JP2001015875A - 回路基板およびその製法 - Google Patents
回路基板およびその製法Info
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Abstract
ミネーションを防止できるとともに、x−y方向におけ
る収縮率を容易にかつ安価に小さくできる回路基板およ
びその製法を提供する。 【解決手段】複数の絶縁層1を積層してなり、該複数の
絶縁層1のうち少なくとも1層が、他の絶縁層1b〜1
fと焼成収縮開始温度が異なる異種材料絶縁層1a、1
gであり、かつ他の絶縁層1b〜1fが、MgTiO3
またはMgTiO3 −CaTiO3 を主成分とし、B、
アルカリ金属、Si、アルカリ土類金属を含有するもの
である。
Description
製法に関するものである。
層で補強するためや回路基板の中に容量値の高いキャパ
シタを内蔵するために、絶縁層と、この絶縁層とは異な
る材料からなる異種材料絶縁層を積層した回路基板が知
られている(例えば、特開昭59−194493号公報
参照)。このような回路基板では、磁器のクラックやデ
ラミネーションを防止するために、絶縁層と異種材料絶
縁層とは、焼成収縮率および熱膨張係数を一致させるよ
うに材料を決定していた。
ては、クラックやデラミネーションを防止できるもの
の、焼成収縮率が大きいため、回路基板内に形成された
電極のx−y方向における寸法精度が低くなるという問
題があった。特に、近年においては、回路基板の小型薄
型化のため、ますます電極のx−y方向における寸法精
度が要求されている。
成形体をAl2 O3 基板等で挟持して焼成する加圧焼成
法(特開昭62−260777号公報)、回路基板の積
層成形体の表面に、この積層成形体の焼成温度では焼結
しないグリーンシートを積層し、焼成後にそれを削り取
る方法(特開平4−243978号公報)が開示されて
いる。
た加圧焼成法では、Al2 O3 基板等により加圧する必
要があり、そのための設備やAl2 O3 基板等が必要で
あった。また、未焼結グリーンシートを除去する方法で
は、製造工程が増加し、しかも、除去したグリーンシー
トは廃棄しなければならず、原料が無駄であった。
クラックやデラミネーションを防止できるとともに、x
−y方向における収縮率を容易にかつ安価に小さくでき
る回路基板およびその製法を提供することを目的とす
る。
数の絶縁層を積層してなり、該複数の絶縁層のうち少な
くとも1層が、他の絶縁層と焼成収縮開始温度が異なる
異種材料絶縁層であり、かつ他の絶縁層が、MgTiO
3 またはMgTiO3 −CaTiO3 を主成分とし、
B、アルカリ金属、Si、アルカリ土類金属を含有する
ものである。
比誘電率が異なる材料からなり、かつ、アルミナ、シリ
カ、MgTiO3 、MgTiO3 −CaTiO3 から選
ばれる1種と、結晶性ガラスとを含有することが望まし
い。
を積層してなり、該複数の絶縁層のうち少なくとも1層
が、他の絶縁層と焼成収縮開始温度が異なり、かつ比誘
電率が略同一の異種材料絶縁層であり、該異種材料絶縁
層と前記他の絶縁層が、アルミナ、シリカ、MgTiO
3 、MgTiO3 −CaTiO3 から選ばれる1種と、
結晶性ガラスとを含有しても良い。
の絶縁層の焼成収縮開始温度との差が20〜90℃であ
ることが望ましい。
くともMgおよびTiを含有し、これらのモル比による
組成式を、 (1−x)MgTiO3 ・xCaTiO3 と表した時、前記xが0≦x≦0.2を満足する主成分
と、該主成分100重量部に対して、BをB2 O3 換算
で3〜20重量部、アルカリ金属をアルカリ金属炭酸塩
換算で1〜10重量部、SiをSiO2 換算で0.01
〜5重量部、アルカリ土類金属をアルカリ土類金属酸化
物換算で0.1〜5重量部含有することが望ましい。
00重量%と、アルミナ、シリカ、MgTiO3 、Mg
TiO3 −CaTiO3 から選ばれる1種0〜30重量
