JP2002224019A - 内視鏡装置と内視鏡湾曲管部の外皮の製造方法 - Google Patents

内視鏡装置と内視鏡湾曲管部の外皮の製造方法

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JP2002224019A JP2001022108A JP2001022108A JP2002224019A JP 2002224019 A JP2002224019 A JP 2002224019A JP 2001022108 A JP2001022108 A JP 2001022108A JP 2001022108 A JP2001022108 A JP 2001022108A JP 2002224019 A JP2002224019 A JP 2002224019A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 湾曲管部の外皮の内周面と湾曲駒あるいはブ
レードとの間の貼り付きを防止し、並びにこれらの間に
塗布される潤滑剤をよく保持させることができる内視鏡
装置を提供する。 【解決手段】 管腔内に挿入される挿入部2に湾曲操作
可能な湾曲管部5を有する内視鏡1を備え、この湾曲管
部5の外周面にチューブ状の外皮10が配設された内視
鏡装置において、前記外皮10の内周面に前記湾曲管部
5への貼り付きを防止するように微細な凹凸を形成した
貼り付き防止処理面10aを設けた。また、この貼り付
き防止処理面10aの表面粗さRyは、3ないし50μ
mとなる範囲に設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、医療用に
用いられている内視鏡装置、および内視鏡湾曲管部の外
皮の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に軟性の内視鏡には、例えば医療に
おいて、体腔内に挿入される可撓性の挿入部の一部に、
湾曲可能な湾曲管部が配設されている。この種の内視鏡
の湾曲管部には、湾曲可能な管状体である湾曲駒が挿入
部の軸方向に複数個並設され、それぞれの湾曲駒の間に
接続ピンを介して回動自在に連結されている。さらに、
これら湾曲駒の連結体の外周面上には、金網等によって
形成された網管であるブレードが配設されている場合も
あるが、その外周面にはブレードの有無に関わらず、外
皮が被覆されている。また、湾曲駒、あるいはブレード
を被覆する場合の外径に対して、湾曲管部に装着される
外皮の内径は小さく、装着後の弛みを防止するようにな
っている。
【0003】また、内視鏡の湾曲管部に用いられている
チューブ状の外皮の性能は、極力低硬度で、湾曲による
伸縮が繰り返される中でもこれら湾曲駒の連結体あるい
はブレードに貼り付くことなく摺動することが要求され
る。さらに、この外皮は、それ自身の内周面の摩擦抵抗
が小さいことが要求される。これに加えて、この外皮の
内周面に潤滑剤が塗布されたときの摩擦抵抗が小さいこ
とが要求され、この外皮が摺動のような連続運動を行っ
ても、潤滑剤がこの外皮の内周面に保持されることが要
求される。このような外皮は、一般的には縦型の金型で
同時に複数個形成されることが多く、エラストマーのよ
うな低硬度のゴム材で成形されている。
【0004】このような外皮に関する従来技術として
は、特許第2661097号公報に記載されている。こ
れは、金型の内面を粗して梨地にし、外皮の外面に微細
な凹凸を形成して低硬度のゴムの表面を滑り面として被
観察体への挿入性を向上させ、この外面の粘着感を減少
させたものである。この湾曲管部の外皮は、内面に梨地
を設けた上型と下型との間にゴム材をコアピンに巻きつ
けた状態で配設され、これら上型と下型とを挟み込んで
加圧、および加熱することによって成形されている。さ
らに、この金型のコアピンの表面は、平滑あるいは鏡面
状となっているので、外皮の内周面は、平滑あるいは鏡
面状となっている。
【0005】また、外皮の内面に塗布され、この外皮と
湾曲駒もしくはブレードとの間の摩擦抵抗を減少させる
潤滑剤としては、従来から二硫化モリブデンのような硫
化物系の潤滑剤が使用されている。
【0006】ところで、例えば外科手術に用いられる内
視鏡には、洗滌シースが組み合わされて用いられること
がある。この洗滌シースは、内視鏡の対物レンズの汚れ
