JP2002235111A - 低歪焼入装置と焼入方法 - Google Patents

低歪焼入装置と焼入方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラインコイルを用いた方が均質に加熱できる
ワークを低歪焼入する場合、ラインコイルで加熱する。
しかしながら、歪を充分に抑制できない。 【解決手段】 軸形状ワークWを予熱するリングコイル
4と、予熱されたワークを本加熱するラインコイル6
と、本加熱されたワークを冷却する冷却手段14と、軸
形状ワークを軸の回りに回転させる回転手段44と、軸
形状ワークを軸に沿ってリングコイル4からラインコイ
ル6を経由して冷却手段14に至るように移動させる送
り手段46を用意する。軸形状ワークWを回転軸回りに
回転させながら軸方向に移動させることによって、まず
リングコイル4で予熱し、ついでラインコイル6で本加
熱し、その後に冷却する。ワークが短時間に均質に加熱
され、歪が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、軸形状ワークに
低歪焼入を行うための装置と方法に関する。
【0002】
【従来の技術】 ワーク表面に高周波電流を誘導して加
熱し、加熱されたワーク表面を冷却してワーク表面を焼
入する技術が知られている。ワーク表面に高周波電流を
誘導するためにワーク表面に近接して向かい合う位置に
高周波加熱コイルを置き、そのコイルに高周波を印加す
ることによってワーク表面に高周波電流を誘導する。
【0003】ワークが長尺の場合、リングコイルかまた
はラインコイルが用いられる。リングコイルによると、
高周波電流がワークの周方向に流れ、ワークが周方向に
一様に加熱されやすい。例えば、ワークの外周に長手方
向(軸方向)に伸びるキー溝が形成されている場合、リ
ングコイルによって周方向に電流を流すことによってキ
ー溝部と非キー溝部での加熱不均一性を低下することが
できる。一方、ラインコイルによると、高周波電流がワ
ークの長手方向に流れ、ワークが長手方向に一様に加熱
されやすい。例えば、ワークの外周にネジが形成されて
いる場合、ラインコイルによって長手方向に電流を流す
ことによってネジ山部とネジ谷部での加熱不均一性を低
下することができる。このことは、逆の組合せと対比す
ると明らかである。外周に長手方向に伸びるキー溝が形
成されているワークをラインコイルで加熱すると、キー
溝部と非キー溝部で加熱温度が大きく異なってしまう。
外周にネジが形成されているワークをリングコイルで加
熱すると、ネジ山部とネジ谷部で加熱温度が大きく異な
ってしまう。
【0004】特開平9−315133号公報には、長手
方向に大径部と小径部が連続しており、大径部外周に長
手方向に伸びる溝が形成されているワークの高周波加熱
のために、ラインコイルとリングコイルを併用する技術
が開示されている。ラインコイルを用いることによって
大径部と小径部での加熱不均一性を押さえ、リングコイ
ルを用いることによって溝部と非溝部での加熱不均一性
を押さえる。
【0005】本発明では、断面がほぼ円形の軸形状ワー
クを焼入する。即ち、外周に軸方向に伸びる溝等があっ
て、断面が円形とならないワークを処理対象にしていな
い。但し、断面が完全な円形となるワークに限られるも
のではない。表面にネジが形成されているワークの断面
は完全な円形にはならないものの、全体としてみると軸
方向に変化していて周方向には均一な形状をしており、
ワーク表面を均一に加熱するためにはラインコイルが適
している。本発明が焼入処理の対象とするワークは、リ
ングコイルよりもラインコイルを用いたほうがワーク表
面が均一に加熱される形状のワークである。この明細書
ではそのような形状のワークを軸形状ワークという。軸
形状ワークを均一に加熱する場合、前記したところから
明らかに、当然にラインコイルを用いる。
【0006】焼入処理することによってワーク形状が不
均一に変形してワークが歪む現象が生じることは避けら
れない。しかしながらその歪を小さく押さえることが要
請されている。本発明が焼入処理の対象とする軸形状ワ
ークは、リングコイルよりもラインコイルを用いたほう
がワーク表面が均一に加熱される形状のワークである。
