JP2002242649A - エンジンのブリーザ装置 - Google Patents

エンジンのブリーザ装置

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JP2002242649A JP2001039502A JP2001039502A JP2002242649A JP 2002242649 A JP2002242649 A JP 2002242649A JP 2001039502 A JP2001039502 A JP 2001039502A JP 2001039502 A JP2001039502 A JP 2001039502A JP 2002242649 A JP2002242649 A JP 2002242649A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブローバイガス中のオイル分を確実に分離し
得るエンジンのブリーザ装置を提供する。 【解決手段】 シリンダヘッド4にチェーン室50とは
別室に気液分離室43を形成する。気液分離室43は、
ガス導入口52、チェーン室50を介してクランク室8
と連通している。ガス導入口52は、チェーン室50内
にてチェーン33の側方の面に開口し、その底面は傾斜
面71となっている。気液分離室43の上端部には、チ
ェーン室50と連通する開口部73を有するオイル還流
室72が設けられている。開口部73は、スプロケット
31の中心軸Oの近傍に開口している。気液分離室43
内のブローバイガスは、スプロケット31の遠心力を利
用して、開口部73内に引き込まれスプロケット31の
外側へと飛ばされ、オイル分が遠心分離される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンのクラン
クケース内に発生するブローバイガスを吸気系に還流さ
せるためのブリーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、レシプロ型のエンジンにおい
ては、シリンダとピストンの間隙からクランクケース内
に吹き抜けたブローバイガスを吸気系に還流させるブリ
ーザ装置が設けられている。一般にブローバイガスに
は、チェーン等の潤滑によって生じるオイルミストが含
まれており、ブリーザ装置ではガス中のオイル分を分離
した後、それをエアクリーナ等に還流させている。
【0003】たとえばOHCエンジンでは、シリンダヘ
ッド上部に配したロッカーカバーなどに気液分離室を設
け、ブローバイガスをチェーン室を介してこの気液分離
室に導入する。そして、この気液分離室内にてオイル分
を分離させた上で、ロッカーカバーとエアクリーナとの
間を連結するブローバイ通路を介して、ブローバイガス
を吸気系に還流させている。
【0004】また、ブリーザ装置としては、例えば、特
開平8-74551号公報のようなものも知られている。この
ブリーザ装置では、クランクケースの一側壁に、クラン
クシャフトの軸受部外周を取り囲むように環状のブリー
ザ室が設けられる。このブリーザ室は、クランクシャフ
トのクランクウエブ部と対向して開口している。そし
て、ピストンの往復、すなわちクランクシャフトの回転
に連動して、クランクウエブ部によってブリーザ室の入
口を開閉させてブローバイガスの逆流を防止しつつブリ
ーザ機能を確保している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ロッカ
ーカバーなどに設けた気液分離室のみでは、ブローバイ
ガス中からオイル分を十分に分離させることができない
という問題があった。このため、オイル消費量が多くな
ると共に、オイルミストを含んだ空気がエアクリーナに
流入するため、クリーナ機能が低下し易く、また、エン
ジンの燃焼性にも影響を及ぼすという問題があった。
【0006】一方、特開平8-74551号公報のようなブリ
ーザ装置の場合、クランクケース側壁にブリーザ室を設
けるため、クランクケースの形状が複雑化し、それを成
形するための型構造も複雑化する。また、クランクウエ
ブ部にてブリーザ室入口を開閉させるため、両者の位置
関係がブリーザ機能に影響し、部品の加工精度や組付精
度が要求されるという問題があった。
【0007】特に、シリンダを天地方向に対して傾斜配
置した傾斜型のエンジンでは、クランクシャフト近傍に
ブリーザ室を設けると、ブリーザ室からエアクリーナま
での距離が遠くレイアウト性が良くないという問題が生
じる。また、この場合、ブリーザ室とエアクリーナまで
の距離が長いため、ブローバイガスの圧力損失が大きく
