JP2002008456A - 耐火電線 - Google Patents

耐火電線

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JP2002008456A
JP2002008456A JP2000187056A JP2000187056A JP2002008456A JP 2002008456 A JP2002008456 A JP 2002008456A JP 2000187056 A JP2000187056 A JP 2000187056A JP 2000187056 A JP2000187056 A JP 2000187056A JP 2002008456 A JP2002008456 A JP 2002008456A
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resistant
tape
electric wire
refractory
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JP2000187056A
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English (en)
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Shigeru Suhara
茂 須原
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Yazaki Corp
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Yazaki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐火テープの重ね合わせ部分が開いてしまう
のを抑制するとともに、導電性燃焼生成物の進入を阻止
して、安定した耐火性能を有する耐火電線を提供する。 【解決手段】 耐火電線11は、導体12の上に600
〜800℃で溶融しガラス状化する無機粉末を塗布した
耐火テープ16を巻き付けて耐火層13を形成し、その
耐火層13の上に絶縁体14を被覆しさらにシース15
を被覆してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、火災等によって高
熱や火炎に晒されても長時間の使用に耐え得る合成樹脂
製の耐火電線に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、劇場、デパート等多数の人が集
合する場所においては、火災等が発生した場合、場内の
人を安全に非常口に案内するために、非常口案内灯など
の避難誘導灯などを避難が完了する程度の一定の時間、
点灯させておくことが要求されている。そこで耐火対象
物等における消火設備、警報設備、避難設備の配線に用
いられる耐火電線に関しては、社団法人日本電線工業会
が自主的に独自の耐火電線等に関する認定基準を設け、
その性能、構造および材料等の品質の確保を図ってい
る。尚、本明細書において耐火電線という場合は、平成
9年消防庁告示第10号で規定された耐火性能を有する
ケーブルの総称を指すものとする。
【0003】この耐火電線は、図6(a)及び図6
(b)に示される如くの構成を有している。すなわち、
耐火電線1は、導体2の外周に、図7に示される厚さ
0.09〜0.15mmからなる軟質天然集成マイカ
(金雲母)3と、厚さ0.015〜0.030mmのポ
リエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のフィ
ルム又はガラスクロスからなる裏打材4とを貼り合わせ
てなる耐火テープ(集成マイカテープ)5を1/2〜1
/10ラップ又は縦添えにより複数枚、例えば1〜3枚
必要に応じて巻き付けて耐火層6を形成し、その外周を
ポリエチレンからなる絶縁体7を押出し被覆して、その
上にさらにシース8を被覆することにより形成されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記耐火電線1は、消
防庁告示第11号によって定められた耐火認定基準84
0℃以上の高温において、絶縁特性・耐電圧特性を満足
させるため、一般的に耐火テープ5を1〜3枚、1/2
〜1/10ラップして巻き付けるか、又は耐火テープ5
