JPH08243107A - 管腔臓器治療具 - Google Patents

管腔臓器治療具

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JPH08243107A
JPH08243107A JP5287495A JP5287495A JPH08243107A JP H08243107 A JPH08243107 A JP H08243107A JP 5287495 A JP5287495 A JP 5287495A JP 5287495 A JP5287495 A JP 5287495A JP H08243107 A JPH08243107 A JP H08243107A
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sheet
metal wire
resin
luminal organ
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JP5287495A
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Takashi Kitaoka
孝史 北岡
Makoto Takahashi
誠 高橋
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Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】金属線材を束ね、編み、織り、組み等の処理を
したシート状基材からなる管腔臓器治療具において、金
属線材の飛び出しおよびめくれ上がりを防ぐ。 【構成】金属線材2をからなるシート状基材に基材目止
め用樹脂13を被覆し、さらに金属線材2の自由端部お
よび基材目止め用樹脂13が金属線材2の自由端部を被
覆した領域を端部被覆用樹脂12で被覆した。また、金
属線材2を平面上に渦巻状に巻いたシート状基材に基材
目止め用樹脂13を被覆した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血管、気管、胆管等の
管腔臓器内の損傷および疾患を治療するための医療用具
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、血管等の管腔臓器内の損傷および
疾患に対して治療を行うには、外科的な手術を行って治
療する、あるいは人工血管等の人工物で置換するといっ
た高侵襲な方法が行われてきた。また、最近になって低
侵襲な治療を目指して、解離性動脈瘤の疾患に対しては
経カテーテル的に血管内に筒状またはフィルム状の管腔
臓器治療具を単独あるいはステントと共に挿入してエン
トリー部を塞ぐという方法が考案され、その開発が進ん
でいる。
【0003】筒状またはフィルム状の管腔臓器治療具を
単独で使用するものとしては、例えば血管の治療におい
ては超弾性金属の板材をそのまま筒状にしたもの、また
は超弾性金属の板材に抗血栓性材料等による表面処理を
行ってから筒状にしたものを血管内に経カテーテル的に
挿入し、金属自身の拡張力で血管内に固定させ、管腔を
確保するというもの(米国特許第5,306,294号
参照)、あるいは超弾性金属の線材を同種の金属線材ま
たは合成樹脂の線材と編み、織り等の方法で布状物と
し、さらに円筒状物としてから血管内に挿入し、金属自
身の拡張力で血管内に固定させ、管腔を確保するといっ
たものが考案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述した金属の基材を
用いた管腔臓器治療具において、弾性金属の板材を用い
たものでは、一様な材質であるために拡張の仕方および
拡張力が全体で均一であるが、管腔臓器内壁の凹凸部に
対しては順応ができないという欠点がある。これに対し
て、金属の線材を編み、織り、組み等の処理によりシー
ト状に成形加工したものでは、逆に管腔臓器内壁の凹凸
部に対してかなり順応できるものの、管腔臓器治療具の
端部からの金属線材の飛び出しまたはめくれ上がりの危
