JP2002246746A - ガラスセラミック多層基板の製造方法 - Google Patents

ガラスセラミック多層基板の製造方法

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JP2002246746A
JP2002246746A JP2001038054A JP2001038054A JP2002246746A JP 2002246746 A JP2002246746 A JP 2002246746A JP 2001038054 A JP2001038054 A JP 2001038054A JP 2001038054 A JP2001038054 A JP 2001038054A JP 2002246746 A JP2002246746 A JP 2002246746A
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glass ceramic
smooth
temperature
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Hidenori Katsumura
英則 勝村
Ryuichi Saito
隆一 斉藤
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラスセラミック多層基板の焼成収縮により
生じる表面の凹凸、反り、うねり、ひずみを効率的に低
減させることができるガラスセラミック多層基板の製造
方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 ガラスセラミック材料からなる複数枚の
グリーンシートを積層してガラスセラミック積層体を形
成する第1工程と、前記ガラスセラミック積層体の両面
に、前記ガラスセラミック材料の焼結温度よりも低い温
度で焼結する材料からなるグリーンシートを積層して平
滑層を形成する第2工程と、前記ガラスセラミック積層
体および平滑層を焼成する第3工程とからなることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LSI、IC又は
チップ部品等を実装し、電子回路を構成するために用い
られるガラスセラミック多層基板の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化、軽量化、高性
能化に伴い、LSI、IC又はチップ部品等の小型化が
図られ、それらを実装する配線基板の小型化、軽量化が
望まれている。そのような要求に対して、セラミック多
層基板は、基板中に電極パターンを立体的に配線し、コ
ンデンサ、コイル等を内蔵できるため、配線基板の小型
化、集積化を実現できるものとして、注目されている。
【0003】従来のセラミック多層基板の製造方法とし
ては、例えば、セラミックグリーンシートを複数積層し
たものを焼成処理して、強度的に優れたセラミック多層
基板を作製している。ここで、多層基板内あるいは表面
の導体パターン材料は、高周波領域における電気的特性
を優れたものとするため、導電率の優れた銀または銅が
多く用いられているが、一般にセラミック基板の焼結温
度は、銅や銀の融点よりも高く、例えば、比誘電率が低
く、強度、熱伝導性、気密性に優れ、現在主として用い
られているアルミナセラミックスにおいては、焼結温度
が1500℃から1600℃と高温である。したがっ
て、電極パターンが焼成に絶え得るように、電極パター
ン材料の融点よりも低い温度で焼結するセラミック材料
を用いることが必要となる。
【0004】この低温焼結基板材料を用いた基板として
は、ガラスセラミック多層基板が知られている。これ
は、セラミック粉体にガラス粉体を混合したものを焼成
して形成されるが、ガラス粉体が再加熱によって失透
し、結晶化した緻密な構造となるものである。このガラ
ス粉体が、比較的低温で失透するため、セラミック粉体
を焼結させるよりも低温で焼成処理ができ、基板及び電
極パターンを同時焼成することを可能としている。
【0005】しかし、上記方法によって形成されるセラ
ミック多層基板では、基板内に形成された導体パター
ン、または導体パターン材料の基板への拡散等により、
基板のガラス成分の軟化温度等が局所的に変化し、ガラ
ス成分の焼成挙動が局所的に異なっている。したがっ
て、焼成による基板表面の凹凸、基板全体の反り、うね
り等が発生するという問題があった。また、この基板の
反り、うねり等の原因は、電極パターンと基板の熱膨張