なりブローバイ機能が低下するという問題があった。
【0008】本発明の目的は、ブローバイガス中のオイ
ル分を確実に分離し得るエンジンのブリーザ装置を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のエンジンのブリ
ーザ装置は、シリンダヘッド側に配置された動弁装置
と、クランクシャフトに設けた駆動部材と調時駆動部材
を介して連結され、前記動弁装置をクランクシャフトと
同期して作動させる従動部材とを備え、前記シリンダヘ
ッドに前記調時駆動部材を収容する調時駆動部材室を設
けてなるエンジンのブリーザ装置であって、前記シリン
ダヘッドに前記調時駆動部材室とは別室に形成され、前
記エンジンのクランク室と連通し、前記クランク室から
導入されたブローバイガス中のオイル分を分離する気液
分離室と、前記気液分離室の上端部に形成され、シリン
ダ軸線およびクランクシャフト軸線と直角方向に延びる
オイル還流室と、前記オイル還流室と前記調時駆動部材
室との間に形成され、前記従動部材の中心軸近傍に開口
して前記オイル還流室と前記調時駆動部材室との間を連
通させる開口部とを有することを特徴とする。
【0010】本発明によれば、従動部材の中心軸近傍に
開口部を設けたので、気液分離室内のブローバイガス
を、従動部材の遠心力を利用して開口部から調時駆動部
材室内へと導入する共に従動部材の外側へと飛ばすこと
により、ブローバイガス中のオイル分を効率良く遠心分
離することができる。従って、新たな部品を追加するこ
となく、より確実にオイル分を分離することができ、オ
イル消費量の低減やエンジン燃焼性の向上が図られる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形
態であるブリーザ装置を使用したOHCエンジンの構成
を示す説明図、図2は図1のエンジンにおけるシリンダ
軸線方向の断面図である。
【0012】図1のエンジンは、単気筒4サイクルガソ
リンエンジンであり、シリンダ軸線CLが天地方向に対
し角度θだけ傾斜したいわゆる傾斜型のOHCエンジン
となっている。当該エンジンでは、エンジン本体1は、
シリンダ2の下側にクランクケース3を一体に成形した
構成となっており、鉄や、アルミニウム合金等の軽合金
によって形成される。シリンダ2の上側には、アルミニ
ウム合金製のシリンダヘッド4が取り付けられている。
また、シリンダヘッド4の上側には、板金製若しくは合
成樹脂製のロッカーカバー5が載置されている。
【0013】クランクケース3は、その図1において右
側の側面が大きく開口しており、メインベアリングケー
ス取付面6となっている。メインベアリングケース取付
面6には、アルミニウム合金製のメインベアリングケー
ス7が取り付けられる。そしてこれにより、クランクケ
ース3内にクランク室8が形成されると共に、その下部
に潤滑オイル(以下、オイルと略記する)9が貯留され
るオイルパン10が形成される。
【0014】ベアリングケース7には、メインベアリン
グ11aが圧入固定され、クランクシャフト12の一端
側がそこで支持される。また、メインベアリング11a
の外側にはオイルシール13aが圧入固定されている。
【0015】クランクケース3のメインベアリングケー
ス取付面6と反対側の壁面14には、メインベアリング
11bが圧入固定されている。そして、このメインベア
リング11bによってクランクシャフト12の他端側が
支持される。また、メインベアリング11bの外側にも
オイルシール13bが配されており、両オイルシール1
3a,13bにより、オイルパン10に貯留されたオイ
ル9がクランクシャフト12部分からクランクケース3
外に漏出しないようになっている。
【0016】壁面14からクランクケース3の外部に延
伸したクランクシャフト12の端部には、フライホイー
ル15および冷却ファン16が取り付けられている。こ
の冷却ファン16は、クランクケース3の外側、筐体5
7の内側に配置され、クランクシャフト12と共に回転
して筐体57外部から冷却風を導入する。そして、この
導入した冷却風によりエンジン本体1やシリンダヘッド
4等の冷却を行う。さらに、筐体57の外側には、リコ
イル装置17が配設されており、リコイルレバー17a
を手動にて引っ張ることによりクランクシャフト12が
回転され、エンジンが始動するようになっている。
【0017】シリンダ2の内部にはシリンダボア18が
形成されている。シリンダボア18内には、ピストン1
9が摺動自在に嵌合されている。シリンダボア18の上
端側はシリンダヘッド4によって閉塞されており、ピス
