JP2011168938A - エアバック用ナイロン66繊維およびエアバック - Google Patents

エアバック用ナイロン66繊維およびエアバック Download PDF

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Abstract

【課題】エアバックとしての機械的特性を保持しつつ、軽量で収納性に優れ低通気性で環境安定性が高く高速展開性能に優れるエアバック用ナイロン66繊維を提供すること。
【解決手段】総繊度が150〜550dtex、単糸繊度が0.8〜8dtex、引張強度が7.5cN/dtex以上であり、末端アミノ基濃度が末端アミノ基濃度と末端カルボキシル基濃度の合計である総末端基濃度に対して25%〜60%であり、かつ、水酸基とフェニル基を分子中に有する有機化合物を1〜1500ppm含有することを特徴とするエアバック用ナイロン66繊維。
【選択図】なし

Description

本発明は、車両などに搭載され、衝突時に拡展して乗員を拘束し、乗員保護を果たすノンコートエアバック基布を構成するナイロン66繊維に関するものである。更に詳しくは、必要な機械的特性を保持しつつ、軽量かつコンパクトで、低通気であって環境安定性が高く、経済性に優れたノンコートエアバック基布を提供しうるナイロン66繊維に関するものである。
近年、自動車安全部品の一つとして急速に装着率が向上しているエアバックは、自動車の衝突事故の際、インフレータから高温、高圧のガスを発生させ、このガスによってエアバックを急激に展開させて運転者や同乗者の身体、特に頭部が衝突した方向へ飛び出してハンドル、フロントガラス、ドアガラス等に衝突することを防止し、保護するものである。エアバックは200〜1000デニールのナイロン66フィラメント糸を用いた織物で、製織後に織物の表面に樹脂をコーティングしたいわゆるコーティング織物と、製織後に織物の表面に樹脂をコーティングせずにそのまま使用するノンコート織物とに大別される。エアバックとして低い通気性を維持するためには、一般的にコーティング織物を採用した方が有利であるが、近年の低価格化ならびにモジュールの小型化のため、エアバック用基布の収納性向上が強く要望されており、ノンコート基布を使用したエアバックが注目されてきた。
しかしながら、従来のノンコートエアバック用基布は、空気の漏洩を防止するために織物の織密度を高める必要があるが、そうすると柔軟性が乏しくなって畳み込みによる収納性が悪くなり、更には単位面積当りの原糸使用量も多くなって、高重量化を招く問題があった。
また一方では、2000年に改訂された米国法規FMVSS208に対応するため、上記エアバックのコンパクト化要求に加え、インフレータの高出力化に対応する必要性が出てきた。
上記、低コストでコンパクト性に優れ、かつインフレータの高出力化に対応できるエアバックの要求を満足すべく、軽量であってもエアバック基布の耐久性を満足しつつ、(1)エアバックの展開が従来より高速膨張展開であっても、目開きが小さく低通気であること、(2)エアバッグが収納される車中の箇所が過酷な環境下であっても、環境安定性の経時劣化が少なく、高速膨張展開安定性に優れていることが重要となってきた。
これらの要求を満足させるために、これまで種々の検討がなされてきた。
例えば、特許第4166203号公報には、ポリアミド繊維の応力―ひずみ曲線が(1)1.0g/dの初期応力に置かれた時5%未満伸張し、(2)4.5g/dの中期応力に置かれた時は12%未満伸張し、(3)最小9.0g/dの引張強度から糸が切断されるまで3%以上伸張し、単糸繊度が4デニール以下で、切断時の引張強度値が9.0g/d〜11g/dであることを特徴とするノンコートエアバック用ポリアミド繊維、および、当該繊維を製織して得られた生地を、50℃から100℃にかけて、5℃〜20℃ずつ順次温度が上昇する3個〜10個の水生浴を連続的に通過させて熱収縮させ、その後入口温度140℃程度から出口温度200℃程度の熱風乾燥機を通過させて乾燥させることを特徴とするノンコートエアバック用織物が開示されている。
このノンコートエアバック用ポリアミド繊維は、エアバック内部の火薬爆発によって発生する排出ガスの瞬間的な衝撃エネルギーを吸収する趣旨で、織物の通気度を小さくするために、ポリアミド繊維の製造工程で応力―ひずみ曲線が調整されている。
しかしながら、当該特許では、加工後のポリアミド繊維の応力―ひずみ曲線と通気度の関係については何ら記載されていないばかりか、実施例に記載されている125Paでの通気性が0.5cm3/cm2/sec以上であり、近年要求されている低通気性を十分満足することができなかった。また、環境安定性についての技術は開示されていなかった。
特許第3248581号公報には、(1)織物の5%伸び時の強力を引張方向の原糸の総繊度で割った値であるST5%値の経方向と緯方向の和が1.2g/d以下、(2)フラジール法125Pa差圧で測定した通気度が0.5cc/cm2/sec以下、(3)織物重量が205g/m2以下、(4)経方向と緯方向の剛軟度の和が220mm以下、および(5)基布厚みが0.3mm以下のノンコートエアバック用織物が開示されている。そして、このノンコートエアバック用織物の製造方法は、製織工程および熱水収縮工程を通した後、柔軟性向上やしわ抑制を目的とし、1段目の乾燥温度が70℃〜170℃、2段目の乾燥温度が90℃〜190℃で乾燥することを特徴とするものである。
この発明の目的は、軽量かつコンパクトで柔軟性も高いノンコートエアバックの機械的要求性能を満足しかつ環境安定性に優れる織物を提供することである。
しかしながら、この特許に開示された技術は、展開時の応力集中による破裂を回避するため、経方向と緯方向のST5%値が1.2g/d以下になるように調整することによって、展開時の応力を緩和することにあるが、エアバックが展開する時の圧縮空気の急速な導入による膨張力を、基布が局部的に伸びることで吸収してしまうので、ノンコートエアバックの展開が不均一になって展開速度に遅れを生じたり、また、局部的に高い膨張力を受けた部分に目開きが生じるので、通気性能が低下したり、バッグが破裂する等展開安定性が不安定になる問題が生じる。
さらにこの発明の環境安定性については、自動車メーカーの環境老化試験の一つである120℃×400時間熱処理後の通気度変化を125Pa差圧で確認しているにすぎず、エアバックの展開初期にエアバック基布に加わる100kPa前後の高圧下での環境安定性については不十分な水準であった。
