JPH1110048A - 塗布装置および塗布方法 - Google Patents

塗布装置および塗布方法

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Publication number
JPH1110048A
JPH1110048A JP16296697A JP16296697A JPH1110048A JP H1110048 A JPH1110048 A JP H1110048A JP 16296697 A JP16296697 A JP 16296697A JP 16296697 A JP16296697 A JP 16296697A JP H1110048 A JPH1110048 A JP H1110048A
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JP
Japan
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coating liquid
coating
substrate
nozzle
gap
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Application number
JP16296697A
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English (en)
Inventor
Kazuto Ozaki
一人 尾崎
Eiji Okuno
英治 奥野
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Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Dainippon Screen Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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  • Coating Apparatus (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 液溜り量を一定に保つことでより均一な塗布
膜厚を得ると共に基板端面部を塗布液で濡らさない。 【解決手段】 ノズル部材の前端面27と基板2の被塗
布面2aのギャップ寸法を塗布時のギャップ寸法よりも
狭くすることで毛細管現象が充分に働くようにしてお
き、バルブ47を一定時間のみ開状態とするだけで、ポ
ンプ48にて近接ギャップ間に少量の塗布液22を供給
後、毛細管現象によってその近接ギャップ上端まで液面
が昇ると共に近接ギャップ下端まで液面が下降し、その
近接ギャップ間に適量の液溜りを保有させる。その後の
塗布時に、ノズル部材のノズル口9を所定ギャップ位置
まで離間させて広げれば、そのギャップ寸法内容積の広
がりに伴って同等量の塗布液22がノズル口9から供給
されて、その所定ギャップ間に一定の液溜り量を確保す
ることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示デバイス
(LCD)、プラズマ表示デバイス(PDP)、半導体
デバイスおよび各種電子部品などの製造プロセスにおい
て、LCDまたはPDP用ガラス基板、半導体基板およ
びプリント基板などの基板表面に対して、フォトレジス
ト膜、カラーフィルタ材、平坦化材、層間絶縁膜、絶縁
膜および導電膜などを形成するために各種塗布液を毛細
管現象で汲み上げて塗布する塗布装置および塗布方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、基板表面に塗布液を塗布する方式
としては、回転塗布方式、ブレード塗布方式、スプレイ
塗布方式およびロールコート方式などがある。
【0003】近年、液晶表示デバイスや半導体デバイス
などの製造プロセスにおいて、基板を水平に保った状態
で回転させ、その中央部に塗布液を供給して塗布液に遠
心力を与えることで、基板表面上の中央部から外周部に
均一に塗布液を塗布する回転塗布方式が広く利用されて
いる。
【0004】ところが、この回転塗布方式では、基板の
大型化や角形化の傾向とも相俟って、塗布液を遠心力で
外方に飛ばすため、使用される塗布液の有効利用という
点で無駄があり、塗布液の利用効率が悪かった。また、
角形の基板を水平姿勢で回転させることで、基板の大型
化にも伴って装置も大型化し、その設置スペースも増大
せざるを得なかった。さらに、角形の基板を高速に回転
させると、基板表面に気流の乱れが発生し易く、しか
も、その基板が大型化すると、その回転時における基板
表面上の線速度差が増大することにより、塗布むらや塗
布膜厚の均一性などの塗布品質を確保することが難しく
なっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような回転塗布方
式の上記問題、つまり、塗布液の利用効率の低下、設置
スペースの増大および塗布膜厚の不均一を解決すべく、
基板を鉛直姿勢または傾斜した姿勢に立てて保持し、そ
の基板の幅方向(左右方向)のノズルから基板表面に対
して塗布液を吐出させつつ、そのノズルを基板上端から
下端に移動させるようにして塗布液を塗布する方式の塗
布装置が、特開平8−24740号公報「基板への塗布
液塗布装置」で提案されているが、この塗布装置につい
て、以下に説明する。
【0006】図13は、塗布装置の概略構成を示す正面
図であり、図14は、図13の塗布装置におけるAA線
の断面図である。
【0007】図13および図14において、この塗布装
置は、基板100を鉛直(垂直)方向に立てて保持する
ステージ101と、基板100の被塗布面に塗布液10
2を供給する塗布液槽を内部に有するノズル部材103
と、このノズル部材103を基板100に沿って下方に
直線移動させる移動手段(図示せず)とから構成されて
いる。このノズル部材103は、両端が閉塞され基板1
00の幅方向に延在する筒状をなしており、基板100
の被塗布面と対向する前面壁部104に槽内から外部に
貫通したスリット状の塗布液流出路105をその幅方向
に形成している。また、基板100の被塗布面と対向す
る前面壁部104の前端面106は、基板100の被塗
布面に非接触でかつ近接するように配設され、その下端
106aが塗布液流出路105の流出口よりも下方で且
つその反対側の入口よりも上方に位置し、その上端10
6bが、基板100の被塗布面と前端面106との間の
隙間107を上方へ無限に延長させたと仮定した場合に
塗布液流出路105を通って隙間107内に流入した塗
布液が少なくとも毛細管現象などによって上昇するとき
の到達高さ位置と塗布液流出路105の流出口との間に
位置するようになっている。
【0008】上記構成により、塗布液槽内に塗布液流出
路105の入口と前端面106の下端106aとの間の
高さまで塗布液102を注入し、塗布液槽を大気開放と
すると、塗布液槽内に供給された塗布液102は、少な
くとも毛管現象によって、塗布液流出路105を通って
槽外に流出し、ステージ101によって鉛直姿勢に保持
された基板100の被塗布面と前端面106との間の隙
間107内に流入する。
【0009】この隙間107内に流入した塗布液は、毛
細管現象などによってその隙間107内を前端面106
の下端106aまで下降する。また、隙間107内に流
入した塗布液の上方への流動は、毛細管現象などによっ
てその隙間107内を前端面106の上端106bまで
上昇する。このようにして、基板100の被塗布面と前
端面106との間の隙間107内に、基板100の幅方
向に延びる帯状の塗布液の液溜りが形成されることにな
る。このような液溜りが形成されたことを確認するため
に、図15に示すような確認用窓108が基板幅方向に
亘ってステージ101の上部中央を貫通して設けられて
おり、この確認用窓108、さらにガラス製の基板10
0を通して液溜り109を目視で確認することができる
ようになっている。
【0010】さらに、この液溜り109が隙間107内
に形成された状態で、基板100の被塗布面と前端面1
06との間の隙間107を保持したまま、基板100の
下方向(基板100の幅方向と直交する上下方向)aに
ノズル部材103を直動させると、基板100の被塗布
面に塗布液が塗布されることになる。このとき、基板1
00の被塗布面と前端面106の隙間107にある液溜
り109は、基板100の被塗布面に塗布されていくに
従って消費されるが、大気開放されたノズル部材103
の塗布液槽の塗布液にかかる大気圧と毛細管現象などに
よって、その消費量とほぼ同等の塗布液が塗布液槽内か
