以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、車両用自動変速装置として好適な車両用遊星歯車式多段変速機(以下、変速機という)10の構成を説明する骨子図である。図1において、変速機10は車体に取り付けられるトランスミッションケース12内において共通の軸心上に順次配設された流体伝動装置としてのロックアップクラッチ13付のトルクコンバータ14、このトルクコンバータ14に連結された入力軸16、第1遊星歯車装置18を主体として構成されている第1変速部36、第2遊星歯車装置20と第3遊星歯車装置22と第4遊星歯車装置24とを主体として構成されている第2変速部38、出力軸26を同心に備えている。この変速機10は、車両において縦置きされるFR用自動変速機や横置きされるFF用自動変速機として好適に用いられるものであり、駆動力源たとえばエンジン8と図示しない駆動輪との間に設けられ、エンジン8の出力を駆動輪に伝達する。本実施例では、上記入力軸16および出力軸26が入力回転部材および出力回転部材に対応し、上記トランスミッションケース12が非回転部材に対応している。上記トルクコンバータ14はエンジン8のクランク軸9に連結され、上記出力軸26はたとえば図示しない差動歯車装置等を介して左右の駆動輪を回転駆動する。なお、変速機10はその軸心に対して対称的に構成されているため、第1図の骨子図においてはその下側が省略されている。以下の各実施例についても同様である。
上記第1変速部36を構成している第1遊星歯車装置18はシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第1遊星歯車装置18は、第1サンギヤS1、第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、たとえば「0.588」程度の所定のギヤ比ρ1を有している。また、第1キャリアCA1は入力軸16と第1中間出力経路またはそれを構成する第1変速部36側の伝達部材M1とに連結され、第1サンギヤS1は回転不能にトランスミッションケース12に一体的に固定され、第1リングギヤR1は第2中間出力経路またはそれを構成する第1変速部36側の伝達部材M2に連結されて、第1変速部36は入力軸16の回転を上記第1中間出力経路M1とその第1中間出力経路に対して増速回転させられる上記第2中間出力経路M2とを介して第2変速部38へ出力する。すなわちこの第1変速部36は入力回転部材として機能する入力軸16の回転を第1中間出力経路M1と第2中間出力経路M2との回転の異なる2つの出力経路でもって第2変速部38へ出力することになる。本実施例の第1変速部36においては、第1中間出力経路M1は入力軸16に連結されて入力軸16の回転速度とされている。しかしながら、この第1中間出力経路M1は必ずしも入力軸16の回転速度とされる必要はない。また、上記第2中間出力経路M2は実質的にはその第2中間出力経路M2に連結される部材たとえば本実施例では第1リングギヤR1を含んでもよくたとえば中間出力部材、伝達部材等として機能することになる。
前記第2変速部38を構成している第2遊星歯車装置20および第4遊星歯車装置24はそれぞれシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第3遊星歯車装置22はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第2遊星歯車装置20は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.294」程度の所定のギヤ比ρ2を有している。第3遊星歯車装置22は、第3サンギヤS3、互いに噛み合う複数対の第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.318」程度の所定のギヤ比ρ3を有している。第4遊星歯車装置24は、第4サンギヤS4、第4遊星歯車P4、その第4遊星歯車P4を自転および公転可能に支持する第4キャリヤCA4、第4遊星歯車P4を介して第4サンギヤS4と噛み合う第4リングギヤR4を備えており、たとえば「0.350」程度の所定のギヤ比ρ4を有している。第1サンギヤS1の歯数をZS1、第1リングギヤR1の歯数をZR1、第2サンギヤS2の歯数をZS2、第2リングギヤR2の歯数をZR2、第3サンギヤS3の歯数をZS3、第3リングギヤR3の歯数をZR3、第4サンギヤS4の歯数をZS4、第4リングギヤR4の歯数をZR4とすると、上記ギヤ比ρ1はZS1/ZR1、上記ギヤ比ρ2はZS2/ZR2、上記ギヤ比ρ3はZS3/ZR3、上記ギヤ比ρ4はZS4/ZR4である。
また、上記第3遊星歯車装置22および第4遊星歯車装置24は、第3キャリヤCA3および第4キャリヤCA4が共通の部品にて構成されているとともに、第3リングギヤR3および第4リングギヤR4が共通の部品にて構成されており、且つ第4遊星歯車P4が互いに噛み合う一対の第3遊星歯車P3のいずれか1つを兼ねている所謂ラビニヨ型の遊星歯車列とされている。なお、これら共通の部品で構成されているものはそれぞれ別々の部品で構成されてもよい。
上記第2変速部38においては、第4サンギヤS4は第1クラッチC1を介して第1中間出力経路またはそれを構成する第2変速部38側の部材M1に選択的に連結されるとともに第3クラッチC3を介して前記第2中間出力経路またはそれを構成する第2変速部38側の伝達部材M2(実質的には第1リングギヤR1;以下、各実施例中においては、特に明記してなくても伝達部材M2に連結される第1変速部36の構成要素たとえば第1リングギヤR1はその伝達部材M2を示すものとしてもよい。)に選択的に連結され、第2サンギヤS2と第3キャリアCA3と第4キャリアCA4とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第3リングギヤR3と第4リングギヤR4とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力軸26に連結され、第2キャリアCA2は第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2リングギヤR2と第3サンギヤS3とが一体的に連結されて第4クラッチC4を介して第1リングギヤR1に選択的に連結されている。
上記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2は、従来の車両用自動変速機においてよく用いられている油圧式摩擦係合装置であって、互いに重ねられた複数枚の摩擦板が油圧アクチュエータにより押圧される湿式多板型や、回転するドラムの外周面に巻き付けられた1本または2本のバンドの一端が油圧アクチュエータによって引き締められるバンドブレーキなどにより構成され、それが介そうされている両側の部材を選択的に連結するためのものである。
以上のように構成された変速機10では、たとえば、図2の係合作動表に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。
すなわち、図2に示すように、第1クラッチC1および第2ブレーキB2の係合により、第4サンギヤS4と第1中間出力経路M1との間、第2キャリアCA2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γ1が最大値たとえば「3.700」である第1速ギヤ段が成立させられる。また、第3クラッチC3および第2ブレーキB2の係合により、第4サンギヤS4と第1リングギヤR1との間、第2キャリアCA2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γ2が第1速ギヤ段よりも小さい値たとえば「2.330」程度である第2速ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2および第2ブレーキB2の係合により、第2サンギヤS2、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第2キャリアCA2とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γ3が第2速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.700」程度である第3速ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2および第3クラッチC3の係合により、第2サンギヤS2、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第4サンギヤS4と第1リングギヤR1との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γ4が第3速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.259」程度である第4速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1および第2クラッチC2の係合により、第4サンギヤS4と第1中間出力経路M1との間、第2サンギヤS2、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γ5が第4速ギヤ段よりも小さい値たとえば「1.000」程度である第5速ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2および第4クラッチC4の係合により、第2サンギヤS2、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4と第1中間出力経路M1との間、第2リングギヤR2および第3サンギヤS3と第1リングギヤR1との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γ6が第5速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.842」程度である第6速ギヤ段が成立させられる。また、第1クラッチC1および第4クラッチC4の係合により、第4サンギヤS4と第1中間出力経路M1との間、第2リングギヤR2および第3サンギヤS3と第1リングギヤR1との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γ7が第6速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.726」である第7速ギヤ段が成立させられる。また、第3クラッチC3および第4クラッチC4の係合により、第4サンギヤS4と第1リングギヤR1との間、第2リングギヤR2および第3サンギヤS3と第1リングギヤR1との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γ8が第7速ギヤ段よりも小さい値たとえば「0.630」である第8速ギヤ段が成立させられる。
また、第1クラッチC1および第1ブレーキB1の係合により、第4サンギヤS4と第1中間出力経路M1との間、第2サンギヤS2、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4とトランスミッションケース12との間がそれぞれ連結されることにより、変速比γRが第1速ギヤ段と第2速ギヤ段との間の値たとえば「2.857」である後進ギヤ段が成立させられる。前記第1遊星歯車装置18のギヤ比ρ1、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ3、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρ4は、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
上記変速機10において、第1速ギヤ段の変速比γ1と第2速ギヤ段の変速比γ2との比(=γ1/γ2)が「1.588」とされ、第2速ギヤ段の変速比γ2と第3速ギヤ段の変速比γ3との比(=γ2/γ3)が「1.370」とされ、第3速ギヤ段の変速比γ3と第4速ギヤ段の変速比γ4との比(=γ3/γ4)が「1.350」とされ、第4速ギヤ段の変速比γ4と第5速ギヤ段の変速比γ5との比(=γ4/γ5)が「1.259」とされ、第5速ギヤ段の変速比γ5と第6速ギヤ段の変速比γ6との比(=γ5/γ6)が「1.187」とされ、第6速ギヤ段の変速比γ6と第7速ギヤ段の変速比γ7との比(=γ6/γ7)が「1.161」とされ、第7速ギヤ段の変速比γ7と第8速ギヤ段の変速比γ8との比(=γ7/γ8)が「1.152」とされ、各変速比γが略等比的に変化させられている。また、上記変速機10において、第1速ギヤ段の変速比γ1と第8速ギヤ段の変速比γ8との比である変速比幅(=γ1/γ8)が比較的大きな値すなわち「5.876」とされている。
図3は、上記変速機10において、ギヤ段毎に連結状態が異なる各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表すことができる共線図を示している。図3の共線図は、横軸方向において各遊星歯車装置18、20、22、24のギヤ比ρの関係を示し、縦軸方向において相対的回転速度を示す二次元座標であり、3本の横線のうちの下側の横線X1が回転速度零を示し、その上側の横線X2が回転速度「1.0」すなわち第1中間出力経路M1の回転速度を示し、さらにその上側の横線XGが第1遊星歯車装置18のギヤ比ρ1に応じて第1中間出力経路M1に対して増速回転させられる所定の回転速度「NG」を示している。また、第1変速部36の各縦線は、左側から順番にサンギヤS1、キャリアCA1、リングギヤR1の各回転要素を表しており、それ等の間隔は第1遊星歯車装置18のギヤ比ρ1に応じて定められている。さらに、第2変速部38の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応するサンギヤS4を、第2回転要素RE2に対応し且つ相互に連結されたサンギヤS2、キャリヤCA3およびキャリヤCA4を、第3回転要素RE3に対応し且つ相互に連結されたリングギヤR3およびリングギヤR4を、第4回転要素RE4に対応するキャリヤCA2を、第5回転要素RE5に対応し且つ相互に連結されたリングギヤR2およびサンギヤS3をそれぞれ表し、それらの間隔は遊星歯車装置20、22、24のギヤ比ρ2、ρ3、ρ4に応じてそれぞれ定められている。共線図の縦軸間においてサンギヤとキャリヤとの間が「1」に対応する間隔とされるとキャリヤとリングギヤとの間がρに対応する間隔とされる関係とされ、図3の第1変速部36ではキャリアCA1、リングギヤR1の各回転要素に対応する縦線間が「1」に対応する間隔に設定され、第2変速部38では、縦線Y4と縦線Y5との間が「1」に対応する間隔に設定されて他の縦軸間の間隔は上記関係に基づいてそれぞれ設定されている。上記に示すように第2変速部38の回転要素としては、第2遊星歯車装置20のサンギヤS2、キャリヤCA2、およびリングギヤR2、第3遊星歯車装置22のサンギヤS3、キャリヤCA3、およびリングギヤR3、第4遊星歯車装置24のサンギヤS4、キャリヤCA4、およびリングギヤR4の一部が単独で或いは互いに連結されることにより、共線図において一(左)端から他(右)端に向かって順番に5つの第1回転要素RE1、第2回転要素RE2、第3回転要素RE3、第4回転要素RE4、第5回転要素RE5が構成されている。
上記共線図を利用して表現すれば、本実施例の変速機10は、第1変速部36において、第1遊星歯車装置18の3つの回転要素のうちの1つである第1キャリアCA1が入力軸(入力回転部材)16と第1中間出力経路M1とに連結され、他の1つである第1サンギヤS1がトランスミッションケース(非回転部材)12に回転不能に固定され、残りの1つである第1リングギヤR1が第2中間出力経路M2に連結されて、入力軸16の回転を上記第1中間出力経路M1とその第1中間出力経路に対して増速回転させられる上記第2中間出力経路M2(第1リングギヤR1)とを介して第2変速部38へ出力するように構成され、第2変速部38において、上記第1回転要素RE1(S4)は第1クラッチC1を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第3クラッチC3を介して第1リングギヤR1(第2中間出力経路M2)に選択的に連結され、上記第2回転要素RE2(S2、CA3、CA4)は第2クラッチC2を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、上記第3回転要素RE3(R3、R4)は出力軸(出力回転部材)26に連結され、上記第4回転要素RE4(CA2)は第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、上記第5回転要素RE5(R2、S3)は第4クラッチC4を介して第1リングギヤR1に選択的に連結されるように構成されている。
上記図3の共線図において、第1速ギヤ段では、第1回転要素RE1はクラッチC1の係合により第1中間出力経路M1に連結されて回転速度「1」とされ、第4回転要素RE4はブレーキB2の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y1と横線X2との交点と縦線Y4と横線X1との交点とを結ぶ直線が縦線Y3と交差する点(1st)により、出力軸26の回転速度が示される。第2速ギヤ段では、第1回転要素RE1はクラッチC3の係合によりリングギヤR1に連結されて第1変速部を介して第1中間出力経路M1に対して増速回転させられた所定の回転速度「NG」とされ、第4回転要素RE4はブレーキB2の係合により回転速度「0」とされるので、縦線Y1と横線XGとの交点と縦線Y4と横線X1との交点とを結ぶ直線が縦線Y3と交差する点(2nd)により、出力軸26の回転速度が示される。第3速ギヤ段では、第2回転要素RE2はクラッチC2の係合により第1中間出力経路M1に連結されて回転速度「1」とされ、第4回転要素RE4はブレーキB2の係合により回転速度「0」とされるので、縦線Y2と横線X2との交点と縦線Y4と横線X1との交点とを結ぶ直線が縦線Y3と交差する点(3rd)により、出力軸26の回転速度が示される。第4速ギヤ段では、第2回転要素RE2はクラッチC2の係合により回転速度「1」とされ、第1回転要素RE1はクラッチC3の係合により所定の回転速度「NG」とされるので、縦線Y2と横線X2との交点と縦線Y1と横線XGとの交点とを結ぶ直線が縦線Y3と交差する点(4th)により、出力軸26の回転速度が示される。第5速ギヤ段では、第1回転要素RE1はクラッチC1の係合により回転速度「1」とされ、第2回転要素RE2はクラッチC2の係合により回転速度「1」とされるので、縦線Y1と横線X2との交点と縦線Y2と横線X2との交点とを結ぶ直線が縦線Y3と交差する点(5th)により、出力軸26の回転速度が示される。第6速ギヤ段では、第2回転要素RE2はクラッチC2の係合により回転速度「1」とされ、第5回転要素RE5はクラッチC4の係合によりリングギヤR1に連結されて第1変速部を介して第1中間出力経路M1に対して増速回転させられた所定の回転速度「NG」とされるので、縦線Y2と横線X2との交点と縦線Y5と横線XGとの交点とを結ぶ直線が縦線Y3と交差する点(6th)により、出力軸26の回転速度が示される。第7速ギヤ段では、第1回転要素RE1はクラッチC1の係合により回転速度「1」とされ、第5回転要素RE5はクラッチC4の係合により所定の回転速度「NG」とされるので、縦線Y1と横線X2との交点と縦線Y5と横線XGとの交点とを結ぶ直線が縦線Y3と交差する点(7th)により、出力軸26の回転速度が示される。第8速ギヤ段では、第1回転要素RE1はクラッチC3の係合により所定の回転速度「NG」とされ、第5回転要素RE5はクラッチC4の係合により所定の回転速度「NG」とされるので、縦線Y1と横線XGとの交点と縦線Y5と横線XGとの交点とを結ぶ直線が縦線Y3と交差する点(8th)により、出力軸26の回転速度が示される。後進ギヤ段では、第1回転要素RE1はクラッチC1の係合により回転速度「1」とされ、第2回転要素RE2はブレーキB1の係合によりトランスミッションケース12に連結されて回転速度「0」とされるので、縦線Y1と横線X2との交点と縦線Y2と横線X1との交点とを結ぶ直線が縦線Y3と交差する点(Rev)により、出力軸26の負の回転速度が示される。
