JP2002256635A - ゴム積層型マウント - Google Patents

ゴム積層型マウント

Info

Publication number
JP2002256635A
JP2002256635A JP2001053296A JP2001053296A JP2002256635A JP 2002256635 A JP2002256635 A JP 2002256635A JP 2001053296 A JP2001053296 A JP 2001053296A JP 2001053296 A JP2001053296 A JP 2001053296A JP 2002256635 A JP2002256635 A JP 2002256635A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
rubber elastic
mounting member
width
elastic body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001053296A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3849436B2 (ja
Inventor
Isao Natsubori
功 夏堀
Takashi Uchiyama
高 内山
Shuji Ikaga
修治 伊香賀
Hiroyuki Noda
博之 野田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP2001053296A priority Critical patent/JP3849436B2/ja
Publication of JP2002256635A publication Critical patent/JP2002256635A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3849436B2 publication Critical patent/JP3849436B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Building Environments (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】長期使用後のばね定数変化率を小さくし得るゴ
ム積層型マウントを提供する。 【解決手段】第1取付部材1とその隣りに位置する中間
支持板3の傾斜部32との間に配置された一対の第1ゴ
ム弾性体41と、隣り合う中間支持板3の傾斜部32ど
うしの間にそれぞれ配置された六対の第2ゴム弾性体4
2と、第2取付部材2とその隣りに位置する中間支持板
3の傾斜部32との間に配置された一対の第3ゴム弾性
体43とからなるゴム積層体4を有する。ゴム積層体4
自体の厚みをAとし、ゴム積層体4のY方向の幅をBと
し、第1ゴム弾性体41のX方向の幅をCとし、第3ゴ
ム弾性体43のX方向の幅をDとしたときに、B/Aの
値が0.5以上、かつ(C+D)/2/Aの値が0.5
以上となるように設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、戸建住宅
等において交通振動等により発生する振動を抑制するた
めに設置されるダイナミックダンパの構成部材として好
適に採用されるゴム積層型マウントに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、都市部を中心に2階建や3階建の
高層鉄骨住宅が増加する傾向にあり、これに伴って、そ
れらの住宅に近い幹線道路や高架タイプの高速道路等か
らの交通振動により住宅が共振し、その共振が不快音や
不快震動等の原因となることから問題となっている。問
題となる住宅の共振周波数域は主に10Hz以下の低周
波数域であり、特に、卓越共振周波数である一次曲げモ
ードは2〜6Hz付近に存在している。
【0003】このように住宅等に発生する振動を抑制す
る制振装置として、住宅等の建築構造物にばね部材を介
して負荷質量(マス部材)を取付けて副ばね系を連成さ
せ、建築構造物からなる主ばね系と前記副ばね系とで固
有振動数(振動周期)が略同じになるように設定するこ
とにより、建築構造物の揺れを打ち消す振動を発生させ
て吸振効果を実現するダイナミックダンパが知られてい
る。なお、ダイナミックダンパの固有振動数は、ばね部
材のばね定数と負荷質量とによって基本的に決定され
る。
【0004】また、このダイナミックダンパのばねとし
ての機能を発揮する装置としては、例えば特開平5−1
41463号公報や特開平8−338467号公報に開
