JP2002244320A - 電子写真感光体およびそれを用いた電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体およびそれを用いた電子写真装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度、高画質および高解像度のすべてを満
足する電子写真感光体およびそれを用いた電子写真装置
を提供する。 【解決手段】 導電性支持体2、導電性支持体上に形成
された下引き層3および下引き層上に形成された感光層
4を有する電子写真感光体において、下引き層3に酸化
チタン粒子を含有し、感光層4に、CuKα特性X線
(波長:1.54Å)に対するX線回折スペクトルにお
いて、ブラッグ角(2θ±0.2°)で、少なくとも
7.0°、7.6°、9.0°、13.6°、16.8
°および27.2°にピークを持つ結晶性フタロシアニ
ン組成物を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高解像度で高感
度、高画質を有する電子写真感光体およびそれを用いた
電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】C.F.Carlsonの発明による電子写真
技術は、即時性で、高品質かつ保存性の高い画像が得ら
れることなどから、近年では複写機の分野にとどまら
ず、各種プリンタおよびファクシミリの分野でも広く用
いられ、大きな広がりをみせている。
【0003】電子写真技術の中核となる感光体について
は、その光導電材料として、従来からSe、As−Se
合金、CdSおよびZnOなどの無機系の光導電材料が
用いられ、最近では、無公害で成膜が容易なことから製
造原価を低減できるなど、無機系光導電材料では見られ
ない利点を有する有機系の光導電材料を使用した感光体
が開発されている。このような有機系光導電材料を用い
る感光体には、高い電荷発生機能を有する物質で構成さ
れる電荷発生層と、高い電荷輸送機能を有する物質で構
成された電荷輸送層とを積層した、いわゆる積層型感光
体がある。該積層型感光体は、各層で機能を限定してい
るため材料の選択範囲が広く、安全性が高く、より高い
感度を得ることができ、また塗布による製造が可能なた
め生産性が高く、原価面でも有利である。これらの理由
から、前記積層型感光体が、現在では感光体の主流とな
って大量に生産されている。
【0004】近年、画像情報のデジタル化などに伴っ
て、従来の白色光に替わって、半導体レーザまたはLE
D(Light Emitting Diode)アレイを各々露光光源とす
る半導体レーザ光またはLEDアレイ光により感光層を
露光して、画像情報を記録することが行われるようにな
っている。現在、感光層の露光光源として、780nm
の近赤外光および650nmの赤色光源が、最もよく使
用されている。
【0005】デジタル化された画像情報は、画像情報を
コンピュータ出力として直接利用する場合には、光信号
に変換されたコンピュータの出力情報によって感光体上
に記録され、原稿の画像が情報として入力される場合に
は、原稿の画像が光情報として読み取られてデジタル電
気信号に変換された後、再度、光信号に変換されて、そ
の光信号によって感光体上に記録される。いずれの場合
にも、画像情報は、光記録ヘッドおよび記録光学系など
から感光層に照射される微小の光スポットによって、感
光層に記録され、感光層上の光スポットが照射された部
分がトナーによって現像されることによって顕像化され
る。画像は、トナーによって現像された画素と呼ばれる
微小ドットの集合および配列によって表現される。した
がって、光記録ヘッドおよび記録光学系などでは、高密
度で画像情報が記録されるために、できるだけ微小なス
ポットを形成し得るように高分解能化が進められてい
る。
【0006】感光層に画像情報を記録する光学系に関し
ては、可変スポットレーザ記録方式(O plus E 1
996年5月)、マルチレーザビーム記録方式、ならび
に、超精密および超高速ポリゴンミラー(Japan Hardc
opy '96論文集)などが開発されている。その結果、
現在では、光学系によって1200dpi(dot perinc
h:1インチ当たりのドット数)以上の記録密度で、感
光層に画像情報を記録することができる。このように感
光層に高密度に画像情報を記録する光学系が開発されて
も、画像情報を再現性よく静電潜像として感光層に記録
することは必ずしも容易ではない。レーザ光は、光強度
分布が中央部ほど強く周辺部に広がりを持つガウシアン
分布を示すという特徴を有するからである。従来の高感
度な電子写真感光体では、周辺部に広がった光に対して
も感光して現像されるので、ドットが広がって高画質化
が困難であった。
【0007】前述のような長波長光に対して感度を有す
る有機系材料としては、従来から、スクアリック酸メチ
ン系色素、インドリン系色素、シアニン系色素、ビリリ
ウム系色素、ポリアゾ系色素、フタロシアニン系色素お
よびナフトキノン系色素などが知られている。スクアリ
ック酸メチン系色素、インドリン系色素、シアニン系色
素およびビリリウム系色素は、長波長化が可能であるが
繰返し特性などの実用的安定性に欠け、ポリアゾ系色素
は長波長化が難しく製造的にも不利であり、ナフトキノ
ン系は感度的に難があるのが現状である。
【0008】フタロシアニン系色素のうち、金属フタロ
シアニン化合物を用いた感光体において、感度ピークは
その中心金属により変動するが、いずれも700〜75
0nmと比較的長波長側にあることが知られている。近
年、それらフタロシアニン類の中でも高感度を示すオキ
ソチタニルフタロシアニンの研究が精力的に行われてい
る。オキソチタニルフタロシアニンだけでも、電子写真
学会誌、第32巻、第3号、p282に記載のとおり、
X線回折スペクトルの回折角の違いから数多くの結晶型
に分類される。
【0009】半導体レーザの発光波長である780mn
付近での高感度化を目的として、2種以上のフタロシア
ニンを用いる電子写真感光体が検討されている。特許番
号2780295号明細書ではオキソチタニルフタロシ
アニンと無金属フタロシアニンとの混晶、特許登録27
54739号公報ではオキソチタニルフタロシアニンと
無金属フタロシアニンとの組成物を用いた感光体が提案
されている。しかし、これらの高感度な感光体は弱い露
光に対しても高感度であるために、前述のように周辺部
に広がった光に対しても感光して現像されるので、高解
像度を実現することができない。また、2種のフタロシ
アニンを混合する感光体として、特許番号300505
2号明細書では、特定の結晶型オキソチタニルフタロシ
アニンと無金属フタロシアニンとを混合する感光体が提
案され、若干の解像度改良の効果はあるものの、まだ不
充分である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】高解像度を実現するた
めの手段として、低感度な感光体を用い、前述のように
レーザ光周辺部の光に対する感度を落とし、中央部の強
力な光のみに感光させて忠実なドット形成が行なわれ
る。このような手段によれば、低速なプリンタでは充分
であるが、高速化の進展においては、前記感光体が低感
度であるために高出力な半導体レーザが必要となるこ
と、特に低温時に残留電位が顕著に高くなること、およ
び、反転現像のプロセスでは画像濃度が低下することな
どの問題が発生している。このように高感度と高解像度
とを両立させることができていないのが現状である。
【0011】特に、反転現像のプロセスにより画像を形
成する電子写真装置に用いられる感光体では、露光以外
の要因によって感光体表面の電荷が減少すると、微小黒
点である黒ポチと称されるかぶりによる欠陥が発生して
画質が低下するので、このような画像欠陥を低減するた
めに下引き層が設けられている。具体的には、導電性支
持体と感光層との間に電荷ブロッキング層として、導電
性支持体表面を酸化してアルマイト層を形成した感光体
や下引き層を形成した感光体がある。アルマイト層を形
成した感光体は、導電性支持体を酸化処理するために生
産性が悪くなって原価が高くなるという問題があること
から、下引き層を形成することが比較的多く検討されて
いる。しかし、下引き層を形成した場合においても、感
光体の感度が低下するという問題がある。
【0012】以上のように従来公知の感光体では、高感
度、高画質および高解像度を達成することが特性的にま
だ不充分であり、更なる改良が望まれている。
【0013】本発明の目的は、高感度、高画質および高
解像度のすべてを満足する電子写真感光体およびそれを
用いた電子写真装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電性支持
体、導電性支持体上に形成された下引き層および下引き
層上に形成された感光層を有する電子写真感光体であっ
て、下引き層は、酸化チタン粒子を含有し、感光層は、
CuKα特性X線(波長:1.54Å)に対するX線回
折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)
で、少なくとも7.0°、7.6°、9.0°、13.
