JP2002228649A - 有機ハロゲン化物の検出装置及び方法 - Google Patents

有機ハロゲン化物の検出装置及び方法

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JP2002228649A JP2001025129A JP2001025129A JP2002228649A JP 2002228649 A JP2002228649 A JP 2002228649A JP 2001025129 A JP2001025129 A JP 2001025129A JP 2001025129 A JP2001025129 A JP 2001025129A JP 2002228649 A JP2002228649 A JP 2002228649A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理設備又は環境中の例えばPCB、ダイオ
キシン類等の有機ハロゲン化物の検出装置を提供するこ
とを課題とする。 【解決手段】 採取ガス11を導入し、その先端が有機
溶媒12に差込まれてなる導入管13を備えてなり、採
取ガス中の有機ハロゲン化物を有機溶媒12に移行する
溶媒吸収手段14と、有機溶媒中の有機ハロゲン化物を
極性溶媒に移行する液液抽出手段15と、該液液抽出手
段15で極性溶媒中に移行した有機ハロゲン化物の濃縮
・精製を行なう固相抽出器16と、該固相抽出器16で
抽出した抽出液17を定容し、有機ハロゲン化物の定性
及び定量分析を行う検出手段18とを備えてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、処理設備又は環境
中の例えばPCB、ダイオキシン類等の有機ハロゲン化
物の検出装置及び方法に関する。
【0002】
【背景技術】近年では、PCB(Polychlorinated biph
enyl, ポリ塩化ビフェニル:ビフェニルの塩素化異性体
の総称)が強い毒性を有することから、その製造および
輸入が禁止されている。このPCBは、1954年頃か
ら国内で製造開始されたものの、カネミ油症事件をきっ
かけに生体・環境への悪影響が明らかになり、1972
年に行政指導により製造中止、回収の指示(保管の義
務)が出された経緯がある。
【0003】PCBは、ビフェニル骨格に塩素が1〜1
0個置換したものであり、置換塩素の数や位置によって
理論的に209種類の異性体が存在し、現在、市販のP
CB製品において約100種類以上の異性体が確認され
ている。また、この異性体間の物理・化学的性質や生体
内安定性および環境動体が多様であるため、PCBの化
学分析や環境汚染の様式を複雑にしているのが現状であ
る。さらに、PCBは、残留性有機汚染物質のひとつで
あって、環境中で分解されにくく、脂溶性で生物濃縮率
が高く、さらに半揮発性で大気経由の移動が可能である
という性質を持つ。また、水や生物など環境中に広く残
留することが報告されている。この結果、PCBは体内
で極めて安定であるので、体内に蓄積され慢性中毒(皮
膚障害、肝臓障害等)を引き起し、また発癌性、生殖・
発生毒性が認められている。
【0004】PCBは、従来からトランスやコンデンサ
などの絶縁油として広く使用されてきた経緯があるの
で、PCBを処理する必要があり、本出願人は先に、P
CBを無害化処理する水熱分解装置を提案した(特開平
11−253796号公報、特開2000−12658
8号公報他参照)。この水熱分解装置の概要の一例を図
4に示す。
【0005】図4に示すように、水熱分解装置120
は、サイクロンセパレータ121を併設した筒形状の一
次反応器122と、PCB、H2OおよびNaOHの処
理液123を加圧する加圧ポンプ124と、当該混合液
を予熱する予熱器125と、配管を巻いた構成の二次反
応器126と、冷却器127および減圧弁128とを備
えてなるものである。また、減圧弁127の下流には、
気液分離器129、活性炭槽130が配置されており、
