JP2002235182A - マグネシウム主体金属成形材及びその製造方法 - Google Patents

マグネシウム主体金属成形材及びその製造方法

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JP2002235182A
JP2002235182A JP2001067738A JP2001067738A JP2002235182A JP 2002235182 A JP2002235182 A JP 2002235182A JP 2001067738 A JP2001067738 A JP 2001067738A JP 2001067738 A JP2001067738 A JP 2001067738A JP 2002235182 A JP2002235182 A JP 2002235182A
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Hajime Kanda
元 神田
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Taiyo Kagaku Kogyo Co Ltd
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Taiyo Kagaku Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電磁ノイズを発生する高周波電流をアースする
ことができるように導電性がよく、密着性、意匠性に優
れ、ダイカスト法で生じるような巣や湯じわを目立たな
いようにでき、有毒なシアン化物を使用しないで行なえ
るような表面処理を施したマグネシウム合金成形材及び
その製造方法を提供する。 【解決手段】表面に酸化物被膜を介して少なくとも無電
解めっき層を設けたマグネシウム合金成形材。酸化物被
膜を陽極酸化により形成するそのマグネシウム合金成形
材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、改善した表面処理方法
で処理されたマグネシウム主体金属成形材及びその成形
材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】マグネシウム純金属やマグネシウム合金
は、成形材を得る場合の金属材料として実用化されてい
る金属の内で最も軽量な金属であり、軽量化を目的とし
て宇宙事業分野で使用される打ち上げ機器類の部品、自
動車部品、家電製品等と多岐にわたって利用されつつあ
り、近年、ビディオカメラやノート型パソコンなどの携
帯用機器等の筐体等にその製造数も増加の傾向にある。
一般にマグネシウム金属類は実用化されている成形材と
しての金属の内では、腐食性が高い金属であるので、そ
の表面に何らかの表面処理が施されてから使用されてい
る。この表面処理方法として従来用いられている方法に
は、クロメート皮膜による化成処理や、HAE法あるい
はDOW法による陽極酸化処理がある。しかしこれらの
処理方法は、耐食性は向上するが、表面硬度が低いため
傷つき易く、衝撃性や摺動摩擦にも弱く、これらの性能
を表わす耐摩耗性については不十分であるのみならず、
処理後の表面の外観が悪く、意匠性(美的外観)を重視
するような上記の筐体部品としては利用しにくく、その
皮膜の上に塗装を行って美麗化することができるが金属
光沢が低下するという別の問題を生じるるという不都合
がある。また、家電製品の筐体として利用するために
は、その内部の回路部分で発生する高周波電流を逃がし
易くして電磁ノイズを発生し難くするために導電性にす
る必要があるが、化成処理や陽極酸化による皮膜は電気
抵抗が高いので、アースをするには不向きな一面もあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来の表面処
理法に伴う意匠性や導電性の問題を解決するために、マ
グネシウム合金からなる成形材に亜鉛置換処理を施した
後、シアン化銅めっきをする、いわゆる下地調整の方法
が知られている。例えば特開平4−311575号公報
には、上述したDOW法の一つとして、脱脂→酸洗→活
性化→亜鉛置換処理→シアン化銅ストライクめっき→シ
アン化銅めっき→所望の性能を付与する別のめっきをす
るというように、一連の工程でマグネシウム合金からな
る成形材の表面処理をする方法が開示れている。この方
法では、亜鉛の下地層を形成してマグネシウム合金表面
の活性反応を抑制してから銅めっきを行なうことができ
る。しかし、この方法では、有毒なシアン化銅を含有す
るめっき浴を使用するので、使用済みのめっき浴を自然
界に投棄すると環境を害し、公害の問題を発生すること
から、このシアン化銅を除去するための設備費用や廃液
処理コストがかかるという問題がある。また、AZ91
材に限定したマグネシウム合金からなる成形材に、上記
の工程のうち、亜鉛置換処理→シアン化銅ストライクめ
っき→シアン化銅めっきの工程を省略し、直接めっきす
