JP2002239307A - 流動電流値による浄水用凝集剤自動注入装置 - Google Patents
流動電流値による浄水用凝集剤自動注入装置Info
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Abstract
も、その変動に応じた最適の凝集剤注入率となるように
薬注ポンプを自動制御できるようにする。 【解決手段】 流入原水の流量計8と、原水の濁度を測
定する濁度計9と、流入原水に凝集剤を注入する薬注ポ
ンプ2と、この薬注ポンプによる凝集剤注入後の凝集剤
混和水の導電率を測定する導電率計10と、凝集剤混和
水の流動電流値を測定する流動電流計12と、前記凝集
剤混和水のpH値を測定するpH計11と、前記各計器
8〜12から測定信号を入力し、その入力信号に基づい
て流入原水の性状変動に応じた凝集剤注入量となるよう
に薬注ポンプ2の駆動を制御するポンプ制御手段13と
を備えた
Description
下水処理の三次処理で使用するための流動電流値による
浄水用凝集剤注入装置に関するものである。
動注入装置として、浄水処理すべき原水に凝集剤を注入
する薬注ポンプと、この薬注ポンプによる凝集剤注入後
の混和水に含まれた懸濁物質のコロイド表面電荷を流動
電流として測定する流動電流計と、前記原水に対する凝
集剤最適注入時の流動電流値が管理目標のセットポイン
トとして予め設定され、前記流動電流計から流動電流測
定値信号を入力することで、その流動電流測定値が前記
セットポイントの流動電流値となるように前記薬注ポン
プの駆動を制御するためのポンプ制御信号を出力するP
ID調節計とを備えたものは既に知られている。
め設定された流動電流値(セットポイント)と、前記流
動電流計から入力した流動電流測定値との偏差電流値に
基づいて前記薬注ポンプの駆動を制御することで、該薬
注ポンプからの凝集剤注入量が管理目標値となるように
フィードバック制御するものである。
る浄水用凝集剤自動注入装置は以上にように構成されて
いるので、流動電流計によって凝集剤混和水の流動電流
値を測定し、その測定値信号をPID調節計に入力させ
ることにより、いわゆる流動電流だけで薬注ポンプによ
る凝集剤注入量が管理目標値となるようにフィードバッ
ク制御しているため、次のような幾多の課題があった。 PID調節計に予め設定する凝集剤最適注入時の流動
電流値(セットポイント)は、例えば晴天時の流入原水
の水質が安定している時の流動電流値であって、それを
人為的に設定しているため、凝集剤注入量の過不足の判
定が曖昧になる。すなわち、晴天時と降雨時または地下
水混入時とでは流入原水の性状(特にpHと導電率)が
変動するが、その変動時においても前記セットポイント
の流動電流値は一定とするため、流入原水の流動電流測
定値だけで凝集剤注入量を制御したのでは、流入原水の
性状の変動に応じた凝集剤注入量となるように薬注ポン
プを自動制御することができなかった。 流入原水の流動電流だけによる凝集剤注入量の自動制
御は、流入原水の性状が安定している場所でしか達成で
きなかった。例えば、pH緩衝力の大きな川とか、pH
制御をしている浄水場に限られていた。 特に降雨時や地下水混入時の河川等からの流入原水は
性状が急激に変動するため、その変動を見込んだ凝集剤
注入量の自動制御を行う場合には、浄水処理上の安全の
ために凝集剤注入量を経験的に多くする傾向にあり、こ
れによって、凝集剤が過剰注入される結果となるため、
次のような弊害を起こす。 ・処理水へのAl+3イオンが増大して人体の健康上で
好ましくない。 ・凝集剤の過剰注入により処理コストがアップする。 ・余剰汚泥が増量する。 ・浄水処理工程の後段のろ過池でのろ過時継続時間が短
縮される。 ・逆洗水量の増大と逆洗時のクリプトスポリジウムな
