JP2002227031A - セパレータ用繊維 - Google Patents

セパレータ用繊維

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JP2002227031A
JP2002227031A JP2001023114A JP2001023114A JP2002227031A JP 2002227031 A JP2002227031 A JP 2002227031A JP 2001023114 A JP2001023114 A JP 2001023114A JP 2001023114 A JP2001023114 A JP 2001023114A JP 2002227031 A JP2002227031 A JP 2002227031A
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JP
Japan
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fiber
ethylene
mol
separator
copolymer
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JP2001023114A
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Takashi Katayama
隆 片山
Hiroyuki Shimo
浩幸 下
Osamu Kazafuji
修 風藤
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 親水性、すなわち電解液の保液性を有しなが
ら、延伸細化性、低繊度、分割後の強度に優れたセパレ
ータ用繊維を提供する。 【解決手段】 けん化度が80〜98モル%、エチレン
含有量が5〜70モル%であるエチレン−ビニルアルコ
ール系共重合体を一成分とする繊維であって、下記の式
を満たすことを特徴とするセパレータ用繊維。 破断強度(cN/dtex)×破断伸度(%)≧70 (cN/dtex・%) (1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセパレータ用繊維に
関し、特に電解液としてアルカリ液を使用する二次電池
に好適な繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にアルカリ電池等の電池には、陽極
活物質と陰極活物質を隔離するためのセパレータが用い
られている。このセパレータには; 前記陽極物質と陰極物質の内部短絡を防止できるとと
もに、内部抵抗が小さいこと 十分な起電反応を生じさせるために高い電解液吸液性
を有していること 電池内部に組込まれた際の占有率が小さく、陽極活物
質、陰極活物質等の量を増やせる(電池使用可能時間を
長くできる)こと 水酸化カリウムなどの電解液に対して収縮や変質を起
さない優れた耐久性を有すること、 などの様々な性能が要求される。
【0003】上記の性能を具備する電池用セパレータと
しては、ポリアミド繊維の不織布、ポリオレフィン系繊
維を用いた不織布が使用されており、それぞれの繊維の
特性を利用して電池に使用されている。ポリアミド繊
維、特にナイロン6やナイロン66などの脂肪族ポリア
ミド繊維からなる不織布は耐アルカリ性にすぐれ、親水
性に優れていることから電解液の保液性が良好であり、
放電容量も大きいという利点を有しているが、耐酸化劣
化性に劣るために、充放電サイクルを繰り返すうちに脂
肪族ポリアミド系繊維の酸化分解物である窒素酸化物が
溶出し、電池の性能を劣化させる欠点があった。また、
酸化によって生じた硝酸根が電池の自己放電を増大させ
るという問題もあった。
【0004】一方、ポリオレフィン系繊維は耐アルカリ
性、耐酸化劣化性に優れているものの親水性に劣る。こ
のため電極反応に必要な電解液量がセパレータ内に保持
されず、放電特性の低下や充放電サイクル寿命特性の劣
化を招くという問題があった。また、セパレータを薄葉
化するため、構成繊維の繊度を小さくし、構成繊維間の
空隙を均一に小さくしても、ガス透過性が大幅に悪化す
る傾向があった。
【0005】ポリオレフィン系繊維セパレータの電解液
保持性を向上させるために、親水性を付与する手法が提
案されている。例として、スルホン化処理、界面活性剤
付与などの親水化処理法が挙げられる。しかしながら、
スルホン化処理は、高価であること、発煙硫酸を用いる
ことから環境への負荷が非常に大きいこと、繊維強度の
低下があることなどが問題となっており、界面活性剤処
理では、長期にわたってその親水性を維持する事が困難
であることなどの問題を有する。
【0006】以上の問題を解決するために、エチレン−
ビニルアルコール系共重合体含有繊維を用いることが検
討されている。エチレン−ビニルアルコール系共重合体
はオレフィン系繊維に比して親水性が高いことから保液
性、濡れ性、の点でも優れた効果が得られる。例えば特
開平3−257755号公報には、特定のエチレン−ビ
ニルアルコール系共重合体からなる分割繊維を用いる方
法が提案されている。かかる方法によればスルホン化処
理等の親水化処理を施す必要がないことから優れた効果
