JP2002226152A - エレベータ用複段式緩衝器 - Google Patents

エレベータ用複段式緩衝器

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JP2002226152A
JP2002226152A JP2001020314A JP2001020314A JP2002226152A JP 2002226152 A JP2002226152 A JP 2002226152A JP 2001020314 A JP2001020314 A JP 2001020314A JP 2001020314 A JP2001020314 A JP 2001020314A JP 2002226152 A JP2002226152 A JP 2002226152A
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和宏 田中
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    • B66HOISTING; LIFTING; HAULING
    • B66BELEVATORS; ESCALATORS OR MOVING WALKWAYS
    • B66B5/00Applications of checking, fault-correcting, or safety devices in elevators
    • B66B5/28Buffer-stops for cars, cages, or skips
    • B66B5/282Structure thereof

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  • Maintenance And Inspection Apparatuses For Elevators (AREA)
  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】故障し難く、安全性が高いエレベータ用複段式
緩衝器を提供する。 【解決手段】シリンダ18と、シリンダ18の上方に3
段に伸縮動作可能に突出する第1〜第3の各プランジャ
19a〜19cとを備えるエレベータ用複段式緩衝器1
7であって、各プランジャ19a〜19cの長さを、シ
リンダ18の長さよりも短く形成する。各プランジャ1
9a〜19cの伸縮動作を段階的に検出する第1〜第3
の各スイッチ25a〜25cを、第2、第3支持部材2
2b,22cおよびシリンダ側支持部材22dを介して
第2、第3プランジャ19b,19cおよびシリンダ1
8の各頂部付近と略同等の高さ位置に設け、各プランジ
ャ19a〜19cの伸縮動作に応じて各スイッチ25a
〜25cを作動させる第1〜第3の各カムブラケット2
1a〜21cを、各プランジャ19a〜19cと略同等
の長さに形成して第1〜第3の各支持部材22a〜22
cに設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エレベータ用昇降
路の下部に設けられ、例えばエレベータのかごが過下降
した際に、このかごを下側から受け止めて緩衝するエレ
ベータ用緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】エレベータ101は、図9および図10
に示すように、上下方向に延ばされて設置されたガイド
レール118に案内されつつ昇降移動して、図示しない
乗客や荷物などを運ぶかご102、およびこのかご10
2を円滑に昇降移動させるためにメインロープ116を
介して連結されている図示しない釣り合い重り、ならび
にこれらのかご102および釣り合い重りを、メインロ
ープ116を介してバランスよく円滑に、かつ、互いに
相対的に昇降移動させる図示しない巻き上げ機などを具
備している。かご102および釣り合い重りが昇降移動
するエレベータ用昇降路104の内部には、その最下部
のピットの床105の上に、かご102および釣り合い
重りが過下降した際に、それらに衝撃を殆ど与えること
なく安全に受け止めるためのエレベータ用緩衝器(以
下、緩衝器と略称する。)が、かご102の下端部10
2aおよび釣り合い重りの下端部のそれぞれと当接可能
な位置に設置されている。
【0003】緩衝器は、これが受け止める対象物が、か
ご102であるか、釣り合い重りであるかに拘らず、そ
の構造および作動原理は殆ど同じなので、以下の説明に
おいては、エレベータ101のかご102を受け止める
側の緩衝器について説明し、釣り合い重りを受け止める
側の緩衝器は、その図示および説明を省略する。
【0004】緩衝器の中には、例えば、図9および図1
0に示すように、1組のシリンダ106およびプランジ
ャ107から構成されている、いわゆる1段テレスコピ
ック型の緩衝器103a,103bがある。以下の説明
において、これらの緩衝器103a,103bは、その
内部に衝撃緩衝手段としての油とばね108とを内蔵し
ている、いわゆる油圧式およびばね式の緩衝機構を併用
している複合方式の緩衝器とする。
【0005】まず、図9に示されている緩衝器103a
について説明する。この緩衝器103aが具備している
シリンダ106およびプランジャ107のそれぞれの長
さは、過下降したかご102がプランジャ107に当接
して、これを押し下げる際に、緩衝器103aの内部に
収納されている油とばね108がその衝撃を弾性的に緩
和して吸収できる大きさに形成されている。これによ
り、緩衝器103aは、かご102を安全に停止させる
ことができる。
【0006】シリンダ106の頂部106aの外周付近
には、緩衝器103aの作動あるいは非作動に応じて、
後述するカム111によって、その通電状態を切り換え
られるスイッチ109が、スイッチ取り付け腕110を
介して取り付けられている。このスイッチ109は、後
述する緩衝器103aの非作動状態においては、その通
電状態がオン状態となるように設定されている。この場
合、図示しない電源から巻き上げ機へ電流が流れて、巻
き上げ機は作動できる。したがって、緩衝器103aの
非作動状態においては、かご102は、エレベータ用昇
降路104内を昇降移動できる。また、このスイッチ1
09は、後述する緩衝器103aの作動状態において
は、その通電状態がオフ状態となるように設定されてい
る。この場合、電源から巻き上げ機へ流れる電流は、そ
の流れを遮断されて、巻き上げ機はその作動を停止させ
られる。したがって、緩衝器103aの作動状態におい
ては、かご102は、後述するように、その過下降を規
制される。
【0007】プランジャ107の頂部107aの外周付
近には、緩衝器103aの作動あるいは非作動(伸縮状
態)に応じて、前述したスイッチ109を作動させて、
その通電状態を切り換えるためのスイッチ切り換え部材
としてのカム111が、カム取り付け腕112を介して
取り付けられている。このカム111は、略棒状に形成
された長尺形状の剛体により構成されている。カム11
1は、その長手方向が、緩衝器103aの長手方向であ
る、プランジャ107がシリンダ106に対して伸縮す
る方向に沿うように、プランジャ107の頂部107a
の外周付近から鉛直方向下向きに延ばされてプランジャ
107に取り付けられている。
【0008】また、カム111は、緩衝器103aの非
作動状態において、プランジャ107の頂部107a付
近からシリンダ106の頂部106a付近に設けられて
いるスイッチ109まで届く長さに形成されている。そ
れとともに、カム111は、緩衝器103aの作動ある
いは非作動状態、すなわち、プランジャ107がシリン
ダ106に対して伸縮する長さに拘らず、常にスイッチ
109と接触しているように、そのプランジャ107の
頂部107aの径方向および周方向のそれぞれに対する
取り付け位置を、シリンダ106の頂部106aの径方
向および周方向のそれぞれに対して所定の位置に取り付
けられているスイッチ109の取り付け位置に合わせら
れている。さらに、カム111は、その下端部111a
の形状が、緩衝器103aの非作動状態において、スイ
ッチ109にその外側斜め上方から接触するように、シ
リンダ106の径方向外側に向けて張り出されて、か
つ、斜め下方に向けて傾けられて形成されている。スイ
ッチ109は、カム111の下端部111aと接触して
いる状態においては、前述したように、その通電状態が
オン状態となるように設定されている。
【0009】かご102が、プランジャ107の頂部1
07aと当接することなく、エレベータ用昇降路104
の内部を昇降移動している場合においては、緩衝器10
3aは非作動状態である。すなわち、かご102がプラ
ンジャ107の頂部に当接しておらず、プランジャ10
7に外力が作用していない状態、つまり、かご102に
よってプランジャ107がシリンダ106の内部に押し
込まれていない状態が、緩衝器103aの非作動状態で
ある。この緩衝器103aの非作動状態において、スイ
ッチ109はその通電状態をオン状態に保持されてい
る。スイッチ109の通電状態がオン状態の場合には、
前述したように電源から巻き上げ機に電流が流れ、巻き
上げ機は作動できる。これにより、かご102はエレベ
ータ用昇降路104の内部を昇降移動できる。
【0010】かご102が、予め設定されている図示し
ない最下階の適正な停止位置で停止せず、さらに下降す
ると、いわゆる過下降状態となってプランジャ107の
頂部107aと当接する。かご102がプランジャ10
7の頂部107aにその上方から当接すると、プランジ
ャ107にこれをシリンダ106側に向けて押し下げる
ように外力が作用する。これにより、かご102が過下
降してプランジャ107の頂部107aと当接すると、
プランジャ107はシリンダ106の内部に向けて没入
する。このように、プランジャ107がシリンダ106
の内部に押し込まれた状態となると、緩衝器103aは
作動状態となる。この緩衝器103aの作動状態におい
て、スイッチ109は、前述したように、その通電状態
をオフ状態に保持される。
【0011】詳しく述べると、プランジャ107のシリ
ンダ106内への没入とともに、カム111は下方に向
けて動く。すると、スイッチ109は、カム111の下
端部111aとの接触状態を解除されるとともに、カム
111にその長手方向中間部から上端部にかけて接触す
る状態となる。スイッチ109は、カム111にその長
手方向中間部から上端部にかけて接触している状態にお
いては、その通電状態がオフ状態となるように設定され
ている。
【0012】スイッチ109の通電状態がオフ状態の場
合には、前述したように電源から巻き上げ機に流れる電
流が遮断される。これにより、巻き上げ機はその作動を
停止させられるので、かご102の過下降は止まる。前
述したように、スイッチ109の通電状態がオフ状態の
場合、すなわち、緩衝器103aの作動状態において
は、かご102は、その下端部102aを緩衝器103
aによって弾性的に支持されているので、その過下降を
止められる際の衝撃を、緩衝器103aによって弾性的
に緩和されて吸収される。これにより、かご102は安
全に停止できる。
【0013】かご102が、その過下降を緩衝器103
aによって止められた後、適正な停止位置まで上昇する
ように処置された際、プランジャ107に対する負荷は
実質的に取り除かれた状態となる。この際、プランジャ
107は、緩衝器103aに内蔵されている油およびば
ね108の弾性復元力によって、シリンダ106に対し
てその内部から、緩衝器103aの非作動状態の位置ま
で突出するように押し戻される。このプランジャ107
の突出にともなって、カム111もスイッチ109と接
触しつつ上方に向けて動く。プランジャ107がそのシ
リンダ106の内部からの突出が止まるまで押し戻さ
れ、緩衝器103aが非作動状態となった際に、カム1
11は、その下端部111aにおいてスイッチ109と
接触している状態となる。これにより、スイッチ109
は、その通電状態がオン状態となるので、電源から巻き
上げ機に電流が流される。したがって、巻き上げ機は作
動可能状態となり、かご102は適正な状態で昇降移動
を行うことができる。
【0014】以上説明したように、緩衝器103aが非
作動状態から作動状態になり、再び非作動状態に戻る過
程において、スイッチ109はその通電状態をオン状態
からオフ状態を経て再びオン状態に切り換えられる。こ
れにより、緩衝器103aが作動状態の間遮断されてい
た電流が再び電源から巻き上げ機に流れて、かご102
は再び昇降移動可能な状態となる。したがって、スイッ
チ109は、エレベータ101が備える図示しない装置
全体の機能が復旧して、エレベータ101が適正な状態
