JP2000182444A - 低発煙耐火ケーブル - Google Patents

低発煙耐火ケーブル

Info

Publication number
JP2000182444A
JP2000182444A JP10356089A JP35608998A JP2000182444A JP 2000182444 A JP2000182444 A JP 2000182444A JP 10356089 A JP10356089 A JP 10356089A JP 35608998 A JP35608998 A JP 35608998A JP 2000182444 A JP2000182444 A JP 2000182444A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fire
heavy metal
generating compound
metal oxygen
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10356089A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Suhara
茂 須原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yazaki Corp
Original Assignee
Yazaki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yazaki Corp filed Critical Yazaki Corp
Priority to JP10356089A priority Critical patent/JP2000182444A/ja
Publication of JP2000182444A publication Critical patent/JP2000182444A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 火災時に耐火ケーブルが直接火炎に晒されて
も、発煙量を抑え、しかも環境に悪影響を与えることな
く、耐火層の絶縁性能を大幅に低下させることなく、一
定の時間、電力を供給することができるようにする。 【解決手段】 導体1の上に耐火層2を形成し、該耐火
層2の上に絶縁体3を被覆してなる耐火絶縁導体4を2
本以上撚り合わせ、介在物5を介在させて、押え巻テー
プ6を巻回し、最外層に難燃ポリエチレンを用いたシー
ス7を被覆してなる耐火ケーブルで、介在物を、オレフ
ィン系樹脂をベースに非重金属酸素発生化合物を配合し
てなる材料で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、火災等によって耐
火電線が高熱や火炎に晒され燃焼した場合、適性な、し
かも安定した電気特性を維持することが可能な耐火ケー
ブルに関する。
【0002】
【従来の技術】多数の人が集合する劇場、デパート等に
おいては、火災等が発生した場合、場内の人を安全に非
常口に案内するために、非常口案内灯などの避難誘導灯
など、避難が完了する程度の一定の時間点灯させておく
ことが要求されている。そこで耐火対象物等における消
火設備、警報設備、避難設備の配線に用いられる耐火ケ
ーブルに関しては、社団法人日本電線工業会が自主的に
独自の耐火ケーブル等に関する認定基準を設け、その性
能、構造および材料等の品質の確保を図っている。この
ように耐火ケーブルは、火災が発生して直後に、ケーブ
ルの異常が原因で電力の供給が停止してしまうようなこ
とがなく、火災時でも一定の時間、電力を供給すること
ができるケーブルである。従来の耐火ケーブルは、導体
の上に耐火層(耐火テープ)とオレフィン系樹脂に絶縁
体を施した絶縁線心を複数本撚り合わせ、介在を添えて
共に撚り、押え巻きテープを巻き付け、難燃化した塩化
ビニル樹脂シースを被覆して構成されている。このため
耐火ケーブルは、火災時に直接火炎に晒されても、耐火
層が存在することにより導体間で絶縁破壊を起こしショ
ートしたりすることがない。
【0003】一方、このような耐火ケーブルは火災時に
直接火炎に晒されると、塩化ビニル樹脂の存在により多
くの煙が発生し、この発煙が視界を妨げ、非常口案内灯
などの避難誘導灯の避難誘導を困難にするという問題点
も合わせ持っている。
【0004】そこで、近年、耐火ケーブルとしては、第
1に、図3に示す如く、導体20上に耐火層21を設け
てハロゲンを含まないゴム・プラスチック絶縁層22を
被覆した絶縁線心23を2心以上撚り合わせ、無機充填
剤を配合したポリオレフィン系樹脂によって形成される
介在24、セルロース系繊維によって形成される押えテ
ープ25及びポリオレフィン樹脂によって形成されるシ
ース26を施して構成されるケーブル27が提案されて
いる(例えば、実公平3−26571号公報)。あるい
は、耐火ケーブルとして、第2に、図4に示す如く、介
在物30を介在させて、導体31上に耐火層32を介し
て絶縁体33が被覆されてなる心線34と、この心線3
4を囲んで設けられた内部ジャケット35と、この内部
ジャケット35の外周に設けられたアーマー36と、こ
のアーマー36の外周に設けられたシース37とを備え
た耐火ケーブルにおいて、介在物30または絶縁体33
または内部ジャケット35に加熱により酸素を発生する
化合物(過マンガン酸カリウム(KMnO4 )、リサー
ジ(PbO2 )、鉛丹(Pb3 4 )等)を含有させて
構成されるケーブル38が提案されている(例えば、実
開平6−45218号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前者の耐火ケーブル
