JPH07265320A - 生体内処置具 - Google Patents

生体内処置具

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JPH07265320A
JPH07265320A JP6058683A JP5868394A JPH07265320A JP H07265320 A JPH07265320 A JP H07265320A JP 6058683 A JP6058683 A JP 6058683A JP 5868394 A JP5868394 A JP 5868394A JP H07265320 A JPH07265320 A JP H07265320A
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JP
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bending
curved
rod
lumen
shape
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JP6058683A
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Ryuta Sekine
竜太 関根
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、生体内挿入補助具を通して生体内に
挿入する生体内処置具に関し、生体内の臓器を押し退け
て処置することができると共に、生体内挿入補助具から
抜き取る際に、生体内挿入補助具の先端によって湾曲部
が傷つかない生体内処置具を提供することを目的とす
る。 【構成】本発明の生体内処置具は、内視鏡鏡視下又は内
視鏡と組み合わせて生体内に挿入する挿入部を有し、設
定温度以下では軟性になり設定温度以上では硬性になる
形状記憶樹脂を前記挿入部の少なくとも一部に用いるこ
とによって形成された湾曲部と、前記湾曲部を加温又は
冷却する手段と、前記湾曲部を湾曲させる湾曲手段とを
具備している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内視鏡鏡視下又は内視
鏡と組み合わせて一部を体内に挿入して使用する医療用
の処置具に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば患者の腹腔部内に把持鉗
子等の硬性処置具を挿入して体内の臓器に各種の処置を
行うことが従来から知られている。この場合、鉗子等の
処置具は例えば硬性内視鏡の光学視管、或いはトラカー
ル等の外套管の管内に挿通させた状態で体内に挿入され
るようになっている。そのため、処置具の挿入部を硬性
内視鏡の光学視管、或いはトラカール等の外套管の管内
に円滑に挿入させるためにこの種の処置具の挿入部は略
直線状に形成されているものが多かった。
【0003】しかし、このような硬性処置具にあって
は、硬性処置具の挿入部が略直線状に形成されていたの
で、硬性処置具を患者の体内に挿入させる際の処置具の
挿入部の挿入位置は光学視管、或いはトラカール等の穿
刺位置によって決定されていた。この場合、例えば光学
視管、或いはトラカール等の穿刺方向から外れた方向に
処置具の挿入部を向けることができないので、体内に挿
入された処置具の挿入部の移動範囲が比較的狭い範囲に
制限される問題があった。そのため、例えば硬性処置具
の挿入部先端に配置されている処置部を体内の目的臓器
に接近させる作業が困難であった。
【0004】さらに、当然体内の臓器の側面、裏面等ま
では処置具の挿入部先端の処置部を接近させることがで
きず、内視鏡鏡視下又は内視鏡と組み合わせて処置具の
挿入部を体内に挿入して各種の処置を行う際の作業性が
悪くなるという問題があった。そこで、U.S.P.5
231989では、生体内挿入具に湾曲形状のワイヤと
真直形状のワイヤとを交互に進退させることにより生体
内挿入具を湾曲させ、処置具の挿入部先端に配置されて
いる処置部を体内の目的臓器に接近させることについて
提案している。
【0005】また、特開平4−135554号公報で
は、体温以上では軟化し体温以下では硬化する形状記憶
樹脂を湾曲形状に記憶させて処置具挿入部の一部に用い
ることによって湾曲部を形成し、この湾曲部を湾曲させ
ることにより処置具の挿入部先端に配置されている処置
部を体内の目的臓器に接近させることについて提案して
いる。この処置具の使用手順を図31を用いて以下に示
す。
【0006】1)処置具300の挿入部301を体内に
挿入する前に湾曲部302を加温して軟性状態にする。 2)軟性状態になった湾曲部302を直線状に引き伸ば
す。 3)直線状になった湾曲部302を冷却して真直固定す
る。 4)図31(a)に示すように、湾曲部302が真直固
定された状態で挿入部301をトラカール303を介し
て体内に挿入する。なお、304は体壁である。
【0007】5)挿入部301が体内に挿入された状態
で図示していないヒータ等の加温手段によって湾曲部3
02が加温されると再び軟化し、図31(b)に示すよ
うに湾曲部302は予め記憶されていた湾曲形状にな
る。 6)加温手段による加温を停止すると、湾曲部302は
体温により自然に冷却されて湾曲したままで硬化する。
【0008】7)湾曲硬化の状態で目的臓器の処置をす
る。 8)処置の終了後、再び湾曲部302を加温手段で加温
して軟化させる。すると、予め記憶された湾曲形状にな
る。 9)この状態で挿入部301をトラカール303から抜
き取る。なお、このとき湾曲部は湾曲したままである
が、軟化しているのでトラカール303から抜き取るこ
とができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、U.