ら塗布液流出路105を通ってその隙間107内に供給
される。そのため、塗布時の隙間107内の塗布液量は
常にほぼ一定に保持されることになって、基板100に
塗布液が連続して塗布されることになる。
【0011】かかる装置において、塗布を始める際に隙
間107に塗布液がない状態から液溜り109を形成す
るためには隙間107内へ塗布液を強制的に供給しなけ
ればならない。上記公報においては、毛細管現象で塗布
液流出路105の流出口まで上昇している塗布液を、ノ
ズル部材103内(塗布液槽)の圧力を上昇させる加圧
手段(図示せず)によって、塗布前に、基板100の被
塗布面とノズル部材103の前端面106との隙間10
7内に供給することで一定量の液溜り109を形成させ
ることが提案されている。しかしながら、例えばフォト
レジスト液を通常使用される厚み(例えば1μm)で塗
布しようとする場合、この隙間107は、通常は0.2
mm〜0.5mmと広い隙間寸法であり、加圧手段(図
示せず)のみでこの隙間107内に塗布液を供給するた
めには比較的多量の塗布液量となることから、塗布液の
供給速度と供給量とをかなり正確かつ緻密に圧力制御し
ないと、図16(a)に示すように液溜り109の液量
が多過ぎたり、場合によっては図16(b)に示すよう
に液溜り109が流下したり、さらには基板100の上
側端面部などに塗布液が付着したり、図16(c)に示
すように隙間107内への液溜り109の液量が少な過
ぎたりしてしまう。この図16(b)に示す基板100
の上側端面部への塗布液の付着だけではなく、図7
(a)に示すように基板100の両サイド端面部にも塗
布液が付着して汚れてしまう。また、図16(c)に示
すように隙間107内を液溜り109が充分に上昇しき
らないのは、広い隙間寸法においては、毛細管現象によ
る塗布液の上昇力は弱く基板100側のはじき力などの
外的要因などによって基板100の上端部まで容易に達
し得ないからである。たとえ、この確認用窓108、さ
らにガラス製の基板100を通して液溜り109を目視
で確認しつつ、加圧手段(図示せず)による槽内圧力で
液溜り109の液量を調整したとしても、その液量のコ
ントロールの難しさには変わりがない。このような液溜
り109の多少によって塗布膜厚の均一性に悪影響を及
ぼしたり、基板100の端面部を塗布液で濡らして汚し
てしまい、それが乾いてはがれ落ちるなどしてパーティ
クルの発生要因になったり、また、その部分が厚膜化し
て現像時などに膜残りを来たしたりするという問題を有
していた。
【0012】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
で、液溜り量を最適量に保つことでより均一な塗布膜厚
を得ると共に基板端面部を塗布液で濡らして汚さない塗
布装置および塗布方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の塗布装置は、毛
管現象で塗布液槽から汲み上げられた塗布液を、立設し
た基板の被塗布面に沿って塗布する塗布装置において、
塗布液を貯留可能な塗布液槽と、この塗布液槽に一端が
連通され外部流出口に他端が連通されて斜め上方に延び
る塗布液流出路が前面壁部に配設されたノズル手段と、
塗布液流出路内の流出圧力を加圧する加圧手段と、ノズ
ル手段と基板の被塗布面とを接近または離間するように
移動させるギャップ可変手段と、ノズル手段を前記基板
の被塗布面の所定位置に近接または当接させるようにギ
ャップ可変手段を制御した後に、外部流出口から少量の
塗布液を供給するように前記加圧手段を制御し、ノズル
手段を塗布時の所定ギャップ位置まで離間させるように
ギャップ可変手段を制御する制御手段とを有することを
特徴とするものである。ここで、近接した所定位置と
は、塗布時のギャップ寸法よりも狭く、基板の被塗布面
とノズル手段の前端面のギャップ間に毛細管現象によっ
て塗布液が容易に満たされ得る位置である。また、ディ
スペンス時の少量の塗布液量とは、基板の被塗布面とノ
ズル部材の前端面とのギャップ間の容積よりも少ない塗
布液量である。
【0014】この構成により、一旦、ノズル手段の外部
流出口と基板の被塗布面とのギャップ寸法を塗布時のギ
ャップ寸法よりも狭くすることで毛細管現象が充分に働
くようにし、この状態でその微小ギャップ間に外部流出
口から少量の塗布液を加圧手段で供給するだけで、毛細
管現象によってそのギャップ上端まで液面が上昇すると
共にギャップ下端まで液面が下降し、そのギャップ間に
適量の液溜り量を容易に保有させることが可能となる。
その後、ノズル手段の外部流出口を塗布時の所定ギャッ
プ位置まで離間させるようにギャップ可変手段を制御す
れば、そのギャップ寸法は広がるが、ギャップ間の液溜
りによる表面張力と毛細管現象でそのギャップ寸法内容
積の広がりに伴って同等量の塗布液が外部流出口から供
給されるので、従来のように広い所定ギャップ寸法内に
最適量の塗布液をかなり正確かつ緻密に圧力制御で供給
する必要はなくなり、供給される塗布液量が少な過ぎた
り多過ぎたりするようなことはなく、ギャップ間に最適
な液溜り量を再現性よく確保することが可能となって、
より均一な塗布膜厚を得ると共に基板端面部を塗布液で
濡らして汚すようなこともない。
【0015】また、本発明の塗布装置は、毛管現象で塗
布液槽から汲み上げられた塗布液を、立設した基板の被
塗布面に沿って塗布する塗布装置において、塗布液を貯
留可能な塗布液槽と、この塗布液槽に一端が連通され外
部流出口に他端が連通されて斜め上方に延びる塗布液流
出路が前面壁部に配設されたノズル手段と、塗布液槽の
液面高さを可変する液面高さ可変手段と、ノズル手段と
基板の被塗布面とを接近または離間するように移動させ
るギャップ可変手段と、ノズル手段を前記基板の被塗布
面の所定位置に近接または当接させるようにギャップ可
変手段を制御した後に、外部流出口から少量の塗布液を
供給するように液面高さ可変手段を制御して塗布液槽を
所定時間のみ所定高さだけ持ち上げ、ノズル手段を塗布
時の所定ギャップ位置まで離間させるようにギャップ可
変手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする
ものである。
【0016】この構成により、一旦、ノズル手段の外部
流出口と基板の被塗布面とのギャップ寸法を塗布時のギ
ャップ寸法よりも狭くすることで毛細管現象が充分に働
くようにし、この状態で、液面高さ可変手段で塗布液槽
を所定時間のみ所定高さ持ち上げることで、その微小ギ
ャップ間に外部流出口から少量の塗布液を供給する。こ
れによって、毛細管現象でそのギャップ上端まで液面が
昇ると共にギャップ下端まで液面が下降し、そのギャッ
プ間に適量の液溜り量を容易に保有させることが可能と
なる。その後、ノズル手段の外部流出口を塗布時の所定
ギャップ位置まで離間させるようにギャップ可変手段を
制御すれば、そのギャップ寸法が広がり、ギャップ間の
液溜りによる表面張力と毛細管現象でそのギャップ寸法
内の容積の広がりに伴って同等量の塗布液が外部流出口
から供給されてくるので、従来のように広い所定ギャッ
プ寸法内に最適量の塗布液をかなり正確かつ緻密に圧力
制御で供給する必要はなくなり、供給される塗布液量が
少な過ぎたり多過ぎたりするようなことはなく、ギャッ
プ間に最適な液溜り量を再現性よく確保することが可能
となって、より均一な塗布膜厚を得ると共に基板端面部
を塗布液で濡らして汚すようなこともなくなる。
【0017】また、本発明の塗布方法は、毛管現象で塗
布液槽から汲み上げられた塗布液を塗布液流出路を介し
てノズルの前端面へ供給し、立設した基板の被塗布面と
ノズルの前端面の間のギャップに塗布液を保持して塗布
する塗布方法において、ノズルの前端面と基板の被塗布
面とを接触または近接させる工程と、前記基板の被塗布
面に前記塗布液流出路から塗布液を接触させる工程と、
前記ノズルの前端面と基板の被塗布面を離間させる工程
と、前記ノズルを前記基板の前記被塗布面に沿って相対
移動させて前記基板に塗布液を塗布する工程とを有する
ことを特徴とするものである。
【0018】この構成により、一旦、ノズルの前端面と
基板の被塗布面とのギャップ寸法を狭くすることで、基
板の被塗布面へ塗布液を接触しやすくするとともに、毛
細管現象が充分に働くようにし、その状態で塗布液流出
路から塗布液を基板に接触されることで基板と被塗布面
との間の充分な範囲に塗布液を保有させることができ
る。その後に被塗布面と前端面とを離間させて所定のギ
ャップ寸法として相対移動させることで、塗布液を基板
に対して所定の厚みで均一に塗布することができる。
【0019】また、本発明の塗布方法は、毛管現象で塗
布液槽から汲み上げられた塗布液を塗布液流出路を介し
