JP2002241917A - 意匠性に優れた溶融Al−Zn系合金めっき鋼板とその製造方法 - Google Patents
意匠性に優れた溶融Al−Zn系合金めっき鋼板とその製造方法Info
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Abstract
ルを備えた溶融Al-Zn めっき鋼板とその製造方法を提
供する。 【解決手段】 Al:40〜70%、Si:0.5〜5.
0%、Ca 、Sr 、Ba 、La 、Ce およびYからなる
群の内の1種または2種以上を合計で0.01〜10pp
m を含有し、スパングル平均径が0.8mm以上である溶
融Al-Zn 系合金めっき皮膜を備える。さらにはスパン
グル径の標準偏差が0.20mm以下である。本発明の鋼
板は、上記化学組成を有する580℃以上の溶融めっき
浴に母材を浸漬し、570℃までを50℃/秒以下で冷
却して製造するのが望ましい。
Description
自動車等に使用される溶融Al-Zn 系合金めっき鋼板お
よびその製造方法に関する。さらに詳しくは、めっき皮
膜表面に大きくかつ均一なスパングルを備えた意匠性に
優れた溶融Al-Zn 系合金めっき鋼板およびその製造方
法に関する。
た耐食性と耐候性をかね備えており、建材、家電、自動
車等での適用が増している。特にAl 含有量が質量%で
(以下、化学組成を表す%表示は質量%を意味する)4
0〜70%である溶融Al-Zn系合金めっき鋼板(以
下、単に「溶融Al-Zn 系合金めっき鋼板」と記す)
は、その耐食性が、めっき厚さが同一の溶融Zn めっき
鋼板と比較して、3〜6倍の優れた耐食性を有するう
え、耐久性、耐熱性、熱反射性が優れる。また、Si を
含有させためっき浴を用いることにより、Fe-Al 合金
層の発達を抑制してめっき皮膜の加工性を改善できるこ
とも知られている。
らに、めっき表面が特徴的な銀白色のスパングル模様を
呈し、意匠性にも優れるという特長がある。このため、
この優れた意匠性を活用して、生地(無塗装)のまま、
あるいは、その表面にクロメート処理や薄膜樹脂塗布処
理を施して使用される場合が多い。
溶融Zn めっき鋼板の製造に使用されるような連続式溶
融めっき設備により製造されている。そこでは、母材
(冷間圧延鋼板、熱間圧延鋼板など)を焼鈍し、スナウ
トを経て、大気に触れることなく溶融めっき浴に浸漬
し、めっき浴から引き上げてガスワイピングなどの方法
でめっき付着量を調整し、冷却ゾーンで凝固完了温度以
下まで冷却して製造される。この冷却は通常は空冷であ
る。冷却後は必要に応じてスキンパス圧延やレベラ通板
などが施される。
富むものとするには、めっき皮膜の個々のスパングルが
目視できるように、明瞭で、大きいスパングルを備えて
いることが重要とされている。また、スパングルが均一
であることも求められている。
ングルを大きくする方法として、Pb などの低融点金属
をめっき浴に少量添加してめっきするのが一般的であ
る。しかしながらAl 含有量が高いAl-Zn 系合金めっ
き浴にPb などの低融点金属を混入させると、最終凝固
位置となるスパングルの境界にこれらの元素が偏析し、
めっき皮膜の加工性が損なわれる場合がある。従ってA
l 含有量が高いAl-Zn系合金めっきの場合には、めっ
き浴にPb を含有させる方法は必ずしも十分な方法とは
いえない。
合金めっき鋼板を製造する方法として、めっき母材、ま
たはその表面の性状を調整してスパングル模様を調整す
る方法が提案されている。例えば、特開平10−180
09号公報にはめっき前の母材の表面うねりを特定範囲
以下に制限してめっきする方法、特開平10−1801
0号公報にはめっき前の母材の集合組織を変化させてめ
っきする方法、特開平10−18012号公報にはめっ
き前の母材表層の結晶粒の大きさを制御してめっきする
方法、特開平10−18013号公報にはめっき前の母
材の表面粗さを大きしくてめっきする方法がそれぞれ提
案されている。
母材の性状は、めっき鋼板としての性能(例えばめっき
鋼板の成形性など)を満たすために決められる場合が多
く、めっき皮膜の意匠性を制御するために母材性状を変
更する方法には限界がある。また、本発明者らの調査に
よれば、母材の表面粗さとスパングルの大きさとの間に
は明確な相関が見出せない場合もあり、上記方法は必ず
しも十分なものではない。
のであり、その目的とするところは、目視で明瞭に識別
可能な均一で大きいスパングルを備えた溶融Al-Zn 系
合金めっき鋼板およびその製造方法を提供することにあ
る。
その平均径で、0.7mmに満たない場合には、隣接する
スパングルの境界の識別が難しく、めっき皮膜の外観を
スパングル模様として視認するのが困難である。本発明
者らは溶融Al-Zn 系合金めっき鋼板の表面外観を種々
調査した結果、意匠性に富むめっき鋼板としては、めっ
き皮膜表面のスパングルの大きさが、その平均径で0.