排ガス(CO2 )131は煙突132から外部へ排出さ
れ、排水(H2 O,NaCl)133は別途、必要に応
じて排水処理される。また、処理液123となるPCB
の配管134には、H2OおよびNaOHがそれぞれ導
入される。また、酸素の配管135は、一次反応器12
5に対して直結している。
【0006】上記装置において、加圧ポンプ124によ
る加圧により一次反応器122内は、26MPaまで昇
圧される。また、予熱器125は、PCB、H2Oおよ
びNaOHの混合処理液123を300℃程度に予熱す
る。また、一次反応器122内には酸素が噴出してお
り、内部の反応熱により380℃〜400℃まで昇温す
る。サイクロンセパレータ121は、一次反応器122
内で析出したNa2CO3の結晶粒子の大きなものを分離
し、Na2CO3の微粒子を二次反応器126に送る。こ
のサイクロンセパレータ121の作用により、二次反応
器126の閉塞が防止される。この段階までに、PCB
は、脱塩素反応および酸化分解反応を起こし、NaC
l、CO2およびH2Oに分解されている。つぎに、冷却
器127では、二次反応器126からの流体を100℃
程度に冷却すると共に後段の減圧弁128にて大気圧ま
で減圧する。そして、気液分離器129によりCO2
よび水蒸気と処理水とが分離され、CO2および水蒸気
は、活性炭槽130を通過して環境中に排出される。
【0007】このような処理装置を用いてPCB含有容
器(例えばトランスやコンデンサ)等を処理すること
で、完全無害化がなされているが、さらにその施設内に
おけるPCB濃度の迅速監視が重要である。従来、ガス
サンプリングを行いPCBを液体に濃縮させ、その濃縮
液を分析する方法が採用されているが、この計測には数
時間から数十時間を要するため、迅速監視ができなかっ
た。
【0008】本発明は、上記問題に鑑み、ガス中のPC
B濃度を監視するに際し、迅速且つ高感度な分析が可能
な有機ハロゲン化物の検出装置及び方法を提供すること
を課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の第1の有機ハロゲン化物の検出装置の発明は、ガス
中の有機ハロゲン化物の濃度を検出する検出装置であっ
て、採取ガスを有機溶媒中に導入し、採取ガス中の有機
ハロゲン化物を有機溶媒に移行する溶媒吸収手段と、有
機溶媒中の有機ハロゲン化物を極性溶媒に移行する液液
抽出手段と、該極性溶媒を定容し、有機ハロゲン化物の
定性及び定量分析を行う検出手段とを備えてなることを
特徴とする。
【0010】第2の発明は、第1の発明において、上記
溶媒吸収手段と液液抽出手段とが一体化されてなること
を特徴とする。
【0011】第3の発明は、第1又は2の発明におい
て、上記有機溶媒がヘキサンであることを特徴とする。
【0012】第4の発明は、第1又は2の発明におい
て、上記極性溶媒がジメチルスルフォキシドであること
を特徴とする。
【0013】第5の発明は、第1の発明において、上記
極性溶媒中の有機ハロゲン化物を濃縮・精製する濃縮・
精製手段を設けたことを特徴とする。
【0014】第6の発明は、第1の発明において、上記
検出手段がガスクロマトグラフ−質量分析計又はガスク
ロマトグラフ−電子捕獲型検出器分析計のいずれかであ
ることを特徴とする。
【0015】第7の発明は、ガス中の有機ハロゲン化物
の濃度を検出する検出方法であって、採取ガスを有機溶
媒中に導入し、採取ガス中の有機ハロゲン化物を有機溶
媒に移行した後、有機溶媒中の有機ハロゲン化物を極性
溶媒に移行させ、該極性溶媒中の有機ハロゲン化物の定
性及び定量分析を行うことを特徴とする。
【0016】第8のPCB処理設備監視システムの発明
は、PCB処理設備の環境を監視するPCB処理設備監
視システムであって、PCB処理物を解体する解体設備
内のPCB濃度を計測する請求項1乃至6のいずれかの
有機ハロゲン化物の検出装置を備えてなることを特徴と
する。
【0017】第9の発明は、PCBが付着又は含有又は
保存されている被処理物を無害化するPCB処理設備の