6°、16.8°および27.2°にピークを持つ結晶
性フタロシアニン組成物を含有することを特徴とする電
子写真感光体である。
【0015】本発明に従えば、導電性支持体と感光層と
の間に、酸化チタン粒子を含有する下引き層を設けると
ともに、感光層中に前記特定のX線回折スペクトルを有
する結晶性フタロシアニン組成物を電荷発生物質として
用いることによって、弱い露光には光減衰が少なく、強
い露光に対して高感度で、完全に電位減衰し、露光エネ
ルギに対しリニアに応答する高感度な感光体を得ること
ができる結果、高感度、高画質および高解像度のすべて
を満足する電子写真感光体を提供することができる。
【0016】また本発明は、前記結晶性フタロシアニン
組成物が、CuKα特性X線(波長:1.54Å)に対
するX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±
0.2°)で、さらに7.0°に対する16.8°のピ
ークの高さの比が2倍よりも小さいことを特徴とする。
【0017】本発明に従えば、前記特定のX線回折スペ
クトルにおいて、さらに特定のピーク強度を有する結晶
性フタロシアニン組成物を電荷発生物質として用いるこ
とによって、強い露光に対してより完全に電位減衰する
高感度な感光体を得ることができる結果、高感度、高画
質および高解像度のすべてを満足する電子写真感光体を
提供することができる。
【0018】また本発明は、前記結晶性フタロシアニン
組成物が、チタニルフタロシアニンと無金属フタロシア
ニンとを含有した組成物であり、該結晶性フタロシアニ
ン組成物は、CuKα特性X線(波長:1.54Å)に
対するX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ
±0.2°)で、少なくとも7.0°、9.0°、1
4.1°、18.0°、23.7°および27.2°に
主要なピークを持つことを特徴とする。
【0019】本発明に従えば、結晶性チタニルフタロシ
アニンと無金属フタロシアニンとから成るフタロシアニ
ン組成物が特定の結晶形を有し、この組成物を含有する
結晶性フタロシアニン組成物を電荷発生物質として用い
ることによって、強い露光に対してより完全に電位減衰
する高感度な感光体を得ることができる結果、高感度、
高画質および高解像度のすべてを満足する電子写真感光
体を提供することができる。
【0020】また本発明は、前記結晶性フタロシアニン
組成物が、CuKα特性X線(波長:1.54Å)に対
するX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±
0.2°)で、少なくとも7.6°、9.0°、16.
8°、17.3°および22.3°に主要なピークを持
つχ型無金属フタロシアニンを含有することを特徴とす
る。
【0021】本発明に従えば、特定のχ型無金属フタロ
シアニンを含有する結晶性フタロシアニン組成物を電荷
発生物質として用いることによって、強い露光に対して
より完全に電位減衰する高感度な感光体を得ることがで
きる結果、高感度、高画質および高解像度のすべてを満
足する電子写真感光体を提供することができる。
【0022】また本発明は、前記χ型無金属フタロシア
ニンが、結晶性フタロシアニン組成物中に10〜70重
量%含有されていることを特徴とする。
【0023】本発明に従えば、前記χ型無金属フタロシ
アニンの含有率を特定することによって、10重量%未
満でドットが正確に形成されないで高解像度および高画
質が得られなかったり、70重量%を超えるときドット
がみだれて黒べた濃度が低下して高解像度および高感度
が得られなかったりすることがなく、高感度、高画質お
よび高解像度のすべてを満足する電子写真感光体を提供
することができる。
【0024】また本発明は、前記感光層が、少なくと
も、前記結晶性フタロシアニン組成物を電荷発生物質と
して含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電
荷輸送層とが積層されて成ることを特徴とする。
【0025】本発明に従えば、導電性支持体と感光層と
の間に、酸化チタン粒子を含有する下引き層を設けると
ともに、電荷発生層中に前記特定のX線回折スペクトル
を有する結晶性フタロシアニン組成物を電荷発生物質と
して用いることによって、高感度、高画質および高解像
度のすべてを満足する積層型の電子写真感光体を提供す
ることができる。
【0026】また本発明は、前記下引き層中に含有する
酸化チタン粒子が、針状および樹枝状形状のうちの少な
くともいずれかの形状を有することを特徴とする。
【0027】本発明に従えば、下引き層中に特定の形状
を有する酸化チタン粒子を用いることによって、帯電性
がよく残留電位が低い良好な特性の電子写真感光体を提
供し、また繰返し使用しても残留電位の蓄積が少なく光
感度の劣化の小さい、繰返し安定性と環境特性に優れた
電子写真感光体を提供することができる。さらに、画像
ムラや黒ポチなどの画像欠陥のない良好な画質特性を有
することができることから、高感度、高耐久性を維持し
ながら画像欠陥のない良好な画質特性を両立することが
できる。
【0028】また本発明は、前記下引き層において、前
記形状を有する酸化チタン粒子が、アルコール可溶性の
ポリアミド樹脂中に分散されていることを特徴とする。
【0029】本発明に従えば、下引き層中に特定の樹脂
を用いることによって、下引き層上に感光体層を形成す
る際に用いられる溶媒に対して溶解や膨潤などが起こら
ず、導電性支持体との接着性に優れ、膜の可撓性を保つ
下引き層を有する電子写真感光体を作製することができ
る。
【0030】また本発明は、前記感光層が、電荷輸送物
質として、下記一般式(1)で示されるブタジエン化合
物を含有することを特徴とする。
【0031】
【化3】
【0032】(式中、R1〜R4は置換基を有してもよい
アリール基または置換基を有してもよいアラルキル基を
表す。)
【0033】本発明に従えば、特定のブタジエン化合物
を電荷輸送物質として用いることによって、非常に高移
動度であるので、高感度、高画質および高解像度のすべ
てをより満足する電子写真感光体を提供することができ
る。
【0034】また本発明は、前記感光層が、電荷輸送物
質として、下記一般式(2)で示されるビスアミン化合
物を含有することを特徴とする。
【0035】
【化4】
【0036】(式中、R5およびR6は、各々水素原子、
アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ
カルボニル基、または置換基を有してもよいアミノ基を
表す。R7は、アルキル基またはアルコキシ基を表
す。)
【0037】本発明に従えば、特定のビスアミン化合物
を電荷輸送物質として用いることによって、非常に高移
動度であるので、高感度、高画質および高解像度のすべ
てをより満足する電子写真感光体を提供することができ
る。
【0038】また本発明は、前記電子写真感光体を搭載
し、該電子写真感光体に対して画像露光する半導体レー
ザまたは発光ダイオードを備えたことを特徴とする電子
写真装置である。
【0039】本発明に従えば、半導体レーザや発光ダイ
オード(LED)を露光光源として用いる電子写真装置
において、前記電子写真感光体を搭載することによっ
て、これらの露光光源により照射され周辺部に広がった
弱い光に対しては感光せず、ドットが広がることがな
く、高画質を得ることができる。
【0040】また本発明は、帯電されて画像露光された
電子写真感光体を、反転現像して画像を得る手段を備え
たことを特徴とする。
【0041】本発明に従えば、反転現像プロセスを用い
る電子写真装置において、前記電子写真感光体を搭載す
ることによって、露光以外の要因で表面電荷が減少する
ことがなく、白地にトナーが付着する黒ポチの発生がな
く、高感度、高画質および高解像度のすべてを満足する
電子写真装置を提供することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0043】図1は、積層型の電子写真感光体の構成例
を示す断面図である。図2は、単層型の電子写真感光体
の構成例を示す断面図である。図1の積層型感光体にお
いて、導電性支持体2と感光層4との間に中間層として
下引き層3が設けられ、感光層4が電荷発生物質8およ
びバインダ樹脂7を含有する電荷発生層5と、電荷輸送
物質9およびバインダ樹脂18を含有する電荷輸送層6
との2層から構成されている。図2の単層型感光体にお
いて、導電性支持体2と感光層14との間に中間層とし
て下引き層3が設けられ、感光層14中に電荷輸送物質
9と電荷発生物質8とバインダ樹脂19とが含有されて
いる。
【0044】本発明による電子写真感光体の構成として
は、図1のような積層型および図2のような単層型のい
ずれの感光体でもよい。本発明による電子写真感光体
は、積層型では電荷発生層5に、単層型では感光層14
