JP2002235800A - 緩衝装置 - Google Patents

緩衝装置

Info

Publication number
JP2002235800A
JP2002235800A JP2001035584A JP2001035584A JP2002235800A JP 2002235800 A JP2002235800 A JP 2002235800A JP 2001035584 A JP2001035584 A JP 2001035584A JP 2001035584 A JP2001035584 A JP 2001035584A JP 2002235800 A JP2002235800 A JP 2002235800A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration
target member
target
screw
shock absorber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001035584A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuaki Mishima
一晃 三島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanwa Packing Industry Co Ltd
Original Assignee
Sanwa Packing Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanwa Packing Industry Co Ltd filed Critical Sanwa Packing Industry Co Ltd
Priority to JP2001035584A priority Critical patent/JP2002235800A/ja
Publication of JP2002235800A publication Critical patent/JP2002235800A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】クラックの発生などを防止すると共に振動の緩
衝作用の長寿命化を図り、外部への熱の伝達を抑制して
品質を向上する。 【解決手段】緩衝装置21は、エキマニ2にネジ付けら
れるボルト7が挿通する挿通穴8を有し、カバー3を外
周付近で半径方向に変位可能に挟む相互に積層されたバ
ネワッシャ23、24と、バネワッシャ23、24の挿
通穴8内に半径方向及び軸線方向に変位可能に配置さ
れ、バネワッシャ23、24を軸線方向両側からそれぞ
れ隙間37を有して挟む一対のフランジ部28、31
と、一対のフランジ部28、31を連結する連結部33
とを備えるカラー部材22とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例として、カバー
類、ハウジング類などを振動を発生する部材に装着する
際に用いられる緩衝装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例として、自動車のエンジンには、エン
ジンに装着されているエキゾーストマニホールド(以
下、エキマニ)付近を覆って、エキマニからの熱や騒音
のエンジン周辺への伝播を防止するためのカバーが装着
されている。このようなカバーは、ボルトなどのネジ部
材でエンジンに取付けられている。
【0003】図2は本発明の基礎となる構成を示す自動
車などの車両のエンジン1の正面図であり、図20は従
来技術の断面図である。以下、図2及び図20を併せて
参照して、従来技術について説明する。エンジン1の側
面には、燃焼排ガスを排出するためのエキマニ2が取付
けられており、エキマニ2にはこのエキマニ2を覆って
カバー3が取付けられている。カバー3は、エキマニ2
を覆う構成であり、脈動する燃焼排ガスが内部を通過す
ることなどでエキマニ2から発生する熱や騒音のエンジ
ン1周辺への伝播を抑制しようとするものである。この
ため、カバー3は、図20に示されるように、それぞれ
金属板からなるインナ4とアウタ5との間に、断熱性を
有する制振材6が挟まれた構成を有している。この制振
材6としては無機繊維質或いは無機多孔質の材料が用い
られる。
【0004】カバー3をエキマニ2に取付けるための取
付構造として、以下の構成が用いられている。即ち、カ
バー3には、ボルト7を挿通するための挿通穴8が設け
られており、挿通穴8を覆うように、円板状のワッシャ
9が配置される。このワッシャ9に形成された挿通穴1
0に前記ボルト7を挿通して、エキマニ2のネジ付け用
ボスなどにねじ付け、エキマニ2にカバー3を取付け
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような従来技術の
取付構造においては、以下のような問題点がある。即
ち、カバー3を、図2に示されるように、エキマニ2に
取付ける場合、エキマニ2から発生してボルト7を伝達
する振動の内、特に、図2に矢符A1で示されるよう
な、ボルト7の軸線と交差する方向への振動は吸収され
ることが困難であり、カバー3に共振を生じたり、ボル
ト7の取付部位周辺に金属疲労を生じる。これにより、
騒音の増大や、カバー3におけるクラックの発生などの
問題点が生じ、品質が低いという問題点がある。
【0006】また、エキマニ2から発生する熱に関し
て、エキマニ2からカバー3への輻射熱以外に、ボルト
7を介してカバー3に伝達される熱もあり、ボルト7が
ワッシャ9に直接接触し、ボルト9はカバー3に直接接
触しているので、エキマニ2からの熱がカバー3に伝わ
りやすく、カバー3から外方への輻射熱が増大して、例
としてボンネット内のエンジン1の周辺の補器類やダク
ト類、ハーネス類に熱による損傷を与えやすくなり、カ
バーとしての品質が低いという問題点がある。
【0007】このような問題点を解決しようとする技術
の一つとして、図21に示すものが考えられる。図21
は、上記従来技術のようにカバー3をエキマニなどに取
り付ける際の緩衝装置11を示す断面図であり、カバー
3の挿通穴8にカラー12が装着されている。カラー1
2は、筒状の連結部13と、連結部13の両端に一体に
それぞれ形成され、半径方向外方に広がる一対のフラン
ジ部14、15とを含んで構成される。フランジ部1
4、15の相互の距離はカバー3の厚さよりも大きく形
成され、各フランジ部14、15とカバー3との間に、
例として無機繊維からなるフェルト状の制振シート1
6、17がそれぞれ装着される。即ち、カラー12のフ
ランジ部14、15は、カバー3を挟んだ一対の制振シ
ート16、17を挟んで脱落しないように保持してい
る。カラー12にボルト7が挿通されてエキマニ2にネ
ジ付けられ、カバー3はエキマニ2に緩衝装置11を介
して取り付けられることになる。
【0008】この技術では、ボルト7からの振動は、カ