上述のように、本実施例によれば、4組の第1遊星歯車装置18、第2遊星歯車装置20、第3遊星歯車装置22、第4遊星歯車装置24によって、変速比幅を大きくとることができ且つ変速比ステップも適切な前進7速以上が可能な小型の車両用遊星歯車式多段変速機が得られる。すなわち、各変速比γが略等比的に変化させられ、ギヤ段の切り換えによる優れた増速特性或いは加速特性が得られるとともに、変速機10の変速比幅(=γ1/γ8)が比較的大きな値たとえば「5.876」とされているので、たとえば高速走行と登坂発進性能とが両立できる小型の車両用遊星歯車式多段変速機10が得られる。
また、本実施例によれば、第1クラッチC1および第1ブレーキB1が係合させられることによって後進変速段が成立させられるので、前進7段以上と後進1段の変速ギヤ段が得られる。
また、本実施例によれば、第1遊星歯車装置18、第2遊星歯車装置20、第3遊星歯車装置22、第4遊星歯車装置24は入力軸16と出力軸26との間において順次配置され、エンジン8の出力は流体伝動装置としてのロックアップクラッチ13付のトルクコンバータ14を介して変速機10の入力軸16に入力されるので、コンパクトな自動変速機の設計が可能となる。
また、本実施例によれば、第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4が変速機10の第1変速部36と第2変速部38との間に集中しており、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2がトランスミッションケース12側すなわち外側に集中しているので、油圧回路の取りまわしが容易となる。
つぎに、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図4は本発明の他の実施例の変速機40の構成を説明する骨子図であり、図5はその変速機40の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図6は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、第2変速部48の構成およびクラッチC1乃至C4、ブレーキB1、B2の油圧式摩擦係合装置との連結が相違するが、他の構成および係合作動は上記図1乃至図3に示す実施例と同様であり、その図1乃至図3に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
本実施例では、上記第2変速部48を構成している第2遊星歯車装置20はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第3遊星歯車装置22および第4遊星歯車装置24はそれぞれシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第2遊星歯車装置20は、第2サンギヤS2、互いに噛み合う複数対の第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.412」程度の所定のギヤ比ρ2を有している。第3遊星歯車装置22は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.350」程度の所定のギヤ比ρ3を有している。第4遊星歯車装置24は、第4サンギヤS4、第4遊星歯車P4、その第4遊星歯車P4を自転および公転可能に支持する第4キャリヤCA4、第4遊星歯車P4を介して第4サンギヤS4と噛み合う第4リングギヤR4を備えており、たとえば「0.467」程度の所定のギヤ比ρ4を有している。
上記第2変速部48においては、第3サンギヤS3は第1クラッチC1を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第3クラッチC3を介して前記第2中間出力経路M2として機能する第1リングギヤR1に選択的に連結され、第2キャリアCA2と第3キャリアCA3と第4リングギヤR4とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2リングギヤR2と第3リングギヤR3と第4キャリアCA4とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力軸26に連結され、第2サンギヤS2は第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第4サンギヤS4は第4クラッチC4を介して第1リングギヤR1に選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機40では、たとえば、図2の係合作動表と同様である図5に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第1遊星歯車装置18の所定のギヤ比ρ1を「0.588」程度とすると、図1乃至図3に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。前記第1遊星歯車装置18のギヤ比ρ1、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ3、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρ4は、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図6の共線図の第2変速部48において左から順に、第1回転要素RE1は第3サンギヤS3から成り、第2回転要素RE2は第2キャリアCA2、第3キャリアCA3および第4リングギヤR4から成り、第3回転要素RE3は第2リングギヤR2、第3リングギヤR3および第4キャリアCA4から成り、第4回転要素RE4は第2サンギヤS2から成り、第5回転要素RE5は第4サンギヤS4から成っている。従って、これら回転要素を基にすれば、図6と図3とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図6の共線図の説明は割愛する。
図7は本発明の他の実施例の変速機50の構成を説明する骨子図であり、図8はその変速機50の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図9は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、前記図1乃至図3の他の実施例として示した図4乃至図6と同様に第2変速部58の構成において相違するが、他の構成および係合作動はその図1乃至図3に示す実施例と同様であり、その図1乃至図3に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
本実施例では、上記第2変速部58を構成している第2遊星歯車装置20および第4遊星歯車装置24はそれぞれはシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第3遊星歯車装置22はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第2遊星歯車装置20は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.500」程度の所定のギヤ比ρ2を有している。第3遊星歯車装置22は、第3サンギヤS3、互いに噛み合う複数対の第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.318」程度の所定のギヤ比ρ3を有している。第4遊星歯車装置24は、第4サンギヤS4、第4遊星歯車P4、その第4遊星歯車P4を自転および公転可能に支持する第4キャリヤCA4、第4遊星歯車P4を介して第4サンギヤS4と噛み合う第4リングギヤR4を備えており、たとえば「0.350」程度の所定のギヤ比ρ4を有している。
また、上記第3遊星歯車装置22および第4遊星歯車装置24は、第3キャリヤCA3および第4キャリヤCA4が共通の部品にて構成されているとともに、第3リングギヤR3および第4リングギヤR4が共通の部品にて構成されており、且つ第4遊星歯車P4が互いに噛み合う一対の第3遊星歯車P3のいずれか1つを兼ねている所謂ラビニヨ型の遊星歯車列とされている。なお、これら共通の部品で構成されているものはそれぞれ別々の部品で構成されてもよい。
上記第2変速部58においては、第4サンギヤS4は第1クラッチC1を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第3クラッチC3を介して前記第2中間出力経路M2として機能する第1リングギヤR1に選択的に連結され、第3キャリアCA3と第4キャリアCA4とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2サンギヤS2と第3リングギヤR3と第4リングギヤR4とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、第2キャリアCA2は第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2リングギヤR2と第3サンギヤS3とが一体的に連結されて第4クラッチC4を介して第1リングギヤR1に選択的に連結されている。なお、上記出力歯車28は図1に示した変速機10に備えられた出力軸26と同様に入力軸16、第1変速部36、第2変速部58等と同心に備えられていて、たとえば図示しない差動歯車装置の大径歯車とかみ合わせられていてその差動歯車装置等を介して左右の駆動輪を回転駆動する。
以上のように構成された変速機50では、たとえば、図2の係合作動表と同様である図8に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第1遊星歯車装置18の所定のギヤ比ρ1を「0.588」程度とすると、図1乃至図3に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。前記第1遊星歯車装置18のギヤ比ρ1、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ3、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρ4は、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図9の共線図の第2変速部58において左から順に、第1回転要素RE1は第4サンギヤS4から成り、第2回転要素RE2は第3キャリアCA3および第4キャリアCA4から成り、第3回転要素RE3は第2サンギヤS2、第3リングギヤR3および第4リングギヤR4から成り、第4回転要素RE4は第2キャリアCA2から成り、第5回転要素RE5は第2リングギヤR2および第3サンギヤS3から成っている。従って、これら回転要素を基にすれば、図9と図3とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図9の共線図の説明は割愛する。
図10は本発明の他の実施例の変速機60の構成を説明する骨子図であり、図11はその変速機60の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図12は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、前記図1乃至図3の他の実施例として示した図4乃至図6と同様に第2変速部68の構成において相違するが、他の構成および係合作動はその図1乃至図3に示す実施例と同様であり、その図1乃至図3に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
本実施例では、上記第2変速部68を構成している第2遊星歯車装置20および第4遊星歯車装置24はそれぞれはシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第3遊星歯車装置22はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第2遊星歯車装置20は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.500」程度の所定のギヤ比ρ2を有している。第3遊星歯車装置22は、第3サンギヤS3、互いに噛み合う複数対の第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.412」程度の所定のギヤ比ρ3を有している。第4遊星歯車装置24は、第4サンギヤS4、第4遊星歯車P4、その第4遊星歯車P4を自転および公転可能に支持する第4キャリヤCA4、第4遊星歯車P4を介して第4サンギヤS4と噛み合う第4リングギヤR4を備えており、たとえば「0.350」程度の所定のギヤ比ρ4を有している。
また、上記第3遊星歯車装置22および第4遊星歯車装置24は、第3キャリヤCA3および第4キャリヤCA4が共通の部品にて構成されているとともに、第3リングギヤR3および第4リングギヤR4が共通の部品にて構成されており、且つ第4遊星歯車P4が互いに噛み合う一対の第3遊星歯車P3のいずれか1つを兼ねている所謂ラビニヨ型の遊星歯車列とされている。なお、これら共通の部品で構成されているものはそれぞれ別々の部品で構成されてもよい。
上記第2変速部68においては、第4サンギヤS4は第1クラッチC1を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第3クラッチC3を介して前記第2中間出力経路M2として機能する第1リングギヤR1に選択的に連結され、第3キャリアCA3と第4キャリアCA4とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2サンギヤS2と第3リングギヤR3と第4リングギヤR4とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、第2キャリアCA2と第3サンギヤS3とが一体的に連結されて第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2リングギヤR2は第4クラッチC4を介して第1リングギヤR1に選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機60では、たとえば、図2の係合作動表と同様である図11に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第1遊星歯車装置18の所定のギヤ比ρ1を「0.588」程度とすると、図1乃至図3に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。前記第1遊星歯車装置18のギヤ比ρ1、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ3、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρ4は、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図12の共線図の第2変速部68において左から順に、第1回転要素RE1は第4サンギヤS4から成り、第2回転要素RE2は第3キャリアCA3および第4キャリアCA4から成り、第3回転要素RE3は第2サンギヤS2、第3リングギヤR3および第4リングギヤR4から成り、第4回転要素RE4は第2キャリアCA2および第3サンギヤS3から成り、第5回転要素RE5は第2リングギヤR2から成っている。従って、これら回転要素を基にすれば、図12と図3とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図12の共線図の説明は割愛する。
図13は本発明の他の実施例の変速機70の構成を説明する骨子図であり、図14はその変速機70の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図15は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、前記図1乃至図3の他の実施例として示した図4乃至図6と同様に第2変速部78の構成において相違するが、他の構成および係合作動はその図1乃至図3に示す実施例と同様であり、その図1乃至図3に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
本実施例では、上記第2変速部78を構成している第2遊星歯車装置20はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第3遊星歯車装置22および第4遊星歯車装置24はそれぞれシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第2遊星歯車装置20は、第2サンギヤS2、互いに噛み合う複数対の第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.459」程度の所定のギヤ比ρ2を有している。第3遊星歯車装置22は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.294」程度の所定のギヤ比ρ3を有している。第4遊星歯車装置24は、第4サンギヤS4、第4遊星歯車P4、その第4遊星歯車P4を自転および公転可能に支持する第4キャリヤCA4、第4遊星歯車P4を介して第4サンギヤS4と噛み合う第4リングギヤR4を備えており、たとえば「0.350」程度の所定のギヤ比ρ4を有している。
上記第2変速部78においては、第2サンギヤS2と第4サンギヤS4とが一体的に連結されて第1クラッチC1を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第3クラッチC3を介して前記第2中間出力経路M2として機能する第1リングギヤR1に選択的に連結され、第2リングギヤR2と第3サンギヤS3と第4キャリアCA4とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第4リングギヤR4は前記出力回転部材としての出力軸26に連結され、第2キャリアCA2と第3キャリアCA3とが一体的に連結されて第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第3リングギヤR3は第4クラッチC4を介して第1リングギヤR1に選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機70では、たとえば、図2の係合作動表と同様である図14に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第1遊星歯車装置18の所定のギヤ比ρ1を「0.588」程度とすると、図1乃至図3に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。前記第1遊星歯車装置18のギヤ比ρ1、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ3、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρ4は、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図15の共線図の第2変速部78において左から順に、第1回転要素RE1は第2サンギヤS2および第4サンギヤS4から成り、第2回転要素RE2は第2リングギヤR2、第3サンギヤS3および第4キャリアCA4から成り、第3回転要素RE3は第4リングギヤR4から成り、第4回転要素RE4は第2キャリアCA2および第3キャリアCA3から成り、第5回転要素RE5は第3リングギヤR3から成っている。従って、これら回転要素を基にすれば、図15と図3とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図15の共線図の説明は割愛する。