が得られる。しかしながら、これらのエチレン−ビニル
アルコール系共重合体からなる繊維は延伸性に劣るた
め、延伸による繊維の細化が得られにくい。特に複合分
割繊維の場合にはエチレン−ビニルアルコール系共重合
体が律速になり、他方の複合成分が十分に延伸された繊
維とならないため、分割後の複合成分の延伸糸は強度、
耐薬品性等の性能の低いものとなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、親水
性、すなわち電解液の保液性を有しながら、延伸細化
性、低繊度、分割後の強度に優れたセパレータ用繊維を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、けん
化度が80〜98モル%、エチレン含有量が5〜70モ
ル%であるエチレン−ビニルアルコール系共重合体を一
成分とする繊維であって、破断強度が1cN/dtex
以上、かつ破断伸度が200%以上であることを特徴と
するセパレータ用に適した未延伸繊維であり、また、本
発明は、けん化度が80〜98モル%、エチレン含有量
が5〜70モル%であるエチレン−ビニルアルコール系
共重合体を一成分とする繊維であって、下記の式を満た
すセパレータ用繊維である。 破断強度(cN/dtex)×破断伸度(%)≧70 (cN/dtex・%) (1) さらに、本発明は、けん化度が80〜98モル%、エチ
レン含有量が5〜70モル%であるエチレン−ビニルア
ルコール系共重合体とオレフィン系重合体とが複合され
てなる分割型複合繊維であって、分割処理により形成さ
れる繊維の繊度が0.001〜0.5dtexであるセ
パレータ用繊維である。
【0009】
【発明の実施の形態】まず、本発明の繊維を構成するエ
チレン−ビニルアルコール系共重合体について説明す
る。本発明に用いられるエチレン−ビニルアルコール系
共重合体は、エチレン−ビニルエステル共重合体をケン
化して得られるものが好ましく、その中でも、エチレン
含有量は好適には5〜70モル%である。親水性と溶融
紡糸性という観点からは、エチレン含有量は好適には2
0〜65モル%であるものが好ましい。また、滞留樹脂
の劣化による溶融紡糸上のトラブルを抑制しながら親水
性を維持するという観点からは、エチレン含有量はより
好適には25〜60モル%であり、さらに好適には27
〜55モル%であり、最適には32〜51モル%であ
る。エチレン含有量が70モル%を超える場合は、親水
性が不足する。
【0010】本発明の効果を得るためには、ビニルエス
テル成分のケン化度は好適には80〜98モル%であ
り、延伸性と溶融紡糸性という観点からは、より好まし
くは90〜97.8モル%、更に好ましくは92〜97
モル%である。ケン化度が80%未満では、親水性、熱
安定性、耐熱性が、98モル%を越えると、繊維の延伸
性が悪くなる。また、共重合体の〔η〕は、特に限定さ
れないが、好ましくは0.05〜0.21(l/g)、
より好ましくは、0.06〜0.15(l/g)、さら
に好ましくは0.07〜0.13(l/g)、最も好ま
しくは0.098〜0.11(l/g)である。
【0011】本発明の繊維には上述の特定のけん化度、
かつエチレン含有量のエチレン−ビニルアルコール系共
重合体を用いることから、エチレン−ビニルアルコール
系共重合体からなる繊維の延伸性を向上させることがで
き、高配向により強度が向上するばかりではなく、延伸
による細化性も向上する。特に複合分割繊維の場合には
エチレン−ビニルアルコール系共重合体が律速になり、
他方の複合成分が十分に延伸された繊維とならないた
め、分割後の複合成分の延伸糸は強度、耐薬品性等の性
能の低いものとなっていたが、本発明の複合繊維では延
伸を十分に行うことができるため繊維物性が向上し、か
つ延伸による繊維の細化性も向上する。
【0012】エチレンと共重合するビニルエステルとし
ては、酢酸ビニルエステルが特に好適であるが、その他
の脂肪酸ビニルエステル(プロピオン酸ビニル、ピバリ
ン酸ビニルなど)も併用することもできる。また、エチ
レン−ビニルアルコール系共重合体は共重合成分として
ビニルシラン化合物0.0002〜0.2モル%を含有
することができる。ここで、ビニルシラン系化合物とし
ては、たとえば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキ
シ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルメトキシシ
ランが挙げられる。なかでも、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシランが好適に用いられる。
【0013】以下にエチレン−ビニルアルコール系共重
合体の製造方法を具体的に説明する。エチレンとビニル
エステルの重合は溶液重合に限るものではなく、溶液重
合、懸濁重合、乳化重合、バルク重合のいずれであって
も良く、また連続式、回分式のいずれであってもよい
が、例えば、回分式の溶液重合の場合の重合条件は次の
通りである。
【0014】溶媒;アルコール類が好ましいが、その他
エチレン、ビニルエステルおよびエチレン−ビニルエス
テル共重合体を溶解し得る有機溶剤(ジメチルスルホキ