で運転可能になったことを検出する、いわゆる復帰確認
スイッチとしての役割も兼ねている。
【0015】プランジャ107が、緩衝器103aが非
作動状態となる位置まで戻りきらない場合には、スイッ
チ109は、前述したように、カム111にその長手方
向中間部から上端部にかけて接触している状態となって
おり、その通電状態をオフ状態に保持されている。これ
により、電源から巻き上げ機に流れる電流は遮断された
状態に保持されているので、エレベータ101が運転さ
れて、かご102が昇降移動するおそれはない。換言す
ると、かご102が適正な状態で昇降移動している場合
には、緩衝器103aはそのストローク(圧縮ストロー
ク)の長さ(量)を、過下降したかご102を止める際
の衝撃を弾性的に緩和して吸収し、かご102を安全に
停止させることができる大きさに維持している。
【0016】次に、図10に示されている緩衝器103
bについて説明する。この緩衝器103bは、スイッチ
113のオン状態およびオフ状態を切り換えるスイッチ
切り換え部材が、略棒状に形成されている長尺形状の剛
体からなるカム111ではなく、柔軟性を有していると
ともに、伸縮性の乏しい紐状の部材から構成されている
点が、前述した図9に示されている緩衝器103aと異
なっている。
【0017】この緩衝器103bが有しているスイッチ
切り換え部材としてのスイッチ切り換え紐114は、そ
の一端部を、プランジャ107の頂部107a付近に設
けられているスイッチ切り換え紐取り付け腕115に接
続されている。また、このスイッチ切り換え紐114
は、その他端部を、スイッチ113に接続されている。
スイッチ113は、シリンダ106の頂部106a付近
に設けられているスイッチ取り付け腕117の上側に取
り付けられている。
【0018】スイッチ切り換え紐114は、その長さ
を、緩衝器103bの非作動状態においては、緊張して
スイッチ113を上向きに引っ張って、その通電状態を
オン状態にできるとともに、緩衝器103bの作動状態
においては、弛緩してスイッチ113を上向きに引っ張
ることができずに、その通電状態をオフ状態とする寸法
に設定されている。すなわち、スイッチ切り換え紐11
4は、緩衝器103bの非作動状態においては、スイッ
チ113の通電状態をオン状態とする張力を得ることが
できるとともに、緩衝器103bの作動状態において
は、その張力を失ってスイッチ113の通電状態をオフ
状態とするように設定されている。また、この緩衝器1
03bは、その非作動状態において、スイッチ切り換え
紐114に前述した大きさの張力を与えることができる
とともに、そのストローク量を、かご102が過下降し
てこの緩衝器103bと当接した際の衝撃を弾性的に緩
和して吸収し、かご102を安全に停止させることがで
きる大きさに維持するように設定されている。
【0019】以上説明した構成からなるこの緩衝器10
3bは、前述した緩衝器103aと同様に、かご102
が過下降してプランジャ107の頂部107aと当接
し、作動状態となると、スイッチ113の通電状態をオ
フ状態にして、電源から巻き上げ機に流れる電流を遮断
する。それとともに、かご102の下端部102aを弾
性的に受け止めて支持し、その過下降が止められる際の
衝撃を、弾性的に緩和して吸収する。これにより、かご
102は、過下降した際においても、安全に停止でき
る。
【0020】近年、ビルなどの建築物の高層化にともな
って、エレベータは、そのかごが昇降移動するスピード
が高速化される傾向にある。また、エレベータの輸送能
力を向上させるために、かごも大型化してその重量が増
大する傾向にある。これにともなって、釣り合い重りも
高速で昇降移動するとともに、大型化して重量が増大す
る傾向にある。このような高速で昇降移動する大型で重
量の重いかごおよび釣り合い重りを具備するエレベータ
においては、過下降したかごおよび釣り合い重りを安全
に停止させるために、例えば、緩衝器のストローク量を
長くして、その衝撃吸収力を向上させることが好まし
い。
【0021】この場合の緩衝器を具体的に説明すると、
1個のシリンダに対して、プランジャを複数個取り付け
る。この際、最も下側に取り付けられたプランジャをシ
リンダに対して伸縮動作可能に設けるとともに、隣接す
るプランジャ同士においても、上側のプランジャを下側
のプランジャに対して伸縮動作可能に設ける。すなわ
ち、この場合の緩衝器は、いわゆる複段テレスコピック
型の緩衝器である。
【0022】以上説明したように、プランジャを複段化
して、緩衝器のストローク(総圧縮ストローク)の量を
長大化することによって、高速移動する大型のかごや釣
り合い重りが過下降した際の運動エネルギーを十分に吸
収できる。したがって、複段テレスコピック型の緩衝器
は、高速移動する大型のかごや釣り合い重りが過下降し
ても、それらを止める際の衝撃を弾性的に緩和して吸収
し、安全に停止させることができる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】複段テレスコピック型
の緩衝器において、スイッチ切り換え部材を、前述した
緩衝器103aと同様に、例えば剛体からなるカムで構
成する場合であると、シリンダに取り付けられたスイッ
チを作動させるために、プランジャの複段化、すなわち
緩衝器の総ストローク量の長大化にともなって、カムも
長大化させる必要がある。カムの全長は、複数段設けら
れたプランジャのうち、最も上側に配置されているプラ
ンジャの頂部付近から、緩衝器の最も下側に配置されて
いるシリンダの頂部付近に取り付けられているスイッチ
まで届く大きさに設定される。これにより、プランジャ
が複数段設けられた緩衝器の総圧縮ストロークは、シリ
ンダの全長より長くなるので、緩衝器の総圧縮ストロー
クに合わせて設定されたカムの全長も、シリンダの全長
より長くなる。
【0024】この場合、過下降したかごがプランジャに
当接して、これを押し下げる際に、この複段テレスコピ
ック型の緩衝器が有する衝撃緩衝能力を発揮して、プラ
ンジャがその押し下げを止められる前に、カムの下端部
がエレベータ用昇降路のピットの床に接触するおそれが
ある。すると、この複段テレスコピック型の緩衝器は、
これが具備している複数段のプランジャの押し下げを妨
げられて、過下降したかごの運動エネルギーを吸収でき
なくなるおそれがある。すなわち、この複段テレスコピ
ック型の緩衝器は、かごを止める際の衝撃を弾性的に緩
和して吸収できなくなるおそれがある。したがって、こ
の複段テレスコピック型の緩衝器は、かごを安全に停止
させることができなくなるおそれがある。
【0025】あるいは、複段テレスコピック型の緩衝器
において、以上説明した剛体のカムでスイッチ切り換え
部材を構成したことによる問題点を解決するために、前
述した緩衝器103bと同様に、柔軟性を有するととも
に、伸縮性の乏しい紐状の部材によりスイッチ切り換え
部材を構成する場合を考えると、このような紐状の部材
から構成されるスイッチ切り換え紐は、その長さが長く
なる程、伸縮率の誤差が集積されて、その長手方向に沿
った伸縮の幅が大きくなる。この複段テレスコピック型
の緩衝器において、スイッチ切り換え紐の全長は、前述
した1段テレスコピック型の緩衝器103bにおいて設
定されていた、プランジャ107の長さと同等の大きさ
よりも十分に長い、複数段からなるプランジャを備える
緩衝器の総圧縮ストロークの長さと同等の大きさに設定
されている。これにより、前述した1段テレスコピック
型の緩衝器103bにおいては問題とならなかったスイ
ッチ切り換え紐の長手方向に沿った伸縮の幅が、この複
段テレスコピック型の緩衝器においては、スイッチを正
常に作動させることができなくなる程度に影響を与える
おそれがある。
【0026】具体的には、この複段テレスコピック型の
緩衝器の非作動状態において、スイッチ切り換え紐は、
その自重および複数段のプランジャから受ける張力によ
り、スイッチの通電状態をオン状態に保持する張力を得
ることができない程度に伸びてしまうおそれがある。す
なわち、実際には、複段テレスコピック型の緩衝器が非
作動状態であるにも拘らず、スイッチ切り換え紐が実質
的に弛緩した状態となることにより、スイッチはその通
電状態をオフ状態に切り換えられてしまうおそれがあ
る。これにより、巻き上げ機はその作動を停止させられ
るので、かごはエレベータ用昇降路内を円滑に昇降移動
できなくなるおそれがある。
【0027】また、スイッチ切り換え部材をスイッチ切
り換え紐で構成した場合、この複段テレスコピック型の
緩衝器が作動して、各プランジャが互いに伸縮動作して
いる最中に、スイッチ切り換え紐が隣接している各プラ
ンジャ同士の隙間に入り込んだり、あるいはスイッチ取
り付け腕もしくはスイッチに絡まったりなどするおそれ
がある。この場合、スイッチ切り換え紐は、その長さが
実質的に短くなったのと同じ状態となる。これにより、
実際には、複段テレスコピック型の緩衝器が作動状態で
あるにも拘らず、スイッチ切り換え紐が実質的に緊張し
た状態となることにより、スイッチはその通電状態をオ
ン状態に切り換えられてしまうおそれがある。
【0028】さらに、弾性復元力が1段テレスコピック
型の緩衝器よりも強められているこの複段テレスコピッ
ク型の緩衝器において、スイッチ切り換え紐が隣接して
いる各プランジャ同士の隙間に入り込んだり、あるいは
スイッチ取り付け腕もしくはスイッチに絡まったりなど
している状態で、緩衝器を非作動状態に戻そうと各プラ
ンジャが突出する。この場合、スイッチ切り換え紐は、
各プランジャから与えられる張力に耐え切れずに、切断
されてしまうおそれがある。すなわち、複段テレスコピ
ック型の緩衝器において、スイッチ切り換え部材をスイ
ッチ切り換え紐で構成した場合、この緩衝器、ひいては
エレベータ全体が故障し易くなるおそれがある。したが
って、複段テレスコピック型の緩衝器において、スイッ
チ切り換え部材をスイッチ切り換え紐で構成すると、こ
の緩衝器、ひいてはエレベータ全体の信頼性が低下する
おそれがある。
【0029】さらに、以上説明した複段テレスコピック
型の緩衝器においては、スイッチがシリンダに1個しか
取り付けられていないため、スイッチ切り換え部材を剛
体あるいは紐状部材で形成するかに拘らず、複数個設け
られているプランジャのうち、作動状態になったプラン
ジャが再び非作動状態に戻ったか否かを確認することが
できない。
【0030】よって、本発明が解決しようとする課題
は、故障し難く、安全性が高い複段式エレベータ用緩衝
器を得ることにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明に係るエレベータ用複段式緩
衝器は、シリンダと、このシリンダに対してその上方に
複数段に伸縮動作可能に突出する複数個のプランジャ
と、これら各プランジャを上方に向かって弾性的に付勢
する付勢手段とを備えるエレベータ用複段式緩衝器にお
いて、前記各段のプランジャに個々にスイッチ切り換え
部材を設けるとともに、上から2段目以下の前記各プラ
ンジャおよび前記シリンダに、前記各スイッチ切り換え
部材に対応するスイッチをそれぞれ設け、前記各段のプ
ランジャが伸縮動作する際に、前記各スイッチ切り換え
部材を介してそれらに対応する前記各スイッチを作動さ
せ、これら各スイッチの作動により前記各段のプランジ
ャの伸縮動作を検出することを特徴とするものである。
【0032】この発明のエレベータ用複段式緩衝器にお
いては、各段のプランジャごとに分けてスイッチ切り換
え部材およびスイッチを設けたので、各段のプランジャ
の伸縮状態に拘らず、スイッチ切り換え部材がエレベー
タ用昇降路のピットの床と互いに干渉し合うおそれがな
く、各スイッチを適正に作動させることができる。
【0033】また、前記課題を解決するために、前記請
求項1の発明を実施するにあたり、この発明に従属する
請求項2に記載の発明に係るエレベータ用複段式緩衝器
のように、前記各スイッチ切り換え部材に対しては、そ
れら各スイッチ切り換え部材の上下の動きを案内し、か
つ前記各プランジャの周方向への動きを規制するガイド
部材がそれぞれ設けられている構成とするとよい。
【0034】この発明のエレベータ用複段式緩衝器にお
いては、各スイッチ切り換え部材を上下方向に案内しつ
つ、それらが各プランジャの周方向に沿って回転するの
を規制するガイド部材を設けたので、各スイッチ切り換
え部材が各スイッチから外れるのを抑制して、各スイッ
チをより適正に作動させることができる。
【0035】また、前記課題を解決するために、前記請
求項1または2の発明を実施するにあたり、これらの発
明に従属する請求項3に記載の発明に係るエレベータ用
複段式緩衝器のように、前記各スイッチは、それぞれ支
持部材を介して支持され、これら各支持部材に、前記各