は、導体1上に耐火層2を設けてハロゲンを含まないゴ
ム・プラスチック絶縁層3を被覆した絶縁線心を2心以
上撚り合わせ、無機充填剤を配合して難燃化したポリオ
レフィン系樹脂によって介在4を形成し、セルロース系
繊維によって形成される押えテープ5及びポリオレフィ
ン樹脂によって形成されるシース6を施して構成してあ
るため、特に管路内布設時等では、火災時に無炎燃焼と
なり易く、結果的にケーブル全体での発煙量はあまり低
下しない。
【0006】後者の耐火ケーブルは、火災時に耐火ケー
ブルが直接火炎に晒されると、この火炎による加熱によ
って介在物1に含有されている酸素を発生する化合物か
ら酸素が発生し、この酸素によってアーマー6で外気の
酸素が遮断されても、絶縁体3あるいは内部ジャケット
5等の不完全燃焼を防止してケーブル内の可燃物はほぼ
完全燃焼となし、過剰な残渣の発生を抑制して燃焼時に
も安定した電気特性を維持するようになっている。しか
し、後者の耐火ケーブルは、加熱により酸素を発生する
化合物として、過マンガン酸カリウム(KMnO4 )、
リサージ(PbO2 )、鉛丹(Pb3 4 )等、マンガ
ン(Mn)、鉛(Pb)等の重金属化合物を大量に使用
することとなり、環境上好ましいものとはいえない。
【0007】本発明の目的は、火災時に耐火ケーブルが
直接火炎に晒されても、発煙量を抑え、しかも環境に悪
影響を与えることなく、耐火層の絶縁性能を大幅に低下
させることなく、一定の時間、電力を供給することがで
きるようにする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係る低発煙耐火ケーブルは、導体の上に耐火層を形成
し、該耐火層の上に絶縁体を被覆してなる耐火絶縁導体
を2本以上撚り合わせ、介在物を介在させて、押え巻テ
ープを巻回し、最外層に難燃オレフィン系樹脂を用いた
シースを被覆してなる耐火ケーブルにおいて、前記介在
物を、オレフィン系樹脂をベースに非重金属酸素発生化
合物を配合してなる材料で構成するようにしたものであ
る。耐火層は、例えば、ガラス繊維布など無機質のもの
で構成されるガラステープに集成マイカテープ(鱗片状
のマイカ箔をシリコーン樹脂によって接着し積層してテ
ープ状にしたもの)を貼り合わせて一体化した複合耐火
テープ、またはプラスチックフィルム(例えば、厚さ1
0μm〜25μm程度のPE、PP、PET等で形成)
に集成マイカテープを貼り合わせて一体化した複合耐火
テープ等を巻き付けることによって構成されている。介
在物は、耐火絶縁導体を2本以上撚り合わせる際に、各
耐火絶縁導体間に添えてケーブルが断面略円形になるよ
うにするためのものである。この介在物は、オレフィン
系樹脂をベースに非重金属酸素発生化合物を配合して構
成されている。オレフィン系樹脂には、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリブチレン等がある。また、非重金
属酸素発生化合物は、重金属(例えば、マンガン(M
n)、鉛(Pb)等)を使用していない酸素発生化合物
のことで、加熱すると、分解されて酸素(O2 )を発生
する物質のことである。シースは、オレフィン系樹脂に
金属水和物を混合してなる難燃化したものである。オレ
フィン系樹脂には、ポリエチレン、エチレン系共重合体
等があり、金属水和物には、水酸化マグネシウム、水酸
化アルミニウム、水酸化ジルコニウム、水酸化カリウム
等がある。これらの金属水酸化物は、1種類(例えば、
水酸化マグネシウム)を選択して配合することも、2種
類以上(例えば、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニ
ウム)選択して配合することもある。
【0009】請求項2記載の発明に係る低発煙耐火ケー
ブルは、絶縁体及び押え巻テープを非難燃ポリオレフィ
ンで構成した点に特徴を有している。すなわち、耐火層
の上に被覆される絶縁体、さらに耐火絶縁導体を2本以
上介在物を介在させて撚り合わせた上に巻回する押え巻
テープを、可燃性を有するポリオレフィンで構成してい
る。
【0010】請求項3記載の発明に係る低発煙耐火ケー
ブルは、非重金属酸素発生化合物を、過酸化カルシウム
又は過酸化カリウムで構成してある。過酸化物は、分子
中に−O2 −結合を持った化合物で、加熱することによ
って分解し、酸素(O2 )を発生するもので、過酸化カ
ルシウム(CaO2 )は、加熱によってCaとO2 に分
解され、過酸化カリウム(K2 2 )は、加熱によって
2 OとO2 に分解される。
【0011】請求項4記載の発明に係る低発煙耐火ケー
ブルは、介在物を、オレフィン系樹脂100重量部に対
し非重金属酸素発生化合物を5〜50重量部、好ましく
は10〜30重量部配合して構成したものである。介在
物に配合する非重金属酸素発生化合物の量を、オレフィ
ン系樹脂100重量部に対し5〜50重量部としたの
は、非重金属酸素発生化合物の配合量が5重量部を下回
ると、火災時に耐火ケーブルが直接火炎に晒され、この
火炎による加熱によって非重金属酸素発生化合物が分解
して発生させる酸素の量が、絶縁体及び押え巻テープを
完全燃焼するに必要な量を確保できないからであり、非
重金属酸素発生化合物を50重量部を上回わって配合す
ると、耐火特性は満足するが、非重金属酸素発生化合物
はオレフィン系樹脂からみると異物であるため介在物と
しての加工性が悪くなる上、硬くなるため、2本以上の
耐火絶縁導体に介在物を介在させてケーブルを加工する
際の加工性も悪くなり適当でないからである。
【0012】請求項5記載の発明に係る低発煙耐火ケー
