JP3354804B2 - 電池用セパレーター - Google Patents

電池用セパレーター

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JP3354804B2 JP21332696A JP21332696A JP3354804B2 JP 3354804 B2 JP3354804 B2 JP 3354804B2 JP 21332696 A JP21332696 A JP 21332696A JP 21332696 A JP21332696 A JP 21332696A JP 3354804 B2 JP3354804 B2 JP 3354804B2
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電池用セパレーター
およびそれを備えている電池に関する。より詳細には、
本発明は、アルカリ電池で用いられている水酸化カリウ
ム水溶液等のアルカリ性電解液の吸液能(保持能)が高
く、しかも耐アルカリ性、セパレート性などの特性にお
いても優れている電池用セパレーター、およびそのセパ
レーターを備えている電池に関する。
【0002】
【従来の技術】アルカリ電池用のセパレーターに要求さ
れる性能として、(1)耐アルカリ性に優れていて水酸
化カリウム水溶液などのアルカリ性電解液に侵されない
こと;(2)アルカリ性電解液保持能(アルカリ性電解
液の吸液量)が高くて電池反応の持続性に寄与できるこ
と;(3)セパレーター中に存在する孔が微細であり正
極および負極の活物質や電池反応で生成する導電性物質
の通過を阻止し得ることなどが挙げられる。
【0003】電池用セパレーターが耐アルカリ性に欠け
ると、水酸化カリウム水溶液などのアルカリ性電解液に
よってセパレーターの変質や溶出などが生じて、電池反
応に悪影響を及ぼしたり、セパレート機能が低下して、
電池の両極間に内部短絡を生ずるなどのトラブルが発生
する。また、電池用セパレーターのアルカリ性電解液の
保持能が低い(すなわちアルカリ性電解液の吸液量が小
さい)と、電池反応に必要な電解液をセパレーター中に
充分に含むことができなくなってイオンの流れが阻害さ
れ、アルカリ電池の特徴である大電流の取り出しが困難
になる。さらに、セパレート機能が充分でないと、正極
および負極の活物質や電池反応で生成する導電性の物質
がセパレーターの孔を通って対極に移動して電池内で内
部短絡を生ずるなどのトラブルが発生する。
【0004】アルカリマンガン電池などのようなアルカ
リ電池では、上記した(1)〜(3)の特性を備えたセ
パレーターの開発が従来から色々試みられており、例え
ば、 ビスコースレイヨン繊維と難溶解性ポリビニルアル
コール系繊維を易溶解性ポリビニルアルコール系繊維で
結着せしめたセパレーター(特公昭51−33248号
公報); マーセル化クラフトパルプを単独で抄紙するかまた
はマーセル化クラフトパルプと合成繊維、合成樹脂パル
プとの混合物を混抄してなるアルカリ電池用セパレータ
ー(特公昭57−9650号公報); 叩解可能な耐アルカリ性セルロース繊維と合成繊維
とを混抄したものを用いるアルカリ電池用セパレーター
(特開昭59−98453号公報、特開平2−1190
49号公報など);などが知られている。
【0005】上記した〜の従来の電池用セパレータ
ーでは、ポリビニルアルコール系繊維やその他の合成繊
維、および合成パルプは、セパレーターに耐アルカリ性
を付与してセパレーターの骨格を保持することを主たる
目的として用いられており、一方パルプ、セルロース繊
維、ビスコースレイヨン繊維などのような天然のセルロ
ースに由来する繊維やパルプは、その高いアルカリ性電
解液の吸液能を活かして、セパレーターにアルカリ性電
解液の吸液能を付与することを主たる目的として用いら
れている。そして上記したような従来のセパレーターで
は、セパレーター中の開孔を微細にしてセパレート能を
高めるために、またアルカリ性電解液の吸液能を高める
ために、アルカリ性電解液の吸液材として用いられてい
るパルプやセルロース繊維などの天然セルロース由来の
繊維やパルプを、叩解処理してフィブリル化することに
よって繊維径を小さくしたり、微細化することが一般に
行われている。そのため、セパレーターの製造に際して
は、叩解装置が必要となり、セパレーターの生産ライン
の複雑化やコストの上昇などを招いている。しかも、叩
解処理を行った場合には、叩解不良部分の混入、除去不
可能な異物の混入など問題が発生し易く、そのため叩解
を完全に行うための高叩解度パルプ抄紙技術、高精度ク
リーナーの設置などが必要であり、かかる点からもセパ
レーター製造設備を一層複雑で且つ高価なものとせざる
を得ず、簡単な設備で高品質のセパレーターを安定して
製造することが困難である。
【0006】一方、ポリビニルアルコール系繊維やその
他の合成繊維の場合は、紡糸方法や紡糸条件を選択する
ことによってその繊維繊度を小さくすることが可能であ
り、単繊維繊度が例えば0.1〜1デニール程度である
ような極細繊維を比較的簡単に製造することができる。
そして、そのような極細繊維を用いれば、セパレート機
能に優れる微細な孔を有するセパレーターを比較的容易
に製造することができ、上記したような叩解設備や高精
度クリーナーなどの設置を省略できる。しかしながら、
ポリビニルアルコール系繊維やその他の合成繊維は耐ア
ルカリ性や微細繊維(極細繊維)の形成性などの点では
優れているものの、アルカリ水溶液の吸液能がパルプ、
セルロース繊維、ビスコースレイヨン繊維などのような
天然セルロース由来のものに比べて小さく、そのためポ
リビニルアルコール系繊維などの合成繊維を単独で用い
て電池用セパレーターを製造した場合には、セパレータ
ーのアルカリ性電解液の保持能が低くなる傾向がある。
したがって、従来、ポリビニルアルコール系繊維などの
合成繊維を用いて電池用セパレーターを製造する場合に
は、上記した〜に従来技術にみるように、パルプ、
セルロース繊維、ビスコースレイヨン繊維などの天然セ
ルロース由来の繊維やパルプとの併用が一般に広く行わ
れている。
【0007】
【発明の内容】上記のような状況下に、本発明者らは、
合成繊維を単独で用いて、また場合によっては多量の合
成繊維と少量の上記したビスコースレイヨン繊維、パル
プ、セルロース繊維などのような天然セルロース由来の
繊維やパルプを用いて、耐アルカリ性およびセパレート
性に優れるているだけではなく、アルカリ性電解液の吸
液能(保持能)にも優れるセパレーターを得ることを目
的として検討を重ねてきた。その結果、従来用いられて
きたアルカリ水溶液の吸液能の低いポリビニルアルコー
ル系繊維に替えて、高いアルカリ水溶液の吸液能を有す
る特定のポリビニルアルコール系繊維を用いるとよいこ
と、そしてそのようなアルカリ水溶液の吸液能の高いポ
リビニルアルコール系繊維を用いると、耐アルカリ性お
よびセパレート性が良好なだけではなく、電池反応に必
要な電解液をセパレーター中に充分に保持させることが
可能になってイオンの流れが円滑になって大電流の取り
出しも容易になることを見出した。さらに、本発明者ら
は、そのような高いアルカリ性水溶液の吸液能を有する
ポリビニルアルコール系繊維として、その耐熱水性を改
良した繊維、さらには熱水収縮性を低減した繊維を用い
てセパレーターを製造すると、セパレーターを製造する
際にポリビニルアルコール系繊維の溶解や収縮が防止さ
れて、断紙トラブルや紙における大きな穴の発生が防止
されて、より高品質のセパレーターが得られることを見
出し、それらの知見に基づいて本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、 (a) 下記の数式(i)により求められるアルカリ水
溶液の吸液量(Aab);
【0009】
【数2】 Aab(倍)=(Wa−Wb)/Wb (i) [式中、Wa=ポリビニルアルコール系繊維を濃度35
重量%の水酸化カリウム水溶液中に浴比1:100で3
0℃の温度で15分間浸漬した後に1Gの条件下に10
分間遠心脱水したときのポリビニルアルコール系繊維の
重量(g)、Wb=水酸化カリウム水溶液に浸漬する前
のポリビニルアルコール系繊維の重量(g)を表す] の値が、2倍以上であるポリビニルアルコール系繊維を
少なくとも用いて抄造して形成したことを特徴とする電
池用セパレーターである。
【0010】そして、本発明は、 (b) アルカリ水溶液の吸液量(Aab)が2倍以上で
あるという上記した特性と共に、水溶解温度が90℃以
上であるという特性をさらに備えているポリビニルアル
コール系繊維を少なくとも用いて抄造して形成した電池
用セパレーターを好ましい態様として包含し; (c) アルカリ水溶液の吸液量(Aab)が2倍以上で
あるという上記した特性と共に、ポリビニルアルコール
系繊維の80℃の熱水中における収縮率が20%以下で
あるという特性をさらに備えているポリビニルアルコー
ル系繊維を少なくとも用いて抄造して形成した電池用セ