図16は本発明の他の実施例の変速機80の構成を説明する骨子図であり、図17はその変速機80の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図18は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、前記図1乃至図3の他の実施例として示した図4乃至図6と同様に第2変速部88の構成において相違するが、他の構成および係合作動はその図1乃至図3に示す実施例と同様であり、その図1乃至図3に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
本実施例では、上記第2変速部88を構成している第2遊星歯車装置20および第4遊星歯車装置24はそれぞれはシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第3遊星歯車装置22はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第2遊星歯車装置20は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.500」程度の所定のギヤ比ρ2を有している。第3遊星歯車装置22は、第3サンギヤS3、互いに噛み合う複数対の第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.459」程度の所定のギヤ比ρ3を有している。第4遊星歯車装置24は、第4サンギヤS4、第4遊星歯車P4、その第4遊星歯車P4を自転および公転可能に支持する第4キャリヤCA4、第4遊星歯車P4を介して第4サンギヤS4と噛み合う第4リングギヤR4を備えており、たとえば「0.350」程度の所定のギヤ比ρ4を有している。
上記第2変速部88においては、第3サンギヤS3と第4サンギヤS4とが一体的に連結されて第1クラッチC1を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第3クラッチC3を介して前記第2中間出力経路M2として機能する第1リングギヤR1に選択的に連結され、第3リングギヤR3と第4キャリアCA4とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2サンギヤS2と第4リングギヤR4とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、第2キャリアCA2と第3キャリアCA3とが一体的に連結されて第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2リングギヤR2は第4クラッチC4を介して第1リングギヤR1に選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機80では、たとえば、図2の係合作動表と同様である図17に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第1遊星歯車装置18の所定のギヤ比ρ1を「0.588」程度とすると、図1乃至図3に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。前記第1遊星歯車装置18のギヤ比ρ1、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ3、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρ4は、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図18の共線図の第2変速部88において左から順に、第1回転要素RE1は第3サンギヤS3および第4サンギヤS4から成り、第2回転要素RE2は第3リングギヤR3および第4キャリアCA4から成り、第3回転要素RE3は第2サンギヤS2および第4リングギヤR4から成り、第4回転要素RE4は第2キャリアCA2および第3キャリアCA3から成り、第5回転要素RE5は第2リングギヤR2から成っている。従って、これら回転要素を基にすれば、図18と図3とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図18の共線図の説明は割愛する。
図19は本発明の他の実施例の変速機90の構成を説明する骨子図であり、図20はその変速機90の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図21は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、前記図1乃至図3の他の実施例として示した図4乃至図6と同様に第2変速部98の構成において相違するが、他の構成および係合作動はその図1乃至図3に示す実施例と同様であり、その図1乃至図3に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
本実施例では、上記第2変速部98を構成している第2遊星歯車装置20および第4遊星歯車装置24はそれぞれはシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第3遊星歯車装置22はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第2遊星歯車装置20は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.294」程度の所定のギヤ比ρ2を有している。第3遊星歯車装置22は、第3サンギヤS3、互いに噛み合う複数対の第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.412」程度の所定のギヤ比ρ3を有している。第4遊星歯車装置24は、第4サンギヤS4、第4遊星歯車P4、その第4遊星歯車P4を自転および公転可能に支持する第4キャリヤCA4、第4遊星歯車P4を介して第4サンギヤS4と噛み合う第4リングギヤR4を備えており、たとえば「0.350」程度の所定のギヤ比ρ4を有している。
また、上記第3遊星歯車装置22および第4遊星歯車装置24は、第3キャリヤCA3および第4キャリヤCA4が共通の部品にて構成されているとともに、第3リングギヤR3および第4リングギヤR4が共通の部品にて構成されており、且つ第4遊星歯車P4が互いに噛み合う一対の第3遊星歯車P3のいずれか1つを兼ねている所謂ラビニヨ型の遊星歯車列とされている。なお、これら共通の部品で構成されているものはそれぞれ別々の部品で構成されてもよい。
上記第2変速部98においては、第4サンギヤS4は第1クラッチC1を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第3クラッチC3を介して前記第2中間出力経路M2として機能する第1リングギヤR1に選択的に連結され、第2サンギヤS2と第3キャリアCA3と第4キャリアCA4とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第3リングギヤR3と第4リングギヤR4とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力軸26に連結され、第2キャリアCA2と第3サンギヤS3とが一体的に連結されて第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2リングギヤR2は第4クラッチC4を介して第1リングギヤR1に選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機90では、たとえば、図2の係合作動表と同様である図20に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第1遊星歯車装置18の所定のギヤ比ρ1を「0.588」程度とすると、図1乃至図3に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。前記第1遊星歯車装置18のギヤ比ρ1、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ3、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρ4は、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図21の共線図の第2変速部98において左から順に、第1回転要素RE1は第4サンギヤS4から成り、第2回転要素RE2は第2サンギヤS2、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4から成り、第3回転要素RE3は第3リングギヤR3および第4リングギヤR4から成り、第4回転要素RE4は第2キャリアCA2および第3サンギヤS3から成り、第5回転要素RE5は第2リングギヤR2から成っている。従って、これら回転要素を基にすれば、図21と図3とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図21の共線図の説明は割愛する。
図22は本発明の他の実施例の変速機100の構成を説明する骨子図であり、図23はその変速機100の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図24は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、前記図1乃至図3の他の実施例として示した図4乃至図6と同様に第2変速部108の構成において相違するが、他の構成および係合作動はその図1乃至図3に示す実施例と同様であり、その図1乃至図3に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
本実施例では、上記第2変速部108を構成している第2遊星歯車装置20、第3遊星歯車装置22および第4遊星歯車装置24はそれぞれはシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第2遊星歯車装置20は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.500」程度の所定のギヤ比ρ2を有している。第3遊星歯車装置22は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.370」程度の所定のギヤ比ρ3を有している。第4遊星歯車装置24は、第4サンギヤS4、第4遊星歯車P4、その第4遊星歯車P4を自転および公転可能に支持する第4キャリヤCA4、第4遊星歯車P4を介して第4サンギヤS4と噛み合う第4リングギヤR4を備えており、たとえば「0.350」程度の所定のギヤ比ρ4を有している。
上記第2変速部108においては、第3サンギヤS3と第4サンギヤS4とが一体的に連結されて第1クラッチC1を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第3クラッチC3を介して前記第2中間出力経路M2として機能する第1リングギヤR1に選択的に連結され、第4キャリアCA4は第2クラッチC2を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2サンギヤS2と第3キャリアCA3と第4リングギヤR4とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、第2キャリアCA2と第3リングギヤR3とが一体的に連結されて第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2リングギヤR2は第4クラッチC4を介して第1リングギヤR1に選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機100では、たとえば、図2の係合作動表と同様である図23に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第1遊星歯車装置18の所定のギヤ比ρ1を「0.588」程度とすると、図1乃至図3に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。前記第1遊星歯車装置18のギヤ比ρ1、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ3、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρ4は、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図24の共線図の第2変速部108において左から順に、第1回転要素RE1は第3サンギヤS3および第4サンギヤS4から成り、第2回転要素RE2は第4キャリアCA4から成り、第3回転要素RE3は第2サンギヤS2、第3キャリアCA3および第4リングギヤR4から成り、第4回転要素RE4は第2キャリアCA2および第3リングギヤR3から成り、第5回転要素RE5は第2リングギヤR2から成っている。従って、これら回転要素を基にすれば、図24と図3とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図24の共線図の説明は割愛する。
図25は本発明の他の実施例の変速機110の構成を説明する骨子図であり、図26はその変速機110の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図27は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、前記図1乃至図3の他の実施例として示した図4乃至図6と同様に第2変速部118の構成において相違するが、他の構成および係合作動はその図1乃至図3に示す実施例と同様であり、その図1乃至図3に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
本実施例では、上記第2変速部118を構成している第2遊星歯車装置20、第3遊星歯車装置22および第4遊星歯車装置24はそれぞれはシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第2遊星歯車装置20は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.556」程度の所定のギヤ比ρ2を有している。第3遊星歯車装置22は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.500」程度の所定のギヤ比ρ3を有している。第4遊星歯車装置24は、第4サンギヤS4、第4遊星歯車P4、その第4遊星歯車P4を自転および公転可能に支持する第4キャリヤCA4、第4遊星歯車P4を介して第4サンギヤS4と噛み合う第4リングギヤR4を備えており、たとえば「0.350」程度の所定のギヤ比ρ4を有している。
上記第2変速部118においては、第2サンギヤS2と第4サンギヤS4とが一体的に連結されて第1クラッチC1を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第3クラッチC3を介して前記第2中間出力経路M2として機能する第1リングギヤR1に選択的に連結され、第4キャリアCA4は第2クラッチC2を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2キャリアCA2と第3サンギヤS3と第4リングギヤR4とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、第3キャリアCA3は第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2リングギヤR2と第3リングギヤR3とが一体的に連結されて第4クラッチC4を介して第1リングギヤR1に選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機110では、たとえば、図2の係合作動表と同様である図26に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第1遊星歯車装置18の所定のギヤ比ρ1を「0.588」程度とすると、図1乃至図3に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。前記第1遊星歯車装置18のギヤ比ρ1、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ3、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρ4は、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図27の共線図の第2変速部118において左から順に、第1回転要素RE1は第2サンギヤS2および第4サンギヤS4から成り、第2回転要素RE2は第4キャリアCA4から成り、第3回転要素RE3は第2キャリアCA2、第3サンギヤS3および第4リングギヤR4から成り、第4回転要素RE4は第3キャリアCA3から成り、第5回転要素RE5は第2リングギヤR2および第3リングギヤR3から成っている。従って、これら回転要素を基にすれば、図27と図3とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図27の共線図の説明は割愛する。
図28は本発明の他の実施例の変速機120の構成を説明する骨子図であり、図29はその変速機120の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図30は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、前記図1乃至図3の他の実施例として示した図4乃至図6と同様に第2変速部128の構成において相違するが、他の構成および係合作動はその図1乃至図3に示す実施例と同様であり、その図1乃至図3に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
本実施例では、上記第2変速部128を構成している第2遊星歯車装置20、第3遊星歯車装置22および第4遊星歯車装置24はそれぞれはシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第2遊星歯車装置20は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.500」程度の所定のギヤ比ρ2を有している。第3遊星歯車装置22は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.467」程度の所定のギヤ比ρ3を有している。第4遊星歯車装置24は、第4サンギヤS4、第4遊星歯車P4、その第4遊星歯車P4を自転および公転可能に支持する第4キャリヤCA4、第4遊星歯車P4を介して第4サンギヤS4と噛み合う第4リングギヤR4を備えており、たとえば「0.350」程度の所定のギヤ比ρ4を有している。
