JP2002231068A - 耐火ケーブル - Google Patents

耐火ケーブル

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JP2002231068A
JP2002231068A JP2001018442A JP2001018442A JP2002231068A JP 2002231068 A JP2002231068 A JP 2002231068A JP 2001018442 A JP2001018442 A JP 2001018442A JP 2001018442 A JP2001018442 A JP 2001018442A JP 2002231068 A JP2002231068 A JP 2002231068A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐火テープの重ね合わせ部分が開いてしまう
のを抑制することにより、導電性燃焼生成物の侵入を阻
止して、安定した耐火性能を有するとともに、環境に悪
影響を与えず、加工性の向上を図り、製造原価を抑えた
耐火ケーブルを提供する。 【解決手段】 耐火ケーブル1は、導体2の上に耐火テ
ープ6を巻き付けて耐火層3を形成し、該耐火層3の上
に600〜800℃で溶融しガラス状化する無機粉末1
0を混合して構成される絶縁体層4を形成し、さらに該
絶縁体層4の上にシース5を被覆してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、火災によって高熱
や火炎に晒されても長時間の使用に耐えうる合成樹脂製
の耐火ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、劇場、デパート等多数の人が集
合する場所においては、火災等が発生した場合、場内の
人を安全に非常口に案内するために、非常口案内灯など
の避難誘導灯などを避難が完了する程度の一定の時間、
点灯させておくことが要求されている。そこで耐火対象
物等における消火設備、警報設備、避難設備の配線に用
いられる耐火ケーブルに関しては、社団法人日本電線工
業会が自主的に独自の耐火ケーブル等に関する認定基準
を設け、その性能、構造および材料等の品質の確保を図
っている。尚、本明細書において耐火ケーブルという場
合は、平成9年消防庁告示第10号で規定された耐火性
能を有するケーブルの総称を指すものとする。
【0003】この耐火ケーブルは、図8及び図9に示さ
れる如き構成を有している。すなわち、耐火ケーブル4
0は、導体41の外周に、軟質天然集成マイカ(金雲
母)と、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(P
P)等のフィルム又はガラスクロスからなる裏打材とを
貼り合わせてなる耐火テープ(集成マイカテープ)42
を1/2〜1/10ラップ又は縦添えにより複数枚(例
えば1〜3枚)必要に応じて巻き付けて耐火層43を形
成し、その外周をポリエチレンからなる絶縁体層44を
押出し被覆して、その上にさらにシース45を被覆する
ことにより形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記耐火ケーブル40
は、消防庁告示第11号によって定められた耐火認定基
準840℃以上の高温において、絶縁特性・耐電圧特性
を満足させるため、一般的に耐火テープ42を1〜3
枚、1/2〜1/10ラップして巻き付けるか、又は耐
火テープ42を縦添えで巻き付けて耐火層43を形成す
るようになっている。しかしながら、この方法で耐火層
43を形成し耐火試験を行ってみると、耐火テープ42
の重ね合わせ部分に導電性燃焼生成物が侵入しうる間隙
ができてしまうことが分かった。この導電性燃焼生成物
は、電線管内で電線が高温に加熱された際、酸素不足の
ために燃焼できずに溶融したシースや絶縁体から生成さ