パレーターを好ましい態様として包含し; (d) アルカリ水溶液の吸液量(Aab)が2倍以上で
あるという上記した特性と共に、水溶解温度が90℃以
上であるという特性、および80℃の熱水中における収
縮率が20%以下であるという特性をさらに備えている
ポリビニルアルコール系繊維を少なくとも用いて抄造し
て形成した電池用セパレーターを好ましい態様として包
含する。
【0011】また、本発明は、 (e) ポリビニルアルコール系繊維が、カルボキシル
基を分子中に0.5〜10モル%の割合で有しているポ
リビニルアルコール系重合体から形成されている上記し
た(a)〜(d)のいずれかの電池用セパレーター;お
よび (f) ポリビニルアルコール系繊維が、カルボキシル
基を分子中に0.5〜10モル%の割合で有し且つケン
化度が98モル%以上であるポリビニルアルコール系重
合体から形成されている上記した(a)〜(d)のいず
れかの電池用セパレーター用;をより好ましい態様とし
て包含する。さらに、本発明は、上記した電池用セパレ
ーターを備える電池を包含するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。まず、本発明は、電池用セパレーターが、上記の
数式(i)で求められるアルカリ水溶液の吸液量(Aa
b)の値が2倍以上であるポリビニルアルコール系繊維
を少なくとも用いて抄造して形成されているという点に
大きな特徴がある。 上記したように、ポリビニルアルコール系繊維を使用し
てなる従来のアルカリ電池用セパレーターでは、ポリビ
ニルアルコール系繊維として上記の数式(i)で求めら
れるアルカリ水溶液の吸液量(Aab)が0.5〜1.5
倍程度であるポリビニルアルコール系繊維が一般に用い
られており、また電池用セパレーターに従来用いられて
いるセルロース繊維でもそのアルカリ水溶液の吸液量
(Aab)は一般に2〜2倍程度である。したがって、本
発明で用いているポリビニルアルコール系繊維は、電池
用セパレーターに従来用いられているポリビニルアルコ
ール系繊維に比べて格段に高いアルカリ水溶液の吸液能
(すなわちアルカリ性電解液保持能)を有しており、し
かもアルカリ水溶液の吸液能が高いとされているセルロ
ース繊維と比べても、それ以上の極めて高いアルカリ水
溶液の吸液能を有している。
【0013】すなわち、繊維に形成する前のポリビニル
アルコール系重合体は、本来耐アルカリ性に優れると共
に一般にある程度のアルカリ水溶液の吸液性を有してい
る。しかしながら、ポリビニルアルコール系重合体を紡
糸して得られる従来の電池用セパレーター用のポリビニ
ルアルコール系繊維では、繊維に耐熱水性、耐湿熱性、
耐熱収縮性などを付与するために、アセタール化、架橋
処理、高配向による配向結晶化処理などが施されている
ことが多く、その結果そのアルカリ水溶液の吸液量(A
ab)は一般に約0.5〜1.5倍程度であり、本発明の
セパレーター用ポリビニルアルコール系繊維と比べてア
ルカリ水溶液(すなわちアルカリ性電解液)の吸液量が
大幅に低かったのである。そのため、従来は、ポリビニ
ルアルコール系繊維自体にアルカリ性電解液の吸液能を
期待できず(ポリビニルアルコール系繊維を単独で用い
てアルカリ性電解液の吸液能の高いアルカリ電池用のセ
パレーターを形成することが困難であり)、上記した従
来技術〜などにみるように、ポリビニルアルコール
系繊維と共に、ビスコースレイヨン繊維、パルプ、セル
ロース繊維などのようなアルカリ水溶液の吸液能の高い
天然セルロース由来の繊維やパルプを併用してセパレー
ターを形成することが一般的に行われており、その場合
には、パルプやセルロース繊維などをフィブリル化した
り、微細化するための叩解処理が必要であった。
【0014】それに対して、本発明では、電池用セパレ
ーターを構成しているポリビニルアルコール系繊維自体
のアルカリ水溶液の吸液量(Aab)が2倍以上であっ
て、高いアルカリ水溶液の吸液能を有しているので、上
記した天然セルロース由来の繊維やパルプを併用しない
場合であっても、アルカリ性電解液の吸液能の高い電池
用セパレーターを得ることができる。本発明では、電池
用セパレーターを構成するポリビニルアルコール系繊維
のアルカリ水溶液の吸液量(Aab)が2.5〜3.5倍
であるのが好ましい。ポリビニルアルコール系繊維のア
ルカリ水溶液の吸液量(Aab)が3.5倍を超えると、
アルカリ水溶液の吸液能(アルカリ性電解液の吸液能)
は向上するが、耐熱水溶解性および耐水性の点で不十分
になり易い。
【0015】本発明の電池用セパレーターに用いるポリ
ビニルアルコール系繊維は、そのアルカリ水溶液の吸液
量(Aab)が2倍以上である限りは、その他の物性、特
に耐水性、耐アルカリ性、セパレート性などの特性は、
従来の電池用セパレーターで用いられているポリビニル
アルコール系繊維と同程度であればよく、特に制限され
ない。そのうちでも、本発明の電池用セパレーターは、
アルカリ水溶液の吸液量(Aab)が2倍以上であるとい
う上記した特性と共に、水溶解温度が90℃以上である
という特性をさらに備えているポリビニルアルコール系
繊維を用いて形成されているのが好ましく[上記した
(b)の態様]、特にポリビニルアルコール系繊維の水
溶解温度が95℃以上であるのがより好ましく、97℃
以上であるのがさらに好ましい。そのような高い水溶解
温度を有しているポリビニルアルコール系繊維を用いた
場合には、ポリビニルアルコール系繊維を抄造して電池
用セパレーターを製造する際に生産性の向上などのため
に抄造工程における乾燥装置の温度を高くしても、ポリ
ビニルアルコール系繊維の溶解が防止できて、ポリビニ
ルアルコール系繊維の特性を十分に活かした、耐アルカ
リ性、アルカリ性電解液保持能、両極活物質などのセパ
レート性などの特性により優れる電池用セパレーターを
得ることができる。なお、本願明細書でいう「ポリビニ
ルアルコール系繊維の水溶解温度」とは、ポリビニルア
ルコール系繊維が水に溶ける温度をいい、詳細には、下
記の実施例に記載した方法で測定したときの水溶解温度
をいう。
【0016】また、本発明の電池用セパレーターに用い
るポリビニルアルコール系繊維は、上記した2倍以上の
アルカリ水溶液の吸液量(Aab)と共に、80℃の熱水
中における収縮率が20%以下であるという特性を備え
ているのが好ましく[上記した(c)の態様]、該収縮
率が18%以下であるのがより好ましく、15%以下で
あるのが更に好ましい。ポリビニルアルコール系繊維が
上記した低い熱水中における収縮率を有していることに
よって、ポリビニルアルコール系繊維を用いてセパレー
ターを製造する際に、生産性の向上などのために抄造工
程における乾燥装置の温度を高くした場合にも、乾燥処
理中にポリビニルアルコール系繊維の収縮が防止され
て、ポリビニルアルコール系繊維の特性を十分に活かし
た、耐アルカリ性、アルカリ性電解液保持能、両極活物
質などのセパレート性などの特性により優れる電池用セ
パレーターを得ることができる。なお、本願明細書でい
う「ポリビニルアルコール系繊維の80℃の熱水中にお
ける収縮率」とは、ポリビニルアルコール系繊維を80
℃の熱水に浸漬したときに収縮する割合をいい、詳細に
は、下記の実施例に記載した方法で測定したときの収縮
率の値をいう。
【0017】そして、本発明の電池用セパレーターに用
いるポリビニルアルコール系繊維は、上記した2倍以上
のアルカリ水溶液の吸液量(Aab)と共に、90℃以上
の水溶解温度という特性、および80℃の熱水中におけ
る収縮率が20%以下であるという両方の特性を備えて
いるのが一層好ましい[上記した(d)の態様]。より
好ましくは、ポリビニルアルコール系繊維が、上記した
2倍以上のアルカリ水溶液の吸液量(Aab)と共に、9
5℃以上の水溶解温度および18%以下の上記収縮率を
有しているのが好ましく、97℃以上の水分解温度およ
び15%以下の該収縮率を有しているのがさらに好まし
い。ポリビニルアルコール系繊維が、2倍以上のアルカ
リ水溶液の吸液量(Aab)と共に、そのような高い水溶
解温度および低い熱水中における収縮率の両方の特性を
兼ね備えていることによって、ポリビニルアルコール系
繊維を用いてセパレーターを製造する際に、抄造工程に
おける乾燥温度を高くしても、ポリビニルアルコール系
繊維の溶解および収縮が一層円滑に防止されて、ポリビ
ニルアルコール系繊維の特性を一層良好に活かした、耐
アルカリ性、アルカリ性電解液保持能、両極活物質など
のセパレート性などの特性に一層優れる電池用セパレー
ターを得ることができる。
【0018】本発明の電池用セパレーター紙で用いるポ
リビニルアルコール系繊維は、電池用セパレーターに従
来用いられてきたポリビニルアルコール系繊維と同程度
の耐アルカリ性、セパレート性などの特性を備えてい
て、しかもアルカリ水溶液の吸液量(Aab)の値が2倍
以上であるという上記した特性を備えているものである
限りは、ポリビニルアルコール系繊維を構成するポリビ
ニルアルコール系重合体の内容やポリビニルアルコール
系繊維の製法などは特に制限されない。そのうちでも、
