JP2002240525A - トーコレクトブッシュおよびそれを用いたサスペンション機構 - Google Patents

トーコレクトブッシュおよびそれを用いたサスペンション機構

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JP2002240525A JP2001037578A JP2001037578A JP2002240525A JP 2002240525 A JP2002240525 A JP 2002240525A JP 2001037578 A JP2001037578 A JP 2001037578A JP 2001037578 A JP2001037578 A JP 2001037578A JP 2002240525 A JP2002240525 A JP 2002240525A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インナ側およびアウタ側の傾斜部の対向面間
において介在せしめられるトーコレクトゴム弾性体の耐
久性を確保しつつ、車両の乗心地と操縦安定性をより高
次元で両立して達成することの出来る、新規な構造のト
ーコレクトブッシュと、それを用いた新規な構造のサス
ペンション機構を提供すること。 【解決手段】 トーコレクトゴム弾性体36によって弾
性連結されたインナ側傾斜部18とアウタ側傾斜部30
の対向面間距離を、それら両傾斜部18,30の突出方
向で変化させて、トーコレクトゴム弾性体36における
突出方向の中間部分において、内周側端部の肉厚寸法お
よび外周側端部の肉厚寸法の何れよりも肉厚寸法の小さ
い狭窄部38を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、自動車のサスペンションブッシ
ュの一種であるトーコレクトブッシュとそれを用いたサ
スペンション機構に係り、特に、トーションビーム式リ
ジットアクスル型のサスペンション機構に用いられて、
左右のトレーリングアームのボデー側への取付部位に装
着される新規な構造のトーコレクトブッシュと、それを
用いた新規な構造のサスペンション機構に関するもので
ある。
【0002】
【背景技術】従来から、自動車におけるトーションビー
ム式リジットアクスル型のサスペンション機構におい
て、トーションビームで連結された左右のトレーリング
アームのボデー側への取付部位に装着されるサスペンシ
ョンブッシュの一種として、特開平9−104212号
公報や特開平11−247914号公報,特開平11−
257396号公報,特開2000−74117号公報
等に記載されているように、インナ軸金具の軸方向一方
の端部において、軸方向外方に傾いて径方向一方向で斜
め外方に向かって突出するインナ側傾斜部を設けると共
に、アウタ筒金具の軸方向一方の端部において、軸方向
外方に傾いて径方向一方向で斜め外方に向かって突出
し、インナ側傾斜部に対して略平行な対向面で離隔して
対向位置するアウタ側傾斜部を形成する一方、それらイ
ンナ軸金具とアウタ筒金具の径方向対向面間に本体ゴム
弾性体を介在せしめて両金具を弾性連結せしめると共
に、インナ側傾斜部とアウタ側傾斜部の対向面間に介装
されてそれらを弾性的に連結するトーコレクトゴム弾性
体を、かかる本体ゴム弾性体と一体的に形成した構造の
トーコレクトブッシュが、知られている。かくの如き構
造のトーコレクトブッシュは、その中心軸(インナ軸金
具およびアウタ筒金具の中心軸)が車両横方向となり、
インナ側およびアウタ側の傾斜部の突出する軸直角方向
が車両前後方向となる状態で自動車に装着されることと
なり、その特性が、自動車の走行時におけるトレーリン
グアーム、延いては車両の変位に大きな影響を及ぼすこ
とから、目的とする車両の乗心地や操縦安定性が発揮さ
れるように、トーコレクトブッシュの特性がチューニン
グされる。
【0003】このようなトーションビーム式サスペンシ
ョン機構において目的とする特性は、車両の乗心地と操
縦安定性の高次元での両立であり、一般に、車両の乗心
地向上のために車両前後方向のばね定数を柔らかく設定
しつつ、コーナリング荷重の入力時におけるサスペンシ
ョン部材の車両横方向における変位を抑えて横力ステア
によるオーバステアを防止乃至は軽減することにより車
両の走行安定性を向上させることが重要とされる。
【0004】ところで、従来のトーコレクトブッシュで
は、その設計および特性評価に際して、専ら、中心軸方
向および軸直角方向でのばね特性と荷重―変位特性だけ
が考慮されていた。即ち、乗心地の設計や評価を、軸直
角方向でのばね特性の柔らかさに基づいて行う一方、操
縦安定性の設計や評価を、中心軸方向でのばね特性の硬
さと、中心軸方向への入力に伴う軸直角方向の変位量
(トーコレクト量)の抑制に基づいて行っていたのであ
る。
【0005】そのために、従来構造のトーコレクトブッ
シュにおいては、前記公報等にも記載されているよう
に、単に、インナ軸金具とアウタ筒金具の径方向対向面
間を弾性連結する本体ゴム弾性体に対して、車両前後方
向となる軸直角方向でインナ軸金具を挟んで対向位置す
る両側部分にそれぞれ軸方向に延びる一対のスリットを
形成することにより、車両前後方向のばね特性を柔らか
く設定する一方、車両横方向となる軸方向では、インナ
軸金具とアウタ筒金具の相対変位量を弾性的に制限する
ストッパ手段を設けて軸方向の高ばね特性を確保すると
共に、トーコレクトゴム弾性体で弾性連結されたインナ
側傾斜部とアウタ側傾斜部における互いに平行な傾斜面
の傾斜角度を調節することにより、中心軸方向でのばね
特性の硬さと、中心軸方向への入力に伴う軸直角方向の
変位量(トーコレクト量)を調節していたに過ぎなかっ
たのである。
【0006】しかしながら、このような従来構造のトー
コレクトブッシュでは、サスペンション機構への装着状
態下での荷重入力方向と、かかる方向への荷重入力に伴
う変位特性が直接には考慮されなかったのであり、その
ために、前述の如き車両の乗心地と操縦安定性を高次元
で両立させるようなブッシュ特性の最適チューニング
を、トーコレクトブッシュ、延いてはサスペンション機
構の全体を把握して行うことが難しかったのである。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、サスペンション機構への装着状態下で発揮
される乗心地と操縦安定性を、各個別でなく全体として
捉えることにより、それら乗心地と操縦安定性の両方の
要求特性をより高次元で両立して達成することの出来
る、新規な構造のトーコレクトブッシュと、それを用い
た新規な構造のサスペンション機構を提供することにあ
る。
【0008】すなわち、本発明者は、サスペンション機
構への装着状態下におけるトーコレクトブッシュの荷重
―変位特性をFEM(有限要素法)等を用いて詳細に検
討した結果、かかるトーコレクトブッシュの設計に際し
ては、弾性主軸の方向と弾性主軸方向のばね定数を考慮
することが有効であり、特に、上述のように、乗心地と
操縦安定性の最適バランスを実現するためには、中心軸
