JP2002256084A - アラミドフィルム - Google Patents

アラミドフィルム

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JP2002256084A
JP2002256084A JP2001052972A JP2001052972A JP2002256084A JP 2002256084 A JP2002256084 A JP 2002256084A JP 2001052972 A JP2001052972 A JP 2001052972A JP 2001052972 A JP2001052972 A JP 2001052972A JP 2002256084 A JP2002256084 A JP 2002256084A
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film
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aramid
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JP2001052972A
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Kohei Kita
孝平 北
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Asahi Kasei Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な電磁変換特性を長期にわたって維持で
きる耐久性に優れた磁気記録媒体を提供できる耐熱性ベ
ースフィルムおよびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 芳香族ポリアミドからなるフィルムであ
って、該フィルムの平坦面からの高さ20nm以上50
nm未満の突起個数が5万個/mm2以上100万個/
mm2以下、50nm以上100nm未満の突起個数が
3万個/mm2以上20万個/mm2以下であり、フィル
ム平坦面からの高さ270nm以上の粗大突起個数が5
個/100cm2以下であることを特徴とするアラミド
フィルムおよびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体及び
そのベースフィルムとして用いられるアラミドフィルム
に関するものであり、更に詳しくは電磁変換特性と耐久
性を兼備した磁気記録媒体及びそのベースフィルムとし
て用いられるアラミドフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ハイビジョン等の映像信号の高密
度化やデジタル化、データバックアップ用途での情報量
の増大等、磁気テープの高記録容量化、高密度記録化へ
の要請はますます高いものがある。磁気テープの高記録
容量化のためには、磁気特性の向上、カセット当たりの
テープ長さの増大等の改良が進められているが、後者に
ついては、ベースフィルムの厚みを薄くできる利点か
ら、高強度、高弾性率のアラミドフィルムの採用が進ん
でいる。
【0003】また、磁気記録システムの進歩及び社会的
要求により、磁気記録媒体の高密度化、高性能化が急速
に進み、磁気記録媒体用ベ−スフィルムとして、良好な
電磁変換特性を確保するための表面平滑性と高張力下に
長期間断続的に使用されても特性が維持される耐久性を
兼備していることに対する要求が高まっている。表面平
滑性を制御している磁気記録媒体用ベ−スフィルムとし
て、特開平2−1741号公報、特開平2−13343
4号公報の各公報にはそれぞれ10〜100nm、11
0〜500nmという微粒子をフィルムに含有しフィル
ム表面に形成される微細な突起の密度が規定されている
が、乾燥した粒子粉末を溶剤に添加して激しく攪拌する
ことにより分散を実施しているため実質の分散性は不完
全であり、本発明の必須要件である突起高さおよび密度
を達成するものではなかった。
【0004】国際特許WO97/39876ではフィル
ム表面から20〜50nm、50〜100nmの高さの
突起密度を規定しているが、高さ50nm以上、100
nm未満の突起個数が0〜3万個/mm2であり、本発
明の必須要項である高さ50nm以上、100nm未満
の突起個数が3〜20万個/mm2を満たすものではな
かった。特開平8−55328号公報にはフィルム表面
の高さ50nm以上の突起密度を規定しているが、本発
明の必須要項である100nm未満の突起個数について
限定するものではなかった。国際特許WO96/061
28にはフィルム表面から10〜50nmの高さの突起
密度を規定しているが本発明の必須要項である100n
m未満の突起個数について限定するものではなく、また
粗大突起に関しても270nm以上の突起が10個/1
00cm2を超えるものであった。
【0005】上記したようにアラミドフィルムは粒子を
フィルム内に含有させることによってフィルム表面に突
起を形成しているが、その制御は不十分であり、良好な
電磁変換特性を長期にわたって維持できる耐久性を有
し、且つ走行安定性にも優れる磁気記録媒体用ベースフ
