JP2002241371A - 波長変換機能をもつ化合物及びそれを主成分とする材料 - Google Patents

波長変換機能をもつ化合物及びそれを主成分とする材料

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JP2002241371A
JP2002241371A JP2001041217A JP2001041217A JP2002241371A JP 2002241371 A JP2002241371 A JP 2002241371A JP 2001041217 A JP2001041217 A JP 2001041217A JP 2001041217 A JP2001041217 A JP 2001041217A JP 2002241371 A JP2002241371 A JP 2002241371A
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infrared
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infrared absorber
absorbers
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JP2001041217A
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Hiroki Fujii
宏紀 藤井
Hideo Nishino
秀夫 西野
Nobuhiro Kuramoto
暢浩 蔵本
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SANBO CHEMICAL IND CO Ltd
Original Assignee
SANBO CHEMICAL IND CO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 波長を短波長の光に変換する有機化合物によ
りに赤外線吸収にともなう蓄熱の問題を解決する。 【解決手段】 下記の一般式(I)、(II)又は(II
I)で示される波長変換特性をもつ新規な化合物であ
る。 【化21】 式中Xは赤外領域又は可視領域に吸収を有する構造の化
合物、例えば赤外線吸収剤又は染料・顔料と呼ばれてい
る化合物で、Zは蛍光を放つ構造の化合物であり、Yは
XとZを結合させるために使用されることのある化合物
である。赤外線を吸収し、蓄積されたエネルギーが分子
内を移動し、そのエネルギーをエネルギー放出部から吸
収波長より短波長の可視光線として放出するので蓄熱も
起こらない

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は波長変換特性をもつ
新規な化合物と、その化合物を利用した波長変換材料、
赤外線吸収剤、赤外線遮断材料及びエネルギー転換材料
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、波長の変換材料は種々報告されて
いる。例えば蛍光染料は紫外部の波長を吸収し、可視部
に蛍光を出すことにより波長の変換が行われている。ま
た、蛍光染料を複数使用して青色の光を赤色の光に変換
する方法(例えば8-286033)等が報告されている。これ
らは全て吸収波長より長波長側の光に変換するものであ
る。吸収波長より短波長の光に変換する方法としては非
線形の化合物による方法(例えば特開平6−3713号
公報参照)や無機化合物による方法(例えば特開平6−
25661号公報、特開平6−247741号公報参
照)が報告されているが、有機化合物では非線型化合物
以外にはこのような変換を行う化合物は見当たらない。
非線形の化合物により波長を短波長の光に変換する方法
では、非線型化合物の分子を規則正しく一定方向に並べ
た状態にすることにより、波長変換が起こり、元の波長
の1/2や1/3に変換された波長がえられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、非線形の化合
物により波長を短波長の光に変換する方法では、分子を
規則正しく一定方向に並べた材料を大量に製造するには
多くの問題が残されており、商業ベースで使用されるま
でには至っていない。このため容易に短波長側に波長変
換する材料が望まれているが、現状ではこのような有機
化合物は開発されていない。
【0004】一方、最近赤外線吸収剤がいろんな分野で
使用され始めているが、赤外線吸収剤の場合、吸収した
エネルギーが熱に変わり、この熱のために種々の問題を