示されているようなゴム積層型マウントが知られてい
る。このゴム積層型マウントは、ゴム等の弾性体と金属
板とを交互に積層した構造の積層弾性体の横方向(剪断
方向)の弾性をばねとして利用するものである。なお、
特開平8−338467号公報のゴム積層型マウント
は、金属板が水平方向に対して傾斜面を有することによ
り、積層弾性体の水平方向の剛性に異方性が付与される
ように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のゴム
積層型マウントは、ばねとしてゴム弾性体が用いられて
いることから、長期使用によるへたり(経時劣化)や環
境温度の変化によって初期のばね定数が変化し易いた
め、ダイナミックダンパによる有効な制振効果を長期に
わたって安定して得ることができないという問題があ
る。
【0006】本発明は上記問題に鑑み案出されたもので
あり、長期使用後のばね定数変化率を小さくし得るゴム
積層型マウントを提供することを解決すべき課題とする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段、発明の作用及び効果】本
発明者等は、複数の中間支持板の間にそれぞれゴム弾性
体が配置されることにより構成されるゴム積層体の構造
に着目して鋭意研究を重ねた結果、ゴム積層体の厚みと
幅との関係が長期使用後におけるばね定数の変化率に影
響を及ぼしていることを見い出し、本発明を完成した。
【0008】即ち、上記課題を解決する請求項1記載の
発明に係るゴム積層型マウントは、建築構造物に対し
て、マス部材を弾性支持し該マス部材とともに副ばね系
を構成するゴム積層型マウントであって、前記建築構造
物及び前記マス部材のいずれか一方に取付けられる第1
取付部材と、該第1取付部材と距離を隔てて対向配置さ
れ、前記建築構造物及び前記マス部材のいずれか他方に
取付けられる第2取付部材と、前記第1取付部材と前記
第2取付部材との間に互いに距離を隔てて積層配置さ
れ、そのX方向の両端に同じ側に傾斜する傾斜部を有す
る複数の中間支持板と、前記第1取付部材と前記第1取
付部材の隣りに位置する前記中間支持板の前記傾斜部と
の間に配置された一対の第1ゴム弾性体、隣り合う前記
中間支持板の前記傾斜部どうしの間にそれぞれ配置され
た複数対の第2ゴム弾性体、及び前記第2取付部材と前
記第2取付部材の隣りに位置する前記中間支持板の前記
傾斜部との間に配置された一対の第3ゴム弾性体よりな
るゴム積層体と、から構成され、前記ゴム積層体自体の
厚みをAとし、前記ゴム積層体のY方向の幅をBとし、
前記第1ゴム弾性体のX方向の幅をCとし、前記第3ゴ
ム弾性体のX方向の幅をDとしたときに、B/Aの値が
0.5以上、かつ(C+D)/2/Aの値が0.5以上
となるように設定されているという手段を採用してい
る。
【0009】なお、本発明において、ゴム積層体の第1
〜第3ゴム弾性体のY方向の幅は、通常、同じ幅に形成
されることから、ゴム積層体のY方向の幅(B)として
規定される。一方、ゴム積層体のX方向の幅は、第1〜
第3ゴム弾性体のX方向の幅が異なる場合があることか
ら、第1ゴム弾性体のX方向の幅(C)と第3ゴム弾性
体のX方向の幅(D)との平均値により規定される。
【0010】また、第1〜第3ゴム弾性体のX方向及び
Y方向の幅は、第1〜第3ゴム弾性体の外側面が傾斜面
であったり曲面であるときには、最小幅となる部分で規
定される。
【0011】本発明のゴム積層型マウントは、ゴム積層
体のY方向の幅及びX方向の平均幅がゴム積層体自体の
厚みに対して所定の割合(0.5倍)以上となるように
設定されているものである。即ち、ゴム積層体自体の厚
みが所定以上に大きくならないようにされ、かつゴム積
層体のY方向の幅及びX方向の平均幅が所定以上に小さ
くならないようにされている。このようにゴム積層体が
構成されていることにより、本発明のゴム積層型マウン
トは長期使用後のばね定数変化率を小さくすることがで
きる。この本発明の優れた効果は、後述の試験により確
認されている。したがって、本発明のゴム積層型マウン
トをダイナミックダンパ等の制振装置に用いれば、その
振動低減効果を長期間にわたって安定して維持すること
が可能となる。
【0012】なお、本発明のゴム積層型マウントにあっ
ては、中間支持板のX方向の両端には同じ側に傾斜する
傾斜部が設けられていることから、中間支持板の傾斜部
の部分に配置される第1〜第3ゴム弾性体がX方向にお
いてハの字状となるように配置されている。そのため、
X方向において座屈し難い形状となり、ばね定数のばら
つき(固有値のばらつき)が安定し、長期使用後のばね
定数の変化率も小さくなる。傾斜部の傾斜角度は、5°