ィルムとしては満足いくものでなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、良好な電磁
変換特性を長期にわたって維持できる耐久性に優れると
共に走行安定性にも優れた磁気記録媒体を提供できるア
ラミドフィルム、およびそのフィルムをベースフィルム
とする磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アラミド
フィルムにおいて、フィルム平坦面からの突起の高さお
よび密度を限られた範囲とすることによって、該フィル
ムを磁気記録媒体として用いた際に走行安定性に優れる
とともに、良好な電磁変換特性が達成できることを見出
し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、 1. 芳香族ポリアミドからなるフィルムであって、該
フィルムの平坦面からの高さ20nm以上50nm未満
の突起個数が5万個/mm2以上100万個/mm2
下、50nm以上100nm未満の突起個数が3万個/
mm2以上20万個/mm2以下であり、フィルム平坦面
からの高さ270nm以上の粗大突起個数が5個/10
0cm2以下であることを特徴とするアラミドフィル
ム、 2. 芳香族ポリアミドからなるフィルム内に不活性粒
子を含有し、且つ該不活性粒子の単一粒子指数が0.7
以上かつ単分散率が50%以上且つ平均凝集度が1.2
以下であることを特徴とする1に記載のアラミドフィル
ム、 3. 不活性粒子の含有量が0.01〜1重量%である
ことを特徴とする2に記載のアラミドフィルム、 4. 不活性粒子の平均一次粒子径が100nm以上3
00nm未満であることを特徴とする2または3に記載
のアラミドフィルム、 5. 不活性粒子がコロイダルシリカであることを特徴
とする2〜4のいずれかに記載のアラミドフィルム、 6. 1〜5のいずれかに記載のアラミドフィルムをベ
ースフィルムとする磁気記録媒体、 7. 芳香族ポリアミドからなるフィルムを製造するに
際して、平均一次粒子径が100nm以上、300nm
未満のコロイダルシリカ分散液を予め0.1重量%以
上、10重量%以下となるように希釈した後に、芳香族
ポリアミドを溶解する溶剤に混合し0.005〜0.1
重量%に調整した後、該濃度のコロイダルシリカ分散液
に芳香族ポリアミドを溶解しフィルム化することを特徴
とする1に記載のアラミドフィルムの製造方法、であ
る。
【0008】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
のアラミドフィルムは芳香族ポリアミドからなるフィル
ムであり、該芳香族ポリアミドは、次の構成単位からな
る群より選択される構成単位より構成される。 −NH−Ar1−NH− (1) −CO−Ar2−CO− (2) −NH−Ar3−CO− (3) [ここでAr1、Ar2、Ar3は各々少なくとも1個の
芳香環を含む2価の基であり、構成単位(1)と(2)
がポリマ−中に存在する場合には、両者は等モルであ
る。]
【0009】本発明において、良好な機械的性能および
寸法安定性を確保するために、Ar 1、Ar2およびAr
3は各々パラ配向型の基である。ここでパラ配向型と
は、芳香環における主鎖の結合方向がパラ位に位置して
いるか、または2つ以上の芳香環からなる残基において
両端の主鎖の結合方向が同軸又は平行であることを意味
する。このような2価の芳香族基の代表例としては下記
化1に記載の芳香族基が挙げられる。
【0010】
【化1】
【0011】[式中、Xは−O−、−CH2−、−SO2
−、−S−、−CO−等である。] また、芳香環の環上の水素の一部が、ハロゲン基、ニト
ロ基、アルキル基、アルコキシル基等で置換されている
ものも含む。特に全ての芳香環の80モル%以上がパラ
に結合されているアラミドが望ましい。Ar1、Ar2
Ar3はいずれも2種以上であっても良く、また相互に
同じであっても異なっても良い。本発明に用いられる芳
香族ポリアミドは、公知の方法により、各々の構成単位
に対応するジアミン、ジカルボン酸、アミノカルボン酸
より製造することができる。具体的にはカルボン酸基を
まず酸ハライド、酸イミダゾライド、エステル等に誘導
した後アミノ基と反応させる方法が用いられ、重合の形
式もいわゆる低温溶液重合法、界面重合法、溶融重合
法、固相重合法などを用いることができる。
【0012】本発明に用いる芳香族ポリアミドには、上
記した以外の基が約10モル%以下共重合されたり、他
のポリマ−がブレンドされたりしていても良い。本発明
に用いられる芳香族ポリアミドとして最も好ましい例は
ポリ−パラ−フェニレンテレフタルアミド(PPTA)
である。また、本発明のアラミドフィルムには、フィル
ムの物性を損ねたり、本発明の主旨に反しない範囲で、
酸化防止剤、除光沢剤、紫外線安定化剤、帯電防止剤等
の添加剤や他のポリマ−が含まれていてもよい。
【0013】本発明のアラミドフィルムの好ましい膜厚
は1〜100μm、より好ましくは2〜80μm、さら
に好ましくは3〜50μmである。本発明のアラミドフ
ィルムは、フィルム表面の平坦面からの高さが20nm
以上50nm未満の突起個数は5万個/mm2以上10
0万個/mm2未満、好ましくは10万個/mm2以上8
0万個/mm2以下、さらに好ましくは15万個/mm2
