JP2002235080A - 高輝度電場発光蛍光体およびそれを用いた電場発光素子 - Google Patents

高輝度電場発光蛍光体およびそれを用いた電場発光素子

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JP2002235080A JP2001347530A JP2001347530A JP2002235080A JP 2002235080 A JP2002235080 A JP 2002235080A JP 2001347530 A JP2001347530 A JP 2001347530A JP 2001347530 A JP2001347530 A JP 2001347530A JP 2002235080 A JP2002235080 A JP 2002235080A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硫化亜鉛を母体とする電場発光蛍光体におい
て、電場発光素子に用いた際の輝度特性を向上させる。
そのような高輝度電場発光蛍光体を用いることによっ
て、電場発光素子の明るさを改善する。 【解決手段】 硫化亜鉛を蛍光体母体とする蛍光体粉体
を具備する電場発光蛍光体において、蛍光体粉体は50%
D値で表される平均粒子径が10μm以上20μm以下の範囲
であり、かつ粒子径31μm以上の成分が15質量%以下の
粒度分布を有する。電場発光素子は、このような高輝度
電場発光蛍光体を含む発光層を有している。発光層の一
方の主面には透明電極層が一体的に対向配置され、他方
の主面には反射絶縁層を介して背面電極層が一体的に配
置される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高輝度電場発光蛍光
体とそれを用いた電場発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】電場発光素子は、誘電体中に電場発光蛍
光体を分散させた発光層の両側に電極を配置し、その少
なくとも一方を透明電極とした構造を有しており、これ
ら電極間に交流電圧を印加することにより発光させる素
子である。電場発光素子の主な用途としては、各種ディ
スプレイデバイスのバックライトが挙げられる。また、
電場発光素子自体でディスプレイデバイスを構成するこ
とも行われている。
【0003】電場発光素子に用いられる電場発光蛍光体
としては、硫化亜鉛を母体とし、これに付活剤として銅
やマンガンを含有させたものが一般的である。硫化亜鉛
に付活剤として銅を含有させた蛍光体(ZnS:Cu)
は、青色ないし青緑色発光の電場発光蛍光体として用い
られている。また、硫化亜鉛に付活剤として銅およびマ
ンガンを含有させた蛍光体(ZnS:Cu,Mn)は、
橙色発光の電場発光蛍光体として用いられている。
【0004】青色ないし青緑色発光の電場発光蛍光体
は、その発光色を直接利用して、例えば携帯電話の表示
部のバックライトに適用されている。さらに、青色ない
し青緑色発光の電場発光蛍光体に赤色染料を添加して、
白色発光の発光素子としても使用されている。これら発
光素子(電場発光素子)の使用用途は、携帯電話や携帯
型情報端末などの普及に伴って拡大している。橙色発光
の電場発光蛍光体は、車載用のディスプレイデバイスな
どに適用されている。
【0005】ところで、従来の硫化亜鉛系の電場発光蛍
光体を用いた発光素子は、輝度特性が他の発光素子に比
べて劣り、例えばディスプレイデバイスに求められる要
求特性を必ずしも満足しているとはいえない。このよう
なことから、硫化亜鉛系の電場発光蛍光体の輝度特性な
どを改善するための手法が種々提案されている。例え
ば、従来から付活剤や共付活剤の添加量を最適化するこ
とによって、硫化亜鉛系電場発光蛍光体の発光効率や寿
命を向上させることが試みられている。また、特開2001
-31963号公報には、硫化亜鉛系電場発光蛍光体を約150
〜300℃の温度でアニール処理することによって、高輝
度化を図る方法が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の手法では最近の発光素子に求められている輝度
を十分に満足させることができなくなりつつある。ここ
で、一般的には銅やマンガンを付活させた硫化亜鉛の結
晶が十分に成長するような条件で蛍光体原料を焼成する
ことによって、電場発光蛍光体の輝度を高めている。こ
の場合、硫化亜鉛系電場発光蛍光体の粒径は25〜35μm
程度となる。このような方法を適用した電場発光蛍光体
では、電場発光素子を構成した際の輝度を要求レベルま
で高めることが難しくなってきている。
【0007】一方、米国特許第5,643,496号公報には、
平均粒子径を23μm以下とした銅付活硫化亜鉛蛍光体か
らなる電場発光蛍光体が記載されている。この小粒子電
