JP3851021B2 - 電池用セパレータ用紙及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルカリマンガン電池、水銀電池、酸化銀電池、空気亜鉛電池等のアルカリ一次電池に好適な電池用セパレータ用紙及びその製造方法と該電池用セパレータ用紙から得られる電池用セパレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にアルカリ一次電池等の電池には、陽極活物質と陰極活物質を隔離するためのセパレータが用いられている。このセパレータには
▲1▼前記陽極物質と陰極物質の内部短絡を防止すること
▲2▼十分な起電反応を生じさせるために高い電解液吸液性を有していること
▲3▼電池内部に組込まれた際の占有率が小さく、陽極活物質等の量を増やせる(電池使用可能時間を長くできる)こと
などの様々な性能が要求される。
上記の性能を具備する電池用セパレータとして、耐薬品性、親水性、機械的性能等に優れていることからポリビニルアルコール系繊維を用いた電池用セパレータや、さらに電解質保液性等を高めるためにセルロース系繊維等を併用した電池用セパレータが従来広く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年の電器製品等の発展に伴って一層高性能で使用可能時間の長い電池が要求されていることから、電池用セパレータの耐膨潤性等のさらなる改善・薄型化が強く要望されている。
本願発明の目的は、内部短絡防止性、電解液吸液性に優れ、かつ一層薄型化可能で電池使用可能時間を延長できる電池用セパレータ用紙及びその製造方法と、さらに該セパレータ用紙を用いてなる電池用セパレータを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(1)単繊維繊度0.0001〜0.35dのポリアミド系繊維を2〜40重量%、ポリビニルアルコール系繊維を5〜50重量%及びセルロース系繊維を10〜90重量%配合してなる電池用セパレータ用紙、(2)ポリアミド系樹脂を島成分とする海島繊維の海成分を除去することにより得られる単繊維繊度0.0001〜0.35dのポリアミド系繊維を用い、該ポリアミド系繊維の配合割合が2〜40重量%、ポリビニルアルコール系繊維の配合割合が5〜50重量%、セルロース系繊維の配合割合が10〜90重量%となるように湿式抄造する電池用セパレータ用紙の製造方法、に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明は、単繊維繊度0.0001〜0.35dのポリアミド系繊維を2〜40重量%配合した電池用セパレータ用紙を用いることによって、諸性能に優れる電池用セパレータが得られることを見出したものである。かかるポリアミド系繊維を用いることにより、ポアサイズが小さくなることから薄型化しても優れたセパレート性(内部短絡防止性)が確保され、しかも極細繊維であっても機械的性能が劣化せず「コシ」の高いセパレータとなるのみでなく、セパレータの膨潤が顕著に抑制されることからセパレータの占有率を低減する(電池の使用可能な時間を延長させる)ことができる。
【0006】
本発明においては、単繊維繊度0.35d以下、好ましくは0.1d以下、さらに好ましくは0.05d以下のポリアミド系繊維を用いる必要がある。かかる極細繊維を用いることにより、ポアサイズが小さくなってセパレート性を一層改善できるとともにセパレータを一層薄型化することができる。また吸液性の点からもかかる細繊度のポリアミド系繊維を用いる必要がある。すなわちポリアミド系繊維の繊度が小さい場合には繊維間に電解液を保吸することが可能であるが、繊維そのものの吸液性は低いために繊度が大きくなるとセパレータの吸液性も低下することとなる。また膨潤性の高い繊維の場合には繊度が小さくなりすぎると内部抵抗が大きくなる問題が生じるが、ポリアミド系繊維は耐膨潤性が高いことから、繊度を極めて小さくした場合であっても優れた効果が得られる。抄紙性及び内部抵抗の上昇を抑制する点からは単繊維繊度0.0001d以上、特に0.01d以上のポリアミド系繊維を用いるのが好ましい。繊維長は抄紙性、セパレート性等の点から、0.5〜20mm、特に1〜5mmとするのが好ましい。
