JP3602803B2 - 内視鏡湾曲管部の外皮の製造方法 - Google Patents

内視鏡湾曲管部の外皮の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば医療用に用いられている内視鏡湾曲管部の外皮の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に軟性の内視鏡には、例えば医療において、体腔内に挿入される可撓性の挿入部の一部に、湾曲可能な湾曲管部が配設されている。この種の内視鏡の湾曲管部には、湾曲可能な管状体である湾曲駒が挿入部の軸方向に複数個並設され、それぞれの湾曲駒の間に接続ピンを介して回動自在に連結されている。さらに、これら湾曲駒の連結体の外周面上には、金網等によって形成された網管であるブレードが配設されている場合もあるが、その外周面にはブレードの有無に関わらず、外皮が被覆されている。また、湾曲駒、あるいはブレードを被覆する場合の外径に対して、湾曲管部に装着される外皮の内径は小さく、装着後の弛みを防止するようになっている。
【0003】
また、内視鏡の湾曲管部に用いられているチューブ状の外皮の性能は、極力低硬度で、湾曲による伸縮が繰り返される中でもこれら湾曲駒の連結体あるいはブレードに貼り付くことなく摺動することが要求される。さらに、この外皮は、それ自身の内周面の摩擦抵抗が小さいことが要求される。これに加えて、この外皮の内周面に潤滑剤が塗布されたときの摩擦抵抗が小さいことが要求され、この外皮が摺動のような連続運動を行っても、潤滑剤がこの外皮の内周面に保持されることが要求される。このような外皮は、一般的には縦型の金型で同時に複数個形成されることが多く、エラストマーのような低硬度のゴム材で成形されている。
【0004】
このような外皮に関する従来技術としては、特許第2661097号公報に記載されている。これは、金型の内面を粗して梨地にし、外皮の外面に微細な凹凸を形成して低硬度のゴムの表面を滑り面として被観察体への挿入性を向上させ、この外面の粘着感を減少させたものである。この湾曲管部の外皮は、内面に梨地を設けた上型と下型との間にゴム材をコアピンに巻きつけた状態で配設され、これら上型と下型とを挟み込んで加圧、および加熱することによって成形されている。さらに、この金型のコアピンの表面は、平滑あるいは鏡面状となっているので、外皮の内周面は、平滑あるいは鏡面状となっている。
【0005】
また、外皮の内面に塗布され、この外皮と湾曲駒もしくはブレードとの間の摩擦抵抗を減少させる潤滑剤としては、従来から二硫化モリブデンのような硫化物系の潤滑剤が使用されている。
【0006】
ところで、例えば外科手術に用いられる内視鏡には、洗滌シースが組み合わされて用いられることがある。この洗滌シースは、内視鏡の対物レンズの汚れによる視野の減少を防止するものである。例えば、この挿入部の先端部にエラストマーで成形された軟性部が配設され、この軟性部の先端に先端部が設けられている場合、内視鏡の湾曲管部の外皮には、洗滌シースの弾性材である軟性部の部分が接する。そして、この洗滌シースの使用時には、外科手術前に内視鏡の外側に装着され、手術後には取り外されるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の外皮は、低硬度のエラストマーからなり、表面が平滑あるいは鏡面である。そして、これら湾曲管部の外径、あるいは湾曲管部の上にブレードを被覆した場合の外径に対して組み合わされる外皮の内径は、この外皮の装着後の弛みを防止するように、小さく成形されていることが多いので、このような内視鏡を操作し、湾曲管部を動作させていると、湾曲駒あるいはブレードと湾曲管部の外皮とが貼り付いて、これらが互いに摺動し難くなることがある。また、湾曲管部に貼り付いた状態で動作させる場合、例えば隣り合った湾曲駒の隙間にこの外皮が落ち込んで、外皮の肉部が挟まれることがあり、この外皮が引き裂かれることに繋がる恐れがある。
【0008】
また、内視鏡を過酸化物系滅菌や高圧高温水蒸気滅菌させる場合には、亜流酸や硫酸を発生して酸化劣化を引き起こし、他の材料を腐食させ得る。さらに、潤滑剤、例えば窒化硼素は、例えば二硫化モリブデンに比べて外皮の内周面と湾曲駒あるいはブレード表面との付着性が劣るので、連続使用している間に潤滑剤がこれらの間から剥離して潤滑効果が低下し、摺動抵抗が大きくなり得る。