による視野の減少を防止するものである。例えば、この
挿入部の先端部にエラストマーで成形された軟性部が配
設され、この軟性部の先端に先端部が設けられている場
合、内視鏡の湾曲管部の外皮には、洗滌シースの弾性材
である軟性部の部分が接する。そして、この洗滌シース
の使用時には、外科手術前に内視鏡の外側に装着され、
手術後には取り外されるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の外皮は、低硬度のエラストマーからなり、表面が平滑
あるいは鏡面である。そして、これら湾曲管部の外径、
あるいは湾曲管部の上にブレードを被覆した場合の外径
に対して組み合わされる外皮の内径は、この外皮の装着
後の弛みを防止するように、小さく成形されていること
が多いので、このような内視鏡を操作し、湾曲管部を動
作させていると、湾曲駒あるいはブレードと湾曲管部の
外皮とが貼り付いて、これらが互いに摺動し難くなるこ
とがある。また、湾曲管部に貼り付いた状態で動作させ
る場合、例えば隣り合った湾曲駒の隙間にこの外皮が落
ち込んで、外皮の肉部が挟まれることがあり、この外皮
が引き裂かれることに繋がる恐れがある。
【0008】また、内視鏡を過酸化物系滅菌や高圧高温
水蒸気滅菌させる場合には、亜流酸や硫酸を発生して酸
化劣化を引き起こし、他の材料を腐食させ得る。さら
に、潤滑剤、例えば窒化硼素は、例えば二硫化モリブデ
ンに比べて外皮の内周面と湾曲駒あるいはブレード表面
との付着性が劣るので、連続使用している間に潤滑剤が
これらの間から剥離して潤滑効果が低下し、摺動抵抗が
大きくなり得る。
【0009】さらに、この外皮を金型を用いて成形する
際に、従来のような平滑あるいは鏡面のコアピンを用い
ると、キャビティとコアピンとの間にエラストマーが加
圧充填され、加硫された後、この外皮はコアピンとキャ
ビティとに貼り付いており、この金型を型開きするとき
には、この外皮をコアピンとキャビティとから剥離させ
難くなっている。そのため、キャビティの内面とコアピ
ンの表面とによって引っ張られ、外皮が引き裂かれるこ
とがある。あるいは、型開きが出来たとしても、この外
皮がコアピンと強力に貼り付いているため、コアピンか
ら剥離させ難い。さらに、この外皮は概して薄肉である
ため、小さな外力で裂けることがあり、歩留まりを悪化
させることとなっている。このような外皮の生産性は、
特許第2661097号公報に記載されているような金
型のキャビティ側を梨地にすることによっても、外皮と
コアピンとの間の貼り付きを改善することはできない。
【0010】さらに、金型のメインテナンスにおいて、
特許第2661097号公報のように金型のキャビティ
側を梨地にした場合には、成形を繰り返し行って梨地の
凹凸が減少した場合、例えば再度ショットブラストなど
のブラスト処理を行うと、外径が拡大していく傾向にな
り得る。このため、一定の寸法を維持して外皮を製造し
ていくことには適していない。キャビティ側の交換を考
えると金型の製作期間を要し、また費用も多くかかる事
は容易に考えられる。
【0011】さらに、内視鏡に外装されるシースをこの
内視鏡に外装したときには、シースの軟性部と内視鏡の
湾曲管部の外皮とが接することとなる。軟性部、湾曲管
部の外皮ともにエラストマーで成形されているため、両
者は互いに貼り付きやすく、シースを取り外すことが困
難になり得、シースを破損することがある。
【0012】本発明はこのような課題に着目してなされ
たものであり、その目的とするところは、外皮およびシ
ース製造時の金型からの剥離性を良くして外皮およびシ
ースの歩留まりを向上させることができ、湾曲管部の外
皮の内周面と湾曲駒あるいはブレードとの間の貼り付き
を防止し、あるいはシースの軟性部の内周面と湾曲管部
の外皮の外表面との間の貼り付きを防止し、並びにこれ
らの間に塗布される潤滑剤をよく保持させることができ
る内視鏡装置、および内視鏡湾曲管部の外皮の製造方法
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、管腔内に挿入される挿入部に湾曲操作可能な湾曲管
部を有する内視鏡を備え、前記湾曲管部の外周面にチュ
ーブ状の外皮が配設された内視鏡装置において、前記外
皮の内周面に前記湾曲管部への貼り付きを防止する微細
な凹凸を形成した貼り付き防止処理面を設けたことを特
徴とする。
【0014】このような構成とすることにより、前記外