場発光蛍光体は篩い分けのような操作を施すことなく、
電場発光蛍光体の製造条件(焼成条件など)を制御する
ことにより得ている。上記公報には電場発光蛍光体を小
粒子化することによって、それを用いた電場発光素子の
輝度や寿命特性が向上すると記載されている。しかし、
このような製造条件のみを制御することで得ている小粒
子電場発光蛍光体を用いて構成した電場発光素子でも、
必ずしも十分な輝度は得られていない。さらに、製造条
件のみを制御した小粒子電場発光蛍光体は、それ自体の
輝度特性が低下するおそれがある。
【0008】本発明はこのような課題に対処するために
なされたもので、硫化亜鉛を母体とする蛍光体の電場発
光用途における輝度特性を低下させることなく、電場発
光素子の高輝度化に有効な粒径並びに粒度分布を有する
電場発光蛍光体を提供することを目的としている。本発
明はさらに、そのような電場発光蛍光体を用いることに
よって、素子輝度をより一層向上させた電場発光素子を
提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の高輝度電場発光
蛍光体は、請求項1に記載したように、硫化亜鉛を蛍光
体母体とする蛍光体粉体を具備する電場発光蛍光体であ
って、前記蛍光体粉体は50%D値で表される平均粒子径
が10μm以上20μm以下の範囲であり、かつ粒子径31μm
以上の成分が15質量%以下の粒度分布を有することを特
徴としている。
【0010】本発明の電場発光蛍光体は、例えば分級操
作により粗大な蛍光体粒子(粗粒子成分)を除去するこ
とによって、蛍光体粉体の50%D値で表される平均粒子
径を10μm以上20μm以下の範囲とすると共に、粒子径31
μm以上の成分の比率を15質量%以下としている。この
ような平均粒子径および粒度分布を有する蛍光体粉体に
よれば、それを用いて電場発光素子を構成した際に、発
光層中の単位体積当りの蛍光体粒子数を増大させること
ができる。従って、電場発光素子の輝度を向上させるこ
とが可能となる。
【0011】本発明の電場発光素子は、請求項9に記載
したように、上記した本発明の高輝度電場発光蛍光体を
含む発光層を具備することを特徴としている。このよう
な電場発光素子の具体的な構成としては、発光層の一方
の主面に沿って反射絶縁層を介して一体的に配置された
背面電極層と、発光層の他方の主面に沿って一体的に対
向配置された透明電極層とを具備する構成が挙げられ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。図1は本発明の第1の実施形態に
よる電場発光素子の要部構造を模式的に示す断面図であ
る。同図に示す電場発光素子1は、電場発光蛍光体粉体
を例えばシアノエチルセルロースのような高誘電率を有
する有機高分子バインダ(有機誘電体)中に分散含有さ
せた発光層2を有している。発光層2の厚さは例えば20
〜50μmの範囲とされている。
【0013】発光層2の一方の主面上には、例えばTi
2やBaTiO3などの高反射性無機酸化物粉末を、シ
アノエチルセルロースなどの高誘電率を有する有機高分
子バインダ中に分散含有させた反射絶縁層3が積層形成
されている。Al箔のような金属箔や金属膜からなる背
面電極層4は、反射絶縁層3を介して、発光層2の一方
の主面に沿って一体的に配置されている。
【0014】また、発光層2の他方の主面上には、ポリ
エステル(PET)フィルムのような透明絶縁フィルム
上にITO膜などを被着形成した透明電極層(透明電極
シート)5が一体的に配置されている。透明電極シート
5は、電極膜(ITO膜)が発光層2と対向するように
配置されている。
【0015】これら透明電極層5、発光層2、反射絶縁
層3および背面電極層4を例えば熱圧着することによっ
て、電場発光素子1が構成されている。なお、図示を省
略したが、背面電極層4および透明電極層5からはそれ
ぞれ電極が引き出されており、これら電極から発光層2
に交流電圧が印加される。
【0016】上記した積層体(熱圧着体)からなる電場
発光素子1は、透明なパッケージングフィルム6で覆わ
れている。パッケージングフィルム6には、例えば水湿
透過率が小さいポリクロロトリフルオロエチレン(PC
TFE)フィルムのような防湿フィルムが用いられる。
透明電極層5側には必要に応じて、6-ナイロンフィルム
などの吸湿性フィルム7が配置される。そして、これら
パッケージングフィルム6のはみだし部を熱圧着して電
場発光素子1を封止することによって、電場発光パネル
(ELパネル)8が構成されている。
【0017】上述した電場発光素子1の発光層2は、硫
化亜鉛を蛍光体母体とし、これに付活剤として銅および
マンガンから選ばれる少なくとも1種を含有させた組成
を有する電場発光蛍光体を含んでいる。なお、電場発光
蛍光体は融剤として用いた塩素、臭素およびヨウ素から
