JP2002249952A - 布帛及びエアバッグ - Google Patents
布帛及びエアバッグInfo
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Abstract
熱安定性に優れたエアバッグ、高強力で長期熱環境安定
性を有するタイミングベルトの自動車エンジンルーム、
コンピュータリボンの高速インパクト印字等に適したポ
リアミド繊維からなる布帛、及びこの布帛からなるエア
バッグを提供する。 【解決手段】 銅元素を1〜100ppm及びハロゲン
元素を1500−5000ppm含有し、銅元素に対し
てハロゲン元素をグラム原子比で15〜200倍量含有
し、ポリアミド繊維の酸性成分(Ammol/kg)と
塩基性成分(Bmmol/kg)がA−B=0〜45、
A+B=80〜115であるポリアミド繊維からなる布
帛。
Description
イミングベルトやコンピューターリボンなど耐久性を要
求される資材用途に適したポリアミド繊維からなる布帛
に関する。特に、車両に搭載され、車両衝突時に拡展
し、乗員を拘束し、乗員の受ける衝撃を吸収することで
乗員保護を果たすエアバッグ用の布帛に関する。
であっても破損無く展開し、乗員拘束の役目を果たすこ
とが期待される。そのため、エアバッグを構成する布帛
の耐熱耐久性が望まれる。一般に、ポリアミド繊維やポ
リアミド繊維からなる布帛の耐熱性は、銅化合物を添加
することにより向上することが広く知られている。特
に、タイヤコード用途においては、200℃を超える接
着剤処理を経た後に、さらに、タイヤに熱成型加工され
るため、銅化合物は必須であった。しかし、製糸段階に
おいては、ポリマー溶融工程で銅が析出し、これが紡糸
フィルターを閉塞せしめ、フィルター交換周期が短くな
ったり、さらには、析出した銅成分が紡出糸に混入し、
高強力糸生産時の毛羽の発生や糸切れ増加の原因とな
る、という課題があり、銅化合物の変性及び析出防止の
ためのハロゲン添加等の方法が提案されている。
合物の熱安定助剤として、金属腐食性防止の観点から第
4級塩基ハロゲン化物が用いられている。特公昭50−
15885号公報では、溶融紡糸中の金属銅生成と紡孔
汚れや糸切れを防ぐ観点から、沃化カルシウム又は沃化
バリウムが用いられている。特公昭47−13540号
公報では、銅塩のポリマー溶解性向上の観点からハロゲ
ン化第1銅とアルカリ金属ハロゲン化物の錯体生成物が
添加されている。
防止剤としてポリアミドのカルボキシル末端基濃度をア
ミノ末端基濃度より30〜145meq/kg多くする
ことを規定した産業資材用途ポリアミド繊維の紡糸方法
が開示されている。この公報の中には、ハロゲン成分と
銅のグラム原子比に関して、実施例に沃素と銅のグラム
原子比(I/Cu)が8程度であることのみが示されて
いる。特開平6−248508号公報には、銅化合物が
受ける熱履歴を最少にするために、重合したポリマーを
一旦冷却、切断してチップ状となした後に、銅化合物を
水溶液で吸着させ、紡糸することにより、銅成分からな
る異物の量を減少させた高強度ポリヘキサメチレンアジ
パミド繊維が開示されている。この方法では、銅を後添
加するための余分な工程管理の手間が掛かり、ポリマー
を再溶融する工程でポリマー劣化が一層進んでしまう。
この公報の中では、ハロゲンと銅のグラム原子比に関し
て、実施例に沃素と銅のグラム原子比は11.5程度で
あることのみが示されている。
銅のグラム原子比(I/Cu)が12以上、40以下を
満足し、カルボキシル末端基濃度とアミノ末端基濃度の
合計量に対するカルボキシル基濃度比率が50%以上で
あるとともに、脂肪族カルボン酸を配したことを特徴と
した、成型機内での金属銅の析出を改良したポリアミド
樹脂組成物が開示されている。以上、銅によるポリマー
