JPS6137135Y2 - - Google Patents

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JPS6137135Y2
JPS6137135Y2 JP1596980U JP1596980U JPS6137135Y2 JP S6137135 Y2 JPS6137135 Y2 JP S6137135Y2 JP 1596980 U JP1596980 U JP 1596980U JP 1596980 U JP1596980 U JP 1596980U JP S6137135 Y2 JPS6137135 Y2 JP S6137135Y2
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【考案の詳細な説明】
この考案は耐火電線、特に消防用設備の非常用
電源回路に用いて好適な耐火電線に関するもので
ある。 近年建築物の大型化及び高層化は著しく特にこ
れら建築物の災害対策が重要視されている。そし
て万一火災が発生した場合にはこれによる被害、
特に人身への被害を最小限にとどめるよう、消防
用設備の起動装置及び電動機、自動火災報知設備
の受信機、避難誘導灯、非常口表示灯などを火災
発生と同時に作動させ、かつ所定時間(例えば避
難に要する時間)継続して確実に作動させ得るこ
とが最小限要求される。 このためには上記諸設備に用いられる特に耐火
電線に対しては、上記大型建造物などにおける激
しい火災時の高熱雰囲気下で所望の特性を維持し
続けるものであることが必要である。 具体的に例えば消防庁では、この種の耐火電線
に対して厳しい耐火基準を設けこれに合格するこ
とを法制化している。即ちTIS A 1302に定め
る屋内火災温度曲線に準じた耐火炉内に、電線を
露出又は電線管挿入下に置き30分間加熱を行い、
その直後に直流500V印加時の絶縁抵抗が0.4MΩ
以上、又加熱直後線間に1500V交流電圧印加時に
1分間耐えること、更に電線延焼長さが炉内壁よ
り150mm以内にとどまることなどである。 一般にこの種の目的に使用される耐火電線は、
導体上に、耐火絶縁層(例えばマイカ粉末、マイ
カ微鱗片などの無機物と、ガラス、アスベストあ
るいはプラスチツクなどの支持体とからなるも
の、あるいはこれらとシリコンゴム層などを組合
せたものなど)とポリオレフインからなる合成樹
脂絶縁層とをこの順に形成して絶縁コアーとな
し、この絶縁コアーの所望数を必要に応じて介在
物を用いて撚合せたのちこの上に軟質ポリ塩化ビ
ニル、難燃性ポリエチレンなど難燃性プラスチツ
クによるシース層を設けたものを基本構造として
いる。 この耐火電線構造は、常時使用時の絶縁特性を
上記ポリオレフイン絶縁層で保持し、非常時(火
災時)における絶縁特性を耐火絶縁層で維持し、
更に火災時における該電線を媒介としての火焔伝
ぱんによる延焼は、高度に難燃化された上記難燃
性プラスチツクシース層によりこれを可及的少な
くするように設定されているのである。 しかしかかる耐火電線では一般に絶縁線芯の合
成樹脂絶縁層ならびに介在物は全く難燃化処理が
なされていないか、あるいはシース層に比べてか
なり軽度に難燃化が行われるのにとどめられる。
そして前者は特にポリエチレン、又後者は、ポリ
プロピレン割繊維などが用いられるのが普通であ
る。従つてこのような耐火電線を上述の消防庁の
定める厳しい耐火試験に供すると、強力な火災に
よつて先づシース層が破壊され、その後の電線の
延焼は絶縁層の合成樹脂あるいは介在物の燃焼が
先行し、又導体からの熱伝導によつてシース層よ
り絶縁層の温度が高くなり溶融熱分解などを起
し、この結果、延焼境界部において前記シース層
の破壊部を益々熱変形させラツパ状に開口させる
に至る。 そしてこのラツパ状開口を伝つて絶縁層が溶融
滴下しながら燃焼し、次いでラツパ状になつたシ
ース層の開口周辺が溶融垂下、燃焼落下のくり返
しを行うなどの非常に特異な燃焼挙動が認められ
るのである。 ところでこのシース層として軟質ポリ塩化ビニ
ルを使用したものは、該軟質ポリ塩化ビニルが燃
焼時に炭化物を生成する傾向が強く、これが不燃
層となつて上述した特異な燃焼挙動が起りにくく
結局耐火電線としての特性が優れて居り広く用い
られていることは良く知られている。しかし反面
この軟質ポリ塩化ビニルは、一定の分解温度以上
の温度にさらされると、先づ塩化水素の離脱から
熱分解が始まる分解特性があり、しかも主成分で
あるポリ塩化ビニルは分子構造上理論的に581
mg/gと多量の塩化水素を含有しているため、火
災発生時の高温下では、発生した多量の塩素ガス
が周辺機器を腐蝕するばかりでなく、人体に有害
であるなどの問題を生じ、更に高温下でイオン化
した塩化水素ガスが耐火電線の耐火絶縁層に侵入
して耐火電線の本来の絶縁性能を低下させる等の
