JP4016885B2 - 車両用遊星歯車式多段変速機 - Google Patents

車両用遊星歯車式多段変速機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車などの車両において、原動機と駆動輪との間に設けられる車両用遊星歯車式多段変速機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両においては、予め定められた複数の変速比或いは変速段を選択するために複数の遊星歯車装置とそれらを構成する要素を結合するための係合要素たとえばクラッチおよびブレーキとを用いた遊星歯車式多段変速機が多用されている。たとえば、特許文献1に記載の自動変速機では、4組の遊星歯車装置を用いることで前進12段の多段変速を達成している。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−206601号公報
【特許文献2】
特開平8−105496号公報
【特許文献3】
特開2000−199549号公報
【特許文献4】
特開2000−266138号公報
【特許文献5】
特開2001−82555号公報
【特許文献6】
特開2002−227940号公報
【特許文献7】
特開2002−295609号公報
【特許文献8】
特許第2956173号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような遊星歯車式多段変速機では、簡単に構成され且つ小型であって、変速段のより多段化および変速比幅を大きくとり得るものであるだけでなく、切り換えられる変速比ステップが等比またはそれに近い形で変化させられることが望まれる。上記特許文献1に記載の自動変速機は変速比ステップが使い勝手がよい設定での多段化になっていないという問題があった。たとえば、特許文献1の図5に示されているように第6変速段と第7変速段との変速比ステップは1.050と小さく、変速比ステップの並びも大小様々である。また、これら課題に対して、遊星歯車の数を増やすことが考えられるが、その分全長が大きくなって車両搭載性が低下したり、遊星歯車装置を構成する要素を結合するための係合要素も増加する可能性があった。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、変速比幅を大きくとることができ且つ変速比ステップも適切な前進7速以上が可能な小型の車両用遊星歯車式多段変速機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための第の手段】
前記目的を達成するための本発明の要旨とするところは、(a) 同心に且つ順次配設される第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置と第3遊星歯車装置と第4遊星歯車装置とを備え、入力回転部材の回転を変速して出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、(b) その第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備えたシングルピニオン型遊星歯車装置であり、その第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備えたシングルピニオン型遊星歯車装置であり、その第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備えたシングルピニオン型遊星歯車装置であり、その第4遊星歯車装置は第4サンギヤ、第4キャリア、および第4リングギヤを備え、その第4キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、(c) その第1サンギヤおよびその第2リングギヤは前記入力回転部材と前記第1中間出力経路とに連結され、その第1キャリアは第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1リングギヤおよびその第2サンギヤは第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第2キャリアは第2中間出力経路に連結されて、前記入力回転部材の回転を第1中間出力経路とその第1中間出力経路に対して異なる2つの減速回転が択一的に切り換えられて減速回転させられる第2中間出力経路とを介して出力する第1変速部と、(d) その第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結されるとともに第3ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第3キャリアおよびその第4キャリアは第3クラッチを介して前記第1中間出力経路に選択的に連結されるとともに第4ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第3リングギヤおよびその第4リングギヤは前記出力回転部材に連結され、その第4サンギヤは第1クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結される第2変速部とを、備えている一方、前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより複数の変速段が成立させられることにある。
【0009】
【第発明の効果】
このようにすれば、4組の第1遊星歯車装置、第2遊星歯車装置、第3遊星歯車装置、第4遊星歯車装置によって、変速比幅を大きくとることができ且つ変速比ステップも適切な前進7速以上が可能な小型の車両用遊星歯車式多段変速機が得られる。
【0010】
【課題を解決するための第の手段】
前記目的を達成するための本発明の要旨とするところは、(a) 同心に且つ順次配設される第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置と第3遊星歯車装置と第4遊星歯車装置とを備え、入力回転部材の回転を変速して出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、(b) その第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備えたシングルピニオン型遊星歯車装置であり、その第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、その第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備えたシングルピニオン型遊星歯車装置であり、その第4遊星歯車装置は第4サンギヤ、第4キャリア、および第4リングギヤを備え、その第4キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、(c) その第1サンギヤは前記入力回転部材と前記第1中間出力経路とに連結され、その第1キャリアおよびその第2リングギヤは第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1リングギヤおよびその第2キャリアは第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第2サンギヤは第2中間出力経路に連結されて、前記入力回転部材の回転を第1中間出力経路とその第1中間出力経路に対して異なる2つの減速回転が択一的に切り換えられて減速回転させられる第2中間出力経路とを介して出力する第1変速部と、(d) その第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結されるとともに第3ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第3キャリアおよびその第4キャリアは第3クラッチを介して前記第1中間出力経路に選択的に連結されるとともに第4ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第3リングギヤおよびその第4リングギヤは前記出力回転部材に連結され、その第4サンギヤは第1クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結される第2変速部とを、備えている一方、前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより複数の変速段が成立させられることにある。
【0011】
【第発明の効果】
このようにすれば、4組の第1遊星歯車装置、第2遊星歯車装置、第3遊星歯車装置、第4遊星歯車装置によって、変速比幅を大きくとることができ且つ変速比ステップも適切な前進7速以上が可能な小型の車両用遊星歯車式多段変速機が得られる。
【0012】
【課題を解決するための第の手段】
前記目的を達成するための本発明の要旨とするところは、(a) 同心に且つ順次配設される第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置と第3遊星歯車装置と第4遊星歯車装置とを備え、入力回転部材の回転を変速して出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、(b) その第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備えたシングルピニオン型遊星歯車装置であり、その第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、その第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備えたシングルピニオン型遊星歯車装置であり、その第4遊星歯車装置は第4サンギヤ、第4キャリア、および第4リングギヤを備え、その第4キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、(c) その第1サンギヤおよびその第2キャリアは前記入力回転部材と前記第1中間出力経路とに連結され、その第1キャリアは第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1リングギヤおよびその第2サンギヤは第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第2リングギヤは第2中間出力経路に連結されて、前記入力回転部材の回転を第1中間出力経路とその第1中間出力経路に対して異なる2つの減速回転が択一的に切り換えられて減速回転させられる第2中間出力経路とを介して出力する第1変速部と、(d) その第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結されるとともに第3ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第3キャリアおよびその第4キャリアは第3クラッチを介して前記第1中間出力経路に選択的に連結されるとともに第4ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第3リングギヤおよびその第4リングギヤは前記出力回転部材に連結され、その第4サンギヤは第1クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結される第2変速部とを、備えている一方、前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより複数の変速段が成立させられることにある。
【0013】
【第発明の効果】
このようにすれば、4組の第1遊星歯車装置、第2遊星歯車装置、第3遊星歯車装置、第4遊星歯車装置によって、変速比幅を大きくとることができ且つ変速比ステップも適切な前進7速以上が可能な小型の車両用遊星歯車式多段変速機が得られる。
【0014】
【課題を解決するための第の手段】
前記目的を達成するための本発明の要旨とするところは、(a) 同心に且つ順次配設される第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置と第3遊星歯車装置と第4遊星歯車装置とを備え、入力回転部材の回転を変速して出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、(b) その第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備えたシングルピニオン型遊星歯車装置であり、その第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、その第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備えたシングルピニオン型遊星歯車装置であり、その第4遊星歯車装置は第4サンギヤ、第4キャリア、および第4リングギヤを備え、その第4キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、(c) その第1リングギヤは前記入力回転部材と前記第1中間出力経路とに連結され、その第2リングギヤは第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1サンギヤおよびその第2キャリアは第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1キャリアおよびその第2サンギヤは第2中間出力経路に連結されて、前記入力回転部材の回転を第1中間出力経路とその第1中間出力経路に対して異なる2つの減速回転が択一的に切り換えられて減速回転させられる第2中間出力経路とを介して出力する第1変速部と、(d) その第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結されるとともに第3ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第3キャリアおよびその第4キャリアは第3クラッチを介して前記第1中間出力経路に選択的に連結されるとともに第4ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第3リングギヤおよびその第4リングギヤは前記出力回転部材に連結され、その第4サンギヤは第1クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結される第2変速部とを、備えている一方、前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより複数の変速段が成立させられることにある。
【0015】
【第発明の効果】
このようにすれば、4組の第1遊星歯車装置、第2遊星歯車装置、第3遊星歯車装置、第4遊星歯車装置によって、変速比幅を大きくとることができ且つ変速比ステップも適切な前進7速以上が可能な小型の車両用遊星歯車式多段変速機が得られる。
【0016】
【課題を解決するための第の手段】
前記目的を達成するための本発明の要旨とするところは、(a) 同心に且つ順次配設される第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置と第3遊星歯車装置と第4遊星歯車装置とを備え、入力回転部材の回転を変速して出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、(b) その第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、その第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、その第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備えたシングルピニオン型遊星歯車装置であり、その第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備えたシングルピニオン型遊星歯車装置であり、その第4遊星歯車装置は第4サンギヤ、第4キャリア、および第4リングギヤを備え、その第4キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、(c) その第1サンギヤおよびその第2リングギヤは前記入力回転部材と前記第1中間出力経路とに連結され、その第1リングギヤは第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1キャリアおよびその第2サンギヤは第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第2キャリアは第2中間出力経路に連結されて、前記入力回転部材の回転を第1中間出力経路とその第1中間出力経路に対して異なる2つの減速回転が択一的に切り換えられて減速回転させられる第2中間出力経路とを介して出力する第1変速部と、(d) その第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結されるとともに第3ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第3キャリアおよびその第4キャリアは第3クラッチを介して前記第1中間出力経路に選択的に連結されるとともに第4ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第3リングギヤおよびその第4リングギヤは前記出力回転部材に連結され、その第4サンギヤは第1クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結される第2変速部とを、備えている一方、前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより複数の変速段が成立させられることにある。
【0017】
【第発明の効果】
このようにすれば、4組の第1遊星歯車装置、第2遊星歯車装置、第3遊星歯車装置、第4遊星歯車装置によって、変速比幅を大きくとることができ且つ変速比ステップも適切な前進7速以上が可能な小型の車両用遊星歯車式多段変速機が得られる。
【0018】
【課題を解決するための第の手段】
前記目的を達成するための本発明の要旨とするところは、(a) 同心に且つ順次配設される第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置と第3遊星歯車装置と第4遊星歯車装置とを備え、入力回転部材の回転を変速して出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、(b) その第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備えたシングルピニオン型遊星歯車装置であり、その第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、その第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、その第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備えたシングルピニオン型遊星歯車装置であり、その第4遊星歯車装置は第4サンギヤ、第4キャリア、および第4リングギヤを備え、その第4キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、(c) その第1サンギヤおよびその第2サンギヤは前記入力回転部材と前記第1中間出力経路とに連結され、その第1キャリアは第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第1リングギヤおよびその第2キャリアは第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第2リングギヤは第2中間出力経路に連結されて、前記入力回転部材の回転を第1中間出力経路とその第1中間出力経路に対して異なる2つの減速回転が択一的に切り換えられて減速回転させられる第2中間出力経路とを介して出力する第1変速部と、(d) その第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結されるとともに第3ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第3キャリアおよびその第4キャリアは第3クラッチを介して前記第1中間出力経路に選択的に連結されるとともに第4ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、その第3リングギヤおよびその第4リングギヤは前記出力回転部材に連結され、その第4サンギヤは第1クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結される第2変速部とを、備えている一方、前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより複数の変速段が成立させられることにある。
【0019】
【第発明の効果】
このようにすれば、4組の第1遊星歯車装置、第2遊星歯車装置、第3遊星歯車装置、第4遊星歯車装置によって、変速比幅を大きくとることができ且つ変速比ステップも適切な前進7速以上が可能な小型の車両用遊星歯車式多段変速機が得られる。
【0023】
【第1発明乃至第発明の他の態様】
ここで、好適には、前記第3キャリアと前記第4キャリアおよび前記第3リングギヤと前記第4リングギヤとはそれぞれ共通の部材で構成されるとともに、前記第3遊星歯車装置の遊星歯車が前記第4遊星歯車装置の互いに噛み合う一対の遊星歯車のいずれか1つを兼ねている所謂ラビニヨ型の遊星歯車列である。このようにすれば、部品点数や軸長を一層低減できる。
【0024】
また、好適には、前記第1クラッチ乃至第3クラッチおよび第1ブレーキ乃至第4ブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられるものである。このようにすれば、変速比幅を大きくとることができ且つ変速比ステップも適切な少なくとも前進7速が可能な小型の車両用遊星歯車式多段変速機が得られる。
【0025】
また、好適には、前記第1クラッチ、前記第2ブレーキおよび前記第4ブレーキが係合させられることによって最も大きい変速比の第1変速段が成立させられ、前記第1クラッチ、前記第2ブレーキおよび前記第3ブレーキが係合させられることによって前記第1変速段よりも変速比が小さい第2変速段が成立させられ、前記第1クラッチ、前記第2クラッチおよび前記第2ブレーキ、または前記第1クラッチ、前記第1ブレーキおよび前記第3ブレーキが係合させられることによって前記第2変速段よりも変速比が小さい第3変速段が成立させられ、前記第1クラッチ、前記第2クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって前記第3変速段よりも変速比が小さい第4変速段が成立させられ、前記第1クラッチ、前記第3クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって前記第4変速段よりも変速比が小さい第5変速段が成立させられ、前記第1クラッチ、前記第2クラッチおよび前記第3クラッチが係合させられることによって前記第5変速段よりも変速比が小さい第6変速段が成立させられ、前記第2クラッチ、前記第3クラッチおよび前記第1ブレーキ、または前記第2クラッチ、前記第3クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって前記第6変速段よりも変速比が小さい第7変速段が成立させられ、前記第3クラッチおよび前記第3ブレーキが係合させられることによって前記第7変速段よりも変速比が小さい第8変速段が成立させられるものである。このようにすれば、4組の第1遊星歯車装置、第2遊星歯車装置、第3遊星歯車装置、第4遊星歯車装置によって、変速比幅を大きくとることができ且つ変速比ステップも適切な前進8速が可能な小型の車両用遊星歯車式多段変速機が得られる。
【0026】
また、好適には、前記第2クラッチ、前記第2ブレーキおよび前記第4ブレーキが係合させられることによって第1後進変速段が成立させられ、前記第2クラッチ、前記第1ブレーキおよび前記第4ブレーキが係合させられることによって前記第1後進変速段よりも変速比が小さい第2後進変速段が成立させられるものである。このようにすれば、前進7段以上と後進2段の変速ギヤ段が得られる。また、たとえば駆動力がより必要な場合たとえば登坂路の後進走行時のような場合には変速比の大きな第1後進変速段を使用し、平地等の後進走行時のような場合には第1変速段よりも変速比が小さい第2後進変速段を使用すれば燃費の向上に効果がある。
【0027】
また、好適には、エンジンの出力は、流体伝動装置を介して前記入力回転部材に入力されるものである。このようにすれば、コンパクトな自動変速機の設計が可能となる。
【0028】
【発明の好適な実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0029】
図1は、車両用自動変速装置として好適な車両用遊星歯車式多段変速機(以下、変速機という)10の構成を説明する骨子図である。図1において、変速機10は車体に取り付けられるトランスミッションケース12内において共通の軸心上に順次配設された流体伝動装置としてのロックアップクラッチ13付のトルクコンバータ14、このトルクコンバータ14に連結された入力軸16、第1遊星歯車装置18と第2遊星歯車装置20とを主体として構成されている第1変速部28、第3遊星歯車装置22と第4遊星歯車装置24とを主体として構成されている第2変速部30、出力軸26を同心に備えている。この変速機10は、車両において縦置きされるFR用自動変速機や横置きされるFF用自動変速機として好適に用いられるものであり、エンジン8と図示しない駆動輪との間に設けられ、エンジン8の出力を駆動輪に伝達する。本実施例では、上記入力軸16および出力軸26が入力回転部材および出力回転部材に対応し、上記トランスミッションケース12が非回転部材に対応している。上記トルクコンバータ14はエンジン8のクランク軸9に連結され、上記出力軸26はたとえば図示しない差動歯車装置等を介して左右の駆動輪を回転駆動する。なお、変速機10はその軸心に対して対称的に構成されているため、第1図の骨子図においてはその下側が省略されている。以下の各実施例についても同様である。
【0030】
上記第1変速部28を構成している第1遊星歯車装置18および第2遊星歯車装置20はそれぞれシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第1遊星歯車装置18は、第1サンギヤS1、第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、たとえば「0.429」程度の所定のギヤ比ρを有している。第2遊星歯車装置20は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.539」程度の所定のギヤ比ρを有している。
【0031】
上記第1変速部28においては、第1サンギヤS1と第2リングギヤR2とが一体的に連結されて前記入力回転部材としての入力軸16と第1中間出力経路またはそれを構成する第1変速部28側の伝達部材M1とに連結され、第1キャリアCA1は第2ブレーキB2を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1リングギヤR1と第2サンギヤS2とが一体的に連結されて第1ブレーキB1を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2キャリアCA2は第2中間出力経路またはそれを構成する第1変速部28側の伝達部材M2に連結されて、第1変速部28は入力軸16の回転を上記第1中間出力経路M1とその第1中間出力経路M1に対して異なる2つの減速回転が択一的に切り換えられて減速回転させられる上記第2中間出力経路M2とを介して第2変速部30へ出力する。すなわちこの第1変速部28は入力回転部材として機能する入力軸16の回転を第1中間出力経路M1と第2中間出力経路M2との回転の異なる2つの出力経路でもって第2変速部30へ出力することになる。本実施例の第1変速部28においては、第1中間出力経路M1は入力軸16に連結されて入力軸16の回転速度とされている。しかしながら、この第1中間出力経路M1は必ずしも入力軸16の回転速度とされる必要はない。また、上記第2中間出力経路M2は実質的にはその第2中間出力経路M2に連結される部材たとえば本実施例では第2キャリアCA2を含んでもよく中間出力部材、伝達部材等として機能することになる。このことは、以下の各実施例においても同様である。
【0032】
前記第2変速部30を構成している第3遊星歯車装置22はシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第4遊星歯車装置24はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第4遊星歯車装置24は、第4サンギヤS4、互いに噛み合う複数対の第4遊星歯車P4、その第4遊星歯車P4を自転および公転可能に支持する第4キャリヤCA4、第4遊星歯車P4を介して第4サンギヤS4と噛み合う第4リングギヤR4を備えており、たとえば「0.497」程度の所定のギヤ比ρを有している。第3遊星歯車装置22は、第3サンギヤS3、第4遊星歯車P4のいずれか一つと共通の第3遊星歯車P3、第4キャリヤCA4と共通の第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第4リングギヤR4と共通の第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.550」程度の所定のギヤ比ρを有している。この第3遊星歯車装置22と第4遊星歯車装置24とは、キャリア同士、リングギヤ同士が互いに連結されて共用化されている所謂ラビニヨ型となっている。なお、上記第4遊星歯車P4のいずれか一つと共通の第3遊星歯車P3の径或いは歯数は第3遊星歯車P3側と第4遊星歯車P4側で異なるものであってもよい。また、第4遊星歯車P4と第3遊星歯車P3、第4キャリヤCA4と第3キャリヤCA3、第4リングギヤR4と第3リングギヤR3とはそれぞれ独立に備えられてもよい。第1サンギヤS1の歯数をZS1、第1リングギヤR1の歯数をZR1、第2サンギヤS2の歯数をZS2、第2リングギヤR2の歯数をZR2、第3サンギヤS3の歯数をZS3、第3リングギヤR3の歯数をZR3、第4サンギヤS4の歯数をZS4、第4リングギヤR4の歯数をZR4とすると、上記ギヤ比ρはZS1/ZR1、上記ギヤ比ρはZS2/ZR2、上記ギヤ比ρはZS3/ZR3、上記ギヤ比ρはZS4/ZR4である。
【0033】
上記第2変速部30においては、第3サンギヤS3は第2クラッチC2を介して前記第2中間出力経路またはそれを構成する第2変速部30側の伝達部材M2(実質的には第2キャリアCA2;以下、各実施例中においては、特に明記してなくても伝達部材M2に連結される第1変速部28の構成要素たとえば第2キャリアCA2はその伝達部材M2を示すものとしてもよい。)に選択的に連結されるとともに第3ブレーキB3を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第3キャリアCA3と第4キャリアCA4とが一体的に連結されて第3クラッチC3を介して第1中間出力経路またはそれを構成する第2変速部30側の部材M1に選択的に連結されるとともに第4ブレーキB4を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第3リングギヤR3と第4リングギヤR4とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力軸26に連結され、第4サンギヤS4は第1クラッチC1を介して第2キャリアCA2に選択的に連結されている。