以上60万個/mm2未満である。50nm以上100
nm未満の突起個数は3万個/mm2以上20万個/m
2以下であり、好ましくは3.5万個/mm2以上15
万個/mm2以下、より好ましくは4万個/mm2以上1
2万個/mm2以下である。ここで高さ20nm以上5
0nm未満の突起個数は、出力特性と繰り返し走行時に
おける耐久性を高いレベルで両立するために必要であ
り、5万個/mm2未満であると初期出力は高くなる
が、繰り返し走行時の出力低下が起こり耐久性に問題が
生じる。
【0014】また、100万個/mm2を超えると出力
特性が低下する。また、50nm以上100nm未満の
突起個数が20万個/mm2より多いと走行中にヘッド
削れが発生し耐久性の点から好ましくないが、50nm
以上100nm未満の突起が3万個/mm2以上あると
摩擦係数が低下し耐久性が向上することから好ましい。
突起個数が上記範囲にある時に、ヘッドとテ−プの接触
を均一に保つことができ、かつ高出力が安定して得られ
るとともに滑り性も良好になる。
【0015】また、本発明において上記フィルム表面を
有する面において高さ270nm以上の粗大突起の個数
が5個/100cm2以下で、より好ましくは3個/1
00cm2以下、さらに好ましくは1個/100cm2
下である。特に好ましくは高さ270nm以上の粗大突
起がないことである。270nm以上の粗大突起が5個
/100cm2を越えると磁気記録媒体としたときの表
面性が悪化し、ドロップアウトが発生しやすくなり電磁
変換特性が低下する。
【0016】本発明において、フィルム表面の突起は芳
香族ポリアミドやその溶剤に対して何等反応や溶解しな
い不活性粒子をフィルム内に含有させることによって付
与することができる。不活性粒子としては具体的にSi
2、TiO2、ZnO、Al 23、CaSO4、BaS
4、CaCO3、カーボンブラック、ゼオライト等を挙
げることができ、これらのうちの1種を選択して使用で
きる。また、これらの粒子はあらかじめ水等の溶剤中に
分散したものを用いることが好ましい。中でも特にSi
2が好ましく、例えば触媒化成工業社製のコロイダル
シリカであるSS120、SS300P、SS550、
SI−300P等や日産化学工業社製のMP2040、
MP1040、MP4540等を使用することができ
る。これらは水中に分散されている。
【0017】上記した不活性粒子はアラミド重合、精
製、乾燥後、芳香族ポリアミドを再溶解する溶剤に予め
分散させておき、その後芳香族ポリアミドを溶解するこ
とによりフィルムに含有させる方法が好ましい。芳香族
ポリアミドを重合する際にあらかじめ粒子を共存させて
おくことによりフィルム中に含有させることも可能であ
るが、この場合には重合中の粘度変化や重合後における
中和剤等の添加、および芳香族ポリアミドの乾燥により
粒子が凝集するために、初期の粒子の分散性が保てない
ばかりか、フィルム成膜後に予期しない粒子の凝集体が
形成され、フィルム表面に粗大突起が形成されることが
あるので好ましくない。
【0018】不活性粒子濃度はフィルム中で0.01重
量%以上である。0.01重量%未満ではそのフィルム
表面に所望の突起数を確保することができない。好まし
くは0.05重量%以上で更に好ましくは0.1重量%
以上である。また、不活性粒子の濃度は1重量%以下で
ある。1重量%を越えると、粒子同士の凝集が進行する
ために、もはやフィルム表面の突起高さをコントロ−ル
することができなくなる。好ましくは0.7重量%以
下、更に好ましくは0.5重量%以下である。
【0019】本発明において、不活性粒子が50〜10
0%の単分散率でフィルム中に存在することが、高密度
記録の磁気記録媒体のベ−スフィルムとして用いたとき
に好ましい。より好ましくは60〜100%、特に好ま
しくは70〜100%の単分散率でフィルム中に存在す
ることである。本発明において、不活性粒子が0.7以
上の単一粒子指数でフィルム中に存在することが、高密
度記録媒体のベ−スフィルムとして好ましい。より好ま
しくは0.75以上、特に好ましくは0.8以上の単一
粒子指数でフィルム中に存在することである。また、一
次粒子数と二次粒子数の総個数から算出される平均凝集
度は1.2以下であることが好ましく、より好ましくは
1.15以下、さらに好ましくは1.1以下である。
【0020】粒子の分散性は上記したように単一粒子指
数、単分散率、平均凝集度の3つの指標によって表現さ
れる。それぞれの計算法は別途記載するが、単一粒子指
数はフィルム中に存在する粒子(二次粒子)中での単一
粒子の存在確率を表すもので、すなわちフィルム表面で
の突起の状態を表しやすいものである。また、単分散率
はフィルム中に存在する一つ一つの一次粒子中での単一
に存在する粒子の存在確率を表すものであり、すなわち
全粒子数に対する単一に存在する粒子の割合を表し、分
散化技術のレベルを表すものである。平均凝集度は一次
粒子数の総個数を二次粒子の総個数で割ったもので粒子
の平均的な凝集状態を表す。
【0021】分かりやすくするために具体的例を挙げる
と、フィルム内をSEM等で観察した際に1個、10
個、20個という一次粒子から形成される凝集体二次粒
子が1つづつ、二次粒子数で合計3個存在した場合にこ
の計算法を適用すると、単一粒子指数は1/3=0.3
3となる。一方、単分散率を計算すると、単分散率は