スイッチに接続されている配線を案内する配線ガイド穴
が形成されている構成とするとよい。
【0036】この発明のエレベータ用複段式緩衝器にお
いては、各スイッチを支持部材を介して支持するととも
に、それら各支持部材に、各スイッチに接続されている
配線を案内する配線ガイド穴を形成したので、各プラン
ジャの伸縮状態に拘らず、各配線を適正な状態に容易に
保持できる。
【0037】また、前記課題を解決するために、前記請
求項3の発明を実施するにあたり、この発明に従属する
請求項4に記載の発明に係るエレベータ用複段式緩衝器
のように、前記各配線ガイド穴には、低摩擦材が設けら
れている構成とするとよい。
【0038】この発明のエレベータ用複段式緩衝器にお
いては、各配線ガイド穴に、低摩擦材を設けたので、各
プランジャの伸縮動作に伴う各配線の移動時の摩擦抵抗
を実質的に減らすことができる。
【0039】また、前記課題を解決するために、前記請
求項1または2の発明を実施するにあたり、これらの発
明に従属する請求項5に記載の発明に係るエレベータ用
複段式緩衝器のように、前記スイッチに接続されている
前記配線が、湾曲自在な配線ガイド保護部材内に収納さ
れている構成とするとよい。
【0040】この発明のエレベータ用複段式緩衝器にお
いては、配線を、湾曲自在な配線ガイド保護部材内に収
納したので、各プランジャの伸縮動作などに伴う配線ト
ラブルを抑制できる。
【0041】また、前記課題を解決するために、前記請
求項1〜5の発明を実施するにあたり、これらの発明に
従属する請求項6に記載の発明に係るエレベータ用複段
式緩衝器のように、前記各スイッチおよび前記各スイッ
チ切り換え部材は、前記シリンダおよび前記各プランジ
ャごとに、それらの周方向に沿って位置をずらすように
配置されている構成とするとよい。
【0042】この発明のエレベータ用複段式緩衝器にお
いては、各スイッチ切り換え部材および各スイッチを、
シリンダおよび各プランジャごとに、それらの周方向に
沿って位置をずらして配置したので、それらの各プラン
ジャからの張り出しを抑制してコンパクト化できる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
に係るエレベータ用複段式緩衝器を用いたエレベータ
を、図1および図2に基づいて説明する。
【0044】本実施形態のエレベータ1は、図1に示す
ように、エレベータ用昇降路2内を上下方向に沿って昇
降移動して図示しない乗客や荷物などを運ぶかご3、こ
のかご3を昇降移動させる昇降移動装置としての巻き上
げ機4などから構成されている。かご3は、これをバラ
ンス良く円滑に昇降移動させるための釣り合い重り5と
メインロープ6を介して接続されている。エレベータ用
昇降路2の内部には、昇降移動するかご3および釣り合
い重り5を上下方向に沿って案内するガイドレール7が
設けられている。かご3と釣り合い重り5とは、巻き上
げ機4が駆動されることにより、この巻き上げ機4に巻
き掛けられたメインロープ6を介して、それぞれバラン
スよく円滑に、かつ、互いに相対的に、ガイドレール7
に案内されて昇降移動させられる。
【0045】かご3および釣り合い重り5には、それら
が予め設定されている定格速度以上の速度で急降下した
際などに、ガイドレール7を挟み込むなどして、それら
を安全に停止させるための停止装置8が、それぞれの下
端部3aおよび5aに設けられている。かご3が急降下
すると、このかご3にメインロープ6を介して接続され
ている釣り合い重り5は、急上昇する。同様に、釣り合
い重り5が急降下すると、この釣り合い重り5にメイン
ロープ6を介して接続されているかご3は、急上昇す
る。そのような状況において、停止装置8を作動させる
と、急降下している側のかご3あるいは釣り合い重り5
は、その急降下を止められるが、急上昇している反対側
のかご3あるいは釣り合い重り5は、慣性力によりその
まま急上昇を続け、いわゆる跳ね上がり現象を生じる。
この跳ね上がり現象が大きいと、メインロープ6に弛み
が生じて、巻き上げ機4のプーリ9に設けられている図
示しないシーブ溝からメインロープ6が外れるおそれが
ある。メインロープ6がシーブ溝から外れると、巻き上
げ機4によってかご3および釣り合い重り5を適正な状
態で昇降移動させることができなくなるおそれが生じ
る。また、シーブ溝から外れたメインロープ6が、エレ
ベータ用昇降路2内の図示しない他の装置などに引っ掛
かるなどして、他の装置の故障を招くおそれがある。さ
らには、急上昇した後降下したかご3あるいは釣り合い
重り5が、それらの反対側の急停止させられたかご3あ
るいは釣り合い重り5から、メインロープ6を介して引
っ張られることによってその降下を停止させられる際
に、メインロープ6に極めて大きな負荷を掛けて、その
耐久性などを損わせるおそれがある。
【0046】このようなかご3および釣り合い重り5の
跳ね上がり現象、ならびにこの跳ね上がり現象にともな
う種々のトラブルを防止するために、エレベータ用昇降
路2内には、その下端部にコンペンセータ装置と称され
るエレベータ用補償ロープ張り車装置10が設けられて
いる。このエレベータ用補償ロープ張り車装置10は、
一端部をかご3に連結されるとともに、他端部を釣り合
い重り5に連結されて、エレベータ用昇降路2内に垂れ
下げられるように複数本並設された補償ロープ11、エ
レベータ用昇降路2内の下端部に上下方向に設置された
左右一対のコンペンレール12(図1において片方のみ
を図示。)、これら各コンペンレール12に対して、そ
れらの間を図示しないガイドシューを介して上下方向に
摺動自在に設けられている支持枠13、および前記各補
償ロープ11が巻き掛けられるとともに、前記支持枠1
3に回転自在に取り付けられた張り車14などから構成
されている。
【0047】支持枠13を図示しないばねや負荷などを
用いて下方に向けて付勢することにより、支持枠13に
取り付けられた張り車14を介して、各補償ロープ11
に適度な張力を与える。これにより、メインロープ6と
は反対側から、かご3および釣り合い重り5を引っ張
る。かご3あるいは釣り合い重り5のいずれか一方が急
降下し、反対側のかご3あるいは釣り合い重り5が急上
昇しようとすると、各補償ロープ11によって、その急
上昇を抑制される向きに引っ張られる。各補償ロープ1
1は、それらが巻き掛けられている張り車14が回転す
ることにより、その繰り出しおよび引き戻しが円滑に行
われる。また、張り車14が取り付けられている支持枠
13も、かご3あるいは釣り合い重り5のいずれか一方
が急上昇して補償ロープ11が引っ張られるのにともな
って、各コンペンレール12に案内されつつ上昇した
後、ばねや負荷などによって、かご3あるいは釣り合い
重り5の急上昇を抑制するように、下方に向けて弾性的
に引き戻される。
【0048】以上説明したエレベータ用補償ロープ張り
車装置10の働きによって、かご3および釣り合い重り
5の跳ね上がり現象は抑制されるとともに、この跳ね上
がり現象にともなう種々のトラブルも抑制される。
【0049】さらに、エレベータ用昇降路2の内部に
は、その最下端部としてのピット15の床16の上に、
かご3および釣り合い重り5が、予め設定されている最
下階の適正な停止位置で停止せずに下がり過ぎる、いわ
ゆる過下降を起こした際に、それらに衝撃を殆ど与える
ことなく安全に受け止めるための安全装置としての、本
発明の第1の実施の形態に係る複段式のエレベータ用緩
衝器17(以下、緩衝器17と略称する。)が設置され
ている。緩衝器17は、図1に示すように、ピット15
の床16の上において、かご3の下端部3aおよび釣り
合い重り5の下端部5aのそれぞれと当接可能な位置に
1台ずつ設置されている。
【0050】緩衝器17は、これが受け止める対象物
が、かご3であるか、釣り合い重り5であるかに拘ら
ず、その構造および作動原理は同じなので、以下の説明
においては、エレベータ1のかご3を受け止める側の緩
衝器17について説明し、釣り合い重り5を受け止める
側の緩衝器17は、図2においてその図示を省略すると
ともに、説明も省略する。
【0051】本実施形態の緩衝器17は、図2に示すよ
うに、シリンダ18と、このシリンダ18に対してその
上方に複数段に伸縮動作可能に突出する複数個のプラン
ジャ19と、これら各プランジャ19を上方に向かって
弾性的に付勢する図示しない付勢手段とを備えている。
本実施形態の緩衝器17においては、プランジャ19
は、3段に分けられて組まれており、上側からシリンダ
側に向けて順番に、第1プランジャ19a、第2プラン
ジャ19b、第3プランジャ19cとする。これら3段
のプランジャ19a〜19cおよびシリンダ18から構
成される緩衝器本体20の内部には、前述したように、
各段のプランジャ19a〜19cを上方に向かって弾性
的に付勢する付勢手段であるとともに、かご3が緩衝器
17に当接してこれを押し下げる際に、その衝撃を弾性
的に緩和して吸収する衝撃緩衝手段としての図示しない
油が内蔵されている。すなわち、本実施形態の緩衝器1
7は、油圧式である。
【0052】また、各段のプランジャ19a〜19cの
軸方向(伸縮動作方向)に沿った長さは、シリンダ18
の軸方向に沿った長さよりも短く形成されている。それ
とともに、各段のプランジャ19a〜19cおよびシリ
ンダ18から構成される緩衝器本体20の全長は、その
内部に内蔵されている油が、過下降したかご3を安全に
受け止めて停止させることができる衝撃緩衝性能を発揮
できる大きさに形成されている。さらに、各段のプラン
ジャ19a〜19cは、それぞれの下側に隣接して設け
られている第2プランジャ19b、第3プランジャ19
c、およびシリンダ18に対して、それらの周方向に沿
って大きく回転しないように、図示しない回転止め部材
によって、前記周方向への回転運動が規制されている。
【0053】前記第1〜第3の各段のプランジャ19a
〜19cには、後述する第1〜第3の各スイッチ25a
〜25cを切り換えるためのスイッチ切り換え部材とし
ての第1〜第3のカムブラケット21a〜21cがそれ
ぞれ1個ずつ設けられている。これら第1〜第3の各カ
ムブラケット21a〜21cは、剛体により形成されて
おり、第1〜第3の各段のプランジャ19a〜19cの
頂部(上端部)に設けられている第1〜第3の各支持部
材22a〜22cに設けられて、支持されている。第1
〜第3の各支持部材22a〜22cは、第1〜第3の各
段のプランジャ19a〜19cの頂部から、それらの径
方向外側の一定の方向に向けて、向きを揃えられて張り
出されるように設けられている。第1〜第3の各カムブ
ラケット21a〜21cは、第1〜第3の各支持部材2
2a〜22cのそれぞれの外側縁部のうち、向きを揃え
られて張り出されている部分から下方に向けて延びるよ
うに取り付けられている。第1〜第3の各カムブラケッ
ト21a〜21cは、それぞれ第1〜第3の各支持部材
22a〜22cによって前記上下方向に沿って延ばされ
た姿勢を保持されたまま、第1〜第3の各段のプランジ
ャ19a〜19cのそれぞれの伸縮動作にともなって、
互いに独立に上下動する。
【0054】同様に、第1〜第3の各スイッチ25a〜
25cのうち、第1スイッチ25aおよび第2スイッチ
25bも、第1〜第3の各支持部材22a〜22cのう
ち、第2支持部材22bおよび第3支持部材22cのそ
れぞれの外側縁部のうち、前述したように向きを揃えら
れて張り出されている部分に、それらの径方向外側から
取り付けられている。また、第1〜第3の各スイッチ2
5a〜25cのうち、第3スイッチ25cは、第1〜第
3の各支持部材22a〜22cと同様にシリンダ18の
頂部に設けられているシリンダ側支持部材22dの外側
縁部のうち、第1〜第3の各支持部材22a〜22cが
張り出されている向きに取り付け位置を揃えられて、そ
の径方向外側から取り付けられている。第1〜第3の各
スイッチ25a〜25cのうち、第1スイッチ25aお
よび第2スイッチ25bは、それぞれ第2支持部材22
bおよび第3支持部材22cを介して、第2プランジャ
19bおよび第3プランジャ19cのそれぞれの伸縮動
作にともなって、互いに独立に上下動する。
【0055】各カムブラケット21a〜21cは、それ
らの一端部としての各下端部に、緩衝器本体20にかご
3の下端部3aが当接しておらず、緩衝器本体20が最
も伸長している状態、すなわち、緩衝器17の非作動状
態において、各スイッチ25a〜25cと当接してそれ
らの通電状態をオン状態に保持する第1〜第3のカム部
23a〜23cがそれぞれ一体に形成されている。これ
ら第1〜第3の各カム部23a〜23cは、それぞれ第
1〜第3の各スイッチ25a〜25cにそれらの外側斜
め上方から接触するように、緩衝器本体20の径方向外
側に向けて張り出されて、かつ、斜め下方に向けて傾け