【0034】
上記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3、第4ブレーキB4は、従来の車両用自動変速機においてよく用いられている油圧式摩擦係合装置であって、互いに重ねられた複数枚の摩擦板が油圧アクチュエータにより押圧される湿式多板型や、回転するドラムの外周面に巻き付けられた1本または2本のバンドの一端が油圧アクチュエータによって引き締められるバンドブレーキなどにより構成され、それが介そうされている両側の部材を選択的に連結するためのものである。
【0035】
以上のように構成された変速機10では、たとえば、図2の係合作動表に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3、第4ブレーキB4のうちから選択された2つ或いは3つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは第1後進ギヤ段(第1後進変速段)および第2後進ギヤ段(第2後進変速段)のいずれかが選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。
【0036】
すなわち、図2に示すように、第1クラッチC1、第2ブレーキB2および第4ブレーキB4の係合により、第4サンギヤS4と第2キャリアCA2との間、第1キャリアCA1とトランスミッションケース12との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが最大値たとえば「4.020」程度である第1速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第2ブレーキB2および第3ブレーキB3の係合により、第4サンギヤS4と第2キャリアCA2との間、第1キャリアCA1とトランスミッションケース12との間、第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第1速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.717」程度である第2速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第2クラッチC2および第2ブレーキB2の係合により、第4サンギヤS4と第2キャリアCA2との間、第3サンギヤS3と第2キャリアCA2との間、第1キャリアCA1とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第2速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.000」程度である第3速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第2クラッチC2および第1ブレーキB1の係合により、第4サンギヤS4と第2キャリアCA2との間、第3サンギヤS3と第2キャリアCA2との間、第1リングギヤR1および第2サンギヤS2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第3速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.538」程度である第4速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第3クラッチC3および第1ブレーキB1の係合により、第4サンギヤS4と第2キャリアCA2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第1リングギヤR1および第2サンギヤS2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第4速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.211」程度である第5速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第2クラッチC2および第3クラッチC3の係合により、第4サンギヤS4と第2キャリアCA2との間、第3サンギヤS3と第2キャリアCA2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第5速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.000」程度である第6速ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2、第3クラッチC3および第2ブレーキB2の係合により、第3サンギヤS3と第2キャリアCA2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第1キャリアCA1とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第6速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.784」程度である第7速ギヤ段が成立させられる。また、第3クラッチC3および第3ブレーキB3の係合により、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第7速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.645」程度である第8速ギヤ段が成立させられる。
【0037】
また、第2クラッチC2、第2ブレーキB2および第4ブレーキB4の係合により、第3サンギヤS3と第2キャリアCA2との間、第1キャリアCA1とトランスミッションケース12との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γR1が第1速ギヤ段と第2速ギヤ段との間の値たとえば「3.636」程度である第1後進ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2、第1ブレーキB1および第4ブレーキB4の係合により、第3サンギヤS3と第2キャリアCA2との間、第1リングギヤR1および第2サンギヤS2とトランスミッションケース12との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γR2が第1後進変速段よりも小さく、第2速ギヤ段と同程度の値たとえば「2.797」程度である第2後進ギヤ段が成立させられる。前記第1遊星歯車装置18のギヤ比ρ、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρは、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
【0038】
上記変速機10において、第1速ギヤ段の変速比γと第2速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.480」とされ、第2速ギヤ段の変速比γと第3速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.358」とされ、第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.300」とされ、第4速ギヤ段の変速比γと第5速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.271」とされ、第5速ギヤ段の変速比γと第6速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.211」とされ、第6速ギヤ段の変速比γと第7速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.275」とされ、第7速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.216」とされ、各変速比γが略等比的に変化させられている。また、上記変速機10において、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値すなわち「6.231」とされている。
【0039】
図3は、上記変速機10において、ギヤ段毎に連結状態が異なる各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表すことができる共線図を示している。図3の共線図は、横軸方向において各遊星歯車装置18、20、22、24のギヤ比ρの関係を示し、縦軸方向において相対的回転速度を示す二次元座標であり、4本の横線のうちの下側の横線X1が回転速度零を示し、上側の横線X2が回転速度「1.0」すなわち入力軸16に連結された第1中間出力経路M1の回転速度を示し、中間にある2本のうちの下側の横線XG1が第1中間出力経路M1に対して減速回転させられる第2中間出力経路M2の一方の所定の回転速度「NG1」を示し、中間にある2本のうちの上側の横線XG2が第1中間出力経路M1に対して減速回転させられる第2中間出力経路M2の他方の所定の回転速度「NG2」を示している。また、第1変速部28の4本の縦線Y1乃至Y4は、Y1に対応する回転要素である相互に連結されたリングギヤR1およびサンギヤS2を、Y2に対応する回転要素であるキャリアCA1を、Y3に対応する回転要素であるキャリヤCA2を、Y4に対応する回転要素である相互に連結されたサンギヤS1およびリングギヤR2をそれぞれ表し、それらの間隔は遊星歯車装置18、20のギヤ比ρ、ρに応じてそれぞれ定められている。さらに、第2変速部30の4本の縦線Y5乃至Y8は、Y5に対応する回転要素であるサンギヤS3を、Y6に対応する回転要素である相互に連結されたキャリヤCA3およびキャリヤCA4を、Y7に対応する回転要素である相互に連結されたリングギヤR3およびリングギヤR4を、Y8に対応する回転要素であるサンギヤS4をそれぞれ表し、それらの間隔は遊星歯車装置22、24のギヤ比ρ、ρに応じてそれぞれ定められている。
【0040】
上記共線図の縦軸間においてサンギヤとキャリヤとの間が「1」に対応する間隔とされるとキャリヤとリングギヤとの間がρに対応する間隔とされる関係とされ、図3の第1変速部28では縦線Y3と縦線Y4との間が「1」に対応する間隔に設定され、第2変速部30では縦線Y7と縦線Y8との間が「1」に対応する間隔に設定されて他の縦軸間の間隔は上記関係に基づいてそれぞれ設定されている。
【0041】
上記共線図を利用して表現すれば、本実施例の変速機10は、第1変速部28において、Y1に対応する回転要素(リングギヤR1、サンギヤS2)は第1ブレーキB1を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、Y2に対応する回転要素(キャリアCA1)は第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、Y3に対応する回転要素(キャリヤCA2)は第2中間出力経路M2に連結され、Y4に対応する回転要素(サンギヤS1、リングギヤR2)は入力軸(入力回転部材)16と第1中間出力経路M1とに連結されて、入力軸16の回転を上記第1中間出力経路M1とその第1中間出力経路M1に対して異なる2つの減速回転が択一的に切り換えられて減速回転させられる上記第2中間出力経路M2(キャリヤCA2)とを介して第2変速部30へ出力するように構成され、第2変速部30において、Y5に対応する回転要素(サンギヤS3)は第2クラッチC2を介して第2中間出力経路M2に選択的に連結されるとともに第3ブレーキB3を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、Y6に対応する回転要素(キャリヤCA3、キャリヤCA4)は第3クラッチC3を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第4ブレーキB4を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、Y7に対応する回転要素(リングギヤR3、リングギヤR4)は出力軸26に連結され、Y8に対応する回転要素(サンギヤS4)は第1クラッチC1を介して第2中間出力経路M2に選択的に連結されるように構成されている。
【0042】
上記図3の共線図において、図2の係合作動表に従えば第1速ギヤ段では、Y2に対応する回転要素は第2ブレーキB2の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は第1中間出力経路M1に連結されて回転速度「1」とされるので、縦線Y2と横線X1との交点と縦線Y4と横線X2との交点とを結ぶ直線が縦線Y3と交差する点により、第2変速部30へ出力される第1中間出力経路M1に対して減速回転させられた第2中間出力経路M2(キャリヤCA2)の所定の回転速度「NG1」が示され、Y8に対応する回転要素は第1クラッチC1の係合により第2中間出力経路M2(キャリアCA2)に連結され所定の回転速度「NG1」とされ、Y6に対応する回転要素は第4ブレーキB4の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y8と横線XG1との交点と縦線Y6と横線X1との交点とを結ぶ直線が縦線Y7と交差する点(1st)により、出力軸26(R3、R4)の回転速度が示される。
【0043】
第2速ギヤ段では、Y2に対応する回転要素は第2ブレーキB2の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、上記同様に第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2の所定の回転速度「NG1」が示され、Y8に対応する回転要素は第1クラッチC1の係合により所定の回転速度「NG1」とされ、Y5に対応する回転要素は第3ブレーキB3の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y8と横線XG1との交点と縦線Y5と横線X1との交点とを結ぶ直線が縦線Y7と交差する点(2nd)により、第1速ギヤ段よりも1 段高い出力軸26の回転速度が示される。
【0044】
第3速ギヤ段では、Y2に対応する回転要素は第2ブレーキB2の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、上記同様に第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2の所定の回転速度「NG1」が示され、Y8に対応する回転要素は第1クラッチC1の係合により所定の回転速度「NG1」とされ、Y5に対応する回転要素は第2クラッチC2の係合により第2中間出力経路M2に連結され所定の回転速度「NG1」とされるので、縦線Y8と横線XG1との交点と縦線Y5と横線XG1との交点とを結ぶ直線(図3の実線)が縦線Y7と交差する点(3rd-1)により、第2速ギヤ段よりも1 段高い出力軸26の回転速度が示される。
【0045】
第4速ギヤ段では、Y1に対応する回転要素は第1ブレーキB1の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は第1中間出力経路M1に連結されて回転速度「1」とされるので、縦線Y1と横線X1との交点と縦線Y4と横線X2との交点とを結ぶ直線が縦線Y3と交差する点により、第2変速部30へ出力される第1中間出力経路M1に対して減速回転させられた第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG2」が示され、Y8に対応する回転要素は第1クラッチC1の係合により第2中間出力経路M2に連結され所定の回転速度「NG2」とされ、Y5に対応する回転要素は第2クラッチC2の係合により第2中間出力経路M2に連結され所定の回転速度「NG2」とされるので、縦線Y8と横線XG2との交点と縦線Y5と横線XG2との交点とを結ぶ直線が縦線Y7と交差する点(4th)により、第3速ギヤ段よりも1 段高い出力軸26の回転速度が示される。
【0046】
第5速ギヤ段では、Y1に対応する回転要素は第1ブレーキB1の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、上記同様に第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG2」が示され、Y8に対応する回転要素は第1クラッチC1の係合により所定の回転速度「NG2」とされ、Y6に対応する回転要素は第3クラッチC3の係合により第1中間出力経路M1に連結されて回転速度「1」とされるので、縦線Y8と横線XG2との交点と縦線Y6と横線X2との交点とを結ぶ直線が縦線Y7と交差する点(5th)により、第4速ギヤ段よりも1 段高い出力軸26の回転速度が示される。
【0047】
第6速ギヤ段では、Y6に対応する回転要素は第3クラッチC3の係合により回転速度「1」とされ、Y8に対応する回転要素およびY5に対応する回転要素は第1クラッチC1および第2クラッチC2の係合により一体回転させられてY6に対応する回転要素の回転速度「1」とされるので、縦線Y8と横線X2との交点と縦線Y5と横線X2との交点とを結ぶ直線が縦線Y7と交差する点(6th)により、第5速ギヤ段よりも1 段高い出力軸26の回転速度が示される。
【0048】
第7速ギヤ段では、Y2に対応する回転要素は第2ブレーキB2の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、前記同様に第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG1」が示され、Y5に対応する回転要素は第2クラッチC2の係合により所定の回転速度「NG1」とされ、Y6に対応する回転要素は第3クラッチC3の係合により回転速度「1」とされるので、縦線Y5と横線XG1との交点と縦線Y6と横線X2との交点とを結ぶ直線(図3の実線)が縦線Y7と交差する点(7th-2)により、第6速ギヤ段よりも1 段高い出力軸26の回転速度が示される。
【0049】
第8速ギヤ段では、Y6に対応する回転要素は第3クラッチC3の係合により回転速度「1」とされ、Y5に対応する回転要素は第3ブレーキB3の係合により回転速度「0」とされるので、縦線Y6と横線X2との交点と縦線Y5と横線X1との交点とを結ぶ直線が縦線Y7と交差する点(8th)により、第7速ギヤ段よりも1 段高い出力軸26の回転速度が示される。
【0050】
第1後進ギヤ段では、Y2に対応する回転要素は第2ブレーキB2の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、前記同様に第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG1」が示され、Y5に対応する回転要素は第2クラッチC2の係合により所定の回転速度「NG1」とされ、Y6に対応する回転要素は第4ブレーキB4の係合により回転速度「0」とされるので、縦線Y5と横線XG1との交点と縦線Y6と横線X1との交点とを結ぶ直線が縦線Y7と交差する点(Rev1)により、出力軸26の負の回転速度が示される。
【0051】
第2後進ギヤ段では、Y1に対応する回転要素は第1ブレーキB1の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、前記同様に第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG2」が示され、Y5に対応する回転要素は第2クラッチC2の係合により所定の回転速度「NG2」とされ、Y6に対応する回転要素は第4ブレーキB4の係合により回転速度「0」とされるので、縦線Y5と横線XG2との交点と縦線Y6と横線X1との交点とを結ぶ直線が縦線Y7と交差する点(Rev2)により、第1後進ギヤ段よりも高速側ギヤ段である出力軸26の負の回転速度が示される。
【0052】
上述のように、本実施例によれば、4組の第1遊星歯車装置18、第2遊星歯車装置20、第3遊星歯車装置22、第4遊星歯車装置24によって、変速比幅を大きくとることができ且つ変速比ステップも適切な前進7速以上が可能な小型の車両用遊星歯車式多段変速機が得られる。すなわち、各変速比γが略等比的に変化させられ、ギヤ段の切り換えによる優れた増速特性或いは加速特性が得られるとともに、変速機10の変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値たとえば「6.231」とされているので、たとえば高速走行と登坂発進性能とが両立できる小型の車両用遊星歯車式多段変速機10が得られる。
【0053】
また、本実施例によれば、第3キャリアCA3と第4キャリアCA4、および第3リングギヤR3と第4リングギヤR4とは共通のものであるので、変速機10の部品点数や軸長を一層低減できる。
【0054】
また、本実施例によれば、第2クラッチC2、第2ブレーキB2および第4ブレーキB4が係合させられることによって第1後進変速段が成立させられ、第2クラッチC2、第1ブレーキB1および第4ブレーキB4が係合させられることによって第1後進変速段よりも変速比が小さい第2後進変速段が成立させられるので、前進7段以上と後進2段の変速ギヤ段が得られる。また、たとえば駆動力がより必要な場合たとえば登坂路の後進走行時のような場合には変速比の大きな第1後進変速段を使用し、平地等の後進走行時のような場合には第1変速段よりも変速比が小さい第2後進変速段を使用すれば燃費の向上に効果がある。
【0055】
また、本実施例によれば、第1遊星歯車装置18、第2遊星歯車装置20、第3遊星歯車装置22、第4遊星歯車装置24は入力軸16と出力軸26との間において順次配置され、エンジン8の出力は流体伝動装置としてのロックアップクラッチ13付のトルクコンバータ14を介して変速機10の入力軸16に入力されるので、コンパクトな自動変速機の設計が可能となる。
【0056】
また、本実施例によれば、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3が変速機10の第1変速部28と第2変速部30との間に集中しており、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3、第4ブレーキB4がトランスミッションケース12側すなわち外側に集中しているので、油圧回路の取りまわしが容易となる。
【0057】
つぎに、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0058】
図4は本発明の他の実施例の変速機32の構成を説明する骨子図であり、図5はその変速機32の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図6は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、図5の作動表に示す第7速ギヤ段成立のための油圧式摩擦係合装置の係合作動と第1遊星歯車装置18のギヤ比ρと第2遊星歯車装置20のギヤ比ρとそれらに対応する図6の共線図における各変速段の回転速度の設定および縦軸間の間隔が相違するが、他の構成は前記図1乃至図3に示す実施例と同様であり、その図1乃至図3に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
【0059】
図1乃至図3に示す実施例では図2に示すとおり第2クラッチC2、第3クラッチC3および第2ブレーキB2の係合により変速比γがたとえば「0.784」程度である第7速ギヤ段が成立させられたが、本実施例では図5に示すとおり第2クラッチC2、第3クラッチC3および第1ブレーキB1の係合により、第3サンギヤS3と第2キャリアCA2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第1リングギヤR1および第2サンギヤS2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第6速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.831」程度である第7速ギヤ段が成立させられる。
【0060】
また、第1遊星歯車装置18のギヤ比ρが「0.429」程度からたとえば「0.352」程度とされ、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρが「0.539」程度からたとえば「0.587」程度とされて、第4速ギヤ段の変速比γがたとえば「1.538」程度からたとえば「1.537」程度とされ、第5速ギヤ段の変速比γがたとえば「1.211」程度からたとえば「1.226」程度とされ、第2後進ギヤ段の変速比γR2がたとえば「2.797」程度からたとえば「2.886」程度とされる。従って第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.300」から「1.260」とされ、第4速ギヤ段の変速比γと第5速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.271」から「1.295」とされ、第5速ギヤ段の変速比γと第6速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.211」から「1.226」とされ、第6速ギヤ段の変速比γと第7速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.275」から「1.204」とされ、第7速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.216」から「1.288」とされる。また、図6に示す共線図において、遊星歯車装置18、20のギヤ比ρ、ρの変更にともなって第1変速部28の縦線Y1とY2との間隔が図3に示す「0.857」程度から「0.703」程度とされる。
【0061】
上記第7速ギヤ段の成立のための係合作動の変更に伴って、図1乃至図3に示す実施例では図3の共線図における第7速ギヤ段では、Y2に対応する回転要素は第2ブレーキB2の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG1」が示されたが、本実施例での図6の共線図における第7速ギヤ段では、Y1に対応する回転要素は第1ブレーキB1の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG2」が示される。これによって、本実施例での第7速ギヤ段では、Y5に対応する回転要素は第2クラッチC2の係合により所定の回転速度「NG2」とされ、Y6に対応する回転要素は第3クラッチC3の係合により回転速度「1」とされるので、縦線Y5と横線XG2との交点と縦線Y6と横線X2との交点とを結ぶ直線(図6の実線)が縦線Y7と交差する点(7th-1)により、第6速ギヤ段よりも1 段高い出力軸26の回転速度が示される。要するに、図1乃至図3に示す実施例の第7速ギヤ段は点(7th-2)として示された(図6の破線)が、本実施例の第7速ギヤ段は点(7th-1)として示される(図6の実線)ことになる。
【0062】
図7は本発明の他の実施例の変速機34の構成を説明する骨子図であり、図8はその変速機34の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図9は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、図8の作動表に示す第3速ギヤ段成立のための油圧式摩擦係合装置の係合作動とそれに対応する図9の共線図における各変速段の回転速度の設定が相違するが、他の構成は前記図1乃至図3に示す実施例と同様であり、その図1乃至図3に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
【0063】
図1乃至図3に示す実施例では図2に示すとおり第1クラッチC1、第2クラッチC2および第2ブレーキB2の係合により、変速比γがたとえば「2.000」程度である第3速ギヤ段が成立させられたが、本実施例では図8に示すとおり第1クラッチC1、第1ブレーキB1および第3ブレーキB3の係合により、第4サンギヤS4と第2キャリアCA2との間、第1リングギヤR1および第2サンギヤS2とトランスミッションケース12との間、第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第2速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.090」程度である第3速ギヤ段が成立させられる。従って第2速ギヤ段の変速比γと第3速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.358」から「1.300」とされ、第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.300」から「1.358」とされる。
【0064】
上記第3速ギヤ段の成立のための係合作動の変更に伴って、図1乃至図3に示す実施例では図3の共線図における第3速ギヤ段では、Y2に対応する回転要素は第2ブレーキB2の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG1」が示されたが、本実施例での図9の共線図における第3速ギヤ段では、Y1に対応する回転要素は第1ブレーキB1の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG2」が示される。これによって、本実施例での第3速ギヤ段では、Y8に対応する回転要素は第1クラッチC1の係合により所定の回転速度「NG2」とされ、Y5に対応する回転要素は第3ブレーキB3の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y8と横線XG2との交点と縦線Y5と横線X1との交点とを結ぶ直線(図9の実線)が縦線Y7と交差する点(3rd-2)により、第2速ギヤ段よりも1 段高い出力軸26の回転速度が示される。要するに、図1乃至図3に示す実施例の第3速ギヤ段は点(3rd-1)として示された(図9の破線)が、本実施例の第3速ギヤ段は点(3rd-2)として示される(図9の実線)ことになる。
【0065】
図10は本発明の他の実施例の変速機36の構成を説明する骨子図であり、図11はその変速機36の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図12は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、図11の作動表に示す第3速ギヤ段および第7速ギヤ段成立のための油圧式摩擦係合装置の係合作動と第1遊星歯車装置18のギヤ比ρと第2遊星歯車装置20のギヤ比ρとそれらに対応する図12の共線図における各変速段の回転速度の設定および縦軸間の間隔が相違するが、他の構成は前記図1乃至図3に示す実施例と同様であり、その図1乃至図3に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
【0066】