%からなり、前記結晶性ガラスが、SiO2 40〜7
0重量%、CaO 20〜35重量%、MgO 11〜
30重量%、Al2 O3 0.5〜10重量%、SrO
0〜10重量%、ZnO 0〜10重量%、TiO2
0〜10重量%、Na2 O 0〜3重量%であること
が望ましい。
絶縁層成形体を積層してなるとともに、該複数の絶縁層
成形体のうち少なくとも1層が、他の絶縁層成形体との
焼成収縮開始温度の差が20〜90℃である異種材料絶
縁層成形体である積層成形体を作製し、該積層成形体を
焼成する方法である。
てなり、該複数の絶縁層のうち少なくとも1層が、他の
絶縁層と焼成収縮開始温度が異なる異種材料絶縁層であ
るため、焼成収縮開始温度が、特に20〜90℃異なる
2種の材料を一体焼成した場合には、異種材料絶縁層が
収縮を開始する際には、他の絶縁層によりx−y方向に
おける収縮が妨げられ、異種材料絶縁層が収縮を完了す
ると、この異種材料絶縁層により他の絶縁層のx−y方
向における収縮が妨げられ、結果的に、焼成中における
x−y方向の焼成収縮を抑制できる。
MgTiO3 −CaTiO3 を主成分とし、B、アルカ
リ金属、Si、アルカリ土類金属を含有する場合、特
に、モル比による組成式を、(1−x)MgTiO3 ・
xCaTiO3 と表した時、xが0≦x≦0.2を満足
する主成分と、該主成分100重量部に対して、B、ア
ルカリ金属、Si、アルカリ土類金属を所定量含有する
場合には、他の絶縁層のQf値をそれほど低下させるこ
となく、920℃以下の焼成温度で焼成できるととも
に、収縮開始温度を830℃以下にでき、Ag、Cu等
の内部導体と同時焼成しても変形することがなく、さら
に、Q値とその測定周波数との積で表される磁器のQf
値を20000〔GHz〕以上、比誘電率を18以上と
でき、このような他の絶縁層に共振回路等の高周波回路
を形成することにより、優れた特性の回路を得ることが
できる。
膨張係数差を小さくすることにより、特に2×10-6/
℃以下とすることにより、ピーク焼成温度からの冷却時
における材料の熱収縮挙動を一致させ、収縮のミスマッ
チをなくすことができるため、クラックあるいはデラミ
ネーションの発生を防止できる。
下面に、該積層体を構成する他の絶縁層よりも比誘電率
が低い材料から構成される異種材料絶縁層を形成するこ
とにより、異種材料絶縁層を挟む電極間に形成される容
量が、他の絶縁層を挟む電極間に形成される容量よりも
小さいため、異種材料絶縁層成形体に形成されたビアホ
ール導体および配線導体と接地導体の間における浮遊容
量を抑制できる。
数の絶縁層のうち少なくとも1層が、他の絶縁層と焼成
収縮開始温度が異なり、かつ比誘電率が略同一の異種材
料絶縁層であり、該異種材料絶縁層と他の絶縁層が、ア
ルミナ、シリカ、MgTiO3 、MgTiO3 −CaT
iO3 から選ばれる1種と、結晶性ガラスとを含有する
ことによっても、上記したように、焼成中におけるx−
y方向の焼成収縮を抑制できる。
示すもので、図1において、回路基板は、基板1と、こ
の基板1の表面に形成された表面導体2と、基板1の内
部に形成された接地導体3と,λ/4ストリップライン
共振器4とから構成されている。
り、他の絶縁層1b〜1fからなる積層体の上下面に、
接地導体3を挟むようにして、他の絶縁層1b〜1fと
は異種の材料からなる異種材料絶縁層1a、1gが積層
されている。
fを形成する材料の焼成収縮開始温度は、異種材料絶縁
層1a、1gを形成する材料の焼成収縮開始温度と異な
っている。尚、他の絶縁層1b〜1fと、異種材料絶縁
層1a、1gの間に接地導体3を挟まなくても良い。
示すもので、この回路基板は、基板11と、この基板1
1の表面に形成された表面導体12と、基板11の内部
に形成された接地導体13と、内部導体15と、表面導
体12と内部導体15を接続するビアホール導体14と
から構成されている。
からなり、他の絶縁層11cを形成する材料の焼成収縮
開始温度が、異種材料絶縁層11a、11b、11d、