〜40°の範囲で設定することができ、好ましくは10
°〜20°の範囲である。
【0013】また、ゴム積層体を形成するゴム材料とし
ては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(I
R)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン・ブタジエン
ゴム(SBR)等のジエン系で硫黄(S)量が1phr 以
下のもの、或いはシリコーンゴム等を好適に採用するこ
とができる。これらを採用すれば、ばね定数変化率を更
に小さく抑制するために有利となる。
【0014】そして、請求項2記載の発明に係るゴム積
層型マウントは、請求項1記載の発明において、前記第
1ゴム弾性体の厚みをA1とし、前記第2ゴム弾性体の
厚みをA2とし、前記第3ゴム弾性体の厚みをA3とし
たときに、B/A1、B/A2、B/A3の値が2以
上、かつ(C+D)/2/A1、(C+D)/2/A
2、(C+D)/2/A3の値が2以上となるように設
定されているという手段を採用している。
【0015】本発明のゴム積層型マウントは、ゴム積層
体のY方向の幅及びX方向の平均幅が第1〜第3の各ゴ
ム弾性体の厚みに対して所定の割合(2倍)以上となる
ように設定されるものである。即ち、本発明では、第1
〜第3の各ゴム弾性体の厚みが所定以上に大きくならな
いように規定されるとともに、請求項1記載の発明にお
ける所定の割合(0.5倍)との関係から、ゴム積層体
は第1〜第3ゴム弾性体の総数が4以上の多層構造とな
るように規定される。これにより、ゴム積層体自体の厚
みが所定以上に大きくならないように確実に規制され、
かつゴム積層体のY方向及びX方向の幅が所定以上に小
さくならないように確実に規制されるため、長期使用後
のばね定数変化率をより確実に小さくすることができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を実施例
により具体的に説明する。
【0017】〔実施例1〕図1は本実施例に係るゴム積
層型マウントの正面図であり、図2はそのゴム積層型マ
ウントの平面図である。
【0018】本実施例のゴム積層型マウントは、図1及
び図2に示すように、第1取付部材1と、第2取付部材
2と、第1取付部材1と第2取付部材2との間に積層配
置された7枚の中間支持板3、…と、一対の第1ゴム弾
性体41、41、六対の第2ゴム弾性体42、…及び一
対の第3ゴム弾性体43、43よりなるゴム積層体4
と、を主要素として構成されている。
【0019】第1取付部材1は、長方形の金属板により
形成された基板11と、基板11の中央部に固着された
取付ボルト12とからなる。基板11は、その中央部に
取付座部11aを有し、その取付座部11aの長手方向
(X方向)の両側には、約15°の角度で同じ側(図1
において上方側)に傾斜する一対の傾斜部11b、11
bを有する。取付ボルト12は、取付座部11aの中央
に設けられた挿通孔(図示せず)に軸部が挿通されて図
1において下方側に突出する状態で固着されている。こ
の第1取付部材1の表面には、取付ボルト12突出側の
面の中央部を除く略全域に薄いゴム層15が被覆されて
いる。
【0020】第2取付部材2は、長方形の金属板により
形成された基板21と、長方形の金属板により形成さ
れ、平坦な中央部22aとその中央部22aの両側に設
けられた一対の傾斜部22b、22bとからなる傾斜基
板22と、基板21の中央部に固着された取付ボルト2
3とから構成されている。
【0021】傾斜基板22は、中央部22aが基板21
と平行となるように距離を隔てて重合され、両傾斜部2
2b、22bの端縁部が基板21の長手方向の両端縁部
に接合固定されている。両傾斜部22b、22bの傾斜
角度は、第1取付部材1の傾斜部11b、11bの傾斜
角度(約15°)と略同じである。そして、取付ボルト
23は、基板21の中央に設けられた挿通孔(図示せ
ず)に軸部が挿通されて基板21の傾斜基板22と反対
側の面から突出する状態で固着されている。この第2取
付部材2の表面には、基板21の取付ボルト23突出側
の面を除く略全域に薄いゴム層25が被覆されている。
【0022】この第2取付部材2は、傾斜基板22の両
傾斜部22b、22bが第1取付部材1の両傾斜部11
b、11bと距離を隔てて対向する状態に配置されてい
る。
【0023】中間支持板3、…は、第1取付部材1及び
第2取付部材2と略同じ大きさの長方形の金属板により
形成されており、平坦な中央部31、…と、その中央部
31、…の両側に設けられた一対の傾斜部32、…とか
らなる。傾斜部32、…は、第1取付部材1の傾斜部1
1b、11b及び第2取付部材2の傾斜部22b、22