特許第3144307号公報には、(1)トータル繊度が140〜450デニール、(2)単糸繊度が1〜4デニール、および(3)原糸強度が8.0g/デニール以上のマルチフィラメントを製織してなるノンコートエアバック用基布で、(4)経糸及び緯糸の織物状態での幅W(mm)とトータル繊度の関係をある一定基準内にして織物の隙間を埋めて、(5)織物のカバーファクターを1900〜2300[(デニール)1/2・本/インチ]に調整して、(6)通気度を0.33cc/cm2/sec未満にすることを特徴とするノンコートエアバック用基布が開示されている。
この特許に開示された技術は、単糸繊度を細くすることで、柔軟で低通気度なエアバック基布というものである。しかしながら当該開示技術は、エアバックの軽量化とインフレータの高出力化による圧縮空気の急速な導入とによって、これまで以上の大きな膨張力が基布に作用するので、この膨張力に耐えて基布の目開きを抑制し、ノンコートエアバック用基布の要求性能を満足するには不十分な水準であった。
特許第3849812号公報には、(1)相対粘度ηrが2.7〜4.7で、末端アミノ基を2.0〜7.5×10-3mol/g含有したナイロン66系繊維で、(2)単糸繊度が2〜8デニール、総繊度が100〜600デニール、フィラメント数が30〜300本、引張強力が5.5g/d以上、破断伸度が15%以上、150℃の乾熱収縮率が1.5%未満、および沸騰水中収縮率が5%未満のフィラメント糸から構成され、(3)0.2kg/cm2の圧力下の通気度が40cc/cm2/sec以下であることを特徴とするノンコートエアバック用基布が開示されている。
また、特許第3849818号公報には、(1)相対粘度ηrが2.7〜4.7で、末端アミノ基を2.0〜7.5×10-3mol/g含有したナイロン66系繊維で、(2)単糸繊度が2〜8デニール、総繊度が100〜600デニール、フィラメント数が30〜300本、引張強力が5.5g/d以上、破断伸度が15%以上、150℃の乾熱収縮率が1.5〜5%未満、および沸騰水中収縮率が3.5%〜10%のフィラメント糸から構成され、(3)0.2kg/cm2の圧力下の通気度が40cc/cm2/sec以下であることを特徴とするノンコートエアバック用基布が開示されている。
しかしながら、特許第3849812号公報および特許第3849818号公報ともに、エアバックの軽量化とインフレータの高出力化に伴う圧縮空気の急速な導入とによる従来以上の大きな膨張力に耐え、かつ高速展開性能を満足するには不十分なものであった。
さらにこれらの特許群には、ナイロン66繊維の乾熱収縮率及び沸騰水中収縮率を好適に調整することにより、耐環境性すなわち耐熱性および耐湿性に優れる低通気度のノンコートエアバック基布が可能になると開示されている。その具体的方法は、特許第3849812号公報については、織物を通常の方法にて精練および乾燥し、次いで180℃で熱セットする方法であり、特許第3849818号公報については、精練および乾燥が20℃から100℃の温水中に浸漬し、マングルで絞った後60℃から130℃で乾燥するのみとする方法である。しかしながら、特許第3849818号公報には、特許第3849812号公報に記載されている180℃で熱セットする方法については、「織物を構成する糸条が集束されて織物に隙間が生じるため通気性の面で好ましくない」と記載されており、また一方で、特許第3849812号公報には、特許第3849818号公報の特許請求の範囲内である、150℃乾熱収縮率が1.5%以上、沸騰水中収縮率が5%以上では、織物の形態安定性および環境安定性が劣ると記載されている。したがって、高速膨張展開する際の通気度の抑制や、展開時間の短縮を果たしながら、同時に、環境安定性に優れるための技術開示はなされなかった。さらには、高速膨張展開の際の耐破袋性の環境安定性についても技術開示はなされなかった。
また、これらの特許群には末端アミノ基濃度についての開示がなされているが、これらの特許群の技術開示は重合速度及びゲル化速度の観点のみで、繊維の経時変化を抑制し、エアバックの展開性能に関わる環境安定性に優れたエアバック用ナイロン66繊維の提供については、何ら記載されていない。
特許第4166203号公報 特許第3248581号公報 特許第3144307号公報 特許第3849812号公報 特許第3849818号公報
本発明の目的は、かかる従来のエアバックの欠点に対し、エアバックとしての機械的特性を保持しつつ、軽量で収納性に優れ低通気性で環境安定性が高く高速展開性能に優れるエアバック用ナイロン66繊維を提供せんとするものである。
すなわち、本発明は下記の発明を提供する。
(1)総繊度が150〜550dtex、単糸繊度が0.8〜8dtex、引張強度が7.5cN/dtex以上であり、末端アミノ基濃度が末端アミノ基濃度と末端カルボキシル基濃度の合計である総末端基濃度に対して25%〜60%であり、かつ、下記AおよびBから選ばれた水酸基とフェニル基を分子中に有する有機化合物を1〜1500ppm含有することを特徴とするエアバック用ナイロン66繊維。
A:フェニル基が置換している炭素から、炭素あるいは酸素からなる分子骨格を数えてγ位またはδ位の炭素に水酸基を有する有機化合物。
B:下記化学式(1)で表される有機化合物。
(φ)mP(O)(OH)n (1)
(ただし、式中、水酸基のHは金属によって置換されていてもよく、nは整数で1または2であり、nが1のときmは2でφがフェニルオキシ基であり、nが2のときmは1でφはフェニル基である。フェニルオキシ基とフェニル基はアルキル基、アルコキシ基、フェニル基、フェニルオキシ基、水酸基またはハロゲン原子を置換基として有していてもよく、複数の置換基を有する場合はそれぞれの置換基は同じでも異なっていてもよい。)
(2)亜鉛、アルミニウムおよびマグネシウムから選ばれた少なくとも1種の元素を合計で0.1〜100ppm含有することを特徴とする上記(1)項に記載のナイロン66繊維。
(3)脂肪酸金属塩を添加して溶融紡糸されたポリアミド繊維からなることを特徴とする上記(2)項に記載のナイロン66繊維。
(4)無機系粒子からなる結晶核剤を0.1〜50ppm含有することを特徴とする上記(1)〜 (3)項のいずれかに記載のナイロン66繊維。
(5)無機系粒子からなる結晶核剤がタルク、マイカ、アルミナおよび酸化チタンから選ばれた少なくとも1種の粒子を含有することを特徴とする上記(4)項に記載のナイロン66繊維。