均一に加熱しておいて冷却した方が、不均一に加熱して
おいて冷却するよりも歪が抑制される。そこで従来は、
リングコイルよりもラインコイルを用いたほうがワーク
表面が均一に加熱される軸形状ワークを焼入する場合に
は、ラインコイルを用いて均一に加熱しておいて冷却す
る方式を採用することによって、歪の発生を抑制する。
明らかに、リングコイルを用いて不均一に加熱しておい
て冷却する方式を採用する場合に対比すると歪の発生が
抑制される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、それ
でも歪を抑制しきれないことがある。例えば高い寸法精
度が必要とされるパワーステアリングラックの場合に
は、抑制しきれない小さな歪が問題となるために、焼入
後に歪を取除く工程が必要とされる。そこで、本発明
は、さらに歪を抑制することができる焼入技術を実現す
るために研究された。本発明者の研究によって、焼入処
理に伴って発生する歪には、加熱の均質性のみならず、
加熱に要する時間も影響することを確認した。即ち、加
熱の均質性が同レベルでも短時間で加熱して冷却すると
歪が抑制されるのに、長時間かけて加熱してから冷却す
ると歪が大きくなることを確認した。そこで、さらに研
究したところ、ラインコイルを用いて加熱すると、確か
に加熱の均質性が向上する反面、加熱に要する時間は長
くかかるために、加熱の均質性を損ねることなく加熱に
要する時間を短縮化することができれば、さらに歪を抑
制できることを認識した。本発明はこの知見に基づいて
開発されたものであり、加熱の均質性を損ねずに加熱時
間を短縮化することができれば歪が抑制できるという性
質を利用する。
【0008】
【課題を解決するための手段と作用と効果】 本発明
は、従来では不可能なレベルにまで歪の発生を抑制でき
る焼入装置を実現する。この低歪焼入装置は、軸形状ワ
ークを予熱するリングコイルと、予熱されたワークを本
加熱するラインコイルと、本加熱されたワークを冷却す
る冷却手段と、軸形状ワークを軸の回りに回転させる回
転手段と、軸形状ワークを軸に沿ってリングコイルから
ラインコイルを経由して冷却手段に至るまで移動させる
送り手段とを備えている。
【0009】この焼入装置によれば、加熱効率の良いリ
ングコイルでまず予熱する。この予熱段階では、ワーク
は軸方向に均質に予熱されない。そのまま焼入すると、
不均質に加熱された状態から冷却されるために焼入処理
に伴って大きな歪が生じる。しかしながら、本焼入装置
では、予熱された軸形状ワークをラインコイルによって
本加熱した後に冷却するために、本加熱の終了後で冷却
の直前には均質に加熱されている。このために、均質に
加熱しておいて冷却することによって歪が少ない焼入を
することができる。本発明の焼入装置では、加熱効率の
良いリングコイルで予熱することから全体加熱時間が短
時間化され、しかも、均質に加熱のできるラインコイル
で本加熱するために加熱の均質性が損なわれない。短時
間で均質に加熱されるために、今まで不可能であったレ
ベルにまで歪を小さく抑制することができる。
【0010】本装置では、ワーク回転軸から等距離に置
かれている複数のライン部を有するラインコイルを用い
ることが好ましい。
【0011】この構成によると、ラインコイルの均質な
加熱力を利用したうえで、さらに加熱時間を短縮化する
ことができ、一層効果的に歪の発生を抑制することがで
きる。
【0012】本発明はまた従来にない低歪を実現する焼
入方法を創出した。この焼入方法では、軸形状ワークを
回転軸回りに回転させながら軸方向に移動させることに
よって、まずリングコイルで予熱し、ついでラインコイ
ルで本加熱し、その後に冷却する。
【0013】この焼入方法によると、加熱効率の良いリ
ングコイルでまず予熱し、ついで均一に加熱できるライ
ンコイルで本加熱するために、短時間で均質に加熱すこ
とができ、今まで不可能なレベルにまで歪を小さく抑制
することを可能とする。
【0014】
【発明の実施の形態】 この発明は、下記の形態で実施
することができる。 (形態1)リングコイルのリング部に流す電流の方向と
ラインコイルのライン部に流す電流の方向は直交関係に
あり、そのリングコイルとそのラインコイルは一定距離