bの傾斜角度(約15°)と略同じになるように形成さ
れている。この中間支持板3、…は、第1取付部材1と
第2取付部材2との間に7枚のものが互いに距離を隔て
て積層配置されている。なお、各中間支持板3、…の表
面には、略全域に薄いゴム層35が被覆されている。
【0024】ゴム積層体4は、一対の第1ゴム弾性体4
1、41と、六対の第2ゴム弾性体42、…と、一対の
第3ゴム弾性体43、43とが積層されることにより構
成されている。第1ゴム弾性体41、41は、ジエン系
で硫黄(S)量が1phr以下のゴム材料により長方形
の薄板状に形成されている。この第1ゴム弾性体41、
41は、第1取付部材1の両傾斜部11b、11bと第
1取付部材1の隣りに位置する中間支持板3の両傾斜部
32、32との間にそれぞれ加硫接着されて配置されて
いる。
【0025】第2ゴム弾性体42、…は、第1ゴム弾性
体41、41と同じゴム材料により同じ大きさに形成さ
れている。この第2ゴム弾性体42、…は、隣り合う各
中間支持板3、…の傾斜部32、32どうしの間にそれ
ぞれ加硫接着されて配置されている。第3ゴム弾性体4
3、43は、第1ゴム弾性体41、41と同じゴム材料
により同じ大きさに形成されている。この第3ゴム弾性
体43、43は、第2取付部材2の両傾斜部22b、2
2bと第2取付部材2の隣りに位置する中間支持板3の
両傾斜部32、32との間にそれぞれ加硫接着されて配
置されている。
【0026】このゴム積層体4は、厚みと幅が所定の割
合の大きさになるように設定されている。即ち、ゴム積
層体4自体の厚み(第1〜第3ゴム弾性体のみを合計し
た厚み)をAとし、ゴム積層体4のY方向の幅をBと
し、第1ゴム弾性体41のX方向の幅をCとし、第3ゴ
ム弾性体43のX方向の幅をDとしたときに、B/Aの
値が0.5以上、かつ(C+D)/2/Aの値が0.5
以上となるように設定されている。具体的には、A=4
6mm、B=48mm、C=95mm、D=95mm、
B/A=1.04、(C+D)/2/A=2.07であ
る。これにより、ゴム積層体4の厚みが所定以上に大き
くならないようにされ、かつゴム積層体4のY方向の幅
及びX方向の平均幅が所定以上に小さくならないように
されている。なお、本実施例においては、第1〜第3ゴ
ム弾性体41、42、43のX方向の幅は同じである。
【0027】また、第1ゴム弾性体41の厚みをA1と
し、第2ゴム弾性体42の厚みをA2とし、第3ゴム弾
性体43の厚みをA3としたときに、B/A1、B/A
2、B/A3の値が2以上、かつ(C+D)/2/A
1、(C+D)/2/A2、(C+D)/2/A3の値
が2以上となるように設定されている。本実施例の場合
には、A1=A2=A3=5.75mmとなっている。
これにより、ゴム積層体4の第1〜第3ゴム弾性体4
1、42、43の厚みが所定以上に大きくならないよう
にされている。
【0028】以上のように構成された本実施例のゴム積
層型マウントは、例えば戸建住宅等において交通振動等
により発生する振動を抑制するために設置されるダイナ
ミックダンパの構成部材として好適に採用される。
【0029】この場合、ダイナミックダンパは、一つの
マス部材を複数のゴム積層型マウントで弾性支持するよ
うにして構成されており、ゴム積層型マウントは、第1
取付部材1の取付ボルト12が住宅の梁や桁に締結され
るとともに、第2取付部材2上に載置されるマス部材に
第2取付ボルト23が締結されることにより取付けられ
る。このとき、各ゴム積層型マウントは、そのX方向と
Y方向がそれぞれ水平方向において一致するようにして
取付けられる。
【0030】また、ダイナミックダンパの固有振動数
(制振周波数)は、マス部材の質量とゴム積層型マウン
トのX方向及びY方向におけるそれぞれのばね定数とに
よって適宜設定される。本実施例では、ゴム積層型マウ
ントのX方向及びY方向のそれぞれのばね定数は、目標
とする使用期間(例えば10年)の使用後におけるばね
定数変化を予測し、初期ばね定数と使用後のばね定数の
平均値を用いて設定されている。これにより、ダイナミ
ックダンパによる振動低減効果の持続期間の長期化が図
られている。
【0031】なお、本実施例のゴム積層型マウントは、
マス部材を載置したときのゴム積層体4の厚み方向の歪
みが所定よりも小さくなるように設定されている。即
ち、(マス部材負荷時におけるゴム積層体4の撓み量)
/(ゴム積層体4自体の厚み)の値が0.1以下となる
ように設定されている。
【0032】以上のようにしてダイナミックダンパが設
置されている戸建住宅等に交通振動等が入力し、その戸
建住宅等が水平方向に振動すると、ゴム積層型マウント
のゴム積層体4のばね作用を介してマス部材が共振する