【0007】
また本発明においては少なくともポリアミド系極細繊維を用いる必要がある。たとえばポリビニルアルコール(PVA)系極細繊維を配合した場合であってもセパレータのセパレート性は向上するものの、PVA系繊維は親水性が高いことからポリアミド系繊維に比して膨潤しやすい傾向があり、特に極細繊維においてはその傾向が顕著になる。従ってPVA系極細繊維を配合しても本発明のようにセパレータの膨潤を顕著に抑制することはできず(セパレータの占有率を低下させることができず)、本発明ほど電池使用可能時間を延長せしめることができない。またポリアミド系極細繊維は耐膨潤性に優れていることから、極細繊維を配合しても内部抵抗が増大しにくくより一層優れた効果が得られる。
【0008】
かかるポリアミド系極細繊維の配合量は、2〜40重量%/紙、好ましくは3重量%以上/紙、さらに好ましくは4重量%以上/紙であり、また30重量%以下/紙、さらに20重量%以下/紙とするのが好ましい。ポリアミド系極細繊維の配合量が多すぎると吸液性が不十分になるとともに内部抵抗が大きくなり、逆に配合量が小さすぎると耐膨潤性等の点で本発明の効果が十分に得られない。
【0009】
使用可能なポリアミド系繊維は特に限定されないが、ナイロン6繊維、ナイロン66繊維に代表されるナイロン繊維を使用するのが好ましく、アラミド繊維を使用することもできる。なかでも紡糸性、耐膨潤性等の点からは数平均分子量8000以上3万以下、特に1万以上2万以下のアミド系ポリマ−からなるナイロン繊維がより好ましい。勿論、2種以上の樹脂が併用されていてもよく、電池用セパレータとして用いた際に電池性能に悪影響を及ぼさない範囲で酸化防止剤、工程助剤等の添加剤を含んでいてもよい。
【0010】
該繊維の製造方法は特に限定されない。しかしながら単にポリアミド系樹脂を紡糸したのみでは極細繊維が得られにくいことから、ポリアミド系樹脂を一成分とする多成分繊維を紡糸し、得られた多成分繊維の他の成分を除去する方法や複数のポリアミド系樹脂からなる繊維を分割する方法等を採用するのが好ましい。なかでもポリアミド系樹脂を島成分とする海島繊維を紡糸し、次いで該海島繊維の海成分を除去する方法を採用するのが好ましく、かかる方法等により得られる極細繊維を用いて抄紙することにより所望のセパレータが得られる。抄紙後に海成分(他の成分)を除去することによっても極細繊維が得られるが、該方法によると繊維が緻密に絡合した紙にならずポアサイズが大きくなるので本発明の効果は得られない。
【0011】
ポリアミド系樹脂(A成分)と複合紡糸又は混合紡糸するポリマー(B成分)は、ポリアミド系樹脂の性能を実質的に損うことなく除去できる熱可塑性ポリマーであれば特に限定されない。たとえば熱トルエンで除去可能なポリエチレンや、アルカリ性水溶液で除去可能な易アルカリ減量性ポリエステル系ポリマー等が挙げられる。紡糸性、減量加工性、コスト等の点からは易アルカリ減量性ポリエステルを用いるのが好ましい。
【0012】
具体的なポリエステルの種類は特に限定されず、アルカリにより分解及び/又は溶解するポリエステルを用いればよい。なかでも98℃、20g/リットルの水酸化ナトリウム水溶液中に浴比1:500の条件で浸漬して攪拌した際に1時間以内、特に30分以内に溶解又は分解するポリエステルを用いるのが好ましい。
【0013】
かかるA成分及びB成分を混合紡糸してA成分を島成分、B成分を海成分とする海島繊維を製造すればよい。A成分及びB成分の配合割合等は適宜変更すればよいが、コスト、繊維径等の点からA成分:B成分=30:70〜95:5,特に40:60〜70:30(重量比)とするのが好ましい。
なお本発明にいう海島繊維とは、繊維の横断面においてマトリックスとなる海成分中に数個から数万、好ましくは数十から数千個程度の島(A成分:ポリアミド系樹脂)が存在する繊維をいう。該海島繊維は押出により成形され、かつ島成分が繊維軸方向にある程度連続しているものであればよく、海島繊維の直径や断面形状は特に限定されない。