S.P.5231989に提案されている生体内挿入具
は、ワイヤを挿脱することで湾曲部を湾曲できるような
柔らかさであるため、臓器の裏側などを処置しようとし
て臓器を押し退けようとすると湾曲部が折れ曲がってし
まい処置できなかった。すなわち、湾曲部は臓器を押し
退けることができる程度の腰を有していなかった。
【0010】また、特開平4−135554号公報に提
案されいる処置具300を使用すると、上記処置具の使
用手順9)において、処置具300をトラカール303
から抜き取る際に湾曲部302が湾曲した状態になって
いるので、湾曲部302がトラカール303の先端部3
05に接触し傷ついてしまうおそれがあった。また、湾
曲部302が傷つかないように、湾曲部302を体温以
下で軟化した際に直線状態になるように記憶させると、
上記処置具の使用手順5)において、湾曲部302を加
温しても直線状態になったままなので、湾曲しないとい
う不都合が生じる。また、湾曲部302をどうしても湾
曲させようとすると、体内に挿入した別の処置具等を用
いて湾曲部302を把持して湾曲させねばならず、非常
に手間がかかるという欠点がある。
【0011】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、体腔内に挿入挿脱時には直線形状になり、体腔内
で目的臓器の処置時には湾曲形状にすることもでき、ま
た臓器を押し退けるに十分な硬さの湾曲部を有する生体
内処置具を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の生体内処置具
は、内視鏡鏡視下又は内視鏡と組み合わせて生体内に挿
入する挿入部を有し、設定温度以下では硬性になり設定
温度以上では軟性になる硬度可変樹脂材料を前記挿入部
の少なくとも一部に用いることによって形成された湾曲
部と、前記湾曲部を加温または冷却する手段と、前記湾
曲部を湾曲させる湾曲手段とを具備している。
【0013】
【作用】この構成により、例えば生体内挿入補助具を通
して、生体内処置具を生体内に挿入し、硬性可変樹脂材
料によって形成された湾曲部を加温手段によって加温す
ることにより軟性状態にし、この軟性状態になった湾曲
部を湾曲手段によって湾曲させ、さらに冷却手段により
湾曲部を冷却することで湾曲したまま硬化させる。この
湾曲部の湾曲硬化により、生体内の臓器の裏側を処置す
ることができる。また、処置後は、湾曲部を加温手段で
加温することにより軟性状態にし直線形状にした後に、
生体内挿入補助具から生体内処置具を抜き取ることによ
り、生体内挿入補助具の先端によって湾曲部が傷つくと
いうことがなくなる。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1から図4は本発明の第1実施例に係わるもの
である。図2は処置具の一種である腹腔鏡用の把持鉗子
1の全体の構成を示すものである。図2中で、2は例え
ば生体内に挿入される挿入部である。挿入部2の先端に
は体内の臓器の一部や体壁などを把持する把持部3が設
けられている。また、挿入部2の基端側には処置時に把
持操作できる操作部4が設けられている。挿入部2は、
先端側の一部に湾曲可能な湾曲部5と基端側に硬性で真
直形状のシース部6とからなっている。また、操作部4
は、可動ハンドル11と固定ハンドル12とで構成され
ている。固定ハンドル12には可動ハンドル11を回転
自在に支持する支持軸10が設けられており、可動ハン
ドル11はこの支持軸10に回動自在に連結されてい
る。固定ハンドル12と可動ハンドル11の末端部側に
はリング状の指掛け部13および14がそれぞれ設けら
れており、固定ハンドル12の末端側には指掛け部15
が設けられている。
【0015】また、湾曲部5は体温下のような低温域で
は硬性状態になり、体温以上の温度、例えば40°C以
上の高温域では軟性状態になる形状記憶樹脂材料からな
る。この形状記憶樹脂材料は高温域下で軟性状態になる
と真直形状になるように記憶されている。また、図1
(a),(b)は把持部3、湾曲部5及びシース部6の
先端の拡大図を示しており、シース部6はSUS等の金
属パイプ16からなり、その表面は絶縁チューブ17で
被われて保護されている。湾曲部5と金属パイプ16に
は、挿入部2の先端から基端部に向かい挿入部2の軸方
向に沿って操作軸ルーメン18,湾曲棒ルーメン19及
び送水ルーメン20が形成されている。操作軸ルーメン
18は、先端の把持部材26,27を開閉操作するため
に用いられる操作軸22が挿通するルーメンである。湾
曲棒ルーメン19は、湾曲棒33が挿通されるルーメン
であり、先端側において閉鎖されている。また送水ルー
メン20は、温水及び冷水等が送水されるルーメンであ
り、湾曲部5の側面には排液孔21が設けられている。
なお、湾曲部5はウレタン樹脂やポリノルボルネン樹脂
等の形状記憶樹脂で形成され、操作軸22は弾性を有す
る金属材料、例えばSUSやNi−Ti合金等からなる
形状記憶合金や超弾性合金等から構成されている。ま
た、前記形状記憶樹脂は、40°C以上(40°Cから
50°Cが最適)になると、軟性状態になるように記憶
されている。
【0016】また、湾曲棒33は、先端側に湾曲形状を
記憶した弾性を有する金属材料、例えばSUSやNi−
Ti合金等からなる形状記憶合金や超弾性合金、もしく
は弾性を有する銅系合金や鉄系合金等によって形成され
ている。さらに、図4(a)に示すように、固定ハンド
ル12の先端側には挿入部2の基端部が挿入される挿入
部取り付け穴35が設けられている。挿入部2の基端部
は、この挿入部取り付け穴35に挿入された状態で固定
ネジ36により固定される。また、把持部3の把持動作
を行うために摺動される操作軸22の基端には、連結部
材9がネジ止めやロウ付け等により固定されている。連
結部材9は固定ハンドル12に形成された挿入孔37を
通して外側に延出されている。この連結部材9は後端部
に球状部38を有し、この球状部38は可動ハンドル1
1に形成された保持溝39に摺動自在に保持されてい
る。なお、図4(b)は図4(a)においてB方向から
見た図である。
【0017】また、湾曲棒33の基端は、固定ハンドル