引き起こしている。例えばプラズマディスプレイパネル
(PDP)用のフィルターとしての要求や農業用のフィ
ルムに使用するなどの要求があるが、赤外線吸収剤は吸
収したエネルギーが熱に変換されるため、蓄熱の問題が
発生する。熱が蓄積しないようにするため、赤外線反射
材料等が使用されたりしている場合もあるが、例えば、
PDPから放出される赤外線を遮蔽するためには、赤外
線反射材料では根本的に問題を解決できない。そのた
め、赤外線を吸収しても蓄熱が生じないタイプの材料が
望まれている。本発明は波長を短波長の光に変換する有
機化合物によりに赤外線吸収にともなう蓄熱の問題を解
決することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】赤外線を吸収し、蓄積さ
れたエネルギーが分子内を移動し、そのエネルギーをエ
ネルギー放出部から吸収波長より短波長の可視光線とし
て放出できれば、吸収されたエネルギーが逐次放出(波
長変換して放出)され、蓄熱も起こらないと考えられ
る。そこで本発明者らはエネルギーの放出機構について
鋭意検討を重ねた結果、赤外線を吸収する化合物の構造
内にエネルギーを放出する骨格としてスチルベン等、一
般に蛍光を放つ骨格を挿入すれば吸収したエネルギーを
放出できることを見出した。
【0006】本発明は、下記の一般式(I)、(II)又
は(III)で示される波長変換特性をもつ新規な化合物
である。
【化3】
【0007】式中Xは赤外領域又は可視領域に吸収を有
する構造の化合物、例えば赤外線吸収剤又は染料・顔料
と呼ばれている化合物で、Zは蛍光を放つ構造の化合物
であり、YはXとZを結合させるために使用されること
のある化合物である。上の一般式の化合物に示すように
赤外線吸収骨格Xと蛍光放出骨格Zとを結合させること
により目的を達成することが出来る。
【0008】
【発明の実施の形態】赤外部に吸収を有する化合物Xと
しては、シアニン系赤外線吸収剤、ピリリウム系赤外線
吸収剤、チオピリリウム系赤外線吸収剤、スクワリリウ
ム系赤外線吸収剤、クロコニウム系赤外線吸収剤、アズ
レニウム系赤外線吸収剤、フタロシアニン系赤外線吸収
剤、ナフタロシアニン系赤外線吸収剤、ジチオール金属
錯体系赤外線吸収剤、インドアニリン金属錯体系赤外線
吸収剤、ナフトキノン系赤外線吸収剤、アントラキノン
系赤外線吸収剤、インドフェノール系赤外線吸収剤、ア
ジン系赤外線吸収剤、チオ尿素化合物、アゾ系赤外線吸
収剤、金属錯塩系アゾ系赤外線吸収剤、ピラゾロンアゾ
系赤外線吸収剤、ペリレンテトラカルボキシイミド系赤
外線吸収剤、ポリメチン系赤外線吸収剤、アミニウム系
赤外線吸収剤、ジイモニウム系赤外線吸収剤、キノンイ
ミン系赤外線吸収剤、メチン系赤外線吸収剤、シアニン
系赤外線吸収剤、ビスアゾスチルベン系赤外線吸収剤、
ベンゾチオピラン系赤外線吸収剤、スピロピラン赤外線
吸収剤、ニグロシン系赤外線吸収剤、カルボニウム系赤
外線吸収剤、キナクリドン系赤外線吸収剤、ジオキサジ
ン系赤外線吸収剤、イソインドリノン系赤外線吸収剤、
及びキノフタロン系赤外線吸収剤などを用いることがで
きる。また市販品の近赤外線吸収剤としては、SIR-10
3,SIR-114,SIR-128,SIR-130,SIR-132,SIR-152,SI
R-159,SIR-162(以上、三井東圧染料(株)製)、Kaya
sorbIR-750,KayasorbIRG-002,KayasorbIR-003,Kayas
orbIR-820B,KayasorbIRG-022,KayasorbIRG-023,Kaya
sorbCY- 2,Kayasorb CCY-4,Kayasorb CY-9(以上日本
化薬(株)製)なども用いることができる。
【0009】以下に、赤外部に吸収を有する好ましい化
合物Xとして具体的なものの構造を例示する。
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【0010】Zは一般に蛍光染料とか有機蛍光顔料と呼
ばれている構造を使用する。代表的なものとしてジアミ
ノスチルベン系化合物、クマリン系化合物、チアゾール
系化合物、ベンジジン系化合物、イミダゾロン系化合
物、p-クオーターフェニル系、ポリフェニル系化合物、
ジスチリルベンゼン系化合物、ナフタルイミド系化合
物、ピラゾリン系化合物、ジヒドロキシテレフタレート
系化合物、シアノピラジン誘導体、ペリレン系化合物、
チオインジゴ系化合物、ナフタル酸系化合物、キサンテ
ン系化合物、ナフトイレン系化合物、シアノピラジン誘
導体、ベンゾプテリジン誘導体、p-テルフェニル、2,4