【0009】
さらに、この外皮を金型を用いて成形する際に、従来のような平滑あるいは鏡面のコアピンを用いると、キャビティとコアピンとの間にエラストマーが加圧充填され、加硫された後、この外皮はコアピンとキャビティとに貼り付いており、この金型を型開きするときには、この外皮をコアピンとキャビティとから剥離させ難くなっている。そのため、キャビティの内面とコアピンの表面とによって引っ張られ、外皮が引き裂かれることがある。あるいは、型開きが出来たとしても、この外皮がコアピンと強力に貼り付いているため、コアピンから剥離させ難い。さらに、この外皮は概して薄肉であるため、小さな外力で裂けることがあり、歩留まりを悪化させることとなっている。このような外皮の生産性は、特許第2661097号公報に記載されているような金型のキャビティ側を梨地にすることによっても、外皮とコアピンとの間の貼り付きを改善することはできない。
【0010】
さらに、金型のメインテナンスにおいて、特許第2661097号公報のように金型のキャビティ側を梨地にした場合には、成形を繰り返し行って梨地の凹凸が減少した場合、例えば再度ショットブラストなどのブラスト処理を行うと、外径が拡大していく傾向になり得る。このため、一定の寸法を維持して外皮を製造していくことには適していない。キャビティ側の交換を考えると金型の製作期間を要し、また費用も多くかかる事は容易に考えられる。
【0011】
さらに、内視鏡に外装されるシースをこの内視鏡に外装したときには、シースの軟性部と内視鏡の湾曲管部の外皮とが接することとなる。軟性部、湾曲管部の外皮ともにエラストマーで成形されているため、両者は互いに貼り付きやすく、シースを取り外すことが困難になり得、シースを破損することがある。
【0012】
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、外皮およびシース製造時の金型からの剥離性を良くして外皮およびシースの歩留まりを向上させることができ、湾曲管部の外皮の内周面と湾曲駒あるいはブレードとの間の貼り付きを防止し、あるいはシースの軟性部の内周面と湾曲管部の外皮の外表面との間の貼り付きを防止し、並びにこれらの間に塗布される潤滑剤をよく保持させることができる内視鏡湾曲管部の外皮の製造方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、内視鏡湾曲管部のチューブ状の外皮の製造方法は、内視鏡湾曲管部の外皮チューブを成形する金型のコアピンの表面を、ブラスト処理、あるいは化学的な処理で粗して微細な凹凸の形成面を成形する表面処理工程と、前記金型を前記外皮の成形に用い、前記外皮の内周面に前記凹凸の形成面を転写する外皮成形工程とを具備したことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。まず、図1ないし7を用いて第1の実施の形態について説明する。
【0021】
一般的な内視鏡1は、図1に示されている。この内視鏡1は、例えば体腔のような管腔内に挿入するため、細長で軟性の挿入部2と、この挿入部2の基端に接続された操作部3とを有する。そして、この挿入部2は、細長く、可撓性を有する可撓管部4と、この可撓管部4の先端に接続された湾曲管部5と、この湾曲管部5の先端に接続された先端部6とによって構成されている。また、湾曲管部5および先端部6の断面は、図2に示されている。この湾曲管部5は、管状となっている複数の湾曲駒7がそれぞれ回動可能に接続され、これら湾曲駒7の外周には、金網などによって形成された網管であるブレード8が設けられ、さらに、潤滑剤9が塗布された後、このブレード8の外周には、外皮10が設けられている。また、操作部3には、内視鏡1の湾曲操作を行う操作ノブ3aが設けられている。
【0022】