12内で湾曲操作グリップ40にネジ止めやロウ付け等
により固定されている。さらに、金属パイプ16の基端
側および固定ハンドル12には、スリット42およびス
リット43が挿入部2の軸方向に沿って設けられてい
る。湾曲操作グリップ40にはスリット42およびスリ
ット43を通して外部へ延出するようにノッチ41が設
けられており、スリット42内を摺動自在になってい
る。そして、図4(a)において、湾曲操作グリップ4
0がスリット42の右端に位置している状態では、図1
(a)に示すように湾曲棒33の先端は金属パイプ16
内に位置している。
【0018】さらに、挿入部2内に設けられた送水ルー
メン20は、固定ハンドル12に設けられた送水口金4
4の送水孔45と連通している。次に、把持部3につい
て図1,図3を参照して説明する。図3は図1(a)に
おいてA方向から見た図であり、把持部材26、27は
ピン7を軸にして回動自在に設けられ、把持部材26、
27の基端部には後方延出部28、29がそれぞれ後方
に向けて延出されている。これら後方延出部28、29
はリンク24、25の先端部にそれぞれ連結ピン30、
31を介して回動自在に連結されている。また、リンク
部材24,25の基端部は連結ピン23を介して操作軸
22の先端部に回動自在に連結されている。これによっ
て、リンク24、25と把持部材26、27の後方延出
部28、29とにより操作軸22の進退動作を把持部材
26、27の把持動作に変換するパンタグラフ式のリン
ク機構が形成されている。
【0019】次に、上述のように構成した把持鉗子1の
作用について説明する。まず、本実施例の把持鉗子1の
把持動作について説明すると、把持鉗子1において、可
動ハンドル11が開状態に保持されている場合、把持部
3の把持部材26、27は開状態で保持される。そし
て、可動ハンドル11を閉じる動作に伴い操作軸22が
図1(a)中の右側に引っ張られ、把持部3の把持部材
26、27が閉じるように動作し、把持鉗子1により把
持動作が行われる。
【0020】次に、把持鉗子1を用いて行う体腔内の目
的臓器の処置の手順について以下に説明する。 1)把持鉗子1の挿入部2を体内に挿入する前に湾曲部
5を設定温度以上に加温して軟性状態にする。すると、
湾曲部5を構成する形状記憶樹脂は予め記憶されている
直線形状になる。
【0021】2)直線状になった湾曲部5を冷却して真
直固定する。 3)湾曲部が真直固定された状態で挿入部2をトラカー
ル等の生体内挿入補助具内を通して生体内に挿入する。 4)送水口金44から40°C以上の滅菌された生理食
塩水等の温水をシリンジ等で送水ルーメン20内に注入
する。これによって、形状記憶樹脂等からなる湾曲部5
を設定温度以上に加温したことになり湾曲部5は軟化す
る。なお、注入された温水は排液孔21を通して生体内
に排液される。
【0022】5)図4(a)において、操作グリップ4
0を左側いっぱいまでスライドさせることにより、湾曲
棒33の先端を湾曲棒ルーメン19の先端まで前進させ
て、湾曲棒33の湾曲した部分が軟化した湾曲部5の位
置に届くようにする。すると、湾曲棒33の弾性力によ
り直線状で軟化状態の湾曲部5は湾曲棒33の湾曲形状
に沿って湾曲する。
【0023】6)送水口金44から40°C以下の滅菌
された生理食塩水等の冷水をシリンジ等で送水ルーメン
20内に注入する。これにより湾曲部5は湾曲状態のま
まで湾曲硬化する。なお、注入された冷水は排液孔21
を通して生体内に排液される。 7)湾曲部5が湾曲硬化された状態で目的臓器の処置を
する。
【0024】8)処置の終了後、図4(a)において、
操作グリップ40を右側いっぱいまでスライドさせるこ
とにより、湾曲棒33を湾曲棒ルーメン19の後端まで
後退させて、湾曲棒33の湾曲した部分が硬化した湾曲
部5の位置から外れて、金属パイプ16内に位置する。 9)上記4)と同様に、送水口金44から滅菌された生
理食塩水等の温水をシリンジ等で送水ルーメン20内に
注入することにより、形状記憶樹脂等からなる湾曲部5
を軟化させる。すると、形状記憶樹脂等からなる湾曲部
5は予め記憶されている直線形状になる。なお、注入さ
れた温水は廃液孔21を通して生体内に廃液される。
【0025】10)湾曲部5が直線形状になった状態で、
挿入部2をトラカール等の生体内挿入補助具から抜き取
ることにより、把持鉗子1を用いて行う処置の全工程が
終了する。 次に、本発明の把持鉗子1を用いて上記手順7)におけ
る目的臓器の処置をする場合の一例を図5を参照して説
明する。図5には、湾曲部5が湾曲硬化した把持鉗子1
と別のトラカールから挿入した別の把持鉗子47で縫合
糸48を腸管49に結び付けている状況が示されてい
る。縫合糸48を腸管49に結び付けるには、まず、湾
曲硬化した本願発明の把持鉗子1の湾曲部5を腸管49
の裏側に通す。この際、湾曲部5は湾曲硬化しているの
で折れ曲がる心配はない。次に、別のトラカールから挿
入した把持鉗子47によって把持されて来た縫合糸48
を把持部3で把持し、縫合糸48を腸管49の裏側から
通すことによって腸管49を縛る。
【0026】以上のように、形状記憶樹脂からなる湾曲
部を設定温度以上に加温して軟性状態にすると直線形状
になるように予め記憶させておくと共に、湾曲棒33を
用いたことにより湾曲部5が湾曲硬化するため、臓器の
裏側などを処置しようとして臓器を押し退けようとして
も湾曲部5が折れ曲がる心配はない。また、挿入部2を
トラカール等の生体内挿入補助具から抜き取る際は湾曲
部5は直線状態になっているので、湾曲部5が生体内挿
入補助具の先端部に接触し傷ついてしまう心配もない。
【0027】次に図6を参照して本発明の第2実施例を
説明する。本実施例の把持鉗子50は第1実施例におけ
る把持鉗子1と湾曲部51の湾曲機構以外はほとんど同
じ構成である。よって、第1実施例と同一の構成には同
一符号を付してその説明を省略する。本実施例の把持鉗
子50は、図6に示すように湾曲部51に電熱線52が
コイル状に埋め込まれている。電熱線52は金属パイプ
55に設けられた電源ケーブル用ルーメン57内に配設
された電源ケーブル56に接続されている。電源ケーブ
ル56は、図示していない操作部において外部に延出さ