られて形成されている。第1〜第3の各スイッチ25a
〜25cは、緩衝器17の非作動状態において、第1〜
第3の各カムブラケット21a〜21cが有している第
1〜第3の各カム部23a〜23cのそれぞれと接触し
ている状態では、前述したように、それぞれの通電状態
がオン状態となるように設定されている。
【0056】また、各カムブラケット21a〜21c
は、それらが取り付けられている各支持部材22a〜2
2cの外側縁部と、これら外側縁部から鉛直下方に向け
て延ばされるとともに、それらの先端部に前記第1〜第
3のカム部23a〜23cを有している第1〜第3のブ
ラケット部24a〜24cとが一体に形成された構成と
なっている。すなわち、本実施形態の各カムブラケット
21a〜21cは、それらの各カム部23a〜23cと
ブラケット部24a〜24cとが一体に形成された構成
となっているとともに、各支持部材22a〜22cとも
一体に形成された構成となっている。
【0057】以下、各カムブラケット21a〜21c、
各支持部材22a〜22c、および各スイッチ25a〜
25cのそれぞれの大きさ、形状、および取り付け位
置、ならびにそれらの相対的な関係を詳しく説明する。
【0058】シリンダ18の頂部には、各段のプランジ
ャ19a〜19cと同様に、シリンダ側支持部材22d
が設けられている。このシリンダ側支持部材22dの外
側縁部には、第3スイッチ25cが設けられている。こ
の第3スイッチ25cはその取り付け位置を、第1〜第
3の各カムブラケット21a〜21cが第1〜第3の各
支持部材22a〜22cに設けられている向きと同じ向
きに揃えられて、シリンダ側支持部材22dの外側縁部
に取り付けられている。すなわち、第3スイッチ25c
は、シリンダ18の頂部と略同等の高さ位置において、
その外周よりも僅かに大きく外側に張り出された位置
で、第3カムブラケット21cと接触可能にシリンダ側
支持部材22dに取り付けられている。
【0059】第3プランジャ19cの頂部には、前述し
たように第3支持部材22cが設けられており、この第
3支持部材22bの外側縁部には、第3カムブラケット
21cが一体に設けられている。第3カムブラケット2
1cの長手方向に沿った長さは、緩衝器17の非作動状
態において、第3プランジャ19cの頂部に設けられて
いる第3支持部材22cから、シリンダ18の頂部と略
同等の高さ位置に設けられている第3スイッチ25cま
で届く大きさに設定されている。すなわち、第3カムブ
ラケット21cの長手方向に沿った長さは、緩衝器17
の非作動状態において、第3プランジャ19cがシリン
ダ18の頂部から突出している部分の軸方向に沿った長
さと略同等の大きさに設定されている。
【0060】また、第3支持部材22cは、その第3プ
ランジャ19cの径方向外側に向けて張り出されている
部分の大きさが、その外側縁部に設けられている第3カ
ムブラケット21cの第3カム部23cが、緩衝器17
の非作動状態において、第3スイッチ25cにその径方
向外側から当接する大きさに設定されている。これによ
り、第3カムブラケット21cは、緩衝器17の非作動
状態において、その下端部に有している第3カム部23
cによって、第3スイッチ25cの通電状態をオン状態
に設定して保持できる。それとともに、第3支持部材2
2cは、その第3プランジャ19cの径方向外側に向け
て張り出されている部分の大きさが、第3プランジャ1
9cがシリンダ18内へ押し込まれ、緩衝器17が作動
状態となった際において、その外側縁部に設けられてい
る第3カムブラケット21cの第3ブラケット部24c
が、第3スイッチ25cにその径方向外側から連続的に
接触する大きさに設定されている。
【0061】第3プランジャ19cの軸方向に沿った長
さは、前述したように、シリンダ18の軸方向に沿った
長さよりも短く形成されている。これにより、過下降し
たかご3の下端部3aが緩衝器本体20と当接して、第
3支持部材22cがシリンダ側支持部材22dに接触す
るように、第3プランジャ19cがシリンダ18内へ、
その没入が止まるまで押し込まれた際にも、第3カムブ
ラケット21cの下端部である第3カム部23cと、ピ
ット15の床16とが互いに干渉し合うおそれはない。
【0062】第3スイッチ25cは、第3プランジャ1
9cがシリンダ18内へ押し込まれ、これにともなって
第3カムブラケット21cが下がり、その第3カム部2
3cとの当接が解除され、第3カムブラケット21cの
第3ブラケット部24cと接触すると、その通電状態を
オン状態からオフ状態に切り換えられて保持されるよう
に設定されている。前述した第3カムブラケット21c
の第3ブラケット部24cの形状および配設状態、第3
支持部材22cの形状および大きさ、ならびに第3スイ
ッチ25cの取り付け位置などにより、第3プランジャ
19cがシリンダ18内へ押し込まれた状態において
は、その没入の深さに拘らず、第3カムブラケット21
cの第3ブラケット部24cは、第3スイッチ25cの
通電状態を連続してオフ状態に保持できる。
【0063】以上説明したように、第3カムブラケット
21cは、第3プランジャ19cのシリンダ18からの
突没状態に応じて、第3スイッチ25cの通電状態のオ
ン状態およびオフ状態の切り換え、ならびにその保持を
適正な状態で行うことができる。
【0064】第3プランジャ19cの頂部に設けられて
いる第3支持部材22cの外側縁部には、前述したよう
に第2スイッチ25bが設けられている。この第2スイ
ッチ25bは、第3カムブラケット21cの第3ブラケ
ット部24cが第3支持部材22cに一体に取り付けら
れている部分に、その径方向外側から取り付けられる。
すなわち、第2スイッチ25bは、第3プランジャ19
cの頂部と略同等の高さ位置において、第3スイッチ2
5cおよび第3カムブラケット21cよりも外側に張り
出された位置で、第2カムブラケット21bと接触可能
に第3支持部材22cに取り付けられている。これによ
り、第3プランジャ19cのシリンダ18への突没状態
に拘らず、第2スイッチ25bと第3スイッチ25cと
が互いに干渉し合うおそれはない。
【0065】第2プランジャ19bの頂部には、前述し
たように第2支持部材22bが設けられており、この第
2支持部材22bの外側縁部には、第2カムブラケット
21bが一体に設けられている。第2カムブラケット2
1bの長手方向に沿った長さは、緩衝器17の非作動状
態において、第2プランジャ19bの頂部に設けられて
いる第2支持部材22bから、第3プランジャ19cの
頂部と略同等の高さ位置に設けられている第2スイッチ
25bまで届く大きさに設定されている。すなわち、第
2カムブラケット21bの長手方向に沿った長さは、緩
衝器17の非作動状態において、第2プランジャ19b
が第3プランジャ19cの頂部から突出している部分の
軸方向に沿った長さと略同等の大きさに設定されてい
る。
【0066】また、第2支持部材22bは、その第2プ
ランジャ19bの径方向外側に向けて張り出されている
部分の大きさが、その外側縁部に設けられている第2カ
ムブラケット21bの第2カム部23bが、緩衝器17
の非作動状態において、第2スイッチ25bにその径方
向外側から当接する大きさに設定されている。これによ
り、第2カムブラケット21bは、緩衝器17の非作動
状態において、その下端部に有している第2カム部23
bによって、第2スイッチ25bの通電状態をオン状態
に設定して保持できる。それとともに、第2支持部材2
2bは、その第2プランジャ19bの径方向外側に向け
て張り出されている部分の大きさが、第2プランジャ1
9bが第3プランジャ19c内へ押し込まれた際に、そ
の外側縁部に設けられている第2カムブラケット21b
の第2ブラケット部24bが、第2スイッチ25bにそ
の径方向外側から連続的に接触する大きさに設定されて
いる。これにより、第2プランジャ19bの第3プラン
ジャ19cへの突没状態、および第3プランジャ19c
のシリンダ18への突没状態のそれぞれに拘らず、第2
カムブラケット21bと、第3カムブラケット21cお
よび第3スイッチ25cとが、互いに干渉し合うおそれ
はない。
【0067】第2プランジャ19bの軸方向に沿った長
さは、前述したように、シリンダ18の軸方向に沿った
長さよりも短く形成されている。これにより、過下降し
たかご3の下端部3aが緩衝器本体20と当接して、第
2支持部材22bが第3支持部材22cに接触するよう
に、第2プランジャ19bが第3プランジャ19c内
へ、その没入が止まるまで押し込まれ、かつ、第3支持
部材22cがシリンダ側支持部材22dに接触するよう
に、第3プランジャ19cがシリンダ18内へ、その没
入が止まるまで押し込まれた際にも、第2カムブラケッ
ト21bの下端部である第2カム部23bと、ピット1
5の床16とが互いに干渉し合うおそれはない。
【0068】また、第2スイッチ25bは、第2プラン
ジャ19bが第3プランジャ19c内へ押し込まれ、こ
れにともなって第2カムブラケット21bが下がり、そ
の第2カム部23bとの当接が解除され、第2カムブラ
ケット21bの第2ブラケット部24bと接触すると、
その通電状態をオン状態からオフ状態に切り換えられて
保持されるように設定されている。前述した第2カムブ
ラケット21bの第2ブラケット部24bの形状および
配設状態、第2支持部材22bの形状および大きさ、な
らびに第2スイッチ25bの取り付け位置などにより、
第2プランジャ19bが第3プランジャ19c内へ押し
込まれた状態においては、その没入の深さに拘らず、第
2カムブラケット21bの第2ブラケット部24bは、
第2スイッチ25bの通電状態を連続してオフ状態に保
持できる。
【0069】以上説明したように、第2カムブラケット
21bは、第3プランジャ19cのシリンダ18への突
没状態に拘らず、第2プランジャ19bの第3プランジ
ャ19cからの突没状態に応じて、第2スイッチ25b
の通電状態のオン状態およびオフ状態の切り換え、なら
びにその保持を適正な状態で行うことができる。
【0070】第2プランジャ19bの頂部に設けられて
いる第2支持部材22bの外側縁部には、前述したよう
に第1スイッチ25aが設けられている。この第1スイ
ッチ25aは、第2カムブラケット21bの第2ブラケ
ット部24bが第2支持部材22bに一体に取り付けら
れている部分に、その径方向外側から取り付けられる。
すなわち、第1スイッチ25aは、第2プランジャ19
bの頂部と略同等の高さ位置において、第2スイッチ2
5bおよび第2カムブラケット21bよりも外側に張り
出された位置で、第1カムブラケット21aと接触可能
に第2支持部材22bに取り付けられている。これによ
り、第2プランジャ19bの第3プランジャ19cへの
突没状態、および第3プランジャ19cのシリンダ18
への突没状態のそれぞれに拘らず、第1スイッチ25a
と、第2スイッチ25bおよび第3スイッチ25cとが
互いに干渉し合うおそれはない。
【0071】第1プランジャ19aの頂部には、前述し
たように第1支持部材22aが設けられており、この第
1支持部材22aの外側縁部には、第1カムブラケット
21aが一体に設けられている。第1カムブラケット2
1aの長手方向に沿った長さは、緩衝器17の非作動状
態において、第1プランジャ19aの頂部に設けられて
いる第1支持部材22aから、第2プランジャ19bの
頂部と略同等の高さ位置に設けられている第1スイッチ
25aまで届く大きさに設定されている。すなわち、第
1カムブラケット21aの長手方向に沿った長さは、緩
衝器17の非作動状態において、第1プランジャ19a
が第2プランジャ19bの頂部から突出している部分の
軸方向に沿った長さと略同等の大きさに設定されてい
る。
【0072】また、第1支持部材22bは、その第1プ
ランジャ19aの径方向外側に向けて張り出されている
部分の大きさが、その外側縁部に設けられている第1カ
ムブラケット21aの第1カム部23aが、緩衝器17
の非作動状態において、第1スイッチ25aにその径方
向外側から当接する大きさに設定されている。これによ
り、第1カムブラケット21aは、緩衝器17の非作動
状態において、その下端部に有している第1カム部23
aによって、第1スイッチ25aの通電状態をオン状態
に設定して保持できる。それとともに、第1支持部材2
2aは、その第1プランジャ19aの径方向外側に向け
て張り出されている部分の大きさが、第1プランジャ1
9aが第2プランジャ19b内へ押し込まれた際に、そ
の外側縁部に設けられている第1カムブラケット21a
の第1ブラケット部24aが、第1スイッチ25aにそ
の径方向外側から連続的に接触する大きさに設定されて
いる。これにより、第1プランジャ19aの第2プラン