[1/(1+10+20)]×100=3.2%と算出
される。また、平均凝集度は(31/3)=10.33
と算出される。単一粒子指数で判断するとおよそ表面に
存在する突起3個のうち1個がフィルム中で単一に分散
する突起により形成されたことが分かり、しかし単分散
率からはおよそ粒子100個に3個程度しかフィルム中
で単一な粒子として存在せず、期待しているような高度
な分散がフィルム中で達成されていないことが分かり、
平均凝集度からは平均的に二次粒子1つ1つが10.3
個程度の一次粒子の集まりからなっていることが分か
る。
【0022】単分散率が大きい程、フィルムに含有させ
る不活性粒子の平均一次粒子径および粒子濃度を変化さ
せることで、フィルムの平坦面からの突起高さおよび摩
擦係数をコントロ−ルすることが可能とになることから
好ましい。単一粒子指数が大きいと、フィルム上に存在
する突起はフィルム中に単一に存在する粒子により形成
される確率が高くなり、この結果、突起の高さをある一
定範囲にコントロ−ルすることが可能となることから好
ましい。また、平均凝集度が1.2以下と極めて1に近
いと実質的に高度の分散が達成され、表面性は添加する
不活性粒子の粒径によって制御することが可能となるか
らである。従って単分散率、平均凝集度、単一粒子指数
はそれぞれ独立ではなく、同時に達成することが必要で
ある。
【0023】本発明で用いる不活性粒子は、平均一次粒
子径が100nm以上300nm未満のものが好まし
く、より好ましくは130nm以上250nm以下、さ
らに好ましくは150nm以上200nm以下である。
平均一次粒子径が100nm未満、300nm以上では
本発明のフィルム突起を形成することは難しい。また、
一次粒子径が400nmを越える粒子の含有割合は3重
量%以下が好ましく、より好ましくは2重量%以下、特
に好ましくは1%重量以下であり、一次粒子径が50n
m未満の粒子の含有割合は5重量%以下が好ましく、よ
り好ましくは3重量%以下、特に好ましくは2重量%以
下である。400nm越える粒子が3重量%を越えると
本発明のフィルム突起を形成しにくくなる。また粒子径
が50nm未満の粒子が5重量%を越える場合には粒子
の凝集が進行し同様に本発明のフィルム突起を形成しに
くくなる。
【0024】一般に不活性粒子は表面に負の電荷を有
し、安定に分散されているが、わずかなpH変化で容易
に電荷は失われ凝集が進行する。ポリエチレンテレフタ
レート(PET)やポリエチレンナフタレート(PE
N)等の熱可塑性フィルムとは異なり、アラミドフィル
ムのような溶剤に溶解して成膜するフィルムにおいて
は、例えば硫酸やN−メチルピロリドン等の極性溶剤を
使用するため、単分散をさせることは困難であった。従
って、これまでは、5〜20nm程度のより微小な粒子
を用いることにより、たとえ凝集しても200nm程度
にとどまるようにすることでフィルム表面に形成される
突起の高さを制御しようと試みられてきた。即ち、一次
粒子径の大きな粒子を用いた場合には分散性が上がるこ
とよりも、むしろ大きな粒子を用いることにより、大き
な粒子の凝集によるフィルム表面の粗大突起の増加等の
悪影響が予想されていた。
【0025】例えば、特開平8−147671号公報に
は実施例において平均一次粒子径16〜40nmの粒子
を用い、凝集度15〜25の粒子を有するフィルムを得
ている。また、特開平8−281818号公報では平均
一次粒子径が20〜50nmのシリカを超音波分散器で
数時間から数十時間分散させたシリカスラリーを用い、
フィルム中における粒子の平均粒子径が50〜1200
nmのフィルムを得ている。
【0026】一方、特開平10−139895号公報で
は、実施例において平均粒径が80nm以下の不活性粒
子をあらかじめ水で10%以下に希釈してフィルムの製
造をすることにより分散性を高めることが試みられてい
るが、平均凝集度は1.5以上であり、なお満足のいく
分散性ではなかった。本発明では、上記したように平均
一次粒子径が100nm以上300nm未満のむしろ大
きな粒子を使用する。本発明は、このような大きな粒径
の不活性粒子を使用し、フィルム中での含有量が0.0
1重量%〜1重量%の範囲で添加することで、単分散率
が50%以上、単一粒子指数が0.7以上、平均凝集度
が1.2以下という不活性粒子の高度の分散が達成され
たものである。フィルム表面に形成される270nm以
上の突起は粗大突起と一般に呼ばれ、フィルム中に含ま
れる粒子が凝集したものに由来する。本発明のように粒
子の粒径を規定し、単分散率を高め、フィルム中で実質
的に粒子を単分散させることによって初めて粗大突起を
ほとんど含まないフィルム表面を獲得することができ
た。
【0027】以下、本発明のアラミドフィルムの製造方
法について説明する。本発明のアラミドフィルムの製造
において、最終的にフィルム中で高い単分散率を実現す
るためには、芳香族ポリアミド溶液との混合前に不活性
粒子はあらかじめ溶媒中で高度に分散されていることが
好ましく、超音波照射法等の有効な分散法を施すこと、
粒子の凝集促進効果を有する多価イオンを溶剤から除去
すること、粒子の凝集物を好ましく濾過して除去するこ
とを適宜組み合わせて行うことが好ましい。
【0028】本発明のアラミドフィルムは、該フィルム
