JP2002253064A - 生分解性育苗用根カバー及びその製造方法 - Google Patents

生分解性育苗用根カバー及びその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた機械的強度を具備するとともに、育苗
期間中は殆ど分解されず、移植後にはほぼ完全に分解さ
れるように制御された分解性能を有する生分解性育苗用
根カバーを提供する。 【解決手段】 生分解性を有する熱可塑性脂肪族ポリエ
ステルからなる不織布により形成する。前記不織布を、
単糸繊度が5〜15デシテックスの太繊度長繊維ウエブ
と単糸繊度が1〜5デシテックスで前記太繊度長繊維ウ
エブとは繊度の異なる細繊度長繊維ウエブとの少なくと
も2層を積層する。前記太繊度長繊維ウエブと細繊度長
繊維ウエブとを部分的熱圧着または三次元的交絡処理に
より一体化したものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農・園芸分野にお
いて用いられる育苗用根カバーおよびその製造方法に関
する。さらに詳しくは、従来の育苗根カバーのように移
植に際して育苗用容器を取り除く必要がなく、そのまま
移植が可能な生分解性を有する育苗用根カバーおよびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自然への回帰指向が高まる中で、
公園、庭園、宅地等に植栽する緑化樹の栽培がさかんで
ある。一般的には、緑化樹は農園で苗木を一定の大きさ
まで育成した後、掘り起こして出荷する形態が取られて
いるが、緑化樹を掘り起こして出荷するためには、毛根
部を保護するための根巻作業が必要であり、作業が煩雑
で人件費がかかるという問題がある。また、緑化樹を掘
り起こす際にかなり太い基幹根も切れてしまうために、
移植に際して根が付かず枯れることが多くなり、移植
は、植物の代謝成長の活発な春先に限られるという問題
もある。
【0003】これらの問題を解決する手段として、まず
植え込みの穴を掘った後、織編物や不織布からなる円筒
状の容器をその穴の中に置き、その容器の中に苗木を植
え込み、一定期間の養育後にその容器の外周に沿って掘
り起こす方法が開発されている。この方法により、この
容器が出荷時に根カバーとして機能することから、出荷
時の根巻作業が不要となり作業性の大幅な簡便化につな
がるとともに、掘り起こしの際に太い根が切られること
がないので、活着率が向上し、一年を通じて出荷が可能
になることが期待される。
【0004】このような根カバーの素材としては、土中
の微生物の存在下や湿潤環境下においても、育苗期間中
の少なくとも1〜2年は安定した機械的強度を維持する
必要があり、このため、現在は、その一部又は全部がポ
リエステルやナイロンやポリプロピレン等である合成繊
維が根カバーの素材に用いられている。しかし、これら
ポリエステル等の合成繊維は、土中では分解されないた
めに、掘り起こして移植・植え込みをするに際して、根
が絡まった根カバーを剥がさねばならず、また、その廃
棄処理も問題となる。一方、例えば、木綿やレーヨン等
の天然繊維または再生繊維を根カバーの素材として用い
た場合、土中の微生物によりあまりにも早期に分解され
てしまうため、本来の根カバーとしての役割を果たすこ
とができず、しかも湿潤時環境下における機械的強度や
寸法安定性に欠けるという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題点を解決し、優れた機械的強度を具備するととも
に、育苗期間中は殆ど分解されず、移植後にはほぼ完全
に分解されるように制御された分解性能を有する生分解
性育苗用根カバーを提供するものであり、これによっ
て、植え替えに際して必要な機械的強度を保持しつつし
かも根カバーを剥がす必要がなく、そのままで移植が可
能となる育苗用根カバーを得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の問題を解決するた
めに、本発明は、植物の根の部分とこの根の周囲の土壌
とを覆うための育苗用根カバーであって、不織布によっ
て構成され、前記不織布が、生分解性を有する熱可塑性
脂肪族ポリエステルからなり単糸繊度が5〜15デシテ
ックスの太繊度長繊維ウエブと生分解性を有する熱可塑
性脂肪族ポリエステルからなり単糸繊度が1〜5デシテ
ックスで前記太繊度長繊維ウエブとは繊度の異なる細繊
度長繊維ウエブとの少なくとも2層が積層され、前記太
繊度長繊維ウエブと細繊度長繊維ウエブとが一体化され
た積層長繊維不織布であることを要旨とする。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明における育苗用根カバー
は、生分解性を有する熱可塑性脂肪族ポリエステルから
なり単糸繊度が5〜15デシテックスの太繊度長繊維ウ
エブと、生分解性を有する熱可塑性脂肪族ポリエステル