てノズルの前端面へ供給し、立設した基板の被塗布面と
ノズルの前端面の間のギャップに塗布液を保持して塗布
する塗布方法において、ノズルの前端面と基板の被塗布
面とを接触または近接させる工程と、塗布液流出路内の
流出圧力を加圧して前記基板の被塗布面に前記塗布液流
出路から塗布液を接触させる工程と、前記加圧を解除す
ると共に前記ノズルの前端面と基板の被塗布面を離間さ
せる工程と、前記ノズルを前記基板の前記被塗布面に沿
って相対移動させて前記基板に塗布液を塗布する工程と
を有することを特徴とするものである。
【0020】この構成により、一旦、ノズルの前端面と
基板の被塗布面とのギャップ寸法を狭くすることで、基
板の被塗布面へ塗布液を接触しやすくするとともに、毛
細管現象が充分に働くようにし、その状態で塗布液流出
路を加圧して塗布液を基板に接触させることで、基板と
被塗布面との間の充分な範囲に確実に塗布液を保有させ
ることができる。その後に塗布液流出路の加圧を解除す
ると共に被塗布面と前端面とを離間させて所定のギャッ
プ寸法とすることで、ギャップ内に最適量の塗布液を容
易に保有させることができ、その後にノズルと基板とを
相対移動させることで、塗布液を基板に対して所定の厚
みで均一に塗布することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る塗布装置の実
施形態について図面を参照して説明するが、本発明は以
下に示す実施形態に限定されるものではない。
【0022】(実施形態1)図1は本発明の実施形態1
における塗布装置の概略構成を示す斜視図である。
【0023】図1において、壁状に構成されて立設され
た架台1の表面側中央部に、ガラス基板などの基板2の
被塗布面を外側に向けた状態で基板2を吸着して保持す
る吸着ステージ3が配設されている。この吸着ステージ
3は、用いるサイズの基板2毎の外周部に対応した適所
に、吸引可能な吸着部材としての吸盤(図示せず)が出
退自在に為されている細長い凹部3aが複数配設されて
おり、基板2への吸盤(図示せず)による吸着後に吸盤
(図示せず)を凹部3a内の所定位置に引き込んで収納
することで基板2を保持するようになっている。また、
この吸着ステージ3による基板2の保持状態は、鉛直
(垂直)方向であってもよく、また、傾斜した姿勢であ
ってもよく、例えば基板2が吸着ステージ3の上側に位
置するように若干傾いた状態でもよい。さらに、吸着部
材としての吸盤(図示せず)が基板2の中央部を保持し
ないのは、基板2の中央部は重要な回路などが配置され
る部分であり、吸盤(図示せず)による真空吸引と解除
によって温度が下がったり上がったりすることで塗布む
らとなるのを防止するためである。したがって、吸盤
(図示せず)の形状も基板2の外周部だけを吸引すべ
く、細長い凹部3aと同様の細長い吸盤形状となってい
る。なお、ここでは、吸着ステージ3による基板2の保
持は、吸盤(図示せず)による吸着の場合を示したが、
基板2の上下左右を爪状の部材でひっかけて保持するよ
うな構成であってもよいことは言うまでもないことであ
る。
【0024】また、この架台1の表面側および裏面側の
幅方向両端部の上下位置の4角部にそれぞれ4個の各ア
イドルギヤ4が2組回転自在に各軸受部5でそれぞれ軸
支されて配設されている。これらの上部に位置する左右
2組の各アイドルギヤ4にそれぞれ架けられた左右の各
スチールベルト6の一方端にはそれぞれ、ベース部材7
の両端上部がそれぞれ連結されており、また、左右の各
スチールベルト6の他方端にはそれぞれ、バランスウェ
イト8の両端上部がそれぞれ連結されている。また、下
部に位置する左右2組の各アイドルギヤ4にそれぞれ架
けられた左右の各スチールベルト6の一方端にはそれぞ
れ、ベース部材7の両端下部がそれぞれ連結されてお
り、また、その左右の各スチールベルト6の他方端には
それぞれ、バランスウェイト8の両端下部がそれぞれ連
結されて、ベース部材7が架台1の表面側で、バランス
ウェイト8が架台1の裏面側でそれぞれ水平に保持され
かつ上下に移動可能な状態で、各スチールベルト6が、
架台1の幅方向両端部の上下方向にそれぞれ左右2組の
各アイドルギヤ4をそれぞれ介して巻回されている。こ
のベース部材7上の中央部には、基板2の幅寸法のノズ
ル口9を有し、そのノズル口9から塗布液を吐出可能な
ノズルユニット10が配設されている。これらのベース
部材7およびノズルユニット10とバランスウェイト8
とがそれぞれバランスが取れた静止状態で架台1の表と
裏の幅方向両端部間に水平にそれぞれ保持されるように
なっている。
【0025】また、架台1の表面側の両端部にはそれぞ
れ各上下方向に縦型の各リニアモータ11の固定子12
が配設されており、これら左右の各リニアモータ11は
その駆動によって、ノズルユニット10を載置したベー
ス部材7の両端部を各固定子12に沿って上下に直線移
動させる構成となっている。この移動手段としてのリニ
アモータ11は、各上下方向に配設された各スチールベ
ルト6にそれぞれ沿ってベース部材7の両端部および各
スチールベルト6の内側にそれぞれ配設されており、図
2に示すように、幅方向両端部の各レール部13間にベ
ース部14を有する固定子12と、ベース部材7の両端
部裏側の各側壁にそれぞれ各固定子12とそれぞれ対向
して配設され、各固定子12の上をスライド自在なスラ
イダ部材15とを有している。このスライダ部材15
は、その幅方向両側に各レール部13とそれぞれ嵌合し
て上下方向に案内される各リニアガイド部16と、各リ
ニアガイド部16の間に配設されると共に、固定子12
のベース部14に対向し、図示しない巻線による励磁に
よって磁力を発生させる磁気回路部17と、この磁気回
路部17の巻線(図示せず)の両端に接続されたコネク
タ18とを有しており、この磁気回路部17の励磁によ
る磁力で、スライダ部材15は固定子12の各レール部
13に各リニアガイド部16で案内されて上下に移動自
在である。このスライダ部材15が、ノズルユニット1
0を載置したベース部材7の両端部裏側にそれぞれ固着
されており、これらの各スライダ部材15の移動によっ
てベース部材7が上下に移動自在になっている。
【0026】ここでは、ノズルユニット10を載置した
ベース部材7の両端部を各固定子12に沿って上下に移
動させるように構成したが、ノズルユニット10と基板
2とが被塗布面に沿って相対的に移動するように構成す
ればよく、ノズルユニット10を固定して基板2を吸着
ステージ3と共に上下にリニアモータやボールねじなど
の移動手段で移動するように構成することもできる。こ
のように、吸着ステージ3を上下に移動させる方がノズ
ルユニット10を移動させるよりも振動が少なく、その
振動による塗布むら防止などの観点から吸着ステージ3
を移動させる方がよいのであるが、吸着ステージ3を上
下に移動させると、装置の高さが倍必要となり、クリー
ンルームの天井高さには制限があるので、非現実的なも
のとなってしまう。なお、44は配線や薬液供給チュー
ブなどを収容したケーブルベアである。
【0027】さらに、ノズルユニット10は、図3に示
すように、基板2の被塗布面2aに対向して開口した水
平方向の細長いノズル口9から塗布液を吐出可能なノズ
ル手段としてのノズル部材19と、このノズル部材19
のノズル口9を基板2の被塗布面への対向位置Mと点線
で示す洗浄用の下方位置Nとの間で、ノズル部材19を
その長手方向を回動軸として回動させるノズル部材回動
機構部20と、ノズル部材19のノズル口9と基板2の
被塗布面との水平方向の隙間(ギャップ)を可変させる
べく、ノズル部材19を基板2に対して接近または離間
自在に駆動するギャップ可変機構部21とを備えてい
る。このノズルユニット10は、塗布処理される基板2
のサイズに合った幅寸法のノズル部材19と付け変え可
能に構成されている。
【0028】このノズル部材19のうち、図4(a)に
はノズル部材19aが、図4(b)には別の型のノズル
部材19bが模式的に示されている。これらのノズル部
材19a,19b内には、塗布液22を溜める塗布液槽
23が配設されており、この塗布液槽23は、両端が閉
塞され基板2の幅方向に延在する水平方向に細長い筒状
に構成されている。この塗布液槽23の中央部に塗布液
22を供給する図1の供給チューブ24が連結されてお
り、ベース部材7上に載置されたポンプ43によって供
給チューブ24を介して外部から塗布液22を塗布液槽
23内に供給可能に構成している。また、基板2の被塗
布面2aと対向する前面壁部25に塗布液槽23内から
外部に斜め上向きに貫通した塗布液流出路としてスリッ
ト26が基板2の幅方向に形成されている。このスリッ
ト26は、塗布液槽23の下部とノズル口9との間で直
