった。特に、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両やRR(リアエンジン・リアドライブ)車両において好適に用いられる自動変速機の軸長方向を車軸に対して平行に搭載する所謂横置きの場合には車幅によって規定される自動変速機の全長に対する制約が縦置きの場合に比較して大きいため搭載が困難となる可能性があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、変速比幅を大きくとることができ且つ変速比ステップも適切な前進7速以上が可能な、FF車両やRR車両の横置きにも好適に用いられる小型の車両用遊星歯車式多段変速機を提供することにある。
かかる目的を達成するための第1発明の要旨とするところは、第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転をその第1変速部を介してその第1軸心に平行な第2軸心上のその第2変速部へ伝達し、その第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、(a) 前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、(b) 前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置と第3遊星歯車装置との3組の遊星歯車装置を備え、その3組の遊星歯車装置のサンギヤ、キャリア、およびリングギヤの一部が互いに連結されることによって5つの回転要素が構成され、その5つの回転要素がクラッチ或いはブレーキを介して前記第1中間出力経路を前記第2軸心側で構成する第1ドリブン部材、前記第2中間出力経路をその第2軸心側で構成する第2ドリブン部材、前記出力回転部材、および非回転部材の何れかに選択的に連結されるものであり、(c) 前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることにある。
前記目的を達成するための第2発明の要旨とするところは、第1変速部および第2変速部を備え、駆動力源側に位置してその駆動力源により第1軸心まわりに回転駆動される入力回転部材の回転をその第1変速部を介してその第1軸心に平行な第2軸心上のその第2変速部へ伝達し、その第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、(a) 前記第1変速部は、互いに並列に配置された2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、(b) 前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ前記2組の動力伝達部材よりも前記駆動力源側に順次配設される複数の遊星歯車装置を備え、その複数の遊星歯車装置のサンギヤ、キャリア、およびリングギヤの一部が互いに連結されることによって複数の回転要素が構成され、その複数の回転要素が前記第1中間出力経路を前記第2軸心側で構成する第1ドリブン部材、前記第2中間出力経路をその第2軸心側で構成する第2ドリブン部材、前記出力回転部材、および非回転部材の何れかにクラッチ或いはブレーキを介して選択的に或いは直接に連結されるものであり、(c) 前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより前進多段たとえば前進7速以上の変速段が成立させられ、(d) 前記第1中間出力経路は前記第2中間出力経路に対して減速又は増速回転させて出力するものであると共に、少なくとも一方の中間出力経路は2つの係合装置を介して前記第2変速部の異なる回転要素に連結可能とされていることにある。
第3発明は、第1発明または第2発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、(a) 前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路およびその第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、(b) 前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置と第3遊星歯車装置との3組の遊星歯車装置を備え、その3組の遊星歯車装置のサンギヤ、キャリア、およびリングギヤの一部が互いに連結されることによって5つの回転要素が構成されるとともに、その5つの回転要素の回転速度を直線上で表すことができる共線図上においてその5つの回転要素を一端から他端へ向かって順番に第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素、第4回転要素、および第5回転要素としたとき、その第1回転要素は第2クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第2回転要素は第3クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第3回転要素は第4クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結され、その第4回転要素は前記出力回転部材に連結され、その第5回転要素は第1クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものである。
第4発明は、第3発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、(a) 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、(b) 前記第1回転要素はその第1サンギヤおよびその第2サンギヤであり、前記第2回転要素はその第3リングギヤであり、前記第3回転要素はその第2リングギヤおよびその第3キャリアであり、前記第4回転要素はその第1キャリア、その第2キャリアおよびその第3サンギヤであり、前記第5回転要素はその第1リングギヤである。
第5発明は、第3発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、(a) 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、(b) 前記第1回転要素はその第1サンギヤおよびその第2サンギヤであり、前記第2回転要素はその第1リングギヤおよびその第3リングギヤであり、前記第3回転要素はその第3キャリアであり、前記第4回転要素はその第2キャリアおよびその第3サンギヤであり、前記第5回転要素はその第1キャリアおよびその第2リングギヤである。
前記目的を達成するための第6発明の要旨とするところは、第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転をその第1変速部を介してその第1軸心に平行な第2軸心上のその第2変速部へ伝達し、その第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、(a) 前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路およびその第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、(b) 前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、その第1サンギヤおよびその第2サンギヤは第2クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第3リングギヤは第3クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第2リングギヤおよびその第3キャリアは第4クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結され、その第1キャリア、その第2キャリアおよびその第3サンギヤは前記出力回転部材に連結され、その第1リングギヤは第1クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、(c) 前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることにある。
前記目的を達成するための第7発明の要旨とするところは、第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転をその第1変速部を介してその第1軸心に平行な第2軸心上のその第2変速部へ伝達し、その第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、(a) 前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路およびその第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、(b) 前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、その第1サンギヤおよびその第2サンギヤは第2クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1リングギヤおよびその第3リングギヤは第3クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第3キャリアは第4クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結され、その第2キャリアおよびその第3サンギヤは前記出力回転部材に連結され、その第1キャリアおよびその第2リングギヤは第1クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、(c) 前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることにある。
第8発明は、第4発明または第6発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、前記第1キャリアと前記第2キャリアおよび前記第1サンギヤと前記第2サンギヤとはそれぞれ共通の部材で構成されるとともに、前記第1遊星歯車が互いに噛み合う一対の前記第2遊星歯車のいずれか1つを兼ねているものである。
第9発明は、第3発明乃至第8発明のいずれかの車両用遊星歯車式多段変速機において、前記第1クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって最も大きい変速比の第1変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって前記第1変速段よりも変速比が小さい第2変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第2クラッチが係合させられることによって前記第2変速段よりも変速比が小さい第3変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第3クラッチが係合させられること、または前記第1クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって前記第3変速段よりも変速比が小さい第4変速段が成立させられ、前記第3クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって前記第4変速段よりも変速比が小さい第5変速段が成立させられ、前記第2クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって前記第5変速段よりも変速比が小さい第6変速段が成立させられ、前記第4クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって前記第6変速段よりも変速比が小さい第7変速段が成立させられ、前記第3クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって前記第7変速段よりも変速比が小さい第8変速段が成立させられるものである。
第10発明は、第3発明乃至第9発明のいずれかの車両用遊星歯車式多段変速機において、前記第2クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって後進変速段が成立させられるものである。
第11発明は、第1発明または第2発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、(a) 前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路およびその第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、(b) 前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置と第3遊星歯車装置との3組の遊星歯車装置を備え、その3組の遊星歯車装置のサンギヤ、キャリア、およびリングギヤの一部が互いに連結されることによって5つの回転要素が構成されるとともに、その5つの回転要素の回転速度を直線上で表すことができる共線図上においてその5つの回転要素を一端から他端へ向かって順番に第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素、第4回転要素、および第5回転要素としたとき、その第1回転要素は第2クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第2回転要素は第3クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結され、その第3回転要素は第4クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第4回転要素は前記出力回転部材に連結され、その第5回転要素は第1クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものである。
第12発明は、第11発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、(a) 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、(b) 前記第1回転要素はその第1サンギヤおよびその第3サンギヤであり、前記第2回転要素はその第2リングギヤであり、前記第3回転要素はその第1リングギヤ、その第2キャリアおよびその第3キャリアであり、前記第4回転要素はその第2サンギヤおよびその第3リングギヤであり、前記第5回転要素はその第1キャリアである。
第13発明は、第11発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、(a) 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、(b) 前記第1回転要素はその第1サンギヤおよびその第2サンギヤであり、前記第2回転要素はその第3リングギヤであり、前記第3回転要素はその第2リングギヤおよびその第3キャリアであり、前記第4回転要素はその第1キャリア、その第2キャリアおよびその第3サンギヤであり、前記第5回転要素はその第1リングギヤである。
第14発明は、第11発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、(a) 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、(b) 前記第1回転要素はその第2サンギヤおよびその第3サンギヤであり、前記第2回転要素はその第1リングギヤであり、前記第3回転要素はその第1キャリアおよびその第2キャリアであり、前記第4回転要素はその第1サンギヤ、その第2リングギヤおよびその第3キャリアであり、前記第5回転要素はその第3リングギヤである。
第15発明は、第11発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、(a) 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、(b) 前記第1回転要素はその第3サンギヤであり、前記第2回転要素はその第1リングギヤであり、前記第3回転要素はその第1キャリアおよびその第2サンギヤであり、前記第4回転要素はその第1サンギヤ、その第2リングギヤおよびその第3キャリアであり、前記第5回転要素はその第2キャリアおよびその第3リングギヤである。
前記目的を達成するための第16発明の要旨とするところは、第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転をその第1変速部を介してその第1軸心に平行な第2軸心上のその第2変速部へ伝達し、その第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、(a) 前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路およびその第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、(b) 前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、その第1サンギヤおよびその第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第2リングギヤは第3クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結され、その第1リングギヤ、その第2キャリアおよびその第3キャリアは第4クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第2サンギヤおよびその第3リングギヤは前記出力回転部材に連結され、その第1キャリアは第1クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、(c) 前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることにある。
前記目的を達成するための第17発明の要旨とするところは、第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転をその第1変速部を介してその第1軸心に平行な第2軸心上のその第2変速部へ伝達し、その第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、(a) 前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路およびその第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、(b) 前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブル型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、その第1サンギヤおよびその第2サンギヤは第2クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第3リングギヤは第3クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結され、その第2リングギヤおよびその第3キャリアは第4クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1キャリア、その第2キャリアおよびその第3サンギヤは前記出力回転部材に連結され、その第1リングギヤは第1クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、(c) 前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることにある。
前記目的を達成するための第18発明の要旨とするところは、第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転をその第1変速部を介してその第1軸心に平行な第2軸心上のその第2変速部へ伝達し、その第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、(a) 前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路およびその第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、(b) 前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、その第2サンギヤおよびその第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1リングギヤは第3クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結され、その第1キャリアおよびその第2キャリアは第4クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1サンギヤ、その第2リングギヤおよびその第3キャリアは前記出力回転部材に連結され、その第3リングギヤは第1クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、(c) 前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることにある。
前記目的を達成するための第19発明の要旨とするところは、第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転をその第1変速部を介してその第1軸心に平行な第2軸心上のその第2変速部へ伝達し、その第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、(a) 前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路およびその第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、(b) 前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブル型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、その第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1リングギヤは第3クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結され、その第1キャリアおよびその第2サンギヤは第4クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1サンギヤ、その第2リングギヤおよびその第3キャリアは前記出力回転部材に連結され、その第2キャリアおよびその第3リングギヤは第1クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、(c) 前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることにある。
第20発明は、第13発明または第17発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、前記第1キャリアと前記第2キャリアおよび前記第1サンギヤと前記第2サンギヤとはそれぞれ共通の部材で構成されるとともに、前記第1遊星歯車が互いに噛み合う一対の前記第2遊星歯車のいずれか1つを兼ねているものである。
第21発明は、第11発明乃至第20発明のいずれかの車両用遊星歯車式多段変速機において、前記第1クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって最も大きい変速比の第1変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって前記第1変速段よりも変速比が小さい第2変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第2クラッチが係合させられることによって前記第2変速段よりも変速比が小さい第3変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第3クラッチが係合させられること、または前記第1クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって前記第3変速段よりも変速比が小さい第4変速段が成立させられ、前記第3クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって前記第4変速段よりも変速比が小さい第5変速段が成立させられ、前記第2クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって前記第5変速段よりも変速比が小さい第6変速段が成立させられ、前記第4クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって前記第6変速段よりも変速比が小さい第7変速段が成立させられ、前記第3クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって前記第7変速段よりも変速比が小さい第8変速段が成立させられるものである。
第22発明は、第11発明乃至第21発明のいずれかの車両用遊星歯車式多段変速機において、前記第2クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって後進変速段が成立させられるものである。
第23発明は、第1発明または第2発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、(a) 前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路およびその第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、(b) 前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置と第3遊星歯車装置との3組の遊星歯車装置を備え、その3組の遊星歯車装置のサンギヤ、キャリア、およびリングギヤの一部が互いに連結されることによって5つの回転要素が構成されるとともに、その5つの回転要素の回転速度を直線上で表すことができる共線図上においてその5つの回転要素を一端から他端へ向かって順番に第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素、第4回転要素、および第5回転要素としたとき、その第1回転要素は第2クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第2回転要素は第3クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第3回転要素は第3ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第4回転要素は前記出力回転部材に連結され、その第5回転要素は第1クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結され、さらに第4クラッチを介してその第3回転要素と前記第1ドリブン部材とが或いはその第3回転要素とその第5回転要素とが或いはその第5回転要素と前記第1ドリブン部材とが或いはその第1回転要素と前記第1ドリブン部材とが選択的に連結されるものである。
第24発明は、第23発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、(a) 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、(b) 前記第1回転要素はその第3サンギヤであり、前記第2回転要素はその第1リングギヤであり、前記第3回転要素はその第1キャリアおよびその第2キャリアであり、前記第4回転要素はその第2リングギヤおよびその第3キャリアであり、前記第5回転要素はその第1サンギヤ、その第2サンギヤおよびその第3リングギヤである。
第25発明は、第23発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、(a) 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、(b) 前記第1回転要素はその第2サンギヤおよびその第3サンギヤであり、前記第2回転要素はその第1キャリアおよびその第2キャリアであり、前記第3回転要素はその第1リングギヤおよびその第2リングギヤであり、前記第4回転要素はその第1サンギヤおよびその第3キャリアであり、前記第5回転要素はその第3リングギヤである。
第26発明は、第23発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、(a) 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、(b) 前記第1回転要素はその第1サンギヤおよびその第3サンギヤであり、前記第2回転要素はその第1キャリアおよびその第2キャリアであり、前記第3回転要素はその第1リングギヤおよびその第2リングギヤであり、前記第4回転要素はその第2サンギヤおよびその第3キャリアであり、前記第5回転要素はその第3リングギヤである。
前記目的を達成するための第27発明の要旨とするところは、第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転をその第1変速部を介してその第1軸心に平行な第2軸心上のその第2変速部へ伝達し、その第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、(a) 前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路およびその第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、(b) 前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、その第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1リングギヤは第3クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1キャリアおよびその第2キャリアは第4クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第3ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第2リングギヤおよびその第3キャリアは前記出力回転部材に連結され、その第1サンギヤ、その第2サンギヤおよびその第3リングギヤは第1クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、(c) 前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることにある。
前記目的を達成するための第28発明の要旨とするところは、第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転をその第1変速部を介してその第1軸心に平行な第2軸心上のその第2変速部へ伝達し、その第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、(a) 前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路およびその第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、(b) 前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、その第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1リングギヤは第3クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1キャリアおよびその第2キャリアは第3ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第2リングギヤおよびその第3キャリアは前記出力回転部材に連結され、その第1サンギヤ、その第2サンギヤおよびその第3リングギヤは第4クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、(c) 前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることにある。
前記目的を達成するための第29発明の要旨とするところは、第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転をその第1変速部を介してその第1軸心に平行な第2軸心上のその第2変速部へ伝達し、その第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、(a) 前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路およびその第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、(b) 前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、その第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1リングギヤは第3クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1キャリアおよびその第2キャリアは第3ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第2リングギヤおよびその第3キャリアは前記出力回転部材に連結され、その第1サンギヤ、その第2サンギヤおよびその第3リングギヤは第1クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結され、その第1キャリアおよびその第2キャリアとその第1サンギヤ、その第2サンギヤおよびその第3リングギヤとは第4クラッチを介して選択的に連結されるものであり、(c) 前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることにある。
前記目的を達成するための第30発明の要旨とするところは、第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転をその第1変速部を介してその第1軸心に平行な第2軸心上のその第2変速部へ伝達し、その第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、(a) 前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路およびその第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、(b) 前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、その第2サンギヤおよびその第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1キャリアおよびその第2キャリアは第3クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1リングギヤおよびその第2リングギヤは第4クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第3ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1サンギヤおよびその第3キャリアは前記出力回転部材に連結され、その第3リングギヤは第1クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、(c) 前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることにある。
前記目的を達成するための第31発明の要旨とするところは、第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転をその第1変速部を介してその第1軸心に平行な第2軸心上のその第2変速部へ伝達し、その第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、(a) 前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路およびその第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、(b) 前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、その第1サンギヤおよびその第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結され、さらに第4クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1キャリアおよびその第2キャリアは第3クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1リングギヤおよびその第2リングギヤは第3ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第2サンギヤおよびその第3キャリアは前記出力回転部材に連結され、その第3リングギヤは第1クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、(c) 前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることにある。
第32発明は、第24発明および第27発明乃至第29発明のいずれかの車両用遊星歯車式多段変速機において、前記第1キャリアと前記第2キャリアおよび前記第1サンギヤと前記第2サンギヤとはそれぞれ共通の部材で構成されるとともに、前記第1遊星歯車が互いに噛み合う一対の前記第2遊星歯車のいずれか1つを兼ねているものである。
第33発明は、第23発明乃至第32発明のいずれかの車両用遊星歯車式多段変速機において、前記第1クラッチおよび前記第3ブレーキが係合させられることによって最も大きい変速比の第1変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって前記第1変速段よりも変速比が小さい第2変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって前記第2変速段よりも変速比が小さい第3変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第2クラッチが係合させられることによって前記第3変速段よりも変速比が小さい第4変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第3クラッチが係合させられることによって前記第4変速段よりも変速比が小さい第5変速段が成立させられ、前記第3クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって前記第5変速段よりも変速比が小さい第6変速段が成立させられ、前記第2クラッチおよび前記第3クラッチが係合させられることによって前記第6変速段よりも変速比が小さい第7変速段が成立させられ、前記第3クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって前記第7変速段よりも変速比が小さい第8変速段が成立させられるものである。
第34発明は、第23発明乃至第33発明のいずれかの車両用遊星歯車式多段変速機において、前記第2クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって後進変速段が成立させられるか、或いは前記第2クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって第1後進変速段が成立させられ、前記第4クラッチおよび前記第3ブレーキが係合させられることによって前記第1後進変速段よりも変速比が大きい第2後進変速段が成立させられるものである。
第35発明は、第1発明または第2発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、(a) 前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路およびその第1中間出力経路に対して増速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、(b) 前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置と第3遊星歯車装置との3組の遊星歯車装置を備え、その3組の遊星歯車装置のサンギヤ、キャリア、およびリングギヤの一部が互いに連結されることによって5つの回転要素が構成されるとともに、その5つの回転要素の回転速度を直線上で表すことができる共線図上においてその5つの回転要素を一端から他端へ向かって順番に第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素、第4回転要素、および第5回転要素としたとき、その第1回転要素は第1クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第3クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結され、その第2回転要素は第2クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第3回転要素は前記出力回転部材に連結され、その第4回転要素は第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第5回転要素は第4クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものである。
第36発明は、第35発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、(a) 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、(b) 前記第1回転要素はその第2サンギヤであり、前記第2回転要素はその第1キャリア、その第2キャリアおよびその第3リングギヤであり、前記第3回転要素はその第1リングギヤ、その第2リングギヤおよびその第3キャリアであり、前記第4回転要素はその第1サンギヤであり、前記第5回転要素はその第3サンギヤである。
第37発明は、第35発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、(a) 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、(b) 前記第1回転要素はその第3サンギヤであり、前記第2回転要素はその第1サンギヤ、その第2キャリアおよびその第3キャリアであり、前記第3回転要素はその第2リングギヤおよびその第3リングギヤであり、前記第4回転要素はその第1キャリアであり、前記第5回転要素はその第1リングギヤおよびその第2サンギヤである。
第38発明は、第35発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、(a) 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、(b) 前記第1回転要素はその第3サンギヤであり、前記第2回転要素はその第2キャリアおよびその第3キャリアであり、前記第3回転要素はその第1サンギヤ、その第2リングギヤおよびその第3リングギヤであり、前記第4回転要素はその第1キャリアであり、前記第5回転要素はその第1リングギヤおよびその第2サンギヤである。
第39発明は、第35発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、(a) 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、(b) 前記第1回転要素はその第2サンギヤおよびその第3サンギヤであり、前記第2回転要素はその第3キャリアであり、前記第3回転要素はその第1サンギヤ、その第2キャリアおよびその第3リングギヤであり、前記第4回転要素はその第1キャリアおよびその第2リングギヤであり、前記第5回転要素はその第1リングギヤである。
第40発明は、第35発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、(a) 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、(b) 前記第1回転要素はその第1サンギヤであり、前記第2回転要素はその第1リングギヤおよびその第2サンギヤであり、前記第3回転要素はその第3サンギヤであり、前記第4回転要素はその第1キャリア、その第2キャリアおよびその第3キャリアであり、前記第5回転要素はその第2リングギヤおよびその第3リングギヤである。
第41発明は、第35発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、(a) 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、(b) 前記第1回転要素はその第2サンギヤおよびその第3サンギヤであり、前記第2回転要素はその第1キャリアおよびその第2キャリアであり、前記第3回転要素はその第1リングギヤ、その第2リングギヤおよびその第3キャリアであり、前記第4回転要素はその第1サンギヤであり、前記第5回転要素はその第3リングギヤである。
前記目的を達成するための第42発明の要旨とするところは、第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転をその第1変速部を介してその第1軸心に平行な第2軸心上のその第2変速部へ伝達し、その第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、(a) 前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路およびその第1中間出力経路に対して増速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、(b) 前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、その第2サンギヤは第1クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第3クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結され、その第1キャリア、その第2キャリアおよびその第3リングギヤは第2クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1リングギヤ、その第2リングギヤおよびその第3キャリアは前記出力回転部材に連結され、その第1サンギヤは第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第3サンギヤは第4クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、(c) 前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることにある。
前記目的を達成するための第43発明の要旨とするところは、第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転をその第1変速部を介してその第1軸心に平行な第2軸心上のその第2変速部へ伝達し、その第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、(a) 前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路およびその第1中間出力経路に対して増速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、(b) 前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、その第3サンギヤは第1クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第3クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結され、その第1サンギヤ、その第2キャリアおよびその第3キャリアは第2クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第2リングギヤおよびその第3リングギヤは前記出力回転部材に連結され、その第1キャリアは第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1リングギヤおよびその第2サンギヤは第4クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、(c) 前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることにある。
