JP2011156529A - 凝集剤注入量決定装置および凝集剤注入量制御システム - Google Patents

凝集剤注入量決定装置および凝集剤注入量制御システム Download PDF

Info

Publication number
JP2011156529A
JP2011156529A JP2010093538A JP2010093538A JP2011156529A JP 2011156529 A JP2011156529 A JP 2011156529A JP 2010093538 A JP2010093538 A JP 2010093538A JP 2010093538 A JP2010093538 A JP 2010093538A JP 2011156529 A JP2011156529 A JP 2011156529A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flocculant
raw water
injection amount
water
conductivity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010093538A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5420467B2 (ja
Inventor
Mitsuyoshi Yamazaki
満佳 山▲崎▼
Takashi Iimura
孝志 飯村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2010093538A priority Critical patent/JP5420467B2/ja
Publication of JP2011156529A publication Critical patent/JP2011156529A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5420467B2 publication Critical patent/JP5420467B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)

Abstract

【課題】適正な凝集剤注入量を決定する。
【解決手段】pH計46により原水のpHを計測し、導電率計44により原水の導電率を計測する。制御装置56は、特定のpHおよび導電率の原水に基づき決定した、凝集剤混和後の混和水におけるマイクロフロックの荷電状態を示す流動電流値の目標値である初期目標流動電流値を、計測したpHおよび導電率に基づき補正して、目標流動電流値を算出する。急速撹拌タンク50で一定の滞留時間で原水に凝集剤を混和する。制御装置56は、混和水の流動電流値が目標値になるように、凝集剤注入量を決定し、急速撹拌タンク50における凝集剤注入量を制御する。そして、決定した凝集剤注入率を、目標凝集剤注入率として出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水処理における凝集剤注入の決定に関する。
浄水場などの水処理施設においては、例えば、PAC(ポリ塩化アルミニウム)などの凝集剤を用いた凝集沈殿処理や、砂濾過処理などによって水を浄化している。ここで、この凝集処理において、凝集剤の注入率を適切に制御し、少ない添加で十分な処理を行うために各種の制御法が提案されている。
特許文献1,2などでは、凝集剤混和水におけるマイクロフロックのゼータ電位に相当する流動電流値(SC値)を検出し、この検出結果に基づいて凝集剤注入量を制御することが提案されている(特許文献1、2参照)。
特許第3522650号公報 特許第3485900号公報
ここで、特許文献1、2の手法について、さらなる検討を行ったところ、自動操作には自動条件を決める検量線の実験が必要で、稼動中の実プラントでそれらを求める事は不可能である事が分かった。
本発明は、原水のpHを計測するpH計測手段と、原水の導電率を計測する導電率計測手段と、特定のpHおよび導電率の原水に基づき決定した、凝集剤混和後の混和水におけるマイクロフロックの荷電状態を示す流動電流値の目標値である初期目標流動電流値を、計測したpHおよび導電率に基づき補正して、目標流動電流値を算出する目標流動電流値算出手段と、一定の滞留時間で、原水に凝集剤を混和する混和手段と、この混和手段による凝集剤混和後の混和水の流動電流値を検出する流動電流値検出手段と、検出した流動電流値が所定値になるように、前記混和手段における凝集剤注入量を決定し、前記混和手段における凝集剤注入量を制御する注入制御手段と、を有し、前記注入制御手段において決定した凝集剤注入量を、目標凝集剤注入量として出力することを特徴とする。
また、前記目標流動電流値Ispを、原水についてのジャーテストの結果から求めた適正凝集剤注入時の混和水pHと、基準となる原水導電率と、計測した原水pHと、計測した原水導電率と、に基づいて算出することが好適である。
また、前記目標流動電流値Ispを、原水についてのジャーテストの結果から求めた適正凝集剤注入時の混和水pH(pH0)と、基準となる原水導電率(σ0)と、計測した原水pH(pH)と、計測した原水導電率(σ)と、SC値換算係数K(SC/pH)に基づき、Isp=I0−I0(1−σ/σ0)+K(pH−pH0)により算出することが好適である。I0はSC検量線I=a*pHm+bにpHm=pH0を代入しI0を求めマイクロフロックの設定SC値とする。SC検量線はPAC注入率を4〜5点抽出して原水の水質が安定した時に手動で求める。測定時の原水導電率が基準導電率(σ0)、SC検量線から求められるpH=pH0の時の基準となるSC値が設定基準SC値I0となる。ここでI=SC値、pHm=混和水pH,aおよびbは定数である。K値は試行錯誤法又は自動測定法何れかで求める。
なお、酸性原水を使用した場合には、Isp=I0−I0(1−σ/σ0)−K(pH−pH0)とするとよい。
また、前記Kを、K1をpHの変化量に対する流動電流値の変化量に換算する係数として、K=K1+K1(1−σ/σ0)により求めることが好適である。
また、本発明は、上述した凝集剤注入量決定装置を有する水処理施設の凝集剤注入量制御システムであって、流入水を原水として前記凝集剤注入量決定装置に供給するとともに、その原水を使用して前記凝集剤注入量決定装置から出力される、凝集剤注入量を用いて、流入水への凝集剤注入量を制御して、凝集処理を行うことを特徴とする。
また、本発明は、原水の導電率を計測する導電率計測手段と、基準となる導電率の原水に基づき決定した、凝集剤混和後の混和水におけるマイクロフロックの荷電状態を示す流動電流値の目標値である初期目標流動電流値を、前記導電率計測手段により計測した導電率に基づき補正して、目標流動電流値を算出する目標流動電流値算出手段と、一定の滞留時間で、原水に凝集剤を混和する混和手段と、この混和手段による凝集剤混和後の混和水の流動電流値を検出する流動電流値検出手段と、検出した流動電流値が所定値になるように、前記混和手段における凝集剤注入量を決定し、前記混和手段における凝集剤注入量を制御する注入制御手段と、を有し、前記注入制御手段において決定した凝集剤注入量を、目標凝集剤注入量とすることを特徴とする。
また、前記目標流動電流値Ispを、基準となる原水導電率(σ0)と、計測した原水導電率(σ)と、基準となるSC値(I0)とに基づき、Isp=I0−I0(1−σ/σ0)により算出することが好適である。原水pHが、例えば8.0以下と低いとき、上述したK=0とでき、K(pH−pH0)の項を省略することができる。