環境を監視するPCB処理設備監視システムであって、
被処理物から有害物質を分離する第1の分離手段と、
被処理物を解体する解体手段とのいずれか一方又は両方
を有する前処理手段と、前処理手段において処理された
被処理物を構成する構成材から紙・木・樹脂等の有機物
と金属等の無機物とに分離する第2の分離手段と、前処
理手段で分離した有害物質を分解処理する有害物質分解
処理手段と、上記第1の分離手段、上記解体手段、上記
第2の分離手段又は有害物質分解処理手段から排出され
る排気ガス中のPCB濃度を計測する請求項1乃至6の
いずれかの有機ハロゲン化物の検出装置を備えてなるこ
とを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0019】[第1の実施の形態]図1は本実施の形態
にかかる有機ハロゲン化物の検出装置の概略図である。
図1に示すように、本実施の形態にかかる有機ハロゲン
化物の検出装置10は、ガス中の有機ハロゲン化物の濃
度を検出する検出装置であって、採取ガス11を導入
し、その先端が有機溶媒12に差込まれてなる導入管1
3を備えてなり、採取ガス中の有機ハロゲン化物を有機
溶媒12に移行する溶媒吸収手段14と、有機溶媒中の
有機ハロゲン化物を極性溶媒に移行する液液抽出手段1
5と、該液液抽出手段15で極性溶媒中に移行した有機
ハロゲン化物の濃縮・精製を行なう固相抽出器16と、
該固相抽出器16で抽出した抽出液17を定容し、有機
ハロゲン化物の定性及び定量分析を行う検出手段18と
を備えてなるものである。尚、図1中、符号19は外部
へのPCB排出を防止する活性炭吸着塔を各々図示す
る。
【0020】上記装置において、先ず図1に示すよう
に、排ガス処理設備からの採取ガス11を有機溶媒12
中にバブリングさせて、ガス11中の有機ハロゲン化物
を吸収させる。次に、有機溶媒12を液液抽出手段15
に導き、ここで極性溶媒中に有機ハロゲン化物を移行さ
せる。その後、固相抽出器16において濃縮・精製を行
い、該固相抽出器16で得られた濃縮液17を定容し、
検出手段18でPCB濃度を測定する。
【0021】上記検出手段18としては、ガスクロマト
グラフ−質量分析計(GC−MS)又はガスクロマトグ
ラフ−電子捕獲型検出器分析計(GC−ECD)等の分
析手段を挙げることができる。
【0022】上記溶媒吸収手段14で用いる有機ハロゲ
ン化物を溶出する有機溶媒12は目的の有機ハロゲン化
物のみを溶出する溶剤であれば特に限定されるものでは
ないが、例えばPCBの場合には、無極性溶剤(例えば
n−ヘキサン)を挙げることができる。
【0023】上記液液抽出手段15で用いる有機ハロゲ
ン化物を移行させる極性溶媒は、有機溶媒12と混じり
合わないものであり、例えばPCBの場合には、ジメチ
ルスルフォキシド(DMSO)を挙げることができる
が、これ以外にも例えば水又はN,N−ジメチルホルム
アミド等の極性溶媒を用いることができる。この液液抽
出手段は上記装置に限定されるものではなく、二層の溶
媒の内で極性溶媒のみを分離できるようなメンブランフ
ィルタや分液手段等により分離可能なものとしてもよ
い。
【0024】次に、この極性溶媒に移行した有機ハロゲ
ン化物の濃縮・精製手段の一例を図2に示す。
【0025】この濃縮・精製は、極性溶媒中の不純物の
除去を行なうと共に、目的の有機ハロゲン化物を濃縮さ
せるためであり、固相抽出器16を用いている。
【0026】以下に、上記固相抽出器16での抽出の一
例を図2を参照して説明する。
【0027】上記固相・吸着器は、図2(A)に示すよ
うに、抽出カラム41内に固相吸着材42が挿入されて
なるものであり、上記固相吸着材42はシリカゲル又は
アルミナから構成されている。
【0028】上記固相吸着材42に保持された有機ハロ
ゲン化物を溶出する溶出液45は目的の有機ハロゲン化
物のみを溶出する溶剤であれば特に限定されるものでは
ないが、例えばPCBの場合には、無極性溶剤(例えば
n−ヘキサン)を挙げることができる。