からなり単糸繊度が1〜5デシテックスで前記太繊度長
繊維ウエブとは繊度の異なる細繊度長繊維ウエブとが一
体化された積層長繊維不織布にて形成される必要があ
り、使用時には、原則として前記積層長繊維不織布の太
繊度側が根カバーの内側すなわち植物が配置される側に
なるようにして使用される。
【0008】このように生分解性の繊維からなり、かつ
繊度の異なる積層長繊維不織布を用いることで、植物の
毛細根は成長を阻害することなく細繊度長繊維ウエブ内
を貫通して外部に突き抜け、基幹根は少なくとも細繊度
長繊維ウエブ内を通過せずに根カバーの内部に溜めるこ
とができ、また、太繊度長繊維ウエブの存在によって所
定の期間内は所要の機械的強度を維持することができ、
しかも移植後に土中に埋設されたカバーは、加水分解や
微生物分解により最終的には水と二酸化炭素に完全に分
解されるため、移植に際して根カバーを取り除く必要が
なくなる。
【0009】太繊度長繊維ウエブを構成する長繊維の単
糸繊度は、5〜15デシテックスである必要がある。単
糸繊度が5デシテックス未満であると、同ウエブの目付
にもよるが一般に繊維間空隙が小さくなりすぎて、根カ
バーの外への根の突出が必要以上に抑制されて、根カバ
ー内で根が巻きつく、いわゆる根巻を起こしやすくな
り、また不織布全体の機械的強力を得にくくなる。単糸
繊度が15デシテックスを超えると、製糸工程における
紡出糸条の冷却性に劣り、また得られる不織布の柔軟性
を損なうため加工成形時の操業性に支障をきたすことと
なる。一方、前記太繊度長繊維ウエブを構成する長繊維
よりも繊度の細い長繊維にて構成される細繊度長繊維ウ
エブの単糸繊度は、1〜5デシテックスである必要があ
る。単糸繊度が1デシテックス未満であると、製糸工程
における操業性が損なわれるとともに生分解速度が速く
なりすぎ、単糸繊度が5デシテックスを超えると、同ウ
エブの目付にもよるが、一般に繊維間空隙が大きくなり
すぎて基幹根が貫通しやすくなる。これらの理由から、
各ウエブの単糸繊度を上記のような範囲とする必要があ
る。
【0010】太繊度長繊維ウエブと細繊度長繊維ウエブ
とは、質量比で(太繊度長繊維ウエブ/細繊度長繊維ウ
エブ)=30/70〜70/30の比率で積層されるこ
とが好ましい。太繊度長繊維ウエブの割合が30質量%
よりも少なく細繊度長繊維ウエブの割合が70質量%よ
りも多くなると、湿潤環境下での機械的強度や寸法安定
性に劣り、また、植え替えに際して必要な機械的強度が
得られなくなる。一方、太繊度長繊維ウエブの割合が7
0質量%よりも多く細繊度長繊維ウエブの割合が30質
量%よりも少なくなると、繊維間の空隙が大きくなりす
ぎて基幹根が根シートを通過しやすくなり、掘り起こし
の際に基幹根が切られて活着率が低下する。
【0011】上記の割合で積層された太繊度長繊維ウエ
ブと細繊度長繊維ウエブとは、部分的熱圧着処理または
三次元交絡処理により一体化されて、本発明の根カバー
を構成する積層長繊維不織布となる。
【0012】積層長繊維不織布の目付は、50〜300
g/m2の範囲にあることが好ましい。目付が50g/
2未満であると、得られる育苗用根カバーの機械的強
度に劣り、実用性の乏しいものとなる。逆に、目付が3
00g/m2を超えるとコスト面で不利となるばかりで
なく、生分解速度が低下する傾向にある。目付と前述の
単糸繊度とは特に密接な関係にあり、例えば、単糸繊度
が細い場合には同一目付でも緻密な不織布となるが、生
分解に伴う機械的強度の低下が早いことを考慮する必要
があり、また、繊維自体の機械的強度が低い場合には、
不織布としての一定の強力を維持するためには、単糸繊
度および目付を大きくすることが必要である。
【0013】また、積層長繊維不織布の引張強力は、5
0N/5cm幅以上であることが好ましい。引張強力が
50N/5cm幅未満であると、苗木とともに土を投入
した際に強力が低いために育苗用根カバーが破壊される
おそれがある。そのため、さらに好ましくは引張強力が
100N/5cm幅以上であることが望ましい。この引
張強力の制御は、用いる重合体の種類、構成繊維の単糸
繊度や強度、不織布の目付などによって可能である。
【0014】また、積層長繊維不織布は、通気度が30
〜500cc/cm2/秒であることが好ましい。通気
度が30cc/cm2/秒未満であると、土壌中で有機
物を分解して植物の栄養源とする微生物の働きが鈍くな
り、苗木の成育に支障をきたすばかりか、不織布が緻密
すぎて毛細根は根カバーを突き抜けることができなくな
る。そのため、通気度は50cc/cm2/秒以上であ
ることが望ましい。逆に、通気度が500cc/cm2
/秒を超えると、根カバーの空隙が大きくなりすぎて太
い基幹根が根カバーの外部へ突き抜けてしまう。この通
気度の制御は、用いる重合体の種類、構成繊維の単糸繊
度、不織布の目付および熱処理の条件等によって可能で
ある。
【0015】さらに、積層長繊維不織布は、JIS−A
−1218に準じて測定した透水係数が0.02〜0.