【0014】
またセパレ−タの吸液性、吸液速度及び抄紙時の水分散性を保持する点からは、実施例の方法で測定される親水性度が0.30g/g以上、特に0.40g/g以上のポリアミド系繊維を用いるのが好ましく、吸液速度300sec/25mm以下であるのが好ましい。繊維の親水性度が低い場合には、電池性能に悪影響を及ぼさない範囲で親水性の界面活性剤を繊維に付与するのが好ましい。
【0015】
ポリアミド系極細繊維と併用可能な繊維の種類は特に限定されないが、セパレータの吸液性を高める点からは少なくとも耐薬品性及び電解液吸液性に優れた繊維を配合するのが好ましい。具体的にはPVA系繊維及びセルロース系繊維を主体成分として配合し、該繊維の配合量は10〜98重量%/紙、好ましくは50重量%以上/紙、さらに好ましくは60重量%以上/紙、95重量%以下/紙とするのが好ましい。
【0016】
セパレータの吸液性、機械的性能等の点からは、PVA系繊維とセルロース系繊維をともに配合する必要があり、PVA系繊維の配合量は5重量%以上50重量%以下、さらに10重量%以上とするのが好ましく、40重量%以下とするのが好ましい。また同理由からセルロース系繊維の配合量は10重量%以上90重量%以下、さらに30重量%以上とするのが好ましく、また80重量%以下とするのが好ましい。PVA系繊維及びセルロース系繊維はともに電解液吸液性に優れたものであるが、セルロース系繊維の方がより電解液吸液性が高く、さらにPVA系繊維の方がより耐膨潤性、機械的性能に優れている。したがって両繊維の配合比を変更することにより所望の性能を得ることができる。
【0017】
本発明に使用できるPVA系繊維は特に限定されないが、主体繊維としては水中溶解温度90℃以上、特に100℃以上の繊維が好ましい。具体的には平均重合度1000〜5000、けん化度95モル%以上、特に99モル%以上のビニルアルコール系ポリマーからなる繊維が好適に挙げられる。該ビニルアルコール系ポリマーは他の共重合成分により共重合されていてもよいが、耐水性等の点から共重合割合は30モル%以下、特に10モル%以下であるのが好ましい。またアセタール化等の処理が施されていてもかまわない。
またPVA系繊維はビニルアルコール系ポリマーのみから構成されている必要はなく、他のポリマーを含んでいても構わない。勿論、他のポリマーとの複合紡糸繊維、混合紡糸繊維(海島繊維)であってもかまわない。電解液吸液性、機械的性能等の点からはビニルアルコール系ポリマーを30重量%以上、特に50重量%以上、さらに80重量%以上含むPVA系繊維を用いるのが好ましい。
該繊維の繊度は、セパレート性、薄型化の点から3d以下、特に1d以下、さらに0.8d以下であるのが好ましく、抄紙性、内部圧力の増大を抑制する点から0.1d以上、さらに0.2d以上であるのが好ましい。繊維長さは単繊維デニールに応じて適宜設定すれば良いが、抄紙性等の点から繊維長0.5〜10mm、特に1〜5mmとするのが好ましい。
【0018】
また本発明に使用できるセルロース系繊維としては、レーヨン繊維(ポリノジックレーヨン繊維等を含む)、アセテート系繊維、天然パルプ(木材パルプ、コットンリンターパルプ、麻パルプ等)等が挙げられ、これらにマーセル化処理等の処理を行ったものや、これらの叩解物等も使用できる。耐アルカリ性、耐膨潤性等の点からはレーヨン繊維を用いるのが好ましい。
セルロース系繊維の繊度は特に限定されず、たとえば繊度0.1〜3d程度のカットファイバー、カットファイバーやパルプの叩解物等が使用できるが、耐膨潤性の点からは繊度0.1〜3d程度のカットファイバーを少なくとも30重量%以上/紙配合するのが好ましい。勿論カットファイバーとパルプ状物を併用しても構わない。
【0019】