線状に左上向きに傾斜した状態で連結しており、スリッ
ト26の下方端が塗布液槽23内に開口し、その上方端
が水平方向に細長いノズル口9となっている。また、基
板2の被塗布面2aと対向する前面壁部25の前端面2
7は、塗布液の液溜りが形成可能なように、基板2の被
塗布面2aに非接触でかつ所定の隙間28で近接するよ
うに配置される。
【0029】また、図4(a)のノズル部材19aで
は、前端面27の下端27aは、スリット26の出口で
あるノズル口9と、その反対側の塗布液槽23内への開
口との間の高さに位置するよう形成されている。この前
端面27の下端27aとスリット26の塗布液槽23内
への開口上端との高さ範囲B内に塗布液槽23内の塗布
液面が位置するように液面を設定し、その前端面27の
上端27bが、基板2の被塗布面2aと前端面27との
間の隙間28を塗布時における距離を保った状態で上方
へ無限に延長させたと仮定した場合にその隙間内に流入
した塗布液22が毛細管現象などによって上昇すること
ができる到達高さ位置とスリット26の流出口であるノ
ズル口9との間に位置するようになっている。
【0030】また、図4(b)の別の型のノズル部材1
9bでは、前端面27の下端27aは、スリット26の
出口であるノズル口9と、その反対側の塗布液槽23内
への開口との間の高さに位置するよう形成されている。
前端面27の下端27aとスリット26の塗布液槽23
内への開口上端との高さ範囲B内に塗布液槽23内の塗
布液面が位置するように液面を設定し、ノズル口9から
前端面27の前端面上部29は、上方に開くように傾斜
している。つまり、基板2の被塗布面2aと前端面上部
29との間の隙間30は上に行くほど広がっており、塗
布液22が毛細管現象などによってスリット26さらに
ノズル口9を介して隙間30内を上昇する液面到達高さ
位置まで来ている。
【0031】さらに、連通管45がノズル部材19の上
部に配設されており、この連通管45は、その一方端が
塗布液槽23の上方から内部に開口し、その他方端が2
方向に分岐しており、一方の分岐側はバルブ46を介し
て大気に開放可能に構成され、他方の分岐側はバルブ4
7を介して送風手段としてのポンプ48に連通してい
る。これらの連通管45、バルブ46,47およびポン
プ48で加圧手段51が構成されており、この加圧手段
51は、通常は、バルブ46を開状態でバルブ47を閉
状態として、塗布液槽23の内部を大気に開放し、ま
た、塗布開始時のディスペンス時に所定時間のみ、バル
ブ46を閉状態でバルブ47を開状態とした後に上記大
気開放状態に戻して、ポンプ48にて塗布液槽23内の
気圧を一旦高めることで塗布液流出路としてのスリット
26内の塗布液の流出圧力を加圧してノズル口9から少
量の塗布液を供給するようになっている。
【0032】これらのタイプが異なるノズル部材19
a,19bの特徴を比較すると、ノズル部材19aで
は、塗布液22が毛細管現象などによって上昇する到達
高さ位置よりも低い位置で前端面27の上端27bが形
成されているため、毛細管現象などによる塗布液22の
上昇力が内在されており、塗布液22の塗始めから所定
膜厚に至るまでの時間がノズル部材19bの場合よりも
早く到達するというメリットがある。つまり、ノズル部
材19aでは、塗布液22の塗始めの薄い膜厚範囲が、
ノズル部材19bの場合よりも狭いというメリットがあ
る。
【0033】また、ノズル部材19aでは、その前端面
27は塗布液22で常に濡れているために塗布液22が
乾くことがなく、乾くことによるコンタミネーションの
発生原因は抑えられることになる。一方、ノズル部材1
9bでは、前端面上部29の傾斜面を、塗布液22の液
面が毛細管現象などによって上昇する到達高さ位置は、
塗始めと塗終わりなどで、消費した液量差による槽内の
液面高さの低下などのため一定しておらず、液面が低下
することによって、今まで塗布液22で濡れていた前端
面上部29の傾斜面が乾いてコンタミネーションが生
じ、そこから発生したパーティクルが塗布液22中に混
入して塗布されることになって、塗布膜の品質が低下す
るという虞がある。また、ノズル部材19bでは、次に
別の基板2の被塗布面2aを塗布する場合にも同様に、
前端面上部29の傾斜面を、塗布液22の液面が毛細管
現象などによって上昇する到達高さ位置は、前回の塗布
時と比べて、基板2の被塗布面2aと前端面上部29と
の隙間30が広くなったり狭くなったりすることで一定
化しない。このため、その隙間30が広くなったギャッ
プ部分では液面到達高さ位置が低下することによって、
今まで塗布液22で濡れていた前端面上部29の傾斜面
が乾くことになる。その乾いた部分にコンタミネーショ
ンが発生し、それによるパーティクルが塗布液22中に
混入して塗布されることになって、塗布膜の品質が低下
するという虞がある。
【0034】さらに、ノズル部材19aでは、基板2の
被塗布面2aと前端面27との隙間28の寸法によって
塗布する塗布液22の膜厚が変化するために、膜厚調整
用としては効力を発揮するが、細長いノズル口9と基板
2の被塗布面2aとの隙間28に、細長いノズル口9の
両端位置で、また、塗始めの位置と塗終わりの位置など
でギャップ差が生じるような場合には、その隙間28の
差が塗布膜厚差となって反映することになって、基板2
の被塗布面2aに均一な膜厚の塗布液22を塗布するこ
とができないという虞がある。これに対して、ノズル部
材19bでは、基板2の厚みが変化したり基板2の被塗
布面2aと細長いノズル口9との隙間30に、基板2が
反っていたりノズル部材19bが傾いていたりして、細
長いノズル口9の両端位置で、また、塗始めの位置と塗
終わりの位置でギャップ差があるような場合にも、隙間
30が上方に広がっているので、細長いノズル口9の両
端部などでのギャップ差が吸収されて、塗布膜厚差が生
じにくく、基板2の被塗布面2aにより均一な膜厚の塗
布液22を塗布することができるようになる。つまり、
隙間30の寸法が小さくなるほど塗布膜厚が厚くなる
が、この場合、隙間30を上昇する塗布液22の液面到
達高さ位置も上昇することになり、前端面29の傾斜面
で液面が上になるほど液面位置における隙間寸法も増え
て、細長いノズル口9の両端部などでのギャップ差が吸
収されることになる。この上昇液面位置における隙間寸
法が塗布膜厚に影響しているため、隙間30の寸法が小
さくなるほど塗布膜厚が厚くなるが、上昇液面位置にお
ける隙間寸法は広がって塗布膜厚が薄くなる方向に移行
して塗布膜厚差は生じにくくなり、基板2の被塗布面2
aに対してより均一な膜厚の塗布液22を塗布すること
ができるようになる。
【0035】一方、図3のノズル部材回動機構部20
は、図示しない電磁弁で制御されて、ロッド先端部31
を伸長位置と収縮位置との間を移動させるエアーシリン
ダ32が、矢印方向Cにシリンダ前方部のピン32aを
回動中心として回動可能に軸支されている。このロッド
先端部31は、アーム部材33の一方端部と回動可能に
ピン連結されてリンク機構を構成しており、アーム部材
33の他方端部は駆動軸34にその長手方向に直交する
方向から回動力を伝達可能に固定されている。この駆動
軸34は、所定幅で水平方向に延びたベース部材35を
下方から支持する支持部材35aを横方向に貫通して固
定されている。このベース部材35の前方端縁上側には
ノズル部材19がそのノズル口9を基板2の被塗布面2
a側に向けた状態で、ノズル部材19の長手方向と駆動
軸34の軸方向が一致する方向になるように取り付けら
れている。図3は、エアーシリンダ32のロッド先端部
31が伸長した場合であり、このとき、ノズル部材19
のノズル口9は基板2の被塗布面2aに対向して塗布可
能な状態である。これに対して、エアーシリンダ32の
ロッド先端部31が短縮した場合には、ノズル部材19
のノズル口9は、2点鎖線で示すように下方を向いて洗
浄可能な状態となる。このロッド短縮の途中で、ピン3
2aを回動中心としてエアーシリンダ32が矢印方向C
に揺動しつつロッド先端部31が短縮されることにな
る。
【0036】また、ギャップ可変機構部21は、ステッ
ピングモータやサーボモータなどの接離モータ36と、
前後の軸受部37,38で軸支され、この接離モータ3
6の回転軸に連結部39を介して連結されたボールねじ
40と、このボールねじ40に螺合した移動部材41
と、移動部材41の上端が下面で固着されていると共に
ノズル部材回動機構部20を支持して基板2の被塗布面
2aに対してノズル部材19の前端面27が接近または
離間するようにスライド自在なスライド部材42とを備
えており、接離モータ36によるボールねじ40の回転
で、移動部材41が、ノズル部材19およびノズル部材
回動機構部20を載置した状態で前後に移動自在に構成