上記第2変速部128においては、第4サンギヤS4は第1クラッチC1を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第3クラッチC3を介して前記第2中間出力経路M2として機能する第1リングギヤR1に選択的に連結され、第3リングギヤR3と第4キャリアCA4とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2サンギヤS2と第3キャリアCA3と第4リングギヤR4とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、第2キャリアCA2は第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2リングギヤR2と第3サンギヤS3とが一体的に連結されて第4クラッチC4を介して第1リングギヤR1に選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機120では、たとえば、図2の係合作動表と同様である図29に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第1遊星歯車装置18の所定のギヤ比ρ1を「0.588」程度とすると、図1乃至図3に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。前記第1遊星歯車装置18のギヤ比ρ1、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ3、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρ4は、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図30の共線図の第2変速部128において左から順に、第1回転要素RE1は第4サンギヤS4から成り、第2回転要素RE2は第3リングギヤR3および第4キャリアCA4から成り、第3回転要素RE3は第2サンギヤS2、第3キャリアCA3および第4リングギヤR4から成り、第4回転要素RE4は第2キャリアCA2から成り、第5回転要素RE5は第2リングギヤR2および第3サンギヤS3から成っている。従って、これら回転要素を基にすれば、図30と図3とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図30の共線図の説明は割愛する。
図31は本発明の他の実施例の変速機130の構成を説明する骨子図であり、図32はその変速機130の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図33は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、前記図1乃至図3の他の実施例として示した図4乃至図6と同様に第2変速部138の構成において相違するが、他の構成および係合作動はその図1乃至図3に示す実施例と同様であり、その図1乃至図3に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
本実施例では、上記第2変速部138を構成している第2遊星歯車装置20、第3遊星歯車装置22および第4遊星歯車装置24はそれぞれはシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第2遊星歯車装置20は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.294」程度の所定のギヤ比ρ2を有している。第3遊星歯車装置22は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.500」程度の所定のギヤ比ρ3を有している。第4遊星歯車装置24は、第4サンギヤS4、第4遊星歯車P4、その第4遊星歯車P4を自転および公転可能に支持する第4キャリヤCA4、第4遊星歯車P4を介して第4サンギヤS4と噛み合う第4リングギヤR4を備えており、たとえば「0.350」程度の所定のギヤ比ρ4を有している。
上記第2変速部138においては、第4サンギヤS4は第1クラッチC1を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第3クラッチC3を介して前記第2中間出力経路M2として機能する第1リングギヤR1に選択的に連結され、第2サンギヤS2と第4キャリアCA4とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第3サンギヤS3と第4リングギヤR4とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、第2キャリアCA2と第3キャリアCA3とが一体的に連結されて第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2リングギヤR2と第3リングギヤR3とが一体的に連結されて第4クラッチC4を介して第1リングギヤR1に選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機130では、たとえば、図2の係合作動表と同様である図32に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第1遊星歯車装置18の所定のギヤ比ρ1を「0.588」程度とすると、図1乃至図3に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。前記第1遊星歯車装置18のギヤ比ρ1、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ3、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρ4は、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図33の共線図の第2変速部138において左から順に、第1回転要素RE1は第4サンギヤS4から成り、第2回転要素RE2は第2サンギヤS2および第4キャリアCA4から成り、第3回転要素RE3は第3サンギヤS3および第4リングギヤR4から成り、第4回転要素RE4は第2キャリアCA2および第3キャリアCA3から成り、第5回転要素RE5は第2リングギヤR2および第3リングギヤR3から成っている。従って、これら回転要素を基にすれば、図33と図3とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図33の共線図の説明は割愛する。
図34は本発明の他の実施例の変速機140の構成を説明する骨子図であり、図35はその変速機140の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図36は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、前記図1乃至図3の他の実施例として示した図4乃至図6と同様に第2変速部148の構成において相違するが、他の構成および係合作動はその図1乃至図3に示す実施例と同様であり、その図1乃至図3に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
本実施例では、上記第2変速部148を構成している第2遊星歯車装置20はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第3遊星歯車装置22および第4遊星歯車装置24はそれぞれシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第2遊星歯車装置20は、第2サンギヤS2、互いに噛み合う複数対の第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.318」程度の所定のギヤ比ρ2を有している。第3遊星歯車装置22は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.350」程度の所定のギヤ比ρ3を有している。第4遊星歯車装置24は、第4サンギヤS4、第4遊星歯車P4、その第4遊星歯車P4を自転および公転可能に支持する第4キャリヤCA4、第4遊星歯車P4を介して第4サンギヤS4と噛み合う第4リングギヤR4を備えており、たとえば「0.370」程度の所定のギヤ比ρ4を有している。
また、上記第2遊星歯車装置20および第3遊星歯車装置22は、第2キャリヤCA2および第3キャリヤCA3が共通の部品にて構成されているとともに、第2リングギヤR2および第3リングギヤR3が共通の部品にて構成されており、且つ第3遊星歯車P3が互いに噛み合う一対の第2遊星歯車P2のいずれか1つを兼ねている所謂ラビニヨ型の遊星歯車列とされている。なお、これら共通の部品で構成されているものはそれぞれ別々の部品で構成されてもよい。
上記第2変速部148においては、第3サンギヤS3と第4サンギヤS4とが一体的に連結されて第1クラッチC1を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第3クラッチC3を介して前記第2中間出力経路M2として機能する第1リングギヤR1に選択的に連結され、第2キャリアCA2と第3キャリアCA3とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2リングギヤR2と第3リングギヤR3と第4キャリアCA4とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力軸26に連結され、第4リングギヤR4は第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2サンギヤS2は第4クラッチC4を介して第1リングギヤR1に選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機140では、たとえば、図2の係合作動表と同様である図35に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第1遊星歯車装置18の所定のギヤ比ρ1を「0.588」程度とすると、図1乃至図3に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。前記第1遊星歯車装置18のギヤ比ρ1、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ3、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρ4は、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図36の共線図の第2変速部148において左から順に、第1回転要素RE1は第3サンギヤS3および第4サンギヤS4から成り、第2回転要素RE2は第2キャリアCA2および第3キャリアCA3から成り、第3回転要素RE3は第2リングギヤR2、第3リングギヤR3および第4キャリアCA4から成り、第4回転要素RE4は第4リングギヤR4から成り、第5回転要素RE5は第2サンギヤS2から成っている。従って、これら回転要素を基にすれば、図36と図3とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図36の共線図の説明は割愛する。
図37は本発明の他の実施例の変速機150の構成を説明する骨子図であり、図38はその変速機150の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図39は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、前記図1乃至図3の他の実施例として示した図4乃至図6と同様に第2変速部158の構成において相違するが、他の構成および係合作動はその図1乃至図3に示す実施例と同様であり、その図1乃至図3に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、その相違する部分について説明する。
本実施例では、上記第2変速部158を構成している第2遊星歯車装置20、第3遊星歯車装置22および第4遊星歯車装置24はそれぞれはシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第2遊星歯車装置20は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.294」程度の所定のギヤ比ρ2を有している。第3遊星歯車装置22は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.556」程度の所定のギヤ比ρ3を有している。第4遊星歯車装置24は、第4サンギヤS4、第4遊星歯車P4、その第4遊星歯車P4を自転および公転可能に支持する第4キャリヤCA4、第4遊星歯車P4を介して第4サンギヤS4と噛み合う第4リングギヤR4を備えており、たとえば「0.370」程度の所定のギヤ比ρ4を有している。
上記第2変速部158においては、第3サンギヤS3と第4サンギヤS4とが一体的に連結されて第1クラッチC1を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第3クラッチC3を介して前記第2中間出力経路M2として機能する第1リングギヤR1に選択的に連結され、第2サンギヤS2は第2クラッチC2を介して第1中間出力経路M1に選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第3キャリアCA3と第4キャリアCA4とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力軸26に連結され、第2キャリアCA2と第4リングギヤR4とが一体的に連結されて第2ブレーキB2を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2リングギヤR2と第3リングギヤR3とが一体的に連結されて第4クラッチC4を介して第1リングギヤR1に選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機150では、たとえば、図2の係合作動表と同様である図38に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第1遊星歯車装置18の所定のギヤ比ρ1を「0.588」程度とすると、図1乃至図3に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。前記第1遊星歯車装置18のギヤ比ρ1、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ3、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρ4は、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図39の共線図の第2変速部158において左から順に、第1回転要素RE1は第3サンギヤS3および第4サンギヤS4から成り、第2回転要素RE2は第2サンギヤS2から成り、第3回転要素RE3は第3キャリアCA3および第4キャリアCA4から成り、第4回転要素RE4は第2キャリアCA2および第4リングギヤR4から成り、第5回転要素RE5は第2リングギヤR2および第3リングギヤR3から成っている。従って、これら回転要素を基にすれば、図39と図3とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図39の共線図の説明は割愛する。
上述のように、本実施例によれば、図1乃至図3の実施例中に述べた効果の他に、本実施例の中で特に第2変速部38、58、68、98を構成している第3遊星歯車装置22および第4遊星歯車装置24、または第2変速部148を構成している第2遊星歯車装置20および第3遊星歯車装置22はラビニヨ型の遊星歯車列とされているので、変速機10、50、60、90、140の部品点数や軸長が一層低減される。
図40は本発明の他の実施例の変速機160の構成を説明する骨子図であり、図41はその変速機160の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図42は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、第1変速部166の構成およびクラッチC1乃至C4の油圧式摩擦係合装置との連結が相違するが、他の構成および係合作動は前記図1乃至図3に示す実施例と同様であり、その図1乃至図3に示す実施例と同様の効果が得られる。すなわち、本実施例では図1乃至図3の実施例に対して第1変速部36を第1変速部166に換えたことが主な相違点である。以下に、その相違する部分について説明する。
本実施例では、上記第1変速部166を構成している第1遊星歯車装置18はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第1遊星歯車装置18は、第1サンギヤS1、互いに噛み合う複数対の第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、たとえば「0.370」程度の所定のギヤ比ρ1を有している。また、第1リングギヤR1は入力軸16と第1中間出力経路またはそれを構成する第1変速部166側の伝達部材M1とに連結され、第1サンギヤS1は回転不能にトランスミッションケース12に一体的に固定され、第1キャリアCA1は第2中間出力経路またはそれを構成する第1変速部166側の伝達部材M2に連結されて、第1変速部166は入力軸16の回転を上記第1中間出力経路M1とその第1中間出力経路に対して増速回転させられる上記第2中間出力経路M2とを介して第2変速部38へ出力する。
上記第2変速部38においては、第3クラッチC3或いは第4クラッチC4を介して選択的に連結される前記第2中間出力経路M2が第2中間出力経路M2として機能する第1キャリアCA1となるだけでその他の接続関係は図1乃至図3に示す実施例と同様である。
以上のように構成された変速機160では、たとえば、図2の係合作動表と同様である図41に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第2遊星歯車装置20の所定のギヤ比ρ2を「0.294」程度、第3遊星歯車装置22の所定のギヤ比ρ3を「0.318」程度、第4遊星歯車装置24の所定のギヤ比ρ4を「0.350」程度とすると、図1乃至図3に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。前記第1遊星歯車装置18のギヤ比ρ1、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ3、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρ4は、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図42の共線図の第1変速部166の各縦線は、左側から順番にサンギヤS1、リングギヤR1、キャリアCA1の各回転要素を表しており、第1遊星歯車装置18の3つの回転要素のうちの1つである第1リングギヤR1が入力軸(入力回転部材)16と第1中間出力経路M1とに連結され、他の1つである第1サンギヤS1がトランスミッションケース(非回転部材)12に回転不能に固定され、残りの1つである第1キャリアCA1が第2中間出力経路M2に連結されて、入力軸16の回転を上記第1中間出力経路M1とその第1中間出力経路に対して増速回転させられる上記第2中間出力経路M2(第1キャリアCA1)とを介して第2変速部38へ出力するように構成されている。従って、図42はこれら回転要素を基にすれば、図3とは第1変速部166の各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様である。
図43は本発明の他の実施例の変速機170の構成を説明する骨子図であり、図44はその変速機170の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図45は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、第1変速部166の構成およびクラッチC1乃至C4の油圧式摩擦係合装置との連結が相違するが、他の構成および係合作動は前記図7乃至図9に示す実施例と同様であり、その図7乃至図9に示す実施例と同様の効果が得られる。すなわち、本実施例では上記図40乃至図42の実施例と同様に図7乃至図9の実施例に対して第1変速部36を第1変速部166に換えたことが主な相違点である。従って本実施例では、たとえば図8の係合作動表と同様である図44に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第1遊星歯車装置18の所定のギヤ比ρ1を「0.370」程度、第2遊星歯車装置20の所定のギヤ比ρ2を「0.500」程度、第3遊星歯車装置22の所定のギヤ比ρ3を「0.318」程度、第4遊星歯車装置24の所定のギヤ比ρ4を「0.350」程度とすると、図7乃至図9に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、図45は図42と同様に回転要素を基にすれば、図9とは第1変速部166の各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様である。
