JP2002226602A - 樹脂架橋体の製造方法、樹脂架橋体及び配合用組成物 - Google Patents

樹脂架橋体の製造方法、樹脂架橋体及び配合用組成物

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JP2002226602A
JP2002226602A JP2001030067A JP2001030067A JP2002226602A JP 2002226602 A JP2002226602 A JP 2002226602A JP 2001030067 A JP2001030067 A JP 2001030067A JP 2001030067 A JP2001030067 A JP 2001030067A JP 2002226602 A JP2002226602 A JP 2002226602A
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JP2001030067A
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Akio Ishiwatari
秋夫 石渡
Akihiko Takai
昭彦 高井
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Kayaku Akzo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】樹脂、特にゴム及び熱可塑性エラストマーの過
酸化物架橋において有機過酸化物の分解生成物に起因す
る臭気の改善が求められている。 【解決手段】樹脂、例えばゴム及び熱可塑性エラストマ
ーの過酸化物架橋においてアジピン酸ジヒドラジド、セ
バチン酸ジヒドラジド等のヒドラジドをポリマーに対し
て例えば0.5重量%〜20重量%添加することにより
有機過酸化物の分解生成物の臭気を著しく低減すること
が可能となり、臭気の軽減された架橋体を得ることが出
来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は樹脂架橋体の製造方
法、該方法ににより得られる架橋体及びそのための配合
組成物若しくは有機過酸化物組成物に関する。さらに詳
しくは、樹脂例えばゴムや熱可塑性エラストマーを有機
過酸化物で架橋した場合の架橋体から生ずる臭気を低減
させる架橋体の製造方法及びそのための配合組成物若し
くは有機過酸化物組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】有機過酸化物を使用した樹脂例えばゴム
や熱可塑性エラストマーの架橋は工業的に広く行われて
いる技術である。ポリエチレンやエチレン・酢酸ビニル
共重合体のような熱可塑性プラスチックやエチレン・プ
ロピレン・ジエンゴムやブタジエン・アクリロニトリル
共重合体といったエラストマーは、有機過酸化物を適量
添加して加熱処理を行うことにより架橋を行うことがで
き、その耐熱性や機械的強度を向上させることが可能で
ある。
【0003】しかしながら、これら樹脂を有機過酸化物
を用いて架橋を行う場合、使用する有機過酸化物の分解
生成物等に起因する臭気が作業環境を汚染するばかり
か、架橋されたポリマーにもその臭気が残存するため、
最終製品の価値を落とすことが多い。
【0004】一般に樹脂、例えばゴムや熱可塑性エラス
トマーの架橋剤として利用される有機過酸化物は、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘ
キサン、ジクミルパーオキサイド、1,3−ビス(t−
ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン
−3、t−ブチルクミルパーオキサイドのようなジアル
キルパーオキサイド類、1,1−ジーt−ブチルパーオ
キシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4
−ジ−tーブチルパーオキシバレリックアシッド−n−
ブチルエステル、のようなパーオキシケタール類のほ
か、ベンゾイルパーオキサイドに代表されるジアシルパ
ーオキサイド類等が挙げられる。これら有機過酸化物は
常温で液体または固体の形状であるが、通常、安全性や
ポリマーとの均一混合性を考慮して、液体、固体を問わ
ず不活性無機充填剤やポリマーで希釈した配合物の形で
使用されている場合が多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】有機過酸化物またはそ
の配合物を用いて樹脂、例えばゴムの架橋を行う場合、