ポリビニルアルコール系繊維が、アルカリ水溶液の吸液
量(Aab)という特性と共に90℃以上の水溶解温度と
いう特性および/または80℃の熱水中における収縮率
が20%以下であるという特性を備える得るようにし
て、ポリビニルアルコール系重合体の種類を選択した
り、ポリビニルアルコール系繊維の製法や製造条件を採
用するのが好ましい。
【0019】本発明の電池用セパレーターで用いている
ポリビニルアルコール系繊維の「アルカリ水溶液の吸液
量(Aab)が2倍以上である」という特性は、カルボキ
シル基を分子中に0.5〜10モル%の割合で有するポ
リビニルアルコール系重合体を用いて繊維を製造するこ
とによって得ることができるので[上記した(e)の態
様]、カルボキシル基の含有量が0.5〜10モル%で
あるポリビニルアルコール系重合体を用いてポリビニル
アルコール系繊維を製造するのが好ましい。その際に、
カルボキシル基を有するポリビニルアルコール系重合体
を用いてアルカリ水溶液の吸液量の大きいポリビニルア
ルコール系繊維を得ようとする場合に、ポリビニルアル
コール系重合体におけるカルボキシル基の割合が0.5
モル%未満であるとポリビニルアルコール系繊維のアル
カリ水溶液の吸液量(Aab)が2倍未満になり易い。一
方、カルボキシル基の割合が10モル%を超えるとポリ
ビニルアルコール系繊維のアルカリ水溶液の吸液量(A
ab)は2倍以上になるものの、親水性が過度に増大し
て、ポリビニルアルコール系繊維の耐水性が劣ったもの
になり易い。
【0020】なお、本願明細書でいうポリビニルアルコ
ール系重合体における「カルボキシル基のモル%」と
は、ポリビニルアルコール系重合体を構成する全モノマ
ー単位の合計モル数に対するカルボキシル基のモル数の
百分率を意味する。例えば、ポリビニルアルコール系重
合体が950個のビニルアルコール単位と50個のアク
リル酸単位からなる共重合体である場合は、カルボキシ
ル基のモル%={50/(950┼50)}×100=
5モル%となり、また例えばポリビニルアルコール系重
合体が990個のビニルアルコール単位と10個のマレ
イン酸単位からなる共重合体である場合は、カルボキシ
ル基のモル%={(10×2)/(990┼10)}×
100=2モル%(マレイン酸は2個のカルボキシル基
を有している)となる。また、ポリビニルアルコール系
重合体中のカルボキシル基は場合によっては塩の形態に
なっていてもよい。
【0021】本発明の電池用セパレーターを構成するポ
リビニルアルコール系繊維の製造に好ましく用いられる
カルボキシル基を分子中に有するポリビニルアルコール
系重合体としては、例えば、(1)ビニルエステルとカ
ルボキシル基を有する不飽和モノマーとの共重合により
得られる共重合体をケン化したもの、(2)ポリビニル
アルコールにカルボキシル基を有する不飽和モノマーを
グラフト重合させたもの、(3)ポリビニルエステルに
カルボキシル基を有する不飽和モノマーをグラフト重合
した後にケン化したもの、(4)ポリビニルアルコール
に化学反応によってカルボキシル基を導入したものなど
を挙げることができる。
【0022】より具体的には、上記(1)としては、例
えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酢酸ビニル
などの有機酸のビニルエステルを、それと共重合し得る
不飽和カルボン酸、その無水物、エステル[例えば(メ
タ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、
イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸など]の
1種以上、さらに場合により少量の他の不飽和モノマー
(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、アク
リルアミドなど)と共重合して得られる共重合体をケン
化したものを挙げることができる。また、上記(2)の
具体例としては、ポリビニルアルコールに上記(1)に
挙げた不飽和カルボン酸、その無水物、エステルなどの
1種以上を、場合により他の不飽和モノマー(例えばア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド
など)と共にグラフト重合させたものを挙げることがで
きる。そして、上記(3)の具体例としては、上記
(1)に挙げた有機酸のビニルエステルの重合体に対し
て上記(1)に挙げた不飽和カルボン酸、その無水物、
エステルなどの1種以上を、場合により他の不飽和モノ
マー(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、
アクリルアミドなど)と共にグラフト重合させた後にケ
ン化したものを挙げることができる。また、上記(4)
の具体例としては、ポリビニルアルコールに、二塩基
酸、例えばマレイン酸、フマル酸、蓚酸、マロン酸、コ
ハク酸、アジピン酸、それらの無水物の1種以上の一方
のカルボキシル基を片エステル化反応させたものを挙げ
ることができる。
【0023】また、ポリビニルアルコール系繊維の製造
に当たっては、ケン化度が98モル%以上、より好まし
くは98.5モル%以上であるポリビニルアルコール系
重合体を用いてポリビニルアルコール系繊維を製造する
ことが特に好ましく、それによって湿式紡糸時の凝固が
良好に行われ、繊維製造工程における延伸、熱処理後の
膠着が防止でき、しかもセパレーター用ポリビニルアル
コール系繊維の耐水性が良好になる[上記した(f)の
態様]。
【0024】何ら限定されるものでないが、カルボキシ
ル基を分子中に0.5〜10モル%の割合で有し且つケ
ン化度が98モル%以上であるポリビニルアルコール系
重合体を用いて形成された、アルカリ水溶液の吸液量
(Aab)が2倍以上、水溶解温度が90℃以上および8
0℃の熱水中における収縮率が20%以下という特性を
兼ね備えたポリビニルアルコール系繊維は、例えば、以
下の方法により好ましく製造することができる。
【0025】本発明の電池用セパレーターで好ましく用
いられるポリビニルアルコール系繊維の代表的な製造
: (1) カルボキシル基を分子中に0.5〜10モル%
の割合で有し且つケン化度が98モル%以上であるポリ
ビニルアルコール系重合体を水に加熱溶解し、必要に応
じて硼酸、消泡剤などを添加して、紡糸原液(好ましく
はポリビニルアルコール系重合体濃度が10〜20重量
%の紡糸原液)を調製した後、この紡糸原液を紡糸口金
から凝固浴中に紡出させて脱水凝固させて凝固されたポ
リビニルアルコール系繊維とする。その際の凝固浴とし
ては、ポリビニルアルコール系繊維の湿式紡糸に従来か
ら用いられている脱水能を有する無機塩類の水溶液のい
ずれもが使用可能であり、そのうちでも芒硝水溶液が好
ましく、芒硝水溶液はアルカリを含有していてもよい。
凝固浴の温度に制限はないが、低温の方が繊維の膠着が
生じにくく、一般に30〜50℃程度の温度が好まし
い。上記の紡糸工程において、紡糸原液に硼酸を添加
し、アルカリを含有する芒硝水溶液からなる凝固浴中に
紡出してゲル紡糸を行う場合は、紡糸原液における硼酸
の添加量は、ポリビニルアルコール系重合体の重量に基
づいて1重量%以下であるのが好ましく、硼酸の添加量
が高いと後段で行う乾熱延伸時に硼酸による架橋が生じ
て延伸が円滑に行われにくくなる。また、上記の紡糸工
程をアルカリを含有する芒硝水溶液からなる凝固浴を用
いてゲル紡糸によらずに通常の湿式凝固法によって行う
場合は、紡糸して得られるポリビニルアルコール系繊維
に対して硼酸の洗浄処理を行うと、ポリビニルアルコー
ル系繊維を構成するポリビニルアルコール系重合体中に
含まれるカルボキシル基の強い親水性によって繊維の溶
解や膠着を引き起こし易いので硼酸の洗浄を行わない方
が好ましい。特に、ポリビニルアルコール系重合体にお
けるカルボキシル基の割合が10モル%を超えると膠着
が生じ易い。
【0026】(2) 次いで、上記(1)で凝固された
ポリビニルアルコール系繊維を、第1ゴデットローラに
よる凝固浴から空気中へ引き出して紡糸延伸を行う。こ
の紡糸延伸はガイドを使用する方法、ローラを使用する
方法などのいずれで行ってもよい。さらに、紡糸延伸は
空気中で行っても、高温の塩類水溶液中で行っても(湿
熱延伸)、または両者を併用してもよい。一般には、空
気中でローラ延伸した後に湿熱延伸する方法を採用する
のがよく、湿熱延伸に当たっては飽和芒硝水溶液浴を用
いて約40〜90℃程度の温度で行うのが好ましい。そ
の際に湿熱延伸浴を酸性側に維持しておくと繊維の膠着
を防止できるのでより好ましい。そして、この紡糸延伸
は延伸倍率が3.5〜4倍程度になるようにして行うの
が好ましい。
【0027】(3) 上記(2)の紡糸延伸、特に湿熱
延伸により得られた原糸を乾燥して水分を除去し、次い
でその延伸倍率が約2〜3倍程度になるようにして乾熱
延伸を行い、トータル延伸倍率が7〜12倍程度になる
ようにするとよい。乾燥は通常紡糸延伸時の張力をゆる