8cm/秒であることが好ましい。透水係数が0.02
cm/秒未満であると、透水性が低すぎて根の周りの水
が排水されず、毛細根の成長が阻害されたり基幹根が腐
ったりして、時には植物が枯れるおそれがある。逆に、
透水係数が0.8cm/秒を超えると、植物の毛細根の
みならず太い基幹根が根カバーを突き抜けて外部へ出る
おそれがある。すなわち、透水性が良すぎるということ
は根カバーに大きな開孔部が存在することであり、この
大きな開孔部を通じて基幹根の先端部が突き出して外部
の土中へ突き抜けることとなる。
【0016】根カバーを構成するときは、植物の毛細根
は成長を阻害することなく貫通させ、基幹根は貫通させ
ずに根カバーの内部に留めるという利点から、原則とし
て、積層長繊維不織布の太繊度側を内面側に、細繊度側
を外面側に配置する。
【0017】外面側に配置される細繊度側には、必要に
応じて熱処理を施し、少なくとも構成繊維の交点を融着
させて多孔性のフィルム形状としても良い。熱処理とし
ては、例えば、熱風法や熱カレンダー法が好適に採用さ
れるが、このとき、全構成繊維が融解して繊維間の空隙
がなくなることがないように処理条件を適宜設定するこ
とが重要である。また、前記の熱処理とともに、あるい
はこれに代わって、積層長繊維不織布に生分解性を有す
る結合剤樹脂を含浸させてもよい。生分解性を有する結
合剤樹脂としては、ポリビニールアルコール、澱粉、膠
等が挙げられ、これらの樹脂溶液または分散液中に不織
布を浸漬、含浸させた後、乾燥させて付着させることで
不織布を多孔性のフィルム形状にできる。このような多
孔性のフィルム形状とすると、植物の毛細根は成長を阻
害させることなく突き抜けさせ、基幹根は貫通させずに
根カバーの内部に留めるという効果を、より一層高める
ことができ、さらに細繊度長繊維ウエブ側の表面が緻密
で堅いものとなるため、根カバーを形成したときの形態
保持性が良好となり、例えばその中に土を詰めるときに
容易に作業できるなどの効果も得られる。
【0018】上記のように構成された積層長繊維不織布
において、太繊度長繊維ウエブを構成する太繊度長繊維
と細繊度長繊維ウエブを構成する細繊度長繊維とは、同
じ種類の熱可塑性脂肪族ポリエステルであっても異なる
種類の熱可塑性脂肪族ポリエステルであっても良い。
【0019】生分解性を有する熱可塑性脂肪族ポリエス
テルとしては、例えば、ポリグリコール酸やポリ乳酸の
ようなポリ(α−ヒドロキシ酸)またはこれらを主たる
繰り返し単位要素とする共重合体が挙げられる。また、
ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(β−プロピオラク
トン)のようなポリ(ω−ヒドロキシアルカノエート)
が、さらに、ポリ−3−ヒドロキシプロピオネート、ポ
リ−3−ヒドロキシブチレート、ポリ−3−ヒドロキシ
カプロレート、ポリ−3−ヒドロキシヘプタノエート、
ポリ−3−ヒドロキシオクタノエートのようなポリ(β
−ヒドロキシアルカノエート)およびこれらを構成する
繰り返し単位要素とポリ−3−ヒドロキシバリレートや
ポリ−4−ヒドロキシブチレートを構成する繰り返し単
位要素との共重合体が挙げられる。また、グリコールと
ジカルボン酸の縮重合体からなるポリアルキレンジカル
ボキシレートとして、例えば、ポリエチレンオキサレー
ト、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンアジペー
ト、ポリエチレンアゼレート、ポリブチレンオキサレー
ト、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンアジペー
ト、ポリブチレンセバケート、ポリヘキサメチレンセバ
ケート、ポリネオペンチルオキサレートまたはこれらを
構成する繰り返し単位要素とするポリアルキレンジカル
ボキシレート共重合体が挙げられる。さらに、これらの
ような個々に生分解性を有する各重合体を複数種選択
し、これらをブレンドしたものを適用することもでき
る。
【0020】本発明においては、生分解性能および製糸
性、実用性等の点から、以上の中で特に、ポリ乳酸系重
合体が好適に使用できる。ポリ乳酸系重合体としては、
ポリ(D−乳酸)と、ポリ(L−乳酸)と、D−乳酸と
L−乳酸との共重合体と、D−乳酸とヒドロキシカルボ
ン酸との共重合体あるいはL−乳酸とヒドロキシカルボ
ン酸との共重合体と、D−乳酸とL−乳酸とヒドロキシ
カルボン酸との共重合体とから選ばれるいずれかの重合
体あるいはこれらのブレンド体が好ましく、中でも融点
が100℃以上である重合体が好ましい。ここで、乳酸
とヒドロキシカルボン酸との共重合体である場合におけ
るヒロドキシカルボン酸としては、グリコール酸、ヒド
ロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシペンタン
酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘプタン酸、ヒ
ドロキシオクタン酸等が挙げられる。
【0021】なお、上記の熱可塑性脂肪族ポリエステル
は、数平均分子量が約20,000以上、好ましくは4
0,000以上、さらに好ましくは50,000以上のも
のが、製糸性及び得られる糸条特性の点から好適に使用
できる。また、重合度を高めるために少量のジイソシア
ネートやテトラカルボン酸二無水物などで鎖延長したも
のでも良い。
【0022】上記の熱可塑性脂肪族ポリエステルには、
タルク、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、酸化チタン等の結晶核剤が添加されていることが好
ましい。このような結晶核剤を添加すると、熱可塑性脂
肪族ポリエステルの結晶化が促進されて、育苗用カバー
とした際の耐熱性や機械的強度を向上できる。また、熱
可塑性脂肪族ポリエステルを紡糸する際には、紡出・冷
却工程での糸条間の融着(ブロッキング)を防止でき
る。根カバーとしての実用性を考慮すると、構成繊維の
結晶化度は15%以上25%以下であることが好まし
く、結晶核剤の添加量は、0.1〜3.0質量%の範
囲、より好ましくは0.5〜2.0質量%の範囲である
ことが望ましい。なお、ここでいう結晶化度とは、粉末
化した長繊維(不織布)を広角X線回析パターンによ
り、ルーランド法により求めたものである。繊維の結晶
化度が15%未満であると、土中での分解があまりにも
早く起こりすぎ実使用に適さないものとなる。逆に、2
5%を超えると繊維としての柔軟性に欠け、製糸性や加
工性に劣るばかりでなく、土中での分解速度も著しく遅
くなるので好ましくない。
【0023】また、上記結晶核剤だけでなく、必要に応
じて顔料、艶消し剤などの各種添加剤を、本発明の効果
を損なわない範囲で添加しても良い。例えば、カーボン
ブラックや黒色顔料などを添加すると、地中に埋没した
際に顔料や染料によって地熱を吸収しやすくなり、植物
の根の保温が良くなって、根の成長に寄与する。ただ
し、あまり添加剤の量を多くすると、繊維を紡出する際
に製糸性が低下することから、添加剤は熱可塑性脂肪族
ポリエステルに対し0.1〜3.0質量%、好ましくは
0.5〜2.0質量%の範囲で用いることが肝要であ
る。
【0024】また、上記のような熱可塑性脂肪族ポリエ
ステルからなる繊維は、顔料などの着色剤をあらかじめ
練りこんだポリマーを紡糸した繊維である原着繊維であ
ることが好ましい。このような原着繊維を用いると、繊
維に予め顔料が含まれているため後加工による染色が不
要になり、染色による熱劣化がなくなり、また工程数も
減るため低コスト化が図れる。さらに、繊維化した後の
染色では着色しにくいポリ乳酸系重合体からなる繊維に
ついても、良好な発色が得られる。
【0025】本発明の熱可塑性脂肪族ポリエステルから
なる太繊度長繊維と細繊度長繊維の繊維形態は、特に限
定されるものではなく、それぞれ単一の熱可塑性脂肪族
ポリエステルを用いたものであっても良いし、2種以上
の熱可塑性脂肪族ポリエステルを用いた複合繊維でも良
い。また、繊維横断面は、通常の丸断面の他にも、中空
断面、芯鞘型複合断面、貼り合わせ型複合断面、多層型
複合断面などが挙げられる。
【0026】以下に、本発明の生分解性育苗用根カバー
の製造方法を、具体例を挙げて説明する。本発明の根カ
バーを構成する太繊度および細繊度の長繊維ウエブは、
いわゆるスパンボンド法にて効率よく製造することがで
きる。
【0027】まず、熱可塑性脂肪族ポリエステルを加熱
溶融して紡糸口金から紡出させ、得られた紡出糸状を従
来公知の横型吹付や環状吹付等の冷却装置を用いて冷却
し、その後、エアーサッカー等の吸引装置を用いて所望
の単糸繊度となるように牽引・細化する。牽引速度は2
000m/分以上、好ましくは、3000m/分以上、
さらに好ましくは4000m/分以上である。引き続
き、吸引装置にて牽引・細化した長繊維は従来公知の開
繊器具にて開繊させながらスクリーンからなるコンベア
ーなどの移動堆積装置上に堆積させて、所望の単糸繊度
からなる長繊維ウエブとする。
【0028】得られた太繊度長繊維ウエブと細繊度長繊
維ウェブとは積層比率が質量比で(太繊度長繊維ウエブ
/細繊度長繊維ウエブ)=30/70〜70/30とな
るようにスクリーンコンベア上に積層する。
【0029】この積層ウエブを、太繊度長繊維ウエブの
側に表面に凹凸が形成されたエンボスロールが当接し、
細繊度長繊維ウエブの側に表面が平滑なフラットロール
が当接するよう、エンボスロールとフラットロールの間
を通過させ、部分熱圧着処理を施すことで、太繊度長繊
維ウエブと細繊度長繊維ウエブとが部分熱圧着により一
