JP2002252663A - ディジタル無線装置 - Google Patents

ディジタル無線装置

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JP2002252663A
JP2002252663A JP2001049842A JP2001049842A JP2002252663A JP 2002252663 A JP2002252663 A JP 2002252663A JP 2001049842 A JP2001049842 A JP 2001049842A JP 2001049842 A JP2001049842 A JP 2001049842A JP 2002252663 A JP2002252663 A JP 2002252663A
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quadrant
analog
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Goro Shinozaki
吾朗 篠崎
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Fujitsu General Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アナログ直交変調器の直交誤差による影響を
防ぐ。 【解決手段】 DSPにアナログ直交変調器の直交誤差
を補正する直交誤差補正部を具備させる。直交誤差は、
I/Q直交座標の第1象限と第2象限の2点の直交誤差
検出用テスト信号を、その直交補正量を変化させて順次
アナログ直交変調器に入力させ、電力差の最も小さい2
点の信号を発生させた直交補正量の角度に基づき、直交
誤差補正部に補正係数をセットする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、送信部でのアナロ
グ直交変調器で発生する直交誤差を補正する直交誤差補
正部を具備させたディジタル無線装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ディジタル移動無線通信分野で
は、チャネル容量を増加させるためにチャネル間の周波
数間隔を小さくすること、つまり周波数利用効率を向上
させるために送信信号を狭帯域化することが進められて
いる。これを実現するために変調スペクトラム帯域幅の
小さな変調方式が望まれ、PSK(Phase Shift Keyin
g)やQAM(Quadrature Amplitude Modulation)等の線
形変調方式が採用されるようになってきた。無線通信に
このような線形変調方式を適用する場合は、隣接チャネ
ル漏洩電力を抑制するために、送信部の電力増幅器の振
幅および位相特性の直線性を維持することが重要となっ
てきている。
【0003】しかし、電力増幅器は電力効率の観点から
できるだけ高い動作点(飽和点に近い領域)で動作させ
ることが要求され、このため非線形歪みによる隣接チャ
ネル漏洩電力の増加が懸念される。そこで、高い電力効
率を図りながら、電力増幅器の非線形特性により発生す
る歪みを補正して隣接チャネル漏洩電力を抑制する技術
が必須となってきている。
【0004】この歪み補正技術として、アナログ方式で
はカルテシアンやフィードフォワード等の数多くの歪み
補正方式が提案されているが、これらのアナログ方式で
は小型・省電力の点で回路規模が大きくなるという欠点
があり、また帰還ゲインを非常に大きくしなければなら
ないので、回路の安定化を得るための位相調整が難しい
という問題があった。
【0005】一方、最近では、DSP(ディジタル信号
処理プロセッサ)の進歩により、ディジタル信号処理技
術で歪み補正することが可能となり、ディジタル信号処
理によるさまざまな非線形歪み補正方式が提案されてい
る。
【0006】とりわけ、RF送信信号の一部を取り出し
てフィードバックし、これをDSPに取り込み復調し
て、この復調信号から電力増幅器の歪み成分を取り出
し、適応フィルタ{LMS(Least Mean Square)アル
ゴリズム}技術にて歪み補正を行う技術の研究・開発が
盛んである。
【0007】図6はこのような適応フィルタ技術により
歪み補正を行う機能を具備したディジタル無線装置のD
SP100’と送信部200’を示す図である。DSP