めないで80〜140℃程度の温度で水分が十分に除去
されるまで行い、乾熱延伸は空気中で200〜240℃
程度に加熱して行うのが好ましい。 (4) そして上記(3)の乾熱延伸後に、さらに融点
近傍の温度(通常約200〜240℃)で熱処理を行っ
てから、巻き取る。乾熱延伸後にそのような熱処理を行
うことによって、ポリビニルアルコール系繊維の耐熱水
性および耐熱収縮性の一層向上したものとなり、上記し
たアルカリ水溶液の吸液量(Aab)の値が2倍以上とい
う特性と共に、熱水溶解温度が90℃以上であるという
上記した特性および80℃の水中での熱水収縮率が20
%以下であるという上記した特性を備える、電池用セパ
レーター用繊維として極めて好適なポリビニルアルコー
ル系繊維が製造される。その際に、この熱処理は緊張下
で行っても、一定の収縮率で収縮させながら行っても、
または全く自由に無緊張下に行ってもよいが、数%程度
収縮させた状態で行うのが工程通過性の点から好まし
い。
【0028】上記した(1)〜(4)の一連の工程によ
って、トウ状、ステープル状、フィラメント状などのポ
リビニルアルコール系繊維を製造することができ、本発
明ではそのいずれの繊維も使用できる。
【0029】本発明の電池用セパレーターの製造に当た
っては、上記した特性を有するポリビニルアルコール系
繊維は、その単繊維繊度が、約10デニール以下である
のが好ましく、約5デニール以下であるのがより好まし
く、約0.1〜2デニールであるのがさらに好ましい。
また、ポリビニルアルコール系繊維の繊維長は、抄造性
などの点から0.1〜20mmであるのが好ましく、約
1〜10mmであるのがより好ましい。
【0030】本発明の電池用セパレーターは、上記した
ポリビニルアルコール系繊維を少なくとも用いて抄造し
て製造されたセパレーターであればいずれでもよく、坪
量、形状、寸法、厚さなどは特に制限されず、電池の種
類や用途などに応じて適当調整することができる。例え
ば、本発明の電池用セパレーターは、平坦な紙状であっ
ても(筒状にする前のセパレーター用紙など)、筒状で
あっても、有底筒状であっても、またはその他の形状で
あってもよく、したがって本発明でいう「電池用セパレ
ーター」とは、筒状やその他の所定の形状に成形された
電池用セパレーター、および所定の形成にする前の電池
用セパレーター用の用紙の両方を包含する。
【0031】本発明で用いるポリビニルアルコール系繊
維は、上記したようにそのアルカリ水溶液の吸液量(A
ab)の値が2倍以上であって、高いアルカリ水溶液の吸
液能、すなわちアルカリ性電解液の吸液能(保持能)を
有しているので、セルロース繊維、パルプ粉末、ビスコ
ースレーヨン繊維などのような天然セルロース由来の繊
維やパルプを用いることなく、該ポリビニルアルコール
系繊維を単独で用いて、また場合によっては該ポリビニ
ルアルコール系繊維にバインダー(例えば熱融着性の繊
維状または粉末状バインダー、易溶解性の繊維状または
粉末状バインダーなど)や紙力増強剤などを添加して、
抄造を行って本発明の電池用セパレーターを製造するこ
とができる。そしてそれによって得られる本発明の電池
用セパレーターは、該ポリビニルアルコール系繊維自体
が高いアルカリ水溶液の吸液能を有しているので、耐ア
ルカリ性、セパレート性、耐水性などの特性と共に、電
池反応に必要なアルカリ性電解液を充分に吸液して保持
することができ、電池用セパレーターとして極めて有効
である。しかも、セルロース繊維やパルプ粉末などの天
然セルロース由来の材料を用いずにアルカリ水溶液の吸
液量(Aab)の値が2倍以上であるポリビニルアルコー
ル系繊維を単独で用いて形成されている本発明の電池用
セパレーターは、セルロース繊維やパルプ粉末などフィ
ブリル化したり微細化するための叩解処理が不要である
ので、簡単な工程で、経済的に製造することができる。
【0032】また、本発明の電池用セパレーターは、必
ずしも該ポリビニルアルコール系繊維単独で形成されて
いなくてもよく、アルカリ水溶液の吸液量(Aab)の値
が2倍以上である上記したポリビニルアルコール系繊維
と共に他の繊維およびパルプの1種以上を用いて抄造し
て形成してあってもよく、その場合には電池用セパレー
ターに該ポリビニルアルコール系繊維に基づく上記した
特性と共に他の繊維やパルプに基づく特性を付与するこ
とができる。アルカリ水溶液の吸液量(Aab)の値が2
倍以上であるポリビニルアルコール系繊維と共に他の繊
維および/またはパルプを使用して電池用セパレーター
を形成する場合は、アルカリ水溶液の吸液量(Aab)が
2倍以上であるポリビニルアルコール系繊維100重量
部に対して、他の繊維および/またはパルプ(他の繊維
およびパルプを2種以上使用する場合はその合計量)を
約20〜100重量部程度にしておくのが好ましく、そ
れによって電池の種類や用途に一層適した種々の電池用
セパレーターを形成することができる。
【0033】アルカリ水溶液の吸液量(Aab)が2倍以
上のポリビニルアルコール系繊維と併用し得る他の繊維
および/またはパルプの種類は特に制限されず、電池用
セパレーターにおいて従来から用いられている繊維およ
び/またはパルプであればいずれも使用可能である。限
定されるものではないが、該他の繊維およびパルプの例
としては、アルカリ水溶液の吸液量(Aab)が2倍未満
のポリビニルアルコール系繊維、ポリアクリロニトリル
繊維、ポリオレフィン繊維(ポリエチレン繊維、ポリプ
ロピレン繊維など)、エチレン−酢酸ビニル共重合体繊
維、ポリアミド繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウ
レタン繊維、ポリクラール繊維などの合成繊維;ビスコ
ースレーヨンなどのレーヨン、キュープラ、アセテート
などの化学繊維;各種の木材パルプ、コットンリンター
などのセルロース系パルプおよび/またはセルロース系
繊維などを挙げることができ、これらのうちの1種また
は2種以上をアルカリ水溶液の吸液量(Aab)が2倍以
上であるポリビニルアルコール系繊維と併用することが
できる。セルロース系パルプおよび/またはセルロース
系繊維を用いる場合は、マーセル化して耐アルカリ性を
向上させたものを用いるのが好ましい。また、セルロー
ス系パルプおよび/またはセルロース系繊維を用いる場
合は、電池用セパレーターを製造する際の抄造性および
電池用セパレーターにおけるセパレート性などの点から
カナダ標準濾水度(CFS)が300〜500mlのも
のを用いるのが好ましい。
【0034】本発明の電池用セパレーターの製造方法、
製造装置、製造条件などは特に制限されず、繊維および
/またはパルプを用いて抄造して電池用セパレーターを
製造する既知技術のいずれもが採用できる。何ら限定さ
れるものではないが、例えば、アルカリ水溶液の吸液量
(Aab)が2倍以上である上記したポリビニルアルコー
ル系繊維および場合により上記したバインダー、他の繊
維やパルプを用いて水性スラリーを調製し、その水性ス
ラリーを用いて円網抄紙機、通液性金型などを使用して
抄造を行った後、脱液、乾燥することによって、所望の
形状、寸法、厚さ、坪量等を有する電池用セパレーター
または電池用セパレーター用の用紙を得ることができ
る。その際に、使用するポリビニルアルコール系繊維や
他の繊維やパルプなどの耐熱水温度、耐熱収縮性などを
考慮して、抄造後の乾燥温度を適宜調節すればよく、特
にアルカリ水溶液の吸液量(Aab)が2倍以上であると
いう特性と共に、上記した水溶解温度が90℃以上であ
るという特性および80℃の熱水中における収縮率が2
0%以下であるという特性をさらに備えるポリビニルア
ルコール系繊維を用いる場合には、抄造後の乾燥処理を
高温(例えば100〜130℃)で行ってその生産性を
向上させることができ、そのような高温での乾燥処理を
行ってもポリビニルアルコール系繊維の溶解や収縮を生
ずることなく、目的とする特性(特にセパレート特性、
坪量、寸法など)を有する電池用セパレーターを円滑に
得ることができる。
【0035】本発明の電池用セパレーターは、その高い
アルカリ水溶液の吸液能(保持能)、良好なセパレート
性、耐水性、耐アルカリ性などの特性を活かして、アル
カリマンガン電池などのアルカリ電池のセパレーターと
して有効に使用することができる。したがって、本発明
の電池には、本発明のセパレーターを備えるアルカリマ
ンガン電池などのアルカリ電池が包含される。本発明の
電池用セパレーターを用いて電池を製造するに当たって
は、その製造方法は特に制限されず、従来既知の方法で
製造することができる。
【0036】
【実施例】以下に実施例などにより本発明について具体
的に説明するが、本発明はそれにより何ら制限されな
い。以下の例において、ポリビニルアルコール系繊維の
アルカリ水溶液の吸液量(Aab)、水溶解温度および8
0℃の熱水中における収縮率は次のようにして測定し
た。また、以下の例で得られた電池用セパレーター紙に
おけるポリビニルアルコール系繊維の溶解の有無、収縮
