JP4739696B2 - アルカリ電池用セパレータ及びアルカリ一次電池 - Google Patents

アルカリ電池用セパレータ及びアルカリ一次電池 Download PDF

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本発明は、アルカリマンガン電池、水銀電池、酸化銀電池、空気亜鉛電池等のアルカリ一次電池に好適な電池用セパレータ、及び該電池用セパレータを具備してなるアルカリ一次電池に関する。さらに詳しくは、耐アルカリ性繊維を用いた緻密層と粗層とを有する2層構造の不織布の緻密層側に、カルボキシル基を有する架橋型高吸水性高分子化合物の特定量を塗布し、架橋させてなる、アルカリ一次電池における電池用セパレータ、及び該電池用セパレータを具備してなるアルカリ一次電池に関する。
一般にアルカリ一次電池には、正極活物質と負極活物質を隔離するためのセパレータが用いられている。このセパレータには、
1.前記正極活物質と負極活物質の内部短絡を防止すること、
2.十分な起電反応を生じさせるために高い電解液吸液性を有し、イオン伝導性が良好で電気抵抗が低いこと、
3.電池内部に組込まれた際の占有率が小さく、正極活物質・負極活物質等の量を増やせる(電池使用可能時間を長くできる)こと、
4.電池内部に組み込まれた際、電池の搬送や携帯時に振動・落下による衝撃よってセパレータ自体が座屈せず、内部短絡を引き起こさないこと、
などの様々な性能が要求される。
上記の性能を具備する電池用セパレータとして、耐薬品性、親水性、機械的性能等に優れていることからポリビニルアルコール系繊維を用い、さらに電解液吸液性等を高めるためにセルロース系繊維等を併用した電池用セパレータが提案されている(特許文献1)。しかしながら、電解液中での水素の発生を抑えるために負極を構成する亜鉛に添加されているアルミニウム成分の作用によって、針状の酸化亜鉛が析出するいわゆるデンドライトに起因した短絡が生じ、電圧の異常低下を引き起こし、結果として電池寿命が短くなるという問題がある。
また、正極活物質と負極活物質との内部短絡を防止するために、耐アルカリ性繊維として、ポリビニルアルコール系繊維とセルロース系繊維を叩解して繊維密度の高い緻密層と密度の低い保液層を組み合せた2層構造の電池用セパレータが提案されている(特許文献2)。
しかしながら、良好な吸液性能と内部短絡防止機能を両立させるのは難しく、デントライトによる短絡を防止するために緻密層の比率を多くすると、吸液量が少なくなり、いわゆる液切れ現象が発生し内部短絡が生じ、電池寿命が短かくなるという問題がある。また緻密層にセルロース繊維の高叩解品を使用するとセパレータ自体のコシ強力が低下するために、電池の搬送や携帯時に振動・落下による衝撃によってセパレータ自体が座屈し、内部短絡を生じてしまう事象も発生する。また、セルロース高叩解を用いた緻密層を併用してもデントライトの発生による内部短絡を防止は難しい。
デンドライトを防止するために耐アルカリ性繊維とセルロース繊維を併用した紙または不織布と、セロファンフィルムを併用したものが採用されている。しかしながら、該セパレータは吸液性能が低いため、吸液量を確保するには紙基材を多くする必要がある。そのため、電池内部でのセパレータの占有率が大きくなることで正極・負極活物質の量が制限され、さらにセロファンフィルムを使用すること、及び紙基材を多くしたことによって極間距離が長くなり、内部抵抗の上昇を招き、結果的に大容量の放電性能が得られなくなるという問題がある。
さらに、耐アルカリ性繊維を用いた紙基材に架橋型高吸水性高分子化合物を含浸・塗布した電池用セパレータが提案されている(特許文献3)。
しかしながら、紙基材に架橋型高吸水性高分子化合物を塗布・含浸させれば、紙基材全てが架橋型高吸水性高分子化合物に覆われ、特に円筒型電池内で使用する場合、電池の組立工程時、電池セパレータの上部まで電解液を吸上げる速度(吸上速度)が遅くなり、大幅に電池生産性が低くなる。また電池用セパレータが上部まで電解液を吸上げる速度が遅いため、現行電池組立時間のまま、密封すれば、セパレータの座屈が発生する恐れもあり、内部短絡を起こしたり、セパレータ上部への電解液の濡れが不完全なため電池性能が不十分なものになってしまう。さらに特許文献3に記述されている架橋型高吸水性高分子化合物の塗布量の上限(10g/m2)でデントライトを防止するには、塗布させる紙基材を緻密にする必要があるが、緻密にすると、先述した電池組立性の問題及び、電池の搬送や携帯時に振動・落下による衝撃によってセパレータ自体が座屈し、内部短絡する問題がある。
特開平6−163024号公報 特開平10−92411号公報 特開昭57−105957号公報
本発明は、上記のような現状に鑑み、デントライトによる短絡を防止し、セパレータ自身の吸液性を高めるとともに、電解液を長時間保持して、且つ電池組立時の生産効率を損なわない電池用セパレータであって、該セパレータを用いることにより、電池寿命が長く、電池の搬送や携帯時の振動・落下による衝撃を受けても内部短絡を防止できるアルカリ一次電池、特に円筒型アルカリ一次用電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明者らは鋭意検討を重ねた。その結果、湿式法によって得られる耐アルカリ性繊維を用いた緻密層と粗層を有する2層構造の不織布の緻密層側に、カルボキシル基を有する架橋型高吸水性高分子化合物の特定量を塗布、架橋させたセパレータを用いると、吸上性能と、高吸液性能を保持し、同時に電解液を吸液・膨潤せしめ、不織布の細孔を詰めることで遮蔽性を発現させ、デンドライトによる短絡が防止できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1)湿式法により得られる耐アルカリ性繊維を用いた緻密層と粗層とを有する2層構造の不織布からなるアルカリ一次電池用セパレータであって、該不織布の緻密層側に、カルボキシル基を有する架橋型高吸水性高分子化合物を、0.5〜20.0g/m2塗布し、架橋させてなることを特徴とするアルカリ一次電池用セパレータ、