の良好な製造と、磁気記録媒体としての出力特性や走行
安定性を両立させるためには、動摩擦係数、静摩擦係数
が0.7以下であることが好ましく、より好ましくは
0.6以下、特に好ましくは0.5以下である。0.7
を越えるとフィルム同士の貼り付き等が生じる傾向があ
り好ましくない。また、動摩擦係数、静摩擦係数の下限
値は特に制限しないが、通常高分子フィルムにおいては
0.2以上である。
【0029】本発明において、アラミドフィルム中の不
活性粒子の含有量は、該フィルムを酸素雰囲気下で灰化
し、残渣についてアルカリ性溶液に溶解しICPにより
定量する方法で測定した。本発明に用いる芳香族ポリア
ミドは、重合後に一旦単離した後、再溶解するなどして
溶液とし、ついで乾式法または湿式法にて製膜する。ま
た、PPTA等の有機溶剤に難溶のものについては、濃
硫酸などに溶解して溶液とし、ついで乾式法または湿式
法にて成膜する。
【0030】本発明のアラミドフィルムの製造に用いる
不活性粒子は、あらかじめ0.1〜10重量%、さらに
好ましくは2〜8重量%となるように分散させた後に芳
香族ポリアミドを溶解する溶剤に添加混合して、該溶剤
に対して0.005〜0.1重量%、好ましくは0.0
07〜0.03重量%、さらに好ましくは0.01〜
0.05重量%に混合調整される。この後芳香族ポリア
ミドを溶解し、フィルムの製造に用いられる。不活性粒
子を0.1〜10重量%に調整した分散液を、芳香族ポ
リアミドを溶解する溶剤に添加する際には局所的に粒子
濃度が高くなることを避けるため芳香族ポリアミドを溶
解する溶剤を攪拌しておくことが望ましい。
【0031】市販のコロイド状の不活性粒子分散液は通
常20〜50重量%程度の濃度で販売されているが、こ
れらの市販のコロイド状の不活性粒子分散液を0.1〜
10重量%に希釈するには該不活性粒子分散液の媒質と
同じものを用いることが好ましいが、水で十分である。
芳香族ポリアミド溶液はキャストに先立って可能なかぎ
り不溶性のゴミ、異物等の微細粒子を濾過によって取り
除いておく必要がある。このとき用いるフィルタ−は孔
径3μm以下のフィルタ−が望ましい。フィルター孔径
は小さいほうが異物の除去に好ましいが、細かくなると
濾過時の圧力が高くなり実用に供さない。該孔径の下限
は実用上1μmである。3μm以下のフィルターを用い
た濾過を行うことは、異物等の除去を行い、意図しない
粗大突起の生成の防止の面で効果的である。フィルタ−
を多段で用いるのも有用な実施形態の一つである。ま
た、溶解中に発生または巻き込まれる空気等の気体を減
圧下取り除いておくことが好ましい。混入された微細な
気泡は、フィルム表面の凹凸になるため、できるだけ除
くことが好ましい。
【0032】乾式法では、溶液はダイから押し出し、金
属ドラムやエンドレスベルトなどの支持体上にキャスト
し、キャストされた溶液が自己支持性のあるフィルムを
形成するまで乾燥を進める。その後フィルムは支持面か
ら剥離され、必要に応じて浴中に導入する。この浴は一
般に水系媒体からなるものであり、水の他に有機溶媒や
無機塩等を含有していても良い。該浴中でフィルム中の
残存溶媒や無機塩を除去する。
【0033】一方、湿式法では、溶液はダイから直接凝
固液中に押し出すか、乾式と同様に金属ドラムまたはエ
ンドレスベルト上にキャストした後、必要ならば溶剤の
除去を一部行った後、凝固液中に導き、凝固させる。ポ
リマ−溶液の凝固液として使用できるものは、使用した
溶剤に応じて、例えば、水、有機溶剤の水溶液、約75
%以下の硫酸、約20重量%以下の水酸化ナトリウム水
溶液およびアンモニア水、約10重量%以下の硫酸ナト
リウム、塩化ナトリウム水溶液等である。
【0034】ポリマ−溶液が光学異方性である場合に
は、ポリマ−溶液を凝固させる前に光学等方性溶液に転
化させる必要がある。光学異方性を有したまま凝固させ
ると、得られるフィルムは一方向に裂けやすく、フィル
ムとして用いることができない。光学等方性への転化
は、支持面上に流延後、転化させる方法が好ましく用い
られる。ポリマ−がPPTAの場合、例えば特公平3−
52775号公報、特公平2−57816号公報、特公
平4−6738号公報、特開昭63−99241号公報
等に記載されている方法を用いることができる。
【0035】乾燥、熱処理は一般的に100〜600℃
の加熱条件下で行われる。これらのうち、乾燥と熱処理
とをわけて行なうのが好ましく用いられる。フィルムを
乾燥させる場合、急激に加熱するとフィルム内にボイド
が発生し、表面平滑性が失われ、また、破断伸度も低下
する傾向があるため、100〜300℃、特に150〜
250℃の加熱条件下行なうのが好ましい。フィルムの
熱処理は必要に応じて行えばよく、熱処理によってフィ
ルムの弾性率、熱寸法安定性を向上させることができ
る。
【0036】しかしながら、熱処理温度が高すぎるとポ
リマ−の劣化が生じ表面平滑性が失われ、また、フィル
ムの機械物性の低下も生じる。これらのことからフィル
ムの熱処理を行なう場合、300〜500℃が好ましく
用いられる。熱処理の時間としては0.5秒〜10分が
好ましく用いられる。熱処理時間が短すぎると処理効果
を十分得ることができず、また、長すぎるとポリマ−の
劣化が生じ、表面平滑性が失われ、また、フィルムの機
械物性の低下も生じる。熱処理方法としては接触式、非
