JP2002239439A - 直管内面への液状物の塗布方法およびそのための装置 - Google Patents

直管内面への液状物の塗布方法およびそのための装置

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JP2002239439A
JP2002239439A JP2001043272A JP2001043272A JP2002239439A JP 2002239439 A JP2002239439 A JP 2002239439A JP 2001043272 A JP2001043272 A JP 2001043272A JP 2001043272 A JP2001043272 A JP 2001043272A JP 2002239439 A JP2002239439 A JP 2002239439A
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liquid
liquid material
speed
nozzle
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Ryoichi Kamatani
良一 鎌谷
Hidehiko Ota
秀彦 太田
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ムラを生じることなく直管の内面に液状物を
一様に塗布することができる方法を提供する。 【解決手段】 直管を実質的に直立させて支持し、直管
の下方の開口端から液状物を供給して液面上昇させ、直
管内部を液状物で充填する。このとき、液面の上昇速度
を、直管内部の空間の水平断面積が変化する部分におい
て低速とし、直管内部の充填空間の水平断面積が液面の
上昇方向で変化する部分を充填する間は第1の速度と
し、水平断面積が液面の上昇方向で一定となる部分を充
填する間は第1の速度より大きい第2の速度とし、所定
の位置で液面の上昇を停止する。その後、直管内部に充
填された液状物を流下させて直管の下方の開口端から排
出し、これにより直管の内面に液状物を塗布する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は直管の内面に液状物
を塗布する方法およびそのための装置に関する。より詳
細には、本発明は蛍光ランプの円形直管などの直管の内
面に、蛍光体スラリーなどの粘性液状物を塗布する方法
およびそのための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】蛍光ランプの製造プロセスにおいては、
直管の内面に蛍光体スラリーを塗布している。照明用の
蛍光ランプ(または蛍光灯)の製造においては、直管内
面にスラリー(以下、懸濁液とも言う)を塗布するため
に、直管を直立させて(または起立させて)支持し、直
管の上方の開口端から直管内部にノズルを挿入し、この
ノズルから懸濁液を吐出して直管内部に懸濁液を供給
し、懸濁液の自重により直管の内面に沿って懸濁液を流
下させて濡れ広げる方法が従来から用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来の方法では、懸濁液をノズルから吐出する際や、ノ
ズルから吐出された懸濁液が直管の内面に衝突および流
下する際に、周囲に存在する空気などの雰囲気ガスを懸
濁液中または懸濁液と内面との間に巻き込む場合があ
る。このようにして巻き込まれたガスは、直管内面に懸
濁液を塗布して形成される塗布膜に気泡として残留し、
塗布膜にムラを生じさせるという問題がある。また、懸
濁液の粘性が高い場合には懸濁液が直管内面に亘って一
様に濡れ広がらず、塗布膜の膜厚にバラツキが生じると
いう問題があり、極端な場合には懸濁液が塗布されてい
ない箇所が塗布膜を形成すべき領域に残留するという問
題がある。
【0004】一方、液晶表示装置のバックライト用の蛍
光ランプの製造においては、細管を直立させて支持し、
細管の下方の開口端から細管内部に懸濁液を入れるため
のノズルを挿入し、細管の上方の開口端から細管内部を
真空吸引してノズルを通して直管内部へ懸濁液を吸い込
んで上昇させ、その後、真空吸引を停止し、細管内部を
大気開放すると共にノズルを細管からとり除き、懸濁液