ことにより、その戸建住宅等の振動が効果的に抑制され
る。この場合、本実施例のゴム積層型マウントは、ゴム
積層体4のY方向の幅及びX方向の平均幅がゴム積層体
4自体の厚みに対して所定の割合(0.5倍)以上とな
るように設定されているため、長期間使用後においても
ばね定数の変化率が小さい。そのため、ダイナミックダ
ンパの良好な振動低減効果が長期にわたって安定して維
持される。
【0033】以上のように、本実施例のゴム積層型マウ
ントは、ゴム積層体4のY方向の幅及びX方向の平均幅
がゴム積層体4自体の厚みに対して所定の割合(0.5
倍)以上となるように設定されていることから、長期使
用後のばね定数の変化率を小さくすることができる。こ
の優れた効果は、後述の試験により確認されている。
【0034】また、ゴム積層体4のY方向の幅及びX方
向の平均幅が第1〜第3ゴム弾性体41、42、43の
各厚みに対して所定の割合(2倍)以上となるように設
定されていることから、長期使用後のばね定数変化率を
より確実に小さくすることができる。
【0035】なお、本実施例のゴム積層型マウントは、
7枚の中間支持板3の間に六対の第2ゴム弾性体42、
…が積層されている構成のものであるが、中間支持板3
及び第2ゴム弾性体42、42の数を適宜増減すること
によりゴム積層体4自体の厚みを種々変更することも可
能である。この場合、請求項2記載の条件を満足させる
ために、第2ゴム弾性体42の数は二対以上とするのが
好ましい。
【0036】また、本実施例のゴム積層型マウントにお
いては、中間支持板3、…の傾斜部32の傾斜角を適宜
変更して、ゴム積層体4のX方向のばね定数を変更する
ことも可能である。或いは、第2取付部材2のX方向の
幅を第1取付部材1よりも小さくするとともに、中間支
持板3、…のX方向の幅を第2取付部材2に近いものほ
ど小さくなるようにして、ゴム積層体4のX方向のばね
定数を高めるようにすることも可能である。
【0037】〔実施例2〕図3は本実施例に係るゴム積
層型マウントの正面図であり、図4はそのゴム積層型マ
ウントの平面図である。
【0038】本実施例のゴム積層型マウントは、図3及
び図4に示すように、第1取付部材5と、第2取付部材
6と、第1取付部材5と第2取付部材6との間に積層配
置された7枚の中間支持板7、…と、一対の第1ゴム弾
性体81、81、六対の第2ゴム弾性体82、…及び一
対の第3ゴム弾性体83、83よりなるゴム積層体8
と、を主要素として構成されている。
【0039】本実施例のゴム積層型マウントは、上記実
施例1のものと基本的構成が同じものであり、ゴム積層
体8のY方向の幅及びX方向の平均幅等が主として異な
るようにして構成されたものである。よって、共通する
部材等の詳しい説明は省略し、異なる点を中心に説明す
る。
【0040】本実施例の第1取付部材5及び第2取付部
材6は、Y方向の幅が実施例1のものより小さくなるよ
うに形成されている点で異なる。
【0041】また、本実施例の中間支持板7、…は、Y
方向の幅が実施例1のものより小さくなるように形成さ
れており、かつ傾斜部72、…の傾斜角が約10°で緩
やかになっている。
【0042】本実施例のゴム積層体8は、第1〜第3ゴ
ム弾性体81、82、83のそれぞれ一方側のものの大
きさにおいて、Y方向の幅が実施例1のものの約1/2
に小さくされ、X方向の幅が実施例1のものの約2倍に
大きくされている。但し、各第1〜第3ゴム弾性体8
1、82、83の厚みは、実施例1のものと同じである
ことから、ゴム積層体8自体の厚みも同じである。
【0043】そして、ゴム積層体8自体の厚みをAと
し、ゴム積層体8のY方向の幅をBとし、第1ゴム弾性
体81のX方向の幅をCとし、第3ゴム弾性体83のX
方向の幅をDとしたときに、実施例1の場合と同様に、
B/Aの値が0.5以上、かつ(C+D)/2/Aの値
が0.5以上となるように設定されている。具体的に
は、A=46mm、B=24mm、C=100mm、D
=100mm、B/A=0.52、(C+D)/2/A
=2.17である。
【0044】また、第1ゴム弾性体81の厚みをA1と
し、第2ゴム弾性体82の厚みをA2とし、第3ゴム弾
性体83の厚みをA3としたときに、B/A1、B/A
2、B/A3の値が2以上、かつ(C+D)/2/A
1、(C+D)/2/A2、(C+D)/2/A3の値
が2以上となるように設定されていることも実施例1の
場合と同じである。
【0045】以上のように構成された本実施例のゴム積
層型マウントは、ゴム積層体8のY方向の幅及びX方向
の平均幅がゴム積層体8自体の厚みに対して所定の割合
(0.5倍)以上となるように設定されているため、実
施例1の場合と同様に、長期使用後のばね定数の変化率