前記目的を達成するための第44発明の要旨とするところは、第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転をその第1変速部を介してその第1軸心に平行な第2軸心上のその第2変速部へ伝達し、その第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、(a) 前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路およびその第1中間出力経路に対して増速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、(b) 前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、その第3サンギヤは第1クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第3クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結され、その第2キャリアおよびその第3キャリアは第2クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1サンギヤ、その第2リングギヤおよびその第3リングギヤは前記出力回転部材に連結され、その第1キャリアは第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1リングギヤおよびその第2サンギヤは第4クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、(c) 前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることにある。
前記目的を達成するための第45発明の要旨とするところは、第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転をその第1変速部を介してその第1軸心に平行な第2軸心上のその第2変速部へ伝達し、その第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、(a) 前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路およびその第1中間出力経路に対して増速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、(b) 前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、その第2サンギヤおよびその第3サンギヤは第1クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第3クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結され、その第3キャリアは第2クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1サンギヤ、その第2キャリアおよびその第3リングギヤは前記出力回転部材に連結され、その第1キャリアおよびその第2リングギヤは第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1リングギヤは第4クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、(c) 前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることにある。
前記目的を達成するための第46発明の要旨とするところは、第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転をその第1変速部を介してその第1軸心に平行な第2軸心上のその第2変速部へ伝達し、その第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、(a) 前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路およびその第1中間出力経路に対して増速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、(b) 前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、その第1サンギヤは第1クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第3クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結され、その第1リングギヤおよびその第2サンギヤは第2クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第3サンギヤは前記出力回転部材に連結され、その第1キャリア、その第2キャリアおよびその第3キャリアは第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第2リングギヤおよびその第3リングギヤは第4クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、(c) 前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることにある。
前記目的を達成するための第47発明の要旨とするところは、第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転をその第1変速部を介してその第1軸心に平行な第2軸心上のその第2変速部へ伝達し、その第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、(a) 前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路およびその第1中間出力経路に対して増速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、(b) 前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、その第2サンギヤおよびその第3サンギヤは第1クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第3クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結され、その第1キャリアおよびその第2キャリアは第2クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1リングギヤ、その第2リングギヤおよびその第3キャリアは前記出力回転部材に連結され、その第1サンギヤは第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第3リングギヤは第4クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、(c) 前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることにある。
第48発明は、第37発明、第38発明、第43発明および第44発明のいずれかの車両用遊星歯車式多段変速機において、前記第2キャリアと前記第3キャリアおよび前記第2リングギヤと前記第3リングギヤとはそれぞれ共通の部材で構成されるとともに、前記第3遊星歯車が互いに噛み合う一対の前記第2遊星歯車のいずれか1つを兼ねているものである。
第49発明は、第35発明乃至第48発明のいずれかの車両用遊星歯車式多段変速機において、前記第1クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって最も大きい変速比の第1変速段が成立させられ、前記第3クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって前記第1変速段よりも変速比が小さい第2変速段が成立させられ、前記第2クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって前記第2変速段よりも変速比が小さい第3変速段が成立させられ、前記第2クラッチおよび前記第3クラッチが係合させられることによって前記第3変速段よりも変速比が小さい第4変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第2クラッチが係合させられることによって前記第4変速段よりも変速比が小さい第5変速段が成立させられ、前記第2クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって前記第5変速段よりも変速比が小さい第6変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって前記第6変速段よりも変速比が小さい第7変速段が成立させられ、前記第3クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって前記第7変速段よりも変速比が小さい第8変速段が成立させられるものである。
第50発明は、第35発明乃至第49発明のいずれかの車両用遊星歯車式多段変速機において、前記第1クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって後進変速段が成立させられるものである。
第51発明は、第1発明または第2発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、(a) 前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路およびその第1中間出力経路に対して増速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、(b) 前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置と第3遊星歯車装置との3組の遊星歯車装置を備え、その3組の遊星歯車装置のサンギヤ、キャリア、およびリングギヤの一部が互いに連結されることによって5つの回転要素が構成されるとともに、その5つの回転要素の回転速度を直線上で表すことができる共線図上においてその5つの回転要素を一端から他端へ向かって順番に第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素、第4回転要素、および第5回転要素としたとき、その第1回転要素は第1クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第4クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結され、その第2回転要素は第2クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結され、その第3回転要素は第3クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるか、或いは第3クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第4回転要素は前記出力回転部材に連結され、その第5回転要素は第5クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結されるものである。
第52発明は、第51発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、(a) 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、(b) 前記第1回転要素はその第1サンギヤおよびその第2サンギヤであり、前記第2回転要素はその第3サンギヤであり、前記第3回転要素はその第2キャリアであり、前記第4回転要素はその第1キャリア、その第2リングギヤおよびその第3キャリアであり、前記第5回転要素はその第1リングギヤおよびその第3リングギヤである。
第53発明は、第51発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、(a) 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、(b) 前記第1回転要素はその第1サンギヤであり、前記第2回転要素はその第2サンギヤおよびその第3サンギヤであり、前記第3回転要素はその第1キャリアおよびその第2リングギヤであり、前記第4回転要素はその第1リングギヤ、その第2キャリアおよびその第3キャリアであり、前記第5回転要素はその第3リングギヤである。
第54発明は、第51発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、(a) 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、(b) 前記第1回転要素はその第2サンギヤであり、前記第2回転要素はその第3サンギヤであり、前記第3回転要素はその第1キャリアおよびその第2キャリアであり、前記第4回転要素はその第1リングギヤ、その第2リングギヤおよびその第3キャリアであり、前記第5回転要素はその第1サンギヤおよびその第3リングギヤである。
第55発明は、第51発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、(a) 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第3遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、(b) 前記第1回転要素はその第1サンギヤであり、前記第2回転要素はその第2サンギヤおよびその第3サンギヤであり、前記第3回転要素はその第3リングギヤであり、前記第4回転要素はその第1キャリア、その第2キャリアおよびその第3キャリアであり、前記第5回転要素はその第1リングギヤおよびその第2リングギヤである。
第56発明は、第51発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、(a) 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、(b) 前記第1回転要素はその第1リングギヤであり、前記第2回転要素はその第1キャリア、その第2キャリアおよびその第3サンギヤであり、前記第3回転要素はその第2リングギヤであり、前記第4回転要素はその第3キャリアであり、前記第5回転要素はその第1サンギヤ、その第2サンギヤおよびその第3リングギヤである。
前記目的を達成するための第57発明の要旨とするところは、第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転をその第1変速部を介してその第1軸心に平行な第2軸心上のその第2変速部へ伝達し、その第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、(a) 前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路およびその第1中間出力経路に対して増速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、(b) 前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、その第1サンギヤおよびその第2サンギヤは第1クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第4クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結され、その第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結され、その第2キャリアは第3クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結され、その第1キャリア、その第2リングギヤおよびその第3キャリアは前記出力回転部材に連結され、その第1リングギヤおよびその第3リングギヤは第5クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結されるものであり、(c) 前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることにある。
前記目的を達成するための第58発明の要旨とするところは、第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転をその第1変速部を介してその第1軸心に平行な第2軸心上のその第2変速部へ伝達し、その第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、(a) 前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路およびその第1中間出力経路に対して増速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、(b) 前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、その第1サンギヤは第1クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第4クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結され、その第2サンギヤおよびその第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結され、その第1キャリアおよびその第2リングギヤは第3クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結され、その第1リングギヤ、その第2キャリアおよびその第3キャリアは前記出力回転部材に連結され、その第3リングギヤは第5クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結されるものであり、(c) 前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることにある。
前記目的を達成するための第59発明の要旨とするところは、第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転をその第1変速部を介してその第1軸心に平行な第2軸心上のその第2変速部へ伝達し、その第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、(a) 前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路およびその第1中間出力経路に対して増速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、(b) 前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、その第2サンギヤは第1クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第4クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結され、その第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結され、その第1キャリアおよびその第2キャリアは第3クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結され、その第1リングギヤ、その第2リングギヤおよびその第3キャリアは前記出力回転部材に連結され、その第1サンギヤおよびその第3リングギヤは第5クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結されるものであり、(c) 前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることにある。
前記目的を達成するための第60発明の要旨とするところは、第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転をその第1変速部を介してその第1軸心に平行な第2軸心上のその第2変速部へ伝達し、その第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、(a) 前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路およびその第1中間出力経路に対して増速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、(b) 前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第3遊星歯車を有するダブルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、その第1サンギヤは第1クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第4クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結され、その第2サンギヤおよびその第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結され、その第3リングギヤは第3クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結され、その第1キャリア、その第2キャリアおよびその第3キャリアは前記出力回転部材に連結され、その第1リングギヤおよびその第2リングギヤは第5クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結されるものであり、(c) 前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることにある。
前記目的を達成するための第61発明の要旨とするところは、第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転をその第1変速部を介してその第1軸心に平行な第2軸心上のその第2変速部へ伝達し、その第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、(a) 前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路およびその第1中間出力経路に対して増速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、(b) 前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、その第1リングギヤは第1クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第4クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結され、その第1キャリア、その第2キャリアおよびその第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結され、その第2リングギヤは第3クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第3キャリアは前記出力回転部材に連結され、その第1サンギヤ、その第2サンギヤおよびその第3リングギヤは第5クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結されるものであり、(c) 前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることにある。
第62発明は、第53発明または第58発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、前記第2キャリアと前記第3キャリアおよび前記第2サンギヤと前記第3サンギヤとはそれぞれ共通の部材で構成されるとともに、前記第3遊星歯車が互いに噛み合う一対の前記第2遊星歯車のいずれか1つを兼ねているものである。
第63発明は、第54発明または第59発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、前記第1キャリアと前記第2キャリアおよび前記第1リングギヤと前記第2リングギヤとはそれぞれ共通の部材で構成されるとともに、前記第2遊星歯車が互いに噛み合う一対の前記第1遊星歯車のいずれか1つを兼ねているものである。
第64発明は、第56発明または第61発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、前記第1キャリアと前記第2キャリアおよび前記第1サンギヤと前記第2サンギヤとはそれぞれ共通の部材で構成されるとともに、前記第1遊星歯車が互いに噛み合う一対の前記第2遊星歯車のいずれか1つを兼ねているものである。
第65発明は、第51発明乃至第64発明のいずれかの車両用遊星歯車式多段変速機において、前記第1クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって最も大きい変速比の第1変速段が成立させられ、前記第2クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって前記第1変速段よりも変速比が小さい第2変速段が成立させられ、前記第4クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって前記第2変速段よりも変速比が小さい第3変速段が成立させられ、前記第3クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって前記第3変速段よりも変速比が小さい第4変速段が成立させられ、前記第3クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって前記第4変速段よりも変速比が小さい第5変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第3クラッチが係合させられることによって前記第5変速段よりも変速比が小さい第6変速段が成立させられ、前記第3クラッチおよび前記第5クラッチが係合させられることによって前記第6変速段よりも変速比が小さい第7変速段が成立させられ、前記第4クラッチおよび前記第5クラッチが係合させられることによって前記第7変速段よりも変速比が小さい第8変速段が成立させられるものである。
第66発明は、第51発明乃至第65発明のいずれかの車両用遊星歯車式多段変速機において、前記第2クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって後進変速段が成立させられるか、或いは前記第4クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって後進変速段が成立させられるものである。
第67発明は、第1発明または第2発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、(a) 前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路およびその第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、(b) 前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置と第3遊星歯車装置との3組の遊星歯車装置を備え、その3組の遊星歯車装置のサンギヤ、キャリア、およびリングギヤの一部が互いに連結されることによって5つの回転要素が構成されるとともに、その5つの回転要素の回転速度を直線上で表すことができる共線図上においてその5つの回転要素を一端から他端へ向かって順番に第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素、第4回転要素、および第5回転要素としたとき、その第1回転要素は第1クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結され、さらに第3クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第2回転要素は第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第3回転要素は第4クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第3ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第4回転要素は前記出力回転部材に連結され、その第5回転要素は第2クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものである。
第68発明は、第67発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、(a) 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、(b) 前記第1回転要素はその第2サンギヤおよびその第3サンギヤであり、前記第2回転要素はその第1キャリアおよびその第2キャリアであり、前記第3回転要素はその第2リングギヤおよびその第3キャリアであり、前記第4回転要素はその第1リングギヤおよびその第3リングギヤであり、前記第5回転要素はその第1サンギヤである。
前記目的を達成するための第69発明の要旨とするところは、第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転をその第1変速部を介してその第1軸心に平行な第2軸心上のその第2変速部へ伝達し、その第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、(a) 前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路およびその第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、(b) 前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、その第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、その第2サンギヤおよびその第3サンギヤは第1クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結され、さらに第3クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1キャリアおよびその第2キャリアは第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第2リングギヤおよびその第3キャリアは第4クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第3ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1リングギヤおよびその第3リングギヤは前記出力回転部材に連結され、その第1サンギヤは第2クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、(c) 前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることにある。
第70発明は、第67発明乃至第69発明のいずれかの車両用遊星歯車式多段変速機において、前記第2クラッチおよび前記第3ブレーキが係合させられることによって最も大きい変速比の第1変速段が成立させられ、前記第2クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって前記第1変速段よりも変速比が小さい第2変速段が成立させられ、前記第2クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって前記第2変速段よりも変速比が小さい第3変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第2クラッチが係合させられることによって前記第3変速段よりも変速比が小さい第4変速段が成立させられ、前記第2クラッチおよび前記第3クラッチが係合させられることによって前記第4変速段よりも変速比が小さい第5変速段が成立させられ、前記第2クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって前記第5変速段よりも変速比が小さい第6変速段が成立させられ、前記第3クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって前記第6変速段よりも変速比が小さい第7変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって前記第7変速段よりも変速比が小さい第8変速段が成立させられ、前記第4クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって前記第8変速段よりも変速比が小さい第9変速段が成立させられるものである。
第71発明は、第67発明乃至第70発明のいずれかの車両用遊星歯車式多段変速機において、前記第1クラッチおよび前記第3ブレーキが係合させられることによって第1後進変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって前記第1後進変速段よりも変速比が小さい第2後進変速段が成立させられるものである。
第72発明は、第1発明または第2発明の車両用遊星歯車式多段変速機において、前記第1変速部は、前記第1中間出力経路および前記第2中間出力経路を介して、互いに異なる回転で前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達するものである。
第73発明は、第1発明乃至第72発明のいずれかの車両用遊星歯車式多段変速機において、前記第1軸心上において、前記2組の動力伝達部材よりも前記駆動力源側の空き空間に前記車両用遊星歯車式多段変速機を構成する以外の部品を配置するものである。
第74発明は、第1発明乃至第73発明のいずれかの車両用遊星歯車式多段変速機において、前記動力伝達部材は、前記第1軸心に配設されたドライブギヤ、および第2軸心に配設されてそのドライブギヤと噛み合わされたドリブンギヤにて構成されているカウンタギヤ対である。
第75発明は、第1発明乃至第74発明のいずれかの車両用遊星歯車式多段変速機において、駆動力源の出力は、流体伝動装置を介して前記入力回転部材に入力されるものである。
本発明の車両用遊星歯車式多段変速機は、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転を2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および第2中間出力経路を介してその第1軸心に平行な第2軸心上の第2変速部へ伝達する第1変速部と、その第2変速部を構成する前記第2軸心に同心に順次配設される複数の遊星歯車装置たとえば第1遊星歯車装置、第2遊星歯車装置および第3遊星歯車装置の3組の遊星歯車装置とによって、変速比幅を大きくとることができ且つ変速比ステップも適切な前進多段たとえば前進7速以上が可能な車両用遊星歯車式多段変速機が得られる。また、3つの遊星歯車装置を用いるだけであるので、第1変速部が遊星歯車装置であるような4つの遊星歯車装置が一軸心上に配設される場合に比較して全長すなわち軸方向の寸法を短縮できてFF車両やRR車両の横置きに好適に用いることができる。
また、第9発明、第21発明、第33発明、第49発明、第65発明では、第1変速部と第1遊星歯車装置、第2遊星歯車装置および第3遊星歯車装置の3組の遊星歯車装置とによって、変速比幅を大きくとることができ且つ変速比ステップも適切な前進8速が可能な小型の車両用遊星歯車式多段変速機が得られる。
また、第70発明では、第1変速部と第1遊星歯車装置、第2遊星歯車装置および第3遊星歯車装置の3組の遊星歯車装置とによって、変速比幅を大きくとることができ且つ変速比ステップも適切な前進9速が可能な小型の車両用遊星歯車式多段変速機が得られる。また、第1変速段乃至第9変速段のうちの所望の変速比が得られる変速段を選択することで前進7速或いは前進8速等の多段変速機が得られる。たとえば、第1変速段乃至第7変速段或いは第2変速段乃至第8変速段を用いることで前進7速の多段変速機が得られ、また第1変速段乃至第8変速段或いは第2変速段乃至第9変速段を用いることで前進8速の多段変速機が得られる。
また、第8発明、第20発明、第32発明、第48発明、第62発明、第63発明、第64発明では、部品点数や軸長を一層低減できる。
また、第10発明、第22発明、第34発明、第50発明、第66発明、第71発明では、前進7段以上と後進1段の変速ギヤ段が得られる。また、第34発明、第71発明では、後進2段の変速ギヤ段を選択することが可能である。たとえば駆動力がより必要な場合たとえば登坂路の後進走行時のような場合には変速比のより大きな後進変速段を使用し、平地等の後進走行時のような場合には変速比のより小さな後進変速段を使用すれば燃費の向上に効果がある。
また、第73発明では、車両用遊星歯車式多段変速機の軸長をコンパクトに保ちつつ、第1変速部とトルクコンバータとの間の第1軸心上の空き空間にオイルポンプや油圧式摩擦係合装置の油圧制御回路の弁本体等を配置することができて、車両用遊星歯車式多段変速機の油路の連結が容易になる。また、駆動力源によって回転駆動される機械式オイルポンプが駆動力源の近くに配置されると、その機械式オイルポンプの作動が有利になる(効率がよくなる)。
また、第74発明では、カウンタギヤ対を用いることで入力回転部材から第2変速部へ的確に動力(回転)が伝達され、またギヤ比の設定だけで適切な回転速度が簡単に得られる。
また、第75発明では、コンパクトな自動変速機の設計が可能となる。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、車両用自動変速装置として好適な車両用遊星歯車式多段変速機(以下、変速機という)10の構成を説明する骨子図である。図1において、変速機10は車体に取り付けられるトランスミッションケース12内において、そのトランスミッションケース12に回転可能に固定され且つ互いに平行に配置される第1軸32および第2軸34と2組の動力伝達部材としての第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2である2組のカウンタギヤ対を主体として構成されている第1変速部36および第1遊星歯車装置20と第2遊星歯車装置22と第3遊星歯車装置24とを主体として構成されている第2変速部38とを備え、上記第1軸32の回転中心である第1軸心32cには駆動力源たとえばエンジン8側から順次流体伝動装置としてのロックアップクラッチ13付のトルクコンバータ14、このトルクコンバータ14に連結された入力軸16、その入力軸16に連結された第1軸32に固定された上記第1カウンタギヤ対CG1の一方であるドライブギヤCG1Aおよび上記第2カウンタギヤ対CG2の一方であるドライブギヤCG2Aが同心に配設され、上記第2軸34の回転中心である第2軸心34cには第2軸34まわりに回転可能に備えられた上記第1カウンタギヤ対CG1の他方であるドリブンギヤCG1B、上記第2カウンタギヤ対CG2の他方であるドリブンギヤCG2B、上記第1遊星歯車装置20、上記第2遊星歯車装置22、上記第3遊星歯車装置24および出力軸26が同心に配設されている。この変速機10は、車両において特に横置きされるFF用或いはRR用自動変速機として好適に用いられるものであり、エンジン8と図示しない駆動輪との間に設けられ、エンジン8の出力を駆動輪に伝達する。本実施例では、上記入力軸16および出力軸26が入力回転部材および出力回転部材に対応し、上記トランスミッションケース12が非回転部材に対応している。また、入力軸16と入力軸16に連結される第1軸32とは実質的には同一のものであり、第1軸32の回転は入力回転部材である入力軸16の回転であるともいえる。また、上記トルクコンバータ14はエンジン8のクランク軸9に作動的に連結され、エンジン8の動力を入力軸16へ出力する。すなわちトルクコンバータ14の出力側回転部材であるタービン軸に連結される入力軸16はエンジン8により第1軸心32cまわりに回転駆動されることになり、このトルクコンバータ14のタービン軸も入力回転部材に相当することになる。また、上記出力軸26はたとえば差動歯車装置30等を介して左右の駆動輪を回転駆動する。
ここで、図1を参照して変速機10を構成する各装置の配置(レイアウト)を詳しく説明する。第1変速部36は第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2とが可及的に隣接するように並列に、且つ第1軸心32cおよび第2軸心34c上において第1遊星歯車装置20、第2遊星歯車装置22および第3遊星歯車装置24よりもエンジン8に遠い位置に配置される。すなわち前記トルクコンバータ14、第2軸34よりも大幅に短い入力軸16および第2変速部38は第1軸心32c或いは第2軸心34上において第1変速部36よりもエンジン8側となる位置に配置される。また、この第1変速部36を構成する第1カウンタギヤ対CG1は第2カウンタギヤ対CG2よりエンジン側に配置され、第2変速部38においては第2軸心34cに第1変速部36からエンジン側へ順次第1遊星歯車装置20、第2遊星歯車装置22、第3遊星歯車装置24さらに出力軸26となるように配置されている。また、クラッチC1乃至クラッチC4の各係合装置が第2変速部38と第1カウンタギヤ対CG1或いは第2カウンタギヤ対CG2との間に配置されている。このようにすると、一軸心上に4つの遊星歯車装置を用いる場合に比較して変速機10の軸方向の寸法が短くなりFF車両或いはRR車両の横置きでの搭載が有利になる。また、本実施例ではクラッチC1乃至クラッチC4およびブレーキB1、B2が第2軸心34cの軸端或いはトランスミッションケース12の外側に集中しているので油圧経路の取り回しがし易い。特に、クラッチC1乃至クラッチC4と第1変速部36との連結が容易になる。
上記第1変速部36を構成している第1カウンタギヤ対CG1および第2カウンタギヤ対CG2は、よく知られた平行軸式変速機のカウンターギヤと同様に第1軸32上に第1ドライブギヤCG1Aおよび第2ドライブギヤCG2A、第2軸心34c上に第1ドリブンギヤCG1Bおよび第2ドリブンギヤCG2Bを備え、第1ドライブギヤCG1Aと第1ドリブンギヤCG1Bとが、および第2ドライブギヤCG2Aと第2ドリブンギヤCG2Bとが常時噛み合わされたギヤ対から構成されている。そしてこれら2組のカウンタギヤ対は第1軸に入力された入力回転部材の回転を第2軸心34c上の第2変速部38へ伝達する2組の動力伝達部材として機能するものであり、第1カウンタギヤ対CG1によってドライブ−ドリブン経路である第1中間出力経路M1、および第2カウンタギヤ対CG2によって同じくドライブ−ドリブン経路である第2中間出力経路M2が構成され、第1変速部36はその2つの出力経路である第1中間出力経路M1および第2中間出力経路M2を介して互いに異なる2つの回転を第2変速部38へ伝達するものである。これら第1ドライブギヤCG1Aおよび第2ドライブギヤCG2Aはそれぞれ第1中間出力経路M1を第1軸32側で構成する第1ドライブ部材および前記第2中間出力経路M2を第1軸32側で構成する第2ドライブ部材であり、第1ドリブンギヤCG1Bおよび第2ドリブンギヤCG2Bはそれぞれ第1中間出力経路M1を第2軸心34c側で構成する第1ドリブン部材および第2中間出力経路M2を第2軸心34c側で構成する第2ドリブン部材である。たとえば、第1カウンタギヤ対CG1の減速比(=ドライブギヤCG1Aの回転速度/ドリブンギヤCG1Bの回転速度)を「1.000」程度、第2カウンタギヤ対CG2の減速比(=ドライブギヤCG2Aの回転速度/ドリブンギヤCG2Bの回転速度)を「1.802」程度とすれば、第1変速部36は入力軸16すなわち第1軸32の回転を上記第1中間出力経路M1とその第1中間出力経路に対して減速回転となる上記第2中間出力経路M2とで第2変速部38へ伝達(出力)することになる。本実施例では、第1カウンタギヤ対CG1の減速比を「1.000」程度として第1中間出力経路M1は入力軸16の回転速度とされたが、この第1中間出力経路M1は必ずしも入力軸16の回転速度とされる必要はない。
前記第2変速部38を構成している第1遊星歯車装置20および第3遊星歯車装置24はそれぞれシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第2遊星歯車装置22はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第1遊星歯車装置20は、第1サンギヤS1、第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、たとえば「0.392」程度の所定のギヤ比ρを有している。第2遊星歯車装置22は、第2サンギヤS2、互いに噛み合う複数対の第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.310」程度の所定のギヤ比ρを有している。第3遊星歯車装置24は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.329」程度の所定のギヤ比ρを有している。上記3組の遊星歯車装置の一部は第2軸34に連結されている。この第2軸34は連続した1つの軸とは限らずその3組の遊星歯車装置との連結状態によっては複数に分割される場合もある。第1サンギヤS1の歯数をZS1、第1リングギヤR1の歯数をZR1、第2サンギヤS2の歯数をZS2、第2リングギヤR2の歯数をZR2、第3サンギヤS3の歯数をZS3、第3リングギヤR3の歯数をZR3とすると、上記ギヤ比ρはZS1/ZR1、上記ギヤ比ρはZS2/ZR2、上記ギヤ比ρはZS2/ZR2である。
また、上記第1遊星歯車装置20および第2遊星歯車装置22は、第1キャリヤCA1および第2キャリヤCA2が共通の部品にて構成されているとともに、第1サンギヤS1および第2サンギヤS2が共通の部品にて構成されており、且つ第1遊星歯車P1が互いに噛み合う一対の第2遊星歯車P2のいずれか1つを兼ねている遊星歯車列とされている。なお、これら共通の部品で構成されているものはそれぞれ別々の部品で構成されてもよい。
上記第2変速部38においては、第1サンギヤS1と第2サンギヤS2とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第3リングギヤR3は第3クラッチC3を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2リングギヤR2と第3キャリアCA3とが一体的に連結されて第4クラッチC4を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結され、第1キャリアCA1と第2キャリアCA2と第3サンギヤS3とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力軸26に連結され、第1リングギヤR1は第1クラッチC1を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されている。
上記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2は、従来の車両用自動変速機においてよく用いられている油圧式摩擦係合装置であって、互いに重ねられた複数枚の摩擦板が油圧アクチュエータにより押圧される湿式多板型や、回転するドラムの外周面に巻き付けられた1本または2本のバンドの一端が油圧アクチュエータによって引き締められるバンドブレーキなどにより構成され、それが介そうされている両側の部材を選択的に連結するためのものである。
以上のように構成された変速機10では、たとえば、図2の係合作動表に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。
すなわち、図2に示すように、第1クラッチC1および第2ブレーキB2の係合により、第1リングギヤR1と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第3リングギヤR3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが最大値たとえば「3.518」である第1速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1および第1ブレーキB1の係合により、第1リングギヤR1と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第1サンギヤS1および第2サンギヤS2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第1速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.508」程度である第2速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1および第2クラッチC2の係合により、第1リングギヤR1と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第1サンギヤS1および第2サンギヤS2と第2ドリブンギヤCG2Bとの間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第2速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.802」程度である第3速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1および第3クラッチC3の係合により、第1リングギヤR1と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第3リングギヤR3と第1ドリブンギヤCG1Bとの間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第3速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.295」程度である第4速ギヤ段が成立させられる。また、第3クラッチC3および第4クラッチC4の係合により、第3リングギヤR3と第1ドリブンギヤCG1Bとの間、第2リングギヤR2および第3キャリアCA3と第1ドリブンギヤCG1Bとの間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第4速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.000」程度である第5速ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2および第4クラッチC4の係合により、第1サンギヤS1および第2サンギヤS2と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第2リングギヤR2および第3キャリアCA3と第1ドリブンギヤCG1Bとの間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第5速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.834」程度である第6速ギヤ段が成立させられる。また、第4クラッチC4および第1ブレーキB1の係合により、第2リングギヤR2および第3キャリアCA3と第1ドリブンギヤCG1Bとの間、第1サンギヤS1および第2サンギヤS2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第6速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.690」である第7速ギヤ段が成立させられる。また、第3クラッチC3および第1ブレーキB1の係合により、第3リングギヤR3と第1ドリブンギヤCG1Bとの間、第1サンギヤS1および第2サンギヤS2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第7速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.588」である第8速ギヤ段が成立させられる。