ど、原虫の漏洩機会が増大する。 降雨時流動電流で薬注制御をしている浄水場(海外の
例)では、多くの場合、手動制御に切り替えているの
は、主にpHや導電率の変化によるSC値の変化を無視
していたからである。
めになされたもので、流入原水の性状が変動しても、そ
の変動に応じた最適の凝集剤注入量となるように薬注ポ
ンプを自動制御することができ、浄水処理の信頼性を向
上させることができる流動電流値による浄水用凝集剤自
動注入装置を得ることを目的とする。
動電流値を管理目標のセットポイントとして予め設定
し、そのセットポイントを流入原水の性状の変動に応じ
て自動的に補正することができ、凝集剤の過剰注入や注
入不足を防止することができると共に、浄水処理ランニ
ングコストの低減、余剰汚泥の大量発生防止等を図るこ
とができる信頼性の高い流動電流値による浄水用凝集剤
自動注入装置を得ることを目的とする。
値による浄水用凝集剤自動注入装置は、流入原水の流入
量を測定する流量計と、流入原水の濁度を測定する濁度
計と、流入原水に凝集剤を注入する薬注ポンプと、この
薬注ポンプによる凝集剤注入後の凝集剤混和水の導電率
を測定する導電率計と、前記凝集剤混和水の流動電流値
を測定する流動電流計と、前記凝集剤混和水のpH値を
測定するpH計と、前記流量計と濁度計と導電率計およ
び流動電流計とpH計のそれぞれから測定値信号を入力
し、その入力信号に基づいて前記流入原水の性状変動に
応じた凝集剤注入量となるように前記薬注ポンプの駆動
を制御するポンプ制御手段とを備えたものである。
集剤自動注入装置のポンプ制御手段は、流入原水への凝
集剤注入率が最適の時、その凝集剤混和水の導電率σO
および流動電流値IOが管理目標のセットポイントとし
て設定され、凝集剤注入後に測定された混和水のpH測
定値と導電率測定値および流動電流測定値に基づいて次
式(1)および(2) IS=2IO−In ・・・(1) In=IO×σO/σn ・・・(2) の演算を行うことで、前記管理目標のセットポイントを
補正した補正セットポイントISおよび補正電流値In
を算出し、その補正セットポイントISに基づいて前記
薬注ポンプを自動制御駆動するものである。
集剤自動注入装置のポンプ駆動手段は、式(1)および
(2)を成立させるために、凝集剤混和水のpH値およ
び水温が一定であることを前提条件として前記pH値が
変動したとき、 ISH=IS+ΔIS ・・・(3) ΔIS≒−4.7(pH−pHO) ・・・(4) (ただし、−4,7は浄水場で決定される係数、pHO
はIO時の凝集剤混和水のpHである。) 上記式(3)および(4)の演算を行って前記pH変化
量に応じた補正セットポイントISHを求めるものであ
る。
集剤自動注入装置のポンプ制御手段は、σo=安定でな
い時には、In=IO×σO/σnおよびIS=2IO
−I nを順次算出した後、ISH=IS+ΔISであるか
否かを判定し、i≦ISHの時には凝集剤注入量の増量
値を算出し、i>ISHの時には凝集剤注入量の減量値
を算出し、前記凝集剤注入量の増量値および減量値に基
づいた流動電流制御信号を薬注ポンプに出力するように
なっているものである。
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による浄
水用凝集剤自動注入装置を示す概略的なブロック図であ
り、同図において、1は浄化処理すべき流入原水を受け
入れる着水井、2は着水井1から次の急速撹拌池3(混
和池ともいう)に向って移流する原水に凝集剤を注入す
る薬注ポンプであり、前記急速撹拌池3は、前記薬注ポ
ンプ2による凝集剤注入後の凝集剤混和水を受け入れて
急速撹拌するものである。4は前記急速撹拌池3から撹
拌処理後の凝集剤混和水を受け入れてフロックを形成す
るフロック形成池、5はそのフロック形成池4から混和
水を導入して固液分離を行う凝集沈殿池、6はその凝集