【0029】コンディショニング工程 再現性のよい結果を得るために、有機ハロゲン化物が移
行された極性溶媒40を供給する前に、固相吸着材42
に溶出液(n−ヘキサン等)45を供給して、なじませ
る(図2(A)参照)。 保持工程 次に、極性溶媒40をカラム41内に導入する(図2
(B)参照)。ここで、極性溶媒40中には目的物であ
るPCB43と、不純物X(不要なマトリックス)及び
不純物Y(その他のマトリックス中の成分)とが含まれ
ているとする。 洗浄工程 次に、固相吸着材42に保持された不純物Xを洗浄液
(例えばメチルアルーコール)44で洗い流す(図2
(C)参照)。 溶出工程 次に、固相吸着材42に保持された目的物であるPCB
43を溶出液(n−ヘキサン)45で溶出させる。この
溶出の際に、不純物Xは固相吸着材42中に残りPCB
43との分離がなされる(図2(D)参照)。上記溶出
液17を定容し、その後分析手段18で分析を行なう。
【0030】なお、本実施の形態では、有機ハロゲン化
物として、PCBを例にして説明したが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、工場や焼却炉からの排ガス
中の例えばダイオキシン類等の計測にも適用することが
できる。
【0031】[第2の実施の形態]図3は本実施の形態
にかかる他の有機ハロゲン化物の検出装置の概略図であ
る。第1の実施の形態における溶媒吸収手段と液液抽出
手段とを一体化させた実施の形態である。
【0032】図3に示すように、本実施の形態にかかる
有機ハロゲン化物の検出装置10は、ガス中の有機ハロ
ゲン化物の濃度を検出する検出装置であって、採取ガス
11を導入し、その先端が有機溶媒12に差込まれてな
る導入管13を備えてなり、採取ガス中の有機ハロゲン
化物を有機溶媒12に吸収させると共に、吸収した有機
ハロゲン化物を極性溶媒31に移行する溶媒吸収・抽出
手段32と、該溶媒吸収・抽出手段32で極性溶媒31
中に移行した有機ハロゲン化物の濃縮・精製を行なう固
相抽出器16と、該固相抽出器16で抽出した抽出液1
7を定容し、有機ハロゲン化物の定性及び定量分析を行
う検出手段18とを備えてなるものである。
【0033】本実施の形態では、溶媒吸収・抽出手段3
2の下層側に極性溶媒31、上層側に有機溶媒12とし
ているが、これらが逆であってもよい。また、これらの
溶媒は相互に溶解しないもので、極性溶媒31は、次工
程である固相抽出に使用できる溶媒を用いるようにして
いる。
【0034】上記装置において、先ず図3に示すよう
に、排ガス処理設備からの採取ガス11を有機溶媒12
中にバブリングさせて、ガス11中の有機ハロゲン化物
を吸収させ、次に2層の溶媒界面において液液抽出を行
なうようにしている。この液液抽出を効率的に行なうよ
うに、適宜攪拌手段等により抽出効率を向上させるよう
にしている。
【0035】この極性溶媒31に移行した有機ハロゲン
化物は第1の実施の形態と同様にして固相抽出器16で
濃縮・精製を行い、抽出液17中の有機ハロゲン化物を
検出手段18で分析するようにしている。
【0036】[第3の実施の形態]次に、本発明の装置
を用いたPCB無害化処理設備における処理設備内の雰
囲気ガス中の監視システムについて図4を参照して説明
する。図4に示すように、本実施の形態のシステムは、
有害物質であるPCBが付着又は含有又は保存されてい
る被処理物を無害化する有害物質処理システムであっ
て、被処理物1001である有害物質( 例えばPCB)1002
を保存する容器1003から有害物質1002を分離する分離手
段1004と、被処理物1001を構成する構成材1001a,b,
…を解体する解体手段1005のいずれか一方又は両方を有
する前処理手段1006と、前処理手段1006において処理さ
れた被処理物を構成する構成材であるコア1001aをコイ
ル1001bと鉄心1001cとに分離するコア分離手段1007
と、分離されたコイル1001bを銅線1001dと紙・木1001
eとに分離するコイル分離手段1008と、上記コア分離手