選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。硫化亜鉛
を母体とする電場発光蛍光体(硫化亜鉛系蛍光体)は、
銅およびマンガンから選ばれる付活剤の種類により発光
色が制御される。
【0018】すなわち、銅を付活剤として含有させた硫
化亜鉛系蛍光体(ZnS:Cu蛍光体)は、青色ないし
青緑色発光の電場発光蛍光体として使用される。この
際、銅は硫化亜鉛からなる蛍光体母体に対して0.001〜
0.1質量%の範囲で含有させることが好ましい。なお、
塩素、臭素、ヨウ素などの含有量は0.1質量%以下とす
ることが好ましく、さらに0.001〜0.1質量%の範囲とす
ることがより好ましい。上記したような量の付活剤を硫
化亜鉛に含有させることによって、発光効率や発光色度
に優れた青色ないし青緑色発光の電場発光蛍光体が得ら
れる。
【0019】また、銅およびマンガンを付活剤として含
有させた硫化亜鉛系蛍光体(ZnS:Cu,Mn蛍光
体)は、橙色発光の電場発光蛍光体として使用される。
この際、銅およびマンガンは硫化亜鉛からなる蛍光体母
体に対して合計量で0.001〜2.0質量%の範囲で含有させ
ることが好ましい。なお、塩素、臭素、ヨウ素などの含
有量は0.1質量%以下とすることが好ましく、さらに0.0
01〜0.1質量%の範囲とすることがより好ましい。上記
したような量の付活剤を硫化亜鉛に含有させることによ
って、発光効率や発光色度に優れた橙色発光の電場発光
蛍光体が得られる。
【0020】この実施形態で電場発光蛍光体として用い
た硫化亜鉛系蛍光体粉体は50%D値で表される平均粒子
径が10μm以上20μm以下の範囲とされている。ここで、
50%D値とは粒度分布において累積値が50%となったと
きの粒子径を示すものである。硫化亜鉛系蛍光体粉体
は、さらに粒子径が31μm以上の成分の比率が15質量%
以下の粒度分布を有している。このような平均粒子径お
よび粒度分布を有する電場発光蛍光体は、通常の焼成工
程により作製した硫化亜鉛系蛍光体粉末に対して分級操
作などを施し、粗大な蛍光体粒子(粗粒子成分)を除去
することにより得ることができる。
【0021】上述した平均粒子径(50%D値)が10〜20
μmの範囲で、かつ粒子径31μm以上の成分が15質量%以
下の粒度分布を有する硫化亜鉛系蛍光体粉体によれば、
これを誘電体中に分散させて発光層2を形成した際に、
単位体積当りの蛍光体粒子数を増加させることができ
る。特に、電場発光素子1の透明電極層5と背面電極層
4(実際には反射絶縁層3)との間の距離、すなわち発
光層2の厚さは20〜50μm程度であるため、蛍光体粒子
の粒子径が単位体積当りの蛍光体粒子数に大きく影響を
及ぼす。
【0022】硫化亜鉛系蛍光体粉体の平均粒子径(50%
D値)が20μmを超えると、それを用いて形成した発光
層2の粒子密度が低下してしまい、電場発光素子1の輝
度を十分に向上させることができない。一方、蛍光体粉
体の平均粒子径(50%D値)が10μm未満となると、発
光層2の粒子密度は増加するものの、寿命特性などが低
下してしまう。従って、電場発光素子1の基本性能の低
下を招いてしまう。このようなことから、蛍光体粉体の
50%D値で表される平均粒子径は10〜20μmの範囲とし
ている。蛍光体粉体の平均粒子径は11〜19μmの範囲と
することがより好ましい。
【0023】さらに、粒子径が31μm以上の蛍光体粒子
(粗粒子成分)は、発光層2の粒子密度を低下させる要
因になると共に、それ自体の発光効率も低いことから、
特に電場発光素子1の輝度に悪影響を及ぼす。従って、
この実施形態による硫化亜鉛系蛍光体粉体では、粒子径
が31μm以上の粗粒子成分の比率を15質量%以下として
いる。このように、粗粒子成分の比率を15質量%以下と
することによって、発光層2の粒子密度を確実に高める
ことができるため、電場発光素子1の輝度をより一層向
上させることが可能となる。粗粒子成分の比率は10質量
%以下とすることがより好ましく、さらに8質量%以下
とすることが望ましい。
【0024】硫化亜鉛系蛍光体粉体の小粒子側の粒度分
布は、特に限定されるものではないが、小粒子成分の比
率があまり多くなりすぎると、素子寿命に悪影響を及ぼ
すおそれがある。従って、素子寿命などの特性を高める
上で、硫化亜鉛系蛍光体粉体は粒子径5.5μm以下の小粒
子成分が8質量%以下の粒度分布を有することが好まし
い。小粒子成分の比率は5質量%以下であることがより
好ましい。小粒子成分は0.5〜5質量%の範囲で含まれる
ことが好ましい。すなわち、硫化亜鉛系蛍光体粉体は粒
子径31μm以上の粗粒子成分が15質量%以下、粒子径5.5
μm以下の小粒子成分が8質量%以下の粒度分布を有する
ことが好ましい。
【0025】なお、この実施形態において、蛍光体粉体