ラー12から制振シート16、17に伝達されるが、制
振シート16、17は無機繊維からなるフェルト状の材
料であり、ボルト7の軸線方向に沿う圧縮・復元作用に
よって振動を吸収する。これにより、ボルト7からの振
動がカバー3に伝達される程度を抑制するようにしてい
る。
【0009】このような図21に示す技術では、制振シ
ート16、17の経年変化や自重などにより、制振シー
ト16、17がへたる状態になり、制振シート16、1
7の圧縮・復元特性が低下し、振動の抑制作用が低下す
るという問題点が想定される。また、制振シート16、
17は無機繊維から形成されるため、時間経過と共に繊
維が分解して飛散するという問題点が想定される。これ
らの点で、振動緩衝作用に関する品質が低いという問題
点が考えられる。
【0010】本発明は、上記問題点を解決しようとして
成されたものであり、その目的は、クラックの発生など
を防止すると共に振動の緩衝作用の長寿命化を図り、外
部への熱の伝達を抑制して品質を向上することができる
緩衝部材及び緩衝構造を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の緩
衝装置は、ボルトなどのネジ部品を用いて相互に連結さ
れる複数の対象部材間に配置され、振動源になる一方対
象部材からの他方対象部材への振動の伝達を緩衝する緩
衝装置であって、該一方対象部材にネジ付けられる該ネ
ジ部材が挿通する挿通穴を有し、該他方対象部材を外周
付近で半径方向に変位可能に挟む相互に積層された板状
の複数の金属材と、該複数の金属材の該挿通穴内に半径
方向及び軸線方向に変位可能に配置され、該複数の金属
材を軸線方向両側からそれぞれ隙間を有して挟む一対の
フランジ部と、該一対のフランジ部を連結する連結部と
を備えるカラー部材とを備えている。
【0012】請求項2記載の発明の緩衝装置は、ボルト
などのネジ部品を用いて相互に連結される複数の対象部
材間に配置され、振動源になる一方対象部材からの他方
対象部材への振動の伝達を緩衝する緩衝装置であって、
該一方対象部材にネジ付けられる該ネジ部材が挿通する
挿通穴を有し、該他方対象部材を外周付近で半径方向に
変位可能に挟み、該外周部付近は自由振動を行う自由端
とされている相互に積層された板状の複数の金属材と、
該複数の金属材の該挿通穴内に半径方向及び軸線方向に
変位可能に配置され、該複数の金属材を軸線方向両側か
ら挟む一対のフランジ部と、該一対のフランジ部を連結
する連結部とを備えるカラー部材とを備えている。
【0013】請求項3記載の発明の緩衝装置は、ボルト
などのネジ部品を用いて相互に連結される複数の対象部
材間に配置され、振動源になる一方対象部材からの他方
対象部材への振動の伝達を緩衝する緩衝装置であって、
該一方対象部材にネジ付けられる該ネジ部材が挿通する
挿通穴を有し、該他方対象部材を外周付近で半径方向に
変位可能に挟む相互に積層された板状の複数の金属材
と、該複数の金属材の該挿通穴内に半径方向及び軸線方
向に変位可能に配置され、該複数の金属材を軸線方向両
側から挟む一対のフランジ部と、該一対のフランジ部を
連結する連結部とを備えるカラー部材とを備え、該板状
の金属材は、振動伝達時に該ネジ部材の軸線方向に沿っ
て湾曲変形して振動を緩衝する。
【0014】請求項4記載の発明の緩衝装置は、ボルト
などのネジ部品を用いて相互に連結される複数の対象部
材間に配置され、振動源になる一方対象部材からの他方
対象部材への振動の伝達を緩衝する緩衝装置であって、
該ネジ部材を外囲して設けられる略環状の緩衝材と、該
一方対象部材にネジ付けられる該ネジ部材が挿通する挿
通穴を有し、該他方対象部材を保持する第1保持部と、
該緩衝材を保持する第2保持部と、該第1保持部と該第
2保持部とに亘って屈曲して形成され、該他方対象部材
と該緩衝材とを、該第1保持部材及び第2保持部材を介
して、該ネジ部材の軸線方向及び半径方向へ変位自在に
弾性的に連結する連結部とを備える板状の結合部材とを
備えている。
【0015】請求項5記載の発明の緩衝装置は、ボルト
などのネジ部品を用いて相互に連結される複数の対象部
材間に配置され、振動源になる一方対象部材からの他方
対象部材への振動の伝達を緩衝する緩衝装置であって、
該一方対象部材にネジ付けられる該ネジ部材が挿通する
挿通穴を有し、該他方対象部材に結合される結合部と、
該他方対象部材及びネジ部材から離反した領域であって
屈曲変位が許容される振動部とを備えている。
【0016】
【作用】請求項1記載の発明の緩衝装置によれば、一方
対象部材から発生してネジ部材を伝達する振動は、カラ
ー部材を介して複数の金属材に伝達される。このとき、
カラー部材の一対のフランジ部は、複数の金属材を軸線
方向両側からそれぞれ隙間を有して挟んでおり、カラー
部材と金属材とが、ネジ部材の軸線方向と平行な方向及
び交差する方向へ相対的に変位することが許容されてい
る。これにより、ネジ部材からの振動は、カラー部材と
金属材との相対的な変位によって吸収され、金属材への
伝達を抑制することができる。
【0017】また、複数の金属材からの振動は、他方対
象部材に伝達される。このとき、前記金属材は、板状を
なしているので、概略前記軸線方向と平行方向に撓み、
これにより、金属材から他方対象部材への振動の伝達が
抑制される。
【0018】また、前記一方対象部材が熱源でもある場
合、ネジ部材を伝達される熱は、カラー部材を介して金
属材に伝達される際に、カラー部材の一対のフランジ部
と複数の金属材との間の隙間により熱伝導が効率的に遮
断される。これにより、一方対象部材から他方対象部材
への熱の伝達も効率的に抑制される。
【0019】これにより、振動源から他方対象部材への
振動の伝達が効率的に抑制されるので、伝達された振動
によって他方対象部材が共振したり、ネジ部材の他方対
象部材への取付部位付近に金属疲労が生じる事態を抑制
することができ、騒音の増大や、他方対象部材における
クラックの発生などの事態を解消することができ、品質
を格段に向上することができる。
【0020】また、一方対象部材からの熱の伝達も効率
的に抑制することができるので、この点でも品質を向上
することができる。
【0021】請求項2記載の発明の緩衝装置によれば、
複数の金属材からの振動は、他方対象部材に伝達され
る。前記金属材は、板状をなしているので、前記軸線方
向と平行方向に撓む。このとき、金属材の外周部付近は
自由振動を行う自由端とされているので、この外周部付
近に他の部材が装着されるなどして外周部付近の振動が
規制されている場合と比較し、金属材の湾曲の程度が格
段に増大される。
【0022】従って、一方対象部材から発生してネジ部
材を伝達する振動は、カラー部材を介して複数の金属材
に伝達される。このとき、金属材の湾曲の程度が格段に
増大されているので、ネジ部材の軸線方向と平行な振動
は、金属材の前記軸線方向と平行な方向の比較的大きな
撓み変形によって効率的に吸収され、他方対象部材への
伝達を抑制することができる。
【0023】これにより、振動源から他方対象部材への