(6)ポリマー中の下記化学式(2)で示される環状ユニマー成分比が0.1〜3.0%であることを特徴とする上記(1)〜(5)項のいずれかに記載のナイロン66繊維。
Figure 2011168938
(7)上記(1)〜(6)項のいずれかに記載のナイロン66繊維からなるエアバック用基布。
(8)上記(7)項に記載のエアバック用基布からなるエアバック。
(9)上記(8)項に記載のエアバックからなるエアバックモジュール。
本発明のエアバック用ナイロン66繊維の特徴は、機械的特性を損なわずに、優れた収納性を有し、軽量で、かつ低通気で環境安定性が高く高速展開の信頼性に優れるとういう点にある。
すなわち、本発明によれば、エアバックとしての機械的特性を維持し、低通気で収納性に優れたもので、環境安定性が高く高速展開におけるエアバッグの展開遅延が無い信頼性の高いエアバック用ナイロン66繊維を提供することが可能となる。
本発明の実施例に使用した延伸機を備えた試験用紡糸機を示す。
本発明のナイロン66繊維は、主としてポリヘキサメチレンアジパミド繊維からなる。ポリヘキサメチレンアジパミド繊維とはヘキサメチレンジアミンとアジピン酸とから構成される融点が250℃以上のナイロン66繊維を指すが、本発明のナイロン66繊維は融点が250℃未満とならない範囲で、ナイロン6、ナイロン6I、ナイロン610、ナイロン6Tなどを共重合、あるいはブレンドしてもよい。なお、かかる繊維には、原糸の製造工程や加工工程での生産性あるいは特性改善のために通常使用される各種添加剤を含んでいても良い。例えば熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、平滑剤、帯電防止剤、可塑剤、難燃剤などを含有せしめることができる。
熱安定剤としては長期耐熱性を向上させるために銅化合物が添加剤として好ましく用いられる。銅化合物の具体的な例としては、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅、酢酸銅、リン酸銅、サリチル酸銅、ステアリン酸銅、安息香酸銅および前記無機ハロゲン化銅とキシレンジアミン、2−メルカプトベンズイミダゾールまたはベンズイミダゾールなどとの銅化合物などが挙げられるが、なかでも酢酸銅およびヨウ化銅などを特に好適な銅化合物として例示することができる。
このような銅化合物の添加量は、通常ナイロン66繊維に対して、銅元素で10〜500ppmの範囲とすることが好ましく、さらに好ましくは15〜100ppmの範囲とするのがよい。添加量が500ppmより多いと、重合過程での析出が問題となることがあり、逆に、添加量が10ppmより少ないと、長期耐熱性の向上が十分でなくなる傾向がある。
さらに、このような銅化合物と併用する形でハロゲン化アルカリ化合物が添加される。このハロゲン化アルカリ化合物の例としては、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、塩化リチウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、臭化ナトリウムおよびヨウ化ナトリウム等を挙げることができ、その中でもヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウムが特に好ましく使用される。
本発明においてはナイロン66繊維の蟻酸相対粘度が50以上であることがこのましい。蟻酸相対粘度が50未満の場合、ナイロン66繊維の強度が7.5cN/dtex以上の値を安定して得られない。使用する原料ポリマーの蟻酸相対粘度および水分率並びに溶融紡糸中のポリマー温度および滞留時間などを適宜選択することによってナイロン66繊維の蟻酸相対粘度は調整できる。蟻酸相対粘度の好ましい範囲は50〜140であり、溶融紡糸によるナイロン66繊維の入手の容易さを考慮すれば55〜120が更に好ましい。
また、通気度及び展開安定性が経時劣化しない、環境安定性に優れたエアバックを提供するためには、エアバックに使用するナイロン66繊維の末端アミノ基濃度比率、即ち末端アミノ基濃度と末端カルボキシル基濃度の合計である総末端基濃度に対する末端アミノ基濃度の比率を高くしておくことが必要である。逆に末端カルボキシル基濃度の比率が高くなると、吸湿性が比較的高いナイロン66ポリマーはポリマー内部が酸性雰囲気となり水素結合の安定性が低下するため、繊維構造の経時的な安定性が損なわれ、糸が経時的に脆化し、エアバックの通気度が低下するとか展開速度が遅くなる等の問題が生じる。しかしながら、末端アミノ基濃度比率が高くなり過ぎるとポリマーのゲル化が進行して切糸や毛羽が増加し工程安定性や製織効率、織物品位が低下するという問題が生じる。
本発明者は、末端カルボキシル基濃度比率が高いナイロン66繊維であっても、環境安定性に優れたエアバックを提供すべく鋭意検討した結果、本発明のエアバック用ナイロン66繊維の組成を提案するに至った。
すなわち、本発明の環境安定性に優れたエアバック用ナイロン66繊維は、末端アミノ基濃度比率が25%〜60%であることが必要である。末端アミノ基濃度比率が25%未満になると繊維構造の安定性が低下し、とりわけ高湿度高温下で脆化傾向を示し始めるため、目的とする環境安定性を得ることが困難となる。また、末端アミノ基濃度比率が60%を超えるとポリマーのゲル化が進行してポリマー中異物となることから、紡糸工程が不安定となり、単糸切れが発生し易くなり、最終製品としての織物品位が低下するという問題が生じる。末端アミノ基濃度比率のさらに好ましい範囲は30%〜55%である。いっそう好ましい範囲は40〜50%である。末端アミノ基濃度比率は、ナイロン66ポリマーの原料であるアジピン酸とヘキサメチレンジアミンの中和塩の水溶液に、アジピン酸またはヘキサメチレンジアミンを適量添加することでコントロールすることが可能である。
加えて、ナイロン66繊維は水酸基とフェニル基を有する有機化合物を1〜1500ppm含有することが必要である。水酸基とフェニル基を有する有機化合物はナイロン66ポリマーの結晶核剤となり繊維構造を安定化する。無機系の結晶核剤に比べ凝集し難く、凝集物が構造欠陥として応力集中点になることがなく、精密ろ過の妨げにもならない。