段1008で分離された鉄心1001cと解体手段1005で分離さ
れた金属製の容器 (容器本体及び蓋等)1003 とコイル分
離手段1008で分離された銅線1001dとを洗浄液1010で洗
浄する洗浄手段1011と、洗浄後の洗浄廃液1012及び前処
理手段で分離した有害物質1002のいずれか一方又は両方
を分解処理する有害物質分解処理手段1013と、PCB処
理設備である有害物質分解処理手段1013から排出する排
水133 中のPCB濃度を計測する排水モニタリング手段
1100と、PCB処理物を解体する前処理手段1006内のP
CB濃度及び有害物質分解処理手段1013から排出する排
ガス131等のPCB濃度を計測する排気ガスモニタリ
ング手段1200と、洗浄手段1011において洗浄された容器
等の部材のPCB付着濃度を計測する付着濃度モニタリ
ング手段1300とを備えてなるものである。
【0037】また、上記有害物質が液体等の場合には、
有害物質分解処理手段1013に直接投入することで無害化
処理がなされ、その保管した容器は構成材の無害化処理
により、処理することができる。
【0038】上記前処理手段1006内の環境及び排気ガス
131のモニタリング手段1200は前述した有機ハロゲン
化物検出装置10を用いることとしている。そして、処
理設備内の環境が適正であるかを監視すると共に、処理
後の排気ガス131については、排気ガスモニタリング
手段1200を用いて、PCBの排出基準以下であることを
確認するようにしている。
【0039】また、処理後の排水については、排水モニ
タリング手段1100を用いて、PCBの排出基準以下であ
ることを確認するようにしている。
【0040】上記有害物質処理手段1013としては、図5
に示した水熱酸化分解処理する水熱酸化分解処理手段の
他に、例えば超臨界水酸化処理する超臨界水酸化処理手
段又はバッチ式の水熱酸化分解手段としてもよい。
【0041】本発明で被処理物としては、例えば絶縁油
としてPCBを用いてなるトランスやコンデンサ、有害
物質である塗料等を保存している保存容器を例示するこ
とができるが、これらに限定されるものではない。
【0042】また、蛍光灯用の安定器においても従来は
PCBが用いられていたので無害化処理する必要があ
り、この場合には、容量が小さいので前処理することな
く、分離手段1009に直接投入することで無害化処理する
ことができる。
【0043】ここで、作業環境基準値は、前処理手段10
06内での作業環境許容濃度が0.1mg/m3 以下である
ことが要求されているが、本発明のシステムによれば、
検出下限値が0.01mg/m3 (10ppb)の分析を
2〜4時間程度で分析でき、従来よりも迅速分析でしか
も簡易な装置によって、十分に対応することができた。
【0044】また、有害物質処理手段1013である水熱酸
化分解装置から排出される排ガス131についてもモニ
タリングをすることで、水熱酸化分解が良好に行われて
いるかを監視することができる。
【0045】また、各種処理設備からの排ガスは集中し
て活性炭槽を経由した後に外部へ排出されるが、その際
のPCB濃度の監視をすることもできる。
【0046】上記計測装置を用い、例えばPCB分解処
理設備内のガスを迅速且つ的確に測定することができ、
この測定結果を基に、処理工程の監視をすることができ
る。
【0047】計測されたPCB濃度は、監視司令室へ送
ると共に、例えばモニタ装置(図示せず)等により外部
へ公表するようにしてもよい。
【0048】
【発明の効果】以上、説明したように第1の発明によれ
ば、ガス中の有機ハロゲン化物の濃度を検出する検出装
置であって、採取ガスを有機溶媒中に導入し、採取ガス
中の有機ハロゲン化物を有機溶媒に移行する溶媒吸収手
段と、有機溶媒中の有機ハロゲン化物を極性溶媒に移行
する液液抽出手段と、該極性溶媒を定容し、有機ハロゲ
ン化物の定性及び定量分析を行う検出手段とを備えてな
るので、例えばPCB、ダイオキシン類等の有機ハロゲ
ン化物の簡易な分析が可能となる。
