JP2014118822A - 遮熱板の支持構造、及び遮熱板の支持構造を構成する緩衝材の組み付け方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】緩衝材7aの両挟持部14a、14b同士の間に、遮熱板1aの取付孔2aの周囲を直接挟持する。又、前記緩衝材7aと結合部材3aとの間にスリーブ6aを設ける。そして、この緩衝材7aの緩衝材側円筒部13の内周面と、このスリーブ6aのスリーブ側円筒部16の外周面との間に、径方向隙間19を設ける。更に、前記緩衝材7aの両挟持部14a、14bの軸方向側面と、これら両軸方向側面と対向する前記スリーブ6aのスリーブ側フランジ17a、17bの軸方向側面との間に、軸方向隙間20a、20bを設ける。
【選択図】図1
Description
又、このうちの遮熱板用支持装置5は、スリーブ6と、緩衝材7と、支持部材8とを備える。
更に、このうちのスリーブ6は、その内側に結合部材3を挿通可能なスリーブ側円筒部9と、このスリーブ側円筒部9の外周面の軸方向両端部に、この外周面から径方向外方に突出した状態で設けられた1対のスリーブ側フランジ部10a、10bとを有する。
但し、上述の様な遮熱板の支持構造の場合、部品点数が多い為、製造コストが嵩んでしまうと共に、この遮熱板の支持構造を構成する遮熱板用支持装置5の組み立て作業、或いはこの遮熱板用支持装置5を前記遮熱版1に組み付ける作業が面倒になり、作業コストが嵩んでしまう。
このうちの遮熱板用支持装置は、前記結合部材により、前記遮熱板を、取付部に緩衝的に支持する為のものであり、金属製のメッシュ(金属フィラメントをメリヤス編みして筒状とした素材)を成形した緩衝材を有する。
又、この緩衝材は、緩衝材側円筒部と、この緩衝材側円筒部の外周面の軸方向両端部に、この外周面から径方向外方に突出した状態で設けられた1対の挟持部とを有する。
この様な緩衝材は、前記緩衝材側円筒部の外周面と前記取付孔の内周面との間に隙間が存在しない状態、且つ前記両挟持部の対向する軸方向側面同士の間に、前記遮熱板のうちの前記取付孔の周囲に存在する部分を挟持した状態で、前記遮熱板に直接組み付けられている。
そして、この緩衝材の周面と、この周面と対向する、前記結合部材の周面又はこの緩衝材とこの結合部材との間に配置された別部材の周面との間に、隙間を設ける事により、この緩衝材が、前記結合部材又はこの別部材に対して径方向又は軸方向に変位した場合に、この結合部材又はこの別部材と当接可能な状態に配置している。
又、上述の様な本発明の遮熱板の支持構造を実施する場合に具体的には、請求項3に記載した発明の様に、前記緩衝材と前記結合部材との間にスリーブを設ける。このスリーブは、前記結合部材をその内側に挿通可能なスリーブ側円筒部と、このスリーブ側円筒部の軸方向両端部に設けられ、その外径寸法が、前記取付孔の内径寸法よりも大きい1対のスリーブ側フランジ部とを有する。そして、前記スリーブを、前記スリーブ側円筒部を前記緩衝材側円筒部の内側に、且つ前記両スリーブ側フランジの対向する軸方向側面同士の間に、前記緩衝材の両挟持部を配置した状態で設ける。
この様な遮熱板の支持構造を構成する緩衝材の組み付け方法は、円筒状メッシュ成形工程と、巻き加工工程と、巻取り部圧縮工程と、成形組み付け工程とを順次行う。
このうちの円筒状メッシュ成形工程では、金属製のフィラメントを編組して、円筒状の第一中間素材を成形する。
又、前記巻き加工工程では、前記第一中間素材の軸方向両端部を、径方向外方に巻く事により、第一巻取り部と、第二巻取り部とを有する第二中間素材を成形する。
又、前記巻取り部圧縮工程では、この第二中間素材のうちの、第一巻取り部にプレス加工を施す。この様にして、その外径寸法が、前記取付孔の内径寸法よりも小さい第一圧縮巻取り部を有する第三中間素材を成形する。
又、前記成形組み付け工程では、前記第三中間素材の第一圧縮巻取り部から軸方向中間部に掛けての部分を前記取付孔に挿通した状態で、この第三中間素材のうちの、この取付孔よりも軸方向一方に配置された部分、及びこの取付孔よりも軸方向他方に配置された部分にプレス加工を施す。この様にして、前記取付孔よりも軸方向一方に配置された部分を一方の挟持部へと加工すると共に、前記取付孔よりも軸方向他方に配置された部分を他方の挟持部へと加工し、これら両挟持部同士の対向する軸方向側面同士の間に、前記遮熱板のうちの前記取付孔の周囲に存在する部分を、隙間のない状態で挟持する。