に対する弾性主軸の傾斜角度(主軸角度)を、外力の入
力方向に応じて調節し、その上で、圧縮方向となる弾性
主軸Iと剪断方向となる弾性主軸IIでのばね定数の比
(主軸ばね比)の値を大きく設定することが有効であ
る、との新たな知見を得たのである。即ち、このような
チューニングをトーコレクトブッシュに施すことによ
り、結果として、サスペンション部材の車両前後方向に
おけるボデーに対する支持ばね特性を柔らかく設定して
優れた乗心地を確保しつつ、コーナリング時にサスペン
ション部材を略車両横方向に変位させて、オーバステア
を抑制し、より好適には弱いアンダステアを付与するこ
とで、良好な操縦安定性を与えることが可能となる、と
の知見を得たのである。
【0009】そして、更に多数の実験と検討を重ねた結
果、中心軸に対する弾性主軸の傾斜角度(主軸角度)
を、外力の入力方向に応じて調節し、その上で、圧縮方
向となる弾性主軸Iと剪断方向となる弾性主軸IIでのば
ね定数の比(主軸ばね比)の値を大きく設定することを
実現する一つの具体的構成として、トーコレクトゴム弾
性体によって連結されたインナ側傾斜部とアウタ側傾斜
部の対向面間距離、換言すればトーコレクトゴム弾性体
の肉厚寸法を小さくすることが極めて有効であるとの知
見を得たのであり、以て、かかる知見に基づいて、本発
明が完成されるに至ったのである。
【0010】
【解決手段】以下、このような課題を解決するために為
された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各
態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の
組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至
は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることな
く、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの
記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づ
いて認識されるものであることが理解されるべきであ
る。
【0011】すなわち、本発明の第一の態様は、インナ
軸部材と、その外方に離隔配置されたアウタ筒部材を、
それらの径方向対向面間に介装された本体ゴム弾性体で
連結すると共に、該インナ軸部材の軸方向一方の端部に
おいて、軸方向外方に傾いて径方向一方向で斜め外方に
向かって突出するインナ側傾斜部を設ける一方、前記ア
ウタ筒部材の軸方向一方の端部において、軸方向外方に
傾いて径方向一方向で斜め外方に向かって突出し、該イ
ンナ側傾斜部に対して離隔して対向位置せしめられたア
ウタ側傾斜部を設けて、それらインナ側傾斜部とアウタ
側傾斜部の対向面間にトーコレクトゴム弾性体を介在せ
しめたトーコレクトブッシュにおいて、前記トーコレク
トゴム弾性体で弾性連結された前記インナ側傾斜部と前
記アウタ側傾斜部における対向面間距離を、それら傾斜
部の突出方向で変化させて、該トーコレクトゴム弾性体
における突出方向の中間部分において、内周側端部の肉
厚寸法および外周側端部の肉厚寸法の何れよりも肉厚寸
法の小さい狭窄部を設けたことにある。
【0012】このような本態様に従う構造とされたトー
コレクトブッシュにおいては、インナ側傾斜部とアウタ
側傾斜部の対向面間に介在せしめられたトーコレクトゴ
ム弾性体における突出方向の中間部分の肉厚寸法が、内
周側端部および外周側端部よりも小さく設定されること
となり、その結果、トーコレクトゴム弾性体の耐久性を
確保しつつ、該トーコレクトゴム弾性体で弾性連結され
たインナ側傾斜部とアウタ側傾斜部の対向面間距離を全
体として小さく設定することが可能となるのである。即
ち、かかるトーコレクトブッシュにおいては、車両走行
時にインナ軸部材とアウタ筒部材の間に及ぼされる外力
が、インナ側傾斜部とアウタ側傾斜部の間でトーコレク
トゴム弾性体にも及ぼされることとなるが、インナ側傾
斜部およびアウタ側傾斜部は、何れも外周側に向かって
広がる扇形状とされており、その内周側幅寸法が外周側
幅寸法より小さくされていることから、トーコレクトゴ
ム弾性体に対する受圧面積乃至は支持面積が内周側で小
さくなる。そのために、トーコレクトゴム弾性体の内周
側で発生応力が大きくなる傾向にあるが、本態様のトー
コレクトブッシュにおいては、トーコレクトゴム弾性体
の肉厚寸法を、該トーコレクトゴム弾性体に対する受圧
面積乃至は支持面積が小さい内周側で大きくされている
ことから、トーコレクトゴム弾性体における内周部分の
ボリュームが大きく確保されて、荷重入力時におけるト
ーコレクトゴム弾性体の内周側端部における発生応力が
小さく抑えられ得ることとなる。
【0013】また、かかるトーコレクトブッシュには、
トレーリングアームを含むサスペンション部材の揺動に
際してトーコレクトブッシュに入力される捩じり方向等
の耐久性が問題となり易く、特に捩じり方向の荷重が及
ぼされた際に、捩じり中心からの離隔距離が大きいトー
コレクトゴム弾性体の外周側端部では、変形量が大きく
なって亀裂等が発生し易く、耐久的に不利になる傾向に
ある。しかしながら、本態様のトーコレクトブッシュに
おいては、変形量が大きい外周側の肉厚寸法を大きく設
定したことにより、捩じり荷重が入力されてインナ軸部
材とアウタ筒部材が周方向で相対的に大きく捩じり変位
せしめられた場合でも、トーコレクトゴム弾性体の外周
側端部における歪量、換言すればトーコレクトゴム弾性
体における単位長さ当りの弾性変形量が小さく抑えられ
得る。
【0014】従って、このような本態様に従う構造とさ
れたトーコレクトブッシュにおいては、耐久性の低下が
問題となり易いトーコレクトゴム弾性体における内周側
端部と外周側端部の何れにおいても、ゴム弾性体の自由
長を大きく設定して、発生歪を小さく抑えることが出来
るようにする一方、発生応力乃至は歪が比較的小さい両
傾斜部の突出方向の中央部分に狭窄部を設けて、ばね剛
性を確保することが可能となり、それによって、圧縮方
向となる弾性主軸Iと剪断方向となる弾性主軸IIでのば
ね定数の比(主軸ばね比)の値を大きく設定することが
可能となるのである。
【0015】しかも、かかるトーコレクトブッシュにお
いては、インナ軸部材とアウタ筒部材からそれぞれ径方
向一方向に突設されたインナ側傾斜部とアウタ側傾斜部
がトーコレクトゴム弾性体で弾性連結されることによ
り、インナ軸部材およびアウタ筒部材の中心軸と両傾斜
部の突出側に延びる径方向線とを含む一平面内で互いに
直交する上記弾性主軸Iと弾性主軸IIが、トーコレクト
ブッシュの中心軸とそれに直交する軸(横断軸)に対し
て傾斜して設定されているのであり、それによって、車
両前後方向では、圧縮側の弾性主軸Iよりも柔らかいば
ね特性が発揮され得て、良好なる車両乗心地が実現され
得るのである。
【0016】そして、それ故、かかるトーコレクトブッ
シュにおいては、良好なる耐久性と、車両前後方向での