シドなど)を用いることができる。アルコール類として
はメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアル
コール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール
等を用いることができ、特にメチルアルコールが好まし
い。 触媒;2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−
アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,
2−アゾビス−(4−メチル−2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)、2,2−アゾビス−(4−メトキシ−2,
4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス−
(2−シクロプロピルプロピオニトリル)等のアゾニト
リル系開始剤およびイソブチリルパーオキサイド、クミ
ルパーオキシネオデカノエイト、ジイソプロピルパーオ
キシカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカー
ボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、ラ
ウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、
t−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物系
開始剤等を用いることができる。 温度;20〜90℃、好ましくは40℃〜70℃。 時間;2〜15時間、好ましくは3〜11時間。 重合率;仕込みビニルエステルに対して10〜90%、
好ましくは30〜80%。 重合後の溶液中の樹脂分;5〜85%、好ましくは20
〜70%。 共重合体中のエチレン含有率;好ましくは20〜70モ
ル%、より好ましくは25〜65モル%。
【0015】なお、エチレンとビニルエステル以外にこ
れらと共重合し得る単量体、例えば、プロピレン、イソ
ブチレン、α−オクテン、α−ドデセン等のα−オレフ
ィン;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイ
ン酸、イタコン酸等の不飽和酸またはその無水物、塩、
あるいはモノまたはジアルキルエステル等;アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル等のニトリル類;アクリル
アミド、メタクリルアミド等のアミド類;エチレンスル
ホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等の
オレフィンスルホン酸またはその塩;アルキルビニルエ
ーテル類、ビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化
ビニル、塩化ビニリデン等を少量共存させることも可能
である。
【0016】所定時間の重合後、所定の重合率に達した
後、必要に応じて重合禁止剤を添加し、未反応のエチレ
ンガスを蒸発除去した後、未反応のビニルエステルを追
い出す。エチレンを蒸発除去したエチレン−ビニルエス
テル共重合体から未反応のビニルエステルを追い出す方
法としては、例えば、ラシヒリングを充填した塔の上部
から該共重合体溶液を一定速度で連続的に供給し、塔下
部よりメタノール等の有機溶剤蒸気を吹き込み塔頂部よ
りメタノール等の有機溶剤と未反応ビニルエステルの混
合蒸気を留出させ、塔底部より未反応ビニルエステルを
除去した該共重合体溶液を取り出す方法などが採用され
る。
【0017】未反応ビニルエステルを除去した該共重合
体溶液にアルカリ触媒を添加し、該共重合体中のビニル
エステル成分をケン化する。ケン化方法は連続式、回分
式いずれも可能である。アルカリ触媒としては水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、アルカリ金属アルコラート
などが用いられる。例えば、回分式の場合のケン化条件
は次の通りである。 該共重合体溶液濃度;10〜50%。 反応温度;30〜60℃。 触媒使用量;0.02〜0.6当量(ビニルエステル成
分当り)。 時間;1〜6時間。 ケン化反応後のケン化度は目的により異なるが好ましく
はビニルエステル成分の80%以上、より好ましくは9
0%以上、更に好ましくは95%以上である。ケン化度
は条件によって任意に調整できる。
【0018】反応後のエチレン−ビニルアルコール系共
重合体はアルカリ触媒、副生塩類、その他不純物等を含
有するため、これらを必要に応じて中和、洗浄すること
により除去することが好ましい。
【0019】また、必要に応じて銅化合物等の安定剤、
着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防
止剤、難燃剤、可塑剤、潤滑剤、結晶化速度遅延剤など
を重縮合反応時、またはその後に添加することができ
る。特に溶融成形時の熱劣化を抑制するために、エチレ
ン−ビニルアルコール系共重合体に微量の酸、金属塩を