されている。
【0037】ここでは、ギャップ可変機構部21は中央
部1個所として、基板2の厚さのばらつき範囲内でギャ
ップ寸法を調整するようにしているが、さらに、基板2
の厚さのばらつきだけではなく、基板2の幅方向にテー
パがあって左右両端部での厚さ寸法に差があるような場
合には、ギャップ可変機構部21をベース部材7の左右
2個所配設することで左右独立にギャップ寸法を調整す
ることができ、ノズルユニット10の左右に長いノズル
部材19を、基板2の幅両端部で厚さが異なることによ
る幅方向テーパに合わせて平行に、左右位置で等ギャッ
プ寸法として傾け得るように構成することもできる。
【0038】図5は、図1の塗布装置の概略制御構成を
示すブロック図である。
【0039】図5において、操作部52としては、数字
を入力するテンキー、電源のオン・オフを入力する電源
キー、塗布スタートキー、リニアモータ11の駆動速度
の基準値を任意に手動で設定する速度設定キーおよび、
接離モータ36を駆動させて基板2の被塗布面2aとノ
ズル口9との隙間28または隙間30を調整する隙間設
定キー、基板サイズ、基板厚さ、塗布液粘度および塗布
膜厚などを設定する各種設定キーなどで構成されてい
る。また、この操作部52が接続される制御部53はR
OM54およびRAM55に接続されており、ROM5
4内に登録された各制御プログラムで用いる制御データ
を、操作部52から制御部53を介してRAM55内に
書き込み可能である。
【0040】また、これらの操作部52、ROM54お
よびRAM55が接続される制御部53は、リニアモー
タ駆動回路56を介してリニアモータ11に接続されて
おり、ROM54内に登録されたリニアモータ駆動制御
プログラムと、操作部52から入力され、リニアモータ
駆動制御プログラムに対応した制御データに基づいて、
制御部53は、その制御信号をリニアモータ駆動回路5
6に出力し、リニアモータ駆動回路56がリニアモータ
11を駆動してベース部材7上のノズルユニット10を
基板2の被塗布面2aに対する所定上下位置に移動自在
である。また、制御部53は、ROM54内に登録され
たリニアモータ駆動制御プログラムと、基板サイズ、塗
布液粘度および塗布膜厚などの各種設定キーからの入力
や、操作部52の塗布スタートキーの入力によって、リ
ニアモータ駆動制御プログラムに対応した制御データに
基づいて、リニアモータ駆動回路56を介してリニアモ
ータ11を駆動して所定速度でノズル走行させつつ塗布
可能なように制御するようになっている。
【0041】さらに、これらの操作部52、ROM54
およびRAM55が接続される制御部53は、接離モー
タ駆動回路57を介して接離モータ36に接続されてお
り、ROM54内に登録された接離モータ駆動制御プロ
グラムと、操作部52から入力され、接離モータ駆動制
御プログラムに対応した制御データに基づいて、制御部
53は、その制御信号を接離モータ駆動回路57に出力
し、接離モータ駆動回路57が接離モータ36を駆動し
てベース部材7上のノズルユニット10を基板2の被塗
布面2aに対して接近または離間させて所定ギャップ位
置に移動自在に制御可能である。
【0042】さらに、制御部53は、加圧手段51とし
てのバルブ46,47およびポンプ48に接続されてお
り、ROM54内に登録された制御プログラムに基づい
て、制御部53は、その制御信号をバルブ46,47お
よびポンプ48に出力し、通常時には、バルブ46を開
状態でバルブ47を閉状態として、塗布液槽23の内部
を開放して大気圧とし、また、塗布開始時のディスペン
ス時に所定時間のみ、バルブ46を閉状態でバルブ47
を開状態として、ポンプ48にて塗布液槽23内の気圧
を高めることでスリット26内の塗布液の流出圧力を高
めてノズル口9から少量の塗布液を供給するようになっ
ている。ポンプ48で塗布液槽23内の気圧を高める時
点は、制御部53が接離モータ駆動回路57を介して接
離モータ36を駆動し、ベース部材7上のノズルユニッ
ト10を基板2の被塗布面2aに対して、塗布中におけ
る所定ギャップ寸法よりも近接するように移動させた後
である。これらのノズル部材19のノズル口9と基板2
の被塗布面2aとが近接したときの近接ギャップ寸法は
毛細管現象によって塗布液が容易に上昇し得る寸法であ
ればよい。この近接ギャップ寸法とは、基板2の被塗布
面2aとノズル部材19の前端面27とのギャップ寸法
が例えば0.05mm〜0.2mm程度である。また、
ディスペンス時の少量の塗布液量とは、基板2の被塗布
面2aとノズル部材19の前端面27とのギャップ間の
容量と同じかまたはそれよりも少量の塗布液量である。
【0043】上記構成により、以下、その動作を説明す
る。
【0044】まず、所定の塗布液を塗布処理する基板2
を搬送ロボット(図示せず)などによって搬送後に、基
板2の外周部を吸着ステージ3の複数の吸盤に対応させ
た状態で所定の位置に位置決めして、基板2の被塗布面
を外側に向けた状態で基板2を各吸盤で吸着する。さら
に、各吸盤を吸着ステージ3の凹部3a内の所定位置に
引き込んで収納することで基板2を保持する。
【0045】次に、ノズル部材19内の塗布液槽23に
所定量の塗布液22を、図1のベース部材7上に載置さ
れたポンプ43にて供給チューブ24を介して供給す
る。この塗布液槽23への塗布液22の供給は、ノズル
ユニット10の停止中に行う方がよい。これは、塗布中
に塗布液槽23に塗布液22の供給を行えば、塗布液槽
23内の塗布液22の液面が揺れて、その高さが変化す
る液面に応じた波動がノズル口9を介して伝播して塗布
むらとなる虞があるためである。
【0046】さらに、制御部53は、基板2の被塗布面
2aに対する原点位置にノズルユニット10におけるノ
ズル部材19のノズル口9を上方向または下方向に移動
するべく、ノズルユニット10と共にベース部材7をリ
ニアモータ11によって移動させる。このとき、ROM
54内に登録されたリニアモータ駆動制御プログラムと
その制御データに基づいて、制御部53が、その制御信
号をリニアモータ駆動回路56に出力することで、リニ
アモータ駆動回路56がリニアモータ11を駆動してベ
ース部材7上のノズルユニット10におけるノズル部材
19を、図6(a)に示すように基板2の被塗布面2a
に対する所定の塗始め位置に原点復帰させることができ
る。この場合の制御データは、基板2の保持位置が精密
な場合には、登録された原点データであり、また、マニ
ュアル的に操作部52から所定の高さ位置が入力された
データであってもよい。さらに、塗布液22の塗始め位
置に原点センサ(図示せず)を設けて、その原点センサ
(図示せず)がベース部材7を検知する所定の塗始め位
置で、制御部53がベース部材7を停止するようにリニ
アモータ駆動回路56を介してリニアモータ11を駆動
制御してもよい。
【0047】さらに、基板2の被塗布面2aとノズル部
材19のノズル口9との所定の近接ギャップ位置に移動
するべく、接離モータ36の駆動によるボールねじ40
および移動部材41によりノズル部材19の前端面27
を、図6(b)に示すように基板2の被塗布面2aに対
して移動させる。このとき、ROM54内に登録された
接離モータ駆動制御プログラムとその制御データに基づ
いて、制御部53が、その出力制御信号を接離モータ駆
動回路57に出力し、接離モータ駆動回路57が接離モ
ータ36を駆動してベース部材7上のノズル部材19を
基板2の被塗布面2aに対する所定の近接ギャップ位置
に移動させる。この場合の制御データは、塗布液22の
粘度などの各種塗布条件に応じて設定され登録されたギ
ャップデータ(所定近接ギャップ位置データ)であって
もよく、また、これらの各種塗布条件に応じた実験デー
タを参照してマニュアル的に操作部52から入力された
近接ギャップデータであってもよい。
【0048】このようにして、図6(b)に示す近接ギ
ャップ位置にノズル部材19を移動させた後に、一定時
間のみバルブ46を閉状態でバルブ47を開状態とし
て、ポンプ48にて塗布液槽23内の気圧を高めること
でスリット26内の塗布液の流出圧力を高めてノズル口
9から少量(近接ギャップの容積以下の塗布液量)の塗
布液を隙間27sに供給する。これによって、基板2の
被塗布面2aとノズル部材19の前端面27との間の近
接ギャップの隙間27s間に、図6(c)に示すよう
に、塗布液22が毛管現象で塗布液槽23内からスリッ
ト26を介して汲み上げられて適量の液溜り49が形成
されることになる。つまり、加圧により最初に隙間27
s内へ供給される塗布液は少量であっても、その隙間2
7sは近接ギャップによりごく狭いものとなっており、
そのため強い毛細管現象による力を得て塗布液は近接ギ
ャップ間全体に満たされることになる。続いて、バルブ