の粒度分布は粒子にレーザ光を当てたときに起こる光の
散乱現象を利用した、LEEDS & NORTHRUP社製のマイク
ロトラックII粒度分析計を用いて測定した値を示すもの
とする。そして、この粒度分布に基づいて、蛍光体粉体
の50%D値で表される平均粒子径、さらに粒子径が31μ
m以上の粗粒子成分の比率や粒子径が5.5μm以下の小粒
子成分の比率を求めるものとする。
【0026】上述したような硫化亜鉛系蛍光体粉体の平
均粒子径と粒度分布に基づいて、発光層2の単位体積当
りの蛍光体粒子数(粒子密度)を増加させることによっ
て、電場発光素子1の輝度を再現性よく向上させること
ができる。従来の電場発光素子においては、発光層2の
粒子密度を高めることが難しく、これが素子輝度の低さ
の大きな原因になっていたものと考えられる。
【0027】すなわち、従来の電場発光蛍光体を通常の
焼成条件、言い換えると十分に結晶成長させることが可
能な焼成条件で作製した場合、蛍光体粒子の粒子径は例
えば平均粒子径が25〜35μm程度まで大きくなってしま
う。このような蛍光体粉末を誘電体中に分散させて発光
層を形成すると、単位体積当りの蛍光体粒子数が低下し
てしまう。これでは電場発光素子の輝度を十分に高める
ことができない。
【0028】このような点に対して、硫化亜鉛系の電場
発光蛍光体を作製する際に、例えば焼成温度を下げる、
焼成時間を短縮する、結晶成長剤としてのアルカリ金属
化合物やアルカリ土類金属化合物の添加量を低減するな
ど、焼成条件を変更することによっても蛍光体粉体の平
均粒子径を小さくすることができる。しかし、これでは
十分な結晶構造を得ることができず、電場発光蛍光体の
発光効率自体が低下してしまう。さらに、蛍光体粉体の
粒度分布がブロードになるため、粗粒子成分の比率が増
加してしまう。
【0029】そこで、本発明では十分に結晶成長させる
ことが可能な焼成条件で硫化亜鉛系蛍光体粉末を作製
し、この蛍光体粉末に対して分級操作を施して、粗大な
蛍光体粒子を除去することによって、上述した50%D値
が10〜20μmの範囲であると共に、粒子径31μm以上の粗
粒子成分の比率が15質量%以下の硫化亜鉛系蛍光体粉体
を得ている。このような硫化亜鉛系蛍光体粉体からなる
電場発光蛍光体によれば、蛍光体粒子の発光効率を低下
させることなく、発光層2の粒子密度を十分に増大させ
ることができる。従って、電場発光素子1の発光効率並
びに単位面積当りの輝度が高められ、素子輝度を大幅に
向上させることが可能となる。
【0030】本発明の高輝度電場発光蛍光体は、例えば
以下に示す方法により作製される。すなわち、粒子径が
1〜3μm程度の硫化亜鉛粉末に所定量の純水を加えてス
ラリー状とし、これに所定量の硫酸銅や炭酸マンガンな
どの付活剤原料を添加して混合する。このようなスラリ
ーを乾燥した後、塩化マグネシウム、塩化バリウム、塩
化ナトリウムなどの結晶成長剤(融剤)を添加し、さら
に十分に混合する。結晶成長剤(融剤)として塩化物を
用いた場合には、微量の塩素を含む電場発光蛍光体が得
られる。臭素やヨウ素を含有させる場合には、結晶成長
剤(融剤)として臭化物やヨウ化物を使用すればよい。
【0031】次に、上記した混合物を石英るつぼに充填
し、空気中にて1100〜1200℃の温度で3〜8時間焼成す
る。この焼成物を必要に応じて洗浄し、酸化亜鉛を数%
混合した後、石英るつぼを用いて空気中にて600〜800℃
×1〜2時間の条件で焼成する。この焼成物を純水中に分
散し、数回洗浄する。さらに、塩酸洗浄や純水による中
和洗浄を必要に応じて行った後、ろ過、乾燥することに
よって、硫化亜鉛系電場発光蛍光体を作製する。
【0032】このような硫化亜鉛系蛍光体粉末に対して
分級操作を施して粗粒子成分を除去する。分級操作には
各種の方法を適用することができる。このような分級操
作によって、平均粒子径(50%D値)が10〜20μmの範
囲であると共に、粒子径31μm以上の粗粒子成分が15質
量%以下の粒度分布を有する硫化亜鉛系蛍光体粉体が得
られる。この際、硫化亜鉛系蛍光体粉体は粒子径31μm
以上の粗粒子成分が15質量%以下、粒子径5.5μm以下の
小粒子成分が8質量%以下の粒度分布を有することがよ
り好ましい。
【0033】蛍光体粉末に対する分級操作は、例えば湿
式分級、サイクロン分級、篩い分けなどにより実施され
る。例えば、焼成並びに洗浄、乾燥などを行って得た蛍
光体粉末を325メッシュの篩で篩い分けし、さらにこの3
25メッシュの篩を通過した粉末を635メッシュの篩で再
篩いする。このような635メッシュの篩い分けによっ
て、発光効率に優れると共に、発光層2の粒子密度を高
めることが可能な電場発光蛍光体、すなわち平均粒子径
(50%D値)が10〜20μmの範囲であると共に、粒子径3
1μm以上の粗粒子成分が15質量%以下の粒度分布を有す
る硫化亜鉛系蛍光体粉体を得ることができる。