添加する事が好ましい。酸としては、酢酸などの脂肪
酸、金属塩としてはリン酸、酢酸等のアルカリ金属、ア
ルカリ土類金属の塩、等が例示される。
【0020】エチレン−ビニルアルコール系共重合体の
MFR(190℃、2160g荷重下で測定)は、加工
装置の形態によってその好適範囲は異なるが、0.05
〜500g/10minである事が望ましい。0.05
g/10min未満では溶融紡糸性が著しく悪化し、5
00g/10minを超えると溶融紡糸時の繊維の張力
が低すぎるため、断糸等のトラブルを生じ易い。より好
適には0.1〜300g/10min、更に好適には1
〜200g/10min、最も好適には5〜100g/
10minである。
【0021】本発明の繊維の製造は、公知の溶融紡糸装
置を用いることができる。単独紡糸、複合紡糸のいずれ
の方法で繊維化しても構わないが、たとえば、複合紡糸
であればエチレン−ビニルアルコール系共重合体と他の
熱可塑性重合体とを夫々別の押出機で溶融混練し、引き
続き同一の紡糸ノズルから吐出させればよい。この場
合、あらかじめエチレン−ビニルアルコール系共重合体
と複数のポリマーを混合しておいたものを複合成分の一
つに用いてもよい。より具体的には層状分割型、放射状
分割型、サイドバイサイド型、芯鞘型の複合繊維が好適
に使用できる。
【0022】本発明の繊維は通常延伸して使用される。
延伸方法は紡糸時にノズルから吐出された繊維をゴデッ
トローラーで引き取る際に、熱ゴデットロール間で延伸
する1ステップ法でも良いし、一度巻き取ってから水浴
や熱風炉中で低速で熱延伸する2ステップ法でも良い。
【0023】本発明の未延伸繊維は破断強度が1cN/
dtex以上、かつ破断伸度が200%以上である。破
断強度が1cN/dtex未満の場合には、延伸時に繊
維が破断し、十分に延伸された繊維を得ることができな
い場合がある。また破断伸度が200%未満である場合
には、繊維を十分に延伸することができず、配向結晶化
の度合いが不足し、強度あるいは耐薬品性等の繊維の物
性が低下する場合がある。
【0024】また、本発明の延伸繊維は、上記のような
破断強度および破断伸度を持つ繊維(未延伸糸)を延伸
することにより、下記の式を満たすような延伸繊維を得
ることができる。 破断強度(cN/dtex)×破断伸度(%)≧ 70(cN/dtex・%) (1) 破断強度(cN/dtex)×破断伸度(%)が70(cN/dtex・%)
未満の場合,繊維は延伸配向が不十分で、強度あるいは
耐薬品性等の低い繊維となるか、延伸配向が過度に進
み、繊維のフィブリル化、単糸切れ等で品位の悪い繊維
となり、セパレータ用に適した繊維とならない場合があ
る。
【0025】本発明の繊維を複合繊維として用いる場合
にエチレン−ビニルアルコール系共重合体と組み合わせ
るポリマーとしては、オレフィン系ポリマー、アミド系
ポリマーが好適に使用できる。特にポリプロピレン、ポ
リエチレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレ
ン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、
などのオレフィン系ポリマーを用いた場合には、分割性
に優れた繊維が得られるので好ましい。
【0026】繊維の繊度は特に限定するものではない
が、電解液の保液性、正極および負極を構成する金属の
析出防止、電極活物質の移動による短絡防止のために
0.001〜6dtexであることが好ましい。特に薄
葉のセパレータ用に分割繊維を用いる場合には、分割後
の繊度が0.001〜0.5dtexであることがセパ
レート性、保液性、濡れ性の点から好ましい。繊維断面
は円形断面でも異形断面でもよく、異形断面の場合には
円形断面に換算した値を繊維径とする。また繊維長も特
に限定するものではないが、不織布の形成方法によって
適宜設定することができる。たとえば、湿式法によって
不織布を形成する場合には1〜30mmであることが好
ましく、カード法やエアレイ法等の乾式法によって不織
布を形成する場合は10〜70mmであることが好まし
い。
【0027】本発明の電池用セパレータは上述のエチレ
ン−ビニルアルコール系共重合体からなる繊維を20質
量%以上含む不織布から構成されることが好ましく、よ
り好ましくは該繊維を40質量%以上、特に好ましくは
60質量%以上含んでいる不織布である。該繊維が20
質量%未満の場合には、セパレータをアルカリ2次電池
に用いた場合、十分な保液性を有さないため電気抵抗が
高くなるばかりでなく、急速充電することができない場
合がある。
【0028】上述のエチレン−ビニルアルコール系共重
合体からなる繊維と混用することのできる繊維として
は、例えば、ナイロン6、ナイロン66等の汎用脂肪族
ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維、セルロース
系繊維、ポリアリレート繊維、アラミド繊維、PPS繊
維、PBO繊維などの繊維をあげることができる。また
上述のブレンドポリマーからなる繊維よりも融点低い繊
維、公知の熱可塑性バインダー繊維、糊剤などを使用す
ることにより、不織布の形態安定性を向上させることも
できる。
【0029】本発明において、電池用セパレータに使用