率の相違、焼成炉内の温度分布等により、全体が均一に
収縮しないことにもある。
【0006】この基板の反り、うねりを抑えるための従
来の手法としては、焼成するガラスセラミック多層基板
上に、多孔質基板などを載せることによって加重し、こ
の加重力によって、強制的に反り、うねりを低減させる
方法がある。また、ガラスセラミックよりなるグリーン
シートに電極パターンを形成したものを複数枚積層し、
その両面あるいは片面にガラスセラミック基板の焼成処
理では、焼結しない無機材料を積層して加圧、焼成する
ことが行われている。この手法によれば、加圧により基
板の反りを抑えるとともに、平面方向収縮を拘束するこ
とにより、平面方向の収縮を抑え、上記問題を解決して
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、電子機
器の小型化に伴い、基板表面の粗さは、基板実装時の寸
法誤差に大きく影響を与える。また、高周波用機器に基
板を用いる場合には、基板の誘電特性に、基板表面の粗
さが大きく影響するため、基板の表面を平滑に形成する
必要がある。
【0008】一方、上記のような手法によって、ガラス
セラミック多層基板の焼結収縮による基板の反り、うね
りを解決しているが、これらの手法には、以下のような
問題がある。まず、焼成するガラスセラミック多層基板
上に、多孔質基板等を載せることによって加重する方法
においては、その加重力によって、基板表面に形成され
た導体パターンに損傷を与えるといった問題が生じてい
る。また、導体パターンと基板が固着したり、基板に平
面ひずみが生じるなどの不具合も発生している。焼成処
理においては、脱バインダ工程を経るため、脆くなった
基板に加圧することは、基板のひび等の発生の要因とも
なる。この問題を解決するためには、加重を小さくする
ことが考えられるが、小さい加重では、基板の反り、う
ねりを抑えることに限界があることは言うまでもない。
【0009】次に、導体パターンを形成したグリーンシ
ート積層体の両面または片面に、ガラスセラミック基板
の焼成温度では焼結しない無機材料を積層する手法にお
いては、焼成工程後に、積層した無機材料を除去しなけ
ればならないという問題がある。無機材料を除去する方
法としては、ブラシなどで取り除くことが考えられる
が、ガラスセラミック基板に無機材料を密着しており、
これを一つ一つブラシで除去することは、非常に手間が
かかり、生産性が悪い。ブラシで除去すること以外に、
超音波洗浄等で自動的に除去することが考えられるが、
除去工程が必要であることに変わりはなく、しかも、超
音波洗浄を行うことは、基板を液体に浸すことになり、
基板が膨張するといった問題も考えられる。また、基板
の反り、うねりを良好に抑えるためには、焼成時に適度
な圧力を加えることが必要であるが、加圧により、無機
材料と基板とが密着し、無機材料の除去がより困難なも
のとなる。
【0010】一方、上記従来手法において、無機材料層
を除去不要とするために、ガラスセラミック基板を焼結
後、さらに無機材料層を焼結させることが考えられる
が、無機材料層の焼結温度まで炉内温度を上昇させる必
要があり、ガラスセラミック基板を高温に晒すことにな
る。これは、比較的低温で焼結可能であり、銅、銀等を
電極として用いることができるというガラスセラミック
基板の特徴を、無視したものとなる。
【0011】よって、本発明は上記問題を解決するため
になされたものであり、ガラスセラミック多層基板の表
面に積層した無機材料等の焼成後の除去工程が不要であ
り、ガラスセラミック多層基板の焼成収縮により生じる
反り、うねりを低減させることができるガラスセラミッ
ク多層基板の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のガラスセラミック多層基板の製造方法は、
導体パターンを形成したガラスセラミック材料からなる
グリーンシートを積層してガラスセラミック積層体を形
成する第1工程と、前記ガラスセラミック積層体の両面
に、前記ガラスセラミック材料の焼結温度よりも低い温
度で焼結する平滑層を形成する第2工程と、前記ガラス
セラミック積層体および前記平滑層を焼成する第3工程
とからなることを特徴とする。
【0013】ここで、前記平滑層を複数積層して平滑体
を形成し、前記平滑体の内部に導体パターンを設けるこ
とができる。なお、基板の反りを良好に抑えるために
は、前記ガラスセラミック積層体の両面に形成された前
記平滑体に、互いに略対称な導体パターンを形成するこ
と、また、前記平滑層又は前記平滑体を、前記ガラスセ