8mm以上、かつ、その変動が特定限界以下である均一性
を兼ね備えていることが重要であることを知った。
ングル模様の形成方法に関して種々研究を重ねた結果、
Si を含有する溶融Al-Zn 系合金めっきめっき浴にC
a を適量含有させて溶融めっきを施すと、得られるめっ
き皮膜のスパングルが大きくなり、かつスパングルの均
一性も改善できることを知った。
パングルは、溶融した合金めっき層が鋼板表面で凝固す
る過程において、めっき層のAl が選択的に凝固するこ
とにより形成されたデンドライト組織である。このスパ
ングルはαAl 相(Zn を固溶したAl )のデンドライ
トが成長したものであり、その大きさは単位面積あたり
のスパングルの数に関係する。従って、スパングルを大
きくするには、めっき皮膜内でのαAl 相からなるデン
ドライトの生成起点となる凝固核を少なくするのが有効
である。
e-Al 合金層の発達を抑制するために、めっき浴にSi
を含有させるが、このSi は、めっき皮膜が凝固する際
に、αAl デンドライト組織に混在して、Si 結晶とし
て晶出する場合がある。
有し、さらに適量のCa を含有するめっき浴を用いて溶
融めっきした溶融Al-Zn 系合金めっき鋼板のスパング
ルを走査電子顕微鏡(SEM)で観察した像を示す写真
の例である。
況をオージェ電子分光法により調査した結果であるが、
スパングル中心部にはSi 結晶が晶出している。すなわ
ち、めっき浴に適量のCa を含有させて溶融めっきする
と、デンドライト組織が大きくなると共に、Si 結晶が
スパングル中心部に粗大に晶出する頻度が高くなる傾向
が認められた。
が溶融相として安定に存在できる温度領域において、め
っき浴の第四元素は次の二つの効果をもたらすものと推
察される。その一はAl 凝固核の形成自体を促進する効
果である。その二は、Si 結晶の晶出が促進されるため
にその近傍の溶液におけるSi 濃度が低下し、その結果
Al の凝固核形成が促進される効果である。これらの効
果により、適量のCaを含有させることにより、適度な
頻度でAl 凝固核を発生させ得る、と考えられる。
性で判断される意匠性は、少なくともその長辺が10μ
m 以上の大きさのSi 結晶を備えたスパングルの比が、
全体のスパングル数に対する個数比率で、30%以上で
ある場合に良好であった。上記個数比率が50%以上で
あればさらに良好であった。
果は、アルカリ土類金属であるSr、Ba 、希土類元素
であるLa 、Ce 、および希土類元素と同じIII族元素
であるYにおいても認められた。
たものであり、その要旨は下記(1)〜(3)に記載の
意匠性に優れた溶融Al-Zn 系合金めっき鋼板および
(4)、(5)に記載のその製造方法にある。
以下、Si を0.5%以上、5.0%以下、Ca 、Sr
、Ba 、La 、Ce およびYからなる群の内の1種ま
たは2種以上を合計で0.01ppm 以上、10ppm 以下
含有するAl-Zn 合金めっき皮膜を備えた溶融Al-Zn
系合金めっき鋼板であって、そのスパングル径の平均値
が0.8mm以上であることを特徴とする意匠性に優れた
溶融Al-Zn 系合金めっき鋼板。
以下、Si を0.5%以上、5.0%以下、Ca を0.