接触式いずれを用いても良く、例えば温度コントロ−ル
したロ−ルに接触させる方法、赤外線加熱、板状ヒ−タ
−間で非接触で加熱する方法等がある。
【0037】本発明のフィルムの製造に用いられる成膜
設備は、耐食性の金属材料、高分子材料等で作られる。
次に、本発明のアラミドフィルムを用いた磁気記録テー
プの製造方法について説明する。磁性層を形成する方法
は前述した湿式法、乾式法のいずれでも差し支えない。
例として湿式法による場合、磁性層を塗布する方法は公
知の方法で行うことができるが、グラビアロ−ルを使用
する方法が塗膜の均一性の点で好ましい。また、カレン
ダ−工程は25〜150℃の範囲で行うのが好ましい。
この後、磁性層と反対側の面にさらに走行性を向上させ
るために、公知の方法によりバックコ−ト層を設けても
良い。さらに、この磁性層を塗布したフィルムをキュア
した後スリットして必要であればカセットに収納して、
磁気テープとして使用する本発明の磁気記録媒体とな
る。例えば8mmテ−プ、DVCなどの民生用、プロ
用、D−1、2、3、DVC−pro等の放送局用、D
DS−2、3、4、QIC、デ−タ8mm、等のデ−タ
用が挙げられるがこれらに限定されるものではない。ま
た、本発明のフィルムは、昇華型ビデオプリンターのイ
ンクリボンのべースフィルム、電気絶縁基板、電線被覆
材、音響用振動板等にも使用できる。
【0038】
【発明の実施の形態】<特性値の測定法> (1)フィルム中に含まれる粒子の平均一次粒子径の測
定法 フィルム表面をフラットミリングデバイス((株)日立
製作所製 E−3200型)を用い、2kV、1mAの
条件で試料を60度傾斜させた状態で8分間アルゴンプ
ラズマを用いてフィルム表面から約50nmの深さまで
を電子線を用いて削り、次いで表面走査型電子顕微鏡
(SEM)((株)日立製作所製 S−5000型)を
用い、倍率10000倍から30000倍で観察する。
ここで一次粒子100個以上を無作為に選び、SEM写
真から粒子径を求め数平均したものを平均一次粒子径と
した。粒子径について形の歪なものについては、観察し
た際の最大の長さをその粒子の長さとし、平均一次粒子
径の算出に用いた。
【0039】(2)フィルム平坦面からの高さ270n
m以上の粗大突起個数 フィルム表面100cm2を可動ステ−ジ付顕微鏡で波
長546nmにより偏光下で観察し、干渉縞が1重環以
上のものの個数より求めた。 (3)フィルム平坦面からの表面の突起の測定法 得られたフィルムから4mm×4mmを切り出し、原子
間力顕微鏡(セイコ−電子工業(株)製 AFM(SP
I−3800))を用いて30μm×30μm四方のフ
ィルム平坦面からの表面突起数を測定した。測定は5回
行い、平均値を求めた後1mm2当たりに換算した。フ
ィルム平坦面から20nm以上50nm未満の高さを有
する突起個数、50nm以上100nm未満の突起個数
についてそれぞれ求めた。
【0040】(4)粒子の単分散率、単一粒子指数、平
均凝集度の測定法 フィルム表面をフラットミリングデバイス((株)日立
製作所製 E−3200型)を用い、2kV、1mAの
条件で試料を60度傾斜させた状態で8分間アルゴンプ
ラズマを用いてフィルム表面から約50nmの深さを電
子線を用いて削り、次いで表面走査型電子顕微鏡(SE
M)で倍率8000倍で観察する。この測定において、
粒子の一次粒子総個数をA、このうちの単一粒子の個数
をBとしたとき、((B/A)×100)で得られる値
を単分散率として定義し、一次粒子数で100個以上の
粒子を無作為に選び上記式から算出した。また、粒子の
二次粒子総個数をC(単一な粒子が存在する場合にはそ
れを一つと数え、凝集体として存在した場合にはその凝
集体を一つと数える)、このうちの単一粒子の個数をB
としたとき、(B/C)で得られる値を単一粒子指数と
して定義し、二次粒子数で100個以上の粒子を無作為
に選び上記式から算出した。また、上記で(A/C)を
平均凝集度とした。
【0041】(5)磁気テ−プの電磁変換特性の測定法 JIS X 6129−1993に準じて、短波長での
特性を把握するために、出力特性を4499.8ftp
mmに規格を変更して測定した。 (6)フィルムの走行性 JIS K 7125−ISO 8295に準じてフィ
ルムのA層表面とB層表面ついて動的摩擦係数を測定し
た。この動摩擦係数が0.5以下の場合には走行性○、
0.5を超える場合には走行性×と判定した。
【0042】<不活性粒子分散体の調製> ・粒子分散体1:日産化学社製のコロイダルシリカMP
2040(シリカ40.5重量%)6.62kgを蒸留
水38.38kgで希釈して6%とし、粒子分散体1と
した。 ・粒子分散体2:日産化学社製のコロイダルシリカMP
2040(40.5%)4.41Kgを蒸留水44.5
9Kgで希釈して4%とし、粒子分散体2とした。 ・粒子分散体3:日産化学社製のコロイダルシリカMP
1040(40.7%)6.63Kgを蒸留水38.3
7Kgで希釈して6%とし、粒子分散体3とした。 ・粒子分散体4:触媒化成工業社製のコロイダルシリカ
SI45P(40.5%)2.27Kgを蒸留水58.
56Kgで希釈して1.5%とし、粒子分散体4とし
た。 ・粒子分散体5:触媒化成工業社製のコロイダルシリカ
SI80P(40.5%)2.27Kgを蒸留水13.