柔らかいばね特性とを、何れも有利に確保しつつ、コー
ナリングに際しての車両横方向荷重の入力時における横
力ステアを抑えることが出来るのであり、以て、十分な
耐久性のもとに、乗心地と操縦安定性を高度に両立させ
ることが可能となるのである。
【0017】なお、本態様におけるトーコレクトゴム弾
性体の狭窄部は、例えば、インナ側傾斜部とアウタ側傾
斜部の少なくとも何れか一方を突出方向で湾曲乃至は屈
曲させて対向方向で接近側に突出させることによって有
利に形成され得る。そこにおいて、インナ側傾斜部をア
ウタ側傾斜部に向かって突出させることによって、トー
コレクトゴム弾性体への接着面積がアウタ側傾斜部より
も小さくなり易いインナ側傾斜部における接着面積を大
きくすることが可能となり、トーコレクトゴム弾性体に
おける応力の集中が一層有利に軽減され得る。また一
方、アウタ側傾斜部をインナ側傾斜部に向かって突出さ
せて狭窄部を形成することとすれば、インナ側傾斜部を
アウタ側傾斜部に向かって突出させる場合に比して、傾
斜部のプレス加工等による形成が容易となって、より優
れた製作性が実現可能となる。
【0018】また、本態様におけるトーコレクトゴム弾
性体は、車両への装着状態下でインナ軸部材とアウタ筒
部材の間への軸方向荷重入力により圧縮変形せしめられ
てトーコレクト機能を発揮するものであり、インナ軸部
材とアウタ筒部材の間に荷重が入力されていない車両装
着前の状態下では、アウタ筒部材の絞り加工等による圧
縮力(予圧縮)がトーコレクトゴム弾性体に及ぼされて
いる必要はない。
【0019】また、本発明の第二の態様は、前記第一の
態様に従う構造とされたトーコレクトブッシュにおい
て、前記インナ軸部材および前記アウタ筒部材の中心軸
と前記インナ側傾斜部および前記アウタ側傾斜部が突出
する側に延びる径方向線とを含む一平面内において、か
かる平面内に位置せしめられた圧縮方向の弾性主軸Iに
おける、前記中心軸に対する傾斜角度を、自動車への装
着状態下でコーナリングに際して及ぼされる横方向荷重
による外力の入力方向における、該中心軸に対する傾斜
角度よりも大きく設定したことを、特徴とする。このよ
うな本態様においては、圧縮方向の弾性主軸Iと剪断方
向の弾性主軸IIが、横方向荷重による外力の入力方向を
挟んだ両側に設定されることとなり、且つ、圧縮方向の
弾性主軸Iが横方向荷重による外力の入力方向よりも車
両前後方向に大きく傾斜して設定されると共に、剪断方
向の弾性主軸IIが横方向荷重による外力の入力方向より
も車両横方向に大きく傾斜して設定されることとなる。
従って、横方向荷重による外力の入力に際して、インナ
軸部材とアウタ筒部材が相対変位せしめられる方向(変
位方向)が、かかる外力の入力方向に対して、ばね特性
が柔らかい弾性主軸II方向側、即ち車両横方向に傾斜せ
しめられることとなるのであり、その結果、コーナリン
グに際しての車両横方向荷重の入力時にインナ軸部材と
アウタ筒部材が、より一層中心軸方向に近い方向に変位
せしめられて、操縦安定性の更なる向上が図られ得るの
である。
【0020】また、本発明の第三の態様は、前記第一又
は第二の態様に従う構造とされたトーコレクトブッシュ
において、前記トーコレクトゴム弾性体で弾性連結され
た前記インナ側傾斜部と前記アウタ側傾斜部における少
なくとも一方の対向面において、突出方向の略中央部分
から内周側と外周側の両方に向かってそれぞれ略一定の
傾斜角度で延びる内周側傾斜平坦面および外周側傾斜平
坦面として、該インナ側傾斜部と該アウタ側傾斜部を突
出方向の略中央部分から内周側と外周側の両方に向かっ
て次第に離隔せしめたことを、特徴とする。このような
本態様においては、インナ側傾斜部とアウタ側傾斜部に
おける少なくとも一方の対向面を内周側傾斜平坦面およ
び外周側傾斜平坦面によって構成することにより、対向
方向に突出して狭窄部を形成するインナ側傾斜部または
アウタ側傾斜部を、プレス加工等によって一層容易に製
造することが可能となると共に、トーコレクトゴム弾性
体の内周部分や外周部分への応力集中も良好に回避され
得ることとなる。
【0021】また、本発明の第四の態様は、前記第一乃
至第三の何れかの態様に従う構造とされたトーコレクト
ブッシュにおいて、前記インナ側傾斜部および前記アウ
タ側傾斜部が突出する径方向で前記インナ軸部材を挟ん
だ両側に位置せしめられた、該インナ軸部材と該アウタ
筒部材の径方向対向面間において、それぞれ軸方向に延
びる一対のスリットを設けたことを、特徴とする。この
ような本態様においては、インナ軸部材とアウタ筒部材
の径方向対向面間を弾性連結する本体ゴム弾性体に対し
て、車両前後方向で対向位置する一対のスリットが形成
されていることにより、車両前後方向のばね特性が一層
低動ばね化されて乗心地の更なる向上が図られ得る。し
かも、車両前後方向のばね特性が柔らかくされることに
より、弾性主軸に対するトーコレクトゴム弾性体の影響
が大きくなって、圧縮方向の弾性主軸Iを車両横方向側
に一層近付けて傾斜設定することも容易となる。
【0022】また、本発明の第五の態様は、前記第一乃
至第四の何れかの態様に従う構造とされたトーコレクト
ブッシュにおいて、前記インナ側傾斜部と前記アウタ側
傾斜部が、前記インナ軸部材および前記アウタ筒部材の
軸直角方向で相互に重ならないように軸方向に離隔して
相対位置せしめられていることを、特徴とする。このよ
うな本態様においては、軸直角方向の荷重がインナ軸部
材とアウタ筒部材の間に及ぼされた際に、インナ側傾斜
部とアウタ側傾斜部が軸直角方向では直接に対向位置せ
しめられていないことから、例えば軸直角方向の荷重入
力時においても、それら両傾斜部の間に介在せしめられ
たトーコレクトゴム弾性体における過大な圧縮応力の発
生が軽減乃至は回避され得るのであり、それによって、
トーコレクトゴム弾性体の耐久性の更なる向上が図られ
得るのである。
【0023】また、本発明は、左右のトレーリングアー
ムをトーションビームで連結したサスペンション部材
を、自動車のボデーに対して揺動可能に防振連結せしめ
たサスペンション機構において、前記サスペンション部
材における車両前方側の左右両側部分に対して、前記本
発明の第一乃至第五の何れかの態様に係る構造とされた
トーコレクトブッシュをそれぞれ装着せしめて、それら
のトーコレクトブッシュを介して、該サスペンション部
材を前記ボデーに防振連結すると共に、かかる左右両側
のトーコレクトブッシュの中心軸を車両左右方向に向け
て、且つ前記インナ側およびアウタ側の傾斜部を車両前
後方向に突出せしめて、車両中央を前後方向に延びる中
央線を挟んで左右両側で対称となるように配設せしめた
サスペンション機構も、特徴とする。
【0024】このような本発明に従う構造とされたサス
ペンション機構においては、各トーコレクトブッシュに
おける前述の如き特性に基づいて、車両コーナリング時
におけるサスペンション部材の外力による変位を、車両
横方向に近い方向に向かわせて横力ステアをより一層抑
えることが出来るのであり、それによって、良好なる車
両の走行安定性を、車両の乗心地を確保しつつ達成する
ことが可能となるのである。