に、特定のフタロシアニンを電荷発生物質8として用
い、下引き層3に酸化チタンを含有することを特徴とす
る。
【0045】電荷発生物質8として用いる特定の結晶性
フタロシアニン組成物は、具体的には、下記一般式
(3)で示される金属フタロシアニンおよび一般式
(4)で示される無金属フタロシアニンなどのフタロシ
アニン化合物を有する。特定の結晶性フタロシアニン組
成物は、以下に示すX線回折スペクトルにおける特性を
示す限り、金属フタロシアニンおよび無金属フタロシア
ニンのうちのいずれか一方だけを有してもよく、これら
を混合した組成物であってもよい。
【0046】
【化5】
【0047】
【化6】
【0048】(式(3)および(4)中、X1〜X4は各
々、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコ
キシ基を表し、t、u、vおよびwは0〜4の整数を表
す。)
【0049】前記特定の結晶性フタロシアニン組成物
は、CuKα特性X線(波長:1.54Å)に対するX
線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2
°)で、少なくとも7.0°、7.6°、9.0°、1
3.6°、16.8°および27.2°にピークを示す
結晶性フタロシアニン組成物である。
【0050】前記結晶性フタロシアニン組成物は、C
uKα特性X線(波長:1.54Å)に対するX線回折
スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)
で、さらに7.0°に対する16.8°のピークの高さ
の比が2倍よりも小さい結晶性フタロシアニン組成物
であることが好ましい。
【0051】また、前記結晶性フタロシアニン組成物
またはは、チタニルフタロシアニンと無金属フタロシ
アニンとから成る結晶性フタロシアニン組成物を含有
しており、この結晶性フタロシアニン組成物は、Cu
Kα特性X線(波長:1.54Å)に対するX線回折ス
ペクトルにおいて少なくともブラッグ角(2θ±0.2
°)で7.0°、9.0°、14.1°、18.0°、
23.7および27.2°に主要なピークを持つことが
より好ましい。
【0052】また、前記結晶性フタロシアニン組成物
またはは、CuKα特性X線(波長:1.54Å)に
対するX線回折スペクトルにおいて少なくともブラッグ
角(2θ±0.2°)で7.6°、9.0°、16.8
°、17.3°、22.3°に主要なピークを持つχ型
無金属フタロシアニンを含有していることがより好ま
しい。
【0053】特に、前記結晶性フタロシアニン組成物
またはは、フタロシアニン組成物とχ型無金属フタ
ロシアニンとの両方を含有していることが、最も好ま
しい。
【0054】前記χ型無金属フタロシアニンは、結晶性
フタロシアニン組成物中に10〜70重量%含有してい
ることが好ましい。10重量%未満ではドットが正確に
形成されないで高解像度および高画質が得られず、70
重量%を超えるとドットがみだれて黒べた濃度が低下し
て高解像度および高感度が得られないからである。
【0055】また、下引き層3に含有する酸化チタンの
粒子形状は、針状および樹枝状のうちの少なくともいず
れかである。なお、下引き層3は、前記酸化チタンが含
有された下引き層用塗布液が、導電性支持体2上に塗布
されることによって形成される。
【0056】図3(A)は、針状の酸化チタン粒子の例
を示す模式図である。図3(B)は、樹枝状の酸化チタ
ン粒子の例を示す模式図である。針状は、棒状、柱状お
よび紡錘状などを含む細長い形状を意味し、必ずしも極
端に細長いものでなくてもよく、先端が鋭くとがってい
る必要もない。樹枝状は、棒状、柱状および紡錘状など
を含む細長い形状が枝分かれしているものを呼ぶことと
する。樹枝状においても、細長い形状は、必ずしも極端
に細長いものでなくてもよく、先端が鋭くとがっている
必要もない。針状および樹枝状において、長軸長aと短
軸長bとの比a/bである粒子のアスペクト比の平均値
は、1.5以上300以下の範囲が好ましく、2以上1
0以下の範囲がより好ましい。この範囲よりも小さけれ
ば針状および樹枝状としての効果が得られにくく、また
この範囲より大きくても針状および樹枝状としての効果
は変わらない。針状または樹枝状の酸化チタン粒子の粒
子径は、長軸長aが100μm以下で短軸長bが1μm
以下の粒径が好ましく、より好ましくは、長軸長aが1
0μm以下で短軸長bが0.5μm以下である。粒径が
この範囲内にない場合、金属酸化物や有機化合物により
表面処理を施しても分散安定性のある下引き層用塗布液
が得られにくい。
【0057】アスペクト比および粒径を測定する方法と
しては、重量沈降法や光透過式粒度分布測定法などの方
法でも測定可能であるが、針状または樹枝状であるの
で、直接電子顕微鏡で測定する方が好ましい。
【0058】酸化チタン粒子は、針状または樹枝状の粒
子に、粒状の粒子が混合されている粒子であってもよ
い。針状、樹枝状および粒状のいずれの粒子形状の酸化
チタンについても、アナターゼ型、ルチル型およびアモ
ルファスなどのいずれの酸化チタンの結晶を用いてもよ
く、2種以上混合してもよい。
【0059】前記針状または樹枝状の酸化チタン粒子の
含有率としては、10重量%以上99重量%以下が好ま
しく、より好ましくは30重量%以上99重量%以下で
あり、最も好ましくは35重量%以上95重量%以下の
範囲である。10重量%より少ない含有率であれば、感
度が低下し、下引き層中に電荷が蓄積され残留電位が増
大する。特に低温低湿下での繰返し特性において顕著に
なる。99重量%より多い含有率であれば下引き層用塗
布液の保存安定性が悪くなり、酸化チタン粒子の沈降が
起こりやすくなるために好ましくない。
【0060】下引き層用塗布液には、バインダ樹脂が含
有されていることが好ましい。バインダ樹脂を針状また
は樹枝状の酸化チタン粒子が含有された下引き層用塗布
液に含有することによって、下引き層用塗布液において
長期間酸化チタンの分散性が保持され、下引き層として
均一な膜を形成することができるからである。
【0061】酸化チタン粒子の粉体の体積抵抗値につい
ては、105〜1010Ω・cmが好ましい。粉体の体積
抵抗値が105Ω・cmより小さくなると、該粉体が含
有される下引き層としての抵抗値が低下し、電荷ブロッ
キング層として機能しなくなる。たとえば、アンチモン
をドープした酸化スズ導電層などの導電処理を施した金
属酸化物粒子の場合には、100Ω・cm〜101Ω・c
mと非常に粉体の体積抵抗値が低くなる。これを用いた
下引き層は電荷ブロッキング層として機能せず、感光体
特性としての帯電性が悪化するために、画像にカブリや
黒点が発生して使用することはできない。酸化チタン粒
子の粉体の体積抵抗値が1010Ω・cm以上に高くなっ
て、前述のように含有されるバインダ樹脂の体積抵抗値
と同等またはそれ以上になると、下引き層としての抵抗
値が高過ぎて、光照射時に生成した電荷の輸送が抑制阻
止され、残留電位が上昇して光感度が低下するので好ま
しくない。
【0062】針状または樹枝状の酸化チタン粒子の表面
は、該酸化チタン粒子の粉体の体積抵抗値を前述の範囲
に維持する限り、金属酸化物で被覆されていることが好
ましい。表面未処理の酸化チタン粒子を用いると、使用
する酸化チタンの粒子が微粒子であるために、充分に分
散された下引き層用塗布液であっても長期間の使用や塗
布液の保管時に、酸化チタン粒子の凝集が避けらない。
そのため、下引き層を形成する際、塗布膜の欠陥および
塗布ムラが発生して画像欠陥が生じる。また、導電性支
持体からの電荷の注入が起こりやすくなるために、微小
領域の帯電性が低下して点が発生することになる。そこ
で酸化チタン粒子の表面を金属酸化物で被覆させること
により、該酸化チタンの下引き層用塗布液中での凝集を
防止することができ、分散性や保存安定性が非常に優れ
た下引き層用塗布液が得られる。このような下引き層用
塗布液は、導電性支持体からの電荷の注入を防止するこ
とができるために、黒点のない優れた画像特性を有する
電子写真感光体が得られる。
【0063】酸化チタンの表面を被覆する金属酸化物の
表面処理量としては、酸化チタンに対して0.1重量%
〜20重量%が好ましい。0.1重量%より少ない処理
量であれば、酸化チタンの表面を充分に被覆することが
できないため、表面処理の効果が発現しにくくなる。2
0重量%を超える処理量であれば、表面処理としては充
分に施され、特性としては20重量%の処理量のものと
変わらなくなるので、20重量%を超えて処理量を増や
しても原価がかかるだけで好ましくない。
【0064】前記金属酸化物としては、Al23、Zr
2およびそれらの混合物などが好ましい。特に、異な
る金属酸化物のAl23とZrO2との両方で表面処理
を施すと、さらに優れた画像特性が得られるので、より
好ましい効果が発現される。SiO2などで酸化チタン
の表面処理を施した場合は、その表面が親水性を示すた