01ppm 以上、10ppm 以下含有するAl-Zn 合金めっ
き皮膜を備えた溶融Al-Zn 系合金めっき鋼板であっ
て、そのスパングル径の平均値が0.8mm以上であるこ
とを特徴とする意匠性に優れた溶融Al-Zn 系合金めっ
き鋼板。
mm以下であることを特徴とする上記(1)または(2)
に記載の意匠性に優れた溶融Al-Zn 系合金めっき鋼
板。 (4)母材を、質量%でAl を40%以上、70%以
下、Si を0.5%以上、5.0%以下、Ca 、Sr 、
Ba 、La 、Ce およびYからなる群の内の1種または
2種以上を合計で0.01ppm 以上、10ppm 以下含有
する溶融Al-Zn系合金めっき浴に浸漬して溶融めっき
を施すことを特徴とする意匠性に優れた溶融Al-Zn 系
合金めっき鋼板の製造方法。
めっき浴から引き上げた後570℃までの間の冷却速度
を50℃/秒以下とすることを特徴とする請求項4に記
載の意匠性に優れた溶融Al-Zn 系合金めっき鋼板の製
造方法。
に述べる。 めっき皮膜の化学組成; Al :めっき皮膜のAl 含有量が増すにつれて、その耐
食性、耐候性、耐熱性、熱反射性、および銀白色のスパ
ングル模様に代表される意匠性が向上するという効果が
得られる。
めっき皮膜においてZn 含有量の高い合金相が増大し、
粒界腐食や選択腐食が容易に生じるようになり耐食性が
不足する。さらに、めっき皮膜のZn 含有量が増してス
パングルを形成するαAl 相デンドライトが減少し、ス
パングル自体も不明瞭になる。また、Al 含有量が低く
なりすぎるとαAl 相の成長が不安定になり、スパング
ルが十分に大きくならず、その均一性も損なわれる。こ
れらの不都合を避けるために、Al 含有量は40%以上
とする。好ましくは50%以上である。
による犠牲防食作用が弱くなり、耐食性が低下する。ま
た、めっき浴の凝固点が高くなり、凝固反応が生じやす
くなってスパングルが小さくなり、その均一性も損なわ
れる。これを避けるためにAl 含有量は70%以下とす
る。好ましくは60%以下であるSi :Si を含有させ
るとめっき皮膜と母材鋼板の界面に生成する脆いFe-A
l 合金層の発達が抑制され、めっき皮膜の加工性を改善
することができる。その含有量が0.5%に満たない場
合には上記効果が得られない。また、Si 含有量を過度
に低くすると、めっき浴の凝固点が高くなり、凝固反応
が生じやすくなってスパングルが小さくなり、その均一
性も損なわれる。これらのことからSi 含有量は0.5
%以上とする。好ましくは1.0%以上である。
皮膜凝固時にSi 結晶が多数析出し、これに伴って、ス
パングルが小さくなり、スパングル径の均一性も損なわ
れる傾向がある。また、めっき皮膜の加工性も損なわれ
る。このためSi 含有量は5.0%以下とする。特に加
工性が要求される場合には、Si 含有量を2.5%以下
とするのが好ましい。
めっき浴にこれらの元素(第四元素)を適量含有させる
ことにより、めっき皮膜のスパングルを大きく、かつ均
一にすることができる。この効果を得るために、めっき
浴には、Ca 、Sr 、Ba 、La 、Ce およびYからな
る群の内の1種または2種以上を合計で0.01ppm以
上含有させる。望ましくは0.05ppm 以上である。こ
こで上記ppm は質量比を意味する。
成頻度が増してスパングル径が小さくなり過ぎるのでよ
くない。これを避けるために、その含有量は10ppm 以
下とする。望ましくは5ppm 以下である。従って第四元
素のめっき皮膜での含有量は、0.01ppm 以上、10
ppm 以下とする。望ましくは0.05ppm 以上5ppm以
下である。
入手しやすく、取り扱いが容易であるので、特に好まし
い元素である。残部はZn および不可避的不純物であ
る。
可能なスパングルの大きさは、平均径で、0.7mmまで
とされている。意匠性が重視される用途においてはスパ