【0025】
【発明の実施形態】以下、本発明を更に具体的に明らか
にするために、本発明の実施形態について、図面を参照
しつつ、詳細に説明する。
【0026】先ず、図1〜4には、本発明の一実施形態
としてのトーコレクトブッシュ10が、示されている。
このトーコレクトブッシュ10は、インナ軸部材として
の内筒金具12とアウタ筒部材としての外筒金具14
が、互いに径方向に離隔して配置されていると共に、そ
れら内外筒金具12,14間に本体ゴム弾性体16が介
装されて、両金具12,14が弾性的に連結された構造
とされている。
【0027】より詳細には、内筒金具12は、ストレー
トな小径の円筒形状を有しており、軸方向一方(図1中
の左方)の端部近くには、インナ側傾斜部としての固定
プレート18が固着されている。この固定プレート18
は、プレス金具等の剛性部材で形成されて、略扇形の平
板形状を有しており、扇形の中心部分には、円弧形状の
嵌着用切欠20が設けられている。そして、嵌着用切欠
20に対して内筒金具12が挿通され、嵌着用切欠20
の内周縁部が内筒金具12に溶着されることによって、
固定プレート18が内筒金具12に固着されている。
【0028】固定プレート18は、内筒金具12から離
れるに従って幅広となる略扇形状を有しており、内筒金
具12の中心軸22に対して傾斜して軸方向斜め外方に
向かって突出せしめられている。特に本実施形態では、
かかる固定プレート18は、内筒金具12に近接する内
周側基端部24を除いた略全体において、内筒金具12
の中心軸22に対して略一定の傾斜角度:θaで外方に
向かって突設されており、それによって、中心軸22に
対して傾斜した略平坦な傾斜面が形成されている。な
お、固定プレート18の内周側基端部24は、固定プレ
ート18の外周部分よりも中心軸22に対する傾斜角度
が大きくされている。
【0029】また、固定プレート18は、その中心部分
の幅寸法(図2中の左右方向寸法)が、内筒金具12の
外径寸法と外筒金具14の内径寸法の略中間程度にされ
ていると共に、その突出先端部の最も大きな幅寸法が、
外筒金具14の内径寸法に略近い大きさとされている。
なお、固定プレート18の突出先端面(外周面)は、内
筒金具12の中心軸22を略中心とする円弧形状とされ
ている。また、固定プレート18の幅方向両側縁部と外
周縁部(突出先端部)には、内筒金具12の軸方向外方
に向かって屈曲せしめられた補強リブ26が一体形成さ
れている。
【0030】また一方、外筒金具14は、大径の円筒形
状を有しており、内筒金具12に外挿されることによ
り、内筒金具12の径方向外方に離隔して内筒金具12
と略同一中心軸(22)上に配されている。なお、外筒
金具14の軸方向長さは、内筒金具12よりも短くされ
ており、内筒金具12の軸方向両端部分が外筒金具14
から軸方向外方に突出せしめられている。また、外筒金
具14の軸方向一方(図1中の左方)の開口周縁部に
は、径方向外方に突出して周方向に連続して延びるフラ
ンジ状部28が一体形成されている。
【0031】そして、フランジ状部28の周上の一部分
(図1,2中の上側部分)には、アウタ側傾斜部として
の傾斜板対向部30が形成されている。この傾斜板対向
部30は、フランジ状部28の径方向外方に延長されて
いると共に、外筒金具14の軸方向外方に傾斜せしめら
れており、それによって、内筒金具12に突設された固
定プレート18に対して斜め軸方向に離隔し、固定プレ
ート18に対して対向位置せしめられている。
【0032】さらに、傾斜板対向部30は、突出方向の
略中央部分から内周側と外周側の両方に向かってそれぞ
れ略一定の傾斜角度:θb,θcで延びる、内周側傾斜
平坦面32および外周側傾斜平坦面34によって構成さ
れている。それによって、傾斜板対向部30は、突出方
向の略中央部分においてフランジ状部28の径方向外方
に立ち上がるようにして屈曲せしめられており、その中
央部分が固定プレート18との対向方向で接近側に突出
せしめられている。換言すれば、かかる傾斜板対向部3
0は、内外筒金具12,14の中心軸22に対して、フ
ランジ状部28の基端部から固定プレート18の傾斜角
度:θaよりも小さな略一定の傾斜角度:θbで、固定
プレート18に接近するようにして外周側に突出せしめ
られていると共に、傾斜板対向部30の略中央部分から
固定プレート18の傾斜角度:θaよりも大きな略一定
の傾斜角度:θcで、固定プレート18から離隔するよ
うにして外周側に突出せしめられている。
【0033】これにより、後述するトーコレクトゴム弾
性体としてのトーコレクトゴム36の肉厚寸法を与える
こととなる固定プレート18と傾斜板対向部30の対向
面間距離:Wが、図5に拡大して示されているように、
それら固定プレート18と傾斜板対向部30の突出方向
で起伏状に変化せしめられており、後述するトーコレク
トゴム36の内周側の肉厚寸法を与えることとなる内周
側端部の対向面間距離:Waと、トーコレクトゴム36
の外周側の肉厚寸法を与えることとなる外周側端部の対
向面間距離:Wbが、相互に略同一とされて且つ最も大
きくされている一方、これら両端部からそれぞれ傾斜板
対向部30の略中央部分に向かって、トーコレクトゴム
36の肉厚寸法が次第に縮小せしめられて、後述するト
ーコレクトゴム36における狭窄部としての小厚部38
の肉厚寸法を与えることとなる傾斜板対向部30の略中
央部分の対向面間距離:Wcが、最も小さくされてい
る。
【0034】また、傾斜板対向部30(外周側傾斜平坦
面34)は、その突出先端面40が、固定プレート18
よりも大径の略円弧形状とされていると共に、その周方
向長さが、固定プレート18よりも十分に大きくされて
おり、固定プレート18の周方向両側に張り出して位置
せしめられている。
【0035】さらに、本体ゴム弾性体16は、全体とし
て厚肉の略円筒形状を有しており、内筒金具12と外筒
金具14の径方向対向面間に介在せしめられている。そ
して、本体ゴム弾性体16の内外周面が、内筒金具12
の外周面と外筒金具14の内周面に対してそれぞれ加硫
接着されることにより、本体ゴム弾性体16が、それら
内外筒金具12,14を有する一体加硫成形品として形
成されている。
【0036】また、本体ゴム弾性体16は、固定プレー
ト18と傾斜板対向部30の対向面間にも延び出してお
り、以て、それら固定プレート18と傾斜板対向部30
の対向面間の全体に亘って充填されたトーコレクトゴム
36が、本体ゴム弾性体16と一体的に形成されてい
る。これにより、特に本実施形態では、トーコレクトゴ
ム36の肉厚寸法:Wが固定プレート18と傾斜板対向
部30の突出方向で起伏状に変化せしめられており、ト
ーコレクトゴム36の内筒金具12側に位置する内周側
端部と、トーコレクトゴム36の固定プレート18およ
び傾斜板対向部30の突出先端部側に位置する外周側端
部の肉厚寸法:Wa,Wbが、何れも、トーコレクトゴ
ム36の最大肉厚寸法とされていると共に、トーコレク
トゴム36の内周側端部および外周側端部から何れも中
央部分に向かって次第に薄肉化せしめられて、かかる中