(2)遮蔽度が15〜600秒であり、コシ強力が190gf以上を有し、吸上速度が360秒以内であること、且つインピーダンス(電気抵抗値)が1.00Ω以下である上記(1)に記載のアルカリ一次電池用セパレータ、
(3)耐アルカリ性繊維が、ポリビニルアルコール系繊維である上記(1)又は(2)に記載のアルカリ一次電池用セパレータ、
(4)カルボキシル基を有する架橋型高吸水性高分子化合物がポリアクリル酸塩及び/又は無水マレイン酸共重合体である上記(1)〜(3のいずれかに記載のアルカリ一次電池用セパレータ、
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載のアルカリ電池用セパレータを具備してなるアルカリ一次電池、
である。
本発明のアルカリ電池用セパレータは、緻密層と粗層の2層積層構造の湿式不織布を基材とし、緻密層側に架橋型高吸水性高分子化合物を0.5〜20.0g/m2塗布し、架橋させることによって、保液性能、及び吸上性能を保持しつつ、針状のデンドライトを防止するのに必要な遮蔽性を有するとともに、インピーダンス(電気抵抗値)が小さく、セパレータのコシ強力が190gf以上を確保でき、電池の搬送や携帯時の振動・落下による衝撃に耐え得る優れたアルカリ電池用セパレータである。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明に使用可能な、湿式法によって得られる不織布は、主体繊維とバインダー繊維との組合せにより得ることができ、特に緻密層と粗層を有する2層構造である。
緻密層としては、遮蔽度として10.0秒/20cc以上を有するものであり、少なくとも耐アルカリ性合成繊維を使用する必要があり、フィブリル化可能な耐アルカリ性セルロース繊維と耐アルカリ性合成繊維の混抄系が好ましい。例えば、フィブリル化可能な耐アルカリ性セルロース繊維を用いる場合は、叩解の程度がCSFの値で0〜350mlの範囲とし、該フィブリル化可能な耐アルカリ性セルロース繊維の配合量を0〜70質量%以下、好ましくは20〜60質量%の範囲とすることが望ましい。また耐アルカリ性セルロース繊維を用いない場合としては、耐アルカリ性合成繊維として例えば、繭形断面、扁平断面、若しくは丸形断面を有するポリビニルアルコール系繊維の0.4dtex以下の繊度のものを用いるのが好ましく、より好ましくは0.1〜0.3dtexの繊度のものである。ポリビニルアルコール系繊維を叩解し、細繊度化して使用することや、ポリビニルアルコール系扁平断面繊維を叩解せずに使用することも可能である。
なお、ここでいう濾水度とは、CSF(カナダ標準形濾水度、Canadian Standard Freeness)を意味し、JIS P 8121に規定のカナダ標準形の方法で測定した値である。
一方、粗層にも、少なくとも耐アルカリ性合成繊維を使用する必要があり、フィブリル化可能な耐アルカリ性セルロース繊維と耐アルカリ性合成繊維の混抄系が好ましい。フィブリル化可能な耐アルカリ性セルロース繊維の叩解の程度は、叩解機で若干叩解させる程度(CSF値≧600ml)で用いるのが好ましい。これは、電解液の吸上速度の確保、及び繊維間での電解液確保のために、ある程度のネットワークを組ませることが好ましいことによる。また、混合する耐アルカリ性合成繊維の繊度は、3.3dtex以下のものが好ましく、0.1〜1.1dtexのものがより好ましい。このときの耐アルカリ性セルロース繊維の配合量は、0〜70質量%の範囲とするのが望ましい。配合量がこの範囲内であると混抄する耐アルカリ性合成繊維の混抄量が減少せず、電解液中の寸法変化も大きくならず、また、膨潤度も大きくなることはない。
耐アルカリ性合成繊維のみを使用する場合には、吸上速度を確保するために0.6dtex〜1.5dtexの繊維を使用するのが好ましい。0.6dtex未満の繊維を使用すると、細孔が小径化するため吸上速度が遅くなり、逆に1.5dtexを越える繊維を使用した場合にも細孔が大径化しすぎるため吸上速度の低下を招く結果となる。
本発明のアルカリ電池用セパレータに使用する不織布としては、耐アルカリ性に優れた合成繊維及び/又はフィブリル化可能な耐アルカリ性セルロース繊維を用いて、湿式法にて緻密層と粗層の2層構造を有する不織布が好適である。耐アルカリ性に優れる合成繊維としては、ポリビニルアルコール系繊維、エチレンービニルアルコール系共重合体繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリアミド繊維、ポリプロピレン-ポリエチレン複合繊維、ポリプロピレン-エチレンビニルアルコール系共重合体複合繊維、ポリアミド-変性ポリアミド複合繊維から選択された1種又は複数のものを使用することができる。中でも電解液との親和性(濡れ性)に優れるポリビニルアルコール系繊維を主体繊維及びバインダー繊維に使用することが望ましい。
該ポリビニルアルコール系繊維を主体繊維として使用する場合には、水中溶解温度90℃以上、特に100℃以上の繊維が好ましい。具体的には平均重合度1000〜5000、鹸化度95モル%以上のビニルアルコール系ポリマーからなる繊維が好適に挙げられる。該ビニルアルコール系ポリマーは他の共重合成分により共重合されていてもよいが、耐水性等の点から共重合量は20モル%以下、特に1〜10モル%が好ましい。またアセタール化等の処理が施されていることが望ましい。