11e を形成する材料の焼成収縮開始温度と異なってい
る。
絶縁層1b〜1f、11cは、MgTiO3 またはMg
TiO3 −CaTiO3 を主成分とし、B、アルカリ金
属、Si、アルカリ土類金属を含有するものであり、異
種材料絶縁層1a、1g、11a、11b、11d、1
1eは、他の絶縁層1b〜1f、11cとは比誘電率が
異なる材料からなるもので、アルミナ、シリカ、MgT
iO3 、MgTiO3−CaTiO3 から選ばれる1種
と、結晶性ガラスとから形成されている。このように、
他の絶縁層1b〜1f、11cを、MgTiO3 または
MgTiO3 −CaTiO3 を主成分とし、B、アルカ
リ金属、Si、アルカリ土類金属を含有する磁器とする
ことにより、Qf値が20000〔GHz〕以上で、9
20℃以下の焼成温度で焼成できるとともに、収縮開始
温度を830℃以下にでき、Ag、Cu等の内部導体と
同時焼成しても変形することがなく、比誘電率を18以
上とできる。
b、11d、11eの焼成収縮開始温度と、他の絶縁層
1b〜1f、11cの焼成収縮開始温度との差は20〜
90℃であることが望ましい。これは、収縮開始温度差
が20℃より小さくなると焼成における収縮挙動が一致
するため、基板のx−y方向における収縮率が大きくな
り、配線導体の寸法精度が悪くなるからであり、逆に9
0℃を超えると焼成収縮時において、他の絶縁層1b〜
1f、11cと異種材料絶縁層1a、1g、11a、1
1b、11d、11eの界面に応力歪みを生じ、基板が
反る、歪む、あるいは界面で剥離する等の問題が生じる
からである。とりわけ、収縮率低減と基板の反り、歪み
の観点から、収縮開始温度差は30〜60℃であること
が望ましい。尚、図1および図2においては配線導体は
省略した。
種材料絶縁層1a、1g、11a、11b、11d、1
1eの熱膨張係数の差は2×10-6/℃以下であること
が望ましい。これは、2×10-6/℃よりも大きくなる
と、焼成ピーク温度からの冷却時において熱収縮率の差
が生じ、他の絶縁層1b〜1f、11cと異種材料絶縁
層1a、1g、11a、11b、11d、11eの界面
に、クラックやデラミネーションを生じ易いからであ
る。とりわけ、クラックやデラミネーションの観点か
ら、熱膨張係数の差は1×10-6/℃以下が望ましい。
モル比による組成式を、(1−x)MgTiO3 ・xC
aTiO3 と表した時、xが0≦x≦0.2を満足する
主成分と、該主成分100重量部に対して、BをB2 O
3 換算で3〜20重量部、アルカリ金属をアルカリ金属
炭酸塩換算で1〜10重量部、SiをSiO2 換算で
0.01〜5重量部、アルカリ土類金属をアルカリ土類
金属酸化物換算で0.1〜5重量部含有するものが望ま
しい。
xが0.2モルを越える場合には共振周波数の温度係数
τfがプラス側に大きくなりすぎてしまうからである。
とりわけ誘電体磁器の共振周波数の温度係数τfの観点
からはxは0.03≦x≦0.13が好ましい。
B2 O3 換算で3〜20重量部含有したのは、Bが3重
量部未満の場合には1100℃でも焼結せず、Agまた
はCuを主成分とする導体と同時焼成ができなくなり、
逆に20重量部を越える場合には焼結体中のガラス相の
割合が増加してQ値が低下するからである。よって、焼
結性を維持し、高いQ値を得るという観点からB2 O3
換算で5〜15重量部含有することが望ましい。B含有
化合物としては、金属硼素、B2 O3 、コレマイト、C
aB2 O4 、ホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸アルカリガ
ラス、ホウケイ酸アルカリ土類ガラス等がある。
換算で1〜10重量部含有したのは、1重量部未満の場
合には1100℃でも焼結せず、AgまたはCuを主成
分とする導体と同時焼成ができなくなり、逆に10重量
部を越える場合には結晶相が変化してQ値が低下するか
らである。誘電体磁器のQ値の観点から4〜9重量部が