熱安定化に関する従来技術において、溶融紡糸の銅析出
に関係した技術が開示されている。しかしながら、軽量
で柔軟なエアバッグに必要な、高強力を有し、単糸繊度
の細い繊維からなり、エアバッグが長期にわたって搭載
車内で熱履歴を受けた後に展開し、破壊損傷することな
く、また、乗員拘束の機能を発揮する、という技術につ
いては検討されていなかった。
で、コンパクトで、収納性に優れ、かつ、長期耐熱安定
性に優れたエアバッグ等に適した布帛、及びこの布帛か
らなるエアバッグを提供することを目的とする。即ち、
長期熱環境後にバーストせず、また、気密性能が損なわ
れないエアバッグを製造するためのエアバッグ用布帛及
びこれから得られるエアバッグを提供するものである。
また、タイミングベルトの自動車エンジンルーム用途
や、コンピュータリボンの高速インパクト印字用途な
ど、機械的に高強力物性が要求され、かつ、長期熱環境
安定性が要求される用途に適したポリアミド繊維からな
る布帛を提供するものである。
解決するために鋭意研究を重ねた結果、溶融紡糸におけ
る銅の析出防止によって高強度繊維を得るとともに、特
定のポリアミド繊維性状によって、繊維表面の熱酸化劣
化が軽減された布帛が得られ、こうした布帛からなるエ
アバッグによって、エアバッグを長期間、熱環境下で、
車に搭載した後でも、展開性能を満足することを見出し
て本発明に至った。
素を1500−5000ppm含有し、銅元素に対して
ハロゲン元素をグラム原子比で15〜200倍量含有す
るポリアミド繊維であって、ポリアミド繊維の酸性成分
(Ammol/kg)と塩基性成分(Bmmol/k
g)との間にA−B=0〜45、A+B=80〜115
の関係を有するポリアミド繊維からなることを特徴とす
る布帛、 (請求項2)115℃で1200時間熱処理したとき
の、波長440nmの蛍光発光度(励起波長270n
m)が、硫酸キニーネ相当で25ppm以下であるポリ
アミド繊維からなる請求項1記載の布帛、 (請求項3)ハロゲン元素が臭素と沃素であり、沃素/
臭素元素比が1〜100であるポリアミド繊維からなる
請求項1記載の布帛、 (請求項4)フェノール系酸化防止剤をポリアミド繊維
中に含有する請求項1、2又は3記載の布帛、 (請求項5)請求項1、2、3又は4記載の布帛からな
るエアバッグ、である。
合物の含有量は、銅濃度で1〜100ppm、好ましく
は1〜50ppm、最も好ましくは1〜15ppmであ
る。銅濃度が高ければ布帛の熱安定性は得られやすい
が、溶融紡糸過程で銅変性物が析出して、延伸張力が析
出物とポリマーの界面に集中して破断が生ずるため高延
伸に耐えない。従って、高強度を備えたポリアミド繊維
の紡糸が困難になり、さらには、単糸繊度が細い場合の
断面積当たりの析出物の存在の影響度は甚大であり紡糸
困難に陥る。ポリアミド繊維に対する銅の耐熱効果は、
銅濃度1ppm以上であることが必要であり、多いほど
有効である。また、銅濃度が100ppm以下であっ
て、銅含率が少ないほど、銅析出の抑制ができ、高強度
のポリアミド繊維の紡糸が可能になる。
してグラム原子比(ハロゲン/Cu)で15〜200倍
量であって、好ましくは30〜150である。最も好ま
しくは40〜100である。ポリアミド繊維中の銅とハ
ロゲンのグラム原子比が15以上であれば、溶融紡糸過
程での銅析出が抑制され、高強度ポリアミド繊維の紡糸
が可能となるとともに、ポリアミド繊維の表面における
熱酸化劣化が大幅に抑制できる。銅とハロゲンのグラム
原子比が大きいほどポリアミド繊維の酸化熱劣化に対す
る安定性が高まる。特に、銅化合物の量を減らし、銅と
ハロゲンのグラム原子比を高めれば、高強力紡糸及び単
糸繊度の小さい紡糸が容易となり、かつ、ポリアミド繊
維の熱安定性が十分確保できる。グラム原子比を高めて