また、第2クラッチC2および第2ブレーキB2の係合により、第1サンギヤS1および第2サンギヤS2と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第3リングギヤR3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第1速ギヤ段と第2速ギヤ段との間の値たとえば「2.574」である後進ギヤ段が成立させられる。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第1遊星歯車装置20のギヤ比ρ、第2遊星歯車装置22のギヤ比ρ、第3遊星歯車装置24のギヤ比ρは、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
上記変速機10において、第1速ギヤ段の変速比γと第2速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.402」とされ、第2速ギヤ段の変速比γと第3速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.392」とされ、第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.391」とされ、第4速ギヤ段の変速比γと第5速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.295」とされ、第5速ギヤ段の変速比γと第6速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.200」とされ、第6速ギヤ段の変速比γと第7速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.208」とされ、第7速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.173」とされ、各変速比γが略等比的に変化させられている。また、上記変速機10において、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値すなわち「5.980」とされている。
図3は、上記変速機10において、ギヤ段毎に連結状態が異なる各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表すことができる共線図を示している。図3の共線図は、横軸方向において各遊星歯車装置20、22、24のギヤ比ρの関係を示し、縦軸方向において相対的回転速度を示す二次元座標であり、3本の横線のうちの下側の横線XZが回転速度零を示し、上側の横線X1が回転速度「1.0」すなわち第1中間出力経路M1の回転速度を示し、中間の横線X2が第2カウンタギヤ対CG2の減速比に応じて第1中間出力経路M1に対して減速回転させられる所定の回転速度「Nx2」すなわち第2中間出力経路M2の回転速度を示している。また、第2変速部38の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応し且つ相互に連結されたサンギヤS1およびサンギヤS2を、第2回転要素RE2に対応するリングギヤR3を、第3回転要素RE3に対応し且つ相互に連結されたリングギヤR2およびキャリヤCA3を、第4回転要素RE4に対応し且つ相互に連結されたキャリヤCA1、キャリヤCA2およびサンギヤS3を、第5回転要素RE5に対応するリングギヤR1をそれぞれ表し、それらの間隔は遊星歯車装置20、22、24のギヤ比ρ、ρ、ρ、に応じてそれぞれ定められている。共線図の縦軸間においてサンギヤとキャリヤとの間が「1」に対応する間隔とされるとキャリヤとリングギヤとの間がρに対応する間隔とされる関係とされ、図3の第2変速部38では、縦線Y4と縦線Y5との間が「1」に対応する間隔に設定されて他の縦軸間の間隔は上記関係に基づいてそれぞれ設定されている。上記に示すように第2変速部38の回転要素としては、第1遊星歯車装置20のサンギヤS1、キャリヤCA1、およびリングギヤR1、第2遊星歯車装置22のサンギヤS2、キャリヤCA2、およびリングギヤR2、第3遊星歯車装置24のサンギヤS3、キャリヤCA3、およびリングギヤR3の一部が単独で或いは互いに連結されることにより、共線図において一(左)端から他(右)端に向かって順番に5つの第1回転要素RE1、第2回転要素RE2、第3回転要素RE3、第4回転要素RE4、第5回転要素RE5が構成されている。
上記共線図を利用して表現すれば、本実施例の変速機10は、第1変速部36において、入力軸16の回転(第1軸32の回転)を第1中間出力経路M1とその第1中間出力経路M1に対して減速回転させられる上記第2中間出力経路M2とを介して第2変速部38へ出力するように構成され、第2変速部38において、上記第1回転要素RE1(S1、S2)は第2クラッチC2を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、上記第2回転要素RE2(R3)は第3クラッチC3を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、上記第3回転要素RE3(R2、CA3)は第4クラッチC4を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結され、上記第4回転要素RE4(CA1、CA2、S3)は前記出力回転部材としての出力軸26に連結され、上記第5回転要素RE5(R1)は第1クラッチC1を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されるように構成されている。
上記図3の共線図において、第1速ギヤ段では、第5回転要素RE5はクラッチC1の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第2回転要素RE2はブレーキB2の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y5と横線X2との交点と縦線Y2と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(1st)により、出力軸26の回転速度が示される。第2速ギヤ段では、第5回転要素RE5はクラッチC1の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第1回転要素RE1はブレーキB1の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y5と横線X2との交点と縦線Y1と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(2nd)により、出力軸26の回転速度が示される。第3速ギヤ段では、第5回転要素RE5はクラッチC1の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第1回転要素RE1はクラッチC2の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされるので、縦線Y5と横線X2との交点と縦線Y1と横線X2との交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(3rd)により、出力軸26の回転速度が示される。第4速ギヤ段では、第5回転要素RE5はクラッチC1の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第2回転要素RE2はクラッチC3の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされるので、縦線Y5と横線X2との交点と縦線Y2と横線X1との交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(4th-1)により、出力軸26の回転速度が示される。第5速ギヤ段では、第2回転要素RE2はクラッチC3の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされ、第3回転要素RE3はクラッチC4の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされるので、縦線Y2と横線X1との交点と縦線Y3と横線X1との交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(5th)により、出力軸26の回転速度が示される。第6速ギヤ段では、第1回転要素RE1はクラッチC2の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第3回転要素RE3はクラッチC4の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされるので、縦線Y1と横線X2との交点と縦線Y3と横線X1との交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(6th)により、出力軸26の回転速度が示される。第7速ギヤ段では、第3回転要素RE3はクラッチC4の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされ、第1回転要素RE1はブレーキB1の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y3と横線X1との交点と縦線Y1と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(7th)により、出力軸26の回転速度が示される。第8速ギヤ段では、第2回転要素RE2はクラッチC3の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされ、第1回転要素RE1はブレーキB1の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y2と横線X1との交点と縦線Y1と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(8th)により、出力軸26の回転速度が示される。後進ギヤ段では、第1回転要素RE1はクラッチC2の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第2回転要素RE2はブレーキB2の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y1と横線X2との交点と縦線Y2と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(Rev)により、出力軸26の負の回転速度が示される。
上述のように、本実施例によれば、第1変速部36と第1遊星歯車装置20、第2遊星歯車装置22および第3遊星歯車装置24の3組の遊星歯車装置とによって、変速比幅を大きくとることができ且つ変速比ステップも適切な前進7速以上が可能な車両用遊星歯車式多段変速機10が得られる。すなわち、各変速比γが略等比的に変化させられ、ギヤ段の切り換えによる優れた増速特性或いは加速特性が得られるとともに、変速機10の変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値たとえば「5.980」とされているので、たとえば高速走行と登坂発進性能とが両立できる小型の車両用遊星歯車式多段変速機10が得られる。また、3つの遊星歯車装置を用いるだけであるので、第1変速部が遊星歯車装置であるような4つの遊星歯車装置を用いる場合に比較して全長すなわち軸方向の寸法を短縮できてFF車両やRR車両の横置きに好適に用いることができる。
また、本実施例によれば、第1カウンタギヤ対CG1および第2カウンタギヤ対CG2を用いることで入力軸16から第2変速部38へ的確に動力(回転)が伝達され、またカウンタギヤ対の減速比(ギヤ比)の設定だけで適切な回転速度が簡単に得られる。
また、本実施例によれば、第2クラッチC2および第2ブレーキB2が係合させられることによって後進変速段が成立させられるので、前進7段以上と後進1段の変速ギヤ段が得られる。
また、本実施例によれば、第1遊星歯車装置20および第2遊星歯車装置22は、第1キャリヤCA1および第2キャリヤCA2、第1サンギヤS1および第2サンギヤS2が共通の部品にて構成されており、且つ第1遊星歯車P1が互いに噛み合う一対の第2遊星歯車P2のいずれか1つを兼ねている遊星歯車列とされているので、変速機10の部品点数や軸長が一層低減される。
また、本実施例によれば、第1遊星歯車装置20、第2遊星歯車装置22、第3遊星歯車装置24は第2軸心34c上に第1変速部36と出力軸26との間において順次配置され、エンジン8の出力はトルクコンバータ14を介して変速機10の入力軸16に入力されるようにトルクコンバータ14は第1軸32上に第1変速部36に対してエンジン8側に配置されるので、コンパクトな自動変速機の設計が可能となる。
また、本実施例によれば、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4および第1ブレーキB1、第2ブレーキB2が第2軸34の軸端或いはトランスミッションケース12側すなわち外側に集中しているので、油圧回路の取りまわしが容易となる。
つぎに、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図4は図1に示す変速機10の油圧式摩擦係合装置の図2に示す係合作動の他の実施例であり、図5は変速機10の図3に示す共線図の他の実施例である。図4と図2との違いは第4速ギヤ段が成立させられるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動がクラッチC1およびクラッチC3の係合からクラッチC1およびクラッチC4の係合に換わったことである。この結果、変速比γは「1.244」程度となり、第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.448」とされ、第4速ギヤ段の変速比γと第5速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.244」とされる。
また、図5における第4速ギヤ段では、第5回転要素RE5はクラッチC1の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第3回転要素RE3はクラッチC4の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされるので、縦線Y5と横線X2との交点と縦線Y3と横線X1との交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(4th-2)により出力軸26の回転速度が示される。
図6は本発明の他の実施例の変速機40の構成を説明する骨子図であり、図7はその変速機40の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図8は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、トルクコンバータ14およびブレーキB1の配置、また出力回転部材が出力歯車28に換わったことが相違するが、他の構成および係合作動は上記図1乃至図3に示す実施例と同様であり、その図1乃至図3に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分のトルクコンバータ14の配置について説明する。また、図7および図8は図2および図3と同様であるのでそれらの説明を割愛する。
本実施例の変速機40では、図6に示すように入力軸16の軸長が変速機10に比較して十分長く、たとえば入力軸16と第1軸32とを合わせた軸長が第2軸34の軸長程度とされて第1変速部36とトルクコンバータとの間が図1の変速機10に比較して広くされている。このようにすれば、変速機40の軸長を変速機10と同様にコンパクトに保ちつつ、第1変速部36とトルクコンバータとの間の第1軸心32c上の空き空間にオイルポンプや油圧式摩擦係合装置の油圧制御回路の弁本体等を配置することができて、変速機40の油路の連結が容易になる。また、エンジン8によって回転駆動される機械式オイルポンプがエンジン8の近くに配置されることになるので、その機械式オイルポンプの作動が有利になる(効率がよくなる)。
図9は図6に示す変速機40の油圧式摩擦係合装置の図7に示す係合作動の他の実施例であり、図10は変速機40の図8に示す共線図の他の実施例である。図9と図7との違いは図4と図2との違いと同様であり、また図10と図8との違いは図5と図3との違いと同様であるのでそれらの説明を割愛する。
図11は本発明の他の実施例の変速機50の構成を説明する骨子図であり、図12はその変速機50の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図13は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、第2変速部58の各装置の構成および第1変速部56の配置が相違する点を除けば図6に示した変速機40と同様であり、図6乃至図8に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機50と変速機40との相違する部分について説明する。
本実施例の変速機50では、図11に示すように第1変速部56を構成する第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2とが第2変速部58を挟むように配置される。このようにすれば、変速機50の軸長を変速機10と同様にコンパクトに保ちつつ、第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2との間の第1軸心32c上の空き空間にオイルポンプや油圧式摩擦係合装置の油圧制御回路の弁本体等を配置することができて、変速機50の油路の連結が容易になる。
本実施例では、上記図11に示す変速機50の第2変速部58を構成している第1遊星歯車装置20はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第2遊星歯車装置22および第3遊星歯車装置24はそれぞれシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第1遊星歯車装置20は、第1サンギヤS1、互いに噛み合う複数対の第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、たとえば「0.577」程度の所定のギヤ比ρを有している。第2遊星歯車装置22は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.392」程度の所定のギヤ比ρを有している。第3遊星歯車装置24は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.329」程度の所定のギヤ比ρを有している。
上記第2変速部58においては、第1サンギヤS1と第2サンギヤS2とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1リングギヤR1と第3リングギヤR3とが一体的に連結されて第3クラッチC3を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第3キャリアCA3は第4クラッチC4を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結され、第2キャリアCA2と第3サンギヤS3とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、第1キャリアCA1と第2リングギヤR2とが一体的に連結されて第1クラッチC1を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機50では、たとえば、図7の係合作動表と同様である図12に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、図6乃至図8に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値とされている。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第1遊星歯車装置20のギヤ比ρ、第2遊星歯車装置22のギヤ比ρ、第3遊星歯車装置24のギヤ比ρは、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図13は、前記変速機40の共線図である図8に相当する上記変速機50における共線図を示している。図13の第2変速部58の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応し且つ相互に連結されたサンギヤS1およびサンギヤS2を、第2回転要素RE2に対応し且つ相互に連結されたリングギヤR1およびリングギヤR3を、第3回転要素RE3に対応するキャリアCA3を、第4回転要素RE4に対応し且つ相互に連結されたキャリアCA2およびサンギヤS3を、第5回転要素RE5に対応し且つ相互に連結されたキャリアCA1およびリングギヤR2をそれぞれ表している。従って、これら回転要素を基にすれば、図13と図8とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図13の共線図の説明は割愛する。
図14は図11に示す変速機50の油圧式摩擦係合装置の図12に示す係合作動の他の実施例であり、図15は変速機50の図13に示す共線図の他の実施例である。図14と図12との違いは図9と図7との違いと同様であり、また図15と図13との違いは図10と図8との違いと同様であるのでそれらの説明を割愛する。
図16は本発明の他の実施例の変速機60の構成を説明する骨子図であり、図17はその変速機60の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図18は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例の変速機60を構成する各装置の配置は、図1に示した変速機10と同様であり、図1乃至図3に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機60と変速機10との相違する部分について説明する。
上記図16に示す変速機60の第1変速部66を構成している第1カウンタギヤ対CG1および第2カウンタギヤ対CG2は、たとえば第1カウンタギヤ対CG1の減速比が「1.000」程度、第2カウンタギヤ対CG2の減速比が「1.818」程度とされ、第1変速部66は入力軸16すなわち第1軸32の回転を第1中間出力経路M1とその第1中間出力経路M1に対して減速回転させられる第2中間出力経路M2とで第2変速部68へ伝達(出力)する。
本実施例では、上記図16に示す変速機60の第2変速部68を構成している第1遊星歯車装置20はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第2遊星歯車装置22および第3遊星歯車装置24はそれぞれシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第1遊星歯車装置20は、第1サンギヤS1、互いに噛み合う複数対の第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、たとえば「0.532」程度の所定のギヤ比ρを有している。第2遊星歯車装置22は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.286」程度の所定のギヤ比ρを有している。第3遊星歯車装置24は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.583」程度の所定のギヤ比ρを有している。
上記第2変速部68においては、第1サンギヤS1と第3サンギヤS3とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2リングギヤR2は第3クラッチC3を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結され、第1リングギヤR1と第2キャリアCA2と第3キャリアCA3とが一体的に連結されて第4クラッチC4を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2サンギヤS2と第3リングギヤR3とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力軸26に連結され、第1キャリアCA1は第1クラッチC1を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機60では、たとえば、図17の係合作動表に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。
すなわち、図17に示すように、第1クラッチC1および第2ブレーキB2の係合により、第1キャリアCA1と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第1リングギヤR1、第2キャリアCA2および第3キャリアCA3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが最大値たとえば「3.550」である第1速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1および第1ブレーキB1の係合により、第1キャリアCA1と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第1サンギヤS1および第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第1速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.456」程度である第2速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1および第2クラッチC2の係合により、第1キャリアCA1と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第1サンギヤS1および第3サンギヤS3と第2ドリブンギヤCG2Bとの間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第2速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.818」程度である第3速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1および第3クラッチC3の係合により、第1キャリアCA1と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第2リングギヤR2と第1ドリブンギヤCG1Bとの間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第3速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.349」程度である第4速ギヤ段が成立させられる。また、第3クラッチC3および第4クラッチC4の係合により、第2リングギヤR2と第1ドリブンギヤCG1Bとの間、第1リングギヤR1、第2キャリアCA2および第3キャリアCA3と第1ドリブンギヤCG1Bとの間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第4速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.000」程度である第5速ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2および第4クラッチC4の係合により、第1サンギヤS1および第3サンギヤS3と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第1リングギヤR1、第2キャリアCA2および第3キャリアCA3と第1ドリブンギヤCG1Bとの間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第5速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.792」程度である第6速ギヤ段が成立させられる。また、第4クラッチC4および第1ブレーキB1の係合により、第1リングギヤR1、第2キャリアCA2および第3キャリアCA3と第1ドリブンギヤCG1Bとの間、第1サンギヤS1および第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第6速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.632」である第7速ギヤ段が成立させられる。また、第3クラッチC3および第1ブレーキB1の係合により、第2リングギヤR2と第1ドリブンギヤCG1Bとの間、第1サンギヤS1および第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第7速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.526」である第8速ギヤ段が成立させられる。
また、第2クラッチC2および第2ブレーキB2の係合により、第1サンギヤS1および第3サンギヤS3と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第1リングギヤR1、第2キャリアCA2および第3キャリアCA3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第1速ギヤ段と第2速ギヤ段との間の値たとえば「2.597」である後進ギヤ段が成立させられる。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第1遊星歯車装置20のギヤ比ρ、第2遊星歯車装置22のギヤ比ρ、第3遊星歯車装置24のギヤ比ρは、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
上記変速機60において、第1速ギヤ段の変速比γと第2速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.445」とされ、第2速ギヤ段の変速比γと第3速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.351」とされ、第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.348」とされ、第4速ギヤ段の変速比γと第5速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.349」とされ、第5速ギヤ段の変速比γと第6速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.263」とされ、第6速ギヤ段の変速比γと第7速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.254」とされ、第7速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.200」とされ、各変速比γが略等比的に変化させられている。また、上記変速機60において、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値すなわち「6.745」とされている。
図18は、前記変速機10の共線図である図3に相当する上記変速機60における共線図を示している。第2変速部68の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応し且つ相互に連結されたサンギヤS1およびサンギヤS3を、第2回転要素RE2に対応するリングギヤR2を、第3回転要素RE3に対応し且つ相互に連結されたリングギヤR1、キャリヤCA2およびキャリヤCA3を、第4回転要素RE4に対応し且つ相互に連結されたサンギヤS2およびリングギヤR3を、第5回転要素RE5に対応するキャリヤCA1をそれぞれ表している。
上記共線図を利用して表現すれば、本実施例の変速機60は、第1変速部66において、入力軸16の回転(第1軸32の回転)を第1中間出力経路M1とその第1中間出力経路M1に対して減速回転させられる上記第2中間出力経路M2とを介して第2変速部68へ出力するように構成され、第2変速部68において、上記第1回転要素RE1(S1、S3)は第2クラッチC2を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、上記第2回転要素RE2(R2)は第3クラッチC3を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結され、上記第3回転要素RE3(R1、CA2、CA3)は第4クラッチC4を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、上記第4回転要素RE4(S2、R3)は前記出力回転部材としての出力軸26に連結され、上記第5回転要素RE5(CA1)は第1クラッチC1を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されるように構成されている。
上記図18の共線図において、第1速ギヤ段では、第5回転要素RE5はクラッチC1の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第3回転要素RE3はブレーキB2の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y5と横線X2との交点と縦線Y3と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(1st)により、出力軸26の回転速度が示される。第2速ギヤ段では、第5回転要素RE5はクラッチC1の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第1回転要素RE1はブレーキB1の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y5と横線X2との交点と縦線Y1と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(2nd)により、出力軸26の回転速度が示される。第3速ギヤ段では、第5回転要素RE5はクラッチC1の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第1回転要素RE1はクラッチC2の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされるので、縦線Y5と横線X2との交点と縦線Y1と横線X2との交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(3rd)により、出力軸26の回転速度が示される。第4速ギヤ段では、第5回転要素RE5はクラッチC1の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第2回転要素RE2はクラッチC3の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされるので、縦線Y5と横線X2との交点と縦線Y2と横線X1との交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(4th-1)により、出力軸26の回転速度が示される。第5速ギヤ段では、第2回転要素RE2はクラッチC3の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされ、第3回転要素RE3はクラッチC4の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされるので、縦線Y2と横線X1との交点と縦線Y3と横線X1との交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(5th)により、出力軸26の回転速度が示される。第6速ギヤ段では、第1回転要素RE1はクラッチC2の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第3回転要素RE3はクラッチC4の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされるので、縦線Y1と横線X2との交点と縦線Y3と横線X1との交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(6th)により、出力軸26の回転速度が示される。第7速ギヤ段では、第3回転要素RE3はクラッチC4の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされ、第1回転要素RE1はブレーキB1の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y3と横線X1との交点と縦線Y1と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(7th)により、出力軸26の回転速度が示される。第8速ギヤ段では、第2回転要素RE2はクラッチC3の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされ、第1回転要素RE1はブレーキB1の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y2と横線X1との交点と縦線Y1と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(8th)により、出力軸26の回転速度が示される。後進ギヤ段では、第1回転要素RE1はクラッチC2の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第3回転要素RE3はブレーキB2の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y1と横線X2との交点と縦線Y3と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(Rev)により、出力軸26の負の回転速度が示される。
図19は図16に示す変速機60の油圧式摩擦係合装置の図17に示す係合作動の他の実施例であり、図20は変速機60の図18に示す共線図の他の実施例である。図19と図17との違いは第4速ギヤ段が成立させられるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動がクラッチC1およびクラッチC3の係合からクラッチC1およびクラッチC4の係合に換わったことである。この結果、変速比γは「1.300」程度となり、第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.398」とされ、第4速ギヤ段の変速比γと第5速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.300」とされる。
また、図20における第4速ギヤ段では、第5回転要素RE5はクラッチC1の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第3回転要素RE3はクラッチC4の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされるので、縦線Y5と横線X2との交点と縦線Y3と横線X1との交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(4th-2)により出力軸26の回転速度が示される。
図21は本発明の他の実施例の変速機70の構成を説明する骨子図であり、図22はその変速機70の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図23は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、トルクコンバータ14およびブレーキB1の配置、また出力回転部材が出力歯車28に換わったことが相違するが、他の構成および係合作動は上記図16乃至図18に示す実施例と同様であり、その図16乃至図18に示す実施例と同様の効果が得られる。そのトルクコンバータ14の配置は図6に示す変速機40と同様であり、また図22および図23は図17および図18と同様であるのでそれらの説明を割愛する。
図24は図21に示す変速機70の油圧式摩擦係合装置の図22に示す係合作動の他の実施例であり、図25は変速機70の図23に示す共線図の他の実施例である。図24と図22との違いは図19と図17との違いと同様であり、また図25と図23との違いは図20と図18との違いと同様であるのでそれらの説明を割愛する。
図26は本発明の他の実施例の変速機80の構成を説明する骨子図であり、図27はその変速機80の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図28は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、第2変速部88の各装置の構成が相違する点を除けば図21に示した変速機70と同様であり、図21乃至図23に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機80と変速機70との相違する部分について説明する。
本実施例では、上記図26に示す変速機80の第2変速部88を構成している第1遊星歯車装置20および第3遊星歯車装置24はそれぞれシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第2遊星歯車装置22はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第1遊星歯車装置20は、第1サンギヤS1、第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、たとえば「0.351」程度の所定のギヤ比ρを有している。第2遊星歯車装置22は、第2サンギヤS2、互いに噛み合う複数対の第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.368」程度の所定のギヤ比ρを有している。第3遊星歯車装置24は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.286」程度の所定のギヤ比ρを有している。
また、上記第1遊星歯車装置20および第2遊星歯車装置22は、第1キャリヤCA1および第2キャリヤCA2が共通の部品にて構成されているとともに、第1サンギヤS1および第2サンギヤS2が共通の部品にて構成されており、且つ第1遊星歯車P1が互いに噛み合う一対の第2遊星歯車P2のいずれか1つを兼ねている遊星歯車列とされている。なお、これら共通の部品で構成されているものはそれぞれ別々の部品で構成されてもよい。
上記第2変速部88においては、第1サンギヤS1と第2サンギヤS2とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第3リングギヤR3は第3クラッチC3を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結され、第2リングギヤR2と第3キャリアCA3とが一体的に連結されて第4クラッチC4を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1キャリアCA1と第2キャリアCA2と第3サンギヤS3とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、第1リングギヤR1は第1クラッチC1を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機80では、たとえば、図22の係合作動表と同様である図27に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、図21乃至図23に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値とされている。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第1遊星歯車装置20のギヤ比ρ、第2遊星歯車装置22のギヤ比ρ、第3遊星歯車装置24のギヤ比ρは、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図28は、前記変速機70の共線図である図23に相当する上記変速機80における共線図を示している。図28の第2変速部88の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応し且つ相互に連結されたサンギヤS1およびサンギヤS2を、第2回転要素RE2に対応するリングギヤR3を、第3回転要素RE3に対応し且つ相互に連結されたリングギヤR2およびキャリアCA3を、第4回転要素RE4に対応し且つ相互に連結されたキャリアCA1、キャリアCA2およびサンギヤS3を、第5回転要素RE5に対応するリングギヤR1をそれぞれ表している。従って、これら回転要素を基にすれば、図28と図23とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図28の共線図の説明は割愛する。
図29は図26と同様の本発明の他の実施例の変速機80の構成を説明する骨子図であり、図30はその変速機80の油圧式摩擦係合装置の図27に示す係合作動の他の実施例であり、図31は変速機80の図28に示す共線図の他の実施例である。図30と図27との違いは図24と図22との違いと同様であり、また図31と図28との違いは図25と図23との違いと同様であるのでそれらの説明を割愛する。
図32は本発明の他の実施例の変速機90の構成を説明する骨子図であり、図33はその変速機90の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図34は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、第2変速部98の各装置の構成および第1変速部96の配置が相違する点を除けば図21に示した変速機70と同様であり、図21乃至図23に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機90と変速機70との相違する部分について説明する。
本実施例の変速機90では、図32に示すように第1変速部96を構成する第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2とが第2変速部98を挟むように配置される。このようにすれば、変速機90の軸長を変速機70と同様にコンパクトに保ちつつ、第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2との間の第1軸心32c上の空き空間にオイルポンプや油圧式摩擦係合装置の油圧制御回路の弁本体等を配置することができて、変速機90の油路の連結が容易になる。
本実施例では、上記図32に示す変速機90の第2変速部98を構成している第1遊星歯車装置20、第2遊星歯車装置22および第3遊星歯車装置24はそれぞれシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第1遊星歯車装置20は、第1サンギヤS1、第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、たとえば「0.286」程度の所定のギヤ比ρを有している。第2遊星歯車装置22は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.583」程度の所定のギヤ比ρを有している。第3遊星歯車装置24は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.351」程度の所定のギヤ比ρを有している。