架橋する前工程で事前に、ゴムと有機過酸化物をオープ
ンロールやバンバリーミキサー等の混練り機で均一混合
された後、加熱プレスや押出し機または射出成形機等に
よって成形される。このようにして得られたゴムには有
機過酸化物の分解生成物等による臭気が残存するため、
作業環境が汚染されたり、また架橋ゴムに取り込まれた
臭気が永く製品から特異な臭気として発散するため、商
品価値を低下させる結果にもなっている。
【0006】樹脂、特にゴムや熱可塑性エラストマーを
有機過酸化物を用いて架橋した場合、有機過酸化物の分
解生成物等の臭気が特にきつい製品については得られた
架橋エラストマーをさらに加熱処理する工程を加えて臭
気を取り除く方法が一般的に行われている。臭気を改善
する目的で有機過酸化物の添加量を低減させることもで
きるが、この場合には、通常の添加量で得られた製品に
比べて臭気はいくらか低減されるが、充分な効果が得ら
れないばかりか得られた架橋エラストマーの物性をも著
しく低下させる結果となり、あまり好ましい解決方法と
は言えない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる問
題を解決するために鋭意研究した結果、樹脂の有機過酸
化物を用いる架橋、特にゴムや熱可塑性エラストマーの
有機過酸化物での架橋を、ヒドラジドの存在下に行うこ
とにより、製造時及び製品における臭気を著しく低減す
ることが出来ることを見出し本発明に至った。
【0008】すなわち本発明は有機過酸化物を使用した
樹脂の架橋、特にゴム及び熱可塑性エラストマーの架橋
において、臭気を低減するために、ヒドラジドの存在下
に、樹脂、例えばゴムや熱可塑性エラストマーの架橋を
行うことを特徴とする架橋体の製造方法及びこれによっ
て得られた臭気の改良された架橋体を提供する。即ち本
発明は、(1)樹脂を有機過酸化物を用いて架橋する方
法において、ヒドラジドの存在下に架橋することを特徴
とする樹脂架橋体の製造方法、(2)樹脂がゴム及び熱
可塑性エラストマーである上記(1)に記載の樹脂架橋
体の製造方法、(3)ヒドラジドが下記一般式(1) NHNHCOR(CONHNH)n (1) (式中nは0又は1を示し、nが0の時、Rは一価の炭
素数1ないし20の炭化水素残基、nが1の時、Rは炭
素数1ないし20の二価の炭化水素残基を示す)で表さ
れるヒドラジドである上記(1)又は(2)の何れか一
項に記載の樹脂架橋体の製造方法、(4)有機過酸化物
がジクミルパーオキサイドである上記(1)ないし
(3)に記載の樹脂架橋体の製造方法、(5)上記
(1)ないし(4)の何れか一項に記載の製造方法によ
り製造された樹脂架橋体、(6)ヒドラジドを含有する
未架橋樹脂配合用組成物、(7)ヒドラジド及び有機過
酸化物を含有する有機過酸化物組成物、に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
一般的にヒドラジドとは広義においてはカルボン酸、ス
ルホン酸、リン酸等の酸の水酸基をヒドラジノ基で置換
した構造を持った化合物の総称であり、カルボン酸ヒド
ラジド、チオヒドラジド、スルホニルヒドラジド、セミ
カルバジド、チオセミカルバジド、カルボヒドラジド、
リン酸ヒドラジド、リン酸ジヒドラジド、チオホスホリ
ルトリヒドラジドが代表的な化合物であり、工業的に医
薬、農薬中間体原料、エポキシ樹脂の硬化剤、繊維処理
剤、ポリオレフィンの安定剤等で幅広く使用されてい
る。
【0010】本発明に使用されるヒドラジドでの消臭の
メカニズムは明かでないが、該化合物中のヒドラジノ基
が臭気成分に何らかの作用をおよぼし、消臭しているも
のと思われる。従って、架橋に悪影響を与え無いヒドラ
ジドであれば何れも使用可能と考えら、本発明における
ヒドラジドは特に断りの無い限り、上記広義の意味で使
用される。上記のヒドラジドのうち本発明において好ま
しいヒドラジドとしては酸の分子量が46ないし325
程度の酸の水酸基をヒドラジノ基で置換したヒドラジド
が好ましく、より好ましいものとしてはカルボン酸ヒド
ラジドが挙げられる。該カルボン酸ヒドラジドのうち好
ましいものとしては、下記一般式(1) NHNHCOR(CONHNH)n (1) (式中nは0又は1を示し、nが0の時、Rは一価の炭
素数1ないし20の炭化水素残基、nが1の時、Rは炭
素数1ないし20の二価の炭化水素残基を示す)で表さ
れるヒドラジドを挙げることができる。一価の炭素数1
ないし20の炭化水素残基としては、一価の炭素数1な
いし20のアルキル基,一価の炭素数6ないし20、好
ましくは炭素数6〜10のアリール(aryl)基若し
くはアラルキル基が挙げられる。例えば鎖状のアルキル
基としては、メチル基、エチル基、n−又はi−プロピ