ラミック積層体の両面に、等しい厚さで形成することが
好ましい。
【0014】前記平滑層は、前記ガラスセラミック材料
のガラス成分の軟化温度よりも低い温度で軟化するガラ
ス成分を含むものとすることができ、好ましくは、前記
ガラスセラミック材料のガラス成分の軟化温度と前記平
滑層のガラス成分の軟化温度の差が、100℃以上30
0℃以下である。
【0015】また、前記平滑層が、前記ガラスセラミッ
ク材料中のガラス成分の重量比よりも、大きい重量比で
ガラス成分を含むことにより、表面を平滑に形成するこ
とができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照して説明する。
【0017】図1は、本発明の一実施の形態におけるガ
ラスセラミック多層基板の模式断面図を表すが、まず、
ガラスセラミック積層体1の形成方法について説明す
る。
【0018】ガラスセラミック積層体1を構成するガラ
スセラミック材料としては、セラミック粉体とガラス粉
体を、好ましくは等しい重量比で混合したものを用い、
このガラスセラミック材料に、溶剤、結合剤、可塑剤を
加えて適度な粘度になるように混合し、スラリーとす
る。ここで、これらの各材料としては、公知のものでよ
いが、特にセラミック粉体については、基板の強度、熱
伝導性、気密性等を優れたものとするために、アルミナ
粉体とすることが好ましい。また、ガラス粉体は、ガラ
ス中の酸化物などを、溶融して粉砕したものを用いるこ
とができる。溶剤としては、例えばトルエン、メチルエ
チルケトン等のアルコール類、ケトン類等を、結合剤と
しては、ポリビニルブチラール、メタアクリルポリマー
等を、可塑剤としては、フタル酸ジブチル等を用いるこ
とができる。
【0019】得られたスラリーから公知のドクターブレ
ード法等により、ガラスセラミックグリーンシートを作
製する。このガラスセラミックグリーンシートに、銀又
は銅等により、所定の導体パターン3を印刷等により形
成し、必要に応じて、ビアホール加工等を施す。そし
て、このガラスセラミックグリーンシートを所定枚数積
み重ねることにより、ガラスセラミック積層体1が形成
される。
【0020】平滑層2としては、ガラスセラミック積層
体1が焼結する温度よりも低い温度で焼結するものであ
れば良いが、例えば、ガラスセラミック材料の焼結温度
よりも低い温度で軟化するか、液相を生成する酸化物か
らなるガラスセラミック材料を用い、酸化物としては、
一般のガラスの構成成分であるBaO,CaO,Al 2
3,SiO2,B23,ZnO,PbO等を用いること
ができる。ここで、ガラスセラミック材料の成分は、主
としてセラミック成分、ガラス成分に分けることができ
るが、セラミック成分については、例えばアルミナセラ
ミックでは焼成温度が1500℃から1600℃と極め
て高いため、ガラスセラミックは、ガラス成分の失透に
より、焼結形成される。すなわち、ガラスセラミックの
焼結は、主として、そのガラス成分の失透に因るもので
あり、その失透は軟化温度付近で生じる。したがって、
ガラスセラミック材料のガラス成分の軟化温度よりも低
い温度で軟化するガラス成分からなる材料を、ガラスセ
ラミック材料の焼結温度よりも低い温度で焼結する平滑
層2の材料とすることができる。
【0021】次に、この平滑層2を複数積層した平滑体
4を形成する方法について説明する。上記の酸化物等の
ガラス成分からなるガラス粉体とセラミック粉体を混合
して平滑層2の材料とし、これに先にガラスセラミック
グリーンシートを形成するのと同様にして、溶剤、結合
剤、可塑剤を加えてスラリーとすることによって、グリ
ーンシートを形成することができる。ここで、必要に応
じて導体パターン及びビアホール加工等も施すことがで
き、この場合は、平滑層2は、ガラスセラミック積層体
1と同様の機能を有するものとなる。
【0022】そして、先のガラスセラミック積層体1の
上下両面に、このグリーンシートを重ね合わせ、公知の
油圧機等により、加圧して圧着させる。またこのとき、
熱圧着することも可能である。
【0023】平滑体4を両面に形成したガラスセラミッ
ク積層体1を、通常に行われる焼成処理と同様にして、
アルミナ等よりなる基板上に載せ、焼成炉内にて焼成す
る。なお、この焼成は、ガラスセラミック積層体1が焼
結するまで行う。
【0024】次にこの焼成処理におけるガラスセラミッ
ク積層体1及び平滑体4の焼成挙動について説明する。
まず、焼成炉内温度を上げていくと、ある温度に達した
とき、平滑体4のガラス成分が軟化、あるいは液相を生