の自重により直管の内面に沿って懸濁液を流下させて下
方の開口端から排出する方法が知られている。
【0005】懸濁液を管内で上昇および流下させるこの
方法によれば、管内を懸濁液で一旦充填しているので、
懸濁液が塗布されていない箇所が塗布膜を形成すべき領
域に残留することはない。しかし、この方法によって
も、ノズルから管内に懸濁液を供給し始めたときに、雰
囲気ガスが、管の開口端に挿入されたノズルの先端部と
管の間の空間から懸濁液により完全に押し出されずに残
って懸濁液中に巻き込まれ、塗布膜に気泡として残留し
得るため、塗布膜にムラを生じるという問題は依然とし
て解消されない。
【0006】本発明は上記のような問題を解決するため
になされたものであり、本発明の目的は、ムラを生じる
ことなく直管の内面に懸濁液などの液状物を一様に塗布
することができる方法およびそのための装置を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の1つの要旨にお
いては、上方および下方の開口端を有する直管を実質的
に直立させて支持し、下方の開口端から液状物を直管内
部に入れて液状物の液面を直管の下方の開口端から上方
の開口端に向かう方向に上昇させ、液状物の液面の上昇
を停止して直管内部を液状物で充填し、直管内部に充填
された液状物を流下させて直管の下方の開口端から排出
することによって、直管の内面に液状物を塗布する方法
において、液状物の液面の上昇速度を、直管内部の充填
空間の水平断面積が液面の上昇方向で変化する部分を充
填する間は第1の速度とし、水平断面積が液面の上昇方
向で一定となる部分を充填する間は第1の速度より大き
い第2の速度とする方法が提供される。
【0008】液状物の液面を直管内で上昇させて直管内
部を液状物で充填する際、直管内部の充填空間の水平断
面積が液面の上昇方向で変化する部分、特に、水平断面
積が不連続に変化する部分を通って液面が上昇するとき
に液面の上昇速度が大きいと液状物の流れに乱れが生じ
て渦を発生し、周囲の雰囲気ガスを液状物中に巻き込み
易い。このようにして巻き込まれたガスは塗布膜中に気
泡として残留し、塗布膜にムラを生じさせる。しかし、
本発明のように、水平断面積が変化する部分(およびそ
の近傍)を充填する間は液面を第1の速度(以下、低速
とも言う)で上昇させることによって、液状物中へのガ
スの巻き込みを効果的に防止して、ムラの発生を抑制す
ることが可能となる。ここで、「第1の速度」(または
「低速」)とは液状物中へのガスの巻き込みが実質的に
生じない程度の速度または流量である。「第1の速度」
は、直管の内径および液状物の粘度などにもよるが、例
えば蛍光ランプを製造する場合には平均で約100〜1
50mm/秒である。
【0009】他方、この水平断面積が一定となる部分に
おいては、液状物中へのガスの巻き込みが実質的に起こ
らないため、液状物を低速で上昇させなくてもよい。よ
って、本発明のように、水平断面積が実質的に一定とな
る部分では液状物を第1の速度より大きい第2の速度
(以下、高速とも言う)で上昇させることによって、直
管の内面に液状物を塗布するのに要する時間(または生
産タクト)を短くし、製造効率を高めることができる。
ここで、「第2の速度」(または「高速」)とはとは上
記の「第1の速度」(または「低速」)より大きな速度
または流量であって、上昇している液状物の表面が波立
たない程度の速度である。第2の速度は、直管の内径お
よび液状物の粘度などにもよるが、例えば蛍光ランプを
製造する場合には平均で約300〜400mm/秒であ
る。
【0010】これに加えて、本発明によれば、懸濁液を
管内で上昇および流下させており、よって、直管内部を
懸濁液で一旦充填しているので、懸濁液が塗布されてい
ない箇所が塗布膜を形成すべき領域に残留することはな
い。
【0011】本発明のもう1つの要旨によれば、上方お
よび下方の開口端を有する直管を実質的に直立させて支
持し、下方の開口端から液状物を直管内部に入れて液状
物の液面を直管の下方の開口端から上方の開口端に向か
う方向に上昇させ、液状物の液面の上昇を停止して直管
内部を液状物で充填し、直管内部に充填された液状物を
流下させて直管の下方の開口端から排出することによっ
て、直管の内面に液状物を塗布する方法において、液状