水酸基とフェニル基を有する有機化合物は、結晶核剤としてナイロン66ポリマーの微結晶核の発生の中心となって微細結晶の一斉成長に寄与するとともに、ナイロン66ポリマー分子鎖に作用し、非晶構造を安定化させる。その結果、水酸基とフェニル基を有する有機化合物を添加した場合、結晶核剤を添加していないナイロン66ポリマーと比較して、高配向させたナイロン繊維の繊維構造の安定性が向上し、形状保持性の環境安定性が向上する。しかしながら、この有機化合物の添加量が1500ppmを超えると、この有機化合物自身の凝集構造が構造欠陥となり、ナイロン66繊維の機械的物性が低下し、さらには繊維構造の安定性はむしろ低下し、形状保持性の環境安定性が低下して好ましくない。エアバック用ナイロン66繊維に添加するこの有機化合物のより好ましい範囲は10〜1500ppmである。いっそう好ましくは50〜1000ppmである。
本発明で用いることができる水酸基とフェニル基を分子中に有する有機化合物は、下記AおよびBから選ばれる。
A:フェニル基が置換している炭素から、炭素あるいは酸素からなる分子骨格を数えてγ位またはδ位の炭素に水酸基を有する有機化合物。
B:下記化学式(1)で表される有機化合物。
(φ)mP(O)(OH)n (1)
(ただし、式中、水酸基のHは金属によって置換されていてもよく、nは整数で1または2であり、nが1のときmは2でφがフェニルオキシ基であり、nが2のときmは1でφはフェニル基である。フェニルオキシ基とフェニル基はアルキル基、アルコキシ基、フェニル基、フェニルオキシ基、水酸基またはハロゲン原子を置換基として有していてもよく、複数の置換基を有する場合はそれぞれの置換基は同じでも異なっていてもよい。)
フェニル基はπσ作用でナイロン66の脂肪族骨格と弱い作用をし、結晶核生成の発生中心となることができ、また、水酸基はアミド結合と水素結合作用するため、適度にナイロン66に分散することができる。
(A)の有機化合物は、フェニル基が置換している炭素から、炭化水素の分子骨格を数えて3または4番目、すなわちγ位またはδ位の炭素に水酸基を有する有機化合物である。特に、置換部位のフェニル基の炭素から水酸基の酸素までが概ね五員環か六員環を立体的に形成する化合物が好ましい。これらの化合物の例は、五員環形成可能なものではスチレン化フェノールである。六員環形成可能なものではビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、ビスフェノール系ヒンダードフェノール、高分子フェノール系ヒンダードフェノールおよびビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトールである。
水酸基がナイロン66分子鎖のアミド基に作用して接近し、五員環または六員環位置に存在するフェニル基がナイロン66分子鎖のアミド基付近の脂肪族部分と弱く相互作用して核形成に寄与する。
(B)の有機化合物は有機リン化合物であり、リン元素に結合する塩基性水酸基と、リン酸エステルやホスホン酸として結合するフェニル基を有する。上記化学式(1)において、nが2、mが1、φがフェニル基となる場合は、ホスホン酸化合物の場合であり、フェニル基がリン元素に結合している。この化合物の例としては、フェニルホスホン酸および、水酸基がナトリウム金属元素で置換されたフェニルホスホン酸ナトリウムが挙げられる。また、nが1、mが2、φがフェニルオキシ基となる場合は、リン酸エステル化合物の場合であり、フェニルオキシ基がリン元素に結合している。この化合物の例としては、リン酸ジ(4−tert−ブチルフェニル)ナトリウム、リン酸2、2−メチレンビス(4−tert−ブチルフェニル)ナトリウムが挙げられる。化学式(1)において、水酸基のHと置換する金属としては、ナトリウムの他カリウムおよびリチウム等が挙げられる。
塩基性水酸基がナイロン66分子鎖のカルボキシル基に作用して接近し、近接するフェニル基がナイロン66分子鎖の脂肪族部分と弱く相互作用して核形成に寄与する。
本発明の繊維では、ナイロン66ポリマーに脂肪酸金属塩を添加して紡糸することで得ることが好ましい。ナイロン66ポリマーに添加する脂肪酸金属塩は、炭素数6〜40の脂肪酸の金属塩が好ましく、具体的にはモンタン酸アルミニウム、モンタン酸マグネシウム、モンタン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛などが挙げられる。上記のうち、モンタン酸アルミニウム、モンタン酸マグネシウム、モンタン酸亜鉛を好ましく用いることができる。こうした脂肪酸金属塩は、ナイロン66の高分子内水素濃度環境をより塩基性側にすることを助けることができるため、経時的な脆化劣化の傾向を抑止できる。一方で、ナイロン66ポリマーの熱劣化作用が少ない。フェニル化合物の存在に加えて造核効果を強化することで形状保持性の環境安定性の向上に寄与する。さらには、造核効果によって機械強度の向上に寄与しエアバッグのガス耐圧性が向上して、エアバッグ展開の信頼性が向上する。なお、本発明において上記脂肪族金属塩は1種類で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いても良い。
本発明の繊維では、亜鉛、アルミニウムおよびマグネシウム元素から選択された少なくとも1種の元素を合計で0.1〜100ppm含有することが好ましい。より好ましくは0.5〜50ppmであり、いっそう好ましくは1.0〜30ppmであり、もっとも好ましくは5.0〜20ppmである。繊維に亜鉛、アルミニウムおよびマグネシウム元素の合計が0.1ppm以上含有されれば、高温環境下や高湿環境下でもナイロン66繊維の劣化による物性低下が抑制される。ナイロン66繊維中に亜鉛、アルミニウムおよびマグネシウム元素の合計が100ppm以下であれば、ナイロン66ポリマーに該元素含有添加物を添加することによる紡糸不具合、すなわち断糸や単糸切れに基づくナイロン66繊維織物の織物欠陥が回避される。また、とりわけアルミニウム元素が三元素のなかでも主要量であり40%以上であることが好ましく、いっそう好ましくは60%以上である。
さらには、無機系粒子の結晶核剤を併用することが好ましい。たとえば、タルク、マイカ、アルミナ、酸化チタンなどの例が挙げられる。無機系の結晶核剤の表面には有機系の結晶核剤が吸着し、無機系の結晶核剤自身のポリマー中の分散が助けられるとともに、ナイロン66ポリマー中の結晶核生成効果を相乗的に高めるため、フェニル化合物の存在と相俟って高配向させたナイロン繊維の繊維構造の安定性が向上し、形状保持性の環境安定性が向上する。さらには、無機系の結晶核剤がポリマー中に分散することによって、応力の遠隔的な伝達網が形成され、未延伸糸の剛性が低減するため延伸性が向上する。無機系の結晶核剤の含有量は0.1〜50ppmが好ましい。より好ましくは、0.3〜30ppmである。無機系の結晶核剤の粒子は一次粒子の平均直径が0.5μm以下であり、2次凝集粒子が分布しないことが好ましい。一次粒子の平均直径は0.2μm以下がいっそう好ましい。