れる炭化物質である。したがって、未だ燃焼性を有して
いるため、燃焼時に耐火テープの重ね合わせ部分に導電
性燃焼生成物が入り込むと、外部から加えられる火炎に
よって、導電性燃焼生成物が再燃し、耐火性能の低下を
きたしたり、安定した耐火性能を得ることができない。
【0005】この対策として、酸素発生化合物を使用し
不完全燃焼による導電性燃焼生成物の発生を抑制する方
法が種々提案されているが、例えば過マンガン酸カリウ
ムやリサージ等、使用する酸素発生化合物によっては、
重金属を含有するため環境上好ましくないとか、必要酸
素量を確保するために多量の酸素発生化合物を添加する
ことで加工性が低下してしまうとか、製造原価が増加し
てしまうとか等の諸問題が生じていた。
【0006】本発明の目的は、耐火テープの重ね合わせ
部分が開いてしまうのを抑制することにより、導電性燃
焼生成物の侵入を阻止して、安定した耐火性能を有する
とともに、環境に悪影響を与えず、加工性の向上を図
り、製造原価を抑えた耐火ケーブルを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明に係る耐火ケーブルは、導体
の上に耐火テープを巻き付けて耐火層を形成し、該耐火
層の上に600〜800℃で溶融しガラス状化する無機
粉末を混合して構成される絶縁体層を形成し、さらに該
絶縁体層の上にシースを被覆してなるものである。無機
粉末は、耐火特性評価(JIS A 1304に規定さ
れる火災温度曲線にしたがって30分加熱)を実施した
際にシースや絶縁体が燃焼し、耐火テープが露出するの
が加熱開始後10分目以降であることから、その温度領
域、すなわち600〜800℃で溶融してガラス状化
し、耐火テープの重ね合わせ部分を塞ぐ(密着させる)
ように作用する無機粉末が選定される。このように構成
されるものであるから、請求項1に記載の発明による
と、シース及び絶縁体層が燃焼して燃焼温度が600℃
〜800℃に達したときに絶縁体層に混合されている無
機粉末が溶融状態となって、耐火テープ上に付着し、耐
火テープの重ね合わせ部分が開いてしまうことを抑制す
る。これにより、導電性燃焼生成物の侵入が阻止され、
耐火ケーブルは、安定した耐火性能を有することができ
る。また、酸素発生化合物を使用しないことから、酸素
発生化合物による環境上の問題点や、加工性の低下、製
造原価の増加等の諸問題を解消することができる。
【0008】上記目的を達成するために、請求項2に記
載の発明に係る耐火ケーブルは、導体の上に耐火テープ
を巻き付けて耐火層を形成し、該耐火層の上に2層以上
に分けて絶縁体層を形成し、さらに該絶縁体層の上にシ
ースを被覆してなり、前記2層以上に分けて形成された
絶縁体層のうち、最内層に位置する絶縁体層に600〜
800℃で溶融しガラス状化する無機粉末を混合してな
るものである。無機粉末は、請求項1記載の発明同様、
耐火特性評価(JIS A 1304に規定される火災
温度曲線にしたがって30分加熱)を実施した際にシー
スや絶縁体が燃焼し、耐火テープが露出するのが加熱開
始後10分目以降であることから、その温度領域、すな
わち600〜800℃で溶融してガラス状化し、耐火テ
ープの重ね合わせ部分を塞ぐ(密着させる)ように作用
する無機粉末が選定される。このように構成されるもの
であるから、請求項2に記載の発明によると、シース及
び絶縁体層が燃焼して燃焼温度が600℃〜800℃に
達したときに最内層に位置する絶縁体層に混合されてい
る無機粉末が溶融状態となって、耐火テープ上に付着
し、耐火テープの重ね合わせ部分が開いてしまうことを
抑制する。これにより、導電性燃焼生成物の侵入が阻止
され、耐火ケーブルは、安定した耐火性能を有すること
ができる。また、酸素発生化合物を使用しないことか
ら、酸素発生化合物による環境上の問題点や、加工性の
低下、製造原価の増加等の諸問題を解消することができ
る。さらに、無機粉末を絶縁体層全体ではなく、2層以