央部分には、トーコレクトゴム36の最小肉厚寸法:W
cを有する狭窄部としての小厚部38が形成されてい
る。
【0037】なお、トーコレクトゴム38によって相互
に連結された固定プレート18と傾斜板対向部30は、
内外筒金具12,14の軸直角方向断面で互いに重なり
合わないように、軸方向で相互に所定距離:Dだけ離れ
て位置せしめられており、それによって、内外筒金具1
2,14間に軸直角方向荷重が及ぼされた際に、トーコ
レクトゴム38によって固定プレート18と傾斜板対向
部30の間に及ぼされるばね剛性が軽減されるようにな
っている。また、本体ゴム弾性体16は、トーコレクト
ゴム36が位置しない部分でも、内筒金具12の外周面
に沿って固定プレート18まで軸方向に延び出してお
り、以て、固定プレート18の外周面を被覆するカバー
ゴム42が、本体ゴム弾性体16と一体的に形成されて
いる。
【0038】更にまた、本体ゴム弾性体16には、固定
プレート18や傾斜板対向部30が突出する径方向で内
筒金具12を挟んだ両側において、内外筒金具12,1
4間を軸方向に延びる一対のスリットとしてのすぐり部
44,44が形成されている。更にまた、これら一対の
すぐり部44,44の対向方向に直交する径方向で内筒
金具12を挟んだ両側には、内外筒金具12,14間を
軸方向に延びる一対のスリット46,46が形成されて
いる。これら各一対のすぐり部44,44とスリット4
6,46は、何れも、トーコレクトゴム36と反対側
(図1中の右側)の軸方向端面に開口して、略一定の断
面形状で軸方向に直線的に延びるようにして形成されて
いる。なお、一対のスリット46,46は、図4にも示
されているように、僅かな薄膜状の軸方向底部48,4
8を残しているが、実質的には貫通した軸方向深さをも
って形成されている。これにより、一対のすぐり部4
4,44および一対のスリット46,46の対向位置す
る各径方向のばね特性が、十分に軟らかく設定されてい
る。
【0039】さらに、各一対のすぐり部44,44とス
リット46,46は、何れも、その断面形状において、
外筒金具14側から内筒金具12側に向かって径方向内
方に行くに従って次第に周方向幅寸法が小さくなる略扇
形断面形状を有している。なお、これらすぐり部44と
スリット46は、何れも、実質的に内筒金具12の外周
面から外筒金具14の内周面まで至る径方向寸法を有し
ており、これらすぐり部44とスリット46が形成され
た部分の内外筒金具12,14の表面には、本体ゴム弾
性体16の成形時における型開閉性等の理由で形成され
た薄肉ゴム層だけが存在しているに過ぎない。
【0040】すなわち、本体ゴム弾性体16に対して、
各一対のすぐり部44,44とスリット46,46が形
成されることにより、本体ゴム弾性体16には、互いに
周方向に隣接するすぐり部44とスリット46の間を径
方向に延びて内筒金具12と外筒金具14を連結する四
本の脚部構造の径方向連結部50が形成されているので
ある。そして、これらの径方向連結部50によって、す
ぐり部44およびスリット46の周方向両側の側壁部が
構成されている。
【0041】さらに、一対のすぐり部44,44には、
それぞれ、外周側壁面の周方向略中央部分から径方向内
方に向かって突出する略台形断面のストッパ54が、軸
方向に延びるようにして突設されている。ここにおい
て、ストッパ54は、本体ゴム弾性体16と一体成形さ
れてゴム弾性体で形成されており、本体ゴム弾性体16
の軸直角方向断面において、その周方向幅寸法および高
さ寸法が、すぐり部44よりも小さくされている。そし
て、軸直角方向に大きな荷重が入力された際、ストッパ
54の突出先端部がすぐり部44の内周側壁部を介して
内筒金具12側に当接せしめらることにより、内外筒金
具12,14の径方向の相対変位量を緩衝的に制限する
ストッパ機構が構成されている。
【0042】ところで、上述の如き構造とされたトーコ
レクトブッシュ10においては、予め目的とする形状で
内外筒金具12,14を形成した後、それらの間で本体
ゴム弾性体16とトーコレクトゴム36を加硫成形して
加硫接着することにより製品とすることも可能である
が、望ましくは、目的寸法よりも大径の外筒金具14を
用いて、内外筒金具12,14間に本体ゴム弾性体16
とトーコレクトゴム36を加硫成形して加硫接着せしめ
た後、外筒金具14に対して絞り加工等の縮径加工を施
すことにより目的とする形状寸法に調整することによっ
て製品とされることとなり、それによって、本体ゴム弾
性体16や、更には必要に応じて、トーコレクトゴム3
6にも、予圧縮を加えることが可能となって、耐久性の
向上が図られ得る。
【0043】具体的には、例えば、図6に示されている
ように、外筒金具(14)の筒壁部の外径寸法が目的と
する寸法よりも全体的に大径とされた成形金具14′
(外筒金具14)を準備する。
【0044】そして、これら内筒金具12および成形金
具14′を所定のゴム加硫成形型内にセットして、本体
ゴム弾性体16とトーコレクトゴム36を同時に一体加
硫成形すると共に、両金具12,14′に加硫接着する
ことによって、一体加硫成形品を形成する。その後、成
形金具14′に対して八方絞り等の縮径加工を施すこと
により、図1〜4に示されているような目的とする形状
寸法を有するトーコレクトブッシュ10を製造すること
が出来るのである。なお、特に本実施形態においては、
図1に示されている如き、外筒金具14の軸方向中間部
分だけを所定長さに亘って大径部とした段付形状とされ
ており、外筒金具14の圧入等によるサスペンション部
材への装着作業性の向上が図られている。
【0045】而して、このような構造とされたトーコレ
クトブッシュ10は、図7に示されているように、例え
ば、車両の左右両側の車輪を支持する一対のトレーリン
グアーム56,56を車幅方向(車両左右方向)に延び
るトーションビーム58で相互に連結固定せしめたトー
ションビーム式サスペンション機構60に対して、一対
が組み付けられる。即ち、その左右両側のトレーリング
アーム56,56の各車両前端部分に形成された車幅方
向に延びる装着孔に対して、外筒金具14を圧入固定す
る一方、内筒金具12をロッド等を介して車両ボデーに
固定することにより、図7において、トーコレクトブッ
シュ10は、その左右方向が車両左右方向で、上下方向
が車両前後方向となる状態で装着される。また、各トレ
ーリングアーム56の先端部分において、内筒金具12
の固定プレート18と外筒金具14の傾斜板対向部30
が、それぞれ、車両左右方向で内方に位置し、且つ車両
の斜め前方に向かって突出せしめられるように、車両中
央を前後方向に延びる対称軸(中央線):X−Xを挟ん
で、互いに対称的に装着される。
【0046】すなわち、このような装着状態下において
は、車両のコーナリング時に、タイヤ62,62から車
両左右方向に及ぼされる向心力:fによって、各トーコ
レクトブッシュ10に対して、内外筒金具12,14
(トーコレクトブッシュ10)の中心軸22に対して入
力角度:θzだけ傾斜した方向で、内外筒金具12,1
4間に外力:Fが及ぼされることとなる。そして、かか