体化されるとともに、フラットロールにより熱処理され
た細繊度長繊維ウエブの少なくとも構成繊維の交点が融
着された多孔性のフィルム形状の積層長繊維不織布が得
られる。
【0030】部分熱圧着処理における熱融着の条件とし
ては、脂肪族ポリエステルの融点をTm℃としたとき
に、エンボスロールとフラットロールの温度を(Tm−
70)〜(Tm−30)℃とすることが好ましい。ま
た、フラットロールにより細繊度長繊維ウエブの側の構
成繊維の交点を融着して多孔性のフィルム形状とするた
めには、エンボスロールとフラットロールの温度差を
[(フラットロール温度)−(エンボスロール温度)]
=0〜30℃として、この温度条件で熱処理を行うこと
が好ましい。エンボスロールとフラットロールの温度が
(Tm−70)℃より低く、かつエンボスロールとフラ
ットロールの温度差が30℃を超えると、不織布の表裏
に毛羽が発生してしまう。また、(Tm−30)℃を超
えると、熱圧着装置に重合体が固着して操業性を著しく
損なうばかりか、長繊維不織布が硬化して加工性に劣る
ものとなる。
【0031】なお、上記説明では、積層ウエブをエンボ
スロールとフラットロールの温度制御によって細繊度長
繊維ウエブの側の構成繊維の交点を融着させて多孔性の
フィルム形状としているが、構成繊維の結晶配向の差に
よって細繊度長繊維ウエブの側の構成繊維の交点を融着
させることもできる。すなわち、細繊度長繊維ウエブの
側の結晶配向を太繊度長繊維ウエブの側の結晶配向より
低く設定して、エンボスロールとフラットロールとの間
に温度差をもうけることなく積層ウエブに熱処理を施す
ことにより、細繊度長繊維ウエブの側の構成繊維の交点
のみを融着させることができる。又、この際のエンボス
温度とフラットロールの温度は(Tm−50)〜(Tm
−40)℃の範囲が好ましい。
【0032】なお、上記説明では、太繊度長繊維ウエブ
と細繊度長繊維ウエブとを、部分的熱圧着により一体化
したが、ニードルパンチまたは加圧液体流による交絡処
理を施して、構成繊維を三次元的に交絡させて一体化し
てもよい。
【0033】また、上記の説明では、不織布の細繊度側
の構成繊維の交点を少なくとも熱処理により融着させて
多孔性のフィルム形状とした例を挙げて説明したが、こ
れに代えて、あるいはこれとともに浸漬法などによって
不織布に上述のような生分解性を有する結合剤樹脂を含
浸させてもよい。
【0034】上記のように作成された積層長繊維不織布
を、植物の根の部分とこの根の周囲の土壌とを覆うため
の育苗用根カバーとして使用する際には、例えば、不織
布を裁断し、太繊度の繊維が内側となるようにしてその
端部を縫製又は熱接着により接合して袋状に成形する方
法等が適用できる。なお、縫製により成形する場合に
は、縫合糸として生分解性を有するものを用いることが
好ましく、また、熱接着により成形する場合には、熱カ
レンダー法や超音波融着法等の公知の方法によって行う
ことができる。
【0035】得られた育苗用根カバーは、植え替えに際
して必要な機械的強度を保持しつつも適度な生分解性を
有するため根カバーを剥がす必要がなく、そのままでの
移植が可能となる。なお、本発明の育苗用根カバーで必
要とされる生分解性とは、植物の育苗期間を考慮する
と、1年目はほとんど分解されておらず、2年目にはや
や分解が進み、3年目には約半分程度まで分解が進み、
5年目には殆ど分解されている程度のものである。
【0036】また、土中に埋設した場合には、適度な緻
密性を有するため、カバーの内外において土中水分や肥
料の栄養分、酸素等に関して大きな差異が生じないよう
に一定レベルの透水性と通気性を付与でき、しかも、苗
木の細い根は土中の栄養分を広い範囲にわたって吸収す
るためにカバーの内から外へ貫通でき、一方、太い根は
移植に際しての掘り起こし時の切断を回避して活着率の
向上が図れるようカバーの内部に留まらせることができ
る。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもので
はない。なお、以下の実施例、比較例における各種物性
値の測定は以下の方法により実施した。 (1)融点(℃):パーキンエルマー社製の示差走査熱
量計DSC−7型を用いて、昇温速度を20℃/分で測
定し、得られた融解吸熱曲線において極値を与える温度
を融点とした。 (2)熱可塑性脂肪族ポリエステルの固有粘度:フェノ
ールと四塩化エタンの等重量混合溶液を溶媒とし、試料
濃度0.5g/dl、温度20℃で測定した。 (3)単糸繊度(デシテックス):ウエブの状態におけ
る繊維径を50本顕微鏡にて測定し、密度補正して求め
た繊度の平均値を繊度とした。 (4)目付(g/m2):標準状態の試料から縦10c
m×横10cmの試料各10点を作製し、平衡水分に至