険性や金属線材同士の重なりによって厚みが増してしま
うといった欠点が考えられる。
【0005】そこで本発明は前記の管腔臓器治療具の長
所および短所を考慮して、金属線材を用いて管腔臓器内
壁の凹凸部に順応可能で、かつ金属線材の飛び出しおよ
びめくれ上がりを防いだ形態の管腔臓器治療具を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題は以下の本発明
によって達成される。 (1)シート状成形物を円筒形状に丸めることによって
得られ、該円筒形状の径方向に拡張する管腔臓器治療具
において、金属線材を束ね、編み、織り、組み等の処理
をすることにより得られたシート状基材を基材目止め用
樹脂で被覆し、更に該シート状基材の金属線材の自由端
部および/または少なくとも該基材目止め用樹脂が該金
属線材の自由端部を被覆した領域を端部被覆用樹脂で被
覆したことを特徴とする管腔臓器治療具。 (2)金属線材を束ね、編み、織り、組み等の処理をす
ることにより得られたシート状基材を基材目止め用樹脂
で被覆し、次に該シート状基材の金属線材の自由端部お
よび/または少なくとも該基材目止め用樹脂が該金属線
材の自由端部を被覆した領域を端部被覆用樹脂で被覆し
てシート状成形物を得て、該シート状成形物を円筒形状
に丸めることによって得られる管腔臓器治療具の製造方
法。 (3)シート状成形物を円筒形状に丸めることによって
得られ、該円筒形状の径方向に拡張する管腔臓器治療具
において、金属線材を平面上に渦巻状に巻くことにより
得られたシート状基材を基材目止め用樹脂で被覆したこ
とを特徴とする管腔臓器治療具。 (4)金属線材を平面上に渦巻状に巻き、得られた金属
線材のシート状基材を基材目止め用樹脂で被覆してシー
ト状成形物を得て、該シート状成形物を円筒形状に丸め
ることによって得られる管腔臓器治療具の製造方法。
【0007】本発明に使用する金属線材としては、生体
適合性の良い金属であれば特に限定されることなく使用
可能である。好ましくは、弾性を有する金属が良い。具
体的には、Ni−Ti合金、Ti−Pd合金、アモルフ
ァス金属等の弾性金属が挙げられ、さらに、弾性記憶処
理を行えるものを使用しても良い。また、本発明におい
ては、これらの金属線材を単独で使用しても、二種以上
のものを複合化して使用しても良い。また、金属線材を
シート状基材に成形する方法において、束ね、編み、織
り、組み等の処理方法については特に限定されず、公知
の方法を使用することが可能である。また、得られたシ
ート状基材は、高熱炉等により加熱処理し、弾性記憶処
理して使用しても良い。
【0008】さらに、本発明におけるシート状基材の材
質として、金属線材の単独使用以外にもポリエチレンテ
レフタレート(以下PETと略す)等の合成樹脂の線材
と複合化して使用しても良い。
【0009】本発明に使用する基材目止め用樹脂として
は、熱可塑性エラストマー等の合成樹脂が挙げられる
が、生体適合性が良く、管腔臓器内壁を傷つけないよう
な平滑性を有することが好ましく、具体的には、エチレ
ン−プロピレンコポリマー(以下EPMと略す)、エチ
レン−プロピレン多ポリマー(以下EPDMと略す)、
スチレン−エチレン−ブテン−スチレン系ポリマー(以
下SEBSと略す)等が挙げられる。また、基材目止め
用樹脂を成形する過程を考慮して使用する基材目止め用
樹脂の融点の範囲は、160〜200℃が好ましい。ま
た、前記と同様な性質を有するものであれば天然ゴム等
の天然樹脂を使用しても良い。基材目止め用樹脂を被覆
することによりシート状基材の金属線材の束ね、編み、
織り、組み等の構造を維持させ、また、金属線材により
管腔臓器内壁を傷つけることを防ぐことが可能である。
【0010】本発明に使用する端部被覆用樹脂として
は、熱可塑性エラストマー等の合成樹脂が挙げられる
が、生体適合性が良く、管腔臓器内壁を傷つけないよう
な平滑性を有し、さらに、端部被覆用樹脂を被覆したシ
ート状成形物を丸めた時に金属線材の自由端部の飛び出
しおよびめくれ上がりに耐えられる硬さを有することが