上記第2変速部98においては、第2サンギヤS2と第3サンギヤS3とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1リングギヤR1は第3クラッチC3を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結され、第1キャリアCA1と第2キャリアCA2とが一体的に連結されて第4クラッチC4を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1サンギヤS1と第2リングギヤR2と第3キャリアCA3とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、第3リングギヤR3は第1クラッチC1を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機90では、たとえば、図22の係合作動表と同様である図33に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、図21乃至図23に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値とされている。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第1遊星歯車装置20のギヤ比ρ、第2遊星歯車装置22のギヤ比ρ、第3遊星歯車装置24のギヤ比ρは、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図34は、前記変速機70の共線図である図23に相当する上記変速機90における共線図を示している。図34の第2変速部98の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応し且つ相互に連結されたサンギヤS2およびサンギヤS3を、第2回転要素RE2に対応するリングギヤR1を、第3回転要素RE3に対応し且つ相互に連結されたキャリアCA1およびキャリアCA2を、第4回転要素RE4に対応し且つ相互に連結されたサンギヤS1、リングギヤR2およびキャリアCA3を、第5回転要素RE5に対応するリングギヤR3をそれぞれ表している。従って、これら回転要素を基にすれば、図34と図23とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図34の共線図の説明は割愛する。
図35はその変速機90の油圧式摩擦係合装置の図33に示す係合作動の他の実施例であり、図36は変速機90の図34に示す共線図の他の実施例である。図35と図33との違いは図24と図22との違いと同様であり、また図36と図34との違いは図25と図23との違いと同様であるのでそれらの説明を割愛する。
図37は本発明の他の実施例の変速機100の構成を説明する骨子図であり、図38はその変速機100の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図39は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、第2変速部108の各装置の構成および第1変速部106の配置が相違する点を除けば図21に示した変速機70と同様であり、図21乃至図23に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機100と変速機70との相違する部分について説明する。
本実施例の変速機100では、図37に示すように第1変速部106を構成する第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2とが第2変速部108を構成する第2遊星歯車装置22および第3遊星歯車装置24を挟むように配置される。このようにすれば、変速機100の軸長を変速機70と同様にコンパクトに保ちつつ、第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2との間の第1軸心32c上の空き空間にオイルポンプや油圧式摩擦係合装置の油圧制御回路の弁本体等を配置することができて、変速機100の油路の連結が容易になる。
本実施例では、上記図37に示す変速機100の第2変速部108を構成している第1遊星歯車装置20および第3遊星歯車装置24はそれぞれシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第2遊星歯車装置22はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第1遊星歯車装置20は、第1サンギヤS1、第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、たとえば「0.286」程度の所定のギヤ比ρを有している。第2遊星歯車装置22は、第2サンギヤS2、互いに噛み合う複数対の第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.488」程度の所定のギヤ比ρを有している。第3遊星歯車装置24は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.351」程度の所定のギヤ比ρを有している。
上記第2変速部108においては、第3サンギヤS3は第2クラッチC2を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1リングギヤR1は第3クラッチC3を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結され、第1キャリアCA1と第2サンギヤS2とが一体的に連結されて第4クラッチC4を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1サンギヤS1と第2リングギヤR2と第3キャリアCA3とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、第2キャリアCA2と第3リングギヤR3とが一体的に連結されて第1クラッチC1を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機100では、たとえば、図22の係合作動表と同様である図38に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、図21乃至図23に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値とされている。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第1遊星歯車装置20のギヤ比ρ、第2遊星歯車装置22のギヤ比ρ、第3遊星歯車装置24のギヤ比ρは、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図39は、前記変速機70の共線図である図23に相当する上記変速機100における共線図を示している。図39の第2変速部108の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応するサンギヤS3を、第2回転要素RE2に対応するリングギヤR1を、第3回転要素RE3に対応し且つ相互に連結されたキャリアCA1およびサンギヤS2を、第4回転要素RE4に対応し且つ相互に連結されたサンギヤS1、リングギヤR2およびキャリアCA3を、第5回転要素RE5に対応し且つ相互に連結されたキャリアCA2およびリングギヤR3をそれぞれ表している。従って、これら回転要素を基にすれば、図39と図23とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図39の共線図の説明は割愛する。
図40はその変速機100の油圧式摩擦係合装置の図38に示す係合作動の他の実施例であり、図41は変速機100の図39に示す共線図の他の実施例である。図40と図38との違いは図24と図22との違いと同様であり、また図41と図39との違いは図25と図23との違いと同様であるのでそれらの説明を割愛する。
図42は本発明の他の実施例の変速機110の構成を説明する骨子図であり、図43はその変速機110の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図44は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例の変速機110を構成する各装置の配置は、図1に示した変速機10と同様であり、図1乃至図3に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機110と変速機10との相違する部分について説明する。
上記図42に示す変速機110の第1変速部116を構成している第1カウンタギヤ対CG1および第2カウンタギヤ対CG2は、たとえば第1カウンタギヤ対CG1の減速比が「1.000」程度、第2カウンタギヤ対CG2の減速比が「1.745」程度とされ、第1変速部116は入力軸16すなわち第1軸32の回転を第1中間出力経路M1とその第1中間出力経路M1に対して減速回転させられる第2中間出力経路M2とで第2変速部118へ伝達(出力)する。
本実施例では、上記図42に示す変速機110の第2変速部118を構成している第1遊星歯車装置20および第3遊星歯車装置24はそれぞれシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第2遊星歯車装置22はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第1遊星歯車装置20は、第1サンギヤS1、第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、たとえば「0.349」程度の所定のギヤ比ρを有している。第2遊星歯車装置22は、第2サンギヤS2、互いに噛み合う複数対の第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.419」程度の所定のギヤ比ρを有している。第3遊星歯車装置24は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.301」程度の所定のギヤ比ρを有している。
また、上記第1遊星歯車装置20および第2遊星歯車装置22は、第1キャリヤCA1および第2キャリヤCA2が共通の部品にて構成されているとともに、第1サンギヤS1および第2サンギヤS2が共通の部品にて構成されており、且つ第1遊星歯車P1が互いに噛み合う一対の第2遊星歯車P2のいずれか1つを兼ねている遊星歯車列とされている。なお、これら共通の部品で構成されているものはそれぞれ別々の部品で構成されてもよい。また、上記第1遊星歯車P1は第1遊星歯車装置20側と第2遊星歯車装置22側とで異なる径(歯数)であってもよい。
上記第2変速部118においては、第3サンギヤS3は第2クラッチC2を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1リングギヤR1は第3クラッチC3を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1キャリアCA1と第2キャリアCA2とが一体的に連結されて第4クラッチC4を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第3ブレーキB3を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2リングギヤR2と第3キャリアCA3とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力軸26に連結され、第1サンギヤS1と第2サンギヤS2と第3リングギヤR3とが一体的に連結されて第1クラッチC1を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機110では、たとえば、図43の係合作動表に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。
すなわち、図43に示すように、第1クラッチC1および第3ブレーキB3の係合により、第1サンギヤS1、第2サンギヤS2および第3リングギヤR3と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第1キャリアCA1および第2キャリアCA2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが最大値たとえば「4.169」である第1速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1および第2ブレーキB2の係合により、第1サンギヤS1、第2サンギヤS2および第3リングギヤR3と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第1リングギヤR1とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第1速ギヤ段よりも小さい値たとえば「3.067」程度である第2速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1および第1ブレーキB1の係合により、第1サンギヤS1、第2サンギヤS2および第3リングギヤR3と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第2速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.271」程度である第3速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1および第2クラッチC2の係合により、第1サンギヤS1、第2サンギヤS2および第3リングギヤR3と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第3サンギヤS3と第2ドリブンギヤCG2Bとの間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第3速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.745」程度である第4速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1および第3クラッチC3の係合により、第1サンギヤS1、第2サンギヤS2および第3リングギヤR3と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第1リングギヤR1と第1ドリブンギヤCG1Bとの間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第4速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.321」程度である第5速ギヤ段が成立させられる。また、第3クラッチC3および第4クラッチC4の係合により、第1リングギヤR1と第1ドリブンギヤCG1Bとの間、第1キャリアCA1および第2キャリアCA2と第1ドリブンギヤCG1Bとの間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第5速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.000」程度である第6速ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2および第3クラッチC3の係合により、第3サンギヤS3と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第1リングギヤR1と第1ドリブンギヤCG1Bとの間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第6速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.780」である第7速ギヤ段が成立させられる。また、第3クラッチC3および第1ブレーキB1の係合により、第1リングギヤR1と第1ドリブンギヤCG1Bとの間、第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第7速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.602」である第8速ギヤ段が成立させられる。
また、第2クラッチC2および第2ブレーキB2の係合により、第3サンギヤS3と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第1リングギヤR1とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第2速ギヤ段と第3速ギヤ段との間の値たとえば「2.644」程度である後進ギヤ段が成立させられる。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第1遊星歯車装置20のギヤ比ρ、第2遊星歯車装置22のギヤ比ρ、第3遊星歯車装置24のギヤ比ρは、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
上記変速機110において、第1速ギヤ段の変速比γと第2速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.359」とされ、第2速ギヤ段の変速比γと第3速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.351」とされ、第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.301」とされ、第4速ギヤ段の変速比γと第5速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.321」とされ、第5速ギヤ段の変速比γと第6速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.321」とされ、第6速ギヤ段の変速比γと第7速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.282」とされ、第7速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.295」とされ、各変速比γが略等比的に変化させられている。また、上記変速機110において、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値すなわち「6.921」とされている。
図44は、前記変速機10の共線図である図3に相当する上記変速機110における共線図を示している。第2変速部118の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応するサンギヤS3を、第2回転要素RE2に対応するリングギヤR1を、第3回転要素RE3に対応し且つ相互に連結されたキャリヤCA1およびキャリヤCA2を、第4回転要素RE4に対応し且つ相互に連結されたリングギヤR2およびキャリヤCA3を、第5回転要素RE5に対応し且つ相互に連結されたサンギヤS1、サンギヤS2およびリングギヤR3をそれぞれ表している。
上記共線図を利用して表現すれば、本実施例の変速機110は、第1変速部116において、入力軸16の回転(第1軸32の回転)を第1中間出力経路M1とその第1中間出力経路M1に対して減速回転させられる上記第2中間出力経路M2とを介して第2変速部118へ出力するように構成され、第2変速部118において、上記第1回転要素RE1(S3)は第2クラッチC2を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、上記第2回転要素RE2(R1)は第3クラッチC3を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、上記第3回転要素RE3(CA1、CA2)は第4クラッチC4を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第3ブレーキB3を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、上記第4回転要素RE4(R2、CA3)は前記出力回転部材としての出力軸26に連結され、上記第5回転要素RE5(S1、S2、R3)は第1クラッチC1を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されるように構成されている。
上記図44の共線図において、第1速ギヤ段では、第5回転要素RE5はクラッチC1の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第3回転要素RE3はブレーキB3の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y5と横線X2との交点と縦線Y3と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(1st)により、出力軸26の回転速度が示される。第2速ギヤ段では、第5回転要素RE5はクラッチC1の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第2回転要素RE2はブレーキB2の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y5と横線X2との交点と縦線Y2と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(2nd)により、出力軸26の回転速度が示される。第3速ギヤ段では、第5回転要素RE5はクラッチC1の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第1回転要素RE1はブレーキB1の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y5と横線X2との交点と縦線Y1と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(3rd)により、出力軸26の回転速度が示される。第4速ギヤ段では、第5回転要素RE5はクラッチC1の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第1回転要素RE1はクラッチC2の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされるので、縦線Y5と横線X2との交点と縦線Y1と横線X2との交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(4th)により、出力軸26の回転速度が示される。第5速ギヤ段では、第5回転要素RE5はクラッチC1の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第2回転要素RE2はクラッチC3の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされるので、縦線Y5と横線X2との交点と縦線Y2と横線X1との交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(5th)により、出力軸26の回転速度が示される。第6速ギヤ段では、第2回転要素RE2はクラッチC3の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされ、第3回転要素RE3はクラッチC4の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされるので、縦線Y2と横線X1との交点と縦線Y3と横線X1との交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(6th)により、出力軸26の回転速度が示される。第7速ギヤ段では、第1回転要素RE1はクラッチC2の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第2回転要素RE2はクラッチC3の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされるので、縦線Y1と横線X2との交点と縦線Y2と横線X1との交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(7th)により、出力軸26の回転速度が示される。第8速ギヤ段では、第2回転要素RE2はクラッチC3の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされ、第1回転要素RE1はブレーキB1の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y2と横線X1との交点と縦線Y1と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(8th)により、出力軸26の回転速度が示される。後進ギヤ段では、第1回転要素RE1はクラッチC2の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第2回転要素RE2はブレーキB2の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y1と横線X2との交点と縦線Y2と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(Rev1)により、出力軸26の負の回転速度が示される。
図45は本発明の他の実施例の変速機120の構成を説明する骨子図であり、図46はその変速機120の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図47は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、トルクコンバータ14およびブレーキB1の配置、また出力回転部材が出力歯車28に換わったことが相違するが、他の構成および係合作動は上記図42乃至図44に示す実施例と同様であり、その図42乃至図44に示す実施例と同様の効果が得られる。そのトルクコンバータ14の配置は図6に示す変速機40と同様であり、また図46および図47は図43および図44と同様であるのでそれらの説明を割愛する。
図48は本発明の他の実施例の変速機130の構成を説明する骨子図であり、図49はその変速機130の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図50は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、クラッチC4と変速機130の各装置との接続関係が相違する点を除けば図45に示した変速機120と同様であり、図45乃至図47に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機130と変速機120との相違する部分について説明する。
前記変速機120においてはクラッチC4は第3回転要素RE3に対応し且つ相互に連結された第1キャリアCA1と第2キャリアCA2とを第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結するように配置されていたが、本実施例の変速機130においてはクラッチC4は第5回転要素RE5に対応し且つ相互に連結された第1サンギヤS1と第2サンギヤS2と第3リングギヤR3とを第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結するように配置されている。
すなわち第2変速部138においては、第3サンギヤS3は第2クラッチC2を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1リングギヤR1は第3クラッチC3を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1キャリアCA1と第2キャリアCA2とが一体的に連結されて第3ブレーキB3を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2リングギヤR2と第3キャリアCA3とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、第1サンギヤS1と第2サンギヤS2と第3リングギヤR3とが一体的に連結されて第4クラッチC4を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第1クラッチC1を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機130では、たとえば、図46の係合作動表と同様である図49に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、図45乃至図47に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値とされている。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第1遊星歯車装置20のギヤ比ρ、第2遊星歯車装置22のギヤ比ρ、第3遊星歯車装置24のギヤ比ρは、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図50は、前記変速機120の共線図である図47に相当する上記変速機130における共線図を示している。上述したようにクラッチC4は第5回転要素RE5(サンギヤS1、サンギヤS2、リングギヤR3)を第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結するように配置されている。したがって、第6速ギヤ段では、第2回転要素RE2はクラッチC3の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされ、第5回転要素RE5はクラッチC4の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされるので、縦線Y2と横線X1との交点と縦線Y5と横線X1との交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(6th)により、出力歯車28の回転速度が示される。この点を除けば図50と図47とは共線図としては同様であるので、この図50の共線図のそれ以外の部分についての説明は割愛する。
図51は本発明の他の実施例の変速機140の構成を説明する骨子図であり、図52はその変速機140の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図53は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、クラッチC4と変速機140の各装置との接続関係が相違する点を除けば図45に示した変速機120と同様であり、図45乃至図47に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機140と変速機120との相違する部分について説明する。
前記変速機120においてはクラッチC4は第3回転要素RE3に対応し且つ相互に連結された第1キャリアCA1と第2キャリアCA2とを第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結するように配置されていたが、本実施例の変速機140においてはクラッチC4は第3回転要素RE3に対応し且つ相互に連結された第1キャリアCA1および第2キャリアCA2と第5回転要素RE5に対応し且つ相互に連結された第1サンギヤS1、第2サンギヤS2および第3リングギヤR3とを選択的に連結するように配置されている。
すなわち第2変速部148においては、第3サンギヤS3は第2クラッチC2を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1リングギヤR1は第3クラッチC3を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1キャリアCA1と第2キャリアCA2とが一体的に連結されて第3ブレーキB3を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2リングギヤR2と第3キャリアCA3とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、第1サンギヤS1と第2サンギヤS2と第3リングギヤR3とが一体的に連結されて第1クラッチC1を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されている。さらに、一体的に連結された第1キャリアCA1および第2キャリアCA2と一体的に連結された第1サンギヤS1、第2サンギヤS2および第3リングギヤR3とが第4クラッチC4を介して選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機140では、たとえば、図46の係合作動表と同様である図52に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、図45乃至図47に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値とされている。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第1遊星歯車装置20のギヤ比ρ、第2遊星歯車装置22のギヤ比ρ、第3遊星歯車装置24のギヤ比ρは、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図53は、前記変速機120の共線図である図47に相当する上記変速機140における共線図を示している。上述したようにクラッチC4は第3回転要素RE3(キャリアCA1、キャリアCA2)と第5回転要素RE5(サンギヤS1、サンギヤS2、リングギヤR3)とを選択的に連結するように配置されている。したがって、第6速ギヤ段では、第2回転要素RE2はクラッチC3の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされ、第3回転要素RE3と第5回転要素RE5とがクラッチC4の係合により連結(直結)されて第1遊星歯車装置20、第2遊星歯車装置22、第3遊星歯車装置24は回転速度「1」で一体回転させられることになり、縦線Y4上の点(6th)により出力歯車28の回転速度が示される。この点を除けば図53と図47とは共線図としては同様であるので、この図53の共線図のそれ以外の部分についての説明は割愛する。
図54は本発明の他の実施例の変速機150の構成を説明する骨子図であり、図55はその変速機150の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図56は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、第2変速部158の各装置の構成および第1変速部156の配置が相違する点を除けば図45に示した変速機120と同様であり、図45乃至図47に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機150と変速機120との相違する部分について説明する。
本実施例の変速機150では、図54に示すように第1変速部156を構成する第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2とが第2変速部158を構成する第1遊星歯車装置20および第2遊星歯車装置22を挟むように配置される。このようにすれば、変速機150の軸長を変速機120と同様にコンパクトに保ちつつ、第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2との間の第1軸心32c上の空き空間にオイルポンプや油圧式摩擦係合装置の油圧制御回路の弁本体等を配置することができて、変速機150の油路の連結が容易になる。
本実施例では、上記図54に示す変速機150の第2変速部158を構成している第1遊星歯車装置20はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第2遊星歯車装置22および第3遊星歯車装置24はそれぞれシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第1遊星歯車装置20は、第1サンギヤS1、互いに噛み合う複数対の第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、たとえば「0.455」程度の所定のギヤ比ρを有している。第2遊星歯車装置22は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.300」程度の所定のギヤ比ρを有している。第3遊星歯車装置24は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.301」程度の所定のギヤ比ρを有している。
また、上記第1遊星歯車装置20および第2遊星歯車装置22は、第1キャリヤCA1および第2キャリヤCA2が共通の部品にて構成されているとともに、第1リングギヤR1および第2リングギヤR2が共通の部品にて構成され、且つ第2遊星歯車P2が互いに噛み合う一対の第1遊星歯車P1のいずれか1つを兼ねているラビニヨ型の遊星歯車列とされてもよい。また、上記第2遊星歯車P2は第1遊星歯車装置20側と第2遊星歯車装置22側とで異なる径(歯数)であってもよい。
上記第2変速部158においては、第2サンギヤS2と第3サンギヤS3とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1キャリアCA1と第2キャリアCA2とが一体的に連結されて第3クラッチC3を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1リングギヤR1と第2リングギヤR2とが一体的に連結されて第4クラッチC4を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第3ブレーキB3を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1サンギヤS1と第3キャリアCA3とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、第3リングギヤR3は第1クラッチC1を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機150では、たとえば、図46の係合作動表と同様である図55に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、図45乃至図47に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値とされている。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第1遊星歯車装置20のギヤ比ρ、第2遊星歯車装置22のギヤ比ρ、第3遊星歯車装置24のギヤ比ρは、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図56は、前記変速機120の共線図である図47に相当する上記変速機150における共線図を示している。図56の第2変速部158の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応し且つ相互に連結されたサンギヤS2およびサンギヤS3を、第2回転要素RE2に対応し且つ相互に連結されたキャリアCA1およびキャリアCA2を、第3回転要素RE3に対応し且つ相互に連結されたリングギヤR1およびリングギヤR2を、第4回転要素RE4に対応し且つ相互に連結されたサンギヤS1およびキャリアCA3を、第5回転要素RE5に対応するリングギヤR3をそれぞれ表している。従って、これら回転要素を基にすれば、図56と図47とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図56の共線図の説明は割愛する。
図57は本発明の他の実施例の変速機160の構成を説明する骨子図であり、図58はその変速機160の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図59は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、クラッチC4と変速機160の各装置との接続関係、第2変速部168の各装置の構成および第1変速部166の配置が相違する点を除けば図45に示した変速機120と同様であり、図45乃至図47に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機130と変速機120との相違する部分について説明する。
本実施例の変速機160では、図57に示すように第1変速部166を構成する第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2とが第2変速部168を挟むように配置される。このようにすれば、変速機160の軸長を変速機120と同様にコンパクトに保ちつつ、第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2との間の第1軸心32c上の空き空間にオイルポンプや油圧式摩擦係合装置の油圧制御回路の弁本体等を配置することができて、変速機160の油路の連結が容易になる。
本実施例では、上記図57に示す変速機160の第2変速部168を構成している第1遊星歯車装置20および第3遊星歯車装置24はそれぞれシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第2遊星歯車装置22はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第1遊星歯車装置20は、第1サンギヤS1、第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、たとえば「0.300」程度の所定のギヤ比ρを有している。第2遊星歯車装置22は、第2サンギヤS2、互いに噛み合う複数対の第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.455」程度の所定のギヤ比ρを有している。第3遊星歯車装置24は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.301」程度の所定のギヤ比ρを有している。
また、上記第1遊星歯車装置20および第2遊星歯車装置22は、第1キャリヤCA1および第2キャリヤCA2が共通の部品にて構成されているとともに、第1リングギヤR1および第2リングギヤR2が共通の部品にて構成され、且つ第1遊星歯車P1が互いに噛み合う一対の第2遊星歯車P2のいずれか1つを兼ねているラビニヨ型の遊星歯車列とされてもよい。また、上記第1遊星歯車P1は第1遊星歯車装置20側と第2遊星歯車装置22側とで異なる径(歯数)であってもよい。
上記第2変速部168においては、第1サンギヤS1と第3サンギヤS3とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結され、さらに第4クラッチC4を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1キャリアCA1と第2キャリアCA2とが一体的に連結されて第3クラッチC3を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1リングギヤR1と第2リングギヤR2とが一体的に連結されて第3ブレーキB3を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2サンギヤS2と第3キャリアCA3とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、第3リングギヤR3は第1クラッチC1を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機160では、たとえば、図46の係合作動表に第2後進ギヤ段を加えた図58に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは第1後進ギヤ段(第1後進変速段)および第2後進ギヤ段(第2後進変速段)のいずれかが選択的に成立させられ、図45乃至図47に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値とされている。追加された後進ギヤ段について説明すると、第2クラッチC2および第2ブレーキB2の係合により、第1サンギヤS1および第3サンギヤS3と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第1キャリアCA1および第2キャリアCA2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γR1が第2速ギヤ段と第3速ギヤ段との間の値たとえば「2.644」程度である第1後進ギヤ段が成立させられる。また、第4クラッチC4および第3ブレーキB3の係合により、第1サンギヤS1および第3サンギヤS3と第1ドリブンギヤCG1Bとの間、第1リングギヤR1および第2リングギヤR2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γR2が第1後進変速段よりも大きく、第1速ギヤ段と第2速ギヤ段との間の値たとえば「3.611」程度である第2後進ギヤ段が成立させられる。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第1遊星歯車装置20のギヤ比ρ、第2遊星歯車装置22のギヤ比ρ、第3遊星歯車装置24のギヤ比ρは、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図59は、前記変速機120の共線図である図47に相当する上記変速機160における共線図を示している。図59の第2変速部168の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応し且つ相互に連結されたサンギヤS1およびサンギヤS3を、第2回転要素RE2に対応し且つ相互に連結されたキャリアCA1およびキャリアCA2を、第3回転要素RE3に対応し且つ相互に連結されたリングギヤR1およびリングギヤR2を、第4回転要素RE4に対応し且つ相互に連結されたサンギヤS2およびキャリアCA3を、第5回転要素RE5に対応するリングギヤR3をそれぞれ表している。図47との主な違いはクラッチC4と各回転要素との連結関係および第2後進ギヤ段が示されている点である。このクラッチC4は第1回転要素RE1(サンギヤS1、サンギヤS3)を第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結するように配置されている。したがって、第6速ギヤ段では、第2回転要素RE2はクラッチC3の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされ、第1回転要素RE1はクラッチC4の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされるので、縦線Y2と横線X1との交点と縦線Y1と横線X1との交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(6th)により、出力歯車28の回転速度が示される。また、第1後進ギヤ段では、第1回転要素RE1はクラッチC2の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第2回転要素RE2はブレーキB2の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y1と横線X2との交点と縦線Y2と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(Rev1)により、出力歯車28の負の回転速度が示される。第2後進ギヤ段では、第1回転要素RE1はクラッチC4の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされ、第3回転要素RE3はブレーキB3の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y1と横線X1との交点と縦線Y3と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(Rev2)により、出力歯車28の負の回転速度が示される。この点を除けば図59と図47とは共線図としては同様であるので、この図59の共線図のそれ以外の部分についての説明は割愛する。
上述のように、本実施例によれば、図45乃至図47に示す実施例と同様の効果が得られる他に、第2クラッチC2および第2ブレーキB2が係合させられることによって第1後進変速段が成立させられ、第4クラッチC4および第3ブレーキB3が係合させられることによって第1後進変速段よりも変速比が大きい第2後進変速段が成立させられるので、前進7段以上と後進2段の変速ギヤ段が得られる。たとえば駆動力がより必要な場合たとえば登坂路の後進走行時のような場合には変速比の大きな第2後進変速段を使用し、平地等の後進走行時のような場合には第2後進変速段よりも変速比が小さい第1後進変速段を使用すれば燃費の向上に効果がある。
図60は本発明の他の実施例の変速機170の構成を説明する骨子図であり、図61はその変速機170の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図62は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、第2変速部178の各装置の構成および第1変速部176を構成する第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2との回転速度の関係が反対となっている点を除けば図6に示した変速機40と同様であり、図6乃至図8に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機170と変速機40との相違する部分について説明する。
上記図60に示す変速機170の第1変速部176を構成している第1カウンタギヤ対CG1および第2カウンタギヤ対CG2は、たとえば第1カウンタギヤ対CG1の減速比が「1.000」程度、第2カウンタギヤ対CG2の減速比が「0.630」程度とされ、第1変速部176は入力軸16すなわち第1軸32の回転を第1中間出力経路M1とその第1中間出力経路M1に対して増速回転させられる第2中間出力経路M2とで第2変速部178へ伝達(出力)する。