図46は本発明の他の実施例の変速機180の構成を説明する骨子図であり、図47はその変速機180の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図48は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、第1変速部166の構成およびクラッチC1乃至C4の油圧式摩擦係合装置との連結が相違するが、他の構成および係合作動は前記図10至図12に示す実施例と同様であり、その図10乃至図12に示す実施例と同様の効果が得られる。すなわち、本実施例では前記図40乃至図42の実施例と同様に図10乃至図12の実施例に対して第1変速部36を第1変速部166に換えたことが主な相違点である。従って本実施例では、たとえば図11の係合作動表と同様である図47に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第1遊星歯車装置18の所定のギヤ比ρ1を「0.370」程度、第2遊星歯車装置20の所定のギヤ比ρ2を「0.500」程度、第3遊星歯車装置22の所定のギヤ比ρ3を「0.412」程度、第4遊星歯車装置24の所定のギヤ比ρ4を「0.350」程度とすると、図10乃至図12に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、図48は図42と同様に回転要素を基にすれば、図12とは第1変速部166の各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様である。
図49は本発明の他の実施例の変速機190の構成を説明する骨子図であり、図50はその変速機190の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図51は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、第1変速部166の構成およびクラッチC1乃至C4の油圧式摩擦係合装置との連結が相違するが、他の構成および係合作動は前記図13至図15に示す実施例と同様であり、その図13乃至図15に示す実施例と同様の効果が得られる。すなわち、本実施例では前記図40乃至図42の実施例と同様に図13乃至図15の実施例に対して第1変速部36を第1変速部166に換えたことが主な相違点である。従って本実施例では、たとえば図14の係合作動表と同様である図50に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第1遊星歯車装置18の所定のギヤ比ρ1を「0.370」程度、第2遊星歯車装置20の所定のギヤ比ρ2を「0.459」程度、第3遊星歯車装置22の所定のギヤ比ρ3を「0.294」程度、第4遊星歯車装置24の所定のギヤ比ρ4を「0.350」程度とすると、図13乃至図15に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、図51は図42と同様に回転要素を基にすれば、図15とは第1変速部166の各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様である。
図52は本発明の他の実施例の変速機200の構成を説明する骨子図であり、図53はその変速機200の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図54は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、第1変速部166の構成およびクラッチC1乃至C4の油圧式摩擦係合装置との連結が相違するが、他の構成および係合作動は前記図16至図18に示す実施例と同様であり、その図16乃至図18に示す実施例と同様の効果が得られる。すなわち、本実施例では前記図40乃至図42の実施例と同様に図16乃至図18の実施例に対して第1変速部36を第1変速部166に換えたことが主な相違点である。従って本実施例では、たとえば図17の係合作動表と同様である図53に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第1遊星歯車装置18の所定のギヤ比ρ1を「0.370」程度、第2遊星歯車装置20の所定のギヤ比ρ2を「0.500」程度、第3遊星歯車装置22の所定のギヤ比ρ3を「0.459」程度、第4遊星歯車装置24の所定のギヤ比ρ4を「0.350」程度とすると、図16乃至図18に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、図54は図42と同様に回転要素を基にすれば、図18とは第1変速部166の各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様である。
図55は本発明の他の実施例の変速機210の構成を説明する骨子図であり、図56はその変速機210の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図57は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、第1変速部166の構成およびクラッチC1乃至C4の油圧式摩擦係合装置との連結が相違するが、他の構成および係合作動は前記図19至図21に示す実施例と同様であり、その図19乃至図21に示す実施例と同様の効果が得られる。すなわち、本実施例では前記図40乃至図42の実施例と同様に図19乃至図21の実施例に対して第1変速部36を第1変速部166に換えたことが主な相違点である。従って本実施例では、たとえば図20の係合作動表と同様である図56に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第1遊星歯車装置18の所定のギヤ比ρ1を「0.370」程度、第2遊星歯車装置20の所定のギヤ比ρ2を「0.294」程度、第3遊星歯車装置22の所定のギヤ比ρ3を「0.412」程度、第4遊星歯車装置24の所定のギヤ比ρ4を「0.350」程度とすると、図19乃至図21に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、図57は図42と同様に回転要素を基にすれば、図21とは第1変速部166の各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様である。
図58は本発明の他の実施例の変速機220の構成を説明する骨子図であり、図59はその変速機220の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図60は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、第1変速部166の構成およびクラッチC1乃至C4の油圧式摩擦係合装置との連結が相違するが、他の構成および係合作動は前記図22至図24に示す実施例と同様であり、その図22乃至図24に示す実施例と同様の効果が得られる。すなわち、本実施例では前記図40乃至図42の実施例と同様に図22乃至図24の実施例に対して第1変速部36を第1変速部166に換えたことが主な相違点である。従って本実施例では、たとえば図23の係合作動表と同様である図59に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第1遊星歯車装置18の所定のギヤ比ρ1を「0.370」程度、第2遊星歯車装置20の所定のギヤ比ρ2を「0.500」程度、第3遊星歯車装置22の所定のギヤ比ρ3を「0.370」程度、第4遊星歯車装置24の所定のギヤ比ρ4を「0.350」程度とすると、図22乃至図24に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、図60は図42と同様に回転要素を基にすれば、図24とは第1変速部166の各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様である。
図61は本発明の他の実施例の変速機230の構成を説明する骨子図であり、図62はその変速機230の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図63は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、第1変速部166の構成およびクラッチC1乃至C4の油圧式摩擦係合装置との連結が相違するが、他の構成および係合作動は前記図25至図27に示す実施例と同様であり、その図25乃至図27に示す実施例と同様の効果が得られる。すなわち、本実施例では前記図40乃至図42の実施例と同様に図25乃至図27の実施例に対して第1変速部36を第1変速部166に換えたことが主な相違点である。従って本実施例では、たとえば図26の係合作動表と同様である図62に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第1遊星歯車装置18の所定のギヤ比ρ1を「0.370」程度、第2遊星歯車装置20の所定のギヤ比ρ2を「0.556」程度、第3遊星歯車装置22の所定のギヤ比ρ3を「0.500」程度、第4遊星歯車装置24の所定のギヤ比ρ4を「0.350」程度とすると、図25乃至図27に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、図63は図42と同様に回転要素を基にすれば、図27とは第1変速部166の各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様である。
図64は本発明の他の実施例の変速機240の構成を説明する骨子図であり、図65はその変速機240の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図66は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、第1変速部166の構成およびクラッチC1乃至C4の油圧式摩擦係合装置との連結が相違するが、他の構成および係合作動は前記図28至図30に示す実施例と同様であり、その図28乃至図30に示す実施例と同様の効果が得られる。すなわち、本実施例では前記図40乃至図42の実施例と同様に図28乃至図30の実施例に対して第1変速部36を第1変速部166に換えたことが主な相違点である。従って本実施例では、たとえば図29の係合作動表と同様である図65に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第1遊星歯車装置18の所定のギヤ比ρ1を「0.370」程度、第2遊星歯車装置20の所定のギヤ比ρ2を「0.500」程度、第3遊星歯車装置22の所定のギヤ比ρ3を「0.467」程度、第4遊星歯車装置24の所定のギヤ比ρ4を「0.350」程度とすると、図28乃至図30に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、図66は図42と同様に回転要素を基にすれば、図30とは第1変速部166の各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様である。
図67は本発明の他の実施例の変速機250の構成を説明する骨子図であり、図68はその変速機250の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図69は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、第1変速部166の構成およびクラッチC1乃至C4の油圧式摩擦係合装置との連結が相違するが、他の構成および係合作動は前記図31至図33に示す実施例と同様であり、その図31乃至図33に示す実施例と同様の効果が得られる。すなわち、本実施例では前記図40乃至図42の実施例と同様に図31乃至図33の実施例に対して第1変速部36を第1変速部166に換えたことが主な相違点である。従って本実施例では、たとえば図32の係合作動表と同様である図68に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第1遊星歯車装置18の所定のギヤ比ρ1を「0.370」程度、第2遊星歯車装置20の所定のギヤ比ρ2を「0.294」程度、第3遊星歯車装置22の所定のギヤ比ρ3を「0.500」程度、第4遊星歯車装置24の所定のギヤ比ρ4を「0.350」程度とすると、図31乃至図33に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、図69は図42と同様に回転要素を基にすれば、図33とは第1変速部166の各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様である。
図70は本発明の他の実施例の変速機260の構成を説明する骨子図であり、図71はその変速機260の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図72は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、第1変速部266の構成およびクラッチC1乃至C4の油圧式摩擦係合装置との連結が相違するが、他の構成および係合作動は前記図1乃至図3に示す実施例と同様であり、その図1乃至図3に示す実施例と同様の効果が得られる。すなわち、本実施例では図1乃至図3の実施例に対して第1変速部36を第1変速部266に換えたことが主な相違点である。以下に、その相違する部分について説明する。
本実施例では、上記第1変速部266を構成している第1遊星歯車装置18はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第1遊星歯車装置18は、第1サンギヤS1、互いに噛み合う複数対の第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を備えており、たとえば「0.630」程度の所定のギヤ比ρ1を有している。また、第1リングギヤR1は入力軸16と第1中間出力経路またはそれを構成する第1変速部266側の伝達部材M1とに連結され、第1キャリアCA1は回転不能にトランスミッションケース12に一体的に固定され、第1サンギヤS1は第2中間出力経路またはそれを構成する第1変速部266側の伝達部材M2に連結されて、第1変速部266は入力軸16の回転を上記第1中間出力経路M1とその第1中間出力経路に対して増速回転させられる上記第2中間出力経路M2とを介して第2変速部38へ出力する。
上記第2変速部38においては、第3クラッチC3或いは第4クラッチC4を介して選択的に連結される前記第2中間出力経路M2が第2中間出力経路M2として機能する第1サンギヤS1となるだけでその他の接続関係は図1乃至図3に示す実施例と同様である。
以上のように構成された変速機260では、たとえば、図2の係合作動表と同様である図71に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第2遊星歯車装置20の所定のギヤ比ρ2を「0.294」程度、第3遊星歯車装置22の所定のギヤ比ρ3を「0.318」程度、第4遊星歯車装置24の所定のギヤ比ρ4を「0.350」程度とすると、図1乃至図3に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。前記第1遊星歯車装置18のギヤ比ρ1、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ3、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρ4は、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図72の共線図の第1変速部266の各縦線は、左側から順番にキャリアCA1、リングギヤR1、サンギヤS1の各回転要素を表しており、第1遊星歯車装置18の3つの回転要素のうちの1つである第1リングギヤR1が入力軸(入力回転部材)16と第1中間出力経路M1とに連結され、他の1つである第1キャリアCA1がトランスミッションケース(非回転部材)12に回転不能に固定され、残りの1つである第1サンギヤS1が第2中間出力経路M2に連結されて、入力軸16の回転を上記第1中間出力経路M1とその第1中間出力経路に対して増速回転させられる上記第2中間出力経路M2(第1サンギヤS1)とを介して第2変速部38へ出力するように構成されている。従って、図72はこれら回転要素を基にすれば、図3とは第1変速部266の各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様である。
図73は本発明の他の実施例の変速機270の構成を説明する骨子図であり、図74はその変速機270の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図75は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、第1変速部266の構成およびクラッチC1乃至C4の油圧式摩擦係合装置との連結が相違するが、他の構成および係合作動は前記図7乃至図9に示す実施例と同様であり、その図7乃至図9に示す実施例と同様の効果が得られる。すなわち、本実施例では上記図70乃至図72の実施例と同様に図7乃至図9の実施例に対して第1変速部36を第1変速部266に換えたことが主な相違点である。従って本実施例では、たとえば図8の係合作動表と同様である図74に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第1遊星歯車装置18の所定のギヤ比ρ1を「0.630」程度、第2遊星歯車装置20の所定のギヤ比ρ2を「0.500」程度、第3遊星歯車装置22の所定のギヤ比ρ3を「0.318」程度、第4遊星歯車装置24の所定のギヤ比ρ4を「0.350」程度とすると、図7乃至図9に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、図75は図72と同様に回転要素を基にすれば、図9とは第1変速部266の各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様である。
図76は本発明の他の実施例の変速機280の構成を説明する骨子図であり、図77はその変速機280の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図78は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、第1変速部266の構成およびクラッチC1乃至C4の油圧式摩擦係合装置との連結が相違するが、他の構成および係合作動は前記図10至図12に示す実施例と同様であり、その図10乃至図12に示す実施例と同様の効果が得られる。すなわち、本実施例では前記図70乃至図72の実施例と同様に図10乃至図12の実施例に対して第1変速部36を第1変速部266に換えたことが主な相違点である。従って本実施例では、たとえば図11の係合作動表と同様である図77に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第1遊星歯車装置18の所定のギヤ比ρ1を「0.630」程度、第2遊星歯車装置20の所定のギヤ比ρ2を「0.500」程度、第3遊星歯車装置22の所定のギヤ比ρ3を「0.412」程度、第4遊星歯車装置24の所定のギヤ比ρ4を「0.350」程度とすると、図10乃至図12に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、図78は図72と同様に回転要素を基にすれば、図12とは第1変速部266の各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様である。
