JP2001015875A - 回路基板およびその製法 - Google Patents

回路基板およびその製法

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JP2001015875A JP11185834A JP18583499A JP2001015875A JP 2001015875 A JP2001015875 A JP 2001015875A JP 11185834 A JP11185834 A JP 11185834A JP 18583499 A JP18583499 A JP 18583499A JP 2001015875 A JP2001015875 A JP 2001015875A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】異種材料の同時焼成に際して、クラックやデラ
ミネーションを防止できるとともに、x−y方向におけ
る収縮率を容易にかつ安価に小さくできる回路基板およ
びその製法を提供する。 【解決手段】複数の絶縁層1を積層してなり、該複数の
絶縁層1のうち少なくとも1層が、他の絶縁層1b〜1
fと焼成収縮開始温度が異なる異種材料絶縁層1a、1
gであり、かつ他の絶縁層1b〜1fが、MgTiO3
またはMgTiO3 −CaTiO3 を主成分とし、B、
アルカリ金属、Si、アルカリ土類金属を含有するもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回路基板およびその
製法に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、強度の弱い絶縁層を強度の強い絶縁
層で補強するためや回路基板の中に容量値の高いキャパ
シタを内蔵するために、絶縁層と、この絶縁層とは異な
る材料からなる異種材料絶縁層を積層した回路基板が知
られている(例えば、特開昭59−194493号公報
参照)。このような回路基板では、磁器のクラックやデ
ラミネーションを防止するために、絶縁層と異種材料絶
縁層とは、焼成収縮率および熱膨張係数を一致させるよ
うに材料を決定していた。
【0003】しかしながら、このような回路基板におい
ては、クラックやデラミネーションを防止できるもの
の、焼成収縮率が大きいため、回路基板内に形成された
電極のx−y方向における寸法精度が低くなるという問
題があった。特に、近年においては、回路基板の小型薄
型化のため、ますます電極のx−y方向における寸法精
度が要求されている。
【0004】そこで、近年においては、回路基板の積層
成形体をAl2 3 基板等で挟持して焼成する加圧焼成
法(特開昭62−260777号公報)、回路基板の積
層成形体の表面に、この積層成形体の焼成温度では焼結
しないグリーンシートを積層し、焼成後にそれを削り取
る方法(特開平4−243978号公報)が開示されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た加圧焼成法では、Al2 3 基板等により加圧する必
要があり、そのための設備やAl2 3 基板等が必要で
あった。また、未焼結グリーンシートを除去する方法で
は、製造工程が増加し、しかも、除去したグリーンシー
トは廃棄しなければならず、原料が無駄であった。
【0006】本発明は、異種材料の同時焼成に際して、
クラックやデラミネーションを防止できるとともに、x
−y方向における収縮率を容易にかつ安価に小さくでき
る回路基板およびその製法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の回路基板は、複
数の絶縁層を積層してなり、該複数の絶縁層のうち少な
くとも1層が、他の絶縁層と焼成収縮開始温度が異なる
異種材料絶縁層であり、かつ他の絶縁層が、MgTiO
3 またはMgTiO3 −CaTiO3 を主成分とし、
B、アルカリ金属、Si、アルカリ土類金属を含有する
ものである。
【0008】ここで、異種材料絶縁層は、他の絶縁層と
比誘電率が異なる材料からなり、かつ、アルミナ、シリ
カ、MgTiO3 、MgTiO3 −CaTiO3 から選
ばれる1種と、結晶性ガラスとを含有することが望まし
い。
【0009】また、本発明の回路基板は、複数の絶縁層