ゆくと、その効果の程度は飽和するので、200以下に
するのが経済的である。
対して1500−5000ppmの濃度であることが必
要で、好ましくは1700−3000ppmである。ハ
ロゲン化合物の添加量が多ければ、銅によるポリマーの
熱安定性を高めるとともに、ポリマー結晶化速度を抑制
し、吐出糸条の球晶生成を防いで高強度紡糸に有利であ
る。ハロゲン量は5000ppm以下であれば、溶融紡
糸工程で金属外壁の腐食等の悪影響を及ぼすことがな
い。
は、沃化ナトリウム、沃化カリウム、臭化ナトリウム、
臭化カリウムが挙げられる。これらハロゲン化合物は、
単独、又は、2種以上の混合でもよい。本発明のポリア
ミド繊維は、酸性成分量(Ammol/kg)と塩基性
成分量(Bmmol/kg)との間に、A−B=0〜4
5、好ましくはA−B=5〜40の関係を有する。A−
Bが0以上であれば、ポリマー溶融時に銅化合物が変性
し急激に析出するようなことが防げられ、高強力ポリア
ミド繊維の紡糸が可能となる。また、A−Bが45以下
であれば、必要な高分子量ポリマーを得るのに不都合が
ない。さらには、A+Bが80以上であれば溶融紡糸に
有利であり、A+Bが115以下であれば、高強力繊維
を得るに充分である。
下で熱劣化し、脱炭酸、脱アンモニアを伴いながら3次
元化物質を副生し、ゲル化して不溶不融となるといった
劣化が進行する。一方、およそ150℃以下の熱環境下
では、主に、酸素によるラジカル生成による熱酸化劣化
が進行する。この場合、分子鎖切断、着色副生物の生成
が起こっている。この際、特に、繊維表面では、酸素の
影響を受けて異常な分子量低下、表面に接する塗膜等の
異常な反応が生じてくる。
度の指標となる劣化生成物は、元来ポリマー中に含有し
ない共役二重結合系の物質であり、ポリアミドの熱酸化
劣化特有の蛍光を発する。即ち、蛍光の励起波長270
nmでの発光波長が440nmである。繊維表面の熱酸
化による劣化物生成の定量は困難であるが、検出感度の
高い蛍光発光測定によって、ポリマー全体としての含有
量を検出することができる。
200時間の熱処理を熱風乾燥機にて行った際に、励起
光270nmにおける440nmの発光ピークの蛍光発
光度が25ppm以下であることが好ましい。本発明に
おける蛍光発光度は、標準蛍光物質硫酸キニーネ溶液
(0.1N H2SO4)を基準とした、90wt%蟻酸
溶液での発光定量値をいう。蛍光発光度が25ppm以
下であれば、ポリマーの熱酸化劣化は抑制されており、
エアバッグの展開性能をよく保持している。より好まし
くは、蛍光発光度が15ppm以下である。蛍光発光度
によって示されるポリマーの熱的損傷程度が軽度なほ
ど、熱酸化劣化の安定化がなされている。
チレンアジパミド(ナイロン66)、ポリカプラミド
(ナイロン6)、及び、ポリテトラメチレンアジパミド
(ナイロン46)等を主成分として70%以上含むポリ
アミド繊維である。これら主成分のポリアミドに対して
10質量%以下の共重合成分を含むコポリアミドであっ
てもよい。本発明で用いられる上記共重合成分として、
例えば、ε−カプロアミド、テトラメチレンアジパミ
ド、ヘキサメチレンセバカミド、ヘキサメチレンイソフ
タラミド、テトラメチレンテレフタラミド、ヘキサメチ
レンアジパミド等が挙げられる。
化銅、沃化銅、酢酸銅、プロピオン酸銅、安息香酸銅、
アジピン酸銅、テレフタル酸銅、イソフタル酸銅等が挙
げられ、キレート剤に配位した銅錯塩でもよい。これら
銅化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を混合して
もよい。ハロゲン化合物としては、沃化カリ、沃化ナト
リウム、沃化マグネシウム、臭化カリ、臭化ナトリウム
臭化マグネシウム等が用いられる。沃素化合物と臭素化
合物を併用してもよい。この場合、沃素/臭素元素比1