トン19の頂面とシリンダヘッド4の底壁面20とによ
り燃焼室21が形成されている。なお、燃焼室21の上
部には、吸気バルブ22や点火プラグ68、図示しない
排気バルブ等が臨まされている。
【0018】ピストン19には、ピストンピン23を介
してコンロッド24の小端部25が回転自在に連結され
ている。また、コンロッド24の大端部26には、クラ
ンクシャフト12のクランクピン27が回転自在に連結
されている。そしてこれにより、ピストン19の上下動
に伴って、クランクシャフト12が回転する。
【0019】一方、シリンダヘッド4内には、シリンダ
軸線CL上に、クランクシャフト12と平行にカムシャ
フト28が配設されている。カムシャフト28は、動弁
カム29とスプロケット(従動部材)31とが一体にな
った構成となっており、スプロケット31が回転するこ
とにより動弁装置が作動するようになっている。そし
て、調時動弁系30により、動弁カム29はクランクシ
ャフト12と同期して駆動される。
【0020】これに対しクランクシャフト12には、ス
プロケット(駆動部材)32が固着されている。また、
シリンダ2とシリンダヘッド4には、チェーン室(調時
駆動部材室)50,51が形成されており、両スプロケ
ット31,32の間は、これらのチェーン室50,51内
に配設されたチェーン(調時駆動部材)33にて連結さ
れている。そして、これらのスプロケット31,32お
よびチェーン33により調時動弁系30が形成される。
なお、スプロケット31の歯数は、スプロケット32の
歯数の2倍となっており、クランクシャフト12が2回
転すると動弁カム29が1回転するようになっている。
また、チェーン33は、チェーンテンショナ55によっ
て適宜張力が付与されている。
【0021】動弁カム29にはカム面29aが形成され
ており、このカム面29aにはロッカーアーム34の一
端側に形成されたスリッパ35が摺接している。そし
て、この動弁カム29とロッカーアーム34とによって
動弁装置が形成される。ロッカーアーム34は、揺動式
のものが吸気用と排気用に2個設けられている。これら
のロッカーアーム34は、それぞれロッカーサポート5
9に支持されたロッカーシャフト36を中心として揺動
自在に取り付けられている。ロッカーアーム34の他端
側は、吸気バルブ22や図示しない排気バルブの先端部
とアジャストスクリュウ56を介して接続されている。
そして、動弁カム29によりロッカーアーム34が揺動
すると、吸気バルブ22や排気バルブが駆動される。ま
た、吸気バルブ22や排気バルブは、バルブスプリング
37により閉弁方向に付勢されており、これにより、吸
気バルブ22等が動弁カム29の回転に伴って開閉され
る。
【0022】一方、調時動弁系30は、コンロッド24
の大端部26に設けられたスクレーパ38によって潤滑
される。スクレーパ38は、図2に示すように、大端部
26の下側部材39から下方、すなわち、クランクシャ
フト12の径方向に延伸形成され、下側部材39から延
びるアーム69と、アーム69の先端部に立設されたデ
ィップ片70とからなり、全体がL字形状に形成されて
いる。ここではディップ片70は、図1に示すように、
アーム69の調時動弁系30を臨む側に形成されてお
り、クランクシャフト12の軸方向に向かって延びてい
る。そして、スクレーパ38は、図2に一点鎖線にて示
すような軌跡を描きつつクランクシャフト12の回転に
伴って揺動運動する。これにより、オイルパン10に溜
まったオイル9が掻き上げられ、スクレーパ38が油面
40から出る際にオイル9がチェーン33に跳ねかけら
れ、調時動弁系30の潤滑が行われる。
【0023】このようなスクレーパ38の揺動運動に伴
い、ディップ片70によってオイル9が掻き上げられ、
チェーンテンショナ55の根本部分近傍方向へ飛ばされ
る。また、その一部はクランクケース3の内壁に当たっ
てチェーン33方向に跳ね返る。これにより、チェーン
33にオイル9の飛沫をかけることができ、動弁系30
にオイル9を確実に供給できる。
【0024】このようにしてチェーン33に跳ねかけら
れたオイル9は、チェーン33の移動と共にシリンダヘ
ッド4側に運ばれ、スプロケット31の潤滑も行われ
る。また、スプロケット32もチェーン33に付着した
オイル9によって潤滑される。
【0025】ところで、チェーン33に付着したオイル
9は、その一部がシリンダヘッド4側にて遠心力によっ
て振り飛ばされる。すなわち、チェーン33がスプロケ
ット31に巻き付く際に、その一部がスプロケット31
の円周方向に飛ばされチェーン33から分離する。当該