又、請求項2に記載した発明の場合、前記取付孔の周囲部分に円筒状の立ち上がり部を形成している。この為、前記遮熱板用支持装置を組み付ける、前記取付孔周辺の高剛性化を図ると共に、組み付け状態に於ける、前記遮熱板とこの遮熱板用支持装置を構成する緩衝材との組み付け性の向上を図れる。
又、請求項3に記載した発明の場合、緩衝材と結合部材との間に設けたスリーブの両スリーブ側フランジ部の外径寸法を、前記遮熱板の取付孔の内径寸法よりも大きくしている。この為、前記遮熱板の前記スリーブ及び結合部材に対する抜け止めを、前記取付孔に組み付けた緩衝材及びこの取付孔の周辺部分と、前記スリーブのスリーブ側フランジ部との軸方向に関する係合により図れる。この結果、前述した従来構造の様に緩衝材とスリーブ側フランジ部との軸方向に関する係合のみで抜け止めを図る構造と比べて、抜け止めを図る部分の剛性を高くできる。
又、請求項4に記載した発明の場合、緩衝材と結合部材との間に前記別部材(例えば、スリーブ)を設けていない。この為、部品点数を減らして、更なる製造コストの低減を図れる。
又、本発明のうちの請求項5に記載した遮熱板の支持構造を構成する緩衝材の組み付け方法に関する発明の場合、この緩衝材を成形する作業と、この緩衝材を遮熱板に組み付ける作業とを同時に行う事ができる。この為、作業コストの低減を図れる。
図1〜2は、請求項1〜3、5に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の遮熱板の支持構造は、前述した従来構造の遮熱板の支持構造と同様に、エキゾーストマニホールドに設けた取付座等の取付部4aに対して、遮熱板1aに形成された取付孔2aを挿通した結合部材3aにより、この遮熱板1aを緩衝的、且つ互いに若干の相対変位が可能な状態に支持する部分の構造である。
本例の場合、前記両スリーブ側フランジ部17a、17bのうちの一方(図1の上方)のスリーブ側フランジ部17aは、前記スリーブ側円筒部16とは別体に設けた円輪状部材から成る。この様なスリーブ側フランジ部17aは、このスリーブ側円筒部16の外周面の軸方向一端に、この外周面から径方向内方に凹んだ状態で形成された、小径部18に外嵌している。
又、他方(図1の下方)のスリーブ側フランジ部17bは、前記スリーブ側円筒部16と一体に、このスリーブ側円筒部16の外周面の軸方向他端に、この外周面から径方向外方に突出する状態で設けている。
又、前記エキゾーストマニホールド或は前記取付部4aが熱膨張して前記結合部材3a同士のピッチが変化した場合でも、前記各隙間19、20a、20bを確保できる様に、これら両部材の材質(熱膨張係数)に応じたこれら各隙間19、20a、20bの初期値を設定する必要がある。本例の場合、前記緩衝材7aの内径、この緩衝材7aの径方向内端寄り部分の軸方向に関する厚さ、前記スリーブ6aのスリーブ側円筒部16の外径、前記両スリーブ側フランジ部17a、17bの軸方向に関する寸法を適宜調節する事で、前記各隙間19、20a、20bの初期値を適切に設定する。
先ず、図2(a)に示す円筒状メッシュ成形工程により、金属製(例えば、ステンレス線等)のフィラメントをメリヤス編みし、更に必要に応じ折り返して重ね合わせる事により、円筒状の第一中間素材23を成形する。尚、図2では、メッシュ状の模様等は省略して模式的に示している。
次いで、この第一巻取り部28を形成した中間部材(図示省略)を、前記成形型24の軸部25から取り外す。そして、この中間部材を軸方向に反転させて(前記第一巻取り部28が形成された端部を軸方向一端側に配置して)、前記軸部25に外嵌した状態で、この中間部材をこの軸部25に沿う様に軸方向他方(図2の下方)に押し込む。この様にして、この中間部材の軸方向他端部を、前記成形溝27の形状に沿う様に径方向外方に巻いて{図2(b)の矢印α参照}、第二巻取り部29{図2(c)参照}を形成する。尚、本例の場合、前記第一巻取り部28の巻き数(容積)を、前記第二巻取り部29の巻き数(容積)よりも少なくしている。但し、この様な第一、第二巻取り部28、29の巻き数(容積)は、成形する緩衝材の構造に合わせて、適宜設計的に決定する。