-ジフェニルオキサゾール、2-(1-ナフチル)-5-フェニ
ルオキサゾール、2-フェニル-5-(4ビフェニル)-1,3,4-
オキサジアゾール等の構造を有するのものがある。
【0011】Yは下記に示すように二価または三価の基
を有するもので、XとZを繋ぐ役割を果たしている。二
価または三価の基を有するもので本目的に適うものであ
れば下記構造にこだわることはない。またXとZとが直接
結合できる場合、Yは使用しなくてもよい。
【化15】 ここにいう結合とは共有結合、イオン結合、錯体及びこ
れらの結合様式の混ざり合った結合も含んだ広い概念の
結合を意味している。
【0012】本発明では吸収部分と発光部分がそれぞれ
に分かれており、吸収部分及び発光部分のそれぞれにつ
いて種々の構造のものを選択することができる。したが
って、これらのなかから目的とする吸収波長に近いもの
及び発光波長に近いものを任意に選択することができ
る。即ち、上記Xの化合物のなかから目的とする吸収波
長に近いものを一つ、場合によっては二つ選ぶ。一方、
Zは蛍光を放つ化合物である。種々の蛍光波長を有する
これらZ化合物のなかから目的とする発光波長に近い蛍
光を出すものを一つ、場合によっては二つ選ぶ。このよ
うにして選択したXとZを、Yを使用して結合させるこ
とにより、分離した機能をもつ化合物を合成することが
できる。このようにしてXとYとZが結合した化合物を
得るが、XとZが直接反応して結合する場合、Yは省い
てもかまわない。このようにして得られた本発明の化合
物は、目的とする波長付近で吸収が行われ、目的とする
波長付近の光を発光するようになる。
【0013】
【発明の効果】本発明の化合物は吸収したエネルギーを
放出することができる。従って赤外線を吸収した場合で
も熱エネルギーが蓄積しない。このため赤外線遮蔽剤と
して使用することができる。さらに可視部に吸収が無い
場合は可視部が透明となるため、ディスプレイ用の赤外
線遮蔽剤や自動車用の赤外線遮蔽フロントガラス等の目
的に使用できる。
【0014】また本発明の化合物を使用すれば、赤外線
の波長変換を行った後、可視光線のセンサーを使用して
検出することにより、赤外線を検出することができるよ
うになるため、特殊な赤外線センサーとしての機能を創
出することができる。この他、従来から赤外線吸収剤が
使用される用途、例えば日除け眼鏡、溶接用眼鏡、保護
フィルター、遮断窓、半導体受光素子の赤外線カットフ
ィルター、投影用レンズ等、保護用にも使用でき、蓄熱
の問題も発生しない。
【0015】植物の成長速度は照射光線の波長に鋭敏に
影響されるから、農業用フィルムに添加して作物に必要
な波長に変換する農業用フィルムとすることもできる。
さらには、情報記録材料、特殊印刷(偽造防止)、ラベ
ルバーコード用、光学文字読取装置用等種々の用途にも
利用することができる。
【0016】
【実施例】以下に合成例とその波長変換の結果を示す
が、本発明はこれに限定されるわけではない。
【0017】(Y−Z−Y骨格の合成例) A−1の合成例 4,4’−ジアミノスチルベン−2,2’−ジスルホン
酸(0.11モル)と水320ml、炭酸ソーダ(0.
11モル)を四つ口フラスコに入れ50℃で溶解させ
た。溶解後0℃以下に冷却する。一方、塩化シアヌル
(0.22モル)をアセトン200mlに溶解させた。
この塩化シアヌルのアセトン溶液を0℃以下で4,4’
−ジアミノスチルベン−2,2’−ジスルホン酸が入っ
た四つ口フラスコに適下した。適下終了後炭酸ソーダ水
溶液(1モル/リットル)をアルカリにならないように
適下し、0℃以下の温度で4時間攪拌した。更に30℃
に昇温し4時間攪拌した。反応後、ろ別、洗浄して下記
の化合物を収率80%で得た。
【化16】
【0018】A−2の合成例 4,4’−ジアミノスチルベン(0.22モル)とジメ
チルアセトアミド500ml、炭酸水素ナトリウム
(0.22モル)を四つ口フラスコに入れ50℃で溶解
させた。溶解後0℃以下に冷却する。一方、塩化シアヌ
ル(0.22モル)をジメチルアセトアミド200ml
に溶解させた。この塩化シアヌルのジメチルアセトアミ
ド溶液を0℃以下で4,4’−ジアミノスチルベンが入
った四つ口フラスコに適下した。適下終了後炭酸ソーダ
水溶液(1モル/リットル)をアルカリにならないよう
に適下し、0℃以下の温度で4時間攪拌した。反応後ろ
別、洗浄して下記の化合物を収率80%で得た。
【化17】
【0019】A−3の合成例 4,4’−ジアミノスチルベン−2,2’−ジスルホン
酸(0.11モル)と水320ml炭酸ソーダ(0.1
1モル)を四つ口フラスコに入れ50℃で溶解させた。
溶解後0℃以下に冷却する。一方、塩化シアヌル(0.