ングルを目視で明瞭に認識できる必要があるので、本発
明の鋼板のスパングルの大きさは、スパングル径の平均
値(平均スパングル径)で、0.8mm以上とする。より
優れた意匠性を発揮させるには、1.0mm以上とするの
が好ましい。
のではないが、これが過度に大きくなると、スパングル
模様の均一性を保つのが困難となり、意匠性が損なわれ
る場合がある。これを防止するために、特に優れた意匠
性を得るには平均スパングル径を1.8mm未満とするの
が望ましい。
は、視認されるスパングルの大きさが一定範囲に揃って
いることが重要である。そのために本発明のめっき皮膜
は、複数箇所で測定した平均スパングル径の標準偏差が
0.20mm以下のものとする。好ましくは標準偏差が
0.05mm以下のものである。
面を写真撮影し、これを拡大した写真上において、任意
に選んだ一定長さの線分を横切るスパングル境界線を数
え、上記線分の長さを境界線の数で除して求める。めっ
き鋼板の10箇所以上の部位において上記方法でスパン
グル径を測定し、これらの平均値を平均スパングル径と
し、スパングル径の平均値に対する標準偏差をスパング
ル径変動の指標とする。
な製造方法を以下に記す。母材:母材の化学組成は特に
限定する必要はない。例えばAl キルド鋼、Tiなどの
炭窒化物を含有させた極低炭素鋼、Si 、Mn 、その他
種々の強化元素を含有させた高強度鋼板など、公知の種
々の化学組成を備えた鋼板が使用できる。鋼板の種類も
任意であり、熱間圧延鋼板、冷間圧延鋼板など公知のも
のを用いることができる。また、その形状は成形、加工
されたものでも差し支えない。
のではなく、例えばゼンジマー式の連続溶融めっき方法
や、バッチ式の浸漬めっき方法など、従来の溶融Al-Z
n 合金めっき鋼板の製造に用いられている方法によれば
よい。
続焼鈍炉などにより還元性雰囲気中で焼鈍もしくは加熱
処理した母材鋼板を、大気に触れることなく溶融めっき
浴温度近傍まで冷却し、溶融めっき浴に浸漬してめっき
し、次いでめっき浴から引き上げてガスワイピングな
ど、公知の方法でめっき付着量を調整する。
含有量は、ほぼめっき浴と同一の組成となる。従ってめ
っき浴の化学組成は、所望のめっき皮膜の化学組成に応
じて、これらの元素を含有するものとすればよい。
に限定するものではないが、例えばCa を含有させる場
合には、Al-Ca 合金としてめっき浴に添加するのが好
適である。また、Ca を含有する物質を母材表面に予め
付着させておいて、これにめっきを施す、などの方法も
好ましい。
l が溶融相として安定に存在できる温度領域(およそ5
60℃以上)において、第四元素によるαAl のデンド
ライトの成長促進効果を十分に発揮させるため、580
℃以上とするのが望ましい。より望ましくは590℃以
上である。過度に高温になるとめっき浴表面での酸化物
が増して表面欠陥となる。これを避けるためにめっき浴
温度は640℃以下とするのが望ましい。
は、付着量を調整する。その際、Al が溶融相として安
定に存在できる温度領域(およそ560℃以上)におい
て、αAl の凝固核形成時間をできる限り長く確保する
のが望ましい。この意味で、母材鋼板がめっき浴から引
き上げられたときから570℃まで冷却される間の冷却
速度を50℃/秒以下の徐冷却とするのが望ましい。よ
り望ましくは30℃/秒以下である。570℃未満の温
度領域に関しては、スパングルを成長させるために徐冷
するのが望ましく、通常の大気中での冷却(徐冷却)を
施せばよい。上記の方法により、大きいスパングルが均
一に揃った意匠性に優れたスパングル模様を有する溶融
めっき鋼板を得ることができる。
パスロールで軽度の圧延を施したり、さらには、耐食性
や塗装密着性を向上させるために、クロメート処理ある
いは薄膜樹脂塗布処理等の公知の後処理を施しても構わ
ない。
6%、Mn :0.14%、P:0.012%、S:0.