る方法も知られおり、この方法は廃液処理等にかかるコ
ストの削減も可能であるという利点はあるが、対象がA
Z91材に限定したマグネシウム合金からなる成形材に
しか適用できず、汎用性に欠けるという問題がある。上
記の問題のほかに、マグネシウム金属類を材料に使用し
たダイカスト製品は素地に巣や湯じわができやすく、従
来の上記の表面処理その他の表面処理を行っても、その
跡が外観に表れることがあり、意匠性に問題がある。
【0004】本発明の第1の目的は、電気抵抗が低く導
電性が良い表面処理を施したマグネシウム主体金属成形
材及びそのその製造方法を提供することにある。本発明
の第2の目的は、密着性か良く、意匠性に優れた表面処
理を施したマグネシウム主体金属成形材及びそのその製
造方法を提供することにある。本発明の第3の目的は、
材質の種類を問わずに適用できる表面処理を施したマグ
ネシウム主体金属成形材及びそのその製造方法を提供す
ることにある。本発明の第4の目的は、ダイカスト法や
チクソモールド法等により巣や湯じわが生じることがあ
る成形材であっもその巣や湯じわが目立たないような表
面処理を施したマグネシウム主体金属成形材及びそのそ
の製造方法を提供することにある。本発明の第5の目的
は、シアン化物を使用しないで行なえる表面処理を施し
たマグネシウム主体金属成形材及びそのその製造方法を
提供することにある。本発明の第6の目的は、使用済み
のめっき浴の処理コストがかからず、廃液の処理に伴う
公害を発生しないようにできる表面処理を施したマグネ
シウム成形材及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、(1)、マグネシウムを主成分に有する
金属であるマグネシウム主体金属からなる成形材の表面
に酸化物被膜と、該酸化物被膜を介して設けられた無電
解めッき層からなる導体層とを少なくとも有するマグネ
シウム主体金属成形材を提供するものである。また、本
発明は、(2)、マグネシウム主体金属がマグネシウム
純金属又はマグネシウム合金であり、酸化物被膜はマグ
ネシウム純金属又はマグネシウム合金の酸化物及び陽極
酸化の浴成分を主成分とする被膜である上記(1)のマ
グネシウム主体金属成形材、(3)、無電解めっき層は
無電解ニッケルめっき層である上記(1)又は(2)の
マグネシウム主体金属成形材、(4)、無電解めっき層
上に該無電解めっき層とは異なる性能を付与するめっき
層を有す上記(1)ないし(3)のいずれかのマグネシ
ウム成形材、(5)、マグネシウムを主成分に有する金
属であるマグネシウム主体金属からなる成形材の表面に
陽極酸化処理を施すことにより酸化物被膜を形成する陽
極酸化工程と、該成形材の表面に酸化物被膜を介して無
電解めっき処理を行なって無電解めっき層からなる導体
層を設ける無電解メッキ層形成工程を有するマグネシウ
ム主体金属成形材の製造方法、(6)、マグネシウムを
主成分に有する金属であるマグネシウム主体金属からな
る成形材の表面に陽極酸化処理を施すことにより酸化物
被膜を形成する陽極酸化工程と、該成形材の表面に該酸
化物被膜を介して無電解めっき層からなる導体層を設け
るための前処理を施す無電解めっき前処理工程と、該前
処理をした表面に無電解めっき処理を行なって無電解め
っき層からなる導体層を設ける無電解めっき層形成工程
を有するマグネシム主体金属成形材の製造方法、
(7)、前処理は無電解めっきの金属の析出を促進する
核を形成するための触媒化を行なうことである上記
(6)のマグネシム成形材の製造方法、(8)、無電解
めっき層形成工程は中性ないしアルカリ性の浴を用いて
処理を行なう上記(5)ないし(7)のいずれかのマグ
ネシム成形材の製造方法、(9)、無電解めっき前処理
工程は中性ないしアルカリ性の浴を用いて処理を行なう
上記(6)又は(7)のマグネシム成形材の製造方法、
(10)、無電解めっき層形成工程における無電解めっ
き処理は成形材の表面の酸化物被膜に対して封孔処理を
行なった後に、該封孔処理を行なった表面に対して行な
う上記(5)又は(8)のマグネシム主体金属成形材の
製造方法、(11)、無電解めっき層形成工程における
無電解めっき処理は成形材の表面の酸化物被膜に対して
封孔処理を行なった後に前処理を行ない、該前処理を行
なった表面に対して行なう上記(6)ないし(9)のい
ずれかのマグネシム主体金属成形材の製造方法、(1
2)、マグネシウムを主成分に有する金属であるマグネ
シウム主体金属からなる成形材は表面に凹凸がある成形
材であり、陽極酸化処理は該凹凸が無電解めっき層側か
ら目立たなくなるまで行なう上記(5)ないし(11)
のいずれかのマグネシム主体金属成形材の製造方法を提
供するものである。
【0006】本発明において、「マグネシウム主体金属
成形材」とは、「マグネシウムを主成分に有するマグネ
シウム主体金属」、すなわちマグネシウム純金属又はマ
グネシウム合金を溶融して型により成形して得られる家
電製品の筐体等の部材のみならず、単に板材や棒材等も
含まれ、鋳造、チクソモールド、ダイカスト、圧延等に