100’は入力データからベースバンド変調信号を作成
する。送信部200’は作成されたベースバンド変調信
号をアナログ直交変調しさらにキャリアに載せてアンテ
ナから空中に送信する。
【0008】DSP100’では、データが入力する
と、π/4シフトQPSKマッピング部101とルート
ナイキストフィルタ102により、同相成分Iと直交成
分Qからなるベースバンド変調成分が生成され、歪み補
正部103により後記する歪み補正を受けてから送信部
200’に送られる。104はベースバンド変調信号の
同相成分Iと直交成分Qのベクトル量(I+Q)か
ら電力値を検出する電力検出部、105は歪み補正部1
03に送る歪み補正係数を演算する歪み補正係数算出
部、106はフィードバックした送信成分を同相成分I
と直交成分Qに直交復調するディジタル直交復調器であ
る。
【0009】送信部200’では、歪み補正部103か
ら出力する同相成分Iと直交成分Qが、D/A変換器2
01,202によりそれぞれアナログ信号に変換されて
から、アナログ直交変調器203により直交変調され
る。さらに、この直交変調された信号は、周波数変換部
204により所定のキャリアに載せられ、電力増幅器2
05で電力増幅されてからアンテナ206で送信され
る。207は方向性結合器であり、ここで送信信号の一
部が取り出され、周波数逆変換部208で前記キャリア
が除去され、A/D変換器209でディジタル信号に変
換されてから、前記したディジタル直交復調器106に
入力する。
【0010】前記したように、電力増幅器205では高
効率で動作させるとき、その非直線性により電力および
位相に歪みが生じる。そこで、ここではこのような歪み
が生じている送信信号の一部を電力増幅器205の出力
側から取り出し、そこからキャリアを取り去ってアナロ
グ直交変調信号の形に戻し、さらにディジタル信号に変
換してから、ディジタル直交復調器106で同相成分I
と直交成分Qのベースバンド変調信号に復調する。
【0011】そして、歪み補正係数算出部105では、
電力検出部104で求めた電力値に応じて、ルートナイ
キストフィルタ102からのベースバンド信号I,Qを
参照信号として送信部200’からフィードバックされ
たベースバンド信号I,Qに対する誤差成分(つまり、
歪み成分)を検出し、この誤差成分を打ち消すための歪
み補正係数を算出する。歪み補正部103では、得られ
た歪み補正係数を電力値に応じてルートナイキストフィ
ルタ102から入力するベースバンド信号I,Qに乗算
し、歪み補正を行う。
【0012】図7は歪み補正を行う機能を具備した別の
ディジタル無線機装置のDSP100”と送信部20
0”を示す図である。ここでは、フィードバック経路を
持たないようにし、DSP100”内に参照テーブル1
07を設け、予め各電力値毎に電力増幅器205の歪み
特性を測定して、これを打ち消す歪み補正係数を参照テ
ーブル107に格納しておき、電力検出部104で得た
電力値をパラメータとして参照テーブル107内の歪み
補正係数を読み出し歪み補正部103にセットして、ル
ートナイキストフィルタ102からのベースバンド信号
I,Qに歪み補正係数を乗算し、歪み補正を行うもので
ある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図6、図7
のディジタル無線装置の送信部の送信部200’,20
0”のアナログ直交変調器203は、図8に示すよう
に、乗算器2031,2032、加算器2033、発振
器2034、および90度移相器2035から構成さ
れ、入力する同相成分Iは乗算器2031でcosωt成分
と乗算され、直交成分Qは乗算器2032でsinωt成分
と乗算されることにより直交変調され加算器2033で
加算されて出力されるが、90度移相器2035には通
常±2%程度の誤差があり、このため、I/Q直交誤差
が生じていた。
【0014】このため、前記した歪み補正部103によ
る歪み補正特性が不十分となる問題があった。実験によ
れば、直交誤差が0.5度あると、隣接チャネル漏洩電力
が5dB程度劣化していた。
【0015】本発明の目的は、アナログ直交変調器によ
る直交誤差があっても、これを補正でき、隣接チャネル
漏洩電力をほぼ無くすことができるようにしたディジタ
ル無線装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、送信データを取り込み同相成分
と直交成分からなるベースバンド変調信号を作成するD