この外皮10を成形するための成形機11は、図3に示されている。この成形機11は、外皮10の金型12と、この金型に圧力を与える油圧シリンダ13と、この金型12に熱を与えるヒーター14,15とを備え、油圧シリンダ13の上昇によってこの金型12に型締め圧力を与え、ヒーター14,15で加熱して成形されている。また、この金型12の断面は、図4ないし6に示されている。図4に示されているように、この金型12は、この金型12の上蓋の役割をするポット型16と、上型17と、外皮が形成される本型18と、下蓋の役割をする下型19とを有する。また、この本型18には、複数のキャビティ18aが備えられている。さらに、下型19は、複数のコアピン20を保持するように設けられている。これらコアピン20の表面は、表面処理、例えばショットブラストのようなブラスト処理によって、表面粗さRyが10μmとなるように処理されている。
【0023】
金型12のポット型16を開いて、外皮10形成材であるエラストマー21がこのポット型16と上型17との間に挿入された状態は、図5に示されている。また、このポット型16が加圧された状態は、図6に示されている。図中、矢印方向に型締め圧力が与えられることによって、このエラストマー21は、ポット型16によって押圧され、スプルー22、ランナー23を通り、さらにゲート24を経て、本型18とコアピン20との間のキャビティ18aに注入される。このようなエラストマー21は、所定時間型締め圧力、並びに与えられた温度が保たれることによって外皮10が成形され、加硫される。
【0024】
このように加硫された後、金型12を開いて、キャビティ18aあるいはコアピン20から取り外された湾曲管部の外皮10は、図7に示されている。この時点で、この外皮10の内周面には、10μmの表面粗さRyを有する凹凸が転写されている。即ち、この外皮10の内周面には、他の部材との貼り付きを防止する貼り付き防止処理面(以下、処理面という)10aが設けられている。この外皮10は、その後2次加硫され、エラストマー21中の余分な成分を分解除去する。このようにして、内周面が処理面10aである湾曲管部5の外皮10が製造される。
【0025】
以下の表1には、従来の平滑あるいは鏡面の内周面を有する湾曲管部の外皮と、本実施の形態による内周面が処理面10aである外皮10との間の部品単体での摺動性を比較した結果が示されている。
【0026】
【表1】
Figure 0003602803
【0027】
試験は、表面性試験機(例えば、HEIDONトライボギアTYPE22H)を用いて、垂直荷重100g、移動速度100mm/分で切り裂いた外皮10を平面圧子(図示せず)で挟み、ブレード8を想定した厚さ1mmのステンレス板(図示せず)との間の摩擦係数μを50往復させた時の値で比較した。表1に示されているように、内周面が処理面10aである外皮10は、従来の外皮に比べて摩擦係数μが低く、摺動性が良いことがわかる。
【0028】
次に、このような外皮10を湾曲管部5に装着し、内視鏡1の操作部3を操作して湾曲管部5を動作させたときの外皮10と湾曲駒7もしくはブレード8との間の潤滑剤9の保持性について説明する。図1に示されているように、この内視鏡1は、操作部3の操作ノブ3aを操作することによって湾曲管部5と先端部6とを動作させることができる。図中、θは、先端部6をニュートラルな位置から上方に最大に湾曲させたときの上最大湾曲角度であり、また、θは、先端部6をニュートラルな位置から下方に最大に湾曲させたときの下最大湾曲角度である。また、図中、αは、湾曲角度が0のニュートラル位置であり、βは、湾曲管部5をニュートラル位置から上方に最大に湾曲させたときの上最大湾曲位置であり、さらに、γは、湾曲管部5をニュートラル位置から下方に最大に湾曲させたときの下最大湾曲位置である。湾曲管部5の外皮に従来の製品を用いると、内視鏡1の湾曲操作を繰り返し行った場合、これら上最大湾曲角度θと下最大湾曲角度θとは次第に減少する。このような角度の減少は、例えば、医療における手術者の視野の減少を引き起こし得る。本実施の形態では、これら角度θおよびθの減少幅が小さく、手術者に十分な視野を提供することができる。このように、外皮の内周面の状態は、内視鏡1の操作性に大きな影響を及ぼす。
【0029】