エンジンでは、スプロケット31の上方にはロッカーカ
バー5が配設されており、オイル9の飛沫はロッカーカ
バー5の天井面53に当たる。そして、天井面53に付
着したオイル9は、天井面53に沿って下方に流れ、チ
ェーン室51,50を伝ってオイルパン10に戻され
る。
【0026】また、ロッカーカバー5の天井面53の一
部には、図1に示すように、凸部54が形成されてお
り、天井面53に付着したオイル9がこの凸部54から
滴下するようにもなっている。この凸部54は、動弁カ
ム29とスリッパ35との摺接部の上方に位置してお
り、ここから滴下するオイル9によって前記摺接部が潤
滑されるようになっている。
【0027】シリンダヘッド4の内部にはさらに、チェ
ーン室(調時駆動部材室)51とは別に、ブローバイガ
スを吸気系に還流させるブリーザ装置として、ガス中の
オイル分を分離させるための気液分離室43が設けられ
ている。図3は、図2においてシリンダヘッド4を気液
分離室43に沿って断面した状態を示す説明図である。
図1,3に示すように、気液分離室43は、シリンダ軸
線CLに沿ってチェーン室51と平行に形成されてお
り、その上下端が開口したトンネル状の部屋となってい
る。また、気液分離室43の下端側(クランク室8側)
開口部は、シリンダ2に形成されたガス導入口52と連
通しており、このガス導入口52とチェーン室50を介
してクランク室8と連通している。
【0028】ガス導入口52は、図1に示すように、シ
リンダ2の上端部にチェーン室50から分岐する形で形
成されている。ガス導入口52は、シリンダ2上面にて
開口しており、シリンダ2上にシリンダヘッド4を載置
すると、その上面開口が気液分離室43の下端開口部と
連通する。
【0029】ガス導入口52は、チェーン33の側面方
向、すなわち、チェーン室50においてチェーン33の
作動方向と直角方向でクランクシャフト12の長手方向
(図1において右方向)の面50aに形成されている。
ここで、チェーン33に付着したオイル9は、チェーン
33の動作に伴い専らチェーン33の外側(スプロケッ
ト径方向側)に飛散し、その側面方向への飛散は少な
い。従って、本エンジンにおいては、チェーン33の側
面方向にガス導入口52を配することにより、ガス導入
口52にオイル9がなるべく入り込まないよう配慮して
いる。
【0030】また、ガス導入口52は、図1に示すよう
に、その底面が下方向(クランク室8方向)に向かって
傾斜している。すなわち、気液分離室43側からチェー
ン室50側に向けて傾斜面71が形成されている。従っ
て、ブローバイガスから分離されたオイル9は、気液分
離室43からこの斜面を伝って容易にチェーン室50に
流下する。また、この傾斜面71により、エンジン自体
がクランクシャフト長手方向(特に図1において右側が
低くなる場合)に傾いても、オイルの流れを確保でき
る。
【0031】気液分離室43の上端側(エアクリーナ4
7側)開口部は、リードバルブ44を介してロッカーカ
バー5内の気液分離室45と連通している。気液分離室
45は、ブローバイ通路46を介してエアクリーナ47
に接続されている。さらに、エアクリーナ47は、気化
器48を介してシリンダヘッド4内の吸気ポート49と
接続されている。
【0032】また、気液分離室43の上端部には、気液
分離室43から分岐する形でオイル還流室72が形成さ
れている。本実施の形態では、このオイル還流室72
は、気液分離室43から図2において下方向、すなわ
ち、シリンダ軸線CLおよびクランクシャフト12軸線
と直角方向に延伸形成されている。
【0033】図4は、オイル還流室72の構成を示す説
明図である。オイル還流室72とチェーン室51との間
には、チェーン室51と連通した開口部73が形成され
ている。この開口部73は、スプロケット31の中心軸
O近傍に設けられており、開口部73の中心Xがスプロ
ケット31の半径中央位置Yより中心軸O寄りとなるよ
う配設されている。
【0034】また、オイル還流室72の底面74は、外
壁75側から前記開口部73に向かって下方向、すなわ
ち、クランク室8方向に傾斜している。従って、オイル
還流室72に流入したオイル9は、底面74の傾斜に沿
って開口部73へと導かれ、チェーン室51内に流入す
るようになっている。
【0035】このような構成からなる気液分離室43で
は、クランク室8からチェーン室50に流入したブロー
バイガスは、ガス導入口52を介して気液分離室43内
に流入する。そして、気液分離室43内を流通すること
により、その中のオイルミスト分が気液分離室43の壁