〜100が好ましい。この元素比が1以上であればハロ
ゲンの脱落が少なく、銅の熱安定性の効果は繊維加工工
程を通じて維持されやすい。一方、100以下であれば
併用によるいっそうの銅の熱安定性効果が得られる。
びグラム原子比は、異物の混入を嫌う紡糸において重要
である。エアバッグ用布帛としては、高強度繊維が好ま
しく、特に、7〜11cN/dtex以上、より好まし
くは8〜11cN/dtexの強度を有するものがよ
い。また、柔軟でコンパクトに収納可能な布帛を得るた
めに、単糸細繊度の細い繊維、即ち、0.5〜6dte
xが好ましく、さらには、0.5〜4dtexの繊維と
の組み合わせがより好ましい。
熱損傷無く得るためには、溶融紡糸工程で高温及び酸素
接触を極力避けることが好ましい。チップ溶融紡糸にお
いては、ポリマーチップの酸素との接触を防ぎ、できる
限り低温溶融するとともに、溶融滞留時間を短くするこ
とが好ましい。また、チップ化することなく重合工程か
ら直接紡糸することも好ましい。上記、銅化合物、ハロ
ゲン化合物は、ポリマーの重合時に添加してもよく、ま
た、チップ紡糸の際にポリマーチップにブレンドして添
加してもよい。一般の樹脂製品とは異なり、ポリマーチ
ップの乾燥調湿過程や溶融紡糸過程での熱酸化劣化には
注意する必要がある。一旦チップ化することなく重合ラ
インから直接紡糸する場合は、重合過程でこれらの化合
物を添加すれば、酸素混入がより完全に行え、熱酸化劣
化回避に都合がよい。
しては、重合時に生ずるモノマーバランスの崩れを補う
ため、モノマー塩へのジカルボン酸又はジアミンの追加
添加量を調整する方法が有利である。主モノマー以外の
ジカルボン酸、ジアミンの添加や、酸性又は塩基性官能
基を有するカルボン酸、アミンの添加、さらには、一官
能性のカルボン酸等を添加してもよく、末端封鎖反応を
するものでもよい。ポリアミドの銅の熱安定化効果を助
けるために、フェノール系酸化防止剤を添加するのが好
ましい。このような酸化防止剤としては、スチレン化フ
ェノール、テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸]ペン
タエリスリトール、ビス[3−(5−tert−ブチル
−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオン酸]ペンタ
オキシエチレン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−
(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリア
ジン−2−イルアミノ)フェノール等が挙げられる。ポ
リマーに対する添加率は0.01〜1質量%が好まし
い。
てもよい。例えば、重合触媒、即ち、リン酸、次亜リン
酸ソーダ等の無機リン化合物、フェニルホスホン酸、フ
ェニルホスフィン酸等の有機リン化合物。光安定剤の乳
酸マンガン、次亜リン酸マンガン等。艶消し剤の二酸化
チタン、カオリン等。滑剤、可塑剤のエチレンビスステ
アリルアミド、ステアリン酸カルシウム等が挙げられ
る。本発明の布帛は、上記ポリアミド繊維からなるもの
である。こうした布帛は、繊維形成時に添加された銅や
ハロゲンが、水を伴う加工工程等によって抽出脱落しな
いように注意すべきであり、ウォータジェット製織より
もエアージェット製織が好ましく、また、無糊製織によ
る無精練布帛が好ましい。本発明の布帛をエアバッグ基
布として用いる際、実質的に非通気とするために、高密
度の織物としてそのまま用いてもよいし、本発明の布帛
に樹脂コーティングを施して、エアバッグ基布となして
もよい。こうしたエアバッグ基布を、裁断、縫製してエ
アバッグとして用いることができる。
明する。本発明における酸性成分量、塩基性成分量、銅