これらの結晶核剤をポリマーに添加する方法としては、溶媒中にスラリー状として結晶核剤を分散させたものをプランジャーポンプで重合中のポリマーに添加したり、加熱して溶融状態としたものをプランジャーポンプで重合中のポリマーに添加する等重合中のポリマーに直接添加する方法。または、一旦重合してペレット化したポリマーに押出機等で結晶核剤を練り込む等の方法が挙げられる。
本発明のナイロン66繊維において、ポリマー中の前記化学式(2)で表わされる環状ユニマーの成分比が0.1%から3.0%であることが好ましい。より好ましくは0.2から2.5%である。最も好ましくは0.5から2.0%である。
このポリマー中の環状ユニマー成分比は繊維をNMR溶媒に溶解して13C−NMRスペクトル解析から求めた。スペクトル解析は基本的にデイヴィスの提案(R.D.Davis,et al,Macromolecules 2000,33,7088−7092)に従った。ナイロン66ポリマー中のヘキサメチレンジアミン骨格のアミド窒素結合位からβ位にある炭素は、3種のケミカルシフトを示す。すなわち、(1)環状ユニマーの炭素、(2)鎖状ポリアミド中でトランス型コンフォメーションの炭素および環状ユニマーを除く環状ポリアミド中の炭素、(3)鎖状ポリアミド中でシス型コンフォメーションの炭素である。(1)のNMRピーク強度について、(2)と(3)のピーク強度合計を基準にした百分率(%)で求めたものをポリマー中の環状ユニマー成分比とした。
NMRスペクトルで繊維中の油剤成分などのスペクトルが重なって邪魔になる場合は、油剤成分を有機溶媒にて抽出して除いてスペクトル比較解析すればよい。
ポリマー中の環状ユニマー成分比が0.1%以上であれば、高温環境を経た後の繊維において、環状ユニマー成分の緩慢なブリードアウトで引裂き強力保持率が良好である。同様に、高温高湿環境を経た後の織物の摩擦も増大せず滑りが良い。さらに、可塑化作用で粗硬になることなく柔軟性を良く保っている。そのため、高温高湿環境後の形態保持性がよく、フェニル化合物の存在と相俟ってエアバッグ展開時間の変化が少ないことに寄与する。さらには、末端アミノ基濃度比率が比較的低めであってもエアバッグのバースト圧の低下抑制および維持に寄与する。ポリマー中の環状ユニマー成分比が3.0%以内であれば、高温環境を経た後の織物の滑脱抵抗が減少しすぎることがなく、エアバッグとしての耐圧性を損なうことがない。ポリアミドオリゴマーの中でも、この環状ユニマーが、低分子量で、かつ、環状であることにより、可塑化効果を有しつつ緩慢に繊維表面にブリードアウトするために有効である。一方で、水処理などで抽出されきってしまうことがないため繊維加工上も都合が良い。
ナイロン66ポリマーを溶融紡糸する際、環状ユニマーを添加することでナイロン66繊維中の環状ユニマー含有量を適正量に調整できる。環状ユニマーは、ナイロン66ポリマー中のオリゴマーの一種であり、溶融したナイロン66ポリマーから昇華物として得たオリゴマー粉体を再結晶で精製することによって得ることができる。
本発明のエアバック用ナイロン66繊維の単糸繊度及び総繊度は、エアバックとしての機械的特性及び収納性に大きく影響するため、単糸繊度は0.8〜8dtex、総繊度は150〜550dtexでなければならない。単糸繊度及び総繊度は、エアバック基布の毛羽品位及び耐久性のため太い方が良いが、反面嵩高な織物になり収納性が劣るので、上記範囲内で適時組み合わせると良い。単糸繊度及び総繊度の好ましい範囲は、単糸繊度で1〜7dtex、総繊度で200〜500dtexである。
また、本発明のエアバック用ナイロン66繊維の強度は、7.5cN/dtex以上が必要である。強度が7.5cN/dtex未満では、エアバックが展開膨張する際に、基布強力が不十分でエアバックが破裂する等の問題が生じる。エアバック用ナイロン66繊維の強度の好ましい範囲は、8.0cN/dtex以上である。エアバック用ナイロン66繊維の強度が11cN/dtex未満であれば、切糸や毛羽が増加し工程性能を損なうことが少ない。より好ましい範囲は10.5cN/dtex以下である。
次に、本発明のエアバック用ナイロン66繊維の製造方法について説明する。
まず、結晶核剤や熱安定剤等を含む、蟻酸相対粘度40〜50のプレポリマーを公知の溶融重合法で製造し、末端アミノ基濃度比率25%〜50%の範囲に調整したポリマーペレットとなす。無機系粒子の結晶核剤は、この溶液重合時点で水系スラリーとして添加できる。次いでこのポリマーペレットを公知の固相重合法で蟻酸相対粘度80〜120まで高分子量化する。なお、蟻酸相対粘度80〜100程度の高分子量であれば、公知の溶融重合法の最終段階で真空度を調整することで安価に得ることが可能である。
上記ナイロン66ポリマーを紡糸温度280℃〜310℃の範囲で溶融した後、孔径が約10〜40μmの細孔を有する金属不織布フィルターを組み込んだ紡糸パック中を通過させ、口金細孔を通して紡出する。ポリマー溶融時に、上記の水酸基およびフェニル基を有する有機化合物や脂肪酸金属塩さらには環状ユニマーを添加することができる。
口金直下には、加熱ゾーンが設けられる。加熱ゾーンを通過した糸条は加熱ゾーン直下で急冷固化され、次いで仕上剤が付与される。仕上剤は鉱物油で希釈した非水系仕上剤、もしくは仕上剤濃度が15〜35重量%の水分散系エマルジョンが付与される。繊維に付着させる仕上剤の付着量は、巻き取った繊維に対し0.5〜2.5重量%、好ましくは0.7〜2.0重量%である。
次に、延伸は図1に例示するような装置を用いて2段以上の多段熱延伸が採用される。総合延伸倍率は4.0〜6.8倍、好ましくは、4.5〜6.5倍である。ロールは、3対以上のロールからなり、第1延伸ロールと第2延伸ロール間で、全延伸倍率の40%から65%が延伸され、第2延伸ロールと最終熱セットロール間で最終延伸倍率まで延伸される。第2延伸ロールと最終熱セットロール間の延伸は、切糸や毛羽の発生を抑制するため、延伸歪速度を可能な限り遅くして延伸する。
次いで、延伸された糸条は、熱セットロール上で200℃以上230℃以下で熱セットされる。熱セットロールの温度が230℃を越えると熱による構造緩和を引き起こし物性が低下する。一方200℃未満になると、熱による十分な熱結晶化が行われないため、経時安定性に乏しいナイロン66繊維となり品質上好ましくない。