成し、このガラス成分が結晶化し始める。一方、ガラス
セラミック積層体1は、この温度では焼結を開始してい
ない。ここで、ガラスセラミック積層体1の上下両面に
形成した2つの平滑体4の一方だけを考えた場合、平滑
体4は、一方の面がガラスセラミック積層体1に圧着し
ているため、上下両面の焼結による収縮量に差異が生
じ、反りが生じることになる。しかし、この平滑体4
は、焼結前のガラスセラミック積層体1の上下両面に、
対になって圧着しているため、両平滑体4の互いに反ろ
うとする力は相殺され、結果として反りが抑制されてい
る。また、この平滑体4は、ガラスセラミック積層体1
への圧着によって、平滑体4の平面方向収縮は抑制さ
れ、厚さ方向のみに収縮している。
【0025】そして、さらに昇温し続けると、平滑体4
の焼結後に、ガラスセラミック積層体1が焼結する。こ
こで、ガラスセラミック積層体1は、焼結により収縮す
るが、上下両面に圧着した平滑体4により収縮が抑制さ
れる。その収縮量は、通常の収縮量が約15%であるの
に対し、5%程度に抑えることができる。また、焼結し
た平滑体4は、ガラスセラミック積層体1において下方
に押されたものとなり、適度な圧力を与えて厚さ方向収
縮を促進し、平面方向の収縮を抑えるとともに、機械的
に強度が増しているため、ガラスセラミック積層体1の
反り、うねりを抑えることができる。
【0026】よって、ガラスセラミック積層体1及び平
滑体4はともに、反りのないものとなっているため、全
体としても、反りのない良好な多層基板を得ることがで
きる。また、平滑体4が、ガラスセラミック積層体1の
ガラス成分の重量比よりも大きい重量比でガラス成分を
含有している場合は、焼成後においても、非晶質なガラ
ス成分が残り、その表面をより平滑に形成することがで
きる。
【0027】なお、上記のとおり、本発明のガラスセラ
ミック多層基板は、ガラスセラミック積層体1と平滑層
2との焼結温度の相違により、反り、うねりを抑制する
ものであるため、ガラスセラミック積層体1及び平滑層
2の焼結温度差が、基板の反り、うねりに影響を与え
る。より詳細には、その温度差が小さい場合は、平滑層
2が層全体にわたり完全に焼結する以前に、ガラスセラ
ミック積層体1が軟化し始めることがあり、ガラスセラ
ミック積層体1の収縮を良好に抑制することができな
い。また、その温度差が大きい場合には、平滑層2が焼
結した後、さらに、ガラスセラミック積層体1が焼結す
る温度まで昇温する必要があるため、平滑層2を高温で
熱処理しなければならず、平滑層2とガラスセラミック
積層体1との間に空隙ができる等の問題が考えられる。
したがって、平滑層2とガラスセラミック積層体1の焼
結温度差を、適度に設定することが、反り、うねりのな
い良好な基板製作のために必要であり、好ましくは、両
層を形成するガラス成分の軟化温度差が、100℃以上
300℃以下であることがよい。
【0028】さらに、平滑層2は、ガラスセラミック積
層体1の上下両面に圧着させ、反り量を相殺させること
によって、その反り及び収縮を抑えている。したがっ
て、その反り量を良好に相殺するためには、上下両面の
反り量を等しくする必要があるため、上下両面の平滑層
2又は平滑体4は、略等しい厚さで形成することが好ま
しい。また、平滑体4内部に導体パターン3を形成した
場合では、導体パターン3による収縮量の違いによっ
て、反り量に差異を生じさせないために、両平滑体4の
導体パターンは、略対称のパターンにすることが好まし
い。
【0029】一方、上記のとおり、焼結した平滑層2
は、ガラスセラミック積層体1に適度な圧力を与えるこ
とによって、ガラスセラミック積層体1の厚さ方向の収
縮を抑えることができるが、その適度な圧力を与えるた
めには、平滑層2とガラスセラミック積層体1の厚さ比
を0.04以上、好ましくは0.05以上にすることが
望ましい。
【0030】以上のように、平滑層2を形成したガラス
セラミック積層体1を焼成処理することによって、反
り、うねりのない良好な多層基板を得ることができる
が、焼成処理後の平滑層2は、ガラスセラミック積層体
1と同様、焼結しているため除去する必要はない。した
がって、生産効率が良く、反りのない良好なガラスセラ
ミック多層基板を得ることができる。
【0031】次に、本発明のより具体的な実施例につい
て説明する。
【0032】(実施例1)ガラスセラミック積層体1を
構成するガラスセラミック材料は、セラミック粉体とし
てアルミナを、ガラス粉体としてホウケイ酸バリウムガ
ラスを用い、これらを重量比45対55の割合で混合し
た。このガラス成分であるホウケイ酸バリウムガラスの