また、内視鏡の規格においては、上最大湾曲角度θおよび下最大湾曲角度θとも、150度を越えることが求められている。以下の表2には、外皮10と湾曲駒7もしくはブレード8との間の潤滑剤9としてカーボングラファイトを用いて湾曲操作を300回繰り返した後の上最大湾曲角度θおよび下最大湾曲角度θを外皮の内周面状態ごと(平滑な内周面を有する従来の外皮、および内周面が処理面10aである外皮10)について調べた結果が示されている。ここでいう1回繰り返しとは、この内視鏡1の先端部6をニュートラル位置αからβ、βからα、αからγ、γからαに移動させる一連の湾曲操作のことをいう。即ち、300回繰り返したとは、このような操作を300回行ったということである。なお、この試験開始時(1回繰り返したとき)の上最大角度θおよび下最大角度θは170度であった。
【0030】
【表2】
Figure 0003602803
【0031】
表2に示されている結果のように、内周面が処理面10aである本実施の形態の外皮10が規格の角度150度を上回ったのに対し、平滑な内周面を有する従来の外皮は150度を下回った。また、この湾曲操作を300回繰り返した内視鏡1の先端部6を分解して、外皮10に付着している潤滑剤9の付着状態を観察したところ、従来の外皮では、この内周面にほとんど付着していなかったのに対し、内周面が処理面10aである外皮10では潤滑剤9の付着の残留が良好であった。この結果からも潤滑剤9の保持性は、内周面が処理面10aである外皮10で良好であることがわかる。また、このように潤滑剤9の保持性が良好なので、これらの間の摺動性も従来の外皮に比較して良好である。
【0032】
ここでは、金型のコアピンの表面を粗くする手段としてブラスト処理を用いたが、化学的な処理を行ってコアピンの表面を粗くしてもよい。また、外皮10の内周面の処理面10aの表面粗さRyが10μmとなるように処理したが、この表面粗さRyは、3ないし50μmとなるように処理することが好ましい。この表面粗さRyが50μmを越えると、この外皮の肉厚を0.05mm程度減らすこととなり、引き裂きに対して弱くなる傾向を有する。一方、表面粗さRyが3μm未満の場合には、十分な凹凸が外皮の内周面に転写されず、この外皮の内周面と湾曲駒もしくはブレードとの間の貼り付きを防止することができない。
【0033】
さらに、湾曲管部の外皮の製造時に、この外皮を剥離させた場合の外皮が破損する割合を調べた結果を以下に記す。
【0034】
この対象とした外皮は、内径が2mmで肉厚が0.2mm、長さが60mmのもので、肉厚が薄いことから引き裂きによる破損が起こりやすい物である。ここでは、表面粗さRyを10μmとした。従来の内周面が平滑な外皮は100本中、18本が破損したのに対して、内周面が処理面10aである外皮は100本中、8本の破損と、破損の発生率が減少した。このように、本実施の形態では、コアピンから容易に剥離させることができることによって、外皮の破損発生率を大きく減少させる効果がある。
【0035】
次に、図8を用いて第2の実施の形態について説明する。
【0036】
図8は、例えば湾曲付き硬性電子内視鏡30(以下、内視鏡という)の挿入部31に着脱自在に外装可能で、内視鏡の湾曲部に対応した部分が屈曲可能な軟性部で構成された、内周面に微小な凹凸を有するシース32について示されている。ここで、内視鏡30は、細長の挿入部31と、この挿入部31の基端に接続された操作部33とを有する。また、この挿入部31の先端には、湾曲管部34と、この湾曲管部34の先端に接続された先端部35とが配設されている。また、シース32は、シース挿入部36と、このシース挿入部36の基端に接続された本体37とをする。このシース挿入部36は、先端に軟性部38を有し、さらにこの軟性部38の先端に先端部39を有する。この軟性部38をエラストマーで成形する場合も、上記実施の形態と同様に、金型のコアピンを例えばショットブラストのようなブラスト処理、あるいは化学的な処理で表面を粗くして、例えば10μmのように微細な凹凸を備え、この凹凸を軟性部38に転写している。即ち、この軟性部38の内周面には、他の部材との貼り付きを防止する貼り付き防止処理面(以下、処理面という)が設けられている。
【0037】
図8中の矢印のように、このシース32を内視鏡30に外装すると、このシース挿入部36は、内視鏡30の挿入部31と重なり、本体37は操作部33と重なるように装着される。シース挿入部36の先端部39は、内視鏡30の先端部35と重なるように装着され、シース挿入部36の軟性部38は、内視鏡30の湾曲管部34、および先端部35と重なるように装着される。