を縦添えで巻き付けて耐火層6を形成するようになって
いる。しかしながら、この方法で耐火層6を形成し耐火
試験を行ってみると、耐火テープ5の重ね合わせ部分に
導電性燃焼生成物が進入し、耐火性能が低下してしまう
恐れがあるのが分かった。すなわち、導電性燃焼生成物
が進入できる間隙が耐火テープ5の重ね合わせ部分に生
じてしまうからである。この対策として、酸素発生化合
物を使用し不完全燃焼による導電性燃焼生成物の発生を
抑制する方法が種々提案されているが、例えば過マンガ
ン酸カリウムやリサージ等の、使用する酸素発生化合物
によっては、重金属を含有するため環境上好ましくない
とか、必要酸量を確保するために多量の酸素発生化合物
を添加することで加工性が低下してしまうとか、製造原
価が増加してしまうとか等の諸問題が生じていた。
【0005】本発明の目的は、耐火テープの重ね合わせ
部分が開いてしまうのを抑制するとともに、導電性燃焼
生成物の進入を阻止して、安定した耐火性能を有する耐
火電線を提供することにある。また、酸素発生化合物に
よる環境上の問題点や加工性の低下、製造原価の増加等
の諸問題を解消することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係る耐火電線は、導体の上に耐火層を形成し、その耐火
層の上に絶縁体を被覆しさらにシースを被覆してなる耐
火電線であって、前記耐火層は、600〜800℃で溶
融しガラス状化する無機粉末を塗布した耐火テープの巻
き付けにより形成されるものである。無機粉末は、耐火
特性評価(JIS A 1304に規定される火災温度
曲線にしたがって30分加熱)を実施した際に、シース
や絶縁体が燃焼し、耐火テープが露出するのが加熱開始
後10分目以降であることから、その温度領域、すなわ
ち600〜800℃で溶融してガラス状化し、耐火テー
プの重ね合わせ部分を塞ぐ(密着させる)ように作用す
る無機粉末が選定される。このように本願請求項1に記
載の発明による耐火電線は、導体の上に600〜800
℃で溶融しガラス状化する無機粉末を塗布した耐火テー
プを巻き付けて耐火層を形成し、その耐火層の上に絶縁
体を被覆しさらにシースを被覆してなる。ここで耐火テ
ープの巻き付けとは、耐火テープをラップさせて巻き付
けるか、又は耐火テープを縦添えで巻き付けることをい
う。また、ここで塗布には吹き付けも含まれるものとす
る。このように構成するものであるから、本願請求項1
に記載の発明によると、耐火テープの重ね合わせ部分が
開いてしまうのを抑制するとともに、導電性燃焼生成物
の進入を阻止することができる。そしてこのことによ
り、安定した耐火性能を有することができる。また、本
願請求項1に記載の発明によると、酸素発生化合物を使
用しないことから、酸素発生化合物による環境上の問題
点や加工性の低下、製造原価の増加等の諸問題を解消す
ることができる。
【0007】請求項2記載の発明に係る耐火電線は、導
体の上に耐火テープを二層以上巻き付けて耐火層を形成
し、その耐火層の上に絶縁体を被覆しさらにシースを被
覆してなる耐火電線であって、最外層に位置する前記耐
火テープは、600〜800℃で溶融しガラス状化する
無機粉末が塗布されるものである。無機粉末は、請求項
1記載の発明同様、耐火特性評価(JIS A 130
4に規定される火災温度曲線にしたがって30分加熱)
を実施した際に、シースや絶縁体が燃焼し、耐火テープ
が露出するのが加熱開始後10分目以降であることか
ら、その温度領域、すなわち600〜800℃で溶融し
てガラス状化し、耐火テープの重ね合わせ部分を塞ぐ
(密着させる)ように作用する無機粉末が選定される。
ここで上記無機粉末を塗布するのが最外層に位置する耐
火テープであるのは、耐火テープの重ね合わせ部分に開
きが生じるのが最外層であるからである。
【0008】このように本願請求項2に記載の発明によ
る耐火電線は、導体の上に耐火テープを二層以上巻き付
けて耐火層を形成し、その耐火層の上に絶縁体を被覆し
さらにシースを被覆してなる。また、耐火テープの最外
層には600〜800℃で溶融しガラス状化する無機粉
末が塗布される。ここで耐火テープの巻き付けとは、請
求項1記載の発明同様、耐火テープをラップさせて巻き
付けるか、又は耐火テープを縦添えで巻き付けることを
いう。また、ここで塗布には請求項1記載の発明同様、
吹き付けも含まれるものとする。このように構成するも
のであるから、本願請求項2に記載の発明によると、耐
火テープの重ね合わせ部分が開いてしまうのを抑制する