上述の様な図2(b)→(c)に示す巻き加工工程により、図2(c)に示す様な第二中間素材30を成形する。
又、本例の場合、前記緩衝材7aと前記結合部材3aとの間に設けた前記スリーブ6aの両スリーブ側フランジ部17a、17bの外径寸法D17を、前記遮熱板1aの取付孔2aの内径寸法d2よりも大きくしている(D17>d2)。この為、前記遮熱板1aの前記スリーブ6a及び結合部材3aに対する抜け止めを、前記取付孔2aに組み付けた緩衝材7a及びこの取付孔2aの周辺部分と、前記スリーブ6aのスリーブ側フランジ部17a、17bとの軸方向に関する係合により図れる。この結果、前述した従来構造の様に緩衝材7とスリーブ側フランジ部10a、10bとの軸方向に関する係合のみで抜け止めを図る構造と比べて、抜け止めを図る部分の剛性を高くできる。
又、本発明の遮熱板の支持構造を構成する緩衝材の組み付け方法の場合、前記緩衝材7aを形成する作業と、この緩衝材7aを前記遮熱板1aに組み付ける作業とを同時に行う事ができる。この為、作業コストの低減を図れる。
図3は、請求項1、4〜5に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の遮熱板の支持構造を構成する遮熱板用支持装置5bは、前述した実施の形態の第1例の遮熱板用支持装置5aのスリーブ6a(図1参照)を省略した如き構造を有する。即ち、本例の遮熱板の支持構造を構成する遮熱板用支持装置5bは、金属製のメッシュを成形した緩衝材7bのみで構成している。この様な緩衝材7bは、前述した実施の形態の第1例の構造と同様に、緩衝材側円筒部13aと、この緩衝材側円筒部13aの外周面の軸方向両端部に、この外周面から径方向外方に突出した状態で形成された1対の挟持部14c、14dとを有する。
又、この内向フランジ部21の内径寸法d21を、結合部材3bのうちの、組み付け状態に於いて、この内向フランジ部21よりも軸方向一方側(図3の上側)に配置されるフランジ部22aの外径寸法D22よりも小さくしている(d21<D22)。この様にして、前記緩衝材7b(遮熱板1a)の前記結合部材3bに対する抜け止めを図っている。
更に、前記内向フランジ部21の軸方向一側面(図3の上側面)と、当該側面と対向する前記結合部材3bのフランジ部22aの軸方向他側面との間に、軸方向隙間20cを設けている。
本例の場合も、前記内向フランジ21を成形する為に、図2(e)→(f)に示す成形組み付け工程で、第三中間素材32の軸方向一端部(第一圧縮巻取り部31)から軸方向中間部に掛けての部分を、遮熱板1aの取付孔2aに挿通する。そして、この第三中間素材32のうちの、この取付孔2aよりも軸方向一方に配置された部分、及びこの取付孔2aよりも軸方向他方に配置された部分にプレス加工を施す。この様にして、第一圧縮巻取り部31を、前記両挟持部14c、14dのうちの一方の挟持部14cに加工すると共に、第二巻取り部29を他方の挟持部14dに加工する。そして、これら両挟持部14c、14d同士の対向する軸方向側面同士の間に、前記遮熱板1aのうちの前記取付孔2aの周囲に存在する部分を隙間のない状態で挟持する。尚、本例の場合も、前述した実施の形態の第1例の場合と同様に、前記遮熱板1aの取付孔2aの周囲部分にバーリング加工を施して、円筒状の立ち上がり部15(図1参照)を形成する事ができる。
この様な本例の場合も、前記遮熱板用支持装置5bを構成する緩衝材7bの成形と、この緩衝材7bの前記遮熱板1aに対する組み付けを同時に行う事ができる。
2、2a 取付孔
3、3a、3b 結合部材
4、4a 取付部
5、5a、5b 遮熱板用支持装置
6、6a スリーブ
7、7a、7b 緩衝材
8 支持部材
9 スリーブ側円筒部
10a、10b スリーブ側フランジ部
11 第一の支持部
12 第二の支持部
13、13a 緩衝材側円筒部
14a、14b、14c、14d 挟持部
15 立ち上がり部
16 スリーブ側円筒部