をもって近接している。 (形態2)ワークの回転軸から等距離に置かれている複
数のライン部が直列に接続されている。
【0015】
【実施例】 実施例に係る低歪焼入装置を、図1〜5を
参照して説明する。この低歪焼入装置1は、リングコイ
ル4とラインコイル6と冷却部14とワーク回転部44
とワーク送り部46と電力供給部42と制御部40を主
構成とする。
【0016】リングコイル4は、銅製の角管から構成さ
れている。図2、3に良く示されるように、リングコイ
ル4は、一端22からリング部5を介して他端24まで
一続きの管である。リング部5の中心には空間25が設
けられており、軸形状ワークW(以下、ワークWとい
う)が同心の位置関係で貫通する。リングコイル4は電
力供給部42に接続されている。リングコイル4は、電
力供給部42から供給された電流を、一端22からリン
グ部5を介して他端24へ(その逆方向も可)流すこと
ができる。リングコイル4の角管の内部は冷却水通路8
となっている。冷却水通路8には、通電時にリングコイ
ル4が過熱することを防止するための冷媒(この場合に
は水)を流すことができる。リングコイル4の冷却水通
路8は、一端22からリング部5を介して他端24に至
っている。図1に示すように、リングコイル4はライン
コイル6の上面に配設されているリングコイル枠18に
よって固定されている。リングコイル枠18は絶縁材料
で形成されている。
【0017】ラインコイル6は、銅製の角管群が組合さ
れて構成されている。図4、5に良く示されるように、
ラインコイル6は、複数のライン部10を有し、一端2
6からその複数のライン部10を介して他端28まで一
続きの管である。図6は、ラインコイル6の電流経路の
一部をスケルトンで示しており、一端26から辿ってい
くと、ワークに電流を誘導するライン部10は、半径の
小さな部分で上から下に伸びている。一方、半径の大き
な部分では電流経路が下から上に伸びている。ラインコ
イル6の複数のライン部10は直列に接続されて、電流
の流れる向きが揃えられている。ラインコイル6の中心
には空間29が設けられており、ワークWが同心の位置
関係で貫通する。複数のライン部10は、ワークWの回
転軸から等距離に置かれている。ラインコイル6は電力
供給部42に接続されている。ラインコイル6は、電力
供給部42から供給された電流を、一端26から複数の
ライン部10を介して他端28へ(その逆方向も可)流
すことができる。ライン部10に流れる電流の向きはす
べて同一である。ライン部10に流れる電流はワークW
の軸方向であり、リングコイル4のリング部5に流れる
電流はワークWの周方向であり、両者は直交する。ライ
ンコイル6の角管の内部は冷却水通路12となってい
る。冷却水通路12には、通電時にラインコイル6が過
熱するのを防止するための冷媒(この場合は水)を流す
ことができる。ラインコイル6の冷却水通路12は、一
端26から複数のライン部10を介して他端28に至っ
ている。図1に示すように、ラインコイル6は、冷却部
14の上方に配設されているラインコイル枠16によっ
て固定されている。ラインコイル枠16は絶縁材料で形
成されている。
【0018】冷却部14は、本加熱されたワークWを焼
入するための冷却液(例えば、水)をワークWに向けて
噴出する冷却液噴射口(図示省略)を有する。冷却部1
4の冷却液噴射口から噴射された冷却液でワークWの表
面で跳ね返された冷却液が、ラインコイル6に逆流しな
い構成とされている。
【0019】ワーク回転部44は、保持手段(図示省
略)によってワークWの一端を保持し、そのワークWを
回転軸Jの回りに回転(矢印K方向)させる。ワークW
の回転軸Jは、空間25の中心と空間29の中心とを結
んだ直線に一致する。また、そのワークWの回転軸J
は、リングコイル4のリング部5に流れる電流の方向に
直交し、ラインコイル6のライン部10に流れる電流の
方向に平行である。
【0020】ワーク送り部46は、保持手段(図示省
略)によってワークWの一端を保持し、そのワークWを
軸Jに沿って移動させる。ワークWの移動方向Jは、空間
25の中心と空間29の中心とを結んだ直線に一致す
る。
【0021】ワークWを焼入するときの作用を説明す
る。運転準備段階で、リングコイル4の冷却水通路8と