濃度、ハロゲン濃度、及び蛍光発光度の測定は、室温2
0℃、相対湿度60%の環境下で実施した。 (蟻酸相対粘度の測定法)ジクロロメタンで脱脂した布
帛を90%蟻酸に、8.9質量%溶解し、25℃で溶液
の相対粘度を測定した。 (塩基性成分量の定量法)ジクロロメタンで脱脂した布
帛6gを小数点以下3桁まで精秤し、これを90%フェ
ノール水溶液50cm3に溶解する。完全に溶解した
後、0.05Nの塩酸水溶液で溶液のpHが3になるま
で滴定する。滴定量からポリマー1kg当たりの塩基性
成分量を算出する。
脱脂した布帛を170℃のベンジルアルコールに溶解す
る。完全に溶解した後にフェノールフタレイン指示薬を
添加する。その後0.1NのNaOHエチレングリコー
ル溶液で比色滴定する。滴定量からポリマー1kg当た
りの酸性成分を算出する。 (銅濃度の測定方法)ジクロロメタンで脱脂した布帛を
7NのHCl水溶液10mlに溶解する。完全に溶解し
た後、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛で発色さ
せ、比色定量する。 (ハロゲン濃度測定法)ジクロロメタンで脱脂した布帛
0.05gを燃焼フラスコで燃焼し、イオンクロマトグ
ラフィーで定量する。 (引張強伸度)繊維及び布帛の引張強度、破断伸度は、
20cmの試料に対して引っ張り速度20cm/min
で測定した。
ンで脱脂し、高純水で水洗し、乾燥後に約0.25gを
精秤する。これを25mlの90wt%蟻酸に溶解す
る。JIS K0120に基づき、蛍光分光光度計RF
−5300PC(島津製作所)を用い、10mm角無蛍
光セル中でこの溶液についての蛍光発光スペクトルを定
量分析する。この際、標準蛍光物質として硫酸キニーネ
(NIST SRM936相当;FLUKA2264
0)を用いて270nm励起による440nm発光の光
量について検量線を作成する。硫酸キニーネ相当の定量
値を蛍光発光量とし、溶解ポリマー質量に対する比とし
てppm単位で求める。
ンとアジピン酸の塩(50%水溶液)に臭化銅と沃化カ
リウムを添加し、90%蟻酸相対粘度60のポリヘキサ
メチレンアジパミドポリマーを得た。ポリマーは、水冷
後にチップにカットし、150℃で熱風乾燥後調湿し、
窒素雰囲気下の貯留槽へ送った。貯留槽から押し出し機
へ送り、押し出し温度280℃、紡糸頭温度295℃で
紡出した。295℃の溶融滞留時間は80秒であった。
紡出後、直接溶融紡糸延伸にてポリアミド繊維を得た。
tex、破断伸度は23%であった。繊維の巻上げチー
ズの外観毛羽を観察すると、紡糸時間とともに毛羽数が
増加することが観察できた。また、15μmの金属不織
布を内蔵する紡糸フィルターの交換で毛羽の発生が一旦
改善される状況も観察できた。そこで、紡糸フィルター
交換から1ヶ/チーズ以上の毛羽が、チーズで連続して
出現し始める時間の平均を求めた。その結果を表1に示
す。
整経油剤のみを用いて無糊で製織した。精練すること無
しに、150℃で40秒間熱セットしてエアバッグ用布
帛を得た。織り密度は、経緯それぞれ92本/2.54
cm、91本/2.54cmであった。布帛における、
銅元素とハロゲンの繊維に対する含有量、酸性成分量、
塩基性成分量、引張強度を表1に示す。この布帛から、
60リットルの運転席用エアバッグを作成した。円形布
を直径648mmで2枚分とバッグ取り付け部の補強布
として直径230mmの円形布を裁断、外周及び補強部
を、ミシン糸#20で14針/2.54cmの二重環縫
いで縫製した。
燥機にて115℃で1200時間経過させた。このとき
の布帛の蛍光発光量を表1に示す。また、インフレータ
ー(オートリブ社製 運転席用パイロタイプ)を装着し
て、85℃で展開を行った際、10回の展開試験の内、