上で形成されている絶縁体層のうちの最内層に混合した
ので、多量の混合物を添加することによる加工性の低下
や製造原価の増加といったことが生じない。また、絶縁
体としての一般的性能を維持することができる。
【0009】上記目的を達成するために、請求項3に記
載の発明に係る耐火ケーブルは、前記無機粉末を混合し
た前記最内層に位置する絶縁体層の厚さを、0.1mm
以上としたものである。このように無機粉末を混合した
絶縁体層の厚さを0.1mm以上としたので十分な耐火
性を得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態に
ついて説明する。図1は、本発明に係る耐火ケーブルの
第1の実施の形態を示す斜視図、図2は、図1に示す耐
火ケーブルの断面図である。図1、図2において、耐火
ケーブル1は、導体2と耐火層3と絶縁体層4とシース
5とを中心から順に備えて構成されている。導体2は、
銅または銅合金からなり、線状に構成されている。耐火
層3は導体2の上、すなわち表面を覆うように形成され
ており、その上には絶縁体層4が形成されている。そし
て、絶縁体層4の上には、シース5が被覆されている。
【0011】耐火層3は、図3に示されるように、耐火
テープ6の巻き付けにより形成されている。すなわち、
耐火層3は、耐火テープ6を1/4ラップ例えば1〜3
枚重ね巻き付けて形成されている。なお、耐火層3は、
図示しないが、耐火テープ6を縦添えにより例えば1〜
3枚巻き付けて形成してもよい。その耐火テープ6は、
図4に示されるように、軟質天然集成マイカ(金雲母)
7とフィルム(裏打材)8とからなっている。あるい
は、図5に示されるように軟質天然集成マイカ(金雲
母)7とガラスクロス9とからなっている。
【0012】本実施の形態において、軟質天然集成マイ
カ(金雲母)7の厚さは、0.09〜0.15mmであ
る。また、フィルム(裏打材)8は、ポリエチレン(P
E)、ポリプロピレン(PP)等からなり、その厚さは
0.015mm〜0.030mmである。軟質天然集成
マイカ(金雲母)7とフィルム(裏打材)8とは貼り合
わせられ、耐火テープ6を形成している。さらに、ガラ
スクロス(裏打材)9はガラス繊維等を貼り合わせてク
ロス状にしたものからなり、その厚さは0.015mm
〜0.030mmである。軟質天然集成マイカ(金雲
母)7とガラスクロス(裏打材)9とは貼り合わせら
れ、耐火テープ6を形成している。
【0013】絶縁体層4は、ポリエチレン、ポリプロピ
レン等のポリオレフィン系樹脂で構成され、600〜8
00℃で溶融してガラス状化する無機粉末10が混合さ
れている(図1、図2)。この無機粉末10の選定にあ
たっては、耐火特性評価(JIS A 1304に規定
される火災温度曲線にしたがって30分加熱)を実施し
た場合に、シース5や絶縁体層4が燃焼し、耐火テープ
6が露出するのが加熱開始後10分目以降であることか
ら、その温度領域、すなわち600〜800℃で溶融し
てガラス状化し、耐火テープの重ね合わせ部分を塞ぐ
(密着させる)ように作用するものが選定されるものと
する。したがって、このような性質を持つ無機粉末であ
れば、その材質は特に問わないが、本実施の形態では、
耐火電線用であるから、四ホウ酸ナトリウムが好まし
く、特にその無水物であればなお好ましい。ここで、絶
縁体層4に上記無機粉末10を混合する方法としては、
無機粉末10を絶縁体層4に混練してコンパウンド化す
るのが、効果的である。なお、無機粉末10は、図にお
いては説明の便宜上点で表されているが、実際には肉眼
では確認することができない。
【0014】このように、第1の実施の形態に係る耐火
ケーブル1は、導体2の上に耐火テープ6を巻き付けて
耐火層3を形成し、該耐火層3の上に600℃〜800
℃で溶融しガラス状化する無機粉末10を混合して構成
される絶縁体層4を形成し、さらに該絶縁体層4の上に
シース5を被覆してなる。したがって、シース5及び絶