振動の伝達が効率的に抑制されるので、伝達された振動
によって他方対象部材が共振したり、ネジ部材の他方対
象部材への取付部位付近に金属疲労が生じる事態を抑制
することができ、騒音の増大や、他方対象部材における
クラックの発生などの事態を解消することができ、品質
を格段に向上することができる。
【0024】請求項3記載の発明の緩衝装置によれば、
複数の金属材からの振動は、他方対象部材に伝達され
る。前記金属材は、板状をなしており、振動伝達時にネ
ジ部材の軸線方向に沿って湾曲変形する。この湾曲変形
によって振動が吸収される。
【0025】従って、前記金属材が無機繊維などからな
るフェルト状の材料からなる場合と比較し、経年変化や
自重などにより金属材がへたる状態になって圧縮・復元
特性が低下し、振動の抑制作用が低下するという事態が
防止される。また、フェルト状の材料の場合に、時間経
過と共に繊維が分解して飛散するという問題点が想定さ
れるが、本発明では、このような事態も防止される。
【0026】これにより、振動源から他方対象部材への
振動の伝達が効率的に抑制されるので、伝達された振動
によって他方対象部材が共振したり、ネジ部材の他方対
象部材への取付部位付近に金属疲労が生じる事態を抑制
することができ、騒音の増大や、他方対象部材における
クラックの発生などの事態を解消することができ、品質
を格段に向上することができる。
【0027】請求項4記載の発明の緩衝装置は、一方対
象部材から発生してネジ部材を伝達する振動は、緩衝材
及び結合部材を介して他方対象部材に伝達される。この
とき、結合部材において、緩衝材を保持する第2保持
部、連結部及び他方対象部材を保持する第1保持部を順
次介して振動が伝達される。この連結部は、第1保持部
と第2保持部とに亘って屈曲して形成され、他方対象部
材と緩衝材とを、第1保持部材及び第2保持部材を介し
て、ネジ部材の軸線方向及び半径方向へ変位自在に弾性
的に連結している。
【0028】これにより、ネジ部材からの振動は緩衝材
に伝達され、緩衝材の内部を伝達する際に減衰される。
更に、緩衝材から結合部材を介して他方対象部材に伝達
される際に、上記連結部の作用で減衰される。
【0029】これにより、振動源から他方対象部材への
振動の伝達が効率的に抑制されるので、伝達された振動
によって他方対象部材が共振したり、ネジ部材の他方対
象部材への取付部位付近に金属疲労が生じる事態を抑制
することができ、騒音の増大や、他方対象部材における
クラックの発生などの事態を解消することができ、品質
を格段に向上することができる。
【0030】請求項5記載の発明の緩衝装置によれば、
振動源になる一方対象部材からの振動は、ネジ部材を介
して板状の金属材に伝達される。金属材は、他方対象部
材に結合部で結合されている。また、金属材は、前記他
方対象部材及びネジ部材から離反した領域であって屈曲
変位が許容される振動部とを備えており、この振動部
が、伝達された振動に対応して屈曲変位する。この屈曲
変位によって、伝達された振動が吸収される。これによ
り、一方対象部材から他方対象部材への振動が減衰され
ることになる。
【0031】従って、振動源である一方対象部材から他
方対象部材への振動の伝達が効率的に抑制されるので、
伝達された振動によって他方対象部材が共振したり、ネ
ジ部材の他方対象部材への取付部位付近に金属疲労が生
じる事態を抑制することができ、騒音の増大や、他方対
象部材におけるクラックの発生などの事態を解消するこ
とができ、品質を格段に向上することができる。また、
一方対象部材からの熱の伝達も効率的に抑制することが
できるので、この点でも品質を向上することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明を実施例について以下に説
明する。図1〜図5に本発明の第1実施例を示す。図1
は本実施例の緩衝装置21を用いた状態の概観を示す断
面図であり、図2は本発明の基礎となる構成を示すエン
ジン1の正面図であり、図3は本実施例の原理を示す断
面図であり、図4は本実施例の原理を示す拡大断面図で
あり、図5は本実施例の効果を示すグラフである。
【0033】以下、図1〜図5を参照して、本実施例に
ついて説明する。なお、図2は従来技術の項で参照され
説明されており、再度の説明を省略する。図2を参照す
る場合は前述した参照符号を援用する。また、図2にお
いて、本実施例のカバー3はエンジン1に装着されるエ
キマニ2に取付けられるものとする。このとき、エンジ
ン1、エキマニ2及びカバー3を含んで複数の対象部材
が構成され、本実施例の場合ではエキマニ2が一方対象
部材、カバー3が他方対象部材を構成し、ボルト7がネ
ジ部材を構成する。また、本実施例においても、カバー
3は、図1に示されるように、それぞれ金属板からなる
インナ4とアウタ5との間に、断熱性を有する制振材6
が挟まれた構成を有している。
【0034】本実施例では、カバー3をエキマニ2に取
付けるに際して、図1〜図5に示される緩衝装置21を
用いる。緩衝装置21は、カラー部材22と、カラー部
材22に装着された厚さt1の金属材であるバネワッシ
ャ23、24と、バネワッシャ23、24の外周縁にそ
れぞれ装着された円環状のサッシ25、26とを備えて
いる。
【0035】カラー部材22は、筒部27と、筒部27
の軸線方向一端部に一体に形成されたフランジ部28と
を含むカラー片29と、筒部27よりも大径の筒部30
と、筒部30の軸線方向一端部に一体に形成されたフラ
ンジ部31とを含むカラー片32とを含んで構成され
る。筒部27を筒部30内に圧入して固定した状態で、
各フランジ部28、31は、図1に示す距離L1を隔て
るように構成される。距離L1は、 L1>2×t1 ・・・(1) であるようにカラー片29、32の板厚などが選ばれ
る。従って、バネワッシャ23、24をカラー部材22
に装着したとき、フランジ部28、31とバネワッシャ
23、24との間には、ボルト7の軸線方向に沿って長
さL2 L2=L1−2×t1 ・・・(2) の隙間37が形成される。また、各カラー片29、32
を上記のように組み合わせることにより、フランジ部2
8、31と筒部33を有するカラー部材22が構成され
る。
【0036】前記バネワッシャ23、24は、例とし
て、金属板、パンチングメタル、エキスパンドメタル及
び金網などの板状の材料のいずれかから形成される。本
実施例では、一例としてエキスパンドメタルから形成さ
れる場合を想定して説明する。バネワッシャ23、24
は略円環状に形成され、カラー部材22の筒部33の外
径L3よりも大きく、フランジ部28、31の外径L4
よりも小さな内径L5 L3<L5<L4 ・・・(3) の挿通穴34が形成される。従って、このようなバネワ
ッシャ23、24をカラー部材22に装着するために、
カラー部材22は前述したように2分割され、バネワッ
シャ23、24を例としてカラー片29に装着した後、
カラー片32をカラー片29に圧入するようにする。こ
のようにして、バネワッシャ23、24をカラー部材2