SPと、該DSPから出力する前記ベースバンド信号を
アナログ直交変調器で直交変調しキャリアに載せてアン
テナで空中に放射する送信部とを具備するディジタル無
線装置において、前記アナログ直交変調器の直交誤差を
補正する直交誤差補正部を前記DSPに具備させたこと
を特徴とするディジタル無線装置として構成した。
【0017】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記アナログ直交変調器の直交誤差の検出及び該検
出された直交誤差に基づいた直交誤差補正係数の前記直
交誤差補正部へのセットが、装置の電源投入直後、非送
信時又は時分割送信における空きスロット時に行われる
ようにしたことを特徴とするディジタル無線装置として
構成した。
【0018】請求項3の発明は、請求項1又は2の発明
において、前記アナログ直交変調器の直交誤差の検出時
に、前記アナログ直交変調器からその出力側に設けられ
る電力増幅器への経路が遮断され、又は該電力増幅器へ
の電源供給が遮断されるようにしたことを特徴とするデ
ィジタル無線装置として構成した。
【0019】請求項4の発明は、請求項1,2又は3の
発明において、前記DSPにおいて発生させた複数の直
交誤差検出用テスト信号を順次前記アナログ直交変調器
に入力させたとき得られる、前記アナログ直交変調器の
出力信号の直交誤差が最小のときの前記検出用テスト信
号を、前記直交誤差を表す信号とすることを特徴とする
ディジタル無線装置として構成した。
【0020】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て、前記直交誤差検出用テスト信号は、I/Q直交座標
の第1象限と第2象限、第2象限と第3象限、第3象限
と第4象限、又は第4象限と第1象限内の2点の信号で
あることを特徴とするディジタル無線装置として構成し
た。
【0021】請求項6の発明は、請求項5に記載の発明
において、前記2点の信号の前記アナログ直交変調器の
出力電力値の差が最も小さいときの前記した直交誤差検
出用テスト信号を、前記直交誤差を表す信号としたこと
を特徴とするディジタル無線装置として構成した。
【0022】請求項7の発明は、請求項6の発明におい
て、前記直交誤差を表す直交誤差検出用テスト信号の角
度情報に基づき前記直交誤差補正部にセットする直交誤
差補正係数が定められるようにしたことを特徴とするデ
ィジタル無線装置として構成した。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明では、ディジタル無線装置
の電源投入時、送信off時、TDMA方式のような時分
割送信方式では送信スロット以外の空きスロット期間に
アナログ直交変調器203に既存する直交誤差を検出
し、この直交誤差の情報に基づいて直交誤差補正係数を
算出し、直交誤差補正部にその直交誤差補正係数をセッ
トする。そして、その後の送信on時にベースバンド変調
信号I,Qに対してその直交誤差補正係数を用いて直交
誤差補正処理を施し、直交変調精度を向上させ歪み補正
特性の劣化を防止する。以下、詳しく説明する。
【0024】図1は本発明の1つの実施形態のディジタ
ル無線装置の一部を示す図であって、(a)はDSP10
0と送信部200の機能ブロック構成を、(b)は通常送
信時のDSP100の機能ブロック構成を、(b)は直交
誤差補正係数を検出して補正係数を設定する時のDSP
100の機能ブロック構成を示す図である。前記した図
6に示したものと同じものには同じ符号を付けた。
【0025】送信部200において、SW1,SW2は
送信時に実線の側に切り替わり、直交誤差検出時に破線
の側に切り替わるスイッチ、210はアナログ直交変調
器203の出力電力を検出する電力検出器である。
【0026】DSP100において、本発明で使用する
直交誤差補正部108は、電力増幅器205による歪み
を補正する歪み補正部103の後段に挿入される。ま
た、図1(c)において、109は直交誤差検出用テスト
信号発生部、110は送信部200の電力検出器210
で得られた電力値の後記する差分が最小時の直交誤差検
出用テスト信号の角度情報に基づき直交誤差補正係数を
算出する直交誤差補正係数算出部である。
【0027】さて、本発明による直交誤差補正は、直交
誤差検出処理と直交誤差補正処理に分けて行い、これら
はすべてDSP100で処理する。まず、直交誤差検出