らしめた後、各試料片の重量(g)を秤量し、得られた
値の平均値を単位面積当たりに換算して、目付とした。 (5)引張強力(N/5cm幅):JIS L1906
に記載のストリップ法に準じて、試料長が20cm、試
料幅が5cmの試料片各10点を作製し、定速伸長型引
張試験機(東洋ボールドウィン社製テンシロンUTM−
4−1−100)を用いて、各試料片毎につかみ間隔1
0cm、引張速度20cm/分で伸長し、最大引張強力
の平均値を引張強力とした。 (6)通気度(cc/cm2/秒):JIS−L−10
96に記載のフラジール法に従って測定した。すなわ
ち、試料長15cm、試料幅15cmの試料を3個準備
し、フラジール型試験機を用い、円筒の一端に試料を取
り付けた後、可変抵抗器によって傾斜形気圧計が水柱1
2.7mmの圧力を示すように、吸い込みポンプを調節
し、そのときの垂直形気圧計の示す圧力と使用した空気
孔の種類とから、試料片を通過する空気量(cc/cm
2/秒)を求め、その平均値を通気度とした。 (7)透水係数(cm/秒):JIS−A1218に記
載の定水位透水試験に基づいて、水温20℃、透水円筒
の断面積3.14cm2で測定し、透水係数(cm/
秒)を算出した。なお、透水係数が大きいほど、透水性
が良いことを示す。 (8)生分解性能:試料となるカバーを土中に穴を掘っ
て埋め、その分解状況を観察し、1〜2年の間はできる
だけ分解しない方が良く、2年目以降にかけては生分解
が進行するものの方が生分解性に優れているという判断
で、以下の総合評価を行った。 ○:1〜2年の間は生分解せず、3年後にはほぼ完全に
生分解していた。 △:1〜2年のうちにほぼ完全に分解していた。 ×:非分解性であった。 (9)苗木の成育状態:試料となるカバーを土中に穴を
掘って埋め、このカバー内にあらかじめ農場で成育させ
たカシの幼木を植え込み、2年経過後、そのカバーの外
側に沿って掘り起こし、そのまま別の土地に運んで植え
込んだ。さらに1年後に再び土を堀起こして苗木の発育
状態を観察し以下の3段階で評価した。 ○:成育状態は良好であった。 △:成育状態は普通であった。 ×:成育は不良であった。 実施例1 育苗用根カバーを形成するに際し、積層長繊維不織布を
スパンボンド法にて作成した。
【0038】まず、太繊度長繊維ウエブを形成するため
に、融点が171℃のポリ乳酸(D/L=1.3/9
8.7[モル比])を溶融し、紡糸口金を用いて紡糸温
度210℃、単孔吐出量3.5g/分の条件下で溶融紡
糸を行った。紡出糸条を冷却装置にて冷却した後、引き
続いて紡糸口金の下方に設けたエアーサッカーにて牽引
速度4500m/分で牽引細化し、公知の開繊機を用い
て開繊し、移動するスクリーンコンベア上に捕集堆積さ
せ、単糸繊度が7.7デシテックスで、目付が75g/
2の太繊度長繊維ウエブを作成した。
【0039】また、単孔吐出量を1.5g/分とした以
外は上記と同様にして、単糸繊度が3.3デシテック
ス、目付が75g/m2の細繊度長繊維ウエブを作成し
た。この太繊度長繊維ウエブと細繊度長繊維ウエブと
を、積層比率が質量比で(太繊度長繊維ウエブ/細繊度
長繊維ウエブ)=50/50となるように移動するスク
リーンコンベア上に積層した後、積層ウエブを、ロール
温度を135℃としたフラットロールとロール温度を1
25℃としたエンボスロールからなる熱圧着装置に、太
繊度長繊維ウエブがエンボスロールと当接し、細繊度長
繊維ウエブがフラットロールと当接するように通して片
面熱融着し、目付が150g/m2である積層長繊維不
織布を得た。
【0040】得られた積層長繊維不織布を用いて、直径
30cm、高さ30cmの円筒袋状の育苗用根カバー
を、太繊度長繊維側が内側となるように接合部を縫製し
て作製した。そして、袋状の根カバーを土中に掘った穴
内に入れ、次いで、このカバー内にあらかじめ農場で成
育させたカシの幼木を植え込み、2年間放置した後で、
根カバーの外側に沿って掘り起こし、そのまま別の土地
に運んで植え込んだ。さらに1年経過した後に再び土を
掘り起こして、根カバーの分解状況および苗木の発育状
態を観察した。
【0041】得られた根カバーの物性、生分解性などを
表1に示す。
【0042】
【表1】 実施例2 太繊度長繊維ウエブの目付を100g/m2、細繊度長
繊維ウエブの目付を50g/m2とした。また、太繊度
長繊維ウエブと細繊度長繊維ウエブとの積層比率を質量
比で(太繊度長繊維ウエブ/細繊度長繊維ウエブ)=6
7/33とした。そしてそれ以外は実施例1と同様にし
て長繊維不織布を作成し、これを用いて根カバーを作成
した。
【0043】得られた根カバーの物性、生分解性などを
表1に示す。 実施例3 太繊度長繊維ウエブを形成するに際し、単孔吐出量を
3.7g/分とし、紡出糸条の牽引速度を4700m/
分とした以外は実施例1と同様にして、単糸繊度が7.