22モル)をアセトン200mlに溶解させた。この塩
化シアヌルのアセトン溶液を0℃以下で4,4’−ジア
ミノスチルベン−2,2’−ジスルホン酸が入った四つ
口フラスコに適下した。適下終了後炭酸ソーダ水溶液
(1モル/リットル)をアルカリにならないように適下
し、0℃以下の温度で4時間攪拌した。更に30℃に昇
温し4時間攪拌した。次にNaOH(0.3モル)を加
え80℃で3時間攪拌した。室温に冷却後、析出した結
晶をろ別、洗浄して下記の化合物を収率70%で得た。
【化18】
【0020】A−4の合成 4,4’−ジアミノスチルベン−2,2’−ジスルホン
酸(0.11モル)と水320ml炭酸ソーダ(0.1
1モル)を四つ口フラスコに入れ50℃で溶解させた。
溶解後0℃以下に冷却する。一方、塩化シアヌル(0.
22モル)をアセトン200mlに溶解させた。この塩
化シアヌルのアセトン溶液を0℃以下で4,4’−ジア
ミノスチルベン−2,2’−ジスルホン酸が入った四つ
口フラスコに適下した。適下終了後炭酸ソーダ水溶液
(1モル/リットル)をアルカリにならないように適下
し、0℃以下の温度で4時間攪拌した。反応後ろ別、洗
浄して下記の化合物を収率80%で得た。
【化19】
【0021】(実施例化合物の合成) B−1の合成 ジイモニウム化合物のKAYASORB IRG−02
2(日本化薬(株)製)0・001モル、上記のA−2
(0.5ミリモル)、ジメチルアセトアミド30mlを
四つ口フラスコに仕込んだ後、80℃に昇温し、同温度
で8時間攪拌を行った。反応液をTLCで分析(MER
CK社製Kieselgel60F254を使用し、トルエン:アセト
ニトリル=6:5で展開)した結果、TLC(薄層クロ
マトグラフィ)上に原料以外の未知化合物のスポットを
確認した。この反応溶液を室温まで冷却し、水10ml
を注入して析出する結晶をろ別した。得られた結晶を5
0℃のジメチルアセトアミド10mlに溶解した後、水
5mlを注入し、析出した結晶をろ別して結晶(B−
1)を得た(収率43%)。得られた化合物はTLCで
原料スポットと異なることが確認されているが、IRG
−022と同じく赤外部に吸収スペクトルが認められ、
更に蛍光分析の結果、4,4’−ジアミノスチルベンと
ほぼ同じ波長に蛍光を有することから、B−1はIRG
−022とジアミノスチルベンが結合した化合物と考え
られる。
【0022】B−2の合成 ジイモニウム化合物のKAYASORB IRG−02
2(日本化薬(株)製)0・001モル、A−1(0.
5ミリモル)、ジメチルアセトアミド50mlを四つ口
フラスコに仕込んだ後、70℃に昇温し、同温度で8時
間攪拌を行った。反応液をTLCで分析した結果、TL
C上に原料以外の未知化合物のスポットを確認した。こ
の反応溶液を室温まで冷却し、析出する結晶をろ別し
た。得られた結晶を炭酸ソーダ水溶液10mlに溶解し
た後、アセトン5mlを注入し、析出した結晶をろ別し
て結晶(B−2)を得た(収率30%)。得られた化合
物はTLC(薄層クロマトグラフィ)で原料スポットと
異なることが確認されているが、IRG−022と同じ
く赤外部に吸収スペクトルが認められ、更に蛍光分析の
結果、4,4’−ジアミノスチルベン2,2’−ジスル
ホン酸とほぼ同じ波長に蛍光を有することから、B−2
はIRG−022と4,4’−ジアミノスチルベン2,
2’−ジスルホン酸が結合した化合物と考えられる。
【0023】B−3の合成 ジイモニウム化合物のKAYASORB IRG−02
2(日本化薬(株)製)0・001モル、A−3(0.