処理は、図2(a)のフローチャートのステップS1,S
5及び図2(b)のフローチャートに示すように、ディジ
タル無線装置の電源投入の直後及びタイマによる直交誤
差検出命令時(信号を送信しないときその命令は出
る。)に、スイッチSW1,SW2を破線側に切り替え
て、直交誤差検出用テスト信号をDSP100内のテス
ト信号発生部109内で発生させ、これをアナログ直交
変調器204→スイッチSW1→電力検出器210→ス
イッチSW2→A/D変換器209を経由させてDSP
100内に取り込み、これを処理して直交誤差補正係数
算出部110で適正な直交誤差補正係数を算出して直交
誤差補正部108に設定する。なお、このときは直交誤
差補正部108は補正機能が解除されている。
【0028】上記したテスト信号には、例えば直交補正
量が0度の場合には、同相信号I、直交信号Qの直交座
標系における大きさが「1」の円周上の図3(a)に示す
ような第1象限のA点(0.707,0.707)の信号と第2象
限のB点(-0.707,0.707)の信号を用いる。
【0029】このような2点A,Bの信号をアナログ直
交変調器203に順次入力して直交変調させると、そこ
から出力する信号には、そのアナログ直交変調器203
の直交誤差成分が含まれ、例えばその直交誤差が+極性
(+φ)のときは、これを直交復調させると図3(b)に
示すように斜め右側に傾けたような楕円上の点A’,
B’の2点にマッピングされ、直交誤差が−極性(−
φ)のときは、図3(c)に示すように斜め左側に傾けた
ような楕円上の点A”,B”の2点にマッピングされ
る。
【0030】そこで、本発明では、このような特性を利
用して、図3(a)に示す円周上のA点(0.707,0.707)
とB点(-0.707,0.707)を基準点(直交補正量が0)
として、直交補正量が例えば+10度〜−10度の範囲
において微少な直交誤差ステップ毎に、その直交誤差が
あるときにアナログ直交変調器203から出力するであ
ろう2点の座標点を予め計算し、例えば図4に示すよう
に、テーブル化しておく。
【0031】そして、テーブル化された微少の直交誤差
ステップ毎の2点の信号を1組として、DSP100の
テスト信号発生部109から送信部200のアナログ直
交変調器203にその複数組を順次送出し、そのアナロ
グ直交変調器203から出力する2点の出力信号の電力
値を「I+Q」により電力検出器210で順次検出
する。直交誤差があるときの2点の電力値は、前記した
図3の(b)ではA’,B’の各点の矢印長,図3の(c)で
はA”,B”の各点の矢印長のように、その長さに差が
出る。
【0032】この2点の電力値の大きさを直交誤差補正
係数算出部110で比較して、その差が一番小さいとき
は、そのときのテスト信号によってアナログ復調器20
3の直交誤差が最も良好に補正されたときであるので、
そのときのテスト信号の直交補正量に応じた補正係数を
算出し、直交誤差補正部108に設定する。
【0033】例えば、アナログ直交変調器203の直交
誤差量が0度のとき、つまり誤差がないときは、テスト
信号を時間T1の間隔で図4の最上の直交補正量が+10.
08度の第1象限、第2象限、その下の直交補正量が+9.7
2度の第1象限、第2象限の順で以下同様に順次送出す
ると、図5に示すように、そのときの同一直交補正量で
の第1象限と第2象限での電力値の差は、+10.08度、−
10.08度としたとき(図5の左右両側)が最も大きく、
±0度としたとき(図5の左右中央)が最も小さくな
る。図5において、p1は直交補正量+10.08度で第1象
限、p2は同第2象限、p3は直交補正量−10.08度で
第1象限、p4は同第2象限、p5は直交補正量±0度
で第1象限、p6は同第2象限の信号のときの各々の電
力値である。このときは、直交誤差量が0度であるの
で、直交補正量が±0度のときが、第1象限の点の電力
値と第2象限の点の電力値の差は0で、最も小さい。
【0034】次に、上記の補正作用を数式により説明す
る。まず、アナログ直交変調器203で直交変調された
信号S(t)は、円データをQPSK変調した、 S(t)=I(t)cosωt−Q(t)sinωt (1) となる。S(t)は直交変調出力信号、ωは直交変調キャリ
ア角周波数、I(t)は入力する同相成分振幅、Q(t)は入力
する直交成分振幅である。
【0035】しかし、実際にはアナログ直交変調器20
3には直交誤差φが存在するため、この直交誤差φを考