ラインコイル6の冷却水通路12に水を流し始める。焼
入装置の運転中、冷却水が流れ続ける。ワーク回転部4
4とワーク送り部46の保持手段群を作動させてワーク
Wを保持する。ワークWを保持した後に、ワーク回転部
44が制御部40によって制御された回転数でワークW
を軸Jの回りに回転(矢印K方向)させる。ワークWを
回転させながら、ワーク送り部46が制御部40によっ
て制御された移動速度でワークWを軸J方向に移動させ
る。その移動速度は、焼入要求品質(主に焼入深さ)に
基づいて設定されている。ワークWは回転しながらまず
リングコイル4を通過し、ついでラインコイル6を通過
して、最後に冷却部14に至る。
【0022】ワークWの先端から焼入を行う場合は、そ
のワークWの先端がリングコイル4に到達するに先立っ
てリングコイル4への通電を開始する。ワークWの中間
部分に焼入をする場合は、ワークWの焼入領域先端がリ
ングコイル4に到着する直前にリングコイル4への通電
を開始する。リングコイル4に通電する高周波電流の周
波数と電流値は、予熱に適切な値に予め設定されてい
る。リングコイル4に高周波電流が通電されることによ
って、ワークWの表面近傍に周方向に流れる誘導電流I
Rが誘導され、ワーク表面近傍の温度が上昇する。リン
グコイル4を用いることによって、ワークWを効率良く
短時間で予熱することができる。
【0023】ワークWの先端から焼入を行う場合は、そ
のワークWの先端がラインコイル6に到達するに先立っ
てラインコイル6への通電を開始する。ワークWの中間
部分に焼入をする場合は、ワークWの焼入領域先端がラ
インコイル6に到達する直前にラインコイル6への通電
を開始する。ラインコイル6に通電する高周波電流の周
波数と電流値は、予熱されたワークを本加熱するのに適
切な値に予め設定されている。ラインコイル6に高周波
電流が通電されることによって、ワークWの表面近傍に
軸方向に流れる誘導電流ILが誘導され、ワーク表面近
傍の温度が上昇する。ワークWは、予めリングコイル4
によって予熱されているので、ラインコイル6で必要と
される温度所上昇幅は狭い。ラインコイル6は予熱され
たワーク表面の温度をわずかに上昇させて本加熱する
が、その本加熱をラインコイルで行なうために、ワーク
表面が均質に加熱される。
【0024】効率の良いリングコイルで加熱するため
に、消費電力を同じとした場合、ラインコイルだけで加
熱する場合よりもワークを短時間で加熱でき、ワーク送
り速度を上昇できる。リングコイルだけで加熱する場合
に対比すると遅いが、リングコイルだけで加熱する場合
よりも均質に加熱できる。本実施例の装置1は、ライン
コイル4とリングコイル6を長所を得て、短時間に均質
に加熱できる。
【0025】本加熱されたワークWは、冷却部14の冷
却液噴射口から噴射された冷却液によって急冷されて焼
入される。この冷却されたワークWは、冷却前にライン
コイル6によって本加熱されたものなので、均質に加熱
された状態から冷却される。従って、焼入後(冷却後)
のワークWの歪は非常に小さい。
【0026】ワークWの後端まで焼入を行う場合は、そ
のワークWの後端が、リングコイル4を通過した後にリ
ングコイル4への通電を停止し、ラインコイル6を通過
した後にラインコイル6への通電を停止する。また、ワ
ークWの中間部位を焼入する場合、ワークWの焼入領域
後端がリングコイル4を通過した直後にリングコイル4
への通電を停止し、ラインコイル6を通過した直後にラ
インコイル6への通電を停止する。この焼入装置は、ワ
ークWの焼入領域先端から焼入領域後端まで、低歪焼入
を行うことができる。コイルへの通電を断続的のオンオ
フすることで、1本のワークW中に、焼入領域と非焼入
領域を交互に配置することができる。リング部5の軸方
向の厚みや、ライン部10の軸方向の長さに比較して、
ワークWの焼入領域長さ(軸方向長さ)が大幅に長い場
合には、軸方向の焼入領域長さを移動速度で除した時間
を通電時間とする。
【0027】本実施例に係る焼入装置1と焼入方法は、
焼入するワークWの長さに限定されない。またワークW
の太さや表面形状に限定されない。
【0028】本実施例に係る焼入装置1及び焼入方法
は、加熱効率の良いリングコイル4を用いてワークWに