ル基、n−,i−又はt−ブチル基、ペンチル、ヘキシ
ル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、
ウンデシル基、ドデシル基、トリドデシル基、テトラデ
シル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシ
ル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコデシル基
等が挙げら、炭素数5ないし15程度のものが好まし
い。環状のものとしてはシクロプロピル基、シクロヘキ
シル基等が挙げられる。一価の炭素数6ないし20のア
リール(aryl)基若しくはアラルキル基としては、
フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェニルエチル
基等が例示される。炭素数1ないし20の二価の炭化水
素残基としては、メチレン基、エチレン基、n−又はi
−プロピレン基、n−,i−又はt−ブチレン基、ペン
チレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン
基、ノニレン基、デシレン基、ウンデシレン基、ドデシ
レン基、トリドデシレン基、テトラデシレン基、ペンタ
デシレン基、ヘキサデシレン基、ヘプタデシレン基、オ
クタデシレン基、ノナデシレン基、フェニレン基、ナフ
チレン基等が挙げら、好ましくは炭素数2〜14程度の
アルキレン基、フェニレン基が挙げられる。その好まし
い一例としてはアジピン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジ
ヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、イソフタル酸
ジヒドラジド等の式(1)においてRが炭素数3〜12
程度のジヒドラジドが挙げられる。しかしこれに限定さ
れるものではなく、この他にもヒドラジノ基を有し、架
橋される樹脂、例えばゴム及び熱可塑性エラストマーと
の相溶性が実用上問題ないレベルであれば使用可能であ
る。
【0011】本発明に使用される有機過酸化物は通常こ
の架橋用途で使用されているものであればいずれも使用
可能であるが特に臭気の面で改善が強く望まれているジ
クミルパーオキサイド(略称名DCP)に対して優れた
改善効果を発揮する。具体的にはジクミルパーオキサイ
ド、2,5ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパ
ーオキシ)ヘキサン、2,5ジメチル−2,5−ジ(t
ert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、tert−
ブチルクミルパーオキサイド、tert−アミルクミル
パーオキサイド、tert−ヘキシルクミルパーオキサ
イド、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソ
プロピル)ベンゼン、1,4−(tert−ブチルパー
オキシイソプロピル)ベンゼン、ジ−tert−ブチル
パーオキサイド、ジ−tert−アミルパーオキサイド
のようなジアルキルパーオキサイド類、1,1−ジ−t
ert−パーオキシ−3,5,5−トリメチルシクロヘ
キサン、1,1−ジ−tert−ブチルパーオキシシク
ロヘキサン、4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシ
バレリックアシッドノルマルブチルエステルのようなパ
ーオキシケタール類、パラメチルジベンゾイルパーオキ
サイド、オルソメチルジベンゾイルパーオキサイドのよ
うなジアシルパーオキサイド類が挙げられるが、これら
有機過酸化物の内好ましいものとしてはジクミルパーオ
キサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−
ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(tert
−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンであり、さ
らに好ましくはジクミルパーオキサイドである。
【0012】これら有機過酸化物は通常1種類で使用す
るが2種類以上混合した場合においても使用可能であ
る。これら有機過酸化物は工業的純品のまま使用される
場合もあるが、希釈剤で希釈して、有機過酸化物組成物
として使用される場合が多い。それらの有機過酸化組成
物の例を挙げれば、可塑剤等に希釈した液状品、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等のポリマーと混合したパウダ