このように、本発明によれば、凝集剤注入量決定装置において、原水の水質変化に応じて適切な凝集剤注入率を決定することができる。
水処理システムの全体構成を示すブロック図である。 制御の内容を説明するベクトル図である。 SC検量線を示す図である。 各種のデータの経時変化を示す図(トレンドグラフ)である。 処理のトレンドグラフである。 処理のトレンドグラフである。 SC値と混和水pHの関係を示す(pH−SC変換係数を求める)図である。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態に係る凝集剤注入量決定装置を備えた水処理施設の概略構成を示す図である。この水処理システムは、通常の水処理を行う水処理システム100と、この水処理施設における凝集剤注入率を決定するための凝集剤注入量決定装置200とを含んでいる。
「水処理施設の構成」
河川水などの浄化すべき対象である原水は、水処理システム100の着水井10に流入する。着水井10内の原水は、急速撹拌池12に供給され、ここで凝集剤と混合される。ここで、凝集剤は、薬剤タンク14に貯留されており、薬剤ポンプ16によって原水に混合される。凝集剤は、急速撹拌値に至る流路において注入されるように図示したが、急速撹拌池12に直接供給してもよい。
また、着水井10から急速撹拌池12へ供給される原水量は流量計18によって計測され、計測した流量が制御装置20に供給される。制御装置20では、凝集剤注入量決定装置200から供給される凝集剤注入率についての指示と、流量計18からの流量に応じて凝集剤の注入量を決定し、薬剤ポンプ16の送液量を制御して、原水に対する凝集剤注入率を制御する。なお、凝集剤としては、通常PAC(ポリ塩化アルミニウム)が利用されるが、硫酸アルミニウムや塩化第二鉄など他の凝集剤を用いてもよい。
急速撹拌池12では、撹拌機によって凝集剤と原水が急速撹拌混合され、原水中に含まれるコロイドと凝集剤が反応し粒子を形成する。ここで、凝集剤とコロイドが反応したものを粒子と呼び、一定の反応時間を経過した粒子をマイクロフロックと呼ぶが、水量が一定であれば急速撹拌池12の反応時間が一定になるので、ここから流出する混和水中の粒子をマイクロフロックと呼ぶ。マイクロフロックを含有する混和水はフロック形成池22に供給され、ここで緩速撹拌され、フロック粒径の粗大化が図られる。
フロック形成池22によりフロックが粗大化されたフロック含有水は、凝集沈殿池24に導入され、ここでフロックが沈澱分離され、上澄みに凝集沈殿処理水が得られる。凝集沈殿池24において生じる沈澱汚泥は別途処分される。
凝集沈殿処理水は、急速ろ過池26に供給され、ここで急速ろ過されろ過処理水が消毒/配水池28に導入される。急速ろ過池26は、通常砂ろ過である。消毒/配水池28内の処理水は、塩素注入などの消毒処理された後、水道水として配水される。
「凝集剤注入量決定装置の構成」
本実施形態において、水処理システムは、凝集剤注入量決定装置200を有している。この凝集剤注入量決定装置200は、原水の一部をサンプリングして、これについての凝集処理を行い、凝集剤の注入量を決定する。この凝集剤注入量決定装置200は、凝集剤の注入量を決定できればよく、処理水量はポンプなどを精度よく制御できる範囲内で、なるべく小さくすること(数10L/分程度)が好適である。以下、この凝集剤注入量決定装置200について説明する。
着水井10内の原水は一定量ずつ原水タンク42に導入される。図示の例では、サンプリングポンプ40が設定した一定量吐出するものであり、これによって一定量の原水が原水タンク42に導入される。この場合、水量を流量計などで計測してフィードバック制御することが好ましい。また、サンプリングポンプ40ではなく、自然流下によって原水を原水タンク42に導入してもよい。この場合、原水導水管の採水弁により、導入する原水を一定量とする。
原水タンク42には、導電率計44と、pH計46が設けられており、原水タンク42内の原水の導電率σと、pHが計測される。なお、原水の導電率、pHが計測できれば、着水井10の原水について計測してもよいが、凝集剤注入量決定装置200はコンパクトな装置であり、計測器も近くに配置した方がよいので、原水タンク42に導電率計44,pH計46を設けることが好適である。また原水pHが低い時や炭酸ガス等を使用し原水pHを低下させて使用する時は原水pH計を省略する事も可能である。
原水タンク42内の原水は自然流下により急速撹拌タンク50に供給される。また、急速撹拌タンク50へ供給する原水に、薬剤タンク52からの凝集剤を薬剤ポンプ54によって注入する。この際の凝集剤注入率は、制御装置56により決定される。急速撹拌タンク50への流入水量は上述のように一定量であり、この一定量に凝集剤注入率を乗算した凝集剤が急速撹拌タンク50に供給される。なお、このような薬剤ポンプ54の吐出量制御を行うために、サンプリングポンプ40の吐出量は、制御装置56において把握している必要がある。
急速撹拌タンク50には、撹拌機が備えられており、凝集剤が注入された原水が急速撹拌され、原水中のコロイドと凝集剤の粒子が形成される。なお、凝集剤は急速撹拌タンク50に直接注入してもよい。また、薬剤タンク52に貯留される凝集剤は薬剤タンク14と同じで、同じ製造メーカのPACであることが望ましい。
急速撹拌タンク50において、マイクロフロックが形成された凝集剤混和水は、SCメータ58に供給され、ここで流動電流値(SC値)が計測される。このSCメータ58は、混和水を移動させて荷電粒子の移動に応じた流動電位に対応する流動電流をSC値として出力するものであり、SC値は混和水中のマイクロフロックの荷電状態に応じたものであり、マイクロフロックのゼータ電位に対応する。ここで、SCメータ58のスケールは0〜500unitsと±250unitsの2種類から選択できる。本装置では、後者を使用しており、マイクロフロックの流動電位は通常負の値になる。なお、このSCメータ58は、従来から知られている計器であり、詳細な説明は省略する。SCメータ58において計測したSC値は、制御装置56に供給される。また、SC値検出後の混和水は、排水タンク60を介し排出されるが、この排水タンク60には、pH計62が設置されており、これにより混和水のpHが測定され、この混和水pHは制御には使用しないが、SC検量線を測定する時に必要で、通常は混和水pHのモニタとして使用し制御装置56に供給される。SC値と同じ時刻で測定できれば排水タンクにこだわらない。ここで、SCメータ58に供給される混和水は、急速撹拌タンク50から流出される混和水のうち、計測に必要な一部のみでよい。また、排水タンク60からの排出水は排水処理施設に供給してもよいが、着水井10や、急速撹拌池12に導入してもよい。また、膜ろ過して飲料水にしても良い。
制御装置56では、SCメータ58において計測したSC値が所定値になるように、薬剤ポンプ54による凝集剤注入量を制御する。これについて、以下に説明する。
まず、凝集剤の注入量の決定には、従来から回分式ジャーテストが利用されており、本実施形態においてもこれを利用する。
この回分式ジャーテストでは、マグネットスターラによる急速撹拌後、実験用電動式撹拌翼による緩速撹拌によって略式のフロックの粗大化を図り、上澄水の目標濁度から適正な凝集剤添加量を選定する。このような回分式ジャーテストは、水道用水(原水)中のコロイドと凝集剤が反応して形成されたマイクロフロックの表面電荷が中和された際の凝集剤添加量を求めることに対応している。すなわち、表面電荷が中和されることで、フロックの粗大化を図り、且つ上澄水濁度を目標値になったことを確認することで、凝集剤注入率を最適化することができ、凝集剤注入率を決定できる。