【0034】図1に示した電場発光素子1およびそれを
用いたELパネルにおいては、発光層2中の電場発光蛍
光体、すなわち青色ないし青緑色発光の硫化亜鉛系蛍光
体、または橙色発光の硫化亜鉛系蛍光体の単位体積当り
の粒子数を、上述した硫化亜鉛系蛍光体粉体の平均粒子
径および粒度分布に基づいて増加させている。従って、
そのような発光層2を有する電場発光素子1の輝度を大
幅に向上させることが可能となる。
【0035】電場発光素子およびそれを用いたELパネ
ルを作製するにあたって、PCTFEフィルムのような
防湿フィルムを使用せずに、蛍光体粒子の個々の表面に
対して防湿処理を行うようにしてもよい。本発明は金属
酸化物や金属窒化物、あるいは樹脂などによる防湿処理
を施した電場発光蛍光体に対しても適用可能である。す
なわち、電場発光蛍光体はアルミナ、シリカ、チタニア
などから選ばれる少なくとも1種の保護膜(防湿膜)を
有していてもよい。このような構成においても、硫化亜
鉛系蛍光体粉体の平均粒子径や粒度分布を制御すること
によって、電場発光素子の高輝度化を達成することがで
きる。
【0036】図2は本発明の第2の実施形態による電場
発光素子の要部構造を模式的に示す断面図である。図2
は蛍光体粒子の表面に上記したような保護膜を形成した
電場発光蛍光体を用いた電場発光素子11を示してい
る。図2に示す電場発光素子11は、個々の粒子が保護
膜で覆われた硫化亜鉛系蛍光体粉体を含む発光層12を
有している。ここで用いられる硫化亜鉛系蛍光体粉体
は、個々の粒子が保護膜で覆われていることを除いて、
第1の実施形態と同様な平均粒子径および粒度分布を有
している。保護膜で覆われた蛍光体粒子はそれ自体が防
湿性を有しているため、吸湿フィルムや防湿フィルムを
用いることなく、電場発光蛍光体の水分による発光特性
の低下を防ぐことができる。
【0037】発光層12の一方の主面上には、図1に示
した電場発光素子1と同様に、反射絶縁層13を介して
背面電極層14が一体的に積層されている。発光層12
の他方の主面上には、透明電極層(透明電極シート)1
5が一体的に積層されている。背面電極層14は金属粉
末やカーボン粉末などをバインダと共に混合してスラリ
ー状とし、このスラリーを例えばスクリーン印刷するこ
とによって形成してもよい。背面電極層14のさらに裏
面側には、必要に応じて、発光素子の背面側の絶縁性を
確保する背面絶縁層(図示せず)が積層形成される。
【0038】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例およびその評
価結果について述べる。
【0039】比較例1 まず、粒子径が約1〜3μmの硫化亜鉛粉末100gに1L(リ
ットル)の純水を加えてスラリー状とし、これに硫酸銅
(5水和物)0.25gと塩化マグネシウム40g、塩化バリウ
ム40g、塩化ナトリウム20gを結晶成長剤(融剤)として
添加し、十分に混合した。
【0040】次に、上記したスラリー状混合物を乾燥さ
せた後、石英るつぼに充墳し、空気中にて1150℃の温度
で4時間焼成した。この焼成物に洗浄、乾燥処理を施し
た後、酸化亜鉛を焼成物300gに対して15g混合し、この
混合物を石英るつぼに充填して、空気中にて750℃の温
度で1.5時間焼成した。この焼成物を純水中に分散して3
回洗浄した。さらに、pH=1.5の条件での塩酸洗浄および
純水による中和洗浄を行い、ろ過、乾燥した後、325メ
ッシュの篩で篩い分けして電場発光蛍光体(ZnS:C
u)を得た。なお、この蛍光体には融剤として用いた塩
素が微量含まれる。
【0041】上記したZnS:Cu蛍光体の粒度分布を
LEEDS & NORTHRUP社製のマイクロトラックII粒度分析
計を用いて測定した。その結果を表1および図3に示
す。この粒度分布から平均粒子径として50%D値を求め
たところ、50%D値は26.7μmであった。また、粒子径3
1μm以上の粗粒子成分の比率は24.3質量%であった。こ
のようなZnS:Cu蛍光体を、後述する特性評価に供
した。
【0042】実施例1 上記した比較例1と同様にして、まず50%D値が26.7μ
mの電場発光蛍光体(ZnS:Cu)を作製した。この
蛍光体粉末を635メッシュの篩で再篩いして、目的とす
る電場発光蛍光体(ZnS:Cu)を得た。このZn
S:Cu蛍光体の粒度分布を比較例1と同様にして測定
した。その結果を表1および図3に示す。この粒度分布
から平均粒子径として50%D値を求めたところ、50%D
値は19.3μmであった。また、粒子径31μm以上の粗粒子
成分の比率は8.1質量%であった。このようなZnS:
Cu蛍光体を後述する特性評価に供した。
【0043】
【表1】
【0044】実施例2 上記した比較例1と同様にして、まず50%D値が24.2μ
mの電場発光蛍光体(ZnS:Cu)を作製した。この
