JP3407495B2 - ポリアミドモノフィラメント - Google Patents
ポリアミドモノフィラメントInfo
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Description
トに関するものである。詳しくは、透明性、柔軟性およ
び強度が優れたポリアミドモノフィラメントに関するも
のである。 【0002】 【発明の技術的背景】ポリアミドモノフィラメントはテ
グス、魚網、ガットなどに多用されている。テグス、魚
網用途は強度が重要な要求特性の一つであるが、これと
同様に透明性、柔軟性も重要な要求特性に一つである。
このため通常のポリカプラミド(ナイロン6)以外にも
カプロラクタムとアジピン酸ヘキサメチレンジアンモニ
ウム塩とを共重合したポリアミド(ナイロン6/66)
またはナイロン6とナイロン6/66のブレンド物から
なるポリアミドモノフィラメントが使用されるようにな
ってきた。 【0003】また、特開昭63−235524号公報に
はカプロラクタムとアジピン酸ヘキサメチレンジアンモ
ニウム塩とテレフタル酸ヘキサメチレンジアンモニウム
塩を共重合させた透明性と柔軟性に優れたモノフィラメ
ントが開示している。さらに特公平3−14923号公
報にはナイロン6/66とイソフタル酸とテレフタル酸
を含む半芳香族ナイロンとのブレンド物からなる透明性
の優れたモノフィラメントが開示されている。 【0004】しかし、上記の従来技術でも、マグロ用幹
糸のような直径1mm以上の太物モノフィラメントでは
透明性、柔軟性、強度面(特に結節強度)が充分とはい
えず改良が求められていた。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、透明性、
柔軟性および強度の優れるポリアミドモノフィラメント
を得るべく、鋭意検討した結果、特定のポリアミドを原
料として製造するとにより、透明性、柔軟性、結節強度
の改良されたポリアミドモノフィラメントを得ることが
できることを見いだし、本発明を完成した。 【0006】すなわち、本発明は諸性質が優れ、特に直
径0.5mm以上の太物モノフィラメント用として価値
の高いポリアミドモノフィラメントを製造することを目
的とするものであり、その目的は(a)ε−カプロラク
タムが50〜96重量%、(b)ヘキサメチレンジアミ
ンとアジピン酸の等モル塩が2〜25重量%、および
(c)アミノドデカン酸またはω−ラウロラクタム2〜
25重量%からなる三元共重合ポリアミド(総量が10
0重量%)であるポリアミドモノフィラメメントによっ
て達成された。 【0007】以下、本発明を詳細に説明する。3成分共
重合ポリアミドのε−カプロラクタムの共重合割合は5
0〜96重量%が好ましい。50重量%を下回ると真円
性が低下したり結節強度が低下するため好ましくない。
96重量%を超えると透明性、柔軟性が低下するため好
ましくない。第2のモノマ−成分であるアジピン酸とヘ
キサメチレンジアミンとの等モル塩の共重合割合は2〜
25重量%が好ましい。2重量%を下回ると透明性、柔
軟性が低下するため好ましくない。25重量%を超える
とモノフィラメントの真円性が低下したり、強度の低下
が起こるために好ましくない。第3のモノマ−成分であ
るアミノドデカン酸またはω−ドデカラクタムはいずれ
のモノマ−でもよく特に限定されるものではないが、重
合条件は変更する必要がある。すなわち、ω−ドデカラ
クタムを使用する場合は初期重合温度をアミノドデカン
酸を使用する場合に比べ高くする必要があり、アミノド
デカン酸を使用する法が重合温度をマイルドにできるた
め、重合されたポリアミドの色調など品質には好まし
い。共重合割合は2〜25重量%が好ましい。2重量%
を下回ると柔軟性、透明性が低下するために好ましくな
い。25重量%を超えるとモノフィラメントの真円性が
低下したり、結節強度まどの物性が低下するため好まし
くない。 【0008】本発明に使用されるポリアミド共重合体に
は、製造方法に特に制限はない。当業者周知の方法でバ
ッチ式または連続式により必要に応じて常圧、減圧、加