好ましく、具体的には、ポリカーボネート、ポリアセタ
ール等が挙げられる。さらに、端部被覆用樹脂を成形す
る過程を考慮して使用する端部被覆用樹脂の融点の範囲
は、160〜200℃が好ましい。また、前記と同様な
性質を有するものであれば天然ゴム等の天然樹脂を使用
しても良い。また、基材目止め用樹脂との相溶性を有す
ることが好ましい。さらに、本発明に使用する基材目止
め用樹脂および端部被覆用樹脂は、同じ樹脂であっても
良い。
【0011】次に、本発明の管腔臓器治療具の製造方法
について例を挙げて説明するが、これらの方法に限定さ
れない。
【0012】第一の方法においては、シート状基材とし
て、単一の金属線材、または二種以上の金属線材、また
は金属線材と他種の材質の樹脂の線材を公知の方法等に
より束ね、編み、織り,組み等の処理で成形したものを
使用する場合について説明する。シート状基材の成形方
法としては、より薄いシート状に成形可能なようになる
べく線材同士が重ならないような束ね、編み、織り、組
み等の方法が良く、具体的には、線材を平行に並べる等
の方法が挙げられる。
【0013】得られたシート状基材に基材目止め用樹脂
を被覆する方法は熱成形、加圧成形、接着成形などが挙
げられるがこれらの方法に限定されない。具体的には、
得られたシート状基材を基材目止め用樹脂のシートで両
側から挟み、ヒーター付き油圧プレス機等を用いて被覆
する方法が表面上に平滑性を与える等の点から好まし
い。この時の溶融温度、冷却温度、圧力等の成形条件
は、使用する基材目止め用樹脂特有の融点、弾性率、溶
融粘度等の物性値を考慮した条件で行うことが好まし
い。
【0014】次に、基材目止め用樹脂を被覆したシート
状成形物の不要な端部を切断し、その後、切断された端
部を端部被覆用樹脂で両側から挟み、ヒーター付き油圧
プレス機等を用いて被覆する。この時、端部被覆用樹脂
で被覆する部位は、金属線材の自由端部および基材目止
め用樹脂が金属線材の自由端部を被覆した領域である。
【0015】また、前記の基材目止め用樹脂をシート状
基材に被覆する方法の別な例としては、基材を基材目止
め用樹脂溶液に浸漬した後、乾燥させる方法が挙げられ
る。この時の浸漬条件、乾燥条件は、基材目止め用樹脂
の融点、溶媒に対する溶解度等の物性値を考慮した条件
で行うことが好ましい。最後に、基材目止め用樹脂およ
び端部被覆用樹脂に被覆されたシート状成形物は、円筒
形状に丸められ管腔臓器治療具として使用される。
【0016】第二の方法においては、金属線材が全く重
ならないように薄いシート状に成形し、管腔臓器治療具
を製造する方法の一例を図1〜3に基づいて説明する。
ここで、図1は、本発明の管腔臓器治療具21の製造方
法の一部である櫛状治具1に金属線材2を重ねることな
く巻き付けた状態を示す斜視図である。また、図2は、
本発明の管腔臓器治療具21の製造方法の一部である櫛
状治具1により成形された金属線材2に基材目止め用樹
脂13および端部被覆用樹脂12を被覆したシート状成
形物11を示す斜視図である。また、図3は、本発明の
管腔臓器治療具21の使用形態の一例を示す斜視図であ
る。
【0017】櫛状治具1の材質は、金属線材2のシート
状基材に基材目止め用樹脂13および端部被覆用樹脂1
2を被覆した後に基材目止め用樹脂13および端部被覆
用樹脂12を容易に剥がすことが可能なように、テフロ
ン製のものまたはテフロンでコーティングしたものが好
ましい。また、その形状は、使用する金属線材2の外径
とほぼ等しい幅の溝3を等間隔に複数個設けたものであ
る。まず、櫛状治具1に金属線材2を金属線材自身にか
ける張力を一定にして巻き付ける。
【0018】また、引き続き前記の櫛状治具1に巻き付
けた金属線材2に弾性記憶処理を施す場合には、櫛状治
具1に巻き付けた金属線材2を櫛状治具1ごと炉に入
れ、加熱処理する。この時の温度、時間等の加熱条件
は、使用した金属線材特有の弾性率、熱膨張率等の物性
値を考慮した条件で行うことが好ましい。加熱処理後、
そのまま炉の中で徐冷した後、金属線材2を櫛状治具1
から取り外す。この時の温度、時間等の冷却条件も使用