を小さくすることができる。この優れた効果は、後述の
試験により確認されている。
【0046】また、ゴム積層体8のY方向の幅及びX方
向の平均幅が第1〜第3ゴム弾性体81、82、83の
各厚みに対して所定の割合(2倍)以上となるように設
定されているため、実施例1の場合と同様に、長期使用
後のばね定数変化率をより確実に小さくすることができ
る。
【0047】〔試験〕上記実施例1、2のゴム積層型マ
ウントの優れた効果を確認するため、ばね定数の温度依
存性と熱老化によるばね定数の変化率とを調べる試験を
行った。ばね定数の温度依存性は、環境温度を10〜5
0℃の範囲で変化させたときのばね定数の変化率を調べ
るものであり、その結果を表に示した。また、熱老化に
よるばね定数の変化率は、294Nの荷重を加えた状態
で80℃×48時間後におけるばね定数の変化率を調べ
るものであり、その結果を表に示した。ここでの80℃
×48時間の熱負荷量は、30℃×10年の熱負荷量に
相当し、30℃×10年後のばね定数変化率を80℃×
48時間での加速試験により推定可能である。
【0048】なお、表には、実施例1、2のゴム積層体
の厚み(A)やX方向及びY方向の幅(B、C、D)の
寸法等に関する値も示した。
【0049】また、比較例として、図5及び図6に示す
ゴム積層型マウントを準備し、この比較例についても実
施例1、2と同様の試験を行った。比較例のゴム積層型
マウントは、第1取付部材101と、第2取付部材10
2と、第1取付部材101と第2取付部材102との間
に積層配置された3枚の中間支持板103、…と、一対
の第1ゴム弾性体141、141、二対の第2ゴム弾性
体142、…及び一対の第3ゴム弾性体143、143
よりなるゴム積層体104とから構成されている。比較
例のゴム積層体104は、表に示すように、その厚み
(A)やX方向及びY方向の幅(B、C、D)の寸法が
実施例1、2のゴム積層体4、8と異なるように構成さ
れており、ゴム積層体104におけるB/Aの値は0.
43であることから0.5以下となっている。この比較
例の試験結果も表に示した。
【0050】
【表】
【0051】表からも明らかなように、ばね定数の温度
依存性は、比較例が±19%であるのに対して、実施例
1が±14%、実施例2が±17%であった。これによ
り、ばね定数の温度依存性は、実施例1、2のいずれも
が比較例よりも小さいことがわかる。特に、実施例1の
場合には、比較例の3/4程度であり、大幅に小さくな
っていることがわかる。
【0052】また、表からも明らかなように、熱老化後
のばね定数変化率は、比較例が+32%であるのに対し
て、実施例1が+6%、実施例2が+15%であった。
これにより、実施例1、2のいずれもが比較例よりも大
幅に小さいことがわかる。即ち、実施例2の場合には、
比較例の1/2以下にまで大幅に小さくなっており、ま
た、実施例1の場合には、比較例の1/5以下にまで大
幅に小さくなっていることがわかる。
【0053】以上のことから、ゴム積層体は、B/Aの
値が0.5以上、かつ(C+D)/2/Aの値が0.5
以上となるように構成されていることにより、長期使用
後のばね定数変化率を大幅に小さくし得ることがわか
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係るゴム積層型マウントの
正面図である。
【図2】本発明の実施例1に係るゴム積層型マウントの
平面図である。
【図3】本発明の実施例2に係るゴム積層型マウントの
正面図である。
【図4】本発明の実施例2に係るゴム積層型マウントの
平面図である。
【図5】比較例に係るゴム積層型マウントの正面図であ
る。
【図6】比較例に係るゴム積層型マウントの平面図であ
る。
【符号の説明】
1、5、101…第1取付部材 2、6、102…
第2取付部材 3、7、103…中間支持板 4、8、104…ゴ
ム積層体 11…基板 11a…取付座部 11b…傾斜
部 12…取付ボルト 15…ゴム層 21…基板 22…傾斜基板 22a…中央部 22b…傾
斜部 23…取付ボルト 25…ゴム層 31…中央
部 32、72…傾斜部 35…ゴム層 41、81…第1ゴム弾性体 42、82…第2ゴ
ム弾性体 43、83…第3ゴム弾性体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊香賀 修治 愛知県小牧市東三丁目1番地 東海ゴム工 業株式会社内 (72)発明者 野田 博之 愛知県小牧市東三丁目1番地 東海ゴム工 業株式会社内 Fターム(参考) 2E001 DG01 DG03 FA21 HB01 HE01 3J048 AA01 BA08 BB03 DA03 EA38