蛍光体粉末を635メッシュの篩で再篩いして、目的とす
る電場発光蛍光体(ZnS:Cu)を得た。このZn
S:Cu蛍光体の粒度分布を比較例1と同様にして測定
した。この粒度分布から平均粒子径として50%D値を求
めたところ、50%D値は18.5μmであった。また、粒子
径31μm以上の粗粒子成分の比率は5.3質量%であった。
このようなZnS:Cu蛍光体を後述する特性評価に供
した。
【0045】実施例3 上記した比較例1と同様にして、まず50%D値が23.1μ
mの電場発光蛍光体(ZnS:Cu)を作製した。この
蛍光体粉末を635メッシュの篩で再篩いして、目的とす
る電場発光蛍光体(ZnS:Cu)を得た。このZn
S:Cu蛍光体の粒度分布を比較例1と同様にして測定
した。この粒度分布から平均粒子径として50%D値を求
めたところ、50%D値は17.6μmであった。また、粒子
径31μm以上の粗粒子成分の比率は4.2質量%であった。
このようなZnS:Cu蛍光体を後述する特性評価に供
した。
【0046】実施例4 上記した比較例1と同様にして、まず50%D値が22.3μ
mの電場発光蛍光体(ZnS:Cu)を作製した。この
蛍光体粉末を635メッシュの篩で再篩いして、目的とす
る電場発光蛍光体(ZnS:Cu)を得た。このZn
S:Cu蛍光体の粒度分布を比較例1と同様にして測定
した。この粒度分布から平均粒子径として50%D値を求
めたところ、50%D値は14.5μmであった。また、粒子
径31μm以上の粗粒子成分の比率は3.3質量%であった。
このようなZnS:Cu蛍光体を後述する特性評価に供
した。
【0047】実施例5 上記した比較例1と同様にして、まず50%D値が21.5μ
mの電場発光蛍光体(ZnS:Cu)を作製した。この
蛍光体粉末を635メッシュの篩で再篩いして、目的とす
る電場発光蛍光体(ZnS:Cu)を得た。このZn
S:Cu蛍光体の粒度分布を比較例1と同様にして測定
した。この粒度分布から平均粒子径として50%D値を求
めたところ、50%D値は13.2μmであった。また、粒子
径31μm以上の粗粒子成分の比率は2.1質量%であった。
このようなZnS:Cu蛍光体を後述する特性評価に供
した。
【0048】比較例2 前述した米国特許第5,643,496号公報に記載されている
実施例と同一条件で、小粒子電場発光蛍光体(ZnS:
Cu)を作製した。この小粒子電場発光蛍光体は篩い分
けを施しておらず、焼成条件を制御することで小粒子化
したものである。焼成条件は第1焼成が1160℃×3.7時
間、第2焼成が730℃である。この小粒子電場発光蛍光
体の平均粒子径(50%D値)は23μmであり、粒子径31
μm以上の粗粒子成分の比率は22質量%であった。この
ようなZnS:Cu蛍光体を後述する特性評価に供し
た。
【0049】比較例3 上記した比較例2における焼成温度をさらに下げて、小
粒子電場発光蛍光体(ZnS:Cu)を作製した。この
小粒子電場発光蛍光体には篩い分けを施していない。こ
の小粒子電場発光蛍光体の平均粒子径(50%D値)は18
μmであり、粒子径31μm以上の粗粒子成分の比率は18質
量%であった。このようなZnS:Cu蛍光体を後述す
る特性評価に供した。
【0050】上述した実施例1〜5および比較例1〜3
による各硫化亜鉛系蛍光体粉体を用いて、それぞれ輝度
評価用のセルを作製し、200V,400Hzの条件で発光させ
て輝度を測定した。輝度評価用セルにはオイルセルと呼
ばれる簡易型の電場発光素子を用いた。これら輝度評価
用セルによる輝度の測定結果を表2に示す。
【0051】さらに、各蛍光体粉体とエポキシ樹脂系バ
インダとを体積比が7:3となるように混合し、これを透
明電極シート上に塗布して発光層(厚さ:40μm)を形
成し、さらに反射絶縁層と背面電極層を形成することに
よって、電場発光素子をそれぞれ作製した。これら各電
場発光素子を100V,400Hzの条件で動作させ、その際の
輝度を測定した。これら電場発光素子の輝度を比較例1
の輝度を100とした場合の相対輝度として表2に示す。
【0052】なお、表2には各ZnS:Cu蛍光体粉体
の粒度分布から求めた粒子径5.5μm以下の小粒子成分の
比率を併せて示す。また、図4に実施例1〜5および比
較例1による各ZnS:Cu蛍光体粉体の平均粒子径
(50%D値)と電場発光素子(輝度評価用セルによる)
の輝度との関係を示す。
【0053】
【表2】
【0054】表2および図4から明らかなように、硫化
亜鉛系電場発光蛍光体中の粗粒子を篩い分けにより除去
して、平均粒子径(50%D値)を10〜20μmの範囲に制
御すると共に、粒子径31μm以上の粗粒子成分の比率を1
5質量%以下とした実施例1〜5によれば、電場発光素
子の輝度が比較例1(従来品)に比べて大幅に向上して
いることが分かる。また、焼成条件の制御により小粒子