図1乃至図3に示す実施例では図2に示すとおり第1クラッチC1、第2クラッチC2および第2ブレーキB2の係合により、変速比γがたとえば「2.000」程度である第3速ギヤ段が成立させられ、また第2クラッチC2、第3クラッチC3および第2ブレーキB2の係合により変速比γがたとえば「0.784」程度である第7速ギヤ段が成立させられたが、本実施例では図11に示すとおり第1クラッチC1、第1ブレーキB1および第3ブレーキB3の係合により、第4サンギヤS4と第2キャリアCA2との間、第1リングギヤR1および第2サンギヤS2とトランスミッションケース12との間、第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第2速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.302」程度である第3速ギヤ段が成立させられ、また第2クラッチC2、第3クラッチC3および第1ブレーキB1の係合により、第3サンギヤS3と第2キャリアCA2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第1リングギヤR1および第2サンギヤS2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第6速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.816」程度である第7速ギヤ段が成立させられる。
【0067】
また、第1遊星歯車装置18のギヤ比ρが「0.429」程度からたとえば「0.463」程度とされ、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρが「0.539」程度からたとえば「0.695」程度とされて、第1速ギヤ段の変速比γがたとえば「4.020」程度からたとえば「5.025」程度とされ、第2速ギヤ段の変速比γがたとえば「2.717」程度からたとえば「3.396」程度とされ、第4速ギヤ段の変速比γがたとえば「1.538」程度からたとえば「1.695」程度とされ、第5速ギヤ段の変速比γがたとえば「1.211」程度からたとえば「1.256」程度とされ、第1後進ギヤ段の変速比γ 1がたとえば「3.636」程度からたとえば「4.545」程度とされ、第2後進ギヤ段の変速比γR2がたとえば「2.797」程度からたとえば「3.082」程度とされる。従って第2速ギヤ段の変速比γと第3速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.358」から「1.475」とされ、第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.300」から「1.358」とされ、第4速ギヤ段の変速比γと第5速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.271」から「1.349」とされ、第5速ギヤ段の変速比γと第6速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.211」から「1.256」とされ、第6速ギヤ段の変速比γと第7速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.275」から「1.226」とされ、第7速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.216」から「1.265」とされ、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が「6.231」から「7.789」とされる。また、図12に示す共線図において、遊星歯車装置18、20のギヤ比ρ、ρの変更にともなって第1変速部28の縦線Y1とY2との間隔が図3に示す「0.857」程度から「0.771」程度とされ、縦線Y2とY3との間隔が図3に示す「1.000」程度から「0.667」程度とされる。
【0068】
上記第3速ギヤ段および第7速ギヤ段成立のための係合作動の変更に伴って、図1乃至図3に示す実施例では図3の共線図における第3速ギヤ段では、Y2に対応する回転要素は第2ブレーキB2の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG1」が示されたが、本実施例での図12の共線図における第3速ギヤ段では、Y1に対応する回転要素は第1ブレーキB1の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG2」が示される。これによって、本実施例での第3速ギヤ段では、Y8に対応する回転要素は第1クラッチC1の係合により所定の回転速度「NG2」とされ、Y5に対応する回転要素は第3ブレーキB3の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y8と横線XG2との交点と縦線Y5と横線X1との交点とを結ぶ直線(図12の実線)が縦線Y7と交差する点(3rd-2)により、第2速ギヤ段よりも1 段高い出力軸26の回転速度が示される。また、図3の共線図における第7速ギヤ段では、Y2に対応する回転要素は第2ブレーキB2の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG1」が示されたが、本実施例での図12の共線図における第7速ギヤ段では、Y1に対応する回転要素は第1ブレーキB1の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG2」が示される。これによって、本実施例での第7速ギヤ段では、Y5に対応する回転要素は第2クラッチC2の係合により所定の回転速度「NG2」とされ、Y6に対応する回転要素は第3クラッチC3の係合により回転速度「1」とされるので、縦線Y5と横線XG2との交点と縦線Y6と横線X2との交点とを結ぶ直線(図12の実線)が縦線Y7と交差する点(7th-1)により、第6速ギヤ段よりも1 段高い出力軸26の回転速度が示される。要するに、図1乃至図3に示す実施例の第3速ギヤ段は点(3rd-1)として示された(図12の破線)が、本実施例の第3速ギヤ段は点(3rd-2)として示される(図12の実線)ことになり、図1乃至図3に示す実施例の第7速ギヤ段は点(7th-2)として示された(図12の破線)が、本実施例の第7速ギヤ段は点(7th-1)として示される(図12の実線)ことになる。
【0069】
図13は本発明の他の実施例の変速機40の構成を説明する骨子図であり、図14はその変速機40の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図15は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、第1変速部48の構成が相違するが、他の構成および係合作動は前記図1乃至図3に示す実施例と同様であり、その図1乃至図3に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
【0070】
本実施例では、上記第1変速部48を構成している第1遊星歯車装置18はシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第2遊星歯車装置20はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第1遊星歯車装置18は、第1サンギヤS1、第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、たとえば「0.429」程度の所定のギヤ比ρを有している。第2遊星歯車装置20は、第2サンギヤS2、互いに噛み合う複数対の第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.461」程度の所定のギヤ比ρを有している。
【0071】
上記第1変速部48においては、第1サンギヤS1は入力軸16と第1中間出力経路またはそれを構成する第1変速部48側の伝達部材M1とに連結され、第1キャリアCA1と第2リングギヤR2とが一体的に連結されて第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1リングギヤR1と第2キャリアCA2とが一体的に連結されて第1ブレーキB1を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2サンギヤS2は第2中間出力経路またはそれを構成する第1変速部48側の伝達部材M2に連結されて、第1変速部48は入力軸16の回転を上記第1中間出力経路M1とその第1中間出力経路M1に対して異なる2つの減速回転が択一的に切り換えられて減速回転させられる上記第2中間出力経路M2とを介して第2変速部30へ出力する。
【0072】
図1乃至図3に示す実施例と同様の構成である第2変速部30においては、第3サンギヤS3は第2クラッチC2を介して前記第2中間出力経路M2として機能する第2サンギヤS2に選択的に連結されるとともに第3ブレーキB3を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第3キャリアCA3と第4キャリアCA4とが一体的に連結されて第3クラッチC3を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第4ブレーキB4を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第3リングギヤR3と第4リングギヤR4とが一体的に連結されて出力軸26に連結され、第4サンギヤS4は第1クラッチC1を介して第2サンギヤS2に選択的に連結されている。
【0073】
以上のように構成された変速機40では、たとえば、図14の係合作動表に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3、第4ブレーキB4のうちから選択された2つ或いは3つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは第1後進ギヤ段(第1後進変速段)および第2後進ギヤ段(第2後進変速段)のいずれかが選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。
【0074】
すなわち、図14に示すように、第1クラッチC1、第2ブレーキB2および第4ブレーキB4の係合により、第4サンギヤS4と第2サンギヤS2との間、第1キャリアCA1および第2リングギヤR2とトランスミッションケース12との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが最大値たとえば「4.020」程度である第1速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第2ブレーキB2および第3ブレーキB3の係合により、第4サンギヤS4と第2サンギヤS2との間、第1キャリアCA1および第2リングギヤR2とトランスミッションケース12との間、第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第1速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.717」程度である第2速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第2クラッチC2および第2ブレーキB2の係合により、第4サンギヤS4と第2サンギヤS2との間、第3サンギヤS3と第2サンギヤS2との間、第1キャリアCA1および第2リングギヤR2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第2速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.000」程度である第3速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第2クラッチC2および第1ブレーキB1の係合により、第4サンギヤS4と第2サンギヤS2との間、第3サンギヤS3と第2サンギヤS2との間、第1リングギヤR1および第2キャリアCA2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第3速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.538」程度である第4速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第3クラッチC3および第1ブレーキB1の係合により、第4サンギヤS4と第2サンギヤS2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第1リングギヤR1および第2キャリアCA2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第4速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.211」程度である第5速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第2クラッチC2および第3クラッチC3の係合により、第4サンギヤS4と第2サンギヤS2との間、第3サンギヤS3と第2サンギヤS2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第5速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.000」程度である第6速ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2、第3クラッチC3および第2ブレーキB2の係合により、第3サンギヤS3と第2サンギヤS2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第1キャリアCA1および第2リングギヤR2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第6速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.784」程度である第7速ギヤ段が成立させられる。また、第3クラッチC3および第3ブレーキB3の係合により、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第7速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.645」程度である第8速ギヤ段が成立させられる。
【0075】
また、第2クラッチC2、第2ブレーキB2および第4ブレーキB4の係合により、第3サンギヤS3と第2サンギヤS2との間、第1キャリアCA1および第2リングギヤR2とトランスミッションケース12との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γR1が第1速ギヤ段と第2速ギヤ段との間の値たとえば「3.636」程度である第1後進ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2、第1ブレーキB1および第4ブレーキB4の係合により、第3サンギヤS3と第2サンギヤS2との間、第1リングギヤR1および第2キャリアCA2とトランスミッションケース12との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γR2が第1後進変速段よりも小さく、第2速ギヤ段と同程度の値たとえば「2.797」程度である第2後進ギヤ段が成立させられる。前記第1遊星歯車装置18のギヤ比ρ、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρは、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
【0076】
上記変速機40において、第1速ギヤ段の変速比γと第2速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.480」とされ、第2速ギヤ段の変速比γと第3速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.358」とされ、第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.300」とされ、第4速ギヤ段の変速比γと第5速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.271」とされ、第5速ギヤ段の変速比γと第6速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.211」とされ、第6速ギヤ段の変速比γと第7速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.275」とされ、第7速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.216」とされ、各変速比γが略等比的に変化させられている。また、上記変速機40において、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値すなわち「6.231」とされている。
【0077】
図15の共線図において図3と相違する部分は第1変速部48の4本の縦線Y1乃至Y4が表す回転要素であり、その縦線Y1乃至Y4はY1に対応する回転要素である相互に連結されたリングギヤR1およびキャリヤCA2を、Y2に対応する回転要素である相互に連結されたキャリアCA1およびリングギヤR2を、Y3に対応する回転要素であるサンギヤS2を、Y4に対応する回転要素であるサンギヤS1をそれぞれ表している。従って、これら回転要素を基にすれば、図15と図3とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図15の共線図の説明は割愛する。
【0078】
図16は本発明の他の実施例の変速機42の構成を説明する骨子図であり、図17はその変速機42の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図18は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、図17の作動表に示す第7速ギヤ段成立のための油圧式摩擦係合装置の係合作動と第1遊星歯車装置18のギヤ比ρと第2遊星歯車装置20のギヤ比ρとそれらに対応する図18の共線図における各変速段の回転速度の設定および縦軸間の間隔が相違するが、他の構成は上記図13乃至図15に示す実施例と同様であり、その図13乃至図15に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
【0079】
図13乃至図15に示す実施例では図14に示すとおり第2クラッチC2、第3クラッチC3および第2ブレーキB2の係合により変速比γがたとえば「0.784」程度である第7速ギヤ段が成立させられたが、本実施例では図17に示すとおり第2クラッチC2、第3クラッチC3および第1ブレーキB1の係合により、第3サンギヤS3と第2サンギヤS2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第1リングギヤR1および第2キャリアCA2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第6速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.831」程度である第7速ギヤ段が成立させられる。
【0080】
また、第1遊星歯車装置18のギヤ比ρが「0.429」程度からたとえば「0.352」程度とされ、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρが「0.461」程度からたとえば「0.413」程度とされて、第4速ギヤ段の変速比γがたとえば「1.538」程度からたとえば「1.537」程度とされ、第5速ギヤ段の変速比γがたとえば「1.211」程度からたとえば「1.226」程度とされ、第2後進ギヤ段の変速比γR2がたとえば「2.797」程度からたとえば「2.886」程度とされる。従って第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.300」から「1.260」とされ、第4速ギヤ段の変速比γと第5速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.271」から「1.295」とされ、第5速ギヤ段の変速比γと第6速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.211」から「1.226」とされ、第6速ギヤ段の変速比γと第7速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.275」から「1.204」とされ、第7速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.216」から「1.288」とされる。また、図18に示す共線図において、遊星歯車装置18、20のギヤ比ρ、ρの変更にともなって第1変速部48の縦線Y1とY2との間隔が図15に示す「0.857」程度から「0.703」程度とされる。
【0081】
上記第7速ギヤ段の成立のための係合作動の変更に伴って、図13乃至図15に示す実施例では図15の共線図における第7速ギヤ段では、Y2に対応する回転要素は第2ブレーキB2の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG1」が示されたが、本実施例での図18の共線図における第7速ギヤ段では、Y1に対応する回転要素は第1ブレーキB1の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG2」が示される。これによって、本実施例での第7速ギヤ段では、Y5に対応する回転要素は第2クラッチC2の係合により所定の回転速度「NG2」とされ、Y6に対応する回転要素は第3クラッチC3の係合により回転速度「1」とされるので、縦線Y5と横線XG2との交点と縦線Y6と横線X2との交点とを結ぶ直線(図18の実線)が縦線Y7と交差する点(7th-1)により、第6速ギヤ段よりも1 段高い出力軸26の回転速度が示される。要するに、図13乃至図15に示す実施例の第7速ギヤ段は点(7th-2)として示された(図18の破線)が、本実施例の第7速ギヤ段は点(7th-1)として示される(図18の実線)ことになる。
【0082】
図19は本発明の他の実施例の変速機44の構成を説明する骨子図であり、図20はその変速機44の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図21は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、図20の作動表に示す第3速ギヤ段成立のための油圧式摩擦係合装置の係合作動とそれに対応する図21の共線図における各変速段の回転速度の設定が相違するが、他の構成は前記図13乃至図15に示す実施例と同様であり、その図13乃至図15に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
【0083】
図13乃至図15に示す実施例では図14に示すとおり第1クラッチC1、第2クラッチC2および第2ブレーキB2の係合により、変速比γがたとえば「2.000」程度である第3速ギヤ段が成立させられたが、本実施例では図20に示すとおり第1クラッチC1、第1ブレーキB1および第3ブレーキB3の係合により、第4サンギヤS4と第2サンギヤS2との間、第1リングギヤR1および第2キャリアCA2とトランスミッションケース12との間、第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第2速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.090」程度である第3速ギヤ段が成立させられる。従って第2速ギヤ段の変速比γと第3速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.358」から「1.300」とされ、第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.300」から「1.358」とされる。
【0084】
上記第3速ギヤ段の成立のための係合作動の変更に伴って、図13乃至図15に示す実施例では図15の共線図における第3速ギヤ段では、Y2に対応する回転要素は第2ブレーキB2の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG1」が示されたが、本実施例での図21の共線図における第3速ギヤ段では、Y1に対応する回転要素は第1ブレーキB1の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG2」が示される。これによって、本実施例での第3速ギヤ段では、Y8に対応する回転要素は第1クラッチC1の係合により所定の回転速度「NG2」とされ、Y5に対応する回転要素は第3ブレーキB3の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y8と横線XG2との交点と縦線Y5と横線X1との交点とを結ぶ直線(図21の実線)が縦線Y7と交差する点(3rd-2)により、第2速ギヤ段よりも1 段高い出力軸26の回転速度が示される。要するに、図13乃至図15に示す実施例の第3速ギヤ段は点(3rd-1)として示された(図21の破線)が、本実施例の第3速ギヤ段は点(3rd-2)として示される(図21の実線)ことになる。
【0085】
図22は本発明の他の実施例の変速機46の構成を説明する骨子図であり、図23はその変速機46の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図24は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、図23の作動表に示す第3速ギヤ段および第7速ギヤ段成立のための油圧式摩擦係合装置の係合作動と第1遊星歯車装置18のギヤ比ρと第2遊星歯車装置20のギヤ比ρとそれらに対応する図24の共線図における各変速段の回転速度の設定および縦軸間の間隔が相違するが、他の構成は前記図13乃至図15に示す実施例と同様であり、その図13乃至図15に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
【0086】
図13乃至図15に示す実施例では図14に示すとおり第1クラッチC1、第2クラッチC2および第2ブレーキB2の係合により、変速比γがたとえば「2.000」程度である第3速ギヤ段が成立させられ、また第2クラッチC2、第3クラッチC3および第2ブレーキB2の係合により変速比γがたとえば「0.784」程度である第7速ギヤ段が成立させられたが、本実施例では図23に示すとおり第1クラッチC1、第1ブレーキB1および第3ブレーキB3の係合により、第4サンギヤS4と第2サンギヤS2との間、第1リングギヤR1および第2キャリアCA2とトランスミッションケース12との間、第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第2速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.302」程度である第3速ギヤ段が成立させられ、また第2クラッチC2、第3クラッチC3および第1ブレーキB1の係合により、第3サンギヤS3と第2サンギヤS2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第1リングギヤR1および第2キャリアCA2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第6速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.816」程度である第7速ギヤ段が成立させられる。
【0087】
また、第1遊星歯車装置18のギヤ比ρが「0.429」程度からたとえば「0.463」程度とされ、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρが「0.461」程度からたとえば「0.536」程度とされて、第1速ギヤ段の変速比γがたとえば「4.020」程度からたとえば「5.025」程度とされ、第2速ギヤ段の変速比γがたとえば「2.717」程度からたとえば「3.396」程度とされ、第4速ギヤ段の変速比γがたとえば「1.538」程度からたとえば「1.695」程度とされ、第5速ギヤ段の変速比γがたとえば「1.211」程度からたとえば「1.256」程度とされ、第1後進ギヤ段の変速比γ 1がたとえば「3.636」程度からたとえば「4.545」程度とされ、第2後進ギヤ段の変速比γR2がたとえば「2.797」程度からたとえば「3.082」程度とされる。従って第2速ギヤ段の変速比γと第3速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.358」から「1.475」とされ、第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.300」から「1.358」とされ、第4速ギヤ段の変速比γと第5速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.271」から「1.349」とされ、第5速ギヤ段の変速比γと第6速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.211」から「1.256」とされ、第6速ギヤ段の変速比γと第7速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.275」から「1.226」とされ、第7速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.216」から「1.265」とされ、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が「6.231」から「7.789」とされる。また、図24に示す共線図において、遊星歯車装置18、20のギヤ比ρ、ρの変更にともなって第1変速部48の縦線Y1とY2との間隔が図15に示す「0.857」程度から「0.771」程度とされ、縦線Y2とY3との間隔が図15に示す「1.000」程度から「0.667」程度とされる。
【0088】