05Kgで希釈して6%とし、粒子分散体5とした。
【0043】実施例で用いたコロイダルシリカMP20
40およびMP1040を、蒸留水で希釈して約1重量
%とし、この溶液をネプライザーを用いてコロジオン膜
を張った検鏡用グリッドに載せ(株)日立製作所製 H
7100型透過電子顕微鏡で加速電圧125kV、8万
倍で観察した。粒子径について形の歪なものについて
は、観察した際の最大の長さをその粒子の長さとした。
一次粒子径が400nmを越えるものは不含であり、ま
た一次粒子径が50nm未満のものは1.1重量%であ
った。同様にMP1040については一次粒子径が40
0nmを越えるものは不含であり、一次粒子径が50n
m未満のものは0.3重量%であった。
【0044】<参考例−PPTAの製造>低温溶液重合
法により、次のごとく芳香族ポリアミド(PPTA)を
得た。特公昭53−43986号公報に示された重合装
置中でN−メチルピロリドン1000部に無水塩化リチ
ウム70部を溶解し、ついでパラフェニレンジアミン4
8.6部を溶解した。8℃に冷却した後、テレフタル酸
ジクロライド91.4部を粉末状で一度に加えた。数分
後に重合反応物はチーズ状に固化したので、特公昭53
−43986号公報記載の方法に従って重合装置より重
合反応物を排出し、直ちに2軸の密閉型ニーダーに移
し、同ニーダー中で重合反応物を微粉砕した。
【0045】次に微粉砕物をヘンシェルミキサー中に移
し、ほぼ等量の水を加えさらに粉砕した後、濾過し、数
回温水中で洗浄して、110℃の熱風中で乾燥した。η
inhが4.6の淡黄色の芳香族ポリアミド95部を得
た。
【0046】
【実施例1】孔径0.1μmのポリテトラフルオロエチ
レン製フィルタ−で予め濾過した100%硫酸(金属分
含有率1ppm)1000リットル(1830kg)に
対して上記粒子分散体1を10リットル添加し、ポリマ
−溶解用の硫酸とした(硫酸中でのシリカ濃度は0.0
32重量%)。参考例と同様に製造したポリパラフェニ
レンテレフタルアミド(PPTA)250kg(ηin
h=4.6)を、上記のポリマ−溶解用硫酸に溶解及び
減圧下脱気し、3μmの大きさの粒子を80%以上除去
するフィルタ−で濾過した後、ダイから吐出して2.4
のドラフトがかかるようにエンドレスベルト上にキャス
トした。
【0047】キャストしたポリマ−の硫酸溶液はベルト
上で加熱と同時に吸湿処理して、該ポリマ−溶液を液晶
相から等方相に相変換した後、15℃の50%硫酸中に
て凝固させ、その後、中和、水洗し、長さ方向に1.0
5倍の延伸を施した後クリップテンタ−により1.1倍
に横延伸し次に定長状態を保ちつつ150℃で熱風乾燥
し、次いで400℃で緊張熱処理した後、最後に210
℃にて弛緩熱処理してロ−ル上に巻き上げた。得られた
フィルムから4mm四方を切り出し、原子間力顕微鏡
(AFM)にて得られたフィルムの20nm以上、50
nm未満の突起個数を測定したところ6.00×105
個/mm2で、50nm以上、100nm未満の突起個
数は8.2×104個/mm2、270nm以上の粗大突
起個数は1個/100cm2であった。含有粒子の平均
一次粒子径は180nm、単分散率は90%、単一粒子
指数は0.95であった。また、フィルム中におけるシ
リカ含有量は0.24重量%で、初期仕込み濃度がフィ
ルム中においてもそのまま保たれた。
【0048】
【実施例2】10リットルの粒子分散体1を硫酸中に分
散して5日間放置した後にポリマ−を溶解して成膜した
以外は実施例1と同様に行なった。得られたフィルムか
ら4mm四方を切り出し、AFMにて得られたフィルム
の20nm以上、50nm未満の突起個数を測定したと
ころ6.01×105個/mm2で、50nm以上100
nm未満の突起個数は8.2×104個/mm2、270
nmを超える粗大突起個数は0個/100cm2であっ
た。含有粒子の平均一次粒径は180nm、単分散率は
90%、単一粒子指数は0.96、フィルム中における
シリカ含有量は0.24重量%であり、硫酸中でシリカ
分散状態は安定で凝集が経時的に進行するものではない
ことが分かった。
【0049】
【実施例3】粒子分散体2に変更した以外は実施例1と
同様に行なった(硫酸中でのシリカ濃度は0.0196
重量%)。得られたフィルムから4mm四方を切り出
し、AFMにて得られたフィルムの20nm以上、50
nm未満の突起個数を測定したところ5.2×105
/mm2で、50nm以上、100nm以下の突起個数
は6.4×104個/mm2で、270nmを超える粗大
突起個数は0個/100cm2であった。含有粒子の平
均一次粒径は180nm、単分散率は95%、単一粒子
指数は0.98であり、硫酸中での粒子濃度と単分散率
は関係がないことが分かった。フィルム表面から約50
nmを削り取り走査型電子顕微鏡にて8000倍で観察
した写真を図1〜図6に示す。図1〜図6の写真は異な
る箇所の写真である。また、フィルム中におけるシリカ
含有量は0.16重量%で、初期仕込み濃度がフィルム
中においてもそのまま保たれた。
【0050】
【実施例4】粒子分散体を10リットルの粒子分散体3
に変更した以外は実施例1と同様に行なった(硫酸中で
のシリカ濃度は0.033重量%)。得られたフィルム
から4mm四方を切り出し、AFMにて得られたフィル
ムの20nm以上50nm以下の突起個数は3.0×1
5個/mm2、50nm以上100nm以下の突起個数
は1.18×105個/mm2で、270nmを超える粗
大突起個数は0個/100cm2であった。含有粒子の
平均一次粒径は110nm、単分散率は74%、単一粒
子指数は0.88であった。また、フィルム中における
シリカ含有量は0.24重量%で、初期仕込み濃度がフ
ィルム中においてもそのまま保たれた。
【0051】
【実施例5】実施例1〜4で得られたフィルムを用いて
メタルパウダ−を磁性層とする磁気テ−プを試作し、D
VC−PRO規格のカ−トリッジに組み込んで磁気特性
を測定したところ、市販のDVC−PRO規格のテ−プ
対比で出力140%と優れたものであった。また、DV
C−PROシステムに組み込んでの走行テストを100
0時間にわたって行ったが、テ−プの表面突起高さの変