とともに、導電性燃焼生成物の進入を阻止することがで
きる。そしてこのことにより、安定した耐火性能を有す
ることができる。また、本願請求項2に記載の発明によ
ると、酸素発生化合物を使用しないことから、酸素発生
化合物による環境上の問題点や加工性の低下、製造原価
の増加等の諸問題を解消することができる。
【0009】請求項3記載の発明に係る耐火電線は、前
記無機粉末の塗布厚さを、0.05〜1.00mmにし
たものである。ここで、このような厚さにしたのは、実
用面を考慮したからである。すなわち、その機能上、塗
布厚さを0.05mm以上(できれば0.1mm以
上)、0.50mm以下(できれば0.30mm以
下)、厚くても1.00mm程度とするのが妥当であ
る。このように構成するものであるから、本願請求項3
に記載の発明によると、耐火テープの巻き付けを安定さ
せることができる。そしてこのことにより、一層安定し
た耐火性能を有することができる。
【0010】請求項4記載の発明に係る耐火電線は、前
記無機粉末を、少なくとも前記絶縁体側となる面に塗布
したものである。このように構成するものであるから、
本願請求項4に記載の発明によると、耐火テープの重ね
合わせ部分が開いてしまうのを抑制することができる。
そして、耐火テープの両面に無機粉末を塗布した場合に
は、効果的に耐火テープの重ね合わせ部分の開きを抑制
することができる。
【0011】請求項5記載の発明に係る耐火電線は、導
体の上に耐火テープとしてのフィルムマイカテープを巻
き付けて耐火層を形成し、その耐火層の上に絶縁体を被
覆しさらにシースを被覆してなる耐火電線であって、前
記フィルムマイカテープは、600〜800℃で溶融し
ガラス状化する無機粉末を練り込んだフィルムにマイカ
を貼付してなるものである。無機粉末は、請求項1記載
の発明同様、耐火特性評価(JIS A 1304に規
定される火災温度曲線にしたがって30分加熱)を実施
した際に、シースや絶縁体が燃焼し、耐火テープが露出
するのが加熱開始後10分目以降であることから、その
温度領域、すなわち600〜800℃で溶融してガラス
状化し、耐火テープの重ね合わせ部分を塞ぐ(密着させ
る)ように作用する無機粉末が選定される。このように
本願請求項5に記載の発明による耐火電線は、導体の上
に耐火テープとしてのフィルムマイカテープを巻き付け
て耐火層を形成し、その耐火層の上に絶縁体を被覆しさ
らにシースを被覆してなる。また、フィルムマイカテー
プは、600〜800℃で溶融しガラス状化する無機粉
末を練り込んだフィルムにマイカを貼付(集積)してな
る。ここでフィルムマイカテープの巻き付けとは、フィ
ルムマイカテープをラップさせて巻き付けるか、又はフ
ィルムマイカテープを縦添えで巻き付けることをいう。
このように構成するものであるから、本願請求項5に記
載の発明によると、耐火テープの重ね合わせ部分が開い
てしまうのを抑制するとともに、導電性燃焼生成物の進
入を阻止することができる。そしてこのことにより、安
定した耐火性能を有することができる。また、本願請求
項5に記載の発明によると、酸素発生化合物を使用しな
いことから、酸素発生化合物による環境上の問題点や加
工性の低下、製造原価の増加等の諸問題を解消すること
ができる。
【0012】請求項6記載の発明に係る耐火電線は、こ
の発明における前記無機粉末を、四ホウ酸ナトリウムと
したものである。ここで無機粉末を、四ホウ酸ナトリウ
ムとしたがその無水物の方がなお好ましい。このように
構成するものであるから、本願請求項6に記載の発明に
よると、安定した耐火性能を有する耐火電線を容易に提
供することができる。また、環境上の問題点や加工性の
低下、製造原価の増加等の諸問題を解消する耐火電線を
容易に提供することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態に
ついて説明する。図1には、本発明に係る耐火電線の一
実施の形態が示されている。図1(a)及び図1(b)
において、引用符号11で示される耐火電線は、導体1
2と耐火層13と絶縁体14とシース15とを中心から
順に備えて構成されている。導体12は、銅又は銅合金
から成り線状に形成されている。また、本形態において
導体12は、従来例で説明した導体2と同一に構成され
ている。耐火層13は、導体12の上、すなわち表面を
覆うように形成されており、その上には絶縁体14が被
覆されている。そして絶縁体14の上には、シース15