る外力:Fによって、本体ゴム弾性体16とトーコレク
トゴム36が弾性変形せしめられることにより、内外筒
金具12,14が、相対的に変位せしめられて、トーシ
ョンビーム式サスペンション機構60に、車両ボデーに
対する相対的な変位が生ぜしめられることとなる。
【0047】そこにおいて、かかるトーコレクトブッシ
ュ10においては、図8に示されるように、その弾性主
軸I,IIが、トーコレクトブッシュ10の中心軸22お
よび軸直角方向線64に対して、それぞれ、傾斜角度:
γaだけ傾斜して設定されており、それら両弾性主軸
I,IIの方向に設定されたばね特性に基づいて、優れた
操縦安定性が発揮されるようになっている。
【0048】より具体的には、中心軸22と軸直角方向
線64を含む略水平な平面内において、ばね定数が最も
大きくなる圧縮方向の弾性主軸Iと、ばね定数が最も小
さくなる剪断方向の弾性主軸IIが、互いに直交して発現
されることとなるが、それらは、何れも、中心軸22お
よび軸直角方向線64に対して、傾斜角度:γaだけ傾
斜して設定されている。特に本実施形態においては、弾
性主軸Iの中心軸22に対する傾斜角度:γaが、外
力:Fの中心軸22に対する、図7におけるθzに等し
い傾斜角度:γbよりも大きく設定されている。換言す
れば、弾性主軸Iよりも、コーナリング時の外力:Fの
中心軸22に対する傾斜角度:γbの方が、車両左右方
向に近づく方向に傾斜して設定されている。それ故、外
力:Fの分力が弾性主軸Iと弾性主軸IIの各方向側に近
づく方向に生ぜしめられるのであるが、これら弾性主軸
I,IIは、外力:Fの入力方向を挟んだ両側に位置せし
められており、特に、弾性主軸I側の分力の入力方向
が、外力:Fの入力方向よりも車両後方側に傾斜してい
る一方、弾性主軸II側の分力の入力方向が、外力:Fの
入力方向よりも車両前方側に傾斜している。しかも、剪
断方向側の弾性主軸IIの方が、圧縮方向側の弾性主軸I
よりもばね定数が十分に小さく設定されている。
【0049】それ故、外力:Fの弾性主軸II側の分力:
F(II)と弾性主軸I側の分力:F(I)の比の値:F
(II)/F(I)が、外力:Fによって生ぜしめられる
内外筒金具12,14の相対的変位量:Sの弾性主軸II
に沿った方向の成分:δdと弾性主軸Iに沿った方向の
成分:δcの比の値:δd/δcよりも、小さくされ
る。その結果、図8に示されているように、内外筒金具
12,14の相対的変位量:Sの中心軸22に対する傾
斜角度:γcが、外力:Fの入力方向よりも車両左右方
向側に傾斜せしめられて、γc<γbとされ、以て、コ
ーナリング時の車両左右方向荷重に伴う内外筒金具1
2,14の変位方向が、外力:Fの入力方向よりも水平
方向(中心軸方向)とされるようになっている。特に望
ましくは、外力:Fの入力時に、中心軸22の方向に生
ぜしめられる弾性変形量:δaの方が、軸直角方向線6
4の方向に生ぜしめられる弾性変形量:δbよりも大き
くなるようにされる。
【0050】ここにおいて、外力:Fの入力によって生
ぜしめられる内外筒金具12,14の相対的変位量:S
の方向は、中心軸22の方向に生ぜしめられる弾性変形
量:δaおよび軸直角方向線64の方向に生ぜしめられ
る弾性変形量:δbで表される。以下に、これらの弾性
変形量:δa,δbの値を求める計算方法を示す。
【0051】先ず、圧縮(弾性主軸I)側の弾性変形
量:δc(mm)および剪断(弾性主軸II)側の弾性変
形量:δd(mm)は、外力:F(N),弾性主軸Iの
中心軸22に対する傾斜角度:γa(度),外力:Fの
中心軸22に対する傾斜角度:γb(度),弾性主軸I
のばね定数:Ks1(N/mm)および弾性主軸IIのば
ね定数:Ks2(N/mm)を用いて次のように表すこ
とが出来る。 δc=(F×cos(γa−γb))/Ks1・・・(1) δd=(F×sin(γa−γb))/Ks2・・・(2)
【0052】また、内外筒金具12,14の相対的変位
量:Sの中心軸22に対する傾斜角度:γc(度)は、
弾性主軸Iの中心軸22に対する傾斜角度:γa
(度),圧縮(弾性主軸I)側の弾性変形量:δc(m
m)および剪断(弾性主軸II)側の弾性変形量:δd
(mm)を用いて、次のように表すことが出来る。 γc=γa−tan-1(δd/δc)・・・(3)
【0053】そして、中心軸22の方向に生ぜしめられ
る弾性変形量:δa(mm)および軸直角方向線64の
方向に生ぜしめられる弾性変形量:δb(mm)は、内
外筒金具12,14の相対的変位量:Sの中心軸22に
対する傾斜角度:γc(度),圧縮(弾性主軸I)側の
弾性変形量:δc(mm)および剪断(弾性主軸II)側
の弾性変形量:δd(mm)を用いて、次のように表す
ことが出来る。 δa=√(δc2 +δd2 )×cos(γc)・・・(4) δb=√(δc2 +δd2 )×sin(γc)・・・(5)
【0054】これらの(4),(5)式により、δaお
よびδbを求めることが出来る。そして、δaの値がδ
bの値より大きくなるように、且つδbの値が限りなく
0に近づくようにチューニングすれば、目的とする特性
を有するトーコレクトブッシュ10を得ることが出来
る。
【0055】その結果、コーナリング時において、横方
向(車両左右方向)荷重が入力された際のトーコレクト
ブッシュ10の弾性変位によってサスペンション機構6
0に生ぜしめられるオーバステア方向の変位が抑制され
て、車両の優れた操縦安定性が発揮され得るのである。
【0056】しかも、圧縮側の高ばね定数の弾性主軸I
の方向は、車両前後方向に対して傾斜角度:θdだけ車
両左右方向に傾斜せしめられていることから、車両前後
方向のばね特性も十分に柔らかく確保され得るのであ
り、それによって、優れた乗心地も発揮され得るのであ
る。
【0057】また、コーナリング時において、横方向
(車両左右方向)荷重が入力された際のトーコレクトブ
ッシュ10の弾性変位によってサスペンション機構60
に生ぜしめられるオーバステア方向の変位を抑制して操
縦安定性を向上させるためには、トーコレクトブッシュ
10の主軸ばね比を大きく設定することが有効である。
かかる主軸ばね比は、図8に示されている如き、トーコ
レクトゴム36の長さ:Lと肉厚寸法:Wの比の値:L
/Wを大きくする程、有利に確保することが出来る。そ
こにおいて、トーコレクトゴム36の長さ:Lは、トー
コレクトブッシュ10の配設スペース等によって制限さ
れることから、トーコレクトゴム36の肉厚寸法:Wを
小さくすることが有効となる。それによって、主軸ばね
比を大きく設定し、コーナリングに際しての荷重入力時
において、サスペンション機構60が一層有利に車両左
右方向に変位せしめられて、オーバステアが抑制される
ように、サスペンション機構60における操縦安定性の
更なる向上が図られ得る。
【0058】ここにおいて、本実施形態においては、ト
ーコレクトゴム36によって連結された固定プレート1
8と傾斜板対向部30の対向面が相対的に傾斜せしめら
れて、トーコレクトゴム36の肉厚寸法:Wが、突出方
向の中央部分と両端部分(内周側および外周側端部)で