される不織布は任意の製造方法で得ることができる。例
えば、繊維ウエッブ(不織布の絡合または結合前のも
の)を形成し、ウエッブ内の繊維を絡合または接着させ
ることにより不織布化することができる。得られた不織
布はそのまま使用してもよいし、複数枚(複数種類でも
良い)の積層体としても使用してもよい。繊維ウエッブ
の形成方法としては、たとえばカード法やエアレイ法等
の乾式法、抄紙法等の湿式法、スパンボンド法、メルト
ブローン法などがあり、これらの中でも湿式法によって
得られる繊維ウエッブは緻密で、均一な表面状態を有
し、電池用セパレータとして使用すると、金属の析出や
電極活物質の移動を効果的に防止できる。また、上記そ
れぞれの方法により形成された繊維ウエッブを組み合わ
せて積層して使用することもできる。
【0030】以下に、具体的に不織布の製造方法を説明
する。乾式法による繊維ウエッブの形成はローラーカー
ド、ランダムカード、ウエッバー等を用いて繊維ウエッ
ブを製造することができる。該ウエッブは繊維の方向性
によりパラレルウエッブ、クロスウエッブ、ランダムウ
エッブ等に種別されるが、繊維の配向方向が交差した形
状のウエッブが縦方向と横方向の強度差が小さくなるの
で好適である。このような繊維ウエッブから不織布を形
成する方法としては、たとえば、繊維ウエッブを水流や
ニードル等の作用によって絡合させる方法、バインダー
によって接着させる方法、縫い糸でウエッブをたて網状
に抱合する方法等があり、これらの方法は単独であるい
は組み合わせることができる。
【0031】湿式法による繊維ウエッブの形成は抄紙法
が一般的であるが、かかる方法は生産速度が他の方法に
比べて速く、同一装置で繊維径の異なる繊維や複数の種
類の繊維を任意の割合いで混合できる利点がある。すな
わち、繊維の形態もステープル状、パルプ状と選択の巾
が広く、使用される繊維径も極細繊維から太い繊維まで
使用可能であるといったきわめて応用範囲が広く、地合
いの良好なウエッブが得られる。該方法は、まず溶融紡
糸して得られた繊維をカットして水中に分散して緩やか
に撹拌のもと均一な抄紙スラリーとし、この抄紙スラリ
ーを丸網、長網、傾斜式等のワイヤーの少なくとも1つ
を有する抄紙機を用いて抄紙する方法である。またこの
ようにして得られた湿紙あるいは乾燥後の紙を単独、ま
たは積層したシートに水流を当て絡合させてもよい。カ
ットされた繊維はビーターあるいはリファイナー等で叩
解処理が施された後に抄紙スラリーとなしてもよく、抄
紙の際に粘剤、分散剤等を添加してもよい。
【0032】このような方法によって形成された不織布
の表面は、表面平滑性の改善、不織布の厚み調整、熱接
着、強度、高密度化発現等のために熱カレンダー処理を
行うことが好ましい。
【0033】本発明においては特定のエチレン−ビニル
アルコール系共重合体繊維を用いていることから薄型で
ありながら、吸液量の大きいセパレータが得られる。よ
り具体的には、本発明のセパレータの電解液保持率は1
00%以上であることが好ましい。より好ましくは、1
50%以上であり、特に好ましくは200%以上であ
る。
【0034】本発明のセパレータは特に親水化処理を行
わなくても、十分な保液性を有してはいるが、さらに高
いエネルギー密度が必要とされる電池に使用する場合、
親水化処理を施してもよい。親水化処理法としては、グ
ラフト重合処理、プラズマ放電処理、コロナ放電処理、
フッ素ガス処理、樹脂コーティング、親水性界面活性剤
処理、スルホン化処理等が挙げられ、これらの処理のう
ち、グラフト重合処理、プラズマ処理が好適であるが、
親水処理の効果が比較的長時間持続するグラフト重合が
特に好ましい。
【0035】かかる電池用セパレータ用シートをそのま
ま用いて、または袋状体や渦巻状体等の所望の形状に加
工することにより電池用セパレータとすることができ
る。もちろん該シート以外のものと組み合せて電池用セ
パレータを製造してもよい。たとえば他のシート(不織
布、フィルム等)と積層したり、継ぎ合せることができ
る。しかしながら、本発明の効果を効率的に得る点から
は実質的に前述のシート、特に不織布のみから電池用セ
パレータを製造するのが好ましい。本発明の電池用セパ
レータを組込むことによって諸性能に優れた電池が得ら
れる。
【0036】なお、本発明はセパレータ用繊維ではある
が、本発明に係わる繊維構造体は電池セパレータ、キャ
パシタセパレータ、エアフィルター、液体フィルターと
しても有用である。
【0037】
【実施例】以下に実施例により本発明を説明するが、本
実施例により何等限定されるものではない。なお実施例
中の各測定値は以下の方法により測定された値である。 [エチレン含有量]未反応モノマーを取り除いたケン化前
のエチレン−ビニルエステル共重合体0.25gに1/
2規定の水酸化ナトリウム溶液を10ml加え、更にn
−プロピルアルコール25ml、メタノール35mlを
加えて、逆流冷却器を使用しながら60℃で4時間以上
加熱した。冷却後、フェノールフタレインを指示薬とし
て、1/10規定硫酸水溶液にて、ケン化に消費された
水酸化ナトリウム量を滴定により求めて、ポリマー中の
ビニルエステル含有量を計算する事により、エチレン含
有量を測定した。 [けん化度]ケン化後のエチレン−ビニルアルコール共重