を積層してなり、該複数の絶縁層のうち少なくとも1層
が、他の絶縁層と焼成収縮開始温度が異なり、かつ比誘
電率が略同一の異種材料絶縁層であり、該異種材料絶縁
層と前記他の絶縁層が、アルミナ、シリカ、MgTiO
3 、MgTiO3 −CaTiO3 から選ばれる1種と、
結晶性ガラスとを含有しても良い。
【0010】異種材料絶縁層の焼成収縮開始温度と、他
の絶縁層の焼成収縮開始温度との差が20〜90℃であ
ることが望ましい。
【0011】また、他の絶縁層は、金属元素として少な
くともMgおよびTiを含有し、これらのモル比による
組成式を、 (1−x)MgTiO3 ・xCaTiO3 と表した時、前記xが0≦x≦0.2を満足する主成分
と、該主成分100重量部に対して、BをB2 3 換算
で3〜20重量部、アルカリ金属をアルカリ金属炭酸塩
換算で1〜10重量部、SiをSiO2 換算で0.01
〜5重量部、アルカリ土類金属をアルカリ土類金属酸化
物換算で0.1〜5重量部含有することが望ましい。
【0012】異種材料絶縁層は、結晶性ガラス70〜1
00重量%と、アルミナ、シリカ、MgTiO3 、Mg
TiO3 −CaTiO3 から選ばれる1種0〜30重量
%からなり、前記結晶性ガラスが、SiO2 40〜7
0重量%、CaO 20〜35重量%、MgO 11〜
30重量%、Al2 3 0.5〜10重量%、SrO
0〜10重量%、ZnO 0〜10重量%、TiO2
0〜10重量%、Na2 O 0〜3重量%であること
が望ましい。
【0013】また、本発明の回路基板の製法は、複数の
絶縁層成形体を積層してなるとともに、該複数の絶縁層
成形体のうち少なくとも1層が、他の絶縁層成形体との
焼成収縮開始温度の差が20〜90℃である異種材料絶
縁層成形体である積層成形体を作製し、該積層成形体を
焼成する方法である。
【0014】
【作用】本発明の回路基板では、複数の絶縁層を積層し
てなり、該複数の絶縁層のうち少なくとも1層が、他の
絶縁層と焼成収縮開始温度が異なる異種材料絶縁層であ
るため、焼成収縮開始温度が、特に20〜90℃異なる
2種の材料を一体焼成した場合には、異種材料絶縁層が
収縮を開始する際には、他の絶縁層によりx−y方向に
おける収縮が妨げられ、異種材料絶縁層が収縮を完了す
ると、この異種材料絶縁層により他の絶縁層のx−y方
向における収縮が妨げられ、結果的に、焼成中における
x−y方向の焼成収縮を抑制できる。
【0015】また、他の絶縁層が、MgTiO3 または
MgTiO3 −CaTiO3 を主成分とし、B、アルカ
リ金属、Si、アルカリ土類金属を含有する場合、特
に、モル比による組成式を、(1−x)MgTiO3
xCaTiO3 と表した時、xが0≦x≦0.2を満足
する主成分と、該主成分100重量部に対して、B、ア
ルカリ金属、Si、アルカリ土類金属を所定量含有する
場合には、他の絶縁層のQf値をそれほど低下させるこ
となく、920℃以下の焼成温度で焼成できるととも
に、収縮開始温度を830℃以下にでき、Ag、Cu等
の内部導体と同時焼成しても変形することがなく、さら
に、Q値とその測定周波数との積で表される磁器のQf
値を20000〔GHz〕以上、比誘電率を18以上と
でき、このような他の絶縁層に共振回路等の高周波回路
を形成することにより、優れた特性の回路を得ることが
できる。
【0016】さらに、他の絶縁層と異種材料絶縁層の熱
膨張係数差を小さくすることにより、特に2×10-6
℃以下とすることにより、ピーク焼成温度からの冷却時
における材料の熱収縮挙動を一致させ、収縮のミスマッ
チをなくすことができるため、クラックあるいはデラミ
ネーションの発生を防止できる。
【0017】さらに、複数の絶縁層からなる積層体の上
下面に、該積層体を構成する他の絶縁層よりも比誘電率
が低い材料から構成される異種材料絶縁層を形成するこ
とにより、異種材料絶縁層を挟む電極間に形成される容
量が、他の絶縁層を挟む電極間に形成される容量よりも
小さいため、異種材料絶縁層成形体に形成されたビアホ
ール導体および配線導体と接地導体の間における浮遊容
量を抑制できる。
【0018】また、複数の絶縁層を積層してなり、該複
数の絶縁層のうち少なくとも1層が、他の絶縁層と焼成
収縮開始温度が異なり、かつ比誘電率が略同一の異種材
料絶縁層であり、該異種材料絶縁層と他の絶縁層が、ア