本実施例では、上記図60に示す変速機170の第2変速部178を構成している第1遊星歯車装置20はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第2遊星歯車装置22および第3遊星歯車装置24はそれぞれシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第1遊星歯車装置20は、第1サンギヤS1、互いに噛み合う複数対の第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、たとえば「0.412」程度の所定のギヤ比ρを有している。第2遊星歯車装置22は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.350」程度の所定のギヤ比ρを有している。第3遊星歯車装置24は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.467」程度の所定のギヤ比ρを有している。
上記第2変速部178においては、第2サンギヤS2は第1クラッチC1を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第3クラッチC3を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結され、第1キャリアCA1と第2キャリアCA2と第3リングギヤR3とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1リングギヤR1と第2リングギヤR2と第3キャリアCA3とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、第1サンギヤS1は第2ブレーキB2を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第3サンギヤS3は第4クラッチC4を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機170では、たとえば、図61の係合作動表に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。
すなわち、図61に示すように、第1クラッチC1および第2ブレーキB2の係合により、第2サンギヤS2と第1ドリブンギヤCG1Bとの間、第1サンギヤS1とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが最大値たとえば「3.700」である第1速ギヤ段が成立させられる。また、第3クラッチC3および第2ブレーキB2の係合により、第2サンギヤS2と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第1サンギヤS1とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第1速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.330」程度である第2速ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2および第2ブレーキB2の係合により、第1キャリアCA1、第2キャリアCA2および第3リングギヤR3と第1ドリブンギヤCG1Bとの間、第1サンギヤS1とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第2速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.700」程度である第3速ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2および第3クラッチC3の係合により、第1キャリアCA1、第2キャリアCA2および第3リングギヤR3と第1ドリブンギヤCG1Bとの間、第2サンギヤS2と第2ドリブンギヤCG2Bとの間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第3速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.259」程度である第4速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1および第2クラッチC2の係合により、第2サンギヤS2と第1ドリブンギヤCG1Bとの間、第1キャリアCA1、第2キャリアCA2および第3リングギヤR3と第1ドリブンギヤCG1Bとの間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第4速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.000」程度である第5速ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2および第4クラッチC4の係合により、第1キャリアCA1、第2キャリアCA2および第3リングギヤR3と第1ドリブンギヤCG1Bとの間、第3サンギヤS3と第2ドリブンギヤCG2Bとの間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第5速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.842」程度である第6速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1および第4クラッチC4の係合により、第2サンギヤS2と第1ドリブンギヤCG1Bとの間、第3サンギヤS3と第2ドリブンギヤCG2Bとの間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第6速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.726」である第7速ギヤ段が成立させられる。また、第3クラッチC3および第4クラッチC4の係合により、第2サンギヤS2と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第3サンギヤS3と第2ドリブンギヤCG2Bとの間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第7速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.630」である第8速ギヤ段が成立させられる。
また、第1クラッチC1および第1ブレーキB1の係合により、第2サンギヤS2と第1ドリブンギヤCG1Bとの間、第1キャリアCA1、第2キャリアCA2および第3リングギヤR3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第1速ギヤ段と第2速ギヤ段との間の値たとえば「2.857」である後進ギヤ段が成立させられる。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第1遊星歯車装置20のギヤ比ρ、第2遊星歯車装置22のギヤ比ρ、第3遊星歯車装置24のギヤ比ρは、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
上記変速機170において、第1速ギヤ段の変速比γと第2速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.588」とされ、第2速ギヤ段の変速比γと第3速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.370」とされ、第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.350」とされ、第4速ギヤ段の変速比γと第5速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.259」とされ、第5速ギヤ段の変速比γと第6速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.187」とされ、第6速ギヤ段の変速比γと第7速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.161」とされ、第7速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.152」とされ、各変速比γが略等比的に変化させられている。また、上記変速機170において、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値すなわち「5.876」とされている。
図62は、前記変速機40の共線図である図8に相当する上記変速機170における共線図を示している。図62の共線図の3本の横線のうちの下側の横線XZが回転速度零を示し、その上側の横線X1が回転速度「1.0」すなわち第1中間出力経路M1の回転速度を示し、さらにその上側の横線X2が第2カウンタギヤ対CG2の減速比に応じて第1中間出力経路M1に対して増速回転させられる所定の回転速度「Nx2」すなわち第2中間出力経路M2の回転速度を示している。また、第2変速部178の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応するサンギヤS2を、第2回転要素RE2に対応し且つ相互に連結されたキャリアCA1、キャリアCA2およびリングギヤR3を、第3回転要素RE3に対応し且つ相互に連結されたリングギヤR1、リングギヤR2およびキャリアCA3を、第4回転要素RE4に対応するサンギヤS1を、第5回転要素RE5に対応するサンギヤS3をそれぞれ表している。
上記共線図を利用して表現すれば、本実施例の変速機170は、第1変速部176において、入力軸16の回転(第1軸32の回転)を第1中間出力経路M1とその第1中間出力経路M1に対して増速回転させられる上記第2中間出力経路M2とを介して第2変速部178へ出力するように構成され、第2変速部178において、上記第1回転要素RE1(S2)は第1クラッチC1を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第3クラッチC3を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結され、上記第2回転要素RE2(CA1、CA2、R3)は第2クラッチC2を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、上記第3回転要素RE3(R1、R2、CA3)は前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、上記第4回転要素RE4(S1)は第2ブレーキB2を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、上記第5回転要素RE5(S3)は第4クラッチC4を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されている。
上記図62の共線図において、第1速ギヤ段では、第1回転要素RE1はクラッチC1の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされ、第4回転要素RE4はブレーキB2の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y1と横線X1との交点と縦線Y4と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y3と交差する点(1st)により、出力歯車28の回転速度が示される。第2速ギヤ段では、第1回転要素RE1はクラッチC3の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第4回転要素RE4はブレーキB2の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y1と横線X2との交点と縦線Y4と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y3と交差する点(2nd)により、出力歯車28の回転速度が示される。第3速ギヤ段では、第2回転要素RE2はクラッチC2の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされ、第4回転要素RE4はブレーキB2の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y2と横線X1との交点と縦線Y4と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y3と交差する点(3rd)により、出力歯車28の回転速度が示される。第4速ギヤ段では、第2回転要素RE2はクラッチC2の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされ、第1回転要素RE1はクラッチC3の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされるので、縦線Y2と横線X1との交点と縦線Y1と横線X2との交点とを結ぶ直線が縦線Y3と交差する点(4th)により、出力歯車28の回転速度が示される。第5速ギヤ段では、第1回転要素RE1はクラッチC1の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされ、第2回転要素RE2はクラッチC2の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされるので、縦線Y1と横線X1との交点と縦線Y2と横線X1との交点とを結ぶ直線が縦線Y3と交差する点(5th)により、出力歯車28の回転速度が示される。第6速ギヤ段では、第2回転要素RE2はクラッチC2の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされ、第5回転要素RE5はクラッチC4の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされるので、縦線Y2と横線X1との交点と縦線Y5と横線X2との交点とを結ぶ直線が縦線Y3と交差する点(6th)により、出力歯車28の回転速度が示される。第7速ギヤ段では、第1回転要素RE1はクラッチC1の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされ、第5回転要素RE5はクラッチC4の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされるので、縦線Y1と横線X1との交点と縦線Y5と横線X2との交点とを結ぶ直線が縦線Y3と交差する点(7th)により、出力歯車28の回転速度が示される。第8速ギヤ段では、第1回転要素RE1はクラッチC3の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第5回転要素RE5はクラッチC4の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされるので、縦線Y1と横線X2との交点と縦線Y5と横線X2との交点とを結ぶ直線が縦線Y3と交差する点(8th)により、出力歯車28の回転速度が示される。後進ギヤ段では、第1回転要素RE1はクラッチC1の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされ、第2回転要素RE2はブレーキB1の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y1と横線X1との交点と縦線Y2と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y3と交差する点(Rev)により、出力歯車28の負の回転速度が示される。
図63は本発明の他の実施例の変速機180の構成を説明する骨子図であり、図64はその変速機180の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図65は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、第2変速部188の各装置の構成およびトルクコンバータ14の配置、第1変速部186を構成する第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2とが反対となるように配置が相違する点を除けば図60に示した変速機170と同様であり、図60乃至図62に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機180と変速機170との相違する部分について説明する。なお、そのトルクコンバータ14の配置は図1に示す変速機10と同様であるのでその説明を割愛する。
本実施例では、上記図63に示す変速機180の第2変速部188を構成している第1遊星歯車装置20および第3遊星歯車装置24はそれぞれシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第2遊星歯車装置22はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第1遊星歯車装置20は、第1サンギヤS1、第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、たとえば「0.294」程度の所定のギヤ比ρを有している。第2遊星歯車装置22は、第2サンギヤS2、互いに噛み合う複数対の第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.318」程度の所定のギヤ比ρを有している。第3遊星歯車装置24は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.350」程度の所定のギヤ比ρを有している。
また、上記第2遊星歯車装置22および第3遊星歯車装置24は、第2キャリヤCA2および第3キャリヤCA3が共通の部品にて構成されているとともに、第2リングギヤS2および第3リングギヤS3が共通の部品にて構成されており、且つ第3遊星歯車P3が互いに噛み合う一対の第2遊星歯車P2のいずれか1つを兼ねている所謂ラビニヨ型の遊星歯車列とされている。これによって、変速機180の部品点数や軸長が一層低減される。なお、これら共通の部品で構成されているものはそれぞれ別々の部品で構成されてもよい。
上記第2変速部188においては、第3サンギヤS3は第1クラッチC1を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第3クラッチC3を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結され、第1サンギヤS1と第2キャリアCA2と第3キャリアCA3とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2リングギヤR2と第3リングギヤR3とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、第1キャリアCA1は第2ブレーキB2を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1リングギヤR1と第2サンギヤS2とが一体的に連結されて第4クラッチC4を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機180では、たとえば、図61の係合作動表と同様である図64に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、図60乃至図62に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値とされている。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第1遊星歯車装置20のギヤ比ρ、第2遊星歯車装置22のギヤ比ρ、第3遊星歯車装置24のギヤ比ρは、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図65は、前記変速機170の共線図である図62に相当する上記変速機180における共線図を示している。図65の第2変速部188の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応するサンギヤS3を、第2回転要素RE2に対応し且つ相互に連結されたサンギヤS1、キャリアCA2およびキャリアCA3を、第3回転要素RE3に対応し且つ相互に連結されたリングギヤR2およびリングギヤR3を、第4回転要素RE4に対応するキャリアCA1を、第5回転要素RE5に対応し且つ相互に連結されたリングギヤR1およびサンギヤS2をそれぞれ表している。従って、これら回転要素を基にすれば、図65と図62とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図65の共線図の説明は割愛する。
図66は本発明の他の実施例の変速機190の構成を説明する骨子図であり、図67はその変速機190の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図68は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、第2変速部198の各装置の構成および第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2とが反対となるように配置が相違する点を除けば図60に示した変速機170と同様であり、図60乃至図62に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機190と変速機170との相違する部分について説明する。
本実施例では、上記図66に示す変速機190の第2変速部198を構成している第1遊星歯車装置20および第3遊星歯車装置24はそれぞれシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第2遊星歯車装置22はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第1遊星歯車装置20は、第1サンギヤS1、第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、たとえば「0.500」程度の所定のギヤ比ρを有している。第2遊星歯車装置22は、第2サンギヤS2、互いに噛み合う複数対の第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.318」程度の所定のギヤ比ρを有している。第3遊星歯車装置24は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.350」程度の所定のギヤ比ρを有している。
また、上記第2遊星歯車装置22および第3遊星歯車装置24は、第2キャリヤCA2および第3キャリヤCA3が共通の部品にて構成されているとともに、第2リングギヤS2および第3リングギヤS3が共通の部品にて構成されており、且つ第3遊星歯車P3が互いに噛み合う一対の第2遊星歯車P2のいずれか1つを兼ねている所謂ラビニヨ型の遊星歯車列とされている。これによって、変速機190の部品点数や軸長が一層低減される。なお、これら共通の部品で構成されているものはそれぞれ別々の部品で構成されてもよい。
上記第2変速部198においては、第3サンギヤS3は第1クラッチC1を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第3クラッチC3を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結され、第2キャリアCA2と第3キャリアCA3とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1サンギヤS1と第2リングギヤR2と第3リングギヤR3とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、第1キャリアCA1は第2ブレーキB2を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1リングギヤR1と第2サンギヤS2とが一体的に連結されて第4クラッチC4を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機190では、たとえば、図61の係合作動表と同様である図67に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、図60乃至図62に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値とされている。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第1遊星歯車装置20のギヤ比ρ、第2遊星歯車装置22のギヤ比ρ、第3遊星歯車装置24のギヤ比ρは、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図68は、前記変速機170の共線図である図62に相当する上記変速機190における共線図を示している。図68の第2変速部198の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応するサンギヤS3を、第2回転要素RE2に対応し且つ相互に連結されたキャリアCA2およびキャリアCA3を、第3回転要素RE3に対応し且つ相互に連結されたサンギヤS1、リングギヤR2およびリングギヤR3を、第4回転要素RE4に対応するキャリアCA1を、第5回転要素RE5に対応し且つ相互に連結されたリングギヤR1およびサンギヤS2をそれぞれ表している。従って、これら回転要素を基にすれば、図68と図62とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図68の共線図の説明は割愛する。
図69は本発明の他の実施例の変速機200の構成を説明する骨子図であり、図70はその変速機200の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図71は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、第2変速部208の各装置の構成および第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2とが反対となるように配置が相違する点を除けば図60に示した変速機170と同様であり、図60乃至図62に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機200と変速機170との相違する部分について説明する。
本実施例では、上記図69に示す変速機200の第2変速部208を構成している第1遊星歯車装置20、第2遊星歯車装置22および第3遊星歯車装置24はそれぞれシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第1遊星歯車装置20は、第1サンギヤS1、第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、たとえば「0.500」程度の所定のギヤ比ρを有している。第2遊星歯車装置22は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.370」程度の所定のギヤ比ρを有している。第3遊星歯車装置24は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.350」程度の所定のギヤ比ρを有している。
上記第2変速部208においては、第2サンギヤS2と第3サンギヤS3とが一体的に連結されて第1クラッチC1を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第3クラッチC3を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結され、第3キャリアCA3は第2クラッチC2を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1サンギヤS1と第2キャリアCA2と第3リングギヤR3とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、第1キャリアCA1と第2リングギヤR2とが一体的に連結されて第2ブレーキB2を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1リングギヤR1は第4クラッチC4を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機200では、たとえば、図61の係合作動表と同様である図70に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、図60乃至図62に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値とされている。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第1遊星歯車装置20のギヤ比ρ、第2遊星歯車装置22のギヤ比ρ、第3遊星歯車装置24のギヤ比ρは、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図71は、前記変速機170の共線図である図62に相当する上記変速機200における共線図を示している。図71の第2変速部208の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応し且つ相互に連結されたサンギヤS2およびサンギヤS3を、第2回転要素RE2に対応するキャリアCA3を、第3回転要素RE3に対応し且つ相互に連結されたサンギヤS1、キャリアCA2およびリングギヤR3を、第4回転要素RE4に対応し且つ相互に連結されたキャリアCA1およびリングギヤR2を、第5回転要素RE5に対応するリングギヤR1をそれぞれ表している。従って、これら回転要素を基にすれば、図71と図62とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図71の共線図の説明は割愛する。
図72は本発明の他の実施例の変速機210の構成を説明する骨子図であり、図73はその変速機210の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図74は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、第2変速部218の各装置の構成および第1カウンタギヤ対CG1および第2カウンタギヤ対CG2の配置が相違する点を除けば図60に示した変速機170と同様であり、図60乃至図62に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機210と変速機170との相違する部分について説明する。
本実施例の変速機210では、図72に示すように第1カウンタギヤ対CG1および第2カウンタギヤ対CG2が第1遊星歯車装置20と第2遊星歯車装置22に挟まれた形となるように配置されている。このようにすれば、変速機210の軸長を変速機170と同様にコンパクトに保ちつつ、第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2との間の第1軸心32c上の空き空間にオイルポンプや油圧式摩擦係合装置の油圧制御回路の弁本体等を配置することができて、変速機210の油路の連結が容易になる。
本実施例では、上記図72に示す変速機210の第2変速部218を構成している第1遊星歯車装置20はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第2遊星歯車装置22および第3遊星歯車装置24はそれぞれシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第1遊星歯車装置20は、第1サンギヤS1、互いに噛み合う複数対の第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、たとえば「0.459」程度の所定のギヤ比ρを有している。第2遊星歯車装置22は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.294」程度の所定のギヤ比ρを有している。第3遊星歯車装置24は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.500」程度の所定のギヤ比ρを有している。
上記第2変速部218においては、第1サンギヤS1は第1クラッチC1を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第3クラッチC3を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結され、第1リングギヤR1と第2サンギヤS2とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第3サンギヤS3は前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、第1キャリアCA1と第2キャリアCA2と第3キャリアCA3とが一体的に連結されて第2ブレーキB2を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2リングギヤR2と第3リングギヤR3とが一体的に連結されて第4クラッチC4を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機210では、たとえば、図61の係合作動表と同様である図73に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、図60乃至図62に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値とされている。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第1遊星歯車装置20のギヤ比ρ、第2遊星歯車装置22のギヤ比ρ、第3遊星歯車装置24のギヤ比ρは、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図74は、前記変速機170の共線図である図62に相当する上記変速機210における共線図を示している。図74の第2変速部218の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応するサンギヤS1を、第2回転要素RE2に対応し且つ相互に連結されたリングギヤR1およびサンギヤS2を、第3回転要素RE3に対応するサンギヤS3を、第4回転要素RE4に対応し且つ相互に連結されたキャリアCA1、キャリアCA2およびキャリアCA3を、第5回転要素RE5に対応し且つ相互に連結されたリングギヤR2およびリングギヤR3をそれぞれ表している。従って、これら回転要素を基にすれば、図74と図62とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図74の共線図の説明は割愛する。
図75は本発明の他の実施例の変速機220の構成を説明する骨子図であり、図76はその変速機220の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図77は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、第2変速部228の各装置の構成および第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2との配置が相違する点を除けば図60に示した変速機170と同様であり、図60乃至図62に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機220と変速機170との相違する部分について説明する。
本実施例の変速機220では、図75に示すように第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2とが第2変速部228を挟むように配置される。このようにすれば、変速機220の軸長を変速機170と同様にコンパクトに保ちつつ、第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2との間の第1軸心32c上の空き空間にオイルポンプや油圧式摩擦係合装置の油圧制御回路の弁本体等を配置することができて、変速機220の油路の連結が容易になる。
本実施例では、上記図75に示す変速機220の第2変速部228を構成している第1遊星歯車装置20はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第2遊星歯車装置22および第3遊星歯車装置24はそれぞれシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第1遊星歯車装置20は、第1サンギヤS1、互いに噛み合う複数対の第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、たとえば「0.412」程度の所定のギヤ比ρを有している。第2遊星歯車装置22は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.350」程度の所定のギヤ比ρを有している。第3遊星歯車装置24は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.556」程度の所定のギヤ比ρを有している。
上記第2変速部228においては、第2サンギヤS2と第3サンギヤS3とが一体的に連結されて第1クラッチC1を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第3クラッチC3を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結され、第1キャリアCA1と第2キャリアCA2とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1リングギヤR1と第2リングギヤR2と第3キャリアCA3とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、第1サンギヤS1は第2ブレーキB2を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第3リングギヤR3は第4クラッチC4を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機220では、たとえば、図61の係合作動表と同様である図76に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、図60乃至図62に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値とされている。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第1遊星歯車装置20のギヤ比ρ、第2遊星歯車装置22のギヤ比ρ、第3遊星歯車装置24のギヤ比ρは、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図77は、前記変速機170の共線図である図62に相当する上記変速機220における共線図を示している。図77の第2変速部228の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応し且つ相互に連結されたサンギヤS2およびサンギヤS3を、第2回転要素RE2に対応し且つ相互に連結されたキャリアCA1およびキャリアCA2を、第3回転要素RE3に対応し且つ相互に連結されたリングギヤR1、リングギヤR2およびキャリアCA3を、第4回転要素RE4に対応するサンギヤS1を、第5回転要素RE5に対応するリングギヤR3をそれぞれ表している。従って、これら回転要素を基にすれば、図77と図62とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図77の共線図の説明は割愛する。
図78は本発明の他の実施例の変速機230の構成を説明する骨子図であり、図79はその変速機230の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図80は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、第2変速部238の各装置の構成が相違する点および変速機230を構成する各装置の配置において第1変速部236を構成する第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2とが反対となるように配置が相違する点を除けば図6に示した変速機40と同様であり、図6乃至図8に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機230と変速機40との相違する部分について説明する。
上記図78に示す変速機230の第1変速部236を構成している第1カウンタギヤ対CG1および第2カウンタギヤ対CG2は、変速機40の第1変速部36と異なり第2カウンタギヤ対CG2の減速比が第1カウンタギヤ対CG1の減速比より小さくされて、たとえば第1カウンタギヤ対CG1の減速比が「1.000」程度、第2カウンタギヤ対CG2の減速比が「0.578」程度とされ、第1変速部236は入力軸16すなわち第1軸32の回転を第1中間出力経路M1とその第1中間出力経路M1に対して増速回転させられる第2中間出力経路M2とで第2変速部238へ伝達(出力)する。
本実施例では、上記図78に示す変速機230の第2変速部238を構成している第1遊星歯車装置20、第2遊星歯車装置22および第3遊星歯車装置24はそれぞれシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第1遊星歯車装置20は、第1サンギヤS1、第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、たとえば「0.328」程度の所定のギヤ比ρを有している。第2遊星歯車装置22は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.356」程度の所定のギヤ比ρを有している。第3遊星歯車装置24は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.500」程度の所定のギヤ比ρを有している。
上記第2変速部238においては、第1サンギヤS1と第2サンギヤS2とが一体的に連結されて第1クラッチC1を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第4クラッチC4を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結され、第3サンギヤS3は第2クラッチC2を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結され、第2キャリアCA2は第3クラッチC3を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結され、第1キャリアCA1と第2リングギヤR2と第3キャリアCA3とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、第1リングギヤR1と第3リングギヤR3とが一体的に連結されて第5クラッチC5を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機230では、たとえば、図79の係合作動表に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第5クラッチC5、第1ブレーキB1のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。
すなわち、図79に示すように、第1クラッチC1および第1ブレーキB1の係合により、第1サンギヤS1および第2サンギヤS2と第1ドリブンギヤCG1Bとの間、第1リングギヤR1および第3リングギヤR3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが最大値たとえば「4.050」である第1速ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2および第1ブレーキB1の係合により、第3サンギヤS3と第1ドリブンギヤCG1Bとの間、第1リングギヤR1および第3リングギヤR3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第1速ギヤ段よりも小さい値たとえば「3.000」程度である第2速ギヤ段が成立させられる。また、第4クラッチC4および第1ブレーキB1の係合により、第1サンギヤS1および第2サンギヤS2と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第1リングギヤR1および第3リングギヤR3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第2速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.341」程度である第3速ギヤ段が成立させられる。また、第3クラッチC3および第1ブレーキB1の係合により、第2キャリアCA2と第1ドリブンギヤCG1Bとの間、第1リングギヤR1および第3リングギヤR3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第3速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.800」程度である第4速ギヤ段が成立させられる。また、第3クラッチC3および第4クラッチC4の係合により、第2キャリアCA2と第1ドリブンギヤCG1Bとの間、第1サンギヤS1および第2サンギヤS2と第2ドリブンギヤCG2Bとの間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第4速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.350」程度である第5速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1および第3クラッチC3の係合により、第1サンギヤS1および第2サンギヤS2と第1ドリブンギヤCG1Bとの間、第2キャリアCA2と第1ドリブンギヤCG1Bとの間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第5速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.000」程度である第6速ギヤ段が成立させられる。また、第3クラッチC3および第5クラッチC5の係合により、第2キャリアCA2と第1ドリブンギヤCG1Bとの間、第1リングギヤR1および第3リングギヤR3と第2ドリブンギヤCG2Bとの間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第6速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.755」である第7速ギヤ段が成立させられる。また、第4クラッチC4および第5クラッチC5の係合により、第1サンギヤS1および第2サンギヤS2と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第1リングギヤR1および第3リングギヤR3と第2ドリブンギヤCG2Bとの間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第7速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.578」である第8速ギヤ段が成立させられる。
また、第2クラッチC2および第4クラッチC4の係合により、第3サンギヤS3と第1ドリブンギヤCG1Bとの間、第1サンギヤS1および第2サンギヤS2と第2ドリブンギヤCG2Bとの間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第2速ギヤ段と第3速ギヤ段との間の値たとえば「2.562」である後進ギヤ段が成立させられる。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第1遊星歯車装置20のギヤ比ρ、第2遊星歯車装置22のギヤ比ρ、第3遊星歯車装置24のギヤ比ρは、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
上記変速機230において、第1速ギヤ段の変速比γと第2速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.350」とされ、第2速ギヤ段の変速比γと第3速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.281」とされ、第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.301」とされ、第4速ギヤ段の変速比γと第5速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.333」とされ、第5速ギヤ段の変速比γと第6速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.350」とされ、第6速ギヤ段の変速比γと第7速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.324」とされ、第7速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.306」とされ、各変速比γが略等比的に変化させられている。また、上記変速機230において、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値すなわち「7.006」とされている。