8デシテックス、目付が75g/m2の太繊度長繊維ウ
エブを作成した。
【0044】また、単孔吐出量を1.2g/分、紡出糸
条の牽引速度を3600m/分とした以外は実施例1と
同様にして、単糸繊度が3.3デシテックス、目付が1
25g/m2の細繊度長繊維ウエブを作成した。
【0045】得られた太繊度長繊維ウエブと細繊度長繊
維ウエブとの積層比率を質量比で(太繊度長繊維ウエブ
/細繊度長繊維ウエブ)=37.5/62.5として、
熱圧着装置におけるエンボスロールの温度を135℃と
した。
【0046】そしてそれ以外は実施例1と同様にして長
繊維不織布を作成し、これを用いて根カバーを作成し
た。得られた根カバーの物性、生分解性などを表1に示
す。 実施例4 実施例1において得られた積層長繊維不織布を、ポリビ
ニルアルコール水溶液に浸漬し、含浸、乾燥させた。そ
してそれ以外は実施例1と同様にして、根カバーを作成
した。
【0047】得られた根カバーの物性、生分解性などを
表1に示す。実施例1〜実施例4は、ポリ乳酸からなり
単糸繊度が5〜15デシテックスの太繊度長繊維ウエブ
と単糸繊度が1〜5デシテックスの細繊度長繊維ウエブ
とが一体化された積層長繊維不織布にて根カバーを構成
したため、植え替えに際して必要な機械的強度を有し、
しかも育苗期間中は殆ど分解されず、移植後にはほぼ完
全に分解されるという優れた生分解性能を有し、さらに
適度な通気度と透水係数を有し、苗木の成育状態も良好
な根カバーが得られた。 比較例1 実施例1と同様にして目付が150g/m2の太繊度長
繊維ウエブを作成し、この太繊度長繊維ウエブのみを用
いて、加工条件は実施例1と同様にして単層の長繊維不
織布を作成し、これを用いて根カバーを作成した。
【0048】得られた根カバーの物性、生分解性などを
表1に示す。比較例1は、太繊度長繊維ウエブのみから
なる長繊維不織布にて根カバーを作成したため、繊維間
空隙が大きくなり、苗木の成育状態の評価において、幼
木を植え込んで2年経過した後に、カバーの外側に沿っ
て掘り起こしたところ、基幹根までがカバーを突き破っ
て外側に突出していたため根が切れてしまい、その後の
植え替えにおける成育状態に劣るものとなった。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、生分解性
を有する熱可塑性脂肪族ポリエステルからなり単糸繊度
が5〜15デシテックスの太繊度長繊維ウエブと生分解
性を有する熱可塑性脂肪族ポリエステルからなり単糸繊
度が1〜5デシテックスで前記太繊度長繊維ウエブとは
繊度の異なる細繊度長繊維ウエブとの少なくとも2層が
積層され、前記太繊度長繊維ウエブと細繊度長繊維ウエ
ブとが一体化された積層長繊維不織布にて育苗用根カバ
ーを形成することで、育苗期間中は殆ど分解されず、移
植後にはほぼ分解され、これによって、植え替えに際し
て必要な機械的強力を保持しつつ根カバーを剥がす必要
がなく、そのままで移植が可能となる生分解性育苗用根
カバーを提供することができる。さらに、前記太繊度長
繊維ウエブと細繊度長繊維ウエブの単糸繊度、積層長繊
維不織布の目付、片側表面の融着状態を適宜調節して、
適度な通気性、透水性を具備させることで、苗木の成長
の良好な根カバーを提供することができる。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物の根の部分とこの根の周囲の土壌と
    を覆うための育苗用根カバーであって、不織布によって
    構成され、前記不織布が、生分解性を有する熱可塑性脂
    肪族ポリエステルからなり単糸繊度が5〜15デシテッ
    クスの太繊度長繊維ウエブと生分解性を有する熱可塑性
    脂肪族ポリエステルからなり単糸繊度が1〜5デシテッ
    クスで前記太繊度長繊維ウエブとは繊度の異なる細繊度
    長繊維ウエブとの少なくとも2層が積層され、前記太繊
    度長繊維ウエブと細繊度長繊維ウエブとが一体化された
    積層長繊維不織布であることを特徴とする生分解性育苗
    用根カバー。
  2. 【請求項2】 太繊度長繊維ウエブと細繊度長繊維ウエ
    ブとの積層比率が質量比で(太繊度長繊維ウエブ/細繊
    度長繊維ウエブ)=30/70〜70/30であること
    を特徴とする請求項1記載の生分解性育苗用根カバー。
  3. 【請求項3】 太繊度長繊維ウエブと細繊度長繊維ウエ
