JP2002241464A - 光学材料用単量体組成物および硬化物 - Google Patents

光学材料用単量体組成物および硬化物

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JP2002241464A
JP2002241464A JP2001039570A JP2001039570A JP2002241464A JP 2002241464 A JP2002241464 A JP 2002241464A JP 2001039570 A JP2001039570 A JP 2001039570A JP 2001039570 A JP2001039570 A JP 2001039570A JP 2002241464 A JP2002241464 A JP 2002241464A
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plastic optical
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optical material
compound
weight
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JP2001039570A
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Mutsuo Kuwata
睦男 桑田
Yasuyoshi Koinuma
康美 鯉沼
Toshiaki Takaoka
利明 高岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は透過率、屈折率、アッベ数が高く、
しかも低比重、染色性、耐熱性、耐衝撃性等の諸物性に
も優れるプラスチック光学材料用単量体組成物、その硬
化物及びレンズを提供する。 【解決手段】 ジビニルベンゼン又はジビニルビフェニ
ルの少なくとも1つと、架橋型イソシアネート化合物
と、テトラキス―(7―メルカプト―2,5―ジチアヘ
プチル)メタンおよびチオウレタン結合促進化合物とを
含有するプラスチック光学材料用単量体組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明性、屈折率、
アッベ数が高く、しかも低比重、染色性、耐熱性、耐衝
撃性等の諸物性にも優れるプラスチック光学材料用単量
体組成物、その硬化物及びレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、レンズ等に使用される光学用樹脂
では、軽量性、ファッション性、安全性を重視して、高
屈折率、高アッベ数、低比重等の性能に着目した技術開
発が多くなされるようになってきた。例えば、特開昭6
3−23908号公報には屈折率を高める目的でジフェ
ン酸ジアリルの重合体が、特開平2−22601号公報
では不飽和基を有するイソシアネート化合物とポリチオ
ールからなる重合体が、特開昭62−267316号公
報ではポリイソシアネートとポリチオールからなるチオ
ウレタン樹脂が提案されている。しかしながら、これら
の樹脂製レンズはいずれも屈折率が1.60程度と十分
なものではなかった。
【0003】そのため、さらに屈折率を改善する方法と
して、特開平2−270859号公報、特開平5−20
8950号公報には1,2−ビス[(2−メルカプトエ
チル)チオ]−3−メルカプトプロパンとm−キシリレ
ンジイソシアネートからなる材料が提案されているが、
屈折率では1.65を超えて高いものの比重は1.35
程度と高く軽量性では十分なものではなかった。また、
特開平9−110979号公報ではエピスルフィド化合
物の硬化物が開示されており、屈折率が1.70程度と
さらに高い性能が得られているが、比重が1.40〜
1.35程度と高い他、光によって黄変し易いなどの問
題があった。このため、高い屈折率と低い比重を達成す
る方法として、特開平10−231344号公報にはテ
トラキス―(7―メルカプト―2,5―ジチアヘプチ
ル)メタンをジビニルベンゼンや特定のジメタクリレー
トと共重合させる方法が開示されている。しかしなが
ら、この方法では得られる樹脂が耐熱性や透明性に劣る
という欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高い
透明性、屈折率、アッベ数、および低い比重を有し、か
つ耐熱性、染色性、耐衝撃性等の性能にも優れたプラス
チック光学材料を得るための単量体組成物、その重合体
及びレンズを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