破袋となった数を表1に示す。一方、エアジェット製織
後、150℃で熱セットした布帛にシリコーンコーティ
ングを施して、コーティング布を得た。シリコーン樹脂
は、旭化成ワッカーシリコーン(株)製「LR6200
A/B(50/50)」100質量部、旭化成ワッカー
シリコーン(株)製「FL Red」0.5質量部の混
合物であり、ナイフコーターで片面にシリコーン樹脂1
3g/m2をコーティングした上で、180℃、3分間
熱処理してコーティング布とした。これから上記のエア
バッグと同様の熱処理を行い、高圧通気度を測定した。
7.1 A フラジール型法)の装置を用い、空気圧力
を100KPa/5minで100KPaに昇圧して流
量計で布帛の通気量を読み取り、最終的に100KPa
の値を得た。試料の布帛は1回測定毎に交換してN=5
回測定して平均値を求めた。このとき、一旦、高圧試験
で検出限界以上の通気性を示した試料は、10KPa以
下の低圧通気の再測定でも初回の通気量測定値を大きく
上回っていた。
(2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス
(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イル
アミノ)フェノール)0.1質量%の粉末を、重合した
ポリマーチップにまぶして、乾燥後に押し出し機の貯留
槽に投入する以外は実施例1と同様に行った。結果を表
2に示す。
したポリマーチップにまぶして、乾燥後に押し出し機の
貯留槽に投入する以外は実施例1と同様に行った。結果
を表2に示す。
浴槽で120秒間精練し、さらに150℃で40秒間セ
ットして基布とした以外は実施例1と同様に行った。結
果を表2に示す。
よる軽量柔軟なエアバッグが生産性よく得られ、さら
に、エアバッグに要求される長期耐熱性が充分確保され
る。特に、総繊度が細く、軽量であって、単糸繊度が細
いコンパクト性の良好なエアバッグにおいて、115℃
の耐熱で1200時間の長期間でも展開バーストしない
という信頼性に優れ、コーティングしたエアバッグの場
合は、非通気性能の維持に優れており、車載信頼性の高
いエアバッグが得られる。また、タイミングベルトの自
動車エンジンルーム用途や、コンピュータリボンの高速
インパクト印字用途など、機械的に高強力物性が要求さ
れ、かつ、長期熱環境安定性が要求される用途に適した
布帛が得られる。
Claims (5)
- 【請求項1】 銅元素を1〜100ppm及びハロゲン
元素を1500−5000ppm含有し、銅元素に対し
てハロゲン元素をグラム原子比で15〜200倍量含有
するポリアミド繊維であって、ポリアミド繊維の酸性成
分(Ammol/kg)と塩基性成分(Bmmol/k
g)との間にA−B=0〜45、A+B=80〜115
の関係を有するポリアミド繊維からなることを特徴とす
る布帛。 - 【請求項2】 115℃で1200時間熱処理したとき
の、波長440nmの蛍光発光度(励起波長270n
m)が、硫酸キニーネ相当で25ppm以下であるポリ
アミド繊維からなる請求項1記載の布帛。 - 【請求項3】 ハロゲン元素が臭素と沃素であり、沃素
/臭素元素比が1〜100であるポリアミド繊維からな
る請求項1又は2記載の布帛。 - 【請求項4】 フェノール系酸化防止剤をポリアミド繊
維中に含有する請求項1、2又は3記載の布帛。 - 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載の布帛から
なるエアバッグ。
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---|---|---|---|
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