ルミナ、シリカ、MgTiO3 、MgTiO3 −CaT
iO3 から選ばれる1種と、結晶性ガラスとを含有する
ことによっても、上記したように、焼成中におけるx−
y方向の焼成収縮を抑制できる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は本発明の回路基板の一例を
示すもので、図1において、回路基板は、基板1と、こ
の基板1の表面に形成された表面導体2と、基板1の内
部に形成された接地導体3と,λ/4ストリップライン
共振器4とから構成されている。
【0020】基板1は、7層の絶縁層1a〜1gからな
り、他の絶縁層1b〜1fからなる積層体の上下面に、
接地導体3を挟むようにして、他の絶縁層1b〜1fと
は異種の材料からなる異種材料絶縁層1a、1gが積層
されている。
【0021】本発明の回路基板は、他の絶縁層1b〜1
fを形成する材料の焼成収縮開始温度は、異種材料絶縁
層1a、1gを形成する材料の焼成収縮開始温度と異な
っている。尚、他の絶縁層1b〜1fと、異種材料絶縁
層1a、1gの間に接地導体3を挟まなくても良い。
【0022】図2は本発明における回路基板の他の例を
示すもので、この回路基板は、基板11と、この基板1
1の表面に形成された表面導体12と、基板11の内部
に形成された接地導体13と、内部導体15と、表面導
体12と内部導体15を接続するビアホール導体14と
から構成されている。
【0023】基板11は、5層の絶縁層11a〜11e
からなり、他の絶縁層11cを形成する材料の焼成収縮
開始温度が、異種材料絶縁層11a、11b、11d、
11e を形成する材料の焼成収縮開始温度と異なってい
る。
【0024】図1および図2の回路基板において、他の
絶縁層1b〜1f、11cは、MgTiO3 またはMg
TiO3 −CaTiO3 を主成分とし、B、アルカリ金
属、Si、アルカリ土類金属を含有するものであり、異
種材料絶縁層1a、1g、11a、11b、11d、1
1eは、他の絶縁層1b〜1f、11cとは比誘電率が
異なる材料からなるもので、アルミナ、シリカ、MgT
iO3 、MgTiO3−CaTiO3 から選ばれる1種
と、結晶性ガラスとから形成されている。このように、
他の絶縁層1b〜1f、11cを、MgTiO3 または
MgTiO3 −CaTiO3 を主成分とし、B、アルカ
リ金属、Si、アルカリ土類金属を含有する磁器とする
ことにより、Qf値が20000〔GHz〕以上で、9
20℃以下の焼成温度で焼成できるとともに、収縮開始
温度を830℃以下にでき、Ag、Cu等の内部導体と
同時焼成しても変形することがなく、比誘電率を18以
上とできる。
【0025】異種材料絶縁層1a、1g、11a、11
b、11d、11eの焼成収縮開始温度と、他の絶縁層
1b〜1f、11cの焼成収縮開始温度との差は20〜
90℃であることが望ましい。これは、収縮開始温度差
が20℃より小さくなると焼成における収縮挙動が一致
するため、基板のx−y方向における収縮率が大きくな
り、配線導体の寸法精度が悪くなるからであり、逆に9
0℃を超えると焼成収縮時において、他の絶縁層1b〜
1f、11cと異種材料絶縁層1a、1g、11a、1
1b、11d、11eの界面に応力歪みを生じ、基板が
反る、歪む、あるいは界面で剥離する等の問題が生じる
からである。とりわけ、収縮率低減と基板の反り、歪み
の観点から、収縮開始温度差は30〜60℃であること
が望ましい。尚、図1および図2においては配線導体は
省略した。
【0026】また、他の絶縁層1b〜1f、11cと異
種材料絶縁層1a、1g、11a、11b、11d、1
1eの熱膨張係数の差は2×10-6/℃以下であること
が望ましい。これは、2×10-6/℃よりも大きくなる
と、焼成ピーク温度からの冷却時において熱収縮率の差
が生じ、他の絶縁層1b〜1f、11cと異種材料絶縁
層1a、1g、11a、11b、11d、11eの界面
に、クラックやデラミネーションを生じ易いからであ
る。とりわけ、クラックやデラミネーションの観点か
ら、熱膨張係数の差は1×10-6/℃以下が望ましい。
【0027】また、他の絶縁層1b〜1f、11cは、
モル比による組成式を、(1−x)MgTiO3 ・xC
aTiO3 と表した時、xが0≦x≦0.2を満足する