ジビニルベンゼン又はジビニルビフェニルの少なくとも
1つと、架橋型イソシアネート化合物と、テトラキス―
(7―メルカプト―2,5―ジチアヘプチル)メタンお
よびチオウレタン結合促進化合物とを含有するプラスチ
ック光学材料用単量体組成物である。本発明の第2の発
明は、さらに三官能以上の(メタ)アクリレート化合物
を添加してなるプラスチック光学材料用単量体組成物で
ある。本発明の第3の発明は、前記チオウレタン結合促
進化合物がアミン化合物、アミン塩化合物及び有機金属
化合物からなる群から選ばれる少なくとも1つである第
1の発明又は第2の発明のいずれか1つのプラスチック
光学材料用単量体組成物である。
【0006】本発明の第4の発明は、第1ないし第3の
発明いずれか1つのプラスチック光学材料用単量体組成
物の付加重合反応物からなるプラスチック光学材料用高
分子単量体組成物である。本発明の第5の発明は、第4
の発明のプラスチック光学材料用高分子単量体組成物に
ラジカル重合開始剤を加え硬化させて得られるプラスチ
ック光学材料である。
【0007】本発明の第6の発明は、第1ないし第3の
発明のいずれか1つのプラスチック光学材料用単量体組
成物にラジカル重合開始剤を加え硬化させて得られるプ
ラスチック光学材料である。本発明の第7の発明は、屈
折率が1.63以上でアッベ数が30以上である第5又
は第6の発明のいずれか1つのプラスチック光学材料で
ある。本発明の第8の発明は、第5ないし第7の発明の
いずれか1つのプラスチック光学材料から製造されるレ
ンズである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のプラスチック光学材料用
単量体組成物は以下の成分すなわち、ジビニルベンゼン
又はジビニルビフェニル(以下、ジビニルフェニル化合
物)、架橋型イソシアネート化合物、テトラキス―(7
―メルカプト―2,5―ジチアヘプチル)メタン(以下
TMDMと略す)、チオウレタン結合促進化合物からな
る組成物およびさらに三官能以上の(メタ)アクリレー
ト化合物を添加した組成物を必須成分とする。
【0009】本発明に用いるジビニルフェニル化合物は
ジビニルベンゼン及びジビニルビフェニルを含む。ジビ
ニルフェニル化合物の単量体組成物中に占める割合は、
通常15〜45重量%であり、好ましくは25〜35重
量%である。この割合が15重量%未満では屈折率を向
上させかつ低比重を付与する効果が十分得られず、45
重量%を超えると耐衝撃性が低下する傾向にある。ジビ
ニルフェニル化合物は単独又は混合して用いることがで
きる。
【0010】本発明に用いる架橋型イソシアネート化合
物には、ビニル基とイソシアネート基を併せ持つ架橋型
モノイソシアネート化合物、ジイソシアネート化合物
や、1個のイソシアネート基と2個以上のビニル基ない
しイソシアネート基を有する化合物が含まれる。これら
の内、室温において液状でかつ硬化後に変色しない化合
物が好ましい。その具体的な例としては、3−イソプロ
ペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネ−ト、イ
ソシアネートエチルメタクリレート等の架橋型モノイソ
シアネート化合物が使用できる。ヘキサメチレンジイソ
シアネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソ
シアネート、m−キシレンジイソシアネート、m−テト
ラメチルキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネート等のジイソシアネート化合物が使用できる。
上記の化合物は単独又は2種以上の混合物として使用す
ることができる。架橋型イソシアネート化合物のプラス
チック光学材料用単量体組成物中に占める割合は、通常
5〜40重量%であり、好ましくは10〜30重量%で
ある。この割合が5重量%未満では耐衝撃性、染色性、
ハードコート密着性を向上させる効果が十分得られず、
40重量%を超えると屈折率の低下や硬化物不良を起こ
す傾向にある。
【0011】本発明に用いるTMDMは、屈折率を向上
する目的で使用され、単量体組成物中に占める割合は、
通常は、30〜70重量%であり、好ましくは40〜6
0重量%である。この割合が30重量%未満ではイソシ
アネート化合物又はジビニルフェニル化合物と反応して
チオウレタン結合を形成することによる、屈折率を向上
させる効果が十分得られず、70重量%を超えると硬化
不良、耐熱性が低下する傾向にある。なお、TMDM
は、他のポリチオールと混合して用いることもできる。
他のポリチオールとしては、例えば、エタンジチオー