問題も生ずるのである。 この問題に対しては、比較的高価な耐火絶縁層
の厚さを増したり、シース材料中に軟質炭酸カル
シウム等の塩化水素トラツプ剤を50〜100重量部
と比較的多量に配合する方法も行われている。し
かしこの方法は経済的な損失ばかりでなくシース
材即ち軟質ポリ塩化ビニル自身の本来有する優れ
た耐油性及び抗張力等の機械的特性等の諸特性を
大きく犠性にせざるを得ないのである。一方ポリ
オレフインにハロゲン系難燃剤を混入して難燃化
したもの及びポリオレフインに水和アルミナ等の
含水無機化合物を配合して難燃化したものをシー
ス層に用いた耐火電線もある。 これらの耐火電線は前者の例でも一般にハロゲ
ン含量がポリ塩化ビニルに比べて少なく、又後者
はそれを含まないので上述した火災時のハロゲン
ガス発生による各種の問題は軽減されるか又は殆
んど一掃される。 しかしかかる耐火電線により上述した厳しい耐
火基準に合格させるためには、上記したハロゲン
系難燃剤又は含水無機化合物のポリオレフインへ
の混入量は相当増量しなければならないのが実情
であり、上述と同様にポリオレフイン樹脂の本来
の優れた機械的諸特性をこの場合にも大きく犠性
にせざるを得ない状況にある。 ここに考案者等はかかる耐火電線に関する問題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、耐火電線シ
ース層上に、該耐火電線が火焔にさらされた時に
シース層が前記したラツパ状開口を呈するのを抑
え、かつそれ自身も難燃性を有するような樹脂を
被覆することが驚くほどの効果を示すことを見出
しこの考案を完成したのである。 即ちこの考案は、導体上に、耐火絶縁層および
ポリオレフイン絶縁層をこの順に形成した絶縁コ
アーの所望数上に難燃性ポリオレフイン系樹脂に
よるシース層を被覆形成してなる耐火電線におい
て、更に該シース上に、酸素指数22以上、105℃
における引張弾性率が5〜102Kg/cm2以上である
難燃耐熱性樹脂層を0.05mmを超える厚さで被覆し
たことを特徴とする耐火電線である。 この考案により上述の耐火性が著しく向上する
理由は次のように考えられる。 即ち高層建築物の火災などにおける強力な火災
にさらされた耐火電線が、特異な燃焼挙動、具体
的にはそのシース層がラツパ状に開きこれが燃焼
による耐火性を著しく減じてしまうのであるが、
この場合この考案で限定したように酸素指数が22
以上、105℃における引張弾性率が5×102Kg/cm2
以上であれば、高温で優れた機械特性を示しかつ
それ自身も難燃性を有する樹脂層をシース上に比
較的薄く被覆することにより上記ラツパ状の開き
を有効に防止するのである。 即ち酸素指数が22以上になることが必要でこれ
以下では本考の効果が得られない。又上記105℃
における引張り弾性率が5×102Kg/cm2未満では
例えばシース層のラツパ状の開きが抑え得らいの
で不適当である。更にこれらのシース層上への被
覆厚さを0.05mm以上に限定した理由は、これ以下
では本考案の所期の効果が得られないことによる
ものである。又この厚さは上限は特に限定されな
いがその加工性及び経済性などから0.08〜0.2mm
であることが望ましい。 上記の酸素指数とは、JIS K7201,1976に定義
されているもので、所定の条件下で試験材料が燃
焼を持続するのに必要な最低酸素濃度の数値で示
される。 又上述の105℃における引張弾性率とは、例え
ばプラスチツクエージ社発行(昭和46年)“実用
プラスチツク用語辞典”にも記されている如き特
性で、別名縦弾性率又はヤング率とも云う。これ
は供試料の比例限度内の単純な垂直応力δとその
方向に生ずる垂直歪εとの比E=δ/εで表わさ
れ、ここでEは、式 E(引張り弾性率,Kg/cm2)=W・L/A・Δ 式中 W:弾性限界内の荷重(Kg) L:試験前の標線間距離(cm) A:試験片の断面積(cm2) Δ:荷重Wにおける標線間伸び(cm) で示されるものである。多くの有機材料では上歪
範囲が明確でないこともあり、この考案では便宜
的にΔがLの1%に相当する引張り応力から弾
性率で表わした。この考案において、シース層上
に被覆する上述の酸素指数22以上、105℃におけ
る引張り弾性率5×102Kg/cm2以上である難燃性
耐熱性樹脂とは、後記の難燃剤で難燃化されかつ
架橋などの適切な手段でかかる特性を付与された
ものを意味する。 このための樹脂として用いられるものは、例え
ば難燃化されたポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリアミド(ナイロン)、ポリフエ
ニレンサルフアイド、ポリサルフオン、ポリエー
テルサルフオン、エチレン四弗化エチレンコポリ
マー(ETFE)、ポリ二弗化ビニリデン
(PVF2)、高強度架橋ポリ塩化ビニルなどがあ
る。 そして上述の如くこれを難燃化するためには、