よる加工材が挙げられる。このマグネシウム主体金属成
形材の通常の雰囲気下での活性を抑制し、腐食を防止す
るために、表面処理が施されるが、その表面処理として
は、マグネシウム主体金属成形材の素地表面に酸化物被
膜を形成してから無電解めっき処理を行なって導電層を
形成することを最小限行なうが、さらにその導電層とは
異なる性能を付与するめっき層を設けても良い。その酸
化物被膜を形成するには、陽極酸化処理が好ましく、J
IS H8651に規格化されている一般的な条件の陽
極酸化処理を用いることができる。このようにマグネシ
ウム主体金属成形材の表面に陽極酸化処理により形成さ
れる酸化物被膜は、マグネシウム主体金属としてマグネ
シウム純金属又はその合金の酸化物及び陽極酸化の浴成
分を主成分とするが、いずれも非常に多孔質な皮膜であ
り、コルクのような表面状態をしているのでこの酸化物
被膜の上に無電解めっき処理を行なうと、その形成され
ためっき層が細孔を通って成形材の表面にも達するよう
に形成され、その細孔内部に成形材の表面にも達するめ
っきが行われ、酸化物被膜を介して形成された無電解め
っき層の密着性を向上させる、いわゆる投錨効果を生じ
させることができる。無電解めっき処理により形成され
るめっき層は、マグネシウム主体金属成形材が家電製品
の筐体に使用される場合には、その内部回路から発生す
る高周波電流を逃がして電磁ノイズを発生させないため
には、導電性が高いものほど好ましく、耐摩耗性等も考
慮すると、無電解めっき処理としては、無電解ニッケル
めっき処理が好ましいが、無電解銅めっきその他の通常
用いられている無電解による金属めっきも挙げられる。
【0007】また、マグネシウム主体金属成形材の表面
に陽極酸化処理を施すと、その処理前の表面に凹凸が形
成されていても、凹凸を均すようにその処理を行なうこ
とができ、結果的にはその酸化物を付着させた平坦化し
た酸化物被膜を形成できるが、このように表面をエッチ
ングしながら酸化物被膜を形成し平坦化された処理表面
が得られると、無電解めっき処理やさらに後述する他の
めっき処理を行なった後の外観を良くし、意匠性を高め
ることができる。特に、マグネシウム主体金属成形材を
ダイカストやチクソモールド法などにより成形して得る
場合には、その得られた成形材の表面には巣や湯じわが
生じることがあるが、これらを陽極酸化処理により目立
たないようにすることができ、その処理による酸化物被
膜を介して無電解めっき等を行なうと、巣や湯じわの跡
を外観では目視できないようにすることができる。これ
により、従来では、このような巣や湯じわは、所定の表
面処理を行なう前にブラスト等により取り除くようにす
る必要があったが、その余分な作業をないようにするこ
とができる。
【0008】無電解めっき処理は、マグネシウム主体金
属成形材の表面に酸化物被膜を介して直接行なってもよ
いが、その酸化物被膜に対して前処理、すなわち無電解
めっきの金属の析出を促進する核を生成する触媒化処理
を行なったのちに行なうことが好ましい。その触媒化処
理としては、例えばパラジウム錯体法が挙げられ、これ
によりパラジウム核(Pd核)を酸化物被膜に付着させ
ることができるが、その触媒化をする処理としては現用
のものに限定されない。このように酸化物被膜にpd核
が点在すると、無電解めっき処理により金属がこのpd
核を種にして析出することができ、めっきを促進するこ
とができ、作業性を高めることができる。なお、陽極酸
化処理により形成された酸化物被膜について、この前処
理後であってもその多孔性を維持することにより、無電
解めっき処理により形成されるめっき層について上記し
た投錨効果を得られるようにすることができる。
【0009】マグネシウム主体金属成形材の耐食性を向
上させるためには、陽極酸化処理により形成された酸化
物被膜の細孔を塞ぐ、いわゆる封孔処理を行なってもよ
い。この封孔処理としては、酸化物被膜を形成したマグ
ネシウム主体金属成形材の表面を例えば樹脂液に浸漬
し、樹脂を含浸させる方法を挙げることができる。その
樹脂としては例えばシリコン樹脂が挙げられるが、この
樹脂は撥水性があるので、上記の酸化物被膜を覆って被
覆すると、無電解めっき処理によるめっき層の密着性が
低下するので、その酸化物被膜を支障があるほどには削
り取られない範囲で研磨を行なってもよい。シリコン樹
脂の代わりに親水性の樹脂を含浸させ、被覆した樹脂膜
の表面の濡れ性を向上させて、無電解めっき処理による
めっき層の密着性の低下を抑制することもできる。この
ように、樹脂を含浸させると、酸化物被膜の細孔は樹脂
で塞がれるので、無電解めっきの金属、例えばニッケル
とマグネシウム主体金属成形材の素地のマグネシウムの
接触が避けられ、局部電池現象によるマグネシウム主体
金属成形材の素地の腐食の発生を抑制することができ、
その耐食性を向上させることができる。この場合には上
記の投錨効果は減殺されるが、この投錨効果と封孔処理
による耐食性とのバランスを考えて封孔処理における樹
脂の含浸量を調節してもよい。