皮の内周面には凹凸が形成され、前記管状体に外皮を装
着した場合、これら管状体と外皮との間に隙間を生じ、
これらが互いに貼り付き難くなる。
【0015】また、前記貼り付き防止処理面は、前記凹
凸の表面粗さRyを3ないし50μmの範囲に設定した
ことを特徴とする。
【0016】このような構成とすることにより、前記外
皮生産時の金型のコアピンとこの外皮の内周面との貼り
付き性が低下するので、この外皮を金型から剥離させや
すくなる。
【0017】さらに、上記課題を解決するために、管腔
内に挿入される挿入部に湾曲操作可能な湾曲管部を有す
る内視鏡と、この内視鏡の挿入部に着脱自在に外装組付
け可能で、少なくとも前記内視鏡の湾曲管部に対応した
部分に屈曲可能な軟性部が配設されたシースとを具備す
る内視鏡装置において、前記シースの軟性部の内周面に
前記湾曲管部への貼り付きを防止する微細な凹凸を形成
した貼り付き防止処理面を設けたことを特徴とする。
【0018】このような構成とすることにより、前記シ
ースの内周面には凹凸が形成され、前記内視鏡の挿入部
にシースを外装した場合、この挿入部とシースとの間に
隙間を生じ、これらが互いに貼り付き難くなる。
【0019】さらに、上記課題を解決するために、内視
鏡湾曲管部のチューブ状の外皮の製造方法は、内視鏡湾
曲管部の外皮チューブを成形する金型のコアピンの表面
を、ブラスト処理、あるいは化学的な処理で粗して微細
な凹凸の形成面を成形する表面処理工程と、前記金型を
前記外皮の成形に用い、前記外皮の内周面に前記凹凸の
形成面を転写する外皮成形工程とを具備したことを特徴
とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態について説明する。まず、図1ないし7を
用いて第1の実施の形態について説明する。
【0021】一般的な内視鏡1は、図1に示されてい
る。この内視鏡1は、例えば体腔のような管腔内に挿入
するため、細長で軟性の挿入部2と、この挿入部2の基
端に接続された操作部3とを有する。そして、この挿入
部2は、細長く、可撓性を有する可撓管部4と、この可
撓管部4の先端に接続された湾曲管部5と、この湾曲管
部5の先端に接続された先端部6とによって構成されて
いる。また、湾曲管部5および先端部6の断面は、図2
に示されている。この湾曲管部5は、管状となっている
複数の湾曲駒7がそれぞれ回動可能に接続され、これら
湾曲駒7の外周には、金網などによって形成された網管
であるブレード8が設けられ、さらに、潤滑剤9が塗布
された後、このブレード8の外周には、外皮10が設け
られている。また、操作部3には、内視鏡1の湾曲操作
を行う操作ノブ3aが設けられている。
【0022】この外皮10を成形するための成形機11
は、図3に示されている。この成形機11は、外皮10
の金型12と、この金型に圧力を与える油圧シリンダ1
3と、この金型12に熱を与えるヒーター14,15と
を備え、油圧シリンダ13の上昇によってこの金型12
に型締め圧力を与え、ヒーター14,15で加熱して成
形されている。また、この金型12の断面は、図4ない
し6に示されている。図4に示されているように、この
金型12は、この金型12の上蓋の役割をするポット型
16と、上型17と、外皮が形成される本型18と、下
蓋の役割をする下型19とを有する。また、この本型1
8には、複数のキャビティ18aが備えられている。さ
らに、下型19は、複数のコアピン20を保持するよう
に設けられている。これらコアピン20の表面は、表面
処理、例えばショットブラストのようなブラスト処理に
よって、表面粗さRyが10μmとなるように処理され
ている。
【0023】金型12のポット型16を開いて、外皮1
0形成材であるエラストマー21がこのポット型16と
上型17との間に挿入された状態は、図5に示されてい
る。また、このポット型16が加圧された状態は、図6
に示されている。図中、矢印方向に型締め圧力が与えら
れることによって、このエラストマー21は、ポット型
16によって押圧され、スプルー22、ランナー23を
通り、さらにゲート24を経て、本型18とコアピン2
0との間のキャビティ18aに注入される。このような
エラストマー21は、所定時間型締め圧力、並びに与え
られた温度が保たれることによって外皮10が成形さ
れ、加硫される。
【0024】このように加硫された後、金型12を開い