該ポリビニルアルコール系繊維は、ビニルアルコール系ポリマーのみから構成されている必要はなく、他のポリマーを含んでいても構わないし、他のポリマーとの複合紡糸繊維、混合紡糸繊維(海島繊維)であっても構わない。電解液吸液性等の点からはビニルアルコール系ポリマーを30質量%以上、特に50質量%以上、さらには80質量%以上含むポリビニルアルコール繊維を用いることが好ましい。該繊維の繊度は、セパレート性、薄型化の点から3.3dtex以下、特に1.5dtex以下であるのが好ましく、抄紙性の面から0.1dtex以上、さらに0.2dtex以上であるのが好ましい。繊維長は単繊維繊度に応じて適宜設定すればよいが、抄紙性等の点から繊維長は0.5〜10mm、特に1〜5mmとするのが好ましい。
本発明のアルカリ電池用セパレータの不織布に使用するフィブリル化可能な耐アルカリ性セルロース繊維としては、レーヨン繊維(ポリノジックレーヨン繊維、有機溶剤系セルロース繊維を含む)、アセテート系繊維、マーセル化天然パルプ(木材パルプ、コットンリンターパルプ、麻パルプ等)が挙げられる。
これらフィブリル化可能な耐アルカリ性セルロース繊維の1種又は2種以上を水に分散させ、ビーター、ディスクリファイナー、あるいは高速叩解機等の製紙用叩解機で所定の濾水度まで叩解して使用することができる。また緻密層と粗層を積層した不織布とした場合の耐アルカリ性セルロース繊維の配合量は0〜70質量%の範囲が好ましい。上記の範囲内の配合量であれば、セパレータのコシ強力が弱くなることもなく、電池の搬送や携帯時に振動・落下による衝撃によってセパレータ自体が座屈し、内部短絡を生じるおそれも少ない。
また、耐アルカリ性セルロース繊維を用いない場合としては、耐アルカリ性合成繊維として例えば、繭形断面、扁平断面、若しくは丸形断面を有する0.6dtex以下のポリビニルアルコール系繊維を用いるのが好ましく、0.1〜0.4dtexの繊度のものがより好ましい。ポリビニルアルコール系繊維を叩解し、細繊度化して使用してもよいし、ポリビニルアルコール系扁平断面繊維を叩解せずに使用することも可能である。さらに扁平断面繊維を叩解して使用する場合は、叩解後の繊度が0.6dtex以下のものが好ましい。
本発明に用いるバインダーとしては、耐アルカリ性、吸液性の点からポリビニルアルコール系バインダーが用いられる。形態としては、繊維状、粉末状、溶液状のものがあるが、湿式抄造によってセパレータを抄造する場合は、繊維状バインダーが好ましい。ポリビニルアルコール系バインダーが粉末状、溶液状であった場合、セパレータのシート強力を発現させるためには、これらが溶解する必要があるが、この際にポリビニルアルコールが被膜を形成し、セパレータの繊維間の空隙を塞ぐため、電解液吸液性の低下、電池内部抵抗の上昇が起こる。これに対して、繊維状バインダーを用いた場合は、乾燥前の持ち込み水分をコントロールすることにより、繊維状バインダーを完全に溶解させず、繊維形態を残したまま繊維状バインダーと主体繊維との交点のみを点接着させることができるため、電解液吸液性の低下、電池内部抵抗の上昇を招くことなく電池組立工程に必要なセパレータの引張強力を保持することができるので、繊維状バインダーを使用するのが好ましい。これに適したポリビニルアルコール系バインダー繊維の水中溶解温度としては、60〜90℃が好ましく、さらに好ましくは、70〜90℃が好ましい。また平均重合度は500〜3000程度、鹸化度97〜99モル%のポリビニルアルコール系ポリマーから構成された繊維が好適に使用される。勿論、他のポリマーとの複合紡糸繊維、混合紡糸繊維(海島繊維)であっても構わない。電解液吸液性、機械的性能等の点からはビニルアルコール系ポリマーを30質量%以上、特に50質量%以上、さらに80質量%以上含むポリビニルアルコール系繊維を用いることが好ましい。繊度は、水分散性、他成分との接着性、ポアサイズ等の点から0.01〜3dtex程度であるのが好ましく、繊維長は、1〜5mm程度であるのが好ましい。勿論、上記繊維以外の他の繊維を配合しても構わない。またバインダー繊維の配合量は、5〜30質量%が望ましい。バインダーの配合量が上記の範囲内であれば、電池組立工程に必要なセパレータの引張強度が得られ、また不織布内の繊維間の細孔を塞いで電気抵抗が上昇したり、電解液吸液性が劣る等の恐れが少ない。
本発明において使用する架橋型高吸水性高分子化合物は、分子内、または末端にカルボキシル基を有する高吸水性高分子化合物であり、且つ架橋型の高分子であって、耐アルカリ性に優れるものであれば、いずれも使用できる。カルボキシル基を有する架橋型高吸水性高分子化合物としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸塩、ポリイタコン酸、ポリイタコン酸塩、ポリマレイン酸、ポリマレイン酸塩、ポリクロトン酸、ポリクロトン酸塩、無水マレイン酸共重合体(イソブチル−無水マレイン酸共重合体、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリル−無水マレイン酸共重合体)等が好適に使用できる。また上記ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩、ポリイタコン酸塩、ポリクロトン酸塩としては、ナトリウム塩に限定されるわけではなく、カリウム塩、リチウム塩などを採用することが出来る。これらの中でも、特にポリアクリル酸塩や無水マレイン酸共重合体は、不織布への塗布工程通過性、及び電池セパレータでの遮蔽性と高吸液性能の面から好適に使用される。
上記架橋型高吸水性高分子化合物の分子量は、特に制限するものではないが、平均分子量としては1,000〜1,000,000の範囲が好ましく使用され、粘性を有する溶液の取り扱い、及び不織布への塗布工程を考慮して、5,000〜700,000、より好ましくは10,000〜500,000が好適に使用される。