不織布の機械的性能、寸法安定性等の点からは水中溶解温度80℃以下、好ましくは60〜75℃のバインダー成分(樹脂状、繊維状)を配合するのが好ましい。紙のポアサイズ及び内部圧力の増大を減じる点からは繊維状バインダーを使用するのが好ましく、特に親水性で吸液性の高いことからPVA系繊維状バインダーを配合するのが好ましい。なかでも平均重合度は500〜3000程度、けん化度97〜99モル%のPVAから構成された繊維が好適に使用される。勿論ビニルアルコール系ポリマーのみから構成されている必要はなく、他のポリマーを含んでいても構わない。勿論、他のポリマーとの複合紡糸繊維、混合紡糸繊維(海島繊維)であってもかまわない。電解液吸液性、機械的性能等の点からはビニルアルコール系ポリマーを30重量%以上、特に50重量%以上、さらに80重量%以上含むPVA系繊維を用いるのが好ましい。
PVA系繊維の繊度は、水分散性、他成分との接着性、ポアサイズ等の点から0.2〜2d程度であるのが好ましく、繊維長1〜5mm程度であるのが好ましい。勿論、上記繊維以外の他の繊維を配合しても構わない。
【0020】
かかる繊維を用いて抄紙することにより電池用セパレータ用紙が得られるが、その方法は特に限定されない。たとえば一般の湿式抄紙機を用いることにより効率的に所望の紙を製造できる。用いる抄き網としては円網、短網及び長網等が挙げられ、これらの抄き網を単独で用いて単層としても、また抄き網の組み合せによる複数層の抄きあわせシートとしてもよい。地合斑のない均質で電気特性に優れた紙を得る点からは複数層の抄きあわせとするのが好ましく、なかでも短網―円網抄紙機にて2層抄きあわせ紙とするのが好ましい。紙料を含むスラリーを抄き上げた後にヤンキー型乾燥機等で乾燥することにより目的とする電池用セパレータが得られる。勿論、必要に応じて熱プレス加工等をさらに行うこともできる。
【0021】
セパレータ用紙の厚さは、保液性、薄型化の点から0.2mm以下、特に0.1mm以下、さらに0.09mm以下とするのが好ましく、セパレート性、機械的性能及びコシの点から0.05mm以上、さらに0.06mm以上とするのが好ましい。同理由から密度は0.5g/cm3以下、さらに0.4g/cm3以下、さらに0.35g/cm3以下であるのが好ましく、0.1g/cm3以上であるのが好ましい。
【0022】
セパレータ用紙のポアサイズは、セパレート性の点から20μm以下、特に18μm以下、さらに17μm以下、またさらに15μm以下であるのが好ましく、圧力損失等の点からは10μm以上であるのが好ましい。また同理由から、紙の通気度は22cc/cm2/sec以下、特に20cc/cm2/sec以下、さらに15cc/cm2/sec以下、またさらに13cc/cm2/sec以下であるのが好ましく、内部圧力の点から5cc/cm2/sec以上であるのが好ましい。
【0023】
セパレータ用紙の膨潤度(%)は、電池内の占有面積低減、内部圧力増大抑制、機械的性能の確保等の点から15%以下、特に13%以下、さらに9%以下、またさらに5%以下であるのが好ましく、なかでも3%以下であるのが好ましい。
またセパレータ用紙の電解液吸液量は0.2g/2500mm2以上、特に0.3g/2500mm2以上、さらに0.35g/2500mm2以上のセパレータが好ましく、本発明によれば電解液吸液性に優れるセパレータが得られる。
【0024】
セパレータ用紙の機械的性能、寸法安定性、取扱性等の点からは、裂断長が4km以上、特に4.5km以上、さらに5km以上であるのが好ましく、コシは0.25kgf以上、さらに0.3kgf以上であるのが好ましい。特にコシが高いものは電池内の組み込みが容易になるのみでなく、電池使用時に落下等により衝撃を受けても変形しにくく、変形による内部短絡の発生が抑制できるという優れた効果が得られる。
【0025】