主成分と、該主成分100重量部に対して、BをB2
3 換算で3〜20重量部、アルカリ金属をアルカリ金属
炭酸塩換算で1〜10重量部、SiをSiO2 換算で
0.01〜5重量部、アルカリ土類金属をアルカリ土類
金属酸化物換算で0.1〜5重量部含有するものが望ま
しい。
【0028】ここで、xを0≦x≦0.2としたのは、
xが0.2モルを越える場合には共振周波数の温度係数
τfがプラス側に大きくなりすぎてしまうからである。
とりわけ誘電体磁器の共振周波数の温度係数τfの観点
からはxは0.03≦x≦0.13が好ましい。
【0029】また、主成分100重量部に対して、Bを
2 3 換算で3〜20重量部含有したのは、Bが3重
量部未満の場合には1100℃でも焼結せず、Agまた
はCuを主成分とする導体と同時焼成ができなくなり、
逆に20重量部を越える場合には焼結体中のガラス相の
割合が増加してQ値が低下するからである。よって、焼
結性を維持し、高いQ値を得るという観点からB2 3
換算で5〜15重量部含有することが望ましい。B含有
化合物としては、金属硼素、B2 3 、コレマイト、C
aB2 4 、ホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸アルカリガ
ラス、ホウケイ酸アルカリ土類ガラス等がある。
【0030】また、アルカリ金属をアルカリ金属炭酸塩
換算で1〜10重量部含有したのは、1重量部未満の場
合には1100℃でも焼結せず、AgまたはCuを主成
分とする導体と同時焼成ができなくなり、逆に10重量
部を越える場合には結晶相が変化してQ値が低下するか
らである。誘電体磁器のQ値の観点から4〜9重量部が
望ましい。アルカリ金属としてはLi、Na、Kを例示
することができ、この中でもLiが特に望ましい。アル
カリ金属含有化合物としては、上記アルカリ金属の炭酸
塩、酸化物等を例示することができる。
【0031】さらに、SiをSiO2 換算で0.01〜
5重量部含有したのは、含有量が0.01重量部未満の
場合には、誘電体磁器の焼結過程における収縮開始温度
が約840℃と高く、添加効果が得られないからであ
る。一方、5重量部を越えると比誘電率εrあるいはQ
値が低下するからである。誘電体磁器の比誘電率εrあ
るいはQ値の観点から0.5〜3重量部が望ましい。S
i含有化合物としてはSiO2 、MgSiO3 等があ
る。
【0032】また、アルカリ土類金属をアルカリ土類金
属酸化物換算で0.1〜5重量部含有するものである。
これらが0.1重量部未満の場合には誘電体磁器の焼結
過程における収縮開始温度が830℃よりも高く、添加
効果が得られない。一方、5重量部を越えると誘電体磁
器の共振周波数の温度係数τfがプラス側に大きくなり
すぎてしまう。とりわけ誘電体磁器の焼結性と共振周波
数の温度係数τfの観点からは合計0.5〜3.5重量
部が好ましい。アルカリ土類金属としては、Mg、C
a、Sr、Baがあり、このなかでもBaが望ましい。
アルカリ土類金属含有化合物としては、上記アルカリ金
属の炭酸塩、酸化物等を例示することができる。
【0033】さらに、焼結性を改善する点から、主成分
100重量部に対して、MnをMnO2 換算で0.1〜
3重量部含有することが望ましい。MnをMnO2 換算
で0.1〜3重量部含有せしめたのは、0.1重量部よ
りも少ない場合にはその添加効果がなく、さらに3重量
部よりも多い場合には誘電特性が悪化するからである。
MnはMnO2 換算で1.2〜1.8重量部含有するこ
とが望ましい。
【0034】異種材料絶縁層は、結晶性ガラス70〜1
00重量%と、セラミック粒子0〜30重量%からな
り、結晶性ガラスがSiO2 40〜70重量%、Ca
O 20〜35重量%、MgO 11〜30重量%、A
2 3 0.5〜10重量%、SrO 0〜10重量
%、ZnO 0〜10重量%、TiO2 0〜10重量
%、Na2 O 0〜3重量%を含有し、セラミック粒子
がアルミナ、シリカ、MgTiO3 、MgTiO3 −C
aTiO3 から選ばれる1種以上からなることが望まし
い。この異種材料絶縁層の比誘電率は6〜8である。
【0035】異種材料絶縁層を上記のような組成とする
ことにより、MgTiO3 またはMgTiO3 −CaT
iO3 を主成分とし、B、アルカリ金属、Si、アルカ