れ、図示していない外部電源に接続されている。
【0028】次に第2実施例の把持鉗子50の作用につ
いて説明する。本実施例の湾曲部51の加温動作以外は
第1実施例の把持動作及び目的臓器の処置の手順と同じ
である。よって、湾曲部51の加温動作について説明す
る。まず、図示していない外部電源によって電熱線52
が通電加熱されると、湾曲部51は電熱線52の熱によ
り軟化状態になる。なお、電熱線52は弾性を有する材
料、例えばSUSや形状記憶合金等で形成すると、湾曲
部51を直線状態にする際に直線化し易くなる。
【0029】以上のように、本実施例では、湾曲部51
を加温するために電熱線52を用いることにより送水ル
ーメン20を形成する必要がなく、また、第1実施例の
ように冷水および温水を生体内に排水せずに済む。次
に、図7及び図8を参照して本発明の第3実施例を説明
する。本実施例の把持鉗子60は第1実施例における把
持鉗子1の湾曲部5の湾曲機構以外はほとんど同じ構造
である。よって、第1実施例と同一の構成には同一符号
を付してその説明を省略する。
【0030】図7に示すように、本実施例の把持鉗子6
0の湾曲部64及び金属パイプ65には、給水用ルーメ
ン66と排水用ルーメン67が形成されており、先端の
連絡路68で連通している。給水用ルーメン66と排水
用ルーメン67は図8に示すようにそれぞれ給水用口金
69と排水用口金70に接続されている。さらに、給水
用口金69と排水用口金70には、冷水及び温水を送る
ための図示していない冷温水灌流装置に接続された給水
用チューブ71と排水用チューブ72が接続されてい
る。
【0031】次に第3実施例の把持鉗子50の作用につ
いて説明する。本実施例の湾曲部64の加温動作及び冷
却動作以外は第1実施例の把持動作及び目的臓器の処置
の手順と同じである。よって、湾曲部64の加温動作及
び冷却動作について説明すると、湾曲部51の加温動作
は、図示していない冷温水灌流装置によって、滅菌され
た生理食塩水等の温水を給水用チューブ71を介して給
水用ルーメン66に送水する。送水されて来た温水は給
水用ルーメン66,連絡路68および排水用ルーメン6
7を通る過程で湾曲部64を加温し、排水用チューブ7
2を介して図示していない冷温水灌流装置にもどる。ま
た、湾曲部64を冷却する場合も温水を灌流させるのと
同じ工程で冷水を送水する。
【0032】このように第3実施例では、湾曲部64に
給水用ルーメン66および排水用ルーメン67を形成
し、温水または冷水を循環させることにより、冷水およ
び温水を体内に排水せずに済む。これにより、高温の温
水を使用しても問題はないので、湾曲部64を構成する
形状記憶樹脂材料の使用温度範囲を広く設定できる。よ
って、形状記憶樹脂の使用できるグレードが多くなり、
湾曲部64の腰をより強くすることが可能になる。ま
た、形状記憶樹脂の軟化温度を高く設定することによ
り、同じ温度の冷水を循環させても湾曲部64が硬化す
る時間が早くなるので、よりスムーズに処置をすること
ができる。
【0033】次に第4実施例の把持鉗子80について図
9から図14を参照して説明する。本実施例の湾曲棒9
2および湾曲棒92の挿入方法以外は第2実施例とほと
んど同様の構成である。よって、第2実施例と同一の構
成には同一符号を付してその説明を省略する。本実施例
は、湾曲棒92を把持鉗子80とは別体に設け、湾曲棒
92を湾曲棒挿入孔86から挿入することにより、第2
実施例における湾曲操作グリップ40の操作と実質的に
同様の効果を得るようにしたものである。さらに詳しく
説明すると、図9には本実施例の把持鉗子80の挿入部
81及び操作部82が示されている。挿入部81には、
先端から基端部にかけて挿入部81の軸方向に沿って湾
曲棒ルーメン84が設けられている。湾曲棒ルーメン8
4の基端部側は操作部82に設けられた湾曲棒挿入口金
85内の湾曲棒挿入孔86と連通している。湾曲棒挿入
孔86の内周面には凸部87が形成されている。 ま
た、挿入部81には、電源ケーブル用ルーメン88が挿
入部81の軸方向に沿って挿入部81の先端から基端部
まで設けられている。電源ケーブル用ルーメン88の基
端部には側孔89が形成されており、操作部82に形成
された電源ケーブル用孔90を通して外部と連通してい
る。そして、第2実施例と同様の電源ケーブル56が側
孔89および電源ケーブル用側孔90を通して操作部8
2の外部に延出している。
【0034】さらに、本実施例で使用する湾曲棒92を
図10を参照して説明する。湾曲棒92は大きく分けて
挿入部93と保持部94とからなる。挿入部93は、S
US,形状記憶合金および超弾性合金等の弾性を有する
金属からなる棒である。挿入部93の先端側には弾性の
湾曲した部分があり、また、この湾曲した部分は湾曲形
状に記憶されている。また、湾曲棒92を保持して進退
させ易いように、保持部94の基端側にはハンドル95
が設けられている。保持部94と挿入部93の間には湾
曲棒挿入孔86の内周面に形成された凸部87に嵌合さ
せることができる凹部96が周方向に形成されている。
【0035】次に第4実施例の把持鉗子60の作用につ
いて図11を参照して説明する。本実施例の湾曲部83
の湾曲動作以外は第2実施例の把持動作及び目的臓器の
処置の手順と同じである。よって、湾曲部83の湾曲動
作について説明する。湾曲部83を湾曲硬化させるため
に、まず、湾曲部83が加熱によって軟化した状態で湾
曲棒92を湾曲棒挿入孔86から湾曲棒ルーメン84に
挿入する。なお、湾曲棒92を湾曲棒挿入孔86に挿入
する際には、湾曲棒92の先端の弾性を有する湾曲した
部分を直線状態にして挿入する。湾曲棒92は凹部96
が湾曲棒挿入孔86の内周面に形成された凸部87に嵌
合するまで挿入することができる。凹部96と凸部87
が嵌合するまで湾曲棒92を挿入すると、湾曲棒92の
先端は把持鉗子80の湾曲部83の先端に達し、そこで
弾性により形状を回復して軟性状態の湾曲部83を湾曲
形状に変形させる。そしてこの状態のままで、湾曲部8
3を冷却して硬化させる。
【0036】また、湾曲部83を直線形状にするには、
湾曲棒92の先端を湾曲ルーメン84における湾曲部8
3の部分から抜き取り、電熱線52に通電する。これに