架橋剤としては、グリセロールポリグリシジルエーテルに代表される水溶性エポキシ樹脂やポリエチレンイミン等がある。これらの架橋剤を上記のカルボキシル基を有する架橋型高吸水性高分子化合物に添加して、熱により架橋せしめるのが好ましい。
上記架橋剤の分子量は、特に制限されるものではないが、20,000以下が好ましく、さらには10,000以下のものが好適に使用される。分子量が20,000を越えると粘度が高くなり、取り扱い性が困難になる。また架橋剤の使用量は特に制限されるものではないが、例えば、架橋型高吸水性高分子化合物がイソブチル-無水マレイン酸共重合体(分子量が160,000〜170,000)を使用する場合、架橋型高吸水性高分子化合物に対して、架橋剤を0.01〜30質量%、より好ましくは0.01〜15質量%で使用することが望ましい。架橋剤の添加量が、0.01質量%未満の場合は、架橋型高吸水性高分子化合物が架橋されない。また架橋には30質量%で十分であり、30質量%を越えて添加する必要はない。
つぎに本発明のアルカリ電池用セパレータに使用する不織布の製造方法について説明する。緻密層にあっては、上記した耐アルカリ性合成繊維及び/又はフィブリル化可能な耐アルカリ性セルロース繊維を所定の濾水度(CSF)に叩解し、これに耐アルカリ性繊維、及びポリビニルアルコール系繊維バインダーを添加混合して原料としたものを用いて、湿式法にて不織布化することにより本発明の電池用セパレータに使用する不織布が得られる。湿式法での不織布化については特に限定されないが、例えば一般の湿式抄紙機を用いることにより効率的に所望の不織布を製造できる。用いる抄き網としては、円網、短網、及び長網等が挙げられ、通常の抄紙方法で抄紙することができる。
粗層にあっても緻密層と同様に上記した耐アルカリ性合成繊維、耐アルカリ性セルロース繊維、ポリビニルアルコール繊維バインダーを添加混合して原料とし、一般の湿式抄紙機を用いることにより所望の不織布を製造できる。耐アルカリ性セルロース繊維については、所定の濾水度(CSF)まで叩解して使用することも可能である。用いる抄き網としては、緻密層同様、円網、短網、及び長網等が挙げられる。さらには、緻密層と粗層を抄紙機上で積層一体化するのが好ましく、中でも短網-円網抄紙機にて2層積層一体化させるのが好ましい。
その後、不織布を接触型(ヤンキー型)乾燥機で乾燥させ、本発明の電池用セパレータに使用する不織布を得る。
つぎに架橋型高吸水性高分子化合物の塗布量、及び塗布方法について説明する。使用する架橋型高吸水性高分子化合物は前記したようにカルボキシル基を有する架橋型高吸水性高分子化合物であれば特に制限されるものではないが、例えばイソブチル-無水マレイン酸共重合体(分子量:160,000〜170,000)を使用し、架橋剤としてポリエチレンイミンを使用する場合、緻密層と粗層を有する2層構造の不織布にイソブチル-無水マレイン酸共重合体単体で0.5〜20.0g/m2塗布されるように緻密層側に塗布することが好ましく、さらに3.0〜20.0g/m2塗布されるように緻密層側に塗布することがより好ましい。該架橋型高吸水性高分子化合物の塗布量が0.5g/m2未満であると、電解液の吸液量(保持能力)が低くなるとともに、針状のデンドライトによる内部短絡を十分防止できなくなる。逆に架橋型高吸水性高分子化合物の塗布量が20.0g/m2を越えると、塗布時に緻密層から粗層に該架橋型高吸水性高分子化合物が透過することにより吸上速度が低下してしまい、緻密層に該架橋型高吸水性高分子化合物を保持し粗層で吸上性能を向上させるといった本発明の目的が達成できない。
塗布方法については、ローラー転写(ロールコーター)、エアナイフコータ、ブレードコータ等の種々の方法があるが、特に制限されるものではない。しかしながら、本発明のセパレータとするには、緻密層側に片面塗布するのが好ましい。
つぎに乾燥工程、及びキュアリング工程について説明する。乾燥工程に使用する乾燥機は接触型乾燥機(ヤンキー型、多筒式乾燥機等)、非接触型乾燥機(熱風スルー乾燥機、オーブン乾燥機、電熱(赤外線)等)のいずれの乾燥機でも使用することができる。接触型乾燥機にて乾燥する場合は、乾燥機表面に架橋型高吸水性高分子化合物を塗布した層側(緻密層側)を接触させて乾燥させることが好ましい。また、非接触型乾燥機使用の場合も同様で、緻密層に熱源があるのが好ましい。例えば、熱風スルー乾燥機の場合であれば、熱風の当る面が架橋型高吸水性高分子化合物を塗布した層(緻密層)であるのが好ましい。
キュアリング工程としては、熱処理する機器は上記乾燥工程と同様に接触型乾燥機、非接触型乾燥機のいずれでも使用できる。キュアリング時の熱処理条件は100℃以上が必要である。100℃未満であれば1時間以上の熱処理時間が必要となり、実生産には不向きであるため、100℃以上であることが必要であり、150℃以上が好ましく、さらに生産効率を上げるためには180℃以上の温度で処理することが望ましい。
乾燥工程、及びキュアリング工程を経たアルカリ電池用セパレータは、必要に応じて熱プレスまたは冷間プレスによって目的とする厚さに調整することも可能である。
本発明のデンドライトによる内部短絡が防止できる遮蔽度の範囲としては、15秒〜600秒/20ccが好ましく、さらに好ましくは、30秒〜600秒/20ccである。遮蔽度が15秒/20cc以上であると、遮蔽性が十分となり、酸化亜鉛の針状のデンドライトによる内部短絡を防ぐことができ、保液量の不足もなく、電池性能及び電池寿命の低下を防止することができる。また、遮蔽度が600秒/20cc以下であると、電解液吸上速度も低下せず、電池組立時の生産効率の低下もない。