の有無、並びに電池用セパレーター紙のKOH水溶液吸
蔵量および放電性能の測定および評価は次のようにして
行った。
【0037】ポリビニルアルコール系繊維のアルカリ水
溶液の吸液量(Aab):ポリビニルアルコール系繊維の
所定量(Wb)(g)を採取する。そのポリビニルアルコ
ール系繊維を濃度35重量%の水酸化カリウム水溶液中
に浴比1:100(ポリビニルアルコール系繊維の重
量:水酸化カリウム水溶液の重量)で30℃の温度で1
5分間浸漬した後に、1Gの条件下に10分間遠心脱水
し、そのときのポリビニルアルコール系繊維の重量Wa
(g)を測定し、上記した数式(i)により、アルカリ
水溶液の吸液量(Aab)の値を求める。
【0038】ポリビニルアルコール系繊維の水溶解温
:単繊維繊度0.2デニール、総繊維数3000fの
繊維篠を100mmの長さに切り取り、繊維篠の上端を
スケールの上端に固定し、繊維篠の下端に1.2gの重
り(0.002g/デニールの重り)を付けて繊維篠の
全体を水中に垂直に浸漬し、常温より1℃/分の昇温速
度で水の温度を上昇させ、繊維篠が溶断したときの水の
温度を調べて、ポリビニルアルコール系繊維の水溶解温
度(℃)とする。
【0039】ポリビニルアルコール系繊維の80℃の熱
水中における収縮率:単繊維繊度0.2デニール、総繊
維数3000fの繊維篠を100mmの長さに切り取
り、繊維篠の上端をスケールの上端に固定し、繊維篠の
下端に1.2gの重り(0.002g/デニールの重
り)を付けて繊維篠の全体を水中に垂直に浸漬し、常温
より1℃/分の昇温速度で水の温度を上昇させ、水の温
度が80℃になったときに、繊維篠を水中から取り出し
て、その時の繊維篠の長さL1(mm)を測定し、下記
の数式によりポリビニルアルコール系繊維の80℃の熱
水中における収縮率(S80)(%)を求める。
【0040】
【数3】 S80(%)={(100−L1)/100}×100
【0041】電池用セパレーター紙におけるポリビニル
アルコール系繊維の溶解の有無:以下の例で得られた電
池用セパレーター紙を肉眼で観察して、セパレーター紙
においてポリビニルアルコール系繊維の溶解が全く生じ
ておらずその繊維形状を良好に保った状態になっている
場合を○、セパレーター紙においてポリビニルアルコー
ル系繊維が多少溶解した部分がある場合を△、セパレー
ター紙においてポリビニルアルコール系繊維の溶解が大
きく繊維形状を殆ど保っておらず平滑フイルム状になっ
ている場合を×として評価する。
【0042】電池用セパレーター紙の収縮の有無:以下
の例で得られた電池用セパレーター紙を肉眼で観察し
て、セパレーター紙に収縮が全く生じておらず平坦で所
定の形状および寸法の紙状を有している場合を○、セパ
レーター紙に多少収縮が生じていて形状の歪みおよび/
または寸法の縮小が多少生じている場合を△、セパレー
ター紙の収縮が大きく形状の歪みおよび/または寸法の
縮小が大きい場合を×として評価する。
【0043】電池用セパレーター紙のKOH水溶液吸蔵
:以下の例で得られた電池用セパレーター紙を温度3
0℃の30%KOH水溶液に30分間浸漬し、浸漬する
前のセパレーター紙の重量Wc(g)、浸漬後のセパレ
ーター紙の重量Wd(g)をそれぞれ測定し、下記の数
式より電池用セパレーター紙のKOH水溶液吸蔵量(g
/g)を求める。
【0044】
【数4】電池用セパレーター紙のKOH水溶液吸蔵量
(g/g)=(Wd−Wc)/Wc
【0045】電池用セパレーター紙の放電性能:以下の
例で得られた電池用セパレーター紙を用いて、単I型乾
電池のサイズに合わせてコップ形セパレーターを作製
し、鉄にニッケルメッキした陽極缶に二酸化マンガン、
黒鉛の混練物を陽極合剤として、30%KOHを飽和状
態まで吸収させたセパレーターを介在させた後、亜鉛粉
末とアルカリ電解液(30%KOH水溶液)の混合体を
陰極合剤として、充填起電力1.5Vのアルカリマンガ
ン乾電池を作製した。該アルカリ乾電池の陽極と陰極の
間に4Ωの抵抗体と電圧計を接続して電圧が1.0Vに
下がるまでの時間を測定する。そして、電圧が1.0V
に下がるまでの時間が15時間以上である場合を放電性
能が極めて良好(◎)、12時間以上15時間未満の場
合を放電性能が良好(○)、10時間以上12時間未満
の場合を放電性能がやや不良(△)、10時間未満の場
合を放電性能が不良(×)として評価する。
【0046】《実施例 1》 (1) ビニルアルコール単位99.5モル%およびイ
タコン酸単位0.5モル%からなるポリビニルアルコー
ル系重合体(カルボキシル基の割合1モル%;ケン化度
97.3モル%;数平均分子量1900)に、その重量
に基づいて硼酸を0.5重量%の割合で添加した後、温
度90℃の水に溶かしてポリビニルアルコール系重合体
の濃度が16重量%である紡糸原液(pH6)を調製し
た。 (2) 上記(1)で調製した紡糸原液を、アルカリ
(NaOH 310g/リットル)を含有する水溶液
(pH14)からなる温度40℃の凝固浴中に紡出して
凝固されたポリビニルアルコール系繊維を形成させ、そ
れを第1ゴデットローラにより凝固浴から空気中へ引き
出した後、温度90℃の飽和芒硝水溶液浴(pH4)中
に導いて、延伸倍率4倍に湿熱延伸(紡糸延伸)を行っ
た。なお、凝固浴中のアルカリによりポリビニルアルコ
ール系繊維を構成するポリビニルアルコール系重合体の
ケン化度は98.5モル%に上昇していた。 (3) 次いで、上記(2)の湿熱延伸により得られた
原糸を温度120℃で乾燥して水分を除去し、続いてそ
の延伸倍率が3倍になるようにして温度235℃前後で
乾熱延伸を行った(トータル延伸倍率12倍)。 (4) 上記(3)の乾熱延伸後に、繊維を緊張状態で
温度235℃で熱処理して、繊維間の膠着のない、電池
用セパレーター用のポリビニルアルコール系繊維篠(単
繊維繊度0.2デニール、総繊維数3000f)を製造
した。 (5) 上記(4)で得られたポリビニルアルコール系
繊維のアルカリ水溶液の吸液量(Aab)、水溶解温度、
および80℃の熱水中における収縮率を上記の方法で測
定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0047】 (6) 上記(4)で得られたポリビニルアルコール系
繊維を繊維長約5mmに切断し、これを温度18℃の水
に分散させ、さらにバインダー繊維(単繊維繊度1デニ
ール、繊維長3mmのポリビニルアルコール繊維;株式
会社クラレ製「VPB105−1X3」)を上記(5)
で得られたポリビニルアルコール系繊維の重量に基づい
て15重量%の割合で添加して均一に撹拌混合して、固
形分濃度が0.4重量%のスラリー状の製紙原料を調製
し、タッピ式抄紙機を用いて抄造した後、110℃のシ
リンダードライヤーを用いて乾燥して、坪量が30g/
2である電池用セパレーター紙を製造した。 (7) 上記(6)で得られた電池用セパレーター紙に
おけるポリビニルアルコール系繊維の溶解の有無および
収縮の有無を上記した方法で評価または測定したとこ
ろ、下記の表1に示すとおりであった。 (8) さらに、上記(6)で得られた電池用セパレー
ター紙を用いて単I型乾電池のサイズに合わせてコップ
形セパレーターを作製し、そのセパレーターを用いて上
記した方法でアルカリマンガン乾電池を作製して、その
放電性能を上記した方法で調べところ、下記の表1に
示すとおりであった。
【0048】《実施例 2》 (1) ビニルアルコール単位99.5モル%およびイ
タコン酸単位0.5モル%からなるポリビニルアルコー
ル系重合体(カルボキシル基の割合1モル%;ケン化度
97.3モル%;数平均分子量1700)に、その重量
に基づいて水酸化ナトリウムを1重量%の割合で添加し
た後、温度90℃の水に溶かしてポリビニルアルコール
系重合体の濃度が16重量%である紡糸原液(pH6)
を調製した。なお、紡糸原液中のポリビニルアルコール
系重合体のケン化度は水酸化ナトリウムの添加によって
98.5モル%に上昇していた。 (2) 上記(1)で調製した紡糸原液を、飽和芒硝水
溶液(pH4)からなる温度40℃の凝固浴中に紡出し
て凝固されたポリビニルアルコール系繊維を形成させ、
それを第1ゴデットローラにより凝固浴から空気中へ引
き出した後、温度90℃の飽和芒硝水溶液浴(pH4)
中に導いて、延伸倍率4倍に湿熱延伸(紡糸延伸)を行
った。 (3) 次いで、上記(2)の湿熱延伸により得られた
原糸を温度120℃で乾燥して水分を除去し、続いてそ
の延伸倍率が1.88倍になるようにして温度235℃
前後で乾熱延伸を行った(トータル延伸倍率7.5
倍)。 (4) 上記(3)の乾熱延伸後に、実施例1の(4)
と同様にして熱処理して、繊維間の膠着のない、電池用
セパレーター用のポリビニルアルコール系繊維篠(単繊
維繊度0.2デニール、総繊維数3000f)を製造し
た。 (5) 上記(4)で得られたポリビニルアルコール系
繊維のアルカリ水溶液の吸液量(Aab)、水溶解温度、
および80℃の熱水中における収縮率を上記の方法で測