上記第3速ギヤ段および第7速ギヤ段成立のための係合作動の変更に伴って、図13乃至図15に示す実施例では図15の共線図における第3速ギヤ段では、Y2に対応する回転要素は第2ブレーキB2の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG1」が示されたが、本実施例での図24の共線図における第3速ギヤ段では、Y1に対応する回転要素は第1ブレーキB1の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG2」が示される。これによって、本実施例での第3速ギヤ段では、Y8に対応する回転要素は第1クラッチC1の係合により所定の回転速度「NG2」とされ、Y5に対応する回転要素は第3ブレーキB3の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y8と横線XG2との交点と縦線Y5と横線X1との交点とを結ぶ直線(図24の実線)が縦線Y7と交差する点(3rd-2)により、第2速ギヤ段よりも1 段高い出力軸26の回転速度が示される。また、図15の共線図における第7速ギヤ段では、Y2に対応する回転要素は第2ブレーキB2の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG1」が示されたが、本実施例での図24の共線図における第7速ギヤ段では、Y1に対応する回転要素は第1ブレーキB1の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG2」が示される。これによって、本実施例での第7速ギヤ段では、Y5に対応する回転要素は第2クラッチC2の係合により所定の回転速度「NG2」とされ、Y6に対応する回転要素は第3クラッチC3の係合により回転速度「1」とされるので、縦線Y5と横線XG2との交点と縦線Y6と横線X2との交点とを結ぶ直線(図24の実線)が縦線Y7と交差する点(7th-1)により、第6速ギヤ段よりも1 段高い出力軸26の回転速度が示される。要するに、図13乃至図15に示す実施例の第3速ギヤ段は点(3rd-1)として示された(図24の破線)が、本実施例の第3速ギヤ段は点(3rd-2)として示される(図24の実線)ことになり、図13乃至図15に示す実施例の第7速ギヤ段は点(7th-2)として示された(図24の破線)が、本実施例の第7速ギヤ段は点(7th-1)として示される(図24の実線)ことになる。
【0089】
図25は本発明の他の実施例の変速機50の構成を説明する骨子図であり、図26はその変速機50の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図27は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、第1変速部58の構成が相違するが、他の構成および係合作動は前記図1乃至図3に示す実施例と同様であり、その図1乃至図3に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
【0090】
本実施例では、上記第1変速部58を構成している第1遊星歯車装置18はシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第2遊星歯車装置20はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第1遊星歯車装置18は、第1サンギヤS1、第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、たとえば「0.429」程度の所定のギヤ比ρを有している。第2遊星歯車装置20は、第2サンギヤS2、互いに噛み合う複数対の第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.350」程度の所定のギヤ比ρを有している。
【0091】
上記第1変速部58においては、第1サンギヤS1と第2キャリアCA2とが一体的に連結されて入力軸16と第1中間出力経路またはそれを構成する第1変速部58側の伝達部材M1とに連結され、第1キャリアCA1は第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1リングギヤR1と第2サンギヤS2とが一体的に連結されて第1ブレーキB1を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2リングギヤR2は第2中間出力経路またはそれを構成する第1変速部58側の伝達部材M2に連結されて、第1変速部58は入力軸16の回転を上記第1中間出力経路M1とその第1中間出力経路M1に対して異なる2つの減速回転が択一的に切り換えられて減速回転させられる上記第2中間出力経路M2とを介して第2変速部30へ出力する。
【0092】
図1乃至図3に示す実施例と同様の構成である第2変速部30においては、第3サンギヤS3は第2クラッチC2を介して前記第2中間出力経路M2として機能する第2リングギヤR2に選択的に連結されるとともに第3ブレーキB3を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第3キャリアCA3と第4キャリアCA4とが一体的に連結されて第3クラッチC3を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第4ブレーキB4を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第3リングギヤR3と第4リングギヤR4とが一体的に連結されて出力軸26に連結され、第4サンギヤS4は第1クラッチC1を介して第2リングギヤR2に選択的に連結されている。
【0093】
以上のように構成された変速機50では、たとえば、図26の係合作動表に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3、第4ブレーキB4のうちから選択された2つ或いは3つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは第1後進ギヤ段(第1後進変速段)および第2後進ギヤ段(第2後進変速段)のいずれかが選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。
【0094】
すなわち、図26に示すように、第1クラッチC1、第2ブレーキB2および第4ブレーキB4の係合により、第4サンギヤS4と第2リングギヤR2との間、第1キャリアCA1とトランスミッションケース12との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが最大値たとえば「4.020」程度である第1速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第2ブレーキB2および第3ブレーキB3の係合により、第4サンギヤS4と第2リングギヤR2との間、第1キャリアCA1とトランスミッションケース12との間、第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第1速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.717」程度である第2速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第2クラッチC2および第2ブレーキB2の係合により、第4サンギヤS4と第2リングギヤR2との間、第3サンギヤS3と第2リングギヤR2との間、第1キャリアCA1とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第2速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.000」程度である第3速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第2クラッチC2および第1ブレーキB1の係合により、第4サンギヤS4と第2リングギヤR2との間、第3サンギヤS3と第2リングギヤR2との間、第1リングギヤR1および第2サンギヤS2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第3速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.538」程度である第4速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第3クラッチC3および第1ブレーキB1の係合により、第4サンギヤS4と第2リングギヤR2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第1リングギヤR1および第2サンギヤS2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第4速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.211」程度である第5速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第2クラッチC2および第3クラッチC3の係合により、第4サンギヤS4と第2リングギヤR2との間、第3サンギヤS3と第2リングギヤR2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第5速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.000」程度である第6速ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2、第3クラッチC3および第2ブレーキB2の係合により、第3サンギヤS3と第2リングギヤR2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第1キャリアCA1とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第6速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.784」程度である第7速ギヤ段が成立させられる。また、第3クラッチC3および第3ブレーキB3の係合により、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第7速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.645」程度である第8速ギヤ段が成立させられる。
【0095】
また、第2クラッチC2、第2ブレーキB2および第4ブレーキB4の係合により、第3サンギヤS3と第2リングギヤR2との間、第1キャリアCA1とトランスミッションケース12との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γR1が第1速ギヤ段と第2速ギヤ段との間の値たとえば「3.636」程度である第1後進ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2、第1ブレーキB1および第4ブレーキB4の係合により、第3サンギヤS3と第2リングギヤR2との間、第1リングギヤR1および第2サンギヤS2とトランスミッションケース12との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γR2が第1後進変速段よりも小さく、第2速ギヤ段と同程度の値たとえば「2.797」程度である第2後進ギヤ段が成立させられる。前記第1遊星歯車装置18のギヤ比ρ、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρは、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
【0096】
上記変速機50において、第1速ギヤ段の変速比γと第2速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.480」とされ、第2速ギヤ段の変速比γと第3速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.358」とされ、第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.300」とされ、第4速ギヤ段の変速比γと第5速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.271」とされ、第5速ギヤ段の変速比γと第6速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.211」とされ、第6速ギヤ段の変速比γと第7速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.275」とされ、第7速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.216」とされ、各変速比γが略等比的に変化させられている。また、上記変速機50において、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値すなわち「6.231」とされている。
【0097】
図27の共線図において図3と相違する部分は第1変速部58の4本の縦線Y1乃至Y4が表す回転要素であり、その縦線Y1乃至Y4はY1に対応する回転要素である相互に連結されたリングギヤR1およびサンギヤS2を、Y2に対応する回転要素であるキャリアCA1を、Y3に対応する回転要素であるリングギヤR2を、Y4に対応する回転要素である相互に連結されたサンギヤS1およびキャリヤCA2をそれぞれ表している。従って、これら回転要素を基にすれば、図27と図3とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図27の共線図の説明は割愛する。
【0098】
図28は本発明の他の実施例の変速機52の構成を説明する骨子図であり、図29はその変速機52の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図30は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、図29の作動表に示す第7速ギヤ段成立のための油圧式摩擦係合装置の係合作動と第1遊星歯車装置18のギヤ比ρと第2遊星歯車装置20のギヤ比ρとそれらに対応する図30の共線図における各変速段の回転速度の設定および縦軸間の間隔が相違するが、他の構成は上記図25乃至図27に示す実施例と同様であり、その図25乃至図27に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
【0099】
図25乃至図27に示す実施例では図26に示すとおり第2クラッチC2、第3クラッチC3および第2ブレーキB2の係合により変速比γがたとえば「0.784」程度である第7速ギヤ段が成立させられたが、本実施例では図29に示すとおり第2クラッチC2、第3クラッチC3および第1ブレーキB1の係合により、第3サンギヤS3と第2リングギヤR2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第1リングギヤR1および第2サンギヤS2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第6速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.831」程度である第7速ギヤ段が成立させられる。
【0100】
また、第1遊星歯車装置18のギヤ比ρが「0.429」程度からたとえば「0.352」程度とされ、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρが「0.350」程度からたとえば「0.370」程度とされて、第4速ギヤ段の変速比γがたとえば「1.538」程度からたとえば「1.537」程度とされ、第5速ギヤ段の変速比γがたとえば「1.211」程度からたとえば「1.226」程度とされ、第2後進ギヤ段の変速比γR2がたとえば「2.797」程度からたとえば「2.886」程度とされる。従って第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.300」から「1.260」とされ、第4速ギヤ段の変速比γと第5速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.271」から「1.295」とされ、第5速ギヤ段の変速比γと第6速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.211」から「1.226」とされ、第6速ギヤ段の変速比γと第7速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.275」から「1.204」とされ、第7速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.216」から「1.288」とされる。また、図30に示す共線図において、遊星歯車装置18、20のギヤ比ρ、ρの変更にともなって第1変速部58の縦線Y1とY2との間隔が図27に示す「0.857」程度から「0.703」程度とされる。
【0101】
上記第7速ギヤ段の成立のための係合作動の変更に伴って、図25乃至図27に示す実施例では図27の共線図における第7速ギヤ段では、Y2に対応する回転要素は第2ブレーキB2の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG1」が示されたが、本実施例での図30の共線図における第7速ギヤ段では、Y1に対応する回転要素は第1ブレーキB1の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG2」が示される。これによって、本実施例での第7速ギヤ段では、Y5に対応する回転要素は第2クラッチC2の係合により所定の回転速度「NG2」とされ、Y6に対応する回転要素は第3クラッチC3の係合により回転速度「1」とされるので、縦線Y5と横線XG2との交点と縦線Y6と横線X2との交点とを結ぶ直線(図30の実線)が縦線Y7と交差する点(7th-1)により、第6速ギヤ段よりも1 段高い出力軸26の回転速度が示される。要するに、図25乃至図27に示す実施例の第7速ギヤ段は点(7th-2)として示された(図30の破線)が、本実施例の第7速ギヤ段は点(7th-1)として示される(図30の実線)ことになる。
【0102】
図31は本発明の他の実施例の変速機54の構成を説明する骨子図であり、図32はその変速機54の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図33は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、図32の作動表に示す第3速ギヤ段成立のための油圧式摩擦係合装置の係合作動とそれに対応する図33の共線図における各変速段の回転速度の設定が相違するが、他の構成は前記図25乃至図27に示す実施例と同様であり、その図25乃至図27に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
【0103】
図25乃至図27に示す実施例では図26に示すとおり第1クラッチC1、第2クラッチC2および第2ブレーキB2の係合により、変速比γがたとえば「2.000」程度である第3速ギヤ段が成立させられたが、本実施例では図32に示すとおり第1クラッチC1、第1ブレーキB1および第3ブレーキB3の係合により、第4サンギヤS4と第2リングギヤR2との間、第1リングギヤR1および第2サンギヤS2とトランスミッションケース12との間、第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第2速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.090」程度である第3速ギヤ段が成立させられる。従って第2速ギヤ段の変速比γと第3速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.358」から「1.300」とされ、第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.300」から「1.358」とされる。
【0104】
上記第3速ギヤ段の成立のための係合作動の変更に伴って、図25乃至図27に示す実施例では図27の共線図における第3速ギヤ段では、Y2に対応する回転要素は第2ブレーキB2の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG1」が示されたが、本実施例での図33の共線図における第3速ギヤ段では、Y1に対応する回転要素は第1ブレーキB1の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG2」が示される。これによって、本実施例での第3速ギヤ段では、Y8に対応する回転要素は第1クラッチC1の係合により所定の回転速度「NG2」とされ、Y5に対応する回転要素は第3ブレーキB3の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y8と横線XG2との交点と縦線Y5と横線X1との交点とを結ぶ直線(図33の実線)が縦線Y7と交差する点(3rd-2)により、第2速ギヤ段よりも1 段高い出力軸26の回転速度が示される。要するに、図25乃至図27に示す実施例の第3速ギヤ段は点(3rd-1)として示された(図33の破線)が、本実施例の第3速ギヤ段は点(3rd-2)として示される(図33の実線)ことになる。
【0105】
図34は本発明の他の実施例の変速機56の構成を説明する骨子図であり、図35はその変速機56の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図36は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、図35の作動表に示す第3速ギヤ段および第7速ギヤ段成立のための油圧式摩擦係合装置の係合作動と第1遊星歯車装置18のギヤ比ρと第2遊星歯車装置20のギヤ比ρとそれらに対応する図36の共線図における各変速段の回転速度の設定および縦軸間の間隔が相違するが、他の構成は前記図25乃至図27に示す実施例と同様であり、その図25乃至図27に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
【0106】
図25乃至図27に示す実施例では図26に示すとおり第1クラッチC1、第2クラッチC2および第2ブレーキB2の係合により、変速比γがたとえば「2.000」程度である第3速ギヤ段が成立させられ、また第2クラッチC2、第3クラッチC3および第2ブレーキB2の係合により変速比γがたとえば「0.784」程度である第7速ギヤ段が成立させられたが、本実施例では図35に示すとおり第1クラッチC1、第1ブレーキB1および第3ブレーキB3の係合により、第4サンギヤS4と第2リングギヤR2との間、第1リングギヤR1および第2サンギヤS2とトランスミッションケース12との間、第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第2速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.302」程度である第3速ギヤ段が成立させられ、また第2クラッチC2、第3クラッチC3および第1ブレーキB1の係合により、第3サンギヤS3と第2リングギヤR2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第1リングギヤR1および第2サンギヤS2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第6速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.816」程度である第7速ギヤ段が成立させられる。
【0107】
また、第1遊星歯車装置18のギヤ比ρが「0.429」程度からたとえば「0.463」程度とされ、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρが「0.350」程度からたとえば「0.410」程度とされて、第1速ギヤ段の変速比γがたとえば「4.020」程度からたとえば「5.025」程度とされ、第2速ギヤ段の変速比γがたとえば「2.717」程度からたとえば「3.396」程度とされ、第4速ギヤ段の変速比γがたとえば「1.538」程度からたとえば「1.695」程度とされ、第5速ギヤ段の変速比γがたとえば「1.211」程度からたとえば「1.256」程度とされ、第1後進ギヤ段の変速比γ 1がたとえば「3.636」程度からたとえば「4.545」程度とされ、第2後進ギヤ段の変速比γR2がたとえば「2.797」程度からたとえば「3.082」程度とされる。従って第2速ギヤ段の変速比γと第3速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.358」から「1.475」とされ、第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.300」から「1.358」とされ、第4速ギヤ段の変速比γと第5速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.271」から「1.349」とされ、第5速ギヤ段の変速比γと第6速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.211」から「1.256」とされ、第6速ギヤ段の変速比γと第7速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.275」から「1.226」とされ、第7速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.216」から「1.265」とされ、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が「6.231」から「7.789」とされる。また、図36に示す共線図において、遊星歯車装置18、20のギヤ比ρ、ρの変更にともなって第1変速部58の縦線Y1とY2との間隔が図27に示す「0.857」程度から「0.771」程度とされ、縦線Y2とY3との間隔が図27に示す「1.000」程度から「0.667」程度とされる。
【0108】
上記第3速ギヤ段および第7速ギヤ段成立のための係合作動の変更に伴って、図25乃至図27に示す実施例では図27の共線図における第3速ギヤ段では、Y2に対応する回転要素は第2ブレーキB2の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG1」が示されたが、本実施例での図36の共線図における第3速ギヤ段では、Y1に対応する回転要素は第1ブレーキB1の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG2」が示される。これによって、本実施例での第3速ギヤ段では、Y8に対応する回転要素は第1クラッチC1の係合により所定の回転速度「NG2」とされ、Y5に対応する回転要素は第3ブレーキB3の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y8と横線XG2との交点と縦線Y5と横線X1との交点とを結ぶ直線(図36の実線)が縦線Y7と交差する点(3rd-2)により、第2速ギヤ段よりも1 段高い出力軸26の回転速度が示される。また、図27の共線図における第7速ギヤ段では、Y2に対応する回転要素は第2ブレーキB2の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG1」が示されたが、本実施例での図36の共線図における第7速ギヤ段では、Y1に対応する回転要素は第1ブレーキB1の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG2」が示される。これによって、本実施例での第7速ギヤ段では、Y5に対応する回転要素は第2クラッチC2の係合により所定の回転速度「NG2」とされ、Y6に対応する回転要素は第3クラッチC3の係合により回転速度「1」とされるので、縦線Y5と横線XG2との交点と縦線Y6と横線X2との交点とを結ぶ直線(図36の実線)が縦線Y7と交差する点(7th-1)により、第6速ギヤ段よりも1 段高い出力軸26の回転速度が示される。要するに、図25乃至図27に示す実施例の第3速ギヤ段は点(3rd-1)として示された(図36の破線)が、本実施例の第3速ギヤ段は点(3rd-2)として示される(図36の実線)ことになり、図25乃至図27に示す実施例の第7速ギヤ段は点(7th-2)として示された(図36の破線)が、本実施例の第7速ギヤ段は点(7th-1)として示される(図36の実線)ことになる。
【0109】
図37は本発明の他の実施例の変速機60の構成を説明する骨子図であり、図38はその変速機60の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図39は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、第1変速部68の構成が相違するが、他の構成および係合作動は前記図1乃至図3に示す実施例と同様であり、その図1乃至図3に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
【0110】
本実施例では、上記第1変速部68を構成している第1遊星歯車装置18はシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第2遊星歯車装置20はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第1遊星歯車装置18は、第1サンギヤS1、第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、たとえば「0.539」程度の所定のギヤ比ρを有している。第2遊星歯車装置20は、第2サンギヤS2、互いに噛み合う複数対の第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.461」程度の所定のギヤ比ρを有している。
【0111】
上記第1変速部68においては、第1リングギヤR1は入力軸16と第1中間出力経路またはそれを構成する第1変速部68側の伝達部材M1とに連結され、第2リングギヤR2は第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1サンギヤS1と第2キャリアCA2とが一体的に連結されて第1ブレーキB1を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1キャリアCA1と第2サンギヤS2とが一体的に連結されて第2中間出力経路またはそれを構成する第1変速部68側の伝達部材M2に連結されて、第1変速部68は入力軸16の回転を上記第1中間出力経路M1とその第1中間出力経路M1に対して異なる2つの減速回転が択一的に切り換えられて減速回転させられる上記第2中間出力経路M2とを介して第2変速部30へ出力する。
【0112】
図1乃至図3に示す実施例と同様の構成である第2変速部30においては、第3サンギヤS3は第2クラッチC2を介して前記第2中間出力経路M2として機能する第1キャリアCA1および第2サンギヤS2に選択的に連結されるとともに第3ブレーキB3を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第3キャリアCA3と第4キャリアCA4とが一体的に連結されて第3クラッチC3を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第4ブレーキB4を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第3リングギヤR3と第4リングギヤR4とが一体的に連結されて出力軸26に連結され、第4サンギヤS4は第1クラッチC1を介して第1キャリアCA1および第2サンギヤS2に選択的に連結されている。