ジャ19bへの突没状態、第2プランジャ19bの第3
プランジャ19cへの突没状態、および第3プランジャ
19cのシリンダ18への突没状態のそれぞれに拘ら
ず、第1カムブラケット21aと、第2カムブラケット
21bおよび第2スイッチ25b、ならびに第3カムブ
ラケット21cおよび第3スイッチ25cとが、互いに
干渉し合うおそれはない。
【0073】第1プランジャ19aの軸方向に沿った長
さは、前述したように、シリンダ18の軸方向に沿った
長さよりも短く形成されている。これにより、過下降し
たかご3の下端部3aが緩衝器本体20と当接して、第
1支持部材22aが第2支持部材22bに接触するよう
に、第1プランジャ19aが第2プランジャ19b内
へ、その没入が止まるまで押し込まれ、かつ、第2支持
部材22bが第3支持部材22cに接触するように、第
2プランジャ19bが第3プランジャ19c内へ、その
没入が止まるまで押し込まれ、さらに、第3支持部材2
2cがシリンダ側支持部材22dに接触するように、第
3プランジャ19cがシリンダ18内へ、その没入が止
まるまで押し込まれた際にも、第1カムブラケット21
aの下端部である第1カム部23aと、ピット15の床
16とが互いに干渉し合うおそれはない。すなわち、緩
衝器17の作動状態において、緩衝器本体20が最も短
縮された状態においても、第1カムブラケット21aの
第1カム部23aと、ピット15の床16とが互いに干
渉し合うおそれはない。
【0074】また、第1スイッチ25aは、第1プラン
ジャ19aが第2プランジャ19b内へ押し込まれ、こ
れにともなって第1カムブラケット21aが下がり、そ
の第1カム部23aとの当接が解除され、第1カムブラ
ケット21aの第1ブラケット部24aと接触すると、
その通電状態をオン状態からオフ状態に切り換えられて
保持されるように設定されている。前述した第1カムブ
ラケット21aの第1ブラケット部24aの形状および
配設状態、第1支持部材22aの形状および大きさ、な
らびに第1スイッチ25aの取り付け位置などにより、
第1プランジャ19aが第2プランジャ19b内へ押し
込まれた状態においては、その没入の深さに拘らず、第
1カムブラケット21aの第1ブラケット部24aは、
第1スイッチ25aの通電状態を連続してオフ状態に保
持できる。
【0075】以上説明したように、第1カムブラケット
21aは、第2プランジャ19bの第3プランジャ19
cへの突没状態、および第3プランジャ19cのシリン
ダ18への突没状態のそれぞれに拘らず、第1プランジ
ャ19aの第2プランジャ19bからの突没状態に応じ
て、第1スイッチ25aの通電状態のオン状態およびオ
フ状態の切り換え、ならびにその保持を適正な状態で行
うことができる。
【0076】第1プランジャ19a、第2プランジャ1
9b、および第3プランジャ19cは、過下降したかご
3の下端部3aが緩衝器本体20に当接して、これを下
方に向けて短縮させる際に、上側から順番に、もしくは
それぞれ略均等に押し下げられるように設定されること
が好ましい。また、第1プランジャ19a、第2プラン
ジャ19b、および第3プランジャ19cは、この緩衝
器17によって受け止められたかご3が上昇して緩衝器
本体20が伸長する際に、下側から順番に、もしくはそ
れぞれ略均等に上方に向けて突出するように設定される
ことが好ましい。特に、第1プランジャ19a、第2プ
ランジャ19b、および第3プランジャ19cが、上側
から順番に押し下げられるとともに、下側から順番に突
出するように設定されることが好ましい。この場合、第
1プランジャ19a、第2プランジャ19b、および第
3プランジャ19cの伸縮動作、すなわち緩衝器本体2
0の伸縮動作を、第1スイッチ25a、第2スイッチ2
5b、および第3スイッチ25cのそれぞれによって、
段階的に検出できる。したがって、第1〜第3の各スイ
ッチ25a〜25cは、緩衝器17の作動状態あるいは
非作動状態を段階的に検出できる検出スイッチとしての
役割を果たすように設定されている。
【0077】第1スイッチ25a、第2スイッチ25
b、および第3スイッチ25cは、エレベータ1に設け
られている図示しない制御部に接続されている。これら
第1〜第3の各スイッチ25a〜25cの通電状態がオ
ン状態になっている場合、前述したように、それぞれに
対応している第1〜第3の各プランジャ19a〜19c
は、それぞれの下側に隣接している第2プランジャ19
b、第3プランジャ19c、もしくはシリンダ18から
突出している状態となっている。したがって、第1〜第
3の各スイッチ25a〜25cのすべての通電状態がオ
ン状態の場合、緩衝器本体20は最も伸長した状態とな
っており、制御部は第1〜第3の各スイッチ25a〜2
5cによって、緩衝器17が非作動状態であることを検
出できる。すなわち、制御部はエレベータ1が正常な状
態で作動していることを、第1〜第3の各スイッチ25
a〜25cによって検出できる。この場合、制御部は、
巻き上げ機4をはじめとするエレベータ1の装置全体
に、図示しない電源から電流が流れるように設定する。
【0078】また、第1〜第3の各スイッチ25a〜2
5cの通電状態がオフ状態になっている場合、前述した
ように、それぞれに対応している第1〜第3の各プラン
ジャ19a〜19cは、それぞれの下側に隣接している
第2プランジャ19b、第3プランジャ19c、もしく
はシリンダ18内へ没入している状態となっている。し
たがって、第1〜第3の各スイッチ25a〜25cのう
ち、少なくとも1個の通電状態がオフ状態となった場
合、緩衝器本体20はかご3によって短縮された状態と
なっており、制御部は第1〜第3の各スイッチ25a〜
25cによって、緩衝器17が作動状態であることを検
出できる。すなわち、制御部はエレベータ1が正常な状
態で作動していないことを、第1〜第3の各スイッチ2
5a〜25cによって検出できる。この場合、制御部
は、少なくとも巻き上げ機4に電源から電流が流れない
ように設定する。これにより、巻き上げ機4はその作動
を停止され、巻き上げ機4の駆動にともなうメインロー
プ6を介したかご3の過下降は規制される。この際、か
ご3は、緩衝器17によってこれと当接した際の衝撃を
弾性的に緩和して吸収される。すなわち、かご3は緩衝
器17によって安全に受け止められて、その過下降を停
止させられる。
【0079】かご3が、その過下降を緩衝器17によっ
て停止させられた後、適正な停止位置まで上昇するよう
に処置された際、第1〜第3の各プランジャ19a〜1
9cに対する負荷は実質的に取り除かれた状態となる。
この際、第1〜第3の各プランジャ19a〜19cは、
緩衝器本体20に内蔵されている油の弾性復元力によっ
て、それぞれの下側に隣接している第2プランジャ19
b、第3プランジャ19c、およびシリンダ18に対し
てそれらの内部から、緩衝器本体20の長さが最も伸長
した場合の長さに戻るまで突出されて押し戻される。す
なわち、第1〜第3の各プランジャ19a〜19cは、
緩衝器17が非作動状態となる位置まで突出されて押し
戻される。すると、第1〜第3の各スイッチ25a〜2
5cは、前述したように、それらの通電状態はすべてオ
ン状態となる。これにより、制御部は第1〜第3の各ス
イッチ25a〜25cによって、緩衝器17が非作動状
態に戻ったことを検出できる。すなわち、制御部はエレ
ベータ1が正常な状態で作動可能な状態となったこと
を、第1〜第3の各スイッチ25a〜25cによって検
出できる。この場合、制御部は、再び巻き上げ機4をは
じめとするエレベータ1の装置全体に電源から電流が流
れるように設定する。これにより、巻き上げ機4は作動
可能状態となるので、かご3は再び適正な状態でエレベ
ータ用昇降路2内を昇降移動できる。
【0080】第1〜第3の各スイッチ25a〜25c
は、第1〜第3の各プランジャ19a〜19cのそれぞ
れが、緩衝器17の非作動状態となる位置まで戻りきら
ない場合には、第1〜第3の各カムブラケット21a〜
21cが有している第1〜第3の各ブラケット部24a
〜24cと接触している状態となっており、それらの通
電状態をオフ状態に保持されている。
【0081】以上説明したように、緩衝器17が非作動
状態から作動状態になり、再び非作動状態に戻る過程に
おいて、第1〜第3の各スイッチ25a〜25cは、そ
れらのうち少なくとも1個がその通電状態をオン状態か
らオフ状態を経て再びオン状態に切り換えられる。これ
により、緩衝器17が作動状態の間遮断されていた電流
が再び電源から巻き上げ機4に流れて、かご3は再び昇
降移動可能な状態となる。したがって、第1〜第3の各
スイッチ25a〜25cは、緩衝器17の作動状態ある
いは非作動状態を検出する検出スイッチとして設定され
ているとともに、緩衝器17の機能が復旧して、エレベ
ータ1を適正な状態で運転させることが可能になったこ
とを検出する、いわゆる復帰確認スイッチとしての役割
も兼ねるように設定されている。
【0082】また、第1〜第3の各スイッチ25a〜2
5cは、第1〜第3の各プランジャ19a〜19cのそ
れぞれが、緩衝器17の非作動状態となる位置まで戻り
きらない場合には、第1〜第3の各カムブラケット21
a〜21cが有している第1〜第3の各ブラケット部2
4a〜24cと接触している状態となっており、それら
の通電状態をオフ状態に保持されている。これにより、
電源から巻き上げ機4に流れる電流は遮断された状態に
保持されているので、不適正な状態でエレベータ1が運
転されて、かご3が昇降移動するおそれはない。
【0083】かご3が適正な状態で昇降移動している場
合には、緩衝器17はそのストローク(圧縮ストロー
ク)の長さ(量)を、過下降したかご3を止める際の衝
撃を弾性的に緩和して吸収し、かご3を安全に停止させ
ることができる大きさに維持している。
【0084】第1〜第3の各スイッチ25a〜25cか
らは、これらを制御部や電源などに接続するための第1
配線26a、第2配線26b、および第3配線26c
が、それぞれ延出されて設けられている。
【0085】第1配線26aは、第1スイッチ25aか
ら引き出された後、第2支持部材22bの外側縁部に沿
って配設され、第2プランジャ19bの径方向におい
て、第2支持部材22bの第1スイッチ25aが設けら
れている側とは反対側の張り出し部まで延出される。こ
の際、第1配線26aは、弛んで他のスイッチ25b,
25cや各カムブラケット21a〜21cなどに絡まな
いように、留め具としてのインシュロック27を用いて
所定の間隔ごとに第2支持部材22bに保持される。こ
のように、第2プランジャ19bを挟んで第1スイッチ
25aが設けられている側とは反対側の張り出し部まで
延出された第1配線26aは、シリンダ18の外周より
も外側において、ピット15の床16に向けて下ろされ
る。
【0086】同様に、第2配線26bは、第2スイッチ
25bから引き出された後、第3支持部材22cの外側
縁部に沿って配設され、第3プランジャ19cの径方向
において、第3支持部材22cの第2スイッチ25bが
設けられている側とは反対側の張り出し部まで延出され
る。この際、第2配線26bは、弛んで他のスイッチ2
5cや他のカムブラケット21b,21cなどに絡まな
いように、留め具としてのインシュロック27を用いて
所定の間隔ごとに第3支持部材22cに保持される。こ
のように、第3プランジャ19cを挟んで第2スイッチ
25bが設けられている側とは反対側の張り出し部まで
延出された第2配線26bは、シリンダ18の外周より
も外側において、ピット15の床16に向けて下ろされ
る。
【0087】同様に、第3配線26cは、第3スイッチ
25cから引き出された後、シリンダ側支持部材22d
の外側縁部に沿って配設され、シリンダ18の径方向に
おいて、シリンダ側支持部材22dの第3スイッチ25
cが設けられている側とは反対側まで延出される。この
際、第3配線26cは、弛んで図示しない他の装置など
に絡まないように、留め具としてのインシュロック27
を用いて所定の間隔ごとにシリンダ側支持部材22dに
保持される。このように、シリンダ18を挟んで第3ス
イッチ25cが設けられている側とは反対側まで延出さ
れた第3配線26cは、シリンダ18の外周よりも外側
において、ピット15の床16に向けて下される。
【0088】以上説明したように配設された第1〜第3
の各配線26a〜26cは、ピット15の床16付近に
おいて1本に束ねられるなどして、制御部や電源などに
接続される。これにより、第1〜第3の各配線26a〜
26cは、緩衝器本体20の伸縮動作、すなわち、緩衝
器17の作動あるいは非作動に拘らず、他の器具や装置
などと互いに干渉し合って、ショートしたりするなどの
種々のトラブルを引き起こすおそれがない。
【0089】以上説明した構成および構造からなる本実