すなわち、本発明の目的とする大放電性能向上、及びデンドライトによる内部短絡防止するためには、ルボキシル基を有する架橋型高吸水性高分子化合物を、緻密層と粗層を有する2層構造の湿式不織布の緻密層側に0.5〜20.0g/m2塗布した後、架橋させ、かつ、遮蔽度が15〜600秒/20ccの範囲とすることが好ましい。遮蔽度はデンドライト防止と電池内部でのセパレータの電気抵抗を示す指標として考案したものである。
さらに、電池の搬送や携帯時の振動・落下による衝撃によって、セパレータ自体が座屈し、内部短絡を生じるときの基準として、コシ強力が190gf以上とすることが好ましい。本発明にいうコシ強力は、電池用セパレータにおけるいわゆる「硬さ」の指標となるものであり、後述する方法により求めることができる。
電池組立時の生産効率を示す指標として、セパレータを電池内に挿入する形(筒状)での電解液を吸上げる速度「吸上速度」を使用しているが、吸上速度として360秒以下、好ましくは300秒以下、さらに好ましくは240秒以下である。上記「吸上速度」は、後述する方法により求めることができる。
十分な起電反応を生じさせるために、イオン伝導性が良好で、セパレータ自身のインピーダンス(抵抗値)が小さいものが好適に使用される。特に、電池寿命の延命化のためには、電池反応末期で電解液が少なくなった状態でもセパレータ自身が電解液を保液し、インピーダンスの値が1.00Ω以下とすることが好ましく、0.5〜0.8Ωがより好ましい。本発明にいうインピーダンスは、電池用セパレータにおける「電気抵抗」の指標となるものであり、後述する方法により求めることができる。
本発明の実施内容、及び効果を以下の実施例によりさらに詳しく説明する。
(1)水中溶解温度(℃)
400ccの水(20℃)に試料繊維を2.6g投入し、昇温速度1℃/分、攪拌速度280rpmの条件で攪拌しながら昇温し、繊維が完全に溶解したときの温度を水中溶解温度として測定を行った。
(2)濾水度(CSF)(ml)
JIS P 8121「パルプの濾水度試験方法」に準じてカナダ標準濾水度測定した。
(3)坪量(g/m2
JIS P 8124「紙のメートル坪量測定方法」に準じて測定した。
(4)厚さ(mm)及び密度(g/cm3
厚さは、得られたセパレータの5ヵ所を標準環境下(20℃×65%RH)に4時間以上放置した後PEACOCK Dial-Thickness Gauge H Type(φ10mm×180g/cm2)にて測定した。密度は、坪量を厚さで除して算出した。
(5)電解液吸液後の厚さ(mm)
試料を35質量%KOH液(20℃)に30分浸漬した後、30秒自然液切りした後、PEACOCK Dial-Thickness Gauge H Type(φ10mm×180g/cm2)にてセパレータの厚さを測定した。
(6)遮蔽度(秒/20cc)
セパレータを35質量%KOH液(20℃)に30分浸漬し、30秒間自然液切りした後、メンブレンフィルターカートリッジ(ADVANTEC製(ハウジング材:PP製)内径23mmφ)の中に入れ、気密性を有するように締め、上から注射器を差込み、その注射器の上に荷重500gを掛け、20ccの空気が通過するのに要する時間(秒/20cc)を測定した。
(7)吸液量(g/25cm2
50mm×50mmの試料を35質量%KOH液(20℃)に浴比1/100の条件で30分浸漬し、30秒間自然液切りした後、遠心脱水(3,000rpm×10分)後の質量を測定して、下記の式より算出した。
吸液量(g/25cm2=WA/(10000/25)×(W2−W1)/W1
WA=試料の坪量、W1=試料の質量、W2=遠心脱水後の質量
(8)吸上速度(秒/45mm
試料(45mm×50mm)を筒状に2重捲きにし、内径8mmφ×高さ40mmのポリプロピレン製の筒の中に挿入する。その後、35質量%KOH液を0.5cc添加し、試料の先端(長さ45mm)が完全に濡れるまでの時間を測定した。吸上速度として360秒以下のものを○、240秒以下のものを◎、360秒を越えるものを×とし、10分経過後でも吸上しないものを××とした。(生産効率の低下の原因となり、工程通過性が悪いと判断)
(9)コシ強力(gf)
試料(45mm×50mm)を筒状に2重捲きにし、吸上速度にて使用したものと同じ内径8mmφ×長さ40mmのPP製の筒の中に挿入する。その後35質量%KOH液を添加し、筒状に入れたセパレータの上部先端(高さ45mm)まで濡れるようにする。その後、カトーテック(株)製ハンディー圧縮試験機(KES−G5)を使用し、加圧板(2cm2)を圧縮速度1mm/secにて降下させ、筒から出た試料5mmの圧縮強力を測定した。
(10)インピーダンス(抵抗値)
試料を、35質量%KOH液(20℃)に30分浸漬し、保液十分な状態(30秒液切りした状態)と、同一試料を遠心脱水(3,000rpm×10分)後の液切れ状態としたものを、測定雰囲気 (20℃×65%RH)にてインピーダンス測定器(国洋電気工業製 KC−547 LCR METER)で厚さを一定(0.100mm)にして測定した。
(11)電池組立性
1枚2重捲にし、正極内に挿入したあと、35質量%KOH液を3.0cc注入後、6分以内でセパレータ上部(45mm)まで完全に濡れるものを○、4分以内で濡れるものを◎、6分以内で完全に濡れていないものを×とした。
(12)耐落下試験
電池組立後、10個の電池を高さ1mから落下させ、落下後の電池が1個でも短絡した場合を×、短絡が起きなかったものを○と評価した。
実施例1
緻密層/粗層の2層構造を短網-円網抄紙機にて抄きあわせ抄造した。