物の液面の上昇速度を、液状物を供給し始めてから所定
の期間は第1の速度とし、所定の期間の経過後、第1の
速度より大きい第2の速度とする方法が提供される。
【0012】この方法において、「液状物を供給し始め
てから所定の期間」は、「水平断面積が液面の上昇方向
で変化する部分を充填する間」に対応するものであり、
「所定の期間の経過後」は「水平断面積が液面の上昇方
向で一定となる部分を充填する間」に対応するものであ
る。この方法によっても上述の方法と同様の効果を奏す
ることができる。ここで、「所定の期間」は、直管の内
径および液状物の粘度などにもよるが、例えば蛍光ラン
プを製造する場合には平均で約15〜20秒間である。
尚、第1の速度および第2の速度は上記と同じ意味およ
び同程度の大きさである。
【0013】これら本発明の方法の1つの態様において
は、液状物の液面の上昇速度を第2の速度とした後、液
状物の上昇を停止する所定の位置よりも手前の位置に液
状物の液面があるときから第2の速度よりも小さい第3
の速度とする。
【0014】水平断面積が一定となる部分(または液状
物を供給し始めてから所定の期間の経過後)において
は、上記のように液状物を高速で上昇させることが有利
であるが、高速で上昇している液状物の液面を所定の位
置で正確に停止させることは困難である。液状物の液面
を所定の位置で停止させるためには、液状物の有無をセ
ンサなどで感知し、この感知結果に基づいて液状物の充
填を停止させることが考えられる。
【0015】液状物の液面が高速で上昇している場合に
は、上昇している液状物の液面がセンサの感知位置を通
過すると同時に、液状物が無い状態から有る状態に変化
したことをセンサにより感知することは困難であり、液
状物の液面がセンサの感知位置を通過してからセンサに
より感知するまでに時間的な遅れが生じやすく、またこ
の遅れにバラツキを生じやすい。このような時間的な遅
れおよびそのバラツキのために、所定の位置からずれた
位置で液状物が停止し、よって、得られる塗布膜の上端
部が所定の位置からずれることになる。
【0016】しかし、本発明のように、所定の位置の手
前の位置から、例えば約100〜150mm手前から液
状物の液面の上昇速度を第2の速度よりも小さい第3の
速度で上昇させると、上記のような検知の遅れやバラツ
キを小さくすることができ、よって、液状物の液面を所
定の位置でより正確に停止させ、得られる塗布膜の上端
部を所定の位置により高い精度で合わせることが可能と
なる。ここで、「第3の速度」とは上記の第2の速度
(高速)より小さな速度または流量であって、液状物を
所定の位置で停止することができ、かつ製造効率を著し
く損ねない(または許容し得る生産タクトの範囲内とな
る)程度の速度または流量である。「第3の速度」は、
第1の速度(低速)よりも大きくても、それ以下であっ
てもよいが、一般的には第1の速度よりも大きい(以
下、第3の速度を「中速」とも言うものとする)。第3
の速度は、用いるセンサの精度や、直管の内径および液
状物の粘度などにもよるが、例えば蛍光ランプを製造す
る場合には平均で約150〜200mm/秒である。
【0017】本発明の1つの態様においては、方の開口
端から吐出口が挿入されたノズルを用い、ノズルの吐出
口を通して下方の開口端から液状物を直管内部に入れ
る。この場合、吐出口が設けられたノズルの先端部の外
径は、直管の内径よりも小さくされ、ノズルの先端部が
直管の下方の開口端から直管内部に挿入される。好まし
くは、ノズルから供給される液状物が直管の外部に洩出
せず、また、直管内部を効率的に真空引きできるよう
に、ノズルの外径の最大値が直管の内径よりも大きくさ
れ、および/またはノズルの先端部と直管との間がシー
ルされる。
【0018】この態様においては、下方の開口端から液
状物を直管内部に入れるに先立って、ノズルの内部の液
状物を少なくとも部分的にノズルの外部に排出して除去
することが好ましい。ノズルの内部にある液状物は、例
えば直管から排出された液状物がノズルの吐出口からそ
の内部に逆流して入って来て、その際にガスを巻き込ん
でいる場合がある。このようにしてガスを巻き込んだ液
状物を別の新たな直管に供給すると塗布膜にムラを生じ
させ得る。しかし、上記のようにノズルの内部の液状物
を少なくとも部分的に、例えば所定量をノズルの外部に