007%、sol.Al :0.030%、残部がFe および
不可避的不純物からなる化学組成を有する厚さが3.2
mmの熱延鋼板を冷間圧延し、厚さが0.80mmの冷延鋼
板とした。得られた冷延鋼板にアルカリ脱脂とブラッシ
ングを施した後、洗浄水で洗浄した。これらの鋼板から
得た長さ:200mm、幅:80mmの試験片を採取し、溶
融めっき実験設備を用いて、水素ガス:10体積%、残
部が窒素ガスからなる還元雰囲気中で750℃に加熱
し、この温度で60秒間焼鈍した後、溶融Al-Zn 系め
っき浴に浸漬した。
めっき浴への第四元素の添加は、第四元素:0.1%、
残部がAl であるAl 合金をめっき浴に添加しておこな
った。一部は従来例として第四元素を添加しないめっき
浴を用いた。めっき浴温度は600℃を基準とし、比較
のために575℃の場合も評価した。
ピング法でめっき付着量を両面で150g/m2に調整し
た。めっき浴から引き上げた後570℃までの冷却速度
は、30〜70℃/秒の間で種々変更した。
の化学組成を分析し、また、スパングルの平均径(直
径)と均一性を以下の方法で評価した。めっき皮膜表面
を倍率2倍で写真撮影し、その画面上の任意に描いた長
さ30mmの線分を横切るスパングル境界線の数を測定し
てスパングル径を算出し、これを1つのめっき条件につ
き5枚の試験片について繰り返し、5個の平均値を平均
径とした。同時にこれらの標準偏差(σ)を求めてスパ
ングルの均一性を以下の基準で評価した。
査して判定し、スパングル模様が明瞭で均一なものを良
好(○)、スパングル模様が不明瞭である場合やばらつ
きがある場合を不良(×)として評価した。
9、13〜15、19〜24の本発明の規定する条件を
満足するめっき鋼板は、いずれもスパングルが0.80
mm以上でそのσも小さく、良好な意匠性を備えていた。
Si とCa の含有量がいずれも好適範囲であった試験番
号4、5は意匠性が特に優れていた。これに対し、めっ
き皮膜に第四元素を含有させなかった試験番号1、Si
含有量が本発明の規定する条件から外れた試験番号1
2、16およびAl 含有量が本発明の規定する条件から
外れた試験番号17、18は、意匠性がよくなかった。
下の方法で評価した。めっき試験片の任意の15mm四方
の領域に含まれるスパングルの成長起点近傍をSEMに
て観察した。さらに上記15mm四方の領域の最表面にイ
オンスパッタリングを施して、めっき皮膜最表層に通常
存在するAl 酸化物層と、大気との接触により生じる炭
化水素物質などの表面汚染物質を除去し、上記起点近傍
のSi の晶出状況をオージェ電子分光法により調査し
た。その結果、スパングル平均径が1.0mm以上であっ
た試験番号3〜6、14、19〜24のめっき皮膜に
は、長辺が10μm以上のSi が晶出しているのが確認
された。
は、高いAl 含有量による優れた耐久性、耐熱性、熱反
射性と共に、めっき表面が均一で良好なスパングル模様
を備えているので、極めて優れた意匠性を備えている。
このため、意匠性が最大の商品価値となる建材、家電、
自動車等の用途に好適である。本発明の鋼板は、溶融め
っき条件を特定することにより、容易かつ安定して所望
のめっき鋼板を得ることができる。従って本発明は極め
て大きい工業的価値を有している。
写真である。
光法で観察した写真である。
Claims (5)
- 【請求項1】 質量%でAl を40%以上、70%以
下、Si を0.5%以上、5.0%以下、Ca 、Sr 、
Ba 、La 、Ce およびYからなる群の内の1種または
2種以上を合計で0.01ppm 以上、10ppm 以下含有
するAl-Zn 合金めっき皮膜を備えた溶融Al-Zn 系合
金めっき鋼板であって、そのスパングル径の平均値が
0.8mm以上であることを特徴とする意匠性に優れた溶
融Al-Zn系合金めっき鋼板。 - 【請求項2】 質量%でAl を40%以上、70%以
下、Si を0.5%以上、5.0%以下、Ca を0.0
1ppm 以上、10ppm 以下含有するAl-Zn 合金めっき
皮膜を備えた溶融Al-Zn 系合金めっき鋼板であって、
そのスパングル径の平均値が0.8mm以上であることを
特徴とする意匠性に優れた溶融Al-Zn系合金めっき鋼
板。 - 【請求項3】 スパングル径の標準偏差が0.20mm以
下であることを特徴とする請求項1または2に記載の意
匠性に優れた溶融Al-Zn 系合金めっき鋼板。 - 【請求項4】 母材を、質量%でAl を40%以上、7
0%以下、Si を0.5%以上、5.0%以下、Ca 、
Sr 、Ba 、La 、Ce およびYからなる群の内の1種
または2種以上を合計で0.01ppm 以上、10ppm 以
下含有する溶融Al-Zn 系合金めっき浴に浸漬して溶融
めっきを施すことを特徴とする意匠性に優れた溶融Al-
Zn 系合金めっき鋼板の製造方法。 - 【請求項5】 めっき浴温度を580℃以上とし、めっ
き浴から引き上げた後570℃までの間の冷却速度を5
0℃/秒以下とすることを特徴とする請求項4に記載の
意匠性に優れた溶融Al-Zn 系合金めっき鋼板の製造方
法。
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