リ土類金属を含有する他の絶縁層との間の焼成収縮開始
温度差を20〜90℃の範囲内とすることができる。
【0036】以上のように構成された回路基板は、例え
ば、先ず、複数の絶縁層成形体を積層した積層成形体を
作製する。この積層成形体を構成する複数の絶縁層成形
体のうち少なくとも1層については、他の絶縁層成形体
との焼成収縮開始温度の差が20〜90℃異なる異種材
料絶縁層成形体とする。
【0037】積層成形体は、ドクターブレード法等によ
り作製されたグリーンシートを積層することにより作製
したり、また、セラミックペーストを順次塗布すること
により作製したり、さらに、セラミックペーストを塗
布、光硬化、現像等を繰り返すいわゆるフォトリソグラ
フィー技術を用いて作製したりすることができる。
【0038】具体的には、先ず、例えば、他の絶縁層と
異種材料絶縁層となるグリーンシートを作製する。例え
ばグリーンシートは、所定のセラミック粉末と有機バイ
ンダーと有機溶剤及び必要に応じて可塑剤とを混合し、
スラリー化する。このスラリーを用いてドクターブレー
ド法などによりテープ成形を行い、所定寸法に切断しグ
リーンシートを作製する。
【0039】次に、内部導体と表面導体をあるいは内部
導体間を接続するビアホール導体となる貫通孔をグリー
ンシートの所定の位置にパンチング等により作製する。
【0040】導電性ペーストを内部側の絶縁層となるグ
リーンシートの貫通孔に充填するとともに、そのグリー
ンシート上に所定形状の内部導体となる導体膜を印刷形
成する。
【0041】次に導電性ペーストを用いて、表層の異種
材料絶縁層となるグリーンシート上に所定形状の表面導
体となる導体膜を印刷形成する。
【0042】このようにして得られたグリーンシートを
積層順序に応じて積層し、積層成形体を形成して、一体
的に焼成する。以上の製造工程によって回路基板は製造
される。
【0043】以上のように構成された回路基板では、焼
成収縮開始温度が異なる他の絶縁層1b〜1f、11c
と異種材料絶縁層1a、1g、11a、11b、11
d、11eを同時焼成するため、異種材料絶縁層1a、
1g、11a、11b、11d、11eが収縮を開始す
る際には、他の絶縁層1b〜1f、11cによりx−y
方向における収縮が妨げられ、異種材料絶縁層1a、1
g、11a、11b、11d、11eが収縮を完了する
と、この異種材料絶縁層1a、1g、11a、11b、
11d、11eにより他の絶縁層1b〜1f、11cの
x−y方向における収縮が妨げられ、結果的に、焼成中
におけるx−y方向の焼成収縮を抑制でき、電極の寸法
精度を向上できる。
【0044】さらに、図1の回路基板では、他の絶縁層
1b〜1fの比誘電率を、上下の異種材料絶縁層1a、
1gの比誘電率よりも高くできるため、高誘電率層の絶
縁層1b〜1fにλ/4ストリップライン共振器4を形
成することにより、該共振器4の構成部分であるライン
を短縮して共振器を小型化することができ、接地導体3
と表面導体2の間に低誘電率層の1aと1gを配置する
ことにより、接地導体3と表面導体2の間に生じる浮遊
容量を軽減することができる。
【0045】また、図2の回路基板では、内部導体15
の間に高誘電率の他の絶縁層11cを挟むことにより、
容量値の大きなキャパシタを形成することができ、低誘
電率の異種材料絶縁層11a、11b、11d、11e
を形成することにより、表面導体12やビアホール導体
14と接地導体13の間に生じる浮遊容量を軽減するこ
とができる。
【0046】また、本発明の回路基板では、複数の絶縁
層を積層してなり、該複数の絶縁層のうち少なくとも1
層が、他の絶縁層と焼成収縮開始温度が異なり、かつ比
誘電率が略同一の異種材料絶縁層であり、該異種材料絶
縁層と他の絶縁層が、アルミナ、シリカ、MgTi
3 、MgTiO3 −CaTiO3 から選ばれる1種
と、結晶性ガラスとを含有して構成されていても良い。
【0047】
【実施例】実施例1 先ず、MgTiO3 またはMgTiO3 −CaTiO3
を主成分とし、B、アルカリ金属、Si、アルカリ土類
金属を含有する磁器について検討した。
【0048】原料として純度99%以上の、MgTiO
3 粉末、CaTiO3 粉末とを、モル比による(1−
x)MgTiO3 ・xCaTiO3 においてxが表1の