より、湾曲部83は設定温度以上に加温され軟化状態に
なり直線状態に復元する。また、この時、湾曲棒92を
湾曲棒挿入孔86から完全に抜き取ってもよい。さら
に、湾曲棒92を抜き取った後に、挿入部の先端に直線
形状を記憶させた直線棒を湾曲棒ルーメン84に挿入し
て、電熱線52に通電してもよい。この場合、湾曲部8
3を構成する形状記憶材料の弾性変形による形状回復に
加え、直線棒の弾性変形が加わるので、確実により早く
湾曲部83を直線形状にすることができる。
【0037】このように、本実施例では、湾曲棒92を
把持鉗子80とは別体に設け、湾曲棒92を湾曲棒挿入
孔86から挿入させることにより、第1から第3実施例
に示した把持鉗子に比べて、湾曲操作グリップ40やス
リット41,42等を形成する必要がないので、湾曲操
作を行う部分の構造が簡単になり、使用後の洗浄滅菌性
が向上する。
【0038】また、図9では湾曲棒92の湾曲した部分
が下を向いて示されているが、これを上に向けて湾曲棒
挿入孔86に挿入すると、湾曲部83は図12に示すよ
うに上に向いて湾曲する。このようにして、湾曲部83
の湾曲方向を自由に変えることができる。さらに、図1
3(a)から(d)に示すように、湾曲棒92と湾曲棒
ルーメン84の断面を三角形,四角形若しくは六角形な
どの多角形にしたり、楕円等の異形にすることで、円形
では調整しにくい決まった方向へ湾曲部83を湾曲する
ことができる。
【0039】また、図14(a)と図14(a)のCか
ら見た図である図14(b)に示すように、湾曲棒92
のハンドル95にマーカ97を設け、湾曲部挿入口金8
5に湾曲棒92の挿入回転角度を示すマーカ98を設け
てもよい。これにより、マーカ97とマーカ98を合わ
せて湾曲棒92を湾曲棒挿入口金85に挿入するか、あ
るいは湾曲棒92を湾曲棒挿入口金85に挿入した後に
ハンドル95を回転してマーカ97とマーカ98を合わ
せることで、湾曲部83を正確に任意の方向に湾曲させ
ることができる。
【0040】次に第5実施例の把持鉗子80について図
15から図18を参照して説明する。第1から第4実施
例は、把持鉗子の挿入部の中に湾曲棒を挿通する湾曲棒
ルーメンを設けたものであったのに対し、本実施例は、
湾曲棒ルーメンを把持鉗子とは別体に設け、この別体に
した湾曲棒ルーメンに湾曲棒だけでなく把持鉗子をも挿
入することが出来るようにしたものである。
【0041】さらに詳しく説明すると、図15におい
て、100は処置具シースであり、形状記憶樹脂からな
るシース部101と、シース部101の先端に設けられ
た金属や樹脂等からなる先端硬質部102と、シース部
101の基端に設けられた保持部103とからなってい
る。処置具シース100の内部には先端硬質部102,
シース部101及び保持部103を貫通する処置具挿入
ルーメン104が形成されている。
【0042】また、先端硬質部102には、その内周面
に沿って凸部105が設けられており、またシース部1
01にはコイル状の電熱線106が埋め込まれている。
電熱線106は保持部103より外部へ延出される電源
ケーブル107に接続され、さらに電源ケーブル107
は図示しない外部電源に接続されている。さらに、図1
6において、108は把持鉗子等の処置具であり、チュ
ーブ状のシース部109と、シース部109の先端に設
けられた把持部110と、シース部109の基端に設け
られた操作部111とからなっている。シース部109
は、PTFE等のフッ素樹脂,ポリエチレン等のポリオ
レフィン,ポリウレタン樹脂若しくはエチレンビニルア
ルコール樹脂等の共重合体の軟性樹脂材料からなってい
る。また、把持部110にはその外周面に沿って凹部1
12が形成されている。操作部111は可動ハンドル1
13と固定ハンドル114とからなってる。可動ハンド
ル113は固定ハンドル114に設けられたスリット1
15に沿って前後に摺動可能な構成になっている。ま
た、可動ハンドル113には、金属等からなるワイヤ1
16の一端が接続されている。ワイヤ116の他端はシ
ース部109の内腔を挿通して把持部110に設けられ
たリンク機構に接続されており、可動ハンドル113を
前後に摺動することにより把持部110が開閉するよう
になっている。
【0043】また、図17において、99は湾曲棒であ
り、先端が湾曲形状を記憶した挿入部117と、挿入部
117の基端に設けられた保持部118と、保持部11
8と挿入部117との間に設けられた略円盤状のストッ
パ119とからなっている。湾曲棒99は、SUS,形
状記憶合金若しくは超弾性合金等の弾性を有した金属部
材からなっている。
【0044】次に第5実施例の作用について図18
(a),(b)を参照して以下に説明する。 1)処置具シース100を直線形状にし、トラカール等
の挿入補助具を通して生体内に挿入する。 2)湾曲棒99をストッパ119が処置具シース100
の保持部103に突き当たるまで処置具シース100の
処置具挿入ルーメン104に挿入する。
【0045】3)図示しない外部電源より電源コード1
07を通して電熱線106に電流を流す。すると、電熱
線106が加熱してシース101は加温されて軟化す
る。処置具シース101が軟化すると、内部に挿入され
ている湾曲棒116の先端の弾性変形に伴って湾曲棒1
16の形状も変形する。 4)外部電源からの電流を止め、生体内で自然に放冷す
るまで待つ。すると、処置具シース100は、変形した
湾曲棒116の形状に変形した状態で湾曲硬化する。
【0046】5)湾曲棒116を処置具挿入ルーメン1
04から抜き取り、代わって、処置具108を処置具挿
入ルーメン104に挿入する。処置具108の挿入は、
処置具108に形成された凹部112が先端硬質部10
2に形成された凸部に嵌合するまで行う。 6)この状態で、保持部103を持ちながら保持部11
1を操作して把持操作を行う。なお、処置具108は本
来軟性であるが、処置具シース100は硬質であり、先
端で凹部112と凸部105とによって固定しているた
め、硬性な処置具と同様の扱いができる。
【0047】7)処置が終了した後は、処置具108を
処置具挿入ルーメン104より抜き取り、電熱線106