縁体層4が燃焼して燃焼温度が600℃〜800℃に達
したときに絶縁体層4に混合されている無機粉末10が
溶融状態となって、耐火テープ6上に付着し、耐火テー
プ6の重ね合わせ部分が開いてしまうことを抑制する。
これにより、導電性燃焼生成物の侵入が阻止され、耐火
ケーブル1は、安定した耐火性能を有することができ
る。また、酸素発生化合物を使用しないことから、酸素
発生化合物による環境上の問題点や、加工性の低下、製
造原価の増加等の諸問題を解消することができる。
【0015】次に、本発明に係る耐火ケーブルの第2の
実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態
と同一のものについては、同一の符号を付して説明を省
略する。図6、図7において、耐火ケーブル20は、導
体2と耐火層3と第1の絶縁体層21と第2の絶縁体層
22とシース5とを中心から順に備えて構成されてい
る。導体2は、銅または銅合金からなり、線状に構成さ
れており、該導体2の上には、耐火層3が導体2の表面
を覆うように形成されている。耐火層3の上には第1の
絶縁体層21が形成され、その上には第2の絶縁体層2
2が形成され、第1の絶縁体層21と第2の絶縁体層2
2とで絶縁体層23を構成している。そして、絶縁体層
23の上には、シース5が被覆されている。
【0016】絶縁体層23を構成する第1の絶縁体層2
1と第2の絶縁体層22は、ポリエチレン、ポリプロピ
レン等のポリオレフィン系樹脂で構成されている。そし
て、絶縁体層23のうち、内側の層である第1の絶縁体
層21には、600〜800℃で溶融してガラス状化す
る無機粉末10が混合されている。この無機粉末10の
選定にあたっては、耐火特性評価(JIS A 130
4に規定される火災温度曲線にしたがって30分加熱)
を実施した場合に、シース5や絶縁体層23が燃焼し、
耐火テープ6が露出するのが加熱開始後10分目以降で
あることから、その温度領域、すなわち600〜800
℃で溶融してガラス状化し、耐火テープ6の重ね合わせ
部分を塞ぐ(密着させる)ように作用するものが選定さ
れるものとする。したがって、このような性質を持つ無
機粉末であれば、その材質は特に問わないが、本実施の
形態では、耐火電線用であるから、四ホウ酸ナトリウム
が好ましく、特にその無水物であればなお好ましい。こ
こで、第1の絶縁体層21に上記無機粉末10を混合す
る方法としては、無機粉末10を第1の絶縁体層21に
混練してコンパウンド化するのが、効果的である。
【0017】上記第1の絶縁体層21の厚さの下限は
0.1mmであり、上限は絶縁体層23の厚さの1/2
又は0.5mmのうちの小さいほうであることが望まし
い。ただし、必ずしもこのような厚さのものには限られ
ない。
【0018】第2の実施の形態に係る耐火ケーブル20
は、以上のように構成されているので、シース5及び絶
縁体層23が燃焼して燃焼温度が600℃〜800℃に
達したときに、絶縁体層23のうちの内側の層である第
1の絶縁体層21に混合されている無機粉末10が溶融
状態となって、耐火テープ6上に付着し、耐火テープ6
の重ね合わせ部分が開いてしまうことを抑制する。これ
により、導電性燃焼生成物の侵入が阻止され、耐火ケー
ブル20は、安定した耐火性能を有することができる。
また、酸素発生化合物を使用しないことから、酸素発生
化合物による環境上の問題点や、加工性の低下、製造原
価の増加等の諸問題を解消することができる。また、無
機粉末10を絶縁体層全体ではなく、第1の絶縁体層2
1にのみ混合したので、多量の混合物添加による加工性
の低下や製造原価の増加といったことが生じない。ま
た、絶縁体としての一般的性能を維持することができ
る。さらに、第1の絶縁体層21の厚さは、0.1mm
以上となっているので、十分な耐火性能を有する。ま
た、絶縁体層23の厚さの1/2以下又は0.5mm以
下のうちの小さいほうの厚さを有しているので、多量の
混合物添加による加工性の低下や製造原価の増加といっ