施形態のエレベータ用複段式緩衝器17によれば、第1
〜第3の各カムブラケット21a〜21cは、第1〜第
3の各プランジャ19a〜19cのそれぞれの突没状態
に応じて、第1〜第3の各スイッチ25a〜25cの通
電状態のオン状態およびオフ状態の切り換え、ならびに
それらの保持を、それぞれ互いに独立に適正な状態で行
うことができる。したがって、このエレベータ用複段式
緩衝器17は、故障が起き難いので信頼性が高いととも
に、安全性も向上できる。ひいては、このエレベータ用
複段式緩衝器17を備えたエレベータ1の信頼性および
安全性も向上できる。また、このエレベータ用複段式緩
衝器17は、第1〜第3の各カムブラケット21a〜2
1cの第1〜第3の各カム部23a〜23cと、第1〜
第3の各ブラケット部24a〜24cとをそれぞれ一体
に形成するとともに、第1〜第3の各カムブラケット2
1a〜21cと第1〜第3の各支持部材22a〜22c
とをそれぞれ一体に形成した構成となっているので、部
品数を削減できる。したがって、このエレベータ用複段
式緩衝器17は、部品代や、その製造作業にかかる労力
や時間を抑制して、コストを低く抑えることができる。
【0090】次に、本発明の第2の実施の形態に係るエ
レベータ用複段式緩衝器31(以下、緩衝器31と略称
する。)を、図3に基づいて説明する。
【0091】この第2実施形態の緩衝器31は、第1〜
第3の各カムブラケット21a〜21cをそれぞれ案内
する第1〜第3の各ガイド部材32a〜32cを備えて
いる点が、前述した第1実施形態のエレベータ用複段式
緩衝器17と異なっており、その他の構成、作用、およ
び効果は同様である。よって、その異なっている部分に
ついて説明するとともに、前述した第1実施形態と同一
の構成部分については同一符号を付してその説明を省略
する。
【0092】本実施形態の緩衝器31には、図3に示す
ように、第2支持部材22b、第3支持部材22c、お
よびシリンダ側支持部材22dに、第1カムブラケット
21a、第2カムブラケット21b、および第3カムブ
ラケット21cのそれぞれを互いに独立に案内する第1
ガイド部材32a、第2ガイド部材32b、および第3
ガイド部材32cがそれぞれ1個ずつ設けられている。
【0093】第1ガイド部材32aは、その取り付け位
置が第2プランジャ19bの頂部と略同等の高さ位置に
おいて、第1スイッチ25aに近接してその略真上に位
置するように、第2支持部材22bの外側縁部に取り付
けられる。この場合、第1スイッチ25aは、第1ガイ
ド部材32aを取り付けるスペース分、前述した第1実
施形態の取り付け位置よりも、第2カムブラケット21
bの長手方向に沿って僅かに下方に下げられてその第2
ブラケット部24bに取り付けられる。第1ガイド部材
32aには、第1カムブラケット21aの第1ブラケッ
ト部24aを、第1プランジャ19aの伸縮動作にとも
なって上下方向に沿って摺動自在に案内するとともに、
第1プランジャ19aの周方向に沿った回転を規制し
て、第1スイッチ25aに接触しているように案内する
図示しないブラケット部ガイド穴が設けられている。第
1カムブラケット21aは、その第1ブラケット部24
aを第1ガイド部材32aのブラケット部ガイド穴に通
されることによって、第1プランジャ19aの伸縮動作
に拘らず、その第1カム部23aあるいは第1ブラケッ
ト部24aの第1スイッチ25aへの接触の精度を高め
られる。
【0094】同様に、第2ガイド部材32bは、その取
り付け位置が第3プランジャ19cの頂部と略同等の高
さ位置において、第2スイッチ25bに近接してその略
真上に位置するように、第3支持部材22cの外側縁部
に取り付けられる。この場合、第2スイッチ25bは、
第2ガイド部材32bを取り付けるスペース分、前述し
た第1実施形態の取り付け位置よりも、第3カムブラケ
ット21cの長手方向に沿って僅かに下方に下げられて
その第3ブラケット部24cに取り付けられる。第2ガ
イド部材32bには、第2カムブラケット21bの第2
ブラケット部24bを、第2プランジャ19bの伸縮動
作にともなって上下方向に沿って摺動自在に案内すると
ともに、第2プランジャ19bの周方向に沿った回転を
規制して、第2スイッチ25bに接触しているように案
内するブラケット部ガイド穴が設けられている。第2カ
ムブラケット21bは、その第2ブラケット部24bを
第2ガイド部材32bのブラケット部ガイド穴に通され
ることによって、第2プランジャ19bの伸縮動作に拘
らず、その第2カム部23bあるいは第2ブラケット部
24bの第2スイッチ25bへの接触の精度を高められ
る。
【0095】同様に、第3ガイド部材32cは、その取
り付け位置がシリンダ18の頂部と略同等の高さ位置に
おいて、第3スイッチ25cに近接してその略真上に位
置するように、シリンダ側支持部材22dの外側縁部に
取り付けられる。この場合、第3スイッチ25cは、第
3ガイド部材32cを取り付けるスペース分、前述した
第1実施形態の取り付け位置よりも、シリンダ18の軸
方向に沿って僅かに下方に下げられてシリンダ側支持部
材22dに取り付けられる。第3ガイド部材32cに
は、第3カムブラケット21cの第3ブラケット部24
cを、第3プランジャ19cの伸縮動作にともなって上
下方向に沿って摺動自在に案内するとともに、第3プラ
ンジャ19cの周方向に沿った回転を規制して、第3ス
イッチ25cに接触しているように案内するブラケット
部ガイド穴が設けられている。第3カムブラケット21
cは、その第3ブラケット部24cを第3ガイド部材3
2cのブラケット部ガイド穴に通されることによって、
第3プランジャ19cの伸縮動作に拘らず、その第3カ
ム部23cあるいは第3ブラケット部24cの第3スイ
ッチ25cへの接触の精度を高められる。
【0096】この第2実施形態の緩衝器31は、以上説
明した点以外は、第1実施形態のエレベータ用複段式緩
衝器17と同じであり、本発明の課題を解決できるのは
もちろんであるが、前述したように、第1〜第3の各カ
ムブラケット21a〜21cのそれぞれの上下方向への
動きを案内するとともに、それぞれの周方向への動きを
規制する第1〜第3の各ガイド部材32a〜32cを備
えているので、以下の点で優れている。
【0097】本実施形態の緩衝器31においては、第1
〜第3の各ガイド部材32a〜32cを設けることによ
り、第1〜第3の各プランジャ19a〜19cの伸縮動
作に拘らず、第1〜第3の各カムブラケット21a〜2
1cの第1〜第3の各スイッチ25a〜25cのそれぞ
れへの接触の精度を向上できる。したがって、第1〜第
3の各スイッチ25a〜25cのそれぞれの通電状態の
切り換え動作およびそれらの保持動作の精度を向上し
て、緩衝器31の信頼性および安全性を向上できる。ひ
いてはこの緩衝器31を備えるエレベータの信頼性およ
び安全性を向上できる。また、第1〜第3の各ガイド部
材32a〜32cが、第1〜第3の各プランジャ19a
〜19cの回転を規制する回転止めの役割も兼ねるた
め、回転止め専用の部材や装置を設ける必要がなく、部
品数を削減できる。したがって、この緩衝器31は、部
品代や、その製造作業にかかる労力や時間を抑制して、
コストを低く抑えることができる。
【0098】次に、本発明の第3の実施の形態に係るエ
レベータ用複段式緩衝器41(以下、緩衝器41と略称
する。)を、図4(a)および(b)に基づいて説明す
る。
【0099】この第3実施形態の緩衝器41は、第1〜
第3の各配線26a〜26cをそれぞれ案内する第1〜
第3の各配線ガイド穴42a〜42cを備えている点
が、前述した第1実施形態のエレベータ用複段式緩衝器
17と異なっており、その他の構成、作用、および効果
は同様である。よって、その異なっている部分について
説明するとともに、前述した第1実施形態と同一の構成
部分については同一符号を付してその説明を省略する。
【0100】本実施形態の緩衝器41には、図4(a)
に示すように、第2支持部材43bおよび第3支持部材
43c、ならびにシリンダ側支持部材43dに、第1〜
第3の各配線26a〜26cをそれぞれ案内する第1〜
第3の各配線ガイド穴42a〜42cがそれぞれ1個ず
つ形成されている。これら第1〜第3の各配線ガイド穴
42a〜42cは、第2支持部材43bおよび第3支持
部材43c、ならびにシリンダ側支持部材43dに、第
1〜第3の各スイッチ25a〜25cに近接して、か
つ、鉛直方向に沿って略一直線上に位置するように設け
られている。
【0101】第3配線ガイド穴42cは、図4(a)お
よび(b)に示すように、シリンダ側支持部材43dの
外側縁部の第3スイッチ25cが取り付けられている部
分とシリンダ18との間において、シリンダ側支持部材
43dをその厚み方向に沿って貫通して、第3スイッチ
25cに近接して設けられる。同様に、第2配線ガイド
穴42bは、第3支持部材43cの外側縁部の第2スイ
ッチ25bが取り付けられている部分と第3プランジャ
19cとの間において、第3支持部材43cをその厚み
方向に沿って貫通して、第2スイッチ25bに近接して
設けられる。この際、第2配線ガイド穴42bは、第3
配線ガイド穴42cの略鉛直上方に位置するように設け
られる。同様に、第1配線ガイド穴42aは、第2支持
部材43bの外側縁部の第1スイッチ25aが取り付け
られている部分と第2プランジャ19bとの間におい
て、第2支持部材43bをその厚み方向に沿って貫通し
て、第1スイッチ25aに近接して設けられる。この
際、第1配線ガイド穴42aは、第2配線ガイド穴42
bおよび第3配線ガイド穴42cの略鉛直上方に位置す
るように設けられる。
【0102】以上説明したように、第1〜第3の各配線
ガイド穴42a〜42cは、第1〜第3の各スイッチ2
5a〜25cに近接して、それらと第2プランジャ19
bおよび第3プランジャ19c、ならびにシリンダ18
との間において鉛直方向に沿って一直線上に位置するよ
うに設けられる。これにより、第1〜第3の各配線26
a〜26cは、第1〜第3の各スイッチ25a〜25c
のそれぞれから近い位置において、鉛直方向に沿って略
一直線上に揃えられるようにピット15の床16に向け
て下される。
【0103】この第3実施形態の緩衝器41は、以上説
明した点以外は、第1実施形態のエレベータ用複段式緩
衝器17と同じであり、本発明の課題を解決できるのは
もちろんであるが、前述したように、第1〜第3の各配
線26a〜26cを、第1〜第3の各スイッチ25a〜
25cのそれぞれに近接した位置において、鉛直方向に
沿って略一直線上に揃えるようにして案内できる第1〜
第3の各配線ガイド穴42a〜42cを備えているの
で、以下の点で優れている。
【0104】本実施形態の緩衝器41においては、第1
〜第3の各配線ガイド穴42a〜42cを設けることに
よって、第1〜第3の各配線26a〜26cの長さを短
くできる。これにより、第1〜第3の各配線26a〜2
6cを適正な状態で容易に保持できるので、それらが他
の器具や装置などと互いに干渉し合って、ショートした
りするなどの種々のトラブルを引き起こすおそれをより
低減できる。したがって、この緩衝器41の信頼性およ
び安全性をより向上できる。ひいてはこの緩衝器31を
備えるエレベータの信頼性および安全性をより向上でき
る。
【0105】また、第1〜第3の各配線26a〜26c
の配線経路を確保するために、専用の配線用部材や装置
などを設ける必要がない。例えば、第2支持部材43b
および第3支持部材43cのそれぞれの、第1スイッチ
25aおよび第2スイッチ25bが取り付けられている
側とは反対側への張り出し部を設ける必要がない。した
がって、この緩衝器41は、第1〜第3の各配線26a
〜26cの配線作業にかかる労力や時間を削減して、作
業効率を向上できるとともに、それらにかかるコストや
部品代も削減して、コストを低く抑えることができる。
また、この緩衝器41は、第1〜第3の各配線26a〜
26cの配線経路を確保するための専用の配線用部材や
装置などを設ける必要がないので、軽量化およびコンパ
クト化できる。これにより、この緩衝器41は、これを
設置する際に空間的制限を受け難く、省スペースで設置
できる。
【0106】次に、本発明の第4の実施の形態に係るエ
レベータ用複段式緩衝器51(以下、緩衝器51と略称
する。)を、図5(a)および(b)に基づいて説明す
る。
【0107】この第4実施形態の緩衝器51は、前述し
た第3実施形態のエレベータ用複段式緩衝器41が備え
ている第1〜第3の各配線ガイド穴42a〜42cに、
さらに低摩擦材52が設けられている点が、前述した第
1実施形態のエレベータ用複段式緩衝器17と異なって
おり、その他の構成、作用、および効果は同様である。
よって、その異なっている部分について説明するととも