面に付着し、ブローバイガスとオイルミストの分離が行
われる。この際、気液分離室43内にて分離されたオイ
ル分は、気液分離室43からガス導入口52へと流下す
る。すなわち、気液分離室43において、ブローバイガ
スのオイル分は分離されて下方へと流れ、その一方でガ
ス分は上方へと流通する。そして、分離されたオイル9
はチェーン室50の壁面を伝ってオイルパン10に戻さ
れ、オイル分を落としたガスは、気液分離室45へと送
られる。
【0036】リードバルブ44を経てロッカーカバー5
内に流入したブローバイガスは、さらに、気液分離室4
5内にてオイルミスト分の分離が行われる。この場合、
リードバルブ44以前の段階でオイル分は概ね分離され
ることから、気液分離室45内では、気液分離室43に
ても分離しきれなかった残りのオイルミスト分の分離が
行われる。つまり、当該ブリーザ装置では、2段階に亘
ってオイル分の分離が実施され、ブローバイガスからよ
り確実にオイル分を分離できるようになっている。ま
た、比較的オイル分離性が低い気液分離室45以前にほ
とんどのオイル分が分離されることから、気液分離室4
5の負担が軽減され、より効果的なオイル分の分離を行
うことが可能となる。
【0037】気液分離室45に入ったブローバイガス
は、そこに含まれている残りのオイル分が気液分離室4
5の壁面に付着し、更なる気液分離が行われる。当該ロ
ッカーカバー5の下面側には、図示しないオイルリター
ン孔が設けられており、気液分離室45の壁面に付着し
たオイル分は、そこからチェーン室51に流出する。そ
して、チェーン室51,50の壁面を伝ってオイルパン
10に戻される。
【0038】このように、当該ブリーザ装置では、新た
な部品を追加することなく、オイル分を分離する気液分
離室43をブリーザ装置に形成することができる。従っ
て、装置や型の複雑化を招来することなく、コストを抑
えつつ、ブローバイガス中のオイル分を確実に分離可能
なブリーザ装置を構成することができる。また、傾斜型
のエンジンにおいても、レイアウト性を損なうことな
く、ブリーザ装置に気液分離室43を装備することがで
きる。
【0039】一方、本発明によるブリーザ装置では、気
液分離室43内のブローバイガスは、負圧作動するリー
ドバルブ44のみならず、スプロケット31の遠心力を
利用して開口部73からチェーン室51に常時導入され
る。ここで、本発明によるブリーザ装置では、開口部7
3がスプロケット31の中心軸O近傍に形成されている
ため、開口部73付近ではスプロケット31の回転に伴
う遠心力が強く作用する。従って、気液分離室43内の
ブローバイガスは、この遠心力の作用によって開口部7
3からチェーン室51内へと引き込まれる。回転するス
プロケット31の中心近くに導入されたブローバイガス
は、図3に示すように、遠心力によりスプロケット31
の外側へと送り出され、天井面53へと向かう。
【0040】この際、ブローバイガスは、遠心力によっ
てスプロケット外側へと導かれると共に、遠心分離作用
を受ける。すなわち、空気に比して比重の大きいオイル
分は、遠心力によって飛ばされつつ空気から分離され天
井面53等に付着する。これにより、ブローバイガスか
らオイル分が除去され、ガスの気液分離が行われる。従
って、本発明のブリーザ装置では、開口部73の位置を
中心軸O近傍に配置することにより、スプロケット31
の遠心力を用いてブローバイガスを開口部73からチェ
ーン室51に引き込むと共に、オイル分の遠心分離を行
うことができ、気液分離をより確実に行うことが可能と
なる。また、リードバルブ44からロッカーカバー5内
に流入するオイル分を減らすことができるため、気液分
離室45の負担がさらに軽減され、オイル分の分離をよ
り効果的に行うことが可能となる。
【0041】なお、オイル還流室72は、気液分離室4
3から下方向に向かって形成されているため、エンジン
がさらに傾きシリンダ軸線CLが水平近くなった場合で
あっても、気液分離室43にて分離されたオイル9は、
オイル還流室72に流入する。従って、かかる場合であ
っても、オイル9がリードバルブ44を介して気液分離
室45へ流入せず、オイル9はオイル還流室72から開
口部73を通りチェーン室51へと戻される。
【0042】以上、本発明者によってなされた発明を実
施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実
施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱し