ー品またはペレット品、シリカ、炭酸カルシウム、クレ
ー、タルク等の無機固体状不活性希釈剤で希釈したパウ
ダー品やペースト品、エチレン−プロピレン共重合体、
EPDM、EPM、シリコーンゴム、エチレンー酢酸ビ
ニル共重合体等のゴムまたは熱可塑性エラストマーに配
合された板状またはペレット状のマスターバッチ等を挙
げることができる。また、これら液状希釈剤、無機固体
状不活性希釈剤やゴムまたは熱可塑性エラストマーを2
種類以上組み合わせて得られた配合物を希釈剤として使
用することも可能である。有機過酸化物組成物中におけ
る有機過酸化物の濃度は全質量に対して10%以上、好
ましくは20%以上であれば特に制限はないが、通常8
0%以下、通常70%以下程度である。
【0013】本発明のヒドラジドは通常単独で使用され
るが、2種類以上を併用してもよい。ヒドラジドは樹脂
の架橋前に、その他の添加剤等と共に、任意の順序で、
樹脂に添加すればよい。またこれらヒドラジドはそのま
ま希釈することなく樹脂に添加してもよいが、その活性
を損なわない限り、前述した有機過酸化物と同様に、可
塑剤等で希釈した液状品、ポリマーや無機不活性充填剤
で希釈したパウダー品やペースト品、ゴムまたは熱可塑
性エラストマーに配合した板状またはペレット状組成
物、ゴム工業で一般的に使用されているトリアリルシア
ヌレート(通称タック)やトリアリルイソシアヌレート
(通称タイク)などの架橋助剤を配合した組成物等にし
た未架橋樹脂配合用組成物として、樹脂に配合してもよ
い。未架橋樹脂配合用組成物におけるヒドラジドの含量
は特に制限は無いが、該組成物全体に対して、10%以
上、好ましくは30%、より好ましくは40%以上であ
る。上限は特にない。
【0014】使用者の利便性をはかるため前記の有機過
酸化物若しくは有機過酸化物組成物に、ヒドラジドを配
合して、ヒドラジド及び有機過酸化物を含有する有機過
酸化物組成物として使用してもよい。 この場合は有機
過酸化物は該組成物全体に対して、10%(質量:以下
特に断らない限り同じ)以上、好ましくは20%以上、
より好ましくは30%以上で、70%以下、好ましくは
60%以下程度である。またこの場合のヒドラジドの含
量は10%以上、好ましくは20%以上、より好ましく
は30%以上で、90%以下、好ましくは70%以下で
ある。またシリカ、炭酸カルシウム、クレー、タルク等
の無機不活性充填剤と混合したパウダー品やエチレン−
プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム(EPDM)、
エチレン−プロピレンゴム(EPM)、シリコーンゴ
ム、エチレンー酢酸ビニル共重合体等のゴムまたは熱可
塑性エラストマーに配合したマスターバッチとしても使
用可能である。未架橋樹脂配合用組成物におけるヒドラ
ジド若しくはヒドラジドと有機過酸化物以外の添加剤の
含量は0%〜80%程度である。
【0015】本発明方法により樹脂架橋体を製造するに
は、常法により樹脂を有機過酸化物で架橋させる際に、
ヒドラジド共存させれば良く、通常架橋すべき未架橋の
樹脂に、ヒドラジド、有機過酸化物及びその他の添加剤
を、任意の順序で、添加し、均一に混合した後、成形
し、加熱等の方法により架橋すればよく、得られる架橋
体はより臭気が低減され、作業環境上好ましく、また製
品の商品価値を低下させることもない。本発明で使用さ
れる樹脂は有機過酸化物を用いて架橋される樹脂であれ
ば特に制限は無く、ポリエチレンやエチレン・酢酸ビニ
ル共重合体のような熱可塑性プラスチック、天然ゴム、
合成ゴムなどの架橋可能なエラストマー等が挙げられ、
架橋可能なエラストマーの場合特に好ましい。架橋可能
なエラストマーの具体例としては、EPM、EPDM、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、天然ゴム、ポリブタジ
エン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、水素化アクリ
ロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン3元共重合体、フッ素ゴム、シリ
コーンゴム、ウレタンゴム、ポリエチレン、エチレン−
αオレフィン共重合体、塩素化ポリエチレンなどが挙げ
られる。
【0016】これらエラストマー等の樹脂に対して前述
した有機過酸化物は通常0.1以上、好ましくは0.2
%以上、より好ましくは0.5%以上、事情により更に
1%以上であり、かつ30%以下、好ましくは20%以
下、更に好ましくは15%以下において使用される。ヒ