この熱セットされたナイロン66繊維は、熱セットロールと弛緩ロール間で10%以下弛緩された後、2000m/分〜4000m/分の巻取速度で巻き取られる。
次に得られたナイロン66繊維は、ウォータージェットルーム、エアジェットルーム、レピア織機などの織機を使用して製織される。中でもウォータージェットルームによる製織は、油分が概ね脱落する場合があり、経済的に好ましい。
ナイロン66繊維を製織する際の織物組織としては、平織、綾織、朱子織およびこれらの変化織が挙げられる。また、組織混合した織物や多軸織などの織物にしてもよい。これらの中でも、特に機械的特性に優れ、地薄な面から平織物が好ましい。さらに、袋織でバッグ形状に製織した織物でもよい。
また製織にあたって、経糸などに集束性向上のための油分を付与しても良い。
このようにして得られた織布の通気度を下げる方法として、精練・乾燥工程により収縮加工する方法、精練・乾燥・熱セット工程により収縮加工する方法、熱セット工程のみにより収縮加工する方法等があるが、コスト的には熱セット工程のみにより収縮加工する方法が望ましい。熱セットの温度条件は、通常150℃から200℃であるが、目的とする通気度に合わせて適宜設定すればよい。
織布の通気度は、空気圧を一気に50kPaの圧まで掛ける高速高圧評価において10L/cm2/min以下であることが好ましい。また、140℃で400時間曝露した後に、曝露以前の通気度の115%以下の変化であることが好ましく、もっとも好ましくは通気度の変化が認められないことである。
本発明の繊維を用いたエアバック用基布は、裁断縫製されて、運転席用エアバック、助手席用エアバック、後部座席用エアバック、側面用エアバック、膝部用エアバック、カーシート用エアバック、側面用カーテン状エアバック、後部ウインドウ用エアバック、歩行者保護用エアバックなどに適宜使用することができる。さらに、上記エアバックにおいては、インフレータ取り付け口やベントホール部分などに用いられる補強布またはバック展開形状を規制する部材として、該エアバック用基布と同一基布を使用することができる。また、エアバッグの縫製に当っては、打抜または溶断によって形成された1枚もしくは複数枚のかかるエアバック用基布を用い、その周辺部を縫製してエアバックを形成することができ、さらには周辺部の縫製が、一重または二重の合せ縫製のみで構成されたエアバックを形成することができる。
また、本発明の繊維は、袋織物として製織され、裁断されてエアバックとして使用することができる。
エアバックにはインフレータが結合され、エアバック部は折畳まれて所定の容器に収納されてエアバックモジュールとして自動車部品として供給される。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
まず、実施例における各特性の測定方法及び評価方法について述べる。
(ナイロン66繊維の繊度、強力および伸度)
ナイロン66繊維の繊度、強力および伸度は、JIS L 1017 8.3及び8.5に準じて測定した。
(末端アミノ基濃度)
ジクロルメタンで脱脂処理したナイロン66繊維試料を精秤し、これを90%フェノール水溶液に溶解する。完全に溶解した後、0.05Nの塩酸水溶液で溶液のPHが3になるまで滴定する。滴定量からポリマー1kg当りの末端アミノ基濃度を算出した。
(末端カルボキシル基濃度)
前記と同様な方法で脱脂処理したナイロン66繊維試料を精秤し、これを170℃のベンジルアルコールに溶解する。完全に溶解した後にフェノールフタレイン指示薬を添加する。その後、0.1NのNaOHエチレングリコール溶液で比色滴定する。滴定量からポリマー1kg当りの末端カルボキシル基濃度を算出した。
(水溶性添加剤:フェニルホスホン酸ナトリウム)
キャピラリー電気泳動で行なった。
前記と同様な方法で脱脂処理した繊維試料10gを4時間熱水還流し抽出した。キャピラリー電気泳動装置G1600(ヒューレットパッカード社製)にてフェニルホスホン酸の標準品を用い定量分析した。
キャピラリー :ヒューズドシリカ75μm×56cm
電気泳動緩衝液 :20mM硼酸塩緩衝液pH9.0
電圧 :negative25kV
注入方式 :加圧法50mbar×3sec
プレコンディショニング:緩衝液4分間
ダイオードアレイ計測 :検知200nm(10nm幅)、参照波長無し
(油溶性添加剤:スチレン化フェノール)
GC/MSで行なった。
繊維試料10gを切り刻み、n−ヘキサン150mlで40℃12時間浸漬抽出した。ガスクロマトグラフ6890質量分析計5973N(ヒューレットパッカード社製)でモノスチレン化フェノール(三光株式会社製)を標準品にトータルイオンクロマトグラムからモノ、ジおよびトリのスチレン化フェノール全体の含有量を定量した。
キャピラリーカラム:DB−1(内径0.25mm、膜厚0.1μm、長さ5m、J&W Scientific社製)
カラム温度 :50℃→20℃/分昇温→300℃
注入口温度 :250℃(インレット温度280℃)
キャリアガス :He 3.0mL/分
注入量 :1μL
イオン化電圧 :70eV
イオン加速電圧 :1.8kV
測定モード :SCAN(m/z40〜700)
(金属定量分析)
繊維試料約0.2gをテフロン(登録商標)製密閉式分解容器に採取し、分析等級の高純度硝酸5mlを加え、マイクロウェーブ分解装置(マイルストーンゼネラル株式会社製ETHOS TC)で200℃、20分の加圧分解をし、試料が完全分解されて無色透明になったことを確認した。超純水で50mlに定容して定量分析溶液を得た。ICP質量分析装置(サーモフィッシャーサイエンティフィク株式会社製Xシリーズ X7 ICP−MS)にて内部標準法で定量した。銅、マグネシウム元素の定量検出限界は0.03ppmであった。また、鉄、亜鉛、アルミニウムの各元素についてそれぞれ定量検出限界は0.01ppmであった。酸化チタン量もチタン元素分析から求めた。チタンの定量検出限界は0.01ppmであった。
(沃素および臭素定量分析)
前処理として、繊維試料約50mgを酸素封入したフラスコ内で燃焼させ、試料中の沃素を0.01N水酸化ナトリウム水溶液20mLに吸収させ、この溶液を測定用検液とする。定量分析測定は、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製のICP質量分析装置Xシリーズ X7 ICP−MSを用い、インジウム(In)による内標準法で沃素検量線にて定量した。定量検出限界値は0.5ppmであった。