めに有機溶剤になじみにくくなり、酸化チタンの分散性
が低下して凝集を引起こしやすいために、長期間の使用
には好ましくない。また、Fe23などの磁性を持つ金
属酸化物で表面の被覆を施した酸化チタンを用いると、
感光層中に電荷発生物質としてフタロシアニン顔料を含
有する場合、フタロシアニン顔料とFe 23との化学的
な相互作用が起こり、感光体特性、特に感度低下および
帯電性の低下が生じ、好ましくない。
【0065】針状または樹枝状の酸化チタンの表面は、
有機化合物で被覆してもよい。該有機化合物としては、
一般的なカップリング剤を用いることができる。カップ
リング剤の種類としては、アルコキシシラン化合物など
のシランカップリング剤、ハロゲン、窒素および硫黄な
どの原子がケイ素と結合したシリル化剤、チタネート系
カップリング剤、ならびにアルミニウム系カップリング
剤などが挙げられる。
【0066】前記シランカップリング剤としては、テト
ラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチ
ルジメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジエ
チルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、
アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノ
エチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、アリ
ルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、3
−(1−アミノプロポキシ)−3,3−ジメチル−1−
プロペニルトリメトキシシラン、(3−アクリロキシプ
ロピル)トリメトキシシラン、(3−アクリロキシプロ
ピル)メチルジメトキシシラン、(3−アクリロキシプ
ロピル)ジメチルメトキシシランおよびN−3−(アク
リロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロ
ピルトリエトキシシランなどのアルコキシシラン化合
物、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、
ジメチルジクロロシランおよびフェニルトリクロロシラ
ンなどのクロロシラン類、ならびに、ヘキサメチルジシ
ラザンおよびオクタメチルシクロテトラシラザンなどの
シラザン類が挙げられる。
【0067】前記チタネート系カップリング剤として
は、イソプロピルトリイソステアロイルチタネートなど
が挙げられる。前記アルミニウム系カップリング剤とし
ては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレー
トなどが挙げられる。これらの具体例に、前記カップリ
ング剤が限定されるものではない。また、これらカップ
リング剤は、単独で、または2種以上を併用して、酸化
チタン粒子に表面処理を施したり、分散剤として使用し
てもよい。
【0068】酸化チタン粒子に表面処理を施す方法は、
前処理法とインテグラルブレンド法に大別され、さらに
前処理法としては湿式法と乾式法に分けられる。前記湿
式法は、水処理法と溶媒処理法とに分けられ、該水処理
法には、直接溶解法、エマルジョン法およびアミンアダ
クト法などの公知の方法を用いることができる。
【0069】酸化チタン粒子の表面は、酸化チタン粒子
の粉体の体積抵抗値を一定範囲に維持する限り、前述の
カップリング剤などの有機化合物や、Al23、ZrO
2およびそれらの混合物などの金属酸化物で被覆されて
もよく、被覆されなくてもよい。該有機化合物および金
属酸化物の両方で被覆されてもよく、いずれが先に被覆
されてもよい。
【0070】本発明による電子写真感光体は、以上のよ
うな、特定のフタロシアニンを電荷発生物質8とし、特
定の酸化チタンを下引き層3に含有することによって構
成される。また、前述のように、本発明による電子写真
感光体は、図1に示したような積層型および図2に示し
たような単層型のいずれの感光体でもよい。
【0071】導電性支持体2としては、積層型および単
層型のいずれの感光体においても、たとえばアルミニウ
ム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、鉄、金、銀、
銅、亜鉛、ニッケルおよびチタンなどの金属材料や、ア
ルミニウム、金、銀、銅、ニッケル、酸化インジウムお
よび酸化錫などを蒸着したプラスチック基体、ポリエス
テルフィルムや紙、導電性粒子を含有したプラスチック
および紙、ならびに、導電性ポリマーを含有するプラス
チックなどが使用できる。それらの形状としては、ドラ
ム状、シート状およびシームレスベルト状などが挙げら
れる。
【0072】下引き層3は、積層型および単層型のいず
れの感光体においても、前記特定の酸化チタンを含有す
る下引き層用塗布液を、前記導電性支持体2上に塗布し
て形成される。
【0073】下引き層用塗布液には、前記特定の酸化チ
タンの他、前述のようにバインダ樹脂が含有され、有機
溶剤が使用される。下引き層に含有されるバインダ樹脂
としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリビニ
ルピロリドン、ポリアクリル酸、セルロース類、ゼラチ
ン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミドおよびポリア
ミドなどの樹脂を用いることができる。
【0074】これらのうちポリアミド樹脂がより好まし
い。その理由は、バインダ樹脂の特性として、下引き層
上に感光体層を形成する際に用いられる溶媒に対して溶
解や膨潤などが起こらないこと、導電性支持体との接着
性に優れること、および可撓性を有することなどの特性
が必要とされるからである。ポリアミド樹脂のうち、特
に好ましくは、アルコール可溶性ナイロン樹脂を用いる
ことができる。たとえば、6−ナイロン、66−ナイロ
ン、610−ナイロン、11−ナイロンおよび12−ナ
イロンなどを共重合させた、いわゆる共重合ナイロン
や、N−アルコキシメチル変性ナイロンおよびN−アル
コキシエチル変性ナイロンのように、ナイロンを化学的
に変性させたタイプなどがある。
【0075】下引き層用塗布液に使用される有機溶剤と
しては、一般的な有機溶剤を使用することができる。特
に、下引き層のバインダ樹脂として、特に好ましいアル
コール可溶性ナイロン樹脂を用いる場合には、炭素数1
〜4の低級アルコール群と、該低級アルコール以外の有
機溶剤、たとえばジクロロメタン、クロロホルム、1,
2−ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパン、トル
エン、テトラヒドロフランおよび1,3−ジオキソラン
などからなる群とから選ばれた単独系または混合系の有
機溶剤であることが好ましい。前記低級アルコール以外
の有機溶剤を混合することにより、アルコール系溶剤単
独よりも酸化チタンの分散性が改善され、塗布液の保存
安定性の長期化や塗布液の再生が可能となる。また、下
引き層用塗布液中に導電性支持体を浸漬塗布して下引き
層を形成する際、下引き層の塗布欠陥やムラを防止し、
その上に形成される感光層が均一に塗布できるので、膜
欠陥のない非常に優れた画像特性を有する電子写真感光
体を製造することができる。さらに、この下引き層の形
成は、アルマイト層が形成される場合のように、導電性
支持体を酸化処理して生産性が悪くなることもなく、容
易に行なわれる。
【0076】前記特定の酸化チタンおよびバインダ樹脂
が、前述の有機溶剤に分散されて、下引き層用塗布液が
調製される。下引き層用塗布液の分散方法としては、ボ
ールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミルおよび超
音波分散機などによる方法がある。下引き層用塗布液の
塗布方法としては、浸漬塗布法などの一般的な方法が適
用できる。
【0077】図4は、浸漬塗布法において用いる浸漬塗
布装置の一例を示す構成図である。塗布層13内に満た
された塗布液12中に、円筒状の導電性の基体2が浸漬
される。基体2は、モータ11を備える昇降装置10に
よって下降され、塗布液12中に浸漬される。昇降装置
10はモータ11の回転量を制御することによって、所
望の深さだけ基体2を塗布槽13に浸漬することができ
る。基体2は充分浸漬された後、昇降装置10によって
一定速度または逐次変化する速度で引上げられる。基体
浸漬時に塗布槽13からオーバフローした塗布液12
は、回収槽14に回収される。回収された塗布液は、攪
拌装置15にて攪拌された後、ポンプ16によって塗布
槽13に戻される。
【0078】下引き層3の膜厚は、好ましくは、0.0
1μm以上20μm以下、より好ましくは0.05μm
以上10μm以下の範囲である。下引き層の膜厚が0.