図79は本発明の他の実施例の変速機290の構成を説明する骨子図であり、図80はその変速機290の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図81は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、第1変速部266の構成およびクラッチC1乃至C4の油圧式摩擦係合装置との連結が相違するが、他の構成および係合作動は前記図13至図15に示す実施例と同様であり、その図13乃至図15に示す実施例と同様の効果が得られる。すなわち、本実施例では前記図70乃至図72の実施例と同様に図13乃至図15の実施例に対して第1変速部36を第1変速部266に換えたことが主な相違点である。従って本実施例では、たとえば図14の係合作動表と同様である図80に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第1遊星歯車装置18の所定のギヤ比ρ1を「0.630」程度、第2遊星歯車装置20の所定のギヤ比ρ2を「0.459」程度、第3遊星歯車装置22の所定のギヤ比ρ3を「0.294」程度、第4遊星歯車装置24の所定のギヤ比ρ4を「0.350」程度とすると、図13乃至図15に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、図81は図72と同様に回転要素を基にすれば、図15とは第1変速部266の各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様である。
図82は本発明の他の実施例の変速機300の構成を説明する骨子図であり、図83はその変速機300の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図84は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、第1変速部266の構成およびクラッチC1乃至C4の油圧式摩擦係合装置との連結が相違するが、他の構成および係合作動は前記図16至図18に示す実施例と同様であり、その図16乃至図18に示す実施例と同様の効果が得られる。すなわち、本実施例では前記図70乃至図72の実施例と同様に図16乃至図18の実施例に対して第1変速部36を第1変速部266に換えたことが主な相違点である。従って本実施例では、たとえば図17の係合作動表と同様である図83に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第1遊星歯車装置18の所定のギヤ比ρ1を「0.630」程度、第2遊星歯車装置20の所定のギヤ比ρ2を「0.500」程度、第3遊星歯車装置22の所定のギヤ比ρ3を「0.459」程度、第4遊星歯車装置24の所定のギヤ比ρ4を「0.350」程度とすると、図16乃至図18に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、図84は図72と同様に回転要素を基にすれば、図18とは第1変速部266の各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様である。
図85は本発明の他の実施例の変速機310の構成を説明する骨子図であり、図86はその変速機310の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図87は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、第1変速部266の構成およびクラッチC1乃至C4の油圧式摩擦係合装置との連結が相違するが、他の構成および係合作動は前記図19至図21に示す実施例と同様であり、その図19乃至図21に示す実施例と同様の効果が得られる。すなわち、本実施例では前記図70乃至図72の実施例と同様に図19乃至図21の実施例に対して第1変速部36を第1変速部266に換えたことが主な相違点である。従って本実施例では、たとえば図20の係合作動表と同様である図86に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第1遊星歯車装置18の所定のギヤ比ρ1を「0.630」程度、第2遊星歯車装置20の所定のギヤ比ρ2を「0.294」程度、第3遊星歯車装置22の所定のギヤ比ρ3を「0.412」程度、第4遊星歯車装置24の所定のギヤ比ρ4を「0.350」程度とすると、図19乃至図21に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、図87は図72と同様に回転要素を基にすれば、図21とは第1変速部266の各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様である。
図88は本発明の他の実施例の変速機320の構成を説明する骨子図であり、図89はその変速機320の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図90は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、第1変速部266の構成およびクラッチC1乃至C4の油圧式摩擦係合装置との連結が相違するが、他の構成および係合作動は前記図22至図24に示す実施例と同様であり、その図22乃至図24に示す実施例と同様の効果が得られる。すなわち、本実施例では前記図70乃至図72の実施例と同様に図22乃至図24の実施例に対して第1変速部36を第1変速部266に換えたことが主な相違点である。従って本実施例では、たとえば図23の係合作動表と同様である図89に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第1遊星歯車装置18の所定のギヤ比ρ1を「0.630」程度、第2遊星歯車装置20の所定のギヤ比ρ2を「0.500」程度、第3遊星歯車装置22の所定のギヤ比ρ3を「0.370」程度、第4遊星歯車装置24の所定のギヤ比ρ4を「0.350」程度とすると、図22乃至図24に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、図90は図72と同様に回転要素を基にすれば、図24とは第1変速部266の各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様である。
図91は本発明の他の実施例の変速機330の構成を説明する骨子図であり、図92はその変速機330の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図93は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、第1変速部266の構成およびクラッチC1乃至C4の油圧式摩擦係合装置との連結が相違するが、他の構成および係合作動は前記図25至図27に示す実施例と同様であり、その図25乃至図27に示す実施例と同様の効果が得られる。すなわち、本実施例では前記図70乃至図72の実施例と同様に図25乃至図27の実施例に対して第1変速部36を第1変速部266に換えたことが主な相違点である。従って本実施例では、たとえば図26の係合作動表と同様である図92に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第1遊星歯車装置18の所定のギヤ比ρ1を「0.630」程度、第2遊星歯車装置20の所定のギヤ比ρ2を「0.556」程度、第3遊星歯車装置22の所定のギヤ比ρ3を「0.500」程度、第4遊星歯車装置24の所定のギヤ比ρ4を「0.350」程度とすると、図25乃至図27に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、図93は図72と同様に回転要素を基にすれば、図27とは第1変速部266の各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様である。
図94は本発明の他の実施例の変速機340の構成を説明する骨子図であり、図95はその変速機340の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図96は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、第1変速部266の構成およびクラッチC1乃至C4の油圧式摩擦係合装置との連結が相違するが、他の構成および係合作動は前記図28至図30に示す実施例と同様であり、その図28乃至図30に示す実施例と同様の効果が得られる。すなわち、本実施例では前記図70乃至図72の実施例と同様に図28乃至図30の実施例に対して第1変速部36を第1変速部266に換えたことが主な相違点である。従って本実施例では、たとえば図29の係合作動表と同様である図95に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第1遊星歯車装置18の所定のギヤ比ρ1を「0.630」程度、第2遊星歯車装置20の所定のギヤ比ρ2を「0.500」程度、第3遊星歯車装置22の所定のギヤ比ρ3を「0.467」程度、第4遊星歯車装置24の所定のギヤ比ρ4を「0.350」程度とすると、図28乃至図30に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、図96は図72と同様に回転要素を基にすれば、図30とは第1変速部266の各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様である。
図97は本発明の他の実施例の変速機350の構成を説明する骨子図であり、図98はその変速機350の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図99は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、第1変速部266の構成およびクラッチC1乃至C4の油圧式摩擦係合装置との連結が相違するが、他の構成および係合作動は前記図31至図33に示す実施例と同様であり、その図31乃至図33に示す実施例と同様の効果が得られる。すなわち、本実施例では前記図70乃至図72の実施例と同様に図31乃至図33の実施例に対して第1変速部36を第1変速部266に換えたことが主な相違点である。従って本実施例では、たとえば図32の係合作動表と同様である図98に示されるように、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、たとえば第1遊星歯車装置18の所定のギヤ比ρ1を「0.630」程度、第2遊星歯車装置20の所定のギヤ比ρ2を「0.294」程度、第3遊星歯車装置22の所定のギヤ比ρ3を「0.500」程度、第4遊星歯車装置24の所定のギヤ比ρ4を「0.350」程度とすると、図31乃至図33に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。また、図99は図72と同様に回転要素を基にすれば、図33とは第1変速部266の各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様である。
図100は本発明の他の実施例の変速機360の構成を説明する骨子図であり、図101はその変速機360の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図102は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、出力軸26が出力歯車28に変更されている点および第1変速部366の構成が相違するが、他の構成および係合作動は前記図1乃至図3に示す実施例と同様であり、その図1乃至図3に示す実施例と同様の効果が得られる。すなわち、本実施例では図1乃至図3の実施例に対して第1変速部36を第1変速部366に換えたことが主な相違点である。以下に、その相違する部分について説明する。
図100において、変速機360は車体に取り付けられるトランスミッションケース12内において、そのトランスミッションケース12に回転可能に固定され且つ互いに平行に配置される第1軸32および第2軸34と2組の動力伝達部材としての第1カウンタギヤ対CG1および第2カウンタギヤ対CG2である2組のカウンタギヤ対を主体として構成されている第1変速部366と第2遊星歯車装置20、第3遊星歯車装置22、および第4遊星歯車装置24の3組の遊星歯車装置を主体として構成されている第2変速部38とを備え、上記第1軸32の回転中心である第1軸心32cには流体伝動装置としてのロックアップクラッチ13付のトルクコンバータ14、このトルクコンバータ14に連結された入力軸16、その入力軸16に連結された第1軸32に固定された上記第1カウンタギヤ対CG1の一方であるドライブギヤCG1A、および上記第2カウンタギヤ対CG2の一方であるドライブギヤCG2Aが同心に配設され、上記第2軸34の回転中心である第2軸心34cには第2軸34まわりに回転可能に備えられた上記第1カウンタギヤ対CG1の他方であるドリブンギヤCG1B、上記第2カウンタギヤ対CG2の他方であるドリブンギヤCG2B、上記第2遊星歯車装置20、上記第3遊星歯車装置22、上記第4遊星歯車装置24、および出力歯車28が同心に配設されている。この変速機360は、車両において特に横置きされるFF用或いはRR用自動変速機として好適に用いられるものであり、駆動力源たとえばエンジン8と図示しない駆動輪との間に設けられ、エンジン8の出力を駆動輪に伝達する。本実施例では、上記入力軸16および出力歯車28が入力回転部材および出力回転部材に対応し、上記トランスミッションケース12が非回転部材に対応している。また、入力軸16と入力軸16に連結される第1軸32とは実質的には同一のものであり、第1軸32の回転は入力回転部材である入力軸16の回転であるともいえる。また、上記トルクコンバータ14はエンジン8のクランク軸9に作動的に連結され、エンジン8の動力を入力軸16へ出力する。すなわちトルクコンバータ14の出力側回転部材であるタービン軸に連結される入力軸16はエンジン8により第1軸心32cまわりに回転駆動されることになり、このトルクコンバータ14のタービン軸も入力回転部材に相当することになる。また、上記出力歯車28はたとえば差動歯車装置30の大径歯車とかみ合わせられていてその差動歯車装置30等を介して左右の駆動輪を回転駆動する。
ここで、図100を参照して変速機360を構成する各装置の配置(レイアウト)を詳しく説明する。第1変速部366は第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2とが可及的に隣接するように並列に、且つ第1軸心32cおよび第2軸心34c上において第2遊星歯車装置20、第3遊星歯車装置22および第4遊星歯車装置24よりもエンジン8に遠い位置に配置される。すなわち前記トルクコンバータ14、入力軸16および第2変速部38は第1軸心32c或いは第2軸心34上において第1変速部366よりもエンジン8側となる位置に配置される。また、たとえば入力軸16と第1軸32とを合わせた軸長が第2軸34の軸長程度とされている。また、この第1変速部366を構成する第2カウンタギヤ対CG2は第1カウンタギヤ対CG1よりエンジン8側に配置され、第2変速部38においては第2軸心34c上に第1変速部366からエンジン8側へ順次第2遊星歯車装置20、第3遊星歯車装置22、第4遊星歯車装置24さらに出力歯車28となるように配置されている。この第2変速部38の配置は変速機10の第2変速部38の配置に対して、図に向かって左右反転させた位置関係となっている。また、クラッチC1乃至クラッチC4の各係合装置が第2変速部38と第1カウンタギヤ対CG1或いは第2カウンタギヤ対CG2との間に配置されている。このようにすると、一軸心上に4つの遊星歯車装置を用いる場合に比較して変速機360の軸方向の寸法が短くなりFF車両或いはRR車両の横置きでの搭載が有利になる。また、本実施例ではクラッチC1乃至クラッチC4およびブレーキB1、B2が第2軸心34cの軸端或いはトランスミッションケース12の外側に集中しているので油圧経路の取り回しが容易になる。特に、クラッチC1乃至クラッチC4と第1変速部366との連結が容易になる。また、第1変速部366とトルクコンバータ14との間の第1軸心32c上の空き空間にオイルポンプや油圧式摩擦係合装置の油圧制御回路の弁本体等を配置することができて、変速機360の油路の連結が容易になり、またたとえばエンジン8によって回転駆動される機械式オイルポンプがエンジン8の近くに配置されることになるので、その機械式オイルポンプの作動が有利になる(効率がよくなる)。
上記第1変速部366を構成している第1カウンタギヤ対CG1および第2カウンタギヤ対CG2は、よく知られた平行軸式変速機のカウンターギヤと同様に第1軸32上に第1ドライブギヤCG1Aおよび第2ドライブギヤCG2A、第2軸心34c上に第1ドリブンギヤCG1Bおよび第2ドリブンギヤCG2Bを備え、第1ドライブギヤCG1Aと第1ドリブンギヤCG1Bとが、および第2ドライブギヤCG2Aと第2ドリブンギヤCG2Bとが常時噛み合わされたギヤ対から構成されている。そしてこれら2組のカウンタギヤ対は第1軸32に入力された入力回転部材の回転を第2軸心34c上の第2変速部38へ伝達する2組の動力伝達部材として機能するものであり、第1カウンタギヤ対CG1によってドライブ−ドリブン経路である第1中間出力経路M1、および第2カウンタギヤ対CG2によって同じくドライブ−ドリブン経路である第2中間出力経路M2が構成され、第1変速部366はその2つの出力経路である第1中間出力経路M1および第2中間出力経路M2を介して互いに異なる2つの回転を第2変速部38へ伝達するものである。これら第1ドライブギヤCG1Aおよび第2ドライブギヤCG2Aはそれぞれ第1中間出力経路M1を第1軸32側で構成する第1ドライブ部材および前記第2中間出力経路M2を第1軸32側で構成する第2ドライブ部材であり、第1ドリブンギヤCG1Bおよび第2ドリブンギヤCG2Bはそれぞれ第1中間出力経路M1を第2軸心34c側で構成する第1ドリブン部材および第2中間出力経路M2を第2軸心34c側で構成する第2ドリブン部材である。たとえば、第1カウンタギヤ対CG1の減速比(=ドライブギヤCG1Aの回転速度/ドリブンギヤCG1Bの回転速度)を「1.000」程度、第2カウンタギヤ対CG2の減速比(=ドライブギヤCG2Aの回転速度/ドリブンギヤCG2Bの回転速度)を「0.630」程度とすれば、第1変速部366は入力軸16すなわち第1軸32の回転を上記第1中間出力経路M1とその第1中間出力経路に対して増速回転となる上記第2中間出力経路M2とで第2変速部38へ伝達(出力)することになる。本実施例では、第1カウンタギヤ対CG1の減速比を「1.000」程度として第1中間出力経路M1は入力軸16の回転速度とされたが、この第1中間出力経路M1は必ずしも入力軸16の回転速度とされる必要はない。
上記第2変速部38においては、第1クラッチC1或いは第2クラッチC2を介して選択的に連結される前記第1中間出力経路M1が第1中間出力経路M1として機能するドリブンギヤCG1Bとなり、第3クラッチC3或いは第4クラッチC4を介して選択的に連結される前記第2中間出力経路M2が第2中間出力経路M2として機能するドリブンギヤCG2Bとなる点が前記変速機10の第2変速部38と相違するだけであるので、変速機360の第2変速部38のその他の説明は割愛する。
以上のように構成された変速機360では、たとえば、図2の係合作動表と同様である図101に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、図1乃至図3に示す実施例と同様に略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ3、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρ4は、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図102に示す共線図は、第1変速部366において図3に示した共線図の第1変速部36における第1遊星歯車装置18の回転要素を表す縦線が入力軸16に連結されるカウンタギヤ対CG1およびCG2を表す縦線に変更されるだけであり、図102の第2変速部38においては図3に示した共線図の第2変速部38と同様である。