5ミリモル)、ジメチルアセトアミド50mlを四つ口
フラスコに仕込んだ後、70℃に昇温し、同温度で8時
間攪拌を行った。反応液をTLCで分析した結果、TL
C上に原料以外の未知化合物のスポットを確認した。こ
の反応溶液を室温まで冷却し、析出する結晶をろ別し
た。得られた結晶を炭酸ソーダ水溶液10mlに溶解し
た後、アセトン5mlを注入し、析出した結晶をろ別し
て結晶(B−3)を得た(収率30%)。得られた化合
物はTLCで原料スポットと異なることが確認されてい
るが、IRG−022と同じく赤外部に吸収スペクトル
が認められ、更に蛍光分析の結果、4,4’−ジアミノ
スチルベン2,2’−ジスルホン酸とほぼ同じ波長に蛍
光を有することから、B−3はIRG−022と4,
4’−ジアミノスチルベン2,2’−ジスルホン酸が結
合した化合物と考えられる。
【0024】B−4の合成 ジイモニウム化合物のKAYASORB IRG−02
2(日本化薬(株)製)0・001モル、A−4(0.
5ミリモル)、ジメチルアセトアミド50mlを四つ口
フラスコに仕込んだ後、70℃に昇温し、同温度で8時
間攪拌を行った。反応液をTLCで分析した結果、TL
C上に原料以外の未知化合物のスポットを確認した。こ
の反応溶液を室温まで冷却し、析出する結晶をろ別し
た。得られた結晶を炭酸ソーダ水溶液10mlに溶解し
た後、アセトン5mlを注入し、析出した結晶をろ別し
て結晶(B−4)を得た(収率30%)。得られた化合
物はTLCで原料スポットと異なることが確認されてい
るが、IRG−022と同じく赤外部に吸収スペクトル
が認められ、更に蛍光分析の結果、4,4’−ジアミノ
スチルベン2,2’−ジスルホン酸とほぼ同じ波長に蛍
光を有することから、B−4はIRG−022と4,
4’−ジアミノスチルベン2,2’−ジスルホン酸が結
合した化合物と考えられる。
【0025】B−5の合成 シアニン系化合物のKAYASORB CY−10(日
本火薬(株)製)0・001モル、A−3(0.5ミリ
モル)、ジメチルアセトアミド50mlを四つ口フラス
コに仕込んだ後、80℃に昇温し、同温度で8時間攪拌
を行った。反応液をTLCで分析した結果、TLC上に
原料以外の未知化合物のスポットを確認した。この反応
溶液(B−5)を室温まで冷却した。
【0026】B−6 シアニン系化合物のKAYASORB IR−820
(日本火薬(株)製)0・001モル、A−4(0.5
ミリモル)、ジメチルアセトアミド50mlを四つ口フ
ラスコに仕込んだ後、80℃に昇温し、同温度で8時間
攪拌を行った。反応液をTLCで分析した結果、TLC
上に原料以外の未知化合物のスポットを確認した。この
反応溶液(B−6)を室温まで冷却した。
【0027】B−7の合成 下記のスクワリリウム系化合物0・001モル、A−4
(0.5ミリモル)、ジメチルアセトアミド50mlを
四つ口フラスコに仕込んだ後、80℃に昇温し、同温度
で8時間攪拌を行った。反応液をTLCで分析した結
果、TLC上に原料以外の未知化合物のスポットを確認
した。この反応溶液(B−6)を室温まで冷却した。
【化20】
【0028】B−8の合成 ビスマルクブラウン(0・001モル)、A−4(0.