このようにして、回分式ジャーテストによって、その時の原水について、適正凝集剤注入率が決定され、これに処理水量を乗じて適正凝集剤注入量が決定される。しかし、実際の水処理施設に流入してくる原水の水質、水量は変化する。また、回分式ジャーテストにより決定された凝集剤注入率は連続測定が出来ないので急激な水質変動に追随出来ない欠点がある。
上述のような回分式ジャーテストは、本来、時間の経過に従って、常に、または原水の水質、水量が変化する度に測定されるべきであるが、殆どの浄水場では手間が掛かるので、経済的な理由から、一日一回程度のテストで凝集剤の注入を決定している。安全上の理由から凝集剤の過剰注入はクリプトスポリジュウム対策にも有効なため、全国的に行われていたが、水道水へのアルミの溶出の問題もあり、その注入率の削減が望まれている。過剰注入対策を行う浄水場での凝集剤の削減率は30%程度と報告されており、凝集剤の適正注入が望まれている。本装置で確認された削減率は平均PAC注入率30mg/Lの原水をpH中和剤として炭酸ガスと併用すればPAC注入率を10mg/L以下にする事が可能である。
特に、原水中のコロイド濃度や、pH及び導電率などによって、適正凝集剤注入率が変化する。本実施形態の凝集剤注入量決定装置200における、SCメータ58によれば、凝集剤混和水のマイクロフロックの電荷に対応するSC値を連続的に検出できる。このため、このSC値を用いて凝集剤の注入量を制御することで、より正確な凝集剤注入量制御が行える。
SC値は、原水pH、導電率などにより変化することは述べたが、さらに、マイクロフロックの流動電位は、急速撹拌タンクの滞留時間(反応時間)によっても変化する。従って、処理水量の変動する水処理施設において、凝集剤混和水のSC値を計測しても、流量変動を補正する手段を開発しなければ正確な凝集剤注入量制御が行えない。
本実施形態では、サンプリングポンプ40を用いて、凝集剤と原水の反応時間を一定に制御する。また、原水pH、原水導電率σを計測し、これら計測値に応じて目標流動電流値(目標SC値=Isp)を決定する。この目標SC値は、原水pH、導電率を考慮し、かつ反応時間も一定に保った状態での適正SC値である。また、目標SC値は、原水pHの変化が混和水pHに変化にも影響するため、本実施形態では混和水pHの目標値pH0に応じた基準となるSC値(I0)を決定する。設定SC値I0は、SC検量線から求めるが、凝集剤や、原水の根本的な変化(例えばアルカリ度不足等)がない限りは適正PAC注入率でのマイクロフロック表面電荷に近いものである。
そして、凝集剤注入量決定装置200の制御装置56は、凝集剤混和水のSC値が目標SC値に一致するように、薬剤ポンプ54の駆動を制御する。従って、制御装置56において、常に適正凝集剤注入量の凝集剤が注入されることになり、その時の凝集剤注入量を決定することができる。
ここで、目標SC値の算出について説明する。上述のように、スタート時点では、回分式ジャーテストによって、適正凝集剤注入率を決定し、その時のpH0値を検出する。
そして、アルカリ性原水には、凝集剤注入量決定装置200において、目標SC値を決定するがこの目標SC値は、下記のようにして決定する。
sp=I0−I0(1−σ/σ0)+K(pH−pH0)・・・・・(1)
K=K1+K1(1−σ/σ0)・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
I=apHm+b・・・・・・・・(3)
ここで、Ispは目標SC値(units)、設定SC値であるI0はSC検量線の式(3)からpHm=pH0とした時のSC値、σ0はSC検量線作成時の原水導電率、pH0は回分試験で得た混和水pH、σは現時点での原水導電率、pHは現時点での原水pHである。また、K1は試行錯誤法から求めるが単位pH当たり変化するSC値を示すpH−SC変換係数(=ΔSC/ΔpH)であり、KはK1に導電率変化を考慮したpH−SC変換係数である。なお、K≧0,K1≧0,I0<0とする。また、アルカリ性原水の場合、原水pHは、PAC添加後の混和水pHmのひとつであるpH0より大きく、pH>pH0である。K値は自動測定法からも求める事ができる。式(3)からpHm=pH0の時のSC値である設定SC値I0を求め、式(1)にI0を代入し、K=0として自動運転することでK値は求まる。なお、式(2)については、後述する。
式(1)は、σ=σ0の場合には、
sp=I0+K1(pH−pH0)となる。
σ<σ0の場合には、河川水が降雨で希釈されて、水の電気抵抗が大きくなる。その為には目標SC値を大きくし、同じコロイド濃度でも凝集剤注入率を大きくする。
sp=I0−I0(1−σ/σ0)+{K1+K1(1−σ/σ0)}(pH−pH0
ここで、SC値は電流量であり、オームの法則から導電率が高くなればSC値は小さくなり、導電率が低くなればSC値は大きくなる。凝集反応が進むと流動電位(=I0/σ0:次元mV)が一定となるのでI0/σ0=I/σ=一定を用いることで、導電率の変化に正しく対応することが可能となった。
SC計のスケールは増幅倍率(gain)X1でスケール±250を使用したのでI0は負であり、I0が大きくなる意味はより+250に近づくことであり、I0が小さくなる意味はより−250に近づくことを意味する。
σ>σ0の場合には、河川水が渇水に成る時起きるが、電気抵抗値が小さくなり、逆に目標値を小さくする。
sp=I0−I0(1−σ/σ0)+{K1+K1(1−σ/σ0)}(pH−pH0
と同じになり、Ispは−250側に移動し、またK<K1となる。
なお、本装置は、降雨時にσ<σ0となり、渇水時にσ>σ0となる水源の制御を対象としており、水源が複数で取水場所が合流点の時は凝集剤制御が困難に成ることが多い。
図2に示すように、本実施形態によれば、原水の導電率σ、原水pHを考慮して、目標SC値であるIspを修正する。混和水pHは、混和水のpHを目標とするpH0まで中和(ここではPACで行う)することを基本とするが、その為(pH−pH0)は凝集剤(PAC)注入率のベクトルとなりpH−SC変換係数Kを乗じたIxを導電率項に加算してIspが求まる。
これによって、原水導電率、pHが変化した場合にも適切な目標SC値を定めることができる。
「SC検量線の求め方」
基本式(3)をSC検量線と呼ぶ。基本式(3)であるI=a・pHm+bにおいて、aは混和水pHとSC値の負の回帰式から求めた基本式(3)のpH−SC勾配(K値とは異なる)であり、bは混和水pHとSC値の負の回帰式から求めた基本式(3)のy切片定数(SC:units)を表し、凝集剤注入率ゼロの時の最小SC値である。
また、基本式(3)であるI=a・pHm+bは、混和水pHとSC値の相関を表し、SC検量線としての基本式(3)における相関係数はR2=0.95以上が望ましい。
このSC検量線を求めるには、原水pHと原水導電率σ(μS/cm)が安定している時に、PAC注入率を4〜5点変え、回帰式から求める。
「設定SC値I0をpH補正する」
ここで、ΔpH=(pH−pHm)で表される制御に必要なベクトル量Ixを図2に表す。図2はpHm=pH0とした時の制御原理図である。このように、pHをx軸にとり、SC値をy軸にとる。この場合、PACで原水pHが低下するか又は原水pHが減少するかでΔpH=0となる。
pH0とは、回分式ジャーテストで得られた(上澄水濁度目標値を満足する)PAC注入率(PAC0)での混和水pHで、混和水の設定pHを意味する。式(3)にpH0を代入しI0を求める。I0が求まれば図2の点Bが自動的に選定される。図2はpH0=7.3としたときの想定図である。