異ならされている。そして、トーコレクトゴム36の突
出方向(斜め軸方向)の中央部分の肉厚寸法:Wcが十
分に小さく設定されていることによって、大きいばね比
が実現され得ると共に、トーコレクトゴム36の内周側
および外周側の肉厚寸法:Wa,Wbが大きく確保され
ていることによって、優れた耐久性が発揮される。
【0059】すなわち、本実施形態のトーコレクトブッ
シュ10においては、固定プレート18および傾斜板対
向部30が何れも外周側に向かって広がる扇形状とされ
ており、内周側に行くほどトーコレクトゴム36のボリ
ューム(体積)が小さくされているために、捩り荷重
(中心軸22回りの荷重)や軸直角方向荷重の入力時に
おいて、トーコレクトゴム36に対して、内周側に行く
ほど大きな応力が生ぜしめられることとなるが、内周側
の肉厚寸法:Waが大きく設定されていることから、ト
ーコレクトゴム36における歪量が有利に抑えられ得
る。その結果、固定プレート18の内周縁部における周
方向幅寸法が小さくされているのに拘わらず、トーコレ
クトゴム36を薄肉とした場合でも、高度な耐久性が確
保され得るのである。
【0060】また、かかるトーコレクトブッシュ10に
おいては、特に捩じり方向やこじり方向の荷重が及ぼさ
れた際に、捩じり中心乃至はこじり中心からの離隔距離
が大きいトーコレクトゴム36の外周側に行くほど、変
形量が大きくなるが、外周側の肉厚寸法:Wbが大きく
設定されていることから、トーコレクトゴム36の外周
側端部における歪量が有利に抑えられ得る。それ故、ト
ーコレクトゴム36の長手寸法が大きくされているのに
拘わらず、トーコレクトゴム36を薄肉とした場合で
も、高度な耐久性が確保され得るのである。
【0061】従って、上述の如き構造とされたトーコレ
クトブッシュ10においては、トーコレクトゴム36の
肉厚寸法:Wを、固定プレート18および傾斜板対向部
28の突出方向で変化させて、トーコレクトゴム36の
内周側端部および外周側端部で、トーコレクトゴム36
の中央部分よりも厚肉としたことにより、内外筒金具1
2,14間に大きな荷重が入力された場合においても、
トーコレクトゴム36における歪量、換言すればトーコ
レクトゴム36における単位長当たりの弾性変形量延い
ては発生応力が小さく抑えられて、亀裂等の発生が効果
的に防止され得、良好なる耐久性が発揮されることとな
る。
【0062】また、トーコレクトゴム36、延いてはト
ーコレクトブッシュ10の耐久性を十分に確保しつつ、
トーコレクトゴム36によって連結された固定プレート
18および傾斜板対向部30の対向面間距離:Wを、固
定プレート18および傾斜板対向部30の少なくとも突
出方向の中央部分で小さく設定することにより、圧縮方
向となる弾性主軸Iと剪断方向となる弾性主軸IIでのば
ね定数の比(主軸ばね比)の値を一層大きく設定するこ
とが可能となるのである。
【0063】それ故、本実施形態のトーコレクトブッシ
ュ10においては、優れた耐久性と、車両前後方向での
柔らかいばね特性とを、何れも有利に確保しつつ、コー
ナリングに際しての車両左右方向の荷重の入力時に、内
外筒金具12,14の弾性変位に起因するオーバステア
傾向を抑制乃至は防止し、好適には弱いアンダステア特
性を付与せしめることにより、走行安定性を向上させる
ことが出来るのであり、以て、十分な耐久性のもとに、
乗心地と操縦安定性を高度に両立させることが出来るの
である。
【0064】また、本実施形態においては、トーコレク
トゴム36の小厚部38が、外筒金具14に一体形成さ
れた傾斜板対向部30を屈曲せしめることによって形成
されていることから、傾斜板対向部30の形成、延いて
はトーコレクトブッシュ10の製造が容易であると共
に、トーコレクトゴム36への局部的な応力集中も回避
されて、より優れた耐久性を得ることが可能となる。し
かも、傾斜板対向部30における内周側傾斜平坦面32
の傾斜角度:θbと外周側平坦面34の傾斜角度:θc
の差が特に大きく設定されていることにより、トーコレ
クトゴム36における内外周縁部の肉厚寸法:Wa,W
bを大きく確保しつつ、小厚部38の肉厚寸法:Wcが
十分に小さく設定されて、固定プレート18と傾斜板対
向部30の対向方向のばね剛性を一層有利に確保するこ
とが出来る。
【0065】さらに、本実施形態においては、内筒金具
12と外筒金具14の径方向対向面間を弾性連結する本
体ゴム弾性体16に対して、車両前後方向で対向位置す
る一対のすぐり部44,44が形成されていることか
ら、車両前後方向のばね特性が一層低動ばね化されて、
乗心地の更なる向上が図られ得ると共に、弾性主軸に対
するトーコレクトゴム36の影響が大きくなって、圧縮
方向の弾性主軸Iを中心軸方向に一層近付けて傾斜設定
することも可能となる。
【0066】以上、本発明の実施形態について詳述して
きたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、か
かる実施形態における具体的な記載によって、何等、限
定的に解釈されるものではない。
【0067】例えば、小厚部38を形成する固定プレー
ト18と傾斜板対向部30における軸方向(突出方向)
の中間部分を、突出方向の所定長さに亘って互いに平行
とすることによって、かかる小厚部38を突出方向の所
定長さで略一定の厚さ寸法で延びるように形成すること
も可能である。
【0068】また、前記実施形態では、小厚部38が固
定プレート18と傾斜板対向部30の対向面間におい
て、それら固定プレート18と傾斜板対向部30の周方
向(幅方向)全体に亘って形成されていたが、例えば傾
斜板対向部30の周方向中央部分だけを固定プレート1
8側に突出せしめて、かかる小厚部38を固定プレート
18と傾斜板対向部30における周方向の中間部分だけ
に形成し、周方向の両端部分の対向面間距離を、換言す
れば小厚部38の肉厚寸法を大きく設定するようにして
も良い。それによって、トーコレクトゴム36における
自由表面からの亀裂等の発生を、該トーコレクトゴム3
6の周方向両端面を含んで一層有利に回避することが出
来る。
【0069】さらに、前記実施形態では、トーコレクト
ゴム36における軸方向両端部の肉厚寸法:Wa,Wb
が相互に略同一とされていたが、ばね定数のチューニン
グや本体ゴム弾性体16の選択される材質等に応じて、
相互に肉厚寸法を異ならせても良い。
【0070】更にまた、内筒金具12と外筒金具14
は、装着状態下に及ぼされる静的荷重等を考慮して、装
着前の非荷重入力状態下で軸直角方向で偏心配置せしめ
られていても良い。
【0071】また、軸方向と軸直角方向の荷重入力に際
して分力作用を発揮する傾斜面は、前記実施形態におけ
る固定プレート18や傾斜板対向部30のように軸方向
端部に設ける必要はなく、例えば、特開平8−2192
11号公報に記載されているように、内外筒金具12,
14の軸方向中央部分に形成することも可能である。
【0072】加えて、本発明は、例えば、インナ軸部材
とアウタ筒部材の径方向対向面間において、インナ軸部
材を挟んだ軸直角方向両側に位置して、それぞれ本体ゴ