に、前述した第1実施形態と同一の構成部分については
同一符号を付してその説明を省略する。
【0108】本実施形態の緩衝器51には、図5(a)
に示すように、第1〜第3の各配線ガイド穴42a〜4
2cに、低摩擦材52がそれぞれ1個ずつ取り付けられ
ている。これら各低摩擦材52は、図5(b)に示すよ
うに、筒部52aと、この筒部52aの一端部から径方
向外側に向けて張り出すように設けられているフランジ
部52bとから構成されている。各低摩擦材52は、例
えば、第1〜第3の各配線ガイド穴42a〜42cに、
それぞれの内周部および上側開口縁部を覆うように、そ
れらの上方から嵌着されて取り付けられる。これによ
り、第1〜第3の各配線ガイド穴42a〜42cは、そ
れぞれの内周部および上側開口縁部などの摩擦抵抗を実
質的に低減できる。ひいては、第1〜第3の各配線26
a〜26cの摩擦抵抗を実質的に低減できる。したがっ
て、第1〜第3の各配線26a〜26cは、例えば第1
〜第3の各プランジャ19a〜19cのそれぞれが伸縮
動作する際に、第1〜第3の各配線ガイド穴42a〜4
2cの内周部および上側開口縁部などに直接擦れたり、
あるいは引っ掛かったりするなどのおそれが殆どない。
各低摩擦材52は、少なくとも第2支持部材43bおよ
び第3支持部材43c、ならびにシリンダ側支持部材4
3dを形成している材料よりも摩擦係数の低い材料によ
って形成される。
【0109】この第4実施形態の緩衝器51は、以上説
明した点以外は、第1実施形態のエレベータ用複段式緩
衝器17と同じであり、本発明の課題を解決できるのは
もちろんであるが、前述したように、第1〜第3の各配
線ガイド穴42a〜42cに、さらに低摩擦材52が設
けられているので、以下の点で優れている。
【0110】本実施形態の緩衝器51においては、第1
〜第3の各配線ガイド穴42a〜42cに、それぞれの
内周部および上側開口縁部を覆うように低摩擦材52を
設けた。これにより、第1〜第3の各配線ガイド穴42
a〜42cの部分における第1〜第3の各配線26a〜
26cのそれぞれの摩擦抵抗を実質的に低減して、第1
〜第3の各プランジャ19a〜19cのそれぞれの伸縮
動作の際に、第1〜第3の各配線26a〜26cをそれ
ぞれ適正な状態に保持しつつ、鉛直方向に沿って円滑に
案内できる。したがって、この緩衝器51の信頼性およ
び安全性をさらに向上できる。ひいてはこの緩衝器51
を備えるエレベータの信頼性および安全性をさらに向上
できる。
【0111】次に、本発明の第5の実施の形態に係るエ
レベータ用複段式緩衝器61(以下、緩衝器61と略称
する。)を、図6(a)〜(c)に基づいて説明する。
【0112】この第5実施形態の緩衝器61は、第1配
線26aおよび第2配線26bが、それぞれ第1配線ガ
イド保護部材62aおよび第1配線ガイド保護部材62
bの内部に収納されている点が、前述した第1実施形態
のエレベータ用複段式緩衝器17と異なっており、その
他の構成、作用、および効果は同様である。よって、そ
の異なっている部分について説明するとともに、前述し
た第1実施形態と同一の構成部分については同一符号を
付してその説明を省略する。
【0113】本実施形態の緩衝器61には、図6(a)
に示すように、第2支持部材43bと第3支持部材43
cとにわたって、それらを上下方向に接続するように第
1配線ガイド保護部材としての第1多段リンク式配線ガ
イド62a(以下、第1配線ガイド62aと称する。)
が設けられている。この第1配線ガイド62aは、その
一端部としての上端部を、第1スイッチ25aと第2プ
ランジャ19bとの間に配置されて第2支持部材43b
に取り付けられる。また、この第1配線ガイド62a
は、その他端部としての下端部を、第2スイッチ25b
と第3プランジャ19cとの間に配置されて第3支持部
材43cに取り付けられる。この際、第1配線ガイド6
2aは、図6(a)および(b)に示すように、緩衝器
本体20が最も伸長した状態において、その正面視が略
J字形状となるように第2支持部材43bおよび第3支
持部材43cに取り付けられる。すなわち、第1配線ガ
イド62aは、その長さが、緩衝器本体20が最も伸長
した状態における第2支持部材43bと第3支持部材4
3cとの間の上下方向の間隔の大きさよりも大きくなる
ように、ゆとりをもたされて第2支持部材43bおよび
第3支持部材43cに取り付けられる。
【0114】第1スイッチ25aから延出された第1配
線26aは、第2支持部材43bに沿って配線された
後、第1配線ガイド62aの内部にその上端から挿入さ
れる。第1配線26aは、第1配線ガイド62aの内部
に収納されるとともに、これに案内されてその下端から
引き出される。第1配線26aは、第1配線ガイド62
aの下端から引き出された後、第2スイッチ25bから
延出された第2配線26bとともに、後述する第2多段
リンク式配線ガイド62bの内部に収納されて、ピット
15の床16に向けて案内される。
【0115】緩衝器61には、図6(a)に示すよう
に、第3支持部材43cとシリンダ側支持部材43dと
にわたって、それらを上下方向に接続するように第2配
線ガイド保護部材としての第2多段リンク式配線ガイド
62b(以下、第2配線ガイド62bと称する。)が設
けられている。この第2配線ガイド62bは、その一端
部としての上端部を、第2スイッチ25bと第3プラン
ジャ19cとの間において、第3支持部材43cに取り
付けられた第1配線ガイド62aの下端部に近接して配
置されて第3支持部材43cに取り付けられる。また、
この第2配線ガイド62bは、その他端部としての下端
部を、第3スイッチ25bとシリンダ18との間に配置
されてシリンダ側支持部材43dに取り付けられる。こ
の際、第2配線ガイド62bは、図6(a)および
(b)に示すように、緩衝器本体20が最も伸長した状
態において、その正面視が略J字形状となるように第3
支持部材43cおよびシリンダ側支持部材43dに取り
付けられる。すなわち、第2配線ガイド62bは、その
長さが、緩衝器本体20が最も伸長した状態における第
3支持部材43cとシリンダ側支持部材43dとの間の
上下方向の間隔の大きさよりも大きくなるように、ゆと
りをもたされて第3支持部材43cおよびシリンダ側支
持部材43dに取り付けられる。
【0116】第2スイッチ25bから延出された第2配
線26bは、第3支持部材43cに沿って配線された
後、第1配線26aとともに、第1配線ガイド62aの
内部にその上端から挿入される。第1配線26aおよび
第2配線26bは、第2配線ガイド62bの内部に収納
されるとともに、これに案内されてその下端から引き出
される。第1配線26aおよび第2配線26bは、第2
配線ガイド62bの下端から引き出され、シリンダ側支
持部材43dに配線された後、ピット15の床16に向
けて下される。
【0117】第1配線ガイド62aおよび第2配線ガイ
ド62bは、図6(c)に示すように、それぞれ内部に
図示しない空洞を有する複数個の駒63が、それらの空
洞が連続して延長するように、かつ、隣接する駒63同
士が所定の範囲内で互いの接続の向きを変えることがで
きるように、いわゆる鎖状に連結されて形成されてい
る。すなわち、第1配線ガイド62aおよび第2配線ガ
イド62bは、複数個の駒63が多段にわたって緩やか
な曲率で湾曲自在にリンクした構造になっている。本実
施形態においては、第1配線ガイド62aおよび第2配
線ガイド62bは、第2プランジャ19bおよび第3プ
ランジャ19cの伸縮動作に応じて、それらの周方向に
沿って円滑に湾曲できるように取り付けられている。
【0118】このような構成および構造、ならびに前述
した第2支持部材43b、第3支持部材43c、および
シリンダ側支持部材43dへの取り付け状態により、第
1配線ガイド62aおよび第2配線ガイド62bは、そ
れらの内部に第1配線26aおよび第2配線26bを収
納して外部から保護しつつ、第2プランジャ19bおよ
び第3プランジャ19cの伸縮動作に応じて緩やかに湾
曲して、第1配線26aおよび第2配線26bに無理な
形状変化などの負担を掛けることなく円滑に案内でき
る。したがって、第2プランジャ19bおよび第3プラ
ンジャ19cが伸縮動作して第1配線26aおよび第2
配線26bが弛んだり、あるいは例えば地震が起きた際
に、第1配線ガイド62aおよび第2配線ガイド62b
が不特定の方向に揺れたりすることなどにより、他の器
具や装置に絡まって種々の配線トラブルを起こすおそれ
を抑制できる。
【0119】この第5実施形態の緩衝器61は、以上説
明した点以外は、第1実施形態のエレベータ用複段式緩
衝器17と同じであり、本発明の課題を解決できるのは
もちろんであるが、前述したように、第1配線26aお
よび第2配線26bを内部に収納して円滑に案内できる
第1配線ガイド62aおよび第2配線ガイド62bを備
えているので、以下の点で優れている。
【0120】本実施形態の緩衝器61においては、第2
プランジャ19bおよび第3プランジャ19cの伸縮動
作とともに上下動する第1配線26aおよび第2配線2
6bを、第2プランジャ19bおよび第3プランジャ1
9cの伸縮動作に応じて、一定の向きに緩やかに湾曲可
能な第1配線ガイド62aおよび第2配線ガイド62b
のそれぞれの内部に収納した。これにより、第1配線ガ
イド62aおよび第2配線ガイド62bは、第1配線2
6aおよび第2配線26bを、第2プランジャ19bお
よび第3プランジャ19cの伸縮動作に拘らず、外部か
ら保護しつつ、無理な負担を掛けることなく円滑に案内
できる。したがって、この緩衝器61は、配線トラブル
を抑制して故障を極めて起き難くし、安全性を極めて向
上できる。ひいてはこの緩衝器61を備えるエレベータ
の信頼性および安全性を極めて向上できる。
【0121】次に、本発明の第6の実施の形態に係るエ
レベータ用複段式緩衝器71(以下、緩衝器71と略称
する。)を、図7(a)〜(c)に基づいて説明する。
【0122】この第6実施形態の緩衝器71は、第1〜
第3の各カムブラケット21a〜21c、および第1〜
第3の各スイッチ25a〜25cが、それぞれシリンダ
18および第1〜第3の各プランジャ19a〜19cご
とに、それらの周方向に沿って位置をずらすように配置
されている点が、前述した第1実施形態のエレベータ用
複段式緩衝器17と異なっており、その他の構成、作
用、および効果は同様である。よって、その異なってい
る部分について説明するとともに、前述した第1実施形
態と同一の構成部分については同一符号を付してその説
明を省略する。
【0123】本実施形態の緩衝器71は、図7(a)に
示すように、第1〜第3の各スイッチ25a〜25c
が、それぞれ第2支持部材22b、第3支持部材22
c、およびシリンダ側支持部材22dに対して、第1〜
第3の各スイッチブラケット72a〜72cを介して取
り付けられている。第1〜第3の各スイッチ25a〜2
5cは、図7(b)および(c)に示すように、それぞ
れ第2プランジャ19b、第3プランジャ19c、およ
びシリンダ18ごとに、緩衝器本体20の周方向に沿っ
て位置をずらされて取り付けられている。この際、第1
〜第3の各スイッチ25a〜25cは、図7(a)〜
(c)に示すように、それぞれシリンダ18の外周部か
らその径方向外側への張り出しの大きさが略同等となる
ように配置されて、第2支持部材22b、第3支持部材
22c、およびシリンダ側支持部材22dに取り付けら
れている。本実施形態においては、第1〜第3の各スイ
ッチ25a〜25cの、シリンダ18の外周部からその
径方向外側への張り出しの大きさは、シリンダ側支持部
材22dに取り付けられている第3スイッチ25cの張
り出しの大きさと略同等に設定されている。
【0124】また、第1〜第3の各カムブラケット21
a〜21cは、それぞれ第1〜第3の各プランジャ19
a〜19cの伸縮動作に応じて、第1〜第3の各スイッ
チ25a〜25cの通電状態の切り換え動作およびそれ
らの状態の保持ができるように配置されて、第1〜第3
の各支持部材22a〜22cに取り付けられている。す
なわち、第1〜第3の各カムブラケット21a〜21c
は、それぞれ第1〜第3の各スイッチ25a〜25cに
対応するように、第1〜第3の各プランジャ19a〜1
9cごとに、それぞれ緩衝器本体20の周方向に沿って
位置をずらされて、かつ、それぞれシリンダ18の外周
部からその径方向外側への張り出しの大きさが略同等と
なるように配置されて、第1〜第3の各支持部材22a
〜22cに取り付けられている。本実施形態において
は、第1〜第3の各カムブラケット21a〜21cの、
シリンダ18の外周部からその径方向外側への張り出し
の大きさは、第3支持部材22cに取り付けられて第3
スイッチ25cを作動させる第3カムブラケット21c