緻密層用として、ポリビニルアルコール系主体繊維(VPB033×2:クラレ製<繭形断面>)0.4dtex×2mm(水中溶解温度100℃以上)15質量%、溶剤系レーヨン繊維1.7dtex×2mm(CSF=100ml)70質量%、ポリビニルアルコール系バインダー繊維(VPB105−1×3:クラレ製<繭形断面>)1.1dtex×3mm(水中溶解温度70℃)15質量%を加えて混合して原料とした。また、粗層用として、ポリビニルアルコール系主体繊維(VPB033×2:クラレ製<繭形断面>)0.4dtex×2mm(水中溶解温度100℃以上)35質量%、溶剤系レーヨン繊維1.7dtex×2mm(CSF=600ml) 50質量%、ポリビニルアルコール系バインダー繊維(VPB105−1×3:クラレ製<繭形断面>)1.1dtex×3mm(水中溶解温度70℃)15質量%とを混合して原料とした。これらの原料を短網−円網抄紙機にて2層積層抄紙した。抄紙に際し、緻密層の坪量を17.5g/m2、粗層の坪量を17.5g/m2となるように調整し、ヤンキー型乾燥機にて乾燥して、坪量35.2g/m2、厚さ0.116mmの湿式不織布基材を得た。カルボキシル基を有する架橋型高吸水性高分子化合物として、イソブチル−無水マレイン酸共重合体(イソバン-10:クラレ製<平均分子量160,000>)に、架橋剤としてポリエチレンイミン(エポミンSP-003:日本触媒製<分子量300>)を該架橋型高吸水性高分子化合物に対して1質量%添加したものを、基材の緻密層側にローラー転写にて塗布し、スクレーパーにて搾液して9.1g/m2の架橋型高吸水性高分子化合物を塗布し、その後熱風スルー乾燥機にて乾燥したあと、熱風スルー乾燥機にてキュアリングを180℃×1分にて実施した。次に、カレンダーで厚さの調整を行って、坪量が44.3g/m2、厚さ0.116mmのアルカリ電池用セパレータを得た。結果を表1に示す。
実施例2
実施例1と同様の繊維配合で、短網―円網抄紙機にて緻密層、粗層の2層積層抄紙を実施し、ヤンキー型乾燥機にて乾燥させ、坪量34.9g/m2、厚さ0.115mmの湿式不織布基材を得た。カルボキシル基を有する架橋型高吸水性高分子化合物として、ポリアクリル酸ソーダ(アクアリックDL522:日本触媒製<平均分子量170,000>)に架橋剤としてポリエチレンイミン(エポミンSP-003:日本触媒製<分子量300>)を該架橋型高吸水性高分子化合物に対して1質量%添加したものを、上記基材の緻密層側にローラー転写にて塗布し、スクレーパーにて搾液して9.2g/m2の架橋型高吸水性高分子化合物を塗布し、実施例1と同様に乾燥、キュアリング、及び厚さ調整をして、坪量44.1g/m2、厚さ0.118mmのアルカリ電池用セパレータを得た。結果を表1に示す。
実施例3
実施例1と同様の繊維配合で、短網―円網抄紙機にて緻密層、粗層の2層積層抄紙を実施し、ヤンキー乾燥機にて乾燥させ、坪量35.2g/m2、厚さ0.115mmの湿式不織布基材を得た。カルボキシル基を有する架橋型高吸水性高分子化合物として実施例1で使用したのと同様のイソブチルーマレイン酸共重合体(イソバンー10:クラレ製)に、架橋剤のポリエチレンイミン(エポミンSP-003:日本触媒製)を該架橋型高吸水性高分子化合物に対して1質量%添加したものを、湿式不織布基材の緻密層側にローラー転写にて塗布し、スクレーパーにて搾液を実施して1.1g/m2の架橋型高吸水性高分子化合物を塗布し、実施例1と同様に乾燥、キュアリング、及び厚さ調整を経て、坪量36.3g/m2、厚さ0.114mmのアルカリ電池用セパレータを得た。結果を表1に示す。
実施例4
緻密層用に、ポリビニルアルコール系主体繊維(VPB033×2:クラレ製<繭形断面>)0.4dtex×2mm(水中溶解温度100℃以上)40質量%、マーセル化パルプをディスクリファイナーでCSF=50mlまで叩解したものを45質量%、ポリビニルアルコール系バインダー繊維(VPB105−1×3:クラレ製<繭形断面>)1.1dtex×3mm(水中溶解温度70℃)15質量%を加えて混合して原料とした。また、粗層用に、ポリビニルアルコール系主体繊維(VPB033×2:クラレ製<繭形断面>)0.4dtex×2mm(水中溶解温度100℃以上)35質量%、マーセル化パルプの叩解物(CSF=650ml)を10質量%、溶剤系レーヨン繊維1.7dtex×2mm(CSF=600ml)40質量%、ポリビニルアルコール系バインダー繊維(VPB105−1×3:クラレ製<繭形断面>)1.1dtex×3mm(水中溶解温度70℃)15質量%を混合して原料とした。これらの原料を短網−円網抄紙機にて緻密層、粗層の2層積層抄紙した。抄紙に際し、緻密層の坪量を17.5g/m2、粗層の坪量を17.5g/m2となるように調整し、ヤンキー型乾燥機にて乾燥し、坪量35.0g/m2、厚さ0.114mmの湿式不織布基材を得た。カルボキシル基を有する架橋型高吸水性高分子化合物として、イソブチル−無水マレイン酸共重合体(イソバン-10:クラレ製<平均分子量160,000>)に、架橋剤としてポリエチレンイミン(エポミンSP-003:日本触媒製<分子量300>)を該架橋型高吸水性高分子化合物に対して1質量%添加したものを、上記基材の緻密層側にローラー転写にて塗布し、スクレーパーにて搾液して19.0g/m2の架橋型高吸水性高分子化合物を塗布し、実施例1と同様に乾燥、キュアリング、及び厚さ調整を経て、坪量が54.0g/m2、厚さ0.114mmのアルカリ電池用セパレータを得た。結果を表1に示す。
実施例5