2に組付ける。
【0037】バネワッシャ23、24には、図1に示さ
れるように、外周にサッシ25、26が装着される。サ
ッシ25、26は、例としてステンレス鋼板などからな
る円環状の金属板の外周を内方へ折り返して形成され
る。従って、サッシ25、26はバネワッシャ23、2
4の外周を包みこむ。バネワッシャ23、24は、本実
施例の場合、エキスパンドメタルから形成されており、
外周には鋭利な切断端部が突出することになる。このよ
うな切断端部付近をサッシ25、26で包み込むことに
より、バネワッシャ23、24の外観上の美観を向上
し、しかもばねワッシャ23、24を保持して作業する
作業者の手指の創傷を防止するという効果を実現する。
【0038】このようなサッシ25、26を装着したバ
ネワッシャ23、24の間に、図1及び図3に示される
ようにカバー3を挟みこんで保持する。このような緩衝
装置21が装着されたカバー3をエキマニ2に取り付け
るには、カラー部材22の筒部33の内部にボルト7を
挿通して、エキマニ2のボルト用のボスなどにネジ付け
る。このようにして、カバー3がエキマニ2に取り付け
られる。
【0039】以下、図5を併せて参照して、本実施例の
緩衝装置21の作用について説明する。本実施例の緩衝
装置21によれば、エキマニ2から発生してボルト7を
伝達する振動は、カラー部材22を介してバネワッシャ
23、24に伝達される。このとき、カラー部材22の
一対のフランジ部28、31とバネワッシャ23、24
との間に隙間37が設けられている。これにより、カラ
ー部材22とバネワッシャ23、24とが、ボルト7の
軸線方向と平行な方向及び交差する方向へ相対的に変位
することが許容されている。従って、ボルト7からの振
動は、カラー部材22とバネワッシャ23、24との相
対的な変位によって吸収され、バネワッシャ23、24
への振動の伝達を抑制することができる。
【0040】また、バネワッシャ23、24からの振動
は、カバー3に伝達される。このとき、バネワッシャ2
3、24は板状をなしているので、概略ボルト7の軸線
方向に撓む。これにより、バネワッシャ23、24から
カバー3への振動の伝達が抑制される。
【0041】本件発明者は、このような作用に関して実
験を行い図5のグラフに示される測定結果を得た。図5
の横軸は周波数、縦軸は振動の加速度である。曲線g1
はカラー部材22のみの振動を測定した結果を示し、曲
線g2図21に示される構成の緩衝装置のカバー3に伝
達される振動を測定した結果を示し、曲線g3はカラー
部材22とバネワッシャ23、24との前記隙間37が
ない試作品の振動を測定した結果を示し、曲線g4は本
実施例における振動を測定した結果を示している。
【0042】これらの測定結果から分かるように、図2
1に示されるフェルト状の制振シートを用いるよりも、
本実施例の例としてエキスパンドメタルから構成される
バネワッシャ23、24を用いるほうが、エンジン1や
エキマニ2から発生する振動の全周波数帯域での制振特
性が改善されており、特に、本実施例におけるように、
隙間37を設ける構成例が制振特性が改善されている。
とりわけ、比較的低い周波数帯域における制振特性が改
善されている。
【0043】また、前記エキマニ2はエンジン1からの
燃焼排ガスが流過するため熱源ともなっている。このよ
うな場合、ボルト7を伝達されるエキマニ2からの熱
は、カラー部材22を介してバネワッシャ23、24に
伝達される際に、カラー部材22の一対のフランジ部2
8、31とバネワッシャ23、24との間の隙間37に
より熱伝導が効率的に遮断される。これにより、エキマ
ニ2からカバー3への熱の伝達も効率的に抑制される。
【0044】これにより、本実施例において、振動源で
あるエキマニ2からカバー3への振動の伝達が効率的に
抑制されるので、伝達された振動によってカバー3が共
振したり、ボルト7のカバー3への取付部位付近に金属
疲労が生じる事態を抑制することができ、騒音の増大
や、カバー3におけるクラックの発生などの事態を解消
することができ、カバー3の品質を格段に向上すること
ができる。また、エキマニ2からの熱の伝達も効率的に
抑制することができるので、この点でも品質を向上する
ことができる。
【0045】以下、図6〜図17を参照して、本発明の
第2実施例について説明する。図6は本実施例の緩衝装
置21aの断面図であり、図7は本実施例の対比例の断
面図であり、図8は緩衝装置21aの特徴を示す断面図
であり、図9は緩衝装置21aのバネワッシャ23、2
4の平面図であり、図10はバネワッシャ23、24の
斜視図であり、図11は緩衝装置21aに対する対比例
の斜視図であり、図12は対比例の断面図であり、図1
3は緩衝装置21aの一動作例を示す断面図であり、図
14は緩衝装置21aの他の動作例を示す断面図であ
り、図15は緩衝装置21aの更に他の動作例を示す断
面図であり、図16は本実施例の作用を説明するグラフ
である。
【0046】本実施例は、前記第1実施例に類似し、対
応する部分には同一の参照符号を付す。また、図7〜図
15では、簡略化のために単一のバネワッシャ24とサ
ッシ26のみを示す。本実施例の特徴は、第1実施例の
緩衝装置21において、サッシ25、26を用いず、バ
ネワッシャ23、24の外周を自由振動を行う自由端と
したことである。これにより、第1実施例の緩衝装置2
1において、図7に示されるように、サッシ25、26
の半径方向内方端部のバネワッシャ23、24の半径方
向内方端部からの突出長さaと、フランジ部28、31
の外周からバネワッシャ23、24の半径方向内方端部
までの距離bに関して、バネワッシャ23、24の前記
屈曲変位に寄与する部分の半径方向の長さcは、 c=b−a ・・・(4) となる。
【0047】一方、本実施例の緩衝装置21aにおいて
は、バネワッシャ23、24の外周の振動がサッシ2
5、26によって規制されていないので、バネワッシャ
23、24の前記屈曲変位に寄与する部分の半径方向の
長さdは、 d=b ・・・(5) となる。従って、 d>c ・・・(6) であり、本実施例の緩衝装置21aのバネワッシャ2
3、24を用いると、バネワッシャ23、24の屈曲変
位の幅を大きく設定することができる。
【0048】即ち、本実施例において、バネワッシャ2
3、24は例としてエキスパンドメタルからなる概略板
状の部材であり、図9及び図10に示されるように、バ
ネワッシャ23、24の自然状態の内径e、外径fと、
屈曲状態のバネワッシャ23、24の内径e、外径f1
とには、 f1<f ・・・(7) の関係が成立するのに対し、図11及び図12に示され
るように、バネワッシャ23、24の自然状態の内径
e、外径fおよびサッシ25、26の外径hと、屈曲状
態のバネワッシャ23、24の内径e、外径f1及びサ
ッシ25、26の外径h1とに関して、外径h、h1は
相互にほぼ等しくなる。これは、バネワッシャ23、2
4の外周がサッシ25、26で固定されており、しかも
サッシ25、26は、前述したように例としてステンレ