沈殿池5から上澄水を導入して急速ろ過処理を行う急速
ろ過池、7はその急速ろ過池6からの処理水を導入する
配水池である。
9は凝集剤注入前の流入原水の濁度を測定する濁度計、
10は前記薬注ポンプ2による凝集剤注入後の凝集剤混
和水の導電率を前記急速撹拌池3にて測定する導電率
計、11は前記急速撹拌池3で撹拌された凝集剤混和水
のpH値を測定するpH計、12は急速撹拌後の前記凝
集混和液の流動電流値を測定する流動電流計、13は前
記流量計8と濁度計9と導電率計10およびpH計11
と流動電流計12のそれぞれから測定値信号を入力し、
該入力信号に基づいて前記薬注ポンプ2に制御信号(凝
集剤注入制御信号)を出力するPID調節計(ポンプ制
御手段)であり、このPID調節計13の詳細な機能に
ついては後述する。14は前記凝集沈殿池5で凝集沈殿
処理された分離水(上澄水(a)または中間澄水
(b))の濁度を測定するモニタ用の濁度計(濁度測定
手段)である。
入した原水は、急速撹拌池3に向かう途中で薬注ポンプ
2から凝集剤が注入され、その凝集剤混和水は、急速撹
拌池3→フロック形成池4→凝集沈殿池5→急速ろ過池
6を順次通ることで、浄水処理されて配水池7に至る。
水井1に流入する原水の性状は、例えば晴天時と降雨時
とでは大きく変動するが、その変動が生じた場合でも、
薬注ポンプ2による凝集剤注入量が最適となるように制
御する必要がある。その制御のために、着水井1への原
水流入量が流量計8で測定(24時間連続測定)され、
同時に着水井1に流入した凝集剤注入前の原水の濁度が
濁度計9によって測定される。また、薬注ポンプ2で凝
集剤が注入され、急速撹拌池3で流入原水と凝集剤とが
充分に撹拌混合された後のマイクロフロック状態の凝集
剤混和水のpH値がpH計11で、かつ、流動電流値が
流動電流計12によって測定される。そして、前記各計
器8〜12からの測定値信号をPID調節計13に入力
する。
する凝集剤最適注入時の流動電流値Ioが管理目標のセ
ットポイント(以下、目標セットポイントという)とし
て予め設定されている。かかるPID調節計13は、前
記各計器8〜12から入力した測定値信号に基づいて前
記目標セットポイントを補正する機能を有し、その補正
によって、流入原水の濁度および凝集剤混和水のpH値
に適応した薬注量となるように薬注ポンプ2を制御駆動
するものである。
最適となっている時、凝集剤注入後の混和水の導電率σ
Oと流動電流値IOとは、pHOが一定の時、σOIO
=一定となる関係が成立している。そこで、σOIOお
よびpHOを管理目標のセットポイントとしてPID調
節計13に設定する。
べる。一般に、原水中の懸濁物質には粘度やフミン質な
どのコロイド粒子が含まれており、このコロイド粒子
は、表面がマイナスに荷電して相互に反発し合い、沈殿
し難い状態にある。そこで、プラスの電荷を持つ凝集剤
を原水に注入することで、荷電を中和して反発力を減
じ、また、撹拌することで、コロイド粒子を衝突させ、
フロック化させるが、凝集の良否が、後段の沈殿・ろ過
処理の効率および処理水質に大きく影響する。凝集の良
否は、マイナス荷電の懸濁物質とプラス荷電の凝集剤の
電気的中和の割合に依存する。この割合は直接測定でき
ないが、コロイド粒子に運動を加えた時に発生する流動
電流値で測定することが可能である。
時に発生する流動電流について、さらに詳しく述べる
と、毛細管中にサンプリング水に入れて圧力を加え、そ
のサンプリング水を毛細管中で押し流すと、サンプリン
グ水の滑り面が生じ、コロイド表面のイオンがサンプリ
ング水の流れ方向に移動する。そのイオンの移動で流れ
る電流を流動電流という。この流動電流は式(5)で求
めることができる。 i=−Kεζ ・・・(5) ここで、i:流動電流、K:センサ係数、ε:水の比誘
電率、ζ:ゼータ電位である。また、この時の流動電位