緻密層用に、ポリビニルアルコール系主体繊維(VPB033×2:クラレ製<繭形断面>)0.4dtex×2mm(水中溶解温度100℃以上)40質量%、ポリビニルアルコール系主体繊維(BFH103×3:クラレ製<扁平断面>)1.6dtex×3mm(水中溶解温度100℃以上)をディスクリファイナーで叩解・分割させたもの(CSF=400ml)45質量%、ポリビニルアルコール系バインダー繊維(VPB105−1×3:クラレ製<繭形断面>)1.1dtex×3mm(水中溶解温度70℃)15質量%を加えて混合して原料とした。また、粗層用に、ポリビニルアルコール系主体繊維(VPB053×2:クラレ製<繭形断面>)0.6dtex×2mm(水中溶解温度100℃以上)40質量%、ポリビニルアルコール系主体繊維(BFH103×3:クラレ製<扁平断面>)1.6dtex×3mm(水中溶解温度100℃以上)をディスクリファイナーで叩解させたもの(CSF=600ml)45質量%、ポリビニルアルコール系バインダー繊維(VPB105−1×3:クラレ製<繭形断面>)1.1dtex×3mm(水中溶解温度70℃)15質量%を混合して原料とした。これらの原料を短網−円網抄紙機にて緻密層、粗層の2層積層抄紙した。抄紙に際し、緻密層の坪量を17.5g/m2、粗層の坪量を17.5g/m2となるように調整し、ヤンキー型乾燥機にて乾燥して、坪量34.8g/m2、厚さ0.114mmの湿式不織布基材を得た。カルボキシル基を有する架橋型高吸水性高分子化合物として、イソブチル−無水マレイン酸共重合体(イソバン-10:クラレ製<平均分子量160,000>)に、架橋剤としてポリエチレンイミン(エポミンSP-003:日本触媒製<分子量300>)を該架橋型高吸水性高分子化合物に対して1質量%添加したものを、上記基材の緻密層にローラー転写にて塗布し、スクレーパーにて搾液して14.2g/m2の架橋型高吸水性高分子化合物を塗布し、実施例1と同様に乾燥、キュアリング、及び厚さ調整を経て、坪量が49.0g/m2、厚さ0.114mmのアルカリ電池用セパレータを得た。結果を表1に示す。
比較例1
ポリビニルアルコール系主体繊維(VPB033×2:クラレ製<繭形断面>)0.4dtex×2mm(水中溶解温度100℃以上)30質量%、溶剤系レーヨン繊維1.7dtex×2mm(CSF=300ml)55質量%、ポリビニルアルコール系バインダー繊維(VPB105−1×3:クラレ製<繭形断面>)1.1dtex×3mm(水中溶解温度70℃)15質量%とを混合して原料とし、これを短網―円網抄紙機にて2層抄きあわせ抄紙を行い、ヤンキー型乾燥機にて乾燥して、坪量34.8g/m2、厚さ0.114mmのアルカリ電池用セパレータを得た。結果を表2に示す。
比較例2
緻密層用に、ポリビニルアルコール系主体繊維(VPB053×2:クラレ製<繭形断面>)0.6dtex×2mm(水中溶解温度100℃以上)25質量%、溶剤系レーヨン繊維1.7dtex×2mm(CSF=10ml)70質量%、ポリビニルアルコール系バインダー繊維(VPB105−1×3:クラレ製<繭形断面>)1.1dtex×3mm(水中溶解温度70℃)5質量%を加えて混合して原料とした。また、粗層用に、ポリビニルアルコール系主体繊維(VPB053×2:クラレ製<繭形断面>)0.6dtex×2mm(水中溶解温度100℃以上)25質量%、ポリノジックレーヨン繊維0.6dtex×2mm(未叩解:CSF=740ml)60質量%、ポリビニルアルコール系バインダー繊維(VPB105−1×3:クラレ製<繭形断面>)1.1dtex×3mm(水中溶解温度70℃)15質量%を混合して原料とした。これらの原料を短網−円網抄紙機にて2層積層抄紙した。抄紙に際し、緻密層の坪量を20.0g/m2、粗層の坪量を23.0g/m2となるように調整し、ヤンキ-型乾燥機にて乾燥して、坪量43.2g/m2、厚さ0.120mmの湿式不織布基材を得た。結果を表2に示す。
比較例3
ポリビニルアルコール系主体繊維(VPB103×2:クラレ製<繭形断面>)1.1dtex×3mm(水中溶解温度100℃以上)55質量%、普通レーヨン繊維1.7dtex×3mm(未叩解:CSF=760ml)30質量%、ポリビニルアルコール系バインダー繊維(VPB105−1×3:クラレ製<繭形断面>)1.1dtex×3mm(水中溶解温度70℃)15質量%とを混合して原料とし、これを短網―円網抄紙機にて2層抄きあわせ抄紙を行い、ヤンキー型乾燥機にて乾燥して、坪量31.0g/m2、厚さ0.110mmの電池用セパレータを得た。この電池セパレータとセロハンフィルム#300(二村化学製:坪量30g/m2、厚さ0.020mm)を併用してアルカリ電池用セパレータを構成した。結果を表2に示す。
比較例4
実施例1と同様の繊維配合で、短網―円網抄紙機にて緻密層、粗層の2層積層抄紙を実施し、ヤンキー乾燥機にて乾燥させ、坪量35.3g/m2、厚さ0.115mmの湿式不織布基材を得た。カルボキシル基を有する架橋型高吸水性高分子化合物として、イソブチル−無水マレイン酸共重合体(イソバン-10:クラレ製<平均分子量160,000>)に、架橋剤としてポリエチレンイミン(エポミンSP-003:日本触媒製<分子量300>)を該架橋型高吸水性高分子化合物に対して1質量%添加したものを、上記基材の緻密層側にローラー転写にて塗布し、スクレーパーにて搾液を実施して0.3g/m2の架橋型高吸水性高分子化合物を塗布し、実施例1と同様に乾燥、キュアリング、及び厚さ調整を経て、坪量35.6g/m2、厚さ0.114mmのアルカリ電池用セパレータを得た。結果を表2に示す。
比較例5
実施例1と同様の繊維配合で、短網―円網抄紙機にて緻密層、粗層の2層積層抄紙を実施し、ヤンキー乾燥機にて乾燥させ、坪量34.6g/m2、厚さ0.115mmの湿式不織布基材を得た。カルボキシル基を有する架橋型高吸水性高分子化合物として、ポリアクリル酸ソーダ(アクアリックDL522:日本触媒製<平均分子量170,000>)に、架橋剤としてポリエチレンイミン(エポミンSP-003:日本触媒製<分子量300>)を該架橋型高吸水性高分子化合物に対して1質量%添加したものを、上記基材の緻密層側にローラー転写にて塗布し、スクレーパーにて搾液して24.1g/m2の架橋型高吸水性高分子化合物を塗布し、実施例1と同様に乾燥、キュアリング、及び厚さ調整を経て、坪量58.7g/m2、厚さ0.117mmのアルカリ電池用セパレータを得た。結果を表2に示す。