01μmより薄ければ実質的に下引き層として機能しな
くなり、導電性支持体2の欠陥を被覆して均一な表面性
が得られず、導電性支持体2からの電荷の注入を防止す
ることができなくなり、帯電性の低下が生じる。20μ
mよりも厚くすることは下引き層を浸漬塗布する場合、
感光体を製造する上で難しくなり感光体の感度が低下す
る。
【0079】下引き層3上には、図1に示したような積
層型感光体の場合には感光層4が形成され、図2に示し
たような単層型感光体の場合には感光層14が形成され
る。
【0080】積層型電子写真感光体の感光層4は、下引
き層3上に、前記特定のフタロシアニンを含有する電荷
発生層5と、電荷輸送層6とが順次積層されて構成され
る。
【0081】電荷発生層5の形成方法としては、前記特
定のフタロシアニン化合物を粉砕、分散して得られる電
荷発生層用塗布液を、下引き層3上に塗布することによ
る方法がある。具体的には、前記特定のフタロシアニン
化合物の微粒子に有機溶媒を加え、ボールミル、サンド
グラインダ、ペイントシェーカおよび超音波分散機など
によって粉砕し、分散して電荷発生層用塗布液を調製す
る。該電荷発生層用塗布液を、シート形状の感光体を形
成する場合にはベーカーアプリケータ、バーコータ、キ
ャスティングおよびスピンコートなどにより、ドラム形
状の感光体を形成する場合にはスプレイ法、垂直リング
法および浸漬塗工法などにより、下引き層3上に塗布し
て電荷発生層5を形成する。
【0082】電荷発生層用塗布液には、結着性を増すた
めにバインダ樹脂7として、たとえばポリエステル樹
脂、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸エステル、
ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリビニルアセト
アセタール、ポリビニルプロピオナール、ポリビニルブ
チラール、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹
脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、セ
ルロースエステル、セルロースエーテル、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体樹脂などを加えてもよい。また、電
荷発生層5には必要に応じて、塗布性を改善するための
レベリング剤、酸化防止剤および増感剤などの各種添加
剤を含んでいてもよい。
【0083】電荷発生層5の膜厚は、0.05〜5μm
が好ましく、特に0.1〜1μmが好適である。
【0084】電荷輸送層6は、主に電荷輸送物質9とバ
インダ樹脂18から構成される。電荷輸送物質9として
は、2,4,7−トリニトロフルオレノン、テトラシア
ノキノジメタンおよびジフェノキノンなどの電子吸引性
物質、カルバゾール、インドール、イミダゾール、オキ
サゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、ピラゾリン
およびチアジアゾールなどの複素環化合物、アニリン誘
導体、ヒドラゾン化合物、芳香族アミン誘導体、スチリ
ル化合物、ブタジエン化合物、ビスアミン化合物、エナ
ミン化合物、ならびに、これらの化合物からなる基を主
鎖または側鎖に有する重合体などの電子供与性物質が挙
げられる。特に、特定のスチリル系化合物、下記一般式
(1)で示されるブタジエン化合物および下記一般式
(2)で示されるビスアミン化合物は、非常に高移動度
であるので高感度化および高解像度化に好適である。こ
れらの電荷輸送物質9は、単独でも、複数を混合して用
いてもよい。
【0085】
【化7】
【0086】(式中、R1〜R4は置換基を有してもよい
アリール基または置換基を有してもよいアラルキル基を
表す。)
【0087】
【化8】
【0088】(式中、R5およびR6は、各々水素原子、
アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ
カルボニル基、または置換基を有してもよいアミノ基を
表す。R7は、アルキル基またはアルコキシ基を表
す。) 一般式(1)で示されるブタジエン化合物の具体例を表
1および表2に示す。
【0089】
【表1】
【0090】
【表2】
【0091】一般式(2)で示されるビスアミン化合物
の具体例を表3に示す。
【0092】
【表3】
【0093】バインダ樹脂18としては、たとえばポリ
カーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレ
ンおよびポリ塩化ビニルなどのビニル重合体、その共重
合体、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリ
アリレート、ポリスルホン、ポリイミド、フェノキシ樹
脂、エポキシ樹脂、ならびに、シリコーン樹脂などが挙
げられ、これらの部分的架橋硬化物も使用できる。
【0094】前述の電荷輸送物質9がバインダ樹脂18
に結着した形で電荷輸送層6が形成される。バインダ樹
脂18と電荷輸送物質9の割合は、バインダ樹脂100
重量部に対して30〜200重量部が好ましく、より好
ましくは40〜150重量部の範囲で使用される。なお
電荷輸送層6には、成膜性、可とう性、塗布性などを向
上させるために周知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、レベリング剤などの添加剤を含有させても良い。電
荷輸送層6は、前述の電荷輸送物質9およびバインダ樹
脂18などを用いて、電荷発生層用塗布液と同様にして
調製された電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層5と同様
の装置を用いて電荷発生層5上に塗布することによって
形成される。
【0095】電荷輸送層6の膜厚は、5〜50μmが好
ましく、より好ましくは10〜45μmである。
【0096】単層型電子写真感光体の感光層14は、下
引き層3上に、前記特定のフタロシアニンを電荷発生物
質8として、電荷輸送物質9とともに含有して構成され
る。感光層14の形成方法としては、単層型感光体の電
荷輸送層用塗布液と同様の配合比の液に、電荷発生物質
8として、前記特定の結晶性フタロシアニン組成物が分
散された感光層用塗布液を用いる方法がある。その場
合、前記特定の結晶性フタロシアニン組成物の粒径は、
充分小さいことが必要で、好ましくは1μm以下であ
る。感光層14内に分散される電荷発生物質8の量は、
過少では感度不足、過多では帯電性低下および感度低下
を誘発するなどの弊害があり、0.5〜50重量%が好
ましく、より好ましくは1〜20重量%で使用される。
単層型感光体の感光層14にも、成膜性、可撓性および
機械的強度などを改善するため、従来公知の可塑剤、残
留電位を抑制するための添加剤、分散安定向上のための
分散補助剤、塗布性を改善するためのシリコーンオイル
およびフッ素系オイルなどのレベリング剤、界面活性
剤、その他の添加剤が加えられても良い。
【0097】感光層14の膜厚は5〜40μm、好まし
くは15〜30μmで使用される。積層型および単層型
のいずれの感光体においても、感光層4または14上
に、必要であれば感光層表面を保護するために保護層を
設けてもよい。表面保護層には、熱可塑性樹脂、およ
び、光または熱硬化性樹脂を用いることができる。保護
層中に、紫外線吸収剤、酸化防止剤、金属酸化物などの
無機材料、有機金属化合物、および電子受容性物質など
を含有させても構わない。また、保護層には、感光層と
同様、必要に応じて二塩基酸エステル、脂肪酸エステ
ル、リン酸エステル、フタル酸エステルおよび塩素化パ
ラフィンなどの可塑剤を混合させて、加工性および可塑
性を付与して機械的物性の改良を施してもよく、レベリ
ング剤などの添加剤を混合しても構わない。
【0098】図5は、本発明による電子写真感光体を搭
載したレーザプリンタ30を示す構成図である。電子写
真装置であるレーザプリンタ30は、感光体100、半
導体レーザ31、コロナ帯電器36、現像器37、転写
帯電器41、分離帯電器42、定着器44、排紙トレイ
45およびクリーナ46とを含んで構成される。レーザ
プリンタ30では、コロナ帯電器36によって感光体1
00の表面をマイナス極性に均一に帯電させ、半導体レ
ーザ31で画像情報に基づいて光照射して像露光を行
い、感光体100を回転させて露光領域を現像装置と対
向する現像領域に到達させ、露光領域にマイナス帯電さ
れたトナーを付着させて現像する反転現像方式を採用す
る。
【0099】このような反転現像プロセスを用いて画像
を形成する場合には、露光部の表面電荷が減少した部分
にトナー像が形成されることから、露光以外の要因で表
面電荷が減少すると白地にトナーが付着する黒ポチなど
の画像のカブリが発生し、著しい画質劣化を生じる。こ
れは、導電性支持体や感光層の欠陥に起因して微小な領
域での帯電性の低下を招くことにより、白地に黒点が発
生するなど著しい画像欠陥となる。しかし、前述のよう
にして下引き層を形成する電子写真感光体においては、
塗布欠陥やムラのない非常に均一な感光層の塗布膜を形
成することができる。したがって、前記電子写真感光体
を搭載すれば、露光以外の要因で表面電荷が減少するこ
とがなく、白地にトナーが付着する黒ポチの発生がない
優れた画像特性を長期間にわたって有する電子写真装置
を提供することができる。
【0100】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明による電子写
真感光体およびそれを用いた電子写真装置を具体的に説
明するが、その趣旨を超えない限り以下の実施例に限定
されるものではない。
【0101】(製造例1)o−フタロジニトリル40g
と、四塩化チタン18gと、α−クロロナフタレン50
0mlとを窒素雰囲気下200〜250℃で3時間加熱
撹拌して反応させ、100〜130℃まで放冷後、熱時
濾過し、100℃に加熱したα−クロロナフタレン20
0mlで洗浄してジクロロチタニウムフタロシアニン粗
生成物を得た。この粗生成物を室温にてα−クロロナフ
タレン200ml、ついでメタノール200mlで洗浄
後、さらにメタノール500ml中で1時間熱懸洗を行
った。濾過後、得られた粗生成物を水500ml中で、
pHが6〜7になるまで熱懸洗を繰返した後、乾燥して
チタニルフタロシアニン結晶を得た。
【0102】得られた結晶に無金属フタロシアニンを加
えて1,3−ジオキソランに混合し、ペイントコンディ
ショナ装置(レッドレベル社製)により直径2mmのガ
ラスビーズと共にミリング処理し、メタノールで洗浄し
た後、乾燥し、本発明における特定の結晶性フタロシア
ニン組成物を得た。
【0103】得られた結晶性フタロシアニン組成物につ
いて、以下の条件でX線回折スペクトルを測定した。な
お後述する実施例8および11で用いる結晶性フタロシ
アニンについても、同様の条件で測定した。 X線源 CuKα=1.54Å 電圧 30〜40kV 電流 100mA スタート角度 5.0゜ ストップ角度 30.0゜ ステップ角度 0.01〜0.02゜ 測定時間 2.0〜0.5゜/min. 測定方法 θ/2θ スキャン方法
【0104】得られたチタニルフタロシアニン結晶は、
CuKα特性X線(波長:1.54Å)に対するX線回
折スペクトルにおいて少なくともブラッグ角(2θ±
0.2°)で7.0°、9.0°、14.1°、18.