ス鋼などの比較的硬質な材料から形成されているからで
ある。
【0049】従って、本実施例の緩衝装置21aに用い
られているバネワッシャ23、24は、図13〜図15
に示されるように、カラー部材22の軸線方向に沿って
自由に屈曲変位し、バネワッシャ23、24の湾曲の程
度が格段に増大される。
【0050】従って、エキマニ2から発生してボルト7
を伝達する振動は、カラー部材22を介してバネワッシ
ャ23、24に伝達される。このとき、バネワッシャ2
3、24の湾曲の程度が格段に増大されているので、前
記振動は、バネワッシャ23、24の前記比較的大きな
撓み変形によって効率的に吸収され、カバー3への伝達
を抑制することができる。
【0051】本件発明者は、このような作用に関して実
験を行い図16のグラフに示される測定結果を得た。図
16の横軸は周波数、縦軸は振動の加速度である。曲線
g5はバネワッシャ23、24にサッシ25、26を装
着した第1実施例の緩衝装置21の振動を測定した結果
を示し、曲線g6は本実施例における振動を測定した結
果を示している。
【0052】これらの測定結果から分かるように、第1
実施例の緩衝装置21は、前述したように従来技術に比
較して顕著な作用効果を達成しているが、本実施例の緩
衝装置21aは、第1実施例よりも更に顕著な制振特性
を達成している。
【0053】即ち、緩衝装置21aにおいては、エキマ
ニ2からカバー3への振動の伝達が効率的に抑制される
ので、伝達された振動によってカバー3が共振したり、
ボルト7のカバー3への取付部位付近に金属疲労が生じ
る事態を抑制することができ、騒音の増大や、カバー3
におけるクラックの発生などの事態を解消することがで
き、品質を格段に向上することができる。
【0054】また、本実施例では、板状をなすバネワッ
シャ23、24を用いているので、振動伝達時に湾曲変
形する。この湾曲変形によって振動が吸収される。従っ
て、バネワッシャ23、24が無機繊維などからなるフ
ェルト状の材料からなる場合と比較し、経年変化や自重
などにより金属材がへたる状態になって圧縮・復元特性
が低下し、振動の抑制作用が低下するという事態が防止
される。また、フェルト状の材料の場合に、時間経過と
共に繊維が分解して飛散するという問題点が想定される
が、本実施例では、このような事態も防止される。
【0055】これにより、エキマニ2からカバー3への
振動の伝達が効率的に抑制されるので、この点によって
も、上述した作用効果と同様な作用効果が達成される。
【0056】図17は本発明の第3実施例の緩衝装置2
1bの断面図である。以下、図17を参照して、本実施
例について説明する。本実施例は前述の各実施例に類似
し、対応する部分には同一の参照符号を付す。本実施例
の緩衝装置21bは、ボルト7を外囲して設けられる略
環状の緩衝材40と、断面が略S字状の結合部材である
サッシ41を備えている。サッシ41は、エキマニ2の
ボルト用ボスなどにネジ付けられるボルト7が挿通する
挿通穴42を有している。
【0057】また、サッシ41は、カバー3を保持する
ために、円環状の金属板の内周縁が外周側に折り返され
た形状の第1保持部材である第1保持部43と、緩衝材
40を保持するために、円環状の金属板の外周縁が内周
側に折り返された形状の第2保持部材である第2保持部
44と、第1保持部43と第2保持部44とに亘って屈
曲して形成され、カバー3と緩衝材40とを、1保持部
43及び第2保持部44を介して、ボルト7の軸線方向
及び半径方向へ変位自在に弾性的に連結する連結部45
とを備えている。また、緩衝材40の内周とボルト7と
の間には、前述の各実施例と類似の形状のカラー部材2
2が設けられている。本実施例において、連結部45は
第1保持部43の屈曲部位から第2保持部44の屈曲部
位とに亘る部位である。
【0058】以下、緩衝装置21bの作用効果について
説明する。緩衝装置21bにおいて、エキマニ2から発
生してボルト7を伝達する振動は、緩衝材40及びサッ
シ41を介してカバー3に伝達される。このとき、サッ
シ41において、緩衝材40を保持する第2保持部4
4、連結部45及びカバー3を保持する第1保持部42
を順次介して振動が伝達される。この連結部45は、第
1保持部43と第2保持部44とに亘って屈曲して形成
され、カバー3と緩衝材40とを、第1保持部43及び
第2保持部44を介して、ボルト7の軸線方向及び半径
方向へ変位自在に弾性的に連結している。
【0059】これにより、ボルト7からの振動は緩衝材
40に伝達され、緩衝材40の内部を伝達する際に減衰
される。更に、緩衝材40からサッシ41を介してカバ
ー3に伝達される際に、上記連結部45の作用で減衰さ
れる。
【0060】これにより、エキマニ2からカバー3への
振動の伝達が効率的に抑制されるので、前述した各実施
例で説明した作用効果と同様な作用効果を実現すること
ができる。
【0061】本実施例の変形例として、図18に示され
るように、サッシ41の第1保持部43を前述のように
折り返さず、カバー3の内周端に当接して固定するよう
にしてもよい。このような変形例によってもサッシ41
の屈曲変形が実現されるので、前述した作用効果と同様
な作用効果を実現することができる。
【0062】図19は本発明の第4実施例の緩衝装置2
1cの断面図である。以下、図19を参照して、本実施
例について説明する。本実施例は前述の各実施例に類似
し、対応する部分には同一の参照符号を付す。本実施例
の特徴は、前記各実施例において用いられたバネワッシ
ャ23、24の少なくとも一方を使用し、用いられたバ
ネワッシャ23、24の少なくとも一方を、カバー3に
スポット溶接や任意の固定手法により固定する。以下の
説明では、一例として、バネワッシャ24のみを用いる
場合を想定する。
【0063】本実施例では、カバー3をエキマニ2に取
付けるための取付構造として、以下の構成が用いられて
いる。即ち、カバー3には、ボルト7を挿通するための
穴径jの挿通穴8が設けられており、挿通穴8を覆うよ
うに、バネワッシャ24が配置され、バネワッシャ24
は前記挿通穴8の周辺における結合部46でカバー3に
スポット溶接やリベットなどの手法で固定される。この
バネワッシャ24に形成された挿通穴34に前記ボルト
7を挿通して、エキマニ2のネジ付け用ボス49などに
ねじ付け、エキマニ2にカバー3を取付ける。
【0064】このとき、バネワッシャ24の径kのボル
ト7によってエキマニ2の径mのネジ付け用ボス49と
の間で固定される固定部分47と前記結合部46との間
の屈曲変位による自由振動を行う領域である自由振動部
48の半径方向距離が、バネワッシャ24のバネ性によ
る自由振動が、前述したような制振作用に充分寄与でき
る程度の距離となるように、カバー3の挿通穴8の穴径
jと、ボルト7の径kおよびネジ付け用ボス49の径m
とは、それぞれ適宜な寸法に選ばれる。
【0065】このような構成の緩衝装置21cにおいて
も、バネワッシャ24の撓み変形による緩衝作用が実現
されるので、上記各実施例で説明した作用効果と同様な