図80は、前記変速機40の共線図である図8に相当する上記変速機230における共線図を示している。図80の共線図の3本の横線のうちの下側の横線XZが回転速度零を示し、その上側の横線X1が回転速度「1.0」すなわち第1中間出力経路M1の回転速度を示し、さらにその上側の横線X2が第2カウンタギヤ対CG2の減速比に応じて第1中間出力経路M1に対して増速回転させられる所定の回転速度「Nx2」すなわち第2中間出力経路M2の回転速度を示している。また、第2変速部238の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応し且つ相互に連結されたサンギヤS1およびサンギヤS2を、第2回転要素RE2に対応するサンギヤS3を、第3回転要素RE3に対応するキャリアCA2を、第4回転要素RE4に対応し且つ相互に連結されたキャリアCA1、リングギヤR2およびキャリアCA3を、第5回転要素RE5に対応し且つ相互に連結されたリングギヤR1およびリングギヤR3をそれぞれ表している。
上記共線図を利用して表現すれば、本実施例の変速機230は、第1変速部236において、入力軸16の回転(第1軸32の回転)を第1中間出力経路M1とその第1中間出力経路M1に対して増速回転させられる上記第2中間出力経路M2とを介して第2変速部238へ出力するように構成され、第2変速部238において、上記第1回転要素RE1(S1、S2)は第1クラッチC1を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第4クラッチC4を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結され、上記第2回転要素RE2(S3)は第2クラッチC2を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結され、上記第3回転要素RE3(CA2)は第3クラッチC3を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結され、上記第4回転要素RE4(CA1、R2、CA3)は前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、上記第5回転要素RE5(R1、R3)は第5クラッチC5を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結されている。
上記図80の共線図において、第1速ギヤ段では、第1回転要素RE1はクラッチC1の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされ、第5回転要素RE5はブレーキB1の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y1と横線X1との交点と縦線Y5と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(1st)により、出力歯車28の回転速度が示される。第2速ギヤ段では、第2回転要素RE2はクラッチC2の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされ、第5回転要素RE5はブレーキB1の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y2と横線X1との交点と縦線Y5と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(2nd)により、出力歯車28の回転速度が示される。第3速ギヤ段では、第1回転要素RE1はクラッチC4の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第5回転要素RE5はブレーキB1の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y1と横線X2との交点と縦線Y5と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(3rd)により、出力歯車28の回転速度が示される。第4速ギヤ段では、第3回転要素RE3はクラッチC3の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされ、第5回転要素RE5はブレーキB1の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y3と横線X1との交点と縦線Y5と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(4th)により、出力歯車28の回転速度が示される。第5速ギヤ段では、第3回転要素RE3はクラッチC3の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされ、第1回転要素RE1はクラッチC4の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされるので、縦線Y3と横線X1との交点と縦線Y1と横線X2との交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(5th)により、出力歯車28の回転速度が示される。第6速ギヤ段では、第1回転要素RE1はクラッチC1の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされ、第3回転要素RE3はクラッチC3の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされるので、縦線Y1と横線X1との交点と縦線Y3と横線X1との交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(6th)により、出力歯車28の回転速度が示される。第7速ギヤ段では、第3回転要素RE3はクラッチC3の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされ、第5回転要素RE5はクラッチC5の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされるので、縦線Y3と横線X1との交点と縦線Y5と横線X2との交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(7th)により、出力歯車28の回転速度が示される。第8速ギヤ段では、第1回転要素RE1はクラッチC4の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第5回転要素RE5はクラッチC5の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされるので、縦線Y1と横線X2との交点と縦線Y5と横線X2との交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(8th)により、出力歯車28の回転速度が示される。後進ギヤ段では、第2回転要素RE2はクラッチC2の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされ、第1回転要素RE1はクラッチC4の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされるので、縦線Y2と横線X1との交点と縦線Y1と横線X2との交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(Rev)により、出力歯車28の負の回転速度が示される。
図81は本発明の他の実施例の変速機240の構成を説明する骨子図であり、図82はその変速機240の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図83は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、第2変速部248の各装置の構成およびトルクコンバータ14の配置が相違する点を除けば図78に示した変速機230と同様であり、図78乃至図80に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機240と変速機230との相違する部分について説明する。なお、そのトルクコンバータ14の配置は図1に示す変速機10と同様であるのでその説明を割愛する。
本実施例では、上記図81に示す変速機240の第2変速部248を構成している第1遊星歯車装置20および第3遊星歯車装置24はそれぞれシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第2遊星歯車装置22はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第1遊星歯車装置20は、第1サンギヤS1、第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、たとえば「0.356」程度の所定のギヤ比ρを有している。第2遊星歯車装置22は、第2サンギヤS2、互いに噛み合う複数対の第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.400」程度の所定のギヤ比ρを有している。第3遊星歯車装置24は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.500」程度の所定のギヤ比ρを有している。
また、上記第2遊星歯車装置22および第3遊星歯車装置24は、第2キャリヤCA2および第3キャリヤCA3が共通の部品にて構成されているとともに、第2サンギヤS2および第3サンギヤS3が共通の部品にて構成されており、且つ第3遊星歯車P3が互いに噛み合う一対の第2遊星歯車P2のいずれか1つを兼ねている遊星歯車列とされている。これによって、変速機240の部品点数や軸長が一層低減される。なお、これら共通の部品で構成されているものはそれぞれ別々の部品で構成されてもよい。
上記第2変速部248においては、第1サンギヤS1は第1クラッチC1を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第4クラッチC4を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結され、第2サンギヤS2と第3サンギヤS3とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結され、第1キャリアCA1と第2リングギヤR2とが一体的に連結されて第3クラッチC3を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結され、第1リングギヤR1と第2キャリアCA2と第3キャリアCA3とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、第3リングギヤR3は第5クラッチC5を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機240では、たとえば、図79の係合作動表と同様である図82に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第5クラッチC5、第1ブレーキB1のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、図78乃至図80に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値とされている。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第1遊星歯車装置20のギヤ比ρ、第2遊星歯車装置22のギヤ比ρ、第3遊星歯車装置24のギヤ比ρは、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図83は、前記変速機230の共線図である図80に相当する上記変速機240における共線図を示している。図83の第2変速部248の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応するサンギヤS1を、第2回転要素RE2に対応し且つ相互に連結されたサンギヤS2およびサンギヤS3を、第3回転要素RE3に対応し且つ相互に連結されたキャリアCA1およびリングギヤR2を、第4回転要素RE4に対応し且つ相互に連結されたリングギヤR1、キャリアCA2およびキャリアCA3を、第5回転要素RE5に対応するリングギヤR3をそれぞれ表している。従って、これら回転要素を基にすれば、図83と図80とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図83の共線図の説明は割愛する。
図84は本発明の他の実施例の変速機250の構成を説明する骨子図であり、図85はその変速機250の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図86は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、第2変速部258の各装置の構成が相違する点を除けば図78に示した変速機230と同様であり、図78乃至図80に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機250と変速機230との相違する部分について説明する。
本実施例では、上記図84に示す変速機250の第2変速部258を構成している第1遊星歯車装置20はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第2遊星歯車装置22および第3遊星歯車装置24はそれぞれシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第1遊星歯車装置20は、第1サンギヤS1、互いに噛み合う複数対の第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、たとえば「0.444」程度の所定のギヤ比ρを有している。第2遊星歯車装置22は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.356」程度の所定のギヤ比ρを有している。第3遊星歯車装置24は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.500」程度の所定のギヤ比ρを有している。
また、上記第1遊星歯車装置20および第2遊星歯車装置22は、第1キャリヤCA1および第2キャリヤCA2が共通の部品にて構成されているとともに、第1リングギヤR1および第2リングギヤR2が共通の部品にて構成されており、且つ第2遊星歯車P2が互いに噛み合う一対の第1遊星歯車P1のいずれか1つを兼ねているラビニヨ型の遊星歯車列とされている。これによって、変速機250の部品点数や軸長が一層低減される。なお、これら共通の部品で構成されているものはそれぞれ別々の部品で構成されてもよい。
上記第2変速部258においては、第2サンギヤS2は第1クラッチC1を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第4クラッチC4を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結され、第3サンギヤS3は第2クラッチC2を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結され、第1キャリアCA1と第2キャリアCA2とが一体的に連結されて第3クラッチC3を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結され、第1リングギヤR1と第2リングギヤR2と第3キャリアCA3とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、第1サンギヤS1と第3リングギヤR3とが一体的に連結されて第5クラッチC5を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機250では、たとえば、図79の係合作動表と同様である図85に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第5クラッチC5、第1ブレーキB1のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、図78乃至図80に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値とされている。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第1遊星歯車装置20のギヤ比ρ、第2遊星歯車装置22のギヤ比ρ、第3遊星歯車装置24のギヤ比ρは、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図86は、前記変速機230の共線図である図80に相当する上記変速機250における共線図を示している。図86の第2変速部258の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応するサンギヤS2を、第2回転要素RE2に対応するサンギヤS3を、第3回転要素RE3に対応し且つ相互に連結されたキャリアCA1およびキャリアCA2を、第4回転要素RE4に対応し且つ相互に連結されたリングギヤR1、リングギヤR2およびキャリアCA3を、第5回転要素RE5に対応し且つ相互に連結されたサンギヤS1およびリングギヤR3をそれぞれ表している。従って、これら回転要素を基にすれば、図86と図80とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図86の共線図の説明は割愛する。
図87は本発明の他の実施例の変速機260の構成を説明する骨子図であり、図88はその変速機260の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図89は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、第2変速部268の各装置の構成および第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2との配置が相違する点を除けば図78に示した変速機230と同様であり、図78乃至図80に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機260と変速機230との相違する部分について説明する。
本実施例の変速機260では、図87に示すように第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2とが第2変速部268を挟むように配置される。このようにすれば、変速機260の軸長を変速機230と同様にコンパクトに保ちつつ、第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2との間の第1軸心32c上の空き空間にオイルポンプや油圧式摩擦係合装置の油圧制御回路の弁本体等を配置することができて、変速機260の油路の連結が容易になる。
本実施例では、上記図87に示す変速機260の第2変速部268を構成している第1遊星歯車装置20および第2遊星歯車装置22はそれぞれシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第3遊星歯車装置24はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第1遊星歯車装置20は、第1サンギヤS1、第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、たとえば「0.328」程度の所定のギヤ比ρを有している。第2遊星歯車装置22は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.500」程度の所定のギヤ比ρを有している。第3遊星歯車装置24は、第3サンギヤS3、互いに噛み合う複数対の第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.400」程度の所定のギヤ比ρを有している。
上記第2変速部268においては、第1サンギヤS1は第1クラッチC1を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第4クラッチC4を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結され、第2サンギヤS2と第3サンギヤS3とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結され、第3リングギヤR3は第3クラッチC3を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結され、第1キャリアCA1と第2キャリアCA2と第3キャリアCA3とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、第1リングギヤR1と第2リングギヤR2とが一体的に連結されて第5クラッチC5を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機260では、たとえば、図79の係合作動表と同様である図88に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第5クラッチC5、第1ブレーキB1のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、図78乃至図80に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値とされている。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第1遊星歯車装置20のギヤ比ρ、第2遊星歯車装置22のギヤ比ρ、第3遊星歯車装置24のギヤ比ρは、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図89は、前記変速機230の共線図である図80に相当する上記変速機260における共線図を示している。図89の第2変速部268の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応するサンギヤS1を、第2回転要素RE2に対応し且つ相互に連結されたサンギヤS2およびサンギヤS3を、第3回転要素RE3に対応するリングギヤR3を、第4回転要素RE4に対応し且つ相互に連結されたキャリアCA1、キャリアCA2およびキャリアCA3を、第5回転要素RE5に対応し且つ相互に連結されたリングギヤR1およびリングギヤR2をそれぞれ表している。従って、これら回転要素を基にすれば、図89と図80とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図89の共線図の説明は割愛する。
図90は本発明の他の実施例の変速機270の構成を説明する骨子図であり、図91はその変速機270の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図92は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、第2変速部278の各装置の構成および第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2とが反対となるように配置が相違する点を除けば図78に示した変速機230と同様であり、図78乃至図80に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機270と変速機230との相違する部分について説明する。
本実施例では、上記図90に示す変速機270の第2変速部278を構成している第1遊星歯車装置20および第3遊星歯車装置24はそれぞれシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第2遊星歯車装置22はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第1遊星歯車装置20は、第1サンギヤS1、第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、たとえば「0.350」程度の所定のギヤ比ρを有している。第2遊星歯車装置22は、第2サンギヤS2、互いに噛み合う複数対の第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.400」程度の所定のギヤ比ρを有している。第3遊星歯車装置24は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.500」程度の所定のギヤ比ρを有している。
また、上記第1遊星歯車装置20および第2遊星歯車装置22は、第1キャリヤCA1および第2キャリヤCA2が共通の部品にて構成されているとともに、第1サンギヤS1および第2サンギヤS2が共通の部品にて構成されており、且つ第1遊星歯車P1が互いに噛み合う一対の第2遊星歯車P2のいずれか1つを兼ねている遊星歯車列とされている。これによって、変速機270の部品点数や軸長が一層低減される。なお、これら共通の部品で構成されているものはそれぞれ別々の部品で構成されてもよい。
上記第2変速部278においては、第1リングギヤR1は第1クラッチC1を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第4クラッチC4を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結され、第1キャリアCA1と第2キャリアCA2と第3サンギヤS3とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結され、第2リングギヤR2は第3クラッチC3を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第3キャリアCA3は前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、第1サンギヤS1と第2サンギヤS2と第3リングギヤR3とが一体的に連結されて第5クラッチC5を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介してトランスミッションケース12に選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機270では、たとえば、図79の係合作動表と比較して後進ギヤ段を成立させるための係合作動以外は同様となっている図91に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第5クラッチC5、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、図78乃至図80に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値とされている。後進ギヤ段について説明すると、第4クラッチC4および第2ブレーキB2の係合により、第1リングギヤR1と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第2リングギヤR2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第2速ギヤ段と第3速ギヤ段との間の値たとえば「2.813」程度である後進ギヤ段が成立させられる。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第1遊星歯車装置20のギヤ比ρ、第2遊星歯車装置22のギヤ比ρ、第3遊星歯車装置24のギヤ比ρは、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図92は、前記変速機230の共線図である図80に相当する上記変速機270における共線図を示している。図92の第2変速部278の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応するリングギヤR1を、第2回転要素RE2に対応し且つ相互に連結されたキャリアCA1、キャリアCA2およびサンギヤS3を、第3回転要素RE3に対応するリングギヤR2を、第4回転要素RE4に対応するキャリアCA3を、第5回転要素RE5に対応し且つ相互に連結されたサンギヤS1、サンギヤS2およびリングギヤR3をそれぞれ表している。図80との主な違いはブレーキB2が追加されている点である。このブレーキB2は第3回転要素RE3(リングギヤR2)をトランスミッションケース12に選択的に連結するように配置されている。したがって、後進ギヤ段では、第1回転要素RE1はクラッチC4の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第3回転要素RE3はブレーキB2の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y1と横線X2との交点と縦線Y3と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(Rev)により、出力歯車28の負の回転速度が示される。この点を除けば図92と図80とは共線図としては同様であるので、この図92の共線図のそれ以外の部分についての説明は割愛する。
図93は本発明の他の実施例の変速機280の構成を説明する骨子図であり、図94はその変速機280の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図95は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、第2変速部288の各装置の構成および第1変速部286と第2変速部288との相対的な配置関係が相違する点を除けば図1に示した変速機10と同様であり、図1乃至図3に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機280と変速機10との相違する部分について説明する。
上記第1変速部286は第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2とが可及的に隣接するように並列に、且つ第1軸心32cおよび第2軸心34c上においてエンジン8が配置される側に配置される。すなわち前記トルクコンバータ14は第1変速部286より第1軸32心32c上のエンジン8側となる位置に配置され、第2変速部38は第1変速部より第2軸心34c上のエンジン8側とは反対となる位置に配置される。
上記図93に示す変速機280の第1変速部286を構成している第1カウンタギヤ対CG1および第2カウンタギヤ対CG2は、たとえば第1カウンタギヤ対CG1の減速比が「1.000」程度、第2カウンタギヤ対CG2の減速比が「2.000」程度とされ、第1変速部286は入力軸16すなわち第1軸32の回転を第1中間出力経路M1とその第1中間出力経路M1に対して減速回転させられる第2中間出力経路M2とで第2変速部288へ伝達(出力)する。
本実施例では、上記図93に示す変速機280の第2変速部288を構成している第1遊星歯車装置20はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第2遊星歯車装置22および第3遊星歯車装置24はそれぞれシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第1遊星歯車装置20は、第1サンギヤS1、互いに噛み合う複数対の第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、たとえば「0.548」程度の所定のギヤ比ρを有している。第2遊星歯車装置22は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.379」程度の所定のギヤ比ρを有している。第3遊星歯車装置24は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.390」程度の所定のギヤ比ρを有している。
上記第2変速部288においては、第2サンギヤS2と第3サンギヤS3とが一体的に連結されて第1クラッチC1を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結され、さらに第3クラッチC3を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1キャリアCA1と第2キャリアCA2とが一体的に連結されて第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2リングギヤR2と第3キャリアCA3とが一体的に連結されて第4クラッチC4を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第3ブレーキB3を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1リングギヤR1と第3リングギヤR3とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、第1サンギヤS1は第2クラッチC2を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機280では、たとえば、図94の係合作動表に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第9速ギヤ段(第9変速段)のいずれか或いは第1後進ギヤ段(第1後進変速段)および第2後進ギヤ段(第2後進変速段)のいずれかが選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。
すなわち、図94に示すように、第2クラッチC2および第3ブレーキB3の係合により、第1サンギヤS1と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第2リングギヤR2および第3キャリアCA3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが最大値たとえば「4.817」である第1速ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2および第2ブレーキB2の係合により、第1サンギヤS1と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第1キャリアCA1および第2キャリアCA2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第1速ギヤ段よりも小さい値たとえば「3.653」程度である第2速ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2および第1ブレーキB1の係合により、第1サンギヤS1と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第2サンギヤS2および第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第2速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.791」程度である第3速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1および第2クラッチC2の係合により、第2サンギヤS2および第3サンギヤS3と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第1サンギヤS1と第2ドリブンギヤCG2Bとの間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第3速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.000」程度である第4速ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2および第3クラッチC3の係合により、第1サンギヤS1と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第2サンギヤS2および第3サンギヤS3と第1ドリブンギヤCG1Bとの間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第4速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.558」程度である第5速ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2および第4クラッチC4の係合により、第1サンギヤS1と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第2リングギヤR2および第3キャリアCA3と第1ドリブンギヤCG1Bとの間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第5速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.262」程度である第6速ギヤ段が成立させられる。また、第3クラッチC3および第4クラッチC4の係合により、第2サンギヤS2および第3サンギヤS3と第1ドリブンギヤCG1Bとの間、第2リングギヤR2および第3キャリアCA3と第1ドリブンギヤCG1Bとの間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第6速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.000」である第7速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1および第4クラッチC4の係合により、第2サンギヤS2および第3サンギヤS3と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第2リングギヤR2および第3キャリアCA3と第1ドリブンギヤCG1Bとの間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第7速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.837」である第8速ギヤ段が成立させられる。また、第4クラッチC4および第1ブレーキB1の係合により、第2リングギヤR2および第3キャリアCA3と第1ドリブンギヤCG1Bとの間、第2サンギヤS2および第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第8速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.719」程度である第9速ギヤ段が成立させられる。
また、第1クラッチC1および第3ブレーキB3の係合により、第2サンギヤS2および第3サンギヤS3と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第2リングギヤR2および第3キャリアCA3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γR1が第1速ギヤ段より大きな値たとえば「5.127」程度である第1後進ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1および第2ブレーキB2の係合により、第2サンギヤS2および第3サンギヤS3と第2ドリブンギヤCG2Bとの間、第1キャリアCA1および第2キャリアCA2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γR2が第1後進変速段よりも小さく、第3速ギヤ段と第4速ギヤ段との間の値たとえば「2.182」程度である第2後進ギヤ段が成立させられる。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第1遊星歯車装置20のギヤ比ρ、第2遊星歯車装置22のギヤ比ρ、第3遊星歯車装置24のギヤ比ρは、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
上記変速機280において、第1速ギヤ段の変速比γと第2速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.319」とされ、第2速ギヤ段の変速比γと第3速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.309」とされ、第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.395」とされ、第4速ギヤ段の変速比γと第5速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.283」とされ、第5速ギヤ段の変速比γと第6速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.235」とされ、第6速ギヤ段の変速比γと第7速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.262」とされ、第7速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.195」とされ、第8速ギヤ段の変速比γと第9速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.163」とされ、各変速比γが略等比的に変化させられている。また、上記変速機280において、第1速ギヤ段の変速比γと第9速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値すなわち「6.700」とされ、第1速ギヤ段と第8速ギヤ段とであってもその変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値すなわち「5.756」とされている。
図95は、前記変速機10の共線図である図3に相当する上記変速機280における共線図を示している。図95の共線図の3本の横線のうちの下側の横線XZが回転速度零を示し、上側の横線X1が回転速度「1.0」すなわち第1中間出力経路M1の回転速度を示し、中間の横線X2が第2カウンタギヤ対CG2の減速比に応じて第1中間出力経路M1に対して減速回転させられる所定の回転速度「Nx2」すなわち第2中間出力経路M2の回転速度を示している。また、第2変速部288の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応し且つ相互に連結されたサンギヤS2およびサンギヤS3を、第2回転要素RE2に対応し且つ相互に連結されたキャリアCA1およびキャリアCA2を、第3回転要素RE3に対応し且つ相互に連結されたリングギヤR2およびキャリアCA3を、第4回転要素RE4に対応し且つ相互に連結されたリングギヤR1およびリングギヤR3を、第5回転要素RE5に対応するサンギヤS1をそれぞれ表している。
上記共線図を利用して表現すれば、本実施例の変速機280は、第1変速部286において、入力軸16の回転(第1軸32の回転)を第1中間出力経路M1とその第1中間出力経路に対して減速回転させられる上記第2中間出力経路M2とを介して第2変速部288へ出力するように構成され、第2変速部288において、上記第1回転要素RE1(S2、S3)は第1クラッチC1を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結され、さらに第3クラッチC3を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、上記第2回転要素RE2(CA1、CA2)は第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、上記第3回転要素RE3(R2、CA3)は第4クラッチC4を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第3ブレーキB3を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、上記第4回転要素RE4(R1、R3)は前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、上記第5回転要素RE5(S1)は第2クラッチC2を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されている。
上記図95の共線図において、第1速ギヤ段では、第5回転要素RE5はクラッチC2の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第3回転要素RE3はブレーキB3の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y5と横線X2との交点と縦線Y3と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(1st)により、出力歯車28の回転速度が示される。第2速ギヤ段では、第5回転要素RE5はクラッチC2の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第2回転要素RE2はブレーキB2の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y5と横線X2との交点と縦線Y2と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(2nd)により、出力歯車28の回転速度が示される。第3速ギヤ段では、第5回転要素RE5はクラッチC2の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第1回転要素RE1はブレーキB1の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y5と横線X2との交点と縦線Y1と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(3rd)により、出力歯車28の回転速度が示される。第4速ギヤ段では、第5回転要素RE5はクラッチC2の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第1回転要素RE1はクラッチC1の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされるので、縦線Y5と横線X2との交点と縦線Y1と横線X2との交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(4th)により、出力歯車28の回転速度が示される。第5速ギヤ段では、第5回転要素RE5はクラッチC2の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第1回転要素RE1はクラッチC3の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされるので、縦線Y5と横線X2との交点と縦線Y1と横線X1との交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(5th)により、出力歯車28の回転速度が示される。第6速ギヤ段では、第5回転要素RE5はクラッチC2の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第3回転要素RE3はクラッチC4の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされるので、縦線Y5と横線X2との交点と縦線Y3と横線X1との交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(6th)により、出力歯車28の回転速度が示される。第7速ギヤ段では、第1回転要素RE1はクラッチC3の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされ、第3回転要素RE3はクラッチC4の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされるので、縦線Y1と横線X1との交点と縦線Y3と横線X1との交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(7th)により、出力歯車28の回転速度が示される。第8速ギヤ段では、第1回転要素RE1はクラッチC1の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第3回転要素RE3はクラッチC4の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされるので、縦線Y1と横線X2との交点と縦線Y3と横線X1との交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(8th)により、出力歯車28の回転速度が示される。第9速ギヤ段では、第3回転要素RE3はクラッチC4の係合により第1ドリブンギヤCG1Bに連結されて回転速度「1」とされ、第1回転要素RE1はブレーキB1の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y3と横線X1との交点と縦線Y1と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(9th)により、出力歯車28の回転速度が示される。第1後進ギヤ段では、第1回転要素RE1はクラッチC1の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第3回転要素RE3はブレーキB3の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y1と横線X2との交点と縦線Y3と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(Rev1)により、出力歯車28の負の回転速度が示される。第2後進ギヤ段では、第1回転要素RE1はクラッチC1の係合により第2ドリブンギヤCG2Bに連結されて回転速度「Nx2」とされ、第2回転要素RE2はブレーキB2の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y1と横線X2との交点と縦線Y2と横線XZとの交点とを結ぶ直線が縦線Y4と交差する点(Rev2)により、出力歯車28の負の回転速度が示される。