値を満足するように秤量し、また、B2 3 粉末、アル
カリ金属炭酸塩粉末(Li2 CO3 、Na2 CO3 、K
2 CO3 )、SiO2 粉末、MnO2 粉末、さらにアル
カリ土類酸化物粉末(MgO、CaO、SrO、Ba
O)を、表1に示す割合となるように秤量し、純水を媒
体とし、ZrO2 ボールを用いたボールミルにて20時
間湿式混合した。次にこの混合物を乾燥(脱水)し、8
00℃で1時間仮焼した。
【0049】この仮焼物を、粉砕粒径が1.0μm以下
になるように粉砕し、誘電特性評価用の試料として直径
10mm高さ8mmの円柱状に1ton/cm2 の圧力
でプレス成形し、これを表2に示す温度で3時間焼成
し、直径8mm、高さ6mmの円柱状の試料を得た。
【0050】誘電特性の評価は、前記試料を用いて誘電
体円柱共振器法にて周波数8GHzにおける比誘電率と
Q値を測定した。Q値と測定周波数fとの積で表される
Qf値を表2に記載した。さらに、−40〜+85℃の
温度範囲における共振周波数の温度係数τf〔ppm/
℃〕を測定した。その結果を表2に記載した。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】これらの表1、2から、比誘電率が18〜
20、Qf値が20000〔GHz〕以上、かつ、共振
周波数の温度係数τfが±40ppm/℃以内の優れた
誘電特性を有するとともに、760〜830℃で焼結収
縮が開始し、920℃以下で焼成が可能な優れた焼結性
を有していることが判る。
【0054】尚、表1のアルカリの欄において、Li、
Na、Kと記載したが、これはLi2 CO3 、Na2
3 、K2 CO3 の意味であり、また、アルカリ土類の
欄において、Mg、Ba、Ca、Srと記載したが、こ
れは、MgO、CaO、SrO、BaOの意味である。
さらに、表1の試料No.4、5については、Mg/T
i、Ca/Ti比がそれぞれ1.1、0.9の原料粉末
を用いた。
【0055】次に、本発明者等は、絶縁層として、上記
表1の試料を用い、また、異種材料絶縁層として、Si
2 52重量%、CaO25重量%、MgO18重量
%、Al2 3 5重量%からなる結晶性ガラスと、Si
2 からなるセラミック粒子の重量比を変えることによ
り、収縮開始温度の異なる材料を得た。
【0056】絶縁層原料粉末、異種材料絶縁層原料粉末
に、それぞれに有機バインダー、有機溶剤を添加したス
ラリーをドクターブレード法により薄層化し、グリーン
シートを作製し、絶縁層成形体、異種材料絶縁層成形体
を作製した。
【0057】この後、ビアホール導体を作製するための
貫通孔を絶縁層成形体の所定の位置にパンチング等によ
り作製し、Agからなる導電性ペーストを貫通孔に充填
し、所定形状の内部導体となる導体膜を印刷形成した。
【0058】一方、最上層、最下層となる異種材料絶縁
層成形体に、表面導体となるAgからなる導電性ペース
トを用いて所定形状の導体膜を印刷形成し、乾燥させ
た。
【0059】導電性ペーストが充填され、所定形状の導
体膜が形成された絶縁層成形体を複数積層するととも
に、最上層および最下層に表面導体となる導体膜を形成
した異種材料絶縁層成形体を積層し、積層成形体を作製
した。
【0060】この後、大気中400℃で脱バインダー処
理し、さらに910℃で焼成し、図1に示すような回路
基板を作製した。尚、絶縁層1a〜1gの厚みは0.1
5mmであり、回路基板の大きさは、縦10mm、横1
0mm、厚み1.2mmであった。
【0061】尚、積層成形体と焼成後の回路基板に対し
て、所定のポイント間の長さを測定することにより、基
板の収縮率を測定した。また、基板におけるクラック、
デラミネーションの有無を基板を研磨して、金属顕微鏡
で観察することにより評価した。
【0062】また、絶縁層と異種材料絶縁層を形成する
材料にワックスを添加し、10ton/cm2 プレスす
ることにより圧粉体を形成し、熱機械分析(TMA)に
より材料の収縮開始温度、熱膨張係数を評価した。その
結果を表3に記載した。
【0063】
【表3】
【0064】この表3から、本発明の回路基板は収縮率
が0.3〜7.0と小さく、焼成におけるクラックやデ
ラミネーションの発生しないことがわかる。
【0065】
【発明の効果】本発明の回路基板では、複数の絶縁層と
焼成収縮開始温度の異なる異種材料絶縁層を一体焼成す
ることにより、基板の収縮率を低減できる。また、前記
絶縁層と異種材料絶縁層の間の熱膨張係数差を小さくす
ることにより、クラックやデラミネーションの生じない
基板を得ることができる。さらに、前記絶縁層の比誘電
率を異種材料絶縁層の比誘電率よりも高くすることによ
り、基板に内蔵する回路の小型化ができ、かつ、電極間
に生じる浮遊容量が小さい回路基板を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回路基板の断面図を示す。
【図2】本発明の他の回路基板の断面図を示す。
【符号の説明】
1b〜1f、11c・・・他の絶縁層 1a、1g、11a、11b、11d、11e・・・異
種材料絶縁層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井本 晃 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4G031 AA03 AA04 AA11 AA39 AA40 BA09 BA12 CA03 GA02 5E346 AA38 CC16 CC21 EE08 GG09 GG28 HH31

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の絶縁層を積層してなり、該複数の絶
    縁層のうち少なくとも1層が、他の絶縁層と焼成収縮開
    始温度が異なる異種材料絶縁層であり、かつ前記他の絶
    縁層が、MgTiO3 またはMgTiO3 −CaTiO
    3 を主成分とし、B、アルカリ金属、Si、アルカリ土
    類金属を含有することを特徴とする回路基板。
  2. 【請求項2】異種材料絶縁層は、他の絶縁層と比誘電率
    が異なる材料からなり、かつ、アルミナ、シリカ、Mg
    TiO3 、MgTiO3 −CaTiO3 から選ばれる1
    種と、結晶性ガラスとを含有することを特徴とする請求
    項1記載の回路基板。
  3. 【請求項3】異種材料絶縁層の焼成収縮開始温度と、他
    の絶縁層の焼成収縮開始温度との差が20〜90℃であ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の回路基板。
  4. 【請求項4】他の絶縁層が、金属元素として少なくとも
    MgおよびTiを含有し、これらのモル比による組成式
    を、 (1−x)MgTiO3 ・xCaTiO3 と表した時、前記xが0≦x≦0.2を満足する主成分
    と、該主成分100重量部に対して、BをB2 3 換算
    で3〜20重量部、アルカリ金属をアルカリ金属炭酸塩
    換算で1〜10重量部、SiをSiO2 換算で0.01
    〜5重量部、アルカリ土類金属をアルカリ土類金属酸化
    物換算で0.1〜5重量部含有することを特徴とする請
    求項1乃至3のうちいずれかに記載の回路基板。
  5. 【請求項5】複数の絶縁層成形体を積層してなるととも
    に、該複数の絶縁層成形体のうち少なくとも1層が、他
    の絶縁層成形体との焼成収縮開始温度の差が20〜90
    ℃である異種材料絶縁層成形体である積層成形体を作製
    し、該積層成形体を焼成することを特徴とする回路基板
    の製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002246746A (ja) * 2001-02-15 2002-08-30 Matsushita Electric Ind Co Ltd ガラスセラミック多層基板の製造方法
US7605101B2 (en) 2006-03-28 2009-10-20 Kyocera Corporation Laminate, ceramic substrate and method for making the ceramic substrate
CN112979304A (zh) * 2021-04-25 2021-06-18 北京中科三环高技术股份有限公司 一种微波介质陶瓷及其制备方法与微波器件

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