本発明の電池用セパレータ用紙をそのまま用いて、または袋状体や渦巻状体等の所望の形状に加工することにより電池用セパレータとすることができる。もちろん本発明の電池用セパレータ用紙以外のものと組み合せて電池用セパレータを製造してもよい。たとえば他の不織布、フィルム等と積層したり、継ぎ合せることができる。しかしながら、本発明の効果を効率的に得る点からは実質的に本発明の電池用セパレータ用紙のみから電池用セパレータを製造するのが好ましい。本発明の電池用セパレータ用紙はあらゆる電池用セパレータに適用することができるが、耐アルカリ性、アルカリ電解液吸液性に優れていることから、アルカリマンガン電池、水銀電池、酸化銀電池、空気亜鉛電池等のアルカリ一次電池用セパレータとして好適であり、特にアルカリマンガン電池用セパレータとして優れた性能を有している。本発明の電池用セパレータを組込むことによって諸性能に優れた電池が得られる。
【0026】
【実施例】
以下に実施例により本発明を説明するが、本実施例により何等限定されるものではない。
[数平均分子量]
GPC法により測定した。
[親水性度 g/g]
重量Agのポリアミド系繊維を浴比1/100の条件で35%KOH液に24時間浸漬し、次いで3000rpm×10minの条件で遠心脱水した後の繊維の重量Bgを測定し、(B−A)/Aにより算出した。
【0027】
[水中溶解温度 ℃]
400ccの水(20℃)に試料繊維を2.6g投入し、昇温速度1℃/min,攪拌速度280rpmの条件で攪拌しながら昇温し、繊維が完全に溶解したときの温度を水中溶解温度として測定した。
[濾水度(CSF)ml]
JIS P 8121「パルプのろ水度試験方法」に準じてカナダ標準濾水度を測定した。
【0028】
[厚さ mm 密度 g/cm3]
JIS P 8118「紙及び板紙の厚さと密度の試験方法」に準じて測定した。
[坪量 g/m2]
JIS P 8124「紙のメートル坪量測定方法」に準じて測定した。
[裂断長 km]
JIS P 8113「紙及び板紙の引張強さ試験方法」に準じて測定した。
【0029】
[吸液量 g/g]
50mm×50mmの紙試料を35%KOH液に浴比1/100の条件で24時間浸漬し、30秒間自然液切りした後の試料重量を測定し、保液された液体の重量を紙重量で除すことによって吸液量を算出した。
[吸液速度 秒]
試料の端部を35%KOH液に浸漬し、35%KOH液が高さ25mmまで吸い上げるまでに要した時間により吸液速度を評価した。
【0030】
[通気度 cm3/cm2/sec]
JIS L 1096―1996「一般織物試験方法」の通気性測定方法に準じ、株式会社東洋精機製作所製ブラジール型通気度試験機により測定した。
[ポアサイズ μm]
コールター・エレクトロニクス社製:colter POROMETERIIにより測定した。
【0031】
[膨潤度 %]
試料を35%KOHも30分間浸漬し、浸漬前後のサンプルの厚さをダイヤルシックネスゲージで測定し、膨潤度=(浸漬後の厚さー浸漬前の厚さ)/浸漬前の厚さ×100により算出した。
[コシ kgf]
25mm×90mmの試料を35%KOHに30分間浸漬した後、20mm‘高さ)×7mmФの中芯に4重に巻き、20mm(高さ)×9mmФ(内径)の筒内にセットし、株式会社レオテック社製「レオメーターRT―2010―CW」にて、圧縮強力を測定する方法を用いた。
【0032】
[易アルカリ減量性ポリエステル繊維]
5―ナトリウムスルホイソフタル酸(I)が共重合ポリエステルを構成する全酸成分の2.5モル%、分子量2000のポリエチレングリコール(II)及び化1で示されるポリオキシエチレングリシジルエーテル(III)から得られる構成単位が全共重合ポリエステルのそれぞれ10重量%を占め、残部がテレフタル酸及びエチレングリコールから得られる構成単位により構成された共重合ポリエステル(固有粘度0.58dl/g)を用いた。なお、該共重合ポリエステルは、98℃、20g/リットルの水酸化ナトリウム水溶液中に浴比1:500の条件で浸漬して攪拌した際に30分以内に完全に溶解するものであった。
【0033】
【化1】
【0034】
[参考例1]
数平均分子量13000のナイロン6を50重量%、易アルカリ減量性共重合ポリエステル50重量%を混合紡糸して、ナイロン6が島成分、易アルカリ減量性共重合ポリエステルが海成分を構成した3.5デニールの海島型繊維(島数50)を製造し、これを長さ3mmにカットした後、6%NaOH水溶液(80℃)にて30分間浸漬して海成分を除去して単繊維繊度0.035デニールのポリアミド繊維(親水性度0.45g/g)を製造した。