する金属線材特有の弾性率、熱膨張率等の物性値を考慮
した条件で行うことが好ましい。
【0019】続いて、金属線材2を巻き付けた櫛状治具
1に基材目止め用樹脂13のシートを両側から挟み、ヒ
ーター付き油圧プレス機等を用いて被覆し、その後、櫛
の付け根付近で金属線材2を切断して櫛状治具1から取
り外し、不要な基材目止め用樹脂部分を切断する。その
後、切断した端部を端部被覆用樹脂12で両側から挟
み、ヒーター付き油圧プレス機等を用いて被覆する。こ
の時、端部被覆用樹脂12で被覆する部位は、金属線材
2の自由端部および基材目止め用樹脂13が金属線材2
の自由端部を被覆した領域である。最後に、基材目止め
用樹脂13および端部被覆用樹脂12に被覆されたシー
ト状成形物11は、円筒形状に丸められ管腔臓器治療具
21として使用される。
【0020】第三の方法においては、金属線材が全く重
ならずかつその自由端部が少なくなるように成形し、管
腔臓器治療具を製造する方法の一例を図4〜6に基づい
て説明する。また、この方法は、弾性記憶処理の可能な
金属線材に弾性記憶処理しながら成形する時にも有効で
ある。ここで、図4は、本発明の管腔臓器治療具41の
製造方法の一部である両板型治具31に金属線材2を重
ねることなく巻き付けた状態を示す正面図である。ま
た、図5は、本発明の管腔臓器治療具41の製造方法の
一部である両板型治具31に金属線材2を重ねることな
く巻き付けた状態を示し、さらに両板型治具31の上板
32を取り除いた状態を示す平面図である。また、図6
は、本発明の管腔臓器治療具41の使用形態の一例を示
す斜視図である。
【0021】この時、上板32と下板33の間隔は、使
用する金属線材2の外径とほぼ等しい間隔であることが
望ましく、その二枚の板32および33をその面に垂直
な二本の支持棒34で固定した両板型治具31に金属線
材2を二枚の板32および33の隙間で二本の支持棒3
4の周りに金属線材2を金属線材自身にかける張力を一
定にして巻き付ける。これにより自由端部が少ない渦巻
状の基材を作製することが可能である。
【0022】引き続き前記の両板型治具31に巻き付け
た金属線材2に弾性記憶処理を施す場合には、両板型治
具31に巻き付けた金属線材2を両板型治具31ごと炉
に入れ、加熱処理する。この時の温度、時間等の加熱条
件は、使用した金属線材特有の弾性率、熱膨張率等の物
性値を考慮した条件で行うことが好ましい。加熱処理
後、そのまま炉の中で徐冷した後、金属線材2を両板型
治具31から取り外す。この時の温度、時間等の冷却条
件も使用する金属線材特有の弾性率、熱膨張率等の物性
値を考慮した条件で行うことが好ましい。
【0023】続いて、両板型治具31から金属線材2を
取り外した後、得られたシート状基材に基材目止め用樹
脂13のシートを両側から挟み、ヒーター付き油圧プレ
ス機等を用いて被覆し、その後、不要な基材目止め用樹
脂部分を切断する。この時、金属線材2の自由端部が少
ないために基材目止め用樹脂13を被覆し、シート状基
材を固定化するだけで金属線材2の自由端部の飛び出し
およびめくれ上がりを防ぐことが可能であり、さらに切
断した端部を端部被覆用樹脂で被覆する必要はない。場
合によっては、金属線材2の自由端部のみを端部被覆用
樹脂で被覆しても良い。
【0024】次に、前記方法により作製した管腔臓器治
療具の使用方法の一例の詳細な説明を部分断面図である
図7に基づいて行う。
【0025】まず、図7に示したような管腔臓器治療具
挿入用カテーテル51の外筒53の先端開口部内に前記
方法により作製し、円筒形状に丸められた管腔臓器治療
具52を外筒53内に挿入する。管腔臓器治療具挿入用
カテーテル51を管腔臓器内に挿入し、管腔臓器治療具
挿入用カテーテル51の先端が患部に達したところで押
し棒54を押し込むかまたは外筒53を手前に引いて管
腔臓器治療具52を管腔臓器内で押し出し、拡張させ
る。弾性金属の金属線材や弾性記憶処理した金属線材を
用いた場合にはその自己拡張性により拡張させる。
【0026】最後に、本発明の管腔臓器治療具は、血
管、気管、胆管等の管腔臓器内の損傷および疾患の治療