臭素の定量は、たとえば日本ダイオネクス株式会社製のイオンクロマトグラフ装置2000i/spを用い、定量検出限界値は20ppmで定量することができる。今回の実施例ではすべて検出限界以下であった。
(環状ユニマー成分比)
繊維をNMR溶媒に溶解し13C−NMRにより測定した。溶液は完溶し、pH調整をせず測定した。13C−NMRスペクトルはBRUKER社製のAVANCE(II)400型NMR装置を使用し、以下の条件にて測定した。
NMR条件
試料濃度:100mg/NMR溶媒0.8ミリリットル
NMR溶媒:ヘキサフルオロイソプロパノール−d2
測定温度:25℃
パルス繰り返し間隔:2秒
積算回数:18000回
化学シフト基準:ヘキサフルオロイソプロパノール−d2のメチン炭素のピークトップとなる分岐中心ピークを71.28ppmとした。
得られたナイロン66および含有される環状ユニマーについて、窒素結合β位炭素(C2)のピーク帰属とピーク強度の積算を実施した計算範囲を表1に示す。
Figure 2011168938
環状ユニマー成分比(A)は、それぞれのピーク強度(I)から下記式(4)にて百分率を算出した。
A=[I(C2)/(I(2)+I(2cis))]×100 (4)
(織密度)
JIS L1096 6.6により測定した。
(エアバック用基布の高速高圧通気度特性)
140℃×400時間の熱処理前後のエアバック基布について、通気性試験機FX3350(Textest社製)を用いて流体(空気)圧50kPaまで20msecで圧力を上昇させた時の空気通過量を測定し比較した。
(織物品位)
織物を500m目視検反して欠点数をカウントし、10個/m以上の箇所が1箇所以上発見された場合に不合格(×)とした。
(エアバックの展開特性)
国際公開第99/28164号パンフレットに記載のエアバックを縫製した。ただし、外周縫製で、縫糸は、エアバック基布を構成するナイロン66繊維が235dtex、350dtexの場合は150dtex/2×3、470dtexの場合は235dtex/2×3とし、運針数は3.5針/cmの二重環縫いとした。展開試験は、マイクロシス社製CGSシステムを使用し、970mLのチャンバーにヘリウムガスを12MPaでチャージした後展開試験を行った。高速度VTR観察から正面展開面積が最大展開面積の98%に達したときを展開時間とした。エアバッグの老化条件を140℃下で400時間熱処理とし、老化処理前後の展開時間の比を求めた。
バースト圧試験は1250mLのチャンバーにヘリウムガスを14MPa程度までチャージした後展開し、エアバッグがバーストする上限圧を検出し、老化試験前後のバースト圧変化率を求めた。評価結果を以下のように整理した。老化条件は140℃下で400時間熱処理とした。
◎:97%以上
○:95−97%
△:90−95%
×:90%未満
(本実施例におけるナイロン66繊維およびエアバッグ用基布の製造方法)
公知の溶融重合法を用いて、溶融重合の最終段階で真空状態にすることにより、末端アミノ基濃度比率を各種変えたナイロン66ポリマーを得た。このナイロン66ポリマーは、沃化銅、沃化カリウム及び必要に応じて無機系粒子の結晶核剤を含む。
このポリマーにフェニル化合物、脂肪族金属塩および環状ユニマーを添加後、溶融し、図1に示した紡糸機を用いてエアバック用ナイロン66繊維を得た。具体的には、300℃に設定されたスピンヘッド(1)中に組み込まれた孔径20μmの細孔を有する金属不織布フィルターを組み込んだ紡糸パック(2)中を通過させ、紡糸口金(2)より紡出した。口金直下には設定温度250℃の長さ7cmの加熱ゾーン(3)を設け、加熱雰囲気下を通過させた後、冷却風チャンバー(5)から20℃の冷風を糸条の直角方向から吹きつけ急冷した。
次いで、オイリングロール(6)にて仕上剤を繊維に対し0.9重量%付与した後、非加熱の引取ロール(7)で引き取り、その後、ロール温度70℃の第一延伸ロール(8)に導き、次いでロールの表面温度215℃の第2延伸ロール(9)、ロール表面温度220℃の熱セットロール(10)に導き延伸した後熱セットし、ロール表面温度150℃の弛緩ロール(11)との間で10%以下弛緩した後、3000m/minの速度で巻取機(12)にて巻き取った。
得られたナイロン66繊維は、蟻酸相対粘度が82、銅が70ppm、沃素が1800ppmであった。
このようにして得られたナイロン66繊維をウォータージェットルームにて製織し、平織物を得た。次いで、該織物を精練加工することなしに、80℃で乾燥し、次いで180℃で1分間熱ヒートセットしエアバック用基布を得た。
[実施例1]
末端アミノ基濃度を調整したナイロン66ポリマーにフェニルホスホン酸ナトリウムを添加して、図1に示す紡糸機を用いて溶融紡糸し、引張強度が8.5cN/dtexである350dtex/108fのナイロン66繊維を得た。得られたナイロン66繊維は、末端アミノ基濃度32mmol/ポリマーkg、末端カルボキシル基濃度60mmol/ポリマーkg(末端アミノ基濃度比率34.7%)であった。
当該ナイロン66繊維をウォータージェットルームにて製織し平織物を得た。次いで得られた平織物を精練することなく80℃で熱風乾燥し、次いで180℃で1分間ヒートセットして、経糸61本/inch、緯糸61本/inchのエアバック用基布を得た。
得られた基布の高速高圧通気度測定結果及び展開特性結果をナイロン繊維の各種評価値と共に表2に示す。本発明のエアバックは、老化環境後の高速高圧通気度特性及びエアバック展開速度に関わる特性に優れていた。
[実施例2]
酸化チタンを含有するナイロン66ポリマーを用い、繊維中に10ppmの酸化チタンを含有することを除き、実施例1と同じように実施した。得られた結果を表2に併せて示す。老化環境後の高速高圧通気度特性及びエアバック展開速度に関わる特性がさらに向上した。
[実施例3]
溶融紡糸時にモンタン酸アルミニウムを添加し、繊維中に10ppmのアルミニウムを含有することを除き、実施例1と同じように実施した。得られた結果を表2に併せて示す。老化環境後の高速高圧通気度特性及びエアバック展開速度に関わる特性がさらに向上した。
[実施例4]
溶融紡糸時に環状ユニマーを添加し、繊維中にNMR観測で0.91%の環状ユニマーを含有することを除き、実施例1と同じように実施した。得られた結果を表2に併せて示す。老化環境後の高速高圧通気度特性及びエアバック展開速度に関わる特性がさらに向上し、その上、老化環境後の耐バースト性も向上した。