軟化温度T2は、TG−DTA計の測定によると820
℃であり、これを用いたガラスセラミック材料は焼結性
に優れ、820℃から900℃の低温で容易に焼結す
る。
【0033】このガラスセラミック材料を、結合剤とし
て10重量%のポリビニルブチラール、可塑剤として5
重量%のジブチルフタレート、及び溶剤として70重量
%の酢酸ブチルとともに、直径10mmのジルコニアボ
ールで50時間以上、適度な粘度になるまで混合し、ス
ラリーとした。そして、このスラリーをドクターブレー
ド法により、厚み約40μmのシートに成形し、ガラス
セラミックグリーンシートを作製した。
【0034】また、平滑体4の材料としては、(表1)
に示すように、5種類の異なるガラス成分を有し、アル
ミナと混合したものを用いた。これらの材料を、結合剤
として10重量%のポリビニルブチラール、可塑剤とし
て5重量%のジブチルフタレート、及び溶剤として70
重量%の酢酸ブチルとともに、直径10mmのジルコニ
アボールで50時間以上、適度な粘度になるまで混合
し、スラリーとした。そして、得られたスラリーから、
公知のドクターブレード法により、厚み約50μmのグ
リーンシートを作製した。なお、以上製作した各グリー
ンシートは、約10cm角の大きさに切断してある。
【0035】
【表1】
【0036】次に作製した(表1)の各材料からなるグ
リーンシートを厚さt1になるように積層し、下部平滑
体4を形成した。そして、形成した平滑体4の上に、厚
みt 2となるようにガラスセラミック材料からなるグリ
ーンシートを積層し、さらに、その上に、厚みt1の平
滑体4を形成し、上下に平滑体4を有するガラスセラミ
ック積層体を形成した。なお、5種類の平滑体4の材料
に対し、それぞれ厚みt1(約50μm又は約150μ
m)及びt2(約750μm、約1000μm又は約1
250μm)が異なる積層体を複数作製した。これらの
ガラスセラミック積層体を油圧プレス機に設置し、約5
00kg/cm2の圧力で、約1分間加圧して圧着した
後、通常に行われる焼成処理と同様にして、アルミナ基
板上に載せ、焼成処理を行った。焼成条件は、600℃
で約2時間処理することにより、樹脂成分を焼却し、そ
の後約900℃まで昇温して約30分間保持することに
より行った。
【0037】以上のようにして焼成して得たガラスセラ
ミック多層基板の反り量を、基板中央部分5cm角の表
面を触針式表面粗さ計により測定し、その最大値と最小
値の差を反り量とした。その結果を(表2)に示す。
【0038】
【表2】
【0039】(表2)に示すとおり、試料A及びBの平
滑体の軟化温度がガラスセラミック積層体の軟化温度よ
りも高いものについては、反り量が100μmを超え、
不良基板となった、これは、ガラスセラミック積層体の
焼結時に、平滑体が焼結しておらず、ガラスセラミック
積層体の焼結収縮、特に、厚さ方向の収縮が拘束されて
いないためと考えられる。また、試料C及びDについて
は、平滑体の軟化温度がガラスセラミック積層体の軟化
温度より低いものとなっているが、反り量は大きく、不
良なものであった。これは、平滑体及びガラスセラミッ
ク積層体の軟化温度差が小さく、それらの焼結挙動の相
違を生じさせるのに十分な温度差がなかったためと考え
られる。
【0040】また、試料L及びMについても、反り量が
200μmを超え、不良基板であった。これは、平滑体
の軟化温度が、ガラスセラミック積層体の軟化温度より
も低いが、その温度差が大きすぎるため、平滑体が焼結
後に、ガラスセラミック積層体の焼結温度である比較的
高温な温度に晒されるため、平滑体及びガラスセラミッ
ク積層体の間に空隙が生じ、両積層体の圧着が弱まり、
大きな反りが生じたためと考えられる。
【0041】一方、試料EからKについては、平滑体及
びガラスセラミック積層体の軟化温度差が120℃から
300℃と、それらの焼結挙動に相違を生じさせるのに
十分であり、反り量が70μm以下である良好な基板を
得ることができた。特に、試料E,F,HからJについ
ては、反り量が40μm以下と少なく、中でも試料F及
びJについては、反り量が25μm以下となり、非常に
良好な基板を得ることができた。これは、平滑体とガラ
スセラミック積層体の厚み比が0.04以上の場合、す
なわち試料E,H及びIにおいては、焼結して機械的強
度の増した平滑体が、ガラスセラミック積層体の厚さ方
向収縮を均一にするのに十分な拘束力、かつその収縮を
促進するのに十分な加圧力を、ガラスセラミック積層体
に与えているためと考えられる。特にその厚み比が0.