が被覆されている。絶縁体14及びシース15は、上記
導体12と同様、本形態において従来例で説明した絶縁
体7及びシース8と同一に構成されている。
【0014】上記耐火層13をもう少し詳しく説明する
と、その耐火層13は、図2に示される如く、耐火テー
プ(集成マイカテープ)16の巻き付けにより形成され
ている。すなわち、耐火層13はテープ層で構成されて
おり、耐火テープ16を1/4ラップ又は縦添えにより
例えば1〜3枚重ね巻き付けて形成されている。その耐
火テープ16は、図3に示されるような軟質天然集成マ
イカ(金雲母)17とフィルム(裏打材)18とを備
え、かつ、無機粉末19を塗布したものが用いられてい
る。或いは、図4に示されるような軟質天然集成マイカ
(金雲母)17とガラスクロス(裏打材)20とを備
え、かつ、無機粉末19を塗布したものが用いられてい
る。耐火層13について言い換えれば、無機粉末19を
塗布した耐火テープ16により構成されていることにな
る。
【0015】尚、本形態において、軟質天然集成マイカ
(金雲母)17の厚さは、0.09〜0.15mmであ
る。また、フィルム(裏打材)18はポリエチレン(P
E)、ポリプロピレン(PP)等から成り、その厚さは
0.015〜0.030mmである。軟質天然集成マイ
カ(金雲母)17とフィルム(裏打材)18は、耐火テ
ープ16(図3参照)を構成するために貼り合わせられ
ている。さらに、ガラスクロス(裏打材)20はガラス
繊維等を貼り合わせてクロス状にしたものから成り、そ
の厚さは0.015〜0.030mmである。軟質天然
集成マイカ(金雲母)17とガラスクロス(裏打材)2
0は、耐火テープ16(図4参照)を構成するために貼
り合わせられている。
【0016】無機粉末19は、600〜800℃で溶融
しガラス状化する性質を有している。その選定に当たっ
ては、耐火特性評価(JIS A 1304に規定され
る火災温度曲線にしたがって30分加熱)を実施した際
に、シース15や絶縁体14が燃焼し、耐火テープ16
が露出するのが加熱開始後10分目以降であることか
ら、その温度領域、すなわち600〜800℃で溶融し
てガラス状化し、耐火テープ16の重ね合わせ部分を塞
ぐ(密着させる)ように作用するものが選定されるもの
とする。本形態では耐火電線用であることから、四ホウ
酸ナトリウムが好ましく、その無水物であればなお好ま
しい。
【0017】ここで無機粉末19を塗布する方法を説明
すると、その無機粉末19を適当な溶媒(例えば水,
水、エタノール混合液)に溶融し耐火テープ16の表面
(フィルム18やガラスクロス20の絶縁体14側の片
面、又は両面)に塗布又は吹き付けることが効果的であ
るが、図3に示されるようなフィルムマイカテープの場
合には、無機粉末19をフィルム(裏打材)18に練り
込む(無機粉末19を練り込んだフィルム18に軟質天
然集成マイカ17を貼付(集積)する)という方法もあ
り、特に限定されるものではない。そして、本形態にお
いて、無機粉末19の塗布厚さは0.05〜1.00m
mに設定されている。このような範囲内に厚さを設定し
たのは、実用面を考慮したからであり、その機能上、塗
布厚さを0.05mm以上(できれば0.1mm以
上)、0.50mm以下(できれば0.30mm以
下)、厚くても1.00mm程度にすることが妥当であ
ると考える。これにより、耐火テープ16の巻き付けが
安定し、安定した耐火性能を有することができるように
なる。尚、無機粉末19の塗布を最外層に位置する耐火
テープ16のみにしてもよいものとする。
【0018】以上説明したように、耐火電線11は、導
体12の上に600〜800℃で溶融しガラス状化する
無機粉末19を塗布した(或いは、無機粉末19をフィ
ルム18に練り込んだ)耐火テープ16を巻き付けて耐
火層13を形成し、その耐火層13の上に絶縁体14を
被覆しさらにシース15を被覆して構成されていること
から、耐火試験の際、耐火テープ16の重ね合わせ部分
が開いてしまうことはない。これにより、導電性燃焼生
成物の進入が阻止され、耐火電線11は安定した耐火性
能を有することができるようになる。また、酸素発生化
合物を使用していないことから、酸素発生化合物による
環境上の問題点や加工性の低下、製造原価の増加等の諸
問題を解消することができるようになる。
【0019】
【実施例】以上のような構成を有する耐火電線11の耐
火層13の具体的実施例について従来例及び比較例と比