たことが生じない。
【0019】
【実施例】以上のような構成を有する耐火ケーブルの具
体的実施例について従来例と比較して以下に説明する。
【0020】実施例1 実施例1は、軟質天然集成マイカ(金雲母)7とフィル
ム(裏打材)8とを備えた耐火テープ(フィルムマイカ
テープ)6を導体2に重ね巻きし、その上に無機粉末1
0を混合した絶縁体層4を形成した耐火ケーブルであ
る。
【0021】実施例2 実施例2は、軟質天然集成マイカ(金雲母)7とフィル
ム(裏打材)8とを備えた耐火テープ(フィルムマイカ
テープ)6を導体2に重ね巻きし、その上に第1の絶縁
体層21を形成し、さらにその上に第2の絶縁体層22
を形成し、第1の絶縁体層21に無機粉末10を混合し
て形成した耐火ケーブルである。
【0022】実施例3 実施例3は、軟質天然集成マイカ(金雲母)7とフィル
ム(裏打材)8とを備えた耐火テープ(フィルムマイカ
テープ)6を導体2に縦添えにより巻きつけその上に無
機粉末10を混合した絶縁体層4を形成した耐火ケーブ
ルである。
【0023】実施例4 実施例4は、軟質天然集成マイカ(金雲母)7とフィル
ム(裏打材)8とを備えた耐火テープ(フィルムマイカ
テープ)6を導体22に縦添えにより巻きつけ、その上
に第1の絶縁体層21を形成し、さらにその上に第2の
絶縁体層22を形成し、第1の絶縁体層21に無機粉末
10を混合して形成した耐火ケーブルである。
【0024】実施例5 実施例5は、軟質天然集成マイカ(金雲母)7とガラス
クロス(裏打材)9とを備えた耐火テープ(ガラスマイ
カテープ)6を導体2に重ね巻きし、その上に第1の絶
縁体層21を形成し、さらにその上に第2の絶縁体層2
2を形成し、第1の絶縁体層21に無機粉末10を混合
して形成した耐火ケーブルである。
【0025】従来例 従来例は、導体と軟質天然集成マイカ(金雲母)及び裏
打材(フィルム)からなる耐火テープにより形成(重ね
巻き)される耐火層と、酸素発生化合物を混合した絶縁
体層と、シースとで構成した耐火ケーブルである。
【0026】表1は、上記実施例1〜5と、従来例のそ
れぞれについて、耐火性能、耐火層重ね部分の開き(耐
火層における耐火テープの開き)、環境負荷影響、製造
コストを比較した結果である。
【0027】
【表1】 表1における耐火性能は、JIS A 1304 火災
温度曲線にしたがって、30分加熱(試験方法:JCM
A試第1010号準拠)したときの結果を示したもので
ある。そして、その試験に合格となる場合には『良』、
基本的に試験に合格するが、線心数・サイズ、その他の
条件により試験に不合格となる可能性がある可能性があ
る(性能が不安定である)場合には、『良〜不可』の評
価をするものとした。なお、表1を見てもわかるよう
に、試験に不合格となる『不可』の結果はなかった。
【0028】表1における耐火層重ね部分の開きは、上
記試験の際、耐火層における耐火テープの重ね合わせ部
分の開きの有無を見たものである。そして、重ね合わせ
部分が密着している場合には、開きがないものとする
『無』の評価をするものとした。また、重ね合わせ部分
に開きが生じた場合には『有』の評価をするものとし
た。
【0029】表1における環境負荷影響は、燃焼により
環境に与える影響度合いを判断するためのものである。
ここではマンガンや鉛などの重金属を含有する場合、環
境に与える影響を『中』として評価した。また、重金属
を含有しない場合には、環境に与える影響を『小』の評
価にすることにした(環境負荷影響が全くないと言い切
れるものではないため)。尚、耐火ケーブルでは考え難
いが、構成材料中にカドミウムや六価クロム、アスベス
ト、フロン、その他の毒・劇物等を含有する場合には
『大』の評価がなされるものとする。
【0030】表1における製造コストは、従来例の製造
コストを100とした場合の相対比較値(例)である。
【0031】以上、表1の結果から実施例1〜5は、い