ム弾性体で壁部の一部が構成されて非圧縮性流体が封入
された一対の流体室を形成すると共に、それら一対の流
体室を相互に連通するオリフィス通路を形成することに
より、インナ軸部材とアウタ筒部材の間への軸直角方向
の振動入力時に、オリフィス通路を流動せしめられる流
体の共振作用等の流動作用に基づいて防振効果を得るよ
うにした、各種の流体封入式のトーコレクトブッシュに
対しても、同様に適用可能であり、それによって、上述
の如き本発明の効果が何れも同様に発揮され得ることと
なる。
【0073】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を
加えた態様において実施され得るものであり、また、そ
のような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、
何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、
言うまでもないところである。
【0074】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされたトーコレクトブッシュにおいては、
インナ側傾斜部とアウタ側傾斜部の対向面間に介在せし
められるトーコレクトゴム弾性体の肉厚寸法をインナ側
傾斜部およびアウタ側傾斜部の突出方向で変化せしめ
て、突出方向(斜め軸方向)の中間部分の肉厚寸法を内
周側端部および外周側端部よりも小さく設定したことに
より、トーコレクトゴム弾性体における応力集中を軽減
乃至は回避しつつ、大きいばね比が有利に実現され得る
のである。
【0075】また、本発明に従う構造とされたサスペン
ション機構においては、サスペンション部材の車両ボデ
ーに対する車両前後方向での支持ばね特性が柔らかく設
定され得ると共に、コーナリングに際して車両横方向の
荷重が入力された際には、サスペンション部材の車両前
後方向への変位、延いては横力ステアが抑えられ得るこ
とから、車両の乗心地と操縦安定性を高次元で両立させ
ることが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのトーコレクトブッ
シュの縦断面図である。
【図2】図1における左側面図である。
【図3】図1における右側面図である。
【図4】図3におけるIV―IV断面図である。
【図5】図1に示されたトーコレクトブッシュの要部拡
大図である。
【図6】図1に示されたトーコレクトブッシュの縮径加
工が施される前の縦断面図である。
【図7】図1に示されたトーコレクトブッシュのサスペ
ンション機構への装着状態を示す概略図である。
【図8】図7に示された右側のトーコレクトブッシュに
作用する力を示す図である。
【符号の説明】
10 トーコレクトブッシュ 12 内筒金具 14 外筒金具 16 本体ゴム弾性体 18 固定プレート 30 傾斜板対向部 36 トーコレクトゴム 38 小厚部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インナ軸部材と、その外方に離隔配置さ
    れたアウタ筒部材を、それらの径方向対向面間に介装さ
    れた本体ゴム弾性体で連結すると共に、該インナ軸部材
    の軸方向一方の端部において、軸方向外方に傾いて径方
    向一方向で斜め外方に向かって突出するインナ側傾斜部
    を設ける一方、前記アウタ筒部材の軸方向一方の端部に
    おいて、軸方向外方に傾いて径方向一方向で斜め外方に
    向かって突出し、該インナ側傾斜部に対して離隔して対
    向位置せしめられたアウタ側傾斜部を設けて、それらイ
    ンナ側傾斜部とアウタ側傾斜部の対向面間にトーコレク
    トゴム弾性体を介在せしめたトーコレクトブッシュにお
    いて、 前記トーコレクトゴム弾性体で弾性連結された前記イン
    ナ側傾斜部と前記アウタ側傾斜部における対向面間距離
    を、それら傾斜部の突出方向で変化させて、該トーコレ
    クトゴム弾性体における突出方向の中間部分において、
    内周側端部の肉厚寸法および外周側端部の肉厚寸法の何
    れよりも肉厚寸法の小さい狭窄部を設けたことを特徴と
    するトーコレクトブッシュ。
  2. 【請求項2】 前記インナ軸部材および前記アウタ筒部
    材の中心軸と前記インナ側傾斜部および前記アウタ側傾
    斜部が突出する側に延びる径方向線とを含む一平面内に
    おいて、かかる平面内に位置せしめられた圧縮方向の弾
    性主軸Iにおける、前記中心軸に対する傾斜角度を、自
    動車への装着状態下でコーナリングに際して及ぼされる
    横方向荷重による外力の入力方向における、該中心軸に
    対する傾斜角度よりも大きく設定した請求項1に記載の
    トーコレクトブッシュ。
  3. 【請求項3】 前記トーコレクトゴム弾性体で弾性連結
    された前記インナ側傾斜部と前記アウタ側傾斜部におけ
    る少なくとも一方の対向面において、突出方向の略中央
    部分から内周側と外周側の両方に向かってそれぞれ略一
    定の傾斜角度で延びる内周側傾斜平坦面および外周側傾
    斜平坦面として、該インナ側傾斜部と該アウタ側傾斜部
    を突出方向の略中央部分から内周側と外周側の両方に向
    かって次第に離隔せしめた請求項1又は2に記載のトー
    コレクトブッシュ。
  4. 【請求項4】 前記インナ側傾斜部および前記アウタ側
    傾斜部が突出する径方向で前記インナ軸部材を挟んだ両
    側に位置せしめられた、該インナ軸部材と該アウタ筒部
    材の径方向対向面間において、それぞれ軸方向に延びる
    一対のスリットを設けた請求項1乃至3の何れかに記載
    のトーコレクトブッシュ。
  5. 【請求項5】 前記インナ側傾斜部と前記アウタ側傾斜
    部が、前記インナ軸部材および前記アウタ筒部材の軸直
    角方向で相互に重ならないように軸方向に離隔して相対
    位置せしめられている請求項1乃至4の何れかに記載の
    トーコレクトブッシュ。
  6. 【請求項6】 左右のトレーリングアームをトーション
    ビームで連結したサスペンション部材を、自動車のボデ
    ーに対して揺動可能に防振連結せしめたサスペンション
    機構において、 前記サスペンション部材における車両前方側の左右両側
    部分に対して、請求項1乃至5の何れかに記載のトーコ
    レクトブッシュをそれぞれ装着せしめて、それらのトー
    コレクトブッシュを介して、該サスペンション部材を前
    記ボデーに防振連結すると共に、かかる左右両側のトー
    コレクトブッシュの中心軸を車両左右方向に向けて、且
    つ前記インナ側およびアウタ側の傾斜部を車両前後方向
    に突出せしめて、車両中央を前後方向に延びる中央線を
    挟んで左右両側で対称となるように配設せしめたことを
    特徴とするサスペンション機構。
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