【0010】このようにして、マグネシウム主体金属成
形材の表面に酸化物被膜を介して無電解めっき処理によ
る無電解めっき層が形成され、表面処理されたマグネシ
ウム主体金属成形材が得られるが、この無電解めっき層
は導電性を良くする材料を選択して使用し、さらにその
成形材の付加価値を高めるために、摺動摩擦性や意匠性
等の他の性能を向上させるように、この無電解めっき層
の上に他のめっき層を形成してもよく、このめっき層に
は電解めっき層が挙げられるが、無電解めっき層でもよ
い。例えば、硬度を高めるためにニッケルの電解めっき
層を設け、あるいは摺動性を高めるためにPTFE複合
のめっき層(ポリテトラフロロエチレンとニッケル等の
金属の複合めっき層)を設ける例を挙げることができ
る。また、無電解めっき層あるいはこれに他のめっき層
を積層した場合にはその上に美麗化等のための塗装を施
してもよい。
【0011】以上のようにして得られる本発明のマグネ
シウム主体金属成形材は、その材質は上述したように、
マグネシウム純金属でもよく、マグネシウム合金でもよ
いが、その合金としては、例えばAZ91(Mg合金中
Al9%、 Zn1%、残部Mg)、AZ31(Mg合
金中Al3%、Zn1%、残部Mg)が挙げられるがこ
れらに限られることなく、下地の制限がなくどの材質に
も適用可能であり、また、クロメート処理や陽極酸化処
理、さらにはこれらに樹脂塗装を施した表面処理された
マグネシウム主体金属成形材に比べて、無電解めっき層
は、めっき膜であるので金属光沢もあって意匠性が優
れ、金属膜であるので電気抵抗値が低く導電性に優れ、
耐摩耗性のあるめっき層、例えばアルマイト皮膜と同等
程度のめっき層とすることもでき、しかも他のめっき
層、さらには塗装を併用することにより上記の性能その
他の例えば家電製品の筐体等に必要な性能を向上させる
ことができる。そして、シアン化銅を含有するめっき浴
を使用しないでもよいので、使用済のめっき浴を廃棄す
る場合の公害や処理コストの問題も回避することができ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態は、その詳細
は以下の実施例で述べ、少なくともこれらの実施例を含
むが、マグネシウム主体金属成形材にマグネシウム合金
成形材を用い、これに膜厚15μm(好ましくは20μ
m以上)の陽極酸化被膜を形成する。陽極酸化被膜を得
るには、JIS H8651に規格されている11種の
ような一般的な方法のいずれを用いてもよい。次に、そ
の陽極酸化被膜に対して、アルカリ性下でPd核を付着
させるパラジウム錯体法による前処理を行なって、後続
の無電解めっき処理によるめっき層の形成を促進する触
媒とする。その際Pd核の生成を促進する促進化処理を
併用する。ここで、Pd核を生成させるためには、中性
ないしアルカリ性下で行なう。これを酸性下で行なう
と、陽極酸化被膜はコルクのような細孔があり、その細
孔を通して酸性液がマグネシウム主体金属成形材の素地
に浸透し、その素地のマグネシウムは酸性には非常に活
性であるので、その素地を腐食させ易く、後続の無電解
めっき処理によるめっき層の密着性を悪くし易い。この
ことから、Pd核を生成させるための処理液のpHは7
以上、特に7.5以上が好ましい。次いで、中性ないし
アルカリ性下のめっき浴で無電解めっき処理を行ない、
無電解めっき層を形成する。この場合も上記の前処理の
場合と同様に、酸性のめっき浴では基材の素地の腐食が
起こり易く、均一なめっき膜が形成でき難いので、無電
解めっき浴のpHは7以上の中性ないしアルカリ性下で
行なうことが好ましい。
【0013】このようにして表面処理されたマグネシウ
ム主体金属成形材が得られるが、無電解めっき層、例え
ば無電解ニッケルめっき層は密着性がよく、その密着性
は加熱した場合にも膨れを起こすことはなく、電気抵抗
も低くて導電性もよく、耐摩耗性も良く、例えば家電製
品の筐体に使用した場合でも、内部回路の高周波電流を
アースにより良く逃がすことができるとともに、基材の
素地に凹凸や巣、湯じわがある場合でもこれらを陽極酸
化処理により目立たないようにして無電解めっき層側か
らみた外観の目視では分からないようにすることがで
き、意匠性にも優れる。なお、上記の無電解めっき層の
上に他の性能を付与するめっき層を形成してもよく、さ
らにそのめっき層の上あるいはそのめっき層を設けない
場合は無電解めっき層上に塗装を施してもよい。上記は
前処理を行なったが、その後に封孔処理を行なって、マ
グネシウム主体金属成形材の素地の腐食を防止するよう
にしてもよい。
【0014】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。 実施例1 マグネシウム主体金属成形材の試験片としてマグネシウ
ム合金(AZ31)の圧延板(縦7cm、横5cm、厚
さ1.6mm)を用い、その表面を脱脂処理した後、酸
洗浄を行ない、ついで室温に保持した下記組成の陽極酸
化処理浴(JIS H8651に定める規格の11種の