ずれも耐火性能、耐火層重ね部分の開き、環境負荷影
響、製造コストの全てについて良好な結果を得ることが
できた。これに対し、従来例は、耐火性能、耐火層重ね
部分の開き及び環境負荷影響について十分な結果が得ら
れなかった。
【0032】実施例1〜5は、いずれも耐火テープの重
ね合わせ部分の開きを抑制することができる。そして、
例えば火災等によって高熱や火炎に晒されても導電性燃
焼生成物が耐火テープの重ね合わせ部分を介して侵入す
ることはない。従って、実施例1〜5は、いずれも安定
した耐火性能を有する。
【0033】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0034】請求項1に記載の発明によれば、耐火テー
プの重ね合わせ部分が開いてしまうのを抑制して、導電
性燃焼生成物の侵入を阻止することができる。そして、
このことにより、安定した耐火性能を有することができ
る。また、酸素発生化合物を使用しないことから、酸素
発生化合物による環境上の問題点や、加工性の低下、製
造原価の増加等の諸問題を解消することができる。
【0035】請求項2に記載の発明によれば、安定した
耐火性能を得ることができ、また、酸素発生化合物を使
用しないことから、酸素発生化合物による環境上の問題
点や、加工性の低下、製造原価の増加等の諸問題を解消
することができる。さらに、無機粉末を絶縁体層全体で
はなく、絶縁体層を2層以上に分けたうちの最内層に混
合したので、多量の混合物添加による加工性の低下や製
造原価の増加といったことが生じない。また、絶縁体と
しての一般的性能を維持することができる。
【0036】請求項3に記載の発明によれば、無機粉末
を混合した絶縁体層の厚さを0.1mm以上としたので
十分な耐火性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る耐火ケーブルの第1の実施の形態
を示す斜視図である。
【図2】図1に示す耐火ケーブルの断面図である。
【図3】図1に示す耐火層を導体に形成する状態を示す
説明図である。
【図4】図1に示す耐火層を構成する耐火テープの断面
図である。
【図5】図1に示す耐火層を構成する別の耐火テープの
断面図である。
【図6】本発明に係る耐火ケーブルの第2の実施の形態
を示す斜視図である。
【図7】図6に示す耐火ケーブルの断面図である。
【図8】従来の耐火ケーブルを示す斜視図である。
【図9】図8に示す従来の耐火ケーブルの断面図であ
る。
【符号の説明】
1、20………………耐火ケーブル 2………………………導体 3………………………耐火層 4、23………………絶縁体層 5………………………シース 6………………………耐火テープ 10……………………無機粉末 21……………………第1の絶縁体層 22……………………第2の絶縁体層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体の上に耐火テープを巻き付けて耐火
    層を形成し、該耐火層の上に600〜800℃で溶融し
    ガラス状化する無機粉末を混合して構成される絶縁体層
    を形成し、さらに該絶縁体層の上にシースを被覆してな
    る耐火ケーブル。
  2. 【請求項2】 導体の上に耐火テープを巻き付けて耐火
    層を形成し、該耐火層の上に2層以上に分けて絶縁体層
    を形成し、さらに該絶縁体層の上にシースを被覆してな
    り、前記2層以上に分けて形成された絶縁体層のうち、
    最内層に位置する絶縁体層に600〜800℃で溶融し
    ガラス状化する無機粉末を混合したことを特徴とする耐
    火ケーブル。
  3. 【請求項3】 前記無機粉末を混合した前記最内層に位
    置する絶縁体層の厚さは、0.1mm以上であることを
    特徴とする請求項2に記載の耐火ケーブル。
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