【0113】
以上のように構成された変速機60では、たとえば、図38の係合作動表に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3、第4ブレーキB4のうちから選択された2つ或いは3つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは第1後進ギヤ段(第1後進変速段)および第2後進ギヤ段(第2後進変速段)のいずれかが選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。
【0114】
すなわち、図38に示すように、第1クラッチC1、第2ブレーキB2および第4ブレーキB4の係合により、第4サンギヤS4と第1キャリアCA1および第2サンギヤS2との間、第2リングギヤR2とトランスミッションケース12との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが最大値たとえば「4.020」程度である第1速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第2ブレーキB2および第3ブレーキB3の係合により、第4サンギヤS4と第1キャリアCA1および第2サンギヤS2との間、第2リングギヤR2とトランスミッションケース12との間、第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第1速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.717」程度である第2速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第2クラッチC2および第2ブレーキB2の係合により、第4サンギヤS4と第1キャリアCA1および第2サンギヤS2との間、第3サンギヤS3と第1キャリアCA1および第2サンギヤS2との間、第2リングギヤR2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第2速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.000」程度である第3速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第2クラッチC2および第1ブレーキB1の係合により、第4サンギヤS4と第1キャリアCA1および第2サンギヤS2との間、第3サンギヤS3と第1キャリアCA1および第2サンギヤS2との間、第1サンギヤS1および第2キャリアCA2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第3速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.538」程度である第4速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第3クラッチC3および第1ブレーキB1の係合により、第4サンギヤS4と第1キャリアCA1および第2サンギヤS2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第1サンギヤS1および第2キャリアCA2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第4速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.211」程度である第5速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第2クラッチC2および第3クラッチC3の係合により、第4サンギヤS4と第1キャリアCA1および第2サンギヤS2との間、第3サンギヤS3と第1キャリアCA1および第2サンギヤS2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第5速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.000」程度である第6速ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2、第3クラッチC3および第2ブレーキB2の係合により、第3サンギヤS3と第1キャリアCA1および第2サンギヤS2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第2リングギヤR2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第6速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.784」程度である第7速ギヤ段が成立させられる。また、第3クラッチC3および第3ブレーキB3の係合により、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第7速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.645」程度である第8速ギヤ段が成立させられる。
【0115】
また、第2クラッチC2、第2ブレーキB2および第4ブレーキB4の係合により、第3サンギヤS3と第1キャリアCA1および第2サンギヤS2との間、第2リングギヤR2とトランスミッションケース12との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γR1が第1速ギヤ段と第2速ギヤ段との間の値たとえば「3.636」程度である第1後進ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2、第1ブレーキB1および第4ブレーキB4の係合により、第3サンギヤS3と第1キャリアCA1および第2サンギヤS2との間、第1サンギヤS1および第2キャリアCA2とトランスミッションケース12との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γR2が第1後進変速段よりも小さく、第2速ギヤ段と同程度の値たとえば「2.797」程度である第2後進ギヤ段が成立させられる。前記第1遊星歯車装置18のギヤ比ρ、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρは、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
【0116】
上記変速機60において、第1速ギヤ段の変速比γと第2速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.480」とされ、第2速ギヤ段の変速比γと第3速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.358」とされ、第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.300」とされ、第4速ギヤ段の変速比γと第5速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.271」とされ、第5速ギヤ段の変速比γと第6速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.211」とされ、第6速ギヤ段の変速比γと第7速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.275」とされ、第7速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.216」とされ、各変速比γが略等比的に変化させられている。また、上記変速機60において、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値すなわち「6.231」とされている。
【0117】
図39の共線図において図3と相違する部分は第1変速部68の4本の縦線Y1乃至Y4が表す回転要素であり、その縦線Y1乃至Y4はY1に対応する回転要素である相互に連結されたサンギヤS1およびキャリヤCA2を、Y2に対応する回転要素であるリングギヤR2を、Y3に対応する回転要素である相互に連結されたキャリアCA1およびサンギヤS2を、Y4に対応する回転要素であるリングギヤR1をそれぞれ表している。従って、これら回転要素を基にすれば、図39と図3とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図39の共線図の説明は割愛する。
【0118】
図40は本発明の他の実施例の変速機62の構成を説明する骨子図であり、図41はその変速機62の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図42は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、図41の作動表に示す第7速ギヤ段成立のための油圧式摩擦係合装置の係合作動と第1遊星歯車装置18のギヤ比ρと第2遊星歯車装置20のギヤ比ρとそれらに対応する図42の共線図における各変速段の回転速度の設定および縦軸間の間隔が相違するが、他の構成は上記図37乃至図39に示す実施例と同様であり、その図37乃至図39に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
【0119】
図37乃至図39に示す実施例では図38に示すとおり第2クラッチC2、第3クラッチC3および第2ブレーキB2の係合により変速比γがたとえば「0.784」程度である第7速ギヤ段が成立させられたが、本実施例では図41に示すとおり第2クラッチC2、第3クラッチC3および第1ブレーキB1の係合により、第3サンギヤS3と第1キャリアCA1および第2サンギヤS2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第1サンギヤS1および第2キャリアCA2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第6速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.831」程度である第7速ギヤ段が成立させられる。
【0120】
また、第1遊星歯車装置18のギヤ比ρが「0.539」程度からたとえば「0.587」程度とされ、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρが「0.461」程度からたとえば「0.413」程度とされて、第4速ギヤ段の変速比γがたとえば「1.538」程度からたとえば「1.537」程度とされ、第5速ギヤ段の変速比γがたとえば「1.211」程度からたとえば「1.226」程度とされ、第2後進ギヤ段の変速比γR2がたとえば「2.797」程度からたとえば「2.886」程度とされる。従って第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.300」から「1.260」とされ、第4速ギヤ段の変速比γと第5速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.271」から「1.295」とされ、第5速ギヤ段の変速比γと第6速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.211」から「1.226」とされ、第6速ギヤ段の変速比γと第7速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.275」から「1.204」とされ、第7速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.216」から「1.288」とされる。また、図42に示す共線図において、遊星歯車装置18、20のギヤ比ρ、ρの変更にともなって第1変速部68の縦線Y1とY2との間隔が図39に示す「0.857」程度から「0.703」程度とされる。
【0121】
上記第7速ギヤ段の成立のための係合作動の変更に伴って、図37乃至図39に示す実施例では図39の共線図における第7速ギヤ段では、Y2に対応する回転要素は第2ブレーキB2の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG1」が示されたが、本実施例での図42の共線図における第7速ギヤ段では、Y1に対応する回転要素は第1ブレーキB1の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG2」が示される。これによって、本実施例での第7速ギヤ段では、Y5に対応する回転要素は第2クラッチC2の係合により所定の回転速度「NG2」とされ、Y6に対応する回転要素は第3クラッチC3の係合により回転速度「1」とされるので、縦線Y5と横線XG2との交点と縦線Y6と横線X2との交点とを結ぶ直線(図42の実線)が縦線Y7と交差する点(7th-1)により、第6速ギヤ段よりも1 段高い出力軸26の回転速度が示される。要するに、図37乃至図39に示す実施例の第7速ギヤ段は点(7th-2)として示された(図42の破線)が、本実施例の第7速ギヤ段は点(7th-1)として示される(図42の実線)ことになる。
【0122】
図43は本発明の他の実施例の変速機64の構成を説明する骨子図であり、図44はその変速機64の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図45は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、図44の作動表に示す第3速ギヤ段成立のための油圧式摩擦係合装置の係合作動とそれに対応する図45の共線図における各変速段の回転速度の設定が相違するが、他の構成は前記図37乃至図39に示す実施例と同様であり、その図37乃至図39に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
【0123】
図37乃至図39に示す実施例では図38に示すとおり第1クラッチC1、第2クラッチC2および第2ブレーキB2の係合により、変速比γがたとえば「2.000」程度である第3速ギヤ段が成立させられたが、本実施例では図44に示すとおり第1クラッチC1、第1ブレーキB1および第3ブレーキB3の係合により、第4サンギヤS4と第1キャリアCA1および第2サンギヤS2との間、第1サンギヤS1および第2キャリアCA2とトランスミッションケース12との間、第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第2速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.090」程度である第3速ギヤ段が成立させられる。従って第2速ギヤ段の変速比γと第3速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.358」から「1.300」とされ、第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.300」から「1.358」とされる。
【0124】
上記第3速ギヤ段の成立のための係合作動の変更に伴って、図37乃至図39に示す実施例では図39の共線図における第3速ギヤ段では、Y2に対応する回転要素は第2ブレーキB2の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG1」が示されたが、本実施例での図45の共線図における第3速ギヤ段では、Y1に対応する回転要素は第1ブレーキB1の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG2」が示される。これによって、本実施例での第3速ギヤ段では、Y8に対応する回転要素は第1クラッチC1の係合により所定の回転速度「NG2」とされ、Y5に対応する回転要素は第3ブレーキB3の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y8と横線XG2との交点と縦線Y5と横線X1との交点とを結ぶ直線(図45の実線)が縦線Y7と交差する点(3rd-2)により、第2速ギヤ段よりも1 段高い出力軸26の回転速度が示される。要するに、図37乃至図39に示す実施例の第3速ギヤ段は点(3rd-1)として示された(図45の破線)が、本実施例の第3速ギヤ段は点(3rd-2)として示される(図45の実線)ことになる。
【0125】
図46は本発明の他の実施例の変速機66の構成を説明する骨子図であり、図47はその変速機66の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図48は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、図47の作動表に示す第3速ギヤ段および第7速ギヤ段成立のための油圧式摩擦係合装置の係合作動と第1遊星歯車装置18のギヤ比ρと第2遊星歯車装置20のギヤ比ρとそれらに対応する図48の共線図における各変速段の回転速度の設定および縦軸間の間隔が相違するが、他の構成は上記図37乃至図39に示す実施例と同様であり、その図37乃至図39に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
【0126】
図37乃至図39に示す実施例では図38に示すとおり第1クラッチC1、第2クラッチC2および第2ブレーキB2の係合により、変速比γがたとえば「2.000」程度である第3速ギヤ段が成立させられ、また第2クラッチC2、第3クラッチC3および第2ブレーキB2の係合により変速比γがたとえば「0.784」程度である第7速ギヤ段が成立させられたが、本実施例では図47に示すとおり第1クラッチC1、第1ブレーキB1および第3ブレーキB3の係合により、第4サンギヤS4と第1キャリアCA1および第2サンギヤS2との間、第1サンギヤS1および第2キャリアCA2とトランスミッションケース12との間、第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第2速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.302」程度である第3速ギヤ段が成立させられ、また第2クラッチC2、第3クラッチC3および第1ブレーキB1の係合により、第3サンギヤS3と第1キャリアCA1および第2サンギヤS2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第1サンギヤS1および第2キャリアCA2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第6速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.816」程度である第7速ギヤ段が成立させられる。
【0127】
また、第1遊星歯車装置18のギヤ比ρが「0.539」程度からたとえば「0.695」程度とされ、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρが「0.461」程度からたとえば「0.536」程度とされて、第1速ギヤ段の変速比γがたとえば「4.020」程度からたとえば「5.025」程度とされ、第2速ギヤ段の変速比γがたとえば「2.717」程度からたとえば「3.396」程度とされ、第4速ギヤ段の変速比γがたとえば「1.538」程度からたとえば「1.695」程度とされ、第5速ギヤ段の変速比γがたとえば「1.211」程度からたとえば「1.256」程度とされ、第1後進ギヤ段の変速比γ 1がたとえば「3.636」程度からたとえば「4.545」程度とされ、第2後進ギヤ段の変速比γR2がたとえば「2.797」程度からたとえば「3.082」程度とされる。従って第2速ギヤ段の変速比γと第3速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.358」から「1.475」とされ、第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.300」から「1.358」とされ、第4速ギヤ段の変速比γと第5速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.271」から「1.349」とされ、第5速ギヤ段の変速比γと第6速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.211」から「1.256」とされ、第6速ギヤ段の変速比γと第7速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.275」から「1.226」とされ、第7速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.216」から「1.265」とされ、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が「6.231」から「7.789」とされる。また、図48に示す共線図において、遊星歯車装置18、20のギヤ比ρ、ρの変更にともなって第1変速部68の縦線Y1とY2との間隔が図39に示す「0.857」程度から「0.771」程度とされ、縦線Y2とY3との間隔が図39に示す「1.000」程度から「0.667」程度とされる。
【0128】
上記第3速ギヤ段および第7速ギヤ段成立のための係合作動の変更に伴って、図37乃至図39に示す実施例では図39の共線図における第3速ギヤ段では、Y2に対応する回転要素は第2ブレーキB2の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG1」が示されたが、本実施例での図48の共線図における第3速ギヤ段では、Y1に対応する回転要素は第1ブレーキB1の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG2」が示される。これによって、本実施例での第3速ギヤ段では、Y8に対応する回転要素は第1クラッチC1の係合により所定の回転速度「NG2」とされ、Y5に対応する回転要素は第3ブレーキB3の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y8と横線XG2との交点と縦線Y5と横線X1との交点とを結ぶ直線(図48の実線)が縦線Y7と交差する点(3rd-2)により、第2速ギヤ段よりも1 段高い出力軸26の回転速度が示される。また、図39の共線図における第7速ギヤ段では、Y2に対応する回転要素は第2ブレーキB2の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG1」が示されたが、本実施例での図48の共線図における第7速ギヤ段では、Y1に対応する回転要素は第1ブレーキB1の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG2」が示される。これによって、本実施例での第7速ギヤ段では、Y5に対応する回転要素は第2クラッチC2の係合により所定の回転速度「NG2」とされ、Y6に対応する回転要素は第3クラッチC3の係合により回転速度「1」とされるので、縦線Y5と横線XG2との交点と縦線Y6と横線X2との交点とを結ぶ直線(図48の実線)が縦線Y7と交差する点(7th-1)により、第6速ギヤ段よりも1 段高い出力軸26の回転速度が示される。要するに、図37乃至図39に示す実施例の第3速ギヤ段は点(3rd-1)として示された(図48の破線)が、本実施例の第3速ギヤ段は点(3rd-2)として示される(図48の実線)ことになり、図37乃至図39に示す実施例の第7速ギヤ段は点(7th-2)として示された(図48の破線)が、本実施例の第7速ギヤ段は点(7th-1)として示される(図48の実線)ことになる。
【0129】
図49は本発明の他の実施例の変速機70の構成を説明する骨子図であり、図50はその変速機70の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図51は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、第1変速部78の構成が相違するが、他の構成および係合作動は前記図1乃至図3に示す実施例と同様であり、その図1乃至図3に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
【0130】
本実施例では、上記第1変速部78を構成している第1遊星歯車装置18はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第2遊星歯車装置20はシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第1遊星歯車装置18は、第1サンギヤS1、互いに噛み合う複数対の第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、たとえば「0.300」程度の所定のギヤ比ρを有している。第2遊星歯車装置20は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.539」程度の所定のギヤ比ρを有している。
【0131】
上記第1変速部78においては、第1サンギヤS1と第2リングギヤR2とが一体的に連結されて入力軸16と第1中間出力経路またはそれを構成する第1変速部78側の伝達部材M1とに連結され、第1リングギヤR1は第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1キャリアCA1と第2サンギヤS2とが一体的に連結されて第1ブレーキB1を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2キャリアCA2は第2中間出力経路またはそれを構成する第1変速部78側の伝達部材M2に連結されて、第1変速部78は入力軸16の回転を上記第1中間出力経路M1とその第1中間出力経路M1に対して異なる2つの減速回転が択一的に切り換えられて減速回転させられる上記第2中間出力経路M2とを介して第2変速部30へ出力する。
【0132】
図1乃至図3に示す実施例と同様の構成である第2変速部30においては、第3サンギヤS3は第2クラッチC2を介して前記第2中間出力経路M2として機能する第2キャリアCA2に選択的に連結されるとともに第3ブレーキB3を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第3キャリアCA3と第4キャリアCA4とが一体的に連結されて第3クラッチC3を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第4ブレーキB4を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第3リングギヤR3と第4リングギヤR4とが一体的に連結されて出力軸26に連結され、第4サンギヤS4は第1クラッチC1を介して第2キャリアCA2に選択的に連結されている。
【0133】
以上のように構成された変速機70では、たとえば、図50の係合作動表に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3、第4ブレーキB4のうちから選択された2つ或いは3つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは第1後進ギヤ段(第1後進変速段)および第2後進ギヤ段(第2後進変速段)のいずれかが選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。
【0134】
すなわち、図50に示すように、第1クラッチC1、第2ブレーキB2および第4ブレーキB4の係合により、第4サンギヤS4と第2キャリアCA2との間、第1リングギヤR1とトランスミッションケース12との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが最大値たとえば「4.020」程度である第1速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第2ブレーキB2および第3ブレーキB3の係合により、第4サンギヤS4と第2キャリアCA2との間、第1リングギヤR1とトランスミッションケース12との間、第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第1速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.717」程度である第2速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第2クラッチC2および第2ブレーキB2の係合により、第4サンギヤS4と第2キャリアCA2との間、第3サンギヤS3と第2キャリアCA2との間、第1リングギヤR1とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第2速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.000」程度である第3速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第2クラッチC2および第1ブレーキB1の係合により、第4サンギヤS4と第2キャリアCA2との間、第3サンギヤS3と第2キャリアCA2との間、第1キャリアCA1および第2サンギヤS2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第3速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.538」程度である第4速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第3クラッチC3および第1ブレーキB1の係合により、第4サンギヤS4と第2キャリアCA2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第1キャリアCA1および第2サンギヤS2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第4速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.211」程度である第5速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第2クラッチC2および第3クラッチC3の係合により、第4サンギヤS4と第2キャリアCA2との間、第3サンギヤS3と第2キャリアCA2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第5速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.000」程度である第6速ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2、第3クラッチC3および第2ブレーキB2の係合により、第3サンギヤS3と第2キャリアCA2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第1リングギヤR1とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第6速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.784」程度である第7速ギヤ段が成立させられる。また、第3クラッチC3および第3ブレーキB3の係合により、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第7速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.645」程度である第8速ギヤ段が成立させられる。