定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0049】 (6) 上記(4)で得られたポリビニルアルコール系
繊維を繊維長約5mmに切断した後、これを用いて、実
施例1の(6)におけるのと全く同様にして、坪量が3
0g/m2である電池用セパレーター紙を製造した。 (7) 上記(6)で得られた電池用セパレーター紙に
おけるポリビニルアルコール系繊維の溶解の有無および
収縮の有無を上記した方法で評価または測定したとこ
ろ、下記の表1に示すとおりであった。 (8) さらに、上記(6)で得られた電池用セパレー
ター紙を用いて単I型乾電池のサイズに合わせてコップ
形セパレーターを作製し、そのセパレーターを用いて上
記した方法でアルカリマンガン乾電池を作製して、その
放電性能を上記した方法で調べところ、下記の表1に
示すとおりであった。
【0050】《実施例 3》 (1) ビニルアルコール単位95.0モル%およびマ
レイン酸単位5.0モル%からなるポリビニルアルコー
ル系重合体(カルボキシル基の割合10モル%;ケン化
度97.3モル%;数平均分子量1700)に、その重
量に基づいて硼酸を0.5重量%の割合で添加した後、
温度90℃の水に溶かしてポリビニルアルコール系重合
体の濃度が16重量%である紡糸原液(pH5.5)を
調製した。 (2) 上記(1)で調製した紡糸原液を、アルカリ
(NaOH 15g/リットル)を含有する飽和芒硝水
溶液(pH14)からなる温度40℃の凝固浴中に紡出
して凝固されたポリビニルアルコール系繊維を形成さ
せ、それを第1ゴデットローラにより凝固浴から空気中
へ引き出した後、温度90℃の飽和芒硝水溶液浴中に導
いて、延伸倍率4倍に湿熱延伸(紡糸延伸)を行った。
なお、凝固浴中のアルカリによりポリビニルアルコール
系繊維を構成するポリビニルアルコール系重合体のケン
化度は98.5モル%に上昇していた。 (3) 次いで、上記(2)の湿熱延伸により得られた
原糸を温度120℃で乾燥して水分を除去し、続いてそ
の延伸倍率が3倍になるようにして温度235℃前後で
乾熱延伸を行った(トータル延伸倍率12倍)。 (4) 上記(3)の乾熱延伸後に、実施例1の(4)
と同様にして熱処理して、繊維間の膠着のない、電池用
セパレーター用のポリビニルアルコール系繊維篠(単繊
維繊度0.2デニール、総繊維数3000f)を製造し
た。 (5) 上記(4)で得られたポリビニルアルコール系
繊維のアルカリ水溶液の吸液量(Aab)、水溶解温度、
および80℃の熱水中における収縮率を上記の方法で測
定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0051】 (6) 上記(4)で得られたポリビニルアルコール系
繊維を繊維長約5mmに切断した後、これを用いて、実
施例1の(6)におけるのと全く同様にして、坪量が3
0g/m2である電池用セパレーター紙を製造した。 (7) 上記(6)で得られた電池用セパレーター紙に
おけるポリビニルアルコール系繊維の溶解の有無および
収縮の有無を上記した方法で評価または測定したとこ
ろ、下記の表1に示すとおりであった。 (8) さらに、上記(6)で得られた電池用セパレー
ター紙を用いて単I型乾電池のサイズに合わせてコップ
形セパレーターを作製し、そのセパレーターを用いて上
記した方法でアルカリマンガン乾電池を作製して、その
放電性能を上記した方法で調べところ、下記の表1に
示すとおりであった。
【0052】《実施例 4》 (1) ビニルアルコール単位99.0モル%およびマ
レイン酸単位1.0モル%からなるポリビニルアルコー
ル系重合体(カルボキシル基の割合2モル%;ケン化度
97.3モル%;数平均分子量1700)、およびカル
ボキシル基を持たないポリビニルアルコール(ケン化度
98.5モル%;数平均分子量1700)を1:1の重
量比で用いて、両者の合計重量に基づいて硼酸を0.5
重量%の割合で添加した後、温度90℃の水に溶かして
ポリビニルアルコール系重合体の濃度が16重量%であ
る紡糸原液(pH6)を調製した。 (2) 上記(1)で調製した紡糸原液を、アルカリ
(NaOH 16g/リットル)を含有する飽和芒硝水
溶液(pH14)からなる温度40℃の凝固浴中に紡出
して凝固されたポリビニルアルコール系繊維を形成さ
せ、それを第1ゴデットローラにより凝固浴から空気中
へ引き出した後、温度40℃の飽和芒硝水溶液浴(pH
4)中に導いて、延伸倍率4倍に湿熱延伸(紡糸延伸)
を行った。なお、凝固浴中のアルカリによりポリビニル
アルコール系繊維を構成するポリビニルアルコール系重
合体のケン化度は99.2モル%に上昇していた。 (3) 次いで、上記(2)の湿熱延伸により得られた
原糸を温度120℃で乾燥して水分を除去し、続いてそ
の延伸倍率が3倍になるようにして温度235℃前後で
乾熱延伸を行った(トータル延伸倍率12倍)。 (4) 上記(3)の乾熱延伸後に、実施例1の(4)
と同様にして熱処理して、繊維間の膠着のない、電池用
セパレーター用のポリビニルアルコール系繊維篠(単繊
維繊度0.2デニール、総繊維数3000f)を製造し
た。 (5) 上記(4)で得られたポリビニルアルコール系
繊維のアルカリ水溶液の吸液量(Aab)、水溶解温度、
および80℃の熱水中における収縮率を上記の方法で測
定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0053】 (6) 上記(4)で得られたポリビニルアルコール系
繊維を繊維長約5mmに切断した後、これを用いて、実
施例1の(6)におけるのと全く同様にして、坪量が3
0g/m2である電池用セパレーター紙を製造した。 (7) 上記(6)で得られた電池用セパレーター紙に
おけるポリビニルアルコール系繊維の溶解の有無および
収縮の有無を上記した方法で評価または測定したとこ
ろ、下記の表1に示すとおりであった。 (8) さらに、上記(6)で得られた電池用セパレー
ター紙を用いて単I型乾電池のサイズに合わせてコップ
形セパレーターを作製し、そのセパレーターを用いて上
記した方法でアルカリマンガン乾電池を作製して、その
放電性能を上記した方法で調べところ、下記の表1に
示すとおりであった。
【0054】《比較例 1》 (1) ビニルアルコール単位99.85モル%および
イタコン酸単位0.15モル%からなるポリビニルアル
コール系重合体(カルボキシル基の割合0.3モル%;
ケン化度97.3モル%;数平均分子量1700)に、
その重量に基づいて硼酸を0.5重量%の割合で添加し
た後、温度90℃の水に溶かしてポリビニルアルコール
系重合体の濃度が16重量%である紡糸原液(pH6)
を調製した。 (2) 上記(1)で調製した紡糸原液を、アルカリ
(NaOH 15g/リットル)を含有する飽和芒硝水
溶液(pH14)からなる温度40℃の凝固浴中に紡出
して凝固されたポリビニルアルコール系繊維を形成さ
せ、それを第1ゴデットローラにより凝固浴から空気中
へ引き出した後、温度90℃の飽和芒硝水溶液浴(pH
4)中に導いて、延伸倍率4倍に湿熱延伸(紡糸延伸)
を行った。なお、凝固浴中のアルカリによりポリビニル
アルコール系繊維を構成するポリビニルアルコール系重
合体のケン化度は98.5モル%に上昇していた。 (3) 次いで、上記(2)の湿熱延伸により得られた
原糸を温度120℃で乾燥して水分を除去し、続いてそ
の延伸倍率が3倍になるようにして温度235℃前後で
乾熱延伸を行った(トータル延伸倍率12倍)。 (4) 上記(3)の乾熱延伸後に、実施例1の(4)
と同様にして熱処理して、繊維間の膠着のない、電池用
セパレーター用のポリビニルアルコール系繊維篠(単繊
維繊度0.2デニール、総繊維数3000f)を製造し
た。 (5) 上記(4)で得られたポリビニルアルコール系
繊維のアルカリ水溶液の吸液量(Aab)、水溶解温度、
および80℃の熱水中における収縮率を上記の方法で測
定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0055】 (6) 上記(4)で得られたポリビニルアルコール系
繊維を繊維長約5mmに切断した後、これを用いて、実
施例1の(6)におけるのと全く同様にして、坪量が3
0g/m2である電池用セパレーター紙を製造した。 (7) 上記(6)で得られた電池用セパレーター紙に
おけるポリビニルアルコール系繊維の溶解の有無および
収縮の有無を上記した方法で評価または測定したとこ
ろ、下記の表1に示すとおりであった。 (8) さらに、上記(6)で得られた電池用セパレー
ター紙を用いて単I型乾電池のサイズに合わせてコップ
形セパレーターを作製し、そのセパレーターを用いて上
記した方法でアルカリマンガン乾電池を作製して、その
放電性能を上記した方法で調べところ、下記の表1に
示すとおりであった。
【0056】《比較例 2》 (1) カルボキシル基を持たないポリビニルアルコー
ル重合体(ケン化度98.5モル%;数平均分子量17
00)に、その重量に基づいて硼酸を0.5重量%の割