内の一つ(括弧内の組成)から選択した組成のもの)中
に浸漬し、電流2A/dmで60分通電する条件で交
流電解処理による陽極酸化処理を行ない、20μmの陽
極酸化被膜を形成した。 (陽極酸化処理浴の組成) 水酸化カリウム 165g/L (150〜170g/L) フッカカリウム 35g/L (30〜40g/L) リン酸ナトリウム 81g/L (75〜85g/L) 水酸化アルミニウム 35g/L (30〜40g/L) 過マンガン酸カリウム 20g/L (15〜25g/L) 水 残部(全体で1L(リットル)になる残部)
【0015】次いで、前処理として、パラジウム錯体法
を用いてパラジウム核(Pd核)を生成させる触媒化処
理及び触媒促進処理を以下のように行なった。触媒化処
理は、上記の陽極酸化処理した試験片を下記組成のpH
12.1の浴(適用できる括弧内の範囲の組成の内から
選択した組成)に30℃で6分(適用できる5〜8分の
内から選択)間浸漬する。 (触媒化処理浴の組成) パラジウム塩 0.4g/L (0.2〜0.5g/L) ホウ酸塩 10g/L (10〜20g/L) 有機化合物 0.5g/L (0.2〜0.8g/L) 水酸化カリウム 1.78g/L (1〜3g/L) 水 残部(全体で1L(リットル)になる残部) 触媒化促進処理は、上記の触媒化処理を施した試験片を
下記組成のpH8.1の浴(適用できる括弧内の範囲の
組成の内から選択した組成)に25℃で5分(適用でき
る4〜6分の内から選択)間浸漬する。 (触媒化促進処理浴の組成) ホウ酸 6g/L (5〜10g/L) ジメチルアミンボラン 0.8g/L (0.5〜1.0g/L) 水 残部(全体で1L(リットル)になる残部) なお、上記触媒化処理を単独に用いる場合のみならず、
上記触媒化処理に上記触媒化促進処理を含めて一緒に処
理する場合あるいは別々に併用する場合も触媒化処理と
いうことがある。
【0016】次いで、上記の触媒化処理及び触媒化促進
処理の前処理を行なった試験片を下記組成のpH7.2
の無電解ニッケルめっき浴に70℃、60分浸漬し、無
電解ニッケルめっき処理を行ない、7μmの無電解ニッ
ケルめっき層を形成した。 (無電解ニッケルめっき浴の組成) リンデン202−0(ワールドメタル社製) 200ml 水 残部(全体で1L(リットル) になる残部) この無電解ニッケルめっき処理を行なった試験片を水洗
した後乾燥した。このようにして、表面処理完成後の試
験片が得られるが、その断面を模式的に示すと、図1に
示すように、マグネシウム主体金属成形材の素地(Mg
合金)1に陽極酸化被膜(陽極酸化皮膜)2、無電解ニ
ッケルめっき層(無電解Niめっき皮膜)3が順次形成
されるが、表面処理完成後の試験片の断面を撮影したS
EM(走査電子顕微鏡)写真(倍率1500倍)の図2
をみると、マグネシウム合金の素地(Mg合金)の上に
陽極酸化被膜(陽極酸化皮膜)、無電解ニッケルめっき
層(無電解Niめっき皮膜)が順次形成されており、無
電解Niめっき皮膜はMg合金の表面にまで及んでいる
ことがわかる(図2中、「PTFE複合めっき皮膜」は
上記無電解Niめっき皮膜の上に形成された、無電解め
っきによる別のめっき層であり、摺動の性能を付与する
ことができる。)。これは、陽極酸化被膜形成後の試験
片の表面SEM写真(倍率50倍)の図3をみると、黒
っぽく見える点で示される細孔が陽極酸化皮膜には数多
く点在することから、これらの細孔内部に素地にまで及
ぶニッケルめっきが行なわれたからであると考えられ、
投錨効果により無電解Niめっき皮膜の密着性が向上す
る原因を説明することができる。
【0017】得られた表面処理済みの試験片について、
無電解ニッケルめっき層の密着性を調べる密着性試験を
行った。密着性試験は、試験片のPTFE複合めっき皮
膜の上にセロテープ(商品名)を貼り付け、剥離した場
合に無電解めっき膜の剥離が全くないものを「○」と
し、その剥離があるものを「×」として評価するテープ
剥離試験と、試験を300℃、30分加熱したときに無
電解ニッケルめっき層に膨れが目視されないものを
「○」とし、その膨れが目視されるものを「×」として
評価する加熱試験とを行なった。その試験結果を表1に
示す。
【0018】実施例2 マグネシウム主体金属成形材の試験片としてマグネシウ
ム合金(AZ91)を用いてチクソモールド法により成
形材を得、これから試験片(縦7cm、横5cm、厚さ
1mm)を切り出し、この試験片について上記実施例1
と同様の表面処理を行ない、同様に試験した結果を表1
に示す。このようにして得られた表面処理完成後の試験
片は、その断面を模式的に示すと、図4に示すように、
マグネシウム主体金属成形材の素地1に巣あるいは湯じ
わ4が生じても、図5に示すように、陽極酸化被膜2が
形成される過程で半分近くは均されてぼかされ、これに
よりその上に無電解ニッケルめっき層はサテン状に形成
され、外観からは巣あるいは湯じわ4の跡を目視できな
いようにするこができる。実際にも、表面処理完成後の
試験片の表面の写真(デジタルカメラで撮影、倍率1.