強制排出して除去することによって、ムラの発生を低減
することができる。強制排出は、例えば、ノズルの内部
の液状物をガスを巻き込んでいない新たな液状物で押し
出して置換することによって行い得る。
【0019】本発明のもう1つの要旨においては、直上
方および下方の開口端を有する直管を実質的に直立させ
て支持する支持体と、直管内部に液状物を入れて液状物
の液面を直管の下方の開口端から上方の開口端に向かう
方向に上昇させる手段とを備える装置において、液状物
の液面の上昇速度を、直管内部の充填空間の水平断面積
が液面の上昇方向で変化する部分を充填する間は(また
は、液状物を供給し始めてから所定の期間は)第1の速
度とし、水平断面積が液面の上昇方向で一定となる部分
を充填する間は(または所定の期間の経過後)第1の速
度より大きい第2の速度とするように、液状物を上昇さ
せる手段を制御する手段(例えばコントローラ)を更に
備えることを特徴とする装置が提供される。この装置
は、上記の本発明の方法を実施するために利用され、本
発明の方法と同様の効果を奏し得る。
【0020】本発明の1つの態様においては、本発明の
装置は所定の位置において液状物の有無を感知するセン
サを更に備え、液状物を上昇させる手段を制御する手段
が、液状物の液面速度を所定の位置よりも手前の位置に
液状物の液面があるときから第2の速度よりも小さい第
3の速度とするように、液状物を上昇させる手段を制御
する。
【0021】本発明のもう1つの態様においては、本発
明の装置は、下方の開口端に挿入された吐出口を有し、
吐出口を通して下方の開口端から液状物を直管内部に入
れるためのノズルを更に備え、好ましくはノズルの内部
の液状物を少なくとも部分的に排出して除去する手段を
更に備える。
【0022】尚、本明細書に言う「実質的に直立」と
は、直管を厳密に直立させた状態だけでなく、直管をあ
る程度傾斜させた状態をも含むものとする。
【0023】本発明の方法および/または装置は、蛍光
ランプ用の円形直管の内面に蛍光体スラリーなどの粘性
液状物を塗布するために好適に用いられ得るが、本発明
はこれに限定されず、任意の液状物を直管の内面に塗布
する場合に利用され得る。更に、本発明を利用すること
により、直管のみならず、エンドフォームなどの成形さ
れたガラスなどの管の内面に液状物を塗布することが可
能である。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の1つの実施形態に
ついて図面を参照しながら説明するものとする。図1
は、本実施形態にける塗布装置の概略図である。図2
(a)〜(g)は、本実施形態における塗布方法を説明
する工程図である。
【0025】図1に示すように、本実施形態の塗布装置
30においては、円形直管1が上方支持体2および下方
支持体3により、直管1の上方開口端を基準として直管
1の中心軸が実質的に垂直(または鉛直)となるように
直立して支持されている。上方支持体2は、吸引ライン
21を通じ、電空レギュレータ22を介して吸引装置
(例えばポンプ)23に気密的に連結されている。この
電空レギュレータ22はコントローラ27に電気的に接
続されており、コントローラ27からの電気的信号に応
じて真空圧力を調節する。
【0026】直管1の下方にはノズル4およびノズル4
と連結されたパイプ5が配置される。また、直管1の下
方には液状物である懸濁液9が入った懸濁液槽7が配置
され、パイプ5の下方の開口端がこの懸濁液9に浸けら
れている。これにより、図2(a)に示すように、懸濁
液9がパイプ5を介してノズル4の内部の空間に連通し
て入り、ノズル4の吐出口から吐出するようになってい
る。
【0027】またノズル4は、シャフト11を介してシ
リンダー13に連結され(図1)、シリンダー13を作
動することによってシャフト11を介して上下動可能で
ある。ノズル4の先端部の外径は直管1の内径よりも小
さく、ノズル4の外径の最大値(または直胴部の外径)
は直管1の内径よりも大きい。
【0028】このようなノズル4をシリンダー13によ
り上に動かすと、図2(b)に示すように、ノズル4の
先端部が直管1の下方の開口端から直管1の内部に挿入
され、ノズル4は、ノズル4の外径が直管1の内径と等
しくなる箇所にて直管1の下方の開口端と接触し、直管
1に押圧力を加える。この結果、ノズル4は直管1の下