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築構造物に対して、マス部材を弾性支
    持し該マス部材とともに副ばね系を構成するゴム積層型
    マウントであって、 前記建築構造物及び前記マス部材のいずれか一方に取付
    けられる第1取付部材と、 該第1取付部材と距離を隔てて対向配置され、前記建築
    構造物及び前記マス部材のいずれか他方に取付けられる
    第2取付部材と、 前記第1取付部材と前記第2取付部材との間に互いに距
    離を隔てて積層配置され、そのX方向の両端に同じ側に
    傾斜する傾斜部を有する複数の中間支持板と、 前記第1取付部材と前記第1取付部材の隣りに位置する
    前記中間支持板の前記傾斜部との間に配置された一対の
    第1ゴム弾性体、隣り合う前記中間支持板の前記傾斜部
    どうしの間にそれぞれ配置された複数対の第2ゴム弾性
    体、及び前記第2取付部材と前記第2取付部材の隣りに
    位置する前記中間支持板の前記傾斜部との間に配置され
    た一対の第3ゴム弾性体よりなるゴム積層体と、から構
    成され、 前記ゴム積層体自体の厚みをAとし、前記ゴム積層体の
    Y方向の幅をBとし、前記第1ゴム弾性体のX方向の幅
    をCとし、前記第3ゴム弾性体のX方向の幅をDとした
    ときに、B/Aの値が0.5以上、かつ(C+D)/2
    /Aの値が0.5以上となるように設定されていること
    を特徴とするゴム積層型マウント。
  2. 【請求項2】 前記第1ゴム弾性体の厚みをA1とし、
    前記第2ゴム弾性体の厚みをA2とし、前記第3ゴム弾
    性体の厚みをA3としたときに、B/A1、B/A2、
    B/A3の値が2以上、かつ(C+D)/2/A1、
    (C+D)/2/A2、(C+D)/2/A3の値が2
    以上となるように設定されていることを特徴とする請求
    項1記載のゴム積層型マウント。
JP2001053296A 2001-02-28 2001-02-28 ゴム積層型マウント Expired - Fee Related JP3849436B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001053296A JP3849436B2 (ja) 2001-02-28 2001-02-28 ゴム積層型マウント