は式(6)で求めることができる。 E=κPζ ・・・(6) ここで、E:流動電位、κ:物理係数、P:圧力差であ
る。
流iと流動電位Eはいずれも電気2重層の滑り面電位、
すなわちゼータ電位ζに比例することが分かる。そのゼ
ータ電位ζは、−イオンと+イオンの電位差を表し、処
理水に含まれるコロイド状の懸濁物質は、静電気的に−
イオンで荷電されている。一方、原水に投入する凝集剤
は+イオンを持っているので、その凝集剤を原水に投入
すれば電気的中和反応が起きる。これにより、流動電流
iは、−表示からやがて+表示になる。従って、ゼータ
電位ζを測定する代わりに、流動電流iを測定すること
で、原水に注入された凝集剤が適量であるか否かを判断
することができる。
Hおよび水温を一定に保ち、KClを蒸留水に溶解さ
せ、流動電流値と導電率を測定したところ、式(7)を
得た。 iσ=−KO ・・・(7) ここで、σO:導電率、KO:正の定数である。式
(7)による流動電流値iと導電率σの相関関係につい
ては後述する。
および水温が一定の時、カリオンで濁度を10〜100
0度まで変化させ、PAC(凝集剤の一種でポリ塩化ア
ルミニウム)を注入しながら処理水濁度がいずれも2度
になるようにPAC注入量を制御し、そのPACの最適
注入時の流動電流iとゼータ電位ζを測定したところ、
式(8)および式(9)を得ることができた。 i=IO(一定) ・・・(8) ζ=ζO(一定) ・・・(9) 式(8)と式(9)は、図1中の凝集剤沈殿池6で懸濁
物質を沈殿分離させた後の上澄水の濁度が目標とする濁
度(例えば2度)以下で一定の時に成立するものであ
る。
ポイントとする流動電流値)IOがIO=−2、晴天時
の導電率σOがσO=150μs/cmであって、降雨
時の導電率σnが100μs/cmに下がったとする。
その時の補正セットポイントISを計算するために、ま
ず、式(7)よりIn(補正すべき電流値)を式(1
0)で求めることができる。 In=IO×σO/σn ∴In=−2×150/100=−3 ・・・(10) なお、この式(10)は請求項2の(2)式に相当する
ものである。
ンプ2の駆動力ΔIを式(11)で定義することができ
る。 ΔI=IO−In ∴ΔI=−2+3=1 ・・・(11)
(12)で定義できる。 IS=2IO−In=2×(−2)−(−3)=−4+3=−1 ・・・(12) なお、この式(12)は請求項2の式(1)に相当する
ものである。
ためには、凝集剤混和水のpHおよび水温が一定である
ことを前提条件として、凝集剤混和水のpHが変動する
とき、それを補正する必要があり、その補正は式(1
3)および式(14)によって実現できる。 ISH=IS+ΔIS ・・・(13) ΔIS≒−4.7(pH−pHO) ・・・(14) なお、式(13)は請求項3の式(1)に相当し、式
(14)は請求項3の式(2)に相当するものである。
の相関は良好であることから、前記(15)式は、下記
の式(15)で代用することも可能である。 ΔIS≒−0.05(PACO−PAC) ・・・(15)
5は浄水場で決定される係数、pH O,PACOはIO
時の混和池におけるpHとPAC注入率(ppm)、p
HおよびPACは原水pHが変化した時の混和池pHと
PAC注入率(ppm)をそれぞれ表すものである。
れるため式(11)のように、ポンプ駆動力ΔIがプラ
ス(+)かマイナス(−)かを判断することは特に重要
である。そこで、流動電流値iと導電率σとのセットポ
イントの相関につき説明する。IO:晴天時のSC値
(セットポイント)、In:計算途中のSC値、σO:
晴天時の導電率、σn:σO以外の導電率、ΔI:ポン
プ駆動力とすることで、補正セットポイントISは、上
述のように、式(12)で求めることができる。いま、
降雨時のSC値を晴天時のSC値と同じに保つと、降雨