一方、SCメータでは、全てのSC検量線が特異点A(pH7.0、0)を通過するようにSC計の±目盛が配置されている。点A(pH7.0、0)と点B((7.3、I0)及び点C(7.3、0)の3点で不動のものとなり固有値となる。固有値とは使用したSC線量線の固有値である。基本式(3)はABを通るのでI0を決定すればSC検量線が制御に挿入されたことになる。点Bは原水導電率でy軸を上下する。
一方、原水pHの増減で点Dもx軸を水平に左右移動する。点Aが固定され点Bと点Dが上下、左右に移動するので基本式(3)は無限に存在する。実際に、毎日基本式(3)を求めると、毎回異なる式が得られる。SC値は相対値であるからどの式を使用しても相対的に同じ動きをするので、PAC注入率は同じ結果となる。毎日変える必要は無い。
点Cを決めれば点A&Cは不動であるから、ΔABCとΔBCDの三角形は大きさを示すベクトルが働き適正なIspを保持し計算できる。ΔABCは導電率制御を示し、ΔBCDがpH制御を示す。ベクトルBCが導電率の影響を示すのに対し、pHのそれはベクトルDEである。それを式(4)に示す。
sp=ベクトルBC+ベクトルDE=基本式(1)・・・・・・(4)
点Aの値は、SC検量線により異なるが基本的に点A(pH7.0、0)に収束することを確認した。運転によって異なるが、基本的に点A(pH7.0、0)に収束している。
点Bが+側になることもあるがこの時はベクトルBC<ベクトルDEの時、Isp≧0が成立する。
目標SC値を使用するのに始動時に選定したPAC0、pH0、I0、σ0をセットポイント(設定値)と呼ぶが、目標SC値Ispはこれらを基準にして適正なPAC注入率を保持し推移する。
pHに関するpH−SC比例定数K1は式(3)のSC検量線の勾配aとは異なり正である。点Dが何処にあっても、制御には点Cに収束するように使用する。K値の求め方は上述した。
図2に示すベクトルCD(=原水pH−7.3)はベクトルDEを形成しIxのSC値を持つ。以上の説明を省略し、基本式(1)ではK(pH−pH0)としている。
「K値を求める」
pH‐SC係数K(SCunits/pH)はスタート時のPAC0を満たす試行錯誤法又は自動測定法で求めることができる。
さらに、本実施形態では、凝集剤注入量決定装置は、サンプリングポンプ40(自然流下でも流量を確認出来れば良い)により一定量の原水について連続処理と連続測定を行う。回分式ジャーテストの欠点を補いながら反応時間を一定にできるので、目標SC値に基づき凝集剤注入量を制御することで、正確な凝集剤注入率を決定できる。
なお、図2において、+K1で示される直線のように、pHがpH0より大きい程、Ixは大きくなる。一方、pHがpH0より小さい場合には、−K1で示される直線のようにpHが小さい程Ixが大きくなる。
「K1の決定(1)」
図3は、本装置200の自動操作を止め、手動操作に切り替え、PACの添加量を変更した場合における混和水のpHと、SC値の関係を示したSC検量線の実験結果である。このように、この時の原水については、I=−108.8pHm+756.8、の関係があることがわかった。この時の相関係数R2は、0.9857であった。混和水pHmの目標値はジャーテストで求めるがpHm=pH0=7.3とした時、この相関式にそれを代入することでI0が求まる。式(1)からIspが決まるので試行錯誤でPAC0に成るようにKを増減しKを求める。式(1)で操作して目標のpHm=pH0に成らないとき、逆算でK値を求める。
ジャーテスト結果から得たPAC注入率は測定時により変化するが、pH0は殆ど同じであるので、基本式(1)にpH0を代入しI0を求める。K値は思考錯誤法で求める。PAC0を参考にしながらK=40,30,25,20,10と変え最適値を求める。
本自動ジャーテスト装置の運転条件としてpH0=7.3、I0=−67、σ0=150μS/cmで、試行錯誤法からK1=25として自動運転をした。その結果を表1に示す。
渇水時に相当するので、表1の平均値を利用し、基本式(2)より、
K=25+25*(1−169.1/150)=25+25*(−0.1273)=21.8(units)
sp=−67−(−67)*(1−169.1/150)+21.8*(8.0−7.3)
=−67−(−67)*(−0.1273)+21.8*(0.7)=−67−8.5+15.26=−60.24(units)に成るはずであり、表1に示す目標SC値と実測SC値はほぼ同じ値になった。K=20(ΔSC/ΔpH)位と推定できた。またpHm=7.4で少し高めであったが、PACも平均30.6mg/Lで妥当な値であった。
「K値の決定(2)」
上述のように、K値は試行錯誤法によって、求めることができる。しかし、K=0とおいた自動運転からK値を求めることもできる。
(基本式)
基本式は、上述したが、改めて下記に示す。式(1)と式(2)のK=0として実験を行い、結果解析からK値の特性を求める。
sp={I0−I0(1−σ/σ0)}+K(pH−pH0) ・・・ (1)
K=K1+K1(1−σ/σ0) ・・・ (2)
I=a*pHm+b ・・・ (3)
(K値を求める手順)
次に、K値を求める手順について説明する。
1)始動I0を決めるにはSC検量線が必要である。式(3)を自動ジャーテスト装置の手動操作で求める。dose1、dose2、dose3、dose4、dose5、dose6等とPAC注入率を上げて行くと、混和水pHmが下降し、SC値はより+250側に移動する。この時のpHmとSC値の相関式を求めると式(3)が得られる。これについての実験から式(4)を得た。なお、この時のσ0=150μS/cmである。
I=−213.06pHm+1488.7・・・(4)
2)式(4)にpH0=7.3を代入すると、I0=−67を得るが、K=0で自動運転に切り替える。
3)この自動運転において、2日間のデータとして図5のトレンドグラフを得た。この時の操作条件はK=0、I0=−67、pH0=7.3、σ0=150μS/cmである。運転結果について、表2に示す。なお、この表では、原水導電率をEC1、原水pHをpH1、混和水pH(pHm)をpH2と記載してある。
4)この時の最大pHm、平均pHm、最小pHmは各々7.8、7.6、7.4であった。それに対応するSC値は−71.2、−74.3、−77.7であった。
5)上記結果からpHmとSC値の相関式を求めると式(5)となった。
I=16.25pHm−197.9 ・・・ (5)
6) 試行錯誤法でもK1=20位と見当していたが、式(5)からK=16.25を得た。それを式(3)に代入し、K1=18.3を得る。
(K=18.3の操作結果)
図6のトレンドグラフはK=18.3で運転したものである。また、I0=−67、pH0=7.3、σ0=150μS/cmである。制御は良いが、平均pHm=7.35(最小値7.2〜最大値7.54)で設計値より少し大きかった。運転結果について、表3に示す。なお、この表では、原水導電率をEC1、原水pHをpH1、混和水pH(pHm)をpH2と記載してある。
(K値の自動測定法)
図5のトレンドグラフはK=0とした時、何が起きるかは最初から分かっていた訳ではない。原理図から改めてK値の定義を考えるとpH0=7.3とすると式(3)からI0=−67が決定する。これを自動制御してpHm=pH0=7.3に保持する時のpH−SC値換算係数(K値)は図7又は式(5)のSC勾配から得られる事を発見した。図7は、混和水pHmとSC値の関係をプロットしたものであり、SC勾配=16.25を示した。これは明らかに式(4)のSC勾配と異なる。また、K値は当初、負の勾配を持つと考えていたが、間違いで正の勾配であった。