方の開口端と密着し、また、ノズル4から上向きの押圧
力を受けた直管1の上方の開口端は上方支持体2と密着
する。このような密着により、ノズル4の先端部と直管
1の下方の開口端との間および直管1の上方の開口端と
上方支持体2との間は、直管1の内部を効率的に真空引
きできるように実質的に気密的にシールされ、また、直
管1の上方の開口端と上方支持体2との間は、ノズル4
を通して供給される懸濁液9が直管1の外部に洩出しな
いように液密的にもシールされる。しかし、本発明はこ
のような構成に限らず、ノズル4を通して供給される懸
濁液9が直管1の外部に洩出せず、また、直管1の内部
を効率的に真空引きしてノズル4を通して供給される懸
濁液4を吸い上げることができる他の構成を用いてもよ
い。
【0029】また、懸濁液9は、図1に示すように、懸
濁液槽7の外部に配置されたポンプ17により液状物ラ
イン19を流れてヘッド15の吐出口から吐出される。
ヘッド15の吐出口は、パイプ5の下方の開口端に対応
する輪郭を有し、シリンダー13によりノズル4を下に
動かすと、吐出口が設けられたヘッド15の部分がパイ
プ5の下方の開口端に嵌まるようになっている。この状
態でポンプ17を運転してヘッド15の吐出口から懸濁
液9を供給すると、図2(g)に示すように、ノズル9
の吐出口から懸濁液9が溢れて流れ出る。これにより、
ノズル9の内部の懸濁液を新たな懸濁液で押し出して置
換し、ノズル9の内部の懸濁液9を強制排出することが
できる。
【0030】また、直管1の上方の開口端を基準として
所定の位置(図中に点線にて示す位置)において懸濁液
9の有無を感知し得るセンサ25aおよび25bが直管
1の周囲に配置される。センサ25は、反射型および透
過型のいずれのタイプのものであってもよい。センサ2
5はコントローラ27に電気的に接続され、コントロー
ラ27は、センサ25の感知結果に基づいて電空レギュ
レータ22を制御することができる。
【0031】吸引装置23、ポンプ17、およびシリン
ダー13は、コントローラ27に電気的に接続されて
(図示せず)各々制御されるようになっていてもよい。
【0032】直管1には、例えば内径約24〜25m
m、外径約25.5〜26.5mm、長さ約600〜1
200mmのガラス製の円形直管を用いることができ
る。また、懸濁液9には、例えば粘度約0.05〜0.
10Pa・sの蛍光体スラリーなどの粘性液状物を用い
ることができる。
【0033】以下、上述のような塗布装置30を用いた
塗布方法について説明する。
【0034】まず、図1および図2(a)に示すよう
に、塗布膜を形成すべき直管1を上方支持体2および下
方支持体3により支持してセットする。次いで、図2
(b)に示すように、シリンダー13によりノズル4を
上に移動させて、ノズル4の先端部を直管1の下方の開
口端から挿入し、上述のようにノズル4を直管1の下方
の開口端と密着させると同時に、直管1の上方の開口端
を上方支持体2と密着させる。これにより、直管1の下
方の開口端とノズル4との間および直管1の上方の開口
端と上方支持体2との間がシールされる。
【0035】その後、吸引装置23を動かし、電空レギ
ュレータ22により圧力を制御しながら直管1の内部空
間を真空引きする。この結果、懸濁液槽7に入った懸濁
液9は、直管1の内部の圧力と周囲の圧力(または大気
圧)との圧力差により、ノズル4を通じて直管1の内部
に供給され、懸濁液9の液面が上昇していく。これによ
り、直管1の内部は懸濁液9で下方から次第に充填され
る。
【0036】このとき、懸濁液9の上昇速度は電空レギ
ュレータ22により圧力を制御することにより調節され
る。充填初期の段階においては、図2(b)に示すよう
に、ノズル4の吐出口よりも上に懸濁液9が充填される
まで液面の上昇速度を低速とする。このように、水平断
面積が変化する部分およびその近傍にて懸濁液9の液面
を低速で上昇させることによって、直管1の内部の雰囲
気ガスが懸濁液9へ巻き込まれることを効果的に防止し
て、最終的に形成される塗布膜にムラを生じないように
することができる。例えば、直管1として上記のような
ガラス製の円形直管を用い、懸濁液9として上記のよう
な蛍光体スラリーを用いる場合には、懸濁液9の液面が
ノズル4の吐出口よりも約200〜300mm上に達す