作用効果が実現される。
【0066】本発明は、前記各実施例に限定されるもの
はなく、本発明の精神を逸脱しない範囲で広範な変形例
を含むものである。
【0067】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明の緩
衝装置によれば、一方対象部材から発生してネジ部材を
伝達する振動は、カラー部材を介して複数の金属材に伝
達される。このとき、カラー部材の一対のフランジ部
は、複数の金属材を軸線方向両側からそれぞれ隙間を有
して挟んでおり、カラー部材と金属材とが、ネジ部材の
軸線方向と平行な方向及び交差する方向へ相対的に変位
することが許容されている。これにより、ネジ部材から
の振動は、カラー部材と金属材との相対的な変位によっ
て吸収され、金属材への伝達を抑制することができる。
【0068】また、複数の金属材からの振動は、他方対
象部材に伝達される。このとき、前記金属材は、板状を
なしているので、概略前記軸線方向と平行方向に撓み、
これにより、金属材から他方対象部材への振動の伝達が
抑制される。
【0069】また、前記一方対象部材が熱源でもある場
合、ネジ部材を伝達される熱は、カラー部材を介して金
属材に伝達される際に、カラー部材の一対のフランジ部
と複数の金属材との間の隙間により熱伝導が効率的に遮
断される。これにより、一方対象部材から他方対象部材
への熱の伝達も効率的に抑制される。
【0070】これにより、振動源から他方対象部材への
振動の伝達が効率的に抑制されるので、伝達された振動
によって他方対象部材が共振したり、ネジ部材の他方対
象部材への取付部位付近に金属疲労が生じる事態を抑制
することができ、騒音の増大や、他方対象部材における
クラックの発生などの事態を解消することができ、品質
を格段に向上することができる。
【0071】また、一方対象部材からの熱の伝達も効率
的に抑制することができるので、この点でも品質を向上
することができる。
【0072】請求項2記載の発明の緩衝装置によれば、
複数の金属材からの振動は、他方対象部材に伝達され
る。前記金属材は、板状をなしているので、前記軸線方
向と平行方向に撓む。このとき、金属材の外周部付近は
自由振動を行う自由端とされているので、この外周部付
近に他の部材が装着されるなどして外周部付近の振動が
規制されている場合と比較し、金属材の湾曲の程度が格
段に増大される。
【0073】従って、一方対象部材から発生してネジ部
材を伝達する振動は、カラー部材を介して複数の金属材
に伝達される。このとき、金属材の湾曲の程度が格段に
増大されているので、ネジ部材の軸線方向と平行な振動
は、金属材の前記軸線方向と平行な方向の比較的大きな
撓み変形によって効率的に吸収され、他方対象部材への
伝達を抑制することができる。
【0074】これにより、振動源から他方対象部材への
振動の伝達が効率的に抑制されるので、伝達された振動
によって他方対象部材が共振したり、ネジ部材の他方対
象部材への取付部位付近に金属疲労が生じる事態を抑制
することができ、騒音の増大や、他方対象部材における
クラックの発生などの事態を解消することができ、品質
を格段に向上することができる。
【0075】請求項3記載の発明の緩衝装置によれば、
複数の金属材からの振動は、他方対象部材に伝達され
る。前記金属材は、板状をなしており、振動伝達時にネ
ジ部材の軸線方向に沿って湾曲変形する。この湾曲変形
によって振動が吸収される。
【0076】従って、前記金属材が無機繊維などからな
るフェルト状の材料からなる場合と比較し、経年変化や
自重などにより金属材がへたる状態になって圧縮・復元
特性が低下し、振動の抑制作用が低下するという事態が
防止される。また、フェルト状の材料の場合に、時間経
過と共に繊維が分解して飛散するという問題点が想定さ
れるが、本発明では、このような事態も防止される。
【0077】これにより、振動源から他方対象部材への
振動の伝達が効率的に抑制されるので、伝達された振動
によって他方対象部材が共振したり、ネジ部材の他方対
象部材への取付部位付近に金属疲労が生じる事態を抑制
することができ、騒音の増大や、他方対象部材における
クラックの発生などの事態を解消することができ、品質
を格段に向上することができる。
【0078】請求項4記載の発明の緩衝装置は、一方対
象部材から発生してネジ部材を伝達する振動は、緩衝材
及び結合部材を介して他方対象部材に伝達される。この
とき、結合部材において、緩衝材を保持する第2保持
部、連結部及び他方対象部材を保持する第1保持部を順
次介して振動が伝達される。この連結部は、第1保持部
と第2保持部とに亘って屈曲して形成され、他方対象部
材と緩衝材とを、第1保持部材及び第2保持部材を介し
て、ネジ部材の軸線方向及び半径方向へ変位自在に弾性
的に連結している。
【0079】これにより、ネジ部材からの振動は緩衝材
に伝達され、緩衝材の内部を伝達する際に減衰される。
更に、緩衝材から結合部材を介して他方対象部材に伝達
される際に、上記連結部の作用で減衰される。
【0080】これにより、振動源から他方対象部材への
振動の伝達が効率的に抑制されるので、伝達された振動
によって他方対象部材が共振したり、ネジ部材の他方対
象部材への取付部位付近に金属疲労が生じる事態を抑制
することができ、騒音の増大や、他方対象部材における
クラックの発生などの事態を解消することができ、品質
を格段に向上することができる。
【0081】請求項5記載の発明の緩衝装置によれば、
振動源になる一方対象部材からの振動は、ネジ部材を介
して板状の金属材に伝達され、金属材は、他方対象部材
に結合部で結合されている。また、金属材は、前記他方
対象部材及びネジ部材から離反した領域であって屈曲変
位が許容される振動部とを備えており、この振動部が、
伝達された振動に対応して屈曲変位する。この屈曲変位
によって、伝達された振動が吸収される。これにより、
一方対象部材から他方対象部材への振動が減衰されるこ
とになる。
【0082】従って、振動源である一方対象部材から他
方対象部材への振動の伝達が効率的に抑制されるので、
伝達された振動によって他方対象部材が共振したり、ネ
ジ部材の他方対象部材への取付部位付近に金属疲労が生
じる事態を抑制することができ、騒音の増大や、他方対
象部材におけるクラックの発生などの事態を解消するこ
とができ、品質を格段に向上することができる。また、
一方対象部材からの熱の伝達も効率的に抑制することが
できるので、この点でも品質を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の緩衝装置21を用いた状
態の概観を示す断面図である。
【図2】本発明の基礎となる構成を示すエンジン1の正
面図である。
【図3】本実施例の原理を示す断面図である。
【図4】本実施例の原理を示す拡大断面図である。
【図5】本実施例の効果を示すグラフである。
【図6】第2実施例の緩衝装置21aの断面図である。
【図7】本実施例の対比例の断面図である。