濁度計では検出できない色コロイドが流入した。この時通常よりPAC注入率が10mg/L以上増加し、混和水pHは7.0〜7.3に低下した。
(アルカリ性原水へのK=0の応用)
式(5)は原水コロイド濃度が低い(濁度5度以下)時、K値が混和水pH(又は原水pH)に比例しI0が大きくなる事を示す。PACを削減するには原水pHを低くすれば良い。それにはCO2等を原水pHの高い時に原水に混和しピークカットする方法が既に採用されている。この時の自動ジャーテスト装置の基本式ではK=0として自動運転するのが好適である。
「SC値による凝集剤注入制御のまとめ」
流動電流(SC値=streaming current:units)はマイクロフロックの表面電荷を相対値(増幅倍率と測定値の表示範囲選定でSC値が異なる:次元mA)ではあるが電流値に換算したものでオームの法則に従う。本実施形態では、水の電気抵抗を水の導電率で求め、混和水pHとSC値の関係から検量線を求める。ジャーテストで求めた適正凝集剤注入率PAC0と適正pH0を利用し、目標SC値ISP(units)を計算し、それに現在SC値を合わせるように凝集剤を注入する。通常の場合には、混和水pHが初期設定値pH0を保持すれば、正しい制御が行われたことになる。それを下回る時もあるが適正注入率を算出できる。いつでも検量線の実験が出来るように水量一定とし、浄水場の施設から切り離し、コンパクトな連続的な凝集剤注入率制御装置とした。SC計はコロイドにのみ反応するので、原水濁度などの計測は不要であり、濁度計は制御から除外している。また、緩速撹拌は、PAC0注入率の設定pH0が適正であれば凝集剤注入率決定装置で確認する必要は無いので省略している。
また、本実施形態により、制御を開始するスタート点でのセットポイント(複数)の定義を正確にし、基本式の次元を合わせ、設定値が増減する時の対応することが可能となる。
「アルカリ性原水でpHが低い時の制御」
ここで、原水pHが高い場合には、上述した式(1)におけるK(pH−pH0)の項が重要である。一方、原水pHが比較的低い場合には、このK(pH−pH0)の項の重要性は低くなる。例えば、pH=pH0であれば、この項は不要である。また、原水pHが高い場合にあっても、炭酸ガスの注入などによってpHを低くすることができる。従って、原水pHが8以下の場合には、K=0として運転することが好適である。
すなわち、SC値検量線の式(3)にpH0を代入し設定SC値I0を求め
sp=I0−I0(1−σ/σ0)・・・・・(6)
を用いて、目標SC値(流動電流値)を決定して凝集剤注入量決定装置を運転し、凝集剤(PAC)の注入率を決定することができる。この時原水タンクのpH計は制御には不要となる。
「自動操作の実施例」
原水はA浄水場導水管の採水弁から、自然流下で原水タンク42に供給し、ここから排水タンクまで水量Q=26.4L/分と2個の流入調整弁で固定し実験した。流量は原水タンクで実測した。
PACは20L袋詰めで市販されているものを20Lの薬剤タンク52に入れ、吸い込み口を液中に浸漬させる型式の液中ポンプである薬剤ポンプ54によって原水に注入した。このポンプの性能は本装置の最小PAC注入率を正確に吐出する事が出来、それは相関係数の良さとして確認できた。排水タンク60の排水は、ラインポンプでA浄水場の着水井10へ返水した。
凝集剤(PAC)は背圧弁を設け、原水タンク42から急速撹拌槽への流入管40φのトップから下へ点滴した。その流入管は急速撹拌タンク50の下部で放出し、上昇流で撹拌混合し、越流堰をオーバーし、その下流に設けたSCメータ58を経て排水タンク60へ流下する。
制御装置56は、PID比例制御器がありSCメータ58から送られるSC値が、混和水pHと原水導電率σから計算される目標SC値Ispと一致するように凝集剤注入を継続し保持することでコロイド濃度に比例しpH中和に消費される適正注入を行う。
ここで、混和水のマイクロフロック表面電荷は(pH0,I0)で設定でき、PAC注入率の調整で一定に出来る。PACポンプの吐出量は目標SC値と混和水SC値とが一致するように制御する。処理量Q(=26.4L/分)に対する薬剤ポンプ54の最大注入率は180mg/Lである。其の割合から回転数が計算されPACの自動制御を行う。
なお、水質やSC値、目標SC値等はデータロガに集めPCで表示され記録される。原水タンク、急速撹拌槽、排水タンクの容量は各々30、150、30Lで滞留時間は約8分で急速撹拌タンク50の滞留時間は5.7分である。撹拌機は60W、排水ポンプは200V×250Wで施設全体ではAC200Vで最大8.64Aの電気容量である。装置全体を幅1.8m×長さ3.6m×高さ2.4mのプレハブに納め、換気扇と扇風機で夏場室温40度以上になったが、処理槽水面等の冷却効果もあり電子機器はそれに耐えた。
図4には、混和水pHが目標の平均7.3になった実験結果のトレンドグラフを示す。この図は、原水pH、原水導電率、混和水pH(pHm)、目標SC値(Isp)、測定SC値(I)、PAC添加量(PAC)の経時変化を示してある。このデータを表4に示す。
このように、原水pHの変化に伴い、目標SC値が修正され、凝集剤添加量が更新されている状態が示されている。このような制御によって、マイクロフロックの状態を所望の適正なものに設定することができた。そして、このようにして、決定された凝集剤注入率により、ジャーテストと同様のPAC注入率と混和水pHを維持することができ、効果的な凝集処理を継続できる。
「酸性原水の自動ジャーテスター装置のSC検量線」
図3はアルカリ性原水のSC検量線の実験結果例であるが、酸性原水のSC検量線はNaOH等を一定量原水に注入し、pH調整を例えば酸性原水pHを7.75(又はアルカリ度25mg/L以上)に上昇させた後、SC検量線を求める。手動ジャーテストでpH0を得て、SC検量線からI0を求め、混和水SC値とI0が一致するようにPACの自動注入を行う。
この時、K=0として扱う事ができる。導電率だけの制御になる。
sp={I0 −I0(1−σ/σ0)}± K(pH−pH0)・・・・(1)
K=K1 + K1(1−σ/σ0) ・・・・・・・・・・・・・・・・(2)
I =a×pHm+b ・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
基本式は式(1)の右辺第2項および式(2)が不要となり、pH調整原水は式(4)と式(3)だけの制御となる。
sp=I0 −I0(1−σ/σ0)・・・・・・・・(4)
I =a×pHm+b ・・・・・・・・・・・・・・・・(3)
「酸性原水の場合のフロー」
酸性原水の自動ジャーテスター装置のフローは、上述したアルカリ性原水場合のフローと同様であるが、酸性原水ではNaOH等のアルカリ剤の濃度を均一にするために、急速攪拌タンクと同類の攪拌機が原水タンクに必要となる。実プラント(浄水施設)からpH調整原水を得る事が出来れば原水タンクに攪拌機は不要である。また、アルカリ性原水のpH調整のCO2を注入する時もpHを均一にしなければならない事は言うまでもない。
なお、pH調整原水とはアルカリ度不足やpH調整のために、原水にNaOH等を注入し、完全混合した原水を言う。
10 着水井、12 急速撹拌池、14 薬剤タンク、16 薬剤ポンプ、18 流量計、20 制御装置、22 フロック形成池、24 凝集沈殿池、26 急速ろ過池、28 消毒/配水池、40 サンプリングポンプ、42 原水タンク、44 導電率計、46 pH計、50 急速撹拌タンク、52 薬剤タンク、54 薬剤ポンプ、56 制御装置、58 SCメータ、60 排水タンク、62 pH計、100 水処理システム、200 凝集剤注入量決定装置。