に応用可能であるが特に限定されず管腔臓器であれば使
用可能である。
【0027】
【実施例】以下の実施例を示し、本発明を更に詳細に説
明する。
【0028】(実施例1)厚さ5mmのポリイミド製の
シートを20cm×20cmに切断し、図1に示したよ
うに溝3の幅が60μm、溝3の深さが100μm、溝
3のピッチが50μmの櫛状治具1を作製した。ここで
溝3の幅は溝3の凹部の面の治具面に平行な辺の長さ、
溝3のピッチは溝3の凸部の面の治具面に平行な辺の長
さを表す。これに外径50μmのNi−Ti線材2(T
OKIN(株)製)を5kgfの一定張力をかけながら巻
き付け、これにヒーター付き油圧プレス機を用いて18
0℃、無加圧、3分間保持後、180℃、100kg
f、2分間加圧の成形条件でEPDM樹脂13(三菱油
化(株)製 サーモラン)を溶融させながら被覆させた。
Ni−Ti線材2部分からはみ出した不要なEPDM樹
脂部分を切断して、長さ9cm、幅5cm、厚さ0.1
5mmのシート状成形物11を作製し、そのNi−Ti
線材2の自由端部を図2に示したようにヒーター付き油
圧プレス機を用いて180℃、無加圧、3分間保持後、
180℃、100kgf、2分間加圧の成形条件でポリ
アセタール樹脂12(旭化成(株)製 ラナテック)を溶
融させながら被覆させた。このシート状成形物11を図
3に示したように管腔臓器治療具21とするために円筒
形状に丸めた時、Ni−Ti線材2が管腔臓器治療具2
1から飛び出し、めくれ上がらないことを確認した。
【0029】(比較例1)Ni−Ti線材2の自由端部
をポリアセタール樹脂12(旭化成(株)製 ラナテッ
ク)で被覆しなかった以外は実施例1と同様にして長さ
9cm、幅5cm、厚さ0.15mmのシート状成形物
を作製した。実施例1と同様にシート状成形物を管腔臓
器治療具とするために円筒形状に丸めた時、全Ni−T
i線材の約1割が管腔臓器治療具から飛び出し、めくれ
上がるのを確認した。
【0030】(実施例2)実施例1と同様の方法で長さ
9cm、幅5cm、厚さ0.15mmのシート状成形物
11を作製し、実施例1と同様にシート状成形物11を
管腔臓器治療具21とするために円筒形状に丸めた。次
に、管腔臓器治療具挿入用カテーテル51の内径6mm
の外筒53に前記管腔臓器治療具21を挿入して、内径
20mm、内腔に1〜2mmの山の高さの凹凸部を有し
たシリコンゴム(ダウコーニング(株)製 サイラスティ
ック)製の管腔臓器モデルの中で管腔臓器治療具21を
拡張させた。この管腔臓器治療具21は管腔臓器モデル
の凹凸部に対して形状を順応させたことを目視により確
認した。
【0031】(比較例2)実施例2で用いたシート状成
形物の代わりに長さ9cm,幅5cm,厚さ0.07m
mの超弾性合金(日本非晶質金属(株)製 METGLA
S 2705M)の板材を用いた以外は実施例2と同様
にして管腔臓器モデルの中で超弾性合金製の管腔臓器治
療具を拡張させた。この場合では、凹凸部の前後で超弾
性合金製の管腔臓器治療具と管腔臓器モデルとの間に隙
間が生じたことを目視により確認した。
【0032】(実施例3)弾性記憶処理前の外径100
μmのNi−Ti線材2(TOKIN(株)製)を図4お
よび5に示したようにアルミ製の両板型治具31に平面
上に渦巻状になるように巻き付け、そのまま両板型治具
31ごと窒素封入下で500℃、4時間加熱して弾性記
憶処理を施した。二枚の板32および33の隙間は約1
10μmであった。徐冷後、両板型治具31からNi−
Ti線材2を取り出し、ヒーター付き油圧プレス機を用
いて180℃、無加圧、3分間保持後、180℃、10
0kgf、2分間加圧の成形条件でEPDM樹脂13
(三菱油化(株)製 サーモラン)を溶融させながら、被
覆させた。得られた長さ9cm、幅5cm、厚さ0.1
mmのサンプルシートを実施例1と同様に管腔臓器治療
具41とするために円筒形状に丸めた。次に、実施例2
と同様の実験を行った結果、管腔臓器モデルの凹凸部に
順応して管腔臓器治療具41が拡張することを目視によ