5ミリモル)、ジメチルアセトアミド50mlを四つ口
フラスコに仕込んだ後、80℃に昇温し、同温度で8時
間攪拌を行った。反応液をTLCで分析した結果、TL
C上に原料以外の未知化合物のスポットを確認した。こ
の反応溶液(B−7)を室温まで冷却した。
【0029】B−9の合成 1,4−ジアミノアントラキノン(0・001モル)、
A−4(0.5ミリモル)、ジメチルアセトアミド50
mlを四つ口フラスコに仕込んだ後、80℃に昇温し、
同温度で8時間攪拌を行った。反応液をTLCで分析し
た結果、TLC上に原料以外の未知化合物のスポットを
確認した。この反応溶液(B−9)を室温まで冷却し
た。
【0030】B−10の合成 クリスタルバイオレット(0・001モル)、A−4
(0.5ミリモル)、ジメチルアセトアミド50mlを
四つ口フラスコに仕込んだ後、80℃に昇温し、同温度
で8時間攪拌を行った。反応液をTLCで分析した結
果、TLC上に原料以外の未知化合物のスポットを確認
した。この反応溶液(B−10)を室温まで冷却した。
【0031】C−1の合成 ジイモニウム化合物のKAYASORB IRG−02
2(日本化薬(株)製)0・001モル、チノパールC
BSX(チバガイギー(株)製)をイオン交換樹脂に通
して酸タイプにしたもの0.001モル、ジメチルアセ
トアミド50ml、アセトン50mlを四つ口フラスコ
に仕込んだ後、30℃で8時間攪拌を行った。反応液を
TLCで分析した結果、TLC上にチノパールCBSX
との塩と考えられるスポットを確認した。この反応溶液
(C−1)を室温まで冷却した。
【0032】C−2の合成 シアニン系化合物KAYASORBのCY−10(日本
化薬(株)製)0・001モル、チノパールCBSX
(チバガイギー(株)製)0.001モルをイオン交換
樹脂を通し酸タイブにしたもの、ジメチルアセトアミド
50ml、アセトン50mlを四つ口フラスコに仕込ん
だ後、30℃で8時間攪拌を行った。反応液をTLCで
分析した結果、TLC上にチノパールCBSXとの塩と
考えられるスポットを確認した。この反応溶液(C−
2)を室温まで冷却した。
【0033】C−3の合成 シアニン系化合物のKAYASORB IR−820
(日本化薬(株)製)0・001モル、チノパールCB
SX(チバガイギー(株)製)をイオン交換樹脂に通し
て酸タイプにしたもの0.001モル)、ジメチルアセ
トアミド50ml、アセトン50mlを四つ口フラスコ
に仕込んだ後、30℃で8時間攪拌を行った。反応液を
TLCで分析した結果、TLC上にチノパールCBSX
との塩と考えられるスポットを確認した。この反応溶液
(C−3)を室温まで冷却した。
【0034】C−4の合成 クリスタルヴァイオレット(0・001モル)、チノパ
ールCBSX(チバガイギー(株)製)(0.001モ
ル)、ジメチルアセトアミド50ml、を四つ口フラス
コに仕込んだ後、30℃で8時間攪拌を行った。反応液
をTLCで分析した結果、TLC上にチノパールCBS
Xとの塩と考えられるスポットを確認した。この反応溶
液(C−4)を室温まで冷却した。
【0035】D−1化合物の合成 シアニン系化合物のKAYASORB IR−820
(日本化薬(株)製)0・001モル、1,4,6,9
−テトラアザー2,3,7,8、テトラシアノフェナジ
ン0.001モル、ジメチルアセトアミド50ml、を
四つ口フラスコに仕込んだ後、30℃で8時間攪拌を行
った。反応液をTLCで分析した結果、TLC上にコン
プレックスと考えられるスポットを確認した。この反応
溶液(D−1)を室温まで冷却した。
【0036】波長変換の測定 上記の試料を所定の溶剤に溶解させた後、分光蛍光光度
計FP−777蛍光分析装置(日本分光(株)製)を使
用し、所定の波長で励起させ、200nmから850n
mの範囲での発光を測定した。この結果何れの試料の場
合も、蛍光染料骨格の吸収に相当する波長を照射した場
合は通常の蛍光が現れ、一方、染料骨格による吸収に相
当する波長を照射した場合は照射波長より短波長側に発
光が認められた。即ち試料B−1の場合、4,4’−ジ
アミノスチルベン骨格の吸収に相当する350nmの光
を励起波長として照射した場合は450nmに通常の蛍
光が現れた。一方、ジイモニウム化合物による赤外部の
吸収に相当する光を、励起波長として照射した場合に
も、450nmに発光が認められた(表1)。