時の流入原水は雨水で希釈され、混和池pHが低下する
ことから、混和池の流動電流だけで、凝集剤の注入量を
制御したのでは、凝集剤の注入量不足(薬注不足)が生
じる結果となり、このことは実際のプラントで確認され
ている。
13は、導電率計10から入力する導電率測定値と、混
和池pH計11から入力するpH測定値と、流動電流計
12から入力する流動電流測定値とに基づいて、流入原
水に対する凝集剤注入量が最適量となるように薬注ポン
プ2を自動制御するものである。
2のフローチャートによって説明する。まず、ステップ
ST1では、浄水処理すべき原水を着水井1に取り込む
ための原水取り込み用ポンプ(図示せず)および薬注ポ
ンプ2の運転信号をPID調節計12が入力しているか
否かを判断し、前記運転信号の入力時にはステップST
2に進む。
流量計8から原水流入量測定値を、かつ濁度計9から濁
度測定値をそれぞれ入力することで、その原水流入量測
定値および濁度測定値に基づいて、原水の流入量×濁度
係数=A(濁度制御による凝集剤注入量)を算出した
後、ステップST3に進む。
であるか否かを判断し、σOとpH O=安定の時にはス
テップST4に進んでi≦IOであるか否かを判断し、
i≦IOの時にはステップST5に進み、i≦IOでな
い時にはステップST12に進む。
2が流動電流計11から入力する流動電流測定値に基づ
いて流動電流制御で増量すべき凝集剤注入量Bを求め、
また、前記ステップST12では、PID調節計12が
流動電流計11から入力する流動電流測定値に基づいて
流動電流制御で減量すべき凝集剤注入量Bの減量値を求
めた後、前記ステップST5および前記ステップST1
2からステップST6にそれぞれ進む。このステップS
T6では、0.8(SC制御による凝集剤注入量Bの推
定値)×A≦Bであるか否かを判断し、0.8×A≦B
の時にはステップST8に進んでB≦1.2(濁度制御
による凝集剤注入量Aの推定値)×Aであるか否かを判
断し、B≦1.2×Aの時にはSC制御による凝集剤注
入量Bの制御信号を薬注ポンプ2に出力し、また、前記
ステップST6での判断結果が0.8×A≦Bでない時
および前記ステップST8での判断結果がB≦1.2×
Aでない時にはステップST13に進んで濁度制御によ
る凝集剤注入量Aの制御信号を薬注ポンプ2に出力する
ことで、流入原水に対する凝集剤注入量が流入原水の性
状に応じて最適注入量となるように、前記薬注ポンプ2
を自動制御する。
σOとpHO=安定でない時には、ステップST9に進
んでセットポイントを補正すべき計算途上のSC値In
を算出した後に、ステップST10に進んでポンプ駆動
手段ΔIとIS=2IO−I nを求め、次いでステップ
ST11ではi≦ISH=IS+ΔISであるか否かの
判断を行う。その判断の結果、i≦ISH=IS+ΔI
Sの時は前記ステップST5に進み、i>ISH=IS
+ΔISの時には、前記ステップST12に進む。そし
て、前記ステップST6から前記ステップST8または
前記ステップST6およびステップST7からステップ
ST13を経ることで、流入原水に対する凝集剤注入量
が流入原水の性状に応じて最適注入量となるように、前
記薬注ポンプ2が自動制御される。
との相関を示すグラフ、図4は混和池pHとSC値との
相関を示すグラフである。混和池pHの変化量に対応す
るセットポイントの補正を行う際に、そのpH補正を如
何様に行うかについて、pHの変化量に対するSC値の
変化量は、実験結果の図3および図4から求めることが
できる。
1.12の実験(図3)では、流入原水のpHが安定し
ている時、流入原水の濁度もほぼ5度と安定している
時、PACを20,30,40,50ppmに順次増大
させたところ、PAC20ppmは濁度,色度成分と反
応し、電気的中和は完了すると仮定することができる。