5倍)の図6をみると、巣あるいは湯じわの跡は目視で
きないが、マグネシウム主体金属成形材の素地に直接無
電解ニッケルめっき層を形成した場合の同様の表面の写
真(デジタルカメラで撮影、倍率1.5倍)の図7をみ
ると、明らかに巣あるいは湯じわの跡を目視することが
できる。
【0019】実施例3 上記実施例1において、前処理を行なった後の試験片を
シリコン樹脂溶液に浸漬し、樹脂を含浸させ、その後に
無電解ニッケルめっき処理を行なない、PTFE複合め
っきは行わなかったこと以外は同様にして表面処理完成
後の試験片を得た。樹脂含浸後の試験片の表面のSEM
写真(倍率1000倍)を図8に示すが、黒っぽい部分
が樹脂である。また、無電解ニッケルめっきまで行なっ
た表面処理完成後の試験片の断面のSEM写真(倍率5
00倍)を図9に示すが、同図には素地(Mg合金)に
陽極酸化被膜・含浸樹脂混在層(陽極酸化と樹脂含浸の
層)、無電解ニッケルめっき層(無電解Niめっき皮
膜)が形成されており、NiとMgの接触が避けられ、
局部電池現象による腐食の発生を抑制できることにより
耐食性を非常に向上させることができる原因を説明する
ことができる。樹脂含浸後の試験片を20%食塩水に8
5〜90℃で1時間浸漬する耐食性試験を行ったとこ
ろ、その表面の写真(デジタルカメラで撮影、倍率1.
5倍)の図10に示されているように、表面の一部に腐
食が見られる(図示上部中央の穴に広がりが見られる)
が、樹脂含浸しない場合の試験片について同様の耐食性
試験を行なった結果を示す同様の表面の写真(デジタル
カメラで撮影、倍率1.5倍)の図11では全体が白っ
ぽく、表面全体に腐食が見られることからすれば、耐食
性が向上していることがわかる。なお、図10において
表面の白っぽい部分は食塩が結晶化したもので腐食では
ない。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、マグネシウム主体金属
成形材の表面に酸化物被膜を介して少なくとも無電解め
っき層を設け、その酸化物被膜を陽極酸化処理により形
成できるようにしたので、電気抵抗が低く導電性が良
く、密着性が良く、意匠性に優れ、材質の種類を問わず
に適用でき、ダイカスト法やソクソモールド法等により
巣や湯じわが生じることがある成形材であっもその巣や
湯じわが目立たないようにでき、しかもシアン化物を使
用することなく、使用済みのめっき浴の処理コストがか
からず、廃液の処理に伴う公害を発生しないようにでき
る表面処理を施したマグネシウム主体金属成形材及びそ
の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の表面処理完成後のマグ
ネシウム主体金属成形材の一部を模式的に示した断面図
である。
【図2】そのマグネシウム主体金属成形材の表面処理完
成後の試験片の断面を撮影したSEM写真(倍率150
0倍)である。
【図3】その試験片の陽極酸化被膜形成後の表面SEM
写真(倍率50倍)である。
【図4】本発明の第2の実施例の表面処理前のマグネシ
ウム主体金属成形材の一部を模式的に示した断面図であ
る。
【図5】その表面処理完成後のマグネシウム主体金属成
形材の一部を模式的に示した断面図である。
【図6】その表面処理完成後のマグネシウム主体金属成
形材の試験片の一部の表面の写真(デジタルカメラで撮
影、倍率1.5倍)である。
【図7】マグネシウム主体金属成形材の素地に直接無電
解ニッケルめっき層を形成した場合の図6と同様の写真
(デジタルカメラで撮影、倍率1.5倍)である。
【図8】本発明の第3の実施例のマグネシウム主体金属
成形材の試験片の樹脂含浸後の表面のSEM写真(倍率
1000倍)である。
【図9】その表面処理完成後の断面のSEM写真(倍率
500倍)である。
【図10】図8と同様の試験片に対して耐食性試験を行
った結果を示すその表面の写真(デジタルカメラで撮
影、倍率1.5倍)である。
【図11】図8とは樹脂含浸しない以外は同様の試験片
について耐食性試験を行なった結果を示す図10と同様
の表面の写真(デジタルカメラで撮影、倍率1.5倍)
である。
【符号の説明】
1 素地(Mg合金) 2 陽極酸化被膜(陽極酸化皮膜) 3 無電解ニッケルめっき層(無電解Niめっき皮膜) 4 巣あるいは湯じわ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年8月2日(2001.8.2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】マグネシウム純金属やマグネシウム合金
は、成形材を得る場合の金属材料として実用化されてい
る金属の内で最も軽量な金属であり、軽量化を目的とし