るまでの間、懸濁液9の液面を平均約100〜150m
m/秒で上昇させる。
【0037】その後の充填中期の段階では、図2(c)
に示すように、所定の位置(図中の点線にて示す位置)
に対してある程度(または所定の距離だけ)手前の位置
に達するまで液面の上昇速度を高速とする。このよう
に、水平断面積が実質的に一定となる部分では懸濁液9
の液面を高速で上昇させることによって、生産タクトを
短くすることができる。例えば、直管1として上記のよ
うなガラス製の円形直管を用い、懸濁液9として上記の
ような蛍光体スラリーを用いる場合には、懸濁液9の液
面がノズル4の吐出口よりも約200〜300mm上に
達してから所定の位置の約100〜150mm手前の位
置に達するまでの間、懸濁液9を平均約300〜400
mm/秒で上昇させる。
【0038】その後の充填後期の段階では、図2(d)
に示すように、所定の位置より手前の位置からは液面の
上昇速度を中速とする。例えば、直管1として上記のよ
うなガラス製の円形直管を用い、懸濁液9として上記の
ような蛍光体スラリーを用いる場合には、所定の位置の
約100〜150mm手前の位置から懸濁液9を平均約
150〜200mm/秒で上昇させる。
【0039】低速、高速および中速の上昇速度の切り替
えは、コントローラ27を用いて制御してもよいが、タ
イマーなどを用いて時間的に管理して電空レギュレータ
22を調節するようにしてもよい。例えば、吸引開始の
時点を基準として、吸引開始から約2〜3秒の所定の期
間は充填初期の低速上昇とし、所定の期間経過後から約
2〜3秒までの間を充填中期の高速上昇とし、その後、
充填後期の中速上昇とすることができる。
【0040】液面の上昇速度を中速とした後、懸濁液9
の液面が所定の位置に達したことをセンサ25aおよび
25bにより感知すると、コントローラ7によって電空
レギュレータ22を制御して真空引きを停止し(図
1)、これにより懸濁液9の液面上昇を停止する。以上
のように、所定の位置の手前の位置から懸濁液9の液面
を中速で上昇させているので、懸濁液9の液面を所定の
位置で正確に停止させることができる。液面の上昇速度
を中速としてから上昇を停止するまでの間の期間は、例
えば約1秒である。
【0041】真空引きを停止した後、吸引装置23の運
転を停止して大気開放する。そしてシリンダー13によ
りノズル4を下降させると(図2(e))、直管1の内
部に所定の位置まで充填された懸濁液9が直管1の下方
の開口端から排出され、流下する。このとき、直管1の
内面は懸濁液9により濡れたままとなり、よって、直管
1の内面に懸濁液9が塗布され、懸濁液9から成る塗布
膜29が形成される。このように、直管1の内部を懸濁
液9で一旦充填してから余分な懸濁液9を排出している
ので、懸濁液9が塗布されていない箇所が塗布膜を形成
すべき領域に残留しない。
【0042】以上のようにして塗布膜29が形成された
円形直管1は、その後、乾燥工程および膜端面除去工程
に送られる。膜端面除去工程は、乾燥された塗布膜の端
部を所定の位置に合わせるために、塗布膜の端部をブラ
シ除去し同時に細片を吸引する工程であるが、上記のよ
うにして形成された塗布膜の上端部は、所定の位置に高
い精度で合わされているため、上端部を所定の位置に合
わせるように除去する必要がない。
【0043】続いて、塗布膜を形成すべき新たな直管が
装置30にセットされる。他方、図1を参照して、シリ
ンダー13によりノズル4を下に動かして、ヘッド15
の吐出口をパイプ5の下方の開口端に嵌め込む。そし
て、ポンプ17を運転し、懸濁液9ライン19を通して
ヘッド15の吐出口からパイプ5の内部に供給する。そ
の結果、図2(g)に示すように、ノズル9の吐出口か
ら懸濁液9が溢れて流れ出、ノズル9の外部に排出され
て除去される。これにより、ノズル9の内部の懸濁液を
新たな懸濁液で押し出して置換し、ノズル9の内部の懸
濁液9を強制排出する。
【0044】この強制排出は、新たな直管の下方の開口
端から懸濁液9を供給するに先立って行う。下方の開口
端にノズル4を挿入するに図2(e)を参照して上述し
た懸濁液9の排出工程においては、直管1から排出され
る懸濁液9が、下降させたノズル4の内部にその吐出口
から逆流して入る。このとき、懸濁液9は周囲の雰囲気
ガスを巻き込んでノズル4に入り得るが、上記のように