圧操作を繰り返して重合することができる。 【0009】本発明の共重合ポリアミドの好ましい分子
量は、JIS−K−6810に準拠して測定された相対
粘度で2.0〜6.0であり、より好ましくは3.0〜
5.0のものを使用するのがよい。相対粘度が2.0以
下であると得られるモノフィラメントの引張特性である
伸びが低くなるという問題がある。6.0以上であると
溶融粘度が高いため成形性が悪くなるという問題がおこ
るため好ましくない。 【0010】上記ポリアミドからモノフィラメントへの
製造は通常の方法で行うことができる。例えばポリアミ
ドペレットを押出機等によって溶融して紡糸ノズルから
押し出し、水、トリクレンなどの冷媒浴中で冷却するこ
とにより未延伸糸を製造する。この場合紡糸ノズルのフ
ィラメント出口から冷媒液面までの距離は10〜300
mm程度保つのが好ましい。 【0011】上記のようにして得た未延伸糸を2段延伸
し、熱処理を行う。なお本発明において以下の延伸条件
を採るのが好ましい。第1段目の延伸は、水蒸気中また
は熱水中で3〜4.5倍延伸する。水蒸気中で延伸する
場合95〜120℃の温度が好ましい。温度が高すぎる
場合、あるいは延伸倍率が大きすぎる場合には、得られ
るモノフィラメントの結節強度が低くなり、透明性が悪
くなる。また温度が低すぎる場合、あるいは延伸倍率が
小さすぎる場合には得られるモノフィラメントの直線強
度が低くなる。 【0012】また、熱水中で延伸する場合50〜95℃
が好ましい。温度が高すぎる場合、あるいは延伸倍率が
大きすぎる場合には、得られるモノフィラメントの結節
強度が低くなり、透明が悪くなる。また温度が低すぎる
場合、あるいは延伸倍率が小さすぎる場合には得られる
モノフィラメントの直線強度が低くなる。好ましい第1
段目の延伸温度は水蒸気で行う場合100〜110℃で
あり、熱水で行う場合60〜90℃である。 【0013】第2段目の延伸は180〜300℃の気体
雰囲気中で1.1〜2.5倍延伸する。気体としては空
気、窒素などの不活性ガスなどが挙げられるが、通常空
気で充分である。好ましい温度は180〜300℃程
度、好ましい延伸倍率は1.2〜2.5倍程度である。
この第2段目の延伸においても上記の温度範囲、延伸倍
率範囲からはずれた場合第1段目と同様の現象になる。 【0014】かくして延伸したモノフィラメントを16
0〜350℃の気体雰囲気中で1.1から0.9倍の捲
取比で熱処理する。この温度も高すぎると本発明の効果
が得られず、逆に高すぎると結節強度が低くなり好まし
くない。好ましくは160〜320℃程度である。捲取
比があまり小さくすると、モノフィラメントのたるみ運
転が困難となる。好ましい捲取比は0.94〜0.98
程度である。上記延伸および熱処理において、総合した
延伸倍率が4.0〜7.0、好ましくは4.5〜6.5
程度となることが好ましい。 【0015】本発明によるときは、直線、結節強度いず
れも優れているばかりでなく、透明性、柔軟性が優れた
ポリアミドモノフィラメントを製造することができ、特
に直径0.5〜20mm程度のモノフィラメントにおい
て本発明の効果が大きい。なお、モノフィラメントの製
造に際して、ポリアミドに滑剤、熱安定剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤、撥水剤、透明剤、染顔料など公知の添
加剤を必要に応じて添加してもよい。特に未延伸糸の冷
媒として水を使用する場合には、一般式 R1 −CONH−R2 −NHCO−R3 (R1,R3 は炭素数6以上の有機基、R2 は炭素数1〜
8の有機基)で示されるビスアマイド化合物、例えばエ
チレンビスステアロアミド、エチレンビスベヘン酸アミ
ドなどの添加は透明性の改良の点で好ましい。 【0016】〔実施例〕以下実施例によって本発明を具
体的に説明するが、本発明はその要旨をこえない限り以
下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中
に示す直線強度、結節強度および柔軟性を示す弾性率は
JISL 1070によって測定した。なお弾性率が小