合体1gに、1/2規定の水酸化ナトリウム溶液を10
ml加え、更にn−プロピルアルコール25ml、メタ
ノール35ml、蒸留水10mlを加えて、逆流冷却器
を使用しながら65℃で4時間以上加熱した。冷却後、
フェノールフタレインを指示薬として、1/10規定硫
酸水溶液にて、ケン化に消費された水酸化ナトリウム量
を滴定により求めて、ポリマー中のビニルエステル含有
量を測定した。 [繊維の強度・伸度]JIS L1013に準拠して測
定した。 [厚さ(μm)]JIS P 8118「紙及び板紙の
厚さと密度の試験方法」に準じて測定した。 [坪量(g/m2)]JIS P 8124「紙のメー
トル坪量測定方法」に準じて測定した。 [強力(N/15mm)]JIS P 8113「紙及
び板紙の引張強さ試験方法」に準じて測定した [保液率(%)]50mm×50mmの紙試料を20
℃、35%KOH液に浴比1/100の条件で30分間
浸漬し、30秒間自然液切りを行った。処理前の試験片
の重量をW0、処理後の試験片の重量をW1とし、次の式
により電解液保液率(%)を算出した。 電解液保液率(%)={(W1−W0)/W0}×100 [固有粘度]エチレン−ビニルアルコール系共重合体から
なる樹脂組成物の試料ペレット0.20gを精秤し、こ
れを含水フェノール(水/フェノール=15/85wt
%)40mlに60℃にて3〜4時間加熱溶解させ、温
度30℃にて、オストワルド型粘度計にて測定し(t0
=90秒)、下式により固有(極限)粘度[η]を求め
た。 [η]=(2×(ηsp−lnηrel))1/2/C (L/
g) ηsp=t/t0−1 (specific viscosity) ηrel=t/t0 (relative viscosity) C ;EVOH濃度(g/l) t0:ブランク(含水フェノール)が粘度計を通過する
時間 t:サンプルを溶解させた含水フェノール溶液が粘度計
を通過する時間
【0038】比較例1 エチレン含有量44モル%のエチレン−ビニルエステル
共重合体の45%メタノール溶液をケン化反応器に仕込
み、苛性ソーダ/メタノール溶液(80g/L)を共重
合体中のビニルエステル成分に対し、0.4当量となる
ように添加し、メタノールを添加して共重合体濃度が2
0%になるように調整した。60℃に昇温し反応器内に
窒素ガスを吹き込みながら約4時間反応させた。4時間
後、酢酸で中和し反応を停止させ、円形の開口部を有す
る金板から水中に押し出して析出させ、切断することで
直径約3mm、長さ約5mmのペレットを得た。得られ
たペレットは遠心分離機で脱液しさらに大量の水を加え
脱液する操作を繰り返した。
【0039】こうして得られたエチレン−ビニルアルコ
ール系共重合体の含水ペレット100重量部(含水率5
5%)を、酢酸0.2g/L、リン酸2水素カリウム
0.05g/Lを含有する水溶液370重量部に25℃
で6時間浸漬した。浸漬後脱液し、80℃で3時間、引
き続いて107℃で24時間熱風乾燥機を用いて乾燥を
行い、乾燥ペレットを得た。得られたエチレン−ビニル
アルコール系共重合体のケン化度は、99.5mol%
であった。また、得られたエチレン−ビニルアルコール
系共重合体樹脂組成物ペレットのMFR(190℃、2
160g荷重下で測定)は6.1g/10minであっ
た。また、〔η〕は0.093であった。上述の樹脂組
成物を押出機で溶融混練後、ポリマー流を紡糸頭に導
き、ノズルより250℃で吐出し、1,000m/分で
巻き取った。得られた172dtex/24fの紡糸原
糸を80℃の水浴中で延伸すると破断に至るまでの最大
延伸倍率は2.9倍と低いものであり、延伸性に劣るも
のであった。80℃の水浴中で2.8倍延伸することを
試みたが、単糸切れ多発で巻取り不可であった。
【0040】実施例1 比較例1で用いたのと同じエチレン含有量44モル%の
エチレン−ビニルエステル共重合体のメタノール溶液を
用いて、苛性ソーダの添加量を、共重合体中のビニルエ
ステル成分に対し0.14当量、反応時間を2時間、に
変更した以外は同様の処理を行い、ケン化度97.0m
ol%のエチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂組
成物ペレットを得た。ペレットのMFRは5.8g/1
0minであった。また、〔η〕は0.094であっ
た。このエチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂組
成物を用いたこと以外は、比較例1と全く同様にして紡
糸原糸を得た。紡糸原糸の破断伸度は比較例1と比較し
て高いものであり、また80℃の水浴中で延伸すると破
断に至るまでの最大延伸倍率は4.3倍と高いものであ
り、延伸性に優れたものであった。比較例1と同様に
3.4倍延伸した延伸糸は十分に延伸され、高強度で細
化されたものであった。紡糸原糸、延伸糸の物性を表1
に示す。
【0041】実施例2 実施例1で用いた樹脂組成物を一方の押出し機で溶融混
練し、他方の押出し機でポリプロピレン(日本ポリケ
ム、SA2D)を溶融混練した後、樹脂組成物(A)が
6層、ポリプロピレンが5層となる多層貼り合せ型複合
形状を形成させる紡糸ヘッドへそれぞれの重量割合が
2:1となるように別個に供給し、計量部分の径が0.
25mmφ、ノズル孔出口がラッパ状に広がり出口径が
0.5mmφになっている24ホール丸孔ノズルから、
紡糸温度270℃で溶融紡出し、1000m/分の引取
速度で巻取った紡糸原糸を実施例1と全く同様にしてて
3.8倍で延伸した。得られた延伸糸は毛羽もなく良好
なものであった。繊維物性を表1に示す。
【0042】実施例3 実施例2で得られた紡糸原糸を140℃の熱風炉で4.
7倍延伸した。得られた延伸糸は毛羽もなく良好なもの
であった。繊維物性を表1に示す。
【0043】比較例2 実施例2のエチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂
組成物を、比較例1のエチレン−ビニルアルコール系共
重合体樹脂組成物に変更したこと以外は、実施例2と全
く同様にして紡糸原糸を得た。紡糸原糸の破断伸度は実
施例2と比較して低いものであり、また80℃の水浴中
で実施例2と同様に3.8倍延伸すると断糸切れが多発
して巻取り不可であった。
【0044】実施例4 エチレン含有量モル47%のエチレン−ビニルエステル
共重合体の40%メタノール溶液を、苛性ソーダの添加
量を、共重合体中のビニルエステル成分に対し0.07
当量、反応時間を2時間に変更したこと以外は、比較例
1と同様の処理を行い、ケン化度95.3mol%のエ
チレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂組成物ペレッ
トを得た。ペレットのMFRは14g/10minであ
った。また、〔η〕は0.083であった。
【0045】上記のエチレン−ビニルアルコール系共重
合体樹脂組成物のペレットを用いて、実施例2と同様に
して繊維化し、繊維物性を調べた。紡糸原糸は延伸性に
優れたものであり、また80℃の水浴中で3.8倍延伸
した延伸糸は十分に延伸され、高強度で細化されたもの
であった。紡糸原糸、延伸糸の物性を表1に示す。
【0046】比較例3 実施例4で用いたのと同じエチレン含有量47モル%の
エチレン−ビニルエステル共重合体のメタノール溶液を
用いて、苛性ソーダの添加量を、共重合体中のビニルエ
ステル成分に対し0.4当量、反応時間を4時間に変更
したこと以外は同様の処理を行い、ケン化度99.4m
ol%のエチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂組
成物ペレットを得た。ペレットのMFRは15g/10
minであった。この樹脂組成ペレットを用いたこと以
外は実施例2と同様に溶融紡糸し、3.8倍で延伸を試
みたが、単糸切れが多発し、巻取り不可であった。繊維
物性を表1に示す。
【0047】実施例5 エチレン含有量38モル%のエチレン−ビニルエステル
共重合体の42%メタノール溶液を、苛性ソーダの添加
量を、共重合体中のビニルエステル成分に対し0.09
当量、反応時間を2時間、に変更した以外は、比較例1
と同様の処理を行い、ケン化度97.2mol%のエチ
レン−ビニルアルコール系共重合体樹脂組成物ペレット
を得た。ペレットのMFRは14g/10minであっ
た。また、〔η〕は0.083であった。得られた樹脂
組成物のペレットを用いて、実施例2と同様にして繊維
化し、繊維物性を調べた。紡糸原糸は延伸性に優れたも
のであり、また80℃の水浴中で3.8倍延伸した延伸
糸は十分に延伸され、高強度で細化されたものであっ
た。紡糸原糸、延伸糸の物性を表1に示す。
【0048】比較例4 実施例5で用いたのと同じエチレン含有量38モル%の
エチレン−ビニルエステル共重合体のメタノール溶液を
用いて、苛性ソーダの添加量を、共重合体中のビニルエ
ステル成分に対し0.4当量、反応時間を4時間、に変
更した以外は同様の処理を行い、ケン化度99.6mo
l%のエチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂組成
物ペレットを得た。ペレットのMFRは14g/10m
inであった。この樹脂組成物ペレットを用いたこと以
外は実施例2と同様に溶融紡糸し、3.8倍で延伸を試
みたが、単糸切れが多発し、巻取り不可であった。繊維
物性を表1に示す。
【0049】[ポリプロピレン単独繊維の製造]市販の
ポリプロピレン(日本ポリケム、SA02)を押出機を
用いて溶融押出しし、0.4mmΦ×48ホールの丸孔
ノズルより吐出し、吐出速度と巻取速度との比(ドラフ
ト)が10〜100の範囲になるようにそれぞれの速度
を調節し、巻取速度500〜2000m/分の範囲で巻
き取った。ついで、1炉が140℃、2浴が150℃の
熱風炉を用いて延伸し、単繊維繊度1.0dtexの延
伸糸を得た。延伸倍率は熱風炉温度140℃での最大延
伸倍率の0.8倍で行った。得られた延伸糸をカット長
5mmに切断し、ポリプロピレン単独繊維原綿とした。
【0050】[バインダー繊維]鞘成分がポリエチレ
ン、芯成分がポリプロピレンである繊度2.2dte
x、繊維長5mmの芯鞘型複合繊維(株式会社クラレ製
「N−740」)を用いた。
【0051】実施例6 実施例2で得られた分割複合延伸糸をカット長3mmに
切断し抄紙原料とした。得られた抄紙原料を50重量
%、上記のポリプロピレン単独繊維の5mmカット原綿
を30重量%、上述の熱溶融性バインダー繊維5mmカ
ット原綿(クラレ、N−740)を20重量%混合し原
料とした。この原料を抄紙機(角型25cm×25c
m)で抄紙して坪量約40g/m2の不織布を作成し、
ついでカレンダーロール(ローラー温度115℃、線圧
40kg/cm)で熱プレスし、電池用セパレータを得
た。該多層分割型複合繊維の分割性が非常に高く、抄造
時の離解機による叩解で実質的に完全に分割しているた
め、得られた不織布は均一かつ薄型で、保液率の高いも
のであり、また機械的性能が高くセパレータとして優れ
た性能を有するものであった。得られたセパレータの物
性は、厚さ106μm、目付41.3g/m2、強力1
6.1N/15mm、保液率311%であった。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明の目的は、親水性、すなわち電解
液の保液性を有しながら、延伸細化性、低繊度、分割後
の強度に優れたセパレータ用繊維を提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D21H 13/16 D21H 13/16 5H028 15/10 15/10 H01M 2/16 H01M 2/16 P 10/24 10/24 Fターム(参考) 4L035 BB03 BB72 BB89 BB91 EE08 EE20 FF01 FF05 4L041 BA04 BA05 BA09 BA11 BC02 BC20 CA38 CA55 DD01 EE07 4L047 AA18 AA28 AB02 BA07 BA09 BA21 BB02 BB09 CB07 CB10 CC12 EA10 4L055 AF15 AF16 AF17 AF21 AF39 AF47 BE20 EA01 EA32 EA33 FA30 GA01 5H021 CC01 EE04 EE05 EE16 EE23 HH00 HH01 HH06 HH07 5H028 AA05 HH01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 けん化度が80〜98モル%、エチレン
    含有量が5〜70モル%であるエチレン−ビニルアルコ
    ール系共重合体を一成分とする繊維であって、破断強度
    が1cN/dtex以上、かつ破断伸度が200%以上
    であることを特徴とするセパレータ用に適した未延伸繊
    維。
  2. 【請求項2】 けん化度が80〜98モル%、エチレン
    含有量が5〜70モル%であるエチレン−ビニルアルコ
    ール系共重合体を一成分とする繊維であって、下記の式
    を満たすことを特徴とするセパレータ用繊維。 破断強度(cN/dtex)×破断伸度(%)≧70 (cN/dtex・%) (1)
  3. 【請求項3】 けん化度が80〜98モル%、エチレン
    含有量が5〜70モル%であるエチレン−ビニルアルコ
    ール系共重合体とオレフィン系重合体とが複合されてな
    る分割型複合繊維であって、分割処理により形成される
    繊維の単繊維繊度が0.001〜0.5dtexである
    セパレータ用繊維。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の繊維を含む繊維構造
    体。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の繊維構造体からなり、
    電解液保液率が100%以上である電池用セパレータ。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のセパレータを組み込ん
    でなる二次電池。
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WO2007055383A1 (ja) * 2005-11-14 2007-05-18 The Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd. エチレン-ビニルアルコール系共重合体繊維

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JP2002088583A (ja) * 2000-06-26 2002-03-27 Chisso Corp ポリオレフィン系分割型複合繊維及びそれを用いた繊維成形体

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