ノズル4の内部の懸濁液9を強制排出することによっ
て、ガスを巻き込んでいない新たな懸濁液を直管内に供
給することができ、ムラの発生を防止することができ
る。
【0045】以上の工程を繰り返すことによって、懸濁
液から成る塗布膜が形成された円形直管を量産すること
ができる。このようにして塗布膜が形成された円形直管
は、照明用の蛍光ランプに好適に用いられ得る。
【0046】本実施形態によれば、懸濁液の液面が直管
内部を上昇する速度を直管内部の空間の水平断面積に応
じて制御しているので、塗布膜にムラを生じることなく
直管の内面に懸濁液を一様に塗布することができる。更
に、本実施形態によれば、下方の開口端から懸濁液を供
給するに先立ってノズルの内部の懸濁液を排出している
ので、塗布膜の形成を続けて行う場合であっても、塗布
膜にムラを生じることなく直管の内面に懸濁液を一様に
塗布することができる。その結果、本実施形態によれ
ば、製品不良の発生を従来よりも効果的に低減すること
ができる。また、本実施形態によれば、センサを用いる
ことにより懸濁液の液面の上昇を所定の位置で停止して
いるので、塗布膜の上端部を所定の位置に高精度で合わ
せることができ、塗布膜の上端部を所定の位置に合わせ
るように除去する必要がなく、製造効率を向上させるこ
とができる。
【0047】上述の実施形態は、本発明の1つの例にす
ぎず、種々に改変され得ることが当業者には容易に理解
されよう。本実施形態においては懸濁液(液状物)の液
面を直管内部で上昇させて、直管内を懸濁液で充填する
ために真空引きを用い、この上昇速度を制御するために
電空レギュレータを利用するものとしたが、例えば、直
管の上方の開口端を大気開放した状態で、直管の下方の
開口端に挿入したノズルから液状物を機械的に吐出さ
せ、その吐出量を制御するようにすることも可能であ
る。また、懸濁液(液状物)の液面を直管内部で上昇さ
せて、直管内を懸濁液で充填するために、液状物をノズ
ルから機械的に吐出することと真空吸引とを組合せて用
いてもよい。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、ムラを生じることなく
直管の内面に液状物を一様に塗布することができる方法
およびそのための装置が提供される。本発明の方法およ
び/または装置は、蛍光ランプ用の直管の内面に蛍光体
スラリーなどの粘性液状物を塗布するために好適に用い
られ得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本実施形態にける塗布装置の概略図
である。
【図2】 図2(a)〜(g)は、本実施形態における
塗布方法を説明する工程図である。
【符号の説明】
1 直管 2 上方支持体 3 下方支持体 4 ノズル 5 パイプ 7 懸濁液槽 9 懸濁液(液状物) 11 シャフト 13 シリンダー 15 ヘッド 17 ポンプ 19 液状物ライン 21 吸引ライン 22 電空レギュレータ 23 吸引装置 25a、25b センサ 27 コントローラ 29 塗布膜 30 塗布装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 AB38 AB56 CA48 DA15 DB13 DC25 EA07 EB60 EC11 4F042 AA03 AA06 BA04 BA25 BA27 CB02 CB20 CC09 EA03 EA09 EA22 EA27 5C028 EE02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上方および下方の開口端を有する直管を
    実質的に直立させて支持し、下方の開口端から液状物を
    直管内部に入れて液状物の液面を直管の下方の開口端か
    ら上方の開口端に向かう方向に上昇させ、液状物の液面
    の上昇を停止して直管内部を液状物で充填し、直管内部
    に充填された液状物を流下させて直管の下方の開口端か
    ら排出することによって、直管の内面に液状物を塗布す
    る方法において、液状物の液面の上昇速度を、直管内部
    の充填空間の水平断面積が液面の上昇方向で変化する部
    分を充填する間は第1の速度とし、水平断面積が液面の
    上昇方向で一定となる部分を充填する間は第1の速度よ