【0049】第2の発明は、第1の発明において、上記
溶媒吸収手段と液液抽出手段とが一体化されてなるの
で、装置がコンパクト化される。
【0050】第3の発明は、第1の発明において、上記
有機溶媒がヘキサンであるのでPCB等の有機ハロゲン
化物の移行効率が向上する。
【0051】第4の発明は、第1の発明において、上記
極性溶媒がジメチルスルフォキシドであるので、有機溶
媒に移行したPCB等の有機ハロゲン化物の移行効率が
向上する。
【0052】第5の発明は、第1の発明において、上記
極性溶媒中の有機ハロゲン化物を濃縮・精製する濃縮・
精製手段を設けたので、精度よくPCBの有機ハロゲン
化物を分析できる。
【0053】第6の発明は、第1の発明において、上記
検出手段がガスクロマトグラフ−質量分析計又はガスク
ロマトグラフ−電子捕獲型検出器分析計のいずれかであ
るので、高精度な且つ信頼性の高い分析ができる。
【0054】第7の発明は、ガス中の有機ハロゲン化物
の濃度を検出する検出方法であって、採取ガスを有機溶
媒中に導入し、採取ガス中の有機ハロゲン化物を有機溶
媒に移行した後、有機溶媒中の有機ハロゲン化物を極性
溶媒に移行させ、該極性溶媒中の有機ハロゲン化物の定
性及び定量分析を行うので、例えばPCB、ダイオキシ
ン類等の有機ハロゲン化物の簡易な分析が可能となる。
【0055】第8のPCB処理設備監視システムの発明
は、PCB処理設備の環境を監視するPCB処理設備監
視システムであって、PCB処理物を解体する解体設備
内のPCB濃度を計測する請求項1乃至6のいずれかの
有機ハロゲン化物の検出装置を備えてなるので、PCB
濃度の監視をしつつPCB処理を行うことができる。
【0056】第9の発明は、PCBが付着又は含有又は
保存されている被処理物を無害化するPCB処理設備の
環境を監視するPCB処理設備監視システムであって、
被処理物から有害物質を分離する第1の分離手段と、
被処理物を解体する解体手段とのいずれか一方又は両方
を有する前処理手段と、前処理手段において処理された
被処理物を構成する構成材から紙・木・樹脂等の有機物
と金属等の無機物とに分離する第2の分離手段と、前処
理手段で分離した有害物質を分解処理する有害物質分解
処理手段と、上記第1の分離手段、上記解体手段、上記
第2の分離手段又は有害物質分解処理手段から排出され
る排気ガス中のPCB濃度を計測する請求項1乃至6の
いずれかの有機ハロゲン化物の検出装置を備えてなるの
で、PCBを含有したトランス等の処理が一体に連続し
てできると共に、処理に際してPCB濃度の監視をしつ
つ行うことができ、作業環境の安全を図りつつ処理がで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかる有機ハロゲン化物の
検出装置の概略図である。
【図2】本実施の形態にかかる固相・吸着手段の抽出工
程図である。
【図3】第2の実施の形態にかかる有機ハロゲン化物の
検出装置の概略図である。
【図4】本実施の形態にかかるPCB無害化処理システ
ムの概略図である。
【図5】水熱分解装置の概要図である。
【符号の説明】
10 有機ハロゲン化物の検出装置 11 採取ガス 12 有機溶媒 13 導入管 14 溶媒吸収手段 15 液液抽出手段 16 固相抽出器 17 抽出液 18 検出手段 19 活性炭吸着塔 31 極性溶媒 32 溶媒吸収・抽出手段
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 27/62 ZAB G01N 30/00 G 30/00 30/08 G 30/08 30/26 A 30/26 30/70 30/70 30/72 A 30/72 30/88 C 30/88 B09B 5/00 ZABZ (72)発明者 塚原 千幸人 長崎県長崎市深堀町五丁目717番1号 三 菱重工業株式会社長崎研究所内 Fターム(参考) 2E191 BA13 BB00 BD11 2G052 AA01 AB11 AD02 AD46 EB04 ED03 ED06 ED11 FC01 GA24 GA27 HB10 JA24 4D004 AA07 AA12 AA16 AA50 AB06 CA02 CA08 CA40 4D056 AB18 AB19 AC13 CA31

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス中の有機ハロゲン化物の濃度を検出
    する検出装置であって、 採取ガスを有機溶媒中に導入し、採取ガス中の有機ハロ
    ゲン化物を有機溶媒に移行する溶媒吸収手段と、 有機溶媒中の有機ハロゲン化物を極性溶媒に移行する液
    液抽出手段と、 該極性溶媒を定容し、有機ハロゲン化物の定性及び定量
    分析を行う検出手段とを備えてなることを特徴とする有
    機ハロゲン化物の検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記溶媒吸収手段と液液抽出手段とが一体化されてなる
    ことを特徴とする有機ハロゲン化物の検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、 上記有機溶媒がヘキサンであることを特徴とする有機ハ
    ロゲン化物の検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2において、 上記極性溶媒がジメチルスルフォキシドであることを特
    徴とする有機ハロゲン化物の検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 上記極性溶媒中の有機ハロゲン化物を濃縮・精製する濃
    縮・精製手段を設けたことを特徴とする有機ハロゲン化
    物の検出装置。
  6. 【請求項6】 請求項1において、 上記検出手段がガスクロマトグラフ−質量分析計又はガ
    スクロマトグラフ−電子捕獲型検出器分析計のいずれか
    であることを特徴とする有機ハロゲン化物の検出装置。
  7. 【請求項7】 ガス中の有機ハロゲン化物の濃度を検出
    する検出方法であって、 採取ガスを有機溶媒中に導入し、採取ガス中の有機ハロ
    ゲン化物を有機溶媒に移行した後、 有機溶媒中の有機ハロゲン化物を極性溶媒に移行させ、 該極性溶媒中の有機ハロゲン化物の定性及び定量分析を
    行うことを特徴とする有機ハロゲン化物の検出方法。
  8. 【請求項8】 PCB処理設備の環境を監視するPCB
    処理設備監視システムであって、 PCB処理物を解体する解体設備内のPCB濃度を計測
    する請求項1乃至6のいずれかの有機ハロゲン化物の検
    出装置を備えてなることを特徴とするPCB処理設備監
    視システム。
  9. 【請求項9】 PCBが付着又は含有又は保存されてい
    る被処理物を無害化するPCB処理設備の環境を監視す
    るPCB処理設備監視システムであって、被処理物から
    有害物質を分離する第1の分離手段と、被処理物を解体
    する解体手段とのいずれか一方又は両方を有する前処理
    手段と、 前処理手段において処理された被処理物を構成する構成
    材から紙・木・樹脂等の有機物と金属等の無機物とに分
    離する第2の分離手段と、 前処理手段で分離した有害物質を分解処理する有害物質
    分解処理手段と、 上記第1の分離手段、上記解体手段、上記第2の分離手
    段又は有害物質分解処理手段から排出される排気ガス中
    のPCB濃度を計測する請求項1乃至6のいずれかの有
    機ハロゲン化物の検出装置を備えてなることを特徴とす
    るPCB処理設備監視システム。
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WO2020022413A1 (ja) * 2018-07-25 2020-01-30 ダイキン工業株式会社 ガス濃度予測方法

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