46を開状態でバルブ47を閉状態として、ポンプ48
による加圧を解除して塗布液槽23内の気圧を大気圧と
した後、基板2の被塗布面2aとノズル部材19の前端
面27の塗布時の所定ギャップ位置に移動するべく、接
離モータ36の駆動によるボールねじ40および移動部
材41によりノズル部材19を基板2の被塗布面2aに
対して離間するように移動させる。このとき、ROM5
4内に登録された接離モータ駆動制御プログラムとその
制御データに基づいて、制御部53が、その出力制御信
号を接離モータ駆動回路57に出力し、接離モータ駆動
回路57が接離モータ36を駆動してベース部材7上の
ノズル部材19を、図6(d)に示すように基板2の被
塗布面2aに対する塗布用の所定ギャップ位置に移動さ
せる。この場合の制御データは、塗布液22の粘度や必
要塗布膜厚、塗布速度などの各種塗布条件に応じて設定
され登録されたギャップデータ(所定ギャップ位置デー
タ)であってもよく、また、これらの各種条件に応じた
実験データを参照してマニュアル的に操作部52から入
力されたギャップデータであってもよい。この所定ギャ
ップ位置にノズル部材19を移動させたとき、基板2の
被塗布面2aとノズル部材19の前端面27とのギャッ
プ間は広がるが、ギャップ間の液溜りの表面張力と毛細
管現象でそのギャップ寸法内容積の広がりに伴って同等
量の塗布液が前端面27のノズル口9から供給されて、
ギャップ間に最適量の液溜り量49aを再現性よく満た
すことができる。
【0049】続いて、基板2の被塗布面2aに所定の塗
布膜厚で塗布するべく、操作部52の塗布スタートキー
を操作すると、ROM54内に登録されたリニアモータ
駆動制御プログラムと所定の塗布膜厚に応じた制御デー
タとに基づいて、制御部53は、その出力制御信号をリ
ニアモータ駆動回路56に出力し、リニアモータ駆動回
路56がリニアモータ11を駆動してベース部材7をノ
ズルユニット10と共に基板2の被塗布面2aに沿って
下方向に移動させてノズル走行を行いつつ基板2の被塗
布面2aに対して塗布する。
【0050】以上のように、本実施形態1によれば、ノ
ズル部材19の前端面27と基板2の被塗布面2aのギ
ャップ寸法を、その隙間27sへの塗布液供給時には塗
布時のギャップ寸法よりも狭くすることで毛細管現象が
充分に働くようにしておき、バルブ47を一定時間のみ
開状態とするだけで、ポンプ48にて近接ギャップ間に
ノズル口9から少量の塗布液22を供給した後、毛細管
現象によってその近接ギャップ上端まで液面が昇ると共
に近接ギャップ下端まで液面が下降し、その近接ギャッ
プ間に適量の液溜り49を保有させることができる。そ
の後の塗布時に、ノズル部材19のノズル口9を所定ギ
ャップ位置まで離間させて広げれば、そのギャップ寸法
内容積の広がりに伴って同等量の塗布液22がノズル口
9から供給されて、その所定ギャップ間に一定の液溜り
量49aを確保することができ、より均一な塗布膜厚を
得ると共に、図7(b)に示すように適量の液溜り49
aとなって図7(a)に示すように基板2の端面部2b
を塗布液で濡らして汚すようなこともない。
【0051】また、従来の回転塗布方式のように基板2
を水平に支持せず基板2を立設するために、その設置ス
ペースの縮小を図ることができ、また、従来の回転塗布
方式のように基板2を回転させた遠心力で塗布液を周り
に振りきりつつ塗布するのではなく、立設した基板2に
対して、基板2の被塗布面に沿ってノズル部材19をリ
ニアモータ11で移動させつつ、毛管現象で供給された
塗布液を基板2の被塗布面に塗布するため、塗布液の節
約を図ることができる。
【0052】(実施形態2)図8は、本発明の実施形態
2における塗布装置の概略構成を示す模式図である。な
お、本実施形態2では、図1〜図7と同様の作用効果を
奏する部材は同一符号を付してその説明を省略してい
る。
【0053】図8において、塗布液22を供給可能なノ
ズル手段としてのノズル部材60には、上記塗布液槽2
3の代りに、気層のない液溜り部61が形成されてい
る。この液溜り部61は、斜め上方に位置するノズル口
9に塗布液流出路としてのスリット62aを介して連結
されていると共に、その液溜り部61の下方部には塗布
液供給管62bの一端が連結されている。この塗布液供
給管62bの他端は、塗布液22を所定量貯留可能な外
部塗布液槽63の底部に連結されている。外部塗布液槽
63はノズル部材60と略同じ高さに設けられ、塗布時
においてはノズル部材60の前端面27の下端よりも下
方で且つスリット62aの下方端よりも上方に液面が位
置するだけの塗布液が入れられて、塗布液がスリット6
2a内を毛管現象で上昇可能になっている。また、この
外部塗布液槽63の上部蓋には外部開放口63aが設け
られている。
【0054】また、この塗布液供給管62bから塗布液
供給管62cが分岐しており、この分岐部と外部塗布液
槽63との間の塗布液供給管62bにはバルブ64が配
設され、バルブ64によって外部塗布液槽63から液溜
り部61への塗布液22の供給を制御可能である。ま
た、この分岐した塗布液供給管62cの途中にはバルブ
65が設けられており、その先端はポンプ66に連通し
ている。これらの連通管62b,62c、バルブ64,
65およびポンプ66で上記図5の加圧手段51と同様
の加圧手段が構成されており、この加圧手段は、通常
は、バルブ64を開状態でバルブ65を閉状態として、
塗布液槽63の底部と液溜り部61とを連通状態とし、
また、塗布開始時のディスペンス時に一定時間のみ、バ
ルブ64を閉状態でバルブ65を開状態として、ポンプ
66にてバルブ65を介して液溜り部61内の圧力を一
旦高めることでスリット62a内の塗布液上昇圧を加圧
してノズル口9から少量の塗布液を供給し、その後上記
通常状態に戻すようになっている。
【0055】以上のように、上記実施形態1と同様に、
本実施形態2によれば、ノズル部材60と基板2の被塗
布面2aのギャップ寸法を、その隙間への塗布液供給時
には塗布時のギャップ寸法よりも狭くすることで毛細管
現象が充分に働くようにしておき、バルブ65を一定時
間のみ開状態とするだけで、ポンプ66にてその近接ギ
ャップ間に少量の塗布液22を供給した後、毛細管現象
によって近接ギャップ間に適量の液溜りを保有させるこ
とができる。その後の塗布時に、ノズル部材60を塗布
用の所定ギャップ位置まで離間させて広げれば、そのギ
ャップ寸法内容積の広がりに伴って同等量の塗布液22
がスリット62aの流出口から供給されて、その塗布用
の所定ギャップ間に最適な液溜り量で満たすことがで
き、より均一な塗布膜厚を得ると共に基板2の端面部2
bを塗布液で濡らして汚すようなこともない。
【0056】(実施形態3)図9は、本発明の実施形態
3における塗布装置の概略構成を示す模式図である。な
お、本実施形態3では、図1〜図8と同様の作用効果を
奏する部材には同一符号を付してその説明を省略してい
る。
【0057】図9において、外部塗布液槽63には、塗
布液22の液面高さを検出する液面高さ検出手段として
の複数の光センサなどよりなる各液面センサ67が高さ
方向に順次配設されている。この外部塗布液槽63の下
方位置には、外部塗布液槽63の高さを可変自在な槽高
さ可変手段68が配設されている。これらの液面センサ
67と槽高さ可変手段68との間には制御手段69が設
けられており、制御手段69は、液面センサ67で検出
した液面高さを基準にして、その液面高さがスリット6
2aの流出口62d(塗布液流出口)の高さかまたは若
干高くなるように、槽高さ可変手段68を駆動制御する
ように構成されている。
【0058】図10は、図9の槽高さ可変機構の具体的
構成を示す一部分解斜視図であり、図11は、図10の
XX線縦断面図である。
【0059】図10および図11において、下板80と
上板81の間に3本のガイド軸82が立設されて固定さ
れており、これらの3本のガイド軸82がそれぞれ、可
動板83に固定された各ボールブッシュ84を貫通した
状態で下板80と上板81の間を3本のガイド軸82で
案内されて上下に移動自在に構成されている。外部に対
する防塵のために、上板81と可動板83の間の各ガイ
ド軸82の周りにはそれぞれ、伸び縮み自在なベローズ
85がそれぞれ設けられており、また、下板80上に設
けられ各ガイド軸82およびリニアアクチュエータ75
を覆う筒状部材80aと可動板83の間にも各ガイド軸
82およびリニアアクチュエータ75を覆う伸び縮み自
在なベローズ86が設けられている。また、可動板83
と上板81の間にこの可動板83の下面中央位置にスト
ッパー87が設けられている。このストッパー87にリ
ニアアクチュエータ75のアクチュエータ部88の先端
部が当接するように、アアクチュエータ75が上向き