05以上の場合は、その効果が顕著に現れ、反り、うね
りを殆ど発生させないものとなった。
【0042】
【発明の効果】以上の説明から、本発明は以下のような
効果を奏する。
【0043】(1)ガラスセラミック積層体の表面に、
そのガラスセラミック積層体の焼結温度よりも低い温度
で焼結する平滑層を形成することにより、ガラスセラミ
ック積層体よりも先に焼結した平滑層が、ガラスセラミ
ック積層体の焼結による厚さ方向収縮を均一に拘束し、
全体として反り、うねり、ひずみの少ないガラスセラミ
ック多層基板を得ることができる。
【0044】(2)ガラスセラミック積層体よりも先に
焼結した平滑層により、ガラスセラミック積層体に適度
な圧力が加わり、その厚さ方向の収縮を促進し、平面方
向の収縮を抑えることができる。
【0045】(3)ガラスセラミック積層体表面の平滑
層は、焼結しているため、ガラスセラミック多層基板を
焼結形成後に、除去する必要がなく、生産効率の向上を
図ることができる。
【0046】(4)平滑層が、ガラスセラミック積層体
中のガラス成分の重量比よりも、大きい重量比でガラス
成分を含有するため、表面を平滑に形成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるガラスセラミッ
ク多層基板の模式断面図
【符号の説明】
1 ガラスセラミック積層体 2 平滑層 3 導体パターン 4 平滑体

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体パターンを形成したガラスセラミッ
    ク材料からなるグリーンシートを積層してガラスセラミ
    ック積層体を形成する第1工程と、前記ガラスセラミッ
    ク積層体の両面に、前記ガラスセラミック材料の焼結温
    度よりも低い温度で焼結する平滑層を形成する第2工程
    と、前記ガラスセラミック積層体および前記平滑層を焼
    成する第3工程とからなることを特徴とするガラスセラ
    ミック多層基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記平滑層を複数積層して平滑体を形成
    し、この平滑体の内部に導体パターンを設けたことを特
    徴とする請求項1記載のガラスセラミック多層基板の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記ガラスセラミック積層体の両面に形
    成された平滑体に、互いに略対称な導体パターンを形成
    することを特徴とする請求項1又は2記載のガラスセラ
    ミック多層基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記平滑層又は前記平滑体を、前記ガラ
    スセラミック積層体の両面に、略等しい厚さで形成する
    ことを特徴とする請求項1,2又は3記載のガラスセラ
    ミック多層基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記平滑層が、前記ガラスセラミック材
    料のガラス成分の軟化温度よりも低い温度で軟化するガ
    ラス成分を含むことを特徴とする請求項1から4のいず
    れか一つに記載のガラスセラミック多層基板の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記ガラスセラミック材料のガラス成分
    の軟化温度と前記平滑層のガラス成分の軟化温度の差
    が、100℃以上300℃以下であることを特徴とする
    請求項1から5いずれか一つに記載のガラスセラミック
    多層基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記平滑層が、前記ガラスセラミック材
    料中のガラス成分の重量比よりも大きい重量比でガラス
    成分を含むことを特徴とする請求項1から6いずれか一
    つに記載のガラスセラミック多層基板の製造方法。
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