Claims (7)

  1. 原水のpHを計測するpH計測手段と、
    原水の導電率を計測する導電率計測手段と、
    特定のpHおよび導電率の原水に基づき決定した、凝集剤混和後の混和水におけるマイクロフロックの荷電状態を示す流動電流値の目標値である初期目標流動電流値を、前記pH計測手段および前記導電率計測手段により計測したpHおよび導電率に基づき補正して、目標流動電流値を算出する目標流動電流値算出手段と、
    一定の滞留時間で、原水に凝集剤を混和する混和手段と、
    この混和手段による凝集剤混和後の混和水の流動電流値を検出する流動電流値検出手段と、
    検出した流動電流値が所定値になるように、前記混和手段における凝集剤注入量を決定し、前記混和手段における凝集剤注入量を制御する注入制御手段と、
    を有し、
    前記注入制御手段において決定した凝集剤注入量を、目標凝集剤注入量として決定する凝集剤注入量決定装置。
  2. 請求項1に記載の凝集剤注入量決定装置であって、
    前記目標流動電流値Ispを、原水についてのジャーテストの結果から選定した適正凝集剤注入時の混和水pHと、基準となる原水導電率と、計測した原水pHと、計測した原水導電率と、に基づいて算出する凝集剤注入量決定装置。
  3. 請求項1に記載の凝集剤注入量決定装置であって、
    前記目標流動電流値Ispを、原水についてのジャーテストの結果から求めた適正凝集剤注入時の混和水pH(pH0)と、基準となる原水導電率(σ0)と、計測した原水pH(pH)と、計測した原水導電率(σ)と、係数Kに基づき、
    sp=I0−I0(1−σ/σ0)+K(pH−pH0
    により算出する凝集剤注入量決定装置。
  4. 請求項3に記載の凝集剤注入量決定装置であって、
    前記Kを、K1をpHの変化量に対する流動電流値の変化量に換算する係数として、
    K=K1+K1(1−σ/σ0
    により求める凝集剤注入量決定装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の凝集剤注入量決定装置を有する水処理施設の凝集剤注入量制御システムであって、
    流入水を原水として前記凝集剤注入量決定装置に供給するとともに、その原水を使用して前記凝集剤注入量決定装置から出力される、凝集剤注入量を用いて、流入水への凝集剤注入量を制御して、凝集処理を行う水処理施設の凝集剤注入量制御システム。
  6. 原水の導電率を計測する導電率計測手段と、
    特定の導電率の原水に基づき決定した、凝集剤混和後の混和水におけるマイクロフロックの荷電状態を示す流動電流値の目標値である初期目標流動電流値を、前記導電率計測手段により計測した導電率に基づき補正して、目標流動電流値を算出する目標流動電流値算出手段と、
    一定の滞留時間で、原水に凝集剤を混和する混和手段と、
    この混和手段による凝集剤混和後の混和水の流動電流値を検出する流動電流値検出手段と、
    検出した流動電流値が所定値になるように、前記混和手段における凝集剤注入量を決定し、前記混和手段における凝集剤注入量を制御する注入制御手段と、
    を有し、
    前記注入制御手段において決定した凝集剤注入量を、目標凝集剤注入量とする凝集剤注入量決定装置。
  7. 請求項6に記載の凝集剤注入量決定装置であって、
    前記目標流動電流値Ispを、基準となる原水導電率(σ0)と、計測した原水導電率(σ)と、基準となるSC値(I0)とに基づき、
    sp=I0−I0(1−σ/σ0
    により算出する凝集剤注入量決定装置。
JP2010093538A 2009-10-30 2010-04-14 凝集剤注入量決定装置および凝集剤注入量制御システム Expired - Fee Related JP5420467B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010093538A JP5420467B2 (ja) 2009-10-30 2010-04-14 凝集剤注入量決定装置および凝集剤注入量制御システム