17a、17b スリーブ側フランジ部
18 小径部
19、19a、19b 径方向隙間
20a、20b、20c 軸方向隙間
21 内向フランジ部
22、22a フランジ部
23 第一中間素材
24 成形型
25 軸部
26 基部
27 成形溝
28 第一巻取り部
29 第二巻取り部
30 第二中間素材
31 第一圧縮巻取り部
32 第三中間素材
Claims (5)
- 遮熱板に形成した取付孔と、この取付孔を挿通した結合部材と、この取付孔と結合部材との間に設けられた遮熱板用支持装置とを備えた遮熱板の支持構造であって、
この遮熱板用支持装置は、前記結合部材により前記遮熱板を、取付部に緩衝的に支持する為のものであり、金属製のメッシュを成形した緩衝材を有しており、
この緩衝材は、緩衝材側円筒部と、この緩衝材側円筒部の外周面の軸方向両端部に、この外周面から径方向外方に突出した状態で設けられた1対の挟持部とを有し、前記緩衝材側円筒部の外周面と前記取付孔の内周面との間に隙間が存在しない状態、且つ前記両挟持部の対向する軸方向側面同士の間に、前記遮熱板のうちの前記取付孔の周囲に存在する部分を挟持した状態で、前記遮熱板に直接組み付けられており、
前記緩衝材の周面と、この周面と対向する、前記結合部材の周面又はこの緩衝材とこの結合部材との間に配置された別部材の周面との間に隙間を設ける事により、この緩衝材が、前記結合部材又はこの別部材に対して径方向又は軸方向に変位した場合に、この結合部材又はこの別部材と当接可能な状態に配置されている遮熱板の支持構造。 - 前記取付孔の周囲部分に円筒状の立ち上がり部を形成している、請求項1に記載した遮熱板の支持構造。
- 前記緩衝材と前記結合部材との間にスリーブが設けられており、
このスリーブは、前記結合部材をその内側に挿通可能なスリーブ側円筒部と、このスリーブ側円筒部の軸方向両端部に設けられ、その外径寸法が、前記取付孔の内径寸法よりも大きい1対のスリーブ側フランジ部とを有しており、
前記スリーブは、前記スリーブ側円筒部を前記緩衝材側円筒部の内側に、且つ前記両スリーブ側フランジの対向する軸方向側面同士の間に、前記緩衝材の両挟持部を配置した状態で設けられている、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した遮熱板の支持構造。 - 前記緩衝材と前記結合部材との間に前記別部材を設けず、
この緩衝材の緩衝材側円筒部の内周面に、この内周面から径方向内方に突出した状態で内向フランジ部が設けており、
この内向フランジ部の内径寸法が、前記結合部材のうちの、この内向フランジ部よりも軸方向一方に存在する部分の少なくとも一部の外径寸法よりも小さい、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載した遮熱板の支持構造。 - 請求項1〜4に記載した遮熱板の支持構造を構成する緩衝材の組み付け方法であって、
金属製のメッシュに加工を施して円筒状の第一中間素材を成形する円筒状メッシュ成形工程と、
この第一中間素材の軸方向両端部を、径方向外方に巻く事により、第一巻取り部と、第二巻取り部とを有する第二中間素材を成形する巻き加工工程と、
この第二中間素材のうちの、第一巻取り部にプレス加工を施して、その外径寸法が、前記取付孔の内径寸法よりも小さい第一圧縮巻取り部を有する第三中間素材を成形する巻取り部圧縮工程と、
この第三中間素材の前記第一圧縮巻取り部から軸方向中間部に掛けての部分を前記取付孔に挿通した状態で、この第三中間素材のうちの、この取付孔よりも軸方向一方に配置された部分、及びこの取付孔よりも軸方向他方に配置された部分にプレス加工を施して、前記取付孔よりも軸方向一方に配置された部分を一方の挟持部へと加工すると共に、前記取付孔よりも軸方向他方に配置された部分を他方の挟持部へと加工し、これら両挟持部同士の対向する軸方向側面同士の間に、前記遮熱板のうちの前記取付孔の周囲に存在する部分を隙間のない状態で挟持する成形組み付け工程と
を有する遮熱板の支持構造を構成する緩衝材の組み付け方法。
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