    り大きい第2の速度とする方法。
  2. 【請求項2】 上方および下方の開口端を有する直管を
    実質的に直立させて支持し、下方の開口端から液状物を
    直管内部に入れて液状物の液面を直管の下方の開口端か
    ら上方の開口端に向かう方向に上昇させ、液状物の液面
    の上昇を停止して直管内部を液状物で充填し、直管内部
    に充填された液状物を流下させて直管の下方の開口端か
    ら排出することによって、直管の内面に液状物を塗布す
    る方法において、液状物の液面の上昇速度を、液状物を
    供給し始めてから所定の期間は第1の速度とし、所定の
    期間の経過後、第1の速度より大きい第2の速度とする
    方法。
  3. 【請求項3】 液状物の液面の上昇速度を第2の速度と
    した後、液状物の上昇を停止する所定の位置よりも手前
    の位置に液状物の液面があるときから第2の速度よりも
    小さい第3の速度とする、請求項1または2に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 下方の開口端から吐出口が挿入されたノ
    ズルを用い、ノズルの吐出口を通して下方の開口端から
    液状物を直管内部に入れる、請求項1〜3のいずれかに
    記載の方法。
  5. 【請求項5】 下方の開口端から液状物を直管内部に入
    れるに先立って、ノズルの内部の液状物を少なくとも部
    分的にノズルの外部に排出して除去する、請求項1〜4
    のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 上方および下方の開口端を有する直管を
    実質的に直立させて支持する支持体と、直管内部に液状
    物を入れて液状物の液面を直管の下方の開口端から上方
    の開口端に向かう方向に上昇させる手段とを備える装置
    において、液状物の液面の上昇速度を、直管内部の充填
    空間の水平断面積が液面の上昇方向で変化する部分を充
    填する間は第1の速度とし、水平断面積が液面の上昇方
    向で一定となる部分を充填する間は第1の速度より大き
    い第2の速度とするように、液状物を上昇させる手段を
    制御する手段を更に備えることを特徴とする装置。
  7. 【請求項7】 上方および下方の開口端を有する直管を
    実質的に直立させて支持する支持体と、直管内部に液状
    物を入れて液状物の液面を直管の下方の開口端から上方
    の開口端に向かう方向に上昇させる手段とを備える装置
    において、液状物の液面の上昇速度を、液状物を供給し
    始めてから所定の期間は第1の速度とし、所定の期間の
    経過後、第1の速度より大きい第2の速度とするよう
    に、液状物を上昇させる手段を制御する手段を更に備え
    ることを特徴とする装置。
  8. 【請求項8】 所定の位置において液状物の有無を感知
    するセンサを更に備え、液状物を上昇させる手段を制御
    する手段が、液状物の液面速度を所定の位置よりも手前
    の位置に液状物の液面があるときから第2の速度よりも
    小さい第3の速度とするように、液状物を上昇させる手
    段を制御する、請求項6または7に記載の装置。
  9. 【請求項9】 下方の開口端に挿入された吐出口を有
    し、吐出口を通して下方の開口端から液状物を直管内部
    に入れるためのノズルを更に備える、請求項6〜8のい
    ずれかに記載の装置。
  10. 【請求項10】 ノズルの内部の液状物を少なくとも部
    分的にノズルの外部に排出して除去する手段を更に備え
    る、請求項6〜9のいずれかに記載の装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4533964B1 (ja) * 2009-03-23 2010-09-01 フジテック・インターナショナル株式会社 発光装置の再生産方法および発光装置の再生産装置
CN114540747A (zh) * 2022-01-25 2022-05-27 北京科技大学 一种内表面梯度强化钢管制备装置及应用方法

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