上記共線図を利用して表現すれば、本実施例の変速機360は、第1変速部366において、入力軸16の回転(第1軸32の回転)を第1中間出力経路M1とその第1中間出力経路M1に対して増速回転させられる上記第2中間出力経路M2とを介して第2変速部38へ出力するように構成される。第2変速部38においては、図3に示した共線図の第2変速部38と同様である。従って、図102と図3とは第1変速部の構成において相違するのみであり各ギヤ段の回転速度を示すものとしては同様であるので、この図102の共線図のその他の説明は割愛する。
上述のように、本実施例の変速機360では図1乃至図3に示す実施例と同様の効果が得られる他に、第2軸34上配置される遊星歯車装置は3組であるので、たとえば1軸上に4つの遊星歯車装置を用いる場合に比較して全長すなわち軸方向の寸法を短縮できてFF車両やRR車両の横置きに好適に用いることができる前進多段が可能な車両用遊星歯車式多段変速機が得られる。
図103は本発明の他の実施例の変速機370の構成を説明する骨子図であり、図104はその変速機370の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図105は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、第1軸心32c上における第1変速部366とトルクコンバータ14との相対的な位置関係(レイアウト)が相違する点を除けば他の構成および係合作動は前記図100乃至図102に示す実施例と同様である。以下に、その相違する部分について説明する。
本実施例の変速機370では、図103に示すように入力軸16の軸長が図100に示す変速機360の場合に比較して十分短く、たとえば入力軸16の軸長が第2軸34よりも大幅に短くされて第1軸心32cのトルクコンバータ14側の延長線上に空き空間ができる。この空間は変速機370の他の装置たとえばエンジン8等の搭載空間とすることができ、変速機370の車両搭載上有利になる。また、図104の係合作動表および図105の共線図は図101の係合作動表および図102の共線図と同様であるのでここではそれらの説明は割愛する。
図106は本発明の他の実施例の変速機380の構成を説明する骨子図であり、図107はその変速機380の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図108は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、第1変速部386を構成する第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2との位置関係および第2変速部48の各装置の構成が相違する点を除けば図100に示した変速機360と同様であり、図100乃至図102に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機380と変速機360との相違する部分について説明する。
本実施例の第1変速部386を構成する第1カウンタギヤ対CG1は第2カウンタギヤ対CG2よりエンジン8側に配置される。また第2変速部48は図4に示した変速機40の第2変速部48と図に向かって左右が反転しているだけで同様のものであるので、この第2変速部48の説明は割愛する。
以上のように構成された変速機380では、たとえば、図101の係合作動表と同様である図107に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ3、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρ4は、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図108の共線図において、第2変速部48の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応する第3サンギヤS3を、第2回転要素RE2に対応し且つ相互に連結された第2キャリアCA2、第3キャリアCA3および第4リングギヤR4を、第3回転要素RE3に対応し且つ相互に連結された第2リングギヤR2、第3リングギヤR3および第4キャリアCA4を、第4回転要素RE4に対応する第2サンギヤS2を、第5回転要素RE5に対応する第4サンギヤS4をそれぞれ表している。従って、これら回転要素を基にすれば、図108と図102とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図108の共線図の説明は割愛する。
図109は本発明の他の実施例の変速機390の構成を説明する骨子図であり、図110はその変速機390の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図111は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、第2変速部58の各装置の構成が相違する点を除けば図100に示した変速機360と同様であり、図100乃至図102に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機390と変速機360との相違する部分について説明する。
本実施例の第2変速部58は図7に示した変速機50の第2変速部58と図に向かって左右が反転しているだけで同様のものであるので、この第2変速部58の説明は割愛する。
以上のように構成された変速機390では、たとえば、図101の係合作動表と同様である図110に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ3、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρ4は、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図111の共線図において、第2変速部58の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応する第4サンギヤS4を、第2回転要素RE2に対応し且つ相互に連結された第3キャリアCA3および第4キャリアCA4を、第3回転要素RE3に対応し且つ相互に連結された第2サンギヤS2、第3リングギヤR3および第4リングギヤR4を、第4回転要素RE4に対応する第2キャリアCA2を、第5回転要素RE5に対応し且つ相互に連結された第2リングギヤR2および第3サンギヤS3をそれぞれ表している。従って、これら回転要素を基にすれば、図111と図102とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図111の共線図の説明は割愛する。
図112は本発明の他の実施例の変速機400の構成を説明する骨子図であり、図113はその変速機400の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図114は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、第2変速部68の各装置の構成が相違する点を除けば図100に示した変速機360と同様であり、図100乃至図102に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機400と変速機360との相違する部分について説明する。
本実施例の第2変速部68は図10に示した変速機60の第2変速部68と図に向かって左右が反転しているだけで同様のものであるので、この第2変速部68の説明は割愛する。
以上のように構成された変速機400では、たとえば、図101の係合作動表と同様である図113に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ3、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρ4は、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図114の共線図において、第2変速部68の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応する第4サンギヤS4を、第2回転要素RE2に対応し且つ相互に連結された第3キャリアCA3および第4キャリアCA4を、第3回転要素RE3に対応し且つ相互に連結された第2サンギヤS2、第3リングギヤR3および第4リングギヤR4を、第4回転要素RE4に対応し且つ相互に連結された第2キャリアCA2および第3サンギヤS3を、第5回転要素RE5に対応する第2リングギヤR2をそれぞれ表している。従って、これら回転要素を基にすれば、図114と図102とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図114の共線図の説明は割愛する。
図115は本発明の他の実施例の変速機410の構成を説明する骨子図であり、図116はその変速機410の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図117は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、第2変速部78の各装置の構成が相違する点を除けば図100に示した変速機360と同様であり、図100乃至図102に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機410と変速機360との相違する部分について説明する。
本実施例の第2変速部78は図13に示した変速機70の第2変速部78と図に向かって左右が反転しているだけで同様のものであるので、この第2変速部78の説明は割愛する。
以上のように構成された変速機410では、たとえば、図101の係合作動表と同様である図116に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ3、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρ4は、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図117の共線図において、第2変速部78の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応し且つ相互に連結された第2サンギヤS2および第4サンギヤS4を、第2回転要素RE2に対応し且つ相互に連結された第2リングギヤR2、第3サンギヤS3および第4キャリアCA4を、第3回転要素RE3に対応する第4リングギヤR4を、第4回転要素RE4に対応し且つ相互に連結された第2キャリアCA2および第3キャリアCA3を、第5回転要素RE5に対応する第3リングギヤR3をそれぞれ表している。従って、これら回転要素を基にすれば、図117と図102とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図117の共線図の説明は割愛する。
図118は本発明の他の実施例の変速機420の構成を説明する骨子図であり、図119はその変速機420の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図120は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、第2変速部88の各装置の構成が相違する点を除けば図100に示した変速機360と同様であり、図100乃至図102に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機420と変速機360との相違する部分について説明する。
本実施例の第2変速部88は図16に示した変速機80の第2変速部88と図に向かって左右が反転しているだけで同様のものであるので、この第2変速部88の説明は割愛する。
以上のように構成された変速機420では、たとえば、図101の係合作動表と同様である図119に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ3、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρ4は、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図120の共線図において、第2変速部88の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応し且つ相互に連結された第3サンギヤS3および第4サンギヤS4を、第2回転要素RE2に対応し且つ相互に連結された第3リングギヤR3および第4キャリアCA4を、第3回転要素RE3に対応し且つ相互に連結された第2サンギヤS2および第4リングギヤR4を、第4回転要素RE4に対応し且つ相互に連結された第2キャリアCA2および第3キャリアCA3を、第5回転要素RE5に対応する第2リングギヤR2をそれぞれ表している。従って、これら回転要素を基にすれば、図120と図102とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図120の共線図の説明は割愛する。
図121は本発明の他の実施例の変速機430の構成を説明する骨子図であり、図122はその変速機430の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図123は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、第2変速部98の各装置の構成が相違する点を除けば図100に示した変速機360と同様であり、図100乃至図102に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機430と変速機360との相違する部分について説明する。
本実施例の第2変速部98は図19に示した変速機90の第2変速部98と図に向かって左右が反転しているだけで同様のものであるので、この第2変速部98の説明は割愛する。
以上のように構成された変速機430では、たとえば、図101の係合作動表と同様である図122に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ3、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρ4は、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図123の共線図において、第2変速部98の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応する第4サンギヤS4を、第2回転要素RE2に対応し且つ相互に連結された第2サンギヤS2、第3キャリアCA3および第4キャリアCA4を、第3回転要素RE3に対応し且つ相互に連結された第3リングギヤR3および第4リングギヤR4を、第4回転要素RE4に対応し且つ相互に連結された第2キャリアCA2および第3サンギヤS3を、第5回転要素RE5に対応する第2リングギヤR2をそれぞれ表している。従って、これら回転要素を基にすれば、図123と図102とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図123の共線図の説明は割愛する。
図124は本発明の他の実施例の変速機440の構成を説明する骨子図であり、図125はその変速機440の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図126は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、第2変速部108の各装置の構成が相違する点を除けば図100に示した変速機360と同様であり、図100乃至図102に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機440と変速機360との相違する部分について説明する。
本実施例の第2変速部108は図22に示した変速機100の第2変速部108と図に向かって左右が反転しているだけで同様のものであるので、この第2変速部108の説明は割愛する。
以上のように構成された変速機440では、たとえば、図101の係合作動表と同様である図125に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ3、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρ4は、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図126の共線図において、第2変速部108の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応し且つ相互に連結された第3サンギヤS3および第4サンギヤS4を、第2回転要素RE2に対応する第4キャリアCA4を、第3回転要素RE3に対応し且つ相互に連結された第2サンギヤS2、第3キャリアCA3および第4リングギヤR4を、第4回転要素RE4に対応し且つ相互に連結された第2キャリアCA2および第3リングギヤR3を、第5回転要素RE5に対応する第2リングギヤR2をそれぞれ表している。従って、これら回転要素を基にすれば、図126と図102とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図126の共線図の説明は割愛する。
図127は本発明の他の実施例の変速機450の構成を説明する骨子図であり、図128はその変速機450の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図129は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、第2変速部118の各装置の構成が相違する点を除けば図100に示した変速機360と同様であり、図100乃至図102に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機450と変速機360との相違する部分について説明する。
本実施例の第2変速部118は図25に示した変速機110の第2変速部118と図に向かって左右が反転しているだけで同様のものであるので、この第2変速部118の説明は割愛する。
以上のように構成された変速機450では、たとえば、図101の係合作動表と同様である図128に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ3、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρ4は、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図129の共線図において、第2変速部118の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応し且つ相互に連結された第2サンギヤS2および第4サンギヤS4を、第2回転要素RE2に対応する第4キャリアCA4を、第3回転要素RE3に対応し且つ相互に連結された第2キャリアCA2、第3サンギヤS3および第4リングギヤR4を、第4回転要素RE4に対応する第3キャリアCA3を、第5回転要素RE5に対応し且つ相互に連結された第2リングギヤR2および第3リングギヤR3をそれぞれ表している。従って、これら回転要素を基にすれば、図129と図102とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図129の共線図の説明は割愛する。