に、下板80上に立設された固定部材89に固定されて
いる。この場合、アクチュエータ部88の先端部は上下
に出退自在に構成されており、その先端部の上下移動に
伴って可動板83を上下に移動可能なように構成されて
いる。
【0060】また、この可動板83の側面には取付け板
90を介してタンク固定部材91が固定されており、こ
のタンク固定部材91は略C型に構成されている。ま
た、この略C型の穴91aに外部塗布液槽63の外周部
を差し込み可能になっており、その略C型の穴91aに
外部塗布液槽63を差し込み後に、クリック方式のロッ
ク機構92によってその略C型の穴91aを縮径して外
部塗布液槽63を固定可能としている。また、この取付
け板90には、タンク固定部材91の略C型の穴91a
の下方位置で突き出すように2本の丸棒93が固定され
ており、これらの2本の丸棒93によって略C型の穴9
1aに外部塗布液槽63を差し込れた際にストッパーと
なって高さ方向の位置決めとなるように構成されてい
る。
【0061】さらに、タンク固定部材91の下面側には
取付け板94を介して3個の液面センサ67が高さ方向
に所定間隔を置いて配設されている。この場合の各液面
センサ67は反射型の光センサであって、外部塗布液槽
63の容器を透明容器とし、光センサの投光部から出射
した光の反射率が透明容器内の液の有無で異なり、投光
部からの出射光が受光部に戻るかどうかで透明容器内の
液の有無が判別可能である。さらに、この外部塗布液槽
63の上部に設けられた上部蓋64には槽内部と外部と
を連通する外部開放口63aが設けられ、外部塗布液槽
63の底部には、一端がノズル部材60に連結された塗
布液供給管62bの他端が連結されている。
【0062】さらに、可動板83には、可動板83の下
側に位置するベローズ86の内部と、動板83の上側に
位置する各ベローズ85の内部とをそれぞれ連通する各
呼吸孔96がそれぞれ設けられており、可動板83が上
下にスムーズに移動可能なようになっている。また、こ
の可動板83の原点高さ位置を検出する近接センサ97
が配設されており、この近接センサ97による可動板8
3の検出により、制御部71は原点高さ位置と判断する
ようになっている。さらに、筒状部材80aには、窒素
ガスの流入口98aおよび流出口98bと、リニアアク
チュエータ75と電気的に接続されるコネクタ99とが
設けられている。なお、以上の図9の槽高さ可変機構
は、図1のベース部材7上に載置されて用いられること
になる。
【0063】図12は、図9の塗布装置の概略制御構成
を示すブロック図であり、図5と同様の作用効果を奏す
る部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0064】図12において、操作部52が接続されて
いる制御部71はROM72およびRAM73に接続さ
れており、ROM72内に登録された各制御プログラム
で用いる制御データを操作部52からRAM73内に書
き込み可能である。また、これらの操作部52、ROM
72およびRAM73が接続される制御部71は、リニ
アアクチュエータ駆動回路74を介して槽高さ可変手段
68としてのアクチュエータ75に接続されると共に、
各液面センサ67に接続されており、ROM72内に登
録されたリニアアクチュエータ駆動制御プログラムと、
操作部52から入力され、リニアアクチュエータ駆動制
御プログラムに対応した制御データに基づいて、液面セ
ンサ67で検出した塗布液22の液面位置を基準にし
て、制御部71は、その出力制御信号をリニアアクチュ
エータ駆動回路74に出力し、アクチュエータ駆動回路
74がリニアアクチュエータ75を駆動して外部塗布液
槽63内の液面高さ位置がノズル部材60のノズル口9
の高さ位置と一致した高さ位置かまたは液面高さ位置の
方が若干高い位置まで外部塗布液槽63を持ち上げるこ
とで、スリット62a内の流出圧力を加圧してその近接
ギャップ間に少量の塗布液22を供給するようになって
いる。
【0065】このように、本実施形態3によれば、ノズ
ル部材60と基板2の被塗布面2aのギャップ寸法を、
その隙間への塗布液供給時には塗布時のギャップ寸法よ
りも狭くすることで毛細管現象が充分に働くようにす
る。この近接ギャップ状態で、制御部71は、液面セン
サ67で検出した塗布液22の液面高さ位置を基準にし
て、所定高さ量だけ一定時間のみ外部塗布液槽63を持
ち上げる。つまり、制御部71は、リニアアクチュエー
タ75のアクチュエータ部88を上方向に突き出させて
可動板83を上昇させると共に、外部塗布液槽63を持
ち上げて液面高さを所定高さだけ持ち上げる。この持ち
上げ量は、塗布液22の粘度などの条件に応じた実験デ
ータなどから正確に得ることができるが、サイフォンの
原理を用いて塗布液22を微量吐出させることが目的で
あるので、その液面高さとノズル部材60のノズル口9
との高さの差だけ外部塗布液槽63を持ち上げるかまた
はそれよりも若干高く持ち上げることになる。この最適
な持ち上げ高さおよびその持ち上げ時間の実験データ
を、予めRAM73に登録して保持しておいてもよく、
その登録データに基づいて外部塗布液槽63を持ち上げ
るようにする。この外部塗布液槽63を一定時間のみ持
ち上げることで、スリット62a内の流出圧力を加圧し
てその近接ギャップ間に少量の塗布液22を供給する。
その後は、外部塗布液槽63を元の高さ、即ちノズル部
材60の前端面27の下端よりも下方で且つスリット6
2aの下方端よりも上方の位置に液面が位置し、塗布液
がスリット62a内を毛細管現象で上昇可能な位置へ戻
すが、毛細管現象によって近接ギャップ間に適量の液溜
りを保有させることができる。さらに、塗布時に、ノズ
ル部材60を塗布用の所定ギャップ位置まで離間させて
広げれば、そのギャップ寸法内容積の広がりに伴って同
等量の塗布液22がスリット62aのノズル口9から供
給されて、その所定ギャップ間に最適な液溜り量を確保
することができ、より均一な塗布膜厚を得ると共に基板
2の端面部2bを塗布液で濡らして汚すようなこともな
い。また、外部塗布液槽63を透明容器としているの
で、液面位置を容易に目視することができると共に、液
面センサ67を外部塗布液槽63に容易に設けることも
でき、また、メンテナンスも容易である。なお、複数枚
の基板に連続して塗布を行う場合で、ノズル部材60の
前端面27に少量の塗布液が残っているような場合は、
外部塗布液槽63をその内部の液面高さが例えば前端面
27の下端とノズル口9との間まで持ち上げることでも
近接ギャップ内へ塗布液を供給できる。
【0066】したがって、上記実施形態1〜3によれ
ば、ノズル部材19,60を基板2の所定位置に近接ま
たは当接させた後に、その毛細管現象が働く近接ギャッ
プ状態で少量の塗布液を供給して近接ギャップ間に適量
の液溜り量を保有させ、ノズル部材19,60の前端面
27を塗布用の所定ギャップ位置まで離間させるため、
塗布開始時のギャップ内の液溜め量が再現性よく常に適
量(定量)となることから、基板2の塗布開始初期部分
においても塗布膜厚が常に一定となって、塗布不良の防
止のみならず塗布膜厚の均一性向上に大きく寄与するこ
とになる。また、基板2の上端面部および側端面部にデ
ィスペンス時の余剰の塗布液が付着することもなく、基
板搬送時などの基板こすれによるパーティクル発生を防
止することができると共に、塗布開始時の余剰の塗布液
による厚膜化を防止することができる。さらに、この厚
膜化の防止によって、現像時などに取りきれない膜残り
を回避することができる。
【0067】なお、上記実施形態1,2では、加圧手段
51を設けたが、塗布液槽23,63内にフロートを設
け、このフロートを上下に移動させるフロート移動手段
を設けて、このフロート移動手段によりフロートを塗布
液内に沈めることで液面を上昇させたり、また、フロー
トを塗布液外に上げて液面を下降させることもできる。
つまり、フロート移動手段は、制御手段71によって制
御されて、液面センサ67で検出した液面高さを基準と
して、一定量の液面高さだけ上昇させるように、フロー
トを塗布液内に沈めたり、また、フロートを塗布液外に
出したりして制御することで加圧手段として作用するよ
うに構成すればよい。
【0068】また、上記実施形態1〜3では、加圧手段
51や槽高さ可変手段68によって近接ギャップ間に少
量の塗布液を供給したが、基板2によっては接触(キス
タッチ)可能な基板であれば、これらの加圧手段51ま
たは槽高さ可変手段68を設けることなく、近接ギャッ
プ間に適量の液溜りを形成させることができる。つま
り、ノズル口9まで塗布液が来ているので、基板2の被
塗布面に接触(キスタッチ)させ毛管現象だけで近接ギ
ャップ間に適量の液溜りを形成させることができる。た