【0038】
この内視鏡30とシース32との間の着脱性を比較するために、シース32の軟性部38に従来の平滑な内周面を有するシースを使用した場合と、内周面が処理面であるシース32(Ry10μm)を使用した場合とで、それぞれ50回の着脱試験を行った。その結果、従来のシースが15回で貼り付いてシースが破損したのに対し、内周面が処理面であるシース32を装着した場合は、50回でも貼り付かなかった。この結果から、内周面が処理面であるシース32は、従来のシースと比較して内視鏡30の挿入部31との間の摺動性が良好であることがわかる。
【0039】
また、シース32の内周面の処理面の表面粗さRyは10μmとなるように処理したが、この表面粗さRyは、3ないし50μmとなるように処理することが好ましい。この表面粗さが50μmを越えると、このシース32の肉厚を0.05mm程度減らすことなり、シース32の内周面と内視鏡30の挿入部31との間の摺動に対してこのシース32が弱くなる傾向を有する。一方、表面粗さが3μm未満の場合には、十分な凹凸がこのシース32の内周面に転写されず、このシース32の内周面と内視鏡30の挿入部31との間の貼り付きを防止することができない。
【0040】
これまで、いくつかの実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。上記説明によれば、下記の事項の発明が得られる。また、各項の組み合わせも可能である。
【0041】
[付記]
1.内視鏡の湾曲管部の外周に設けられる湾曲管部外皮において、外皮の内面に微細な凹凸を形成したことを特徴とする内視鏡装置。
【0042】
2.更にその凹凸が表面粗さRyにおいて3μmから50μmの範囲にあることを特徴とする付記項1に記載の内視鏡装置。
【0043】
3.湾曲管部外周に設けられた湾曲管部外皮を有する内視鏡と、内視鏡挿入部に着脱自在に外装組付け可能で、内視鏡湾曲部に対応した部分が屈曲可能な軟性部が構成されたシースを有する内視鏡装置において、シースの軟性部の内面に微細な凹凸を形成したことを特徴とする内視鏡装置。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、外皮およびシース製造時の金型からの剥離性を良くして外皮およびシースの歩留まりを向上させることができ、湾曲管部の外皮の内周面と湾曲駒あるいはブレードとの間の貼り付きを防止し、あるいはシースの軟性部の内周面と湾曲管部の外皮の外表面との間の貼り付きを防止し、並びにこれらの間に塗布される潤滑剤をよく保持させることができる内視鏡湾曲管部の外皮の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかる内視鏡の概略的な説明図。
【図2】第1の実施の形態にかかる内視鏡の湾曲管部および先端部の概略的な断面図。
【図3】第1の実施の形態にかかる外皮の成形機の説明図。
【図4】第1の実施の形態にかかる外皮を成形する金型の概略的な断面図。
【図5】第1の実施の形態にかかる金型の中に外皮を形成するエラストマーが挿入されたことを示す概略的な断面図。
【図6】第1の実施の形態にかかる金型に圧力を与えられた場合にエラストマーが型に流入したことを示す概略的な断面図。
【図7】第1の実施の形態にかかるエラストマーが型に流入してできた外皮の概略的な断面図。
【図8】第2の実施の形態にかかる内視鏡にシースを外装する場合の概略的な説明図。
【符号の説明】
1…内視鏡、2…挿入部、3…操作部、3a…操作ノブ、4…可撓管部、5…湾曲管部、6…先端部、7…湾曲駒、8…ブレード、9…潤滑剤、10…外皮、10a…処理面

Claims (1)

  1. 内視鏡湾曲管部のチューブ状の外皮を成形する金型のコアピンの表面を、ブラスト処理、あるいは化学的な処理で粗して微細な凹凸の形成面を成形する表面処理工程と、
    前記金型を前記外皮の成形に用い、前記外皮チューブの内周面に前記凹凸の形成面を転写する外皮成形工程とを具備したことを特徴とする内視鏡湾曲管部の外皮の製造方法
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