ル、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチ
オール、3,3'−ジチオジプロピオン酸、エチレング
リコールジチオグリコレート、2,2'−チオジエタン
チオール、2,2'−オキシエタンチオール、ジメルカ
プトトリエチレンジスルフィド、1,2−ジチオグリセ
リン、1,3−ジチオグリセリン、1,4−ベンゼンジ
チオール、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベン
ゼンジチオール、1,2−ビス(メルカプトメチレン)
ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチレン)ベンゼ
ン、1,4−ビス(メルカプトメチレン)ベンゼン等の
ジチオール、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグ
リコレート)、トリメチロールプロパントリス(β−メ
ルカプトプロピオネート)等のポリチオールを挙げるこ
とができる。TMDMの混合量は、全チオール化合物に
対し40重量%以上であることが好ましい。
【0012】本発明に用いる三官能以上の(メタ)アク
リレート化合物とは、1分子中に(メタ)アクリロイル
オキシ基を3個以上有する化合物である。具体的には、
例えば、トリメチロールプロパントリメタクリレート、
テトラメチロールメタントリメタクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメ
タントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラ
アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレ
ート、グリセリンジメタクリレートヘキサメチレンジイ
ソシアネートウレタンプレポリマー、グリセリンジメタ
クリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポ
リマー、グリセリンジメタクリレートトリレンジイソシ
アネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトール
トリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレ
タンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレ
ートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマ
ー、ペンタエリスリトールトリアクリレートトリレンジ
イソシアネートウレタンプレポリマー等が挙げられ、プ
ラスチック光学材料の耐熱性、屈折率向上の目的に使用
される。
【0013】前記三官能以上の(メタ)アクリレートは
単独又は2種以上の混合物で使用することができ、プラ
スチック光学材料用単量体組成物中に占める割合は、1
〜20重量%であり、好ましくは5〜15重量%の範囲
である。この割合が1重量%未満の場合、耐熱性を向上
する効果が十分得られず、20重量%を超える場合、屈
折率および耐衝撃性が低下する傾向にある。
【0014】本発明に用いるチオウレタン結合促進化合
物は、架橋型イソシアネート化合物とポリチオール化合
物との付加重合反応を促進するため用いられる。具体的
には、例えばテトラメチルブタンジアミン、トリエチレ
ンジアミン、トリエチレンアミン、ピリジン、1,8−
ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7,N,N
−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N
−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミ
ン化合物、(メタ)アクリル酸トリエチレンジアミン
塩、(メタ)アクリル酸1,8−ジアザビシクロ(5,
4,0)ウンデセン−7塩等のアミン塩化合物や、ジブ
チルチンジフタレート、ジブチルチンジラウレート、ジ
メチルチンジクロライド、オクチル酸鉛等の有機金属化
合物が使用できる。好ましくはトリエチレンジアミン、
1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−
7、ジブチルチンジラウレートである。これらのチオウ
レタン結合促進化合物は、単独又は2種以上の混合物で
使用することができる。
【0015】チオウレタン結合促進化合物の添加量は、
プラスチック光学材料用単量体組成物中、通常1〜10
00ppmであり、好ましくは10〜300ppmの範