ドラジドは通常0.5%以上、好ましくは1.0%以
上、より好ましくは1.5%以上で、20%以下、好ま
しくは15%以下、更に好ましくは12%以下程度で使
用される。ヒドラジドの添加量が0.5重量%以下でも
効果はあるがその効果が弱い。また20重量%程度添加
した場合には臭気は全く検知できず、それ以上添加して
もそれ以上の効果は期待できず、製造コスト上好ましく
ない。樹脂架橋は、加熱などそれ自体公知の方法で実施
される。例えば架橋可能なエラストマー等の場合はオー
プンロール、加圧式ニーダー、バンバリーミキサー等の
混練り機でまず架橋し得るエラストマーとタルク、炭酸
カルシウム等の無機充填剤、トリメチロールプロパント
リメタクリレートやトリアリルイソシアヌレート等の架
橋助剤、カーボンブラック等の補強剤や加工性向上のた
めのプロセスオイル等を均一に混合した後、ヒドラジド
と有機過酸化物を必要量添加し、混練り後、プレス、押
出し機等により通常140℃〜200℃で5〜30分間
加熱処理することにより架橋されるが、これら架橋条件
は使用される有機過酸化物の種類及び架橋しようとする
エラストマーの種類によって決められる。
【0017】以下、本発明を実施例、比較例によって更
に具体的に説明するが、本発明がこれらの実施例によっ
て制限されるものではない。
【0018】比較例1、実施例1〜4 表−1で示した割合で配合した各成分を2本ロールで混
練りした後、加熱プレスで処理し架橋を行った。架橋特
性についてはレオメーターを用いて行った。T10は最
大トルクの10%に達するまでの時間、T90は最大ト
ルクの90%に達するまでの時間を表す。また架橋ゴム
についてJIS−K−6301に準拠した引張試験、引
裂試験を行った。Tは破断時の引張強さを、Eは破
断時の伸びを、Hはスプリング硬さを示し、TRは引
裂強さを示す。得られた架橋ゴムの架橋特性、物性及び
臭気の結果を表−2にまとめた。表−1で、JSR−E
P86は日本合成ゴム社製EPDMの商品名である。ま
た、HAFカーボンブラックとして旭カーボン社製#7
0を、ナフテン系プロセスオイルとして日本サン石油社
製サンパー2280を使用した。さらに老化防止剤とし
てはフェノール系老化防止剤を使用した。ヒドラジドと
してアジピン酸ジヒドラジド(略号ADH)を、架橋剤
として有機過酸化物はジクミルパーオキサイド(化薬ア
クゾ(株)製パーカドックスBC略号DCP)を使用し
た。架橋ゴムの臭気の評価は官能試験で行い、臭気のき
ついものから順に5(非常にきつい)、4(きつい)、
3(中程度)、2(少し臭気あり)、1(ほとんど臭気
無し)、0(全く臭気無し)で臭気の程度を表記した。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】実施例5〜9 表−3で示した割合で配合した各成分を2本ロールで混
練りした後、加熱プレスで処理し架橋を行った。ヒドラ
ジドとしてセバチン酸ジヒドラジド(略号SDH)、ド
デカン二酸ジヒドラジド(略号DDH)を、架橋剤とし
て有機過酸化物は炭酸カルシウムでジクミルパーオキサ
イドを40%に希釈したカヤクミルD−40C(化薬ア
クゾ(株)製 略号DCP−40)を使用した。得られ
た架橋ゴムの架橋特性、物性及び臭気の結果を表−4に
まとめた。架橋ゴムの臭気の評価は官能試験で行い、臭
気のきついものから5(非常にきつい)、4(きつ
い)、3(中程度)、2(少し臭気あり)、1(ほとん
ど臭気無し)、0(全く臭気無し)で臭気の程度を表記
した。
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】比較例2実施例10〜12 表−5で示した割合で配合した各成分を2本ロールで混
練りした後、加熱プレスで処理し架橋を行った。ヒドラ
ジドとしてアジピン酸ジヒドラジド(略号ADH)、セ
バチン酸ジヒドラジド(略号SDH)、ドデカン二酸ジ
ヒドラジド(略号DDH)を、架橋剤として有機過酸化
物は1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプ
ロピル)ベンゼン(化薬アクゾ(株)製 略号Px1
4)を使用した。得られた架橋ゴムの架橋特性、物性及
び臭気の結果を表−6にまとめた。架橋ゴムの臭気の評
価は官能試験で行い、臭気のきついものから5(非常に
きつい)、4(きつい)、3(中程度)、2(少し臭気
あり)、1(ほとんど臭気無し)、0(全く臭気無し)
で臭気の程度を表記した。
【0025】
【表5】
【0026】
【表6】
【0027】ヒドラジドと有機過酸化物の混合組成物の
貯蔵安定性と架橋剤としての性能を評価するために実施
例13ではアジピン酸ジヒドラジド(略号ADH)とジ