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001053296A JP3849436B2 (ja) 2001-02-28 2001-02-28 ゴム積層型マウント

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002256635A true JP2002256635A (ja) 2002-09-11
JP3849436B2 JP3849436B2 (ja) 2006-11-22

Family

ID=18913777

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001053296A Expired - Fee Related JP3849436B2 (ja) 2001-02-28 2001-02-28 ゴム積層型マウント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3849436B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004316782A (ja) * 2003-04-16 2004-11-11 Toyo Tire & Rubber Co Ltd モータ用防振ゴム
JP2007270569A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Tokai Rubber Ind Ltd 住宅用制振装置のゴム積層型マウント
KR101010956B1 (ko) 2010-05-13 2011-01-26 유니슨이앤씨(주) 교량 받침
CN104831827A (zh) * 2015-05-06 2015-08-12 福建工程学院 一种层间隔震结构的隔震层限位保护装置
CN110804936A (zh) * 2019-10-15 2020-02-18 招商局重庆交通科研设计院有限公司 同步变形式剪切阻尼器

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004316782A (ja) * 2003-04-16 2004-11-11 Toyo Tire & Rubber Co Ltd モータ用防振ゴム
JP2007270569A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Tokai Rubber Ind Ltd 住宅用制振装置のゴム積層型マウント
KR101010956B1 (ko) 2010-05-13 2011-01-26 유니슨이앤씨(주) 교량 받침
CN104831827A (zh) * 2015-05-06 2015-08-12 福建工程学院 一种层间隔震结构的隔震层限位保护装置
CN110804936A (zh) * 2019-10-15 2020-02-18 招商局重庆交通科研设计院有限公司 同步变形式剪切阻尼器
CN110804936B (zh) * 2019-10-15 2021-10-15 招商局重庆交通科研设计院有限公司 同步变形式剪切阻尼器

Also Published As

Publication number Publication date
JP3849436B2 (ja) 2006-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN111663373B (zh) 减隔震浮置板轨道
JPH038907A (ja) 免震装置
JP2005226745A (ja) エンジンマウント
JP2002256635A (ja) ゴム積層型マウント
JP2016511196A (ja) 車両運転台(vehiclecab)サスペンション
JP5984012B2 (ja) 積層ゴム支承
JP2007270569A (ja) 住宅用制振装置のゴム積層型マウント
JP2002194817A (ja) 制振建物及び該制振建物に用いる制振材
JP2000314441A (ja) 同調質量型動吸収器
JP2009024786A (ja) 吊り型防振ゴム
JP2002067217A (ja) パネル体
JP6357411B2 (ja) 床下用ダンパ及び床下ダンパシステム
JP7217200B2 (ja) 床用遮音構造
JPH0526293A (ja) 振動抑制装置
JP2004028124A (ja) ダイナミックダンパ
JP3656476B2 (ja) 建築構造物の制振装置
JP3807163B2 (ja) 建築構造物の制振装置
JPH1163110A (ja) 制御型除振台の支持装置
JP4188791B2 (ja) 千鳥間柱の間仕切り壁の構造
JP2002089618A (ja) ダイナミックダンパ
JPS61211549A (ja) 制振鋼板
JP2003041804A (ja) ゴム積層型マウント及びそのばね固有値調整方法
JP5795936B2 (ja) 低周波騒音低減装置
JP2010133472A (ja) 制振構造体
JP2003049560A (ja) 建築物用制振装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040318

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050909

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060407

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060606

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060808

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060821

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3849436

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100908

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110908

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110908

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120908

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120908

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130908

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees