JP2002227872A - カルダンジョイント - Google Patents
カルダンジョイントInfo
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Abstract
ルクが小さく2次偶力の発生が少ない高速回転時におけ
る新たな振動の発生を防止しつつ回転速度変化に影響さ
れることなくトルク負荷時における2次偶力を安定的に
抑制し、かつ、加速時および減速時のいずれにおいても
相殺力を発生させて2次偶力を安定的に抑制することが
できるカルダンジョイントの提供。 【解決手段】凸部6により、負荷トルクが作用する状態
においてはカップ状ベアリング32、42がジョイント
の円周方向に傾くことにより十字状軸5を構成する2方
向の軸部51、52のうち駆動力が入力される側の軸部
51の両先端面とカップ状ベアリング32の底部32a
内面との間で発生する屈曲フリクションより駆動力が出
力される側の軸部52の両先端面とカップ状ベアリング
42の底部42a内面との間で発生する屈曲フリクショ
ンが大きくなるように構成される。
Description
力伝達系において用いられるカルダンジョイントに関
し、特に、2軸が作動角をとった際に発生する2次偶力
(起振力)低減技術に関する。
おける2次偶力(起振力)低減技術としては、例えば、
特開平10−292824号公報に記載されたカルダン
ジョイントが開示されている。即ち、この従来例のカル
ダンジョイントは、継手部をなす一対のヨークにそれぞ
れ軸支された2方向の軸部により形成される十字軸の、
一方の軸部と他方の軸部との質量を異ならせる(例え
ば、図14に示すように各軸部の肉厚を互いに変えるこ
とでその質量を異ならせ、または、図15に示すよう
に、十字軸の2方向の軸部の軸径を変える)ことによ
り、回転軸の1回転に2回の割りでラジアル方向および
スラスト方向の起振力を積極的に発生させてセカンダリ
カップル(2次偶力)を打ち消すようにしたものであっ
た。
例のカルダンジョイントにあっては、上述のように、十
字軸質量の慣性力を利用して2次偶力を抑制するもので
あっため、以下に述べるような問題点があった。即ち、
抑制しようとする2次偶力は、回転速度に関係なく、負
荷トルクとジョイント角(作動角)に比例して発生する
のに対し、従来例で2次偶力抑制手段として利用される
慣性力は、負荷トルクの有無とは無関係に発生し、か
つ、回転速度の二乗に比例した大きさとなるため、回転
速度変化により大きく変動する慣性力によって2次偶力
を相殺させる効果を維持させることは困難であるばかり
でなく、負荷トルクが小さく2次偶力の発生が少ない高
速回転時においては、この慣性力が新たな振動発生要因
となる。また、加速時と減速時(エンジンブレーキング
時)とでは負荷トルクの符号(2次偶力の符号)が入れ
替わるのに対し、慣性力は不変であるため、加速時に相
殺効果を持たせるように設定した場合においては、減速
時には相乗的な関係となり、かえって振動不具合を誘発
させる結果となる。
なされたもので、トルク負荷時のみに相殺力を発生させ
て負荷トルクが小さく2次偶力の発生が少ない高速回転
時における新たな振動の発生を防止しつつ回転速度変化
に影響されることなくトルク負荷時における2次偶力を
安定的に抑制し、かつ、加速時および減速時のいずれに
おいても相殺力を発生させて2次偶力を安定的に抑制す
ることができるカルダンジョイントを提供することを目
的とする。
ために、本発明請求項1記載のカルダンジョイントは、
駆動軸と被駆動軸の両接続端部にそれぞれ固定され一対
の対向アームを備えたヨークと、該各ヨークの両アーム
に対しそれぞれカップ状ベアリングを介して回動自在に
組み付けられた直交する2方向の軸部を備えた十字状軸
とを備え、負荷トルクが作用する状態においては前記カ
ップ状ベアリングがジョイントの円周方向に傾くことに
より前記十字状軸を構成する2方向の軸部のうちヨーク
およびカップ状ベアリングを介して駆動力が入力される
側の軸部の両先端面とカップ状ベアリングの内底面との
間で発生する屈曲フリクションより駆動力が出力される
側の軸部の両先端面とカップ状ベアリングの内底面との
間で発生する屈曲フリクションが大きくなるように構成
されている手段とした。
求項1記載のカルダンジョイントにおいて、前記両各軸
部の各先端面と該各先端面と対面する各カップ状ベアリ
ングの内底面の少なくともいずれか一方にジョイントの
回転方向側よりは回転方向とは逆方向側が高くなる段差
を設けることにより、負荷トルクが作用する状態におい
ては前記カップ状ベアリングがジョイントの円周方向に
傾くことで前記十字状軸を構成する2方向の軸部のうち
ヨークおよびカップ状ベアリングを介して駆動力が入力
される側の軸部の両先端面とカップ状ベアリングの内底
面との間で発生する屈曲フリクションより駆動力が出力
される側の軸部の両先端面とカップ状ベアリングの内底
面との間で発生する屈曲フリクションが大きくなるよう
に構成されている手段とした。
求項2記載のカルダンジョイントにおいて、前記段差が
十字状軸の軸部先端面側に形成されている手段とした。
求項1記載のカルダンジョイントにおいて、前記両各軸
部の各先端面と該各先端面と対面する各カップ状ベアリ
ングの内底面の少なくともいずれか一方に溝もしくは凹
部を形成してジョイントの回転方向側よりも回転方向側
とは逆方向側の面積が広くなるように形成することによ
り、負荷トルクが作用する状態においては前記カップ状
ベアリングがジョイントの円周方向に傾くことで前記十
字状軸を構成する2方向の軸部のうちヨークおよびカッ
プ状ベアリングを介して駆動力が入力される側の軸部の
両先端面とカップ状ベアリングの内底面との間で発生す
る屈曲フリクションより駆動力が出力される側の軸部の
両先端面とカップ状ベアリングの内底面との間で発生す
る屈曲フリクションが大きくなるように構成されている
手段とした。
求項4記載のカルダンジョイントにおいて、前記溝がジ
ョイントの軸方向に形成されている手段とした。
求項4または5の記載のカルダンジョイントにおいて、
前記溝が十字状軸の軸部先端面側に形成されている手段
とした。
ように構成されるため、駆動軸と被駆動軸が作動角をと
った状態で、被駆動軸側のトルク負荷が作用する駆動軸
の回転加速時においては、カップ状ベアリングがジョイ
ントの円周方向に傾くことで十字状軸を構成する2方向
の軸部のうちヨークおよびカップ状ベアリングを介して
駆動力が入力される側の軸部の両先端面とカップ状ベア
リングの内底面との間で発生する屈曲フリクションより
駆動力が出力される側の軸部の両先端面とカップ状ベア
リングの内底面との間で発生する屈曲フリクションが大
きくなることから、十字状軸を構成する2軸の屈曲フリ
クション差に起因して回転2次モーメントを主成分とす
る起振力が発生し、この起振力が駆動軸の回転加速時に
おける2次偶力を相殺する方向に作用する。
上の回転加速時とは負荷トルクの符号(2次偶力の符
号)が逆転するが、駆動力伝達方向において駆動軸と被
駆動軸が逆転した状態となるため、回転加速時とは逆に
十字状軸を構成する2方向の軸部のうちカップ状ベアリ
ングおよびヨークを介して駆動力が出力される側の軸部
(駆動軸側の軸部)の両先端面とカップ状ベアリングの
内底面との間で発生する屈曲フリクションより駆動力が
入力される側の軸部(被駆動軸側の軸部)の両先端面と
カップ状ベアリングの内底面との間で発生する屈曲フリ
クションが大きくなり、従って、十字状軸を構成する2
軸の屈曲フリクション差に起因して回転2次モーメント
を主成分とする回転加速時とは逆符号の起振力が発生
し、この起振力が駆動軸の回転減速時でトルク負荷時に
おける2次偶力を相殺する方向に作用する。
クが作用する状態においてカップ状ベアリングがジョイ
ントの円周方向に傾くことにより発生するように構成さ
れたものであるため、負荷トルクが小さく2次偶力の発
生が少ない高速走行時等においては、カップ状ベアリン
グの傾きがなくて大きなフリクションを発生させること
がなく、これにより、不必要な起振力による新たな振動
の発生を防止することができる。また、従来例のように
慣性力を利用するものではないため、2次偶力を相殺す
る起振力が回転速度変化に影響されることはなく、トル
ク負荷時における2次偶力を安定的に抑制することがで
きる。
両各軸部の各先端面と該各先端面と対面する各カップ状
ベアリングの内底面の少なくともいずれか一方に設けら
れたジョイントの回転方向側よりは回転方向とは逆方向
側が高くなる段差によって、また、請求項4記載のカル
ダンジョイントでは、両各軸部の各先端面と該各先端面
と対面する各カップ状ベアリングの内底面の少なくとも
いずれか一方に形成された溝もしくは凹部でジョイント
の回転方向側よりも回転方向側とは逆方向側の面積が広
くなるように形成されることにより、負荷トルクが作用
する状態においてはカップ状ベアリングがジョイントの
円周方向に傾くことで十字状軸を構成する2方向の軸部
のうちヨークおよびカップ状ベアリングを介して駆動力
が入力される側の軸部の両先端面とカップ状ベアリング
の内底面との間で発生する屈曲フリクションより駆動力
が出力される側の軸部の両先端面とカップ状ベアリング
の内底面との間で発生する屈曲フリクションが大きくな
るもので、この2軸間の屈曲フリクション差に起因して
回転2次モーメントを主成分とする起振力が発生し、こ
の起振力が駆動軸の回転加速時および減速時における2
次偶力を共に相殺する方向に作用する。
求項2記載のカルダンジョイントにおいて、前記段差が
十字状軸の軸部先端面側に形成されることで、カップ状
ベアリングの底面側に形成される場合に比べ、段差の形
成加工が容易であると共に、組付性がよくなる。
求項4記載のカルダンジョイントにおいて、前記溝がジ
ョイントの軸方向に形成されることで、2軸間の屈曲フ
リクション差を容易に発生させることができる。
求項4または5に記載のカルダンジョイントにおいて、
前記溝が十字状軸の軸部先端面側に形成されることで、
カップ状ベアリングの底面側に形成される場合に比べ、
溝加工が容易である。
図面に基づいて説明する。 (発明の実施の形態1)まず、本発明の実施の形態1の
構成を図1に基づいて説明する。
ョイントを示す作動角0°状態の半断面図、図2は十字
状軸およびカップ状ベアリングを示す一部切欠平面図、
図3は図2のA矢視図、図4は図3のB矢視方向の要部
拡大図であり、これらの図に示すように、この発明の実
施の形態1のカルダンジョイントは、駆動軸1と被駆動
軸2の両接続端部にそれぞれ固定され一対の対向アーム
31,31、41,41を備えたヨーク3、4と、該各
ヨーク3、4の両アーム31,31、41,41に対し
それぞれカップ状ベアリング32、42を介して回動自
在に組み付けられた直交する2方向の軸部51、52を
備えた十字状軸5とで構成されている。
おける両軸部51、52の軸心には各カップ状ベアリン
グ32、42に潤滑油を供給する軸心孔51a、52a
が形成されていて、各軸部51、52の環状両端面に
は、ジョイントの回転方向とは反対側に略扇状の凸部6
が形成されることにより、ジョイントの回転方向側より
は回転方向とは逆方向側が高くなる段差が形成されてい
る。
2に示すように、前記十字状軸5における両軸部51、
52の両環状端面とそれぞれ対面する底部32a、42
aを備えたカップ状に形成され、筒状部32b、42b
内周面には軸部51、52の両端部を回転支持するニー
ドル32c、42cが備えられている。そして、このカ
ップ状ベアリング32、42は、図1に示すように、各
ヨーク3、4の両アーム31,31、41,41の先端
に形成された装着穴31a、41aに対し内側から装着
しCリング7により位置決めされた状態で装着されてい
る。
果を図5の作用説明図に基づいて説明する。 (イ)加速時 この発明の実施の形態1のカルダンジョイントでは、上
述のように構成されるため、駆動軸1と被駆動軸2が作
動角をとった状態で、被駆動軸2側のトルク負荷が作用
する駆動軸1の回転加速時においては、図5に示すよう
に、駆動軸1側のヨーク3の両アーム31,31に装着
された方(実線で示す加速トルク入力側)のカップ状ベ
アリング32,32がジョイントの回転方向に少し傾い
て凸部6がカップ状ベアリング32,32の底部32a
から離隔された状態となる一方、被駆動軸2側のヨーク
4の両アーム41,41に装着された方のカップ状ベア
リング42,42がジョイントの回転方向とは反対方向
に少し傾いて凸部6がカップ状ベアリング42,42の
底部42a内面に圧接された状態となるため、駆動力が
入力される側の軸部51の両先端面とカップ状ベアリン
グ32,32の底部32a内面との間で発生する屈曲フ
リクション(ジョイントの軸方向摺動フリクション)よ
り駆動力が出力される側の軸部52の両先端面とカップ
状ベアリング42,42の底部42a内面との間で発生
する屈曲フリクションが大きくなることから、十字状軸
5を構成する軸部51、52の屈曲フリクション差に起
因して回転2次モーメントMを主成分とする起振力が発
生し、この起振力が駆動軸1の回転加速時における2次
偶力Cを相殺する方向に作用する。ちなみに、 2次偶力C=(1/2)・T・sinθ 回転2次モーメントM=(8/13π)(f1 −f2 ) ここで、Tは負荷トルク、sinθはジョイント角、f
1 は駆動力が入力される側の屈曲トルク、f2 は駆動力
が出力される側の屈曲トルクである。
クション差は、図6の負荷トルク−屈曲フリクション差
特性図に示すように、負荷トルクに比例して増加する。
その結果、図7の負荷トルク−起振力特性図に示すよう
に、太線で示す従来の2次偶力に対し、細い線で示すよ
うに2次偶力が負荷トルクの変動に応じて低減されてい
る。
等)においては、以上の回転加速時とは負荷トルクの符
号(2次偶力の符号)が逆転するが、図5の点線(減速
トルク)で示すように、駆動力伝達方向において駆動軸
1と被駆動軸2が逆転した状態となるため、回転加速時
とは逆に十字状軸5を構成する2方向の軸部51、52
のうちカップ状ベアリング32,32およびヨーク3を
介して駆動力が出力(加速時は入力)される側の軸部5
1の両先端面とカップ状ベアリング32,32の底部3
2a内面との間で発生する屈曲フリクションより駆動力
が入力(加速時には出力)される側の軸部52の両先端
面とカップ状ベアリング42,42の底部42a内面と
の間で発生する屈曲フリクションが大きくなり、従っ
て、十字状軸5を構成する2軸部51、52の屈曲フリ
クション差に起因して回転2次モーメントを主成分とす
る回転加速時とは逆符号の起振力が発生し、この起振力
が駆動軸の回転減速時でトルク負荷時における2次偶力
を相殺する方向に作用する。従って、加速時および減速
時のいずれにおいても相殺力を発生させて2次偶力を安
定的に抑制することができるようになるという効果が得
られる。
クが作用する状態においてカップ状ベアリング32,3
2、42,42がジョイントの円周方向に傾くことによ
り発生するように構成されたものであるため、負荷トル
クが小さく2次偶力の発生が少ない高速走行時等におい
ては、カップ状ベアリング32,32、42,42が傾
くことがないので、初期設定の小さな屈曲フリクション
状態を維持させることができ、、これにより、不必要な
起振力による新たな振動の発生を防止することができる
ようになる。また、従来例のように慣性力を利用するも
のではないため、2次偶力を相殺する起振力が回転速度
変化に影響されることはなく、トルク負荷時における2
次偶力を安定的に抑制することができるようになる。
軸5における両軸部51、52の先端面側に形成される
ことで、カップ状ベアリング32,32、42,42の
底部32a、42a内面側に形成される場合に比べ、段
差の形成加工が容易であると共に、組付性がよくなる。
施の形態について説明する。なお、この他の発明の実施
の形態の説明にあたっては、前記発明の実施の形態1と
同様の構成部分には同一の符号を付けてその説明を省略
し、相違点についてのみ説明する。
の形態2の構成を図8、9に基づいて説明する。図8は
発明の実施の形態2のカルダンジョイントにおける十字
状軸5を示す平面図、図9は図8のC矢視図であり、両
図に示すように、この発明の実施の形態2では、両軸部
51、52における軸心孔51a、52aが省略される
と共に、両軸部51、52の両端面の中心部寄りの位置
に前記凸部6aが形成されている点が前記発明の実施の
形態1と相違したものである。
部寄りの位置に設けた凸部6aにより前記発明の実施の
形態1と同様に、加速時および減速時においてのみ両軸
部51、52相互間で屈曲フリクション差を発生させる
ことができ、これにより、トルク負荷時のみに相殺力を
発生させて負荷トルクが小さく2次偶力の発生が少ない
高速回転時における新たな振動の発生を防止しつつ回転
速度変化に影響されることなくトルク負荷時における2
次偶力を安定的に抑制し、かつ、加速時および減速時の
いずれにおいても相殺力を発生させて2次偶力を安定的
に抑制することができるようになるという効果を得るこ
とができる。
の形態3の構成を図10、11に基づいて説明する。図
10は発明の実施の形態3のカルダンジョイントにおけ
るカップ状ベアリング32,32、42,42おけるニ
ードルを省略した断面図、図11は図10D矢視図であ
り、両図に示すように、この発明の実施の形態3は、カ
ップ状ベアリング32,32、42,42における底部
32a、42a内面側に凸部6bを形成した点が前記発
明の実施の形態1、2とは相違したものである。
2、42,42側に凸部6bを形成することによって
も、加速時および減速時においてのみ両軸部51、52
相互間で屈曲フリクション差を発生させることができ、
従って、前記発明の実施の形態1、2と同様に、トルク
負荷時のみに相殺力を発生させて負荷トルクが小さく2
次偶力の発生が少ない高速回転時における新たな振動の
発生を防止しつつ回転速度変化に影響されることなくト
ルク負荷時における2次偶力を安定的に抑制し、かつ、
加速時および減速時のいずれにおいても相殺力を発生さ
せて2次偶力を安定的に抑制することができるようにな
るという効果を得ることができる。
の形態4の構成を図12、13に基づいて説明する。図
12は発明の実施の形態4のカルダンジョイントにおけ
る十字状軸5を示す平面図、図13は図12のE矢視図
であり、両図に示すように、この発明の実施の形態4で
は、各軸部51、52の両先端面のうち、ジョイントの
回転方向側にジョイントの軸方向に沿った複数の溝5a
を形成することにより、ジョイントの回転方向側よりは
回転方向とは逆方向側の面積が広くなるように形成して
いる点が前記発明の実施の形態1〜3とは相違したもの
である。
向側よりも回転方向側とは逆方向側の面積が広くなるよ
うに形成されることにより、負荷トルクが作用する状態
においてはカップ状ベアリング32,32、42,42
がジョイントの円周方向に傾くことで十字状軸5を構成
する2方向の軸部51,52のうちヨーク3およびカッ
プ状ベアリング32,32を介して駆動力が入力される
側の軸部51の両先端面とカップ状ベアリング32,3
2の底部32a内面との間で発生する屈曲フリクション
より駆動力が出力される側の軸部52の両先端面とカッ
プ状ベアリング42,42の底部42a内面との間で発
生する屈曲フリクションが大きくなるもので、この2軸
部51、52間の屈曲フリクション差に起因して回転2
次モーメントを主成分とする起振力が発生し、この起振
力が駆動軸1の回転加速時および減速時における2次偶
力を共に相殺する方向に作用する。
様に、トルク負荷時のみに相殺力を発生させて負荷トル
クが小さく2次偶力の発生が少ない高速回転時における
新たな振動の発生を防止しつつ回転速度変化に影響され
ることなくトルク負荷時における2次偶力を安定的に抑
制し、かつ、加速時および減速時のいずれにおいても相
殺力を発生させて2次偶力を安定的に抑制することがで
きるようになるという効果を得ることができる。
形成されることで、2軸部51、52間の屈曲フリクシ
ョン差を容易に発生させることができる。また、前記溝
5aを十字状軸5の軸部51、52先端面側に形成する
ことにより、カップ状ベアリング32,32、42,4
2の底部32a、42a内面側に形成する場合に比べ、
溝加工が容易である。
たが、具体的な構成はこれらの発明の実施の形態に限ら
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲にお
ける設計変更等があっても本発明に含まれる。
部6、6a、6bの形状を略扇型に形成したが、その形
状や広さは任意であり、また段差も任意であり、発生す
べき屈曲フリクションに応じて任意に設定される。
ジョイントの軸方向に形成したが、必ずしも軸方向に限
らず、またその本数も任意である。また、発明の実施の
形態4では、溝5aを形成したが、穴を形成することに
よっても同様の効果を得ることができる。
1記載のカルダンジョイントでは、上述のように、(請
求項2では前記両各軸部の各先端面と該各先端面と対面
する各カップ状ベアリングの内底面の少なくともいずれ
か一方にジョイントの回転方向側よりは回転方向とは逆
方向側が高くなる段差を設けることにより、また、請求
項4では前記両各軸部の各先端面と該各先端面と対面す
る各カップ状ベアリングの内底面の少なくともいずれか
一方に溝もしくは凹部を形成してジョイントの回転方向
側よりも回転方向側とは逆方向側の面積が広くなるよう
に形成することにより)負荷トルクが作用する状態にお
いては前記カップ状ベアリングがジョイントの円周方向
に傾くことにより前記十字状軸を構成する2方向の軸部
のうちヨークおよびカップ状ベアリングを介して駆動力
が入力される側の軸部の両先端面とカップ状ベアリング
の内底面との間で発生する屈曲フリクションより駆動力
が出力される側の軸部の両先端面とカップ状ベアリング
の内底面との間で発生する屈曲フリクションが大きくな
るように構成されている手段としたことで、トルク負荷
時のみに相殺力を発生させて負荷トルクが小さく2次偶
力の発生が少ない高速回転時における新たな振動の発生
を防止しつつ回転速度変化に影響されることなくトルク
負荷時における2次偶力を安定的に抑制し、かつ、加速
時および減速時のいずれにおいても相殺力を発生させて
2次偶力を安定的に抑制することができるようになると
いう効果が得られる。
求項2記載のカルダンジョイントにおいて、前記段差が
十字状軸の軸部先端面側に形成されている手段としたこ
とで、カップ状ベアリングの底面側に形成される場合に
比べ、段差の形成加工が容易であると共に、組付性がよ
くなる。
求項4記載のカルダンジョイントにおいて、前記溝がジ
ョイントの軸方向に形成されている手段としたことで、
2軸間の屈曲フリクション差を容易に発生させることが
できるようになる。
求項4または5の記載のカルダンジョイントにおいて、
前記溝が十字状軸の軸部先端面側に形成されている手段
としたことで、カップ状ベアリングの底面側に形成され
る場合に比べ、溝加工が容易である。
す作動角0°状態の半断面図である。
ける十字状軸およびカップ状ベアリングを示す一部切欠
平面図である。
用説明図である。
ける負荷トルク−屈曲フリクション差特性図である。
ける負荷トルク−起振力特性図である。
ける十字状軸を示す平面図である。
おけるカップ状ベアリングのニードルを省略した断面図
である。
おける十字状軸を示す平面図である。
す一部切欠平面図である。
す平面図である。
5)
果を図5の作用説明図に基づいて説明する。 (イ)加速時 この発明の実施の形態1のカルダンジョイントでは、上
述のように構成されるため、駆動軸1と被駆動軸2が作
動角をとった状態で、被駆動軸2側のトルク負荷が作用
する駆動軸1の回転加速時においては、図5に示すよう
に、駆動軸1側のヨーク3の両アーム31,31に装着
された方(実線で示す加速トルク入力側)のカップ状ベ
アリング32,32がジョイントの回転方向に少し傾い
て凸部6がカップ状ベアリング32,32の底部32a
から離隔された状態となる一方、被駆動軸2側のヨーク
4の両アーム41,41に装着された方のカップ状ベア
リング42,42がジョイントの回転方向とは反対方向
に少し傾いて凸部6がカップ状ベアリング42,42の
底部42a内面に圧接された状態となるため、駆動力が
入力される側の軸部51の両先端面とカップ状ベアリン
グ32,32の底部32a内面との間で発生する屈曲フ
リクション(ジョイントの軸方向摺動フリクション)よ
り駆動力が出力される側の軸部52の両先端面とカップ
状ベアリング42,42の底部42a内面との間で発生
する屈曲フリクションが大きくなることから、十字状軸
5を構成する軸部51、52の屈曲フリクション差に起
因して回転2次モーメントMを主成分とする起振力が発
生し、この起振力が駆動軸1の回転加速時における2次
偶力Cを相殺する方向に作用する。ちなみに、 2次偶力C=(1/2)・T・sinθ 回転2次モーメントM=(8/3π)(f1 −f2 ) ここで、Tは負荷トルク、sinθはジョイント角、f
1 は駆動力が入力される側の屈曲トルク、f2 は駆動力
が出力される側の屈曲トルクである。
Claims (6)
- 【請求項1】 駆動軸と被駆動軸の両接続端部にそれぞ
れ固定され一対の対向アームを備えたヨークと、該各ヨ
ークの両アームに対しそれぞれカップ状ベアリングを介
して回動自在に組み付けられた直交する2方向の軸部を
備えた十字状軸とを備え、 負荷トルクが作用する状態においては前記カップ状ベア
リングがジョイントの円周方向に傾くことにより前記十
字状軸を構成する2方向の軸部のうちヨークおよびカッ
プ状ベアリングを介して駆動力が入力される側の軸部の
両先端面とカップ状ベアリングの内底面との間で発生す
る屈曲フリクションより駆動力が出力される側の軸部の
両先端面とカップ状ベアリングの内底面との間で発生す
る屈曲フリクションが大きくなるように構成されている
ことを特徴とするカルダンジョイント。 - 【請求項2】 前記両各軸部の各先端面と該各先端面と
対面する各カップ状ベアリングの内底面の少なくともい
ずれか一方にジョイントの回転方向側よりは回転方向と
は逆方向側が高くなる段差を設けることにより、負荷ト
ルクが作用する状態においては前記カップ状ベアリング
がジョイントの円周方向に傾くことで前記十字状軸を構
成する2方向の軸部のうちヨークおよびカップ状ベアリ
ングを介して駆動力が入力される側の軸部の両先端面と
カップ状ベアリングの内底面との間で発生する屈曲フリ
クションより駆動力が出力される側の軸部の両先端面と
カップ状ベアリングの内底面との間で発生する屈曲フリ
クションが大きくなるように構成されていることを特徴
とする請求項1記載のカルダンジョイント。 - 【請求項3】 前記段差が十字状軸の軸部先端面側に形
成されていることを特徴とする請求項2記載のカルダン
ジョイント。 - 【請求項4】 前記両各軸部の各先端面と該各先端面と
対面する各カップ状ベアリングの内底面の少なくともい
ずれか一方に溝もしくは凹部を形成してジョイントの回
転方向側よりも回転方向側とは逆方向側の面積が広くな
るように形成することにより、負荷トルクが作用する状
態においては前記カップ状ベアリングがジョイントの円
周方向に傾くことで前記十字状軸を構成する2方向の軸
部のうちヨークおよびカップ状ベアリングを介して駆動
力が入力される側の軸部の両先端面とカップ状ベアリン
グの内底面との間で発生する屈曲フリクションより駆動
力が出力される側の軸部の両先端面とカップ状ベアリン
グの内底面との間で発生する屈曲フリクションが大きく
なるように構成されていることを特徴とする請求項1記
載のカルダンジョイント。 - 【請求項5】 前記溝がジョイントの軸方向に形成され
ていることを特徴とする請求項4記載のカルダンジョイ
ント。 - 【請求項6】 前記溝が十字状軸の軸部先端面側に形成
されていることを特徴とする請求項4または5に記載の
カルダンジョイント。
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