従って、30,40,50ppmとPAC注入率を増大
させた分、混和池pHは下降し、反比例すると仮定でき
る。
と混和池pHの相関係数が0.99以上あることから、
前記仮定が正しいことを意味しており、pHが変化した
時、SC値がどのように変化するかを知ることができ
る。このような相関が得られている時に同様の実験を行
って、図4に示すようなpH変化量に対応するSC値の
変化量を求めれば、式(15)が得られた。
と、混和池の水温は他の因子よりも影響が少ないことが
実験でも確認されている。しかし、混和池水温が8℃以
下の時は、その8℃を境に凝集剤注入量を増大させる必
要がある。この時は、IOを例えば1.5倍にするなど
実状に合わせて凝集剤注入量を変更すればよく、その変
更を自動化するまでもない。なお、前記影響が少ない理
由として、センサは毎秒数回の早さでピストン運動をし
ており、シリンダ内部で摩擦熱が起き、水温が高まるこ
とが考えられる。
を行った時の事例を説明する。図5は従来の方法によっ
てテストプラントの薬注ポンプを自動制御した事例を示
すものである。図5で分かるように、SC目標値(セッ
トポイントIS)に沿うようにSC値(i)が増大また
は減少しているが、PAC注入率は濁度がピークに達し
た時に下がってしまう。これは混和池pHが7.5から
7.0に下降したため、i>ISとなり導電率で補正さ
れたセットポイントISでも未だi>Isとなっている
ことが原因である。従って、PAC増量が必要であるに
もかかわらず逆信号が出てしまう。
ットポイントΔISは、 ΔIS=−4.7×(7.0−7.5)=+2.35 ∴ISH=IS+ΔIS=−5.0+2.35=−2.
65 程度まで上昇させれば所定の凝集剤注入率(PAC40
ppm)が得られたはずである。そして、沈殿池上澄液
も0.5度をキープしたはずである。
和水の導電率が変化している場合においても、式(1
0)および式(12)が成立することに変わりはない。
しかし、混和池のpHや水温が変化した時、特にpHは
PAC注入率の大小で混和池のそれが変化する。ここ
で、混和池のpHとSC値は逆相関になり、混和池pH
が上昇すればSC値は下がり、ISより小さければ、P
AC注入率が大きくなる。また、混和池pHが下がり、
SC値が増大してISよりも大きくなればPAC注入は
停止する。前者の場合は普通正常であるが、後者の場合
は濁度が増大していることが多く、逆信号になる危険性
がある。これを本発明では式(13)および式(14)
によって補正するものである。
ルカリ等の凝集剤補助剤を使用せずに、混和池pHの変
化量を利用して前記IOを補正し、その補正通りに薬注
ポンプを自動制御することを特徴とするものである。
ば、凝集剤注入後の混和水の流動電流値と導電率値とp
H値をそれぞれ測定し、それらの測定値に基づいてポン
プ制御手段が凝集剤混和水の性状変動に応じた最適な凝
集剤注入率を決定し、その最適な凝集剤注入率となるよ
うに薬注ポンプを自動制御駆動するように構成したの
で、流入原水に対する凝集剤注入の過不足を未然に防止
することができ、信頼性が向上するという効果がある。
入率が最適の時、その凝集剤混和水の導電率σOおよび
流動電流値IOを管理目標のセットポイントとしてポン
プ制御手段に予め設定し、凝集剤注入後に測定された混
和水のpH測定値と導電率測定値と流動電流測定値とか
らポンプ制御手段が管理目標のセットポイントを自動的
に補正する補正セットポイントISと補正電流値Inを
算出し、その補正セットポイントに基づいて薬注ポンプ
を自動的に駆動制御する構成としたので、特に降雨や地
下水混入で流入原水の性状が変動した場合でも、その変
動時の凝集剤注入率を原水性状の変動に応じた最適な凝
集剤注入率に自動的に補正変更することができ、浄水処
理効率および信頼性が大幅に向上するという効果があ