上述のように、本実施例によれば、図1乃至図3に示す実施例と同様の効果が得られる他に、第1クラッチC1および第3ブレーキB3が係合させられることによって第1後進変速段が成立させられ、第1クラッチC1および第2ブレーキB2が係合させられることによって第1後進変速段よりも変速比が小さい第2後進変速段が成立させられるので、前進7段以上と後進2段の変速ギヤ段が得られる。たとえば駆動力がより必要な場合たとえば登坂路の後進走行時のような場合には変速比の大きな第1後進変速段を使用し、平地等の後進走行時のような場合には第1後進変速段よりも変速比が小さい第2後進変速段を使用すれば燃費の向上に効果がある。
図96は本発明の他の実施例の変速機290の構成を説明する骨子図であり、図97はその変速機290の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図98は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2との配置が相違する点を除けば図93に示した変速機280と同様であり、図93乃至図95に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機290と変速機280との相違する部分について説明する。また、図97および図98は図94および図95と同様であるのでそれらの説明を割愛する。
本実施例の変速機290では、図96に示すように第1変速部296を構成する第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2とが第2変速部298を挟むように配置される。このようにすれば、変速機290の軸長を変速機280と同様にコンパクトに保ちつつ、第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2との間の第1軸心32c上の空き空間にオイルポンプや油圧式摩擦係合装置の油圧制御回路の弁本体等を配置することができて、変速機290の油路の連結が容易になる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
たとえば、前述の実施例の変速機10、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270では、前進8速の変速段が成立させられたが、その8速の変速段のうちのいずれか1つを除いて前進7速の変速段が成立させられるようにしてもよい。また、変速機280、290では、前進9速の変速段が成立させられたが、その9速の変速段のうちのいずれか1つ或いは2つを除いて前進7速或いは前進8速の変速段が成立させられるようにしてもよい。また、変速機160、280、290では、後進2速の変速段が成立させられたが、いずれか一方のみの後進変速段が選択されるようにしてもよい。
また、前述の実施例の変速機10、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290では、エンジン8とトルクコンバータ14とはクランク軸9を介して直結されていたが、たとえばギヤ、ベルト等を介して作動的に連結されておればよく、共通の軸心上に配置される必要もない。また、エンジン8は他の駆動力源たとえば電動モータ等であってもよい。
また、前述の実施例の変速機10、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290では、第1クラッチC1乃至第5クラッチC5、第1ブレーキB1乃至第3ブレーキB3のうちのいずれかには、一方向クラッチが直列または並列に設けられてもよい。このようにすれば、変速制御が容易となる。たとえば、変速機10において第2ブレーキB2と並列に一方向クラッチを設ければ、第1クラッチを係合させるだけで第1変速段が成立させられる。また、上記第1クラッチC1乃至第5クラッチC5、第1ブレーキB1乃至第3ブレーキB3のうちのいずれかが一方向クラッチに取り替えられてもよい。このようにしても一応の変速が得られる。
また、前述の実施例の第1変速部36、56、66、96、106、116、156、166、176、186、216、236、266、276、286、296は動力伝達部材としてカウンタギヤ対が用いられたが、たとえば第1軸心32cおよび第2軸心34cにそれぞれ配設されたプーリとそれらプーリに巻き掛けられたベルトとで1組の動力伝達部材が構成されてもよい。
また、前述の実施例の変速機230、240、250、260、270において第6速ギヤ段の成立のために第1クラッチC1および第3クラッチC3が係合されたが、第1クラッチC1および第3クラッチC3のいずれかに替えて第2クラッチC2が係合されてもよい。すなわち、第1クラッチC1、第2クラッチC2および第3クラッチC3のうちの少なくとも2つの係合により第6速ギヤ段が成立させられる。
また、前述の実施例では、エンジン8と入力軸16との間に流体伝動装置としてロックアップクラッチ13付のトルクコンバータ14が設けられていたが、ロックアップクラッチ13は備えられてなくてもよい。また、そのトルクコンバータ14に替えて、フルードカップリング、磁粉式電磁クラッチ、多板或いは単板式の油圧クラッチが設けられていてもよい。
また、前述の実施例の共線図は、縦線Y1乃至Y5が左から右へ向かって順次配列されていたが、右から左へ向かって順次配列されていてもよい。また、回転速度零に対応する横軸XZの上側に回転速度「1」に対応する横軸X1が配置されていたが、横軸XZの下側に配置されていてもよい。
また、前述の実施例では、変速機10、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290の係合要素であるクラッチC或いはブレーキBは油圧式摩擦係合装置であったが、電磁式係合装置たとえば電磁クラッチや磁粉式クラッチ等であってもよい。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
本発明の一実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図である。 図1の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表である。 図1の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図である。 図1の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係の他の実施例を示す図表であって、図2に相当する図である。 図1の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動の他の実施例を説明する共線図であって、図3に相当する図である。 本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図1に相当する図である。 図6の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図2に相当する図である。 図6の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図3に相当する図である。 図6の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係の他の実施例を示す図表であって、図4に相当する図である。 図6の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動の他の実施例を説明する共線図であって、図5に相当する図である。 本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図6に相当する図である。 図11の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図7に相当する図である。 図11の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図8に相当する図である。 図11の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係の他の実施例を示す図表であって、図9に相当する図である。 図11の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動の他の実施例を説明する共線図であって、図10に相当する図である。 本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図1に相当する図である。 図16の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図2に相当する図である。 図16の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図3に相当する図である。 図16の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係の他の実施例を示す図表であって、図17に相当する図である。 図16の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動の他の実施例を説明する共線図であって、図18に相当する図である。 本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図16に相当する図である。 図21の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図17に相当する図である。 図21の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図18に相当する図である。 図21の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係の他の実施例を示す図表であって、図19に相当する図である。 図21の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動の他の実施例を説明する共線図であって、図20に相当する図である。 本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図21に相当する図である。 図26の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図22に相当する図である。 図26の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図23に相当する図である。 本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図26に相当する図である。 図29の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係の他の実施例を示す図表であって、図24に相当する図である。 図29の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動の他の実施例を説明する共線図であって、図25に相当する図である。 本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図21に相当する図である。 図32の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図22に相当する図である。 図32の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図23に相当する図である。 図32の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係の他の実施例を示す図表であって、図24に相当する図である。 図32の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動の他の実施例を説明する共線図であって、図25に相当する図である。 本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図21に相当する図である。 図37の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図22に相当する図である。 図37の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図23に相当する図である。 図37の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係の他の実施例を示す図表であって、図24に相当する図である。 図37の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動の他の実施例を説明する共線図であって、図25に相当する図である。 本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図1に相当する図である。 図42の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図2に相当する図である。 図42の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図3に相当する図である。 本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図42に相当する図である。 図45の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係の他の実施例を示す図表であって、図43に相当する図である。 図45の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動の他の実施例を説明する共線図であって、図44に相当する図である。 本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図45に相当する図である。 図48の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図46に相当する図である。 図48の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図47に相当する図である。 本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図45に相当する図である。 図51の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係の他の実施例を示す図表であって、図46に相当する図である。 図51の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動の他の実施例を説明する共線図であって、図47に相当する図である。 本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図45に相当する図である。 図54の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図46に相当する図である。 図54の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図47に相当する図である。 本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図45に相当する図である。 図57の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係の他の実施例を示す図表であって、図46に相当する図である。 図57の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動の他の実施例を説明する共線図であって、図47に相当する図である。 本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図6に相当する図である。 図60の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図7に相当する図である。 図60の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図8に相当する図である。 本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図60に相当する図である。 図63の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係の他の実施例を示す図表であって、図61に相当する図である。 図63の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動の他の実施例を説明する共線図であって、図62に相当する図である。 本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図60に相当する図である。 図66の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図61に相当する図である。 図66の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図62に相当する図である。 本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図60に相当する図である。 図69の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係の他の実施例を示す図表であって、図61に相当する図である。 図69の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動の他の実施例を説明する共線図であって、図62に相当する図である。 本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図60に相当する図である。 図72の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図61に相当する図である。 図72の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図62に相当する図である。 本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図60に相当する図である。 図75の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係の他の実施例を示す図表であって、図61に相当する図である。 図75の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動の他の実施例を説明する共線図であって、図62に相当する図である。 本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図6に相当する図である。 図78の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図7に相当する図である。 図78の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図8に相当する図である。 本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図78に相当する図である。 図81の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係の他の実施例を示す図表であって、図79に相当する図である。 図81の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動の他の実施例を説明する共線図であって、図80に相当する図である。 本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図78に相当する図である。 図84の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係の他の実施例を示す図表であって、図79に相当する図である。 図84の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動の他の実施例を説明する共線図であって、図80に相当する図である。 本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図78に相当する図である。 図87の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係の他の実施例を示す図表であって、図79に相当する図である。 図87の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動の他の実施例を説明する共線図であって、図80に相当する図である。 本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図78に相当する図である。 図90の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係の他の実施例を示す図表であって、図79に相当する図である。 図90の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動の他の実施例を説明する共線図であって、図80に相当する図である。 本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図1に相当する図である。 図93の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係の他の実施例を示す図表であって、図2に相当する図である。 図94の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動の他の実施例を説明する共線図であって、図3に相当する図である。 本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図93に相当する図である。 図96の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係の他の実施例を示す図表であって、図94に相当する図である。 図96の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動の他の実施例を説明する共線図であって、図95に相当する図である。
符号の説明
8:エンジン(駆動力源)
10、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290:車両用遊星歯車式多段変速機
12:トランスミッションケース(非回転部材)
14:トルクコンバータ(流体伝動装置)
16:入力軸(入力回転部材)
20:第1遊星歯車装置
S1:サンギヤ
R1:リングギヤ
CA1:キャリア
P1:遊星歯車
22:第2遊星歯車装置
S2:サンギヤ
R2:リングギヤ
CA2:キャリア
P2:遊星歯車
24:第3遊星歯車装置
S3:サンギヤ
R3:リングギヤ
CA3:キャリア
P3:遊星歯車
26:出力軸(出力回転部材)
28:出力歯車(出力回転部材)
32c:第1軸心
34c:第2軸心
36、56、66、96、106、116、156、166、176、186、216、236、266、276、286、296:第1変速部
38、48、58、68、78、88、98、108、118、128、138、148、158、168、178、188、198、208、218、228、238、248、258、268、278、288、298:第2変速部
C1:第1クラッチ
C2:第2クラッチ
C3:第3クラッチ
C4:第4クラッチ
C5:第5クラッチ
B1:第1ブレーキ
B2:第2ブレーキ
B3:第3ブレーキ
RE1:第1回転要素
RE2:第2回転要素
RE3:第3回転要素
RE4:第4回転要素
RE5:第5回転要素
M1:第1中間出力経路
M2:第2中間出力経路
CG1:第1カウンタギヤ対
CG2:第2カウンタギヤ対
CG1B:第1ドリブンギヤ(第1ドリブン部材)
CG2B:第2ドリブンギヤ(第2ドリブン部材)

Claims (72)

  1. 第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転を該第1変速部を介して該第1軸心に平行な第2軸心上の該第2変速部へ伝達し、該第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および該第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、
    前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置と第3遊星歯車装置との3組の遊星歯車装置を備え、該3組の遊星歯車装置のサンギヤ、キャリア、およびリングギヤの一部が互いに連結されることによって5つの回転要素が構成されるとともに、該5つの回転要素の回転速度を直線上で表すことができる共線図上において該5つの回転要素を一端から他端へ向かって順番に第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素、第4回転要素、および第5回転要素としたとき、該第1回転要素は第2クラッチを介して前記第2中間出力経路を該第2軸心側で構成する第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第2回転要素は第3クラッチを介して前記第1中間出力経路を前記第2軸心側で構成する第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第3回転要素は第4クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結され、該第4回転要素は前記出力回転部材に連結され、該第5回転要素は第1クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  2. 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、
    前記第1回転要素は該第1サンギヤおよび該第2サンギヤであり、前記第2回転要素は該第3リングギヤであり、前記第3回転要素は該第2リングギヤおよび該第3キャリアであり、前記第4回転要素は該第1キャリア、該第2キャリアおよび該第3サンギヤであり、前記第5回転要素は該第1リングギヤである請求項の車両用遊星歯車式多段変速機。
  3. 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、
    前記第1回転要素は該第1サンギヤおよび該第2サンギヤであり、前記第2回転要素は該第1リングギヤおよび該第3リングギヤであり、前記第3回転要素は該第3キャリアであり、前記第4回転要素は該第2キャリアおよび該第3サンギヤであり、前記第5回転要素は該第1キャリアおよび該第2リングギヤである請求項の車両用遊星歯車式多段変速機。
  4. 第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転を該第1変速部を介して該第1軸心に平行な第2軸心上の該第2変速部へ伝達し、該第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および該第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、
    前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、該第1サンギヤおよび該第2サンギヤは第2クラッチを介して前記第2中間出力経路を該第2軸心側で構成する第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第3リングギヤは第3クラッチを介して前記第1中間出力経路を前記第2軸心側で構成する第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第2リングギヤおよび該第3キャリアは第4クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結され、該第1キャリア、該第2キャリアおよび該第3サンギヤは前記出力回転部材に連結され、該第1リングギヤは第1クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  5. 第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転を該第1変速部を介して該第1軸心に平行な第2軸心上の該第2変速部へ伝達し、該第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および該第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、
    前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、該第1サンギヤおよび該第2サンギヤは第2クラッチを介して前記第2中間出力経路を該第2軸心側で構成する第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1リングギヤおよび該第3リングギヤは第3クラッチを介して前記第1中間出力経路を前記第2軸心側で構成する第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第3キャリアは第4クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結され、該第2キャリアおよび該第3サンギヤは前記出力回転部材に連結され、該第1キャリアおよび該第2リングギヤは第1クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  6. 前記第1キャリアと前記第2キャリアおよび前記第1サンギヤと前記第2サンギヤとはそれぞれ共通の部材で構成されるとともに、前記第1遊星歯車が互いに噛み合う一対の前記第2遊星歯車のいずれか1つを兼ねているものである請求項またはの車両用遊星歯車式多段変速機。
  7. 前記第1クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって最も大きい変速比の第1変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって前記第1変速段よりも変速比が小さい第2変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第2クラッチが係合させられることによって前記第2変速段よりも変速比が小さい第3変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第3クラッチが係合させられること、または前記第1クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって前記第3変速段よりも変速比が小さい第4変速段が成立させられ、前記第3クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって前記第4変速段よりも変速比が小さい第5変速段が成立させられ、前記第2クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって前記第5変速段よりも変速比が小さい第6変速段が成立させられ、前記第4クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって前記第6変速段よりも変速比が小さい第7変速段が成立させられ、前記第3クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって前記第7変速段よりも変速比が小さい第8変速段が成立させられるものである請求項乃至のいずれか1の車両用遊星歯車式多段変速機。
  8. 前記第2クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって後進変速段が成立させられるものである請求項乃至のいずれか1の車両用遊星歯車式多段変速機。
  9. 第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転を該第1変速部を介して該第1軸心に平行な第2軸心上の該第2変速部へ伝達し、該第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および該第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、
    前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置と第3遊星歯車装置との3組の遊星歯車装置を備え、該3組の遊星歯車装置のサンギヤ、キャリア、およびリングギヤの一部が互いに連結されることによって5つの回転要素が構成されるとともに、該5つの回転要素の回転速度を直線上で表すことができる共線図上において該5つの回転要素を一端から他端へ向かって順番に第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素、第4回転要素、および第5回転要素としたとき、該第1回転要素は第2クラッチを介して前記第2中間出力経路を該第2軸心側で構成する第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第2回転要素は第3クラッチを介して前記第1中間出力経路を前記第2軸心側で構成する第1ドリブン部材に選択的に連結され、該第3回転要素は第4クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第4回転要素は前記出力回転部材に連結され、該第5回転要素は第1クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  10. 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、
    前記第1回転要素は該第1サンギヤおよび該第3サンギヤであり、前記第2回転要素は該第2リングギヤであり、前記第3回転要素は該第1リングギヤ、該第2キャリアおよび該第3キャリアであり、前記第4回転要素は該第2サンギヤおよび該第3リングギヤであり、前記第5回転要素は該第1キャリアである請求項の車両用遊星歯車式多段変速機。
  11. 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、
    前記第1回転要素は該第1サンギヤおよび該第2サンギヤであり、前記第2回転要素は該第3リングギヤであり、前記第3回転要素は該第2リングギヤおよび該第3キャリアであり、前記第4回転要素は該第1キャリア、該第2キャリアおよび該第3サンギヤであり、前記第5回転要素は該第1リングギヤである請求項の車両用遊星歯車式多段変速機。
  12. 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、
    前記第1回転要素は該第2サンギヤおよび該第3サンギヤであり、前記第2回転要素は該第1リングギヤであり、前記第3回転要素は該第1キャリアおよび該第2キャリアであり、前記第4回転要素は該第1サンギヤ、該第2リングギヤおよび該第3キャリアであり、前記第5回転要素は該第3リングギヤである請求項の車両用遊星歯車式多段変速機。
  13. 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、
    前記第1回転要素は該第3サンギヤであり、前記第2回転要素は該第1リングギヤであり、前記第3回転要素は該第1キャリアおよび該第2サンギヤであり、前記第4回転要素は該第1サンギヤ、該第2リングギヤおよび該第3キャリアであり、前記第5回転要素は該第2キャリアおよび該第3リングギヤである請求項の車両用遊星歯車式多段変速機。
  14. 第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転を該第1変速部を介して該第1軸心に平行な第2軸心上の該第2変速部へ伝達し、該第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および該第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、
    前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、該第1サンギヤおよび該第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第2中間出力経路を該第2軸心側で構成する第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第2リングギヤは第3クラッチを介して前記第1中間出力経路を前記第2軸心側で構成する第1ドリブン部材に選択的に連結され、該第1リングギヤ、該第2キャリアおよび該第3キャリアは第4クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第2サンギヤおよび該第3リングギヤは前記出力回転部材に連結され、該第1キャリアは第1クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  15. 第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転を該第1変速部を介して該第1軸心に平行な第2軸心上の該第2変速部へ伝達し、該第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および該第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、
    前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブル型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、該第1サンギヤおよび該第2サンギヤは第2クラッチを介して前記第2中間出力経路を該第2軸心側で構成する第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第3リングギヤは第3クラッチを介して前記第1中間出力経路を前記第2軸心側で構成する第1ドリブン部材に選択的に連結され、該第2リングギヤおよび該第3キャリアは第4クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1キャリア、該第2キャリアおよび該第3サンギヤは前記出力回転部材に連結され、該第1リングギヤは第1クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  16. 第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転を該第1変速部を介して該第1軸心に平行な第2軸心上の該第2変速部へ伝達し、該第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および該第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、
    前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、該第2サンギヤおよび該第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第2中間出力経路を該第2軸心側で構成する第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1リングギヤは第3クラッチを介して前記第1中間出力経路を前記第2軸心側で構成する第1ドリブン部材に選択的に連結され、該第1キャリアおよび該第2キャリアは第4クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1サンギヤ、該第2リングギヤおよび該第3キャリアは前記出力回転部材に連結され、該第3リングギヤは第1クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  17. 第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転を該第1変速部を介して該第1軸心に平行な第2軸心上の該第2変速部へ伝達し、該第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および該第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、
    前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブル型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、該第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第2中間出力経路を該第2軸心側で構成する第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1リングギヤは第3クラッチを介して前記第1中間出力経路を前記第2軸心側で構成する第1ドリブン部材に選択的に連結され、該第1キャリアおよび該第2サンギヤは第4クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1サンギヤ、該第2リングギヤおよび該第3キャリアは前記出力回転部材に連結され、該第2キャリアおよび該第3リングギヤは第1クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  18. 前記第1キャリアと前記第2キャリアおよび前記第1サンギヤと前記第2サンギヤとはそれぞれ共通の部材で構成されるとともに、前記第1遊星歯車が互いに噛み合う一対の前記第2遊星歯車のいずれか1つを兼ねているものである請求項11または15の車両用遊星歯車式多段変速機。
  19. 前記第1クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって最も大きい変速比の第1変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって前記第1変速段よりも変速比が小さい第2変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第2クラッチが係合させられることによって前記第2変速段よりも変速比が小さい第3変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第3クラッチが係合させられること、または前記第1クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって前記第3変速段よりも変速比が小さい第4変速段が成立させられ、前記第3クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって前記第4変速段よりも変速比が小さい第5変速段が成立させられ、前記第2クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって前記第5変速段よりも変速比が小さい第6変速段が成立させられ、前記第4クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって前記第6変速段よりも変速比が小さい第7変速段が成立させられ、前記第3クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって前記第7変速段よりも変速比が小さい第8変速段が成立させられるものである請求項乃至18のいずれか1の車両用遊星歯車式多段変速機。
  20. 前記第2クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって後進変速段が成立させられるものである請求項乃至19のいずれか1の車両用遊星歯車式多段変速機。
  21. 第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転を該第1変速部を介して該第1軸心に平行な第2軸心上の該第2変速部へ伝達し、該第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および該第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、
    前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置と第3遊星歯車装置との3組の遊星歯車装置を備え、該3組の遊星歯車装置のサンギヤ、キャリア、およびリングギヤの一部が互いに連結されることによって5つの回転要素が構成されるとともに、該5つの回転要素の回転速度を直線上で表すことができる共線図上において該5つの回転要素を一端から他端へ向かって順番に第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素、第4回転要素、および第5回転要素としたとき、該第1回転要素は第2クラッチを介して前記第2中間出力経路を該第2軸心側で構成する第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第2回転要素は第3クラッチを介して前記第1中間出力経路を前記第2軸心側で構成する第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第3回転要素は第3ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第4回転要素は前記出力回転部材に連結され、該第5回転要素は第1クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結され、さらに第4クラッチを介して該第3回転要素と前記第1ドリブン部材とが或いは該第3回転要素と該第5回転要素とが或いは該第5回転要素と前記第1ドリブン部材とが或いは該第1回転要素と前記第1ドリブン部材とが選択的に連結されるものであり、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  22. 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、
    前記第1回転要素は該第3サンギヤであり、前記第2回転要素は該第1リングギヤであり、前記第3回転要素は該第1キャリアおよび該第2キャリアであり、前記第4回転要素は該第2リングギヤおよび該第3キャリアであり、前記第5回転要素は該第1サンギヤ、該第2サンギヤおよび該第3リングギヤである請求項21の車両用遊星歯車式多段変速機。
  23. 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、
    前記第1回転要素は該第2サンギヤおよび該第3サンギヤであり、前記第2回転要素は該第1キャリアおよび該第2キャリアであり、前記第3回転要素は該第1リングギヤおよび該第2リングギヤであり、前記第4回転要素は該第1サンギヤおよび該第3キャリアであり、前記第5回転要素は該第3リングギヤである請求項21の車両用遊星歯車式多段変速機。
  24. 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、
    前記第1回転要素は該第1サンギヤおよび該第3サンギヤであり、前記第2回転要素は該第1キャリアおよび該第2キャリアであり、前記第3回転要素は該第1リングギヤおよび該第2リングギヤであり、前記第4回転要素は該第2サンギヤおよび該第3キャリアであり、前記第5回転要素は該第3リングギヤである請求項21の車両用遊星歯車式多段変速機。
  25. 第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転を該第1変速部を介して該第1軸心に平行な第2軸心上の該第2変速部へ伝達し、該第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および該第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、
    前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、該第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第2中間出力経路を該第2軸心側で構成する第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1リングギヤは第3クラッチを介して前記第1中間出力経路を前記第2軸心側で構成する第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1キャリアおよび該第2キャリアは第4クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第3ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第2リングギヤおよび該第3キャリアは前記出力回転部材に連結され、該第1サンギヤ、該第2サンギヤおよび該第3リングギヤは第1クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  26. 第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転を該第1変速部を介して該第1軸心に平行な第2軸心上の該第2変速部へ伝達し、該第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および該第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、