を通電加熱し、シース部101を加温させ軟化させる。
これにより、軟化したシース部は直線状態に形状復帰す
る。このように、本実施例では、上記第1から第4実施
例に比べて、ルーメンの数が少ないので構造が簡単であ
り、製造し易いだけでなく洗浄滅菌性も向上する。
【0048】また、処置具シース100に挿通する湾曲
棒99の先端形状を目的により様々に変え、一本の把持
鉗子で様々な症状に対応することができる。なお、上記
第1実施例から第5実施例では、湾曲部を構成する形状
記憶樹脂に直線状態を記憶させたが、逆に、湾曲部を構
成する形状記憶樹脂を湾曲状態に記憶させ、また湾曲棒
の超弾性合金からなる先端部分を直線状態に記憶させて
もよい。
【0049】その場合、把持鉗子の湾曲部を直線状態に
するには、湾曲棒を湾曲部内に挿通した状態で形状記憶
樹脂を加温して軟化させ、湾曲棒の先端の部分が直線状
態になる弾性によって湾曲部を直線状態にする。また、
湾曲させるには湾曲部材を湾曲部より引き抜いた状態
で、形状記憶樹脂を加温し軟化させ、形状記憶樹脂が記
憶している湾曲形状に形状回復することで湾曲させる。
【0050】次に第6実施例の把持鉗子120について
図19と図20を参照して説明する。本実施例の把持鉗
子120は湾曲部124の湾曲機構以外は第2実施例と
ほとんど同様の構成である。よって、第2実施例と同一
の構成には同一符号を付してその説明を省略する。第2
実施例は、湾曲部51を湾曲させるために、湾曲棒33
を軟化した湾曲部51に挿入させるものであった。これ
に対し、本実施例では、湾曲部124を湾曲させるため
に、湾曲部124を櫛歯状に形成し湾曲ワイヤ129を
設けるようにした。
【0051】さらに詳しく説明する。図19(a)に
は、把持鉗子120の挿入部121が示されている。挿
入部121は、把持部3,湾曲部124及びシース部1
25からなっている。湾曲部124には、挿入部121
の軸方向に沿って櫛歯状にスリット126が設けられて
いる。また、湾曲部124には、コイル状の電熱線52
が埋め込まれている。電熱線52は電源ケーブル56に
接続され、電源ケーブル56はシース部125内に挿入
部軸方向に沿って設けられた電源ケーブル用ルーメン5
7内を通り、図20に示す操作部123の電源ケーブル
孔133より外部へ延出されている。
【0052】また、湾曲部124は、設定温度以下では
硬性となり設定温度以上では軟性となる形状記憶樹脂等
からなっている。さらに、シース部125およびスリッ
ト126には、湾曲ワイヤ用ルーメン127が挿入部1
21の軸方向に沿って設けられている。湾曲ワイヤ用ル
ーメン127には、湾曲ワイヤ129が挿入されてい
る。湾曲ワイヤ129は、一端が把持部122に固定さ
れ他端が操作部123の湾曲ハンドル128に接続され
ている。湾曲ハンドル128は第1実施例の湾曲操作グ
リップ40と同様の構成になっており、本実施例では湾
曲ワイヤ129の操作に使われる。
【0053】次に第6実施例の把持鉗子120の作用に
ついて図19と図20を参照して説明する。本実施例の
湾曲部124の湾曲動作以外は第2実施例の把持動作及
び目的臓器の処置の手順と同じである。よって、湾曲部
124の湾曲動作のみを説明すると、図示していない外
部電源から電熱線52を通電加熱して湾曲部124を軟
化させた後に、湾曲部124を湾曲させるべく、湾曲ハ
ンドル128を図20において左側にスライドさせる。
すると、図19(b)に示すように、湾曲部124がス
リット126が設けられている方に湾曲する。
【0054】これにより、湾曲ワイヤ129を引っ張っ
て湾曲部124を湾曲させる本実施例では、湾曲ワイヤ
の引っ張り量により簡単に湾曲量を調整できる。この点
が、第1から第5実施例のように湾曲棒を挿脱すること
で湾曲部を湾曲させる方法に比べて優れている。なお、
上記第1から第6実施例では、特に把持鉗子の湾曲部の
湾曲機構について示したが、次に把持鉗子の使い方の別
の例を以下に示す。
【0055】図21に示すように、把持鉗子200の把
持部201には赤外線フォトセンサ202が設けられて
いる。赤外線フォトセンサ202によって光を受光する
と、制御部203によって警告用ブザ204が鳴った
り、警告用ランプ204が点灯するようになっている。
また、図22に示すように、カテーテル207には複数
の赤外線LED208が設けられ、図示していない電源
によって点灯するようになっている。
【0056】次に、処置の方法について説明する。ま
ず、図22に示すようにカテーテル207を現在処置す
べき生体管路の近傍の正常な生体管路206内に挿入す
る。そして、複数の赤外線LED208を点灯させる
と、赤外線LED208の明かりが生体管路206を透
過することにより、生体管路206が赤く点灯する。こ
れにより、把持鉗子200を使って目的の生体管路を処
置する場合、誤って目的の生体管路以外の生体管路20
6を把持しようと把持部201を近づけると、把持部2
01に設けられた赤外線フォトセンサ202が生体管路
206から発せられる明かりを受光し、制御部203に
よって警告用ブザ204を鳴したり、警告用ランプ20
4を点灯させる。よって、処置しようとする生体管路2
06が目的の生体管路ではないことがわかるので、誤っ
て正常な生体管路を処置することがない。
【0057】また、この考えは図23に示すような高周
波処置具209にも応用できる。すなわち、処置具20
9内に光ファイバ210を設けて、光ファイバ210の
基端側にフォトセンサ211を設ける。光ファイバ21
0の先端から送られた光をフォトセンサ211で受光す
ると、コントローラ212により高周波電源に出力を低
下あるいは中断させる信号が送られて、高周波処置具2
09から出力する高周波が低下あるいは中断する。生体
管路の発光および警告手段の動作は上記と同様である。
【0058】さらに、カテーテル207内に赤外線フォ
トセンサ201の代わりにマグネットを取り付け、把持
部201に赤外線LED208の代わりにホール素子を
設けてもよい。この場合、把持部201を正常な生体管
路に近づけると、マグネットの磁力によりホール素子が
反応して、それを制御部203が感知し警告用ブザ20
4が鳴ったり、警告用ランプ204が点灯する。