て、キャビティ18aあるいはコアピン20から取り外
された湾曲管部の外皮10は、図7に示されている。こ
の時点で、この外皮10の内周面には、10μmの表面
粗さRyを有する凹凸が転写されている。即ち、この外
皮10の内周面には、他の部材との貼り付きを防止する
貼り付き防止処理面(以下、処理面という)10aが設
けられている。この外皮10は、その後2次加硫され、
エラストマー21中の余分な成分を分解除去する。この
ようにして、内周面が処理面10aである湾曲管部5の
外皮10が製造される。
【0025】以下の表1には、従来の平滑あるいは鏡面
の内周面を有する湾曲管部の外皮と、本実施の形態によ
る内周面が処理面10aである外皮10との間の部品単
体での摺動性を比較した結果が示されている。
【0026】
【表1】
【0027】試験は、表面性試験機(例えば、HEID
ONトライボギアTYPE22H)を用いて、垂直荷重
100g、移動速度100mm/分で切り裂いた外皮1
0を平面圧子(図示せず)で挟み、ブレード8を想定し
た厚さ1mmのステンレス板(図示せず)との間の摩擦
係数μを50往復させた時の値で比較した。表1に示さ
れているように、内周面が処理面10aである外皮10
は、従来の外皮に比べて摩擦係数μが低く、摺動性が良
いことがわかる。
【0028】次に、このような外皮10を湾曲管部5に
装着し、内視鏡1の操作部3を操作して湾曲管部5を動
作させたときの外皮10と湾曲駒7もしくはブレード8
との間の潤滑剤9の保持性について説明する。図1に示
されているように、この内視鏡1は、操作部3の操作ノ
ブ3aを操作することによって湾曲管部5と先端部6と
を動作させることができる。図中、θは、先端部6を
ニュートラルな位置から上方に最大に湾曲させたときの
上最大湾曲角度であり、また、θは、先端部6をニュ
ートラルな位置から下方に最大に湾曲させたときの下最
大湾曲角度である。また、図中、αは、湾曲角度が0の
ニュートラル位置であり、βは、湾曲管部5をニュート
ラル位置から上方に最大に湾曲させたときの上最大湾曲
位置であり、さらに、γは、湾曲管部5をニュートラル
位置から下方に最大に湾曲させたときの下最大湾曲位置
である。湾曲管部5の外皮に従来の製品を用いると、内
視鏡1の湾曲操作を繰り返し行った場合、これら上最大
湾曲角度θと下最大湾曲角度θとは次第に減少す
る。このような角度の減少は、例えば、医療における手
術者の視野の減少を引き起こし得る。本実施の形態で
は、これら角度θおよびθの減少幅が小さく、手術
者に十分な視野を提供することができる。このように、
外皮の内周面の状態は、内視鏡1の操作性に大きな影響
を及ぼす。
【0029】また、内視鏡の規格においては、上最大湾
曲角度θおよび下最大湾曲角度θ とも、150度を
越えることが求められている。以下の表2には、外皮1
0と湾曲駒7もしくはブレード8との間の潤滑剤9とし
てカーボングラファイトを用いて湾曲操作を300回繰
り返した後の上最大湾曲角度θおよび下最大湾曲角度
θを外皮の内周面状態ごと(平滑な内周面を有する従
来の外皮、および内周面が処理面10aである外皮1
0)について調べた結果が示されている。ここでいう1
回繰り返しとは、この内視鏡1の先端部6をニュートラ
ル位置αからβ、βからα、αからγ、γからαに移動
させる一連の湾曲操作のことをいう。即ち、300回繰
り返したとは、このような操作を300回行ったという
ことである。なお、この試験開始時(1回繰り返したと
き)の上最大角度θおよび下最大角度θは170度
であった。
【0030】
【表2】
【0031】表2に示されている結果のように、内周面
が処理面10aである本実施の形態の外皮10が規格の
角度150度を上回ったのに対し、平滑な内周面を有す
る従来の外皮は150度を下回った。また、この湾曲操
作を300回繰り返した内視鏡1の先端部6を分解し
て、外皮10に付着している潤滑剤9の付着状態を観察
したところ、従来の外皮では、この内周面にほとんど付
着していなかったのに対し、内周面が処理面10aであ
る外皮10では潤滑剤9の付着の残留が良好であった。
この結果からも潤滑剤9の保持性は、内周面が処理面1
0aである外皮10で良好であることがわかる。また、
このように潤滑剤9の保持性が良好なので、これらの間
の摺動性も従来の外皮に比較して良好である。
【0032】ここでは、金型のコアピンの表面を粗くす