0°、23.7°および27.2°に主要なピークを示
す、チタニルフタロシアニンと無金属フタロシアニンと
から成る結晶性フタロシアニン組成物であった。
【0105】(実施例1)粒状の表面未処理である酸化チ
タン(石原産業社製TTO−55N)5重量部と、ブチラ
ール樹脂(積水化学社製BX−1)5重量部とを、テトラ
ヒドロフラン(THF)90重量部に加え、ペイントシ
ェーカを用いて12時間分散させ、固形分10%の下引
き層用塗布液を調製した。
【0106】得られた下引き層用塗布液を図4に示した
ような浸漬塗布装置の塗布槽13に満たし、導電性支持
体として直径30mm、全長326.3mmのアルミニ
ウム製のドラム状支持体を浸漬して引き上げ、自然乾燥
して膜厚1μmの下引き層を形成した。
【0107】製造例1で作製された結晶性フタロシアニ
ン組成物0.9重量部とχ型無金属フタロシアニン(大
日本インキ社製Fastogen Blue 8120BS)0.9
重量部とブチラール樹脂(積水化学社製BL−1)1.
2重量部とを、1,3−ジオキソラン97重量部に混合
してペイントシェーカにて分散処理して電荷発生層用塗
布液を調製した。なお、前記χ型無金属フタロシアニン
は、CuKα特性X線(波長:1.54Å)に対するX
線回折スペクトルにおいて少なくともブラッグ角(2θ
±0.2°)で7.6°、9.0°、16.8°、1
7.3°および22.3°に主要なピークを示す。調製
した電荷発生層用塗布液の結晶性フタロシアニン組成物
をX線回折スペクトル測定したところ、CuKα特性X
線(波長:1.54Å)に対するX線回折スペクトルに
おいて少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)で7.
0°、7.6°、9.0°、13.6°、16.8°お
よび27.2°にピークを持つX線回折スペクトルを示
した。この電荷発生層用塗布液を図4に示したような浸
漬塗布装置の塗布槽13に満たし、下引き層が形成され
たドラム状支持体を浸漬し、下引き層上に浸漬塗布した
後、自然乾燥して膜厚0.5μmの電荷発生層を形成し
た。
【0108】下記構造式(5)で示されるスチリル化合
物10重量部と、下記構造式(6)で示される繰返し単
位を有するポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学社製P
CZ400)16重量部とを混合し、THFを溶剤とし
て固形分21重量%の電荷輸送層用塗布液を調製した。
調製した電荷輸送層用塗布液を、電荷発生層用塗布液と
同様にして電荷発生層上に塗布し、110℃にて1時間
乾燥し、膜厚22μmの電荷輸送層を形成した。以上の
ようにして、積層型電子写真感光体を作製した。
【0109】
【化9】
【0110】
【化10】
【0111】(実施例2)実施例1において用いたブチ
ラール樹脂の代わりに、N−メトキシメチル化ナイロン
樹脂(帝国化学社製EF−30T)5重量部を用い、テト
ラヒドロフランの代わりに、メチルアルコール45重量
部、1,3−ジオキソラン45重量部を用いた以外は、
実施例1と同様にして感光体を作製した。
【0112】(実施例3)実施例2において用いた酸化
チタンの代わりに、針状の表面未処理である酸化チタン
(堺化学社製STR−60N)を用いた以外は、実施例
2と同様にして感光体を作製した。
【0113】(実施例4)実施例2において用いたN−
メトキシメチル化ナイロン樹脂の代わりに、共重合ナイ
ロン樹脂(東レ社製CM−8000)を用い、実施例2
において用いた酸化チタンの代わりに針状の表面未処理
である酸化チタン(堺化学社製STR−60N)を用い
た以外は、実施例2と同様にして感光体を作製した。
【0114】(実施例5)実施例4において下引き層用
塗布液を調製する際に、γ−(2−アミノエチル)アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン0.25重量部を加え
て分散した以外は、実施例4と同様にして感光体を作製
した。
【0115】(実施例6)実施例2において用いたN−
メトキシメチル化ナイロン樹脂の代わりに共重合ナイロ
ン樹脂(東レ社製CM−8000)を用い、実施例2に
おいて用いた酸化チタンの代わりに針状でAl23およ
びZrO2で表面処理された酸化チタン(石原産業社製
TTO−M−1)を用いた以外は、実施例2と同様にし
て感光体を作製した。
【0116】(実施例7)実施例2において用いたN−
メトキシメチル化ナイロン樹脂の代わりに共重合ナイロ
ン樹脂(東レ社製CM−8000)を用い、実施例2に
おいて用いた酸化チタンの代わりに樹枝状でAl23
よびZrO2で表面処理された酸化チタン(石原産業社
製TTO−D−1)を用いた以外は、実施例2と同様に
して感光体を作製した。
【0117】(比較例1)実施例1において下引き層を
形成しないで導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層
の順に感光層を形成した以外は、実施例1と同様にして
感光体を作製した。
【0118】(比較例2)実施例2において下引き層中
の酸化チタンを除いて樹脂層だけの下引き層を形成した
以外は、実施例2と同様にして感光体を作製した。
【0119】(比較例3)実施例4において下引き層中
の酸化チタンを除いて樹脂層だけの下引き層を形成した
以外は、実施例2と同様にして感光体を作製した。
【0120】(評価1)実施例1〜7および比較例1〜
3で作製した電子写真感光体を、市販の反転現像プロセ
スを採用した複写機(シャープ社製AR−N200)を
1200dpi相当のドットが出力できるように改造し
た実験機に搭載し、解像度を検討した。パソコンにて黒
ベタに白1ドットを書かせたデータ(レーザを全面走査
し1ドットのみオフとするデータ)を作製し、このデー
タをプリンタインタフェースを介し、前記実験機に送信
して25℃/60%RHの常温常湿下(以下、「N/N
環境」と称する)にてプリントアウトされた出力画像を
観察した。N/N環境下で出力した画像について解像度
(N/N解像度)を評価した。また、前記実験機を5℃
/20%RHの低温低湿環境下(以下、「L/L環境」
と称する)にて黒べた画像を出力した。L/L環境下で
出力した黒べた画像について感度(L/L感度)を評価
した。さらに、35℃/85%RHの高温高湿環境下
(以下、「H/H環境」と称する)にて白べた画像を出
力した。H/H環境下で出力した白べた画像について画
質(H/H画像)を評価した。以上の評価結果を表4に
示す。
【0121】
【表4】
【0122】表4から、N/N解像度は、いずれの実施
例についても、黒ベタ上に1ドットの白点がはっきりと
確認できた。このことから、本発明による感光体は充分
な高解像度画像を出力できることが判った。L/L感度
は、実施例1および2で若干の画像濃度低下が発生し、
H/H画像は、実施例1で若干の黒ポチが発生したが、
いずれも実使用上大きな問題になるほどではなく、充分
な高解像度画像を出力できることが判った。
【0123】以上の結果より、導電性支持体上に特定の
結晶型を有する電荷発生物質を含有する電荷発生層を形
成するだけでなく、酸化チタンを含有した下引き層を形
成することによって、解像度を維持しながらH/H環境
下での黒ポチを抑制し、L/L環境下での感度低下を防
止することができる。すなわち、高感度、高画質および
高解像度をすべて満足する電子写真感光体を作製するこ
とができる。
【0124】(実施例8)実施例7で調製した下引き層
用塗布液を用い、実施例1と同様にして下引き層を導電
性支持体上に形成した。
【0125】CuKα特性X線(波長:1.54Å)に
対するX線回折スペクトルにおいて少なくともブラッグ
角(2θ±0.2°)で7.0°、9.0°、14.1
°,18.0°,23.7°および27.2°に主要な
ピークを持つ、結晶性チタニルフタロシアニンと無金属
フタロシアニン組成物との組成物1.8重量部と、ブチ
ラール樹脂(積水化学社製BL−1)1.2重量部と
を、1,3−ジオキソラン97重量部に混合してペイン
トシェーカにて分散処理して電荷発生層用塗布液Aを得
た。
【0126】また、CuKα特性X線(波長:1.54
Å)に対するX線回折スペクトルにおいて少なくともブ
ラッグ角(2θ±0.2°)で7.6°、9.0°、1
6.8°、17.3°および22.3°に主要なピーク
を持つχ型無金属フタロシアニン(大日本インキ社製Fa
stogen Blue 8120BS)1.8重量部と、ブチラ
ール樹脂(積水化学社製BL−1)1.2重量部とを、
1,3−ジオキソラン97重量部に混合してペイントシ
ェーカにて分散処理して電荷発生層用塗布液Bを得た。
【0127】これら2つの電荷発生層用塗布液Aおよび
Bを重量比でA:B=60:40の比率に混合した塗布
液を、先に形成した下引き層上に浸漬塗布した後、自然
乾燥して膜厚0.5μmの電荷発生層を形成した。
【0128】図6は、本発明の実施例8で得られた結晶
性フタロシアニン組成物のX線回折スペクトルを示す図
である。電荷発生層用塗布液AおよびBを混合した塗布
液(A:B=60:40)の結晶性フタロシアニン組成
物をX線回折スペクトル測定したところ、CuKα特性
X線(波長:1.54Å)に対するX線回折スペクトル