【0059】以上は、すべてカテーテルにセンサを設け
て自動的に現在処置すべきではない生体管路か否かが認
識できるものであるが、以下に示すものは術者が内視鏡
等を通して生体管路を見る場合、見間違えないようにす
るためのカテーテルである。図24に示すように、カテ
ーテル214内に赤色,緑色,青色(以下R,G,Bと
いう)に発光するLED発光素子を複数設けて点灯させ
る。また、R,G,BのLED発光素子を順次リレー的
に点灯させてもよい。これにより、正常な生体管路が
R,G,BのLED発光素子の光により点灯するので、
術者の見間違いによる誤診を防止できる。
【0060】また、図25に示すように、カテーテル2
15内にフレキシブル基板216を設け、その上に複数
のLED発光素子217を直接実装させてもよい。これ
により、リード線を不要とし、細径化も図ることができ
る。さらに、図26に示したカテーテル218は、図2
5で示したカテーテル215を使い捨て可能なものと
し、外表面に親水性潤滑処理(HL−C)を施したもの
である。これにより、細径化と共に尿管等の汚れやすい
部分への挿入性が向上する。また、図27に示すよう
に、カテーテル219の内部に、複数本の光ファイバを
階段式に挿入する。さらに、図28に示すように、複数
本の光ファイバのうちの任意の一本220’の側面部に
光ファイバのコア221に達するような傷を付けて、光
ファイバ内を導光する光が光ファイバ220’の先端だ
けでなく、側面からも放出されるようにする。これによ
り、光ファイバ220’の先端のみから光を放出してい
た場合に比べ、カテーテル219の側面方向への光の放
出量が多くなり、現在処置すべきではない生体管路の視
認性をさらに向上することができる。
【0061】また、別の例として、図29に示す光ファ
イバ222は、コア223の先端部を突出させ、臨界角
度以下(=θ)になるように斜めに切断した。なお、2
24はクラッドであり、225は外皮である。これによ
り、光ファイバ222内を導光して来た光がコア223
の先端部で全反射して光ファイバの側面方向へ放出され
るため、カテーテル220の側面方向への光量が増して
生体管路の位置が視認し易くなる。
【0062】さらに、別の例として、図30に示すよう
に、光ファイバ226と隣合う光ファイバ227のコア
228を前記コア223とは別の材質で形成し、光ファ
イバ227内を導光して来た光が図30において矢印で
示すように放出されるようにする。また、光ファイバ2
26及び227の外表面には光を反射する光反射膜22
9が形成されており、コア228の先端から放出された
光が光反射膜229によって図30に示す矢印方向に反
射する。これにより、カテーテルの側面方向への光の放
出量が多くなり生体管路の位置が視認し易くなる。な
お、図30には簡単のために光ファイバ226と227
の2本を示したまでであり、光ファイバの本数は複数で
あるということは言うまでもない。
【0063】また、光反射膜229の代わりに、例えば
フルオレセイン及びエオシン等の蛍光物質を光ファイバ
226及び227の外表面に形成しても良い。この場
合、光ファイバ上の蛍光物質が蛍光を発することで、図
示していない光源から光りファイバ226及び227内
を導光して来る白色光に比べて視認し易くなる。さら
に、蛍光物質は、光りファイバ外皮ではなく、カテーテ
ル上に蛍光層として設けてもよく、またカテーテル内に
混入しても良い。
【0064】ここで、形状記憶樹脂材料について説明す
ると、形状記憶樹脂は硬度可変樹脂剤材料の一種であ
り、樹脂の形状を固定する固定相と、温度変化に伴い軟
化又は硬化する可逆相とからなっている。また、形状記
憶樹脂の固定相は高分子間の絡み合いで可逆相はガラス
転移点であっても良いし、また、固定相が高分子結晶の
融解結成であり可逆相がガラス転移点であっても良い。
さらに、形状記憶樹脂の固定相は高分子間の架橋部であ
っても良いし、高分子間の結合部であってもよい。
【0065】また、形状記憶樹脂は、ポリウレタン系樹
脂,ポリ・ノルボルネン系樹脂又はトランス型イソプレ
ソン系樹脂のうちどれであっても良い。 〔付記1〕内視鏡鏡視下又は内視鏡と組み合わせて生体
内に挿入する挿入部を有する生体内処置具において、設
定温度以下では硬性になり設定温度以上では軟性になる
硬度可変樹脂材料を前記挿入部の少なくとも一部に用い
ることによって形成された湾曲部と、前記湾曲部を加温
または冷却する手段と、前記湾曲部を直線形状にさせる
手段と、を具備することを特徴とする生体内処置具。 〔付記2〕内視鏡鏡視下又は内視鏡と組み合わせて生体
内に挿入する挿入部を有する生体内処置具において、設
定温度以下では硬性になり設定温度以上では軟性になる
硬度可変樹脂材料を軟性状態になると直線形状になるよ
うに記憶して前記挿入部の少なくとも一部に用いること
によって形成された湾曲部と、前記湾曲部を加温または
冷却する手段と、前記湾曲部を湾曲させる湾曲手段と、
を具備することを特徴とする生体内処置具。 〔付記3〕内視鏡鏡視下又は内視鏡と組み合わせて生体
内に挿入する挿入部を有する生体内処置具において、設
定温度以下では硬性になり設定温度以上では軟性になる
硬度可変樹脂材料を軟性状態になると直線形状になるよ
うに記憶して前記挿入部の少なくとも一部に用いること
によって形成された湾曲部と、前記湾曲部を加温または
冷却する手段と、前記湾曲部の軟性状態時に前記挿入部
内に挿入され、前記湾曲部を湾曲状態にする湾曲形状に
記憶された弾性部分を有する湾曲手段と、を具備するこ
とを特徴とする生体内処置具。 〔付記4〕内視鏡鏡視下又は内視鏡と組み合わせて生体
内に挿入する挿入部を有する生体内処置具において、設
定温度以下では硬性になり設定温度以上では軟性になる
可変樹脂部材を軟性状態になると湾曲形状になるように
記憶して前記挿入部の少なくとも一部に用いることによ
って形成された湾曲部と、前記湾曲部を加温または冷却
する手段と、前記湾曲部を直線形状にする手段と、を具
備することを特徴とする生体内処置具。 〔付記5〕内視鏡鏡視下又は内視鏡と組み合わせて生体
内に挿入する挿入部を有する生体内処置具において、設
定温度以下では硬性になり設定温度以上では軟性になる