だし、実際には、基板2の被塗布面に接触(キスタッ
チ)可能な条件として、例えば、接触(キスタッチ)で
傷やパーティクル発生が問題とならない場合や、基板2
の厚さを正確に測定することができて、過度な接触押付
または接触しないような状況を回避できる手段が設けら
れている場合などに成立する。したがって、上記実施形
態1〜3のような近接ギャップで加圧手段による微量デ
ィスペンスの方法がよい。
【0069】さらに、上記実施形態1〜3では、近接ギ
ャップ量測定手段や近接ギャップ量調整(修正)手段に
ついては特に説明をしなかったが、基板2の厚さにはば
らつきが存在していて、基板2の厚さを測定する板厚計
を要所に配設し、サーボモータなどの接離モータ36の
回転位置を監視するエンコーダからの信号や、接離モー
タ36のパルス信号によって制御部53,71が演算処
理することで容易に近接ギャップ量を測定可能であり、
その計測した近接ギャップデータに基づいて、接離モー
タ36を制御するようにすれば、より正確な近接ギャッ
プ位置にノズル部材19,60を位置させることができ
るようになる。
【0070】さらに、上記実施形態1〜3では、塗布移
動機構としてリニアモータ11を用いたが、その他に、
ボールねじによる塗布移動機構、ピニオンとラックによ
る塗布移動機構、ワイヤーとプーリおよびモータによる
塗布移動機構などであってもよい。
【0071】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、外部流出
口を基板の所定位置に近接または当接させた後に、その
毛細管現象が働く近接ギャップ状態で少量の塗布液を供
給して近接ギャップ間に適量の液溜り量を保有させ、外
部流出口を塗布用の所定ギャップ位置まで離間させるた
め、塗布時の広い所定ギャップ寸法内に最適量の塗布液
を容易に満たすことができて、より均一な塗布膜厚を得
ると共に基板端面部を塗布液で濡らして汚すようなこと
もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1における塗布装置の概略構
成を示す斜視図である。
【図2】図1のリニアモータの概略構成を示す一部破断
斜視図である。
【図3】図1のノズルユニットの概略構成図である。
【図4】図1のノズル部材の概略断面構成を示す模式図
であって、(a)と(b)はそれぞれ異なるタイプを示
す図である。
【図5】図1の塗布装置の概略制御構成を示すブロック
図である。
【図6】(a)〜(e)はそれぞれ図4の基板およびノ
ズル部材の概略断面構成に対する各塗布動作を示す模式
図である。
【図7】(a)および(b)は基板およびノズル部材の
一部上面図であって、(a)は液溜り量が多過ぎる場
合、(b)は液溜り量が適量の場合を示す図である。
【図8】本発明の実施形態2の塗布装置における要部構
成を模式的に示す断面図である。
【図9】本発明の実施形態3の塗布装置における要部構
成を模式的に示す断面図である。
【図10】図9の槽高さ可変機構の具体的構成を示す一
部分解斜視図である。
【図11】図10のXX線縦断面図である。
【図12】図9の塗布装置の概略制御構成を示すブロッ
ク図である。
【図13】本出願人による塗布装置の概略構成を示す正
面図である。
【図14】図13の塗布装置におけるAA線の断面図で
ある。
【図15】図13の塗布装置における要部構成を模式的
に示す断面図である。
【図16】(a)〜(c)はそれぞれ液溜り量の多少を
示す図15の断面構成図であって、(a)は液溜り量が
多過ぎる場合、(b)は液溜り量が多過ぎて基板上を流
下している場合、(c)は液溜り量が少な過ぎる場合を
示す図である。
【符号の説明】
2 基板 3 吸着ステージ 9 ノズル口 10 ノズルユニット 11 リニアモータ 19,19a,19b,60 ノズル部材 21 ギャップ可変機構部 22 塗布液 23 塗布液槽 26,62a スリット 27 前端面 29 前端面上部 36 接離モータ 40 ボールねじ 45,66 ポンプ 46,47,65 バルブ 41 移動部材 51 加圧手段 52 操作部 53 制御部 54 ROM 55 RAM 56 リニアモータ駆動回路 57 接離モータ駆動回路 61 液溜り部 63 外部塗布槽 68 槽高さ可変手段 69 制御手段 74 アクチュエータ駆動回路 75 リニアアクチュエータ 88 アクチュエータ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/027 H01L 21/30 564Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 毛管現象で塗布液槽から汲み上げられた
    塗布液を、立設した基板の被塗布面に沿って塗布する塗
    布装置において、 塗布液を貯留可能な塗布液槽と、 この塗布液槽に一端が連通され外部流出口に他端が連通
    されて斜め上方に延びる塗布液流出路が前面壁部に配設
    されたノズル手段と、 前記塗布液流出路内の流出圧力を加圧する加圧手段と、 前記ノズル手段と基板の被塗布面とを接近または離間す
    るように移動させるギャップ可変手段と、 前記ノズル手段を前記基板の被塗布面の所定位置に近接
    または当接させるように前記ギャップ可変手段を制御し
    た後に、前記外部流出口から少量の塗布液を供給するよ
    うに前記加圧手段を制御し、前記ノズル手段を塗布時の
    所定ギャップ位置まで離間させるように前記ギャップ可
    変手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする
    塗布装置。
  2. 【請求項2】 毛管現象で塗布液槽から汲み上げられた
    塗布液を、立設した基板の被塗布面に沿って塗布する塗
    布装置において、 塗布液を貯留可能な塗布液槽と、 この塗布液槽に一端が連通され外部流出口に他端が連通
    されて斜め上方に延びる塗布液流出路が前面壁部に配設
    されたノズル手段と、 前記塗布液槽の液面高さを可変する液面高さ可変手段
    と、 前記ノズル手段と基板の被塗布面とを接近または離間す
    るように移動させるギャップ可変手段と、 前記ノズル手段を前記基板の被塗布面の所定位置に近接
    または当接させるように前記ギャップ可変手段を制御し
    た後に、前記外部流出口から少量の塗布液を供給するよ
    うに液面高さ可変手段を制御して前記塗布液槽を所定時
    間のみ所定高さだけ持ち上げ、前記ノズル手段を塗布時
    の所定ギャップ位置まで離間させるように前記ギャップ
    可変手段を制御する制御手段とを有することを特徴とす
    る塗布装置。
  3. 【請求項3】 毛管現象で塗布液槽から汲み上げられた
    塗布液を塗布液流出路を介してノズルの前端面へ供給
    し、立設した基板の被塗布面とノズルの前端面の間のギ
    ャップに塗布液を保持して塗布する塗布方法において、 ノズルの前端面と基板の被塗布面とを接触または近接さ
    せる工程と、 前記基板の被塗布面に前記塗布液流出路から塗布液を接
    触させる工程と、 前記ノズルの前端面と基板の被塗布面を離間させる工程
    と、 前記ノズルを前記基板の前記被塗布面に沿って相対移動
    させて前記基板に塗布液を塗布する工程とを有すること
    を特徴とする塗布方法。
  4. 【請求項4】 毛管現象で塗布液槽から汲み上げられた
    塗布液を塗布液流出路を介してノズルの前端面へ供給
    し、立設した基板の被塗布面とノズルの前端面の間のギ
    ャップに塗布液を保持して塗布する塗布方法において、 ノズルの前端面と基板の被塗布面とを接触または近接さ
    せる工程と、 塗布液流出路内の流出圧力を加圧して前記基板の被塗布
    面に前記塗布液流出路から塗布液を接触させる工程と、 前記加圧を解除すると共にノズルの前端面と基板の被塗
    布面を離間させる工程と、 前記ノズルを前記基板の前記被塗布面に沿って相対移動
    させて前記基板に塗布液を塗布する工程とを有すること
    を特徴とする塗布方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001113214A (ja) * 1999-10-19 2001-04-24 Casio Comput Co Ltd 薄膜の形成方法、及び形成装置
JP2013243262A (ja) * 2012-05-21 2013-12-05 Tokyo Electron Ltd 塗布方法、塗布装置、及びコンピュータ可読記憶媒体

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