【0135】
また、第2クラッチC2、第2ブレーキB2および第4ブレーキB4の係合により、第3サンギヤS3と第2キャリアCA2との間、第1リングギヤR1とトランスミッションケース12との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γR1が第1速ギヤ段と第2速ギヤ段との間の値たとえば「3.636」程度である第1後進ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2、第1ブレーキB1および第4ブレーキB4の係合により、第3サンギヤS3と第2キャリアCA2との間、第1キャリアCA1および第2サンギヤS2とトランスミッションケース12との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γR2が第1後進変速段よりも小さく、第2速ギヤ段と同程度の値たとえば「2.797」程度である第2後進ギヤ段が成立させられる。前記第1遊星歯車装置18のギヤ比ρ、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρは、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
【0136】
上記変速機70において、第1速ギヤ段の変速比γと第2速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.480」とされ、第2速ギヤ段の変速比γと第3速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.358」とされ、第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.300」とされ、第4速ギヤ段の変速比γと第5速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.271」とされ、第5速ギヤ段の変速比γと第6速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.211」とされ、第6速ギヤ段の変速比γと第7速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.275」とされ、第7速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.216」とされ、各変速比γが略等比的に変化させられている。また、上記変速機70において、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値すなわち「6.231」とされている。
【0137】
図51の共線図において図3と相違する部分は第1変速部78の4本の縦線Y1乃至Y4が表す回転要素であり、その縦線Y1乃至Y4はY1に対応する回転要素である相互に連結されたキャリアCA1およびサンギヤS2を、Y2に対応する回転要素であるリングギヤR1を、Y3に対応する回転要素であるキャリヤCA2を、Y4に対応する回転要素である相互に連結されたサンギヤS1およびリングギヤR2をそれぞれ表している。従って、これら回転要素を基にすれば、図51と図3とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図51の共線図の説明は割愛する。
【0138】
図52は本発明の他の実施例の変速機72の構成を説明する骨子図であり、図53はその変速機72の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図54は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、図53の作動表に示す第7速ギヤ段成立のための油圧式摩擦係合装置の係合作動と第1遊星歯車装置18のギヤ比ρと第2遊星歯車装置20のギヤ比ρとそれらに対応する図54の共線図における各変速段の回転速度の設定および縦軸間の間隔が相違するが、他の構成は上記図49乃至図51に示す実施例と同様であり、その図49乃至図51に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
【0139】
図49乃至図51に示す実施例では図50に示すとおり第2クラッチC2、第3クラッチC3および第2ブレーキB2の係合により変速比γがたとえば「0.784」程度である第7速ギヤ段が成立させられたが、本実施例では図53に示すとおり第2クラッチC2、第3クラッチC3および第1ブレーキB1の係合により、第3サンギヤS3と第2キャリアCA2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第1キャリアCA1および第2サンギヤS2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第6速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.831」程度である第7速ギヤ段が成立させられる。
【0140】
また、第1遊星歯車装置18のギヤ比ρが「0.300」程度からたとえば「0.260」程度とされ、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρが「0.539」程度からたとえば「0.587」程度とされて、第4速ギヤ段の変速比γがたとえば「1.538」程度からたとえば「1.537」程度とされ、第5速ギヤ段の変速比γがたとえば「1.211」程度からたとえば「1.226」程度とされ、第2後進ギヤ段の変速比γR2がたとえば「2.797」程度からたとえば「2.886」程度とされる。従って第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.300」から「1.260」とされ、第4速ギヤ段の変速比γと第5速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.271」から「1.295」とされ、第5速ギヤ段の変速比γと第6速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.211」から「1.226」とされ、第6速ギヤ段の変速比γと第7速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.275」から「1.204」とされ、第7速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.216」から「1.288」とされる。また、図54に示す共線図において、遊星歯車装置18、20のギヤ比ρ、ρの変更にともなって第1変速部78の縦線Y1とY2との間隔が図51に示す「0.857」程度から「0.703」程度とされる。
【0141】
上記第7速ギヤ段の成立のための係合作動の変更に伴って、図49乃至図51に示す実施例では図51の共線図における第7速ギヤ段では、Y2に対応する回転要素は第2ブレーキB2の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG1」が示されたが、本実施例での図54の共線図における第7速ギヤ段では、Y1に対応する回転要素は第1ブレーキB1の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG2」が示される。これによって、本実施例での第7速ギヤ段では、Y5に対応する回転要素は第2クラッチC2の係合により所定の回転速度「NG2」とされ、Y6に対応する回転要素は第3クラッチC3の係合により回転速度「1」とされるので、縦線Y5と横線XG2との交点と縦線Y6と横線X2との交点とを結ぶ直線(図54の実線)が縦線Y7と交差する点(7th-1)により、第6速ギヤ段よりも1 段高い出力軸26の回転速度が示される。要するに、図49乃至図51に示す実施例の第7速ギヤ段は点(7th-2)として示された(図54の破線)が、本実施例の第7速ギヤ段は点(7th-1)として示される(図54の実線)ことになる。
【0142】
図55は本発明の他の実施例の変速機74の構成を説明する骨子図であり、図56はその変速機74の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図57は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、図56の作動表に示す第3速ギヤ段成立のための油圧式摩擦係合装置の係合作動とそれに対応する図57の共線図における各変速段の回転速度の設定が相違するが、他の構成は前記図49乃至図51に示す実施例と同様であり、その図49乃至図51に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
【0143】
図49乃至図51に示す実施例では図50に示すとおり第1クラッチC1、第2クラッチC2および第2ブレーキB2の係合により、変速比γがたとえば「2.000」程度である第3速ギヤ段が成立させられたが、本実施例では図56に示すとおり第1クラッチC1、第1ブレーキB1および第3ブレーキB3の係合により、第4サンギヤS4と第2キャリアCA2との間、第1キャリアCA1および第2サンギヤS2とトランスミッションケース12との間、第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第2速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.090」程度である第3速ギヤ段が成立させられる。従って第2速ギヤ段の変速比γと第3速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.358」から「1.300」とされ、第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.300」から「1.358」とされる。
【0144】
上記第3速ギヤ段の成立のための係合作動の変更に伴って、図49乃至図51に示す実施例では図51の共線図における第3速ギヤ段では、Y2に対応する回転要素は第2ブレーキB2の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG1」が示されたが、本実施例での図57の共線図における第3速ギヤ段では、Y1に対応する回転要素は第1ブレーキB1の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG2」が示される。これによって、本実施例での第3速ギヤ段では、Y8に対応する回転要素は第1クラッチC1の係合により所定の回転速度「NG2」とされ、Y5に対応する回転要素は第3ブレーキB3の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y8と横線XG2との交点と縦線Y5と横線X1との交点とを結ぶ直線(図57の実線)が縦線Y7と交差する点(3rd-2)により、第2速ギヤ段よりも1 段高い出力軸26の回転速度が示される。要するに、図49乃至図51に示す実施例の第3速ギヤ段は点(3rd-1)として示された(図57の破線)が、本実施例の第3速ギヤ段は点(3rd-2)として示される(図57の実線)ことになる。
【0145】
図58は本発明の他の実施例の変速機76の構成を説明する骨子図であり、図59はその変速機76の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図60は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、図59の作動表に示す第3速ギヤ段および第7速ギヤ段成立のための油圧式摩擦係合装置の係合作動と第1遊星歯車装置18のギヤ比ρと第2遊星歯車装置20のギヤ比ρとそれらに対応する図60の共線図における各変速段の回転速度の設定および縦軸間の間隔が相違するが、他の構成は前記図49乃至図51に示す実施例と同様であり、その図49乃至図51に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
【0146】
図49乃至図51に示す実施例では図50に示すとおり第1クラッチC1、第2クラッチC2および第2ブレーキB2の係合により、変速比γがたとえば「2.000」程度である第3速ギヤ段が成立させられ、また第2クラッチC2、第3クラッチC3および第2ブレーキB2の係合により変速比γがたとえば「0.784」程度である第7速ギヤ段が成立させられたが、本実施例では図59に示すとおり第1クラッチC1、第1ブレーキB1および第3ブレーキB3の係合により、第4サンギヤS4と第2キャリアCA2との間、第1キャリアCA1および第2サンギヤS2とトランスミッションケース12との間、第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第2速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.302」程度である第3速ギヤ段が成立させられ、また第2クラッチC2、第3クラッチC3および第1ブレーキB1の係合により、第3サンギヤS3と第2キャリアCA2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第1キャリアCA1および第2サンギヤS2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第6速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.816」程度である第7速ギヤ段が成立させられる。
【0147】
また、第1遊星歯車装置18のギヤ比ρが「0.300」程度からたとえば「0.316」程度とされ、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρが「0.539」程度からたとえば「0.695」程度とされて、第1速ギヤ段の変速比γがたとえば「4.020」程度からたとえば「5.025」程度とされ、第2速ギヤ段の変速比γがたとえば「2.717」程度からたとえば「3.396」程度とされ、第4速ギヤ段の変速比γがたとえば「1.538」程度からたとえば「1.695」程度とされ、第5速ギヤ段の変速比γがたとえば「1.211」程度からたとえば「1.256」程度とされ、第1後進ギヤ段の変速比γ 1がたとえば「3.636」程度からたとえば「4.545」程度とされ、第2後進ギヤ段の変速比γR2がたとえば「2.797」程度からたとえば「3.082」程度とされる。従って第2速ギヤ段の変速比γと第3速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.358」から「1.475」とされ、第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.300」から「1.358」とされ、第4速ギヤ段の変速比γと第5速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.271」から「1.349」とされ、第5速ギヤ段の変速比γと第6速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.211」から「1.256」とされ、第6速ギヤ段の変速比γと第7速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.275」から「1.226」とされ、第7速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.216」から「1.265」とされ、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が「6.231」から「7.789」とされる。また、図60に示す共線図において、遊星歯車装置18、20のギヤ比ρ、ρの変更にともなって第1変速部78の縦線Y1とY2との間隔が図51に示す「0.857」程度から「0.771」程度とされ、縦線Y2とY3との間隔が図51に示す「1.000」程度から「0.667」程度とされる。
【0148】
上記第3速ギヤ段および第7速ギヤ段成立のための係合作動の変更に伴って、図49乃至図51に示す実施例では図51の共線図における第3速ギヤ段では、Y2に対応する回転要素は第2ブレーキB2の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG1」が示されたが、本実施例での図60の共線図における第3速ギヤ段では、Y1に対応する回転要素は第1ブレーキB1の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG2」が示される。これによって、本実施例での第3速ギヤ段では、Y8に対応する回転要素は第1クラッチC1の係合により所定の回転速度「NG2」とされ、Y5に対応する回転要素は第3ブレーキB3の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y8と横線XG2との交点と縦線Y5と横線X1との交点とを結ぶ直線(図60の実線)が縦線Y7と交差する点(3rd-2)により、第2速ギヤ段よりも1 段高い出力軸26の回転速度が示される。また、図51の共線図における第7速ギヤ段では、Y2に対応する回転要素は第2ブレーキB2の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG1」が示されたが、本実施例での図60の共線図における第7速ギヤ段では、Y1に対応する回転要素は第1ブレーキB1の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG2」が示される。これによって、本実施例での第7速ギヤ段では、Y5に対応する回転要素は第2クラッチC2の係合により所定の回転速度「NG2」とされ、Y6に対応する回転要素は第3クラッチC3の係合により回転速度「1」とされるので、縦線Y5と横線XG2との交点と縦線Y6と横線X2との交点とを結ぶ直線(図60の実線)が縦線Y7と交差する点(7th-1)により、第6速ギヤ段よりも1 段高い出力軸26の回転速度が示される。要するに、図49乃至図51に示す実施例の第3速ギヤ段は点(3rd-1)として示された(図60の破線)が、本実施例の第3速ギヤ段は点(3rd-2)として示される(図60の実線)ことになり、図49乃至図51に示す実施例の第7速ギヤ段は点(7th-2)として示された(図60の破線)が、本実施例の第7速ギヤ段は点(7th-1)として示される(図60の実線)ことになる。
【0149】
図61は本発明の他の実施例の変速機80の構成を説明する骨子図であり、図62はその変速機80の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図63は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、第1変速部88の構成が相違するが、他の構成および係合作動は前記図1乃至図3に示す実施例と同様であり、その図1乃至図3に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
【0150】
本実施例では、上記第1変速部88を構成している第1遊星歯車装置18はシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第2遊星歯車装置20はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第1遊星歯車装置18は、第1サンギヤS1、第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、たとえば「0.429」程度の所定のギヤ比ρを有している。第2遊星歯車装置20は、第2サンギヤS2、互いに噛み合う複数対の第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.650」程度の所定のギヤ比ρを有している。
【0151】
上記第1変速部88においては、第1サンギヤS1と第2サンギヤS2とが一体的に連結されて入力軸16と第1中間出力経路またはそれを構成する第1変速部88側の伝達部材M1とに連結され、第1キャリアCA1は第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1リングギヤR1と第2キャリアCA2とが一体的に連結されて第1ブレーキB1を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2リングギヤR2は第2中間出力経路またはそれを構成する第1変速部88側の伝達部材M2に連結されて、第1変速部88は入力軸16の回転を上記第1中間出力経路M1とその第1中間出力経路M1に対して異なる2つの減速回転が択一的に切り換えられて減速回転させられる上記第2中間出力経路M2とを介して第2変速部30へ出力する。
【0152】
図1乃至図3に示す実施例と同様の構成である第2変速部30においては、第3サンギヤS3は第2クラッチC2を介して前記第2中間出力経路M2として機能する第2リングギヤR2に選択的に連結されるとともに第3ブレーキB3を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第3キャリアCA3と第4キャリアCA4とが一体的に連結されて第3クラッチC3を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第4ブレーキB4を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第3リングギヤR3と第4リングギヤR4とが一体的に連結されて出力軸26に連結され、第4サンギヤS4は第1クラッチC1を介して第2リングギヤR2に選択的に連結されている。
【0153】
以上のように構成された変速機80では、たとえば、図62の係合作動表に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3、第4ブレーキB4のうちから選択された2つ或いは3つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは第1後進ギヤ段(第1後進変速段)および第2後進ギヤ段(第2後進変速段)のいずれかが選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。
【0154】
すなわち、図62に示すように、第1クラッチC1、第2ブレーキB2および第4ブレーキB4の係合により、第4サンギヤS4と第2リングギヤR2との間、第1キャリアCA1とトランスミッションケース12との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが最大値たとえば「4.020」程度である第1速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第2ブレーキB2および第3ブレーキB3の係合により、第4サンギヤS4と第2リングギヤR2との間、第1キャリアCA1とトランスミッションケース12との間、第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第1速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.717」程度である第2速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第2クラッチC2および第2ブレーキB2の係合により、第4サンギヤS4と第2リングギヤR2との間、第3サンギヤS3と第2リングギヤR2との間、第1キャリアCA1とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第2速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.000」程度である第3速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第2クラッチC2および第1ブレーキB1の係合により、第4サンギヤS4と第2リングギヤR2との間、第3サンギヤS3と第2リングギヤR2との間、第1リングギヤR1および第2キャリアCA2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第3速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.538」程度である第4速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第3クラッチC3および第1ブレーキB1の係合により、第4サンギヤS4と第2リングギヤR2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第1リングギヤR1および第2キャリアCA2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第4速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.211」程度である第5速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第2クラッチC2および第3クラッチC3の係合により、第4サンギヤS4と第2リングギヤR2との間、第3サンギヤS3と第2リングギヤR2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第5速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.000」程度である第6速ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2、第3クラッチC3および第2ブレーキB2の係合により、第3サンギヤS3と第2リングギヤR2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第1キャリアCA1とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第6速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.784」程度である第7速ギヤ段が成立させられる。また、第3クラッチC3および第3ブレーキB3の係合により、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第7速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.645」程度である第8速ギヤ段が成立させられる。
【0155】
また、第2クラッチC2、第2ブレーキB2および第4ブレーキB4の係合により、第3サンギヤS3と第2リングギヤR2との間、第1キャリアCA1とトランスミッションケース12との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γR1が第1速ギヤ段と第2速ギヤ段との間の値たとえば「3.636」程度である第1後進ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2、第1ブレーキB1および第4ブレーキB4の係合により、第3サンギヤS3と第2リングギヤR2との間、第1リングギヤR1および第2キャリアCA2とトランスミッションケース12との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γR2が第1後進変速段よりも小さく、第2速ギヤ段と同程度の値たとえば「2.797」程度である第2後進ギヤ段が成立させられる。前記第1遊星歯車装置18のギヤ比ρ、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρは、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
【0156】
上記変速機80において、第1速ギヤ段の変速比γと第2速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.480」とされ、第2速ギヤ段の変速比γと第3速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.358」とされ、第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.300」とされ、第4速ギヤ段の変速比γと第5速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.271」とされ、第5速ギヤ段の変速比γと第6速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.211」とされ、第6速ギヤ段の変速比γと第7速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.275」とされ、第7速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.216」とされ、各変速比γが略等比的に変化させられている。また、上記変速機80において、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値すなわち「6.231」とされている。
【0157】
図63の共線図において図3と相違する部分は第1変速部88の4本の縦線Y1乃至Y4が表す回転要素であり、その縦線Y1乃至Y4はY1に対応する回転要素である相互に連結されたリングギヤR1およびキャリヤCA2を、Y2に対応する回転要素であるキャリアCA1を、Y3に対応する回転要素であるリングギヤR2を、Y4に対応する回転要素である相互に連結されたサンギヤS1およびサンギヤS2をそれぞれ表している。従って、これら回転要素を基にすれば、図63と図3とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図63の共線図の説明は割愛する。
【0158】
図64は本発明の他の実施例の変速機82の構成を説明する骨子図であり、図65はその変速機82の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図66は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、図65の作動表に示す第7速ギヤ段成立のための油圧式摩擦係合装置の係合作動と第1遊星歯車装置18のギヤ比ρと第2遊星歯車装置20のギヤ比ρとそれらに対応する図66の共線図における各変速段の回転速度の設定および縦軸間の間隔が相違するが、他の構成は上記図61乃至図63に示す実施例と同様であり、その図61乃至図63に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
【0159】