【図8】緩衝装置21aの特徴を示す断面図である。
【図9】緩衝装置21aのバネワッシャ23、24の平
面図である。
【図10】バネワッシャ23、24の斜視図である。
【図11】緩衝装置21aに対する対比例の斜視図であ
る。
【図12】対比例の断面図である。
【図13】緩衝装置21aの一動作例を示す断面図であ
る。
【図14】緩衝装置21aの他の動作例を示す断面図で
ある。
【図15】緩衝装置21aの更に他の動作例を示す断面
図である。
【図16】本実施例の作用を説明するグラフである。
【図17】本発明の第3実施例の緩衝装置21bの断面
図である。
【図18】本実施例の変形例を示す断面図である。
【図19】本発明の第4実施例の緩衝装置21cの断面
図である。
【図20】従来技術の断面図である。
【図21】本発明の基礎となる構成の緩衝装置11を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 エキマニ 3 カバー 4 インナ 5 アウタ 6 制振材 7 ボルト 21、21a、21b、21c 緩衝装置 22 カラー部材 23、24 バネワッシャ 25、26 サッシ 28、31 フランジ部 37 隙間 40 緩衝材 41 サッシ 43 第1保持部 44 第2保持部 45 連結部 46 結合部 47 固定部 48 自由振動部 49 取付用ボス

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボルトなどのネジ部品を用いて相互に連
    結される複数の対象部材間に配置され、振動源になる一
    方対象部材からの他方対象部材への振動の伝達を緩衝す
    る緩衝装置であって、 該一方対象部材にネジ付けられる該ネジ部材が挿通する
    挿通穴を有し、該他方対象部材を外周付近で半径方向に
    変位可能に挟む相互に積層された板状の複数の金属材
    と、 該複数の金属材の該挿通穴内に半径方向及び軸線方向に
    変位可能に配置され、該複数の金属材を軸線方向両側か
    らそれぞれ隙間を有して挟む一対のフランジ部と、該一
    対のフランジ部を連結する連結部とを備えるカラー部材
    とを備えている緩衝装置。
  2. 【請求項2】 ボルトなどのネジ部品を用いて相互に連
    結される複数の対象部材間に配置され、振動源になる一
    方対象部材からの他方対象部材への振動の伝達を緩衝す
    る緩衝装置であって、 該一方対象部材にネジ付けられる該ネジ部材が挿通する
    挿通穴を有し、該他方対象部材を外周付近で半径方向に
    変位可能に挟み、該外周部付近は自由振動を行う自由端
    とされている相互に積層された板状の複数の金属材と、 該複数の金属材の該挿通穴内に半径方向及び軸線方向に
    変位可能に配置され、該複数の金属材を軸線方向両側か
    ら挟む一対のフランジ部と、該一対のフランジ部を連結
    する連結部とを備えるカラー部材とを備えている緩衝装
    置。
  3. 【請求項3】 ボルトなどのネジ部品を用いて相互に連
    結される複数の対象部材間に配置され、振動源になる一
    方対象部材からの他方対象部材への振動の伝達を緩衝す
    る緩衝装置であって、 該一方対象部材にネジ付けられる該ネジ部材が挿通する
    挿通穴を有し、該他方対象部材を外周付近で半径方向に
    変位可能に挟む相互に積層された板状の複数の金属材
    と、 該複数の金属材の該挿通穴内に半径方向及び軸線方向に
    変位可能に配置され、該複数の金属材を軸線方向両側か
    ら挟む一対のフランジ部と、該一対のフランジ部を連結
    する連結部とを備えるカラー部材とを備え、 該板状の金属材は、振動伝達時に該ネジ部材の軸線方向
    に沿って湾曲変形して振動を緩衝する緩衝装置。
  4. 【請求項4】 ボルトなどのネジ部品を用いて相互に連
    結される複数の対象部材間に配置され、振動源になる一
    方対象部材からの他方対象部材への振動の伝達を緩衝す
    る緩衝装置であって、 該ネジ部材を外囲して設けられる略環状の緩衝材と、 該一方対象部材にネジ付けられる該ネジ部材が挿通する
    挿通穴を有し、該他方対象部材を保持する第1保持部
    と、該緩衝材を保持する第2保持部と、該第1保持部と
    該第2保持部とに亘って屈曲して形成され、該他方対象
    部材と該緩衝材とを、該第1保持部材及び第2保持部材
    を介して、該ネジ部材の軸線方向及び半径方向へ変位自
    在に弾性的に連結する連結部とを備える板状の結合部材
    とを備えている緩衝装置。
  5. 【請求項5】 ボルトなどのネジ部品を用いて相互に連
    結される複数の対象部材間に配置され、振動源になる一
    方対象部材からの他方対象部材への振動の伝達を緩衝す
    る緩衝装置であって、 該一方対象部材にネジ付けられる該ネジ部材が挿通する
    挿通穴を有し、該他方対象部材に結合される結合部と、
    該他方対象部材及びネジ部材から離反した領域であって
    屈曲変位が許容される振動部とを備えている緩衝装置。
JP2001035584A 2001-02-13 2001-02-13 緩衝装置 Pending JP2002235800A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001035584A JP2002235800A (ja) 2001-02-13 2001-02-13 緩衝装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001035584A JP2002235800A (ja) 2001-02-13 2001-02-13 緩衝装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002235800A true JP2002235800A (ja) 2002-08-23

Family

ID=18899009

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001035584A Pending JP2002235800A (ja) 2001-02-13 2001-02-13 緩衝装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002235800A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1548246A2 (en) 2003-12-25 2005-06-29 Sanwa Packing Industry Co., Ltd. Vibration damping mount and metal heat shield
JP2007192279A (ja) * 2006-01-18 2007-08-02 Toyoda Gosei Co Ltd プロテクタ付きカバー