る。
および水温が一定であることを前提条件としてpHが変
動した時、そのpH変化量に応じた補正セットポイント
をポンプ制御手段が自ら算出し、その補正セットポイン
トに基づいて薬注ポンプを制御駆動するので、凝集剤混
和水のpH変動に応じた凝集剤を流入原水に自動注入す
ることができ、流入原水に対する最適な凝集剤注入を効
率よく行うことができるという効果がある。
集剤混和水の導電率σOが安定でない時にセットポイン
トの電流値Inと流動電流測定値iを順次算出し、その
流動電流測定値iがISH(混和池pH変化量で補正さ
れたセットポイント)であるか否かを判定し、その判定
結果に基づく凝集剤注入量の減量値や増量値を算出し、
その減量値や増量値どおりの凝集剤を流入原水に注入す
るように薬注ポンプを自動制御する構成としたので、流
入原水に対する最適な凝集剤注入を実現できるという効
果がある。
動注入装置を示す概略的なブロック図である。
ためのフローチャート図である。
フ図である。
ある。
注ポンプを自動制御した事例を説明するためのグラフ図
である。
Claims (4)
- 【請求項1】 浄水処理すべき原水に凝集剤を自動注入
する浄水用凝集剤自動注入装置において、流入原水の流
入量を測定する流量計と、流入原水の濁度を測定する濁
度計と、流入原水に凝集剤を注入する薬注ポンプと、こ
の薬注ポンプによる凝集剤注入後の凝集剤混和水の導電
率を測定する導電率計と、前記凝集剤混和水の流動電流
値を測定する流動電流計と、前記凝集剤混和水のpH値
を測定するpH計と、前記流量計と濁度計と導電率計お
よび流動電流計とpH計のそれぞれから測定信号を入力
し、その入力信号に基づいて前記流入原水の性状変動に
応じた凝集剤注入量となるように前記薬注ポンプの駆動
を制御するポンプ制御手段とを備えたことを特徴とする
流動電流値による浄水用凝集剤自動注入装置。 - 【請求項2】 ポンプ制御手段は、流入原水への凝集剤
注入率が最適の時、その凝集剤混和水の導電率σOおよ
び流動電流値IOが管理目標のセットポイントとして設
定され、凝集剤注入後に測定された混和水のpH測定値
と導電率測定値および流動電流測定値に基づいて次式
(1)および式(2) IS=2IO−In ・・・(1) IS=IO×σO/σn ・・・(2) の演算を行うことで、前記管理目標のセットポイントを
補正した補正セットポイントIsおよび補正電流値In
を算出し、その補正セットポイントISに基づいて前記
薬注ポンプを制御駆動することを特徴とする流動電流値
による浄水用凝集剤自動注入装置。 - 【請求項3】 ポンプ制御手段は、式(1)および式
(2)を成立させるために、凝集剤混和水のpH値およ
び水温が一定であることを前提条件として前記pH値が
変動したとき、 ISH=IS+ΔIS ・・・・(3) ΔIS≒−4.7(pH−pHO)・・・(4) (ただし、−4.7は浄水場で決定される係数、pHO
はIO時の凝集剤混和水のpHである。) 上記式(3)および式(4)の演算を行って前記pH変
化量に応じた補正セットポイントISHを求めることを
特徴とする請求項2記載の流動電流値による浄水用凝集
剤自動注入装置。 - 【請求項4】 ポンプ制御手段は、σO=安定でない時
には、In=IO×σO/σnおよびIS=2IO−I
nを順次算出した後、ISH=IS+ΔISであるか否か
を判定し、i≦ISHの時には凝集剤注入量の増量値を
算出し、i>ISHの時には凝集剤注入量の減量値を算
出し、前記凝集剤注入量の増量値および減量値に基づい
た流動電流制御信号を薬注ポンプに出力するようになっ
ていることを特徴とする請求項1から請求項3のうちの
いずれか1項記載の流動電流値による浄水用凝集剤自動
注入装置。
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