化は全く無く、磁気特性の低下も見られなかった。
【0052】
【比較例1】粒子分散体を10リットルの粒子分散体4
に変更した以外は実施例1と同様に行なった。得られた
フィルムから4mm四方を切り出し、AFMにて得られ
たフィルムの20nm以上50nm未満の突起個数は
8.6×104個/mm2、50nm以上100nm未満
の突起個数は1.66×104個/mm2であり、270
nmを超える粗大突起個数は5個/100cm2であっ
た。含有粒子の平均一次粒径は45nm、単分散率は9
%、単一粒子指数は0.30であった。また、フィルム
中におけるシリカ含有量は0.06重量%であった。
【0053】
【比較例2】10リットルの粒子分散体5を硫酸中に分
散した以外は実施例1と同様に行なった。得られたフィ
ルムから4mm四方を切り出し、AFMにて得られたフ
ィルムの20nm以上50nm未満の突起個数は8.6
×104個/mm2、50nm以上100nm未満の突起
個数は1.66×104個/mm2であった。含有粒子の
平均一次粒径は45nm、単分散率は15%、単一粒子
指数は0.33であり、270nmを超える粗大突起個
数は20個/100cm2であった。
【0054】
【比較例3】比較例1〜2で得られたフィルムを用いて
メタルパウダ−を磁性層とする磁気テ−プを試作し、D
VC−PRO規格のカ−トリッジに組み込んで磁気特性
を測定したところ、市販のDVC−PRO規格のテ−プ
対比で出力70%と小さく、また、DVC−PROシス
テムに組み込んでの走行テストを1000時間にわたっ
て行ったところ、テ−プの表面突起高さは著しく変化
し、走行安定性において安定しなかった。
【0055】
【比較例4】SONY社製DDS2テ−プ使用されてい
るアラミドフィルムについて、磁気テ−プを切り取り、
エポキシ樹脂で包埋し、コロジオン膜を貼った銅メッシ
ュにマウントしJEOL社製JEM−2000FX型透
過電子顕微鏡にて加速電圧120kV、10万倍にて観
察した写真を図7として示す。シリカ粒子が観察された
が、単一な粒子はほとんど存在せず、シリカは数十個程
度の凝集体として存在した。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明のアラミドフィルムは、磁気記録
媒体のベースフィルムとして用いた際に良好な電磁変換
特性を長期に亘って維持できるとともに走行安定性にも
優れ、産業上大いに有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3で得られたアラミドフィルムの走査型
電子顕微鏡写真である。(なお、図1〜図2の写真は異
なる箇所の写真である。)
【図2】実施例3で得られたアラミドフィルムの走査型
電子顕微鏡写真である。
【図3】実施例3で得られたアラミドフィルムの走査型
電子顕微鏡写真である。
【図4】実施例3で得られたアラミドフィルムの走査型
電子顕微鏡写真である。
【図5】実施例3で得られたアラミドフィルムの走査型
電子顕微鏡写真である。
【図6】実施例3で得られたアラミドフィルムの走査型
電子顕微鏡写真である。
【図7】比較例4の透過型電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 B29L 7:00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリアミドからなるフィルムであ
    って、該フィルムの平坦面からの高さ20nm以上50
    nm未満の突起個数が5万個/mm2以上100万個/
    mm2以下、50nm以上100nm未満の突起個数が
    3万個/mm2以上20万個/mm2以下であり、フィル
    ム平坦面からの高さ270nm以上の粗大突起個数が5
    個/100cm2以下であることを特徴とするアラミド
    フィルム。
  2. 【請求項2】 芳香族ポリアミドからなるフィルム内に
    不活性粒子を含有し、且つ該不活性粒子の単一粒子指数
    が0.7以上、単分散率が50%以上、平均凝集度が
    1.2以下であることを特徴とする請求項1に記載のア
    ラミドフィルム。
  3. 【請求項3】 不活性粒子の含有量が0.01〜1重量
    %であることを特徴とする請求項2に記載のアラミドフ
    ィルム。
  4. 【請求項4】 不活性粒子の平均一次粒子径が100n
    m以上300nm未満であることを特徴とする請求項2
    または3に記載のアラミドフィルム。
  5. 【請求項5】 不活性粒子がコロイダルシリカであるこ
    とを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のアラミ
    ドフィルム。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のアラミ
    ドフィルムをベースフィルムとする磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】 芳香族ポリアミドからなるフィルムを製
    造するに際して、平均一次粒子径が100nm以上、3
    00nm未満のコロイダルシリカ分散液を予め0.1重
    量%以上、10重量%以下となるように希釈した後に、
    芳香族ポリアミドを溶解する溶剤に混合し0.005〜
    0.1重量%に調整した後、該濃度のコロイダルシリカ
    分散液に芳香族ポリアミドを溶解しフィルム化すること
    を特徴とする請求項1に記載のアラミドフィルムの製造
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014156561A (ja) * 2013-02-18 2014-08-28 Toray Ind Inc 芳香族ポリアミド組成物の製造方法
JP2017171740A (ja) * 2016-03-22 2017-09-28 興人フィルム&ケミカルズ株式会社 滑り性の優れたポリアミドフィルム

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