ブルは、導体の上に耐火層を形成し、該耐火層の上に絶
縁体を被覆してなる耐火絶縁導体を2本以上撚り合わ
せ、介在物を介在させて、押え巻テープを巻回し、最外
層に難燃ポリエチレンを用いたシースを被覆してなる耐
火ケーブルにおいて、前記押え巻テープを、オレフィン
系樹脂をベースに非重金属酸素発生化合物を配合してな
る材料で構成するようにしたものである。この請求項5
記載の発明に係る低発煙耐火ケーブルは、請求項1に記
載の発明に係る低発煙耐火ケーブルが介在物を構成する
オレフィン系のベース樹脂に非重金属酸素発生化合物を
配合したものであるのに対し、押え巻テープを構成する
オレフィン系のベース樹脂に非重金属酸素発生化合物を
配合したもので、介在物には非重金属酸素発生化合物を
配合していない。耐火層については、先に説明した通り
である。また、介在物は、耐火絶縁導体を2本以上撚り
合わせる際に、各耐火絶縁導体間に添えてケーブルが断
面略円形になるようにするためのもので、オレフィン系
樹脂で構成されている。オレフィン系樹脂には、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等がある。押え
巻テープは、耐火絶縁導体を2本以上撚り合わせるとき
に生じる各耐火絶縁導体の間の隙間を埋めるため介在物
を添わせて撚り合わせ、ケーブルが断面略円形になるよ
うに成形した上に巻き付けていくもので、オレフィン系
樹脂をベースに非重金属酸素発生化合物を配合して構成
されている。オレフィン系樹脂には、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリブチレン等がある。この非重金属酸
素発生化合物については先に説明した通りである。シー
スについても先に説明した通りである。
【0013】請求項6記載の発明に係る低発煙耐火ケー
ブルは、前記絶縁体及び介在物を非難燃ポリオレフィン
で構成したものである。すなわち、耐火層の上に被覆さ
れる絶縁体、さらに耐火絶縁導体を2本以上寄り合わせ
る際に添える介在物を、可燃性を有するポリオレフィン
によって構成している。
【0014】請求項7記載の発明に係る低発煙耐火ケー
ブルは、前記非重金属酸素発生化合物を、過酸化カルシ
ウム又は過酸化カリウムで構成したものである。過酸化
カルシウム、過酸化カリウムについては先に説明した通
りである。
【0015】請求項8記載の発明に係る低発煙耐火ケー
ブルは、前記押え巻テープを、オレフィン系樹脂100
重量部に対し非重金属酸素発生化合物を5〜50重量
部、好ましくは10〜30重量部配合して構成したもの
である。押え巻テープに配合する非重金属酸素発生化合
物の量を、オレフィン系樹脂100重量部に対し5〜5
0重量部としたのは、非重金属酸素発生化合物の配合量
が5重量部を下回ると、火災時に耐火ケーブルが直接火
炎に晒され、この火炎による加熱によって非重金属酸素
発生化合物が分解して発生させる酸素の量が、絶縁体及
び介在物を完全燃焼するに必要な量を確保できないから
であり、非重金属酸素発生化合物を50重量部を上回わ
って配合すると、耐火特性は満足するが、非重金属酸素
発生化合物はオレフィン系樹脂からみると異物であるた
め押え巻テープの加工性が悪くなり適当でないからであ
る。
【0016】
【作用】請求項1記載の発明によると、火災時に耐火ケ
ーブルが直接火炎に晒された場合、介在物に配合される
非重金属酸素発生化合物から発生する酸素によって絶縁
体及び押え巻テープの不完全燃焼を防止して発煙量を抑
え、しかも非重金属化合物により環境に悪影響を与える
ことなく、耐火層の絶縁性能を大幅に低下させないで一
定の時間、電力を供給することができる。
【0017】請求項2記載の発明によると、火災時に耐
火ケーブルが直接火炎に晒された場合、介在物に配合さ
れる非重金属酸素発生化合物から発生する酸素によって
絶縁体及び押え巻テープを完全燃焼させることができ、
火災時の耐火ケーブルからの発煙量を抑制することがで
きる。
【0018】請求項3記載の発明によると、介在物に配
合される酸素発生化合物を過酸化カルシウム又は過酸化
カリウムの非重金属酸素発生化合物によって構成してあ
るため、環境に悪影響を与えることがない。
【0019】請求項4記載の発明によると、ポリオレフ
ィン系樹脂100重量部に対し非重金属酸素発生化合物
を5〜50重量部の範囲で配合するようになっているた
め、火災時に耐火ケーブルが直接火炎に晒された場合、
介在物に配合される非重金属酸素発生化合物から発生す
る酸素の量を、絶縁体及び押え巻テープを完全燃焼させ
るに十分な酸素を発生させることができ、火災時の耐火
ケーブルからの発煙量を抑制することができる。
【0020】請求項5記載の発明によると、火災時に耐
火ケーブルが直接火炎に晒された場合、押え巻テープに
配合される非重金属酸素発生化合物から発生する酸素に
よって絶縁体及び介在物の不完全燃焼を防止して発煙量
を抑え、しかも非重金属化合物により環境に悪影響を与
えることなく、耐火層の絶縁性能を大幅に低下させない
で一定の時間、電力を供給することができる。
【0021】請求項6記載の発明によると、火災時に耐
火ケーブルが直接火炎に晒された場合、押え巻テープに
配合される非重金属酸素発生化合物から発生する酸素に
よって絶縁体及び介在物を完全燃焼させることができ、
火災時の耐火ケーブルからの発煙量を抑制することがで
きる。
【0022】請求項7記載の発明によると、押え巻テー
プに配合される酸素発生化合物を過酸化カルシウム又は
過酸化カリウムの非重金属酸素発生化合物によって構成
してあるため、環境に悪影響を与えることがない。
【0023】請求項8記載の発明によると、ポリオレフ