合で添加した後、温度90℃の水に溶かしてポリビニル
アルコール系重合体の濃度が16重量%である紡糸原液
(pH5.5)を調製した。 (2) 上記(1)で調製した紡糸原液を、アルカリ
(NaOH 15g/リットル)を含有する飽和芒硝水
溶液(pH14)からなる温度40℃の凝固浴中に紡出
して凝固されたポリビニルアルコール系繊維を形成さ
せ、それを第1ゴデットローラにより凝固浴から空気中
へ引き出した後、温度90℃の飽和芒硝水溶液浴(pH
4)中に導いて、延伸倍率4倍に湿熱延伸(紡糸延伸)
を行った。なお、凝固浴中のアルカリによりポリビニル
アルコール系繊維を構成するポリビニルアルコール系重
合体のケン化度は99.9モル%に上昇していた。 (3) 次いで、上記(2)の湿熱延伸により得られた
原糸を温度130℃で乾燥して水分を除去し、続いてそ
の延伸倍率が3倍になるようにして温度235℃前後で
乾熱延伸を行った(トータル延伸倍率12倍)。 (4) 上記(3)の乾熱延伸後に、実施例1の(4)
と同様にして熱処理して、繊維間の膠着のない、電池用
セパレーター用のポリビニルアルコール系繊維篠(単繊
維繊度0.2デニール、総繊維数3000f)を製造し
た。 (5) 上記(4)で得られたポリビニルアルコール系
繊維のアルカリ水溶液の吸液量(Aab)、水溶解温度、
および80℃の熱水中における収縮率を上記の方法で測
定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0057】 (6) 上記(4)で得られたポリビニルアルコール系
繊維を繊維長約5mmに切断した後、これを用いて、実
施例1の(6)におけるのと全く同様にして、坪量が3
0g/m2である電池用セパレーター紙を製造した。 (7) 上記(6)で得られた電池用セパレーター紙に
おけるポリビニルアルコール系繊維の溶解の有無および
収縮の有無を上記した方法で評価または測定したとこ
ろ、下記の表1に示すとおりであった。 (8) さらに、上記(6)で得られた電池用セパレー
ター紙を用いて単I型乾電池のサイズに合わせてコップ
形セパレーターを作製し、そのセパレーターを用いて上
記した方法でアルカリマンガン乾電池を作製して、その
放電性能を上記した方法で調べところ、下記の表1に
示すとおりであった。
【0058】
【表1】
【0059】上記の表1の結果から、アルカリ水溶液の
吸液量(Aab)の値が2倍以上であるポリビニルアルコ
ール系繊維を用いて製造した実施例1〜4の電池用セパ
レーター紙およびセパレーターは、アルカリ性電解液
(KOH水溶液)の吸蔵量が大きく、そのようなセパレ
ーターを用いた場合には放電性能に優れるアルカリ電池
が得られることがわかる。そして、電池用セパレーター
紙およびセパレーターを構成するポリビニルアルコール
系繊維が、アルカリ水溶液の吸液量(Aab)が2倍以上
であるという特性と共に、90℃以上の水溶解温度を備
え且つ80℃の熱水中における収縮率が20%以下であ
る場合は、抄造によってセパレーター紙を製造する際に
110℃という高温で乾燥処理を行っても、ポリビニル
アルコール系繊維の溶解およびセパレーター紙の収縮が
生じず、高品質のセパレーター紙が得られることがわか
る。それに対して、アルカリ水溶液の吸液量(Aab)の
値が2倍未満であるポリビニルアルコール系繊維を用い
て製造した比較例1および2の電池用セパレーター紙お
よびセパレーターは、アルカリ性電解液(KOH水溶
液)の吸蔵量が小さく、そのようなセパレーターを用い
た場合にはアルカリ電池における放電性能が劣ったもの
になることがわかる。
【0060】《実施例 5》 (1) ビニルアルコール単位94.0モル%およびマ
レイン酸単位6.0モル%からなるポリビニルアルコー
ル系重合体(カルボキシル基の割合12モル%;ケン化
度90.0モル%;数平均分子量1700)に、その重
量に基づいて硼酸を0.5重量%の割合で添加した後、
温度90℃の水に溶かしてポリビニルアルコール系重合
体の濃度が16重量%である紡糸原液(pH5.5)を
調製した。 (2) 上記(1)で調製した紡糸原液を、アルカリ
(NaOH 15g/リットル)を含有する飽和芒硝水
溶液(pH14)からなる温度40℃の凝固浴中に紡出
して凝固されたポリビニルアルコール系繊維を形成さ
せ、それを第1ゴデットローラにより凝固浴から空気中
へ引き出した後、温度90℃の飽和芒硝水溶液浴(pH
4)中に導いて、延伸倍率4倍に湿熱延伸(紡糸延伸)
を行った。なお、凝固浴中のアルカリによりポリビニル
アルコール系繊維を構成するポリビニルアルコール系重
合体のケン化度は98.5モル%に上昇していた。 (3) 次いで、上記(2)の湿熱延伸により得られた
原糸を温度120℃で乾燥して水分を除去し、続いてそ
の延伸倍率が2.5倍になるようにして温度235℃前
後で乾熱延伸を行った(トータル延伸倍率10倍)。 (4) 上記(3)の乾熱延伸後に、実施例1の(4)
と同様にして熱処理して、電池用セパレーター用のポリ
ビニルアルコール系繊維篠(単繊維繊度0.7デニー
ル、総繊維数3000f)を製造した。 (5) 上記(4)で得られたポリビニルアルコール系
繊維のアルカリ水溶液の吸液量(Aab)、水溶解温度、
および80℃の熱水中における収縮率を上記の方法で測
定したところ、そのアルカリ水溶液の吸液量(Aab)は
3.8倍、水溶解温度は90℃であり、抄紙が可能であ
った。
【0061】(6) 上記(4)で得られたポリビニル
アルコール系繊維を繊維長約5mmに切断した後、これ
を用いて、シリンダードライヤーの温度を100℃にし
た以外は、実施例1の(6)におけるのと同様にして、
坪量が30g/m2である電池用セパレーター紙を製造
した。なお、上記(5)で得られたポリビニルアルコー
ル系繊維は、実施例1〜4の(5)で得られたポリビニ
ルアルコール系繊維に比べてその水溶解温度が多少低い
ために、110℃のシリンダードライヤーを用いて乾燥
を行うとポリビニルアルコール系繊維の溶解が生ずる
が、生産性は多少劣るがドライヤー温度を100℃以下
にした場合は、セパレーター紙の製造が可能であった。 (7) 上記(6)で得られた電池用セパレーター紙に
おけるポリビニルアルコール系繊維の溶解の有無および
収縮の有無を調べたところ、シリンダードライヤーの温
度を100℃以下にした場合にはポリビニルアルコール
系繊維の溶解および収縮はなかった、またそのKOH水
溶液吸蔵量を上記した方法では測定したところ8.8g
/gであって高いKOH水溶液吸蔵量を示した。 (8) さらに、上記(6)で得られた電池用セパレー
ター紙を用いて単I型乾電池のサイズに合わせてコップ
形セパレーターを作製し、そのセパレーターを用いて上
記した方法でアルカリマンガン乾電池を作製して、その
放電性能を上記した方法で調べたところ、その放電性能
の評価は◎であった。
【0062】《実施例 6》 (1) ビニルアルコール単位99.5モル%およびイ
タコン酸単位0.5モル%からなるポリビニルアルコー
ル系重合体(カルボキシル基の割合1モル%;ケン化度
97.3モル%;数平均分子量1700)を温度90℃
の水に溶かしてポリビニルアルコール系重合体の濃度が
16重量%である紡糸原液(pH6)を調製した。 (2) 上記(1)で調製した紡糸原液を、アルカリ
(NaOH 310g/リットル)を含有する水溶液
(pH14)からなる温度40℃の凝固浴中に紡出して
凝固されたポリビニルアルコール系繊維を形成させ、そ
れを第1ゴデットローラにより凝固浴から空気中へ引き
出した後、温度90℃の飽和芒硝水溶液浴(pH4)中
に導いて、延伸倍率4倍に湿熱延伸(紡糸延伸)を行っ
た。なお、凝固浴中のアルカリによりポリビニルアルコ
ール系繊維を構成するポリビニルアルコール系重合体の
ケン化度は98.5モル%に上昇していた。 (3) 次いで、上記(2)の湿熱延伸により得られた
原糸を温度90℃で乾燥して水分を除去し、続いてその
延伸倍率が3倍になるようにして温度235℃前後で乾
熱延伸を行った(トータル延伸倍率12倍)。 (4) 上記(3)の乾熱延伸後に、実施例1の(4)
と同様にして熱処理して、電池用セパレーター用のポリ
ビニルアルコール系繊維篠(単繊維繊度0.5デニー
ル、総繊維数3000f)を製造した。 (5) 上記した方法で測定または求めた、上記(4)
で得られたポリビニルアルコール系繊維のアルカリ水溶
液の吸液量(Aab)は2.8倍、水溶解温度は96℃で
あり、繊維間に膠着がなく、良好に抄紙できた。
【0063】(6) 上記(4)で得られたポリビニル
アルコール系繊維を繊維長約5mmに切断した後、これ
を用いて、シリンダードライヤーの温度を100℃にし
た以外は、実施例1の(6)におけるのと同様にして、
坪量が30g/m2である電池用セパレーター紙を製造
した。 (7) 上記(6)で得られた電池用セパレーター紙に
おけるポリビニルアルコール系繊維の溶解の有無および
収縮の有無を調べたところ、シリンダードライヤーの温
度を100℃以下にした場合にはポリビニルアルコール