望ましい。アルカリ金属としてはLi、Na、Kを例示
することができ、この中でもLiが特に望ましい。アル
カリ金属含有化合物としては、上記アルカリ金属の炭酸
塩、酸化物等を例示することができる。
5重量部含有したのは、含有量が0.01重量部未満の
場合には、誘電体磁器の焼結過程における収縮開始温度
が約840℃と高く、添加効果が得られないからであ
る。一方、5重量部を越えると比誘電率εrあるいはQ
値が低下するからである。誘電体磁器の比誘電率εrあ
るいはQ値の観点から0.5〜3重量部が望ましい。S
i含有化合物としてはSiO2 、MgSiO3 等があ
る。
属酸化物換算で0.1〜5重量部含有するものである。
これらが0.1重量部未満の場合には誘電体磁器の焼結
過程における収縮開始温度が830℃よりも高く、添加
効果が得られない。一方、5重量部を越えると誘電体磁
器の共振周波数の温度係数τfがプラス側に大きくなり
すぎてしまう。とりわけ誘電体磁器の焼結性と共振周波
数の温度係数τfの観点からは合計0.5〜3.5重量
部が好ましい。アルカリ土類金属としては、Mg、C
a、Sr、Baがあり、このなかでもBaが望ましい。
アルカリ土類金属含有化合物としては、上記アルカリ金
属の炭酸塩、酸化物等を例示することができる。
100重量部に対して、MnをMnO2 換算で0.1〜
3重量部含有することが望ましい。MnをMnO2 換算
で0.1〜3重量部含有せしめたのは、0.1重量部よ
りも少ない場合にはその添加効果がなく、さらに3重量
部よりも多い場合には誘電特性が悪化するからである。
MnはMnO2 換算で1.2〜1.8重量部含有するこ
とが望ましい。
00重量%と、セラミック粒子0〜30重量%からな
り、結晶性ガラスがSiO2 40〜70重量%、Ca
O 20〜35重量%、MgO 11〜30重量%、A
l2 O3 0.5〜10重量%、SrO 0〜10重量
%、ZnO 0〜10重量%、TiO2 0〜10重量
%、Na2 O 0〜3重量%を含有し、セラミック粒子
がアルミナ、シリカ、MgTiO3 、MgTiO3 −C
aTiO3 から選ばれる1種以上からなることが望まし
い。この異種材料絶縁層の比誘電率は6〜8である。
ことにより、MgTiO3 またはMgTiO3 −CaT
iO3 を主成分とし、B、アルカリ金属、Si、アルカ
リ土類金属を含有する他の絶縁層との間の焼成収縮開始
温度差を20〜90℃の範囲内とすることができる。
ば、先ず、複数の絶縁層成形体を積層した積層成形体を
作製する。この積層成形体を構成する複数の絶縁層成形
体のうち少なくとも1層については、他の絶縁層成形体
との焼成収縮開始温度の差が20〜90℃異なる異種材
料絶縁層成形体とする。
り作製されたグリーンシートを積層することにより作製
したり、また、セラミックペーストを順次塗布すること
により作製したり、さらに、セラミックペーストを塗
布、光硬化、現像等を繰り返すいわゆるフォトリソグラ
フィー技術を用いて作製したりすることができる。
異種材料絶縁層となるグリーンシートを作製する。例え
ばグリーンシートは、所定のセラミック粉末と有機バイ
ンダーと有機溶剤及び必要に応じて可塑剤とを混合し、
スラリー化する。このスラリーを用いてドクターブレー
ド法などによりテープ成形を行い、所定寸法に切断しグ
リーンシートを作製する。
導体間を接続するビアホール導体となる貫通孔をグリー
ンシートの所定の位置にパンチング等により作製する。
リーンシートの貫通孔に充填するとともに、そのグリー
ンシート上に所定形状の内部導体となる導体膜を印刷形
成する。
材料絶縁層となるグリーンシート上に所定形状の表面導
体となる導体膜を印刷形成する。
積層順序に応じて積層し、積層成形体を形成して、一体
的に焼成する。以上の製造工程によって回路基板は製造
される。
成収縮開始温度が異なる他の絶縁層1b〜1f、11c
と異種材料絶縁層1a、1g、11a、11b、11
d、11eを同時焼成するため、異種材料絶縁層1a、