【0035】
[参考例2]
数平均分子量13000のナイロン6を50重量%、易アルカリ減量性共重合ポリエステル50重量%を混合紡糸して、ナイロン6が島成分、易アルカリ減量性共重合ポリエステルが海成分を構成した11.2デニールの海島型繊維(島数16)を製造し、これを長さ10mmにカットした後、6%NaOH水溶液(80℃)にて30分間浸漬して海成分を除去して単繊維繊度0.35デニールのポリアミド繊維(親水性度0.41g/g)を製造した。
[参考例3]
数平均分子量13000のナイロン6を溶融紡糸して得られる1.0dのポリアミド繊維を、長さ5mmにカットして親水性度0.36g/gのポリアミド繊維を得た。
【0036】
[実施例1]
参考例1において得られたポリアミド繊維(0.035d×3mm)5重量部、ポリビニルアルコール系主体繊維(0.5d×2mm 株式会社クラレ製「VPB053×2」、水中溶解温度100℃以上)30重量部、レーヨン繊維(1d×2mm、東洋紡績株式会社製造「KPR1.0×2」、CSF600ml)50重量部、PVA系バインダー繊維(1d×3mm 株式会社クラレ製「VPB105―1×3」、水中溶解温度70℃)15重量部を水に分散してスラリーを製造し、これを短網―円網抄紙機にて2層抄きあわせ抄紙を行い、ヤンキー型乾燥機にて乾燥して目的とする電池用セパレータ用紙を得た。得られたセパレータ用紙は薄厚でも高強力、セパレート性、電解液吸液性等の諸性能が高く、しかも耐膨潤性に優れたものであった。また2層抄きあわせ構造にしていることから地合が極めて良好かつ均質でセパレータ用紙として優れた構造を有していた。結果を表1に示す。
【0037】
[実施例2、3、比較例1、2]
配合比を表1のように変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
[実施例4]
参考例2において得られたポリアミド繊維(0.35d×10mm)を用い、表1のように配合を変更した以外は実施例1と同様に行った。結果を表1に示す。
【0038】
[比較例3、比較例4]
参考例3において得られたポリアミド繊維(1.0d×5mm)を用いて、またはポリアミド繊維を配合することなく表1のように配合を変更した以外は実施例1と同様に行った。比較例3においては電解液保液性及び耐膨潤性に優れたものであったが、ポアサイズが大きくセパレート性の低いものであった。また比較例4において得られたセパレータは電解液保持性に優れているものの、耐膨潤性が低いために電池における占有面積が大きく、電池使用可能時間は実施例に比して短いものであった。結果を表1に示す。
なお比較例4で使用したポリビニルアルコール系主体繊維(1.0d×3mm)は、水中溶解温度100℃以上の繊維(株式会社クラレ製「VPB103×3」)であり、マーセル化コットンのCSFは550mlである。
【0039】
【表1】
Claims (3)
- 単繊維繊度0.0001〜0.35dのポリアミド系繊維を2〜40重量%、ポリビニルアルコール系繊維を5〜50重量%及びセルロース系繊維を10〜90重量%配合してなる電池用セパレータ用紙。
- ポリアミド系樹脂を島成分とする海島繊維の海成分を除去することにより得られる単繊維繊度0.0001〜0.35dのポリアミド系繊維を用い、該ポリアミド系繊維の配合割合が2〜40重量%、ポリビニルアルコール系繊維の配合割合が5〜50重量%、セルロース系繊維の配合割合が10〜90重量%となるように湿式抄造する電池用セパレータ用紙の製造方法。
- 請求項1記載の電池用セパレータ用紙を用いてなる電池用セパレータ。
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JP2000348702A (ja) | 2000-12-15 |
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