図61乃至図63に示す実施例では図62に示すとおり第2クラッチC2、第3クラッチC3および第2ブレーキB2の係合により変速比γがたとえば「0.784」程度である第7速ギヤ段が成立させられたが、本実施例では図65に示すとおり第2クラッチC2、第3クラッチC3および第1ブレーキB1の係合により、第3サンギヤS3と第2リングギヤR2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第1リングギヤR1および第2キャリアCA2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第6速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.831」程度である第7速ギヤ段が成立させられる。
【0160】
また、第1遊星歯車装置18のギヤ比ρが「0.429」程度からたとえば「0.352」程度とされ、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρが「0.650」程度からたとえば「0.630」程度とされて、第4速ギヤ段の変速比γがたとえば「1.538」程度からたとえば「1.537」程度とされ、第5速ギヤ段の変速比γがたとえば「1.211」程度からたとえば「1.226」程度とされ、第2後進ギヤ段の変速比γR2がたとえば「2.797」程度からたとえば「2.886」程度とされる。従って第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.300」から「1.260」とされ、第4速ギヤ段の変速比γと第5速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.271」から「1.295」とされ、第5速ギヤ段の変速比γと第6速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.211」から「1.226」とされ、第6速ギヤ段の変速比γと第7速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.275」から「1.204」とされ、第7速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.216」から「1.288」とされる。また、図66に示す共線図において、遊星歯車装置18、20のギヤ比ρ、ρの変更にともなって第1変速部88の縦線Y1とY2との間隔が図63に示す「0.857」程度から「0.703」程度とされる。
【0161】
上記第7速ギヤ段の成立のための係合作動の変更に伴って、図61乃至図63に示す実施例では図63の共線図における第7速ギヤ段では、Y2に対応する回転要素は第2ブレーキB2の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG1」が示されたが、本実施例での図66の共線図における第7速ギヤ段では、Y1に対応する回転要素は第1ブレーキB1の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG2」が示される。これによって、本実施例での第7速ギヤ段では、Y5に対応する回転要素は第2クラッチC2の係合により所定の回転速度「NG2」とされ、Y6に対応する回転要素は第3クラッチC3の係合により回転速度「1」とされるので、縦線Y5と横線XG2との交点と縦線Y6と横線X2との交点とを結ぶ直線(図66の実線)が縦線Y7と交差する点(7th-1)により、第6速ギヤ段よりも1 段高い出力軸26の回転速度が示される。要するに、図61乃至図63に示す実施例の第7速ギヤ段は点(7th-2)として示された(図66の破線)が、本実施例の第7速ギヤ段は点(7th-1)として示される(図66の実線)ことになる。
【0162】
図67は本発明の他の実施例の変速機84の構成を説明する骨子図であり、図68はその変速機84の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図69は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、図68の作動表に示す第3速ギヤ段成立のための油圧式摩擦係合装置の係合作動とそれに対応する図69の共線図における各変速段の回転速度の設定が相違するが、他の構成は前記図61乃至図63に示す実施例と同様であり、その図61乃至図63に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
【0163】
図61乃至図63に示す実施例では図62に示すとおり第1クラッチC1、第2クラッチC2および第2ブレーキB2の係合により、変速比γがたとえば「2.000」程度である第3速ギヤ段が成立させられたが、本実施例では図68に示すとおり第1クラッチC1、第1ブレーキB1および第3ブレーキB3の係合により、第4サンギヤS4と第2リングギヤR2との間、第1リングギヤR1および第2キャリアCA2とトランスミッションケース12との間、第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第2速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.090」程度である第3速ギヤ段が成立させられる。従って第2速ギヤ段の変速比γと第3速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.358」から「1.300」とされ、第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.300」から「1.358」とされる。
【0164】
上記第3速ギヤ段の成立のための係合作動の変更に伴って、図61乃至図63に示す実施例では図63の共線図における第3速ギヤ段では、Y2に対応する回転要素は第2ブレーキB2の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG1」が示されたが、本実施例での図69の共線図における第3速ギヤ段では、Y1に対応する回転要素は第1ブレーキB1の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG2」が示される。これによって、本実施例での第3速ギヤ段では、Y8に対応する回転要素は第1クラッチC1の係合により所定の回転速度「NG2」とされ、Y5に対応する回転要素は第3ブレーキB3の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y8と横線XG2との交点と縦線Y5と横線X1との交点とを結ぶ直線(図69の実線)が縦線Y7と交差する点(3rd-2)により、第2速ギヤ段よりも1 段高い出力軸26の回転速度が示される。要するに、図61乃至図63に示す実施例の第3速ギヤ段は点(3rd-1)として示された(図69の破線)が、本実施例の第3速ギヤ段は点(3rd-2)として示される(図69の実線)ことになる。
【0165】
図70は本発明の他の実施例の変速機86の構成を説明する骨子図であり、図71はその変速機86の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図72は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、図71の作動表に示す第3速ギヤ段および第7速ギヤ段成立のための油圧式摩擦係合装置の係合作動と第1遊星歯車装置18のギヤ比ρと第2遊星歯車装置20のギヤ比ρとそれらに対応する図72の共線図における各変速段の回転速度の設定および縦軸間の間隔が相違するが、他の構成は前記図61乃至図63に示す実施例と同様であり、その図61乃至図63に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
【0166】
図61乃至図63に示す実施例では図62に示すとおり第1クラッチC1、第2クラッチC2および第2ブレーキB2の係合により、変速比γがたとえば「2.000」程度である第3速ギヤ段が成立させられ、また第2クラッチC2、第3クラッチC3および第2ブレーキB2の係合により変速比γがたとえば「0.784」程度である第7速ギヤ段が成立させられたが、本実施例では図71に示すとおり第1クラッチC1、第1ブレーキB1および第3ブレーキB3の係合により、第4サンギヤS4と第2リングギヤR2との間、第1リングギヤR1および第2キャリアCA2とトランスミッションケース12との間、第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第2速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.302」程度である第3速ギヤ段が成立させられ、また第2クラッチC2、第3クラッチC3および第1ブレーキB1の係合により、第3サンギヤS3と第2リングギヤR2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第1リングギヤR1および第2キャリアCA2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第6速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.816」程度である第7速ギヤ段が成立させられる。
【0167】
また、第1遊星歯車装置18のギヤ比ρが「0.429」程度からたとえば「0.463」程度とされ、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρが「0.650」程度からたとえば「0.590」程度とされて、第1速ギヤ段の変速比γがたとえば「4.020」程度からたとえば「5.025」程度とされ、第2速ギヤ段の変速比γがたとえば「2.717」程度からたとえば「3.396」程度とされ、第4速ギヤ段の変速比γがたとえば「1.538」程度からたとえば「1.695」程度とされ、第5速ギヤ段の変速比γがたとえば「1.211」程度からたとえば「1.256」程度とされ、第1後進ギヤ段の変速比γ 1がたとえば「3.636」程度からたとえば「4.545」程度とされ、第2後進ギヤ段の変速比γR2がたとえば「2.797」程度からたとえば「3.082」程度とされる。従って第2速ギヤ段の変速比γと第3速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.358」から「1.475」とされ、第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.300」から「1.358」とされ、第4速ギヤ段の変速比γと第5速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.271」から「1.349」とされ、第5速ギヤ段の変速比γと第6速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.211」から「1.256」とされ、第6速ギヤ段の変速比γと第7速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.275」から「1.226」とされ、第7速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.216」から「1.265」とされ、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が「6.231」から「7.789」とされる。また、図72に示す共線図において、遊星歯車装置18、20のギヤ比ρ、ρの変更にともなって第1変速部88の縦線Y1とY2との間隔が図63に示す「0.857」程度から「0.771」程度とされ、縦線Y2とY3との間隔が図63に示す「1.000」程度から「0.667」程度とされる。
【0168】
上記第3速ギヤ段および第7速ギヤ段成立のための係合作動の変更に伴って、図61乃至図63に示す実施例では図63の共線図における第3速ギヤ段では、Y2に対応する回転要素は第2ブレーキB2の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG1」が示されたが、本実施例での図72の共線図における第3速ギヤ段では、Y1に対応する回転要素は第1ブレーキB1の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG2」が示される。これによって、本実施例での第3速ギヤ段では、Y8に対応する回転要素は第1クラッチC1の係合により所定の回転速度「NG2」とされ、Y5に対応する回転要素は第3ブレーキB3の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y8と横線XG2との交点と縦線Y5と横線X1との交点とを結ぶ直線(図72の実線)が縦線Y7と交差する点(3rd-2)により、第2速ギヤ段よりも1 段高い出力軸26の回転速度が示される。また、図63の共線図における第7速ギヤ段では、Y2に対応する回転要素は第2ブレーキB2の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG1」が示されたが、本実施例での図72の共線図における第7速ギヤ段では、Y1に対応する回転要素は第1ブレーキB1の係合により回転速度「0」とされ、Y4に対応する回転要素は回転速度「1」とされるので、第2変速部30へ出力される第2中間出力経路M2としての所定の回転速度「NG2」が示される。これによって、本実施例での第7速ギヤ段では、Y5に対応する回転要素は第2クラッチC2の係合により所定の回転速度「NG2」とされ、Y6に対応する回転要素は第3クラッチC3の係合により回転速度「1」とされるので、縦線Y5と横線XG2との交点と縦線Y6と横線X2との交点とを結ぶ直線(図72の実線)が縦線Y7と交差する点(7th-1)により、第6速ギヤ段よりも1 段高い出力軸26の回転速度が示される。要するに、図61乃至図63に示す実施例の第3速ギヤ段は点(3rd-1)として示された(図72の破線)が、本実施例の第3速ギヤ段は点(3rd-2)として示される(図72の実線)ことになり、図61乃至図63に示す実施例の第7速ギヤ段は点(7th-2)として示された(図72の破線)が、本実施例の第7速ギヤ段は点(7th-1)として示される(図72の実線)ことになる。
【0169】
図73は本発明の他の実施例の変速機90の構成を説明する骨子図であり、図74はその変速機90の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図75は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、第1変速部98の構成が相違するが、他の構成および係合作動は前記図10乃至図12示す実施例と同様であり、その図10乃至図12に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
【0170】
本実施例では、上記第1変速部98を構成している第1遊星歯車装置18はシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第2遊星歯車装置20はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第2遊星歯車装置20は、第2サンギヤS2、互いに噛み合う複数対の第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.667」程度の所定のギヤ比ρを有している。第1遊星歯車装置18は、第2サンギヤS2と共通の第1サンギヤS1、第2遊星歯車P2のいずれか一つと共通の第1遊星歯車P1、第2キャリヤCA2と共通の第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、たとえば「0.463」程度の所定のギヤ比ρを有している。なお、上記第2遊星歯車P2のいずれか一つと共通の第1遊星歯車P1の径或いは歯数は第1遊星歯車P1側と第2遊星歯車P2側で異なるものであってもよい。また、第2サンギヤS2と第1サンギヤS1、第2キャリヤCA2と第1キャリヤCA1、第2遊星歯車P2と第1遊星歯車P1とはそれぞれ独立に備えられてもよい。
【0171】
上記第1変速部98においては、第1サンギヤS1と第2サンギヤS2とが一体的に連結されて入力軸16と第1中間出力経路またはそれを構成する第1変速部98側の伝達部材M1とに連結され、第1キャリアCA1と第2キャリアCA2とが一体的に連結されて第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第1リングギヤR1は第1ブレーキB1を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2リングギヤR2は第2中間出力経路またはそれを構成する第1変速部98側の伝達部材M2に連結されて、第1変速部98は入力軸16の回転を上記第1中間出力経路M1とその第1中間出力経路M1に対して異なる2つの減速回転が択一的に切り換えられて減速回転させられる上記第2中間出力経路M2とを介して第2変速部30へ出力する。
【0172】
図10乃至図12に示す実施例と同様の構成である第2変速部30においては、第3サンギヤS3は第2クラッチC2を介して前記第2中間出力経路M2として機能する第2リングギヤR2に選択的に連結されるとともに第3ブレーキB3を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第3キャリアCA3と第4キャリアCA4とが一体的に連結されて第3クラッチC3を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第4ブレーキB4を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第3リングギヤR3と第4リングギヤR4とが一体的に連結されて出力軸26に連結され、第4サンギヤS4は第1クラッチC1を介して第2リングギヤR2に選択的に連結されている。
【0173】
以上のように構成された変速機90では、たとえば、図74の係合作動表に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3、第4ブレーキB4のうちから選択された2つ或いは3つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは第1後進ギヤ段(第1後進変速段)および第2後進ギヤ段(第2後進変速段)のいずれかが選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。
【0174】
すなわち、図74に示すように、第1クラッチC1、第2ブレーキB2および第4ブレーキB4の係合により、第4サンギヤS4と第2リングギヤR2との間、第1キャリアCA1および第2キャリアCA2とトランスミッションケース12との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが最大値たとえば「5.025」程度である第1速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第2ブレーキB2および第3ブレーキB3の係合により、第4サンギヤS4と第2リングギヤR2との間、第1キャリアCA1および第2キャリアCA2とトランスミッションケース12との間、第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第1速ギヤ段よりも小さい値たとえば「3.396」程度である第2速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第1ブレーキB1および第3ブレーキB3の係合により、第4サンギヤS4と第2リングギヤR2との間、第1リングギヤR1とトランスミッションケース12との間、第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第2速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.302」程度である第3速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第2クラッチC2および第1ブレーキB1の係合により、第4サンギヤS4と第2リングギヤR2との間、第3サンギヤS3と第2リングギヤR2との間、第1リングギヤR1とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第3速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.695」程度である第4速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第3クラッチC3および第1ブレーキB1の係合により、第4サンギヤS4と第2リングギヤR2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第1リングギヤR1とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第4速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.256」程度である第5速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1、第2クラッチC2および第3クラッチC3の係合により、第4サンギヤS4と第2リングギヤR2との間、第3サンギヤS3と第2リングギヤR2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第5速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.000」程度である第6速ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2、第3クラッチC3および第1ブレーキB1の係合により、第3サンギヤS3と第2リングギヤR2との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第1リングギヤR1とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第6速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.816」程度である第7速ギヤ段が成立させられる。また、第3クラッチC3および第3ブレーキB3の係合により、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第3サンギヤS3とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γが第7速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.645」程度である第8速ギヤ段が成立させられる。
【0175】
また、第2クラッチC2、第2ブレーキB2および第4ブレーキB4の係合により、第3サンギヤS3と第2リングギヤR2との間、第1キャリアCA1および第2キャリアCA2とトランスミッションケース12との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γR1が第1速ギヤ段と第2速ギヤ段との間の値たとえば「4.545」程度である第1後進ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2、第1ブレーキB1および第4ブレーキB4の係合により、第3サンギヤS3と第2リングギヤR2との間、第1リングギヤR1とトランスミッションケース12との間、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γR2が第1後進変速段よりも小さく、第2速ギヤ段と同程度の値たとえば「3.082」程度である第2後進ギヤ段が成立させられる。前記第1遊星歯車装置18のギヤ比ρ、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρは、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
【0176】
上記変速機90において、第1速ギヤ段の変速比γと第2速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.480」とされ、第2速ギヤ段の変速比γと第3速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.475」とされ、第3速ギヤ段の変速比γと第4速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.358」とされ、第4速ギヤ段の変速比γと第5速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.349」とされ、第5速ギヤ段の変速比γと第6速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.256」とされ、第6速ギヤ段の変速比γと第7速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.226」とされ、第7速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比(=γ/γ)が「1.265」とされ、各変速比γが略等比的に変化させられている。また、上記変速機90において、第1速ギヤ段の変速比γと第8速ギヤ段の変速比γとの比である変速比幅(=γ/γ)が比較的大きな値すなわち「7.789」とされている。
【0177】
図75の共線図において図12と相違する部分は第1変速部98の4本の縦線Y1乃至Y4が表す回転要素であり、その縦線Y1乃至Y4はY1に対応する回転要素であるリングギヤR1を、Y2に対応する回転要素である相互に連結されたキャリアCA1およびキャリヤCA2を、Y3に対応する回転要素であるリングギヤR2を、Y4に対応する回転要素である相互に連結されたサンギヤS1およびサンギヤS2をそれぞれ表している。従って、これら回転要素を基にすれば、図75と図12とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図75の共線図の説明は割愛する。
【0178】
上述のように、本実施例によれば、図10乃至図12に示す実施例と同様の効果の他に、第1サンギヤS1と第2サンギヤS2、および第1キャリアCA1と第2キャリアCA2とは共通のものであるので、変速機90の部品点数や軸長を一層低減できる。
【0179】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0180】
たとえば、前述の実施例の変速機10、32、34、36、40、42、44、46、50、52、54、56、60、62、64、66、70、72、74、76、80、82、84、86、90では、前進8速の変速段が成立させられたが、その8速の変速段のうちのいずれか1つを除いて前進7速の変速段が成立させられるようにしてもよい。
【0181】
また、前述の実施例の変速機10、32、34、36、40、42、44、46、50、52、54、56、60、62、64、66、70、72、74、76、80、82、84、86、90では、第1変速部28、48、58、68、78、88、98を構成する第1遊星歯車装置18によって入力軸16の回転は第1変速部28から回転の異なる2つの出力経路で第2変速部30へ出力するように構成され且つその2つの出力経路の一方に対して異なる2つの減速回転が択一的に切り換えられて他方が減速回転させられていたが、たとえば平行軸式変速機のカウンターギヤタイプにように入力軸16の回転を常時噛み合わされた3組のギヤ対によって3つの出力経路M1、M2a、M2bが構成され、その3つの出力経路M1、M2a、M2bのうちの出力経路M1と択一的に切り換えられる出力経路M2aおよびM2bのいずれか一方とを介して異なる2つの回転を第2変速部30へ出力するように構成されてもよい。すなわち、常時噛み合わされた3組のギヤのいずれか1つを第1中間出力経路M1とすれば、残りの2つをその第1中間出力経路M1に対して異なる2つの減速回転となるようにし且つ択一的に切り換えて、たとえばクラッチ等によって択一的に連結して第2中間出力経路M2とすればよい。また、この場合の第1変速部28、48、58、68、78、88、98は常時噛み合わされたギヤ対のうちの入力軸16側に取り付けられた複数のギヤを備え、第2変速部30はクラッチC3側、およびクラッチC1、C2側に取り付けられたギヤを備えることになる。
【0182】
また、前述の実施例の変速機10、32、34、36、40、42、44、46、50、52、54、56、60、62、64、66、70、72、74、76、80、82、84、86、90では、第1クラッチC1乃至第3クラッチC3、第1ブレーキB1乃至第4ブレーキB4のうちのいずれかには、一方向クラッチが直列または並列に設けられてもよい。このようにすれば、変速制御が容易となる。たとえば、第4ブレーキB4と並列に一方向クラッチを設ければ、第1クラッチを係合させるだけで第1変速段が成立させられる。また、上記第1クラッチC1乃至第3クラッチC3、第1ブレーキB1乃至第4ブレーキB4のうちのいずれかが一方向クラッチに取り替えられてもよい。このようにしても一応の変速が得られる。
【0183】
また、前述の実施例では、エンジン8と入力軸16との間に流体伝動装置としてロックアップクラッチ13付のトルクコンバータ14が設けられていたが、ロックアップクラッチ13は備えられてなくてもよい。また、そのトルクコンバータ14に替えて、フルードカップリング、磁粉式電磁クラッチ、多板或いは単板式の油圧クラッチが設けられていてもよい。
【0184】
また、前述の実施例の共線図は、縦線Y1乃至Y4および縦線Y5乃至Y8が、左から右へ向かって順次配列されていたが、右から左へ向かって順次配列されていてもよい。また、回転速度零に対応する横軸X1の上側に回転速度「1」に対応する横軸X2が配置されていたが、横軸X1の下側に配置されていてもよい。
【0185】
また、前述の実施例では、変速機10、32、34、36、40、42、44、46、50、52、54、56、60、62、64、66、70、72、74、76、80、82、84、86、90の係合要素であるクラッチC或いはブレーキBは油圧式摩擦係合装置であったが、電磁式係合装置たとえば電磁クラッチや磁粉式クラッチ等であってもよい。
【0186】
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図である。
【図2】図1の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表である。
【図3】図1の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図である。
【図4】本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図1に相当する図である。
【図5】図4の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図2に相当する図である。
【図6】図4の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図3に相当する図である。