において少なくともブラッグ角(2θ±0.2°)で
7.0°、7.6°、9.0°、13.6°、16.8
°および27.2°にピークを持つX線回折スペクトル
を示した。
【0129】次いで、下記構造式(7)で示されるビス
アミン化合物10重量部と、前記構造式(6)で示され
る繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂(三菱ガス
化学社製:PCZ400)16重量部とを混合し、TH
Fを溶剤として固形分21重量%の電荷輸送層用塗布液
を調製した。電荷輸送層用塗布液を、先に形成した電荷
発生層上に塗布し、110℃にて1時間乾燥して膜厚2
2μmの電荷輸送層を形成した。以上のようにして積層
型感光体を作製した。
【0130】
【化11】
【0131】(実施例9)実施例8で調製した電荷発生
層用塗布液AおよびBを重量比でA:B=90:10の
比率に混合した塗布液として用いた以外は、実施例8と
同様にして感光体を作製した。
【0132】(実施例10)実施例8で調製した電荷発
生層用塗布液AおよびBを重量比でA:B=30:70
の比率に混合した塗布液として用いた以外は、実施例8
と同様にして感光体を作製した。
【0133】(実施例11)実施例8で調製した電荷発
生層用塗布液AおよびBを重量比でA:B=60:40
の比率で混合した後、さらにペイントシェーカにて共分
散して得られた結晶性フタロシアニン組成物を含有する
電荷発生層用塗布液を調製した。調製した電荷発生層用
塗布液を実施例8と同様にして下引き層上に浸漬塗布
し、自然乾燥により膜厚0.5μmの電荷発生層を形成
した。さらに実施例8と同様にして電荷輸送層を形成
し、感光体を作製した。
【0134】図7は、本発明の実施例11で得られた結
晶性フタロシアニン組成物のX線回折スペクトルを示す
図である。電荷発生層用塗布液AおよびBを混合した塗
布液(A:B=60:40)を共分散して得られた塗布
液の結晶性フタロシアニン組成物をX線回折スペクトル
測定したところ、CuKα特性X線(波長:1.54
Å)に対するX線回折スペクトルにおいて少なくともブ
ラッグ角(2θ±0.2°)で7.0°、7.6°、
9.0°、13.6°、16.8°および27.2°に
主要なピークを有し、7.0°に対する16.8°のピ
ークの高さが2倍よりも小さいX線回折スペクトルを示
した。
【0135】(比較例4)実施例8で調製した電荷発生
層用塗布液Aを用いて電荷発生層を形成した以外は、実
施例8と同様にして感光体を作製した。
【0136】(比較例5)実施例8で調製した電荷発生
層用塗布液Bを用いて電荷発生層を形成した以外は、実
施例8と同様にして感光体を作製した。
【0137】(評価2)実施例8〜11、比較例4およ
び5で作製した電子写真感光体を、評価1と同様にして
画像評価した。評価結果を表5に示す。
【0138】
【表5】
【0139】表5から、いずれの実施例の感光体も、N
/N解像度、L/L感度およびH/H画像について良好
または問題のない結果を示し、充分な高解像度画像を出
力できることが判った。比較例4は、ドットを出力させ
るデータを送信したにも関わらず、出力された画像は黒
べたとなり、ドットが正確に形成されていないことが判
った。比較例5は、出力された画像のドットがみだれて
黒べた濃度が低下していた。
【0140】以上の結果より、導電性支持体上に酸化チ
タン粒子を含有する下引き層を設けるだけでなく、該下
引き層上に、特定の結晶型を有する電荷発生物質を含有
する電荷発生層を形成することによって、解像度を維持
しながらH/H環境下での黒ポチを抑制し、L/L環境
下での感度低下を防止することができる。すなわち、高
感度、高画質および高解像度をすべて満足する電子写真
感光体を作製することができる。
【0141】(実施例12)実施例8で用いたビスアミ
ン化合物の代わりに、下記構造式(8)で示されるブタ
ジエン化合物を用いた以外は、実施例11と同様にして
電子写真感光体を作製した。
【0142】
【化12】
【0143】(実施例13)実施例11で用いたビスア
ミン化合物の代わりに、前記構造式(8)で示されるブ
タジエン化合物を用いた以外は、実施例11と同様にし
て電子写真感光体を作製した。
【0144】(比較例6)比較例4で用いたビスアミン
化合物の代わりに、前記構造式(8)で示されるブタジ
エン化合物を用いた以外は、比較例4と同様にして電子
写真感光体を作製した。
【0145】(比較例7)比較例5で用いたビスアミン
化合物の代わりに、前記構造式(8)で示されるブタジ
エン化合物を用いた以外は、比較例5と同様にして電子
写真感光体を作製した。
【0146】(評価3)実施例12、13、比較例6お
よび7の電子写真感光体の光減衰特性を測定した。ドラ
ム感度試験機(Gentec社製)を用いて、電子写真感光体
の表面をスコロトロンチャージャで−600±20Vに
帯電させて、露光光源である半導体レーザ光(波長78
0nm)の光強度をNDフィルタで調整して感光体の表
面に照射し、各光強度における表面電位を測定した。
【0147】図8および図9は、本発明の実施例および
比較例の電子写真感光体における光減衰特性を示す図で
ある。
【0148】実施例12の感光体の光減衰特性は、図8
の感光体Aに示すように弱い露光に対しては光減衰が小
さく、強い露光に対しては充分に光減衰していることが
判った。実施例13の感光体の光減衰特性は、図8の感
光体Bに示すように弱い露光に対しては光減衰が小さ
く、強い露光に対しては完全に光減衰しており、実施例
12よりさらに感度が向上していることが判った。比較
例6の感光体の光減衰特性は、図8の感光体Cに示すよ
うに弱い露光でも光減衰が大きいことが判った。また、
比較例6の感光体について、評価1と同様にして黒ベタ
に白1ドットを書かせたデータを出力した画像を検討し
たところ、ドットを出力させるデータを送ったにもかか
わらず、出力された画像は黒ベタとなり、ドットが正確
に形成されていないことが判明した。比較例7の感光体
の光減衰特性は、図8の感光体Dに示すように強い露光
でも光減衰が不充分であり、残留電位が大きいことが判
った。また、比較例7の感光体について、評価1と同様
にして黒ベタに白1ドットを書かせたデータを出力した
画像を検討すると、出力された画像のドットは判別可能
だが、黒ベタ部分の濃度が低くなっていた。
【0149】(実施例14)製造例1で作製した結晶性
フタロシアニン組成物10重量部とχ型無金属フタロシ
アニン(大日本インキ社製Fastgen B lue 8120B
S)5重量部を1,3−ジオキソラン185重量部に混
合しペイントシェーカにて分散処理した後、前記構造式
(8)で示されるブタジエン化合物100重量部と、ポ
リカーボネート樹脂(三菱ガス化学社製PCZ400)1
60重量部とを混合し、THFを溶剤として固形分21
重量%の塗布液を調製した。この塗布液を塗布槽に満た
し、導電性支持体として直径30mm、全長326.3
mmのアルミニウム製のドラム状支持体を浸漬して引き
上げ、110℃で1時間乾燥して膜厚20μmの単層型
感光体を形成した。
【0150】(実施例15)実施例11で用いたビスア
ミン化合物の代わりに、下記構造式(9)で示されるヒ
ドラゾン化合物を用いた以外は、実施例11と同様にし
て電子写真感光体を作製した。
【0151】
【化13】
【0152】(比較例8)比較例4で用いたビスアミン
化合物の代わりに、前記構造式(9)で示されるヒドラ
ゾン化合物を用いた以外は、比較例4と同様にして電子
写真感光体を作製した。
【0153】(比較例9)比較例5で用いたビスアミン
化合物の代わりに、前記構造式(9)で示されるヒドラ
ゾン化合物を用いた以外は、比較例5と同様にして電子
写真感光体を作製した。
【0154】(評価4)実施例14で作製した電子写真
感光体を、市販の複写機(シャープ社製AR−N20
0)を1200dpi相当のドットが出力できるように
改造し、さらに正帯電プロセスに改造した実験機に搭載
し、解像度を検討した。パソコンにて黒ベタに白1ドッ
トを書かせたデータ(レーザを全面走査し1ドットのみ
オフとするデータ)を作製し、このデータをプリンタイ
ンタフェースを介し、前記実験機に送信してプリントア
ウトされた出力画像を観察した。また、実施例15、比
較例8および9の感光体の光減衰特性について、評価3
と同様にして測定した。
【0155】実施例14の感光体については、黒ベタ上
に1ドットの白点がはっきりと確認できた。実施例14
の感光体は充分な高解像度画像を出力できることが判っ
た。実施例15の感光体の光減衰特性は、図9の感光体
Eに示すように弱い露光に対しては光減衰が小さいが、
強い露光に対しての光減衰はやや頭打ちになっており、
比較例8からの感度向上は少ないことが判った。比較例
8の感光体の光減衰特性は、図9の感光体Fに示すよう
に弱い露光でも光減衰が大きいことが判った。比較例8
の感光体について画像を検討したところ、ドットを出力
させるデータを送ったにもかかわらず、出力された画像
は黒ベタとなり、ドットが正確に形成されていないこと
が判明した。比較例9の感光体の光減衰特性は、図9の
感光体Gに示すように強い露光でも光減衰が不充分であ
り、残留電位が大きいことが判った。比較例9の感光体