図130は本発明の他の実施例の変速機460の構成を説明する骨子図であり、図131はその変速機460の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図132は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、第2変速部128の各装置の構成が相違する点を除けば図100に示した変速機360と同様であり、図100乃至図102に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機460と変速機360との相違する部分について説明する。
本実施例の第2変速部128は図28に示した変速機120の第2変速部128と図に向かって左右が反転しているだけで同様のものであるので、この第2変速部128の説明は割愛する。
以上のように構成された変速機460では、たとえば、図101の係合作動表と同様である図131に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ3、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρ4は、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図132の共線図において、第2変速部128の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応する第4サンギヤS4を、第2回転要素RE2に対応し且つ相互に連結された第3リングギヤR3および第4キャリアCA4を、第3回転要素RE3に対応し且つ相互に連結された第2サンギヤS2、第3キャリアCA3および第4リングギヤR4を、第4回転要素RE4に対応する第2キャリアCA2を、第5回転要素RE5に対応し且つ相互に連結された第2リングギヤR2および第3サンギヤS3をそれぞれ表している。従って、これら回転要素を基にすれば、図132と図102とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図132の共線図の説明は割愛する。
図133は本発明の他の実施例の変速機470の構成を説明する骨子図であり、図134はその変速機470の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図135は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、第2変速部138の各装置の構成が相違する点を除けば図100に示した変速機360と同様であり、図100乃至図102に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機470と変速機360との相違する部分について説明する。
本実施例の第2変速部138は図31に示した変速機130の第2変速部138と図に向かって左右が反転しているだけで同様のものであるので、この第2変速部138の説明は割愛する。
以上のように構成された変速機470では、たとえば、図101の係合作動表と同様である図134に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ3、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρ4は、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図135の共線図において、第2変速部138の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応する第4サンギヤS4を、第2回転要素RE2に対応し且つ相互に連結された第2サンギヤS2および第4キャリアCA4を、第3回転要素RE3に対応し且つ相互に連結された第3サンギヤS3および第4リングギヤR4を、第4回転要素RE4に対応し且つ相互に連結された第2キャリアCA2および第3キャリアCA3を、第5回転要素RE5に対応し且つ相互に連結された第2リングギヤR2および第3リングギヤR3をそれぞれ表している。従って、これら回転要素を基にすれば、図135と図102とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図135の共線図の説明は割愛する。
図136は本発明の他の実施例の変速機480の構成を説明する骨子図であり、図137はその変速機480の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図138は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、第2変速部488の各装置の構成および第1変速部486の配置が相違する点を除けば図100に示した変速機360と同様であり、図100乃至図102に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機480と変速機360との相違する部分について説明する。
本実施例の変速機480では、図136に示すように第1カウンタギヤ対CG1および第2カウンタギヤ対CG2が第2遊星歯車装置20と第3遊星歯車装置22に挟まれた形となるように配置されている。このようにすれば、変速機480の軸長を変速機360と同様にコンパクトに保ちつつ、第1変速部486とトルクコンバータ14との間の第1軸心32c上の空き空間にオイルポンプや油圧式摩擦係合装置の油圧制御回路の弁本体等を配置することができて、変速機480の油路の連結が容易になる。
本実施例では、上記図136に示す変速機480の第2変速部488を構成している第2遊星歯車装置20はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第3遊星歯車装置22および第4遊星歯車装置24はそれぞれシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第2遊星歯車装置20は、第2サンギヤS2、互いに噛み合う複数対の第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.459」程度の所定のギヤ比ρ2有している。第3遊星歯車装置22は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.294」程度の所定のギヤ比ρ3を有している。第4遊星歯車装置24は、第4サンギヤS4、第4遊星歯車P4、その第4遊星歯車P4を自転および公転可能に支持する第4キャリヤCA4、第4遊星歯車P4を介して第4サンギヤS4と噛み合う第4リングギヤR4を備えており、たとえば「0.500」程度の所定のギヤ比ρ4有している。
上記第2変速部488においては、第2サンギヤS2は第1クラッチC1を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第3クラッチC3を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結され、第2リングギヤR2と第3サンギヤS3とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第4サンギヤS4は前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、第2キャリアCA2と第3キャリアCA3と第4キャリアCA4とが一体的に連結されて第2ブレーキB2を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第3リングギヤR3と第4リングギヤR4とが一体的に連結されて第4クラッチC4を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機480では、たとえば、図101の係合作動表と同様である図137に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ3、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρ4は、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図138の共線図において、第2変速部488の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応する第2サンギヤS2を、第2回転要素RE2に対応し且つ相互に連結された第2リングギヤR2および第3サンギヤS3を、第3回転要素RE3に対応する第4サンギヤS4を、第4回転要素RE4に対応し且つ相互に連結された第2キャリアCA2、第3キャリアCA3、および第4キャリアCA4を、第5回転要素RE5に対応し且つ相互に連結された第3リングギヤR3および第4リングギヤR4をそれぞれ表している。従って、これら回転要素を基にすれば、図138と図102とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図138の共線図の説明は割愛する。
図139は本発明の他の実施例の変速機490の構成を説明する骨子図であり、図140はその変速機490の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図141は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例は、第2変速部498の各装置の構成および第1変速部496の配置が相違する点を除けば図100に示した変速機360と同様であり、図100乃至図102に示す実施例と同様の効果が得られる。以下に、変速機490と変速機360との相違する部分について説明する。
本実施例の変速機490では、図139に示すように第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2とが第2変速部498を挟むように配置される。このようにすれば、変速機490の軸長を変速機360と同様にコンパクトに保ちつつ、第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2との間の第1軸心32c上の空き空間にオイルポンプや油圧式摩擦係合装置の油圧制御回路の弁本体等を配置することができて、変速機490の油路の連結が容易になる。
本実施例では、上記図139に示す変速機490の第2変速部498を構成している第2遊星歯車装置20はダブルピニオン型の遊星歯車装置から構成されており、第3遊星歯車装置22および第4遊星歯車装置24はそれぞれシングルピニオン型の遊星歯車装置から構成されている。この第2遊星歯車装置20は、第2サンギヤS2、互いに噛み合う複数対の第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、たとえば「0.412」程度の所定のギヤ比ρ2有している。第3遊星歯車装置22は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、たとえば「0.350」程度の所定のギヤ比ρ3を有している。第4遊星歯車装置24は、第4サンギヤS4、第4遊星歯車P4、その第4遊星歯車P4を自転および公転可能に支持する第4キャリヤCA4、第4遊星歯車P4を介して第4サンギヤS4と噛み合う第4リングギヤR4を備えており、たとえば「0.556」程度の所定のギヤ比ρ4有している。
上記第2変速部498においては、第3サンギヤS3と第4サンギヤS4とが一体的に連結されて第1クラッチC1を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第3クラッチC3を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結され、第2キャリアCA2と第3キャリアCA3とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して第1ドリブンギヤCG1Bに選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第2リングギヤR2と第3リングギヤR3と第4キャリアCA4とが一体的に連結されて前記出力回転部材としての出力歯車28に連結され、第2サンギヤS2は第2ブレーキB2を介して前記非回転部材としてのトランスミッションケース12に選択的に連結され、第4リングギヤR4は第4クラッチC4を介して第2ドリブンギヤCG2Bに選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機490では、たとえば、図101の係合作動表と同様である図140に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ3、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρ4は、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図141の共線図において、第2変速部498の5本の縦線Y1乃至Y5は、左から順に、第1回転要素RE1に対応し且つ相互に連結されたサンギヤS3およびサンギヤS4を、第2回転要素RE2に対応し且つ相互に連結されたキャリアCA2およびキャリアCA3を、第3回転要素RE3に対応し且つ相互に連結されたリングギヤR2、リングギヤR3、およびキャリアCA4を、第4回転要素RE4に対応するサンギヤS2を、第5回転要素RE5に対応するリングギヤR4をそれぞれ表している。従って、これら回転要素を基にすれば、図141と図102とは各回転要素の構成において相違するのみであり共線図としては同様であるので、この図141の共線図の説明は割愛する。
図142は本発明の他の実施例の変速機500の構成を説明する骨子図であり、図143はその変速機500の変速ギヤ段とそれを成立させるために必要な油圧式摩擦係合装置の作動との関係を示す図表であり、図144は各ギヤ段における回転要素の回転速度を示す共線図である。本実施例においては、変速機500を構成する各装置の配置(レイアウト)が相違する点を除けば他の構成および係合作動は前記図139乃至図141に示す実施例と同様である。以下に、その相違する部分について説明する。
本実施例の変速機500では、図142に示すように第1変速部506は第1カウンタギヤ対CG1と第2カウンタギヤ対CG2とが可及的に隣接するように並列に、且つ第1軸心32cおよび第2軸心34c上において第2遊星歯車装置20、第3遊星歯車装置22、および第4遊星歯車装置24よりもエンジン8側に近接して配置される。すなわち前記トルクコンバータ14および第2軸34よりも大幅に短い入力軸16は第1軸心32c上において第1変速部506よりもエンジン8側となる位置に配置され、第2変速部508は第1変速部506よりも第2軸心34c上においてエンジン8側とは反対側となる位置に配置される。また、この第1変速部506においては第1カウンタギヤ対CG1は第2カウンタギヤ対CG2よりエンジン8側に配置され、第2変速部においては第2軸心34c上に第1変速部506からエンジン8側とは反対方向へ順次第4遊星歯車装置24、第23星歯車装置22、第2遊星歯車装置20となるように配置され、出力歯車28は第4遊星歯車装置24と第3遊星歯車装置22との間に配置されている。また、クラッチC1乃至クラッチC4の各係合装置が第2変速部508と第1カウンタギヤ対CG1或いは第2カウンタギヤ対CG2との間に配置されている。このようにすると、一軸心上に4つの遊星歯車装置を用いる場合に比較して変速機500の軸方向の寸法が短くなりFF車両或いはRR車両の横置きでの搭載が有利になる。また、本実施例ではクラッチC1乃至クラッチC4およびブレーキB1、B2が第2軸心34cの軸端或いはトランスミッションケース12の外側に集中しているので油圧経路の取り回しが容易になる。特に、クラッチC1乃至クラッチC4と第1変速部36との連結が容易になる。
本実施例では、上記図142に示す変速機500の第2変速部508はその構成において前記変速機490の第2変速部498と同様であるので、この第2変速部508の説明は割愛する。
以上のように構成された変速機500では、たとえば、図140の係合作動表と同様である図143に示されるように、前記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2のうちから選択された2つが同時に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第8速ギヤ段(第8変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)が選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。前記第1カウンタギヤ対CG1の減速比、第2カウンタギヤ対CG2の減速比、第2遊星歯車装置20のギヤ比ρ2、第3遊星歯車装置22のギヤ比ρ3、第4遊星歯車装置24のギヤ比ρ4は、上記のような変速比が得られるように設定されているのである。
図144の共線図は図141の共線図と同様であるので、この図144の共線図の説明は割愛する。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
たとえば、前述の実施例の変速機10、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500では、前進8速の変速段が成立させられたが、その8速の変速段のうちのいずれか1つを除いて前進7速の変速段が成立させられるようにしてもよい。たとえば、第1変速段乃至第7変速段或いは第2変速段乃至第8変速段を用いることで前進7速の多段変速機が得られる。
また、前述の実施例の変速機10、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500では、エンジン8とトルクコンバータ14とはクランク軸9を介して直結されていたが、たとえばギヤ、ベルト等を介して作動的に連結されておればよく、共通の軸心上に配置される必要もない。また、エンジン8は他の駆動力源たとえば電動モータ等であってもよい。
また、前述の実施例の第1変速部366、386、486、496、506は動力伝達部材としてカウンタギヤ対が用いられたが、たとえば第1軸心32cおよび第2軸心34cにそれぞれ配設されたプーリとそれらプーリに巻き掛けられたベルトとで1組の動力伝達部材が構成されてもよい。
また、前述の実施例の変速機10、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500では、第1クラッチC1乃至第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2のうちのいずれかには、一方向クラッチが直列または並列に設けられてもよい。このようにすれば、変速制御が容易となる。たとえば、第2ブレーキB2と並列に一方向クラッチを設ければ、第1クラッチを係合させるだけで第1変速段が成立させられる。また、上記第1クラッチC1乃至第4クラッチC4、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2のうちのいずれかが一方向クラッチに取り替えられてもよい。このようにしても一応の変速が得られる。
また、前述の実施例では、エンジン8と入力軸16との間に流体伝動装置としてロックアップクラッチ13付のトルクコンバータ14が設けられていたが、ロックアップクラッチ13は備えられてなくてもよい。また、そのトルクコンバータ14に替えて、フルードカップリング、磁粉式電磁クラッチ、多板或いは単板式の油圧クラッチが設けられていてもよい。
また、前述の実施例の共線図は、縦線Y1乃至Y5が左から右へ向かって順次配列されていたが、右から左へ向かって順次配列されていてもよい。また、回転速度零に対応する横軸X1の上側に回転速度「1」に対応する横軸X2が配置されていたが、横軸X1の下側に配置されていてもよい。
また、前述の実施例では、変速機10、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500の係合要素であるクラッチC或いはブレーキBは油圧式摩擦係合装置であったが、電磁式係合装置たとえば電磁クラッチや磁粉式クラッチ等であってもよい。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。