る手段としてブラスト処理を用いたが、化学的な処理を
行ってコアピンの表面を粗くしてもよい。また、外皮1
0の内周面の処理面10aの表面粗さRyが10μmと
なるように処理したが、この表面粗さRyは、3ないし
50μmとなるように処理することが好ましい。この表
面粗さRyが50μmを越えると、この外皮の肉厚を
0.05mm程度減らすこととなり、引き裂きに対して
弱くなる傾向を有する。一方、表面粗さRyが3μm未
満の場合には、十分な凹凸が外皮の内周面に転写され
ず、この外皮の内周面と湾曲駒もしくはブレードとの間
の貼り付きを防止することができない。
【0033】さらに、湾曲管部の外皮の製造時に、この
外皮を剥離させた場合の外皮が破損する割合を調べた結
果を以下に記す。
【0034】この対象とした外皮は、内径が2mmで肉
厚が0.2mm、長さが60mmのもので、肉厚が薄い
ことから引き裂きによる破損が起こりやすい物である。
ここでは、表面粗さRyを10μmとした。従来の内周
面が平滑な外皮は100本中、18本が破損したのに対
して、内周面が処理面10aである外皮は100本中、
8本の破損と、破損の発生率が減少した。このように、
本実施の形態では、コアピンから容易に剥離させること
ができることによって、外皮の破損発生率を大きく減少
させる効果がある。
【0035】次に、図8を用いて第2の実施の形態につ
いて説明する。
【0036】図8は、例えば湾曲付き硬性電子内視鏡3
0(以下、内視鏡という)の挿入部31に着脱自在に外
装可能で、内視鏡の湾曲部に対応した部分が屈曲可能な
軟性部で構成された、内周面に微小な凹凸を有するシー
ス32について示されている。ここで、内視鏡30は、
細長の挿入部31と、この挿入部31の基端に接続され
た操作部33とを有する。また、この挿入部31の先端
には、湾曲管部34と、この湾曲管部34の先端に接続
された先端部35とが配設されている。また、シース3
2は、シース挿入部36と、このシース挿入部36の基
端に接続された本体37とをする。このシース挿入部3
6は、先端に軟性部38を有し、さらにこの軟性部38
の先端に先端部39を有する。この軟性部38をエラス
トマーで成形する場合も、上記実施の形態と同様に、金
型のコアピンを例えばショットブラストのようなブラス
ト処理、あるいは化学的な処理で表面を粗くして、例え
ば10μmのように微細な凹凸を備え、この凹凸を軟性
部38に転写している。即ち、この軟性部38の内周面
には、他の部材との貼り付きを防止する貼り付き防止処
理面(以下、処理面という)が設けられている。
【0037】図8中の矢印のように、このシース32を
内視鏡30に外装すると、このシース挿入部36は、内
視鏡30の挿入部31と重なり、本体37は操作部33
と重なるように装着される。シース挿入部36の先端部
39は、内視鏡30の先端部35と重なるように装着さ
れ、シース挿入部36の軟性部38は、内視鏡30の湾
曲管部34、および先端部35と重なるように装着され
る。
【0038】この内視鏡30とシース32との間の着脱
性を比較するために、シース32の軟性部38に従来の
平滑な内周面を有するシースを使用した場合と、内周面
が処理面であるシース32(Ry10μm)を使用した
場合とで、それぞれ50回の着脱試験を行った。その結
果、従来のシースが15回で貼り付いてシースが破損し
たのに対し、内周面が処理面であるシース32を装着し
た場合は、50回でも貼り付かなかった。この結果か
ら、内周面が処理面であるシース32は、従来のシース
と比較して内視鏡30の挿入部31との間の摺動性が良
好であることがわかる。
【0039】また、シース32の内周面の処理面の表面
粗さRyは10μmとなるように処理したが、この表面
粗さRyは、3ないし50μmとなるように処理するこ
とが好ましい。この表面粗さが50μmを越えると、こ
のシース32の肉厚を0.05mm程度減らすことな
り、シース32の内周面と内視鏡30の挿入部31との
間の摺動に対してこのシース32が弱くなる傾向を有す
る。一方、表面粗さが3μm未満の場合には、十分な凹
凸がこのシース32の内周面に転写されず、このシース
32の内周面と内視鏡30の挿入部31との間の貼り付
きを防止することができない。
【0040】これまで、いくつかの実施の形態について
図面を参照しながら具体的に説明したが、本発明は、上