較して以下に説明する。 〈実施例1〉実施例1は、軟質天然集成マイカ(金雲
母)17とフィルム(裏打材)18とを備えた耐火テー
プ(フィルムマイカテープ)16に無機粉末19を塗布
して、その耐火テープ16を導体12に重ね巻きし耐火
層13を形成した耐火電線11である。
【0020】〈実施例2〉実施例2は、実施例1と同様
に、軟質天然集成マイカ(金雲母)17とフィルム(裏
打材)18とを備えた耐火テープ(フィルムマイカテー
プ)16に無機粉末19を塗布して、その耐火テープ1
6を導体12に縦添えにより巻き付け耐火層13を形成
した耐火電線11である。
【0021】〈実施例3〉実施例3は、軟質天然集成マ
イカ(金雲母)17とガラスクロス(裏打材)20とを
備えた耐火テープ(ガラスマイカテープ)16に無機粉
末19を塗布して、その耐火テープ16を導体12に縦
添えにより巻き付け耐火層13を形成した耐火電線11
である。
【0022】〈従来例1〉従来例1は、導体2と、軟質
天然集成マイカ(金雲母)3及び裏打材(フィルム)4
から成る耐火テープ(フィルムマイカテープ)5により
形成(重ね巻き)される耐火層6と、絶縁体7と、シー
ス8とで構成された耐火電線1である(図6(a)及び
図6(b)参照)。
【0023】〈従来例2〉従来例2は、従来例1と同
様、導体2と、軟質天然集成マイカ(金雲母)3及び裏
打材(フィルム)4から成る耐火テープ(フィルムマイ
カテープ)5により形成(縦添え)される耐火層6と、
絶縁体7と、シース8とで構成した耐火電線1である
(図6(a)及び図6(b)参照)。
【0024】〈比較例〉比較例は、図5(a)及び図5
(b)に示される如く、導体12と、耐火層6(耐火テ
ープ(ガラスマイカテープ)5により形成され、無機粉
末19の塗布はない)と、酸素発生化合物練り込み層2
1と、絶縁体14と、シース15とを中心から順に備え
て構成した耐火電線22である。
【0025】表1は、上記実施例1〜3と、従来例1、
2と、比較例とのそれぞれについて、耐火性能、耐火層
重ね部分の開き(耐火層における耐火テープの重ね合せ
部分の開き)、環境負荷影響、製造コストを比較した結
果である。
【0026】
【表1】 表1における耐火性能は、JIS A 1304 火災
温度曲線に従って、30分加熱(試験方法:JCMA試
第1010号準拠)した時の結果を示したものである。
そして、その試験に合格となる場合には『○』、基本的
に試験に合格するが、線心数・サイズ、その他の条件に
より試験に不合格となる可能性がある(性能が不安定で
ある)場合には『△』の評価をするものとした。尚、表
1を見てもわかるように、試験に不合格となる『×』の
結果はなかった。
【0027】表1における耐火層重ね部分の開きは、上
記試験の際、耐火層13(6)における耐火テープ16
(5)の重ね合せ部分の開きの有無を見たものである。
そして、重ね合せ部分が密着している場合には、開きが
無いものとする『無』の評価をするものとした。また、
重ね合せ部分に開きが生じてしまう場合には『有』の評
価をするものとした。
【0028】表1における環境負荷影響は、燃焼により
環境に与える影響度合いを判断するためのものである。
ここではマンガンや鉛などの重金属を含有する場合、環
境に与える影響を『中』として評価した。また、重金属
を含有しない場合には、環境に与える影響を『小』の評
価にすることにした(環境負荷影響が全くないと言い切
れるものではないため)。尚、耐火電線11(1、2
2)では考え難いが、構成材料中にカドミウムや六価ク
ロム、アスベスト、フロン、その他の毒・劇物等が含有
する場合には『大』の評価がなされるものとする。
【0029】表1における製造コストは、従来例1の製
造コストを100とした場合の相対比較値(例)であ
る。
【0030】以上、表1の結果から実施例1〜3は、い
ずれも耐火性能、耐火層重ね部分の開き、環境負荷影
響、製造コストの全てについて良好な結果を得ることが
できた。これに対し、従来例1、2は、いずれも耐火性
能及び耐火層重ね部分の開きについて十分な結果が得ら
れなかった。また、比較例では耐火層重ね部分の開き、
環境負荷影響及び製造コストについて十分な結果が得ら
れなかった。
【0031】実施例1〜3は、いずれも耐火テープ16
の重ね合わせ部分の開きを抑制することができる。そし
て、例えば火災等によって高熱や火炎に晒されても導電
性燃焼生成物が耐火テープ16の重ね合わせ部分を介し
て進入することはない。従って、実施例1〜3は、いず