【図7】本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図1に相当する図である。
【図8】図7の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図2に相当する図である。
【図9】図7の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図3に相当する図である。
【図10】本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図1に相当する図である。
【図11】図10の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図2に相当する図である。
【図12】図10の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図3に相当する図である。
【図13】本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図1に相当する図である。
【図14】図13の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図2に相当する図である。
【図15】図13の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図3に相当する図である。
【図16】本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図13に相当する図である。
【図17】図16の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図14に相当する図である。
【図18】図16の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図15に相当する図である。
【図19】本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図13に相当する図である。
【図20】図19の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図14に相当する図である。
【図21】図19の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図15に相当する図である。
【図22】本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図13に相当する図である。
【図23】図22の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図14に相当する図である。
【図24】図22の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図15に相当する図である。
【図25】本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図1に相当する図である。
【図26】図25の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図2に相当する図である。
【図27】図25の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図3に相当する図である。
【図28】本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図25に相当する図である。
【図29】図28の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図26に相当する図である。
【図30】図28の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図27に相当する図である。
【図31】本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図25に相当する図である。
【図32】図31の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図26に相当する図である。
【図33】図31の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図27に相当する図である。
【図34】本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図25に相当する図である。
【図35】図34の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図26に相当する図である。
【図36】図34の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図27に相当する図である。
【図37】本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図1に相当する図である。
【図38】図37の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図2に相当する図である。
【図39】図37の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図3に相当する図である。
【図40】本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図37に相当する図である。
【図41】図40の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図38に相当する図である。
【図42】図40の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図39に相当する図である。
【図43】本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図37に相当する図である。
【図44】図43の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図38に相当する図である。
【図45】図43の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図39に相当する図である。
【図46】本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図37に相当する図である。
【図47】図46の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図38に相当する図である。
【図48】図46の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図39に相当する図である。
【図49】本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図1に相当する図である。
【図50】図49の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図2に相当する図である。
【図51】図49の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図3に相当する図である。
【図52】本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図49に相当する図である。
【図53】図52の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図50に相当する図である。
【図54】図52の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図51に相当する図である。
【図55】本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図49に相当する図である。
【図56】図55の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図50に相当する図である。
【図57】図55の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図51に相当する図である。
【図58】本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図49に相当する図である。
【図59】図58の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図50に相当する図である。
【図60】図58の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図51に相当する図である。
【図61】本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図1に相当する図である。
【図62】図61の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図2に相当する図である。
【図63】図61の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図3に相当する図である。
【図64】本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図61に相当する図である。
【図65】図64の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図62に相当する図である。
【図66】図64の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図63に相当する図である。
【図67】本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図61に相当する図である。
【図68】図67の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図62に相当する図である。
【図69】図67の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図63に相当する図である。
【図70】本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図61に相当する図である。
【図71】図70の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図62に相当する図である。
【図72】図70の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図63に相当する図である。
【図73】本発明の他の実施例である車両用遊星歯車式多段変速機の要部構成を説明する骨子図であり、図10に相当する図である。
【図74】図73の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であって、図11に相当する図である。
【図75】図73の実施例の車両用遊星歯車式多段変速機の作動を説明する共線図であって、図12に相当する図である。
【符号の説明】
8:エンジン
10、32、34、36、40、42、44、46、50、52、54、56、60、62、64、66、70、72、74、76、80、82、84、86、90:車両用遊星歯車式多段変速機
12:トランスミッションケース(非回転部材)
14:トルクコンバータ(流体伝動装置)
16:入力軸(入力回転部材)
18:第1遊星歯車装置
S1:サンギヤ
R1:リングギヤ
CA1:キャリア
P1:遊星歯車
20:第2遊星歯車装置
S2:サンギヤ
R2:リングギヤ
CA2:キャリア
P2:遊星歯車
22:第3遊星歯車装置
S3:サンギヤ
R3:リングギヤ
CA3:キャリア
P3:遊星歯車
24:第4遊星歯車装置
S4:サンギヤ
R4:リングギヤ
CA4:キャリア
P4:遊星歯車
26:出力軸(出力回転部材)
28、48、58、68、78、88、98:第1変速部
30:第2変速部
C1:第1クラッチ
C2:第2クラッチ
C3:第3クラッチ
B1:第1ブレーキ
B2:第2ブレーキ
B3:第3ブレーキ
B4:第4ブレーキ
M1:第1中間出力経路
M2:第2中間出力経路

Claims (11)

  1. 同心に且つ順次配設される第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置と第3遊星歯車装置と第4遊星歯車装置とを備え、入力回転部材の回転を変速して出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    該第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備えたシングルピニオン型遊星歯車装置であり、該第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備えたシングルピニオン型遊星歯車装置であり、該第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備えたシングルピニオン型遊星歯車装置であり、該第4遊星歯車装置は第4サンギヤ、第4キャリア、および第4リングギヤを備え、該第4キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、
    該第1サンギヤおよび該第2リングギヤは前記入力回転部材と前記第1中間出力経路とに連結され、該第1キャリアは第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1リングギヤおよび該第2サンギヤは第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第2キャリアは第2中間出力経路に連結されて、前記入力回転部材の回転を第1中間出力経路と該第1中間出力経路に対して異なる2つの減速回転が択一的に切り換えられて減速回転させられる第2中間出力経路とを介して出力する第1変速部と、
    該第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結されるとともに第3ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第3キャリアおよび該第4キャリアは第3クラッチを介して前記第1中間出力経路に選択的に連結されるとともに第4ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第3リングギヤおよび該第4リングギヤは前記出力回転部材に連結され、該第4サンギヤは第1クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結される第2変速部と
    を、備えている一方、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより複数の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  2. 同心に且つ順次配設される第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置と第3遊星歯車装置と第4遊星歯車装置とを備え、入力回転部材の回転を変速して出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    該第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備えたシングルピニオン型遊星歯車装置であり、該第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、該第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備えたシングルピニオン型遊星歯車装置であり、該第4遊星歯車装置は第4サンギヤ、第4キャリア、および第4リングギヤを備え、該第4キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、
    該第1サンギヤは前記入力回転部材と前記第1中間出力経路とに連結され、該第1キャリアおよび該第2リングギヤは第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1リングギヤおよび該第2キャリアは第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第2サンギヤは第2中間出力経路に連結されて、前記入力回転部材の回転を第1中間出力経路と該第1中間出力経路に対して異なる2つの減速回転が択一的に切り換えられて減速回転させられる第2中間出力経路とを介して出力する第1変速部と、
    該第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結されるとともに第3ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第3キャリアおよび該第4キャリアは第3クラッチを介して前記第1中間出力経路に選択的に連結されるとともに第4ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第3リングギヤおよび該第4リングギヤは前記出力回転部材に連結され、該第4サンギヤは第1クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結される第2変速部と
    を、備えている一方、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより複数の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  3. 同心に且つ順次配設される第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置と第3遊星歯車装置と第4遊星歯車装置とを備え、入力回転部材の回転を変速して出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    該第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備えたシングルピニオン型遊星歯車装置であり、該第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、該第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備えたシングルピニオン型遊星歯車装置であり、該第4遊星歯車装置は第4サンギヤ、第4キャリア、および第4リングギヤを備え、該第4キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、
    該第1サンギヤおよび該第2キャリアは前記入力回転部材と前記第1中間出力経路とに連結され、該第1キャリアは第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1リングギヤおよび該第2サンギヤは第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第2リングギヤは第2中間出力経路に連結されて、前記入力回転部材の回転を第1中間出力経路と該第1中間出力経路に対して異なる2つの減速回転が択一的に切り換えられて減速回転させられる第2中間出力経路とを介して出力する第1変速部と、
    該第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結されるとともに第3ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第3キャリアおよび該第4キャリアは第3クラッチを介して前記第1中間出力経路に選択的に連結されるとともに第4ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第3リングギヤおよび該第4リングギヤは前記出力回転部材に連結され、該第4サンギヤは第1クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結される第2変速部と
    を、備えていることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  4. 同心に且つ順次配設される第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置と第3遊星歯車装置と第4遊星歯車装置とを備え、入力回転部材の回転を変速して出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    該第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備えたシングルピニオン型遊星歯車装置であり、該第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、該第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備えたシングルピニオン型遊星歯車装置であり、該第4遊星歯車装置は第4サンギヤ、第4キャリア、および第4リングギヤを備え、該第4キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、
    該第1リングギヤは前記入力回転部材と前記第1中間出力経路とに連結され、該第2リングギヤは第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1サンギヤおよび該第2キャリアは第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1キャリアおよび該第2サンギヤは第2中間出力経路に連結されて、前記入力回転部材の回転を第1中間出力経路と該第1中間出力経路に対して異なる2つの減速回転が択一的に切り換えられて減速回転させられる第2中間出力経路とを介して出力する第1変速部と、
    該第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結されるとともに第3ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第3キャリアおよび該第4キャリアは第3クラッチを介して前記第1中間出力経路に選択的に連結されるとともに第4ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第3リングギヤおよび該第4リングギヤは前記出力回転部材に連結され、該第4サンギヤは第1クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結される第2変速部と
    を、備えている一方、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより複数の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  5. 同心に且つ順次配設される第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置と第3遊星歯車装置と第4遊星歯車装置とを備え、入力回転部材の回転を変速して出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    該第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備え、該第1キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、該第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備えたシングルピニオン型遊星歯車装置であり、該第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備えたシングルピニオン型遊星歯車装置であり、該第4遊星歯車装置は第4サンギヤ、第4キャリア、および第4リングギヤを備え、該第4キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、
    該第1サンギヤおよび該第2リングギヤは前記入力回転部材と前記第1中間出力経路とに連結され、該第1リングギヤは第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1キャリアおよび該第2サンギヤは第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第2キャリアは第2中間出力経路に連結されて、前記入力回転部材の回転を第1中間出力経路と該第1中間出力経路に対して異なる2つの減速回転が択一的に切り換えられて減速回転させられる第2中間出力経路とを介して出力する第1変速部と、
    該第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結されるとともに第3ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第3キャリアおよび該第4キャリアは第3クラッチを介して前記第1中間出力経路に選択的に連結されるとともに第4ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第3リングギヤおよび該第4リングギヤは前記出力回転部材に連結され、該第4サンギヤは第1クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結される第2変速部と
    を、備えている一方、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより複数の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  6. 同心に且つ順次配設される第1遊星歯車装置と第2遊星歯車装置と第3遊星歯車装置と第4遊星歯車装置とを備え、入力回転部材の回転を変速して出力回転部材から出力する形式の車両用遊星歯車式多段変速機であって、
    該第1遊星歯車装置は第1サンギヤ、第1キャリア、および第1リングギヤを備えたシングルピニオン型遊星歯車装置であり、該第2遊星歯車装置は第2サンギヤ、第2キャリア、および第2リングギヤを備え、該第2キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、該第3遊星歯車装置は第3サンギヤ、第3キャリア、および第3リングギヤを備えたシングルピニオン型遊星歯車装置であり、該第4遊星歯車装置は第4サンギヤ、第4キャリア、および第4リングギヤを備え、該第4キャリアによって回転可能に支持された互いに噛み合う一対の遊星歯車を有するダブルピニオン型遊星歯車装置であり、
    該第1サンギヤおよび該第2サンギヤは前記入力回転部材と前記第1中間出力経路とに連結され、該第1キャリアは第2ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第1リングギヤおよび該第2キャリアは第1ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第2リングギヤは第2中間出力経路に連結されて、前記入力回転部材の回転を第1中間出力経路と該第1中間出力経路に対して異なる2つの減速回転が択一的に切り換えられて減速回転させられる第2中間出力経路とを介して出力する第1変速部と、
    該第3サンギヤは第2クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結されるとともに第3ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第3キャリアおよび該第4キャリアは第3クラッチを介して前記第1中間出力経路に選択的に連結されるとともに第4ブレーキを介して非回転部材に選択的に連結され、該第3リングギヤおよび該第4リングギヤは前記出力回転部材に連結され、該第4サンギヤは第1クラッチを介して前記第2中間出力経路に選択的に連結される第2変速部と
    を、備えている一方、
    前記クラッチおよびブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより複数の変速段が成立させられることを特徴とする車両用遊星歯車式多段変速機。
  7. 前記第3キャリアと前記第4キャリアおよび前記第3リングギヤと前記第4リングギヤとはそれぞれ共通の部材で構成されるとともに、前記第3遊星歯車装置の遊星歯車が前記第4遊星歯車装置の互いに噛み合う一対の遊星歯車のいずれか1つを兼ねているものである請求項1乃至のいずれかの車両用遊星歯車式多段変速機。
  8. 前記第1クラッチ乃至第3クラッチおよび第1ブレーキ乃至第4ブレーキの係合、解放状態を選択的に切り換えることにより少なくとも前進7速の変速段が成立させられるものである請求項1乃至のいずれかの車両用遊星歯車式多段変速機。
  9. 前記第1クラッチ、前記第2ブレーキおよび前記第4ブレーキが係合させられることによって最も大きい変速比の第1変速段が成立させられ、前記第1クラッチ、前記第2ブレーキおよび前記第3ブレーキが係合させられることによって前記第1変速段よりも変速比が小さい第2変速段が成立させられ、前記第1クラッチ、前記第2クラッチおよび前記第2ブレーキ、または前記第1クラッチ、前記第1ブレーキおよび前記第3ブレーキが係合させられることによって前記第2変速段よりも変速比が小さい第3変速段が成立させられ、前記第1クラッチ、前記第2クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって前記第3変速段よりも変速比が小さい第4変速段が成立させられ、前記第1クラッチ、前記第3クラッチおよび前記第1ブレーキが係合させられることによって前記第4変速段よりも変速比が小さい第5変速段が成立させられ、前記第1クラッチ、前記第2クラッチおよび前記第3クラッチが係合させられることによって前記第5変速段よりも変速比が小さい第6変速段が成立させられ、前記第2クラッチ、前記第3クラッチおよび前記第1ブレーキ、または前記第2クラッチ、前記第3クラッチおよび前記第2ブレーキが係合させられることによって前記第6変速段よりも変速比が小さい第7変速段が成立させられ、前記第3クラッチおよび前記第3ブレーキが係合させられることによって前記第7変速段よりも変速比が小さい第8変速段が成立させられる請求項1乃至のいずれかの車両用遊星歯車式多段変速機。
  10. 前記第2クラッチ、前記第2ブレーキおよび前記第4ブレーキが係合させられることによって第1後進変速段が成立させられ、前記第2クラッチ、前記第1ブレーキおよび前記第4ブレーキが係合させられることによって前記第1後進変速段よりも変速比が小さい第2後進変速段が成立させられるものである請求項1乃至のいずれかの車両用遊星歯車式多段変速機。
  11. エンジンの出力は、流体伝動装置を介して前記入力回転部材に入力されるものである請求項1乃至10のいずれかの車両用遊星歯車式多段変速機。
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