系繊維の溶解および収縮はなかった、またそのKOH水
溶液吸蔵量を上記した方法で測定したところ7.5g/
gであって高いKOH水溶液吸蔵量を示した。 (8) さらに、上記(6)で得られた電池用セパレー
ター紙を用いて単I型乾電池のサイズに合わせてコップ
形セパレーターを作製し、そのセパレーターを用いて上
記した方法でアルカリマンガン乾電池を作製して、その
放電性能を上記した方法で調べたところ、その放電性能
の評価は◎であった。
【0064】《実施例 7》 (1) ビニルアルコール単位95.0モル%およびマ
レイン酸単位5.0モル%からなるポリビニルアルコー
ル系重合体(カルボキシル基の割合10モル%;ケン化
度90.5モル%;数平均分子量1700)を温度90
℃の水に溶かしてポリビニルアルコール系重合体の濃度
が16重量%である紡糸原液(pH6)を調製した。 (2) 上記(1)で調製した紡糸原液を、飽和芒硝水
溶液(pH4)からなる温度40℃の凝固浴中に紡出し
て凝固されたポリビニルアルコール系繊維を形成させ、
それを第1ゴデットローラにより凝固浴から空気中へ引
き出した後、温度90℃の飽和芒硝水溶液浴(pH4)
中に導いて、延伸倍率4倍に湿熱延伸(紡糸延伸)を行
った。 (3) 次いで、上記(2)の湿熱延伸により得られた
原糸を温度120℃で乾燥して水分を除去し、続いてそ
の延伸倍率が3倍になるようにして温度235℃前後で
乾熱延伸を行った(トータル延伸倍率12倍)。 (4) 上記(3)の乾熱延伸後に、実施例1の(4)
と同様にして熱処理して、電池用セパレーター用のポリ
ビニルアルコール系繊維篠(単繊維繊度0.7デニー
ル、総繊維数3000f)を製造した。 (5) 上記(4)で得られたポリビニルアルコール系
繊維のアルカリ水溶液の吸液量(Aab)、水溶解温度、
および80℃の熱水中における収縮率を上記の方法で測
定したところ、そのアルカリ水溶液の吸液量(Aab)は
3.1倍、水溶解温度は96℃であり、繊維間に膠着が
なく、良好に抄紙できた。
【0065】(6) 上記(4)で得られたポリビニル
アルコール系繊維を繊維長約5mmに切断した後、これ
を用いて、シリンダードライヤーの温度を100℃にし
た以外は、実施例1の(6)におけるのと同様にして、
坪量が30g/m2である電池用セパレーター紙を製造
した。 (7) 上記(6)で得られた電池用セパレーター紙に
おけるポリビニルアルコール系繊維の溶解の有無および
収縮の有無を調べたところ、シリンダードライヤーの温
度を100℃以下にした場合にはポリビニルアルコール
系繊維の溶解および収縮はなかった。またそのKOH水
溶液吸蔵量を上記した方法で測定したところ7.5g/
gであって実施例1に匹敵する高いKOH水溶液吸蔵量
を示した。 (8) さらに、上記(6)で得られた電池用セパレー
ター紙を用いて単I型乾電池のサイズに合わせてコップ
形セパレーターを作製し、そのセパレーターを用いて上
記した方法でアルカリマンガン乾電池を作製して、その
放電性能を上記した方法で調べたところ、その放電性能
の評価は◎であった。
【0066】
【発明の効果】本発明の電池用セパレーターは、アルカ
リ水溶液の吸液量(Aab)の値が2倍以上である、アル
カリ水溶液の吸液能の極めて高いポリビニルアルコール
系繊維を少なくとも用いて形成されているため、アルカ
リ性電解液の吸液能(保持能)が高く、電池反応に必要
なアルカリ性電解液をセパレーター中に充分に含むこと
のできる。そのため本発明の電池用セパレーターを用い
てアルカリ電池を製作すると、電池内でのイオンの流れ
が円滑に行われて大電流の取り出しが容易な商品価値の
高いアルカリ電池を得ることができる。
【0067】本発明の電池用セパレーターで用いてい
る、アルカリ水溶液の吸液量(Aab)の値が2倍以上で
あるポリビニルアルコール系繊維の場合は、電池用セパ
レーターに用いる天然パルプやセルロース繊維に対して
一般に行われているフィブリル化や微細化のための叩解
処理を行わなくても、紡糸によって繊維繊度の小さい極
細繊維をそのまま直接製造できる。そのため、そのよう
な繊維繊度の小さいポリビニルアルコール系繊維を用い
て形成される本発明の電池用セパレーターでは、セパレ
ーター中の連通孔の微細化が極めて容易にスムーズに行
われて、セパレート性能が高く、正極および負極の活物
質や電池反応で生成する導電性物質の通過を円滑阻止し
て電池内での内部短絡を防止することができる。しか
も、叩解処理を要しないことにより、叩解装置の設置に
伴うセパレーター紙の生産設備や工程の複雑化、コスト
の上昇などを防止することができる。
【0068】本発明の電池用セパレーターは、耐水性、
耐アルカリ性などの特性に優れている。特に、アルカリ
水溶液の吸液量(Aab)の値が2倍以上であるという特
性と共に、水溶解温度が90℃、好ましくは95℃以上
であるという特性、および/または80℃の熱水中での
収縮率が20%以下であるという特性を備えるポリビニ
ルアルコール系繊維を少なくとも用いて形成される本発
明の電池用セパレーターは、耐熱水性、耐熱性、耐湿熱
性、耐収縮性などの特性にも優れていて品質が高く、し
かもセパレーター紙の抄造時に高温における乾燥処理が
可能であり、生産性よく製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 亮 岡山県岡山市海岸通1丁目2番1号 株 式会社クラレ内 (72)発明者 曽根高 友康 岡山県岡山市海岸通1丁目2番1号 株 式会社クラレ内 (56)参考文献 特開 平6−163024(JP,A) 特開 平7−312215(JP,A) 特開 平7−122256(JP,A) 特開 平8−106893(JP,A) 特開 平7−302583(JP,A) 特開 平1−146249(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 2/16 H01M 10/24

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の数式(i)により求められるアル
    カリ水溶液の吸液量(Aab); 【数1】 Aab(倍)=(Wa−Wb)/Wb (i) [式中、Wa=ポリビニルアルコール系繊維を濃度35
    重量%の水酸化カリウム水溶液中に浴比1:100で3
    0℃の温度で15分間浸漬した後に1Gの条件下に10
    分間遠心脱水したときのポリビニルアルコール系繊維の
    重量(g)、Wb=水酸化カリウム水溶液に浸漬する前
    のポリビニルアルコール系繊維の重量(g)を表す] の値が、2倍以上であるポリビニルアルコール系繊維を
    少なくとも用いて抄造して形成したことを特徴とする電
    池用セパレーター。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアルコール系繊維が、アルカ
    リ水溶液の吸液量(Aab)が2倍以上であるという特性
    と共に、水溶解温度が90℃以上であるという特性をさ
    らに備えている、請求項1の電池用セパレーター。
  3. 【請求項3】 ポリビニルアルコール系繊維が、アルカ
    リ水溶液の吸液量(Aab)が2倍以上であるという特性
    と共に、80℃の熱水中における収縮率が20%以下で
    あるという特性をさらに備えている、請求項1または2
    の電池用セパレーター。
  4. 【請求項4】 ポリビニルアルコール系繊維が、アルカ
    リ水溶液の吸液量(Aab)が2倍以上であるという特性
    と共に、水溶解温度が90℃以上であるという特性、お
    よび80℃の熱水中における収縮率が20%以下である
    という特性をさらに備えている、請求項1〜3のいずれ
    か1項の電池用セパレーター。
  5. 【請求項5】 ポリビニルアルコール系繊維が、カルボ
    キシル基を分子中に0.5〜10モル%の割合で有する
    ポリビニルアルコール系重合体を用いて形成されたもの
    である、請求項1〜4のいずれか1項の電池用セパレー
    ター。
  6. 【請求項6】 ポリビニルアルコール系繊維が、ケン化
    度が98モル%以上であるポリビニルアルコール系重合
    体を用いて形成されたものである請求項1〜5のいずれ
    か1項の電池用セパレーター。
  7. 【請求項7】 ポリビニルアルコール系繊維を単独で用
    いて形成してある請求項1〜6のいずれか1項の電池用
    セパレーター。
  8. 【請求項8】 ポリビニルアルコール系繊維と共に、他
    の繊維およびパルプのうちの少なくとも1種を用いて形
    成してある請求項1〜6のいずれか1項の電池用セパレ
    ーター。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項の電池用セ
    パレーターを備えていることを特徴とする電池。
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