述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨
を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。上
記説明によれば、下記の事項の発明が得られる。また、
各項の組み合わせも可能である。
【0041】[付記] 1.内視鏡の湾曲管部の外周に設けられる湾曲管部外皮
において、外皮の内面に微細な凹凸を形成したことを特
徴とする内視鏡装置。
【0042】2.更にその凹凸が表面粗さRyにおいて
3μmから50μmの範囲にあることを特徴とする付記
項1に記載の内視鏡装置。
【0043】3.湾曲管部外周に設けられた湾曲管部外
皮を有する内視鏡と、内視鏡挿入部に着脱自在に外装組
付け可能で、内視鏡湾曲部に対応した部分が屈曲可能な
軟性部が構成されたシースを有する内視鏡装置におい
て、シースの軟性部の内面に微細な凹凸を形成したこと
を特徴とする内視鏡装置。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
外皮およびシース製造時の金型からの剥離性を良くして
外皮およびシースの歩留まりを向上させることができ、
湾曲管部の外皮の内周面と湾曲駒あるいはブレードとの
間の貼り付きを防止し、あるいはシースの軟性部の内周
面と湾曲管部の外皮の外表面との間の貼り付きを防止
し、並びにこれらの間に塗布される潤滑剤をよく保持さ
せることができる内視鏡装置、および内視鏡湾曲管部の
外皮の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかる内視鏡の概略的な説
明図。
【図2】第1の実施の形態にかかる内視鏡の湾曲管部お
よび先端部の概略的な断面図。
【図3】第1の実施の形態にかかる外皮の成形機の説明
図。
【図4】第1の実施の形態にかかる外皮を成形する金型
の概略的な断面図。
【図5】第1の実施の形態にかかる金型の中に外皮を形
成するエラストマーが挿入されたことを示す概略的な断
面図。
【図6】第1の実施の形態にかかる金型に圧力を与えら
れた場合にエラストマーが型に流入したことを示す概略
的な断面図。
【図7】第1の実施の形態にかかるエラストマーが型に
流入してできた外皮の概略的な断面図。
【図8】第2の実施の形態にかかる内視鏡にシースを外
装する場合の概略的な説明図。
【符号の説明】
1…内視鏡、2…挿入部、3…操作部、3a…操作ノ
ブ、4…可撓管部、5…湾曲管部、6…先端部、7…湾
曲駒、8…ブレード、9…潤滑剤、10…外皮、10a
…処理面

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管腔内に挿入される挿入部に湾曲操作可
    能な湾曲管部を有する内視鏡を備え、前記湾曲管部の外
    周面にチューブ状の外皮が配設された内視鏡装置におい
    て、 前記外皮の内周面に前記湾曲管部への貼り付きを防止す
    る微細な凹凸を形成した貼り付き防止処理面を設けたこ
    とを特徴とする内視鏡装置。
  2. 【請求項2】 前記貼り付き防止処理面は、前記凹凸の
    表面粗さRyを3ないし50μmの範囲に設定したこと
    を特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
  3. 【請求項3】 管腔内に挿入される挿入部に湾曲操作可
    能な湾曲管部を有する内視鏡と、 この内視鏡の挿入部に着脱自在に外装組付け可能で、少
    なくとも前記内視鏡の湾曲管部に対応した部分に屈曲可
    能な軟性部が配設されたシースとを具備する内視鏡装置
    において、 前記シースの軟性部の内周面に前記湾曲管部への貼り付
    きを防止する微細な凹凸を形成した貼り付き防止処理面
    を設けたことを特徴とする内視鏡装置。
  4. 【請求項4】 内視鏡湾曲管部のチューブ状の外皮を成
    形する金型のコアピンの表面を、ブラスト処理、あるい
    は化学的な処理で粗して微細な凹凸の形成面を成形する
    表面処理工程と、 前記金型を前記外皮の成形に用い、前記外皮チューブの
    内周面に前記凹凸の形成面を転写する外皮成形工程とを
    具備したことを特徴とする内視鏡湾曲管部の外皮の製造
    方法。
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