    ブとが部分的熱圧着または三次元的交絡により一体化さ
    れたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の生
    分解性育苗用根カバー。
  4. 【請求項4】 不織布の前記細繊度長繊維ウエブ側に熱
    処理が施されて少なくとも構成繊維の交点が融着してい
    ることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1
    項に記載の生分解性育苗用根カバー。
  5. 【請求項5】 不織布に生分解性を有する結合剤樹脂が
    含浸されていることを特徴とする請求項1から請求項4
    のいずれか1項に記載の生分解性育苗用根カバー。
  6. 【請求項6】 熱可塑性脂肪族ポリエステルが、ポリ
    (D−乳酸)と、ポリ(L−乳酸)と、D−乳酸とL−
    乳酸との共重合体と、D−乳酸とヒドロキシカルボン酸
    との共重合体と、L−乳酸とヒドロキシカルボン酸との
    共重合体と、D−乳酸とL−乳酸とヒドロキシカルボン
    酸との共重合体とから選ばれるいずれかの重合体あるい
    はこれらのブレンド体であることを特徴とする請求項1
    から請求項5までのいずれか1項に記載の生分解性育苗
    用根カバー。
  7. 【請求項7】 不織布の目付が50〜300g/m2
    範囲であり、引張強力が50N/5cm幅以上であり、
    通気度が30〜500cc/cm2/秒であり、透水係
    数が0.02〜0.8cm/秒であること特徴とする請
    求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の生分解
    性育苗用根カバー。
  8. 【請求項8】 ポリ乳酸系重合体に結晶核剤が添加され
    ていることを特徴とする請求項1から請求項7までのい
    ずれか1項に記載の生分解性育苗用根カバー。
  9. 【請求項9】 不織布を構成する繊維が原着繊維である
    ことを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか
    1項に記載の生分解性育苗用根カバー。
  10. 【請求項10】 不織布が縫製または熱接着により袋状
    に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項
    9までのいずれか1項記載の生分解性育苗用根カバー。
  11. 【請求項11】 熱可塑性脂肪族ポリエステルを加熱溶
    融して紡糸口金から紡出し、紡出糸状を吸引装置にて牽
    引・細化した後に、移動式捕集面上に開繊させながら堆
    積して単糸繊度が5〜15デシテックスの太繊度長繊維
    ウエブを形成し、熱可塑性脂肪族ポリエステルを加熱溶
    融して紡糸口金から紡出し、紡出糸状を吸引装置にて牽
    引・細化した後に、移動式捕集面上に開繊させながら堆
    積して単糸繊度が1〜5デシテックスで前記太繊度長繊
    維ウエブとは繊度の異なる細繊度長繊維ウエブを形成
    し、形成した前記太繊度長繊維ウエブと細繊度長繊維ウ
    ェブとを一体化させて育苗用根カバーを構成する積層長
    繊維不織布を形成することを特徴とする生分解性育苗用
    根カバーの製造方法。
  12. 【請求項12】 太繊度長繊維ウエブと細繊度長繊維ウ
    ェブとを部分熱圧着処理または三次元交絡処理を施して
    一体化させる請求項11記載の生分解性育苗用根カバー
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 部分熱圧着処理を、表面に凹凸が形成
    されたエンボスロールと表面が平滑なフラットロールと
    を用いて、熱可塑性脂肪族ポリエステルの融点をTm℃
    としたときに、エンボスロールとフラットロールのロー
    ル温度が(Tm−70)〜(Tm−30)℃であり、か
    つ、エンボスロールとフラットロールとの温度差が
    [(フラットロールの温度)−(エンボスロールの温
    度)]=0〜30℃となる温度条件で熱融着することを
    特徴とする請求項12に記載の生分解性育苗用根カバー
    の製造方法。
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