ィン系樹脂100重量部に対し非重金属酸素発生化合物
を5〜50重量部の範囲で配合するようになっているた
め、火災時に耐火ケーブルが直接火炎に晒された場合、
押え巻テープに配合される非重金属酸素発生化合物から
発生する酸素の量を、絶縁体及び介在物を完全燃焼させ
るに十分な酸素を発生させることができ、火災時の耐火
ケーブルからの発煙量を抑制することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る低発煙耐火ケ
ーブルの実施の形態について説明する。図1には、本発
明に係る低発煙耐火ケーブルの一実施の形態が示されて
いる。図1において、1は軟銅線によって構成される導
体で、この導体1の上には耐火層2が形成されており、
この耐火層2の上に絶縁体3が被覆されており、耐火絶
縁導体4が構成されている。耐火層2は、例えば、総厚
0.4mm〜0.6mm(低圧耐火ケーブルの場合)とし適
当な幅に切断した耐火テープを重ね巻きすることによっ
て構成されている。そして、この耐火テープは、例え
ば、ガラス繊維布など無機質のもので構成されるガラス
テープに集成マイカテープ(鱗片状のマイカ箔をシリコ
ーン樹脂によって接着し積層してテープ状にしたもの)
を貼り合わせて一体化した複合耐火テープ、またはプラ
スチックフィルム(例えば、厚さ10μm〜25μm程
度のPE、PP、PET等)に集成マイカテープを貼り
合わせて一体化した複合耐火テープ等で形成されてい
る。絶縁体3は、可燃性を有するポリオレフィンで構成
されている。このポリオレフィンには、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリブチレン等がある。
【0025】5は介在物で、この介在物5は、耐火絶縁
導体4を2本以上を撚り合わせる際に生じる各耐火絶縁
導体の間の隙間を埋めるために添わせるもので、ケーブ
ルが断面略円形になるようにするためのものである。こ
の介在物5は、オレフィン系樹脂をベースに非重金属酸
素発生化合物を配合して構成されている。オレフィン系
樹脂には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレ
ン等がある。また、非重金属酸素発生化合物は、重金属
(例えば、マンガン(Mn)、鉛(Pb)等)を使用し
ていない酸素発生化合物のことで、加熱すると、分解さ
れて酸素(O2 )を発生する物質のことで、具体的に
は、分子中に−O2 −結合を持った化合物で、加熱する
ことによって分解する過酸化物、さらに具体的には、過
酸化カルシウム(CaO2 )又は過酸化カリウム(K2
2 )が配合されている。この過酸化カルシウム又は過
酸化カリウムの配合量は、オレフィン系樹脂100重量
部に対し、5〜50重量部である。6は押え巻テープ
で、この押え巻テープ6は、耐火絶縁導体4を2本以上
撚り合わせるときに生じる各耐火絶縁導体4の間の隙間
を埋めるため介在物5を添わせて撚り合わせ、ケーブル
が断面略円形になるように成形した上に巻き付けるもの
で、絶縁体3同様、可燃性を有するポリオレフィンで構
成されている。
【0026】7はシースで、このシース7は、オレフィ
ン系樹脂に金属水和物を混合してなる難燃化したもので
ある。オレフィン系樹脂には、ポリエチレン、エチレン
系共重合体等があり、金属水和物には、水酸化マグネシ
ウム、水酸化アルミニウム、水酸化ジルコニウム、水酸
化カリウム等がある。これらの金属水酸化物は、1種類
(例えば、水酸化マグネシウム)を選択して配合するこ
とも、2種類以上(例えば、水酸化マグネシウムと水酸
化アルミニウム)選択して配合することもできる。この
ように導体1の上に耐火層2が形成され、この耐火層2
の上に絶縁体3が被覆されて構成される耐火絶縁導体4
に介在物5を介在させて、2本以上の耐火絶縁導体4を
撚り合わせて断面略円形になるように成形し、この上に
押え巻テープ6を巻き付け、さらにこの上にシース7を
被覆して低発煙耐火ケーブル8が構成されている。
【0027】図2には、本発明に係る低発煙耐火ケーブ
ルの他の実施の形態が示されている。図2において、1
0は軟銅線によって構成される導体で、この導体10の
上には耐火層11が形成されており、この耐火層11の
上に絶縁体12が被覆されており、耐火絶縁導体13が
構成されている。耐火層11は、例えば、総厚0.4mm
〜0.6mm(低圧耐火ケーブルの場合)とし適当な幅に
切断した耐火テープを重ね巻きすることによって構成さ
れている。そして、この耐火テープは、例えば、ガラス
繊維布など無機質のもので構成されるガラステープに集
成マイカテープ(鱗片状のマイカ箔をシリコーン樹脂に
よって接着し積層してテープ状にしたもの)を貼り合わ
せて一体化した複合耐火テープ、またはプラスチックフ
ィルム(例えば、厚さ10μm〜25μm程度のPE、
PP、PET等)に集成マイカテープを貼り合わせて一
体化した複合耐火テープ等で形成されている。絶縁体1
2は、可燃性を有するポリオレフィンで構成されてい
る。このポリオレフィンには、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリブチレン等がある。
【0028】14は介在物で、この介在物14は、耐火
絶縁導体4を2本以上を撚り合わせる際に生じる各耐火
絶縁導体の間の隙間を埋めるために添わせるもので、ケ
ーブルが断面略円形になるようにするためのものであ
る。この介在物14は、絶縁体12同様、可燃性を有す
るポリオレフィンで構成されている。
【0029】15は押え巻テープで、この押え巻テープ
15は、耐火絶縁導体13を2本以上撚り合わせるとき
に生じる各耐火絶縁導体13の間の隙間を埋めるため介