り確認した。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の管腔臓器
治療具は使用する単一の金属線材、または二種以上の金
属線材、または金属線材と他種の材質の樹脂線材を束
ね、編み、織り、組み等の処理により成形したものと基
材目止め用樹脂をフィルム状に固定化し、さらにその自
由端部および自由端部を含む基材目止め用樹脂を覆う領
域を端部被覆用樹脂で被覆したものから構成され、金属
線材の自由端部の飛び出しおよびめくれ上がりが無く、
さらにその厚みを薄くすることが可能である。また、安
定した拡張力を有し、かつ管腔臓器内壁の凹凸部に順応
可能な柔軟性を有するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の管腔臓器治療具の製造方法の一部であ
る櫛状治具に金属線材を重ねることなく巻き付けた状態
を示す斜視図である。
【図2】本発明の管腔臓器治療具の製造方法の一部であ
る櫛状治具により成形された金属線材に基材目止め用樹
脂および端部被覆用樹脂を被覆したシート状成形物を示
す斜視図である。
【図3】本発明の管腔臓器治療具の使用形態の一例を示
す斜視図である。
【図4】本発明の管腔臓器治療具の製造方法の一部であ
る両板型治具に金属線材を重ねることなく巻き付けた状
態を示す正面図である。
【図5】本発明の管腔臓器治療具の製造方法の一部であ
る両板型治具に金属線材を重ねることなく巻き付けた状
態を示し、さらに両板型治具の上板を取り除いた状態を
示す平面図である。
【図6】本発明の管腔臓器治療具の使用形態の一例を示
す斜視図である。
【図7】本発明の管腔臓器治療具の使用方法の一例を示
す部分断面図である。
【符号の説明】
1.櫛状治具 2.金属線材 3.溝 11.シート状成形物 12.端部被覆用樹脂 13.基材目止め用樹脂 21.管腔臓器治療具 31.両板型治具 32.上板 33.下板 34.支持棒 41. 管腔臓器治療具 51.管腔臓器治療具挿入用カテーテル 52.管腔臓器治療具 53.外筒 54.押し棒

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シート状成形物を円筒形状に丸めることに
    よって得られ、該円筒形状の径方向に拡張する管腔臓器
    治療具において、金属線材を束ね、編み、織り、組み等
    の処理をすることにより得られたシート状基材を基材目
    止め用樹脂で被覆し、更に該シート状基材の金属線材の
    自由端部および/または少なくとも該基材目止め用樹脂
    が該金属線材の自由端部を被覆した領域を端部被覆用樹
    脂で被覆したことを特徴とする管腔臓器治療具。
  2. 【請求項2】金属線材を束ね、編み、織り、組み等の処
    理をすることにより得られたシート状基材を基材目止め
    用樹脂で被覆し、次に該シート状基材の金属線材の自由
    端部および/または少なくとも該基材目止め用樹脂が該
    金属線材の自由端部を被覆した領域を端部被覆用樹脂で
    被覆してシート状成形物を得て、該シート状成形物を円
    筒形状に丸めることによって得られる管腔臓器治療具の
    製造方法。
  3. 【請求項3】シート状成形物を円筒形状に丸めることに
    よって得られ、該円筒形状の径方向に拡張する管腔臓器
    治療具において、金属線材を平面上に渦巻状に巻くこと
    により得られたシート状基材を基材目止め用樹脂で被覆
    したことを特徴とする管腔臓器治療具。
  4. 【請求項4】金属線材を平面上に渦巻状に巻き、得られ
    た金属線材のシート状基材を基材目止め用樹脂で被覆し
    てシート状成形物を得て、該シート状成形物を円筒形状
    に丸めることによって得られる管腔臓器治療具の製造方
    法。
JP5287495A 1995-03-13 1995-03-13 管腔臓器治療具 Pending JPH08243107A (ja)

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