比較例6
ポリビニルアルコール系主体繊維(VPB033×2:クラレ製<繭形断面>)0.4dtex×2mm(水中溶解温度100℃以上)35質量%、溶剤系レーヨン繊維1.7dtex×2mm(CSF=300ml)50質量%、ポリビニルアルコール系バインダー繊維(VPB105−1×3:クラレ製<繭形断面>)1.1dtex×3mm(水中溶解温度70℃)15質量%を混合して原料とし、これを短網―円網抄紙機にて2層抄きあわせ抄紙を行い、ヤンキー型乾燥機にて乾燥し、坪量35.1g/m2、厚さ0.116mmの湿式不織布基材を得た。カルボキシル基を有する架橋型高吸水性高分子化合物として、イソブチル−無水マレイン酸共重合体(イソバン-10:クラレ製<平均分子量160,000>)に、架橋剤としてポリエチレンイミン(エポミンSP-003:日本触媒製<分子量300>)を該架橋型高吸水性高分子化合物に対して1質量%添加した架橋型高吸水性高分子化合物溶液に、上記基材を含浸させ、ローラー搾液することにより12.1g/m2の架橋型高吸水性高分子化合物を基材全体に塗布した後、熱風スルー乾燥機にて乾燥、さらにキュアリングを180℃にて実施し、カレンダーにて厚さ調整を行い、坪量が47.2g/m2、厚さ0.117mmのアルカリ電池用セパレータを得た。結果を表2に示す。
比較例7
実施例1と同様の繊維配合で短網―円網抄紙機にて緻密層、粗層の2層積層抄紙を実施し、ヤンキー乾燥機にて乾燥させ、坪量35.3g/m2、厚さ0.115mmの湿式不織布基材を得た。カルボキシル基を有する架橋型高吸水性高分子化合物として、イソブチルー無水マレイン酸共重合体(イソバン-10:クラレ製<平均分子量160,000>)に、架橋剤としてポリエチレンイミン(エポミンSP-003:日本触媒製<分子量300>)を該架橋型高吸水性高分子化合物に対して1質量%添加したものを、上記基材の粗層側にローラー転写にて塗布し、スクレーパーにて搾液して9.0g/m2の架橋型高吸水性高分子化合物を塗布し、実施例1と同様に乾燥、キュアリング、及び厚さ調整を経て、坪量が44.3g/m2、厚さ0.116mmの電池用セパレータを得た。結果を表2に示す。
Figure 0004739696
Figure 0004739696
表1及び2に示す通り、実施例1〜5は緻密層と粗層を併せもつ、2層積層抄紙を基材とした湿式不織布の緻密層側に架橋型高吸水性高分子化合物を塗布し、架橋させたアルカリ電池用セパレータである。単位面積当りの吸液量は、架橋型高吸水性高分子化合物が塗布されていないもの(比較例1、2、3)に比し、略同等またはそれ以上を確保している。特にインピーダンス(液切れ状態想定:遠心脱水後)において抵抗値が1.00Ω以下となり、電池寿命が長くなる。緻密層/粗層の2層構造の緻密層側に架橋型高吸水性高分子化合物の塗布量を0.5〜20.0g/m2の範囲で塗布することで、樹脂状のデンドライトを防止する遮蔽性を確保し、電池組立の生産効率に影響する吸上性能(吸上速度)も維持することが出来た。さらにインピーダンス(液切れ状態想定:遠心脱水後)において1.00Ω以下の低抵抗値となり、電池寿命が長くなる。また、コシ強力も190gf以上であり、落下衝撃にも耐え得る優れたセパレータが得られていることが分かる。
比較例1は吸上速度、及びコシ強力は確保しているものの、遮蔽度が13秒以下となり、遮蔽性の面で劣り、析出するデンドライトを防止することは困難である。また、遠心脱水後のインピーダンスも高いために電池寿命の短い電池であった。
比較例2、4は遮蔽度が15秒以下であり、また遠心脱水後のインピーダンスも1.00Ω以上と高いために、電池寿命は短く、セパレータのコシ強力が190gf以下となるため、電池の搬送や携帯時に振動・落下による衝撃によってセパレータ自体が座屈し、電池内で内部短絡を生じた。
比較例5,6,7は吸液量も充分であり、遠心脱水後のインピーダンスも1.00Ω以下と低く、コシ強力も190gf以上確保しているものの、吸上速度が6分以上要してしまうために、電池組立時の工程通過性、及び生産効率が下がってしまうという問題が生じた。
比較例3は、遮蔽性に優れているものの、遠心脱水後のインピーダンスが高く、重放電には不向きである。また、膨潤後の厚さが厚いために、負極剤の容量を増やすことが難しく、電池寿命の短い電池となった。さらにコシ強力も190gf以下となるため、電池の搬送や携帯時に振動・落下による衝撃によってセパレータ自体が座屈し、電池内で内部短絡を生じた。

Claims (5)

  1. 湿式法により得られる耐アルカリ性繊維を用いた緻密層と粗層とを有する2層構造の不織布からなるアルカリ一次電池用セパレータであって、該不織布の緻密層側に、カルボキシル基を有する架橋型高吸水性高分子化合物を0.5〜20.0g/m2塗布し、架橋させてなることを特徴とするアルカリ一次電池用セパレータ。
  2. 遮蔽度が15秒〜600秒であり、コシ強力が190gf以上、吸上速度が360秒以内で、且つインピーダンスが1.00Ω以下である請求項1に記載のアルカリ一次電池用セパレータ。
  3. 耐アルカリ性繊維が、ポリビニルアルコール系繊維である請求項1又は2に記載のアルカリ一次電池用セパレータ。
  4. カルボキシル基を有する架橋型高吸水性高分子化合物が、ポリアクリル酸塩及び/又は無水マレイン酸共重合体である請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルカリ一次電池用セパレータ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルカリ電池用セパレータを具備してなるアルカリ一次電池。
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