Applications Claiming Priority (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009251360 2009-10-30
JP2009251360 2009-10-30
JP2009268311 2009-11-26
JP2009268311 2009-11-26
JP2010000342 2010-01-05
JP2010000342 2010-01-05
JP2010093538A JP5420467B2 (ja) 2009-10-30 2010-04-14 凝集剤注入量決定装置および凝集剤注入量制御システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011156529A true JP2011156529A (ja) 2011-08-18
JP5420467B2 JP5420467B2 (ja) 2014-02-19

Family

ID=44588980

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010093538A Expired - Fee Related JP5420467B2 (ja) 2009-10-30 2010-04-14 凝集剤注入量決定装置および凝集剤注入量制御システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5420467B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014054603A (ja) * 2012-09-13 2014-03-27 Toshiba Corp 凝集剤注入制御方法及び凝集剤注入制御システム
KR101600271B1 (ko) * 2014-11-04 2016-03-07 삼보과학 주식회사 전하밀도 보상 응집제 투입률 자동 제어 시스템 및 그 방법
WO2017068825A1 (ja) * 2015-10-20 2017-04-27 株式会社東芝 凝集剤注入支援装置及び制御方法
WO2019193849A1 (ja) * 2018-04-05 2019-10-10 オルガノ株式会社 凝集分離装置、凝集分離方法、水質測定装置、水質測定方法、凝集分離処理システム、および凝集分離処理方法
JP2019181318A (ja) * 2018-04-03 2019-10-24 オルガノ株式会社 凝集を伴う水処理プラントの制御方法および制御装置
WO2019212004A1 (ja) * 2018-05-01 2019-11-07 株式会社東芝 凝集剤注入制御装置、凝集剤注入制御方法及びコンピュータプログラム
JP2020006346A (ja) * 2018-07-12 2020-01-16 オルガノ株式会社 凝集処理設備の運転方法及び運転システム
CN110998307A (zh) * 2017-09-07 2020-04-10 栗田工业株式会社 水处理设备的管理系统