さい程、柔軟性に優れていることを示している。 【0017】透明性はモノフィラメントの場合、評価の
方法がないため、目視によって○×△で評価した。な
お。◎は透明性に非常に優れており、○は透明であり、
△は透明ではあるが少し曇りがあり、×は透明性が悪い
ことを表す。相対粘度(ηr )はJIS−K−6810
に準拠して測定した値である。 【0018】実施例1 70Lのオ−トクレ−ブにε−カプロラクタム17k
g、アジピン酸ヘキサメチレンアンモニウム塩の50%
水溶液を6kg、アミノドデカン酸1kgを仕込み、重
合槽内を窒素置換したのち、密閉して180℃まで昇温
し、次いで攪拌しながら重合槽内を17.5kgf/cm2 G
に調圧しながら、重合槽内温度を240℃まで昇温し
た。重合温度が240℃に達して2hr後に重合槽内の
圧力を約2hrかけて常圧に放圧した。放圧後、窒素気
流下で1hr重合した後、2hr減圧重合を行った。窒
素を導入して常圧に復圧後、攪拌機を止めて、ストラン
ドとして抜き出しペレット化し、沸水を用いて未反応モ
ノマ−を抽出除去して乾燥した。このようにして得られ
た6/66/12三元共重合体は組成分析を行ったとこ
ろ、組成比は6/66/12=80/15/5の共重合
体であった。相対粘度は3.86であった。この原料に
エチレンビスステアロアマイドを1000ppm、滑剤
としてステアリン酸カルシウムを300ppmブレンド
し、次に示す条件でポリアミドモノフィラメントの製造
を行った。結果を表1に示す。 【0019】押出機の温度 冷却水の温度 : 5℃ 第1段延伸温度 : 80℃熱水 第1段延伸倍率 : 4,0 第2段延伸温度 : 1.5 熱処理温度 : 250℃熱風 熱処理捲取比 : 0.95 総合延伸倍率 : 5.5 モノフィラメントの直径 : 2.0mm 【0020】〔実施例2〜4〕ε−カプロラクタムとア
ジピン酸ヘキサメチレンアンモニウム塩とアミノドデカ
ン酸の重合比率を表1に示す比率に変更した以外は実施
例1と同様の操作によって目的とするモノフィラメント
を得た。 【0021】〔比較例1〜3〕比較例としてポリカプロ
アミドなど既存のポリアミドについての結果を併せて表
1に示す。尚、ポリカプロアミドについては総合延伸倍
率が4.0、4.5までしか延伸できずそれ以上は糸切
れが起こり延伸できなかった。なお、ポリカプロアミド
は宇部興産製1022T(相対粘度=2.75)、カプ
ロラクタム/アジピン酸ヘキサメチレンアンモニウム塩
=85/15共重合体は宇部興産製5033B、カプロ
ラクタム/アミノドデカン酸=80/20共重合体は宇
部興産製7034Bを使用した。 【0022】 【表1】【0023】〔発明の効果〕以上のように、本発明によ
ると透明性、柔軟性、結節強度といずれも従来のモノフ
ィラメントと比較して優れた性能を有している。 ││
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】(a)ε−カプロラクタムが50〜96重
量%、(b)ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の等
モル塩が2〜25重量%、および(c)アミノドデカン
酸またはω−ラウロラクタム2〜25重量%からなる三
元共重合ポリアミド(総量が100重量%)であるポリ
アミドモノフィラメント。
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JP22884395A JP3407495B2 (ja) | 1995-09-06 | 1995-09-06 | ポリアミドモノフィラメント |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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-
1995
- 1995-09-06 JP JP22884395A patent/JP3407495B2/ja not_active Expired - Fee Related
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