難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤、硼酸系難燃
剤、燐系難燃剤、シリコン系難燃剤、などを用い
るかあるいはこれらに三酸化アンチモンなどの難
燃助剤の併用、更に水酸化アルミニウム、水酸化
マグネシウムなどの水和金属酸化物の添加などに
より達成され、上記難燃剤の2以上の組合せ使用
なども適宜行ない得る。 次にこの考案における導体上に形成される耐火
絶縁層、ポリオレフイン絶縁層及びシース層に用
いられる諸材料には特に限定はなく、従来広く用
いられている各種のものが殆んど例外なしに用い
られる。 この考案は以上の記載及び後記実施例から明ら
かなように、耐火電線が強力な火災にさらされた
際の苛酷な高温条件下での上述したシース層がラ
ツパ状に開くことによる特異な燃焼挙動を、高温
度下での高い機械特性及び所望の難燃性を有する
樹脂層をシース層に施すことによりこれを適切に
防止し驚くほどの耐火特性を示したものであり、
その安全性に寄与し得る効果が大きく工業上の利
用価値は極めて高い。 以下実施例によりこの考案を具体的に説明す
る。 実施例1〜5,比較例1〜6 図に示す如く、断面積38mm2の軟銅撚線1上に、
厚さ0.13mmのガラスマイカテープを1/2ラツパ巻
きにて重ね巻きして0.5mm厚の耐火層2を形成さ
せ、更にその上に密度0.92メルトインデツクス
1.0の低密度ポリエチレンを1.2mm厚に押出被覆し
て絶縁層3を形成してなる線芯4の3本をポリプ
ロピレン割繊維を介在5として撚合せ、ナイロン
テープ6に押え巻きし、更にその上に表1組成の
シース7を施し、その外周に同表1の組成による
樹脂層8を被覆した。 得られた耐火電線について耐火特性を調べ結果
を同表に示した。
【表】
【表】 但し上表中、実施例4の樹脂層は5Mrad放射線
照射により架橋させてある。 又同表中加熱中とは、JIS A1304の火災温度曲
線に沿つて30分加熱した840℃を意味し、又合格
とは下記に合格することを意味し、
【表】
【表】 又延焼性は炉内壁より外部へ延焼した距離を示
し、加熱中、加熱後とも左右壁より150mm以上延
焼しないこととされている。上表1の結果を判断
すると、本考案、即ち実施例品は電線の耐火性、
機械特性等がバランス良く保持されているのに対
し、シース外層に本考案の如き樹脂層を有しない
比較例1及び2は特に延焼性が劣り、このために
シース層に水酸化アルミニウムを多量に含有させ
た比較例6は延焼性は向上するが該シース層の機
械特性が低下しバランスを失つてしまうことが判
る。又比較例3は、シース外層の樹脂層の酸素指
数が低いことから延焼性が低下し、又比較例4,
5と同様に引張り弾性率が小さいことにより本考
案に比しその特性が低下していることが明らかで
ある。 実施例6,比較例7〜9 実施例1の準じ、断面積38mm2の軟銅撚線上に厚
さ0.1mmのポリエチレンマイカテープを1/2ラツパ
巻きにて重ね巻きして0.7mm厚の耐火層を形成さ
せ、その上に密度0.92、メルトインデツクス1.0
の低密度ポリエチレンを1.2mm厚に押出被覆して
絶縁層を形成した線芯3本も、ポリプロピレン割
繊維を介在させて撚り合せ、その上をナイロンテ
ープにて押え巻きし、更にその上に表2組成のシ
ース及び同表樹脂層をこの順の被覆した。得られ
た耐火電線について耐火特性を調べ結果を同表に
示した。
【表】 表2の結果によれば、実施例6が耐火電線とし
てバランスのとれた諸特性を示すのに対し、シー
スに樹脂層を施さない比較例7,8は延焼性、又
比較例9は絶縁抵抗が劣るなど耐火特性のバラン
スが保持されていないことが明らかである。
【図面の簡単な説明】
図面は本考案耐火電線の一例の断面図である。 1……導体、2……耐火層、3……絶縁層、4
……線芯、7……シース層、8……樹脂層。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 導体上に、耐火絶縁層およびポリオレフイン絶
    縁層をこの順に形成した所望数の絶縁コアー上に
    難燃性ポリオレフイン系樹脂によるシース層を被
    覆形成してなる耐火電線において、更に該シース
    上に、酸素指数22以上、105℃における引張弾性
    率が5×102Kg/cm2以上である難燃耐熱性樹脂層
    を0.05mmを超える厚さで被覆したことを特徴とす
    る耐火電線。
JP1596980U 1980-02-13 1980-02-13 Expired JPS6137135Y2 (ja)

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JPS56119212U JPS56119212U (ja) 1981-09-11
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