ない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0043】例えば、前述の実施の形態では、開口部7
3の中心Xがスプロケット31の半径中央位置Yより中
心軸O寄りとなるよう配設した例を示したが、開口部7
3の図3,4において左端がOYの中心より中心軸O寄
りにあれば、開口部73を大きく形成し、その中心Xが
位置Yよりも外側にある場合であっても、遠心力の作用
を利用することができる。
【0044】また、気液分離室43の下部にチェーン室
51と連通する連通孔を設け、ガス導入口52を省いて
も良い。但し、ガス導入口52を設けた方が、気液分離
室43の通路長を長く取ることができ、分離効率を高め
ることができる。なお、ガス導入口52の形成は、現行
の型の修正で対応でき、コスト的負担も少ない。さら
に、気液分離室43は、シリンダボア18やチェーン室
51と平行かつ同角度でなくとも良い。例えば、気液分
離室43を、傾斜形成して通路長を稼ぐことも可能であ
る。
【0045】一方、前述の実施の形態では、傾斜型エン
ジンに本発明を適用したものを示したが、シリンダ軸線
が天地方向に沿って配置された通常のエンジンに本発明
を適用することも勿論可能である。また、単気筒の空冷
エンジンに本発明を適用した例を示したが、本発明を多
気筒の空冷エンジンや、単気筒または多気筒の水冷エン
ジンに適用することも可能である。
【0046】さらに、シリンダ2とクランクケース3を
一体に形成した例を示したがこれらを分離形成すること
も可能であり、シリンダヘッド4とシリンダ2とを一体
に形成するようにしても良い。加えて、調時動弁系30
を、スプロケット31,32とチェーン33にて構成し
た例を示したが、これをコグプーリとコグベルトやタイ
ミングプーリとタイミングベルトなど、他の公知の調時
動弁系を適用することも可能である。なお、本発明にお
いて「回転」とは正逆両方向の円運動をも含む概念であ
り、一方向の円運動のみを意味するものではない。
【0047】
【発明の効果】本発明のブリーザ装置によれば、スプロ
ケットの中心軸近傍に気液分離室とチェーン室とを連通
する開口部を設けたので、気液分離室内のブローバイガ
スを、スプロケットの遠心力を利用して、開口部からチ
ェーン室内へと導入する共にスプロケットの外側へと飛
ばすことにより、ブローバイガス中のオイル分を効率良
く遠心分離することができる。従って、新たな部品を追
加することなく、より確実にオイル分を分離することが
でき、オイル消費量の低減やエンジン燃焼性の向上を図
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるブリーザ装置を使
用したOHCエンジンの構成を示す説明図である。
【図2】図1のエンジンにおけるシリンダ軸線方向の断
面図である。
【図3】図2においてシリンダヘッドを気液分離室に沿
って断面した状態を示す説明図である。
【図4】オイル還流室の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
4 シリンダヘッド 8 クランク室 9 潤滑オイル 12 クランクシャフト 31 スプロケット(従動部材) 32 スプロケット(駆動部材) 33 チェーン(調時駆動部材) 43 気液分離室 50 チェーン室(調時駆動部材室) 72 オイル還流室 73 開口部 O スプロケット中心軸

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッド側に配置された動弁装置
    と、クランクシャフトに設けた駆動部材と調時駆動部材
    を介して連結され、前記動弁装置をクランクシャフトと
    同期して作動させる従動部材とを備え、前記シリンダヘ
    ッドに前記調時駆動部材を収容する調時駆動部材室を設
    けてなるエンジンのブリーザ装置であって、 前記シリンダヘッドに前記調時駆動部材室とは別室に形
    成され、前記エンジンのクランク室と連通し、前記クラ
    ンク室から導入されたブローバイガス中のオイル分を分
    離する気液分離室と、 前記気液分離室の上端部に形成され、シリンダ軸線およ
    びクランクシャフト軸線と直角方向に延びるオイル還流
    室と、 前記オイル還流室と前記調時駆動部材室との間に形成さ
    れ、前記従動部材の中心軸近傍に開口して前記オイル還
    流室と前記調時駆動部材室との間を連通させる開口部と
    を有することを特徴とするエンジンのブリーザ装置。
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