化した比較例2、3は実施例1〜5に比べて素子輝度が
劣っていることが分かる。
【0055】比較例4 上記した比較例1において、硫化亜鉛粉末を含むスラリ
ーに添加する結晶成長剤(融剤)を臭化物とする以外
は、比較例1と同様にして、電場発光蛍光体(ZnS:
Cu)を作製した。このZnS:Cu蛍光体は325メッ
シュで篩い分けしたものである。なお、この蛍光体には
融剤として用いた臭素が微量含まれる。
【0056】このようにして得たZnS:Cu蛍光体の
粒度分布を比較例1と同様にして測定した。この粒度分
布から求めた50%D値は28.0μmであった。また、粒子
径31μm以上の粗粒子成分の比率は31.2質量%であっ
た。このZnS:Cu蛍光体を用いて、比較例1と同様
にして輝度評価用セルと電場発光素子を作製し、これら
の輝度を同一条件下で測定した。
【0057】実施例6〜8 比較例4と同様にして作製した電場発光蛍光体(Zn
S:Cu)を325メッシュで篩い分けし、50%D値が24.
1μm、24.1μm、23.1μmの各蛍光体粉末をそれぞれ得
た。次いで、これら各蛍光体粉末を635メッシュの篩で
再篩いして、それぞれ目的とする電場発光蛍光体(Zn
S:Cu)を得た。
【0058】このようにして得た各ZnS:Cu蛍光体
の粒度分布を比較例1と同様にして測定した。各粒度分
布から求めた50%D値は、それぞれ19.1μm、18.0μm、
13.1μmであった。また、粒子径31μm以上の粗粒子成分
の比率は、それぞれ7.3質量%、5.3質量%、2.0質量%
であった。これら各ZnS:Cu蛍光体を用いて、比較
例4と同様にして輝度評価用セルと電場発光素子を作製
し、これらの輝度を同一条件下で測定した。表3に各Z
nS:Cu蛍光体の粒径特性と素子輝度を併せて示す。
なお、電場発光素子の相対輝度は比較例4の輝度を100
とした場合の値である。
【0059】
【表3】
【0060】比較例5 上記した比較例1において、硫化亜鉛粉末を含むスラリ
ーに添加する結晶成長剤(融剤)をヨウ化物とする以外
は、比較例1と同様にして、電場発光蛍光体(ZnS:
Cu)を作製した。このZnS:Cu蛍光体は325メッ
シュで篩い分けしたものである。なお、このZnS:C
u蛍光体には融剤として用いたヨウ素が微量含まれる。
【0061】このようにして得たZnS:Cu蛍光体の
粒度分布を比較例1と同様にして測定した。この粒度分
布から求めた50%D値は27.5μmであった。また、粒子
径31μm以上の粗粒子成分の比率は30.7質量%であっ
た。このZnS:Cu蛍光体を用いて、比較例1と同様
にして輝度評価用セルと電場発光素子を作製し、これら
の輝度を同一条件下で測定した。
【0062】実施例9〜11 比較例5と同様にして作製した各電場発光蛍光体(Zn
S:Cu)を325メッシュで篩い分けした後、各蛍光体
粉末を635メッシュの篩で再篩いして、それぞれ目的と
する電場発光蛍光体(ZnS:Cu)を得た。
【0063】このようにして得た各ZnS:Cu蛍光体
の粒度分布を比較例1と同様にして測定した。各粒度分
布から求めた50%D値は、それぞれ19.5μm、16.3μm、
13.1μmであった。また、粒子径31μm以上の粗粒子成分
の比率は、それぞれ7.8質量%、4.3質量%、2.1質量%
であった。これら各ZnS:Cu蛍光体を用いて、比較
例5と同様にして輝度評価用セルと電場発光素子を作製
し、これらの輝度を同一条件下で測定した。表4に各Z
nS:Cu蛍光体の粒径特性と素子輝度を併せて示す。
なお、電場発光素子の相対輝度は比較例5の輝度を100
とした場合の値である。
【0064】
【表4】
【0065】比較例6 上記した比較例1において、硫化亜鉛粉末を含むスラリ
ーに添加する付活剤原料として、硫酸銅に加えて炭酸マ
ンガンを使用する以外は、比較例1と同様にして、電場
発光蛍光体(ZnS:Cu,Mn)を作製した。このZ
nS:Cu,Mn蛍光体は325メッシュで篩い分けした
ものである。
【0066】このようにして得たZnS:Cu,Mn蛍
光体の粒度分布を比較例1と同様にして測定した。この
粒度分布から求めた50%D値は27.1μmであった。ま
た、粒子径31μm以上の粗粒子成分の比率は30.5質量%
であった。このZnS:Cu蛍光体を用いて、比較例1
と同様にして輝度評価用セルと電場発光素子を作製し、
これらの輝度を同一条件下で測定した。
【0067】実施例12〜15 比較例6と同様にして作製した電場発光蛍光体(Zn
S:Cu,Mn)を325メッシュで篩い分けした後、各
蛍光体粉末を635メッシュの篩で再篩いして、それぞれ
目的とする電場発光蛍光体(ZnS:Cu,Mn)を得
た。
【0068】このようにして得た各ZnS:Cu,Mn
蛍光体の粒度分布を比較例1と同様にして測定した。各
粒度分布から求めた50%D値は、それぞれ19.7μm、17.