慮すると、(1)式は、 S(t)=I(t)cosωt−Q(t)sin(ωt+φ) =I(t)cosωt−Q(t)(sinωt・cosφ+cosωt・sinφ) ={I(t)−Q(t)sinφ}cosωt−{Q(t)cosφ}sinωt (2) となる。この(2)式中の直交誤差を含んだ同相成分をI
(t)、同様の直交成分をQ(t)とおくと、(2)式は、 S(t)=I(t)cosωt−Q(t)sinωt (3) となり、これがアナログ直交変調器203から出力す
る。ただし、 I(t)=I(t)−Q(t)sinφ (4) Q(t)=Q(t)cosφ (5) である。
【0036】なお、ここで、(3)式の直交変調出力信号
を復調するときは、その(3)式の両辺にcosωtを掛け合
わせ、 S(t)cosωt={I(t)+I(t)cos2ωt−Q(t)sin2ωt}/2 (6) を得て、この信号をローパスフィルタに通すことによ
り、cos2ωt、sin2ωtの信号を除去することにより、I
(t)の成分のみを取り出すことができる。つまり、直
交復調器106の出力側には、 I(t)=I(t) (7) の同相成分の復調信号I(t)が得られる。また、直交
成分の復調信号Q(t)は、(3)式にsinωtを掛け合わせ
ると、同様にして、 Q(t)=Q(t) (8) が得られる。
【0037】次に、直交誤差補正について考えると、上
記の(4)式、(5)式のそれぞれI(t)、Q(t)について解くこ
とにより、直交誤差補正式を求めることができる。この
直交誤差補正式は補正前の信号をI(t)、Q(t)、補正後の
信号をI'(t)、Q'(t)とすると、 I'(t)=I(t)+Q(t)tanφ (9) Q'(t)=Q(t)/cosφ (10) となる。
【0038】したがって、直交誤差検出用テスト信号と
して、直交補正量がφのテスト信号をアナログ直交変調
器203に入力したときに、直交誤差補正係数算出部1
10での演算により第1象限の点の電力値と第2象限の
点の電力値の差が最小値を示す場合には、同相信号の補
正係数としての(9)式のtanφを、直交信号の補正係数と
しての(10)式の1/cosφを、それぞれ直交誤差補正部1
08にセットすれば、直交誤差補正部108で予め直交
誤差補正が行われ、アナログ直交変調器203からの出
力信号の直交誤差は最小乃至零となる。
【0039】以上のように、本発明では、ディジタル無
線機の電源投入直後、送信動作していない時、或いは時
分割送信の空きスロット時に、直交補正量を種々変更し
た直交誤差検出用テスト信号をDSP100から送信部
200に送り、第1象限の信号と第2象限の信号の電力
差の最も少ない直交補正量の値からアナログ直交変調器
203での直交誤差φを検出するので、当該直交補正量
に応じた補正係数を直交誤差補正部108にセットする
ことにより、その後の送信動作における直交誤差を補正
することができ、歪み補正部103による歪み補正の劣
化も抑制することができる。
【0040】また、直交誤差の検出ではスイッチSW
1,SW2によりループを形成して、電力増幅器205
が分離されるようにしているので、直交誤差検出用テス
ト信号が不要電波としてアンテナ206から放射される
こともない。
【0041】以上より、直交誤差が補正され、送信動作
時では電力増幅器205の非直線性による歪み成分の補
正と相まって、隣接チャネル漏洩電力を効果的に抑制す
ることができる。
【0042】なお、以上の説明では、直交誤差検出用テ
スト信号としてI/Q直交座標の第1象限と第2象限の
2点の信号を使用したが、第2象限と第3象限の2点の
信号、第3象限と第4象限の2点の信号、第4象限と第
1象限の2点の信号を使用することもできる。
【0043】
【発明の効果】以上から本発明によれば、アナログ直交
変調器の直交誤差による歪みを補正することができ、送
信信号の変調精度の劣化を改善でき、隣接チャネル漏洩
電力を削減することができる。また、電源投入時や電源
投入後では定期的に直交誤差検出を行うことができるの
で、装置の経年変化や温度変化による影響を受けること
も防止できる。さらに、直交誤差検出や直交誤差補正係
数のセットを自動化させることにより調整の手間も必要
なくなる。さらに、この直交誤差補正は装置毎に最適に
行われるので、装置間でのアナログ直交変調器の直交誤
差量のバラツキの影響を皆無にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態のディジタル無線装置を示