[実施例5]
酸化チタンを含有するナイロン66ポリマーを用い、溶融紡糸時にモンタン酸アルミニウムと環状ユニマーを添加し、繊維中に10ppmのアルミニウムを含有し、さらに、繊維のNMR観測で0.91%の環状ユニマーを含有することを除き、実施例1と同じように実施した。得られた結果を表2に併せて示す。老化環境後の高速高圧通気度特性及びエアバック展開速度に関わる特性がさらに向上し、その上、老化環境後の耐バースト性も向上した。
[比較例1]
末端アミノ基濃度が20mmol/ポリマーkg、末端カルボキシル基濃度が75mmol/ポリマーkgに調整(末端アミノ基濃度比率21%)したナイロン66繊維を用いたこと以外は、実施例1と同様な方法でエアバック用基布を得た。
得られた基布の高速高圧通気度測定結果及び展開特性結果をナイロン繊維の各種評価値と共に表2に併せて示す。このエアバックは、高速高圧通気度特性及びエアバック展開速度に関わる特性の老化環境前後の変化が大きく、エアバック性能としては不十分な水準であった。織物品位も劣っており、単糸切れ毛羽に由来する織物欠点が多かった。
[比較例2]
フェニルホスホン酸ナトリウムを添加していないこと以外は、実施例1と同様な方法でエアバック用基布を得た。
得られた基布の高速高圧通気度測定結果及び展開特性結果をナイロン繊維の各種評価値と共に表2に併せて示す。このエアバックは、高速高圧通気度特性及びエアバック展開速度に関わる特性ともに、老化環境前後の変化が大きくエアバック性能としては不十分な水準であった。
[比較例3]
フェニルホスホン酸ナトリウムを2000ppm含有する以外は、実施例1と同様な方法でエアバック用基布を得た。得られた結果を表2に併せて示す。老化環境後の耐バースト性が劣っていた。織物品位も劣っており、単糸切れおよび毛羽に由来する織物欠点が多かった。
[実施例6]
酸化チタンを含有する、末端アミノ基濃度を調整したナイロン66ポリマーに、スチレン化フェノール、モンタン酸アルミニウムおよび環状ユニマーを添加して、図1に示す紡糸機を用いて溶融紡糸し、引張強度が9.3cN/dtexである235dtex/100fのナイロン66繊維を得た。得られたナイロン66繊維は末端アミノ基濃度が45mmol/ポリマーkg、末端カルボキシル基濃度が50mmol/ポリマーkgに調整され(末端アミノ基濃度比率47.3%)、結晶核剤としてスチレン化フェノールを1000ppm含有した。
当該ナイロン66繊維をウォータージェットルームにて製織し平織物を得た。次いで得られた平織物を精練することなく80℃で熱風乾燥し、次いで180℃で1分間ヒートセットして、経糸72本/inch、緯糸72本/inchのエアバック用基布を得た。
得られた基布の高速高圧通気度測定結果及び展開特性結果をナイロン繊維の各種評価値と共に表2に併せて示す。本発明のエアバックは、老化環境後の高速高圧通気度特性及びエアバック展開速度に関わる特性に優れていた。
[比較例4]
結晶核剤であるスチレン化フェノールを含有していないこと以外は、実施例6と同様な方法でエアバック用基布を得た。得られた結果を表2に併せて示す。このエアバックは、高速高圧通気度特性及びエアバック展開速度に関わる特性ともに、老化環境前後の変化が大きくエアバック性能としては不十分な水準であった。老化環境後の耐バースト性も劣っていた。
Figure 2011168938
本発明によって、エアバックとしての機械的特性を維持し、軽量コンパクトで低通気であり、高速展開において展開遅延の無い環境安定性に優れたエアバック用のナイロン66繊維を提供することが可能となる。
1 スピンヘッド
2 紡糸パック及び紡糸口金
3 加熱ゾーン
4 フィラメント
5 冷却風チャンバー
6 オイリングロール
7 引取りロール
8 第1延伸ロール
9 第2延伸ロール
10 熱セットロール
11 弛緩ロール
12 巻取機

Claims (9)

  1. 総繊度が150〜550dtex、単糸繊度が0.8〜8dtex、引張強度が7.5cN/dtex以上であり、末端アミノ基濃度が末端アミノ基濃度と末端カルボキシル基濃度の合計である総末端基濃度に対して25%〜60%であり、かつ、下記AおよびBから選ばれた水酸基とフェニル基を分子中に有する有機化合物を1〜1500ppm含有することを特徴とするエアバック用ナイロン66繊維。
    A:フェニル基が置換している炭素から、炭素あるいは酸素からなる分子骨格を数えてγ位またはδ位の炭素に水酸基を有する有機化合物。
    B:下記化学式(1)で表される有機化合物。
    (φ)mP(O)(OH)n (1)
    (ただし、式中、水酸基のHは金属によって置換されていてもよく、nは整数で1または2であり、nが1のときmは2でφがフェニルオキシ基であり、nが2のときmは1でφはフェニル基である。フェニルオキシ基とフェニル基はアルキル基、アルコキシ基、フェニル基、フェニルオキシ基、水酸基またはハロゲン原子を置換基として有していてもよく、複数の置換基を有する場合はそれぞれの置換基は同じでも異なっていてもよい。)
  2. 亜鉛、アルミニウムおよびマグネシウムから選ばれた少なくとも1種の元素を合計で0.1〜100ppm含有することを特徴とする請求項1に記載のナイロン66繊維。
  3. 脂肪酸金属塩を添加して溶融紡糸されたポリアミド繊維からなることを特徴とする請求項2に記載のナイロン66繊維。
  4. 無機系粒子の結晶核剤を0.1〜50ppm含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のナイロン66繊維。
  5. 無機系粒子の結晶核剤がタルク、マイカ、アルミナ、酸化チタンから選ばれた少なくとも1種の粒子を含有することを特徴とする請求項4に記載のナイロン66繊維。
  6. ポリマー中の下記化学式(2)で示される環状ユニマー成分比が0.1〜3.0%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のナイロン66繊維。
    Figure 2011168938
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のナイロン66繊維からなるエアバック用基布。
  8. 請求項7に記載のエアバック用基布からなるエアバック。
  9. 請求項8に記載のエアバックからなるエアバックモジュール。
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