在物14を添わせて撚り合わせ、ケーブルが断面略円形
になるように成形した上に巻き付けるもので、オレフィ
ン系樹脂をベースに非重金属酸素発生化合物を配合して
構成されている。オレフィン系樹脂には、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブチレン等がある。また、非
重金属酸素発生化合物は、重金属(例えば、マンガン
(Mn)、鉛(Pb)等)を使用していない酸素発生化
合物のことで、加熱すると、分解されて酸素(O2 )を
発生する物質のことで、具体的には、分子中に−O2
結合を持った化合物で、加熱することによって分解する
過酸化物、さらに具体的には、過酸化カルシウム(Ca
2 )又は過酸化カリウム(K2 2 )が配合されてい
る。この過酸化カルシウム又は過酸化カリウムの配合量
は、オレフィン系樹脂100重量部に対し、5〜50重
量部である。
【0030】16はシースで、このシース16は、オレ
フィン系樹脂に金属水和物を混合して難燃化したもので
ある。オレフィン系樹脂には、ポリエチレン、エチレン
系共重合体等があり、金属水和物には、水酸化マグネシ
ウム、水酸化アルミニウム、水酸化ジルコニウム、水酸
化カリウム等がある。これらの金属水酸化物は、1種類
(例えば、水酸化マグネシウム)を選択して配合するこ
とも、2種類以上(例えば、水酸化マグネシウムと水酸
化アルミニウム)選択して配合することもできる。
【0031】このように導体10の上に耐火層11が形
成され、この耐火層11の上に絶縁体12が被覆されて
構成される耐火絶縁導体13に介在物14を介在させ
て、2本以上の耐火絶縁導体13を撚り合わせて断面略
円形になるように成形し、この上に押え巻テープ15を
巻き付け、さらにこの上にシース16を被覆して低発煙
耐火ケーブル17が構成されている。
【0032】
【実施例】以下、本発明に係る低発煙耐火ケーブルの介
在物及び押え巻テープを構成する樹脂組成物の具体的実
施例について従来例と比較して説明する。 実施例1 実施例1は、絶縁体及び押え巻テープを非難燃ポリオレ
フィンで構成し、介在物をポリオレフィン100重量部
に対して、非重金属酸素発生化合物(過酸化カリウム)
を5重量部配合して構成したものである。
【0033】実施例2 実施例2は、絶縁体及び押え巻テープを非難燃ポリオレ
フィンで構成し、介在物をポリオレフィン100重量部
に対して、非重金属酸素発生化合物(過酸化カリウム)
を30重量部配合して構成したものである。
【0034】実施例3 実施例3は、絶縁体及び押え巻テープを非難燃ポリオレ
フィンで構成し、介在物をポリオレフィン100重量部
に対して、非重金属酸素発生化合物(過酸化カリウム)
を50重量部配合して構成したものである。
【0035】実施例4 実施例4は、絶縁体及び介在物を非難燃ポリオレフィン
で構成し、押え巻テープをポリオレフィン100重量部
に対して、非重金属酸素発生化合物(過酸化カリウム)
を5重量部配合して構成したものである。
【0036】実施例5 実施例5は、絶縁体及び介在物を非難燃ポリオレフィン
で構成し、押え巻テープをポリオレフィン100重量部
に対して、非重金属酸素発生化合物(過酸化カリウム)
を30重量部配合して構成したものである。
【0037】実施例6 実施例6は、絶縁体及び介在物を非難燃ポリオレフィン
で構成し、押え巻テープをポリオレフィン100重量部
に対して、非重金属酸素発生化合物(過酸化カリウム)
を50重量部配合して構成したものである。
【0038】従来例1 従来例1は、絶縁体をポリエチレンで、介在物をポリプ
ロピレン解繊糸で、押え巻テープ又は内部ジャケットを
不織布で構成したものである。
【0039】従来例2 従来例2は、絶縁体をポリエチレンで、介在物を難燃ポ
リオレフィンで、押え巻テープ又は内部ジャケットを不
織布で構成したものである。
【0040】従来例3 従来例3は、絶縁体、介在物、押え巻テープ又は内部ジ
ャケットのそれぞれを重金属酸素発生化合物(過マンガ
ン酸カリウム(KMnO4 )、リサージ(PbO2 )、
鉛丹(Pb3 4 )等)を配合して構成したものであ
る。
【0041】これらの実施例1〜実施例6、従来例1〜
3に基づく樹脂組成物に基づいて耐火ケーブル(完成
品)を製作し、その一部(1.3m以上の長さ)を採っ
て試料とし、JCMA試第1010号に準ずる絶縁電線
試験方法によって、耐火性能試験を行った。また、これ
らの実施例1〜実施例6、従来例1〜3に基づく樹脂組
成物に基づいて耐火ケーブル(完成品)を製作して試料
とし、IEC61034規格試験方法によって、直接火
炎に当てて燃焼させその時の最少光透過量によって発煙
性試験を行った。
【0042】その比較結果が表1、表2に示してある。
【0043】
【表1】
【表2】 表2から分かるように、絶縁体にポリエチレンを、押え
巻テープに不織布を用い、介在物に難燃ポリオレフィン
を用いた従来例2は、加熱前絶縁抵抗値は100MΩ以
上、加熱後絶縁抵抗値が20MΩと耐火特性は満足する
が、燃焼時の最少光透過量を測定するIEC61034
規格試験では、53%と規格値(60%)を下回って発
煙量が多いことが分かる。
【0044】従来例1は、介在物にPP解繊糸を用いて
おり、その特性は、従来例2よりさらに低下し、加熱前
絶縁抵抗値は100MΩ以上を示すものの、加熱後絶縁
抵抗値が従来例2の20MΩより大きく下回る2MΩと
なっており、耐火特性は規格値を満足するが特性の低下
は歴然としている。さらに、燃焼時の最少光透過量を測
定するIEC61034規格試験では、45%と規格値
(60%)を下回っていることは勿論、従来例2の53
%より大きく下回り発煙量がさらに多く発生しているこ