予め予熱を行った後に、ラインコイル6で本加熱を行う
ので、効率の良い加熱処理を実施することができる。即
ち、効率の良い焼入処理を実施することができる。ライ
ンコイル6を用いてワークWに本加熱を行った後に、冷
却部14で焼入を行うので、低歪焼入を行うことができ
る。
【0029】本実施例に係る焼入装置によって焼入され
たワークは歪が小さいので、焼入後の寸法精度の要求品
質が高いもの(例えば、パワーステアリングラック)の
製造過程から歪取り工程を省略することが可能である。
【0030】実施例に係る焼入装置は、段差を有する軸
形状ワーク(例えば、ドライブシャフトやリアアクスル
シャフト等)、軸に対して直角方向に加工や成形されて
いる軸形状ワーク(例えば、パワーステアリングラック
やボールネジ等)への低歪焼入に適している。中空部を
有する軸形状ワーク(例えば、サイドインパクトビーム
等)への低歪焼入にも適している。
【0031】実施例に係る低歪焼入装置と焼入方法につ
いて説明したが、本発明は上記の実施例になんら限定さ
れるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変
更、改良を施した形態で実施することができる。例え
ば、上記の実施例では、銅製の角管から構成されている
リングコイルやラインコイルの場合を例にして説明した
が、本発明の焼入装置と焼入方法が適用できるリングコ
イルやラインコイルの材質や管断面形状はそれに限られ
ない。電気伝導性や熱伝導性の良い他の材質の円管から
構成されているリングコイルやラインコイルであっても
よい。また、リングコイルの巻数が1の場合を例にして
説明したが、本発明の焼入装置と焼入方法が適用できる
リングコイルの巻数はそれに限られない。リングコイル
の巻数が複数であってもよい。更には、複数のリングコ
イルを備えた焼入装置であってもよい。更には、リング
コイルと冷却部との間に、複数のラインコイルを備えた
焼入装置であってもよい。また、冷却液を噴出させてワ
ークを焼入する冷却部の場合を例にして説明したが、本
発明の焼入装置と焼入方法が適用できる冷却部の形態は
それに限られない。本加熱した直後のワークを冷却槽に
浸漬させる形態の冷却部を用いる焼入装置や焼入方法に
も適用することができる。特に、比較的に長尺ではない
ワークに焼入処理を行う場合に有効である。また、固定
されたワークに対してコイルを回転させたりあるいは送
ることによって、相対的に運動させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る焼入装置。
【図2】実施例に係るリングコイルの平面図。
【図3】実施例に係るリングコイルの側面図。
【図4】実施例に係るラインコイルの平面図。
【図5】実施例に係るラインコイルの側面図。
【図6】ラインコイルの電流方向のスケルトン図。
【符号の説明】
1:焼入装置 4:リングコイル 6:ラインコイル 10:ライン部 14:冷却部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 6/36 H05B 6/36 F 6/40 6/40 6/44 6/44

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸形状ワークを予熱するリングコイル
    と、予熱されたワークを本加熱するラインコイルと、本
    加熱されたワークを冷却する冷却手段と、軸形状ワーク
    を軸の回りに回転させる回転手段と、軸形状ワークを軸
    に沿ってリングコイルからラインコイルを経由して冷却
    手段に至るまで移動させる送り手段とを備えた低歪焼入
    装置。
  2. 【請求項2】 前記ラインコイルが、ワーク回転軸から
    等距離に置かれている複数のライン部を有することを特
    徴とする請求項1に記載の低歪焼入装置。
  3. 【請求項3】 軸形状ワークを回転軸回りに回転させな
    がら軸方向に移動させることによって、まずリングコイ
    ルで予熱し、ついでラインコイルで本加熱し、その後に
    冷却することを特徴とする低歪焼入方法。
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