可変樹脂部材を軟性状態になると湾曲形状になるように
記憶して前記挿入部の少なくとも一部に用いることによ
って形成された湾曲部と、前記湾曲部を加温または冷却
する手段と、前記湾曲部の軟性状態時に前記挿入部内に
挿入され、前記湾曲部を直線状態にする直線形状に記憶
された弾性部分を有する直線手段と、を具備することを
特徴とする生体内処置具。 〔付記6〕前記加温または冷却する手段は、前記挿入部
の一部に形成された湾曲部内に温水または冷水を供給す
る手段であることを特徴とする請求項1及び付記1から
付記5に記載の生体内処置具。 〔付記7〕前記加温または冷却する手段のうち加温する
手段は、ヒータを有することを特徴とする請求項1及び
付記1から付記5に記載の生体内処置具。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように本願発明によれば、
把持鉗子等の生体内処置具の挿入部の一部に設定温度以
下では硬性になり設定温度以上では軟性になる硬度可変
樹脂材料を用いて湾曲部を形成することにより、湾曲部
が湾曲した際の腰を強くすることができる。また、湾曲
部の湾曲を硬度可変樹脂材料の記憶による弾性変形に依
存させず、湾曲部を湾曲させる湾曲手段によって行うよ
うにしたので、生体内処置具をトラカール等の挿入補助
具から抜き取る際に、湾曲部が挿入補助具の先端によっ
て傷つく心配がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係わり、(a)は把持鉗
子の挿入部の先端部分の断面図であり先端部分が直線状
態の図,(b)は把持鉗子の挿入部の先端部分の断面図
であり先端部分が湾曲状態の図
【図2】本発明の第1実施例に係わり、把持鉗子の全体
【図3】本発明の第1実施例に係わり、図2の矢印A方
向から見た図
【図4】本発明の第1実施例に係わり、(a)は把持鉗
子の挿入部の基端部付近の断面図,(b)は(a)の矢
印B方向から見た図
【図5】本発明の第1実施例に係わり、本発明の把持鉗
子を用いて生体内の処置をしている図
【図6】本発明の第2実施例に係わり、把持鉗子の挿入
部の先端部分の断面図
【図7】本発明の第3実施例に係わり、把持鉗子の挿入
部の先端部分の断面図
【図8】本発明の第3実施例に係わり、把持鉗子の全体
【図9】本発明の第4実施例に係わり、把持鉗子の挿入
部の基端部付近の断面図
【図10】本発明の第4実施例に係わり、湾曲棒の全体
【図11】本発明の第4実施例に係わり、把持鉗子の全
体図
【図12】本発明の第4実施例に係わり、把持鉗子の全
体図
【図13】本発明の第4実施例に係わり、湾曲棒と湾曲
棒ルーメンの断面図
【図14】本発明の第4実施例に係わり、(a)は湾曲
棒挿入口金の図,(b)は(a)の矢印C方向から見た
【図15】本発明の第5実施例に係わり、本発明の処置
具シース部の断面図
【図16】本発明の第5実施例に係わり、本発明の処置
具の全体図
【図17】本発明の第5実施例に係わり、湾曲棒の全体
【図18】本発明の第5実施例に係わり、(a)は湾曲
棒を処置具シース部に挿入した図,(b)は処置具をシ
ース部に挿入した図
【図19】本発明の第6実施例に係わり、(a)は把持
鉗子の挿入部の先端部分の断面図であり先端部分が直線
状態の図,(b)は把持鉗子の挿入部の先端部分の図で
あり先端部分が湾曲状態の図
【図20】本発明の第6実施例に係わり、把持鉗子の挿
入部の基端部付近の断面図
【図21】本発明のその他の実施例に係わり、把持鉗子
とその周辺機器の図
【図22】本発明のその他の実施例に係わり、生体管路
内にカテーテルを挿入した図
【図23】本発明のその他の実施例に係わり、高周波処
置具とその周辺機器の図
【図24】本発明のその他の実施例に係わり、カテーテ
ルの図
【図25】本発明のその他の実施例に係わり、カテーテ
ルの図
【図26】本発明のその他の実施例に係わり、カテーテ
ルの図
【図27】本発明のその他の実施例に係わり、カテーテ
ルの図
【図28】本発明のその他の実施例に係わり、カテーテ
ルの内部に設けられた任意の光ファイバの断面図
【図29】本発明のその他の実施例に係わり、カテーテ
ルの内部に設けられた任意の光ファイバの断面図
【図30】本発明のその他の実施例に係わり、カテーテ
ルの内部に設けられた任意の光ファイバの断面図
【図31】(a)は従来の把持鉗子を生体内に挿入した
図,(b)は従来の把持鉗子を生体内に挿入して湾曲部
を湾曲させた図
【符合の説明】
5 湾曲部 18 S棒ルーメン 19 湾曲棒ルーメン 20 送水ルーメン 21 廃液孔 22 操作軸 33 湾曲棒 26 把持部材 27 把持部材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内視鏡鏡視下又は内視鏡と組み合わせて生
    体内に挿入する挿入部を有する生体内処置具において、 設定温度以下では硬性になり設定温度以上では軟性にな
    る硬度可変樹脂材料を前記挿入部の少なくとも一部に用
    いることによって形成された湾曲部と、 前記湾曲部を加温または冷却する手段と、 前記湾曲部を湾曲させる手段と、 を具備することを特徴とする生体内処置具。
JP6058683A 1994-03-29 1994-03-29 生体内処置具 Withdrawn JPH07265320A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6058683A JPH07265320A (ja) 1994-03-29 1994-03-29 生体内処置具

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JP6058683A JPH07265320A (ja) 1994-03-29 1994-03-29 生体内処置具

Publications (1)

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JPH07265320A true JPH07265320A (ja) 1995-10-17

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