    前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、該第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第2中間出力経路を該第2軸心側で構成する第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1リングギヤは第3クラッチを介して前記第1中間出力経路を前記第2軸心側で構成する第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1キャリアおよび該第2キャリアは第3ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第2リングギヤおよび該第3キャリアは前記出力回転部材に連結され、該第1サンギヤ、該第2サンギヤおよび該第3リングギヤは第4クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  27. 第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転を該第1変速部を介して該第1軸心に平行な第2軸心上の該第2変速部へ伝達し、該第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および該第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、
    前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、該第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第2中間出力経路を該第2軸心側で構成する第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1リングギヤは第3クラッチを介して前記第1中間出力経路を前記第2軸心側で構成する第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1キャリアおよび該第2キャリアは第3ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第2リングギヤおよび該第3キャリアは前記出力回転部材に連結され、該第1サンギヤ、該第2サンギヤおよび該第3リングギヤは第1クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結され、該第1キャリアおよび該第2キャリアと該第1サンギヤ、該第2サンギヤおよび該第3リングギヤとは第4クラッチを介して選択的に連結されるものであり、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  28. 第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転を該第1変速部を介して該第1軸心に平行な第2軸心上の該第2変速部へ伝達し、該第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および該第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、
    前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、該第2サンギヤおよび該第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第2中間出力経路を該第2軸心側で構成する第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1キャリアおよび該第2キャリアは第3クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1リングギヤおよび該第2リングギヤは第4クラッチを介して前記第1中間出力経路を前記第2軸心側で構成する第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第3ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1サンギヤおよび該第3キャリアは前記出力回転部材に連結され、該第3リングギヤは第1クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  29. 第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転を該第1変速部を介して該第1軸心に平行な第2軸心上の該第2変速部へ伝達し、該第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および該第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、
    前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、該第1サンギヤおよび該第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第2中間出力経路を該第2軸心側で構成する第2ドリブン部材に選択的に連結され、さらに第4クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1キャリアおよび該第2キャリアは第3クラッチを介して前記第1中間出力経路を前記第2軸心側で構成する第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1リングギヤおよび該第2リングギヤは第3ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第2サンギヤおよび該第3キャリアは前記出力回転部材に連結され、該第3リングギヤは第1クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  30. 前記第1キャリアと前記第2キャリアおよび前記第1サンギヤと前記第2サンギヤとはそれぞれ共通の部材で構成されるとともに、前記第1遊星歯車が互いに噛み合う一対の前記第2遊星歯車のいずれか1つを兼ねているものである請求項22および請求項25乃至27のいずれか1の車両用遊星歯車式多段変速機。
  31. 前記第1クラッチおよび前記第3ブレーキが係合させられることによって最も大きい変速比の第1変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって前記第1変速段よりも変速比が小さい第2変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって前記第2変速段よりも変速比が小さい第3変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第2クラッチが係合させられることによって前記第3変速段よりも変速比が小さい第4変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第3クラッチが係合させられることによって前記第4変速段よりも変速比が小さい第5変速段が成立させられ、前記第3クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって前記第5変速段よりも変速比が小さい第6変速段が成立させられ、前記第2クラッチおよび前記第3クラッチが係合させられることによって前記第6変速段よりも変速比が小さい第7変速段が成立させられ、前記第3クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって前記第7変速段よりも変速比が小さい第8変速段が成立させられるものである請求項21乃至30のいずれか1の車両用遊星歯車式多段変速機。
  32. 前記第2クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって後進変速段が成立させられるか、或いは前記第2クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって第1後進変速段が成立させられ、前記第4クラッチおよび前記第3ブレーキが係合させられることによって前記第1後進変速段よりも変速比が大きい第2後進変速段が成立させられるものである請求項21乃至31のいずれか1の車両用遊星歯車式多段変速機。
  33. 第1変速部および第2変速部を備え、駆動力源側に位置して該駆動力源により第1軸心まわりに回転駆動される入力回転部材の回転を該第1変速部を介して該第1軸心に平行な第2軸心上の該第2変速部へ伝達し、該第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    前記第1変速部は、互いに並列に配置された2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および該第1中間出力経路に対して増速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、
    前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ前記2組の動力伝達部材よりも前記駆動力源側に順次配設される、第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置と第3遊星歯車装置との3組の遊星歯車装置を備え、該3組の遊星歯車装置のサンギヤ、キャリア、およびリングギヤの一部が互いに連結されることによって5つの回転要素が構成されるとともに、該5つの回転要素の回転速度を直線上で表すことができる共線図上において該5つの回転要素を一端から他端へ向かって順番に第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素、第4回転要素、および第5回転要素としたとき、該第1回転要素は第1クラッチを介して前記第1中間出力経路を前記第2軸心側で構成する第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第3クラッチを介して前記第2中間出力経路を該第2軸心側で構成する第2ドリブン部材に選択的に連結され、該第2回転要素は第2クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第3回転要素は前記出力回転部材に連結され、該第4回転要素は第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第5回転要素は第4クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより前進多段の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  34. 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、
    前記第1回転要素は該第2サンギヤであり、前記第2回転要素は該第1キャリア、該第2キャリアおよび該第3リングギヤであり、前記第3回転要素は該第1リングギヤ、該第2リングギヤおよび該第3キャリアであり、前記第4回転要素は該第1サンギヤであり、前記第5回転要素は該第3サンギヤである請求項33の車両用遊星歯車式多段変速機。
  35. 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、
    前記第1回転要素は該第3サンギヤであり、前記第2回転要素は該第1サンギヤ、該第2キャリアおよび該第3キャリアであり、前記第3回転要素は該第2リングギヤおよび該第3リングギヤであり、前記第4回転要素は該第1キャリアであり、前記第5回転要素は該第1リングギヤおよび該第2サンギヤである請求項33の車両用遊星歯車式多段変速機。
  36. 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、
    前記第1回転要素は該第3サンギヤであり、前記第2回転要素は該第2キャリアおよび該第3キャリアであり、前記第3回転要素は該第1サンギヤ、該第2リングギヤおよび該第3リングギヤであり、前記第4回転要素は該第1キャリアであり、前記第5回転要素は該第1リングギヤおよび該第2サンギヤである請求項33の車両用遊星歯車式多段変速機。
  37. 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、
    前記第1回転要素は該第2サンギヤおよび該第3サンギヤであり、前記第2回転要素は該第3キャリアであり、前記第3回転要素は該第1サンギヤ、該第2キャリアおよび該第3リングギヤであり、前記第4回転要素は該第1キャリアおよび該第2リングギヤであり、前記第5回転要素は該第1リングギヤである請求項33の車両用遊星歯車式多段変速機。
  38. 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、
    前記第1回転要素は該第1サンギヤであり、前記第2回転要素は該第1リングギヤおよび該第2サンギヤであり、前記第3回転要素は該第3サンギヤであり、前記第4回転要素は該第1キャリア、該第2キャリアおよび該第3キャリアであり、前記第5回転要素は該第2リングギヤおよび該第3リングギヤである請求項33の車両用遊星歯車式多段変速機。
  39. 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、
    前記第1回転要素は該第2サンギヤおよび該第3サンギヤであり、前記第2回転要素は該第1キャリアおよび該第2キャリアであり、前記第3回転要素は該第1リングギヤ、該第2リングギヤおよび該第3キャリアであり、前記第4回転要素は該第1サンギヤであり、前記第5回転要素は該第3リングギヤである請求項33の車両用遊星歯車式多段変速機。
  40. 第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転を該第1変速部を介して該第1軸心に平行な第2軸心上の該第2変速部へ伝達し、該第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および該第1中間出力経路に対して増速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、
    前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、該第2サンギヤは第1クラッチを介して前記第1中間出力経路を前記第2軸心側で構成する第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第3クラッチを介して前記第2中間出力経路を該第2軸心側で構成する第2ドリブン部材に選択的に連結され、該第1キャリア、該第2キャリアおよび該第3リングギヤは第2クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1リングギヤ、該第2リングギヤおよび該第3キャリアは前記出力回転部材に連結され、該第1サンギヤは第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第3サンギヤは第4クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  41. 第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転を該第1変速部を介して該第1軸心に平行な第2軸心上の該第2変速部へ伝達し、該第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および該第1中間出力経路に対して増速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、
    前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、該第3サンギヤは第1クラッチを介して前記第1中間出力経路を前記第2軸心側で構成する第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第3クラッチを介して前記第2中間出力経路を該第2軸心側で構成する第2ドリブン部材に選択的に連結され、該第1サンギヤ、該第2キャリアおよび該第3キャリアは第2クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第2リングギヤおよび該第3リングギヤは前記出力回転部材に連結され、該第1キャリアは第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1リングギヤおよび該第2サンギヤは第4クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  42. 第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転を該第1変速部を介して該第1軸心に平行な第2軸心上の該第2変速部へ伝達し、該第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および該第1中間出力経路に対して増速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、
    前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、該第3サンギヤは第1クラッチを介して前記第1中間出力経路を前記第2軸心側で構成する第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第3クラッチを介して前記第2中間出力経路を該第2軸心側で構成する第2ドリブン部材に選択的に連結され、該第2キャリアおよび該第3キャリアは第2クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1サンギヤ、該第2リングギヤおよび該第3リングギヤは前記出力回転部材に連結され、該第1キャリアは第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1リングギヤおよび該第2サンギヤは第4クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  43. 第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転を該第1変速部を介して該第1軸心に平行な第2軸心上の該第2変速部へ伝達し、該第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および該第1中間出力経路に対して増速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、
    前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、該第2サンギヤおよび該第3サンギヤは第1クラッチを介して前記第1中間出力経路を前記第2軸心側で構成する第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第3クラッチを介して前記第2中間出力経路を該第2軸心側で構成する第2ドリブン部材に選択的に連結され、該第3キャリアは第2クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1サンギヤ、該第2キャリアおよび該第3リングギヤは前記出力回転部材に連結され、該第1キャリアおよび該第2リングギヤは第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1リングギヤは第4クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  44. 第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転を該第1変速部を介して該第1軸心に平行な第2軸心上の該第2変速部へ伝達し、該第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および該第1中間出力経路に対して増速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、
    前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、該第1サンギヤは第1クラッチを介して前記第1中間出力経路を前記第2軸心側で構成する第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第3クラッチを介して前記第2中間出力経路を該第2軸心側で構成する第2ドリブン部材に選択的に連結され、該第1リングギヤおよび該第2サンギヤは第2クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第3サンギヤは前記出力回転部材に連結され、該第1キャリア、該第2キャリアおよび該第3キャリアは第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第2リングギヤおよび該第3リングギヤは第4クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  45. 第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転を該第1変速部を介して該第1軸心に平行な第2軸心上の該第2変速部へ伝達し、該第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    前記第1変速部は、互いに並列に配置された2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および該第1中間出力経路に対して増速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、
    前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ前記2組の動力伝達部材間に順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、該第2サンギヤおよび該第3サンギヤは第1クラッチを介して前記第1中間出力経路を前記第2軸心側で構成する第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第3クラッチを介して前記第2中間出力経路を該第2軸心側で構成する第2ドリブン部材に選択的に連結され、該第1キャリアおよび該第2キャリアは第2クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1リングギヤ、該第2リングギヤおよび該第3キャリアは前記出力回転部材に連結され、該第1サンギヤは第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第3リングギヤは第4クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  46. 前記第2キャリアと前記第3キャリアおよび前記第2リングギヤと前記第3リングギヤとはそれぞれ共通の部材で構成されるとともに、前記第3遊星歯車が互いに噛み合う一対の前記第2遊星歯車のいずれか1つを兼ねているものである請求項35、36、41および請求項42のいずれか1の車両用遊星歯車式多段変速機。
  47. 前記第1クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって最も大きい変速比の第1変速段が成立させられ、前記第3クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって前記第1変速段よりも変速比が小さい第2変速段が成立させられ、前記第2クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって前記第2変速段よりも変速比が小さい第3変速段が成立させられ、前記第2クラッチおよび前記第3クラッチが係合させられることによって前記第3変速段よりも変速比が小さい第4変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第2クラッチが係合させられることによって前記第4変速段よりも変速比が小さい第5変速段が成立させられ、前記第2クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって前記第5変速段よりも変速比が小さい第6変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって前記第6変速段よりも変速比が小さい第7変速段が成立させられ、前記第3クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって前記第7変速段よりも変速比が小さい第8変速段が成立させられるものである請求項33乃至46のいずれか1の車両用遊星歯車式多段変速機。
  48. 前記第1クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって後進変速段が成立させられるものである請求項33乃至47のいずれか1の車両用遊星歯車式多段変速機。
  49. 第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転を該第1変速部を介して該第1軸心に平行な第2軸心上の該第2変速部へ伝達し、該第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および該第1中間出力経路に対して増速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、
    前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置と第3遊星歯車装置との3組の遊星歯車装置を備え、該3組の遊星歯車装置のサンギヤ、キャリア、およびリングギヤの一部が互いに連結されることによって5つの回転要素が構成されるとともに、該5つの回転要素の回転速度を直線上で表すことができる共線図上において該5つの回転要素を一端から他端へ向かって順番に第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素、第4回転要素、および第5回転要素としたとき、該第1回転要素は第1クラッチを介して前記第1中間出力経路を前記第2軸心側で構成する第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第4クラッチを介して前記第2中間出力経路を該第2軸心側で構成する第2ドリブン部材に選択的に連結され、該第2回転要素は第2クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結され、該第3回転要素は第3クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるか、或いは第3クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第4回転要素は前記出力回転部材に連結され、該第5回転要素は第5クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結されるものであり、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  50. 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、
    前記第1回転要素は該第1サンギヤおよび該第2サンギヤであり、前記第2回転要素は該第3サンギヤであり、前記第3回転要素は該第2キャリアであり、前記第4回転要素は該第1キャリア、該第2リングギヤおよび該第3キャリアであり、前記第5回転要素は該第1リングギヤおよび該第3リングギヤである請求項49の車両用遊星歯車式多段変速機。
  51. 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、
    前記第1回転要素は該第1サンギヤであり、前記第2回転要素は該第2サンギヤおよび該第3サンギヤであり、前記第3回転要素は該第1キャリアおよび該第2リングギヤであり、前記第4回転要素は該第1リングギヤ、該第2キャリアおよび該第3キャリアであり、前記第5回転要素は該第3リングギヤである請求項49の車両用遊星歯車式多段変速機。
  52. 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、
    前記第1回転要素は該第2サンギヤであり、前記第2回転要素は該第3サンギヤであり、前記第3回転要素は該第1キャリアおよび該第2キャリアであり、前記第4回転要素は該第1リングギヤ、該第2リングギヤおよび該第3キャリアであり、前記第5回転要素は該第1サンギヤおよび該第3リングギヤである請求項49の車両用遊星歯車式多段変速機。
  53. 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第3遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、
    前記第1回転要素は該第1サンギヤであり、前記第2回転要素は該第2サンギヤおよび該第3サンギヤであり、前記第3回転要素は該第3リングギヤであり、前記第4回転要素は該第1キャリア、該第2キャリアおよび該第3キャリアであり、前記第5回転要素は該第1リングギヤおよび該第2リングギヤである請求項49の車両用遊星歯車式多段変速機。
  54. 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、
    前記第1回転要素は該第1リングギヤであり、前記第2回転要素は該第1キャリア、該第2キャリアおよび該第3サンギヤであり、前記第3回転要素は該第2リングギヤであり、前記第4回転要素は該第3キャリアであり、前記第5回転要素は該第1サンギヤ、該第2サンギヤおよび該第3リングギヤである請求項49の車両用遊星歯車式多段変速機。
  55. 第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転を該第1変速部を介して該第1軸心に平行な第2軸心上の該第2変速部へ伝達し、該第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および該第1中間出力経路に対して増速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、
    前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、該第1サンギヤおよび該第2サンギヤは第1クラッチを介して前記第1中間出力経路を前記第2軸心側で構成する第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第4クラッチを介して前記第2中間出力経路を該第2軸心側で構成する第2ドリブン部材に選択的に連結され、該第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結され、該第2キャリアは第3クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結され、該第1キャリア、該第2リングギヤおよび該第3キャリアは前記出力回転部材に連結され、該第1リングギヤおよび該第3リングギヤは第5クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結されるものであり、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  56. 第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転を該第1変速部を介して該第1軸心に平行な第2軸心上の該第2変速部へ伝達し、該第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および該第1中間出力経路に対して増速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、
    前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、該第1サンギヤは第1クラッチを介して前記第1中間出力経路を前記第2軸心側で構成する第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第4クラッチを介して前記第2中間出力経路を該第2軸心側で構成する第2ドリブン部材に選択的に連結され、該第2サンギヤおよび該第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結され、該第1キャリアおよび該第2リングギヤは第3クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結され、該第1リングギヤ、該第2キャリアおよび該第3キャリアは前記出力回転部材に連結され、該第3リングギヤは第5クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結されるものであり、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  57. 第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転を該第1変速部を介して該第1軸心に平行な第2軸心上の該第2変速部へ伝達し、該第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および該第1中間出力経路に対して増速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、
    前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、該第2サンギヤは第1クラッチを介して前記第1中間出力経路を前記第2軸心側で構成する第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第4クラッチを介して前記第2中間出力経路を該第2軸心側で構成する第2ドリブン部材に選択的に連結され、該第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結され、該第1キャリアおよび該第2キャリアは第3クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結され、該第1リングギヤ、該第2リングギヤおよび該第3キャリアは前記出力回転部材に連結され、該第1サンギヤおよび該第3リングギヤは第5クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結されるものであり、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  58. 第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転を該第1変速部を介して該第1軸心に平行な第2軸心上の該第2変速部へ伝達し、該第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および該第1中間出力経路に対して増速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、
    前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第3遊星歯車を有するダブルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、該第1サンギヤは第1クラッチを介して前記第1中間出力経路を前記第2軸心側で構成する第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第4クラッチを介して前記第2中間出力経路を該第2軸心側で構成する第2ドリブン部材に選択的に連結され、該第2サンギヤおよび該第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結され、該第3リングギヤは第3クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結され、該第1キャリア、該第2キャリアおよび該第3キャリアは前記出力回転部材に連結され、該第1リングギヤおよび該第2リングギヤは第5クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結されるものであり、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  59. 第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転を該第1変速部を介して該第1軸心に平行な第2軸心上の該第2変速部へ伝達し、該第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    前記第1変速部は、2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および該第1中間出力経路に対して増速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、
    前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された第1遊星歯車を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第2遊星歯車を有するダブルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、該第1リングギヤは第1クラッチを介して前記第1中間出力経路を前記第2軸心側で構成する第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第4クラッチを介して前記第2中間出力経路を該第2軸心側で構成する第2ドリブン部材に選択的に連結され、該第1キャリア、該第2キャリアおよび該第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結され、該第2リングギヤは第3クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第3キャリアは前記出力回転部材に連結され、該第1サンギヤ、該第2サンギヤおよび該第3リングギヤは第5クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結されるものであり、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  60. 前記第2キャリアと前記第3キャリアおよび前記第2サンギヤと前記第3サンギヤとはそれぞれ共通の部材で構成されるとともに、前記第3遊星歯車が互いに噛み合う一対の前記第2遊星歯車のいずれか1つを兼ねているものである請求項51または56の車両用遊星歯車式多段変速機。
  61. 前記第1キャリアと前記第2キャリアおよび前記第1リングギヤと前記第2リングギヤとはそれぞれ共通の部材で構成されるとともに、前記第2遊星歯車が互いに噛み合う一対の前記第1遊星歯車のいずれか1つを兼ねているものである請求項52または57の車両用遊星歯車式多段変速機。
  62. 前記第1キャリアと前記第2キャリアおよび前記第1サンギヤと前記第2サンギヤとはそれぞれ共通の部材で構成されるとともに、前記第1遊星歯車が互いに噛み合う一対の前記第2遊星歯車のいずれか1つを兼ねているものである請求項54または59の車両用遊星歯車式多段変速機。
  63. 前記第1クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって最も大きい変速比の第1変速段が成立させられ、前記第2クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって前記第1変速段よりも変速比が小さい第2変速段が成立させられ、前記第4クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって前記第2変速段よりも変速比が小さい第3変速段が成立させられ、前記第3クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって前記第3変速段よりも変速比が小さい第4変速段が成立させられ、前記第3クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって前記第4変速段よりも変速比が小さい第5変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第3クラッチが係合させられることによって前記第5変速段よりも変速比が小さい第6変速段が成立させられ、前記第3クラッチおよび前記第5クラッチが係合させられることによって前記第6変速段よりも変速比が小さい第7変速段が成立させられ、前記第4クラッチおよび前記第5クラッチが係合させられることによって前記第7変速段よりも変速比が小さい第8変速段が成立させられるものである請求項49乃至62のいずれか1の車両用遊星歯車式多段変速機。
  64. 前記第2クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって後進変速段が成立させられるか、或いは前記第4クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって後進変速段が成立させられるものである請求項49乃至63のいずれか1の車両用遊星歯車式多段変速機。
  65. 第1変速部および第2変速部を備え、駆動力源側に位置して該駆動力源により第1軸心まわりに回転駆動される入力回転部材の回転を該第1変速部を介して該第1軸心に平行な第2軸心上の該第2変速部へ伝達し、該第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    前記第1変速部は、互いに並列に配置された2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および該第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、
    前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ前記2組の動力伝達部材よりも前記駆動力源側に順次配設される、第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置と第3遊星歯車装置との3組の遊星歯車装置を備え、該3組の遊星歯車装置のサンギヤ、キャリア、およびリングギヤの一部が互いに連結されることによって5つの回転要素が構成されるとともに、該5つの回転要素の回転速度を直線上で表すことができる共線図上において該5つの回転要素を一端から他端へ向かって順番に第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素、第4回転要素、および第5回転要素としたとき、該第1回転要素は第1クラッチを介して前記第2中間出力経路を該第2軸心側で構成する第2ドリブン部材に選択的に連結され、さらに第3クラッチを介して前記第1中間出力経路を前記第2軸心側で構成する第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第2回転要素は第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第3回転要素は第4クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第3ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第4回転要素は前記出力回転部材に連結され、該第5回転要素は第2クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより前進多段の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  66. 前記第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、前記第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型遊星歯車装置であり、
    前記第1回転要素は該第2サンギヤおよび該第3サンギヤであり、前記第2回転要素は該第1キャリアおよび該第2キャリアであり、前記第3回転要素は該第2リングギヤおよび該第3キャリアであり、前記第4回転要素は該第1リングギヤおよび該第3リングギヤであり、前記第5回転要素は該第1サンギヤである請求項65の車両用遊星歯車式多段変速機。
  67. 第1変速部および第2変速部を備え、第1軸心まわりに回転可能な入力回転部材の回転を該第1変速部を介して該第1軸心に平行な第2軸心上の該第2変速部へ伝達し、該第2軸心まわりに回転する出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    前記第1変速部は、互いに並列に配置された2組の動力伝達部材から成る第1中間出力経路および該第1中間出力経路に対して減速回転させて出力する第2中間出力経路を介して、前記入力回転部材の回転を前記第2変速部へ伝達し、
    前記第2変速部は、前記第2軸心に同心に且つ前記2組の動力伝達部材間に順次配設される、第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の第1遊星歯車を有するダブルピニオン型の第1遊星歯車装置と、第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された第2遊星歯車を有するシングルピニオン型の第2遊星歯車装置と、第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備え、該第3キャリアによって回転可能に支持された第3遊星歯車を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置とを含み、該第2サンギヤおよび該第3サンギヤは第1クラッチを介して前記第2中間出力経路を該第2軸心側で構成する第2ドリブン部材に選択的に連結され、さらに第3クラッチを介して前記第1中間出力経路を前記第2軸心側で構成する第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1キャリアおよび該第2キャリアは第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第2リングギヤおよび該第3キャリアは第4クラッチを介して前記第1ドリブン部材に選択的に連結されるとともに第3ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1リングギヤおよび該第3リングギヤは前記出力回転部材に連結され、該第1サンギヤは第2クラッチを介して前記第2ドリブン部材に選択的に連結されるものであり、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  68. 前記第2クラッチおよび前記第3ブレーキが係合させられることによって最も大きい変速比の第1変速段が成立させられ、前記第2クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって前記第1変速段よりも変速比が小さい第2変速段が成立させられ、前記第2クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって前記第2変速段よりも変速比が小さい第3変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第2クラッチが係合させられることによって前記第3変速段よりも変速比が小さい第4変速段が成立させられ、前記第2クラッチおよび前記第3クラッチが係合させられることによって前記第4変速段よりも変速比が小さい第5変速段が成立させられ、前記第2クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって前記第5変速段よりも変速比が小さい第6変速段が成立させられ、前記第3クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって前記第6変速段よりも変速比が小さい第7変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第4クラッチが係合させられることによって前記第7変速段よりも変速比が小さい第8変速段が成立させられ、前記第4クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって前記第8変速段よりも変速比が小さい第9変速段が成立させられるものである請求項65乃至67のいずれか1の車両用遊星歯車式多段変速機。
  69. 前記第1クラッチおよび前記第3ブレーキが係合させられることによって第1後進変速段が成立させられ、前記第1クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって前記第1後進変速段よりも変速比が小さい第2後進変速段が成立させられるものである請求項65乃至68のいずれか1の車両用遊星歯車式多段変速機。
  70. 前記2組の動力伝達部材よりも前記駆動力源側となる前記第1軸心上の空き空間に前記車両用遊星歯車式多段変速機を構成する以外の部品を配置するものである請求項1乃至69のいずれか1の車両用遊星歯車式多段変速機。
  71. 前記動力伝達部材は、前記第1軸心に配設されたドライブギヤ、および第2軸心に配設されて該ドライブギヤと噛み合わされたドリブンギヤにて構成されているカウンタギヤ対である請求項1乃至70のいずれか1の車両用遊星歯車式多段変速機。
  72. 駆動力源の出力は、流体伝動装置を介して前記入力回転部材に入力されるものである請求項1乃至71のいずれか1の車両用遊星歯車式多段変速機。
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