て宇宙事業分野で使用される打ち上げ機器類の部品、自
動車部品、家電製品等と多岐にわたって利用されつつあ
り、近年、ビディオカメラやノート型パソコンなどの携
帯用機器等の筐体等にその製造数も増加の傾向にある。
一般にマグネシウム金属類は実用化されている成形材と
しての金属の内では、腐食性が高い金属であるので、そ
の表面に何らかの表面処理が施されてから使用されてい
る。この表面処理方法として従来用いられている方法に
は、クロメート皮膜による化成処理や、HAE法あるい
はDOW法による陽極酸化処理がある。しかしこれらの
処理方法は、耐食性は向上するが、表面硬度が低いため
傷つき易く、衝撃性や摺動摩擦にも弱く、これらの性能
を表わす耐摩耗性については不十分であるのみならず、
処理後の表面の外観が悪く、意匠性(美的外観)を重視
するような上記の筐体部品としては利用しにくく、その
皮膜の上に塗装を行って美麗化することができるが金属
光沢が低下するという別の問題を生じるという不都合が
ある。また、家電製品の筐体として利用するためには、
その内部の回路部分で発生する高周波電流を逃がし易く
して電磁ノイズを発生し難くするために導電性にする必
要があるが、化成処理や陽極酸化による皮膜は電気抵抗
が高いので、アースをするには不向きな一面もある。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】本発明の第1の目的は、電気抵抗が低く導
電性が良い表面処理を施したマグネシウム主体金属成形
材及びその製造方法を提供することにある。本発明の第
2の目的は、密着性か良く、意匠性に優れた表面処理を
施したマグネシウム主体金属成形材及びその製造方法を
提供することにある。本発明の第3の目的は、材質の種
類を問わずに適用できる表面処理を施したマグネシウム
主体金属成形材及びその製造方法を提供することにあ
る。本発明の第4の目的は、ダイカスト法やチクソモー
ルド法等により巣や湯じわが生じることがある成形材で
あっもその巣や湯じわが目立たないような表面処理を施
したマグネシウム主体金属成形材及びその製造方法を提
供することにある。本発明の第5の目的は、シアン化物
を使用しないで行なえる表面処理を施したマグネシウム
主体金属成形材及びその製造方法を提供することにあ
る。本発明の第6の目的は、使用済みのめっき浴の処理
コストがかからず、廃液の処理に伴う公害を発生しない
ようにできる表面処理を施したマグネシウム成形材及び
その製造方法を提供することにある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、(1)、マグネシウムを主成分に有する
金属であるマグネシウム主体金属からなる成形材の表面
に酸化物被膜と、該酸化物被膜を介して設けられた無電
解めき層からなる導体層とを少なくとも有するマグネ
シウム主体金属成形材を提供するものである。また、本
発明は、(2)、マグネシウム主体金属がマグネシウム
純金属又はマグネシウム合金であり、酸化物被膜はマグ
ネシウム純金属又はマグネシウム合金の酸化物及び陽極
酸化の浴成分を主成分とする被膜である上記(1)のマ
グネシウム主体金属成形材、(3)、無電解めっき層は
無電解ニッケルめっき層である上記(1)又は(2)の
マグネシウム主体金属成形材、(4)、無電解めっき層
上に該無電解めっき層とは異なる性能を付与するめっき
層を有す上記(1)ないし(3)のいずれかのマグネシ
ウム成形材、(5)、マグネシウムを主成分に有する金
属であるマグネシウム主体金属からなる成形材の表面に
陽極酸化処理を施すことにより酸化物被膜を形成する陽
極酸化工程と、該成形材の表面に酸化物被膜を介して無
電解めっき処理を行なって無電解めっき層からなる導体
層を設ける無電解めっき層形成工程を有するマグネシウ
ム主体金属成形材の製造方法、(6)、マグネシウムを
主成分に有する金属であるマグネシウム主体金属からな
る成形材の表面に陽極酸化処理を施すことにより酸化物
被膜を形成する陽極酸化工程と、該成形材の表面に該酸
化物被膜を介して無電解めっき層からなる導体層を設け
るための前処理を施す無電解めっき前処理工程と、該前
処理をした表面に無電解めっき処理を行なって無電解め
っき層からなる導体層を設ける無電解めっき層形成工程
を有するマグネシム主体金属成形材の製造方法、
(7)、前処理は無電解めっきの金属の析出を促進する
核を形成するための触媒化を行なうことである上記
(6)のマグネシム成形材の製造方法、(8)、無電解
めっき層形成工程は中性ないしアルカリ性の浴を用いて
処理を行なう上記(5)ないし(7)のいずれかのマグ
ネシム成形材の製造方法、(9)、無電解めっき前処理
工程は中性ないしアルカリ性の浴を用いて処理を行なう