囲である。この量が1ppm未満では硬化が不十分であ
り、1000ppmを超えると硬化後の光学材料物に歪
みが入る傾向にある。
【0016】また、本発明のプラスチック光学材料用高
分子単量体組成物は、ジビニルフェニル化合物と、架橋
型イソシアネート化合物とTMDMとの反応物とを必須
成分とするものである。
【0017】本発明に用いる付加重合反応物とは、ジビ
ニルフェニル化合物、架橋型イソシアネート化合物とT
MDMと、前記チオウレタン結合促進化合物とを含む混
合物を反応させて得られる反応物である。反応物は以下
のように製造する。チオウレタン結合促進化合物の添加
量を、反応組成物に対して好ましくは1〜500ppm
の範囲に、さらに好ましくは5〜300ppmの範囲と
する。反応は、室温〜80℃の範囲で10分〜3時間、
好ましくは15分〜2時間にわたって行う。反応は、付
加重合反応物の組成物中に占める割合が、好ましくは3
5〜80重量%、さらに好ましくは40〜75重量%と
なるように行う。この割合が35重量%未満では光学材
料の屈折率、耐衝撃性や染色性を向上させる効果が得ら
れず、80重量%を超えると光学材料の硬化不良、耐熱
性が低下する傾向にある。
【0018】本発明の高分子単量体組成物中に含有する
ことのできる三官能以上の(メタ)アクリレート化合物
の割合は、通常は1〜20重量%であり、好ましくは5
〜10重量%の範囲である。この割合が1重量%未満の
場合、硬化後の光学材料の耐熱性を向上する効果が十分
得られず、20重量%を超える場合、屈折率および耐衝
撃性が低下する傾向にある。
【0019】本発明のプラスチック光学材料用単量体組
成物、高分子単量体組成物はさらに共重合可能な他のビ
ニルモノマーを含んでもよい。他のビニルモノマーとし
ては、例えば、スチレン、ハロゲン核置換スチレン、メ
チル核置換スチレン、α−メチルスチレン、α−メチル
スチレンダイマー、ビニルナフタレン、メチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、各種ウレタンジ(メタ)アクリレー
ト、2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−メタクリロキ
シエトキシ)エトキシ]プロパン、2,2−ビス[4−
(2−メタクリロキシエトキシ)ジエトキシ]プロパ
ン、2,2−ビス[4−(2−メタクリロキシエトキ
シ)トリエトキシフェニル]プロパン、2,2−ビス
[4−(2−メタクリロキシエトキシ)テトラエトキシ
フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(2−メタク
リロキシエトキシカルボニルオキシ)フェニル]プロパ
ン、2,2−ビス{4−[(2−メタクリロキシエトキ
シ)エトキシカルボニルオキシ]フェニル}プロパン、
ジアリルフタレート、グリセロイルモノ(メタ)アクリ
レート、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アミ
ド、N,N−ジメチルアクリルアミド等が挙げられる。
これらの一種ないし二種以上の混合モノマーが屈折率に
応じて適宜選択される。
【0020】本発明のプラスチック光学材料は、上記単
量体組成物、高分子単量体組成物にラジカル重合開始剤
を添加し、次に加熱硬化法又は活性エネルギー線硬化法
により硬化させて得られる。
【0021】ラジカル重合開始剤は、ビニルモノマー類
を硬化させるために用いられ、例えば、過酸化ベンゾイ
ル、過酸化ラウロイル、ジイソプロピルジカーボネー
ト、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペル
オキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシイソブ
チレート、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメ
チルバレロニトリル等が挙げられる。これらは単独又は
2種以上を混合して用いることができる。
【0022】ラジカル重合開始剤の添加量は、プラスチ
ック光学材料用単量体組成物、高分子単量体組成物に対
して、通常0.01〜10重量%であり、好ましくは
0.1〜5重量%である。この量が0.01重量%未満
では硬化が不十分であり、10重量%を超えると硬化後
の光学材料に歪みが生じる傾向にある。
【0023】また、本発明の単量体組成物、高分子単量
体組成物中には、さらに紫外線吸収剤、フォトクロミッ
ク染料、着色剤、離型剤、界面活性剤、酸化防止剤、抗
菌剤等の添加剤を通常使用する範囲で添加することがで
きる。