1g、11a、11b、11d、11eが収縮を開始す
る際には、他の絶縁層1b〜1f、11cによりx−y
方向における収縮が妨げられ、異種材料絶縁層1a、1
g、11a、11b、11d、11eが収縮を完了する
と、この異種材料絶縁層1a、1g、11a、11b、
11d、11eにより他の絶縁層1b〜1f、11cの
x−y方向における収縮が妨げられ、結果的に、焼成中
におけるx−y方向の焼成収縮を抑制でき、電極の寸法
精度を向上できる。
1b〜1fの比誘電率を、上下の異種材料絶縁層1a、
1gの比誘電率よりも高くできるため、高誘電率層の絶
縁層1b〜1fにλ/4ストリップライン共振器4を形
成することにより、該共振器4の構成部分であるライン
を短縮して共振器を小型化することができ、接地導体3
と表面導体2の間に低誘電率層の1aと1gを配置する
ことにより、接地導体3と表面導体2の間に生じる浮遊
容量を軽減することができる。
の間に高誘電率の他の絶縁層11cを挟むことにより、
容量値の大きなキャパシタを形成することができ、低誘
電率の異種材料絶縁層11a、11b、11d、11e
を形成することにより、表面導体12やビアホール導体
14と接地導体13の間に生じる浮遊容量を軽減するこ
とができる。
層を積層してなり、該複数の絶縁層のうち少なくとも1
層が、他の絶縁層と焼成収縮開始温度が異なり、かつ比
誘電率が略同一の異種材料絶縁層であり、該異種材料絶
縁層と他の絶縁層が、アルミナ、シリカ、MgTi
O3 、MgTiO3 −CaTiO3 から選ばれる1種
と、結晶性ガラスとを含有して構成されていても良い。
を主成分とし、B、アルカリ金属、Si、アルカリ土類
金属を含有する磁器について検討した。
3 粉末、CaTiO3 粉末とを、モル比による(1−
x)MgTiO3 ・xCaTiO3 においてxが表1の
値を満足するように秤量し、また、B2 O3 粉末、アル
カリ金属炭酸塩粉末(Li2 CO3 、Na2 CO3 、K
2 CO3 )、SiO2 粉末、MnO2 粉末、さらにアル
カリ土類酸化物粉末(MgO、CaO、SrO、Ba
O)を、表1に示す割合となるように秤量し、純水を媒
体とし、ZrO2 ボールを用いたボールミルにて20時
間湿式混合した。次にこの混合物を乾燥(脱水)し、8
00℃で1時間仮焼した。
になるように粉砕し、誘電特性評価用の試料として直径
10mm高さ8mmの円柱状に1ton/cm2 の圧力
でプレス成形し、これを表2に示す温度で3時間焼成
し、直径8mm、高さ6mmの円柱状の試料を得た。
体円柱共振器法にて周波数8GHzにおける比誘電率と
Q値を測定した。Q値と測定周波数fとの積で表される
Qf値を表2に記載した。さらに、−40〜+85℃の
温度範囲における共振周波数の温度係数τf〔ppm/
℃〕を測定した。その結果を表2に記載した。
20、Qf値が20000〔GHz〕以上、かつ、共振
周波数の温度係数τfが±40ppm/℃以内の優れた
誘電特性を有するとともに、760〜830℃で焼結収
縮が開始し、920℃以下で焼成が可能な優れた焼結性
を有していることが判る。
Na、Kと記載したが、これはLi2 CO3 、Na2 C
O3 、K2 CO3 の意味であり、また、アルカリ土類の
欄において、Mg、Ba、Ca、Srと記載したが、こ
れは、MgO、CaO、SrO、BaOの意味である。
さらに、表1の試料No.4、5については、Mg/T
i、Ca/Ti比がそれぞれ1.1、0.9の原料粉末
を用いた。
表1の試料を用い、また、異種材料絶縁層として、Si
O2 52重量%、CaO25重量%、MgO18重量
%、Al2 O3 5重量%からなる結晶性ガラスと、Si
O2 からなるセラミック粒子の重量比を変えることによ
り、収縮開始温度の異なる材料を得た。
に、それぞれに有機バインダー、有機溶剤を添加したス
ラリーをドクターブレード法により薄層化し、グリーン
シートを作製し、絶縁層成形体、異種材料絶縁層成形体