クミルパーオキサイド(略号DCP)を使用してDCP
の濃度が40%の混合組成物を作成した。また実施例1
4ではADH、DCP及び架橋助剤のタイクの三成分混
合組成物を作成し貯蔵安定性評価を行った。具体的には
これら混合組成物を30℃及び40℃に保たれたオーブ
ンに一定時間保管し、DCP濃度の保持率及び外観変化
を測定した。比較例3では炭酸カルシウムに希釈した4
0%濃度のDCPを比較として実施した。結果を表−7
にまとめた。
【0028】
【表7】
【0029】比較例4、実施例15、実施例16 比較例3,実施例13、実施例14で得られた各配合物
を使用して表−8で示した配合で2本ロールで混練りし
た後、加熱プレスで処理し架橋を行った。得られた架橋
ゴムの架橋特性、物性及び臭気の結果を表−9にまとめ
た。架橋ゴムの臭気の評価は官能試験で行い、臭気のき
ついものから5(非常にきつい)、4(きつい)、3
(中程度)、2(少し臭気あり)、1(ほとんど臭気無
し)、0(全く臭気無し)で臭気の程度を表記した。
【0030】
【表8】
【0031】
【表9】
【0032】表−10で示した割合で配合した各成分を
2本ロールで混練りした後、加熱プレスで処理し架橋を
行った。セバチン酸ジヒドラジド(略号SDH)を、架
橋剤として有機過酸化物はtert−ブチルクミルパー
オキサイド(化薬アクゾ(株)製 略号TBCP)、t
ert−アミルクミルパーオキサイド(化薬アクゾ
(株)製 略号TACP)、をtert−ヘキシルクミ
ルパーオキサイド(化薬アクゾ(株)製 略号THC
P)使用した。得られた架橋ゴムの架橋特性、物性及び
臭気の結果を表−11にまとめた。架橋ゴムの臭気の評
価は官能試験で行い、臭気のきついものから5(非常に
きつい)、4(きつい)、3(中程度)、2(少し臭気
あり)、1(ほとんど臭気無し)、0(全く臭気無し)
で臭気の程度を表記した。
【0033】
【表10】
【0034】
【表11】
【0035】
【発明の効果】樹脂、例えばゴムや熱可塑性エラストマ
ーの有機過酸化物架橋においてヒドラジドを使用するこ
とにより臭気の少ない架橋されたゴムや熱可塑性エラス
トマーを与える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 Fターム(参考) 4F070 AA16 AA71 AB16 AC47 AC56 AE08 AE30 GA05 4J002 AA001 AC011 AC021 AC031 AC061 AC071 AC081 BB031 BB051 BB061 BB151 BB241 BD121 CK021 CP031 EK037 EK047 EK057 EQ026 FD146 FD157

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂を有機過酸化物を用いて架橋する方法
    において、ヒドラジドの存在下に架橋することを特徴と
    する樹脂架橋体の製造方法。
  2. 【請求項2】樹脂がゴム及び熱可塑性エラストマーであ
    る請求項第1項に記載の樹脂架橋体の製造方法。
  3. 【請求項3】ヒドラジドが下記一般式(1) NHNHCOR(CONHNH)n (1) (式中nは0又は1を示し、nが0の時、Rは一価の炭
    素数1ないし20の炭化水素残基、nが1の時、Rは炭
    素数1ないし20の二価の炭化水素残基を示す)で表さ
    れるヒドラジドある請求項第1項又は第2項の何れか一
    項に記載の樹脂架橋体の製造方法。
  4. 【請求項4】有機過酸化物がジクミルパーオキサイドで
    ある請求項第1項ないし第3項のいずれか一項に記載の
    樹脂架橋体の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項第1項ないし第4項の何れか一項に
    記載の製造方法により製造された樹脂架橋体。
  6. 【請求項6】ヒドラジドを含有する未架橋樹脂配合用組
    成物。
  7. 【請求項7】ヒドラジド及び有機過酸化物を含有する有
    機過酸化物組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5672036A (en) * 1979-11-16 1981-06-16 Hitachi Cable Ltd Crosslinked polyethylene composition
JPH11246717A (ja) * 1998-03-02 1999-09-14 Jsr Corp ゴム組成物

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