【0024】本発明のプラスチック光学材料およびレン
ズは以下のように製造される。まず、プラスチック光学
材料用単量体組成物、高分子単量体組成物にラジカル重
合開始剤を添加する。得られた混合物を金属製、ガラス
製又はプラスチック製等で所望のレンズ形状等の型に注
入し、加熱する。この加熱により、上記の組成物は重合
し、硬化し、無色透明で溶媒に不溶の架橋型の樹脂塊を
形成する。そして、樹脂塊を脱型することによりプラス
チック光学材料又はレンズが得られる。このプラスチッ
ク光学材料又はレンズは、無色透明で、溶媒に不溶とな
る。
【0025】重合は、30〜100℃の範囲で5〜72
時間、好ましくは10〜36時間にわたって行われる。
重合温度は30〜100℃の範囲で徐々に上昇させても
よい。脱型後のレンズを、窒素又は空気雰囲気下、80
〜120℃の温度で1〜5時間アニーリング処理するこ
とが望ましい。
【0026】他の方法としては、型を使用せずに上記の
組成物を硬化させ、得られたプラスチック光学材料塊か
ら所望のレンズ形状に切削加工して得ることもできる。
本発明のレンズには、表面の耐擦傷性を向上させるため
のハードコート層を表面に設けることもできるし、ファ
ッション性を付与するための分散染料やフォトクロミッ
ク染料による着色処理を行うこともできる。
【0027】本発明のプラスチック光学材料は、屈折率
が1.63以上で、アッベ数が30以上の高い光学特性
を有し、比重が1.3以下と低く、レンズに要求される
染色性、耐熱性、耐衝撃性等の諸物性にも優れている。
また、本発明のレンズは、レンズ厚さが薄くて、かつ光
学均質性を有している。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により詳細
に説明する。本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、以下の記載、表1及び表2中において用いた
略号は以下の意味である。 DVB;ジビニルベンゼン、 DVBP;ジビニルビフェニル、 TMI;3−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジ
ルイソシアネ−ト、 mTMDI;テトラメチルキシリレンジイソシアネー
ト、 XDI;m−キシリレンジイソシアネート、 TMDM;テトラキス―(7―メルカプト―2,5―ジ
チアヘプチル)メタン、 ETT;1,5−ジメルカプト−3−チアペンタン、 TMPT;トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、 A−TMMT;テトラメチロールメタンテトラアクリレ
ート、 UAI;グリセリンジメタクリレートイソホロンジイソ
シアネートウレタンプレポリマー(商品名UA−101
I、共栄社油脂化学工業株式会社)、 ST;スチレン
【0029】得られた樹脂板の性能評価は、以下の各試
験方法により行った。 (1)光線透過率 日本電色工業(株)製透過率光度計を用い、JIS K
7105に従い光線透過率を測定した。 (2)屈折率及びアッベ数 アタゴ製アッベ屈折計を用い25℃で、硬化樹脂板から
1cm×1.5cmの試験片を切り出して測定した。 (3)比重 JIS K 7112に従い、25℃で試験片を水中置
換法により比重(g/cm3)測定した。 (4)耐衝撃性 重量16gのスチール製ボールを127cmの高さから
樹脂板上に自然落下させた。破損のないものを○とし、
破損のあるものを×とした。 (5)耐熱性 樹脂板から1cm×4cmの板を切り出し、東洋ボール
ドウィン社製レオバイブロンにより動的粘弾性を測定
し、そのtanδの最大を示す温度をガラス転移温度
(Tg)として耐熱性の指標とした。 (6)染色性 試験片をブラウン色の染色浴中に92℃で10分浸漬
し、染色後の光線透過率を日本電色工業(株)製透過率
光度計で測定した。
【0030】実施例1〜3 表1に示される各成分の原料混合物20gに、トリエチ
レンジアミン100ppm、さらにt−ブチルペルオキ
シ−2−エチルヘキサノエートを0.4g添加し、攪拌
混合してプラスチック光学材料用単量体組成物を得た。
それを、直径7cmの2枚のガラス製円板と厚さ2mm
のエチレン−プロピレンラバー製ガスケットからなる注
型に注入した。その後、プログラム温度コントローラー
付熱風恒温槽中で、30℃から100℃まで18時間か
けて昇温し、次に100℃で2時間保持した後、40℃
まで2時間かけて冷却した。硬化後、脱型した円盤状の
樹脂をさらに2時間、100℃でアニーリング処理を行
った。各試験方法での測定結果を併せて表1に示す。
【0031】実施例4〜10 表1に示される各成分の原料混合物20gに、ジラウリ