3μm、14.2μm、13.5μmであった。また、粒子径31μm
以上の粗粒子成分の比率は、それぞれ8.0質量%、5.1質
量%、4.2質量%、2.3質量%であった。これら各Zn
S:Cu蛍光体を用いて、比較例6と同様にして輝度評
価用セルと電場発光素子を作製し、これらの輝度を同一
条件下で測定した。表5に各ZnS:Cu,Mn蛍光体
の粒径特性と素子輝度を併せて示す。なお、電場発光素
子の相対輝度は比較例6の輝度を100とした場合の値で
ある。
【0069】
【表5】
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば蛍
光体自体の輝度特性を低下させることなく、電場発光素
子の高輝度化に有効な平均粒子径と粒度分布を有する高
輝度電場発光蛍光体を提供することができる。従って、
このような高輝度電場発光蛍光体を用いた電場発光素子
によれば、ディスプレイデバイスなどに求められる輝度
を満足させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態による電場発光素子
の要部構造を模式的に示す断面図である。
【図2】 本発明の第2の実施形態による電場発光素子
の要部構造を模式的に示す断面図である。
【図3】 本発明の実施例1による電場発光蛍光体(Z
nS:Cu)の粒度分布を比較例1による電場発光蛍光
体と比較して示す図である。
【図4】 電場発光蛍光体(ZnS:Cu)の平均粒子
径(50%D値)とそれを用いた電場発光素子の輝度との
関係を示す図である。
【符号の説明】
1、11……電場発光素子,2、12……発光層,3、
13……反射絶縁層,4、14……背面電極層,5、1
5……透明電極層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 及川 充広 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 石井 努 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 3K007 AB02 CB01 CC01 EC00 4H001 CA02 CA04 XA16 XA17 XA30 XA35 XA53 YA25 YA29

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硫化亜鉛を蛍光体母体とする蛍光体粉体
    を具備する電場発光蛍光体であって、前記蛍光体粉体は
    50%D値で表される平均粒子径が10μm以上20μm以下の
    範囲であり、かつ粒子径31μm以上の成分が15質量%以
    下の粒度分布を有することを特徴とする高輝度電場発光
    蛍光体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の高輝度電場発光蛍光体に
    おいて、 前記粒子径31μm以上の成分の比率が10質量%以下であ
    ることを特徴とする高輝度電場発光蛍光体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の高輝度電場発光蛍光体に
    おいて、 前記蛍光体粉体は、粗大な蛍光体粒子を除去する分級操
    作により得た前記粒度分布を有することを特徴とする高
    輝度電場発光蛍光体。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項
    記載の高輝度電場発光蛍光体において、 前記蛍光体粉体は粒子径5.5μm以下の成分を8質量%以
    下の範囲で含むことを特徴とする高輝度電場発光蛍光
    体。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか1項
    記載の高輝度電場発光蛍光体において、 前記電場発光蛍光体は、前記蛍光体母体としての硫化亜
    鉛に、付活剤として銅およびマンガンから選ばれる少な
    くとも1種を含有させた組成を有することを特徴とする
    高輝度電場発光蛍光体。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の高輝度電場発光蛍光体に
    おいて、 前記電場発光蛍光体は、融剤として用いた塩素、臭素お
    よびヨウ素から選ばれる少なくとも1種を含むことを特
    徴とする高輝度電場発光蛍光体。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の高輝度電場発光蛍光体に
    おいて、 前記電場発光蛍光体は青色ないし青緑色発光のZnS:
    Cu蛍光体を具備することを特徴とする高輝度電場発光
    蛍光体。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の高輝度電場発光蛍光体に
    おいて、 前記電場発光蛍光体は橙色発光のZnS:Cu,Mn蛍
    光体を具備することを特徴とする高輝度電場発光蛍光
    体。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項8のいずれか1項
    記載の高輝度電場発光蛍光体を含む発光層を具備するこ
    とを特徴とする電場発光素子。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の電場発光素子におい
    て、 さらに、前記発光層の一方の主面に沿って反射絶縁層を
    介して一体的に配置された背面電極層と、前記発光層の
    他方の主面に沿って一体的に対向配置された透明電極層
    とを具備することを特徴とする電場発光素子。
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