れも安定した耐火性能を有する。
【0032】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。請
求項1、2又は5に記載の発明によれば、それぞれ耐火
テープの重ね合わせ部分が開いてしまうのを抑制すると
ともに、導電性燃焼生成物の進入を阻止することができ
る。そしてこのことにより、安定した耐火性能を有する
耐火電線を提供することができる。また、上記それぞれ
の発明によると、酸素発生化合物を使用しないことか
ら、酸素発生化合物による環境上の問題点や加工性の低
下、製造原価の増加等の諸問題を解消する耐火電線を提
供することができる。
【0033】請求項3に記載の発明によれば、耐火テー
プの巻き付けを安定させることができる。そしてこのこ
とにより、一層安定した耐火性能を有する耐火電線を提
供することができる。
【0034】請求項4に記載の発明によれば、耐火テー
プの重ね合わせ部分が開いてしまうのを抑制することが
できる。そして、耐火テープの両面に無機粉末を塗布し
た場合には、耐火テープの重ね合わせ部分が開いてしま
うのを効果的に抑制することができる。
【0035】請求項6に記載の発明によれば、安定した
耐火性能を有する耐火電線を容易に提供することができ
る。また、環境上の問題点や加工性の低下、製造原価の
増加等の諸問題を解消する耐火電線を容易に提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る耐火電線の実施の形態を示してお
り、(a)は耐火電線の斜視図、(b)は耐火電線の断
面図である。
【図2】図1に示す耐火層を導体に形成する状態を示す
説明図である。
【図3】図2に示す耐火層を構成する耐火テープの断面
図である。
【図4】図2に示す耐火層を構成する別な耐火テープの
断面図である。
【図5】本発明に係る耐火電線を比較するための比較例
であり、(a)はその斜視図、(b)は断面図である。
【図6】従来の耐火電線を示しており、(a)はその斜
視図、(b)は断面図である。
【図7】図6に示す従来の耐火層を構成する耐火テープ
の断面図である。
【符号の説明】
11……………………………耐火電線 12……………………………導体 13……………………………耐火層 14……………………………絶縁体 15……………………………シース 16……………………………耐火テープ 17……………………………軟質天然集成マイカ 18……………………………フィルム 19……………………………無機粉末 20……………………………ガラスクロス

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体の上に耐火層を形成し、その耐火層
    の上に絶縁体を被覆しさらにシースを被覆してなる耐火
    電線であって、 前記耐火層は、600〜800℃で溶融しガラス状化す
    る無機粉末を塗布した耐火テープの巻き付けにより形成
    されることを特徴とする耐火電線。
  2. 【請求項2】 導体の上に耐火テープを二層以上巻き付
    けて耐火層を形成し、その耐火層の上に絶縁体を被覆し
    さらにシースを被覆してなる耐火電線であって、 最外層に位置する前記耐火テープは、600〜800℃
    で溶融しガラス状化する無機粉末が塗布されることを特
    徴とする耐火電線。
  3. 【請求項3】 前記無機粉末の塗布厚さは、0.05〜
    1.00mmであることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の耐火電線。
  4. 【請求項4】 前記無機粉末は、少なくとも前記絶縁体
    側となる面に塗布されることを特徴とする請求項1ない
    し3いずれか記載の耐火電線。
  5. 【請求項5】 導体の上に耐火テープとしてのフィルム
    マイカテープを巻き付けて耐火層を形成し、その耐火層
    の上に絶縁体を被覆しさらにシースを被覆してなる耐火
    電線であって、 前記フィルムマイカテープは、600〜800℃で溶融
    しガラス状化する無機粉末を練り込んだフィルムにマイ
    カを貼付してなることを特徴とする耐火電線。
  6. 【請求項6】 前記無機粉末は、四ホウ酸ナトリウムで
    あることを特徴とする請求項1ないし5いずれか記載の
    耐火電線。
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