ン酸ジブチルスズを300ppm、t−ブチルペルオキ
シ−2−エチルヘキサノエートを0.4g用いた以外実
施例1〜3と全く同様に硬化を行い、試験片による物性
評価を行い、その結果を表1に示した。
【0032】実施例11 実施例1の組成の原料混合物20gにトリエチレンジア
ミンを100ppmを添加し、水冷しながら25℃で3
0分間反応させ粘性の高い高分子単量体組成物を得た。
反応後の付加重合反応物の濃度は、チオール基量の測定
より50重量%であった。その後、t−ブチルペルオキ
シ−2−エチルヘキサノエートを0.4g添加して実施
例1と同様に硬化を行い、試験片による物性評価を行
い、その結果を表1に示した。
【0033】比較例1 市販のウレタン樹脂系レンズ(原料MR−6)から試験
片を切り出し、実施例1〜3と同様に物性試験を行っ
た。結果を表2に示した。
【0034】比較例2 原料としてジフェン酸ジアリル(DADP)14gとジ
アリルイソフタレート(DAIP)6gの混合物に硬化
剤としてジイソプロピルペルオキシカーボネート0.6
gを添加し、実施例1〜3と同様の条件で硬化し、物性
評価を行った。結果を表2に示した。
【0035】比較例3 原料としてTMDM11gとDVB9gの混合物に硬化
剤としてt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエ
ートのみを0.2g添加して、実施例1〜10と全く同
様に硬化し、試験片による物性評価を行った。結果を表
2に示した。
【0036】比較例4 原料としてTMDM13gとXDI7gの混合物に硬化
剤としてジブチルチンジラウレートのみ200ppmを
添加し、実施例1〜3と同様の条件で硬化し、物性評価
を行った。結果を表2に示した。
【0037】比較例5、6 チオウレタン結合促進化合物のトリエチレンジアミンを
使用しない以外実施例1、2と全く同様に硬化し、試験
片による物性評価を行った。結果を表2に示した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】実施例1〜11と比較例1〜6との比較よ
り、本発明の単量体組成物及び高分子単量体組成物から
得られたプラスチック光学材料は高透過率、高屈折率、
高アッベ数および低比重、かつ耐熱性、耐衝撃性、染色
性等の性能にも優れたプラスチック光学材料であること
がわかる。合成樹脂製レンズに要求される基本特性を有
している。
【0041】
【発明の効果】本発明により、高い透明性、高屈折率、
高アッベ数および低比重、かつ耐熱性、染色性、耐衝撃
性等の性能にも優れたプラスチック光学材料を得るため
の単量体組成物、その重合体及びレンズが提供できる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジビニルベンゼン又はジビニルビフェニ
    ルの少なくとも1つと、架橋型イソシアネート化合物
    と、テトラキス―(7―メルカプト―2,5―ジチアヘ
    プチル)メタンおよびチオウレタン結合促進化合物とを
    含有するプラスチック光学材料用単量体組成物。
  2. 【請求項2】 さらに、三官能以上の(メタ)アクリレ
    ート化合物を含有する請求項1記載のプラスチック光学
    材料用単量体組成物。
  3. 【請求項3】 チオウレタン結合促進化合物がアミン化
    合物、アミン塩化合物及び有機金属化合物からなる群か
    ら選ばれる少なくとも1つである請求項1又は2のいず
    れか1項に記載のプラスチック光学材料用単量体組成
    物。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    のプラスチック光学材料用単量体組成物の付加重合反応
    物からなるプラスチック光学材料用高分子単量体組成
    物。
  5. 【請求項5】 請求項4のプラスチック光学材料用高分
    子単量体組成物にラジカル重合開始剤を加え硬化させて
    得られるプラスチック光学材料。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    のプラスチック光学材料用単量体組成物にラジカル重合
    開始剤を加え硬化させて得られるプラスチック光学材
    料。
  7. 【請求項7】 屈折率が1.63以上でアッベ数が30
    以上である請求項5又は6のいずれか1項に記載のプラ
    スチック光学材料。
  8. 【請求項8】 請求項5ないし請求項7のいずれか1項
    に記載のプラスチック光学材料から製造されるレンズ。
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