す図で、(a)はDSPと送信部の全体を示す機能ブロッ
ク図、(b)はDSPの送信動作時の機能ブロック図、(c)
はDSPの直交誤差検出/補正係数設定時の機能ブロッ
ク図である。
【図2】 (a)は直交誤差検出のフローチャート、(b)は
直交誤差検出処理のフローチャートである。
【図3】 (a)は直交誤差検出用のテスト信号の説明
図、(b)、(c)は(a)のテスト信号を直交誤差を有するア
ナログ直交変調器に入力させたときのその出力信号の説
明図である。
【図4】 直交誤差検出用のテスト信号の説明図であ
る。
【図5】 直交誤差のないアナログ直交変調器に図4の
テスト信号を順次入力させたときに得られる電力検出器
の出力信号の波形図である。
【図6】 従来のディジタル無線装置のDSPと送信部
の機能ブロック図である。
【図7】 従来の別の例のディジタル無線装置のDSP
と送信部の機能ブロック図である。
【図8】 アナログ直交変調器のブロック図である。
【符号の説明】
100,100’,100”:DSP、101:π/4
シフトQPSKマッピング部、102:ルートナイキス
トフィルタ、103:歪み補正部、104:電力検出
部、105:歪み補正係数算出部、106:ディジタル
直交復調部、107:参照テーブル、108:直交誤差
補正部、109:テスト信号発生部、110:直交誤差
補正係数算出部 200,200’,200”:送信部、201,20
2:D/A変換器、203:アナログ直交変調器、20
4:周波数変換部、205:電力増幅器、206:アン
テナ、207:方向性結合器、208:周波数逆変換
部、209:A/D変換器、210:電力検出器、SW
1,SW2:スイッチ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】送信データを取り込み同相成分と直交成分
    からなるベースバンド変調信号を作成するDSPと、該
    DSPから出力する前記ベースバンド信号をアナログ直
    交変調器で直交変調しキャリアに載せてアンテナで空中
    に放射する送信部とを具備するディジタル無線装置にお
    いて、 前記アナログ直交変調器の直交誤差を補正する直交誤差
    補正部を前記DSPに具備させたことを特徴とするディ
    ジタル無線装置。
  2. 【請求項2】前記アナログ直交変調器の直交誤差の検出
    及び該検出された直交誤差に基づいた直交誤差補正係数
    の前記直交誤差補正部へのセットが、装置の電源投入直
    後、非送信時又は時分割送信における空きスロット時に
    行われるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の
    ディジタル無線装置。
  3. 【請求項3】前記アナログ直交変調器の直交誤差の検出
    時に、前記アナログ直交変調器からその出力側に設けら
    れる電力増幅器への経路が遮断され、又は該電力増幅器
    への電源供給が遮断されるようにしたことを特徴とする
    請求項1又は2に記載のディジタル無線装置。
  4. 【請求項4】前記DSPにおいて発生させた複数の直交
    誤差検出用テスト信号を順次前記アナログ直交変調器に
    入力させたとき得られる、前記アナログ直交変調器の出
    力信号の直交誤差が最小のときの前記検出用テスト信号
    を、前記直交誤差を表す信号とすることを特徴とする請
    求項1、2又は3に記載のディジタル無線装置。
  5. 【請求項5】前記直交誤差検出用テスト信号は、I/Q
    直交座標の第1象限と第2象限、第2象限と第3象限、
    第3象限と第4象限、又は第4象限と第1象限内の2点
    の信号であることを特徴とする請求項4に記載のディジ
    タル無線装置。
  6. 【請求項6】前記2点の信号の前記アナログ直交変調器
    の出力電力値の差が最も小さいときの前記した直交誤差
    検出用テスト信号を、前記直交誤差を表す信号としたこ
    とを特徴とする請求項5に記載のディジタル無線装置。
  7. 【請求項7】前記直交誤差を表す直交誤差検出用テスト
    信号の角度情報に基づき前記直交誤差補正部にセットす
    る直交誤差補正係数が定められるようにしたことを特徴
    とする請求項6に記載のディジタル無線装置。
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