について画像を検討すると、出力された画像はドットは
判別可能だが、黒ベタ部分の濃度が低くなっていた。
【0156】以上の結果より、酸化チタンを含有する下
引き層および特定の結晶性フタロシアニン組成物を含有
する感光層を設けることによって、小さな露光エネルギ
に対しても高感度である感光体(比較感光体Cおよび
F)ではなく、弱い露光には光減衰が少なく、強い露光
に対して高感度で、完全に電位減衰し、露光エネルギに
対しリニアに応答する高感度な感光体(感光体Aおよび
B)を提供することができる。
【0157】また、感光体Eよりも感光体Aのほうがよ
り強い露光エネルギに対しても高感度であることから、
本発明において目的とする効果は、特定の高移動度を有
する電荷輸送物質によって発揮されることがわかる。す
なわち、該電荷輸送物質によって、高感度、高画質およ
び高解像度のすべてをより満足する電子写真感光体を作
製することができる。
【0158】
【発明の効果】本発明によれば、導電性支持体と感光層
との間に、酸化チタン粒子を含有する下引き層を設ける
とともに、感光層中に前記特定のX線回折スペクトルを
有する結晶性フタロシアニン組成物を電荷発生物質とし
て用いることによって、弱い露光には光減衰が少なく、
強い露光に対して高感度で、完全に電位減衰し、露光エ
ネルギに対しリニアに応答する高感度な感光体を得るこ
とができる結果、高感度、高画質および高解像度のすべ
てを満足する電子写真感光体を提供することができる。
【0159】また本発明によれば、半導体レーザや発光
ダイオード(LED)を露光光源として用い、反転現像
プロセスを用いる電子写真装置において、前記電子写真
感光体を搭載することによって、高感度、高画質および
高解像度のすべてを満足する電子写真装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】積層型の電子写真感光体の構成例を示す断面図
である。
【図2】単層型の電子写真感光体の構成例を示す断面図
である。
【図3】図3(A)は、針状の酸化チタン粒子の例を示
す模式図である。図3(B)は、樹枝状の酸化チタン粒
子の例を示す模式図である。
【図4】浸漬塗布法において用いる浸漬塗布装置の一例
を示す構成図である。
【図5】本発明による電子写真感光体を搭載したレーザ
プリンタ30を示す構成図である。
【図6】本発明の実施例8で得られたオキソチタニルフ
タロシアニンのX線回折スペクトル図である。
【図7】本発明の実施例11で得られたオキソチタニル
フタロシアニンのX線回折スペクトル図である。
【図8】本発明の実施例および比較例の電子写真感光体
における光減衰特性を示す図である。
【図9】本発明の実施例および比較例の電子写真感光体
における光減衰特性を示す図である。
【符号の説明】
2 導電性支持体 3 下引き層 4,14 感光層 5 電荷発生層 6 電荷輸送層 7,18,19 バインダ樹脂 8 電荷発生物質 9 電荷輸送物質
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 さやか 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 松尾 力也 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 ▲角▼井 幹男 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 鳥山 幸一 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA19 AA20 AA21 AA34 AA35 AA43 AA45 BA12 BA13 BA38 BA39 BB28 CA29 FA11 FA13 FB07 FB08

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体、導電性支持体上に形成さ
    れた下引き層および下引き層上に形成された感光層を有
    する電子写真感光体であって、 下引き層は、酸化チタン粒子を含有し、 感光層は、CuKα特性X線(波長:1.54Å)に対
    するX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±
    0.2°)で、少なくとも7.0°、7.6°、9.0
    °、13.6°、16.8°および27.2°にピーク
    を持つ結晶性フタロシアニン組成物を含有することを特
    徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記結晶性フタロシアニン組成物が、C
    uKα特性X線(波長:1.54Å)に対するX線回折
    スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)
    で、さらに7.0°に対する16.8°のピークの高さ
    の比が2倍よりも小さいことを特徴とする請求項1記載
    の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記結晶性フタロシアニン組成物が、チ
    タニルフタロシアニンと無金属フタロシアニンとを含有
    した組成物であり、該結晶性フタロシアニン組成物は、
    CuKα特性X線(波長:1.54Å)に対するX線回
    折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)
    で、少なくとも7.0°、9.0°、14.1°、1
    8.0°、23.7°および27.2°に主要なピーク
    を持つことを特徴とする請求項1または2記載の電子写
    真感光体。
  4. 【請求項4】 前記結晶性フタロシアニン組成物が、C
    uKα特性X線(波長:1.54Å)に対するX線回折
    スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ±0.2°)
    で、少なくとも7.6°、9.0°、16.8°、1
    7.3°および22.3°に主要なピークを持つχ型無
    金属フタロシアニンを含有することを特徴とする請求項
    1〜3のうちのいずれか1記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記χ型無金属フタロシアニンが、結晶
    性フタロシアニン組成物中に10〜70重量%含有され
    ていることを特徴とする請求項4記載の電子写真感光
    体。
  6. 【請求項6】 前記感光層が、少なくとも、前記結晶性
    フタロシアニン組成物を電荷発生物質として含有する電
    荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とが積
    層されて成ることを特徴とする請求項1〜5のうちのい
    ずれか1記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 前記下引き層中に含有する酸化チタン粒
    子が、針状および樹枝状形状のうちの少なくともいずれ
    かの形状を有することを特徴とする請求項1〜6記載の
    うちのいずれか1記載の電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 前記下引き層において、前記形状を有す
    る酸化チタン粒子が、アルコール可溶性のポリアミド樹
    脂中に分散されていることを特徴とする請求項7記載の
    電子写真感光体。
  9. 【請求項9】 前記感光層が、電荷輸送物質として、下
    記一般式(1)で示されるブタジエン化合物を含有する
    ことを特徴とする請求項1〜8のうちのいずれか1記載
    の電子写真感光体。 【化1】 (式中、R1〜R4は置換基を有してもよいアリール基ま
    たは置換基を有してもよいアラルキル基を表す。)
  10. 【請求項10】 前記感光層が、電荷輸送物質として、
    下記一般式(2)で示されるビスアミン化合物を含有す
    ることを特徴とする請求項1〜8のうちのいずれか1記
    載の電子写真感光体。 【化2】 (式中、R5およびR6は、各々水素原子、アルキル基、
    アルコキシ基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル
    基、または置換基を有してもよいアミノ基を表す。R7
    は、アルキル基またはアルコキシ基を表す。)
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1記載の電
    子写真感光体を搭載し、該電子写真感光体に対して画像
    露光する半導体レーザまたは発光ダイオードを備えたこ
    とを特徴とする電子写真装置。
  12. 【請求項12】 帯電されて画像露光された電子写真感
    光体を、反転現像して画像を得る手段を備えたことを特
    徴とする請求項11記載の電子写真装置。
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