とが分かる。
【0045】従来例3は、絶縁体、押え巻テープ、介在
物のそれぞれに重金属酸素発生化合物(例えば、過マン
ガン酸カリウム(KMnO4 )等)を配合したもので、
加熱前絶縁抵抗値は100MΩ以上、加熱後絶縁抵抗値
が25MΩと耐火特性は満足するが、燃焼時の最少光透
過量を測定するIEC61034規格試験では、56%
と規格値(60%)を下回って発煙量が多いことが分か
る。すなわち、重金属酸素発生化合物の加熱によって発
生する酸素が十分機能していないことが分かる。
【0046】表1と表2からも分かるように、絶縁体及
び押え巻テープを非難燃ポリオレフィンで構成し、介在
物をポリオレフィン100重量部に対して、非重金属酸
素発生化合物(過酸化カリウム)を5重量部配合して構
成した実施例1と、絶縁体、押え巻テープ、介在物のそ
れぞれに重金属酸素発生化合物(例えば、過マンガン酸
カリウム(KMnO4 )等)を配合してある従来例3と
比較すると、従来例3及び実施例1の加熱前絶縁抵抗値
は共に100MΩ以上あるのに、加熱後絶縁抵抗値は、
従来例3が25MΩであるのに対して、実施例1の加熱
後絶縁抵抗値が8MΩと実施例1の方が耐火特性が下回
るも、燃焼時の最少光透過量を測定するIEC6103
4規格試験は、従来例3が56%と規格値(60%)を
下回るのに対し、実施例1の方は60%と規格値(60
%)を達成し、発煙の発生量が従来例3より抑制されて
いるのが分かる。
【0047】また、絶縁体及び押え巻テープを非難燃ポ
リオレフィンで構成し、介在物をポリオレフィン100
重量部に対して、非重金属酸素発生化合物(過酸化カリ
ウム)を5重量部配合して構成した実施例1と、非重金
属酸素発生化合物(過酸化カリウム)の配合量を30重
量部と増加した実施例2と比較すると、加熱後絶縁抵抗
値が、実施例1の8MΩであるのに対して、実施例2が
25MΩと非重金属酸素発生化合物(過酸化カリウム)
の配合量を増加すると耐火特性が向上することが分か
る。また、燃焼時の最少光透過量を測定するIEC61
034規格試験も、実施例1が60%であるのに対し、
実施例2の方が72%と非重金属酸素発生化合物(過酸
化カリウム)の配合量を増加すると発煙の発生量が抑制
されるのが分かる。
【0048】さらに、絶縁体及び押え巻テープを非難燃
ポリオレフィンで構成し、介在物をポリオレフィン10
0重量部に対して、非重金属酸素発生化合物(過酸化カ
リウム)を30重量部配合して構成した実施例2と、非
重金属酸素発生化合物(過酸化カリウム)の配合量を5
0重量部と増加した実施例3と比較すると、加熱後絶縁
抵抗値が、実施例2の25MΩであるのに対して、実施
例3が32MΩと非重金属酸素発生化合物(過酸化カリ
ウム)の配合量をさらに増加すると耐火特性もさらに向
上することが分かる。また、燃焼時の最少光透過量を測
定するIEC61034規格試験も、実施例2が72%
であるのに対し、実施例3の方が76%と非重金属酸素
発生化合物(過酸化カリウム)の配合量を増加すると発
煙の発生量が抑制されるのが分かる。
【0049】また、絶縁体及び介在物を非難燃ポリオレ
フィンで構成し、押え巻テープをポリオレフィン100
重量部に対して、非重金属酸素発生化合物(過酸化カリ
ウム)を5重量部配合して構成した実施例4と、絶縁
体、押え巻テープ、介在物のそれぞれに重金属酸素発生
化合物(例えば、過マンガン酸カリウム(KMnO4
等)を配合してある従来例3と比較すると、従来例3及
び実施例4の加熱前絶縁抵抗値は共に100MΩ以上あ
るのに、加熱後絶縁抵抗値は、従来例3が25MΩであ
るのに対して、実施例4の加熱後絶縁抵抗値が6MΩと
実施例4の方が耐火特性が下回るも、燃焼時の最少光透
過量を測定するIEC61034規格試験は、従来例3
が56%と規格値(60%)を下回るのに対し、実施例
4の方は60%と規格値(60%)を達成し、発煙の発
生量が従来例3より抑制されているのが分かる。
【0050】また、絶縁体及び介在物を非難燃ポリオレ
フィンで構成し、押え巻テープをポリオレフィン100
重量部に対して、非重金属酸素発生化合物(過酸化カリ
ウム)を5重量部配合して構成した実施例4と、非重金
属酸素発生化合物(過酸化カリウム)の配合量を30重
量部と増加した実施例5と比較すると、加熱後絶縁抵抗
値が、実施例4の6MΩであるのに対して、実施例5が
24MΩと非重金属酸素発生化合物(過酸化カリウム)
の配合量を増加すると耐火特性が向上することが分か
る。また、燃焼時の最少光透過量を測定するIEC61
034規格試験も、実施例4が60%であるのに対し、
実施例5の方が66%と非重金属酸素発生化合物(過酸
化カリウム)の配合量を増加すると発煙の発生量が抑制
されるのが分かる。
【0051】さらに、絶縁体及び押え巻テープを非難燃
ポリオレフィンで構成し、介在物をポリオレフィン10
0重量部に対して、非重金属酸素発生化合物(過酸化カ
リウム)を30重量部配合して構成した実施例5と、非
重金属酸素発生化合物(過酸化カリウム)の配合量を5
0重量部と増加した実施例6と比較すると、加熱後絶縁
抵抗値が、実施例4の24MΩであるのに対して、実施
例6が30MΩと非重金属酸素発生化合物(過酸化カリ
ウム)の配合量をさらに増加すると耐火特性もさらに向
上することが分かる。また、燃焼時の最少光透過量を測
定するIEC61034規格試験も、実施例5が66%
であるのに対し、実施例6の方が74%と非重金属酸素
発生化合物(過酸化カリウム)の配合量を増加すると発
煙の発生量が抑制されるのが分かる。
【0052】ここで、絶縁体及び押え巻テープを非難燃
ポリオレフィンで構成し、介在物をポリオレフィン10
0重量部に対して、非重金属酸素発生化合物(過酸化カ