上記(6)又は(7)のマグネシム成形材の製造方法、
(10)、無電解めっき層形成工程における無電解めっ
き処理は成形材の表面の酸化物被膜に対して封孔処理を
行なった後に、該封孔処理を行なった表面に対して行な
う上記(5)又は(8)のマグネシム主体金属成形材の
製造方法、(11)、無電解めっき層形成工程における
無電解めっき処理は成形材の表面の酸化物被膜に対して
封孔処理を行なった後に前処理を行ない、該前処理を行
なった表面に対して行なう上記(6)ないし(9)のい
ずれかのマグネシム主体金属成形材の製造方法、(1
2)、マグネシウムを主成分に有する金属であるマグネ
シウム主体金属からなる成形材は表面に凹凸がある成形
材であり、陽極酸化処理は該凹凸が無電解めっき層側か
ら目立たなくなるまで行なう上記(5)ないし(11)
のいずれかのマグネシム主体金属成形材の製造方法を提
供するものである。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシウムを主成分に有する金属であ
    るマグネシウム主体金属からなる成形材の表面に酸化物
    被膜と、該酸化物被膜を介して設けられた無電解めッき
    層からなる導体層とを少なくとも有するマグネシウム主
    体金属成形材。
  2. 【請求項2】 マグネシウム主体金属がマグネシウム純
    金属又はマグネシウム合金であり、酸化物被膜はマグネ
    シウム純金属又はマグネシウム合金の酸化物及び陽極酸
    化の浴成分を主成分とする被膜である請求項1に記載の
    マグネシウム主体金属成形材。
  3. 【請求項3】 無電解めっき層は無電解ニッケルめっき
    層である請求項1又は2に記載のマグネシウム主体金属
    成形材。
  4. 【請求項4】 無電解めっき層上に該無電解めっき層と
    は異なる性能を付与するめっき層を有する請求項1ない
    し3のいずれかに記載のマグネシウム成形材。
  5. 【請求項5】 マグネシウムを主成分に有する金属であ
    るマグネシウム主体金属からなる成形材の表面に陽極酸
    化処理を施すことにより酸化物被膜を形成する陽極酸化
    工程と、該成形材の表面に酸化物被膜を介して無電解め
    っき処理を行なって無電解めっき層からなる導体層を設
    ける無電解メッキ層形成工程を有するマグネシウム主体
    金属成形材の製造方法。
  6. 【請求項6】 マグネシウムを主成分に有する金属であ
    るマグネシウム主体金属からなる成形材の表面に陽極酸
    化処理を施すことにより酸化物被膜を形成する陽極酸化
    工程と、該成形材の表面に該酸化物被膜を介して無電解
    めっき層からなる導体層を設けるための前処理を施す無
    電解めっき前処理工程と、該前処理をした表面に無電解
    めっき処理を行なって無電解めっき層からなる導体層を
    設ける無電解めっき層形成工程を有するマグネシム主体
    金属成形材の製造方法。
  7. 【請求項7】 前処理は無電解めっきの金属の析出を促
    進する核を形成するための触媒化を行なうことである請
    求項6に記載のマグネシム成形材の製造方法。
  8. 【請求項8】 無電解めっき層形成工程は中性ないしア
    ルカリ性の浴を用いて処理を行なう請求項5ないし7の
    いずれかに記載のマグネシム成形材の製造方法。
  9. 【請求項9】 無電解めっき前処理工程は中性ないしア
    ルカリ性の浴を用いて処理を行なう請求項6又は7に記
    載のマグネシム成形材の製造方法。
  10. 【請求項10】 無電解めっき層形成工程における無電
    解めっき処理は成形材の表面の酸化物被膜に対して封孔
    処理を行なった後に、該封孔処理を行なった表面に対し
    て行なう請求項5又は8に記載のマグネシム主体金属成
    形材の製造方法。
  11. 【請求項11】 無電解めっき層形成工程における無電
    解めっき処理は成形材の表面の酸化物被膜に対して封孔
    処理を行なった後に前処理を行ない、該前処理を行なっ
    た表面に対して行なう請求項6ないし9のいずれかに記
    載のマグネシム主体金属成形材の製造方法。
  12. 【請求項12】 マグネシウムを主成分に有する金属で
    あるマグネシウム主体金属からなる成形材は表面に凹凸
    がある成形材であり、陽極酸化処理は該凹凸が無電解め
    っき層側から目立たなくなるまで行なう請求項5ないし
    11のいずれかに記載のマグネシム主体金属成形材の製
    造方法。
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