の張り出しの大きさと略同等に設定されている。
【0125】この第6実施形態の緩衝器71は、以上説
明した点以外は、第1実施形態のエレベータ用複段式緩
衝器17と同じであり、本発明の課題を解決できるのは
もちろんであるが、前述したように、第1〜第3の各カ
ムブラケット21a〜21c、および第1〜第3の各ス
イッチ25a〜25cが、それぞれシリンダ18および
第1〜第3の各プランジャ19a〜19cごとに、それ
らの周方向に沿って位置をずらされて配置されているの
で、以下の点で優れている。
【0126】本実施形態の緩衝器71においては、第1
〜第3の各カムブラケット21a〜21c、および第1
〜第3の各スイッチ25a〜25cを、それぞれシリン
ダ18および第1〜第3の各プランジャ19a〜19c
ごとに、それらの周方向に沿って位置をずらして配置し
た。これにより、第1〜第3の各カムブラケット21a
〜21c、および第1〜第3の各スイッチ25a〜25
cのシリンダ18の外周部からその径方向外側への張り
出しの大きさを、前述した第1実施形態において最も内
側に配置されている第3スイッチ25cおよびこれを作
動させる第3カムブラケット21cの張り出しの大きさ
と略同等となるように設定できる。したがって、この緩
衝器71は、第1〜第3の各カムブラケット21a〜2
1c、および第1〜第3の各スイッチ25a〜25c
の、シリンダ18の外周部からその径方向外側への張り
出しの大きさを抑制してコンパクト化できるので、設置
場所の空間的制限を受け難く、省スペースで設置可能で
ある。ひいてはこの緩衝器71を備えるエレベータをコ
ンパクト化して、省スペースで設置可能にできる。
【0127】次に、本発明の第7の実施の形態に係るエ
レベータ用複段式緩衝器81(以下、緩衝器81と略称
する。)を、図8(a)および(b)に基づいて説明す
る。
【0128】この第7実施形態の緩衝器81は、これが
備える第1〜第3の各スイッチ82a〜82cの構造、
およびそれらを作動させる第1〜第3の各カムブラケッ
ト83a〜83cの形状が、前述した第1実施形態のエ
レベータ用複段式緩衝器17が備える第1〜第3の各ス
イッチ25a〜25cの構造、および第1〜第3の各カ
ムブラケット21a〜21cの形状と異なっており、そ
の他の構成、作用、および効果は同様である。よって、
その異なっている部分について説明するとともに、前述
した第1実施形態と同一の構成部分については同一符号
を付してその説明を省略する。
【0129】本実施形態の緩衝器81は、図8(a)に
示すように、第1〜第3の各カムブラケット83a〜8
3cが、それらの第1〜第3の各支持部材22a〜22
cへの接続部分から、第1〜第3の各ブラケット部84
a〜84c、およびそれらの先端部に設けられている第
1〜第3の各カム部85a〜85cにかけて、略一直線
状に形成されている。第1〜第3の各カムブラケット8
3a〜83cは、第1〜第3の各スイッチ82a〜82
cに、それらの側方から作用するように構成されてい
る。具体的に説明すると、第1〜第3の各カムブラケッ
ト83a〜83cは、図8(b)に示すように、第1〜
第3の各カム部85a〜85cの第1〜第3の各スイッ
チ82a〜82cに接する部分が、第1〜第3の各プラ
ンジャ19a〜19cが下方に向けて動く際に、第1〜
第3の各スイッチ82a〜82cを緩衝器本体20の周
方向に沿って一方の向きに押すことができるように、テ
ーパをつけられて形成されている。また、第1〜第3の
各スイッチ82a〜82cも、第1〜第3の各プランジ
ャ19a〜19cの伸縮動作に伴う第1〜第3の各カム
ブラケット83a〜83cの上下動によって、緩衝器本
体20の周方向に沿って一方の向きに押されたり、ある
いは元の位置まで突出したりして、それらの通電状態の
切り換えおよび保持が行われるように構成されている。
【0130】この第7実施形態の緩衝器81は、以上説
明した点以外は、第1実施形態のエレベータ用複段式緩
衝器17と同じであり、本発明の課題を解決できるのは
もちろんであるが、前述したように、第1〜第3の各ス
イッチ82a〜82cの通電状態の切り換えおよび保持
が、緩衝器本体20の周方向に沿った動作により行われ
るように構成されているので、以下の点で優れている。
【0131】本実施形態の緩衝器81においては、第1
〜第3の各スイッチ82a〜82cの通電状態の切り換
えおよび保持を、緩衝器本体20の周方向に沿った動作
により行うことができる構成とした。これにより、この
緩衝器81の第1〜第3の各スイッチ82a〜82cの
緩衝器本体20の径方向外側への突出部分を小さくでき
るとともに、第1〜第3の各スイッチ82a〜82cの
通電状態の切り換えを行う、第1〜第3の第1〜第3の
各カムブラケット83a〜83cの各カム部85a〜8
5cの緩衝器本体20の径方向外側への突出部分を小さ
くできる。したがって、この緩衝器71は、全体として
緩衝器本体20の径方向外側への突出部分を小さくして
コンパクト化できるので、設置場所の空間的制限を受け
難く、省スペースで設置可能である。ひいてはこの緩衝
器81を備えるエレベータをコンパクト化して、省スペ
ースで設置可能にできる。
【0132】なお、本発明に係るエレベータ用複段式緩
衝器(以下、緩衝器と略称する。)は、前述した第1〜
第7の実施の形態には制約されない。例えば、緩衝器が
有する付勢手段(衝撃緩衝手段)は油ではなく、例え
ば、ばねでも構わない。あるいは油とばねとを併用した
構成としても構わない。また、緩衝器が備えるプランジ
ャの段数は3段に限るものではなく、かごの大きさや重
さなどに応じて、かごが過下降した際に、その衝撃を緩
衝して安全に受け止めることができる段数に設定すれば
よい。また、各支持部材と各カムブラケットとは、一体
型ではなく、個別に形成したもの同士をボルトおよびナ
ットなどにより接続する構成しても構わない。同様に、
各カムブラケットの各ブラケット部と各カム部とも、一
体型ではなく、個別に形成したもの同士をボルトおよび
ナットなどにより接続する構成としても構わない。ま
た、第4実施形態の緩衝器において、各配線ガイド穴に
低摩擦材を設ける代わりに、各配線ガイド穴の内周部お
よび上側開口縁部を低摩擦材でコーティングしても構わ
ない。また、各実施形態の緩衝器が備える部品をそれぞ
れ組み合わせて使用しても構わない。例えば、第4実施
形態の緩衝器51に、第2実施形態の緩衝器31が有し
ている第1〜第3の各ガイド部材32a〜32cを取り
付けても構わない。あるいは、第6実施形態の緩衝器7
1に、第5実施形態の緩衝器61が有している多段リン
ク式配線ガイド(配線ガイド保護部材)を取り付けても
構わない。さらに、本発明に係る緩衝器は、ビルなどの
大型建築物のみならず、一般家庭用のエレベータにも適
用できる。特に、第3〜第7実施形態の緩衝器41〜8
1は、コンパクト設計であり、省スペースで設置できる
ので、一般家庭用のエレベータに適している。
【0133】
【発明の効果】請求項1〜6に記載の発明に係るエレベ
ータ用複段式緩衝器によれば、各段のプランジャの伸縮
状態に拘らず、スイッチ切り換え部材とエレベータ用昇
降路の下部とが互いに干渉し合うおそれをなくして、各
スイッチを適正に作動させることができるので、故障を
起き難くして、安全性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るエレベータ用
複段式緩衝器を備えたエレベータを簡略して示す側面
図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るエレベータ用
複段式緩衝器を簡略して示す側面図。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るエレベータ用
複段式緩衝器を簡略して示す側面図。
【図4】(a)は、本発明の第3の実施の形態に係るエ
レベータ用複段式緩衝器を簡略して示す側面図。(b)
は、図4(a)のエレベータ用複段式緩衝器が備える配
線ガイド穴の付近を拡大して示す側面図。
【図5】(a)は、本発明の第4の実施の形態に係るエ
レベータ用複段式緩衝器を簡略して示す側面図。(b)
は、図5(a)のエレベータ用複段式緩衝器が備える低
摩擦材が設けられた配線ガイド穴の付近を拡大して示す
側面図。
【図6】(a)は、本発明の第5の実施の形態に係るエ
レベータ用複段式緩衝器を簡略して示す側面図。(b)
は、図6(a)のエレベータ用複段式緩衝器が備える多
段リンク式配線ガイドの各支持部材への取り付け状態を
示す正面図。(c)は、図6(a)のエレベータ用複段
式緩衝器が備える多段リンク式配線ガイドの構成を拡大
して示す正面図。
【図7】(a)は、本発明の第6の実施の形態に係るエ
レベータ用複段式緩衝器を簡略して示す側面図。(b)
は、図7(a)のエレベータ用複段式緩衝器を示す平面
図。(c)は、図7(a)のエレベータ用複段式緩衝器
の外周部を拡大して示す平面図。
【図8】(a)は、本発明の第7の実施の形態に係るエ
レベータ用複段式緩衝器を簡略して示す側面図。(b)
は、図8(a)のエレベータ用複段式緩衝器が備える各
カムブラケットの各カム部と各スイッチとの接触状態を
示す正面図。
【図9】スイッチ切り換え部材を剛体のカムとした従来
の技術に係る1段テレスコピック型エレベータ用複段式
緩衝器を簡略して示す側面図。
【図10】スイッチ切り換え部材を紐状部材とした従来
の技術に係る1段テレスコピック型エレベータ用複段式
緩衝器を簡略して示す側面図。
【符号の説明】
17,31,41,51,61,71,81…エレベー
タ用複段式緩衝器 18…シリンダ 19…プランジャ 19a…第1プランジャ 19b…第2プランジャ 19c…第3プランジャ 22a,32a…第1支持部材 22b,32b,43b…第2支持部材 22c,32c,43c…第3支持部材 22d,43d…シリンダ側支持部材 25a,82a…第1スイッチ 25b,82b…第2スイッチ 25c,82c…第3スイッチ 26a…第1配線 26b…第2配線 26c…第3配線 42a…第1配線ガイド穴 42b…第2配線ガイド穴 42c…第3配線ガイド穴 52…低摩擦材 62a…第1多段リンク式配線ガイド(第1配線ガイド
保護部材) 62b…第2多段リンク式配線ガイド(第2配線ガイド
保護部材)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダと、このシリンダに対してその
    上方に複数段に伸縮動作可能に突出する複数個のプラン
    ジャと、これら各プランジャを上方に向かって弾性的に
    付勢する付勢手段とを備えるエレベータ用複段式緩衝器
    において、 前記各段のプランジャに個々にスイッチ切り換え部材を
    設けるとともに、上から2段目以下の前記各プランジャ
    および前記シリンダに、前記各スイッチ切り換え部材に
    対応するスイッチをそれぞれ設け、前記各段のプランジ
    ャが伸縮動作する際に、前記各スイッチ切り換え部材を
    介してそれらに対応する前記各スイッチを作動させ、こ
    れら各スイッチの作動により前記各段のプランジャの伸
    縮動作を検出することを特徴とするエレベータ用複段式
    緩衝器。
  2. 【請求項2】 前記各スイッチ切り換え部材に対して
    は、それら各スイッチ切り換え部材の上下の動きを案内
    し、かつ前記各プランジャの周方向への動きを規制する
    ガイド部材がそれぞれ設けられていることを特徴とする
    請求項1に記載のエレベータ用複段式緩衝器。
  3. 【請求項3】 前記各スイッチは、それぞれ支持部材を
    介して支持され、これら各支持部材に、前記各スイッチ
    に接続されている配線を案内する配線ガイド穴が形成さ
    れていることを特徴とする請求項1または2に記載のエ
    レベータ用複段式緩衝器。
  4. 【請求項4】 前記各配線ガイド穴には、低摩擦材が設
    けられていることを特徴とする請求項3に記載のエレベ
    ータ用複段式緩衝器。
  5. 【請求項5】 前記スイッチに接続されている前記配線
    が、湾曲自在な配線ガイド保護部材内に収納されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータ
    用複段式緩衝器。
  6. 【請求項6】 前記各スイッチおよび前記各スイッチ切
    り換え部材は、前記シリンダおよび前記各プランジャご
    とに、それらの周方向に沿って位置をずらすように配置
    されていることを特徴とする請求項1〜5のうちのいず
    れか1項に記載のエレベータ用複段式緩衝器。
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