リウム)を5重量部配合して構成した実施例1と、絶縁
体及び介在物を非難燃ポリオレフィンで構成し、押え巻
テープをポリオレフィン100重量部に対して、非重金
属酸素発生化合物(過酸化カリウム)を5重量部配合し
て構成した実施例4とを比較すると、特性上に大差はな
い。さらに、非重金属酸素発生化合物(過酸化カリウ
ム)を30重量部配合して構成した実施例2と実施例
5、非重金属酸素発生化合物(過酸化カリウム)を50
重量部配合して構成した実施例3と実施例6を比較して
も、特性上に大差はない。
【0053】以上のことから、介在物に非重金属酸素発
生化合物(過酸化カリウム)を5重量部配合しても、押
え巻テープに非重金属酸素発生化合物(過酸化カリウ
ム)を配合しても同様の効果を得ることができる。
【0054】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、火災時に
耐火ケーブルが直接火炎に晒された場合、介在物に配合
される非重金属酸素発生化合物から発生する酸素によっ
て絶縁体及び押え巻テープの不完全燃焼を防止して発煙
量を抑え、しかも非重金属化合物により環境に悪影響を
与えることなく、耐火層の絶縁性能を大幅に低下させな
いで一定の時間、電力を供給することができる。
【0055】請求項2記載の発明によれば、火災時に耐
火ケーブルが直接火炎に晒された場合、介在物に配合さ
れる非重金属酸素発生化合物から発生する酸素によって
絶縁体及び押え巻テープを完全燃焼させることができ、
火災時の耐火ケーブルからの発煙量を抑制することがで
きる。
【0056】請求項3記載の発明によれば、介在物に配
合される酸素発生化合物を過酸化カルシウム又は過酸化
カリウムの非重金属酸素発生化合物によって構成してあ
るため、環境に悪影響を与えることがない。
【0057】請求項4記載の発明によれば、ポリオレフ
ィン系樹脂100重量部に対し非重金属酸素発生化合物
を5〜50重量部の範囲で配合するようになっているた
め、火災時に耐火ケーブルが直接火炎に晒された場合、
介在物に配合される非重金属酸素発生化合物から発生す
る酸素の量を、絶縁体及び押え巻テープを完全燃焼させ
るに十分な酸素を発生させることができ、火災時の耐火
ケーブルからの発煙量を抑制することができる。
【0058】請求項5記載の発明によれば、火災時に耐
火ケーブルが直接火炎に晒された場合、押え巻テープに
配合される非重金属酸素発生化合物から発生する酸素に
よって絶縁体及び介在物の不完全燃焼を防止して発煙量
を抑え、しかも非重金属化合物により環境に悪影響を与
えることなく、耐火層の絶縁性能を大幅に低下させない
で一定の時間、電力を供給することができる。
【0059】請求項6記載の発明によれば、火災時に耐
火ケーブルが直接火炎に晒された場合、押え巻テープに
配合される非重金属酸素発生化合物から発生する酸素に
よって絶縁体及び介在物を完全燃焼させることができ、
火災時の耐火ケーブルからの発煙量を抑制することがで
きる。
【0060】請求項7記載の発明によれば、押え巻テー
プに配合される酸素発生化合物を過酸化カルシウム又は
過酸化カリウムの非重金属酸素発生化合物によって構成
してあるため、環境に悪影響を与えることがない。
【0061】請求項8記載の発明によれば、ポリオレフ
ィン系樹脂100重量部に対し非重金属酸素発生化合物
を5〜50重量部の範囲で配合するようになっているた
め、火災時に耐火ケーブルが直接火炎に晒された場合、
押え巻テープに配合される非重金属酸素発生化合物から
発生する酸素の量を、絶縁体及び介在物を完全燃焼させ
るに十分な酸素を発生させることができ、火災時の耐火
ケーブルからの発煙量を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1〜4記載の発明に係る低発煙耐火ケー
ブルの実施例を示す断面図である。
【図2】請求項5〜8記載の発明に係る低発煙耐火ケー
ブルの実施例を示す断面図である。
【図3】従来の耐火ケーブルの断面図である。
【図4】従来の別な耐火ケーブルの断面図である。
【符号の説明】
1,10…………………………………導体 2,11…………………………………耐火層 3,12…………………………………絶縁体 4,13…………………………………耐火絶縁導体 5,14…………………………………介在物 6,15…………………………………押え巻テープ 7,16…………………………………シース 8,17…………………………………低発煙耐火ケーブ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体の上に耐火層を形成し、該耐火層の
    上に絶縁体を被覆してなる耐火絶縁導体を2本以上撚り
    合わせ、介在物を介在させて、押え巻テープを巻回し、
    最外層に難燃ポリエチレンを用いたシースを被覆してな
    る耐火ケーブルにおいて、前記介在物を、オレフィン系
    樹脂をベースに非重金属酸素発生化合物を配合してなる
    材料で構成したことを特徴とする低発煙耐火ケーブル。
  2. 【請求項2】 前記絶縁体及び押え巻テープは、非難燃
    ポリオレフィンで構成したものである請求項1に記載の
    低発煙耐火ケーブル。
  3. 【請求項3】 前記非重金属酸素発生化合物は、過酸化
    カルシウム又は過酸化カリウムである請求項1又は2に
    記載の低発煙耐火ケーブル。
  4. 【請求項4】 前記介在物は、オレフィン系樹脂100
    重量部に対し非重金属酸素発生化合物を5〜50重量部
    配合して構成したものである請求項1、2又は3に記載
    の低発煙耐火ケーブル。