US7273128B2 (en) * 2003-10-29 2007-09-25 Nichias Corporation Vibration proofing heat shield plate
JP2010014278A (ja) * 2009-09-16 2010-01-21 Sanwa Packing Kogyo Co Ltd 緩衝装置及び金属製カバー
KR200447395Y1 (ko) 2008-02-29 2010-01-25 (주)마이크로컨텍솔루션 히트 프로텍터의 고정유닛 구조
JP2010025348A (ja) * 2009-11-02 2010-02-04 Sanwa Packing Kogyo Co Ltd 結合部材
KR100998180B1 (ko) 2007-12-31 2010-12-03 우신공업 주식회사 아이솔레이터
US8104573B2 (en) 2009-09-23 2012-01-31 Dana Automotive Systems Group, Llc Heat shield and an insulating isolator for the heat shield
KR101115304B1 (ko) 2011-10-20 2012-03-05 김광일 완충기능이 있는 아일릿 금구
JP2014118822A (ja) * 2012-12-13 2014-06-30 Nippon Reinz Co Ltd 遮熱板の支持構造、及び遮熱板の支持構造を構成する緩衝材の組み付け方法

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7273128B2 (en) * 2003-10-29 2007-09-25 Nichias Corporation Vibration proofing heat shield plate
KR101101032B1 (ko) * 2003-10-29 2011-12-29 산와 파킹 고교 가부시키가이샤 방진 차열판
US7284748B2 (en) 2003-12-25 2007-10-23 Sanwa Packing Industry Co., Ltd. Vibration damping mount and metal heat shield
EP1548246A3 (en) * 2003-12-25 2006-03-22 Sanwa Packing Industry Co., Ltd. Vibration damping mount and metal heat shield
EP1548246A2 (en) 2003-12-25 2005-06-29 Sanwa Packing Industry Co., Ltd. Vibration damping mount and metal heat shield
CN100447383C (zh) * 2003-12-25 2008-12-31 三和密封件工业有限公司 缓冲装置
KR100955757B1 (ko) * 2003-12-25 2010-04-30 산와 파킹 고교 가부시키가이샤 완충장치와 금속제 커버
JP4623585B2 (ja) * 2006-01-18 2011-02-02 豊田合成株式会社 プロテクタ付きカバー
JP2007192279A (ja) * 2006-01-18 2007-08-02 Toyoda Gosei Co Ltd プロテクタ付きカバー
KR100998180B1 (ko) 2007-12-31 2010-12-03 우신공업 주식회사 아이솔레이터
KR200447395Y1 (ko) 2008-02-29 2010-01-25 (주)마이크로컨텍솔루션 히트 프로텍터의 고정유닛 구조
JP2010014278A (ja) * 2009-09-16 2010-01-21 Sanwa Packing Kogyo Co Ltd 緩衝装置及び金属製カバー
US8104573B2 (en) 2009-09-23 2012-01-31 Dana Automotive Systems Group, Llc Heat shield and an insulating isolator for the heat shield
JP2010025348A (ja) * 2009-11-02 2010-02-04 Sanwa Packing Kogyo Co Ltd 結合部材
KR101115304B1 (ko) 2011-10-20 2012-03-05 김광일 완충기능이 있는 아일릿 금구
WO2013058138A1 (ja) * 2011-10-20 2013-04-25 ジャパンマテックス株式会社 緩衝機能付きハトメ金具及びその製造方法
JP2014118822A (ja) * 2012-12-13 2014-06-30 Nippon Reinz Co Ltd 遮熱板の支持構造、及び遮熱板の支持構造を構成する緩衝材の組み付け方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100955757B1 (ko) 완충장치와 금속제 커버
KR101404684B1 (ko) 완충 장치 및 금속제 커버
JP6585178B2 (ja) 連結具
JP4270260B2 (ja) 排気管の接続装置
JP4762778B2 (ja) 金属製積層型カバー
JPWO2007117013A1 (ja) 防振支持装置
JP4446686B2 (ja) 緩衝装置及び金属製カバー
JP2002235800A (ja) 緩衝装置
CN212839143U (zh) 缓冲装置和金属罩
JP5590752B2 (ja) 遮音構造および遮音カバー
US20060197340A1 (en) Flexible joint for exhaust pipe
JP2010025348A (ja) 結合部材
JP2001347323A (ja) 金属製カバー、その製造方法及びそれに用いるプレス用金型
JP7411472B2 (ja) 締結具、遮蔽ユニット
JPH0882341A (ja) 防振マウント
JP2010014278A (ja) 緩衝装置及び金属製カバー
JP2000291711A (ja) 緩衝ワッシャ及び緩衝構造
CN110234903B (zh) 连结件
JP2010014278A5 (ja)
JP4543318B2 (ja) ダイナミックダンパ
JP7290677B2 (ja) 制振バンド及びマフラ
JP7304174B2 (ja) 消音器
JP3756890B2 (ja) 排気管のフレキシブルジョイント構造
JP2024043559A (ja) 防振装置
JPH08210129A (ja) 球面継手

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080212

A072 Dismissal of procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A073

Effective date: 20090113