を作製した。
貫通孔を絶縁層成形体の所定の位置にパンチング等によ
り作製し、Agからなる導電性ペーストを貫通孔に充填
し、所定形状の内部導体となる導体膜を印刷形成した。
層成形体に、表面導体となるAgからなる導電性ペース
トを用いて所定形状の導体膜を印刷形成し、乾燥させ
た。
体膜が形成された絶縁層成形体を複数積層するととも
に、最上層および最下層に表面導体となる導体膜を形成
した異種材料絶縁層成形体を積層し、積層成形体を作製
した。
理し、さらに910℃で焼成し、図1に示すような回路
基板を作製した。尚、絶縁層1a〜1gの厚みは0.1
5mmであり、回路基板の大きさは、縦10mm、横1
0mm、厚み1.2mmであった。
て、所定のポイント間の長さを測定することにより、基
板の収縮率を測定した。また、基板におけるクラック、
デラミネーションの有無を基板を研磨して、金属顕微鏡
で観察することにより評価した。
材料にワックスを添加し、10ton/cm2 プレスす
ることにより圧粉体を形成し、熱機械分析(TMA)に
より材料の収縮開始温度、熱膨張係数を評価した。その
結果を表3に記載した。
が0.3〜7.0と小さく、焼成におけるクラックやデ
ラミネーションの発生しないことがわかる。
焼成収縮開始温度の異なる異種材料絶縁層を一体焼成す
ることにより、基板の収縮率を低減できる。また、前記
絶縁層と異種材料絶縁層の間の熱膨張係数差を小さくす
ることにより、クラックやデラミネーションの生じない
基板を得ることができる。さらに、前記絶縁層の比誘電
率を異種材料絶縁層の比誘電率よりも高くすることによ
り、基板に内蔵する回路の小型化ができ、かつ、電極間
に生じる浮遊容量が小さい回路基板を得ることができ
る。
種材料絶縁層
Claims (5)
- 【請求項1】複数の絶縁層を積層してなり、該複数の絶
縁層のうち少なくとも1層が、他の絶縁層と焼成収縮開
始温度が異なる異種材料絶縁層であり、かつ前記他の絶
縁層が、MgTiO3 またはMgTiO3 −CaTiO
3 を主成分とし、B、アルカリ金属、Si、アルカリ土
類金属を含有することを特徴とする回路基板。 - 【請求項2】異種材料絶縁層は、他の絶縁層と比誘電率
が異なる材料からなり、かつ、アルミナ、シリカ、Mg
TiO3 、MgTiO3 −CaTiO3 から選ばれる1
種と、結晶性ガラスとを含有することを特徴とする請求
項1記載の回路基板。 - 【請求項3】異種材料絶縁層の焼成収縮開始温度と、他
の絶縁層の焼成収縮開始温度との差が20〜90℃であ
ることを特徴とする請求項1または2記載の回路基板。 - 【請求項4】他の絶縁層が、金属元素として少なくとも
MgおよびTiを含有し、これらのモル比による組成式
を、 (1−x)MgTiO3 ・xCaTiO3 と表した時、前記xが0≦x≦0.2を満足する主成分
と、該主成分100重量部に対して、BをB2 O3 換算
で3〜20重量部、アルカリ金属をアルカリ金属炭酸塩
換算で1〜10重量部、SiをSiO2 換算で0.01
〜5重量部、アルカリ土類金属をアルカリ土類金属酸化
物換算で0.1〜5重量部含有することを特徴とする請
求項1乃至3のうちいずれかに記載の回路基板。 - 【請求項5】複数の絶縁層成形体を積層してなるととも
に、該複数の絶縁層成形体のうち少なくとも1層が、他
の絶縁層成形体との焼成収縮開始温度の差が20〜90
℃である異種材料絶縁層成形体である積層成形体を作製
し、該積層成形体を焼成することを特徴とする回路基板
の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18583499A JP3764605B2 (ja) | 1999-06-30 | 1999-06-30 | 回路基板の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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