  5. 【請求項5】 導体の上に耐火層を形成し、該耐火層の
    上に絶縁体を被覆してなる耐火絶縁導体を2本以上撚り
    合わせ、介在物を介在させて、押え巻テープを巻回し、
    最外層に難燃ポリエチレンを用いたシースを被覆してな
    る耐火ケーブルにおいて、前記押え巻テープを、オレフ
    ィン系樹脂をベースに非重金属酸素発生化合物を配合し
    てなる材料で構成したことを特徴とする低発煙耐火ケー
    ブル。
  6. 【請求項6】 前記絶縁体及び介在物は、非難燃ポリオ
    レフィンで構成したものである請求項5に記載の低発煙
    耐火ケーブル。
  7. 【請求項7】 前記非重金属酸素発生化合物は、過酸化
    カルシウム又は過酸化カリウムである請求項5又は6に
    記載の低発煙耐火ケーブル。
  8. 【請求項8】 前記押え巻テープは、オレフィン系樹脂
    100重量部に対し非重金属酸素発生化合物を5〜50
    重量部配合して構成したものである請求項5,6又は7
    に記載の低発煙耐火ケーブル。
JP10356089A 1998-12-15 1998-12-15 低発煙耐火ケーブル Pending JP2000182444A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10356089A JP2000182444A (ja) 1998-12-15 1998-12-15 低発煙耐火ケーブル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10356089A JP2000182444A (ja) 1998-12-15 1998-12-15 低発煙耐火ケーブル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000182444A true JP2000182444A (ja) 2000-06-30

Family

ID=18447280

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10356089A Pending JP2000182444A (ja) 1998-12-15 1998-12-15 低発煙耐火ケーブル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000182444A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020034134A (ko) * 2002-04-12 2002-05-08 조정용 열팽창 난연 테이프
KR100515642B1 (ko) * 2001-10-30 2005-09-23 엘에스전선 주식회사 내유성과 난연성을 갖는 케이블
CN103106966A (zh) * 2013-03-04 2013-05-15 无锡市沪安电线电缆有限公司 一种柔性高耐火电缆
CN103606410A (zh) * 2013-12-06 2014-02-26 上海特种电线电缆(集团)有限公司 一种纳米型超a类阻燃耐火控制电缆

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100515642B1 (ko) * 2001-10-30 2005-09-23 엘에스전선 주식회사 내유성과 난연성을 갖는 케이블
KR20020034134A (ko) * 2002-04-12 2002-05-08 조정용 열팽창 난연 테이프
CN103106966A (zh) * 2013-03-04 2013-05-15 无锡市沪安电线电缆有限公司 一种柔性高耐火电缆
CN103606410A (zh) * 2013-12-06 2014-02-26 上海特种电线电缆(集团)有限公司 一种纳米型超a类阻燃耐火控制电缆

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR900000189B1 (ko) 난연성 조성물과 이것을 사용한 케이블
EP3646351B1 (en) Flame retardant electrical cable
KR930006208B1 (ko) 방화염 교차연결 화합물과 그것을 사용하는 방화염 케이블
JP2008159406A (ja) 耐火ケーブル
JPS60189114A (ja) 難燃性ケ−ブル
JPH08287737A (ja) 耐火電線
JPH07312121A (ja) 耐火電線
JP2000182444A (ja) 低発煙耐火ケーブル
JP3830023B2 (ja) 耐火ケーブル
JP2001035267A (ja) 耐火電線および耐火ケーブル
JP2000331546A (ja) 耐火ケーブル
EP0778589B1 (en) Communication cable for use in a plenum
CN207676714U (zh) 无卤阻燃耐热柔性pe电缆
JPH0197310A (ja) 耐火電線
JPS6313285B2 (ja)
JPH0430692B2 (ja)
JPH08124430A (ja) 高圧耐火ケーブル
JP2021182464A (ja) ノンハロゲン難燃耐火電線およびノンハロゲン難燃耐火ケーブル
JPH0992047A (ja) 耐火電線
JP2001291437A (ja) 耐火ケーブル
JP2002313154A (ja) 耐火ケーブル
JP3580608B2 (ja) 耐火電線
JPH0326571Y2 (ja)
JPS6137135Y2 (ja)
JPS5826419Y2 (ja) 耐火電線