【0037】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C09B 23/00 C09B 23/00 L M H K J 53/00 53/00 Z 57/00 57/00 Z Fターム(参考) 2H048 CA04 CA12 CA14 4H056 CA01 CA02 CA05 CB01 CC02 CC06 CC08 CE02 CE03 DD03 DD04 DD11 DD16 DD19

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(I)、(II)又は(II
    I)で示される化合物。 【化1】 式中Xは赤外領域又は可視領域に吸収を有する構造の化
    合物、Zは蛍光を放つ構造の化合物であり、YはXとZ
    を結合させるために使用されることのある化合物であ
    る。
  2. 【請求項2】 Xは赤外線吸収剤及び染料・顔料のうち
    から選ばれた少なくとも1種類の化合物である請求項1
    に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 赤外線吸収剤はシアニン系赤外線吸収
    剤、ピリリウム系赤外線吸収剤、チオピリリウム系赤外
    線吸収剤、スクワリリウム系赤外線吸収剤、クロコニウ
    ム系赤外線吸収剤、アズレニウム系赤外線吸収剤、フタ
    ロシアニン系赤外線吸収剤、ナフタロシアニン系赤外線
    吸収剤、ジチオール金属錯体系赤外線吸収剤、インドア
    ニリン金属錯体系赤外線吸収剤、ナフトキノン系赤外線
    吸収剤、アントラキノン系赤外線吸収剤、インドフェノ
    ール系赤外線吸収剤、アジン系赤外線吸収剤、チオ尿素
    化合物、アゾ系赤外線吸収剤、金属錯塩系アゾ系赤外線
    吸収剤、ピラゾロンアゾ系赤外線吸収剤、ペリレンテト
    ラカルボキシイミド系赤外線吸収剤、ポリメチン系赤外
    線吸収剤、アミニウム系赤外線吸収剤、ジイモニウム系
    赤外線吸収剤、キノンイミン系赤外線吸収剤、メチン系
    赤外線吸収剤、シアニン系赤外線吸収剤、ビスアゾスチ
    ルベン系赤外線吸収剤、ベンゾチオピラン系赤外線吸収
    剤、スピロピラン赤外線吸収剤、ニグロシン系赤外線吸
    収剤、カルボニウム系赤外線吸収剤、キナクリドン系赤
    外線吸収剤、ジオキサジン系赤外線吸収剤、イソインド
    リノン系赤外線吸収剤、及びキノフタロン系赤外線吸収
    剤からなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項
    2に記載の化合物。
  4. 【請求項4】 Zは蛍光染料及び有機蛍光顔料のうちの
    少なくとも1種類の化合物である請求項1に記載の化合
    物。
  5. 【請求項5】 Zはジアミノスチルベン系化合物、クマ
    リン系化合物、チアゾール系化合物、ベンジジン系化合
    物、イミダゾロン系化合物、p-クオーターフェニル系、
    ポリフェニル系化合物、ジスチリルベンゼン系化合物、
    ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン系化合物、ジヒド
    ロキシテレフタレート系化合物、シアノピラジン誘導
    体、ペリレン系化合物、チオインジゴ系化合物、ナフタ
    ル酸系化合物、キサンテン系化合物、ナフトイレン系化
    合物、シアノピラジン誘導体、ベンゾプテリジン誘導
    体、p-テルフェニル、2,4-ジフェニルオキサゾール、2
    -(1-ナフチル)-5-フェニルオキサゾール及び2-フェニ
    ル-5-(4ビフェニル)-1,3,4-オキサジアゾールからなる
    群から選ばれた少なくとも1種である請求項4に記載の
    化合物。
  6. 【請求項6】 Yは二価または三価の基を有し、X及び
    Zに対して反応性を有する化合物である請求項1に記載
    の化合物。
  7. 【請求項7】 Yは下記の化合部のうちの少なくとも1
    種類である請求項6に記載の化合物。 【化2】
  8. 【請求項8】 請求項1から7に記載の化合物を主成分
    とする波長変換材料。
  9. 【請求項9】 請求項1から7に記載の化合物を主成分
    とする赤外線吸収剤。
  10. 【請求項10】 請求項1から7に記載の化合物を主成
    分とする赤外線遮断材料。
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