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03284303A (ja) * 1990-03-30 1991-12-16 Ebara Infilco Co Ltd 凝集剤注入制御方法
JP2001327806A (ja) * 2000-05-19 2001-11-27 Nishihara Environ Sanit Res Corp 浄水用凝集剤自動注入装置
JP2002239307A (ja) * 2001-02-21 2002-08-27 Nishihara Watertech Corp Ltd 流動電流値による浄水用凝集剤自動注入装置
JP2004223357A (ja) * 2003-01-21 2004-08-12 Toshiba Corp 凝集剤注入制御装置
JP2009000672A (ja) * 2007-05-18 2009-01-08 Metawater Co Ltd 凝集沈殿処理を行う水処理方法における凝集剤注入率の決定方法及び装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03284303A (ja) * 1990-03-30 1991-12-16 Ebara Infilco Co Ltd 凝集剤注入制御方法
JP2001327806A (ja) * 2000-05-19 2001-11-27 Nishihara Environ Sanit Res Corp 浄水用凝集剤自動注入装置
JP2002239307A (ja) * 2001-02-21 2002-08-27 Nishihara Watertech Corp Ltd 流動電流値による浄水用凝集剤自動注入装置
JP2004223357A (ja) * 2003-01-21 2004-08-12 Toshiba Corp 凝集剤注入制御装置
JP2009000672A (ja) * 2007-05-18 2009-01-08 Metawater Co Ltd 凝集沈殿処理を行う水処理方法における凝集剤注入率の決定方法及び装置

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014054603A (ja) * 2012-09-13 2014-03-27 Toshiba Corp 凝集剤注入制御方法及び凝集剤注入制御システム
KR101600271B1 (ko) * 2014-11-04 2016-03-07 삼보과학 주식회사 전하밀도 보상 응집제 투입률 자동 제어 시스템 및 그 방법
WO2017068825A1 (ja) * 2015-10-20 2017-04-27 株式会社東芝 凝集剤注入支援装置及び制御方法
JP2017077525A (ja) * 2015-10-20 2017-04-27 株式会社東芝 凝集剤注入支援装置及び制御方法
CN110998307A (zh) * 2017-09-07 2020-04-10 栗田工业株式会社 水处理设备的管理系统
CN110998307B (zh) * 2017-09-07 2023-01-20 栗田工业株式会社 水处理设备的管理系统
JP2019181318A (ja) * 2018-04-03 2019-10-24 オルガノ株式会社 凝集を伴う水処理プラントの制御方法および制御装置
JP7083269B2 (ja) 2018-04-03 2022-06-10 オルガノ株式会社 凝集を伴う水処理プラントの制御方法および制御装置
WO2019193849A1 (ja) * 2018-04-05 2019-10-10 オルガノ株式会社 凝集分離装置、凝集分離方法、水質測定装置、水質測定方法、凝集分離処理システム、および凝集分離処理方法
JP2019181342A (ja) * 2018-04-05 2019-10-24 オルガノ株式会社 凝集分離装置、凝集分離方法、水質測定装置、水質測定方法、凝集分離処理システム、および凝集分離処理方法
JP7233848B2 (ja) 2018-04-05 2023-03-07 オルガノ株式会社 凝集分離制御装置、凝集分離制御方法、凝集分離処理システム、および凝集分離処理方法
JP2019193916A (ja) * 2018-05-01 2019-11-07 株式会社東芝 凝集剤注入制御装置、凝集剤注入制御方法及びコンピュータプログラム
WO2019212004A1 (ja) * 2018-05-01 2019-11-07 株式会社東芝 凝集剤注入制御装置、凝集剤注入制御方法及びコンピュータプログラム
JP7179486B2 (ja) 2018-05-01 2022-11-29 株式会社東芝 凝集剤注入制御装置、凝集剤注入制御方法及びコンピュータプログラム
JP2020006346A (ja) * 2018-07-12 2020-01-16 オルガノ株式会社 凝集処理設備の運転方法及び運転システム
JP7072456B2 (ja) 2018-07-12 2022-05-20 オルガノ株式会社 凝集処理設備の運転方法及び運転システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP5420467B2 (ja) 2014-02-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5420467B2 (ja) 凝集剤注入量決定装置および凝集剤注入量制御システム
US20180037471A1 (en) Wastewater treatment system
US8262914B2 (en) Wastewater treatment system
JP2008161809A (ja) 凝集剤注入制御システム
US9493370B2 (en) Wastewater treatment system
US11866348B2 (en) System, apparatus, and method for treating wastewater in real time
JP4492473B2 (ja) 凝集剤注入制御装置および方法
KR101645540B1 (ko) 정수 처리용 응집제 주입 방법 및 이를 이용한 정수 처리 장치
JP5401087B2 (ja) 凝集剤注入制御方法
JP4784241B2 (ja) 浄水プロセスの凝集剤注入方法及び装置
JP5636263B2 (ja) 凝集剤注入制御システム
JP2008194559A (ja) 凝集剤注入制御装置
JP5769300B2 (ja) 凝集剤注入量決定装置及び凝集剤注入量制御システム
JP2002159805A (ja) 浄水場の凝集剤注入制御方法
JP2007098287A (ja) 浄水プロセスの運転管理方法
CN218841805U (zh) 用于矿井水处理的加药控制系统
JP3522650B2 (ja) 浄水用凝集剤自動注入装置
KR20140115604A (ko) 입자표면적에 의한 응집제 주입 제어장치 및 응집제 주입 제어방법, 그리고 이를 구비한 수처리 설비와 방법
JPH09290273A (ja) 凝集剤添加量調整方法及び装置
KR20120104852A (ko) 센서와 회귀모델을 이용한 응집제 주입량 결정방법과 그를 이용한 정수처리장치
JP2011235209A (ja) 凝集処理装置および凝集処理方法
CN113880211B (zh) 一种基于弹性理论的混凝剂投加量确定方法及加药系统
WO2017006823A1 (ja) 凝集剤注入支援装置及び凝集剤注入支援システム
WO2018156075A1 (en) Method of performing chemical precipitation in water and waste water treatment plants
CN106315775A (zh) 铁碳微电解和芬顿联合工艺计量控制系统

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130204

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131108

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131112

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131120

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5420467

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees